JP2016518459A - オピオイドケタール化合物及びその使用 - Google Patents

オピオイドケタール化合物及びその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)、式(II)、または式(III)(式中、R1はHまたはCH3であり、R2はHまたはOHであり、nは0、1、2または3であり、R3及びR4は独立してH、または置換されていてもよいC1−C4アルキルであるか、またはnが0である場合、R3及びR4は、それらが結合する炭素原子と一緒に、C1−C4アルキルで一または二置換された6または7員環を形成する)のオピオイドケタール化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。また、本発明は、式(IV)または式(V)のオキシコドンケタール化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。また、本発明は、疼痛の治療、予防または寛解のための、前記化合物の使用に関する。【選択図】式I、II、III、IV、V

Description

本発明は医薬品化学の分野に関する。具体的には、本発明は、新規なオピオイドケタール化合物に関する。
疼痛管理の主要部位は中枢神経系(CNS)である。オピオイド受容体の主要な3つのクラス、μ(ミュー)、κ(カッパ)及びδ(デルタ)はCNS及びその周辺に分布している(Foss,J.F.,The American Journal of Surgery 182(Suppl.to November 2001):19S−26S(2001))。疼痛管理に関与する主要な受容体はμオピオイド受容体である (Foss,J.F.,同上)。
オピオイドアゴニストとしても知られるオピオイドは、前記オピオイド受容体と結合し、アヘンまたはモルヒネ様特性を示す一群の化合物である。オピオイドは、種々の医療適用のために広く投与されるが、主に強力な鎮痛薬として使用されている。オピオイド化合物の例としては、モルヒネ、オキシコドン、ヒドロモルホン、オキシモルホン、ヒドロコドン、レボルファノール、メタドン、メペリジン、フェンタニール、コデイン、プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ペンタゾシン及び ナルブフィンが挙げられるが、これらに限定されない。
オピオイド化合物の使用は、乱用及び流用を含む、多くの潜在的な副作用を有することが報告されている。
オピオイドの乱用の可能性を減少させる試みがなされてきた。例えば、過剰投与が発生した場合に、オピオイドアゴニストの作用を遮断するための種々のオピオイドアンタゴニストが開発されてきた。また、乱用抵抗性錠剤を製剤化する試みにおいては、錠剤を粉砕するか固めるときに、アンタゴニストが実質的に生物が利用可能になる、オピオイドアンタゴニストと一緒にオピオイド受容体アゴニストを含む種々の製剤が開発されてきた。
オピオイドの乱用の可能性を減少する他の代替手段としては、オピオイドプロドラッグの使用が挙げられる。オピオイドプロドラッグは、吸収、分布及び排泄に関するもの等、オピオイドとは異なる薬理学的特性を示し得る。例えば、米国特許第6,225,321号にはナルブフィンポリエステル誘導体が開示され;米国特許第7,230,005号には、吸収されにくいエステルプロドラッグまたは他のプロドラッグ誘導体のアヘン鎮痛剤の変換について開示され;米国特許出願公開第2008/0318905号には、乱用の傾向のある親薬剤のアミノ官能基にプロドラッグ部分を共有結合することについて開示され;米国特許出願公開第2009/0192095号には、1〜5個のアミノ酸長のペプチドにカルバメート結合を解して共有結合したオピオイド鎮痛薬を含むオピオイドプロドラッグが開示されている。
GB981046、及びLesterら,Tetrahedron 21:771−778(1965)には、いくつかのオピオイドケタール化合物、及びオキシコドンのエチレンケタール類似体の生物学的スクリーニングが開示されている。
当該技術分野においては、乱用または有害な副作用の可能性を減少しながら、効果的な鎮痛剤を提供する、改善されたオピオイドプロドラッグの要求がいまだにある。
本発明の一実施形態は、式I、式II及び式IIIで表わされる新規化合物、並びにその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の他の実施形態においては、本発明は、式IV及び式Vで表わされる新規化合物、並びにその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の他の実施形態においては、本発明は、式Iの化合物の少なくとも2種の立体異性体、またはその塩を含む混合物に関する。他の実施形態においては、本発明は、式IIIの化合物の少なくとも2種の立体異性体、またはその塩を含む混合物に関する。本発明の他の実施形態においては、本発明は、式IVの化合物の少なくとも2種の立体異性体、またはその塩を含む混合物に関する。本発明の他の実施形態においては、本発明は、式Vの化合物の少なくとも2種の立体異性体、またはその塩を含む混合物に関する。
他の実施形態においては、本発明は、治療的有効量の、式I、式II若しくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物に関する。他の実施形態においては、本発明は、治療的有効量の、式Iの化合物の少なくとも2種の異性体、若しくは式IIIの化合物の少なくとも2種の異性体、またはその薬学的に許容される塩の混合物を含む医薬組成物に関する。特定の実施形態においては、医薬組成物は経口剤形である。一実施形態においては、医薬組成物は固形経口剤形である。他の実施形態においては、医薬組成物は、液状経口剤形である。一実施形態においては、剤形は、短時間作用型として設計されている。他の実施形態においては、剤形は、放出制御型として設計されている。
他の実施形態においては、本発明は、治療的有効量の、式IV若しくは式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物に関する。他の実施形態においては、本発明は、治療的有効量の、式IVの化合物の少なくとも2種の異性体、若しくは式Vの化合物の少なくとも2種の異性体、またはその薬学的に許容される塩の混合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物に関する。特定の実施形態においては、医薬組成物は経口剤形である。一実施形態においては、医薬組成物は固形経口剤形である。他の実施形態においては、医薬組成物は、液状経口剤形である。一実施形態においては、剤形は、短時間作用型として設計されている。他の実施形態においては、剤形は、放出制御型として設計されている。
他の実施形態においては、本発明は、疼痛を治療、寛解または予防する方法であって、該治療、寛解または予防を必要とするほ乳動物に、式I、式II若しくは式IIIの化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法に関する。他の実施形態においては、本発明は、疼痛を治療、寛解または予防する方法であって、該治療、寛解または予防を必要とするほ乳動物に、式IV若しくは式Vの化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法に関する。特定の実施形態においては、投与は経口投与による。一実施形態においては、化合物は固形経口剤形である。他の実施形態においては、化合物は液状経口剤形である。一実施形態においては、剤形は、短時間作用型として設計されている。他の実施形態においては、剤形は、放出制御型として設計されている。
他の実施形態においては、本発明は、疼痛を治療、寛解または予防する方法であって、該治療、寛解または予防を必要とするほ乳動物に、本発明の医薬組成物を投与することを含む方法に関する。特定の実施形態においては、投与は経口投与による。一実施形態においては、化合物は固形経口剤形である。他の実施形態においては、化合物は液状経口剤形である。一実施形態においては、剤形は、短時間作用型として設計されている。他の実施形態においては、剤形は、放出制御型として設計されている。
他の実施形態においては、本発明は、式I、式II若しくは式IIIの化合物、またはその塩の製造方法に関する。他の実施形態においては、本発明は、式IV若しくは式Vの化合物、またはその塩の製造方法に関する。
他の実施形態においては、本発明は、疼痛の治療、寛解または予防に使用するための、式I、式II若しくは式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。他の実施形態においては、本発明は、疼痛の治療、寛解または予防に使用するための、式IV若しくは式Vの化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
他の実施形態においては、本発明は、疼痛の治療、寛解または予防のための薬剤の製造における、式I、式II若しくは式IIIの化合物、またはその塩の使用に関する。他の実施形態においては、本発明は、疼痛の治療、寛解または予防のための薬剤の製造における、式IV若しくは式Vの化合物、またはその塩の使用に関する。
前記概要及び下記詳細な説明は単に例示的であり、請求項に記載される本発明を限定するものではない。
以下の図面は例示としてのみ与えられ、したがって本発明の範囲を限定するものではない。
図1は、37℃で、疑似胃酸(SGF)(0.084N HCl中、0.2% NaCl及び0.32%ペプシン)、または0.1N HClを使用した、オキシコドン2,4−ペンタンジオールケタールの4種の異性体の混合物の加水分解、及びオキシコドン放出のグラフである。試料は、LCMSにより分析した。0.1N HClを使用する加水分解は、ヒトの胃中の酸性条件をシミュレーションする。SGFを使用する加水分解は、ペプシン酵素の存在により加水分解が影響を受けるかどうかを判断するための、0.1N HClとの比較を提供する。 図2は、37℃でSGFまたは0.1N HClを使用した、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールの4種の異性体の混合物の加水分解、及びヒドロコドンの放出のグラフである。 図3は、37℃で0.1N HClを使用した、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールの4種の異性体の混合物の加水分解、及びヒドロモルホンの放出のグラフである。 図4は、37℃における、0.1N HCl中のオキシコドンシス1,2−シクロヘキサンジメタノールケタールの異性体混合物の加水分解、及びオキシコドンの放出のグラフである。 図5は、37℃における、0.1N HCl中のヒドロコドン1,3−プロパンジオールケタールの加水分解、及びヒドロコドン放出のグラフである。 図6は、37℃における、0.1N HCl中のヒドロコドン2R,5R−ヘキサンジオールケタール、及びヒドロコドン2S,5S−ヘキサンジオールケタールの加水分解、及びヒドロコドン放出のグラフである。 図7は、式IVの化合物(オキシコドン2,4−ペンタンジオールケタール)H NMR(d6−DMSO)のスペクトルである。 図8は、式Vの化合物(オキシコドン1,3−ブタンジオールケタール)H NMR(d6−DMSO)のスペクトルである。 図9は、37℃で0.1N HClを使用した、式IVの化合物(IVA−IVD)の4種の異性体の混合物の加水分解、及びオキシコドンの放出のグラフである。 図10は、37℃で0.1N HClを使用した、異性体IVC及びIVDの加水分解、及びオキシコドンの放出のグラフである。 図11は、37℃で0.1N HClを使用した、式Vの化合物の4種の異性体の混合物の加水分解、及びオキシコドンの放出のグラフである。式Vの各異性体の立体化学は割り当てられていない。 図12は、潜在的な乱用者により使用される可能性のある「キッチンケミストリー」条件をシミュレートすることを意図している、100℃に加熱した場合の、5%酢酸中での、式IVの化合物(IVA−IVD)の4種の異性体の混合物の加水分解、及びオキシコドンの放出のグラフである。 図13は、100℃における、5%酢酸中での、式Vの化合物の4種の異性体の混合物の加水分解、及びオキシコドンの放出のグラフである。 図14は、37℃における、0.1N HCl中のオキシコドン3,5−オクタンジオールケタールの多数の異性体混合物の加水分解、及びオキシコドンの放出のグラフである。ケタール異性体は、LCMS条件下で2つの異なるピークに分解し、これを追跡した。 図15は、37℃における種々のpHの緩衝液中のヒドロコドン2R,4R−ペンタンジオールケタールの加水分解のグラフである。 図16は、37℃における種々のpHの緩衝液中のヒドロコドン2R,4R−ペンタンジオールケタールの加水分解のグラフである。
定義
本明細書で用いられる場合、「異性体」は、空間におけるそれらの原子の配向のみが異なる個々の分子の全ての異性体の総称である。異性体には、エナンチオマーと、互いの鏡像ではない1個以上のキラル中心を有する化合物の異性体(ジアステレオマー)とが含まれる。
「キラル中心」という用語は、4個の異なる基が結合している炭素原子を意味する。
「R配置」及び「S配置」という用語は、立体中心において、それぞれ時計回り、及び半時計回りを意味する。「エナンチオマー」または「エナンチオマーの」という用語は、その鏡像において重ねることができず、その結果、光学活性であり、1つのエナンチオマーが一方の方向に偏光面を回転させ、その鏡像のエナンチオマーが偏光面を反対の方向に回転させる分子を意味する。
「ラセミ」という用語は、エナンチオマーの等量混合物であり、その結果光学的不活性である混合物を意味する。
「分割」、「分割する」等の用語は、分子の2つのエナンチオマー形態のうちの1つの分離、濃縮または枯渇を意味する。
本明細書で用いられる場合、「式Iの化合物」という用語には、式Iの化合物のエナンチオマー及びジアステレオマー、並びにエナンチオマー及びジアステレオマーの混合物を含む全ての立体異性体(混合物中、一方のエナンチオマーまたはジアステレオマーが他方の異性体に過剰に含まれる混合物を含む)が含まれる。
本明細書で用いられる場合、「式IIIの化合物」という用語には、式IIIの化合物のエナンチオマー及びジアステレオマー、並びにエナンチオマー及びジアステレオマーの混合物を含む全ての立体異性体(混合物中、一方のエナンチオマーまたはジアステレオマーが他方の異性体に過剰に含まれる混合物を含む)が含まれる。
本明細書で用いられる場合、「式IVの化合物」という用語には、異性体IVA、IVB、IVC及びIVD、全てのエナンチオマー及びジアステレオマー、並びに式IVの化合物のエナンチオマー及びジアステレオマーの混合物(混合物中、一方のエナンチオマーまたはジアステレオマーが他方の異性体に過剰に含まれる混合物を含む)が含まれる。
本明細書で用いられる場合、「式Vの化合物」という用語には、異性体VA、VB、VC及びVD、全てのエナンチオマー及びジアステレオマー、並びに式Vの化合物のエナンチオマー及びジアステレオマーの混合物(混合物中、一方のエナンチオマーまたはジアステレオマーが他方の異性体に過剰に含まれる混合物を含む)が含まれる。
本明細書で用いられる場合、単数の用語「a」及び「the」は同義語であり、原語及び/または状況が明らかに示していない限り、「1以上」及び「少なくとも1」と互換的に使用される。本明細書で用いられる場合、「含む」は、包含する、構成されている、からなることを意味する。量、材料の比、材料及び/または使用の物理的性質を示す、本明細書における全ての数字は、そうでないことが明確に示されている場合を除き、「約」という用語で修飾されていると理解すべきである。
本明細書に開示されている本発明は、開示されている化合物の全ての塩を含むことも意図する。本明細書に開示されている本発明は、開示されている化合物の全ての薬学的に許容される塩を含むことも意図する。薬学的に許容される塩の非限定的な例としては、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、ギ酸塩、炭酸塩、スルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、またはp−トルエンスルホン酸塩等の無機及び有機塩が挙げられる。特に示さない限り、式Iの化合物、式IIの化合物、式IIIの化合物に対する以下の全ての言及は全ての薬学的に許容される塩を含むことも意図する。特に示さない限り、1以上の異性体IVA、IVB、IVC、IVD、VA、VB、VC及びVDを含む、式IVの化合物及び式Vの化合物に対する以下の全ての言及は全ての薬学的に許容される塩を含むことも意図する。
本明細書で用いられる場合、「発症を遅延する」または「遅延した発症」という用語は、同じ投与経路により同じ時間内に親オピオイドの対応する時間と比較し、 本発明の化合物によって提供される投与後の治療効果の開始のための時間が増大することを意味する。
本明細書で用いられる場合、「乱用の可能性を減少する」「減少した乱用の可能性」等の用語は、依然としてオピオイドの治療的に有効な用量を送達することが可能であることを特徴と指示されるように投与される場合に、親オピオイドと比較して、不適切な非医療用及び/または快楽を得るための投与について、本発明の化合物の可能性を減少することを意味する。
乱用の可能性または過剰投与の可能性に関して「減少した」、「縮小した」、「減少した」または「低下した」等の語句の使用は、当該技術分野において公知の乱用の可能性または過剰投与の1以上の標準的測定法により測定された、乱用の可能性または過剰投与の可能性において少なくとも約10%の減少を意味し、より大きい割合変化が、乱用の可能性及び過剰投与の可能性における減少にとって好ましい。例えば、減少は、25%、35%、45%、55%、65%、75%、85%、95%、96%、97%、98%または99%以上であってもよい。
本明細書で用いられる場合、それ自体で、または他の基の一部として使用される「C−Cアルキル」は、1〜4個、すなわち、1、2、3または4個の炭素原子を含む、または指定された数の炭素原子を含む、(すなわち、メチル等のCアルキル、エチル等のCアルキル、プロピルまたはイソプロピル等のCアルキル等)、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素を意味する。一実施形態においては、アルキル基は、直鎖状のC1−4アルキル基から選択される。他の実施形態においては、アルキル基は、分岐鎖状のC3−4アルキル基から選択される。他の実施形態においては、アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のC3−4アルキル基から選択される。非限定的な例示的C1−4アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、及びイソブチルが挙げられる。好ましいC1−4アルキル基はメチルまたはエチルである。
本明細書で用いられる場合、「置換されていてもよいC−Cアルキル」は、置換されていないか、またはハロ(F、Cl、BrまたはIから選択される)、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C−C−アルコキシ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C)アルキルアミノ、ハロ−C−C−アルコキシ、カルボキシ、カルボキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル等から独立して選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されている前記で定義されたアルキルを意味する。一実施形態においては、置換されていてもよいアルキルは2個の置換基で置換されている。他の実施形態においては、置換されていてもよいアルキルは1個の置換基で置換されている。
本明細書で用いられる場合、「オピオイド」という用語は、オピオイド受容体、特にμ(ミュー)、κ(κ)、δ(デルタ)及びORL1受容体と結合する化合物を意味する。好ましくは、本出願のオピオイドは、モルフィナンまたはベンゾモルファン骨格をベースとする、すなわち、モルフィナンまたはベンゾモルファン骨格の誘導体である。本出願で使用されるオピオイド化合物の例としては、モルヒネ、オキシコドン、ヒドロモルホン、オキシモルホン、ヒドロコドン、レボルファノール、メタドン、メペリジン、フェンタニール、コデイン、プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ペンタゾシン及びナルブフィンが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、本出願で使用されるオピオイド化合物は、モルヒネ、オキシコドン、ヒドロモルホン、オキシモルホン、ヒドロコドン、レボルファノール、コデイン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ペンタゾシン及びナルブフィンから選択される。
本明細書で用いられる場合、「オピオイド療法」という用語は、治療または予防のための対象へのオピオイドの投与を意味する。
式I、式II、式III、式IV、及び式Vの化合物
本発明の式I、式II、式III、式IV、または式Vの化合物は、オピオイドのケタール誘導体である。オピオイドは、オキシコドン、ヒドロコドン、オキシモルホン、またはヒドロモルホンであってもよい。式I、式II、式III、式IV、または式Vの化合物は、ほ乳動物への投与経路に基づいて別々に反応する。式I、式II、式III、式IV、及び式Vの化合物は、非経口投与(例えば、注射)または経粘膜投与(例えば、鼻腔内、口腔、舌下または吸入)のような不適切な経路により投与された場合、オピオイド活性は低い、または有しない。一方、式I、式II、式III、式IV、または式Vの化合物の経口経路による適切な投与は、消化(GI)管における加水分解によりオピオイドケタール誘導体を親オピオイドに変換することにより、有効なオピオイド活性をもたらすことができる。したがって、式I、式II、式III、式IV、または式Vの化合物は、経口投与された場合は、治療、寛解または予防を必要とするほ乳動物において、疼痛、特に慢性疼痛等の、オピオイド投与が有用であることが公知なあらゆる病状の治療、寛解または予防に有用であり、不適切な投与経路による意図的な乱用または意図的でない誤用を減少する。
式I、式III、式IV、及び式Vの特定の化合物は、それぞれ4種の可能な異性体を有している。意外にも、式I、式III、式IV及び式Vの異なる異性体は異なる割合で加水分解することがわかった。式I、式III、式IV及び式Vの異性体を製造して選択されたものを使用することにより、または混合物中で2種以上の特定の異性体を混合し、それらの相対比を調節して最適化することにより、及び親オピオイドの範囲の放出速度及びプロフィールを得ることができる。したがって、本発明の一実施形態においては、ほ乳動物において親オピオイドの所望の放出速度を達成するために式I、式III、式IV、または式Vの化合物の異性体の特定の混合物を使用することができる。
式Iの化合物は下記構造式:
(式中、RはHまたはCHであり、
はHまたはOHであり、
nは0、1、2または3であり、
及びRは独立してH、または置換されていてもよいC−Cアルキルであるか、またはnが0である場合、R及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒に、独立して選択されたC−Cアルキルで一または二置換されていてもよい5、6または7員環を形成し、*または**で標識された炭素原子は、独立してRまたはS配置である)
を有し、その薬学的に許容される塩を含む。
一実施形態においては、式Iの化合物は、RがCHであり、RがHであり、nが1でありR及びRがそれぞれCHである、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。一実施形態においては、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールは、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、それぞれ独立してRまたはS配置である、特異的な立体異性体である。一実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともR配置である、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。一実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともS配置である、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。他の実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された炭素原子がS配置である、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。他の実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置である、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態においては、本発明は、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含む混合物である。一実施形態においては、混合物は、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含み、該立体異性体は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、それぞれ独立してRまたはS配置である化合物である。他の実施形態においては、本発明は、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物であり、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともR配置である化合物を過剰に含む混合物である。他の実施形態においては、本発明は、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物であり、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともS配置である化合物を過剰に含む混合物である。
一実施形態においては、式Iの化合物は、RがCHであり、RがOHであり、nが2であり、R及びRがそれぞれCHである、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。一実施形態においては、オキソコドン2,5−ヘキサンジオールケタールは、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、それぞれ独立してRまたはS配置である、特異的な立体異性体である。一実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともR配置である、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。一実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともS配置である、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。他の実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された炭素原子がS配置である、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。他の実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置である、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態においては、本発明は、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含む混合物である。一実施形態においては、混合物は、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含み、該立体異性体は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、それぞれ独立してRまたはS配置である化合物である。他の実施形態においては、本発明は、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物であり、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともR配置である化合物を過剰に含む混合物である。他の実施形態においては、本発明は、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物であり、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともS配置である化合物を過剰に含む混合物である。
一実施形態においては、式Iの化合物は、RがCHであり、RがHであり、nが2であり、R及びRがそれぞれCHである、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。一実施形態においては、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールは、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、それぞれ独立してRまたはS配置である、特異的な立体異性体である。一実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともR配置である、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。一実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともS配置である、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。他の実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された炭素原子がS配置である、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。他の実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置である、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態においては、本発明は、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその塩の2種以上の立体異性体を含む混合物である。一実施形態においては、混合物は、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含み、該立体異性体は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、それぞれ独立してRまたはS配置である化合物である。他の実施形態においては、本発明は、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物であり、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともR配置である化合物を過剰に含む混合物である。他の実施形態においては、本発明は、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物であり、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともS配置である化合物を過剰に含む混合物である。
一実施形態においては、式Iの化合物は、RがHであり、RがHであり、nが1であり、R及びRがそれぞれCHである、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。一実施形態においては、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールは、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、それぞれ独立してRまたはS配置である、特異的な立体異性体である。一実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともR配置である、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。一実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともS配置である、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。他の実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された炭素原子がS配置である、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。他の実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置である、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態においては、本発明は、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含む混合物である。一実施形態においては、混合物は、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含み、該立体異性体は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、それぞれ独立してRまたはS配置である化合物である。他の実施形態においては、本発明は、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物であり、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともR配置である化合物を過剰に含む混合物である。他の実施形態においては、本発明は、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物であり、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともS配置である化合物を過剰に含む混合物である。
一実施形態においては、式Iの化合物は、RがCHであり、RがHであり、nが0であり、R及びRが、それらが結合する炭素原子と一緒に、6員の炭素環を形成する、オキシコドン1,2−シクロヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。一実施形態においては、オキシコドン1,2−シクロヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩は、立体異性体の混合物であり、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子がお互いに対してシス配置である。
一実施形態においては、本発明は、オキシコドン1,2−シクロヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体の混合物である。一実施形態においては、混合物は、オキシコドン1,2−シクロヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩のシス異性体を過剰に含む。
一実施形態においては、式Iの化合物は、RがCHであり、RがOHであり、nが1であり、R及びRが、独立して−CHCH及びCHCHCHである、オキシコドン3,5−オクタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩である。一実施形態においては、本発明は、オキシコドン3,5−オクタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含む混合物である。一実施形態においては、混合物は、オキシコドン3,5−オクタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含み、該立体異性体は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、それぞれ独立してRまたはS配置である化合物である。他の実施形態においては、本発明は、オキシコドン3,5−オクタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物であり、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともR配置である化合物を過剰に含む混合物である。他の実施形態においては、本発明は、オキシコドン3,5−オクタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物であり、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が、両者ともS配置である化合物を過剰に含む混合物である。
式Iの他の例示的化合物は以下の通りである:
一実施形態においては、式Iの化合物は、RがCHであり、RがOHである、オキシモルホンケタールまたはその薬学的に許容される塩である。ある実施形態においては、式Iの化合物は、オキシモルホンエチレングリコールケタール;オキシモルホン1,3−プロパンジオールケタール;オキシモルホン1,2−プロパンジオールケタール;オキシモルホン2,3−ブタンジオールケタール;オキシモルホン2,4−ペンタンジオールケタール;オキシモルホン2,5−ヘキサンジオールケタール;オキシモルホン1,2−シクロヘキサンジオールケタール;またはそれらの薬学的に許容される塩である。他の実施形態においては、本発明は、オキシモルホン1,2−プロパンジオールケタール;オキシモルホン2,3−ブタンジオールケタール:オキシモルホン2,4−ペンタンジオールケタール;オキシモルホン2,5−ヘキサンジオールケタール;またはそれらの薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体の混合物である。
特定の実施形態においては、本発明は、化合物が、ヒドロコドンエチレングリコールケタール;ヒドロモルホンエチレングリコールケタール;オキシコドンエチレングリコールケタール;ヒドロコドン1,3−プロパンジオールケタール;オキシコドン1,3−プロパンジオールケタール;ヒドロモルホン1,3−プロパンジオールケタール;またはそれらの薬学的に許容される塩でないという条件で、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩である。他の実施形態においては、本発明は、混合物が、ヒドロコドン2,3−ブタンジオールケタール;オキシコドン2,3−ブタンジオールケタール;ヒドロコドン2,3−ブタンジオールケタール;またはそれらの薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物でないという条件で、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含む混合物である。
本発明の化合物は、式II若しくは式III
の化合物、及びその薬学的に許容される塩でもある。
一実施形態においては、式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子がお互いに対してシス配置である特異的な立体異性体である。一実施形態においては、式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子がお互いに対してトランス配置である特異的な立体異性体である。
一実施形態においては、本発明は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含む混合物である。一実施形態においては、混合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩のシス異性体を過剰に含む。他の実施形態においては、混合物は、式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩のトランス異性体を過剰に含む。
他の実施形態においては、本発明は、式IV(オキシコドン2,4−ペンタンジオールケタール)及び式V(オキシコドン1,3−ブタンジオールケタール)の化合物:
並びにそれらの薬学的に許容される塩を含む。
一実施形態においては、本発明は、式IVA、IVB、IVC若しくはIVD:
またはそれらの薬学的に許容される塩の異性体である。
一実施形態においては、本発明は、式IVの化合物(オキシコドン2,4−ペンタンジオールケタール)またはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態においては、化合物は、異性体IVA(オキシコドン2R,4S−ペンタンジオールケタール)またはその薬学的に許容される塩である。
他の実施形態においては、化合物は、異性体IVB(オキシコドン2S,4R−ペンタンジオールケタール)またはその薬学的に許容される塩である。
他の実施形態においては、化合物は、異性体IVC(オキシコドン2S,4S−ペンタンジオールケタール)またはその薬学的に許容される塩である。
他の実施形態においては、化合物は、異性体IVD(オキシコドン2R,4R−ペンタンジオールケタール)またはその薬学的に許容される塩である。
特定の実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子が両方ともR配置である化合物(オキシコドン2R,4R−ペンタンジオールケタール)を過剰に含む、式IVまたはその薬学的に許容される塩の異性体の混合物である。他の実施形態においては、本発明は、*で標識された炭素原子が両方ともS配置である化合物(オキシコドン2S,4S−ペンタンジオールケタール)を過剰に含む、式IVまたはその薬学的に許容される塩の異性体の混合物である。
一実施形態においては、本発明は、IVA、IVB、IVC及びIVD、並びにそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される式IVの化合物の少なくとも2種の異性体を含む混合物である。
一実施形態においては、混合物は、異性体IVA及びIVB、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
他の実施形態においては、混合物は、異性体IVA及びIVC、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
他の実施形態においては、混合物は、異性体IVA及びIVD、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
他の実施形態においては、混合物は、異性体IVB及びIVC、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
他の実施形態においては、混合物は、異性体IVB及びIVD、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
他の実施形態においては、混合物は、異性体IVC及びIVD、またはその薬学的に許容される塩を含む。
他の実施形態においては、混合物は、異性体IVC及びIVD、またはその薬学的に許容される塩を含み、異性体IVCまたはその塩は、異性体IVDまたはその塩より多くの量で存在する。
更に他の実施形態においては、混合物は、異性体IVC及びIVD、またはそれらの薬学的に許容される塩を含み、異性体IVDまたはその塩は、異性体IVCまたはその塩より多くの量で存在する。
一実施形態においては、混合物は、異性体IVA、IVB、IVC、及びIVD、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
他の実施形態においては、混合物は、異性体IVA、IVB、IVC、及びIVD、またはそれらの薬学的に許容される塩を含み、異性体IVC及びIVD、またはそれらの塩は合計で、異性体IVA及びIVB、またはそれらの塩の合計よりも多い量で存在する。
他の実施形態においては、本発明は、式Vの化合物(オキシコドン1,3−ブタンジオールケタール)である。
他の実施形態においては、本発明の化合物は、式VA、VB、VC若しくはVDの異性体:
またはそれらの薬学的に許容される塩である。
一実施形態においては、化合物は、異性体VAまたはその薬学的に許容される塩である。
他の実施形態においては、化合物は、異性体VBまたはその薬学的に許容される塩である。
他の実施形態においては、化合物は、異性体VCまたはその薬学的に許容される塩である。
他の実施形態においては、化合物は、異性体VDまたはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態においては、本発明は、VA、VB、VC及びVDの群から選択される式Vの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも2種の異性体を含む混合物である。
一実施形態においては、混合物は、異性体VA及びVB、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
他の実施形態においては、混合物は、異性体VA及びVC、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
他の実施形態においては、混合物は、異性体VA及びVD、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
他の実施形態においては、混合物は、異性体VB及びVC、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
他の実施形態においては、混合物は、異性体VB及びVD、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
他の実施形態においては、混合物は、異性体VC及びVD、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
一実施形態においては、混合物は、異性体VA、VB、VC及びVD、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
製造法
式I、式II、及び式IIIの化合物は、本発明の開示を考慮し、当業者に公知の方法を用いて製造することができる。例えば、式Iの化合物は、場合により酸触媒の存在下に、場合により溶媒の存在下に、オピオイドをジオールと反応させることにより、スキーム1に示すようにして製造することができる。
スキーム1
一実施形態においては、ヒドロコドンを2,4−ペンタンジオールと反応させてヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールの立体異性体の混合物を製造する。他の実施形態においては、ヒドロコドンを2R,4R−ペンタンジオールと反応させて、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が両者ともR配置である、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールを製造する。他の実施形態においては、ヒドロコドンを2S,4S−ペンタンジオールと反応させて、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が両者ともS配置である、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールを製造する。更に他の実施形態においては、ヒドロコドンをメソ2,4−ペンタンジオールと反応させることにより、異性体の混合物を製造し、一方の立体異性体が、*で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された炭素原子がS配置である化合物であり、他方の立体異性体が、*で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置である化合物である、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールの立体異性体の混合物を製造する。
一実施形態においては、オキシコドンを2,5−ヘキサンジオールと反応させてオキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールの立体異性体の混合物を製造する。他の実施形態においては、オキシコドンを2R,5R−ヘキサンジオールと反応させて、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が両者ともR配置である、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールを製造する。他の実施形態においては、オキシコドンを2S,5S−ヘキサンジオールと反応させて、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が両者ともS配置である、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールを製造する。更に他の実施形態においては、オキシコドンをメソ2,5−ヘキサンジオールと反応させることにより、異性体の混合物を製造し、一方の立体異性体が、*で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された炭素原子がS配置である化合物であり、他方の立体異性体が、*で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置である化合物である、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールの立体異性体の混合物を製造する。
一実施形態においては、ヒドロコドンを2,5−ヘキサンジオールと反応させてヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールの立体異性体の混合物を製造する。他の実施形態においては、ヒドロコドンを2R,5R−ヘキサンジオールと反応させて、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が両者ともR配置である、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールを製造する。他の実施形態においては、ヒドロコドンを2S,5S−ヘキサンジオールと反応させて、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が両者ともS配置である、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールを製造する。更に他の実施形態においては、ヒドロコドンをメソ2,5−ヘキサンジオールと反応させることにより、異性体の混合物を製造し、一方の立体異性体が、*で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された炭素原子がS配置である化合物であり、他方の立体異性体が、*で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置である化合物である、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールの立体異性体の混合物を製造する。
一実施形態においては、ヒドロモルホンを2,4−ペンタンジオールと反応させてヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールの立体異性体の混合物を製造する。他の実施形態においては、ヒドロモルホンを2R,4R−ペンタンジオールと反応させて、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が両者ともR配置である、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールを製造する。他の実施形態においては、ヒドロモルホンを2S,4S−ペンタンジオールと反応させて、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子が両者ともS配置である、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールを製造する。更に他の実施形態においては、ヒドロモルホンをメソ2,4−ペンタンジオールと反応させることにより、異性体の混合物を製造し、一方の立体異性体が、*で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された炭素原子がS配置である化合物であり、他方の立体異性体が、*で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置である化合物である、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールの立体異性体の混合物を製造する。
一実施形態においては、オキシコドンを3,5−オクタンジオールと反応させてオキシコドン3,5−オクタンジオールケタールの立体異性体の混合物を製造する。
一実施形態においては、オキシコドンを1,2−シクロヘキサンジオールと反応させてオキシコドン1,2−シクロヘキサンジオールケタールの立体異性体の混合物を製造する。他の実施形態においては、オキシコドンをシス−1,2−シクロヘキサンジオールと反応させてオキシコドンシス−1,2−シクロヘキサンジオールケタールを製造する。他の実施形態においては、オキシコドンをトランス−1,2−シクロヘキサンジオールと反応させてオキシコドントランス−1,2−シクロヘキサンジオールケタールを製造する。
他の実施形態においては、オキシコドン、ヒドロコドン、またはヒドロモルホン等のオピオイドを、エチレングリコールまたは1,2−プロパンジオールと反応させて、それぞれエチレングリコールケタール、またはプロパンジオールケタールの立体異性体の混合物を製造する。
本発明の更なる実施形態は、スキーム2に示すような、場合により酸触媒の存在下に、場合により溶媒の存在下に、オキシコドンを2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールと反応させて式IIの化合物を得ることを含む、式IIの化合物の製造方法である。
スキーム2
本発明の更なる実施形態は、スキーム3に示すような、オキシコドンを1,2−シクロヘキサンジメタノールと反応させてオキシコドン1,2−シクロヘキサンジメタノールケタールの立体異性体の混合物を製造することを含む、式IIIの化合物の製造方法である。他の実施形態においては、オキシコドンをシス−1,2−シクロヘキサンジメタノールと反応させてオキシコドンシス−1,2−シクロヘキサンジメタノールケタールを製造する。他の実施形態においては、オキシコドンをトランス−1,2−シクロヘキサンジメタノールと反応させてオキシコドントランス−1,2−シクロヘキサンジメタノールケタールを製造する。
スキーム3
一実施形態においては、式Iの少なくとも2種の異性体の混合物、または式IIIの少なくとも2種の異性体の混合物は、本明細書の開示を考慮し、当該技術分野で公知の技術を用いて分離される。このような技術としては、シリカゲルクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、及びそれらの組合せ等のクロマトグラフ法、並びにろ過捕集法及び沈殿法が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態においては、式Iの異性体は調製用HPLCを用いて分離される。
他の実施形態においては、式IV及び式Vの化合物は、本明細書の開示を考慮し、当業者に公知の方法を用いて製造することができる。例えば、式IVの化合物は、スキーム4に示すように、場合により酸触媒の存在下に、場合により溶媒の存在下に、オキシコドンを2,4−ペンタンジオールと反応させて式IVの化合物を製造することにより、製造することができる。
スキーム4
一実施形態においては、オキシコドンと2,4−ペンタンジオールとの反応により、異性体IVA、IVB、IVC及びIVDの混合物が得られる。
一実施形態においては、異性体IVDは、場合により酸触媒の存在下に、場合により溶媒の存在下に、2R,4R−ペンタンジオールをオキシコドンと反応させて異性体IVDを製造することにより、製造することができる。他の実施形態においては、異性体IVCは、場合により酸触媒の存在下に、場合により溶媒の存在下に、オキシコドンを2S,4S−ペンタンジオールと反応させて異性体IVCを製造することにより、製造することができる。更に他の実施形態においては、異性体IVA及びIVBの混合物は、場合により酸触媒の存在下に、場合により溶媒の存在下に、オキシコドンをメソ2,4−ペンタンジオールと反応させて異性体IVA及びIVBの混合物を製造することにより、製造することができる。更に他の実施形態においては、異性体IVA、IVB、IVC、またはIVDは、本明細書の開示を考慮し、当該技術分野で広く知られている技術を用いてエナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物を分離することにより、製造することができる。
本発明の更なる実施形態は、スキーム5に示すような、場合により酸触媒の存在下に、場合により溶媒の存在下に、オキシコドンを1,3−ブタンジオールと反応させて式Vの化合物(オキシコドン1,3−ブタンジオールケタール)を製造することを含む、式Vの化合物の製造方法に関する。
スキーム5
一実施形態においては、異性体VA及びVDは、場合により酸触媒の存在下に、場合により溶媒の存在下に、(R)−1,3−ブタンジオールをオキシコドンと反応させて異性体VA及びVDを製造することにより、製造することができる。一実施形態においては、異性体VB及びVCは、場合により酸触媒の存在下に、場合により溶媒の存在下に、(S)−1,3−ブタンジオールをオキシコドンと反応させて異性体VB及びVCを製造することにより、製造することができる。更に他の実施形態においては、異性体VA、VB、VCまたはVDは、本明細書の開示を考慮し、当該技術分野で広く知られている技術を用いてエナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物を分離することにより、製造することができる。
一実施形態においては、式IVの少なくとも2種の異性体の混合物、または式Vの少なくとも2種の異性体の混合物は、本明細書の開示を考慮し、当該技術分野で公知の技術を用いて分離される。このような技術としては、シリカゲルクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、及びそれらの組合せ等のクロマトグラフ法、並びにろ過捕集法及び沈殿法が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態においては、式IVの異性体または式Vの異性体は調製用HPLCを用いて分離される。
ある非限定的実施形態においては、式I、式II、式III、式IVまたは式Vの化合物を製造するために使用するジオールは商業的に得られる。ある非限定的実施形態においては、式I、式II、式III、式IVまたは式Vの化合物を製造するために使用するジオールは、当業者に広く知られている方法を用いて製造される。
ある非限定的実施形態においては、式I、式II、式III、式IVまたは式Vの化合物は、当業者に広く知られている技術を用いてそれらの塩に変換される。他の実施形態においては、塩は薬学的に許容される塩である。
ある非限定的実施形態においては、式I、式II、式III、式IVまたは式Vの化合物を製造するための反応は非極性溶媒中で起こる。ある非限定的実施形態においては、溶媒は、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1,4−ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、四塩化炭素、ピリジン、ジメチルフラン、またはそれらの混合物である。ある実施形態においては、溶媒はトルエンである。
ある非限定的実施形態においては、式I、式II、式III、式IVまたは式Vの化合物を製造するための反応において使用される酸触媒はスルホン酸である。ある実施形態においては、酸触媒は、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸(PTSA)、エタンジスルホン酸、プロパンジスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、またはそれらの混合物である。ある実施形態においては、酸触媒はPTSAである。
ある非限定的実施形態においては、式I、式II、式III、式IVまたは式Vの化合物を製造するための反応は、共沸蒸留を用いて水を除去することにより起こる。ある実施形態においては、水は、モレキュラーシーブまたは酸化アルミニウムを用いて除去される。
ある非限定的実施形態においては、反応中のオピオイドに対する酸触媒の割合は、モル基準で、約0.5:1、約0.6:1、約0.7:1、約0.8:1、約0.9:1、約1:1、約1.1:1、約1.2:1、約1.3:1、約1.4:1、約1.5:1、約1.6:1、約1.7:1、約1.8:1、約1.9:1、約2:1、約2.5:1、約3:1、約4:1、または約5:1である。ある実施形態においては、反応中のオキシコドンに対する酸触媒の割合は、約1:1〜約1.5:1の範囲である。ある実施形態においては、反応中のオキシコドンに対する酸触媒の割合は約1.2:1である。
他の実施形態においては、反応中のジオールに対するオピオイドの割合は、モル基準で、約1:1、約1:1.05、約1:1.1、約1:1.2、約1:1.3、約1:1.5、約1:2、約1:2.5、約1:3、約1:4、約1:5、約1:10、約1:20、約1:30、約1:40、約1:50、または約1:100である。
他の実施形態においては、本発明の化合物を製造するための反応は、トルエン還流条件下で実施する。一実施形態においては、反応はキシレン還流条件下で実施する。他の実施形態においては、反応は、約70℃、約80℃、約90℃、約100℃、約110℃、約120℃または約130℃で実施する。
他の実施形態においては、反応は、約3時間〜約24時間の時間で実施する。特定の実施形態においては、反応は約3.5時間で実施する。
本発明の化合物の投与
式I、式II、式III、式IV及び式Vの化合物はプロドラッグとして作用することができ、その結果、親オピオイド薬剤を超えた1以上の利点を示す。例えば、式I、式II、式III、式IV及び式Vの化合物は、不注意に処方された用量よりも高い濃度で経口投与した場合、薬理学的活性の発症の遅延を示すことにより、過失による過量投与を防止するために使用することができる。ある実施形態においては、式I、式II、式III、式IV及び式Vの化合物は、乱用者により使用される可能性のある非経口経路(例えば、非経口)により投与された場合、実質的にプロドラッグとしての化学形態を維持することにより不正使用を防止することができる。したがって、式I、式II、式III、式IV及び式Vの化合物は、違法な使用においてしばしば使用される非経口経路、特に静脈内、鼻腔内、及び/または吸入経路により投与された場合、活性なオピオイド分子の有効性を低下させることにより、乱用を防止することができる。
ある実施形態においては、式I、式II、式III、式IV及び式Vの化合物は、親オピオイドと比較し、μオピオイド受容体に対し、親和性を有しないか、親和性が低下している。式I、式II、式III、式IV及び式Vの化合物は、胃の酸性条件下でプロドラッグの形態から親オピオイドに変換し得る。ほ乳動物に経口投与した場合、式I、式II、式III、式IV及び式Vの化合物はゆっくりと変換し、親オピオイドを直接経口投与した場合と比較し、親オピオイドへのゆっくりであるが遅延した全身暴露がもたらされる。
親オピオイドにゆっくりとした変換をもたらすオピオイドプロドラッグは、急速な多幸感をもたらすための薬剤を探し求める、薬物乱用者またはオピオイドの非医療的な娯楽的使用者には魅力的でない。式I、式II、式III、式IVまたは式Vの化合物から親オピオイドへの変換はゆっくりであり、多幸感の発生も同様にゆっくりであり、その結果、薬剤の非医療的使用を試みる者に対しては魅力的でない本発明の化合物がもたらされる。
ほとんどの場合、経口経路によるオピオイドの乱用は、短時間作用型薬剤、または剤形からのオピオイドの放出及び吸収を遅延させるために使用される制御放出物質が不正に変更された薬剤を含む。短時間作用型オピオイドは、通常、薬理学的に適切な血漿濃度、治療効果を、娯楽が目的の薬剤使用者の場合には、多幸感の発生を、経口投与後約15〜180分、15〜120分、または15〜90分以内にもたらす。
消化管における本発明の化合物の親オピオイドへのゆっくりとした変換は、オキシコドンの薬理学的に適切な血漿濃度に到達する時間を遅延させることにより、例えば、経口の即時型オピオイドよりも低いCmax及び/または遅いTmaxを与えることにより、オピオイドにより生じるあらゆる陶酔感を遅延させる作用をし、その結果、減少させる。
式I、式II、式III、式IV及び式Vの化合物は、放出特性の延長を示すことができる。例えば、本発明の化合物は、経口投与された時に親オピオイドへのゆっくりとした変換をもたらし得る。図1は、ヒトの胃中の酸性条件をシミュレーションする、37℃における0.1N HClを使用する加水分解によるオキシコドン2,4−ペンタンジオールケタールの異性体の混合物からのオキシコドンの放出プロフィールを示す。図1は、疑似胃酸(SGF)(0.084N HCl中、0.2% NaCl及び0.32%ペプシン)中、37℃での加水分解によるオキシコドン2,4−ペンタンジオールケタールの異性体の混合物からのオキシコドンの放出プロフィールも示す。図示するように、2種のケタール異性体、ケタールC及びケタールDは、0.1N HCl及びSGFの両方で、4時間以内にほぼ完全に加水分解した。図1は、異なる異性体が異なる加水分解速度を示し、異性体比を特異的に調節することにより、親オキシコドンの特定の制御放出プロフィールが可能であることを示す。
図2は、それぞれ、37℃における0.1N HClまたはSGF中でのヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールの異性体の加水分解を示す。図示するように、異なる異性体は異なる加水分解速度を示し、異性体比を特異的に調節することにより、親ヒドロコドンの特定の制御放出プロフィールが可能である。
図3は、37℃における0.1N HClを使用した加水分解によるヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールの4種の異性体の混合物のヒドロモルホンの放出プロフィールを示す。図示するように、ケタール異性体の1つ、ケタールDは、0.1N HCl中、4時間でほぼ完全に加水分解した。したがって、図3は、異なる異性体が異なる加水分解速度を示し、異性体比を特異的に調節することにより、ヒドロモルホンの特定の制御放出プロフィールが可能であることを示す。
図4は、37℃における0.1N HCl中のオキシコドンシス1,2−シクロヘキサンジメタノールケタールの異性体混合物のオキシコドンの放出プロフィールを示す。図示するように、混合物中のオキシコドンの割合は、5時間以内に約30%〜約55%に上昇した。
図5及び図6は、それぞれヒドロコドン1,3−プロパンジオールケタール及びヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールからのヒドロコドンの放出プロフィールを示す。両方の場合に、約4時間で、ケタール化合物はほぼ完全にヒドロコドンに加水分解され、異性体比を調節することにより対象におけるヒドロコドンの制御放出が可能である。
図9は、37℃で0.1N HClを使用した加水分解による、式IVの異性体(異性体IVA〜IVD)の混合物からのオキシコドンの放出プロフィールを示す。図示するように、約50%のオキシコドンが約2.9時間で放出され、90%近いオキシコドンの放出は、約25時間よりも遅くは発生していない。図10は、37℃で0.1N HClを使用した、異性体IVC及びIVDの加水分解を示す。異性体IVCは、8時間以内にほぼ完全に加水分解すると思われる。異性体IVDは、2時間以内にほぼ完全に加水分解すると思われる。
図11は、37℃で0.1N HClを使用した加水分解による式Vの4種の異性体の混合物からのオキシコドンの放出プロフィールを示す。図示するように、約50%のオキシコドンが約5時間で放出し、約90%の放出が約25時間よりも遅くは発生していない。
徐放性製剤は、薬理学的作用の急激な発生を防止し、含まれる薬剤が長期間にわたって利用可能になるような方法で製剤化されている。ある実施形態においては、式I、式II、式III,式IV、または式Vの化合物は、単に親オピオイドへの変換を必要とするという事実に基づいて、徐放性プロフィールを達成することができる。したがって、一実施形態においては、本発明の化合物は、制御放出賦形剤を使用せずに製剤化し、依然として経口投与によるオピオイドの持続放出をもたらすことができる。
本発明の化合物は、化合物を、徐放マトリクス若しくは徐放コーティング、またはそれらの多少の変形を含む剤形に製剤化することにより、徐放プロフィールを更に増強するために薬学的に製剤化することができる。制御放出製剤技術は当該技術分野において周知であり、特に望ましい放出プロフィールを得るために、本発明と組み合わせて使用することができる。ある実施形態においては、親オピオイド及び本発明の化合物は、両者とも単一の経口剤形に混合することができ、オピオイドは短時間作用型プロフィールをもたらし、本発明の化合物は、オキシコドンの徐放プロフィールを効果的にもたらす。このような複合製剤は、徐放マトリクス若しくは徐放コーティング、またはそれらの多少の変形を更に含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
一実施形態においては、本発明の1種以上の化合物の2種以上の立体異性体が、親オピオイドのインビボ及び/またはインビトロにおける放出プロフィールを調節するために様々な割合で混合される。異なる立体異性体が異なる速度で加水分解されるので、親オピオイドを制御された様式で放出することがわかった。したがって、各立体異性体がインビトロ及び/またはインビボで異なる速度で加水分解される場合、2種以上の立体異性体の種々の組合せ及び量を使用することにより、親オピオイドの放出を制御するための多くの可能性が存在する。例えば、比較的速く加水分解される立体異性体、オキシコドン2R,4R−ペンタンジオールケタールは、比較的遅く加水分解される立体異性体、オキシコドン2S,4S−ペンタンジオールケタールとの混合物において提供される。その結果、これら2種の立体異性体は、親オピオイドの所望の放出パターンを達成するため、お互いに異なる濃度及び異なる割合で提供され得る。他の非限定的例においては、比較的速く加水分解される立体異性体、ヒドロコドン2R,5R−ヘキサンジオールケタールは、比較的遅く加水分解される立体異性体、ヒドロコドン2S,4S−ヘキサンジオールケタールとの混合物において提供され得る。
一実施形態においては、本発明は、オピオイド療法を必要とするほ乳動物において、オピオイドの乱用の可能性を減少する方法であって、親オピオイドと比較して非経口の(すなわち、経口でない)生物学的利用能の低下を示す、有効量の式I、式II、式III、式IVまたは式Vの化合物を前記ほ乳動物に経口投与することを含む、前記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、オピオイド療法を必要とするほ乳動物において、オピオイドの乱用の可能性を減少する方法であって、式Iの化合物またはその塩の2種以上の立体異性体の混合物の有効量を前記ほ乳動物に経口投与することを含む、前記方法を提供する。ある実施形態においては、前記方法は、式Iの化合物の2種の立体異性体の混合物を、約5:95、約10:90、約15:85、約20:80、約25:75、約30:70、約35:65、約40:60、約45:55、または約50:50の割合で前記ほ乳動物に経口投与することを含む。他の実施形態においては、本発明は、オピオイド療法を必要とするほ乳動物において、オピオイドの乱用の可能性を減少する方法であって、有効量の式IIの化合物またはその塩を前記ほ乳動物に経口投与することを含む、前記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、オピオイド療法を必要とするほ乳動物において、オピオイドの乱用の可能性を減少する方法であって、式IIIの化合物またはその塩の少なくとも2種以上の立体異性体の混合物の有効量を前記ほ乳動物に経口投与することを含む、前記方法を提供する。
一実施形態においては、本発明は、ヒドロコドン療法を必要とするほ乳動物において、ヒドロコドンの乱用の可能性を減少する方法であって、RがCHであり、RがHであり、nが1であり、R及びRがそれぞれCHである式Iの化合物である、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含む混合物の有効量を前記ほ乳動物に経口投与することを含む、前記方法を提供する。一実施形態においては、前記方法は、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物(いくつかの立体異性体においては、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子がRR配置であり、他の立体異性体においては、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子がSS配置である)を投与することを含む。他の実施形態においては、前記方法は、*で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された炭素原子がS配置であるヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物を投与することを含む。他の実施形態においては、方法は、*で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置であるヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物を投与することを含む。ある実施形態においては、前記方法は、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールの2種の立体異性体の混合物を、約5:95、約10:90、約15:85、約20:80、約25:75、約30:70、約35:65、約40:60、約45:55、または約50:50の比で前記ほ乳動物に経口投与することを含む。
一実施形態においては、本発明は、オキシコドン療法を必要とするほ乳動物において、オキシコドンの乱用の可能性を減少する方法であって、RがCHであり、RがOHであり、nが2であり、R及びRがそれぞれCHである式Iの化合物である、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含む混合物の有効量を前記ほ乳動物に経口投与することを含む、前記方法を提供する。一実施形態においては、前記方法は、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物(いくつかの立体異性体においては、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子がRR配置であり、他の立体異性体においては、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子がSS配置である)を投与することを含む。他の実施形態においては、前記方法は、*で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された炭素原子がS配置であるオキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物を投与することを含む。他の実施形態においては、前記方法は、*で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置であるオキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物を投与することを含む。ある実施形態においては、前記方法は、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールの2種の立体異性体の混合物を、約5:95、約10:90、約15:85、約20:80、約25:75、約30:70、約35:65、約40:60、約45:55、または約50:50の比で前記ほ乳動物に経口投与することを含む。
一実施形態においては、本発明は、ヒドロコドン療法を必要とするほ乳動物において、ヒドロコドンの乱用の可能性を減少する方法であって、RがCHであり、RがHであり、nが2であり、R及びRがそれぞれCHである、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含む混合物の有効量を前記ほ乳動物に経口投与することを含む、前記方法を提供する。一実施形態においては、前記方法は、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物(いくつかの立体異性体においては、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子がRR配置であり、他の立体異性体においては、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子がSS配置である)を投与することを含む。他の実施形態においては、前記方法は、*で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された炭素原子がS配置であるヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタール又その薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物を投与することを含む。他の実施形態においては、前記方法は、*で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置であるヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物を投与することを含む。ある実施形態においては、前記方法は、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールの2種の立体異性体の混合物を、約5:95、約10:90、約15:85、約20:80、約25:75、約30:70、約35:65、約40:60、約45:55、または約50:50の比で前記ほ乳動物に経口投与することを含む。
一実施形態においては、本発明は、ヒドロモルホン療法を必要とするほ乳動物において、ヒドロモルホンの乱用の可能性を減少する方法であって、RがHであり、RがHであり、nが1であり、R及びRがそれぞれCHである、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含む混合物の有効量を前記ほ乳動物に経口投与することを含む、前記方法を提供する。一実施形態においては、前記方法は、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物(いくつかの立体異性体においては、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子がRR配置であり、他の立体異性体においては、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子がSS配置である)を投与することを含む。他の実施形態においては、前記方法は、*で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された炭素原子がS配置であるヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物を投与することを含む。他の実施形態においては、前記方法は、*で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置であるヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物を投与することを含む。ある実施形態においては、前記方法は、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールの2種の立体異性体の混合物を、約5:95、約10:90、約15:85、約20:80、約25:75、約30:70、約35:65、約40:60、約45:55、または約50:50の比で前記ほ乳動物に経口投与することを含む。
一実施形態においては、本発明は、オキシコドン療法を必要とするほ乳動物において、オキシコドンの乱用の可能性を減少する方法であって、オキシコドン1,2−シクロヘキサンジオールケタールまたはその塩の2種以上の立体異性体を含む混合物の有効量を前記ほ乳動物に経口投与することを含む、前記方法を提供する。一実施形態においては、前記方法は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子がお互いにシス配置であるオキシコドン1,2−シクロヘキサンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物を投与することを含む。一実施形態においては、前記方法は、*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子がお互いにトランス配置であるオキシコドン1,2−シクロヘキサンジオールケタールまたはその塩の立体異性体の混合物を投与することを含む。ある実施形態においては、前記方法は、オキシコドン1,2−シクロヘキサンジオールケタールの2種の立体異性体の混合物を、約5:95、約10:90、約15:85、約20:80、約25:75、約30:70、約35:65、約40:60、約45:55、または約50:50の比で前記ほ乳動物に経口投与することを含む。
一実施形態においては、本発明は、オキシコドン療法を必要とするほ乳動物において、オキシコドンの乱用の可能性を減少する方法であって、式IIIの化合物またはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含む混合物の有効量を前記ほ乳動物に経口投与することを含む、前記方法を提供する。一実施形態においては、前記方法は、*で標識された炭素原子がお互いにシス配置である、式IIIの化合物またはその塩の立体異性体の混合物を投与することを含む。他の実施形態においては、前記方法は、*で標識された炭素原子がお互いにトランス配置である、式IIIの化合物またはその塩の立体異性体の混合物を投与することを含む。ある実施形態においては、前記方法は、式IIIの化合物の2種の異性体の混合物を、約5:95、約10:90、約15:85、約20:80、約25:75、約30:70、約35:65、約40:60、約45:55、または約50:50の比で前記ほ乳動物に経口投与することを含む。
一実施形態においては、本発明は、ヒドロコドン療法を必要とするほ乳動物において、ヒドロコドンの乱用の可能性を減少する方法であって、ヒドロコドン1,3−プロパンジオールケタールまたはその薬学的に許容される塩の有効量を前記ほ乳動物に経口投与することを含む、前記方法を提供する。
一実施形態においては、本発明は、オキシコドン療法を必要とするほ乳動物において、オキシコドンの乱用の可能性を減少する方法であって、オキシコドンと比較して非経口(すなわち、経口でない)生物学的利用能の低下を示す、有効量の式IVまたは式Vの化合物を前記ほ乳動物に経口投与することを含む、前記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、オキシコドン療法を必要とするほ乳動物において、オキシコドンの乱用の可能性を減少する方法であって、異性体IVA、IVB、IVC及びIVDからなる群から選択される少なくとも2種の異性体の混合物の有効量を前記ほ乳動物に経口投与することを含む。他の実施形態においては、本発明は、オキシコドン療法を必要とするほ乳動物において、オキシコドンの乱用の可能性を減少する方法であって、異性体VA、VB、VC及びVDからなる群から選択される少なくとも2種の異性体の混合物の有効量を前記ほ乳動物に経口投与することを含む。
一実施形態においては、本発明は、オキシコドン療法を必要とするほ乳動物において、オキシコドンの乱用の可能性を減少する方法であって、異性体IVC及びIVDを含む混合物の有効量を前記ほ乳動物に経口投与することを含む、前記方法を提供する。他の実施形態においては、オキシコドンの乱用の可能性を減少する方法は、異性体IVC及びIVDを含む混合物であって、該異性体IVCが、異性体IVDよりも多いモル量で存在する混合物の有効量を前記ほ乳動物に経口投与することを含む。更に他の実施形態においては、オキシコドンの乱用の可能性を減少する方法は、異性体IVC及びIVDを含む混合物であって、該異性体IVDが、異性体IVCよりも多いモル量で存在する混合物を前記ほ乳動物に投与することを含む。
一実施形態においては、オキシコドンの乱用の可能性を減少する方法は、異性体IVA、IVB、IVC及びIVDを含む混合物の有効量をほ乳動物に経口投与することを含む。特定の実施形態においては、異性体IVC及びIVDの合計は、異性体IVA及びIVBの合計よりも多いモル量で存在する。
一実施形態においては、オピオイドの乱用の可能性を減少する方法は、式I、式II、式III、及びそれらの塩の立体異性体からなる群から選択される少なくとも2種の化合物を含む混合物の有効量をほ乳動物に経口投与することを含み、異性体の合計のモル量の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%が、0.1N HCl中、37℃で約2時間以内に親オピオイドに加水分解される。特定の実施形態においては、前記方法は、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタール;オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタール;ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタール;ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタール;オキシコドン1,2−シクロヘキサンジオールケタール、式IIIの化合物、若しくはそれらの塩の少なくとも2種の立体異性体を投与することを含む。
一実施形態においては、本発明は、化合物が、ヒドロコドンエチレングリコールケタール、ヒドロモルホンエチレングリコールケタール、オキシコドンエチレングリコールケタール、ヒドロコドン1,3−プロパンジオールケタール、オキシコドン1,3−プロパンジオールケタール、ヒドロモルホン1,3−プロパンジオールケタール、またはそれらの薬学的に許容される塩でないという条件で、有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩をほ乳動物に経口投与することを含む、オピオイドの乱用の可能性を減少する方法に関する。一実施形態においては、前記オピオイドの乱用の可能性を減少する方法は、混合物が、ヒドロコドン2,3−ブタンジオールケタール、オキシコドン2,3−ブタンジオールケタール、ヒドロコドン2,3−ブタンジオールケタール、またはそれらの薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物でないという条件で、式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩の立体異性体からなる群から選択される少なくとも2種の化合物を含む混合物の有効量を前記ほ乳動物に経口投与することを含む。
一実施形態においては、本発明は、異性体IVA、IVB、IVC、IVD、VA、VB、VC及びVD、並びにそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも2種の化合物を含む混合物であって、異性体の合計のモル量の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%が、0.1N HCl中、37℃で約2時間以内にオキシコドンに加水分解される混合物の有効量をほ乳動物に経口投与することを含む、オキシコドンの乱用の可能性を減少する方法に関する。
一実施形態においては、本発明は、式I、式II、若しくは式IIIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩であって、式I、式II、若しくは式IIIの化合物、またはそれらの塩の合計モル量の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%が、0.1N HCl中、37℃で約2時間以内に親オピオイドに加水分解される、前記化合物または塩の治療的有効量をほ乳動物に経口投与することを含む、ほ乳動物におけるオピオイド療法を達成する方法である。特定の実施形態においては、前記方法は、式I、式II、若しくは式IIIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩であって、式I、式II、若しくは式IIIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%が、0.1N HCl中、37℃で約4時間以内に親オピオイドに加水分解される化合物またはその薬学的に許容される塩の治療的有効量を、前記ほ乳動物に経口投与することを含む。
一実施形態においては、本発明は、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタール、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタール、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタール、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタール、オキシコドン1,2−シクロヘキサンジオールケタールの立体異性体、式IIIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩であって、前記立体異性体の約80%、約90%、約95%または約100%が、0.1N HCl中、37℃で約8時間以内に親オピオイドに加水分解される化合物または塩の過剰量を経口投与することを含む、ほ乳動物におけるオピオイド療法を達成する方法である。特定の実施形態においては、前記方法は、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールのRRまたはSS異性体;ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールのRRまたはSS異性体;オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールのRRまたはSS異性体;ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールのRRまたはSS異性体;ヒドロコドン1,3−プロパンジオールケタール;またはそれらの薬学的に許容される塩を経口投与することを含む。いずれの場合にも、式Iの化合物において*で標識された炭素原子及び**で標識された炭素原子は、両者ともR配置であるか、または両者ともS配置である。
一実施形態においては、本発明は、化合物が、ヒドロコドンエチレングリコールケタール;ヒドロモルホンエチレングリコールケタール;オキシコドンエチレングリコールケタール;ヒドロコドン1,3−プロパンジオールケタール;オキシコドン1,3−プロパンジオールケタール:ヒドロモルホン1,3−プロパンジオールケタール;またはそれらの塩でないという条件で、治療的有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、ほ乳動物に経口投与することを含む、オピオイド療法を必要とするほ乳動物においてオピオイド療法を達成する方法である。一実施形態においては、本発明は、混合物が、ヒドロコドン2,3−ブタンジオールケタール;オキシコドン2,3−ブタンジオールケタール;ヒドロコドン2,3−ブタンジオールケタール、またはそれらの塩の立体異性体の混合物でないという条件で、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の立体異性体の混合物の治療的有効量を、ほ乳動物に経口投与することを含む、オピオイド療法を必要とするほ乳動物においてオピオイド療法を達成する方法である。
他の実施形態においては、本発明は、式I、式II及び式III、またはそれらの薬学的に許容される塩の異性体の混合物であって、該混合物の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%が、0.1N HCl中、37℃で約2時間以内に親オピオイドに加水分解される混合物の治療的有効量を、ほ乳動物に経口投与することを含む、オピオイド療法を必要とするほ乳動物においてオピオイド療法を達成する方法である。特定の実施形態においては、前記方法は、式I、式II及び式III、またはそれらの薬学的に許容される塩の異性体の混合物であって、式I、式II若しくは式IIIの化合物またはの異性体の混合物のモル当量の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約90%、または約100%が、0.1N HCl中、37℃で約4時間以内に親オピオイドに加水分解される混合物の治療的有効量を前記ほ乳動物に経口投与することを含む。
一実施形態においては、本発明は、式IV若しくは式Vの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩であって、式IV若しくはVの化合物、または塩の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%が、0.1N HCl中、37℃で約2時間以内にオキシコドンに加水分解される化合物または塩の治療的有効量を、ほ乳動物に経口投与することを含む、オキシコドン療法を必要とするほ乳動物におけるオキシコドン療法を達成する方法である。特定の実施形態においては、前記方法は、式IV若しくはVの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩であって、式IV若しくはVの化合物、または塩の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約90%、または約100%が、0.1N HCl中、37℃で約4時間以内にオキシコドンに加水分解される化合物または塩の治療的有効量を、ほ乳動物に経口投与することを含む。一実施形態においては、前記方法は、異性体IVCまたはその薬学的に許容される塩であって、異性体IVCまたは塩の約80%、約90%、約95%または約100%が、0.1N HCl中、37℃で約8時間以内にオキシコドンに加水分解される、異性体または塩を経口投与することを含む。他の実施形態においては、前記方法は、異性体IVDまたはその薬学的に許容される塩であって、異性体IVDまたは塩の約80%、約90%、約95%または約100%が、0.1N HCl中、37℃で約2時間以内にオキシコドンに加水分解される、異性体または塩を経口投与することを含む。
他の実施形態においては、本発明は、式IV及び式V、またはそれらの薬学的に許容される塩の異性体の混合物であって、該混合物の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、または少なくとも50%が、0.1N HCl中、37℃で約2時間以内にオキシコドンに加水分解される混合物の治療的有効量を、ほ乳動物に経口投与することを含む、オキシコドン療法を必要とするほ乳動物においてオキシコドン療法を達成する方法である。特定の実施形態においては、前記方法は、式IV及び式V、またはそれらの薬学的に許容される塩の異性体の混合物であって、式IV若しくは式Vの化合物、または塩の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約90%、または約100%が、0.1N HCl中、37℃で約4時間以内にオキシコドンに加水分解される混合物の治療的有効量を前記ほ乳動物に経口投与することを含む。
ある実施形態においては、式I、式II、式III、式IVまたは式Vの化合物は、同じ経路により投与された親オピオイドの生物学的利用能の約70%未満、約50%未満、約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、または約1%未満の任意の非経口経路(例えば、静脈内、鼻腔内、または吸入)による親オピオイドの生物学的利用能を提供する。
本発明の化合物は、比較的高い程度の安定性、すなわち、潜在的な乱用者により使用される可能性のある「キッチンケミストリー」にさらされた時に、加水分解に対する抵抗を示す。図12は、沸騰した酢をシミュレートする、100℃における5%酢酸の存在下における、式IVの異性体の混合物(IVA−IVD)の加水分解の度合いを示す。図示するように、式IV(IVA−IVD)の異性体の混合物は、オキシコドンへの約80%の加水分解を示すのに、100℃における5%酢酸中で約2時間を、オキシコドンへのほぼ完全な加水分解には約10時間を必要とする。図13に示すように、同じ条件にさらした時に、式Vの異性体の混合物は、約60%の加水分解を受けるのに約1時間を、オキシコドンへのほぼ完全な加水分解には少なくとも約4時間を必要とする。
医薬組成物
本発明は、更に式I、式II、式III、式IV若しくは式Vの少なくとも1種の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩の治療的有効量と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物に関する。必要に応じて、本発明の医薬組成物は、1種以上の他の適合性医薬活性剤も含んでもよい。
本発明の範囲内の医薬組成物は、式I、式II、式III、式IV、若しくは式Vの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩が、意図する目的を達成するために有効な量で存在する(親オピオイドへの変換により)全ての組成物を含む。個人の要求は異なるが、各成分の有効量の最適範囲の決定は、本明細書の開示を考慮し、当業者の範囲内である。ある実施形態においては、式I、式II、式III、式IV、若しくは式Vの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物をほ乳動物に投与することができる。ある実施形態においては、ほ乳動物はヒトであり、好ましくは、患者は、疼痛のような、オピオイドにより治療することのできる病状について治療される。本明細書の開示から明らかなように、式I、式II、式III、式IV、式Vの化合物、それらの薬学的に許容される塩、及びそれらの混合物は、好ましくは経口投与される。ある実施形態においては、式I、式II、式III、式IV、または式Vの化合物は、治療されるほ乳動物の体重について0.1〜5mg/kgの用量、またはそれらの薬学的に許容される塩のモル等量で投与される。
ある実施形態においては、単一の経口剤形は、5mg〜640mg、5mg〜320mg、5mg〜200mg、5mg〜160mg、5mg〜100mg、5mg〜50mg、5mg〜25mg、5mg〜20mg、及び5mg〜10mgの式I、式II、式III、式IV、若しくは式Vの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物を含む。ある実施形態においては、単一の経口用量は、5mg、10mg、20mg、25mg、50mg、60mg、80mg、100mg、120mg、160mg、320mg、または640mgの式I、式II、式III、式IV、若しくは式Vの化合物、またはモル等量のそれらの薬学的に許容される塩である。
ある実施形態においては、経口剤形は、4時間毎、6時間毎、8時間毎、12時間毎、または24時間毎に投与される単一の経口剤形である。
ある実施形態においては、式I、式II、式III、式IV、式Vの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物は、医薬組成物の一部として投与することができる。ある実施形態においては、本発明の医薬組成物は、化合物の薬学的剤形への加工を容易にし、及び/または他の点では剤形の溶解を制御するための公知の賦形剤及び助剤から選択される、1種以上の適切な薬学的に許容される担体を含む。特定の実施形態においては、本発明の医薬組成物は、経口投与することのできる剤形である。ある実施形態においては、医薬組成物は、粉末、顆粒、錠剤、ペレット、多粒子剤、糖衣錠、またはカプセル等の固形の経口剤形の形態である。他の実施形態においては、医薬組成物は、経口液剤、経口懸濁液、または経口エマルション等の液体の経口剤形の形態である。
ある実施形態においては、経口剤形は、0.01〜99重量パーセント、0.01〜90重量パーセント、0.01〜85重量パーセント、0.01〜80重量パーセント、または0.01〜75重量パーセントの式I、式II、式III、式IV、式Vの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物を、1種以上の賦形剤とともに含む。
本発明の経口投与される医薬組成物は1種以上の賦形剤を含む。適切な賦形剤としては、糖類のような充填材、例えば、乳糖またはショ糖、マンニトール、サッカリンナトリウムまたはソルビトール、炭酸マグネシウム、セルロース調製物、及び/またはリン酸カルシウム、例えば、リン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウム、並びに例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、及び/またはポリビニルピロリドンを使用したデンプン糊等の結合剤が挙げられる。必要に応じて、上記デンプンのような、またカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはその塩、例えばアルギン酸ナトリウム等の崩壊剤を加えてもよい。前記に加え、助剤は、薬学的に好ましい調製物を与えるための、流れ調整剤及び滑沢剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸またはその塩、例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウム、及び/またはポリエチレングリコール;甘味料、例えば、フルクトース、アスパルテームまたはサッカリン;香味料、例えば、ペパーミント、冬緑油、またはサクランボ;着色料;及び保存剤である。更に、例えば、識別のため、または活性化合物用量の組合せの特徴を示すために、染料または顔料を錠剤または糖衣錠に加えることができる。適切な薬学的賦形剤の他の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences pp.1447−1676(Alfonso R.Gennaro編,第19版、1995)に開示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態においては、賦形剤は医薬品グレードである。
ある実施形態においては、本発明の医薬組成物は、本明細書の開示を考慮して公知である方法、例えば、従来の混合、顆粒化、糖衣錠作製、溶解または凍結乾燥工程で製造される。
本発明の医薬組成物は、その意図する目的を達成するために、任意の手段により投与することができる。好ましくは、投与は経口経路による。投与される用量及び投与の頻度は、受容者の年齢、健康状態、性、病状及び体重に依存し、あらゆる併用量法があれば、治療の頻度、及び他の要因の中で所望の効果の性質に依存する。
式I、式II、式III、式IV、式Vの化合物、若しくはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物は、短時間作用型システム、放出制御性システム、または徐放性システムで送達され得る。放出制御、または徐放性システムの詳細な説明については、例えば、米国特許第5,672,360号、第5,968,551号、第6,294,195号、第7,270,831号、及び第7,514,100号を参照のこと。放出制御、または徐放性システムは、当該技術分野において公知の方法によっても調整することができる(例えば、Goodson,in Medical Applications of Controlled Release,vol.2,pp.115−138(1984)を参照のこと)。また、LangerによりScience 249:1527−1533(1990)で議論されている、他の放出制御、または徐放性システムを使用することができる。
式I、式II、式III、式IV、式Vの化合物、若しくはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物は、制御送達のために、胃内または胃腸管上部に滞留する胃内滞留性薬剤送達システムとして製造することができる。胃内滞留薬剤送達システムの更に詳細な説明については、例えば、米国特許第5,232,704号;第7,157,100号;第7,838,028号:及び米国特許出願公開第2006/0013876号を参照のこと。胃内滞留薬剤送達システムは、当該技術分野において公知の方法によっても製造することができる(例えば、Sharma,N.ら,International Journal of Research in Pharmaceutical and Biomedical Sciences 2:428−441(2011)を参照のこと)。
米国特許第4,167,558及び第6,090,411号に開示された、錠剤及び顆粒の製造も使用することができる。米国特許第4,140,755号に開示された二層錠剤の製造も使用することができる。
全てがカプセル内に配置されている、活性剤、ヒドロコロイド、pH依存ポリマー、及び結合剤を含む粉末は、米国特許第5,169,638号に開示されている。前記文献に開示された形態は、本発明の化合物を送達するのに適している。
米国特許第6,635,279号には、酢酸ポリビニル及びポリビニルピロリドン、並びに賦形剤の混合物が開示されている。これらの形態は簡単な工程で製造することができ、例外的な機械的強度を示し得る。前記文献に開示された形態は、本発明の化合物または複数の化合物を送達するのに適している。
ある実施形態においては、本発明の化合物または複数の化合物は、1種以上の他の薬剤と一緒に投与される。
ある実施形態においては、本発明の化合物または複数の化合物は、1種以上の非オピオイド鎮痛薬と一緒に投与することができる。適切な非オピオイド鎮痛剤としては、アスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピロプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェン、ムロプロフェン、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロキシ酸、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オクシピナク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルミン酸、トルフェナム酸、ジフルリサル(diflurisal)、フルフェニサル、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム、それらの薬学的に許容される塩、及びそれらの混合物から選ばれる非ステロイド性抗炎症薬が挙げられるが、これらに限定されない。他の適切な非オピオイド鎮痛剤としては、サリチル酸ナトリウム、コリンマグネシウムトリサリチル酸、サルサラート、ジフルニサル、サリチルサリチル酸、サルファサラジン及びオルサラジンを含むが、これらに限定されないサリチル酸誘導体;アセトアミノフェンを含むが、これに限定されないパラ−アミノフェノール誘導体;インドメタシン、スリンダク及びエトドラクを含むが、これらに限定されないインドール及びインデン酢酸;トルメチン、ジクロフェナク及びケトロラクを含むが、これらに限定されないヘテロアリール酢酸;メフェナム酸及びメクロフェナム酸を含むアントラニル酸(フェナム酸);オキシカム(ピロキシカム及びテノキシカム)及びピラゾリジンジオン(フェニルブタゾン及びオキシフェンタータゾン(oxyphenthartazone)を含むが、これらに限定されないエノール酸;ナブメトンを含むが、これに限定されないアルカノンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の式I、式II、若しくは式IIIの化合物、またはその塩と同時投与することができる非オピオイド鎮痛剤の更に詳細な説明については、Paul A.Insel,Analgesic−Antipyretic and Antiinflammatory Agents and Drugs Employed in The Treatment of Gout in Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,617−657(Perry B.Molinhoff and Raymond W.Ruddon編,第9版 1996),及びGlen R.Hanson,Analgesic,Antipyretic and Anti−Inflammatory Drugs in Remington:The Science and Practice of Pharmacy,vol.II,1196−1221(A.R.Gennaro編集、第19版、1995)を参照のこと。
ある実施形態においては、本発明の化合物または複数の化合物は、1種以上のオピオイドアゴニストと同時投与することができる。適切なオピオイドアゴニストとしては、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベンジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジアモルホン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、フェンタニール、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタゾン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メサドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン(norpipanone)、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノピリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、それらの薬学的に許容される塩、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
ある実施形態においては、本発明の化合物または複数の化合物は、1種以上の抗片頭痛薬と同時投与することができる。適切な抗片頭痛薬としては、アルピロプリド、ジヒドロエルゴタミン、ドラセトロン、エルゴコルニニン、エルゴクリプチン、麦角、エルゴタミン、酢酸フルメドロキソン、フォナジン(fonazine)、リスリド、ロメリジン、メチセルジドオキセトロン、ピゾチリン及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
ある実施形態においては、本発明の化合物または複数の化合物は、1種以上の鎮吐薬と同時投与することができる。適切な鎮吐薬としては、メトクロプラミド、ドンペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンズアミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジンアセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリナート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタール、メトピマジン、ナビロン、オキシペルンジル、ピパマジン(pipamazine)、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカンナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、トロピセトロン及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
ある実施形態においては、本発明の化合物または複数の化合物は、1種以上のp−アドレナリン遮断薬と同時投与することができる。適切なp−アドレナリン遮断薬としては、アセブトロール、アルプレノロール、アモスラボール、アロチノロール、アテノロール、ベフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブクモロール、ブフェトロール、ブフラロール、ブニトロロール、ブプラノロール、塩酸ブチドリン、ブトフィロロール、カラゾロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、セタモロール、クロラノロール、ジレバロール、エパノロール、エスモロール、インデノロール、ラベタロール、レボブノロール、メピンドロール、メチプラナロール、メトプロロール、モプロロール、ナドロール、ナドキソロール、ネビバロール、ニフェナロール、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プラクトロール、プロネタロール、プロプラノロール、ソタロール、スルフィナロール、タリノロール、テルタトロール、チリソロール、チモロール、トリプロロール、キシベノロール及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない
ある実施形態においては、本発明の化合物または複数の化合物は、1種以上の抗けいれん薬と同時投与することができる。適切な抗けいれん薬としては、アセチルフェネトライド、アルブトイン、アロキシドン(aloxidone)、アミノグルテチミド、4−アミノ−3−ヒドロキシ酪酸、アトロラクタミド(atrolactamide)、ベクラミド、ブラマート(buramate)、臭化カルシウム、カルバマゼピン、シンロミド(cinromide)、クロメチアゾール、クロナゼパム、デシメミド(decimemide)、ジエタジオン、ジメタジオン、ドキセニトロイン(doxenitroin)、エテロバルブ(eterobarb)、エタジオン、エトスクシミド、エトトイン、フェルバメート、フルオレソン、ガバペンチン、5−ヒドロキシトリプトファン、ラモトリジン、臭化マグネシウム、硫酸マグネシウム、メフェニトイン、メフォバルビタール、メタルビタール、メテトイン(methetoin)、メスクシミド、5−メチル−5−(3−フェナントリル)−ヒダントイン、3−メチル−5−フェニルヒダントイン、ナルコバルビタール、ニメタゼパム、ニトラゼパム、オキシカルバゼピン、パラメタジオン、フェナセミド、フェネタルビタール(phenetharbital)、フェネトライド、フェノバルビタール、フェンスクシミド、フェニルメチルバルビツール酸、フェニトイン、フェセニレート(phethenylate)ナトリウム、臭化カリウム、プレガバリン(pregabaline)、プリミドン、プロガビド、臭化ナトリウム、ソラナム、臭化ストロンチウム、スクロフェニド(suclofenide)、スルチアム、テトラントイン(tetrantoin)、チアガビン、トピラマート、トリメタジオン、バルプロ酸、バルプロミド、ビガバトリン、ゾニサミド及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
ある実施形態においては、本発明の化合物または複数の化合物は、1種以上の抗うつ薬と同時投与することができる。適切な抗うつ薬としては、ビネダリン、カロキサゾン、シタロプラム、ジメタザン、フェンカミン、インダルピン、塩酸インデロキサジン、ネフォパム、ノミフェンシン、オキシトリプタン、オキシペルチン、パロキセチン、セルトラリン、チアゼシム、トラゾドン、ベンモキシン、イプロクロジド、 イプロニアジド、イソカルボキサジド、ニアラミド、オクタモキシン、フェネルジン、コチニン、ロリシプリン、ロリプラム、マプロチリン、メトラリンドール、ミアンセリン、ミルタゼピン、アジナゾラム、アミトリプチリン、アミトリプチリノキシド、アモキサピン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デメキシプチリン、デシプラミン、ジベンゼピン、ジメタクリン、ドチエピン、ドキセピン、フルアシジン、イミプラミン、イミプラミンN−オキシド、イプリンドール、ロフェプラミン、メリトラセン、メタプラミン、ノルトリプチリン、ノキシプチリン、オピプラモール、ピゾチリン、プロピゼピン、プロトリプチリン、キヌプラミン、チアネプチン、トリミプラミン、アドラフィニル、ベナクチジン、ブプロピオン、ブタセチン、ジオキサドロール、デュロキセチン、エトペリドン、フェバルバメート、フェモキセチン、フェンペンタジオール、フルオキセチン、フルボキサミン、ヘマトポルフィリン、ヒペリシン、レボファセトペラン、メジホキサミン、ミルナシプラン、ミナプリン、モクロベミド、ネファゾドン、オキサフロザン、ピベラリン、プロリンタン、ピリスクシデアノール、リタンセリン、ロキシンドール、塩化ルビジウム、スルピリド、タンドスピロン、トザリノン、トフェナシン、トロキサトン、トラニルシプロミン、L−トリプトファン、ベンラファキシン、ビロキサジン、ジメルジン及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
ある実施形態においては、本発明の化合物または複数の化合物は、1種以上のCa2+−チャネル遮断薬と同時投与することができる。適切なCa2+−チャネル遮断薬としては、ベプリジル、クレンチアゼム、ジルチアゼム、フェンジリン、ガロパミル、ミベフラジル、プレニラミン、セモチアジル、テロジリン、ベラパミル、アムロジピン、アラニジピン、バルニジピン、ベニジピン、シルニジピン、エホニジピン、エルゴジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、マニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、シンナリジン、フルナリジン、リドフラジン、ロメリジン、ベンシクラン、エタフェノン、ファントファロン、ペルヘキシリン及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
ある実施形態においては、本発明の化合物または複数の化合物は、国際特許出願公開WO 03/084520に従い、ナルトレキソン、ナロキソン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナルブフィン、ナロキソネアジネン、メチルナルトレキソン、ケチルシクラゾシン、ノルビナルトルフィミン、ナルトリンドール、6−β−ナロキソール、6−β−ナルトレキソール、アルビモパン、シプロジム、ジプレノルフィン、ゲマゾシン、5’−グアニジノナルトリンドール,JDTic((3R)−7−ヒドロキシ−N−[(2S)−1−[(3R,4R)−4−(3−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルピペリジン−1−イル]−3−メチルブタン−2−イル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボキシアミド)、レバロルファン、ナルデメジン、ナルメキソン、ジニコチン酸ナロルフィン、ナロキサゾン、ナロキセゴール、ナロキソール、ナオロキソナジン(naoloxonazine)、ナルチベン(naltiben)、オキシロルファン、カダゾシン、ザミドルファン、及びそれらの混合物等のオピオイドアンタゴニストと同時に処方され、または同時投与される。
急性疼痛としては、周術期の疼痛、術後疼痛、外傷後疼痛、急性疾患関連の疼痛、及び診断手順、整形外科的手術、及び心筋梗塞に関連した疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。周術期における急性疼痛としては、予め存在する疾患が原因の疼痛、例えば、排液管、胸腔チューブ若しくは経鼻胃チューブの外科手術に伴うもの、または合併症、若しくは疾患関連及び手術関連の原因の組合せが挙げられる。慢性疼痛として、これらに制限されないが、炎症性疼痛、術後疼痛、癌性疼痛、転移性癌に関連する骨関節炎疼痛、三叉神経痛、急性ヘルペス性及びヘルペス後神経痛、糖尿病性ニューロパシー、カウザルギー、腕神経叢裂離、後頭部神経痛、反射性交感神経性ジストロフィー、線維筋痛、痛風、幻肢痛、火傷痛、及び他の形態の神経痛、神経障害性疼痛、及び特発性疼痛症候群が挙げられる。
慢性疼痛または神経障害性疼痛は、原因が不明である異種起源の疾患状態である。慢性疼痛では、疼痛は、複数の機序により媒介し得る。このタイプの疼痛は、末梢神経組織または中枢神経組織の損傷から一般的に生じる。ある実施形態においては、疼痛は、脊椎損傷、多発性硬化症、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、幻想痛、カウザルギー、及び反射性交感神経性ジストロフィーに関連する疼痛並びに腰痛と関連する。患者が、自発痛、継続的な表面が焼けるような疼痛及び/または深部痛として記載することができる異常な痛覚を患っているという点において、慢性疼痛は急性疼痛とは異なる。疼痛は、熱的、冷的、及び機械的痛覚過敏、または熱的、冷的、若しくは機械的異痛症により誘起される可能性がある。
神経障害性疼痛は、末梢感覚神経の損傷または感染症により引き起こされる可能性がある。この可能性としては、末梢神経の外傷、ヘルペスウイルス感染症、真性糖尿病、カウザルギー、神経叢剥離、神経腫、肢の切断、及び血管炎による疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。神経障害性疼痛はまた、慢性アルコール中毒、ヒト免疫不全ウイルス感染症、甲状腺機能低下症、尿毒症、またはビタミン欠乏症による神経損傷により引き起こされる。神経障害性疼痛として、神経損傷により引き起こされる疼痛、例えば、糖尿病患者が患う疼痛等が挙げられるがこれらに限定されない。
ある実施形態においては、本発明の化合物は、鎮咳薬として、呼吸困難、下痢及び赤痢の治療または寛解に有用である。
前記例のそれぞれにおいて、本発明の方法は、式I、式II、式III、式IV、式Vの化合物、若しくはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物の有効量を、治療を必要とするほ乳動物に投与することを必要とする。
ある実施形態においては、本発明の化合物は、以下のインビトロアッセイによるμオピオイド受容体において、μオピオイド受容体結合活性及びその機能的プロファイルについて試験される。
μオピオイド受容体結合アッセイ
放射線リガンド投与置換アッセイは、最終用量500μLの結合緩衝液(10nM MgCl、1mM EDTA、5% DMSO、50mM Trizma base、pH 7.4)中の20μgの膜タンパク質(CHO−K1細胞(Perkin Elmer,Boston,MA)中で発現した組換え型μオピオイド受容体)とともに0.2nM[H]−ジプレノルフィン(Perkin Elmer,Boston,MA;50.0 Ci/mmol)を使用する。非標識のナロキソン(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)は、アッセイの陽性コントロールとして役立つ(濃度範囲:3x10−7〜1x10−13M)。全ての反応は、96深ウェルのポリプロピレンプレート中で、室温で2時間実施する。結合反応は、0.5%ポリエチレンイミン(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)中に予浸しておいた96ウェルのUnifilter GF/Cフィルタプレート(Packard,Meriden,CT)への急速ろ過により終了させた。収集は、96ウェル組織ハーベスター(Brandel,Gaithersburg,MD)を使用し、ついで、500μLの氷冷した結合緩衝液で3回ろ過洗浄を行って実施する。次いで、ろ過プレートを50℃で2〜3時間乾燥させた。50μL/ウェルのシンチレーションカクテル(BetaScint(Perkin Elmer,Boston,MA))を加え、プレートを、Packard Top−Count内で、ウェルあたり1分間カウントする。
オピオイド受容体[35S]GTP−γ−S結合機能アッセイ
機能的[35S]GTP−γ−S結合アッセイは、氷上で、結合バッファ(100mM NaCl、10mM MgCl、20mM HEPES、pH7.4)に、次の試薬を示された順番で順次混合し、示された最終濃度となるように行う:0.026μg/μL μ膜タンパク質、10μg/μL サポニン、3μM グアノシン5’−二リン酸(GDP)(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)、及び0.20nM [γ−35S]グアノシン 5’−(γ−チオ)−3リン酸([35S]GTP−γ−S)(DuPont/New England Nuclear Co.,Wilmington,DE)。調製した膜溶液(190μL/ウェル)を、ジメチルスルホキシド(DMSO)中で調製した10μLの化合物の20x濃縮保存溶液または適切な対照を含有する96−浅ウェル・ポリプロピレンプレートに移す。非標識[D−Ala、N−MePhe、Gly−オール]エンケファリン(DAMGO)(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)は、μ機能アッセイのためのアッセイ陽性対照として用いる。プレートを30分間、室温で、振盪しながらインキュベートする。96ウェル組織ハーベスター(Brandel,Gaithersburg,MD)を用いる96ウェル Unifilter GF/B フィルタプレート(Packard,Meriden,CT)での迅速ろ過、それに続く200μL 氷冷結合バッファ(10nM NaHPO、10mM NaHPO、pH7.4)での3回の濾過洗浄により、反応を停止させる。その後、フィルタプレートを50℃で2〜3時間乾燥させる。シンチレーションカクテル(BetaScint(Perkin Elmer,Boston,MA)を50μL/ウェルで添加し、プレートをPackard Top−Countで1分/ウェルで計数する。
データ分析:結合アッセイ及び機能アッセイのデータを共に、GraphPad PRISM(商標)、バージョン3.0の曲線当てはめ機能を用いて分析した。データは、平均±S.E.M.で示す。結合アッセイの結果は、阻害定数、K値(最大阻害の2分の1となる化合物の濃度)で示す。機能アッセイの結果は、EC50値(最大応答の50%となる化合物の有効濃度)で示す。
インビボ薬理学:本発明の化合物は、例えば下記の試験を用いて、経口投与後の脳へのインビボ分布について試験することができる。Sprague Dawleyラットに試験化合物を10mg/kg、経口投与する。投薬溶液は、25% 2−ヒドロキシプロピルベータ−シクロデキストリン(HPBCD)にあり、投薬量は、5mL/kgである。投与から1時間後、可能な最大量の血液を心臓穿刺により抜き取った。遠心分離により全血から血漿を分離し、分析にかける。出血後、全脳を回収し、低温正常食塩水中で簡単にすすいだ後、液体窒素中で急速冷凍する。血漿試料及び脳試料は共に、分析まで−70℃に貯蔵する。
血漿試料を分析するために、分析物の量を市販の対照ラット血漿にスパイクダウンすることにより、較正曲線を作成する。200μL分の標準及び試験サンプルを800μLの内標準(オキシコドン)の水溶液とともに添加し、下記の手順に従ってC18固相カートリッジ(96ウエルフォーマット、3M)で抽出する。500μLのメタノール、続いて500μLの水を適用することにより、カートリッジを活性化する。次いで、前記サンプルを適用して、カートリッジを500μLの水で洗浄した後、2x500μLのメタノール中1%フマル酸、続いて2x500μLのメタノール中2%アンモニアで溶出する。蒸発及び再構成して、試料をLC/MS/MSにより分析する。脳試料を分析するために、試験試料及び対照脳を比率1:10(重量/容量)で水と均質化する。分析物の量を対照脳均質物にスパイクダウンすることにより、較正曲線を作成する。500μL分の標準及び試験試料を、500μL分の内標準(オキシコドン)の水溶液とともに添加し、血漿試料のために上に記載した手順に従って、C18固相カートリッジ(96ウェルフォーマット、3M)で抽出する。蒸発及び再構成して、試料をLC/MS/MSにより分析する。
分析物及び内標準を、公知の手順を用いて、水−アセトニトリル勾配条件下(分析物ごとに固有の勾配)、Zorbax Extended C18カラム(4.6×150mm、3.5ミクロン粒径)でクロマトグラフィーを行った。溶出液をMS/MSによって分析する。分析物を、その装置の4つのうちの2番目を用いて、分析物の分子イオンの「娘」イオンとして記録する。MS/MS条件は、最大の選択性及び感受性を達成するように、個々の分析物ごとに最適化する。
未知試料の濃度を、対応する較正曲線のパラメータを基に計算する。「組織1gあたりのng」で示される脳内濃度は、対応する均質物濃度を10倍(均質化段階中の希釈比)して得る。脳対血液比を、個々の動物ごとに、対応する脳内濃度(ng/g)と血漿中濃度(ng/mL)の比率として計算し、平均値及び標準偏差を3つのグループについて計算する。
本発明の化合物は、Hunskaar,S.,O.B.Fasmer,及びK. Hole,J.Neurosci.Methods 14:69−76(1985)に記載されているように、ホルマリンモデルにおいて、それらの抗組織損傷受容活性について試験しうる。オスのSwiss Webster NIHマウス(20〜30g;Harlan、San Diego、CA)を全ての実験で用いる。実験日に餌を回収する。マウスを少なくとも1時間、プレクシグラス(Plexiglass)広口瓶に入れて環境に順応させる。順応時間後、マウスを計量し、媒体に経口投与する関心のある化合物、または適量の媒体(10% Tween−80)のいずれかを与える。その経口投与から30分後、ホルマリン(20μLの食塩水中5%ホルムアルデヒド溶液)を右後足の背面に注射する。マウスをプレクシグラス広口瓶に移し、注射した足をなめるまたは咬むのに費やす時間量をモニターする。なめる時間及び咬む時間を、ホルマリン注射後1時間にわたって、5分おきに記録する。全ての実験は、昼サイクルの間に盲検方式で行う。早期のホルマリン応答は、0〜5分間、なめる/咬むと測定し、後期は、15〜50分間測定する。媒体治療群と薬物治療群の間の差を、一方向分散分析(ANOVA)によって分析する。P値≦0.05を有意とみなす。急性及び第二段階のホルマリン誘発足なめ活動を阻止する活性を有する場合、それらの化合物は、急性及び慢性疼痛に効果を有すると考えられる。
本発明の化合物は、末梢神経障害のChungモデルにおいて、慢性疼痛の治療への可能性(抗異痛及び抗痛覚過敏活性)について試験をすることができる。体重が200〜225gのオスのSprague−Dawleyラットをハロタン(70%空気及び30%酸素の混合物中1〜3%)で麻酔し、麻酔の間、恒温毛布を用いて体温を制御する。次いで、2-cm背面中線切開をL5及びL6レベルで行い、脊椎傍筋群を両側に後退させる。次いで、L5及びL6脊髄神経を露出させ、隔離して、6−0絹糸で結紮する。陰性対照として反対側のL5及びL6脊髄神経を露出させる擬似手術を行う。
触覚異痛:ラットを金網床の高架試験ケージに移し、5〜10分間順応させる。一系列のセムズ−ワインスタイン(Semmes−Weinstein)モノフィラメントを後足の足底表面にあて、その動物の逃避しきい値を判定する。使用した第一フィラメントの座屈応力は、9.1gm(0.96 log値)であり、5回まであて、逃避反応を惹起するかを見る。動物に逃避反応がある場合には、その系列の次に最も軽いフィラメントを5回まであて、反応を惹起するかを判定する。この手順を、反応がなくなるまで、順次軽いフィラメントを用いて繰り返し、反応を惹起した最も軽いフィラメントを記録する。動物に最初の9.1gmのフィラメントで逃避反応がない場合には、次の重量増加フィラメントを、フィラメントが反応を惹起するまであて、このフィラメントを記録する。各動物について、全ての時点で測定を3回行い、平均逃避しきい値を決定する。試験は、薬物投与前並びに薬物投与後1、2、4及び24時間の時点で行う。触覚異痛試験と機械的痛覚過敏試験は、同時に行う。
機械的痛覚過敏: 金網床の高架試験ケージにラットを移し、5〜10分間順応させる。先をやや鈍らせた針で、皮膚を貫通せず、皮膚にくぼみを付けるように後足の足底表面に触れる。足を制御するための針の施行により、典型的に、すばやい畏縮反応が起こるが、それは、短すぎてストップウォッチで時間を測定できず、自由裁量で0.5秒の逃避時間にする。神経障害動物の手術した側の足は、先を鈍らせた針に対して過度の逃避反応を示す。10秒の最大逃避時間をカットオフ時間として用いる。動物の両脚についての逃避時間は、適用と適用の間に5分間の回復時間を設けて、各時点で3回測定する。各時点についての平均逃避時間を算出するために、測定を3回行う。触覚異痛試験及び機械的痛覚過敏試験は、同時に行う。
以下の実施例は、本発明の方法及び組成物を例示するものであり、これらに限定されるものではない。臨床療法において通常遭遇する様々な条件及びパラメータに対する、並びに当業者には自明である他の適切な変更及び適応は、本発明の精神及び範囲の範囲内である。
製造の実施例
実施例1
式IVの化合物(オキシコドン2,4−ペンタンジオールケタール)の製造:オキシコドンの遊離塩基(2.91g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(2.17g) 及び2,4−ペンタンジオール(5.40g、異性体の混合物)をトルエン(250mL)中で撹拌し、ディーン−スターク水トラップを取り付けて還流下、加熱した。3.5時間後、混合物を冷却し、トリエチルアミン(5mL)で処理し、水で洗浄した(2×50mL)。トルエン溶液を減圧濃縮し、透明な樹脂を得、これを放置して固化し、白色固体(式I)を得た(3.87g)。図7は、式IVの化合物(オキシコドン2,4−ペンタンジオールケタール)のH NMR(d6−DMSO)スペクトルを示す。
本明細書に詳細に説明する手段を使用し、オキシコドンを、それぞれ2S,4S−ペンタンジオール及び2R,4R−ペンタンジオールと反応させることにより、異性体IVC及びIVDを製造した。更に、本明細書に詳細に説明する手段を使用し、オキシコドンをメソ−2,4−ペンタンジオールと反応させることにより、異性体IVA及びIVBの混合物を製造した。
実施例2
式Vの化合物(オキシコドン1,3−ブタンジオールケタール)の製造:オキシコドンの遊離塩基(1.58g)、p−トルエンスルホン酸(1.19g)、及び1,3−ブタンジオール(5.73g、異性体の混合物)をトルエン(125mL)中で撹拌し、ディーン−スターク水トラップを取り付けて還流下、加熱した。5時間後、混合物を冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2×50mL)、次いで水(50mL)で洗浄した。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮し、無色の固体を得、これを放置して固化し、白色固体を得た(2.12g)。図8は、式Vの化合物(オキシコドン1,3−ブタンジオールケタール)のH NMR(d6−DMSO)スペクトルを示す。
前記に示す一般的なスキームを用い、以下の化合物を製造し、特徴付けを行った。特徴付けは、LC/MSシステムを使用して実施した。LC/MSは、Phenomenex Luna C18カラム、及び0.3mL/分の溶出速度における、水中90%の2.8mMギ酸アンモニウム、10%メタノールの第1の溶媒、及びメタノールの第2の溶媒を用いた勾配溶出を使用した。分離された各化合物の分子量ピークを以下に示す:
前記に示す一般的なスキームを用い、以下のグラム量の化合物を製造した。エタノール中での再結晶またはシリカゲルクロマトグラフィーにより、化合物の更なる精製を実施した。特徴付けは、LC/MSシステム及びH NMR分光法を使用して実施した。化合物、製造された量、及び精製の程度を以下に示す。
疑似胃酸及び0.1N HClを用いた加水分解試験
実施例3
2mg/mLの濃度における未反応のオキシコドンとともに、オキシコドン2,4−ペンタンジオールケタールの異性体の混合物を、37℃でUSP疑似胃酸(SGF)(0.084N HCl中の0.2% NaCl及び0.32%ペプシン)に供し、LC/MSによりオキシコドンの加水分解の分析を実施した。加水分解の結果を表1aに示し、図1に図示する。
比較として、未反応のオキシコドンとともに、オキシコドン2,4−ペンタンジオールケタールの異性体の混合物を、0.1N HClに2mg/mLの濃度に溶解し、37℃に加熱した。加水分解の経過をLC/MSにより監視した。加水分解の結果を表1bに示し、図1に図示する。
結果は、異性体の加水分解速度が、0.1N HCl及びSGFで同様であり、これは、SGF中に存在するペプシン酵素が加水分解速度における影響がわずかであることを示す。
実施例4
1mg/mLの濃度におけるヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールを、37℃で、USP疑似胃酸(SGF)(0.084N HCl中の0.2% NaCl及び0.32%ペプシン)における加水分解に供し、LC/MSによりヒドロコドンの加水分解の分析を実施した。加水分解の結果を表2aに示し、図2に図示する。
比較として、未反応のヒドロコドンとともに、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールの4種の立体異性体の混合物を1mg/mLの濃度で0.1N HClに溶解し、37℃に加熱した。加水分解の経過をLC/MSにより監視した。加水分解の結果を表2bに示し、図2に図示する。ケタールA+Bと表わされる2種の立体異性体は使用したLC/MS条件下で分離されなかった。
結果は、異性体の加水分解速度が、0.1N HCl及びSGFで同様であり、これは、これは、SGF中に存在するペプシン酵素が加水分解速度における影響がわずかであることを示す。
実施例5
未反応のヒドロモルホンとともに、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールの異性体の混合物を、1mg/mLの濃度で、37℃において0.1N HCl中、加水分解に供し、LC/MSによりヒドロモルホンの加水分解の分析を実施した。加水分解の結果を表3に示し、図3に図示する。ヒドロモルホンの増加の割合は、ケタールの加水分解から遊離したヒドロモルホンを示す。
表3及び図3に示すように、ケタールDは、37℃、0.1N HClにおいて4時間でほぼ完全な加水分解を示した。それに対し、ケタールA、B及びCは、よりゆっくりと加水分解し、37℃、0.1N HClにおいて4時間で完全に加水分解しなかった。
実施例6
前述のように、オキシコドンシス1,2−シクロヘキサンジメタノールケタールの混合物を製造し、1mg/mLの濃度で、37℃において0.1N HCl中、加水分解に供した。分析の結果を以下の表4及び図4に示す。
実施例7
前記一般的手法に従い、ヒドロコドン1,3−プロパンジオールケタールを製造し、1mg/mLの濃度で、37℃における0.1N HClでの加水分解について試験を行った。分析の結果を以下の表5及び図5に示す。
実施例8
ヒドロコドン2S,5S−ヘキサンジオールケタール及びヒドロコドン2R,5R−ヘキサンジオールケタールを別々に製造し、それぞれ、1mg/mLの濃度で、37℃におおける0.1N HClでの加水分解について別々に試験を行った。加水分解速度を以下の表6a及び6bに示す。ケタールの加水分解及び対応するヒドロコドンの放出を図6に示す。破線は、2S,5Sヒドロコドンヘキサンジオールケタール及び放出されたヒドロコドンを示す。実線は、ヒドロコドン2R,5Rヘキサンジオールケタール及び加水分解されたヒドロコドンを示す。
実施例9
オキシコドン2,4−ペンタンジオールケタール(1.1mg、異性体の混合物)を、新鮮なEDTA安定化血漿中で5分間撹拌した。混合物をろ過し(0.45ミクロンのPTFE)、LC/MSにより分析した。試料を37℃に4時間維持し、ろ過し(0.45ミクロンのPTFE)、LC/MSにより分析した。結果は、ケタールの約6%が4時間でオキシコドンに加水分解したことを示す。
ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタール(1.1mg、異性体の混合物)を、新鮮なEDTA安定化血漿中で5分間撹拌した。混合物をろ過し(0.45ミクロンのPTFE)、LC/MSにより分析した。試料を37℃に4時間維持し、ろ過し(0.45ミクロンのPTFE)、LCMSにより分析した。結果は、ケタールの約0.2%が4時間でヒドロコドンに加水分解したことを示す。
したがって、結果は、乱用者が、急速な多幸感を実現するために、薬物の非経口投与(すなわち、吸入または注射)により本発明のオピオイドケタール化合物を乱用しにくくなることを示している。
実施例10
5員環ケタールを有する以下のオピオイドケタールを合成し、それぞれ、37℃における0.1N HClでの加水分解、及び/またはSGFについて試験を行った。
実施例11
わずかに過剰量のジオールを用いた、本発明の化合物の合成の改善
式Iの化合物の模範的な製造:オキシコドン(1当量)、2R,4R−ペンタンジオール(1.1当量)、p−トルエンスルホン酸一水和物(1.5当量)、及びトルエンを、窒素を流しながら還流した。ディーンスタークトラップ内で、水を共沸して除去した。溶液を合計で22.5時間還流し、3.5、6及び22.5時間にLCMSのために一部を取り出した。22.5時間後に、出発時のオキシコドンの約25%が残っていた。最終の反応混合物中に最小量の不純物が存在した。
実施例12
37℃における0.1N HClでの式IV(オキシコドン2,4−ペンタンジオールケタール)の加水分解試験
未反応のオキシコドン、及び式IVの4種の異性体(IVA−IVD)の混合物を、合計で1mg/mLの濃度で、0.1N HClに溶解し、37℃に加熱した。加水分解の経過をLC/MSにより監視した。加水分解の結果を表7に示し、図9に図示する。
異性体IVC及びIVDを別々に製造し、それぞれ、1mg/mLの濃度で、37℃におおける0.1N HClでの加水分解について別々に試験を行った。加水分解の結果を標準化し、表8a及び8bに示し、図10に図示する。破線は、オキシコドン2S,5Sペンタンジオールケタール及び加水分解されたオキシコドンを示す。実線は、オキシコドン2R,5Rペンタンジオールケタール及び加水分解されたオキシコドンを示す。
未反応のオキシコドン、及び式Vの4種の異性体(Va−Vd)の混合物を、1mg/mLの濃度で、0.1N HClに溶解し、37℃に加熱した。加水分解の経過をLC/MSにより監視した。加水分解の結果を表9に示し、図11に図示する。
* 異性体Va−Vdのそれぞれの立体化学が決定される。
実施例13
加水分解試験:100℃における5%酢酸
未反応のオキシコドン、及び式IVの4種の異性体(IVA−IVD)の混合物を、1mg/mLの濃度で、5%酢酸に溶解し、100℃に加熱した。加水分解の経過をLC/MSにより監視した。加水分解の結果を表4に示し、図12に図示する。
未反応のオキシコドン、及び式Vの4種の異性体の混合物を、1mg/mLの濃度で、5%酢酸に溶解し、100℃に加熱した。加水分解の経過をLC/MSにより監視した。加水分解の結果を表11に示し、図13に図示する。
* 異性体Va−Vdのそれぞれの立体化学が決定される。
実施例14
前述のようにして、オキシコドン3,5−オクタンジオールケタールの混合物を製造し、1mg/mLの濃度で、37℃での0.1N HCL中の加水分解に供した。分析の結果を以下の表12及び図14に示す。ケタールa及びケタールbのピークを表す線は、使用されるLCMS条件下で分離していない異性体の混合物であった。
実施例15
種々のpHにおけるケタールの加水分解
ヒドロコドン2R,4R−ペンタンジオールケタールを、1mg/mLの濃度で、種々のpHの緩衝液中、37℃で加水分解した。加水分解のデータを以下の表13a及び図15に示す。データは、ケタールが加水分解して親ヒドロコドンを生成するのは、pH1が最も速いことを示す。
*より長い時間から推定した加水分解時間
オキシコドン2R,4R−ペンタンジオールケタールを、1mg/mLの濃度で、種々のpHの緩衝液中、37℃で加水分解した。加水分解のデータを以下の表13b及び図16に示す。データは、ケタールが加水分解して親ヒドロコドンを生成するのは、pH1が最も速いことを示す。
実施例16
式IVの4種の異性体(IVA−IVD)の混合物を、1mg/mLの濃度で、ソフトドリンクコカコーラ(登録商標)、pH4の緩衝液、またはpH7の緩衝液内での加水分解について試験を行った。下記表14に示すように、混合物は、各試験条件下において、3日後に非常に低い程度の加水分解を示した。
これまで本発明を詳細に記載してきたが、同じことを、本発明の範囲またはそのいずれの実施形態にも影響を及ぼすことなく、条件、製剤、及び他のパラメータの幅広く同等な範囲内で実施できることは、当業者に理解される。
本発明の他の実施形態は、本明細書及び本明細書に開示する本発明の実施を考えて、当業者には明らかとなる。本明細書及び実施例は例示にすぎないと考えられ、本発明の真の範囲及び趣旨は以下の特許請求の範囲によって示されるように意図されている。
本明細書に引用する特許及び刊行物は全て、参照によりそれらの全体が完全に組み込まれる。

Claims (93)

  1. 式I
    (式中、RはHまたはCHであり、
    はHまたはOHであり、
    nは0、1、2または3であり、
    及びRは独立してH、または置換されていてもよいC−Cアルキルであるか、またはnが0である場合、R及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒に、C−Cアルキルで一または二置換されていてもよい5、6または7員環を形成し、*または**で標識された炭素原子は、独立してRまたはS配置である)の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  2. がCHであり、RがHであり、nが1であり、R及びRがそれぞれCHである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  3. *で標識された炭素原子、及び**で標識された炭素原子が、両者ともR配置である、請求項1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  4. *で標識された炭素原子、及び**で標識された炭素原子が、両者ともS配置である、請求項1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  5. *で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された炭素原子がS配置である、請求項1または2に記載の化合物。
  6. *で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置である、請求項1または2に記載の化合物。
  7. 請求項1または2に記載の化合物またはその塩の少なくとも2種の立体異性体を含む混合物であって、該立体異性体が、*で標識された炭素原子と**で標識された炭素原子とが独立してRまたはS配置である化合物である、混合物。
  8. 一方の立体異性体が、*で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された化合物がS配置である化合物であり、他方の立体異性体が、*で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置である化合物である、請求項7に記載の混合物。
  9. がCHであり、RがHまたはOHであり、nが2であり、R及びRがそれぞれCHである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  10. がHであり、*で標識された炭素原子、及び**で標識された炭素原子が、両者ともR配置である、請求項9に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  11. がHであり、*で標識された炭素原子、及び**で標識された炭素原子が、両者ともS配置である、請求項9に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  12. 請求項9に記載の化合物、またはその塩の少なくとも2種の立体異性体を含む混合物であって、RがHであり、該立体異性体が、*で標識された炭素原子と**で標識された炭素原子とが独立してRまたはS配置である化合物である、混合物。
  13. 一方の立体異性体が、*で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された化合物がS配置である化合物であり、他方の立体異性体が、*で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置である化合物である、請求項12に記載の混合物。
  14. がOHであり、*で標識された炭素原子、及び**で標識された炭素原子が、両者ともR配置である、請求項9に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  15. がOHであり、*で標識された炭素原子、及び**で標識された炭素原子が、両者ともS配置である、請求項9に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  16. 請求項9に記載の化合物、またはその塩の2種以上の立体異性体を含む混合物であって、RがOHであり、該立体異性体が、*で標識された炭素原子と**で標識された炭素原子とが独立してRまたはS配置である化合物である、混合物。
  17. 一方の立体異性体が、*で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された化合物がS配置である化合物であり、他方の立体異性体が、*で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置である化合物である、請求項16に記載の混合物。
  18. がHであり、RがHであり、nが1であり、R及びRがそれぞれCHである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  19. *で標識された炭素原子、及び**で標識された炭素原子が、両者ともR配置である、請求項18に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  20. *で標識された炭素原子、及び**で標識された炭素原子が、両者ともS配置である、請求項18に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  21. *で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された化合物がS配置である化合物である、請求項18に記載の化合物。
  22. *で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された化合物がR配置である化合物である、請求項18に記載の化合物。
  23. 請求項18に記載の化合物、またはその塩の2種以上の立体異性体を含む混合物であって、該立体異性体が、*で標識された炭素原子と**で標識された炭素原子とが独立してRまたはS配置である化合物である、混合物。
  24. 一方の立体異性体が、*で標識された炭素原子がR配置であり、**で標識された炭素原子がS配置である化合物であり、他方の立体異性体が、*で標識された炭素原子がS配置であり、**で標識された炭素原子がR配置である化合物である、請求項23に記載の混合物。
  25. がCHであり、RがHであり、nが0であり、R及びRがそれらが結合する炭素原子と一緒に6員の炭素環を形成している、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  26. がCHであり、RがOHであり、nが1であり、R及びRが独立して-CHCH及びCHCHCHであり、*で標識された炭素原子と**で標識された炭素原子とが独立してRまたはS配置である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  27. 式IIまたは式III
    の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  28. 請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、化合物若しくはその薬学的に許容される塩の混合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  29. 5mg〜320mgの化合物若しくは混合物、またはモル当量のその薬学的に許容される塩を含む、請求項28に記載の医薬組成物。
  30. ほ乳動物における疼痛を治療、寛解または予防する方法であって、そのような治療、寛解または予防を必要とするほ乳動物に、治療的有効量の、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物若しくは化合物の混合物、またはモル当量のその薬学的に許容される塩を経口投与することを含む、前記方法。
  31. 前記方法が、急性疼痛の治療、寛解または予防のためである、請求項30に記載の方法。
  32. 前記方法が、慢性疼痛の治療、寛解または予防のためである、請求項30に記載の方法。
  33. オピオイド療法を必要とするほ乳動物において、オピオイドの活性の発生を遅延させる方法であって、前記ほ乳動物に、治療的有効量の、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物若しくは化合物の混合物、またはその薬学的に許容される塩を経口投与することを含む、前記方法。
  34. オピオイド療法を必要とする哺乳動物において、前記ほ乳動物に、治療的有効量の、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物若しくは化合物の混合物を経口投与することを含む、ほ乳動物においてオピオイド療法を実現する方法。
  35. 式Iの化合物を得るのに必要な条件下で、オピオイドをジオールと反応させることを含む、請求項1に記載の式Iの化合物を製造する方法
  36. 反応が、式Iの化合物を得るのに適切な酸触媒の存在下に実施される、請求項35に記載の方法。
  37. 反応が、式Iの化合物を得るのに適切な溶媒の存在下に実施される、請求項35に記載の方法。
  38. 場合により酸触媒の存在下に、場合により溶媒の存在下に、ヒドロコドンを、2,4−ペンタンジオールと反応させて、ヒドロコドン2,4−ペンタンジオールケタールを得ることを含む、請求項35に記載の方法。
  39. 場合により酸触媒の存在下に、場合により溶媒の存在下に、オキシコドンを、2,5−ヘキサンジオールと反応させて、オキシコドン2,5−ヘキサンジオールケタールを得ることを含む、請求項35に記載の方法。
  40. 場合により酸触媒の存在下に、場合により溶媒の存在下に、ヒドロコドンを、2,5−ヘキサンジオールと反応させて、ヒドロコドン2,5−ヘキサンジオールケタールを得ることを含む、請求項35に記載の方法。
  41. 場合により酸触媒の存在下に、場合により溶媒の存在下に、オキシコドンを、1,3−ブタンジオールと反応させて、オキシコドン1,3−ブタンジオールケタールを得ることを含む、請求項35に記載の方法。
  42. 場合により酸触媒の存在下に、場合により溶媒の存在下に、ヒドロモルホンを、2,4−ペンタンジオールと反応させて、ヒドロモルホン2,4−ペンタンジオールケタールを得ることを含む、請求項35に記載の方法。
  43. 式IVまたは式V:
    の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  44. 式IVを有する、請求項43に記載の化合物。
  45. *で標識された炭素原子が、両方ともR配置である、請求項44に記載の化合物。
  46. *で標識された炭素原子が、両方ともS配置である、請求項44に記載の化合物。
  47. *で標識された一方の炭素原子がR配置であり、*で標識された他方の炭素原子がS配置である、請求項44に記載の化合物。
  48. 式Vを有する、請求項43に記載の化合物。
  49. *で標識された炭素原子がR配置である、請求項48に記載の化合物。
  50. *で標識された炭素原子がS配置である、請求項48に記載の化合物。
  51. 下記からなる群から選択される少なくとも2種の異性体、
    及びその薬学的に許容される塩を含む混合物。
  52. 異性体IVC及びIVD、またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項51に記載の混合物。
  53. 異性体IVCが、異性体IVDよりも大きいモル量で存在する、請求項51に記載の混合物。
  54. 異性体IVDが、異性体IVCよりも大きいモル量で存在する、請求項51に記載の混合物。
  55. 異性体IVA、IVB、IVC及びIVD、またはその薬学的に許容される塩を含む、請求項51に記載の混合物。
  56. 異性体IVC及びIVDが、その合計モル量において、異性体IVA及びIVBよりも多く存在する、請求項51に記載の混合物。
  57. 下記からなる群から選択される少なくとも2種の異性体、
    及びその薬学的に許容される塩を含む混合物。
  58. 異性体VA、VB、VC及びVDまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項57に記載の混合物。
  59. 請求項42〜49のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  60. 請求項51〜58のいずれか1項に記載の混合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  61. 5mg〜320mgの化合物若しくは混合物、またはモル当量のその薬学的に許容される塩を含む、請求項60に記載の医薬組成物。
  62. ほ乳動物における疼痛を治療、寛解または予防する方法であって、そのような治療または予防を必要とするほ乳動物に、治療的有効量の、請求項43〜50のいずれか1項に記載の化合物、若しくはモル当量のその薬学的に許容される塩、または請求項51〜58のいずれか1項に記載の混合物を経口投与することを含む、前記方法。
  63. 前記方法が、急性疼痛の治療、寛解または予防のためである、請求項62に記載の方法。
  64. 前記方法が、慢性疼痛の治療、寛解または予防のためである、請求項62に記載の方法。
  65. オピオイド療法を必要とするほ乳動物において、オピオイドの活性の発生を遅延させる方法であって、前記ほ乳動物に、治療的有効量の、請求項43〜50のいずれか1項に記載の化合物を経口投与することを含む、前記方法。
  66. オピオイド療法を必要とする哺乳動物において、前記ほ乳動物に、治療的有効量の、請求項43〜50のいずれか1項に記載の化合物を経口投与することを含む、ほ乳動物においてオピオイド療法を実現する方法。
  67. 0.1N HCl中、37℃で約2時間以内に前記化合物の少なくとも約40%をオピオイドに加水分解する、請求項66に記載の方法。
  68. 0.1N HCl中、37℃で約4時間以内に前記化合物の約100%をオピオイドに加水分解する、請求項66に記載の方法。
  69. オピオイド療法を必要とする哺乳動物において、前記ほ乳動物に、治療的有効量の、請求項51〜58のいずれか1項に記載の混合物を経口投与することを含む、ほ乳動物においてオピオイド療法を実現する方法。
  70. 0.1N HCl中、37℃で約2時間以内に前記混合物の少なくとも約40%をオピオイドに加水分解する、請求項69に記載の方法。
  71. 0.1N HCl中、37℃で約2時間以内に前記混合物の約100%をオピオイドに加水分解する、請求項69に記載の方法。
  72. 場合により酸触媒の存在下に、場合により溶媒の存在下に、オキシコドンを2,4−ペンタンジオールと反応させて式IVの化合物を得ることを含む、請求項44に記載の式IVの化合物の製造方法。
  73. 前記製造される化合物が異性体IVD:
    である、請求項72に記載の方法であって、オキシコドンを2R,4R−ペンタンジオールと反応させることを含む、前記方法。
  74. 製造される化合物が異性体IVCであり、
    オキシコドンを2S,4S−ペンタンジオールと反応させることを含む、請求項72に記載の方法。
  75. 製造される化合物が、異性体IVA若しくは異性体IVB、またはその両者であり:
    オキシコドンをメソ−2,4−ペンタンジオールと反応させることを含む、請求項72に記載の方法。
  76. 場合により酸触媒の存在下に、場合により溶媒の存在下に、オキシコドンを1,3−ブタンジオールと反応させて式Vの化合物を得ることを含む、請求項48に記載の式Vの化合物の製造方法。
  77. 製造される化合物が、異性体VA若しくは異性体VD、またはその両者であり:
    オキシコドンを(R)−1,3−ブタンジオールと反応させることを含む、請求項76に記載の方法。
  78. 製造される化合物が、異性体VB若しくは異性体VC、またはその両者であり:
    オキシコドンを(S)−1,3−ブタンジオールと反応させることを含む、請求項76に記載の方法。
  79. ほ乳動物における疼痛の治療、寛解または予防における、請求項1〜6、9〜11、14、15、18〜22、25〜27、及び43〜50のいずれか1項に記載の化合物の使用であって、治療的有効量の前記化合物または混合物を、前記治療、寛解または予防を必要とするほ乳動物に経口投与することを含む、前記使用。
  80. ほ乳動物における疼痛の治療、寛解または予防における、請求項7、8、12、13、16、17、23、24、及び51〜58のいずれか1項に記載の混合物の使用であって、治療的有効量の前記化合物または混合物を、前記治療または予防を必要とするほ乳動物に経口投与することを含む、前記使用。
  81. 前記疼痛が急性疼痛である、請求項80または81に記載の使用。
  82. 前記疼痛が慢性疼痛である、請求項80または81に記載の使用。
  83. 治療的有効量の前記化合物または混合物を、前記治療または予防を必要とするほ乳動物に経口投与することを含む、ほ乳動物における疼痛の治療、寛解または予防における使用のための、請求項1〜6、9〜11、14、15、18〜22、25〜27、及び43〜50のいずれか1項に記載の化合物。
  84. 前記疼痛が急性疼痛である、ほ乳動物における疼痛を治療、寛解または予防するための請求項83に記載の化合物。
  85. 前記疼痛が慢性疼痛である、ほ乳動物における疼痛を治療、寛解または予防するための請求項83に記載の化合物。
  86. 治療的有効量の前記化合物または混合物を、前記治療または予防を必要とするほ乳動物に経口投与することを含む、ほ乳動物における疼痛の治療、寛解または予防における使用のための、請求項7、8、12、13、16、17、23、24、及び51〜58のいずれか1項に記載の混合物。
  87. ほ乳動物における疼痛の治療、寛解または予防に使用するための請求項86に記載の混合物であって、前記疼痛が急性疼痛である、前記混合物。
  88. ほ乳動物における疼痛の治療、寛解または予防に使用するための請求項86に記載の混合物であって、前記疼痛が慢性疼痛である、前記混合物。
  89. ほ乳動物における疼痛の治療、寛解または予防のための薬剤の製造における、請求項1〜6、9〜11、14、15、18〜22、25〜27、及び43〜50のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  90. ほ乳動物における疼痛の治療、寛解または予防のための薬剤の製造における、請求項7、8、12、13、16、17、23、24、及び51〜58のいずれか1項に記載の混合物の使用。
  91. 前記疼痛が急性疼痛である、請求項89または90に記載の使用。
  92. 前記疼痛が慢性疼痛である、請求項89または90に記載の使用。
  93. 請求項1〜6、9〜11、14、15、18〜22、25〜27、及び43〜50のいずれか1項に記載の、1種以上の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩の2種以上の立体異性体を含む、放出制御製剤。
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