JP2016516439A - 植物性タンパク質微粒子を含むクリーマー組成物 - Google Patents

植物性タンパク質微粒子を含むクリーマー組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、クリーマー組成物中での白色化剤としての植物性タンパク質微粒子の使用に関する。本発明は、クリーマー組成物を製造する方法及び飲料組成物を調製する方法にも関する。【選択図】 なし

Description

発明の分野
本発明は、例えば、コーヒー飲料、茶飲料及びココア飲料に添加するために使用することができるクリーマー、並びにクリーマーを製造する方法に関する。
背景
クリーマーは、熱い飲料及び冷たい飲料、例えば、コーヒー、ココア、茶などに添える白色化剤として広く使用される。クリーマーは、乳及び/又は乳製品クリームの代わりによく使用される。クリーマーは多種多様な風味を帯びることができ、口当たり、こく及び滑らかなテクスチャーをもたらし得る。クリーマーは液体形態でも粉末形態でもよい。液体クリーマーは、周囲温度又は冷蔵で保管するものとすることができ、保管中に、相分離、クリーム分離、ゲル化及び沈降がなく、安定性があるべきである。クリーマーはまた、時間と共に一定の粘度を保持すべきである。コーヒー又は茶などの冷たい飲料又は熱い飲料に添加した場合、クリーマーは、速やかに分散し、良好な白色化能を呈し、フェザーリング及び/又は沈降のない安定性を維持すべきであり、同時にすぐれた味及び口当たりをもたらすべきである。
エマルション及び懸濁液は、熱力学的に安定ではない。油及び他の不溶性原料を含有する液体クリーマーにおいて、特に無菌液体クリーマーでは、周囲温度又は高温での長期保管中の物理化学的な不安定性の問題を克服することが真の課題である。さらに、時間と共に、室温及び高温で保管された液体飲料中で未だに見えないことがあるクリーム分離により、冷蔵されたときに瓶の中に塊を生じる場合がある。
従来は、低分子乳化剤、例えばモノグリセリド及びジグリセリドを非乳製品液体クリーマーに添加して、水中油エマルションの安定性を確保している。低分子量乳化剤は水中油エマルションの有効な安定化剤である。
一部の非乳製品液体クリーマーは、低分子乳化剤に加え、白色化剤/着色剤(例えば二酸化チタン)の添加を使用して作製され、当該白色化剤/着色剤は、クリーマーに使用されて、飲料(コーヒー、茶など)に添加する際に必要とされる白色化能を付与する。これは、無脂肪又は低脂肪の非乳製品液体クリーマーに特に当てはまる。二酸化チタンは、その無機物の性質及び高密度(約4.2g・cm−3)のため、研磨性が高い可能性があり、工場のパイプに早期の損傷をいくらかもたらすおそれがある。密度が高いことによって、製品の保存期間中に沈降を防止するために親水コロイドの組合せを使用する必要もあり、これにより、配合が複雑になるおそれがある。これらの技術的問題を克服するため、必要な白色化能を備えた安定性のある製品を提供するために代替の原材料が求められている。
仏国特許出願公開第2942586号は、コーヒークリーマーとして、30%のエマルション系の植物性タンパク質及び加水分解デンプンの使用を開示している。この開示は植物性タンパク質微粒子に関するものではなく、提供されている解決策は脂肪がないと機能しない。
国際公開第2010065570号パンフレットは、加水分解されているタンパク質を開示している。ここでも、白色化効果をもたらすのはエマルションである。これには脂肪が必要であり、低脂肪又は無脂肪の非乳製品クリーマーを作製することはできない。
国際公開第2004071203号パンフレットは、全脂肪乳製品クリーマーの脂肪の口当たりを再現するために使用される油中油を連想させる、市販の微粒子化乳清タンパク質を主原料とするコーヒークリーマーを開示している。国際公開第2004030464号パンフレットも、脂肪の口当たりを改善する作用剤の飲料を開示している。これらの開示はいずれも、飲料を白色化する必要性に対する解決策を提供していない。
コーヒーを白色化するために豆乳を添加することも従来技術において公知である。通常の豆乳はダイズの後味が残り、多くの消費者に受け入れられていない。
先の議論を考慮すると、低分子乳化剤を用いずに、均質で、保存安定性がよく、且つ良好な物理的安定性を示す液体クリーマーを作り出すには多くの課題がある。
植物性タンパク質微粒子を白色化剤として使用すると、有効な白色化力をもたらし得ることが、驚くべきことに判明した。植物性タンパク質微粒子は、クリーマー中で、脂肪及び着色剤を含む他の白色化剤の一部又は全部と置き換えることができる。
植物性タンパク質微粒子とは、熱処理及びそれに続く凝集していない植物性タンパク質の分散体の均質化によって得られる粒子を意味する。得られた微粒子は、好ましくは100〜4000nmの間の粒径分布、及び/又は好ましくは2.4%(w/w)の可溶性コーヒーに入れて10分後に測定した場合に、500nmにおいて少なくとも0.680の安定性のある光学密度を有する。
したがって、本発明は、クリーマー組成物中での白色化剤としての植物性タンパク質微粒子の使用に関する。本発明の好ましい実施形態において、クリーマー組成物中の植物性タンパク質微粒子は不規則な形状を有する。本文脈において、不規則な形状とは非球状を意味する。
さらなる実施形態において、本発明は、本発明のクリーマー組成物を製造する方法及び飲料組成物を調製する方法に関する。
植物性タンパク質微粒子は、低脂肪の液体クリーマーをコーヒー又は茶などの飲料に添加した場合に良好な白色化能をもたらすことが、驚くべきことに判明した。これにより、TiOなどの人工着色剤をクリーマーに添加するのを回避することが可能になる。さらに、抽出したエマルション混合物は、熱い酸性の液体、特にコーヒー又は茶を淹れるのに硬水を使用する場合のミネラル濃度の高い液体中で、安定性があることが判明している。さらに、植物性タンパク質粒子が、液体クリーマーの味/口当たりにも、クリーマーを添加した飲料の味/口当たりにも悪影響を及ぼすことはない。
植物性タンパク質微粒子0.04%(w/w)の、強度に基づいた粒径分布を示す。(A):ジャガイモ、(B):ダイズ。
植物性タンパク質微粒子の、ネガティブ染色モードでの透過型電子顕微鏡写真を示す。(A):ダイズ、(B):ジャガイモ、(C):キャノーラ。スケールバーは、図Aでは500nm、図B及び図Cでは1μmを表している。
2.6%(w/w)の可溶性コーヒー中で、1/6重量混合比での、様々なタンパク質濃度の植物性タンパク質微粒子の肉眼で見える安定性を示す。写真は10分後に撮影したものである。(A):ダイズ、(B):ジャガイモ、(C):キャノーラ。対応する混合物の明度値を写真の下に示している。
本発明によるダイズ微粒子系低脂肪クリーマーの製造の加工フローを示す。
市販のコーヒークリーマーと本発明に係るダイズタンパク質微粒子系コーヒークリーマーとの、頻度に基づく粒径分布を示す。
ダイズタンパク質微粒子6%(w/w)を含有する、本発明による2.4%(w/w)コーヒークリーマーの、ネガティブ染色モードにおけるTEM顕微鏡写真を示す。O:油滴、SPM:ダイズタンパク質微粒子。スケールバーは200nmである。
0.67%(w/w)の焙煎し挽いたコーヒー中、1/6重量混合比のダイズタンパク質微粒子系クリーマーの、肉眼で見える安定性を示す。写真は10分後に撮影したものである。対応する混合物の明度値を写真の下に示している。
発明の詳細な説明
本発明によれば、良好な物理的安定性を有するクリーマー組成物が提供される。物理的安定性とは、相分離、塊形成、脂肪の結晶化による脂肪の凝結及び/若しくは凝集、並びに/又は油滴の凝集及び/若しくは融合による組成物の上部における油の多い画分の形成、例えば製品の上部に硬い「塊」を形成する油滴の凝集及び/若しくは融合に対する安定性を意味する。
クリーマー組成物とは、例えばコーヒー又は茶などの食品組成物に添加するように意図されて、特定の特徴、例えば色(例えば白色化効果)、とろみ、風味、テクスチャー及び/又は他の所望の特徴を付与する組成物を意味する。本発明のクリーマー組成物は、液体形態が好ましいが、粉末形態とすることもできる。
本文脈において、全脂肪クリーマーは15%を超える脂肪を含み、低脂肪クリーマーは15%を下回る脂質を含む。
さらに、本文脈において他の意味が示されていない限り、構成成分の%は、クリーマー組成物の重量を基準とした重量の%、すなわち重量/重量(w/w)%を意味する。
粒径分布とは、微粒子が示すことができる粒径の範囲を意味する。粒径は、従来の手段、例えば実施例1に記載の機器及び方法で測定することができる。本発明の好ましい実施形態において、クリーマー組成物は、100〜4000nmの粒径分布を有するタンパク質微粒子を含む。
本文脈において、植物性タンパク質の光学密度とは、光が試料を通過する際に試料によって散乱する光の量を意味する。光学密度は、従来の手段、例えば実施例1に記載の機器及び方法で測定することができる。本発明の好ましい実施形態において、クリーマー組成物は、2.4%(w/w)の可溶性コーヒーに入れて10分後に測定した場合に、500nmで測定した光学密度が少なくとも0.680である。光学密度の安定性は、沈降に対する粒子の安定性の現れである。
植物性タンパク質微粒子は、好ましくは本発明のクリーマー組成物中に、約2%〜約12%(重量/重量)の間、例えば約3%〜約8%の間、より好ましくは約4%〜約7%の間の量で存在する。使用する植物性タンパク質微粒子が少なすぎると、白色化効果が実現しない。植物性タンパク質微粒子の濃度が高いと、きわめて高い白色化特性が得られるが、いくつか加工上の問題(低温殺菌処理の最中又は後に粘度増加)が生じる可能性もある。
本発明の好ましい実施形態において、クリーマー組成物は、ダイズタンパク質、ジャガイモタンパク質、キャノーラタンパク質、エンドウタンパク質、トウモロコシタンパク質、コムギタンパク質、コメタンパク質又はこれらの組合せからなる群から選択される植物性タンパク質微粒子を含む。本発明の特に好ましい実施形態において、植物性タンパク質微粒子は、ダイズタンパク質、ジャガイモタンパク質及びキャノーラタンパク質又はこれらの組合せからなる群から選択される。ダイズタンパク質は、単独で使用する場合、4〜8%(w/w)の量で存在するのが好ましい。ジャガイモタンパク質は、単独で使用する場合、2〜4%(w/w)の量で存在するのが好ましい。キャノーラタンパク質は、単独で使用する場合、4〜12%(w/w)の量で存在するのが好ましい。
本発明のクリーマー組成物は、植物性タンパク質微粒子に加えて、好ましくは約0.1%(重量/重量)〜約3%の間のタンパク質、例えば約0.2%(重量/重量)〜約2%の間のタンパク質、より好ましくは約0.5%(重量/重量)〜約1.5%の間のタンパク質をさらに含む。タンパク質は、任意の好適なタンパク質、例えば、乳タンパク質、例えばカゼイン、カゼイン塩及び乳清タンパク質;植物性タンパク質、例えば、ダイズ、ジャガイモ、コムギ、トウモロコシ及び/若しくはエンドウタンパク質;並びに/又はこれらの組合せとすることができる。タンパク質は、カゼインナトリウムが好ましい。組成物中のタンパク質は、乳化剤として機能し、テクスチャー及び/又は白色化効果を付与し得る。タンパク質の濃度が低すぎると、液体クリーマーの安定性が低下し、クリーム分離が生じるおそれがある。タンパク質濃度が高いと、相分離が生じるおそれがある。
本発明によるクリーマー組成物は、コーヒー及び他の飲料製品又は食品製品において良好な白色化特性を有することを示すことが、驚くべきことに判明した。本発明の好ましい実施形態において、クリーマー組成物は、0.67%(w/w)の濃度で2.4%(w/w)の可溶性コーヒーに添加してから10分後に測定した場合に、明度が少なくとも25である。
本発明による好ましいクリーマー組成物は、スクロース、乳化剤、安定化剤、緩衝塩、甘味剤及び賦香剤を含んでいた。さらに、クリーマー組成物は、微粒子の形態ではないタンパク質である乳化剤を含むと有利な場合がある。
一実施形態において、本発明のクリーマー組成物は油を含む。油は、液体クリーマーに使用するのに好適な、任意の油でも組合せ油でもよい。油は、植物油、例えばキャノーラ、ダイズ豆、ヒマワリ、ベニバナ、綿実、パーム油、パーム核油、トウモロコシ及び/又はヤシなどに由来する油が好ましい。油は、多くとも約20%(重量/重量)の量で存在するのが好ましく、クリーマー組成物中の油の量は、例えば約0%〜約20%(重量/重量)の間とすることができる。より好ましくは、本発明のクリーマー組成物は、0重量%〜10重量%(w/w)の間の油又は脂肪を含み、0重量%〜5重量%(w/w)の油又は脂肪を含むのが好ましい。
本発明のクリーマー組成物は、緩衝剤をさらに含んでもよい。緩衝剤は、クリーマーをコーヒーなどの熱い酸性の環境に添加した際に、不所望のクリーム分離又は沈殿を防止することができる。緩衝剤は、例えばモノホスファート、ジホスファート、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び重炭酸カリウム、又はこれらの組合せとすることができる。好ましい緩衝剤は、リン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸水素カリウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸水素ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウムなどの塩である。緩衝剤は、例えば液体クリーマーの約0.1〜約1重量%の量で存在してもよい。
本発明のクリーマー組成物は、1種又は複数種の追加の原材料、例えば、風味剤、甘味剤、着色剤、酸化防止剤(例えば脂質酸化防止剤)又はこれらの組合せをさらに含んでもよい。甘味剤には、例えば、スクロース、フルクトース、デキストロース、マルトース、デキストリン、レブロース、タガトース、ガラクトース、固形トウモロコシシロップ及び他の天然又は人工の甘味剤を含めることができる。無糖甘味剤には、以下に限定はしないが、糖アルコール、例えば、マルチトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マンニトール、イソマルト、ラクチトール、水素添加デンプン加水分解物などを、単独で又は組み合わせて含めることができる。風味剤、甘味剤及び着色剤の使用濃度は、大きく変化し、甘味剤の強さ、製品に所望される甘味、使用する風味剤の濃度及び種類、並びに経費検討のような要因に依存するであろう。糖及び/又は無糖甘味剤の組合せを使用してもよい。一実施形態において、甘味剤は、本発明のクリーマー組成物中に、約5重量%〜約40重量%の範囲の濃度で存在する。別の実施形態において、甘味剤の濃度は、約25重量%〜約30重量%の範囲である。
本発明はさらに、本発明のクリーマー組成物を製造する方法に関する。当該方法は、水、植物性タンパク質微粒子、及び任意選択で本明細書に開示されている追加の原材料を含む組成物を用意するステップと、組成物を均質化して、クリーマー組成物を製造するステップとを含む。均質化の前に、任意選択の化合物、例えば、親水コロイド、緩衝剤、甘味剤及び/又は風味剤を、水中で(例えば40℃〜90℃の間で)撹拌しながら、所望の場合は融解した油を添加して、水和させてもよい。当該方法は、均質化の前に、例えば無菌熱処理によって組成物を熱処理するステップをさらに含んでもよい。無菌熱処理は、例えば、直接又は間接のUHT加工を使用してもよい。UHT加工は当技術分野において公知である。UHT加工の例には、UHT殺菌及びUHT低温殺菌が含まれる。直接熱処理は、蒸気をエマルションに注入して実施することができる。この場合、例えばフラッシングによって過剰な水を除去する必要がある場合がある。間接熱処理は、熱伝達界面をエマルションに接触させて実施することができる。均質化は、熱処理の前及び/又は後で実施することができる。油が組成物中に存在する場合、熱処理前に均質化を実施して、エマルション中の熱伝達を改善し、このようにして改善された熱処理を実現すると有利な場合がある。熱処理後に均質化を実施すると、エマルション中の油滴が、通常、確実に望ましい径になる。熱処理後、例えば無菌充填によって、製品を任意の好適な包材に充填することができる。無菌充填は種々の刊行物、例えば、L,Grimm著「Beverage Aseptic Cold Filling」(Fruit Processing、1998年7月、262〜265頁)、R.Nicolas著「Aseptic Filling of UHT Dairy Products in HDPE Bottles」(Food Tech.Europe、1995年3月/4月、52〜58頁)の論文又はTaggartによる米国特許第6,536,188号に記載されており、これらを参照により本明細書に組み込むものとする。一実施形態において、当該方法は、容器に充填する前に液体クリーマーを熱処理するステップを含む。当該方法は、液体クリーマーを均質化する前に、緩衝剤を約0.1重量%〜約1.0重量%の範囲の量で液体クリーマーに添加するステップを含むこともできる。緩衝剤は、一リン酸ナトリウム及び二リン酸ナトリウム、一リン酸カリウム及び二リン酸カリウム、一炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウム、一炭酸カリウム及び重炭酸カリウムのうちの1種若しくは複数種又はこれらの組合せとすることができる。
クリーマーは、飲料に添加した場合、良好な口当たり及びこく、滑らかなテクスチャー並びに快い味があり、異風味の調子を帯びず、物理的に安定性のある、均質な、白色化した飲料を生み出す。本発明のクリーマーの使用は、コーヒー用途のみに限定されない。例えば、クリーマーは、他の飲料、例えば、茶若しくはココアに使用してよく、又はシリアル若しくは液果類にスープ用クリーマーとして使用してもよく、且つ多くの料理用途などに使用することもできる。
本発明の液体クリーマーは、冷蔵温度(例えば約4℃)、室温(例えば約20℃)及び高温(例えば約30〜38℃)で保管中に、物理的に安定性があり、相分離問題(例えば、クリーム分離、塊形成、ゲル化、シネレシス、沈降など)を克服するものであるのが好ましい。安定性のある液体クリーマーは、保存期間安定性が、例えば、4℃及び/又は20℃で少なくとも6カ月、30℃で6カ月、38℃で1カ月などであることが可能である。安定性は、保管後の製品の目視検査によって評価することができる。
本発明は、一層さらなる態様において、上記に開示したクリーマー組成物を含む飲料組成物に関する。飲料組成物は、例えば、コーヒー、茶、麦芽、穀物又はココアの飲料でもよい。飲料組成物は、液体でも粉末形態でもよい。したがって、本発明は、a)本発明のクリーマー組成物と、b)コーヒー、茶、麦芽、穀物又はココアの製品、例えばコーヒー、茶、麦芽又はココアの抽出物とを含む飲料組成物に関する。飲料組成物が液体形態の場合、例えば、缶、ガラス瓶、プラスチック瓶又は任意の他の好適な包材に詰めてもよい。飲料組成物は無菌で詰めることができる。飲料組成物は、a)飲料組成物ベースを用意するステップと、b)本発明によるクリーマー組成物を上記飲料組成物ベースに添加するステップとを含む方法によって製造することができる。飲料組成物ベースとは、本発明のクリーマーの添加によって飲料を製造するために有用な組成物のことである。飲料組成物ベースは、それ自体が飲料として消費されるのに好適であり得る。飲料組成物ベースは、例えば、コーヒー、茶、麦芽又はココアの抽出物でもよい。
本発明の液体クリーマーは、良好な白色化能を有し、熱い飲料(コーヒー、茶など)に添加したときに、コーヒーが硬水で淹れられている場合でも、安定性があり(フェザーリング、脱油、他の相分離欠点がない)、且つ良好な口当たりをもたらす。
限定するのではなく例として、以下の実施例は、本開示の様々な実施形態の説明となる。
実施例1−植物性タンパク質微粒子の調製
材料
市販の植物性タンパク質単離体粉末を、以下の供給業者から購入した:ダイズタンパク質単離体−クラリソイ(Clarisoy)(商標)100、ロット10SFI000000000000PR30(ADM、Decatur、IL、USA)、ジャガイモタンパク質単離体−P306、ロット185076(Solanic BV、Veendam、オランダ)及びキャノーラタンパク質単離体−Isolexx、ロットBIOEXXI20120214(BioExx、Saskatoon、カナダ)。ケルダール(Kjeldhal)分析(N×6.25)によって求めた粉末中のタンパク質含量(g/100g)は、ダイズタンパク質単離体96.02、ジャガイモタンパク質単離体88.71及びキャノーラタンパク質単離体87.4であった。
pH調整に使用した塩酸及び水酸化ナトリウム、緩衝剤として使用したリン酸二カリウム塩(KHPO)、及びタンパク質凝集を促進するために使用した塩化カルシウム(CaCl)は、Merck(Darmstadt、ドイツ)製とした。モデルエマルションの調製に使用した高オレインヒマワリ油は、Oleificio Sabo(Manno、スイス)製とした。
試験規模でのクリーマーの製造には、以下の市販の原材料を使用した。カゼインナトリウム、リン酸二カリウム、糖、部分的水素添加ダイズ豆油/綿実油、乳化剤(モノグリセリド及びジグリセリド)、安定化剤(カラギーナン)。
市販の無脂肪及び低脂肪のコーヒークリーマーであるNestle Coffee−mateリキッドの無脂肪及び低脂肪を地元のスーパーマーケットで購入した。植物性タンパク質微粒子の調製に使用するタンパク質濃度を、全てのタンパク質源について4%(w/w)に設定した。このようにして、先行試験により、この条件では、試料はpH7.0で熱処理した際に液体のままであったことが示された。植物性タンパク質の濃度をもっと低くしても使用できたであろうが、実用上の理由により、これに続く微粒子の濃縮ステップが限定され得るように、ゲル化の限界に可能な限り近くすると好適である。
方法
熱処理温度は、示差走査熱量測定法で判定したタンパク質単離体の変性温度より高い温度を選択し、時間は、微粒子への変換収率においてプラトーに達するように選んだ。したがって、以下の条件を適用した。ダイズタンパク質単離体85℃/15分、ジャガイモタンパク質単離体85℃/15分及びキャノーラタンパク質単離体90℃/20分。
室温にて密閉ガラス瓶中で、気泡の形成を最小限に抑えるために2時間穏やかに磁気撹拌しながら既知の量の粉末をミリキュー(MilliQ)(商標)水の中に分散させることによって、タンパク質分散体を調製した。熱処理した際のタンパク質凝集の条件を正確にして、微粒子への変換収率を最大限にするために、pH範囲を4.0〜7.0の間で選別した。タンパク質分散体を、プラスチックカップで密封した22mLガラスチューブに注入し、所望の温度である85又は90℃に到達させるために水浴に浸漬した。設定した温度に到達するのに約2分かかり、その後、保持時間15〜20分を設けた。次いで、チューブを氷水中で冷却して、凝集過程を止めた。植物性タンパク質微粒子を調製するのに好ましい加工条件を表1にまとめている。
Figure 2016516439
ダイズタンパク質については、カルシウム1mMを添加すると、変換収率及び微粒子密度が向上することがわかった。変換収率とは、処理後、効率的に微粒子に変換される元々の植物性タンパク質の画分である。加えて、全てのタンパク質源について、微粒子の当初の粒径を減少させ、安定性のある分散体を得るために、次に微粒子の均質化を実施する必要があった。この目的のため、Emulsiflex−C5高圧ホモジナイザー(Avestin Europe GmbH、Mannheim、ドイツ)を流速4L・h−1及び圧力1000バールで運転し、その中で微粒子の分散体を循環させた。
微粒子への変換収率の測定
試料を15,000gで20分間遠心分離して微粒子を除去した後、可溶性のままであるタンパク質含量を測定した際に、変換収率を280nmの分光光度測定によって得た。微粒子を除去した後の280nmでの吸光度と、処理前の試料の最初の吸光度との比により、可溶性タンパク質の量が導かれる。最初のタンパク質含量に対する差によって、変換収率を計算することが可能である。分光光度測定については、Nicolet Evolution 100分光計(Sysmex Digitana SA、スイス)を使用し、石英セル(Hellma、ドイツ)に入れて測定を行った。
植物性タンパク質微粒子の粒径分布
粒径については、動的光散乱法(DLS)により、Malvern Nanosizer ZS(Malvern Instruments、GMP、Renens、スイス)を使用して測定した。この装置は、633nmのHe−Neレーザー放射及び4.0mWの電源を備えている。この機器は、アバランシェフォトダイオードを使用して、散乱角173°で検出を行う後方散乱構造を使用している。微粒子分散体をミリキュー(商標)水に100倍希釈し、方形のプラスチックセル(Sarstedt、ドイツ)に注入した。測定を25℃で実施した。試料の濁度に依存して、光路長を装置が自動的に設定した。自己相関関数G2(t)を、経時での散乱強度の増減から計算した。拡散している粒子が単分散球であると仮定して、「キュミュラント」法を使用した相関関数の対数の多項式フィットから、粒子のz平均流体力学的直径を計算した。さらに、多分散指数(PDI)を、多項式「キュミュラント」フィットの2次項の係数と線形項の係数との間の比から計算した。
植物性タンパク質微粒子の光学密度
上記と同様の分光光度計を使用してλ=500nmの溶液の吸光度を測定することによって、微粒子分散体の光学密度(OD)を25℃で判定した。測定する前に、分散体をミリキュー(商標)水に100倍希釈して吸光度の線形領域(1.8未満)に留め、10分後に再測定した。10%未満の光学密度の変動が、沈降に対する粒子安定性を現すものであったことを考慮すると、この実験により、微粒子のコロイド安定性を判定することができた。
植物性タンパク質微粒子の形態
植物性タンパク質微粒子分散体及びモデルクリーマーの微細構造を、透過型電子顕微鏡検査(TEM)により、ネガティブ染色法を使用して調査した。タンパク質分散体の滴をミリポア(Millipore)水に1g・L−1まで希釈し、フォームウェア(formware)−炭素で被覆した銅グリッドに付着させた。30秒後に濾紙を使用して過剰な生成物を除去した。pH7.0の1%リンタングステン酸の液滴を15秒間添加し、過剰物を一切除去した。室温で5分間グリッドを乾燥してから、FEI Tecnai G2 Spirit BioTWIN透過型電子顕微鏡(FEI company、オランダ)を120kVで操作して観察を行った。Quemesaカメラ(Olympus soft imaging solutions、ドイツ)を使用して画像を記録した。
結果
微粒子は、タンパク質源に依存する粒径の範囲の広さ及び多分散性を特徴としていた(表2)。しかし、500nmで10分間の光学密度は初期値の5%未満も減少しなかったため、その光学密度の安定性は明白であった。
ダイズタンパク質及びジャガイモタンパク質について、粒径分布を図1に示している。ジャガイモ微粒子はダイズ微粒子より大きかったが、小さな強度ピークが直径の大きい方で見られた(図1B)ダイズと比較して、ジャガイモタンパク質微粒子は粒径分布が狭かった(図1A)ことがわかった。キャノーラタンパク質微粒子は、DLS装置の検出限界より大きかったが、Mastersizerを使用した測定では、平均D32直径が3010nmであることが明らかになった。これらの微粒子は沈降に対して高い安定性があることが判明した。これは、低密度及びおそらく多孔性構造の現れである可能性がある。微粒子の全体的な粒径分布は、散乱特性の予測範囲内に感じられた。このため、これらの粒子は、表2に示すように、可溶性コーヒー中に存在する場合、幾分かの白色化特性を示す。
本発明による全3種類の微粒子に、透過型電子顕微鏡検査をネガティブ染色モードで行った。結果を図2に示す。微粒子が不規則な形状をしており、特に、ダイズについては、球状及び細長い構造の両方を見ることができた(図2A)。ジャガイモタンパク質及びキャノーラタンパク質で製造した微粒子の方が密集しているようで、より凝集した状態であった(図2B及び図2C)。これは、顕微鏡検査の調製技術によるだけではなく、DLSで測定した大きめの粒径を確認するものでもある。キャノーラ微粒子は、密集した粒子が大きな間隙によって分離されている「スポンジ様」構造であることも、驚くべきことに判明した。この特定の構造により、これらの粒子が、粒径が大きくても安定性があることを説明することが可能である。なお、粒子がさほど凝集しなくても、光は粒子の孔を通って容易に散乱することができる。
Figure 2016516439
実施例2 コーヒー中での植物性タンパク質微粒子の白色化特性及び安定性
方法
実施例1で製造した植物性タンパク質微粒子の白色化特性を、可溶性コーヒー(2.6%(w/w))中又は焙煎し挽いたコーヒー(0.67%(w/w))中で評価した。可溶性コーヒーについては、2/3ミリキュー(商標)水と1/3ヴィッテル(Vittel)(商標)ミネラル水との80℃の混合物中に、Nescafe Classicを2.4%(w/w)で再構成した。焙煎し挽いたコーヒーについては、Folgers classic roastのコーヒー40gを、自動(ペーパーフィルター空孔度4)コーヒーマシンを使用して、水(上記と同様の混合物)1500mLで調製した。得られたコーヒー抽出収率は0.67%(w/w)であった。植物性タンパク質微粒子又は対応するエマルションの白色化特性を測定するために、コーヒークリーマーとコーヒーとを1/6重量比で混合した。混合物の色特性L(白色度)、a及びbを、HunterLab ColorFlex装置(Hunter & Caprez AG、Zumikon、スイス)を使用して判定した。
結果
植物性タンパク質微粒子の安定性及び白色化特性を2.6%(w/w)の可溶性コーヒー中で調査して、市販の低脂肪及び無脂肪クリーマーの白色化特性に匹敵するために必要な好ましいタンパク質濃度を試験した。
図3に表した結果は、様々なタンパク質濃度の植物性タンパク質微粒子の白色化特性及び可溶性コーヒー中での安定性を示す。
3種類の植物性タンパク質微粒子は、緩衝塩を一切添加していない純粋なコーヒー中で安定性があったことがわかった。これは、可溶性コーヒーのpHが幾分酸性(約5.0)であっても、タンパク質の両性の特徴による微粒子の緩衝能力によって、安定性のある混合物を得ることが可能であることを既に示している。タンパク質源の白色化特性を比較した場合、ジャガイモ微粒子の白色化力が最も高く、ダイズ粒子及びキャノーラ粒子はきわめて近似していたと結論づけることが可能である。この特定の特徴は、ダイズ及びキャノーラと比較して、ジャガイモ微粒子の粒径がきわめて狭いことと関係している可能性がある。
市販の無脂肪及び低脂肪のコーヒークリーマーの明度は、市販のクリーマーを、ジャガイモタンパク質微粒子4%(w/w)、ダイズタンパク質微粒子8%(w/w)及びキャノーラタンパク質微粒子8%(w/w)で使用することによって均衡した。既に上記で説明したとおり、この差異は、タンパク質白色料の微細構造及び粒径分布がわずかに異なることによる可能性がきわめて高い。
実施例3 ダイズタンパク質微粒子を白色化剤として含有するクリーマー組成物の調製及びコーヒー中での評価
方法
図4に記載した加工フローを使用し、表3に表した配合を使用して、本発明による無脂肪クリーマーを調製した。
11.11kgの量のダイズタンパク質単離体クラリソイ(商標)100を、脱ミネラル水238.85kgに分散し、Ystral X50−10ローター/ステーターミキサー(Ystral GmbH、Dottingen、ドイツ)を使用して、25℃で45分間撹拌した。塩化カルシウム(0.04kg)を添加してカルシウム濃度を1mMにし、1MのNaOHを添加してpHを6.4に調整した(最初のpHは2.95であった)。次いで、15.8Lのチューブを保持するチューブラーを備えたAPVプレート/プレート式熱交換器を流速約240L・h−1で使用して、85℃で15分間、分散体を熱処理した。得られたダイズ微粒子を10℃まで冷却してから、Panther NS3006Lホモジナイザー(NIRO A/S−GEA、Parma、イタリア)を使用して、1000/200バールで均質化した。次いで、ダイズ微粒子分散体を4℃で終夜保管した。
翌日、微粒子における濃度を上げるために、分散体を、Kerasep 0.1μmセラミック膜(Novasep Process SAS、Miribel、フランス)を備えたMMS精密濾過モジュール(Pilot System Model SW40−C、MMS AG Membrane Systems、Urdorf、スイス)に送り込んだ。温度を50℃に設定して、透過度を高めた。送り速度を1000L・h−1に、再循環ループを22,000L・h−1に設定した。実現した透過速度はΔPが1バールで約30L・h−1であった。4時間後、ダイズ微粒子を含有する未透過物(retentate)中の固体含量は10.25%(w/w)に達した。脱ミネラル水を添加して、濃度を8.8%(w/w)に下げた。対応する分散体はきわめて安定性が高く、容易にポンプ汲み出しをすることができた。4℃で終夜保管してから、ダイズ微粒子分散体を、40kgでタンパク質含量が8%(w/w)の2つのバッチに分割した。分散体の温度を50℃まで上昇させ、次いで、無脂肪クリーマーの全ての原材料(1つの変型についてはカゼインナトリウムを除く)を添加し、これにより、混合物中のダイズ微粒子の最終濃度を6%(w/w)にした。次いで、混合物を160/40バールで均質化し、Multipurpose UHT Pilot Plant−SPP系(SPX Flow Technology GmbH、Unna、ドイツ)を使用して、139℃で5秒間UHT加工した。次いで、製品を100mLのプラスチック瓶に充填し、さらなる分析まで4℃で保管した。本発明による2つのクリーマーの全固体は約40%(w/w)であった。
Figure 2016516439
上記の方法を使用して特徴づけられた微細構造及び白色化特性に加えて、本発明によるコーヒークリーマーの粒径分布を、レーザー粒度分析法により、静的多角度光散乱検出器(MALS)を使用して粒径測定を実施するMastersizer S粒度計(Malvern Instruments、GMP、Renens、スイス)を使用して測定した。この装置は633nmでのレーザー放射を備えている。この光学装置は、2.4mmの薄さの測定セルと組み合わせた逆フーリエ300−RFレンズで構成されたものであった。レーザー光線の強度が約15%減少(不透明化(obscuration))するまでエマルション試料をミリポア(登録商標)水に希釈した。油滴の平均粒径及びその粒径分布を、機器のソフトウェアにより、ミーの理論に従って計算した。溶媒の屈折率を1.33並びにエマルション粒子の屈折率及び吸収率をそれぞれ1.45及び0.10と仮定して(表示3NHD)、標準多分散モデルを使用した。
結果
本発明による2つのクリーマーの粒径分布を、図5の市販のクリーマーの粒径分布と比較する。市販のコーヒークリーマーの特徴は、主に、600nmを中心とする狭い単一ピークであった。これは、TiO粒子及びカゼインナトリウムで安定化した油滴に該当した可能性がきわめて高い。本発明によるクリーマーは、この狭い粒径分布を示さず、逆に、600nm〜40μmの範囲の3つのピークを示した。600nmのピークは、興味深いことに本発明によるクリーマーのどちらにも存在していたが、市販のクリーマーと比較して強度が大幅に低かった。したがって、植物性タンパク質微粒子が、その表面の活性のため、油滴の表面で部分的に吸収されて部分的に凝結した可能性がきわめて高い。実際に、このような仮説は、乳化剤としてダイズ微粒子のみを含有する試料についてもっと広い粒径分布が得られたことによって立証された。
本発明による、ダイズタンパク質微粒子で安定化したクリーマーの微細構造を、TEM顕微鏡検査で調査した(図6)。カゼインナトリウムを含まないモデルコーヒークリーマーに該当する図6を精察すると、ダイズタンパク質微粒子は、図2Aに見られたような、単一の凝集体として確認することができたと結論づけることができる。これらの粒子が、本発明によるコーヒークリーマーにおいて検出された1〜2μmでのピークの原因である。50〜200nmの間の粒径の油滴も、興味深いことに観察することができ、粒径分布における最も低いピークを特徴とするものであった。最後に、油滴とダイズタンパク質微粒子の両方を含む、強力に凝集した構造を検出することができた。この構造は、おそらく、レーザー粒度分析法によって検出された40mmの大きな粒子の原因であった。なお、カゼインナトリウムをダイズ微粒子と組み合わせて使用した場合、きわめて類似した微細構造が得られた。
したがって、ダイズタンパク質微粒子を使用すると、油滴の部分的凝結が生じ、該当するクリーマー中で粒径分布が広くなった。
最終段階において、本発明によるクリーマーを、焙煎し挽いたコーヒー中(1/6重量混合比)で試験し、TiOを含有する市販のCMLクリーマーと比較した。8.8%(w/w)の純粋なダイズタンパク質微粒子はコーヒー中で安定性があり、明度が市販のコーヒークリーマー(L=42〜43)より高かった(L=50)(図7)。本発明による6%(w/w)のクリーマーを6%(w/w)のダイズ微粒子で製造した場合、カゼインナトリウムを含んでも含まなくても、両方とも、焙煎し挽いたコーヒー中で凝結に対する安定性があった。白色化特性は、低脂肪コーヒークリーマーの白色化特性よりわずかに低かったが、無脂肪クリーマーの白色化特性ときわめて近似していた。
当然のことながら、本明細書に記載した現時点で好ましい実施形態の、様々な変更形態及び変形形態が、当業者には明らかであろう。本主題の趣旨及び範囲を逸脱することなく、且つその意図された利点を減少させることなく、このような変更形態及び変形形態がなされることが可能である。したがって、このような変更形態及び変形形態は、添付の特許請求の範囲に包含されるものとする。

Claims (15)

  1. クリーマー組成物中での白色化剤としての植物性タンパク質微粒子の使用。
  2. 前記植物性タンパク質微粒子が不規則な形状を有する、請求項1に記載の使用。
  3. 前記植物性タンパク質微粒子が100〜4000nmの粒径分布を有する、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 2.4%(w/w)の可溶性コーヒーに入れて10分後に測定した場合に、500nmで測定したクリーマー組成物の光学密度が少なくとも0.680である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記クリーマー組成物が、0.67%(w/w)の濃度で2.4%(w/w)の可溶性コーヒーに添加してから10分後に測定した場合に、少なくとも25の明度を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 前記クリーマー組成物が、前記クリーマー組成物の2重量%〜約12重量%(w/w)の間の植物性タンパク質微粒子を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 前記植物性タンパク質微粒子が、ダイズタンパク質、ジャガイモタンパク質、キャノーラタンパク質又はこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
  8. 前記クリーマー組成物が、0重量%〜10重量%(w/w)の間の油又は脂肪、好ましくは0重量%〜5重量%(w/w)の油又は脂肪を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。
  9. 前記クリーマー組成物が、スクロース、乳化剤、安定化剤、緩衝塩、甘味剤、着色剤、風味剤及び賦香剤をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
  10. 前記乳化剤が微粒子の形態ではないタンパク質である、請求項9に記載の使用。
  11. 前記クリーマー組成物が二酸化チタンを含まない、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のクリーマー組成物を含む飲料組成物。
  13. コーヒー、茶、麦芽、穀物又はココアの飲料組成物である、請求項12に記載の飲料組成物。
  14. a)均質化した植物性タンパク質微粒子を用意するステップと、
    b)スクロース、乳化剤、安定化剤、緩衝塩、甘味剤、他のタンパク質、着色剤、賦香剤及び風味剤のクリーマー組成物を用意するステップと、
    c)前記植物性タンパク質微粒子を前記クリーマー組成物に添加するステップと
    を含む、クリーマー組成物を製造する方法。
  15. a)飲料組成物ベースを用意するステップと、
    b)請求項1〜11のいずれか一項に記載のクリーマー組成物を前記飲料組成物ベースに添加するステップと
    を含む、飲料組成物を調製する方法。
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