JP2016515548A - 融合混合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、任意の標的膜、細胞膜、細胞膜の構成要素、またはその他の細胞構成要素から分離された細胞膜をin vivoまたはin vitroで脂質含有膜修飾するための融合混合物であって、正荷電両親媒性分子Aおよび芳香族分子Bを含み、分子種Aおよび分子種Bが、1:0.02〜1:2モル/モルのA:B比で存在する融合混合物に関する。

Description

本発明は、任意の脂質膜、細胞膜、細胞膜の構成要素、またはその他の細胞構成要素から分離された細胞膜をin vivoまたはin vitroで脂質含有膜修飾するための融合混合物(Fusionsmischung)、およびこの混合物との融合により脂質含有膜修飾するための方法に関する。
治療用途では、医薬品有効物質を標的細胞に導入する方法に対する需要が存在する。
Khalil等(I.A. Khalil, K. Kogure, H. Akita, H. Harashima、2006年、Uptake Pathways and Subsequent Intracellular Trafficking in Nonviral Gene Delivery、PHARMACOLOGICAL REVIEWS、第58巻、第1号、32〜45ページ)(非特許文献1)からは、エンドサイトーシスによるDNA取込み法と非エンドサイトーシスによるDNA取込み法との間で区別をすることが公知である。科学界では、この総説に基づき、DNA取込みの主要経路は、リポプレックス(カチオン性脂質−DNA複合体とも呼ばれる)を利用してエンドサイトーシス経路で起こると見なされている。エンドサイトーシスと呼ばれるのは、細胞外高分子の小胞への取込みである。それによると、1990年代半ばまで前提されていた、リポプレックスの脂質の、細胞膜との融合に続く高分子の直接的取込みは根拠がなく、せいぜいのところ非常にわずかな割合で関与している。
この仮定の証拠をもたらしたのは、電子顕微鏡写真により、エンドサイトーシス後の小胞中のDNAを示した、Friend等の研究である(Friend DS, Papahadjopoulos DおよびDebs RJ(1996年)Endocytosis and intracellular processing accompanying transfection mediated by cationic liposomes. Biochim Biophys Acta 1278:41〜50ページ(非特許文献2))。この取込み経路は、WeijunとSzoka Jr.(Weijun LiとFrancis C. Szoka Jr、2007年、Lipid−based Nanoparticles for Nucleic Acid Delivery、Pharmaceutical Research、24、438〜449ページ(非特許文献3))によって証明される。
カチオン性リポソームの製造には、カチオン性脂質を使用することができる。出発構成要素からのカチオン性リポソームの形成は、制御が困難であることが公知であるが、なぜなら、出発物質からは様々な構造が形成され得るからである。それゆえ、リポソームの形成には、前もって規則的に、いわゆるヘルパー脂質としての中性脂質をカチオン性脂質に混合するが、なぜなら、カチオン性脂質単独では、リポソーム形成を保証できないことが明白であるからである。前記の文献、Khalil等(非特許文献1)から公知であるように、ヘルパーとしては、例えば、DOPEまたはコレステロールを使用する(Khalil等、40ページ、右段、第1段落(非特許文献1))。
ヘルパー脂質は、例えば、1つの親水性領域、および二重結合を含むか、または含まない1つの疎水性領域(とりわけ、C10〜C30)を有する。両領域とも中性特性を有する。それにより、高い電荷密度および分子種(Molekuelsorte)Aの正荷電分子間の反発力が中和される。この効果が、系の安定化をもたらす。それゆえ、ヘルパー脂質の使用は不可欠であり、その上、系のトランスフェクション効率を高める。ヘルパー脂質の分率は、最大70%重量/重量に調整される。適した分子は、例えば、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン(1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、1,2−ジエライドイルsn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、1,2−ジフィタノールsn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、1,2−ジリノレオイルsn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、または1,2−ジオレオイルsn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン)である。
中性ヘルパー脂質を含む正荷電融合混合物は、例えば、WO2011/003406A2(特許文献1)から公知である。開示される融合混合物は、分子種A(カチオン性脂質)、分子種B(蛍光マーカ)、および中性ヘルパー脂質である分子種Cからなる、それぞれ具体的な組成物に基づく。ここでは、リポソームの、付着性細胞の細胞膜、およびその原形質膜との融合が起こり、ただし、分子種A:B:Cの1:0.1:1重量/重量という比率が提案される。
Csiszar等(Csiszar A.等、Novel Fusogenic Liposomes for Fluorescent Cell Labeling and Membrane Modification、Bioconjugate Chemistry、2010年、21、537〜543ページ)(非特許文献4)からは、カチオン性脂質(分子種A)、中性脂質(分子種C)、および芳香族脂質(分子種B)から構成されており、その中では分子種A:B:Cが、1:0.1:1重量/重量の比率で存在する融合性リポソーム系が公知である。分子種AとしてはDOTAPが、分子種Bとしては、親油性蛍光分子、例えば、DiO、DiR、Bodipy標識脂質、Lissamine−Rhodamin標識脂質、およびFITC標識脂質が使用される。ヘルパー脂質Cとしては、DOPEが使用される。これらの混合物が、リポソームの構築、さらには、細胞蛍光標識、タンパク質の取込み、細胞膜の機能化、有効成分取込み、DNA取込み等に使用される。著者等は、これら3成分の相乗的相互作用のみが効果的な融合性混合物をもたらすということを明確に指摘する。
Kleusch等(Kleusch Ch.等、Fluorescent lipids:functional parts of fusogenic liposomes and tools for cell membrane labeling and visualization、Molecules、2011年、16、221〜250ページ)(非特許文献5)も同じく、1/0.1/1重量/重量の比率の分子種A:B:Cからなるカチオン性リポソーム系を開示し、ただし、2つの蛍光分子(分子種B)が、相次いで起こる2つの機能を有する。生物学的に重要でない蛍光成分が、まず、細胞の原形質膜と、中性脂質(分子種C)および正荷電脂質(分子種A)を含む融合性リポソームの脂質二重層との間の迅速な膜融合を促進する。細胞性膜への挿入後には、細胞膜の蛍光表示、および/またはそこで進行する輸送過程の蛍光表示を、第2の蛍光成分の定量によって行うことができる。それゆえ、この融合性リポソーム系は、4つの成分を有し(分子種A、分子種C、および2回の分子種B)、3成分システムに関するCsiszar等(非特許文献4)またはWO2011/003406(特許文献1)の場合と同様に、厳密に定義されかつ固定的な互いの比率においてのみ開示されている。
それゆえ、従来技術から公知の融合混合物の不利点は、効果的な融合性混合物を達成するための、分子種A、BおよびCの狭い濃度範囲、ならびに少なくとも3つの成分の相乗的相互作用である。
WO2011/003406A2 DE102009032658
Khalil等(I.A. Khalil, K. Kogure, H. Akita, H. Harashima、2006年、Uptake Pathways and Subsequent Intracellular Trafficking in Nonviral Gene Delivery、PHARMACOLOGICAL REVIEWS、第58巻、第1号、32〜45ページ) Friend DS, Papahadjopoulos DおよびDebs RJ(1996年)Endocytosis and intracellular processing accompanying transfection mediated by cationic liposomes. Biochim Biophys Acta 1278:41〜50ページ Weijun LiとFrancis C. Szoka Jr、2007年、Lipid−based Nanoparticles for Nucleic Acid Delivery、Pharmaceutical Research、24、438〜449ページ Csiszar A.等、Novel Fusogenic Liposomes for Fluorescent Cell Labeling and Membrane Modification、Bioconjugate Chemistry、2010年、21、537〜543ページ Kleusch等(Kleusch Ch.等、Fluorescent lipids:functional parts of fusogenic liposomes and tools for cell membrane labeling and visualization、Molecules、201年、16、221〜250ページ)
本発明の課題は、任意の脂質膜、細胞膜、細胞膜の構成要素、またはその他の細胞構成要素から分離された細胞膜をin vivoまたはin vitroで脂質含有膜修飾するための、少数の分子種からなる単純に構成された融合混合物を提供することである。この融合混合物は、任意の脂質膜と融合するべきである。細胞膜の型、および使用される、融合混合物の構成要素に依存して、融合を迅速かつ効果的に実施可能にするためには、融合混合物の構成要素は、とりわけ比較的大きい濃度範囲にわたって、互いに存在可能であるべきである。
さらに、融合混合物は、容易に製造可能であるべきである。
さらに、この融合混合物を用いた効果的な膜融合法を提供することが、本発明の課題である。
この課題は、特許請求項1に記載の融合混合物、および特許請求項6に記載の方法によって解決される。これに関する有利な形態は、それぞれその請求項に関連する特許請求項から明らかになる。
任意の脂質膜、例えば、細胞膜、細胞膜の構成要素、またはその他の細胞構成要素から分離された細胞膜をin vivoまたはin vitroで脂質含有膜修飾するための融合混合物は、正荷電両親媒性分子A、および芳香族分子である分子Bを含む。その際、分子種AおよびBは、1:0.02〜1:2モル/モルの比率で存在する。
驚くべきことに、従来技術および従来の定説に反し、任意の脂質膜との融合混合物の融合を再現可能かつ効果的に達成するためには、中性ヘルパー脂質の形態での分子種Cが必須ではないということが認識された。
芳香族化合物含有リポソームで処理してから5分後のCHO細胞を示す。リポソームの撮影を、蛍光顕微鏡検査および明視野顕微鏡検査により観察し、フローサイトメトリーを利用して定量化した。スケール=50μm。使用した分子種比A:Bに依存した蛍光顕微鏡写真(左段)および明視野写真(中央段)およびフローサイトメトリー測定(右段)を示す。 芳香族化合物含有リポソームで処理してから5分後のCHO細胞のDiR強度を示す。1:0.02モル/モル以上の分子種比A:B(ここではDOTAP:DiR)では、強度Iと、混合物が好ましくは使用される濃度Cとの間に直線関係が認められ、その結果、リポソームは、融合によって取り込まれる(図1B)。このプロセスが、CHO細胞に向かうか、またはCHO細胞内への、制御された効果的な物質供給を可能にする。 融合混合物と融合した後のDOPC巨大小胞を示す(蛍光写真(上)および明視野写真(下))。 筋細胞膜断片を含有する融合混合物と融合した後のDOPC巨大小胞を示す。 処理から24時間後の、トランスフェクションされた細胞のGFPシグナル分布(A)およびDiRシグナル分布(B)を示す。 線維芽細胞の細胞膜をビオチン化することによる、線維芽細胞/筋細胞混合培養からの、初代筋細胞の精製を示す。 培地中の遊離ドキソルビシン、リポソーム性ドキソルビシン(1:0.1モル/モルのDOPC:Dox)、および融合リポソーム中に取り込まれたドキソルビシン(1:0.1モル/モルのDOTAP:Dox)で10分間処理した後のMDA−MB−231癌細胞を示す。その芳香族性分子構造により、ドキソルビシン取込みおよび細胞内でのドキソルビシン濃縮が、蛍光顕微鏡検査で検出可能である。スケールバー=50μm。 処理から5分後のCHO細胞のBODIPY FL強度を示す:組成A(DOTAP)およびB(BODIPY FL−DHPE)の、または組成A(DOTAP)、B(BODIPY FL−DHPE)およびC(DOPE)のリポソームで処理した後の蛍光強度の比較。混合比A:BおよびA:B:Cは、広い範囲にわたって変化させた。 組成A(DOTAP)およびB(DiR)のリポソームとCHO細胞を融合させた。3つの異なるモル混合比(A:B)、1:1;1:1.5および1:2モル/モルを検査した。位相差写真と蛍光写真。スケールバーは50μm(すべての写真に有効)。
本発明による融合混合物中では、分子種Aおよび分子種Bが、1:0.02〜1:2モル/モルのA:B比で存在する。好ましくは、1:0.05〜1:1モル/モルというA:B比が存在する。このモル混合比は、公知の混合比に比べて、驚くべきことに幅広い。
有利には、本発明による融合混合物が、水性懸濁液中に存在してもよい。
記載の比率範囲A:Bでは、さらなる脂質成分の不在下で、再現可能な膜融合の実施が可能であるということが、本発明の枠内で認識され、実験的な証拠を手がかりに示された。
驚くべきことに、記載の比率の両親媒性分子Aおよび芳香族化合物Bが、融合のための十分な前提条件であると認識された。
本発明による融合混合物の場合、従来技術の混合物よりも容易に製造可能であることが有利であるが、なぜなら従来技術の混合物は、少なくとも3つの分子種を含むからである。
特に有利には、記載の範囲内にある両方の分子種AおよびBを選択することにより、詳しくは、前記融合混合物を利用してどの物質を細胞表面および細胞内へと近づけるべきであるかにかかわらず、再現可能に膜融合を実施できるようになる。その際、融合は、早い時間に、つまり任意の脂質膜またはその構成要素もしくは断片と前記融合混合物が接触してから数分間のうちに起こる。融合は、in vivoまたはin vitroで実施可能である。
本発明による融合混合物は、例えば、
1.合成の脂質分子および脂質混合物、
2.天然の脂質分子または脂質混合物、
3.細胞質タンパク質および膜貫通タンパク質、
4.タンパク質−脂質混合物、
5.様々な核酸(例えば、DNA、siRNA)、
6.非常に様々なナノ粒子(磁性、蛍光性、等)、
7.薬理有効成分、または他の化学物質、または生体物質
のような、少なくとも1つの添加剤Zで補足されてもよい。
この際、付加的な成分Zの分率が、通常は、前記融合混合物の46モル%を超過すべきでないということを顧慮すべきである。当然のことながら、Zは、添加剤Zの種類、およびその基盤にある、AおよびBを含む前記融合混合物の種類に応じて、1〜46モル%のあらゆる可能な中間値をとり得る。使用目的に応じて、複数の異なる添加剤が、本発明による融合混合物中に存在することも可能である。
複数の添加剤Z1〜Znが融合混合物に添加されている場合、これらのZ1〜Znが、通常は、同じく最大46モル%という総分率を有する。
本発明による融合混合物は、合成モデル膜(小胞)との融合においても、原形質膜または細胞小器官膜およびそれらの構成要素または断片も含めた細胞性膜との融合に関しても使用できる。
このように融合させた膜粒子は、有利なことに、引き続き、融合特性を有し得るため、これらの膜粒子は、他の膜とのさらなる融合に使用できることになる。そのような融合は、それぞれの(中間)生成物の融合特性が与えられている限り何度も繰り返すことができる。
融合は、懸濁液中において、および付着膜(adhaerierte Membran)の表面上で実施可能である。
本発明による正荷電融合混合物は、分子種AおよびBを、1:0.02〜1:2モル/モルというA:B比で含有する。その際、分子種Bは、分子種Aに対するあらゆる中間値をとり得る、つまり、1:0.02、1:0.03、1:0.04、...1:1.96、1:1.97、1:1.98、1;1.99、1:2というA:B比で、およびこれらの記載の中間値に対するさらなるあらゆる中間値、例えば、1:0.0025、1:0.0032、1:0.0039、1:1.986または1:1.999で存在し得る。
分子種A
分子種Aの基準は、
(a)分子が、少なくとも1つまたは複数の正電荷を有する親水性領域を有するため、分子の親水性部分の総電荷が正であること、および
(b)分子が、それに加えて、二重結合を含むか、または含まない疎水性領域、好ましくはC10〜C30−画分を有することである。
この分子Aの役割は、静電力により、前記融合混合物を負荷電(細胞)膜の近くに運ぶことである。二重結合は、生成するリポソームの膜が弾性になるという有利な効果を有し得るため、リポソームの、細胞膜との融合が容易になる。例えば、
1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DOTAP)
N−(2,3−ジオレイルオキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)
ジメチル−ジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)
(1−[2−(オレオイルオキシ)エチル]−2−オレイル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリニウムクロリド(DOTIM)
といった分子が適している。
第1の例として、DOTAP(1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(クロリド塩))を挙げる。
分子種B
本発明による融合混合物の分子種Bは、芳香族分子である必要がある。それは、分子種Bそれ自体が芳香族化合物であるか、または少なくとも1つの芳香族基を含有するということを意味し得る。つまり、分子種Bは、少なくとも1つの非局在電子系を有する必要がある。さらなる疎水性領域同様に親水性領域も明確に可能であるが、どうしても必要である訳ではない。それらの、融合効率への影響は、個別に評価するべきである。
蛍光色素または色素標識脂質、例えば、
− ジオクタデシルオキサカルボシアニン過塩素酸塩(DiO)、
− 1,1’−ジオクタデシル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドトリカルボシアニンヨウ化物(DiR)、
− N−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオニル)−1,2−ジヘキサデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、トリエチルアンモニウム塩(BODIPY(登録商標)FL DHPE)、
− 2−(4,4−ジフルオロ−5−メチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−ドデカノイル)−1−ヘキサデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(β−BODIPY(登録商標)500/510 C12−HPC)、
− Texas Red(登録商標)1,2−ジヘキサデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、トリエチルアンモニウム塩(Texas Red(登録商標)DHPE)、
または、例えば、レスベラトロール、クルクミン、5−ヒドロキシフラボンといったポリフェノール、
または、例えば、ビタミンE、ビタミンA、もしくはビタミンKといったビタミン、
または、例えば、ドキソルビシン、パクリタキセルといった細胞増殖抑制剤、
または、他の薬理有効性芳香族物質のような分子が適している。
さらに、DE102009032658(特許文献2)で開示される、分子種Bの化合物すべてが、本発明による融合混合物の分子種に適した分子である。
分子種Aの基準を満たす全分子が、任意のやり方で、分子種Bの基準を満たす全分子と組み合わせ可能である。このことは、本発明による融合混合物の特別な利点である。迅速かつ効果的に融合を行うためには、使用目的および意図に応じて、成分AおよびBを組み合わせる。本発明による簡単な実験検査が、あらかじめ与えられた任意の脂質膜を対象に、および本発明による融合混合物を用いた融合の意図される目的を対象に、分子種AおよびBに関して、前記融合混合物の必須および/または最適な構成要素をもたらす。
分子種Aとして、例えば、DOTABを選択すると、分子種Bとして、例えば、DiO、DiR、BODIPY FL−DHPE、Texas Red−DHPE、ポリフェノール、芳香族ビタミン、または芳香族細胞増殖抑制剤が選択可能であるため、例えば、DOTAB/DiO、DOTAB/DiR、DOTAB/BODIPY FL−DHPE、DOTAB/ポリフェノールといった組み合わせが生じることになる。その際、DOTABは、分子種Aの別の例、例えば、DOTIM、DDAB、またはDOTMAで交換することも可能である。モル混合比が1:0.02から1:2の間にある限り、これらの、分子種AおよびBの組み合わせすべてが、本発明に含まれる。モル混合比は、とりわけ1:0.05から1:1の間にもあり得る。
分子種AおよびBを含む、本発明による混合物の構成要素を、任意選択の添加剤Zと一緒に、好ましくは同時に、有機溶媒、好ましくは、クロロホルム、メタノール、エタノール、プロパノール、ヘキサン、へプタン、またはこれらからなる混合物中に望みのモル比で取り込む。有機溶媒中での均質化後に、有機溶媒を除去する。
乾燥させた均質な混合物を、好ましくはpH値が7付近の水性溶液中に取り込み、改めて均質化する。この形態で、混合物は長期保存可能であり、例えば、4℃において少なくとも1〜2ヶ月保存可能である。このステップは、本発明による方法の準備に利用される。緩衝液中では、前記融合混合物は、数週間にわたる保管に適している。
添加された分子種を含む前記融合混合物は、有利には、リポソームへと形成される。
続いて、さらなる添加剤Z、例えば、核酸(DNA、RNA)、脂質、タンパク質、ナノ粒子、または薬理有効成分が添加されてもよい。
本発明による融合混合物との融合相手としては、あらゆる種類の脂質含有膜を使用する。
本発明の枠内では、カチオン性脂質Aおよび芳香族分子Bとしての分子種AおよびBが、有利には、特許請求項1に相応する、考えられるあらゆる混合物中で存在し得ることが認識された。
有利には、規則的に本発明により、相手AおよびBが融合混合物を形成し高効率で標的膜と融合するようになる。このためには中性ヘルパー脂質は必要ではない。
本発明による融合混合物中の1:0.02モル/モル以上のA:Bモル比では、融合リポソームから細胞膜への制御された物質輸送が起こる。それは、分子種Aおよび分子種Bからなる融合混合物中において、この、分子種Bの最低限供給量(Mindestangebot)が存在するべきであるということを意味する。
有利には、芳香族化合物濃度(Cと表す)と被処理細胞中の芳香族化合物の強度(Iと表す)との間の直線関係が、例えば、フローサイトメトリーを利用して確認できる、Aに対する比率にある分子種Bを選択する。このことは、例えば、およそ1:0.02の分子種比A:Bから、1:2モル/モルのA:B比まで生じる。この依存性は、一般的な勾配関数(Steigungsfunktion)Y=mx+b、つまりここではI=mC+b、m>0に対応する。
本発明の枠内では、当業者が両分子種AおよびBに関して、分子種Bの濃度Cに依存して分子種Bの強度Iとの直線関係が、m>0で存在するかまたは調整される比率を選択する限り常に、前記融合混合物の、膜との融合が起こるということが認識された。
本発明による融合混合物は、(標的)膜と融合する。その際、またはそれに続いて、場合によっては内腔中の、または他の方法で前記融合混合物に結合した添加剤Zが、細胞表面または細胞内へと解放される。このことは、同様に、分子種Bにも当てはまる場合があり、その分子種Bは、膜との融合後に、少なくとも部分的には細胞内部へと解放され得る。
これは、従来技術によるとDNAまたは他の薬理有効成分の輸送用途に利用される、従来技術により公知のエンドサイトーシスとは異なる方法である。
標的膜は、合成膜、もしくは細胞性膜、または膜画分であってもよい。標的膜は、本方法の最中に前記融合混合物と融合する、機能的および構造的に完全な膜であり得る。有利かつ驚くべきことに、記載の比率での分子種AおよびBの使用により、あらゆる膜型が、本発明による融合混合物と融合できるようになる。
それゆえ、この融合法は、本発明によると、融合混合物または融合リポソームを、例えば、1:50〜1:200(混合物:細胞培地;v/v)という比率で脂質含有膜と接触させることを想定する。希釈後に、改めて混合物を均質化し、細胞上に加える。接触は、長時間継続する必要はない。膜と前記融合混合物との間での数分間、例えば、1〜10分間の接触で完全に十分である。このことは、エンドサイトーシスを介する明らかにゆっくりと進行する分子取込みによる公知の方法に比べて明白な利点である。
特に有利には、様々なさらなる方法ステップを、本発明による融合混合物の、膜との融合と組み合わせることができる。
蛍光分子Bの選択により、この蛍光分子を、例えば、蛍光顕微鏡検査またはフローサイトメトリーを利用して、膜または細胞中で検出できる。共役二重結合を有する芳香族化合物は、共役のサイズに応じて、蛍光強度が異なる。前記の蛍光物質のような、蛍光性の強い分子種Bは、蛍光顕微鏡検査を用いて、膜中ですでに難なく検出可能である。
成分Zとしての核酸の選択により、融合と並び、同時にトランスフェクションが行われる。融合に伴うトランスフェクションは、有利なことに、例えば、リポフェクタミンを用いた、従来技術によるトランスフェクションよりも明らかに効果的である。
特に有利には、前記融合混合物中の成分Zとしてのビオチン含有物質の選択により、同時に標的膜のビオチン化が行われる。この方法ステップは、特に有利には、標的膜がビオチン化されさらなる方法ステップのために準備されるよう取り計らう。この標的膜に、有利には、続いて、例えば、磁性粒子を付着させることができる。
特に有利な一方法では、細胞混合物中において1つの膜型がビオチン化され、混合物中の別の膜型は、この融合混合物によってビオチン化されない。その場合、この方法は、ビオチン化膜を磁性粒子と結合させ、続いて、磁力により、非ビオチン化膜から分離させるさらなるステップを含み得る。この、融合が仲介するビオチン化は、きわめて有利には、ビオチン化され、磁化された膜をビオチン化されていない、非磁化膜から分離するために、混合培養の精製法が実施可能であるよう取り計らう。このような精製法は、特に有利には、高度の精製膜をもたらす。
本発明の特に有利なさらなる一形態では、前記融合混合物と標的膜とからなる(中間)生成物が、融合が起きた後に融合性である。それにより、特に有利には、さらなる脂質含有膜とのさらなる融合を実施できるようになる。
この結果、有利には、生成する細胞および/または膜が、再度、脂質膜と融合できるようになる。対応する(中間)生成物が、融合特性を有するか、または融合性のままである限り、相応に融合ステップを繰り返すことができる。
これらの様々な方法ステップは、分子種AおよびとりわけB、ならびに場合によってはZの選択により、互いに組み合わせ可能であるため、複数の方法が同時に行われることになる。模範的には、有効成分放出を伴う膜およびDNAの標識、および精製法、およびトランスフェクションを挙げる。
前記融合混合物の希釈媒体としては、添加物(血清)を含むか、または含まない細胞培養培地、およびあらゆる水性緩衝液が使用可能である。
分子種AおよびBならびに場合によってはZを含む本発明による融合混合物は、溶媒中において、有利には融合リポソームとして存在する。
分子種Bが蛍光芳香族分子である場合、分子種AおよびBを単独で使用することにより、(モデル)膜染色が、本発明による方法に伴うかもしれない。
それゆえ、本発明による方法を用いると、付加的に添加される成分Zの種類に応じて、同時に、
− Zが核酸(DNA、RNA)である限り、トランスフェクションが行われる。
− Zがビオチンを含む分子である限り、ビオチン化が行われる。このビオチン化は、その方法によると、様々な膜型がビオチン化形態または非ビオチン化形態で存在する細胞分離法に使用できる。
− ZまたはBが薬理有効物質である限り、そのような薬理有効物質が細胞内に導入される。この場合、分子種Zは、分子種Bと同一であり得る。分子種Bは、まず標的膜と融合し、次いで細胞内に取り込まれる。
例示的実施形態
以下では、例示的実施形態および添付の図面を手がかりに、本発明をより詳細に説明するが、これにより本発明が制限されるものではない。
第1の例示的実施形態(図1および図2):細胞懸濁液中での融合(1:0.005〜1:0.2モル/モルの分子種A:B(DOTAP:DiR)からなる融合混合物の、CHO細胞との融合)。
第1の例示的実施形態は、融合混合物中の分子種AおよびBの、請求されるモル比を検証する。
フローサイトメトリー測定においては、下図に記載のX軸およびY軸のラベルが、その上方に配置された測定結果にも適用される。
DiRの融合誘導性濃度範囲を特定するために、融合混合物の成分、ここではDOTAP(分子種A)およびDiR(分子種B)を、1mg/mlのストック溶液から、クロロホルム中において1:0.005〜1:2モル/モルの比率で混合した。
結果としては、1:2以上の分子種モル比A:B(つまり、例えば1:3モル/モルの分子種A:B)からは、融合混合物中での両物質の均質化が困難であることが確認できるが、なぜならそれらの物質が凝集するからである。それゆえ、本発明の状況では、融合混合物中の分子種Bの分率が高すぎるような融合混合物は回避するべきである。
芳香族化合物Bを加えた脂質分子Aの均質化後に、真空下に有機溶媒を除去した。乾燥させた混合物をpH7.4の20mM HEPES溶液中に取り込み、超音波浴中で20分間、均質化した。
懸濁液中の融合混合物の最終濃度を2mg/mlに調整した。DMEM培地中での1/100v/v希釈後に、リポソーム懸濁液の500μlをおよそ100,000個の付着性CHO細胞に加え、5分間、37℃においてインキュベートした。
図1は、顕微鏡写真(DiRの蛍光および明視野写真)を左段および中央段に、ならびにこれに対応するフローサイトメトリー測定を右段に示す。それぞれ、CHO細胞を融合混合物で処理した。それぞれ処理開始、つまり融合混合物を細胞と接触させてから5分後の結果を示す。
1:0.005の分子種比A:B(DOTAP:DiR)では、シグナル分布は点状パターンに対応する、図1を参照(顕微鏡検査およびフローサイトメトリー)。これは、分子種Bのエンドサイトーシスによる取込みプロセスを示唆する。
それに対して、1:0.02モル/モル以上の分子種比A:B(DOTAP:DiR)では、融合リポソームから細胞膜への制御された物質輸送が起こる。これは、分子種Aおよび分子種Bからなる融合混合物中では、分子種Bのこの最低限供給量が存在するべきであるということを意味する。
芳香族化合物濃度CDirと被処理細胞中の芳香族化合物の強度IDirとの間の直線関係が、フローサイトメトリーを用いて確認され、詳しくは、例えば、およそ1:0.02の分子種比A:Bから、1:0.2のA:B比まで認められる(図2)。
実際には、この直線関係が、1:2モル/モルのA:B比まで生じる(図示されていない)。この依存性は、一般的な勾配関数Y=mx+b、つまりここではIDir=mDir+b、m>0に対応する。
本発明の枠内では、当業者が両分子種AおよびBに関して、分子種Bの濃度Cに依存して分子種Bの強度Iとの直線関係が、m>0で存在するかまたは調整される比率を選択する限り常に、融合混合物の、膜との融合が起こるということが認識された。
1:0.02未満の分子種比A:Bでは、リポソームはエンドサイトーシスにより取り込まれ(図1のA列を参照)、その結果は、ある強度値の周りに脈絡なくばらつく。これは、正荷電リポソームが、1:0.02モル/モルの分子種比A:Bを越える芳香族分子Bの添加により、膜融合により別の膜に到達するということを推論させる。
第2の例示的実施形態(図3):モデル膜との融合(分子種A:B(DOTAP:DiO)からなる1:0.1モル/モルというモル比A:Bの融合混合物の、DOPCモデル膜との融合)
1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンからなる単層巨大小胞を、250mMの糖溶液(pH7.4、4mMのイミダゾール/HClで調整)中、1.3Vおよび10Hzの交流により膨張させた。小胞溶液100μlを、あらかじめアビジンで被覆し250mMのブドウ糖溶液1.8mlで満たした測定チャンバに移した。さらに、融合小胞(DOTAP:DiO=1:0.1モル/モル)100μlを添加した。融合小胞の調製は、例1のように行う。サンプルホルダをカバーガラスで覆い、温度を37℃に高めた。
図3Aは、膜融合が起きた後のDOPC巨大小胞(矢印)を示す。小さい、顕微鏡的に分解不可能な融合小胞から大きな単層DOPCモデル膜への蛍光の転移が、完全な膜融合の証拠である。その上、融合は、制御されながら、かつ融合小胞とDOPC巨大小胞の外膜との間でのみ起こる。それに対して、内部小胞は、図3Aと比べた図3B(明視野)で認識できるように、未染色のままである(矢印)。
この実験は、融合による、融合混合物の、標的の外膜への特異的な取込みを証明する。
第3の例示的実施形態(図4):細胞性膜断片との融合−1:0.1モル/モルというモル比の分子種A:B(DOTAP:DiO)の、HL−1細胞の単離原形質膜との融合、およびこの融合性膜画分の、DOPC巨大小胞とのさらなる融合。
HL1細胞(筋細胞細胞株)を、200mOsmのPBS緩衝液中において浸透圧膨張させた。続いて、ホモジナイザー中で細胞を細砕した。細胞核およびミトコンドリアを、遠心分離により残余膜から分解することができた。残余画分は、細胞の、ジストログリカンを含む原形質膜、ER膜、およびリソソーム膜を含有する。この画分を、250mM糖/イミダゾール/HClからなる緩衝溶液中に取り込んだ。
原形質膜含有融合リポソームを生み出すために、1/10の体積比で、その画分を、DOTAP:DiO(1:0.1モル/モル)からなる融合リポソームと融合した。
第2の融合(C、D)を、原形質膜含有融合リポソームとDOPC巨大小胞との間で開始した。
すべてのDOPC巨大小胞は、蛍光標識を伴わずに製造した。
図4Aは、DOTAPおよびDiOからなる融合混合物との融合後の巨大小胞を示す(緑色チャンネル)。
図4Bは、DOTAPおよびDiOからなる融合混合物との融合後の同一巨大小胞を、抗ジストログリカン抗体染色して示す(赤色チャンネル)。
融合に成功した場合、緑色がDiOからDOPC巨大小胞に転移した(緑色チャンネル、図4A)。赤色チャンネル(4B)は、シグナルを示さなかった、つまりジストログリカンの不在を示した(陰性対照)。
筋細胞のPM画分を、融合混合物DOTAP(分子種A)およびDiO(分子種B)と融合した(第1の融合)。次いで、原形質膜タンパク質ジストログリカンが、融合により、DOPC巨大小胞膜に転移した(第2の融合)。
このことは、抗ジストログリカン−Atto633−抗体での免疫染色により示すことができた(赤色チャンネル)。
図4は、原形質膜画分を含まない融合リポソーム(A、B)、および原形質膜画分を含む融合リポソーム(C、D)との融合後のDOPC巨大小胞を示す。DiOの緑色は、膜融合によって、巨大小胞に転移した。同じく、融合により、原形質膜タンパク質ジストログリカンが、小胞膜に導入された。このことは、赤色の抗ジストログリカン染色で示された。
第4の例示的実施形態(図5):トランスフェクション−懸濁液中におけるDOTAP/DiR/DOPE(1:0.1:1モル/モル)/プラスミド複合体の、CHO細胞との融合
融合リポソームの成分、ここではDOPE/DOTAP/DiRを、1mg/mlのストック溶液から1/1/0.1モル/モルという比率で、クロロホルム中において混合した。脂質の均質化後に、真空下に有機溶媒を除去した。乾燥させた混合物を20mM HEPES/NaOH、pH7.4の緩衝溶液中に取り込み、超音波浴中で20分間、均質化した。融合混合物の最終濃度を2mg/mlに調整した。
融合混合物20μlに、eGFPプラスミド2μgを加えて、10分間、超音波浴中で再び均質化した。続いて、融合混合物/プラスミド複合体を1:100v/vにPBSで希釈し、およそ100000個のCHO細胞(懸濁液)に加え、20分間、37℃においてインキュベートした。eGFP発現と同様に融合効率も、フローサイトメトリーで測定した。対照としては、未処理CHO細胞、およびリポフェクタミン2000(Invitrogen)を用いて典型的にトランスフェクトしたCHO細胞を使用した。
図5Aは、3つのサンプルのGFP強度分布を示す。トランスフェクトされた両サンプルとも、未処理対照と比べて明らかにシフトされた強度プロファイルを示した。相違点は、特に、プロファイル分布において現れる。リポフェクタミンサンプルのトランスフェクション効率は、およそ60%にあり、著しく異なったGFP強度を示す。つまり、高いGFP発現を有する細胞が存在する一方で、他の細胞は、非常にわずかにしかGFPを発現しない。そのような細胞の分析は、たいていの場合きわめて困難であるか、または妥当性がない。
それに対して、融合混合物を用いた本発明の方法によりトランスフェクトされた細胞のトランスフェクション効率は、75%を上回る。典型的なトランスフェクションに対する利点は、全細胞の均質な発現レベルにある。つまり、図5Bは、融合リポソーム/プラスミド複合体で処理された細胞でのトランスフェクション効率が、融合効率と相関関係にあることを示す。融合効率は、DiRシグナル分布を手がかりに算出され、90〜95%という値を有する。
第5の例示的実施形態(図6):懸濁液中におけるDOTAP:DiO:CapBiotin−DHPE(1:0.05:0.1モル/モル)の、初代心臓線維芽細胞との融合による原形質膜ビオチン化。
A:B:Z(DOTAP:DiO:成分ZとしてのcapBiotin−DHPE)からなる融合混合物の成分を、1mg/mlのストック溶液から、1:0.05:0.1モル/モルというA:B:Z比で、クロロホルム中において混合し均質化した。引き続き、例1の記載に相応して融合リポソームを調製した。
ビオチン化された融合リポソーム10μlをDME培地に1:100希釈し、続いて、心臓線維芽細胞(100〜600万個)を融合混合物中に再懸濁した。1〜3分間インキュベーションした後−この時間は、線維芽細胞の融合には十分であったが、筋細胞集団はまだ融合していなかった−、細胞を2回、PBSで洗浄し、ペレット化し、磁性抗ビオチンビーズ溶液100μlに再懸濁し、20分間、4℃でインキュベートした。融合したすべての線維芽細胞は、ビオチン−抗ビオチン結合を介して、磁性ビーズで標識された。
この細胞集団は、磁場中のクロマトグラフィーカラムを利用すると、懸濁液から保持された。純粋な筋細胞集団は、磁場によって保持されず、収集された。
図6は、2つの細胞集団を示す。アクチン染色は、両方ともの細胞型(筋細胞および線維芽細胞)を標識し、筋細胞特異的抗体α−アクチニンは、免疫染色において筋細胞のみを視覚化する。出発培養の比率は、およそ50:50にあり、記載の方法により、およそ、95%の筋細胞に対する5%の線維芽細胞にシフトする。
目下のところ、同じように純粋な筋細胞培養を得るための方法は存在しない。融合が制御するビオチン化法は、他の細胞型を用いても適用可能である。
第6の例示的実施形態(図7):融合リポソームから癌細胞へのドキソルビシン放出
ドキソルビシンは、今日では、医薬薬剤として化学療法において使用される。ドキソルビシンは、細胞核内のDNAにインターカレートし、DNA合成を妨害する。ドキソルビシンは、芳香族分子構造を有し、ここでは、直接的に分子種Bとして、および正荷電リポソームの構成要素として、リポソーム膜と細胞膜との間の膜融合の誘導に関して検査した。癌細胞へのドキソルビシンの挿入(Einschleusung)を証明するために、先立つ融合に続いて、以下の実験を行った。
融合リポソームの成分、DOTAP(分子種A)およびドキソルビシン(分子種B)を、1mg/mlのストック溶液から、1:0.1モル/モルという比率で、クロロホルム中において混合した。
芳香族性ドキソルビシンを加えた脂質分子の均質化後に、真空下に有機溶媒を除去した。乾燥させた混合物をpH7.4の20mM HEPES溶液中に取り込み、超音波浴中で20分間、均質化した。融合混合物の最終濃度を2mg/mlに調整した。DMEM培地中での1/100v/v希釈後に、融合混合物の500μlをおよそ100,000個の付着性MDA−MB−231癌細胞に加え、10分間、37℃においてインキュベートした。
対照としては、もう1つの細胞サンプルを、融合混合物を含まない培養培地中で同量のドキソルビシン(2μg)とインキュベートした。従来の用量は、1mg/mlである。
さらに、ドキソルビシンを中性DOPCリポソーム(分子種Aを含まない)中に挿入し(1:0.1モル/モルの比率のDOPC:Dox)、別のサンプルと同じ濃度(2μg/ml)で、付着性細胞に加えた。ドキソルビシン取込みは、いずれの場合も、蛍光顕微鏡検査で観察した。続いて、結果を互いに比較した。
図7は、10分間のインキュベーション後の、明視野での顕微鏡写真(左段)および対応する蛍光顕微鏡写真(緑色チャンネル、右段)を示す。最も効果的なドキソルビシン取込みは、融合リポソームの使用時に認められた(図7C)。この場合、投入された全細胞が、細胞核中において強度のドキソルビシン蛍光シグナルを示した。
ドキソルビシンのこのように迅速な、細胞核への挿入は、これまで公知ではない。最も頻繁に適用されたドキソルビシンインキュベーション時間は、24〜72時間である。
培地中の遊離ドキソルビシンを用いた対照(図7A)は、わずかな蛍光シグナルを示し、DOPC/Dox混合物は、シグナルを示さない(図7B)。エンドサイトーシスが仲介する物質輸送プロセスは、完全に進行するためには、通常は、より長い時間を必要とする(数時間から数日間まで)。
図7Cは、細胞核内でのDoxの、DNAとのインターカレーションを示し、それゆえ、迅速な取込みおよび薬理有効物質としての使用と同時にDNA色素としての使用を示す。
この方法を用いると、癌細胞を数分間以内に細胞増殖抑制剤で処理することが可能である。
第7の例示的実施形態(図8):それぞれ様々なモル分率の分子種Bを用いて、分子種A(DOTAP:)およびB(BODIPY FL−DHPE)から製造されたリポソームと分子種A(DOTAP:)、B(BODIPY FL−DHPE)およびC(DOPE)から製造されたリポソームとの間での蛍光強度の比較。
この例示的実施形態では、A/B型のリポソームで処理後、およびA/B/C型のリポソームで処理後のCHO細胞の蛍光強度を、互いに直接に比較した。比較的低い濃度の分子種Bを使用すると、つまり、0.1〜0.4μg/mlの濃度範囲、またはA/Bの場合は1/0.005〜1/0.02、およびA/B/Cの場合は1/0.005/1〜1/0.02/1というモル混合比では、リポソームの取込みはエンドサイトーシスを介して起こり、A/B型とA/B/C型との間では蛍光強度の差は認識できない。さらに、A/Bの場合は1/0.02まで、およびA/B/Cの場合は1/0.02/1までの範囲での強度は、およそ同じ、低いレベルにある。それゆえ、使用される芳香族化合物濃度(分子種B)と測定された、芳香族化合物の強度との間では、ほとんど直線性が存在しない(図8)。1:0.02モル/モル以上のA:B(DOTAP:BODIPY FL)モル混合比、および1:0.02:1モル/モル以上のA:B:C(DOTAP:BODIPY FL:DOPE)モル混合比では、両方の場合とも膜融合が誘導される。もっとも、この際、3つの成分(A/B/C)からなるリポソームと比べて、分子種AおよびBのみから構成されているリポソームを用いると明らかにより効果的に融合、それゆえ分子の転移が起こる。図8では、このことが、1/0.035または1/0.035/1〜1/0.5または1/0.5/1というモル混合比に関して示されている。図8において、μg/mlで表されるBの濃度から読み取れるように、両方の場合とも分子種Bの使用量は同じであるにもかかわらず、A/B/Cリポソームに対するA/Bリポソームの明らかな優位が、明確に読み取れる。1:0.02モル/モル以上のモル混合比A:Bでは、融合、および融合リポソームから細胞膜への制御された物質輸送が起こり、この物質輸送は、芳香族化合物濃度と、被処理細胞中の芳香族化合物の強度との間の直線関係を伴う。このことは、図8では、1:0.5のモル混合比A:Bまで示されているが、例えば、図9が、第8の例示的実施形態との関連で示すように、この混合比A:Bは、1:2まで拡張可能である。
分子種BとしてDiO、DiR、またはドキソルビシンが使用された、前記の例示的実施形態1〜7とは異なり、本例示的実施形態では、別の1つの分子種B(BODIPY FL−DHPE)が効果的に検査された。
第8の例示的実施形態(図9):付着性CHO細胞との融合(1:0.5〜1:2モル/モルの分子種A:B(DOTAP:DiR)からなる融合混合物の融合)
第8の例示的実施形態は、第1の例示的実施形態と比べて、分子種Aに対する、より高い分率の分子種Bを検証する。位相差写真は、分子種Bの分率が高い場合でも、処理後の細胞が活発なままであり、形態学的変化が進行しないということを示す。それゆえ、生体適合性は非常に高い。蛍光写真は、リポソーム中の色素分率の上昇と共に高まる細胞の色素取込みを具体的に示す。

Claims (13)

  1. 任意の脂質膜、細胞膜、細胞膜の構成要素、またはその他の細胞構成要素から分離された細胞膜をin vivoまたはin vitroで脂質含有膜修飾するための融合混合物であって、正荷電両親媒性分子Aおよび分子Bを含み、分子種Bが芳香族分子であり、分子種Aおよび分子種Bが、1:0.02〜1:2モル/モルのA:B比で存在する前記融合混合物。
  2. 前記融合混合物が、水性溶液中に存在することを特徴とする、請求項1に記載の融合混合物。
  3. 前記融合混合物が、少なくとも1つの添加剤Zを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の融合混合物。
  4. 添加剤Zとしての、合成脂質分子、天然脂質分子、細胞質タンパク質、膜貫通タンパク質、タンパク質−脂質混合物、核酸、ナノ粒子(磁性、蛍光性、等)、もしくは薬理有効成分、またはそれらからなる混合物を特徴とする、請求項3に記載の融合混合物。
  5. 最大46モル%という前記添加剤Zの分率を特徴とする、請求項4に記載の融合混合物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の融合混合物と脂質含有膜を接触させることで、融合混合物が膜と融合することを特徴とする、任意の脂質膜、細胞膜、細胞膜の構成要素、またはその他の細胞構成要素から分離された細胞膜をin vivoまたはin vitroで脂質含有膜修飾するための方法。
  7. 成分Zとして核酸を選択することより、同時にトランスフェクションが行われる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記融合混合物中の成分Zとしてのビオチン含有物質の選択により、同時に標的膜のビオチン化が行われる、請求項6または7に記載の方法。
  9. さらなる膜が、この融合混合物によってビオチン化されないことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. ビオチン化膜を磁性粒子と結合させ、続いて、磁力により、非ビオチン化膜から分離させるステップを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 前記融合混合物と標的膜とからなる生成物が、融合が起きた後に融合性であり、さらなる脂質含有膜とのさらなる融合が行われることを特徴とする、請求項6〜10のいずれか一つに記載の方法。
  12. 膜への融合後に細胞内に取り込まれる成分Zとしての薬理有効物質の選択を特徴とする、請求項6〜11のいずれか一つに記載の方法。
  13. 薬理作用に加えて芳香族構成要素を有する成分Zの選択を特徴とする、請求項12に記載の方法。
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