JP2016513190A

JP2016513190A - 非穿孔燃料電池気体拡散層

Info

Publication number: JP2016513190A
Application number: JP2015558948A
Authority: JP
Inventors: モテュパリー，サティヤ
Original assignee: Audi AG
Current assignee: Audi AG
Priority date: 2013-02-21
Filing date: 2014-02-20
Publication date: 2016-05-12
Anticipated expiration: 2034-02-20
Also published as: EP2959527B1; KR102102275B1; KR20150122175A; US20160006038A1; EP2959527A4; EP2959527A1; CN105074984B; WO2014130665A1; CN105074984A; JP6280933B2

Abstract

繊維炭素紙（９）のシートを軸（１１）上の第１のロールから軸（１５）周りの第２のロールへとローラ（１４）の周りに進める。ローラ（１４）周りに繊維炭素紙のシートを曲げることで、ほどけやすい繊維を表面から外側へと突出させ、静止点（１８）に固定された髭剃りのように鋭い刃先（１７）によって剃る。代替として、燃料電池気体拡散層（２０）などの炭素繊維要素を弓形ジグ（２２）内に固定することができ、任意の突出した繊維を切り取るように炭素繊維要素の表面に沿って髭剃りのように鋭い刃先（３１）を回転させることができる。

Description

燃料電池気体拡散層（ｇａｓｄｉｆｆｕｓｉｏｎｌａｙｅｒ）（ＧＤＬ）の炭素繊維基体、またはＧＤＬ基体を作成するための炭素繊維紙を曲げて繊維に応力を掛け、基体拡散層または紙の表面の近くにある端のほどけた繊維を表面から突出させた後、突出している繊維を髭剃りのような工程によって応力の掛かったＧＤＬまたは紙の表面から取り除く。

（関連出願の相互参照）
本願は、２０１３年２月２１日に出願された米国仮特許出願番号第６１／７６７，３８４号の利益を主張する。

ＰＥＭ（プロトン交換膜（ｐｒｏｔｏｎｅｘｃｈａｎｇｅｍｅｍｂｒａｎｅ））型燃料電池電力設備では、反応物気体流れ場とカソード触媒層およびアノード触媒層との間に層が配置され、次いで、プロトン交換膜のどちらかの側に配置される。これらの層は一般に「気体拡散層」と呼ばれ、時に「集電体」と呼ばれる。気体拡散層の主な機能は、触媒層およびＰＥＭの全表面に亘って均一な仕方で反応気体（燃料または酸化剤）を供給することである。

炭素繊維で作成された不織炭素紙が、優れた性能（電流密度当たりの電圧）を示すとともに反応物気体質量輸送の向上したＧＤＬを提供することが見出されている。これらの優れた特性は、中実反応物気体流れ場プレートを利用する燃料電池や多孔質反応物気体流れ場プレートを利用する燃料電池で注目されている。

しかしながら、ＧＤＬ用に炭素繊維で作成された不織炭素紙を使用すると結果として、燃料電池の耐久性が低下することになる。炭素繊維紙ＧＤＬに付随する耐久性の喪失は、炭素繊維紙ＧＤＬに付随するプロトン交換膜にピンホールが生じ、それによって反応物気体横断、その結果としての燃焼が生じることによって引き起こされると決定されている。これによって結果として、損傷した電池の故障が生じるばかりでなく、それどころか、燃料気体および酸化剤気体の触媒反応によって生じるホットスポットに起因して、隣接する燃料電池にも影響が生じる。

反応物流れ場プレート内のリブおよび溝の交互配置によって、燃料電池スタック内のさまざまな層の接触抵抗を最小限に抑えるために印加される軸方向荷重によるＧＤＬ上への不均一な応力が生じる。炭素紙ＧＤＬ内に組み込まれた繊維は、母材からほぐれて、ＧＤＬの表面から突出し、次いで、プロトン交換膜を穿孔して、気体横断、そして反応物気体の混合を生じさせる。これによって、熱集中が生じ、それによって結果として燃料電池スタックのさらなる損傷が生じ得る。

通常の場合、この問題は、ＧＤＬとＰＥＭ上の触媒層との間に、しばしば「二層（ｂｉｌａｙｅｒ）」と呼ばれる、細孔層を用いることで回避されてきた。しかしながら、そのような層によって、質量輸送および透水性が低下する。

ＰＥＭの穿孔を回避するために、日本国特許公開第２００４−２８１３６３号は、ＧＤＬ用にガラス繊維基体を用いることを提案する。これは、炭素または黒鉛粒子などの導電性物質を大量に充填することを必要する。

ＧＤＬの炭素繊維によるＰＥＭの穿孔を低減することは、米国特許第７，１４４，４７６号に述べられており、高比表面積粒子状炭素でＧＤＬを被覆することで結果として得られる。

充填や被覆によって、反応物気体質量輸送が低減し、それによって、性能や、負荷過渡変化に対する応答が低下する。

炭素繊維紙ＧＤＬ、またはＧＤＬを形成するための基体として使用される炭素繊維紙原料を処理する方法は、表面から繊維の突出を生じさせるように炭素繊維紙またはＧＤＬの弓形応力印加（曲げ）と、髭剃りのような工程によって突出した繊維を表面から除去することとを用いる。炭素繊維紙またはＧＤＬの弓形応力印加は、燃料電池の触媒層に隣接することが予定されている、その特定の表面から、繊維を突出させるような仕方である。

例示的な一実施例では、炭素繊維ＧＤＬ、またはＧＤＬを形成するための基体として使用される炭素繊維紙原料を、円筒形ドラムまたはローラにしっかりと適合させ、それによって、ゆるい繊維をほどき、炭素繊維紙またはＧＤＬの表面から突出させる。次いで、髭剃りのような器具あるいはナイロンまたは金属の紐を用いて実行され得る髭剃り作動を用いて、突出した繊維を切り取り、それによって、表面をきれいに剃る。

他の実施例は、本明細書内の主題の範囲内に含まれる。例えば、炭素繊維紙またはＧＤＬをドラムまたはローラに適合させる代わりに、繊維をほどき、突出させるように炭素繊維紙を変形させる他の方法を使用することができる。突出した繊維を剃ることは、レーザ、または当業技術内で知られる多くの剃る技術のうちの別の１つの技術を用いて実現することができる。

他の変形例は、添付の図面に図示されるような、例示的な実施例の以下の詳細な説明に照らしてより明らかになるであろう。

本明細書内の方法の一実施例の様式化された側立面または平面図。代替の実施例を示す様式化された簡略側立面図。

図１を参照すると、ＭＩＴＳＵＢＩＳＨＩ（登録商標）Ｕ１０７などの、ＧＤＬを作成するために使用される炭素繊維紙原料のロール９を、１つの軸１１から第２の軸１５へとローラ１４の周りに回転させる。炭素繊維紙がローラ１４の周りを移動する間に、上面は凸状になる。炭素繊維紙に印加された応力によって、ゆるい繊維をほどき、炭素繊維紙の凸状表面から突き出させる。炭素繊維紙はまた、ローラの周りを通過する間に、静止アンカー１８によって保持された、のみ状の髭剃りのように鋭い刃先１７の下を通過する。髭剃りのように鋭い刃先１７は、表面から延在する繊維を切断し、それによって、任意の突出した繊維を表面から除去する。

ローラ１４および髭剃りのように鋭い刃先１７は、（図１の頁に垂直な奥行き方向に）繊維炭素紙９と同じほど広がっていることになる。代替として、狭い髭剃りのように鋭い刃先１７が、炭素繊維紙９に亘って前後に移動し得る。

その後に炭素繊維布を燃料電池スタック内のＧＤＬ内に使用する場合、燃料電池プロトン交換膜を通って突き出ることができる突出した繊維は存在しないことになり、従って、ピンホールも、反応物気体横断も、燃焼もなくなる。

図１に示す装置の代替例として、ローラ１４を横切る炭素繊維紙の全表面に亘って延在する髭剃りのように鋭い刃先１７の代わりに、静止レーザが、髭剃りのように鋭い刃先１７と同じ線に沿って、炭素繊維紙の幅に亘って十分なエネルギーのビームを提供することができる。別の代替例は、任意の突出した繊維を十分に迅速に切り取るように、髭剃りのように鋭い刃先１７と同じ線に接触するように前後に迅速に走査されるビームを提供するレーザを使用することができる。

図１の構成は、軸１１、１５がローラ１４の上になり、炭素繊維紙がローラ１４の下を通過するように、変更することができる。これによって、切断された繊維が重力によってロールから落ちるようにできるであろう。

ＧＤＬを形成するための基体として使用される細長の紙原料内に依然として繊維が係合している間に繊維を剃る代わりに、本明細書内の方法は、形成されたＧＤＬに実行することができる。図２に示すように、形成されたＧＤＬを弓形ジグ２２上に留めることができる。ジグ２２は、固定クリップ２５および可動クリップ２６を備えることができる。突出した炭素繊維を除去するようにＧＤＬを取り付ける場合、クリップ２６は、点２７周りに回転することができ、ピン２８によって所定の位置に保持することができる。任意の突出した繊維を切り取るようにジグ２２にＧＤＬを留める場合、ＧＤＬが静止することになるジグ２２の表面の半径の中心である点３３周りに髭剃りのように鋭い刃先３１を回転させる。

概念の意図から逸脱せずに開示された実施例の変更および変形を行うことができるので、添付の特許請求の範囲によって必要とされる以外に本開示を限定することは意図していない。

Claims

繊維炭素紙のシートの第１の表面を凸状にし、それによって、ほどけやすい繊維のいくつかをほどいて、ほどけやすい繊維の一部を第１の表面から突出させるように、繊維炭素紙のシートを曲げ、
ほどけやすい繊維の一部を繊維炭素紙のシートの第１の表面から剃る、
ことを含むことを特徴とする方法。
繊維炭素紙のシートは、ローラがシートの方向を変える間、シートを束縛するローラを有する経路に沿って供給源のロールから第２のロールへと進むことを特徴とする請求項１記載の方法。
繊維炭素紙のシートの第１の表面を凸状にし、それによって、ほどけやすい繊維のいくつかをほどいて、ほどけやすい繊維の一部を第１の表面から突出させるように、繊維炭素紙のシートを曲げる手段と、
ほどけやすい繊維の一部を繊維炭素紙のシートの第１の表面から剃る手段と、
を備えることを特徴とする装置。
剃る手段は、髭剃りのように鋭い刃先を備えることをさらに特徴とする請求項３記載の装置。
曲げる手段は、繊維炭素紙のシートが第１のロールから第２のロールへと進む間、繊維炭素紙のシートの経路を変えるローラを備えることをさらに特徴とする請求項３記載の装置。