JP2016512284A - 新規可塑剤ブレンド及びそれを含むプラスチゾル組成物 - Google Patents

新規可塑剤ブレンド及びそれを含むプラスチゾル組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2016512284A
JP2016512284A JP2016502698A JP2016502698A JP2016512284A JP 2016512284 A JP2016512284 A JP 2016512284A JP 2016502698 A JP2016502698 A JP 2016502698A JP 2016502698 A JP2016502698 A JP 2016502698A JP 2016512284 A JP2016512284 A JP 2016512284A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasticizer
dibenzoate
glycol dibenzoate
plastisol
compatibilizing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016502698A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6254249B2 (ja
Inventor
アレント、ウィリアム・ディー
マクブライド、エミリー
ヘイネス、レベッカ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Emerald Kalama Chemical LLC
Original Assignee
Emerald Kalama Chemical LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Emerald Kalama Chemical LLC filed Critical Emerald Kalama Chemical LLC
Publication of JP2016512284A publication Critical patent/JP2016512284A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6254249B2 publication Critical patent/JP6254249B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J3/00Processes of treating or compounding macromolecular substances
    • C08J3/18Plasticising macromolecular compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/10Esters; Ether-esters
    • C08K5/101Esters; Ether-esters of monocarboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/10Esters; Ether-esters
    • C08K5/101Esters; Ether-esters of monocarboxylic acids
    • C08K5/103Esters; Ether-esters of monocarboxylic acids with polyalcohols
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2300/00Characterised by the use of unspecified polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K2201/00Specific properties of additives
    • C08K2201/014Additives containing two or more different additives of the same subgroup in C08K

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

良好な溶媒和特性、良好な粘度プロファイル及びプラスチゾルに伝統的に用いられている他の可塑剤及び溶媒との良好な相溶性を有する有機ゾル等のプラスチゾル組成物に有用な新規可塑剤ブレンドであり、ベンゾアートエステル可塑剤及び相溶化性可塑剤成分を含む。低い粘度及び良好なレオロジー特性を有するプラスチゾルの調製方法、及び新規可塑剤ブレンドを含めることにより、ベンゾアートエステル可塑剤又はそのブレンドを、プラスチゾルに伝統的に使用されている有機溶媒と相溶性にする方法が開示され、これは可塑剤を受け入れるために溶媒の溶解度パラメータを調節することを必要としない。

Description

発明の分野
この発明は、有機ゾルを含むプラスチゾル組成物に有用な新規可塑剤ブレンドに関する。この新規ブレンドは、良好な溶媒和特性、良好な粘度プロファイルを有し、プラスチゾルに伝統的に使用されている他の可塑剤及び溶媒と高度に相溶性である。本発明は、また、この新規可塑剤ブレンドを含むプラスチゾル、及びプラスチゾル組成物の可塑剤成分及び溶媒成分を相溶化させてそれらを一層加工しやすくする方法に関する。
発明の背景
典型的に、「プラスチゾル」は、粒子形態の少なくとも1種の非架橋有機ポリマーを、そのポリマーの可塑剤を含む液相中に分散させて含む液状ポリマー組成物を意味する。プラスチゾルは、また、有機ゾルを含むが、これは、プラスチゾルの粘度及び他の特性を制御するために、可塑剤に加えて、溶媒例えば液状炭化水素、ケトン又は他の有機液体が約5wt%を超える量で使用されているプラスチゾルである。プラスチゾルは、フローリング、スクリーンインク、フィルム、コーティング、及び成形及び流延用コンパウンドを含むがこれに限定されない種々の用途に使用されている。
プラスチゾルは、定義によれば、ポリ塩化ビニル(PVC)及びPVCコポリマーの分散体である。アクリル系プラスチゾルも、一般的である。
プラスチゾルに用いられている多種の可塑剤がある。典型的な可塑剤は、ポリマーと可塑剤が少なくとも部分的に相溶性である限り、ポリマーを軟化させ、一層加工しやするする有機液体と定義される。可塑剤は、柔軟なビニル用途を含むがこれに限定されない多くの用途のために、要求に応じて、ポリマーの硬さ(又は柔らかさ)を調節し、耐汚染性を付与し、引っ張り特性(例えば、強度、伸び又は可撓性)を変更し、加工性を促進するために用いられる。可塑剤は、また、樹脂(ポリマー)粒子、例えばPVCの分散のためのビヒクルとして役立つ。
可塑剤は、多種多様の代替化学において利用可能であり、本明細書でより詳しく記載する、1)汎用、2)特殊タイプ及び3)二次及び希釈剤タイプを含む。可塑剤間のキーとなる違いは、分散した固体ポリマーを溶媒和するその能力及び/又はプラスチゾルにおけるそのゲル化温度及び融合温度である。ゲル化温度及び融合温度は、生産の速度を決定づけ、そして可塑剤の溶媒和力により影響を受ける。一例としてのみであるが、ジベンゾアート可塑剤を含有するプラスチゾルのゲル化及び融合温度は、汎用フタラートを含有するプラスチゾルよりも低く、当該用途における加工速度を可能とさせる。
汎用可塑剤は、ほとんどの用途に対して性能特性と経済性との間で優れた折衷を提供する。いくつかの例は、ビス(フタル酸2−エチルヘキシル)(DEHP又はDOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジオクチル(DnOP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジプロピルヘプチル(DPHP)、テレフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOTP又はDEHT)、及びジイソノニル−1,2シクロヘキサンジカルボキシラート(DIDC、又はBASFのヘキサモール(Hexamoll)(商標)、ディンチ(DINCH)(登録商標))を含む。
特殊タイプの可塑剤は、一部には高溶媒和剤に対する要求を満たすために開発され、歴史的にもっともポピュラーなものはより低分子量のフタラートである。例は、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、フタル酸ジ−n−ブチル(DBP)及びフタル酸ジイソブチル(DIBP)を含む。非フタラート系高溶媒和性可塑剤の例は、ジベンゾアートエステル、いくつかのクエン酸エステル、アルキルスルホン酸エステル、及びある種のホスファートを含む。テレフタル酸ジブチル(DBTP)及びn−アルキルピロリドンも、特殊タイプの高溶媒和性可塑剤として提案されている。
ベンゾアートエステル可塑剤は、ジベンゾアート及びモノベンゾアートを含む。有用なジベンゾアートは、ジエチレングリコールジベンゾアート(DEGDB)、ジプロピレングリコールジベンゾアート(DPGDB)、トリエチレングリコールジベンゾアート(TEGDB)、1,2−プロピレングリコールジベンゾアート(PGDB)、及びそれらのブレンドを含む。可塑剤として有用であることが知られているモノベンゾアートエステルは、安息香酸イソデシル、安息香酸イソノニル、及び安息香酸2−エチルヘキシルを含む。ベンゾアートエステル可塑剤は、単独であれ、組合せであれ、プラスチゾル産業で利用されているポリマーと広範囲の相溶性を有し、そして伝統的な高溶媒和性フタラートに比べて遜色ない良好な溶媒和特性及びレオロジー特性を有する。
主にプラスチゾルの粘度を減少させるために使用される二次及び希釈剤タイプの可塑剤の例は、ひまし油及び大豆油に基づくものを含む。モノベンゾアートである安息香酸イソデシルも有用な希釈剤タイプの可塑剤である。
上で検討したすべての高溶媒和剤可塑剤(種類を問わない)は、ビニル組成物に付加価値を付けるが、これは伝統的な汎用可塑剤ではできないものである。伝統的な汎用可塑剤は、良好なレオロジープロファイルを有するが、劣った溶媒和能力を有する。
溶媒和特性は有用であるが、高溶媒和性可塑剤は、高いプラスチゾル粘度又は劣ったレオロジー特性によりその有用性が限られている。理想的な可塑剤は、それらが与える溶媒和とレオロジー特性との間での良好なバランスを有する。多くの用途、特にプラスチゾルにおいて、高溶媒和性可塑剤は、加工性のために粘度を減少させるべく有機溶媒の使用を必要とする。有用な溶媒は、液状炭化水素、ケトン及び他の有機液体を含む。有用な溶媒の一例は、サンチサイザー(Santicizer)(登録商標)375、すなわちC10〜C16アルキルベンゼンとノルマル低分子量パラフィン(〜20%)との混合物である。
プラスチゾルの粘度を最小にするための希釈剤の使用は、当該分野で知られている。アレント(Arendt)らへの米国特許第8,034,860号は、有機ポリマー、可塑剤及び有機液体を含みプラスチゾルと、予想どおりに低粘度を生じるプラスチゾルを製造するための方法とを記載している。アレントらは、低粘度を維持するために好適な希釈剤/可塑剤の組合せを選択する過去の試行錯誤実践を記載している。アレントらは、フタラート(BBP)可塑剤をDEG及びDPGのジベンゾアートと置き換えると、プラスチゾル粘度に25倍の増加が結果し、これは加工には粘稠過ぎることを見いだした。この粘度は、可塑剤としてBBPを含有するプラスチゾルに対し伝統的に使用されている普通の液状炭化水素混合物(63wt%の芳香族炭化水素、15wt%の混合脂肪族炭化水素及び22wt%のノルマルパラフィン系炭化水素)を用いては、加工し得るレベルまで減少させることができなかった。アレントらは、特定されたヒルデブラントの溶解度関係を満たす追加の溶媒を使用することによってこの問題を解決した。
特に、アレントらは、プラスチゾルの粘度が、ポリマーのヒルデブラント溶解度パラメータと、プラスチゾルに存在する有機希釈剤、可塑剤及びその他のすべての液体成分のヒルデブラント溶解度パラメータの重量平均との間の以前には知られていなかった数学的関係に直接関係することを見いだした。より高い粘度という問題に対する解決は、アレントらにより、ヒルデブラント溶解度パラメータに基づいて溶媒を選択することによって解決された。具体的には、希釈剤(溶媒)の適切な種類と量の選択は、a)ポリマー部分のヒルデブラント溶解度パラメータとb)プラスチゾルのすべての液体成分のヒルデブラント溶解度パラメータの重量平均との間の数学的関係を用いる。プラスチゾルの粘度を最小にするため及び/又はプラスチゾルにより形成された物品からの液体の滲出の可能性を防止するために、a)とb)の差は、特定の制限(±0.6〜約±1.0)内になければならない。
ポリマーと可塑剤との間の相溶性は、プラスチゾルの性能にとって重要である。可塑剤が機能するためには、可塑剤はポリマーと少なくとも部分的に相溶性でなければならない。一次可塑剤が溶媒と相溶性でない場合、粘度を最小にするための溶媒の使用は、同様に、非相溶性をもたらし得る。
各成分間の相溶性を維持しつつ、プラスチゾルの粘度を最小化するための新規な方法が開発され、これは、可塑剤を受け入れるためにプラスチゾルの成分、特に溶媒の溶解度パラメータを調節する必要がなく、溶解度パラメータだけに基づいて溶媒を選択することもないものである。より正確にいうと、この新規な方法は、プラスチゾルに用いられている伝統的な溶媒を受け入れるために可塑剤組成物を調節するが、分散したポリマーのヒルデブラント溶解度パラメータと液相成分のそれとの間の差異についての厳密な制限(±0.6〜±1)を維持することを必要としない。特に、可塑剤のジベンゾアートブレンドは、PGDB又はコハク酸ジオクチル(DOSx)のいずれかを用いて、それらの溶解度パラメータを、プラスチゾルに伝統的に使用されている炭化水素液体混合物(溶媒)との相溶性を達成するに十分に変更するように修飾できることが見いだされた。本発明の方法は、特にフローリング産業において有用であるが、本発明は、それに限定されるものではない。本方法は、種々の用途のためのプラスチゾルとともに利用することができる。
本方法は、選択した有機溶媒においてどのような変更をも必要としない新規可塑剤ブレンドを用いる。このブレンドは、一つの実施形態において、高溶媒和性可塑剤例えばベンゾアートエステルと完全に相溶性である相溶化性可塑剤成分コハク酸ジオクチルを含み、ベンゾアート可塑剤を有機溶媒と相溶性にさせる。他の実施形態において、本新規ブレンドは、それぞれまた高溶媒和性ベンゾアートエステル可塑剤と完全に相溶性である1,2−プロピレングリコールジベンゾアート(PGDB)、安息香酸3−フェニルプロピル(3−PPB)又は他の相溶化性可塑剤成分を、ベンゾアートエステル可塑剤を有機溶媒と相溶性にさせるに足る量で含む。
本新規な方法及びブレンドは、可塑剤システムの極性の変更に基づき、これは、成分が以前には非相溶性であるとみなされていたシステムにおいてさえ、予想外に減少したプラスチゾルの粘度をもたらす。本新規なブレンドは、可塑剤成分の添加により、より良好な粘度及び融点をもたらす。本新規な方法は、プラスチゾルに伝統的に用いられている有機溶媒を変更することを必要としない。
本発明の目的は、多種の有機溶媒と相溶性である、プラスチゾルに使用するための新規な可塑剤ブレンドを提供することである。
本発明のさらなる目的は、前記新規な可塑剤ブレンドを含むプラスチゾル組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、プラスチゾル組成物中の可塑剤と有機希釈剤との間の相溶性を維持する方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、可塑剤及び有機希釈剤を含み、前記可塑剤が有機希釈剤混合物と完全に相溶性である、ポリマーを分散させるための液相を提供することである。
発明の概略
1つの実施形態において、本発明は、一次可塑剤としてのベンゾアートエステル可塑剤又はそのブレンド、及び前記ベンゾアートエステル可塑剤を、プラスチゾルに伝統的に使用されている有機溶媒と相溶性にするために足る量の相溶化性可塑剤成分を含む新規可塑剤ブレンドに関する。
第2の実施形態において、本発明は、一次可塑剤としてベンゾアートエステル可塑剤又はそのブレンド、及び前記ベンゾアートエステル可塑剤を有機溶媒と相溶性にするに足る量のコハク酸ジオクチル(DOSx)を含む新規可塑剤ブレンドに関する。
第3の実施形態において、本発明は、一次可塑剤としてのベンゾアートエステル可塑剤又はそのブレンド、及び前記ベンゾアートエステル可塑剤を有機溶媒と相溶性にするに足る量の1,2−プロピレングリコールジベンゾアート(PGDB)を含む新規可塑剤ブレンドに関する。
第4の実施形態において、本発明は、一次可塑剤としてのベンゾアートエステル可塑剤又はそのブレンド、及び前記ベンゾアートエステル可塑剤を有機溶媒と相溶性にするに足る量の安息香酸3−フェニルプロピル(3−PPB)を含む新規可塑剤ブレンドに関する。
本発明の第5の実施形態は、前記新規可塑剤ブレンド及び有機希釈剤を含む、ポリマーを分散させるための液状ブレンドである。
第6の実施形態において、本発明は、有機ポリマーと、前記新規可塑剤ブレンド及び有機溶媒(希釈剤)を含む液相とを含むプラスチゾルである。
第7の実施形態において、本発明は、前記新規可塑剤ブレンドを有機液体に添加すること、及びポリマーをその中に分散させることを含む、低い粘度及び良好なレオロジー特性を有するプラスチゾルを調製するための方法である。
さらに他の実施形態において、本発明は、十分量のDOSx、PGDB又は3−PPB若しくは他の相溶化性可塑剤成分を添加することにより、良好な溶媒和特性及びレオロジー特性を維持しつつ、ベンゾアートエステル可塑剤又はそのブレンドを有機液体又は他の可塑剤と相溶性にするための方法に関する。
図1は、種々の摩耗層処方の低剪断粘度結果を示す。 図2は、種々の摩耗層処方についての初期剪断ランプ応答を示す。 図3は、種々の摩耗層処方についての1日剪断ランプ応答を示す。 図4は、種々の摩耗層処方についての7日剪断ランプ応答を示す。 図5は、種々の摩耗層処方についてのゲル/融合曲線を示す。 図6は、陽性対照と比較して、種々の比率のDOSx対ジベンゾアートジブレンド(diblend)についての低い剪断粘度を示す。 図7は、種々の比率のDOSx対ジベンゾアートジブレンドについての初期剪断ランプ応答を示す。 図8は、種々の比率のDOSx対ジベンゾアートジブレンドについての1日剪断ランプ応答を示す。 図9は、種々の比率のDOSx対ジベンゾアートジブレンドについての7日剪断ランプ応答を示す。 図10は、種々の比率のDOSx対ジベンゾアートジブレンドについてのゲル/融合曲線を示す。
発明の詳細な説明
本発明は、ベンゾアートエステル可塑剤と有機液体(溶媒)との既知の非相溶性混合物を、相溶化性可塑剤成分を当該一次可塑剤に添加することによって、良好な溶媒和特性及びレオロジー特性を維持しつつ、相溶性にすることができるという知見に基づいている。
本発明は、多種のポリマー、及びプラスチゾルの粘度を減少させるために伝統的に使用されている希釈剤と相溶性である新規な可塑剤ブレンドに関する。この新規な可塑剤ブレンドは、ベンゾアートエステル可塑剤を、高溶媒和性ベンゾアート可塑剤と相溶性であり、かつそれらをプラスチゾルに使用されている伝統的な溶媒と相溶性にすることができる相溶化性可塑剤成分と組合わせて含む。特に有用な相溶化性可塑剤成分は、コハク酸ジオクチル(DOSx)、1,2−プロピレングリコールジベンゾアート(PGDB)、安息香酸3−フェニルプロピル、又はそれらの混合物を含むが、本発明はそれに限定されるものではない。
また、本発明は、前記新規な可塑剤ブレンド及び有機希釈剤(溶媒)を含む、ポリマーのための液状分散剤に関する。また、本発明は、プラスチゾルの液相成分を互いに相溶性にする、すなわち粘度の上昇を防ぐために可塑剤/溶媒の組合せを相溶化する方法に関する。
本発明の新規な可塑剤ブレンドは、種々のプラスチゾル用途に有用である。本発明は、フローリング産業において特に有用であるが、本発明は、それに限定されるものではない。
過去において、ベンゾアートエステル可塑剤は、劣ったレオロジー特性を有する高溶媒和剤であることが知られていた。多くの用途にとって、有機希釈剤(溶媒)は、プラスチゾルを通常の装置を用いて加工できるように、得られるプラスチゾルの粘度を低下させるために必要とされている。ベンゾアートエステルは、粘度低下のために使用されるいくつかの伝統的な有機希釈剤と非相溶性であることが知られている。本発明の新規可塑剤ブレンドは、成分の溶解度又は溶解度パラメータに関する数学的関係に基づいて溶媒を変えたり、又は処方を変更したりする必要なしに、可塑剤と有機溶媒との間の良好な相溶性を提供する。
本発明の好ましい実施形態は、ベンゾアートエステル可塑剤の、相溶化性可塑剤としてのDOSx、PGDB又は3−PPBとのブレンドである。本発明は、いかなる特定のジベンゾアートエステル可塑剤若しくはそのブレンド、相溶化性可塑剤又はポリマーに制限されるものではないが、本発明は、例における特定の成分の観点で記述することができる。
本発明の可塑剤ブレンドは、一般的に、種々のポリマー分散体とともに使用することができる。非限定的な例として、本発明の可塑剤ブレンドは、本発明による減少した粘度のPVC、PVCコポリマー又はアクリルをベースとするプラスチゾルを調製するために使用することができる。
本発明に有用な好適なアクリル系ポリマー組成物は、種々のポリメタクリル酸アルキル、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、若しくはメタクリル酸アリル、又は種々の芳香族メタクリラート、例えばメタクリル酸ベンジル、又は種々のアクリル酸アルキル、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、若しくはアクリル酸2−エチルヘキシル、又は種々のアクリル系酸例えばメタクリル酸及びスチレン化アクリル(styrenated acrylics)を含む。
本発明の可塑剤ブレンドが有用であり得る他のポリマーは、当業者に明らかであろう。
本発明の目的のために、「プラスチゾル」は、粒子形態の少なくとも1種の非架橋有機ポリマーを、該ポリマーの可塑剤を含む液相中に分散した状態で含む液状ポリマー組成物を意味する。本発明で用いるとき、「プラスチゾル」は、また、溶媒、例えば液状炭化水素、ケトン又は他の有機液体が、プラスチゾルの粘度及び他の特性を制御するために、約5wt%を超える量で用いられるプラスチゾルである「有機ゾル」をも意味し、かつそれを含む。
本明細書で用いるとき、「高溶媒和剤」又は「高溶媒和性」は、全部の物性が展開される前にプラスチゾルを浸透し、増粘し、ゲル化する可塑剤の能力を記述する用語である。「高溶媒和性」は、汎用可塑剤についてよりも低い温度で可塑剤のすべてがプラスチゾルのPVC(又は他のポリマー)中に吸収されることを意味し、したがってより迅速な均質相の形成を促進する。
「有機希釈剤」、「有機溶媒」、「有機液体」、「溶媒」、及び「炭化水素液体」は、互換できるものである。
本明細書で用いるとき、「ベンゾアート可塑剤」及び「ベンゾアートエステル可塑剤」は、互換できるである。
本発明の新規可塑剤ブレンドに有用なジベンゾアート可塑剤は、DEGDB、DPGDB、TEGDB、PGDB及びそれらのブレンドを含むが、それらに限定されない。モノベンゾアート等の他のベンゾアートエステル可塑剤は、本特許請求された発明に有用であり得、安息香酸2−エチルヘキシル(EHB)、安息香酸イソノニル(INB)、安息香酸3−フェニルプロピル(3−PPB)及び安息香酸イソデシル(IDB)を含む。
本発明において有用な相溶化性可塑剤成分は、コハク酸ジオクチル(DOSx)、PGDB、3−PPB又はそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。高溶媒和性ベンゾアート可塑剤と相溶性である他の相溶化性可塑剤成分は、当業者に知られている。有用な相溶化性可塑剤成分の特性は、それが、高溶媒和性ジベンゾアート可塑剤システムを、本発明により企図されたように、プラスチゾルに使用されている伝統的な溶媒と相溶性にすることができるものでなければならないということである。
相溶化性可塑剤成分は、合計可塑剤含有率に基づいて約5wt%から約70wt%までにわたる量で可塑剤に添加される。ここで述べた範囲よりも少ないか、多い量も、本発明の範囲内にある。本発明に有用な相溶化性可塑剤の量は、使用する有機溶媒の量にも依存するからである。より多い溶媒量は、より少ない溶媒量よりもより多い相溶化性可塑剤を必要とする。
いずれもの個々のポリマー分散体に使用される可塑剤の総量は、個々のポリマー、ポリマー及び他の成分の特性、プロセス、用途又は使用及び所望の結果に依存して広範にわたる。一般に、可塑剤の総量は、上に示したものを含むがそれに限定されない1種以上の熱可塑性、熱硬化又はエラストマー性ポリマーに対し、約1phrから約300phrまで、望ましくは約10phrから約100phrまで、好ましくは約20phrから約80phrまでである。特に好ましい実施形態は、約30phrから約120phrの総可塑剤含有率を含むプラスチゾルである。
プラスチゾルに有用な有機希釈剤は、液状炭化水素混合物、ケトン及び他の有機液体を含む。伝統的な有機希釈剤は、とりわけ、サンチサイザー(登録商標)375(Ferro社)として市販されている、C10〜C16アルキルベンゼンと、約20%のノルマル低分子量パラフィンとの混合物を含む。プラスチゾルに有用な他の有機希釈剤は、溶媒例えばミネラルスピリット、シクロ脂肪族又は他の石油蒸留物、アルキラート洗剤、イソパラフィン等を含む。有機希釈剤は、広範な量でプラスチゾル中に用いられる。所要の可塑剤の量に加えて、合計で約5wt%を超える液状希釈剤を含有するプラスチゾルを「有機ゾル」という。
本新規な可塑剤ブレンドは、プラスチゾル又は有機希釈剤に添加する前に、予備混合することができ、あるいは相溶化性可塑剤成分を、ベンゾアートエステル可塑剤と有機液体とのブレンドに後添加することができる。相溶化性可塑剤成分をベンゾアート可塑剤と有機液体とのブレンドに添加することは、可塑剤ブレントを予備混合する場合よりも、より少ない相溶化成分を要し得る。
本新規な可塑剤ブレンドの成分についての有用な量は、例に含まれている。当業者は、個々のポリマー用途における意図する使用及び所望の性能に基づいて追加の許容できる量に到達することができるであろうことが予期される。
本発明のプラスチゾルは、可塑剤及び有機希釈剤に加えて、個々の用途又はポリマー分散体に依存して、通常の添加剤例えばオイル、抗酸化剤、界面活性剤、熱安定剤、難燃剤、界面活性剤、ブレンド用樹脂、フィラー、ワックス、他の溶媒等を含んでいてもよい。添加剤の量は、一般に、広範囲に変化し、しばしば、プラスチゾル組成物100重量部につき、約0.1重量部から約75重量部までにわたる。
本発明のプラスチゾルについては多種の用途があり、弾性床材、摩耗層、壁装材、玩具、手袋、及び皮革及び編織物用途を含むが、それらに限定されるものではない。他の用途は、本明細書における本発明の記述に基づいて、当業者に知られ、あるいは明らかであろう。
本発明を、本明細書に示した例によりさらに説明する。

ジベンゾアートは、C10〜C16アルキルベンゼンと約20%のノルマル低分子量パラフィンとの混合物を含む、粘度を低下するためにプラスチゾルに使用される伝統的な液状炭化水素希釈剤であるサンチサイザー(登録商標)375(S−375)とは相溶性でなく、混和性でもないことが見いだされた。予期せざることに、コハク酸ジオクチル(DOSx)の単なる添加が、ジベンゾアートをS−375と完全に相溶性にした。加えて、十分量の、ジベンゾアートすなわち1,2−プロピレングリコールジベンゾアート(PGDB)を、溶媒と非相溶性であることが以前知られていた他のジベンゾアートエステルとブレンドすることが、予期せざることに、その全体のジベンゾアートブレンドを溶媒と相溶性にした。
これらの例において、以下の可塑剤及び溶媒成分を用いた:
K−フレックス(K-Flex)(登録商標)975P(975P) − ジベンゾアートトライブレンド(triblend)(20wt%の1,2−プロピレングリコールジベンゾアート(PGDB)と80wt%の4:1のDEGDB/DPGDBジブレンド)
K−フレックス(登録商標)850P(850P) − ジベンゾアートジブレンド(4:1のDEGDB:DPGDB)
K−フレックス(登録商標)PG − 1,2−プロピレングリコールジベンゾアート(PGDB)
X−613 − 安息香酸3−フェニルプロピル(3−PPB)
サンチサイザー(登録商標)375(S−375) − C10〜C16アルキルベンゼンと、〜20%のノルマル低分子量パラフィンとの混合物を含む液状有機希釈剤。
例1
DOSx液状成分の実験。最初の例は、異なる比率のK−フレックス(登録商標)975P(ジベンゾアートトライブレンド)及びDOSxを有機希釈剤とともに評価した。最初に可塑剤成分を混合し、次いでS−375を加えた。混合物を再び振盪し、透明性及び相分離又は均質さに基づいて相溶性を、0〜10のスケールで記録したが、0は完全に非相溶性であり(分離相)、10は完全に相溶性である(透明で均質な液体)。結果を以下、表1に示す。
Figure 2016512284
次に、K−フレックス(登録商標)975PをK−フレックス(登録商標)850P(ジベンゾアートジブレンド)で置き換え、再び実験を行った。結果を表2に示す。
Figure 2016512284
これら2つの実験に基づいて、可塑剤成分の合計重量に基づいて約8.7%のDOSxが、K−フレックス(登録商標)975P(ジベンゾアートトライブレンド)又はK−フレックス(登録商標)850P(ジベンゾアートジブレンド)のS−375との完全相溶性を達成するために必要であったと結論付けた。
例2
PGDB及びDOSx液体成分の実験。異なる比のK−フレックス(登録商標)PG(PGDB)を可塑剤系に含めるように実験を変更した。この評価は、DOSxが前記混合物から完全に除去された場合の処方を許容し、K−フレックス(登録商標)PGとK−フレックス(登録商標)850Pとの混合物のS−375との相溶性を測定した。結果を、以下、表3に示す。
Figure 2016512284
この実験は、PG及びDOSxが、単独で、S−375と相溶性であることを示した。これらの結果は、プラスチゾルにおける溶解性及び相溶性を促進するためにジベンゾアート可塑剤混合物に使用したPGの量を変更するより多くの機会があることを示しており、その機会はさもないとジベンゾアート可塑剤には閉ざされていた。
例3
PGDB液体成分の実験。K−フレックス(登録商標)850P(ジベンゾアートジブレンド)とS−375との間の完全な相溶性を達成するためにどれくらいのK−フレックス(登録商標)PGが必要かを測定するために、別の実験を行った。結果を、以下、表4に示す。
Figure 2016512284
結果は、完全な相溶性を達成するために、本発明の可塑剤ブレンドには、DOSxについて必要であるよりも高いパーセンテージの相溶化性可塑剤PGDBが必要であることを示唆した。しかしながら、必ずしもそうではない。なぜなら、試験したブレンドのそれぞれにおいてS−375のパーセンテージ(%)が変わった(元のDOSx試験における12%(例1)から上の表4におけるPGDB試験での30%まで)からである。PGDB試験におけるより少ない溶媒(S−375)をもってすると、当該系を相溶化するために、より少ないPGDBが必要とされる。それとは関係なく、結果は、ジベンゾアート可塑剤の比率を変えることにより、溶媒を変更することなく、有機希釈剤との完全な相溶性を達成することができることを示した。
例4
3−PPB液体成分の実験。この実験は、X−613(3−PPB、モノベンゾアート)の、典型的にほとんどのジベンゾアートと相溶性ではないところの、フローリング産業において用いられる有機希釈剤であるS−375との相溶性を評価した。X−613モノベンゾアートは粘度低下剤としてプラスチゾルに有用であるので、プラスチゾルS−375との相溶性は重要であると考えられた。
X−613とS−375との単純な1対1の混合物をバイアル中で組合わせ、手で振盪した。この混合物はすぐに透明になり、2つの成分の完全な相溶性を示した。この発見に続いて、K−フレックス(登録商標)850PをS−375と相溶化させるために必要なX−613の最少量を測定するために、X−613のK−フレックス(登録商標)850P(ジベンゾアートジブレンド)とのブレンドを調製した。K−フレックス(登録商標)850PとのブレンドにおけるX−613の使用は、X−613がプラスチゾルにおける粘度を低下させるのに役立つので、有用である。表5は、予備混合したベンゾアートブレンドの試験結果を示す。0は、曇った/乳化した混合物を示し、10は、透明な混合物(相溶性)を示す。
Figure 2016512284
表5に示すとおり、K−フレックス(登録商標)850PのブレンドにおいてS−375との完全な相溶性を可能とするX−613の最少量は、約23%であった。
K−フレックス(登録商標)975P(ジベンゾアートトライブレンド)をS−375と相溶化させるためにいかなる量のX−613が必要であろうかを測定するために追加の試験を行った。K−フレックス(登録商標)PGはS−375と完全に相溶性であり、そしてK−フレックス(登録商標)975P中に20wt%で存在しているので、より少ないX−613を要することが予期された。表6は、S−375との相溶性を達成するために予備混合されたベンゾアートブレンド中に必要であると測定されたX−613の量を示す。
Figure 2016512284
表6に示すように、S−375との完全な相溶性のためには、K−フレックス(登録商標)975PとのブレンドにおけるX−613の最少量は、ほぼ17%である。
試験中、一次ジベンゾアート可塑剤を相溶化性可塑剤成分と予備混合すること、対、相溶化性可塑剤成分を溶媒と一次可塑剤とのブレンドに後添加することが、相溶性を達成するために必要な量を異ならせることが見いだされた。典型的に、相溶化性成分をS−375と非相溶性ジベンゾアートとのブレンドに後添加すると、より少ない相溶化性可塑剤成分が必要であった。したがって、より厳しく、関連性のある試験は、S−375を添加する前にベンゾアートを予備混合することを含む。
例5
液体成分の相溶性試験。典型的なS−375摩耗層処方に使用される液体原料の適切な比率を決定するために、いくつかの生の(neat)液体相溶性試験を行った。各成分をバイアル中に量り入れた。バイアルを振盪し、透明性について観察した。所定の処方のために一緒に振盪したとき液体成分が透明か又は幾分曇って現れたとき、その処方の粘度は、その処方を調製しさえすれば、低いことがわかった。液体成分が非常に曇っており、静置後分離したとき、その調製した処方は、当該系における液体の非相溶性故に高い粘度を持っていた。
次の成分を評価した:BBP、K−フレックス(登録商標)850P(ジベンゾアートジブレンド)、DOSx、S−375、TXIB(ジイソ酪酸トリメチルペンタニル)、ビスコビック(Viscobyk)(登録商標)4040(プラスチゾル用の低揮発性粘度降下剤、及びマーク(Mark)(登録商標)1221(プラスチゾル用Ca/Zn有機安定剤)。
以下の表7は、摩耗層処方のいくつかの繰り返しについて測定した生の液体相溶性観察をまとめている。最終結果は、TXIBを、それがPGDB又はDOSxが系中の液体を相溶性にする上で果たす役割と同じ役割を果たすことが見いだされたので、処方から除去したということであった。
Figure 2016512284
例6
試験方法。プラスチゾル中で例6及び例7の処方を評価するために用いた種々の方法を以下に説明する。
AR2000ゲル/融合方法:25mmETCスチールプレート幾何学形状をETCと組み合わせて使用した。ギャップを800μmに設定した。制御された歪2%及び角周波数1rad/秒を用いて、温度を5℃/分の速度で40℃から200℃まで立ち上げた。
AR2000剪断方法、スチールプレート:ペルチェプレート及び200μmに設定されたギャップを有する20mmスチールプレート幾何学形状を使用した。ダイムサイズ量のプラスチゾルを、ペルチェプレート上に置いた。剪断立ち上げを、25℃で、0から1000s-1まで5分間かけて行った。
ブルックフィールド粘度方法:RVDVII+ Pro粘度計を用いてブルックフィールド粘度を試験した。20RPMで30秒の読みをとった。温度は23±1℃であった。
処方:500RPMで乾燥成分を液体成分中に混ぜ入れた。速度を750RPMまで上昇させ10分間混合した。混合中、プラスチゾルが過熱することを防止するために必要なときに水浴を使用した(温度を30℃未満に保った)。試験前に、プラスチゾルを十分に脱気した。
摩耗層処方。評価した4種の摩耗層処方を以下の表8に示す。対照は、典型的な予期した性能を立証したBBPを含む陽性対照(PC)、及びBBPを、前記処方の原料間の非相溶性と一致するより高い粘度を立証したジベンゾアートブレンドK−フレックス(登録商標)850Pで置き換えた陰性対照(NC)を含むものであった。本発明の例は、「IE」と表示されている。
Figure 2016512284
これらの試料の粘度の結果を図1及び表9に示す。興味深いことに、陰性対照は陽性対照よりもはるかに高い粘度をもって出発したものの、その粘度は、1週間の評価期間にわたって安定なままであったが、他方陽性対照の粘度は劇的に増加した。本発明の両方の例は、7日間をとおして優れた粘度安定性を立証したが、これはBBP対照に対する更なる改善である。
初期乃至7日の剪断の結果を上記本発明の例について図2〜図4に示す。陰性対照は、陽性対照及び他の本発明の例ではよく機能した同じ幾何学形状及びギャップを用いて、劣ったレオロジーを示した。
本発明のブレントについて測定したゲル/融合の結果を図5に示す。PGDBを用いた本発明の例は、より早いゲル開始を有し、陽性対照又はDOSx本発明例よりも高いゲル強度をもってピークに達した。これは、PGDBの非常に高い溶媒和性質故に、驚くべきことではない。
例7
ブレンド比の実験。磨耗層処方におけるK−フレックス(登録商標)850P(X−250)対DOSxの適切な比率をさらに評価するために、本発明例の数種のブレンドを調製し、試験した。得られた粘度データを以下の表9に示す。初期、1日、及び7日のランプ応答の結果を、図6〜図9にも示すが、DOSx対850Pの比がDOSxのより多い量の方に押し上げられるにつれ、レオロジー/粘度特性の改善を示した。予期されたように、DOSx対850Pのより高い比は、やや劣ったゲル/融合特性をもたらした(図10に示す)。
Figure 2016512284
上記実験で試験した摩耗層処方について、4:1の比率のK−フレックス(登録商標)850P:DOSx又は3:7のK−フレックス(登録商標)850P:PGDBが、BBP対照に匹敵する低粘度を有する相溶性の系を得るために必要であることが測定された。本発明の例は、7日間の試験にわたってのBBP対照についての劇的な粘度増加により反映されるとおり、BBP対照に対して改善された粘度安定性を示した。
特許法に従い、最良の形態及び好ましい態様を説明したが、本発明の範囲はそれらに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によるのである。
本発明のプラスチゾルは、可塑剤及び有機希釈剤に加えて、個々の用途又はポリマー分散体に依存して、通常の添加剤例えばオイル、抗酸化剤、界面活性剤、熱安定剤、難燃剤、ブレンド用樹脂、フィラー、ワックス、他の溶媒等を含んでいてもよい。添加剤の量は、一般に、広範囲に変化し、しばしば、プラスチゾル組成物100重量部につき、約0.1重量部から約75重量部までにわたる。
例2
PGDB及びDOSx液体成分の実験。異なる比のK−フレックス(登録商標)PG(PGDB)を可塑剤系に含めるように実験を変更した。この評価は、DOSxが前記混合物から完全に除去された場合の処方を許容し、K−フレックス(登録商標)PGとK−フレックス(登録商標)850Pとの混合物のS−375との相溶性を測定した。結果を、以下、表3に示す。
Figure 2016512284

Claims (14)

  1. a.一次可塑剤としてのベンゾアートエステル可塑剤、及び
    b.相溶化性可塑剤成分
    を含み、
    前記相溶化性可塑剤成分は、前記ベンゾアートエステル可塑剤を、プラスチゾル組成物において伝統的に使用されている有機溶媒と相溶性にする
    可塑剤ブレンド。
  2. 前記ベンゾアートエステル可塑剤が、ジエチレングリコールジベンゾアート、ジプロピレングリコールジベンゾアート若しくは1,2−プロピレングリコールジベンゾアート又はそれらの混合物を含み、
    前記相溶化性可塑剤成分が、コハク酸ジオクチル、1,2−プロピレングリコールジベンゾアート、安息香酸3−フェニルプロピル又はそれらの混合物を含む
    請求項1に記載の可塑剤ブレンド。
  3. a.ポリマー
    b.コハク酸ジオクチル、1,2−プロピレングリコールジベンゾアート若しくは安息香酸3−フェニルプロピル又はそれらの混合物との組み合わせで混合された一次可塑剤としてのジベンゾアート可塑剤を含む可塑剤ブレンド、及び
    c.有機希釈剤
    を含むプラスチゾル組成物。
  4. 前記ジベンゾアート一次可塑剤が、ジエチレングリコールジベンゾアート、ジプロピレングリコールジベンゾアート、1,2−プロピレングリコールジベンゾアート及びそれらの混合物からなる群の中から選択されたものである請求項3に記載のプラスチゾル組成物。
  5. 請求項1に記載の可塑剤ブレンド、及び有機希釈剤を含む、ポリマーのための液状分散剤相。
  6. プラスチゾル中のジベンゾアート可塑剤と有機希釈剤との混合物間に相溶性を達成する方法であって、前記ジベンゾアート可塑剤に、前記有機希釈剤との混合前に、相溶化性可塑剤成分を添加することを含む、前記方法。
  7. 前記ジベンゾアート可塑剤が、ジエチレングリコールジベンゾアート、ジプロピレングリコールジベンゾアート、1,2−プロピレングリコールジベンゾアート及びそれらの混合物からなる群の中から選択されたものである請求項6に記載の方法。
  8. 前記相溶化性可塑剤成分が、コハク酸ジオクチル、1,2−プロピレングリコールジベンゾアート若しくは安息香酸3−フェニルプロピル又はそれらの混合物である請求項6に記載の方法。
  9. プラスチゾルにおけるジベンゾアート可塑剤と有機希釈剤との混合物間の相溶性を達成する方法であって、前記ジベンゾアート可塑剤/有機希釈剤混合物に相溶化性可塑剤成分を添加することを含む前記方法。
  10. 前記ジベンゾアート可塑剤が、ジエチレングリコールジベンゾアート、ジプロピレングリコールジベンゾアート、1,2−プロピレングリコールジベンゾアート及びそれらの混合物からなる群の中から選択されたものである請求項9に記載の方法。
  11. 前記相溶化性可塑剤成分が、コハク酸ジオクチル、1,2−プロピレングリコールジベンゾアート若しくは安息香酸3−フェニルプロピル又はそれらの混合物である請求項9に記載の方法。
  12. 請求項1に記載の可塑剤ブレンドを有機希釈剤に添加すること、及びその中にポリマーを分散させることを含む、低い粘度を有するプラスチゾルを調製するための方法。
  13. a.一次可塑剤としての、4:1に比率のジエチレングリコールジベンゾアート対ジプロピレングリコールジベンゾアートを含むジベンゾアート可塑剤ジブレンド、及び
    b.コハク酸ジオクチルである相溶化性可塑剤成分
    を含み、前記ジブレンド対前記コハク酸ジオクチルの比率が4:1である可塑剤ブレンド。
  14. a.一次可塑剤としての、4:1の比率のジエチレングリコールジベンゾアート対ジプロピレングリコールジベンゾアートを含むジベンゾアート可塑剤ジブレンド、及び
    b.1,2−プロピレングリコールジベンゾアートである相溶化性可塑剤成分
    を含み、前記ジブレンド対前記1,2−プロピレングリコールジベンゾアートの比率が3:7である可塑剤ブレンド。
JP2016502698A 2013-03-15 2014-03-14 新規可塑剤ブレンド及びそれを含むプラスチゾル組成物 Expired - Fee Related JP6254249B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361788555P 2013-03-15 2013-03-15
US61/788,555 2013-03-15
PCT/US2014/028071 WO2014143902A1 (en) 2013-03-15 2014-03-14 Novel plasticizer blends and plastisol compositions comprised thereof

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016512284A true JP2016512284A (ja) 2016-04-25
JP6254249B2 JP6254249B2 (ja) 2017-12-27

Family

ID=51537557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016502698A Expired - Fee Related JP6254249B2 (ja) 2013-03-15 2014-03-14 新規可塑剤ブレンド及びそれを含むプラスチゾル組成物

Country Status (12)

Country Link
US (1) US10214628B2 (ja)
EP (1) EP2970600A4 (ja)
JP (1) JP6254249B2 (ja)
KR (1) KR101885765B1 (ja)
CN (1) CN105102510B (ja)
AU (1) AU2014228030B2 (ja)
BR (1) BR112015021344A2 (ja)
CA (1) CA2902203C (ja)
MX (1) MX2015013094A (ja)
RU (1) RU2628395C2 (ja)
SG (1) SG11201507567YA (ja)
WO (1) WO2014143902A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022130761A1 (ja) * 2020-12-15 2022-06-23 Dic株式会社 可塑剤組成物、当該可塑剤組成物を含む熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物及び当該熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の成形体
WO2023281945A1 (ja) * 2021-07-06 2023-01-12 Dic株式会社 塩化ビニル樹脂用可塑剤組成物、プラスチゾル及びその塗膜

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10995198B2 (en) * 2014-09-26 2021-05-04 Emerald Kalama Chemical, Llc Monobenzoate analogs useful as plasticizers in plastisol compositions
WO2016049479A1 (en) * 2014-09-26 2016-03-31 Emerald Kalama Chemical, Llc Monobenzoate analogs useful as plasticizers in plastisol compositions
EP3814406A4 (en) * 2018-06-28 2022-03-16 Emerald Kalama Chemical, LLC LUXURY VINYL TILE MODIFIERS TO INCREASE HARDNESS AND STIFFNESS

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04216850A (ja) * 1990-12-17 1992-08-06 Nippon Zeon Co Ltd 塩化ビニル系プラスチゾル組成物
JP2003192866A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Nippon Zeon Co Ltd アクリル樹脂オルガノゾル
JP2009544817A (ja) * 2006-07-21 2009-12-17 ヴェルシコル・ケミカル・コーポレイショーン プラスチゾル組成物
WO2012092370A1 (en) * 2010-12-30 2012-07-05 Emerald Kalama Chemical, Llc New dibenzoate plasticizer/coalescent blends for low voc coatings
JP2013500381A (ja) * 2009-07-30 2013-01-07 イーストマン スペシャルティーズ ホールディングス コーポレイション 高溶媒和可塑剤及び界面活性剤を含むポリマー組成物

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH516608A (de) * 1968-12-14 1971-12-15 Ciba Geigy Ag Verformbare Mischungen und deren Verwendung zur Herstellung von Folien und Überzügen
JP2581322B2 (ja) * 1992-03-31 1997-02-12 日本ゼオン株式会社 ペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法
US7053142B2 (en) 2003-12-19 2006-05-30 Acushnet Company Plasticized polyurethanes for use in golf balls
RU2401847C2 (ru) * 2005-01-18 2010-10-20 Эксонмобил Кемикэл Пейтентс Инк. Усовершенствования, касающиеся пластификаторных композиций

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04216850A (ja) * 1990-12-17 1992-08-06 Nippon Zeon Co Ltd 塩化ビニル系プラスチゾル組成物
JP2003192866A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Nippon Zeon Co Ltd アクリル樹脂オルガノゾル
JP2009544817A (ja) * 2006-07-21 2009-12-17 ヴェルシコル・ケミカル・コーポレイショーン プラスチゾル組成物
JP2013500381A (ja) * 2009-07-30 2013-01-07 イーストマン スペシャルティーズ ホールディングス コーポレイション 高溶媒和可塑剤及び界面活性剤を含むポリマー組成物
WO2012092370A1 (en) * 2010-12-30 2012-07-05 Emerald Kalama Chemical, Llc New dibenzoate plasticizer/coalescent blends for low voc coatings
WO2012092366A1 (en) * 2010-12-30 2012-07-05 Emerald Kalama Chemical, Llc Blends of dibenzoate plasticizers

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022130761A1 (ja) * 2020-12-15 2022-06-23 Dic株式会社 可塑剤組成物、当該可塑剤組成物を含む熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物及び当該熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の成形体
JPWO2022130761A1 (ja) * 2020-12-15 2022-06-23
JP7279867B2 (ja) 2020-12-15 2023-05-23 Dic株式会社 可塑剤組成物、当該可塑剤組成物を含む熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物及び当該熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の成形体
WO2023281945A1 (ja) * 2021-07-06 2023-01-12 Dic株式会社 塩化ビニル樹脂用可塑剤組成物、プラスチゾル及びその塗膜
JPWO2023281945A1 (ja) * 2021-07-06 2023-01-12
JP7384324B2 (ja) 2021-07-06 2023-11-21 Dic株式会社 塩化ビニル樹脂用可塑剤組成物、プラスチゾル及びその塗膜

Also Published As

Publication number Publication date
US20160017119A1 (en) 2016-01-21
JP6254249B2 (ja) 2017-12-27
EP2970600A4 (en) 2016-10-19
MX2015013094A (es) 2016-01-22
SG11201507567YA (en) 2015-10-29
AU2014228030B2 (en) 2016-12-15
CA2902203C (en) 2019-02-19
AU2014228030A1 (en) 2015-09-03
US10214628B2 (en) 2019-02-26
CN105102510B (zh) 2018-08-03
CN105102510A (zh) 2015-11-25
CA2902203A1 (en) 2014-09-18
KR20150127644A (ko) 2015-11-17
WO2014143902A1 (en) 2014-09-18
EP2970600A1 (en) 2016-01-20
BR112015021344A2 (pt) 2017-07-18
RU2628395C2 (ru) 2017-08-16
KR101885765B1 (ko) 2018-09-11
RU2015143425A (ru) 2017-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5985660B2 (ja) プラスチゾル組成物における可塑剤として有用なモノベンゾアート
US9758637B2 (en) Blends of dibenzoate plasticizers
JP6254249B2 (ja) 新規可塑剤ブレンド及びそれを含むプラスチゾル組成物
CN106715557B (zh) 在塑溶胶组合物中可用作塑化剂的单苯甲酸酯类似物
CN102558577A (zh) 一种制备包含有丁腈胶的pvc塑溶胶的方法
MC MK et al. ALS WEICHMACHER IN PLASTISOLZUSAMMENSETZUNGEN VERWENDBARES MONOBENZOAT MONOBENZOATE UTILE EN TANT QUE PLASTIFIANT DANS DES COMPOSITIONS DE PLASTISOL

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151029

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151029

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161004

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20161226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170509

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170803

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20171006

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171017

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171031

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6254249

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees