JP2016512184A - 脱線検出器 - Google Patents

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Abstract

鉄道車両用の脱線検出器は、空気圧ブレーキシステムから圧縮空気を受け取るように鉄道車両のブレーキ管と選択的に流体連通するハウジングを備える。主室は、ハウジング内に配置され、圧縮空気によって加圧される。衝撃検出組立体は、脱線状態を示す加速度を検出するように、かつ、脱線状態を示す加速度の検出時に主室内に配置された主弁を作動させるように構成されている。排出弁は、主室と選択的に流体連通されている。脱線状態を示す加速度の検出時に、排出弁は、脱線状態が発生したことを示すために、主室からの圧縮空気の所定量を排出するように作動される。【選択図】図1

Description

本開示は、概して、脱線検出器および方法に関し、特に、鉄道車両における脱線状態を検出しかつ知らせる脱線検出器および方法に関する。
鉄道業界における脱線は、しばしば、鉄道車両および線路に対する実質的な損害だけでなく、運用から外れた、脱線した鉄道車両および/または線路により、運用者への収益における大幅な損失をもたらす。鉄道車両の脱線から生じる深刻な結果は、鉄道車両の脱線を検出して、直ちに適切な是正措置を適用するように構成された脱線検出器の開発につながってきた。従来の脱線検出器は、典型的には、脱線検出時に全非常ブレーキ機能を作動させる。脱線状況での最終的な目標は、できるだけ早く鉄道車両を停止することであるが、トンネル内、橋の上、または誤った作動中のような特定の状況は、停止手順を開始させる代替手段を求めている。
特に、慣性センサに基づいたシステムが知られている。このシステムでは、慣性センサの作動時に、ブレーキ管内の圧力が、構成中のすべての車に作用する鉄道車両の非常ブレーキの適用を引き起こすように、急速に解放される。従来技術の中で、Shanleyへの米国特許第5,188,038号は、脱線状態の検出時にすぐに空気式ブレーキシステムを作動させる鉄道車両の脱線安全装置に向けられている。この装置は、各車の底部からレールのわずかな上方へと突出する棒拡張部を備える。鉄道車両の脱線時に、棒はレールに接触し、空気式ブレーキライン内の遮断弁を開かせかつブレーキライン内の圧力を解放させ、それにより、ブレーキを加える。この種の機能の脱線検出器は、緊急ブレーキ弁として機能する。
しかし、従来の脱線検出器は、完全な制動力が、できるだけ迅速に可能な最短距離で鉄道車両を停止させるように適用されるという主な欠点を有する。究極の目標は、鉄道車両に完全な停止を安全にもたらすことであるが、脱線検出時の非常ブレーキの適用は、トンネル内や橋の上のような望ましくない場所に鉄道車両の停止をもたらす可能性がある。これは、脱線車両および/または線路を修復するための、かつ、正常な鉄道の交通を再開するための努力を複雑にする。
特定の努力が、脱線状態が発生した鉄道車両の運転者に警報する脱線検出器を開発するために行われている。例えば、Millerらへの米国特許第3,994,459号は、脱線の結果としての車両の鉛直加速度の変化に応じて、運転者に視覚または音声の警報を提供するように、エンジンに搭載された無線信号を送信する加速度応答装置を有する鉄道車両の脱線検出システムに向けられている。加速度応答装置は、センサ素子が車両脱線の結果として作動されたときに電気信号を伝達するように作動する圧電素子として具体化されている。この特許に記載されているシステムは、脱線の状況が発生したことを示す表示を運転者に提供するための空気圧手段を備えていない。
様々な脱線検出器が鉄道業界で知られているが、緊急ブレーキの適用を引き起こさない改良された脱線検出器が望まれている。その上、鉄道車両の空気圧システムを利用する改善された脱線検出器も、鉄道分野で求められている。その上、鉄道業界は、改善された構造および製造の経済性を有する改良された脱線検出器を要求し続けている。
従来技術の脱線検出器に関連する欠点を考慮すると、脱線状態の検出時に、異常な作動状態が発生していることと、鉄道車両を安全な場所に完全に停止させる必要があることとを運転者に警告するために、ブレーキ管圧力における所定の減少を引き起こす改善脱線検出器を提供することが望ましい。脱線検出器と、鉄道車両における脱線状態を検出しかつ知らせるための方法との様々な実施形態が、本明細書に詳細に記載されているが、鉄道車両用の脱線検出器の一実施形態は、空気圧ブレーキシステムから圧縮空気を受け取るように、鉄道車両のブレーキ管と流体連通するハウジングを備えることができる。脱線検出器は、ハウジング内に配置され、圧縮空気によって加圧される主室を、さらに備えることができる。主室は、主弁を有することができる。衝撃検出組立体は、脱線状態を示す加速度の検出時に主弁を作動させるように脱線状態を示す加速度を検出するように構成されることができる。脱線検出器は、主室と選択的に流体連通する排出弁を、さらに備えることができる。脱線状態を示す加速度の検出時に、排出弁は、脱線状態が発生したことを示すように、主室からの圧縮空気の所定量を排出するために作動することができる。
別の実施形態によれば、排出弁は、脱線状態の発生を示すために、圧力の所定量の排出によって排出弁に対して移動可能な信号インジケータを備えることができる。所定の圧力は、空気式ブレーキシステムにおける全圧力の3−8%とすることができる。別の実施形態では、所定の圧力は、空気圧ブレーキシステムにおける全圧力の5%とすることができる。排出弁は、空気圧ブレーキシステムから排出される圧力の量を選択するように調整されることができる。脱線検出器は、ブレーキ管からハウジングへの圧縮空気の流れを選択的に制御する遮断弁を、さらに備えることができる。
さらに別の実施形態によれば、ハウジングは、主室を有する上組立体と、衝撃検出組立体を有する下組立体とを備えることができる。上組立体は、下組立体と流体連通することができる。衝撃検出組立体は、ばねに懸架された振動質量体を備えることができる。振動質量体は、実質的に鉛直な方向の加速度を検出するように構成されている。振動質量体は、排出弁が作動された鉛直加速度を選択するように調整可能とすることができる。
別の実施形態では、脱線検出器は、脱線状態を示す加速度の検出に応じて鉄道車両の空気圧ブレーキシステムから圧力の所定量を排出するように構成された排出弁を備えることができる。排出弁は、脱線状態の発生を示すために圧力の所定量の排出によって排出弁に対して移動可能な信号インジケータを、さらに備えることができる。圧力の所定量は、空気式ブレーキシステムにおける全圧力の3−8%とすることができる。一実施形態では、圧力の所定量は、空気圧ブレーキシステムにおける全圧力の5%とすることができる。排出弁は、空気圧ブレーキシステムから排出される圧力の量を選択するように調整可能とすることができる。排出弁は、脱線状態を示す加速度を検出するように構成された衝撃検出組立体によって作動されることができる。
別の実施形態では、鉄道車両における脱線状態を検出して脱線状態の発生を示す方法は、圧縮空気で脱線検出器を加圧する工程(a)と、脱線状態を示す加速度を検出する工程(b)と、脱線状態の発生を示すために脱線検出器からの圧縮空気の所定量を排出する工程(c)とを、備えることができる。脱線検出器は、鉄道車両の空気圧ブレーキシステムから受け取った圧縮空気で加圧されることができる。脱線状態を示す加速度は、衝撃検出組立体によって検出されることができる。圧縮空気の所定量は、排出弁を介して排出されることができる。
これらおよび他の脱線検出器の特徴および特性、並びに、製造方法および構造の関連要素の機能および部品の組み合わせおよび製造の経済性は、添付図面を参照して以下の説明および添付の特許請求の範囲を考慮すると、より明らかになるであろう。これらの全ては、本明細書の一部を形成し、同様の参照番号は、様々な図において対応する部分を指す。しかしながら、図面は、例示および説明のみを目的とし、本発明を限定する定義としては意図されないことが、理解されるべきである。明細書および特許請求の範囲において使用されるように、単数形の「1つの」、および「前記」は、文脈がそうでないことを明確に指示しない限り、複数の対象を含む。
図1は、一実施形態に係る脱線検出器の正面図である。 図2は、待機モードにおける図1の脱線検出器の概略断面図である。 図3は、作動モードにおける図1の脱線検出器の概略断面図である。
以下の詳細な説明のために、空間の向きの用語は、用いられているように、添付図面において向けられ、そうでなければ以下の詳細な説明に記載されるように、参照の実施形態に関連すべきである。しかしながら、以下に説明する実施形態は、多くの代替の変形および構成をとることができることを理解されたい。また、添付図面に示され、かつ本明細書に記載された、特定の構成要素、装置、および特性は、単に例示であり、限定するものとみなされるべきではないことも、理解されたい。
図1は、一実施形態に係る脱線検出器100の正面図である。脱線検出器100は、鉄道車両の脱線状態を検出し、脱線状態が発生したという指示を提供するための従来の鉄道車両(図示せず)上に設置して作動可能である。脱線検出器100は、脱線状態の検出時に、鉄道車両の空気圧ブレーキシステムの全ブレーキ管圧力の所定割合を排出するように構成されている。望ましくは、脱線検出器100は、1つの値にブレーキ管圧力を低下させる。この値に、運転者は、実際に制動を開始することなく、ブレーキ管圧力における減少の明確な指示を得るであろう。後述するように、ブレーキ管圧力の所定割合の排出は、鉄道車両のブレーキを作動させることなく、脱線状態を空気圧的に示すように、脱線検出器100の作動によって開始される。
続けて図1を参照すると、脱線検出器100は、ブレーキ管106に脱線検出器100を接続するための隔離弁104を有する上組立体102を備える。隔離弁104は、脱線検出器100が、ブレーキ管106からの圧縮空気を受け取るようにブレーキ管106と流体連通している第1位置を有する。隔離弁104は、脱線検出器100が、ブレーキ管106からの圧縮空気を受け取ることから隔離された第2位置をさらに有する。隔離弁104は、手動で第1位置から第2位置に操作されてもよい。あるいは、または加えて、隔離弁104は、第1位置と第2位置との間で隔離弁104を切り替えるための電気の、油圧の、または空気圧の部材(図示せず)のような動力手段を有することができる。上組立体102は、以下で「排出弁108」と呼ばれるブレーキ管排出弁108を、さらに備える。排出弁108は、大気中へ上組立体102内の圧縮空気を放出するように構成されている。上組立体102は、ブレーキ管106から圧縮空気を受け取り、脱線検出器100の作動時に大気中へ圧縮されたブレーキ管空気の所定割合を放出する。
続けて図1を参照すると、脱線検出器100は、脱線検出器100の本体を画定するように上組立体102に接続された下組立体110を、さらに備える。下組立体110は、脱線検出器100が取り付けられている鉄道車両に与えられる鉛直および/または水平の衝撃振動に起因する加速度を検出すると作動する(図2−3を参照して説明した)衝撃検出組立体を画定する。下組立体110は、以下に説明するように、予め選択された値または予め選択された範囲の値に等しいまたはそれらより大きな鉛直および/または水平の加速度を検出した後に、脱線検出器100の作動を引き起こすように構成されている。衝撃検出組立体は、鉄道車両に与えられる鉛直および/または水平の加速度が所定の値または予め選択された範囲の値よりも小さい場合に、脱線検出器100を作動させないように構成されている。
上組立体102および下組立体110は、一体構造を形成するように接続されていることが望ましい。後述するように、1つ以上の流体通路は、上組立体102および下組立体110を流体的に接続するために、上組立体102と下組立体110との間に設けられることができる。したがって、これらの間のしっかりとした流体連通を維持し、かつ、上組立体102と下組立体110との間の界面でのなんらかの流体の漏出を防止するような方法で、上組立体102は、下組立体110に接続されていることが望ましい。上組立体102および下組立体110は、脱線検出器100の本体を形成するように、ボルト止め、溶接、接着、または機械的に固定されることができる。別の実施形態において、上組立体102および下組立体110は、単一の一体構造として形成される。
図2を参照すると、待機モードにおける脱線検出器100の概略断面図が、示されている。待機モードにおいて、脱線検出器100は、鉄道車両に与えられる鉛直および/または水平の加速度を検出する準備ができている。脱線検出器100の上組立体102は、(図1に示される)隔離弁104を介してブレーキ管106と選択的に流体連通する主室112を備える。主室112は、ブレーキ管106から圧縮空気を受け取り、かつ、主室112の内部に摺動可能に配置された主弁114を備える。主弁114は、主弁114の上部で、上弁面118に接続された弁棒116を備える。上弁面118は、下面とは反対側の上面を画定する。上弁面118の下面は、ゴムシールのような第1シーリング要素120を備える。第1シーリング要素120は、主弁114が主室112内の圧縮空気の電荷を維持するために閉じられたときに、弁座122に押し付けられる。上弁面118の上面は、螺旋状コイルばねのような第1弾性部材124と係合するための表面を画定する。第1弾性部材124は、主弁114の移動に伴って圧縮するように構成され、主弁114において上弁面118の下面が弁座122から離れるように延びる。
続けて図2を参照すると、主室112は、第1管128を介して上室126と流体連通され、第2管132を介して下室130と流体連通されている。上部126および下室130の各々は、第1チョーク134および第2チョーク136を介して主室112からの圧縮空気で充填される。第1チョーク134および第2チョーク136は、それぞれ、第1管128および第2管132の上部に位置する。主弁114の下弁面138は、上弁面118と反対側の弁棒116の下部に設けられている。下弁面138は、上室126および下室130を分離する壁140に対して摺動可能である。可撓性ダイヤフラム142は、上室126と下室130との間の圧縮空気の漏出を防ぐために、下室130の壁に対して下弁面138を封止する。
主室112は、排出弁108の出口室144と選択的に流体連通している。後述するように、主室112は、上弁面118の第1シーリング要素120が弁座122に着座された場合に、出口室144から流体隔離している。第1シーリング要素120が、弁座122から離れる場合、流体連通が、主室112と排出弁108の出口室144との間で確立され、出口室144が主室112からの圧縮空気を受け取るようになっている。このように、主弁114は、排出弁108の出口室144との流体連通を選択的に確立するために、上組立体102内で移動可能である。軸方向シール146は、弁棒116を封止し、かつ、上室126と出口室144との間の空気の通過を防止するために、出口室144の下壁148に設けられている。
続けて図2を参照すると、排出弁108の出口室144は、脱線検出器100が作動されたとき、主室112から大気中に圧縮空気を排出するように、一端で主弁114によって封止され、反対端で出口弁150によって封止されている。出口弁150は、その第1端に設けられた出口弁面154と、その第2端に設けられたばね保持部材156とを有する出口弁棒152を備える。ばね保持部材156は、出口弁座160の第1端に対して、螺旋コイルばねのような第2弾性部材158を保持する。ばね保持部材156は、圧縮空気が出口弁150を作動させるように作用する表面を画定する。出口弁座160の第2端は、脱線検出器100が作動される場合に、出口弁面154に選択的に係合する。
出口弁棒152は、出口弁面154をねじ込みにより受け取るためのねじ付き端162を備える。出口弁棒152と出口弁面154との間のねじ接続は、出口弁棒152の長さの調整と、出口弁面154とばね保持部材156との間の相対的離間の長さの調整とを可能にする。ばね保持部材156に向かって出口弁面154をねじ込むことにより、第2弾性部材158は、ばね保持部材156と出口弁座160の外面との間で圧縮される。第2弾性部材158の圧縮は、出口弁150の剛性を増加させ、大気への圧縮空気の通過を可能にするように、出口弁面154を出口弁座160から離れて移動させるのに必要な圧力を増加させる。逆に、第2弾性部材158の伸長は、出口弁150の剛性を低下させ、大気中に圧縮空気を排出するように出口弁面154を出口弁座160から離れて移動させるのに必要な圧力を減少させる。このように、出口弁150の調節は、出口弁150を開くために必要な所望の圧力を選択することを可能にする。一実施形態では、出口弁150の剛性は、出口弁150を、主室112からの全圧力の5%を放出するのに十分な圧力で解放させるように、設定されている。主室112は、ブレーキ管106からの圧縮空気を受け取るので、出口弁150は、また、通常作動中の全ブレーキ管圧力の5%を放出する。別の実施形態では、出口弁150の剛性は、全ブレーキ管圧力の3−8%の間で放出するように選択される。望ましくは、全ブレーキ管圧力の10%よりも小さい圧力が、出口弁150を介して放出される。というのは、このような圧力降下が、鉄道車両のブレーキの適用を必然的に引き起こすためである。脱線検出器100は、脱線検出器100が作動された表示を与えるために、ブレーキ管圧力の所定割合を放出するように構成されているが、鉄道車両の制動に影響を及ぼすのに十分なブレーキ管圧力の割合を放出しない。
脱線検出器100の作動時に排出弁108の出口室144を通過する圧縮空気は、出口室144の末端内に移動可能に配置された信号インジケータ164と係合する。信号インジケータ164は、脱線検出器100が作動されたことの視覚的表示を提供するために、排出弁108の側面から外側に押し出される。信号インジケータ164は、信号インジケータ164の末端を介して延びる1つ以上の軸方向通気孔166と、信号インジケータ164の管状側壁を介して延びる1つ以上の径方向通気孔168とを有する、実質的な管状構造を画定する。第1位置において、信号インジケータ164が作動されておらず、信号インジケータ164は、出口室144の空洞内に実質的に受け取られている。脱線検出器100の作動時に、圧縮空気は、信号インジケータ164の末端に作用し、圧縮空気の一部は、軸方向通気孔166を通過する。最初に、図2に示すように、信号インジケータ164は、信号インジケータ164の側壁内で径方向に延びる径方向空洞内に受け取られたボール170によって、第1位置に保持される。ボール170は、ばね174によって空洞の壁に押し付けられる。出口室144を通過する圧縮空気の圧力は、図3に示されるように、ボール170が、空洞から後退され、信号インジケータ164が、第2位置へと出口室144の外に前進されるように、信号インジケータを押すのに十分である。第2位置では、径方向通気孔168は、出口室144から外に前進させられ、出口室144からの圧縮空気は、軸方向通気孔166および径方向通気孔168を通過できる。作動時に、信号インジケータ164は、ボール170が第2空洞に係合するように、出口室144に対して前進される。信号インジケータ164は、ボール170に及ぼされたばね174の力を克服するように排出弁108の出口室144に信号インジケータ164を押すことにより、手動でリセットされる。
続けて図2を参照すると、下組立体110は、管176によって上組立体102の上室126に流体的に接続されている。管176は、下組立体110の頂圧力室178に圧縮空気を供給する。頂圧力室178は、導管182によって底圧力室180に接続されている。底弁184は、頂圧力室178と導管182に隣接する底圧力室180との間で摺動自在に配置される。底弁184は、底弁座190に対して底弁面186を封止するため、ゴムシールのような第2シーリング要素188を有する底弁面186を備える。第2シーリング要素188は、底弁184が、圧縮空気を受け取ることから頂圧力室178を隔離するために閉じられている場合に、底弁座190に押し付けられる。
底弁184は、衝撃吸収ピン194により振動質量体192に連結されている。振動質量体192は、振動質量体192を通って延びる環状開口部を有し、略円柱形状を有する。振動質量体192の環状開口部の内側の側壁は、ねじ調整部材196をねじ込み可能に受け取るように、ねじ切りされている。振動質量体192は、螺旋コイルばねのような第3弾性部材198上の底圧力室180内で懸架され、鉛直方向にのみ移動するように拘束される。振動質量体192の剛性は、脱線検出器100の底部に設けられた開口部200を介して調整部材196を調整することによって、変更することができる。振動質量体192の剛性は、第3弾性部材198を圧縮するように調整部材196を回転させることによって、増加させることができる。逆に、振動質量体192の剛性は、第3弾性部材198を伸長させるように調整部材196を回転させることによって、減少させることができる。振動質量体192の剛性は、鉛直方向における加速度に対する脱線検出器100の感度に直接比例する。振動質量体192の下部は、下出口室204から底圧力室180を封止するダイヤフラム202を備える。底圧力室180は、チョーク206を介して下出口室204と流体連通している。1つ以上の通気孔208は、下出口室204から圧縮空気を放出するために脱線検出器100の底面に設けられている。
脱線検出器100の構成要素を説明したが、図2に示される待機状態において脱線検出器100を初期化するための充填手順が、これより説明される。脱線検出器100は、充填中の自己作動を防止するように構成されている。最初に、ブレーキ管106からの圧縮空気は、主室112内に受け取られ、上組立体102の上室126および下室130よりも迅速に充填する。というのは、圧縮空気は、第1チョーク134および第2チョーク136を介して上室126および下室130に送られるためである。第1チョーク134および第2チョーク136は、弁座122から上弁面118を退かせるための圧力下で、上方に押されることを妨げるために、上室126および下室130が、主室112よりも速い速度で圧縮空気を充填することを妨げる。圧縮空気が、主室112から出口室144へかつ排出弁108を介して放出されるであろうため(図3参照)、このような作用は望ましくない。
充填中に、上室126からの圧縮空気は、管176を介して下組立体110内の底圧力室180に導入される。振動質量体192の剛性は、底弁座190に対して底弁面186が封止されるように維持するように、かつ、圧縮空気が下組立体110を介して排出されることを妨げるように、十分に高い。図2に示される待機状態において、下組立体110は作動されず、脱線検出器100は安定している。主室112および上室126および下室130内の圧力が、ブレーキ管106内の通常の作動圧力に到達するように、一旦完全に充填されると、脱線検出器100は、次に説明されるように、待機状態で作動され、脱線状態を検出するための準備ができている。
図3を参照すると、2つの独立しているが関連する作動は、脱線検出器100の作動中に発生する。上述したように、下組立体110は、所定の加速度閾値が到達された後に脱線検出器100の作動を引き起こすために、鉛直および水平の加速度を検出するように構成されている。最初の作動は、底弁座190から底弁面186を退かせるように底弁184を不均衡にすることを伴う。底弁184は、鉄道車両によって経験される鉛直および/または水平の加速度に対して不均衡となっている。鉛直方向における加速度に対する感度は、振動質量体192によって制御され、水平加速度における加速度に対する感度は、衝撃吸収ピン194によって制御される。例えば、振動質量体192の剛性は、鉛直方向における6−11.5gの間の所定の力で、衝撃吸収ピン194を介して底弁184の不均衡を発生させるように、設定されることができる。これは、11.5gを超える鉛直方向の加速力を検出した後に、脱線検出器100が作動されねばならないことを意味する。他の実施形態では、底弁184の不均衡が、6gと11.5gの間の任意の値で発生されるように、設定されることができる。
同様に、水平方向における加速度に対する感度は、脱線検出器100の本体に対して水平方向で固定されている振動質量体192に対する水平方向における衝撃吸収ピン194の不均衡によって、制御される。例えば、衝撃吸収ピン194は、水平方向に30gの所定の力で底弁184の不均衡を発生させるように設定されることができる。これは、脱線検出器100が、30gを超える水平加速力を検出した後に作動されねばならないことを意味する。30gより小さな水平加速度は、脱線検出器100の作動を引き起こさない。水平加速度に対する脱線検出器100の感度閾値は、結合中、始動中、および停止中に鉄道車両によって経験される水平加速度に対する偽の作動を防止するために、鉛直加速度に対する感度閾値よりも高い。
脱線検出器100の作動の第1段階では、底弁184は、圧縮空気の量が底圧力室180に導入されるように、底弁座190から分離される。底弁184は、圧縮空気が、底圧力室180を充填し、かつ、導管182およびチョーク206を介して下出口室へと通過するように、前進圧力により開いたままにされている。その後、圧縮空気は、1つ以上の通気孔208を通過して大気中に排出される。
脱線検出器100の作動の第2段階は、上述の作動の第1段階の直接の結果として生じる。下組立体110内への管176を介した圧縮ガスの通過によって引き起こされる上室126内の圧力低下により、上室126と下室130との間の圧力平衡が不均衡である。下室130における圧力が上室126における圧力よりも高いので、下弁面138が押し上げられる。下弁面138が弁棒116を介して上弁面118に接続されているので、上弁面118も、第1弾性部材124の力に逆らって上方に持ち上げられる。この動きは、主室112からの圧縮空気が出口室144に流れ込むことができるように、第1シーリング要素120を、弁座122から離れて移動させる。出口室144内の圧力は、出口弁150を開くように付勢するように、かつ、信号インジケータ164に向けて圧縮空気を放出させるように、出口弁150のばね保持部材156に対して作用する。最初に、信号インジケータ164は、排出弁108の本体内に後退させられ(図2)、圧縮空気の初期量は、軸方向通気孔166を介して大気中に排出される。しかし、出口室144内の圧縮空気は、圧縮空気が、軸方向通気孔166および径方向通気孔168の両方を介して排出されるように、信号インジケータ164を外側に付勢する。排出弁108の出口室144の外部での信号インジケータ164の移動は、脱線検出器100が作動されたことの視覚的表示を提供する。出口弁150は、異常状態(すなわち、脱線)が発生したという指示を与えるのに十分であるが、鉄道車両の制動を引き起こすには不十分な、ブレーキ圧の所定割合を放出するように調整されている。通常のブレーキ管圧力の所定の低下は、鉄道車両の運転者に、異常が発生したことと、鉄道車両が安全な場所での停止にもたらされることができるように適切な是正措置が取られるべきであることとの指示を与える。一実施形態では、ブレーキ管圧力における所定の圧力低下は、通常の作動のブレーキ管圧力の5%とすることができる。
脱線検出器100が作動された後、次の使用の前にリセットされなければならない。その初期の待機状態に主弁114を復元するために、脱線検出器100は、ブレーキ管106から分離され、その結果、圧縮空気が、主室112および出口室144から排出されることができる。脱線検出器100は、隔離弁104を閉じることによってブレーキ管106から分離される。一旦圧縮空気が主室112から排出されると、主弁114は、第1弾性部材124の復元力により、初期待機状態に戻される。同様に、下組立体110の頂圧力室178内の圧力が大気圧に低下するので、底弁184は、第3弾性部材198の復元力により、初期待機状態に強制される。排出弁108内の初期位置に信号インジケータ164を戻した後、隔離弁104は、主室112内にブレーキ管106からの圧縮空気を導入するように、かつ、図2に示されるその待機状態に脱線検出器100を戻すように、開かれることができる。
脱線検出器100およびその作動方法の実施形態は、上述の説明で提供されたが、当業者は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、これらの実施形態に対する修正および変更を行うことができる。従って、上述の説明は、限定というよりはむしろ例示であることが意図されている。本明細書に記載の本発明は、添付の特許請求の範囲によって画定され、特許請求の範囲の意味内および均等物の範囲内に入る本発明に対するすべての変更は、それらの範囲内に包含されるべきである。

Claims (20)

  1. 鉄道車両用の脱線検出器であって、
    空気式ブレーキシステムから圧縮空気を受け取るように、前記鉄道車両のブレーキ管と流体連通するハウジングと、
    前記ハウジング内に配置され、かつ、前記圧縮空気によって加圧される主室であって、主弁を有する主室と、
    脱線状態を示す加速度を検出するように、かつ、前記脱線状態を示す前記加速度の検出時に前記主弁を作動させるように構成された衝撃検出組立体と、
    前記主室と選択的に流体連通する排出弁と、を備え、
    前記脱線状態を示す前記加速度の検出時に、前記排出弁は、前記脱線状態が発生したことを示すために、前記主室から前記圧縮空気の所定量を排出するように作動する、脱線検出器。
  2. 前記排出弁は、前記脱線状態の発生を示すように、圧力の前記所定量の前記排出によって、前記排出弁に対して移動可能な信号インジケータをさらに備える、請求項1に記載の脱線検出器。
  3. 圧力の前記所定量は、前記空気式ブレーキシステム内の全圧力の3−8%である、請求項1に記載の脱線検出器。
  4. 圧力の前記所定量は、前記空気式ブレーキシステム内の前記全圧力の5%である、請求項3に記載の脱線検出器。
  5. 前記排出弁は、前記空気圧ブレーキシステムから排出される圧力の前記量を選択するように調節可能である、請求項1に記載の脱線検出器。
  6. 前記ブレーキ管から前記ハウジングへの前記圧縮空気の流れを選択的に制御するための遮断弁をさらに備える、請求項1に記載の脱線検出器。
  7. 前記ハウジングは、前記主室を有する上組立体と、前記衝撃検出組立体を有する下組立体とをさらに備える、請求項1に記載の脱線検出器。
  8. 前記上組立体は、前記下組立体と流体連通している、請求項7に記載の脱線検出器。
  9. 前記衝撃検出組立体は、ばねに懸架された振動質量体を備え、前記振動質量体は、実質的な鉛直方向における加速度を検出するように構成されている、請求項1に記載の脱線検出器。
  10. 前記振動質量体は、前記排出弁が作動される鉛直加速度を選択するように調整可能である、請求項9に記載の脱線検出器。
  11. 脱線状態を示す加速度の検出に応じて鉄道車両の空気圧ブレーキシステムから圧力の所定量を排出するように構成された排出弁を備える脱線検出器。
  12. 前記排出弁は、前記脱線状態の前記発生を示すように、圧力の前記所定量の前記排出により、前記排出弁に対して移動可能な信号インジケータをさらに備える、請求項11に記載の脱線検出器。
  13. 圧力の前記所定量は、前記空気式ブレーキシステム内の全圧力の3−8%である、請求項11に記載の脱線検出器。
  14. 圧力の前記所定量は、前記空気式ブレーキシステム内の前記全圧力の5%である、請求項13に記載の脱線検出器。
  15. 前記排出弁は、前記空気圧ブレーキシステムから排出される圧力の前記量を選択するように調節可能である、請求項11に記載の脱線検出器。
  16. 前記排出弁は、前記脱線状態を示す加速度を検出するように構成された衝撃検出組立体によって作動される、請求項11に記載の脱線検出器。
  17. 鉄道車両における脱線状態を検出し、かつ、前記脱線状態の発生を示す方法であって、
    圧縮空気で脱線検出器を加圧する工程と、
    前記脱線状態を示す加速度を検出する工程と、
    前記脱線状態の前記発生を示すために、前記脱線検出器から圧縮空気の前記所定量を排出する工程と、を備える方法。
  18. 前記脱線検出器は、前記鉄道車両の空気圧ブレーキシステムから受け取られた圧縮空気で加圧される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記脱線状態を示す前記加速度は、衝撃検出組立体により検出される、請求項17に記載の方法。
  20. 圧縮空気の前記所定量は、排出弁を介して排出される、請求項17に記載の方法。
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