そのような設定可能なランプを有するために、一実施形態では、青色及び赤色LEDを用い、緑色/黄色蛍光体の放射位置を変化させ、所望の色温度において黒体軌跡(BBL)にとどまるLEDの強度を調節するためにリモート/ビシニティ(遠隔/近接)(下記参照)蛍光体(本明細書では、「ルミネセンス材料」とも示される)を用いて、緑色放射体の放射位置をわずかに変えることが提案される。全てのケースにおいて、低いCRIのランプを得るために、スペクトルの青ないし緑色の部分(特に、青又は緑色における最大強度の約75%未満、特に50%未満の強度を有する青色と緑色との間のスペクトルの一部)において一時的な減少があることが望ましい。一般に、青色光源及び赤色光源の発光波長が変化しない特定の条件の下で低いCRIに達する2つのやり方、すなわち、(1)青色光源と赤色光源との間の波長で発する(緑及び/又は黄色光源のような)光源のFWHMを小さくするやり方、又は(2)そのような青色光源と赤色光源との間の波長で発する光源のピーク波長の位置を変え、それに応じて赤色光源の光の強度を適合させるやり方が存在する。大部分の無機蛍光体は、広い吸収特性を有している。ここで、我々は、特に、より長い波長において放射するように波長範囲の青ないし緑色の部分で吸収する有機蛍光体のような光変換体の使用を提案する。大きいストークスシフトの材料を用いることも可能である(大きいストークスシフトの材料の例は、例えば、国際特許出願公開WO2012001564公報に説明されている)。他の可能性は、例えば量子ドットのような狭帯域エミッタを用いることである。しかしながら、無機蛍光体も適用され得る。勿論、種々のルミネセンス材料の組み合わせも適用され得る。本明細書では、「蛍光体」及び「ルミネセンス材料」という用語は同じであると考えられる(上記も参照されたい)。
従って、第1の観点では、本発明は、第1の光源光を生成する第1の光源と、(上記第1の光源光とは異なるスペクトル分布を有する)第2の光源光を生成する第2の光源と、上記第1の光源光及び上記第2の光源光の1つ以上の少なくとも一部を第1の波長変換素子光に変換することができる第1の波長変換素子(本明細書では「第1の変換素子」又は「第1の変換体」としても示される)と、上記第1の光源光、上記第2の光源光及び(オプションで)上記第1の波長変換素子光の1つ以上の少なくとも一部を上記第1の波長変換素子光とは異なるスペクトル分布を有する第2の波長変換素子光に変換することができる第2の波長変換素子(本明細書では「第2の変換素子」又は「第2の変換体」としても示される)とを有する照明ユニットであって、上記第1の光源、上記第2の光源、上記第1の波長変換素子及び上記第2の波長変換素子の1つ以上の移送によりこれら(光源及び変換素子)を(少なくとも)第1の構成又は第2の構成に配置する移送インフラストラクチャを更に有し、上記第1の構成及び上記第2の構成では、当該照明ユニットは、実質的に同じ色点を有し、異なる演色評価数を有する照明ユニット光を与える当該照明ユニットを提供する。
上記照明ユニットは、(少なくとも)第1の構成及び第2の構成を可能にする。しかしながら、実施形態では、照明ユニットは、第3の構成又はオプションで更なる構成も与えることができる。従って、本明細書において説明される照明ユニットは、特に、少なくとも3つの異なる構成のような少なくとも2つの異なる構成(上記第1及び第2の構成)を与えるように構成され、これら3つの構成の少なくとも2つ、更に特には、これら少なくとも2つの構成の全ての構成は、実質的に同じ色点又は色温度を有するが、異なるCRI値を有する(白色)光を与える。従って、「第1の光源及び第2の光源」又は「第1の波長変換素子及び第2の波長変換素子」という言い方及び同様の言い方は、特に、「少なくとも第1の光源及び第2の光源」及び「少なくとも第1の波長変換素子及び第2の波長変換素子」のことをそれぞれ指す。
上記のように、少なくとも2つの構成は、照明ユニットの要素の1つ以上、特に、第1の光源、第2の光源、第1の波長変換素子及び第2の波長変換素子の1つ以上の移送により得られる。一般に、第1の光源を移動させることにより異なる構成が得られる場合、第2の光源も移動する。従って、一実施形態では、上記移送インフラストラクチャは、(第1及び第2の構成をそれぞれ得るために、)少なくとも第1の光源及び第2の光源を移動させる。同様に、一般に、第1の波長変換素子を動かすことにより異なる構成が得られる場合、第2の波長変換素子も移動する。従って、一実施形態では、上記移送インフラストラクチャは、(第1及び第2の構成をそれぞれ得るために、)少なくとも第1の波長変換素子及び第2の波長変換素子を移動させる。「変換素子(converting element)」という用語の代わりに、「変換素子(conversion element)」という用語も適用され得る。
上記移送構造は、特に、手動アクチュエータ又は電動アクチュエータを含んでいる。従って、一実施形態では、照明ユニットは、例えば、上述した素子の1つ以上をそれぞれ摺動又は回転させる摺動機能又は回転機能を有している。オプションで、照明ユニットは、更に、油圧アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、電気アクチュエータ、機械的アクチュエータのようなアクチュエータを有している。空気圧式アクチュエータは、機械的動作を容易にするために油圧動力を使用するシリンダ又は流体モータよりなっている。機械的アクチュエータは、直線、回転又は振動運動に関して出力を与える。空気圧式アクチュエータは、高圧で圧縮された空気により形成されるエネルギーを直線運動又は回転運動に変換する。更に、電気アクチュエータは、電気エネルギーを機械式トルクに変換するモータにより動力を供給される。更にまた、機械的アクチュエータは、移送を実行するために回転運動を直線運動に変えることにより機能する。機械的アクチュエータは、ギア、レール、プーリ、チェーン及び動作するための他のデバイスの1つ以上を含んでいる。アクチュエータは、(従って、)電気モータを含んでいる。上記構成の制御が以下に更に論じられるが、一実施形態では、照明ユニットは構成(又は構成の設定)を手作業で制御するように構成される。すなわち、手作業で構成が選択され得る。これは、製造工場において、分配センター又は記憶装置において、店で又はエンドユーザにより行われる。オプションで、構成は、例えば、キット又は接着剤を用いて選択後に「凍結」される。従って、本発明は、特に、少なくとも2つの構成の移送構造で設定可能である照明ユニットを提供する。上記移送構造は、とりわけ、照明ユニットの一部である。例えば、単一の集積ユニットが(照明)ユニットに組み込まれた移送構造を備えている。オプションで、そのような照明ユニットは、構成が固定され得る。代替として、エンドユーザが移送構造を伴う所望の構成を選択してもよい。
従って、一実施形態では、移送構造は、水圧アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、電気アクチュエータ、機械的アクチュエータのようなアクチュエータ又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせを有している。制御ユニットは、構造を移動させる。例えば、制御ユニットは、アクチュエータに指示することにより第1の構成又は第2の構成の第1の光源、第2の光源、第1の波長変換素子及び第2の波長変換素子を配置する。
2つよりも多い構成も、オプションで可能であり、例えば、2つよりも多い波長変換素子が存在する場合又は波長変換素子が個々に選択され、他から下流に配された場合に可能である。
特定の実施形態では、上記第1の光源及び第2の光源は、(LED又はレーザダイオードのような)固体LED光源を有している。しかしながら、追加又は代替として、有機発光ダイオード(OLED)光源もまた適用され得る。種々のタイプの光源もまた適用され得る。従って、上記第1の光源及び第2の光源は、LED及びレーザよりなる群から独立して選択される。「光源」という用語は、2ないし20の(固体)(LED)光源のような複数の光源にも関連がある。従って、LEDという用語は、複数のLEDのことも指している。勿論、20よりも多い光源も適用され得る。特定の実施形態では、第1の光源のサブセット及び第2の光源のサブセットが適用される。更に、第3の光源、第4の光源等のような他のタイプの光源も適用され、各タイプは発せられる光の異なるスペクトル光分布を有する(本明細書の他の部分も参照されたい)。光源は、特に照明ユニットにより構成される。照明ユニットは照明器具に組み込まれ得る。「照明ユニット」という用語は、「ランプ」のことも指している。
上記第1の光源及び第2の光源は、第1の光源光及び第2の光源光をそれぞれ与える。これらのタイプの光は、スペクトル分布が異なる。例えば、第1の光源は青色(第1の光源光)を生成し、第2の光源は赤色(第2の光源光)を生成する。従って、一実施形態では、第1の光源は青色を発する光源を有し、第2の光源は赤色を発する光源を有している。従って、例えば、第1の光源は青色光を発し、第2の光源は赤色光を発する。
「紫色光」又は「紫色発光」という用語は、特に、約380ないし440nmの範囲内の波長を有する光に関連している。「青色光」又は「青色発光」という用語は、特に、約440ないし490nm(幾らかの紫及びシアンの色相を含む)の範囲内の波長を有する光に関連している。「緑色光」又は「緑色発光」という用語は、特に、約490ないし560nmの範囲内の波長を有する光に関連している。「黄色光」又は「黄色発光」という用語は、特に、約540ないし570nmの範囲内の波長を有する光に関連している。「橙色光」又は「橙色発光」という用語は、特に、約570ないし600nmの範囲内の波長を有する光に関連している。「赤色光」又は「赤色発光」という用語は、特に、約600ないし800nmの範囲内の波長を有する光に関連している。「桃色光」又は「桃色発光」という用語は、青色成分及び赤色成分を有する光のことを指している。「可視」、「可視光」又は「可視発光」という用語は、約380ないし800nmの範囲内の波長を有する光のことを指している。
上記照明ユニットは、(本明細書では、第1の変換素子としても示される)第1の波長変換素子と、(本明細書では、第2の変換素子としても示される)第2の波長変換素子とを少なくとも有している。これらの変換素子は、光源及び/又はオプションで互いの発光の少なくとも1つの光源光を吸収し、発光(第1の波長変換素子光及び第2の波長変換素子光それぞれ)を与える。
従って、第1の構成及び第2の構成では、照明ユニットは、(動作中)照明ユニット光を与え、この光は、(第1の構成又は第2の構成それぞれにおける動作中)ほぼ同じ色点を有するが、異なる演色評価数を有する。従って、一実施形態では、照明ユニットは、第1の構成及び第2の構成それぞれにおいて設定される際に、ほぼ同じ色点を有するが、異なる演色評価数の照明光を与える。
特に、第1の構成では、第1の光源光及びオプションで第2の光源光は、第1の波長変換素子光とともに白色光(照明ユニット光)を与える。更に、第2の構成では、第1の光源光及びオプションで第2の光源光は、第2の波長変換素子光及びオプションで第1の波長変換素子光とともに同じく白色光(照明ユニット光)を与える。
上記のように、オプションで上記波長変換素子もまた、他の素子の変換光を吸収して変換し、それにより、波長変換素子光を与える。従って、特に、(本明細書では第1の変換素子としても示される)第1の波長変換素子は、第1の光源光及び第2の光源光(と、オプションで第2の波長変換素子光と)の1つ以上の少なくとも一部を第1の波長変換素子光に変換し、(本明細書では第2の変換素子としても示される)第2の波長変換素子は、第1の光源光、第2の光源光及び第1の波長変換素子光を第1の波長変換素子光とは異なるスペクトル分布を有する第2の波長変換素子光に変換する。
上記のように、上記波長変換素子の放出光は異なる。すなわち、放出光は異なるスペクトル分布(スペクトル光分布)を有している。一実施形態では、第1の波長変換素子及び第2の波長変換素子それぞれは、緑色ルミネセンス材料(すなわち、緑色光を発する材料)、黄色ルミネセンス材料(すなわち、黄色光を発する材料)及び橙色ルミネセンス材料(すなわち、橙色光を発する材料)の1つ以上を独立して有している。例えば、第1の波長変換素子は緑色光を与え、第2の波長変換素子は相対的により多くの黄色光を伴う緑色光を与える。両方の構成において、照明ユニットにより白色光(すなわち、白色の照明ユニット光)が生成される。従って、「第1の波長変換素子が第1の光源光及び第2の光源光の1つ以上の少なくとも一部を第1の波長変換素子光に変換することができ、第2の波長変換素子が第1の光源光、第2の光源光及び第1の波長変換素子光の1つ以上の少なくとも一部を第1の波長変換素子光とは異なるスペクトル分布を有する第2の波長変換素子光に変換することができる」という表現は、第2の波長変換素子光が第1の波長変換素子光とは異なるスペクトル分布を有することを指している。
本明細書における白色光という用語は、当業者には既知である。これは、特に、約2000から20000K、とりわけ、2700ないし20000K、一般照明に関してはとりわけ約2700K及び6500Kの範囲、バックライティングの目的に関してはとりわけ約7000K及び20000Kの範囲の相関色温度(CCT)を持ち、特に、BBL(黒体軌跡)から約15SDCM(等色標準偏差)以内、特に、BBLから約10SDCM以内、更に特には、BBLから約5SDCM以内の光に関連している。
一実施形態では、上記照明ユニット、例えば、直接蛍光体変換型LED(例えば10000Kを得るように薄い蛍光体の層を有する青色発光ダイオード)は、約5000から20000Kの間の相関色温度(CCT)を持つ照明ユニット光も与える。従って、特定の実施形態では、上記照明ユニットは、5000ないし20000Kの範囲内、更に特には、8000ないし20000Kのような6000ないし20000Kの範囲内の相関色温度の照明ユニット光を与えるように構成される。
両方(又はそれ以上)の構成において、実質的に同じ色温度又は実質的に同じ色点を有する白色光が与えられる。当該技術分野において知られているように、複数の色の組み合わせが光に同じ色点を与える。特に、上記第1の構成及び第2の構成において、上記照明ユニットは、互いに15SDCM(等色標準偏差)以内、特に互いに約10SDCM以内、更に特には互いに約5SDCM以内の色点を有する照明ユニット光を与える。代替又は追加として、(少なくとも2つの異なる構成における照明ユニット光の)x及びyの差、すなわち、Δx及びΔyが、それぞれ独立して0.03以下、特に0.02以下、特に0.01以下である実質的に同じ色点が2つの色点として規定され、例えば、第1の色点(0.35;0.35)及び第2の色点(0.33;0.37)は、同じ色点を有する構成の色点として考えられる。これらの0.03、0.02及び0.01の値は、楕円の最小径における約3000Kないし5000Kの色温度において、約15SDCM、約10SDCM及び約5SDCMにそれぞれ対応する。従って、特に、上記照明ユニットは、第1の構成及び第2の構成で動作中に照明ユニット光を与え、この照明ユニット光は、(照明ユニットが第1の構成及び第2の構成で構成された動作中に)互いに15SDCM(等色標準偏差)以内の色点を有する。
上記波長変換素子は、ルミネセンス材料の層、透過層に埋め込まれたルミネセンス材料又は透過層に分子状に分散されたルミネセンス材料の1つ以上を(互いに独立して)含んでいる。粒子に埋め込まれたルミネセンス材料が透過層に更に埋め込まれているようなハイブリッドも可能である。上記波長変換素子は、互いに独立して、フィルム、自己支持形の層のような層又は本体である。波長変換素子は、照明ユニットの光出口窓として構成され得る。しかしながら、これは、実施形態では、単に構成の1つに当てはまることに注意されたい。他の構成では、他の波長変換素子が光出口窓として構成される。従って、そのような実施形態では、光源からの光及び変換光(以下を更に参照されたい)は、(デバイスの使用中に)照明ユニットのビアから及び波長変換体から生じる。
上記波長変換素子は、また、反射モードでも構成され得る。例えば、光混合チャンバは、波長変換体を有する1つ以上の壁部(反射モード)及び/又は波長変換素子を有する出口窓(透過モード)を有している。従って、第1の構成及び第2の構成の1つ以上において、第1の波長変換素子及び第2の波長変換素子の1つ以上は、透過モードで設けられる。
特に、可視光を生成する光源を適用する場合、(従って)変換体は透過可能である。このやり方では、例えば、少なくとも青色光を与えるように構成された光源を仮定すると、光源の青色光は、変換体を貫通し、可視照明ユニット光として変換体からのルミネセンスとともに用いられる。UV光を生成するように構成された光源を適用する場合には、変換体は、このUV光を実質的に透過可能ではない。変換体は、特に、変換体に入射する全てのUV光をほぼ吸収し、この光をルミネセンスにほぼ変換する。従って、変換体は、UV光に対して実質的に非透過性であり、同時に青色光のような可視光に対しては少なくとも部分的に透過性であることに注意されたい。
本明細書における「透過可能(transmissive)」という用語は、特に、可視波長範囲から選択される波長を持つ光について20ないし95%のような20ないし100%の範囲内の光の透過を有する変換体のことを指している。本明細書で、「可視光」という用語は、特に、380ないし780nmの範囲から選択される波長を持つ光に関連がある。透過は、垂直放射の下で第1の強度を持つ特定の波長の光を導波路に与え、当該材料を通って透過した後測定される当該波長における光の強度を特定の波長で当該材料に与えられる光の第1の強度に関連付けることにより決定される(E-208 and E-406 of the CRC Handbook of Chemistry and Physics, 69th edition, 1088-1989も参照されたい。)。導波路プレートは、ルミネセンス材料の存在のために着色され得ることに注意されたい(以下も参照されたい。)。UV光に対する透過率は、特に、1%未満、5%未満等のような10%未満である。「透過可能」という用語は、一実施形態では透明に関連し、他の実施形態では半透明に関連している。
上記変換体は、層又は自己支持形の本体部のような任意の形状であり得る。変換体は、平坦であってもよいし、湾曲していてもよいし、成形されていてもよいし、矩形状、円形状、六角形状、球状、管状、立方体状等であってもよい。自己支持形の本体部は、剛性であってもよいし、フレキシブルであってもよい。厚さは、一般に、0.1ないし10mmの範囲内である。長さ及び/又は幅(若しくは径)は、例えば、0.02ないし5mのような0.01ないし5mの範囲内であり、例えば0.1ないし50mmの範囲内である。変換体は、例えば、透過可能な支持体にコーティングされた層であってもよいが、一般に、変換体は成形された(フレキシブルな)本体部である。(従って、)変換体は自己支持形であってもよく、例えばプレート又は(フレキシブルな)構成要素(entity)であってもよい。
「マトリクス」という用語は、本明細書では、(粒子状)ルミネセンス材料のような他の材料を受け入れる層、本体部又は成形品等を示すために用いられる。
上記マトリクス(材料)は、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリエチレンカーボネート)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)(プレキシガラス又はパースペックス)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、シリコーン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、(PETG)(グリコール修飾ポリエチレンテレフタレート)、PDMS(ポリジメチルシロキサン)及びCOC(シクロオレフィンコポリマ)よりなる群から選択されるような透過性有機材料のサポートよりなる群から選択される1つ以上の材料を有している。しかしながら、他の実施形態では、上記マトリクス(材料)は、無機材料を有している。好ましい無機材料は、ガラス、(溶融)石英、透過性セラミック材料及びシリコーンよりなる群から選択されるものである。また、無機及び有機の両方の部分を有するハイブリッド材料も適用され得る。PMMA、PET、透明PC又はガラスは、マトリクス(材料)用の材料として特に好ましい。更により具体的には、マトリクスは、ポリエチレンテレフタレート(PET)を有している。
上記波長変換素子は、光源(又は上記のように複数の光源)に放射結合される。「放射結合される」という用語は、特に、光源により発せられる放射の少なくとも一部が構成の少なくとも1つで波長変換素子により受け取られる(及びルミネセンスに少なくとも部分的に変換される)ように光源及び波長変換素子が互いに関連していることを意味する。この場合も、これは、特に、第1の構成の波長変換素子の1つ及び第2の構成の他の波長変換素子等に関して言及している。「ルミネセンス」という用語は、光源の光源光による励起の際、波長変換素子が発する放射のことを意味している。このルミネセンスは、本明細書では、(可視光を少なくとも有する)変換光としても示される(以下も参照されたい)。
上記「上流」及び「下流」という用語は、光生成手段(ここでは、特に第1の光源又は第2の光源)からの光の伝播に対するアイテム又は特徴部の配置に関連しており、光生成手段からの光ビーム内の第1の位置に対して、光生成手段により近い光ビーム内の第2の位置は「上流」であり、光生成手段からより遠い光ビーム内の第3の位置は「下流」である。
例えば第1及び第2の光源の1つ以上の光による励起時の上記波長変換素子からの放射光は、特に、ルミネセンス材料によるものである。「ルミネセンス材料」という用語は、複数のルミネセンス材料にも関連している(上記も参照されたい)。「ルミネセンス材料」という用語は、また、異なるルミネセンス材料の混合物又は組み合わせにも関連している。上記照明デバイスでは、(少なくとも2つの)各波長変換素子自体が(放射の)特定のスペクトル光分布を有するので、少なくとも2つの異なるルミネセンス材料が適用される。原理的には、異なる活性剤濃度を有する同一のタイプのルミネセンス材料は、異なるルミネセンススペクトルを有するので、異なるルミネセンス材料を既にもたらすことに注意されたい。従って、各波長変換素子は1つ以上の(異なる)ルミネセンス材料を有している。1つ以上のルミネセンス材料は、特に、量子ドットルミネセンス材料、無機ルミネセンス材料及び有機ルミネセンス材料よりなる群から(それぞれ独立して)選択される。(第1及び第2の光変換素子両方において)種々のタイプのルミネセンス材料の組み合わせも適用され得る。従って、変換という用語は、特に、励起光のルミネセンス(又は放出)光への変換のことを指す。波長変換素子は、特に、少なくとも1つのルミネセンス材料を有している。
特に、上記照明ユニットは、青ないし緑色において吸収する、とりわけ、490ないし520nmの範囲から選択される波長において吸収するルミネセンス材料を有している。
(第1及び第2のルミネセンス材料として独立して用いられ得る)有機ルミネセンス材料の関連のある例は、例えば、(BASF社、ルードヴィヒスハーフェン、ドイツからルモゲンの商標名の下で知られているルミネセンス材料:ルモゲンF240オレンジ、ルモゲンF300レッド、ルモゲンF305レッド、ルモゲンF083イエロー、ルモゲンF170イエロー、ルモゲンF850グリーンのような)ぺリレン、Neelikon Food Dyes & Chemical Ltd.社、ムンバイ、インドからのイエロー172及びクマリン(例えば、クマリン6、クマリン7、クマリン30、クマリン153、ベーシックイエロー51)、ナフタルイミド(例えば、ソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116)、フルオロール7GA、ピリジン(例えば、ピリジン1)、(ピロメテン546、ピロメテン567のような)ピロメテン、ウラニン、ローダミン(例えば、ローダミン110、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、スルホローダミン101、スルホローダミン640、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2)、シアニン(例えば、フタロシアニン、DCM)、スチルベン(例えば、Bis−MBS、DPS)であり、これらは多くの業者から入手可能である。酸性染料、塩基性染料、直接染料及び分散染料のような幾つかの他のルミネセンス材料が、使用目的のために十分に高い蛍光量子収率を示す限り用いられ得る。適用され得る特に関心のある有機材料は、例えば、緑色ルミネセンスについてのBASF社のルモゲン850、黄色ルミネセンスについてのBASF社のルモゲンF083又はF170、橙色ルミネセンスについてのBASF社のルモゲンF240及び赤色ルミネセンスについてのBASF社のルモゲンF300又はF305を有している。従って、上記ルミネセンス材料は、例えば、上述した有機ルミネセンス材料の少なくとも2つを有し、オプションで、同じく上述した有機ルミネセンス材料から選択される1つ以上の更なる有機ルミネセンス材料を有している。
(第1及び第2のルミネセンス材料として独立して用いられ得る)幾つかの特定の無機ルミネセンス材料が以下に論じられる。
(Ca,Sr,Ba)(Al,Ga,In)2(O,S,Se)4:Eu2+、チオガリウム酸塩、特にSrGa2S4:Eu2+のようなSr、Ga及びSを少なくとも有するそのようなルミネセンス材料の1つ以上を含む緑色発光体についての幾つかのオプションが考えられる。これらのタイプのルミネセンス材料は、特に狭帯域の緑色発光体である。
オプション又は追加として、無機ルミネセンス材料は、M3A5O12:Ce3+(ガーネット材料)を有しており、式中、MはSc、Y、Tb、Gd及びLuよりなる群から選択され、AはAl及びGaよりなる群から選択されるものである。好ましくは、MはY及びLuの1つ以上を少なくとも有し、Aは少なくともAlを有している。これらのタイプの材料は、最高の効率を与える。ガーネットの実施形態は、特に、M3A5O12のガーネットを含んでおり、式中、Mは少なくともイットリウム又はルテチウムを有し、Aは少なくともアルミニウムを有している。そのようなガーネットは、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)又はセリウム及びプラセオジムの組み合わせがドープされているが、とりわけ、少なくともCeがドープされている。特に、Aはアルミニウム(Al)を有しているが、とりわけアルミニウムの約20%まで、更に特にはアルミニウムの約10%までのガリウム(Ga)、スカンジウム(Sc)及び/又はインジウム(In)を部分的に有していてもよく(すなわち、Aイオンは、本質的には、90モル%以上のAlと、10モル%以下のGa、Sc及びInの1つ以上とから成る。)、Aは、とりわけ、約10%までのガリウムを有している。他の変形例では、A及びOがSi及びNにより少なくとも部分的に置換されている。元素Mは、特に、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)及びルテチウム(Lu)から成る群より選択される。更に、Gd及び/又はTbは、特に、Mの約20%の量までしか存在しない。特定の実施形態では、ガーネットルミネセンス材料は、(Y1−xLux)3Al5O12:Ceを有しており、xは0以上且つ1以下である。「:Ce」又は「:Ce3+」という表現は、ルミネセンス材料中の金属イオンの一部(すなわち、ガーネットの「M」イオンの一部)がCeにより置換されていることを示している。特に、ルテチウムを有するガーネットは、とりわけ、ルテチウムがMの少なくとも50%である場合に所望のルミネセンスを与える。
追加又は代替として、上記無機ルミネセンス材料は、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Mg,Sr,Ca)AlSiN3:Eu及び(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euよりなる群から選択される1つ以上の材料のような二価のユーロピウムを含有する窒化物ルミネセンス材料又は二価のユーロピウムを含有するオキソ窒化物ルミネセンス材料よりなる群から選択されるルミネセンス材料も有している。これらの化合物では、ユーロピウム(Eu)が実質的に又は専ら二価であり、示されている二価のカチオンの1つ以上を置換している。一般に、Euは、上記カチオンの10%よりも多い量では存在せず、特に、Euが置換するカチオンに対して約0.5ないし10%の範囲内、更に特には、約0.5ないし5%の範囲内の量で存在する。「:Eu」又は「:Eu2+」という表現は、金属イオンの一部がEuにより(これらの例では、Eu2+により)置換されていることを示している。例えば、CaAlSiN3中の2%のEuを考えると、正確な式は(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3である。二価のユーロピウムは、一般に、上記二価のアルカリ土類カチオンのような二価のカチオン、特に、Ca、Sr又はBaを置換する。材料(Ba,Sr,Ca)S:Euは、MS:Euとしても示され、式中、Mはバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)よりなる群から選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物ではカルシウム若しくはストロンチウム又はカルシウム及びストロンチウムを有し、更に特には、カルシウムを有している。ここでは、Euは、取り込まれてM(すなわち、Ba、Sr及びCaの1つ以上)の少なくとも一部を置換している。更に、材料(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euは、M2Si5N8:Euとしても示され、式中、Mはバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)よりなる群から選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物ではSr及び/又はBaを有している。他の特定の形態では、Mは、(Euの存在を考慮に入れないと、)Sr及び/又はBaから成り、特に、Ba1.5Sr0.5Si5N8:Eu(すなわち、Ba75%、Sr25%)のように50ないし100%、とりわけ50ないし90%のBa及び50ないし0%、とりわけ50ないし10%のSrから成っている。ここでは、Euは、取り込まれてM(すなわち、Ba、Sr及びCaの1つ以上)の少なくとも一部を置換している。同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:EuもMAlSiN3:Euとしても示され、式中、Mはバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)よりなる群から選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物ではカルシウム若しくはストロンチウム又はカルシウム及びストロンチウムを有し、更に特には、カルシウムを有している。ここでは、Euは、取り込まれてM(すなわち、Ba、Sr及びCaの1つ以上)の少なくとも一部を置換している。好ましくは、一形態では、無機ルミネセンス材料は、(Ca,Sr,Mg)AlSiN3:Eu、好ましくは、CaAlSiN3:Euを有している。更に、前者と組み合わせられ得る更に他の形態では、無機ルミネセンス材料は(Ca,Sr,Ba)2Si5N8:Eu、好ましくは、(Sr,Ba)2Si5N8:Euを有している。「(Ca,Sr,Ba)」という表現は、対応するカチオンがカルシウム、ストロンチウム又はバリウムにより占められていることを示している。この表現は、そのような材料では、対応するカチオンのサイトがカルシウム、ストロンチウム及びバリウムよりなる群から選択されるカチオンで占められていることも示している。従って、上記材料は、例えば、カルシウム及びストロンチウムを有していてもよいし、また、ストロンチウムのみを有していてもよい等である。
上記無機ルミネセンス材料は、三価のセリウムを含有するガーネット(上記参照)及び三価のセリウムを含有するオキソ窒化物よりなる群から選択される1つ以上のルミネセンス材料も有していてもよい。上記オキソ窒化物材料は、当該技術分野においては、オキシ窒化物材料として示されることも多い。
従って、「無機ルミネセンス材料」という用語は、複数の異なる無機ルミネセンス材料にも関連している。上記無機ルミネセンス材料は、特に有機ルミネセンス材料等のマトリクス中に埋め込まれたような光変換体により構成されていてもよいし、光変換体上の層のように光変換体の外部に存在していてもよいし、照明デバイスの他の場所に存在していてもよい。そのような構成の2つ以上の組み合わせも可能である(上記も参照されたい。)。従って、一実施形態では、量子ドットをベースとするルミネセンス材料のような無機ルミネセンス材料が、マトリクス内に埋め込まれている。
追加又は代替として、無機ルミネセンス材料は、量子ドット(QD)を有している。とりわけ、狭帯域エミッタの量子ドットは、この目的のために非常に好適である。量子ドットは、一般にわずか数ナノメートルの幅又は径を有する半導体材料の微小結晶である。入射光により励起されると、量子ドットは、結晶のサイズ及び材料により決定される色の光を発する。従って、ドットのサイズを適合させることにより特定の色の光が生成される。これは、量子ドットは狭帯域のエミッタであるので、量子ドットを用いることによって任意のスペクトルが得られることを意味する。
可視範囲において発光する最も知られている量子ドットは、硫化カドミウム(CdS)及び硫化亜鉛(ZnS)のようなシェルを有するセレン化カドミウム(CdSe)に基づくものである。リン化インジウム(InP)、硫化銅インジウム(CuInS2)及び/又は硫化銀インジウム(AgInS2)のようなカドミウムが含まれていない量子ドットも用いられ得る。量子ドットは、非常に狭い発光帯を示し、従って、飽和色を示す。更に、放出光は量子ドットのサイズを適合させることにより容易に変更され得る。
本明細書では光変換体ナノ粒子としても示される量子ドット又はルミネセンスナノ粒子は、例えば、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe及びHgZnSTeよりなる群から選択されるII-VI族化合物半導体量子ドットを有している。他の実施形態では、ルミネセンスナノ粒子は、例えば、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs,InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs及びInAlPAsよりなる群から選択されるIII-V族化合物半導体量子ドットを有している。更に他の実施形態では、ルミネセンスナノ粒子は、例えば、CuInS2、CuInSe2、CuGaS2、CuGaSe2、AgInS2、AgInSe2、AgGaS2及びAgGaSe2よりなる群から選択されるI-III-VI2黄銅鉱型半導体量子ドットである。更に他の実施形態では、ルミネセンスナノ粒子は、例えば、LiAsSe2、NaAsSe2及びKAsSe2よりなる群から選択されるようなI−V−VI2半導体量子ドットである。更に他の実施形態では、ルミネセンスナノ粒子は、例えば、SbTeのようなIV−VI族化合物半導体ナノ結晶である。特定の実施形態では、ルミネセンスナノ粒子は、InP、CuInS2、CuInSe2、CdTe、CdSe、CdSeTe、AgInS2及びAgInSe2よりなる群から選択される。更に他の実施形態では、ルミネセンスナノ粒子は、例えば、ZnSe:Mn、ZnS:Mnのような内部にドーパントを伴う上述した材料から選択されるII-VI族化合物、III-V族化合物I−III−V族化合物及びIV−VI族化合物半導体ナノ結晶の1つである。ドーパント元素は、Mn、Ag、Zn、Eu、S、P、Cu、Ce、Tb、Au、Pb、Tb、Sb、Sn及びTlから選択され得る。ここで、ルミネセンスナノ粒子をベースとするルミネセンス粒子は、CdSe及びZnSe:Mnのような種々のタイプのQDも有していてもよい。
II-VIの量子ドットを用いることは、特に有利であるように思われる。従って、一実施形態では、半導体を使用するルミネセンス量子ドットは、II-VIの量子ドット、特に、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe及びHgZnSTeよりなる群から選択されるII-VIの量子ドット、更に特には、CdS、CdSe、CdSe/CdS及びCdSe/CdS/ZnSよりなる群から選択されるII-VIの量子ドットを有している。
一実施形態では、Cdを含まないQDが適用される。特定の実施形態では、光変換体ナノ粒子は、III-VのQD、より具体的には、コアシェル型InP−ZnSQDのようなInPをベースとする量子ドットを有している。「InP量子ドット」又は「InPをベースとする量子ドット」という表現及び類似する表現は、「むき出しの(bare)」InPQDに関連するが、ドットインロッド方式のInP−ZnSQD等のコアシェル型InP−ZnSQDのようなInPコア上にシェルを有するコアシェル型InPQDにも関連することに注意されたい。
典型的なドットは、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、ヒ化インジウム及びリン化インジウムのような二元合金で作られている。しかしながら、ドットは、硫セレン化カドミウムのような三元合金から作られていてもよい。これらの量子ドットは、10ないし50原子の径で、量子ドットの体積内に100ないし100000個の原子を含むことができる。これは、約2ないし10ナノメートルに対応する。例えば、約3mmの径を有するCdSe、InP又はCuInSe2のような球形粒子が与えられる。(コーティングされていない)ルミネセンスナノ粒子は、10nm未満の一次元のサイズを有し、球、立方体、ロッド、ワイヤ、ディスク、マルチポッド等の形状を有している。例えば、20nmの長さ及び4nmの径のCdSeのナノロッドが与えられる。従って、一実施形態では、半導体をベースとするルミネセンス量子ドットは、コアシェル型量子ドットを有している。更に他の実施形態では、半導体をベースとするルミネセンス量子ドットは、ドットインロッド方式のナノ粒子を有している。異なるタイプの粒子の組み合わせも適用され得る。例えば、コアシェル型粒子とドットインロッド方式とが適用されてもよい及び/又はCdS及びCdSeのような上述したナノ粒子の2つ以上の組み合わせが適用されてもよい。ここでは、「異なる(種々の)タイプ」という表現は、異なる幾何学的形状及び異なるタイプの半導体ルミネセンス材料に関連している。従って、(上記の)量子ドット又はルミネセンスナノ粒子の2つ以上の組み合わせも適用され得る。
国際特許出願公開WO2011/031871公報から得られるような半導体ナノ結晶を製造する方法の一例は、コロイド成長法である。
一実施形態では、ナノ粒子は、第1の半導体材料を有するコアと第2の半導体材料を有するシェルとを有する半導体ナノ結晶を有し、シェルはコアの表面の少なくとも一部を覆って配される。コア及びシェルを含む半導体ナノ結晶は、「コア/シェル」半導体ナノ結晶とも呼ばれる。
例えば、半導体ナノ結晶は式MXを有するコアを含んでおり、式中、Mは、カドミウム、亜鉛、マグネシウム、水銀、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム又はそれらの混合物であり、Xは、酸素、硫黄、セレン、テルル、窒素、リン、ヒ素、アンチモン又はそれらの混合物である。半導体ナノ結晶のコアとして用いて好適な材料の例は、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、MgS、MgSe、GaAs、GaN、GaP、GaSe、GaSb、HgO、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InN、InP、InSb、AlAs、AlN、AlP、AlSb、TlN、TlP、TlAs、TlSb、PbO、PbS、PbSe、PbTe、Ge、Si、三元及び四元混合物又は合金を含む上述のいずれかを含む合金及び/又は上述のいずれかを含む混合物を含んでいるが、これらに限定されない。
シェルは、コアの組成と同じである又はコアの組成とは異なる組成を有する半導体材料である。シェルは、コアの半導体ナノ結晶の表面に半導体材料の保護膜を有しており、IV族元素、II-VI族化合物、II-V族化合物、III-VI族化合物、III-V族化合物、IV-VI族化合物、I-III-VI族化合物、II-IV-VI族化合物、II-IV-V族化合物、三元及び四元混合物又は合金を含む上述のいずれかを含む合金及び/又は上述のいずれかを含む混合物を含んでいる。例は、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、MgS、MgSe、GaAs、GaN、GaP、GaSe、GaSb、HgO、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InN、InP、InSb、AlAs、AlN、AlP、AlSb、TlN、TlP、TlAs、TlSb、PbO、PbS、PbSe、PbTe、Ge、Si、上述のいずれかを含む合金及び/又は上述のいずれかを含む混合物を含んでいるが、これらに限定されない。例えば、ZnS、ZnSe又はCdSの保護膜が、CdSe又はCdTe半導体ナノ結晶上に成長される。
半導体ナノ結晶の(コア)シェルの材料の例は、赤色(例えば、(CdSe)ZnS(コア)シェル)、緑色(例えば、(CdZnSe)CdZnS(コア)シェル等)及び青色(例えば、(CdS)CdZnS(コア)シェルを含んでいるが、これらに限定されない(例えば半導体に基づく特定の光変換体ナノ粒子の上記記載も更に参照されたい)。
従って、特定の実施形態では、上記光変換体ナノ結晶は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs及びInAlPAsの1つ以上を有するコア及びシェルを持つコア−シェル型ナノ粒子よりなる群から選択される。
一般に、上記コア及びシェルは、同じ類(class)の材料を有するが、本質的には、CdSeコアを取り巻くZnSシェル等のように異なる材料よりなっている。
上記第1の構成から第2の構成に切り換える際、所望の(予め決定された)色点に達するように色点を微調整する必要がある。これは、特に、第1及び第2の光源の1つ以上の強度を調整することにより行われる。例えば、青色の第1の光源及び赤色の第2の光源を仮定すると、赤色光源の強度が、両方の構成をBBLの近くに(及び互いの色点の近くに)維持するように調整される。従って、一実施形態では、上記第1の光源及び第2の光源の1つ以上は調整可能な光強度を有し、上記照明ユニットは、更に、調整可能な光強度を第1及び第2の構成の関数として有する第1の光源及び第2の光源の1つ以上の調整可能な光強度を制御する制御ユニットを有している。この制御ユニットは、例えば、予め決定された設定に基づく構成の関数として光源の1つ以上の光源光の強度を制御する。代替又は追加として、上記制御ユニットは、特に照明ユニット光を測定するように構成された光センサの光センサ信号の関数として光源の1つ以上の光源光の強度を制御する。光センサ信号に基づいて、制御ユニットは、(照明ユニット光の)色点を微調整し、オプションで(第1及び第2の光源の1つ以上の強度を制御することにより)CRI及び効率の1つ以上も微調整する。従って、一実施形態では、上記照明ユニットは、更に、光センサを有しており、制御ユニットは、調整可能な光強度を光センサのセンサ信号の関数として有する第1の光源及び第2の光源の1つ以上の調整可能な光強度を制御する。「光センサ」という用語は、複数の光センサのことも指す。光センサは、光の色点を測定するセンサ又はスペクトル光の分布を測定するセンサ等を含んでいる。
第1の構成及び第2の構成を得るために、複数の構成が可能である。隣同士の波長変換素子、一方が他方の下流にある波長変換素子等を考えることができる。特定の実施形態では、第1及び第2の構成は、第1の構成においては波長変換素子の一方を他方の前方に配することにより、第2の構成においては一方を他方の前方に置かないことにより得られる。後者の構成では、光源は、第1又は第2の波長変換素子とともに照明ユニット光を与える。従って、一実施形態では、移送インフラストラクチャは、第1の構成では第1の光源及び第2の光源の下流に第1の波長変換素子を配置し、第2の構成では第1の光源及び第2の光源の下流に(積層)構成で第1の波長変換素子及び第2の波長変換素子を配置する。しかしながら、オプションで先の実施形態と組み合わされ得る更に他の実施形態では、移送インフラストラクチャは、第1の構成では第1の光源及び第2の光源の下流に第1の波長変換素子を配置し、第2の構成では第1の光源及び第2の光源の下流に積層構成で第2の波長変換素子を配置する。
上記のように、照明ユニットは、2つ以上の光変換素子を有している。例えば、第1の光変換素子は、一実施形態においては光変換素子の積層体を有する。同様に、前の実施形態と組み合わされ得る他の実施形態では、第2の光変換素子が光変換素子の積層体を有する。
オプションで、積層構成においては、隣り合う変換素子間にゼロではない距離が存在してもよい。
代替又は追加として、2つの構成が可能であるだけではなく、2つよりも多い構成も照明デバイスにより与えられる。従って、一実施形態では、上記照明ユニットは複数の波長変換素子を有し、移送インフラストラクチャは、第1の光源、第2の光源及び複数の波長変換素子を、これらの1つ以上の移送により複数の構成で配置するように構成され、少なくとも第1の構成及び第2の構成では、照明ユニットは、実質的に同じ色点を有するが、異なる演色評価数を持つ照明ユニット光を与える。
上記照明ユニットは、全ての種類のアプリケーションに用いられ得る。例えば、上記照明ユニットは、スタジアムの照明、道路の照明、閃光のような屋外照明、自転車のランプ若しくは自動車の照明のような乗り物の照明又はリテール照明、オフィス照明若しくは家庭用照明等のような屋内照明に用いられる。従って、霧、霞、温度、雨、雪、暗い、明るい、太陽の高さ等の1つ以上のような(屋外の)パラメータを感知するセンサを含んでいることもまた有利である。従って、一実施形態では、照明ユニットは、更に、照明ユニットの外部の状態を感知するセンサを有し、照明ユニットは、更に、照明ユニット光をセンサのセンサ信号の関数として制御する制御ユニットを有する。
本発明は、また、街灯/照明器具又はスタジアムのランプ/照明器具のような本明細書において規定される照明ユニットを有する照明器具を提供する。照明ユニット又は照明器具は、例えば、制御可能な演色性を有する白色光を与えるために用いられる。照明ユニット又は照明器具は、例えば、効率を制御し、照明特性を要求の関数として適合させるために用いられる。特に、上記のように、照明ユニット又は照明器具は、例えば、屋外照明に用いられる。しかしながら、照明ユニットは、また、例えば、オフィス照明システム、家庭用応用システム、店の照明システム、家庭用照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバ応用システム、投射システム、自己発光表示システム、ピクセル化表示システム、セグメント化表示システム、警告標識システム、医療用照明応用システム、インジケータ標識システム、装飾照明システム、携帯型システム、自動車用途、温室照明システム、園芸照明又はLCDバックライティングの一部であってもよいし、それらに適用されてもよい。
「実質的に全ての光」又は「実質的に構成される」のような本明細書における「実質的に」という用語は、当業者には理解されるであろう。「実質的に」という用語は、「全部」、「完全に」、「全て」等を伴う具体例も含んでいる。従って、実施形態では、形容詞的な実質的には取り除かれ得る。適用可能である場合、「実質的に」という用語は、95%以上のような90%以上、特に99%以上、更に特には100%を含む99.5%以上に関係がある。「有する」という用語は、「有する」という用語が「から成る」を意味する具体例も含んでいる。「及び/又は」という用語は、特に、「及び/又は」の前後に述べたアイテムの1つ以上に関連している。例えば、「アイテム1及び/又はアイテム2」という表現及び同様の表現は、アイテム1及びアイテム2の1つ以上に関連する。「有している」という用語は、一形態では、「から成る」を意味するが、他の形態では、「少なくとも規定された種を含み、オプションで1つ以上の他の種を含む」ことも意味する。
更に、詳細な説明及び特許請求の範囲における第1、第2、第3等は、類似の構成要素を区別するために用いられており、必ずしも連続する順序又は発生順を説明するために用いられるものではない。そのように用いられている用語は適切な状況下において置き換え可能であり、本明細書で説明される本発明の実施形態は、本明細書中に説明されている又は示されている順序ではない他の順序で動作可能であることを理解されたい。
本明細書におけるデバイスは、とりわけ動作中について説明されている。当業者には明らかであるように、本発明は、動作の方法又は動作中のデバイスに限定されるものではない。
上述した実施形態は本発明を限定するものではではなく説明しており、当業者であれば添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多数の代替の実施形態を考案することができることに注意されたい。特許請求の範囲では、括弧内に配されたいかなる参照符号もが特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない。動詞「有する」及びその活用の使用は、特許請求の範囲において述べられている構成要素又はステップ以外の構成要素又はステップの存在を排除するものではない。構成要素の前に付された冠詞「a」又は「an」は、複数のそのような構成要素の存在を排除するものではない。本発明は、幾つかの別個の構成要素を有するハードウェア及び好適にプログラムされたコンピュータにより実現され得る。幾つかの手段を列挙しているデバイスの請求項では、これらの手段の幾つかがハードウェアの1つの同じアイテムにより具現化され得る。或る方策が互いに異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの方策の組み合わせが有利に用いられないことを示してはいない。
本発明は、更に、詳細な説明において説明される及び/又は添付の図面に示される特徴的なフィーチャの1つ以上を有するデバイスに当てはまる。本発明は、更に、詳細な説明において説明される及び/又は添付の図面に示される特徴的なフィーチャの1つ以上を有する方法又はプロセスに関連している。
この特許において論じられる種々の観点は、追加の利点を与えるために組み合わせられ得る。更に、上記フィーチャの幾つかは、1つ以上の分割出願の基礎を形成し得る。
本発明の実施形態が、添付の(模式)図を参照して単に例としてこれから説明される。各図において、対応する参照符号は対応する部分を示している。