JP2016508628A - 高反射ミラー用の改良された耐久性銀コーティングスタック - Google Patents

高反射ミラー用の改良された耐久性銀コーティングスタック Download PDF

Info

Publication number
JP2016508628A
JP2016508628A JP2015560264A JP2015560264A JP2016508628A JP 2016508628 A JP2016508628 A JP 2016508628A JP 2015560264 A JP2015560264 A JP 2015560264A JP 2015560264 A JP2015560264 A JP 2015560264A JP 2016508628 A JP2016508628 A JP 2016508628A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
thickness
range
group
interface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015560264A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6343291B2 (ja
Inventor
エス バロウ,ジェイソン
エス バロウ,ジェイソン
ジェイ ガリアルディ,フレデリック
ジェイ ガリアルディ,フレデリック
アレン ハート,ゲイリー
アレン ハート,ゲイリー
アール ソーシー,ティモシー
アール ソーシー,ティモシー
マーチャント ウォルトン,ロビン
マーチャント ウォルトン,ロビン
ジェラード ワンボルト,レオナード
ジェラード ワンボルト,レオナード
ワン,ジュエ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Corning Inc
Original Assignee
Corning Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Corning Inc filed Critical Corning Inc
Publication of JP2016508628A publication Critical patent/JP2016508628A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6343291B2 publication Critical patent/JP6343291B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/08Mirrors
    • G02B5/0816Multilayer mirrors, i.e. having two or more reflecting layers
    • G02B5/085Multilayer mirrors, i.e. having two or more reflecting layers at least one of the reflecting layers comprising metal
    • G02B5/0858Multilayer mirrors, i.e. having two or more reflecting layers at least one of the reflecting layers comprising metal the reflecting layers comprising a single metallic layer with one or more dielectric layers
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/14Protective coatings, e.g. hard coatings
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/08Mirrors
    • G02B5/0808Mirrors having a single reflecting layer
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/08Mirrors
    • G02B5/0816Multilayer mirrors, i.e. having two or more reflecting layers

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

本開示は、VIS−NIR−SWIR−MWIR−LWIR帯において反射性である高反射マルチバンドミラーであって、選択された基材上の複数の層からなる完全な薄膜スタックであるミラーに関する。基材から最終層までの順に、ミラーは、(a)基材、(b)バリア層、(c)第1界面層、(d)反射層、(e)第2界面層、(f)調整層および(g)保護層からなる。このマルチバンドミラーは、同様な用途向けに設計された、軽量金属基材、例えば6061−A1上の既存ミラーよりも耐久性がある。5層型のそれぞれにおいて、スタックの耐久性性能の向上を増大させる方法および材料が、所望の層特性を達成するように各層を処理するために用いられる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2013年2月28日出願の米国仮特許出願第61/770548号明細書の米国特許法第119条の下での優先権を主張する2013年3月15日出願の米国特許出願第13/834230号明細書の米国特許法第120条の下での優先権を主張するものであり、その内容は信頼され、その全体が参照により本明細書に援用される。
本開示は、高反射ミラー用の改良された耐久性の革新的銀(Enhanced,Durable Innovative Silver)含有(「EDIS」)コーティングスタックを、およびそのようなスタックの製造方法に関する。
情報−監視−偵察(ISR)検出器技術、例えば、波長検出範囲の増加、検出器フットプリントの減少およびピクセルサイズの低下は絶え間なく進歩しており、それらのすべてにより、システムサイズおよび重量を低減させることが可能となっている。これらの進歩は、具体的には高解像度可視帯(VIS、0.34μm〜約0.75μm)ならびに近赤外(NIR、0.75μm〜1.4μm)、短波長赤外(SWIR、1.4μm〜3μm)、中間波長赤外(MWIR、3μm〜8μm)、および長波長赤外(LWIR、8μm〜15μm)帯を含めて、ISRブロード−マルチバンド光学システムに対する需要の増加を生み出した。そのようなシステムの重要な構成部品は反射光学系であり、反射光学系は、システムがこのスペクトル性能を達成することを可能にする、銀コーティングをその上に有する。しかし、歴史的に見て銀コーティングは、経時的に「壊れる」または「腐食する」銀コーティングの傾向のためにシステムの故障の原因となっていた。それらが動作するであろう厳しい環境、特に熱い、湿ったそして塩を含有する環境のいくつかから将来システムを完全に保護することが可能ではない恐れがある。したがって、高耐久性の広帯域銀コーテッド光学系を有するシステムを所有することが望ましい。
薄膜コーテッド光学構成部品の耐久性性能を評価するために用いられるいくつかの試験手順がある。例としては、湿度、塩水噴霧、塩溶液、温度サイクリング、摩耗、および他の試験手順などへの暴露を含む試験を含む、MIL−C−48497、MIL−F−48616およびMIL−PRF−13830Bなどの軍規格文書が挙げられる。「24時間塩水噴霧」試験がこれらの試験のうち最も厳しい。現在のところ、24時間塩水噴霧試験に合格できる、特有の方法によって製造される、高反射ミラースタックを主張している2つのグループ(Denton Vacuum法(記載されていない)を用いるQuantum Coating Inc.および特許文献1に記載されている方法を用いるLawrence Livermore Laboratories)が存在するが、これらのスタックのどちらも、全体ISRスペクトル要件を満たさず、特にそれらは、LWIR範囲についてそれらを満たさない。Quantum/Denton銀コーティングは、両パーティによって「X−1銀」と呼ばれ;公表済み情報は、赤外外側からLWIR範囲へのより長い波長についての情報がこのコーティングについてまったく与えられていない状態で、0.4μm〜0.7μm範囲で性能を示している(非特許文献1)。この論文はまた、イオンビーム支援堆積および基材加熱の使用が性能をさらに向上させ得ることを示唆している。しかし、基材加熱は、ある金属基材、例えば6061−Al基材を使用するとき、温度が高すぎる場合に基材の機械的強度および耐腐食性が低下するので望ましくない。その結果として、基材温度は、6061−Al基材の熱処理(約415℃)および応力緩和(約350℃)温度よりも下に保たれることが好ましい。
米国特許第7,838,134号明細書
2000 Society of Vacuum,Coaters 505/856−7188;43rd Annual Technical Conference Proceedings(2000)ISSN 0737−5921
しかし、当該技術分野でなされた進歩にもかかわらず、波長範囲をLWIR中に盛り込む、銀ミラーの反射特性のさらなる進展、およびミラー耐久性が望ましい。
本開示は、VIS−NIR−SWIR−MWIR−LWIR帯において反射性である高反射マルチバンドミラーに関し、このミラーは、基材上の5つ(5)または6つの(6)タイプの層からなる完全薄膜スタックである。このマルチバンドミラーは、同様な用途向けに設計された、軽量金属基材、例えば6061−Al上の既存ミラーよりも耐久性である。層タイプのそれぞれにおいて、スタックの耐久性性能を高めることを目指す、方法および材料が、所望の層特性を達成するように各層を加工するために用いられる。任意の所与の層がスタック耐久性を向上させ得るが、本開示のミラーによって示されるより高い、向上したレベルの性能をもたらすのは、これらの5層タイプの組合せである。表1は、バリア層、第1界面層、反射層、第2界面層、調整層および保護層である、これらの6タイプの層を例示し、それらの特性を明示する。一実施形態では保護層および調整層は結合させることができる。マルチプル材料を、異なる層タイプのそれぞれに対して必要とされる特性を満たすために使用することができる。
このように、基材から最終層まで順に、ミラーは、(a)基材、(b)バリア層、(c)第1界面層、(d)反射層、(e)第2界面層、(f)調整層および(g)保護層からなる。いくつかの実施形態では調整層および保護層は、シングルコーティング材料を使用するシングル層へ結合させられる。
バリア層
バリア層の厚さは、100nm〜50μmの範囲にあり得る。一実施形態ではバリア層は、500nm〜10μmの範囲の厚さを有する。別の実施形態ではバリア層は、1μm〜5μmの範囲の厚さを有する。バリアの厚さを決定するための一判定基準は、物品が塩水噴霧試験に耐えなければならないであろう時間数である。塩水噴霧試験の継続時間が長ければ長いほど、バリア層は、腐食を防ぐためにより厚いものであるべきである。24時間の塩水噴霧試験のためには10μmのバリア層が十分であると分かっている。多くの用途では、バリア層が厚すぎる場合、それは、温度の変化とともに完成部品のひずみを引き起こすであろうが、典型的には動作温度は規格に与えられているので、バリア層の厚さは、ひずみを防ぐために調整することができる。バリア層および基材の熱膨張係数の差は、光学的な形状、屈折力および不規則性を引き起こしてΔT(温度の変化)を変えるであろう。いくつかの実施形態ではバリア層は、それが任意の高い、不規則な基材ピーク−バレー変動をカバーするまたは滑らかにするであろうように十分に厚い。そのような変動の平準化は、表面を研磨して表面品質を最適化するのに役立つ。表面品質は、全体表面上での接着を促進するのに、およびピーク−バレー変動によって生じ得る局在的な欠陥部位を最小限にするために重要である。
「接着層」としても知られる、第1および第2界面層
これらの層の厚さは、層のために使用される材料、層が第1接着層であるかそれとも接着剤層であるか、バックミラー表面とも呼ばれる、反射層がその上に堆積されている層、またはフロントミラー表面とも呼ばれる、反射層の表面上に堆積されている第2界面層もしくは接着層などの因子に依存する。Ni、CrおよびTi材料が界面層として使用されるとき、オングストローム「A」オーダーでの、材料の薄層が使用されるにすぎない。前面ミラーのためには、反射層の上の界面層、すなわち、第2界面層は、接着を促進するのに十分に厚いが、それが反射放射線のいずれも吸収しないように十分にまた薄い必要がある。一般に、バックミラー表面上の第1界面層の厚さは、2A〜250A(0.2nm〜25nm)の範囲にある。金属界面層、例えばNiおよびCrについて、厚さは、2A〜25A未満(0.2nm〜2.5nm未満)の範囲にある。一実施形態では金属第1界面層厚さは、2A〜10A(0.2nm〜1nm)の範囲にある。金属酸化物または硫化物、例えばAlまたはZnSが第1界面層として使用されるとき、厚さは25A超(2.5nm超)である。一実施形態では第1界面層は、金属酸化物または硫化物であり、厚さは、50A〜250A(5nm〜25nm)の範囲にある。別の実施形態では第1界面層厚さは、10nm〜20nmの範囲にある。
反射層の下に使用される界面−接着層、すなわち、第1界面層は、反射放射線の吸収などの光学的考察が考慮事項にならないように接着を促進するためのみに存在する。その結果として、第1界面層または接着層の厚さは、接着に基づいて決定され、光学的考察には基づかない。結果として第1界面層は、接着を提供するための最小厚さを有し得るが、吸収も光学的懸念もまったくないので最大厚さではまったくあり得ない。しかし、第2界面層の厚さは、反射損失が最小限にされるように注意深く制御されなければならない。第2界面層について厚さは、5nm〜20nmの範囲にある。ある実施形態では第2界面層の厚さは、8nm〜15nmの範囲にある。反射物品が9.5μm〜15μmの波長範囲での使用向けである別の実施形態では、第2界面層の厚さは、最終反射物品の反射率を最大限にするために8μm〜12μmの範囲にある。
反射層
反射金属層について厚さは、最適反射特性を提供するのに十分でなければならない。反射層が薄すぎる場合には、膜は、連続ではなくおよび/または伝達性ではなく、それが厚すぎる場合には、これは耐久性懸念を生み出し得る。反射層の厚さは、75nm〜350nmの範囲にある。ある実施形態では反射層の厚さは、80nm〜150nmの範囲にある。別の実施形態では反射層の厚さは、90nm〜120nmの範囲にある。
反射材料としてAgを使用することに加えて、他の材料、例えばAu、Al、Rh、Cu、PtおよびNiを、改良された耐久性の、化学的および機械的性能を提供するために、しかしスペクトル範囲および反射強度の変化ありで、反射層として使用することができる。
調整および保護層
これらの層の厚さは、要求される試験、例えば、塩水噴霧および湿度試験に合格するために必要な保護を同時に最適化しながら、要求スペクトル性能を達成するために必要な最適化に依存する。これらの層の厚さは、用途および使用される材料に依存して著しく変わり得る。
本スキームおよび材料を用いて調製される、そして表1に記載されるような反射層としてAgを有するミラーは、以下の利点1〜5を有するであろう。
1.それは、0〜45度、いくつかの場合には45度超の入射角(AOI)について、すべての所望の波長帯、VIS−NIR−SWIR−MWIR−LWIRにおいて高反射性規格を満たすであろう。本明細書で記載されるようなAgミラーを調製するために使用される材料および厚さは、LWIR領域で最小吸収をもたらしているが、他のスタックおよび先行技術は、この範囲で吸収問題を有する。本開示で調整層として使用される材料としては、定義されるLWIR帯、8μm〜15μmで吸収帯をまったく持たないYbF、YF、ZnS、Bi、GdFが挙げられる。
2.YbFおよびYFは、塩水噴霧環境に対する高い耐性を実証しており、規格中程度摩耗試験(moderate abrasion test)に合格し、したがってそれらは保護キャップ層として使用することができる代わりの材料である。
3.界面−接着層として使用される、Al、Bi、ZnSおよびTiO透明材料は、前端界面上でより厚いものであり得る;したがって、CrもしくはNi、または関連合金の超薄層と比較して堆積プロセス中に層終結を制御することがより容易である。これらの材料、Al、ZnSおよびTiOは、この目的のために典型的に使用される金属、例えば、NiおよびCrと比較してすべての帯において吸収がかなり少ない。
4.厚いバリア層は、塩水噴霧および長時間湿度環境に対する増加した全体スタック耐性を有する。この耐性を達成するのに成功裡に使用される材料は、Si、SiO、Si、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、TiO、CrN、Si、TiAlNもしくはTiAlSiNまたは類似の複合膜である。さらに、ガルバニック適合性を最適化するために必要とされる場合には、任意選択の多層バリアを配置構成し、より厚い導電性層、例えば、SiO−CrNを添加して金属/基材表面で非導電性層として適用することができよう。例えば、CrNは、アルカリおよび低い応力へのその耐性、ならびに堆積プロセスの容易さ(制御および堆積速度)のために非常に良好なバリア層であるが、CrNとAlまたは金属合金とのガルバニック適合性は、それが導電性であるので最適ではない。高い固有応力を有する、SiOまたはSiのようなより薄い誘電層を使用すると、CrNを金属基材から孤立させ、こうして最適ガルバニック適合性を生み出すであろう。さらに、最小応力を有するように異なる材料の組合せをまた設計し、使用して「バリアスタック」を生み出すことができる。例えば、高引張応力膜層と積み重ねられた高圧縮応力膜層は、互いにキャンセルしてゼロまたは最小応力という結果となるであろう。
5.薄いバリア層とともに6061−Alダイヤモンド施削基材の上の厚いAl層は、塩水噴霧および長時間湿度環境に対する全体スタック耐性を増加させた。さらに、6061−Al基材の上に堆積されたAl層は、それ自体でバリア層であると、またはバリアスタックの第1層であると見なすことができる。さらに、これらの厚い層は、追加層の堆積前に研磨することができる。この研磨は、裸の6061−Al基材で達成することができない向上した表面品質をもたらすであろう。この目的のための厚いSiO層の使用は公知である(米国特許第6,921,177号明細書)。
上述のように、他の反射金属を使用して調製されたミラーは、スペクトル範囲および反射強度の変化があるが、同様の利点を有するであろう。
バリア層、第1および第2界面層、銀層および調整層はそれぞれ、独立して、イオン支援を用いて堆積させることができる。いくつかの実施形態ではイオン支援は、用いられないかまたは堆積プロセスのほんの一部のために用いられる。本明細書で開示されるすべての実施形態において保護層は、イオン支援を用いて堆積される。しかし、これらの材料はまた、他のプロセスが所望の特性について最適化されるだろうという条件付きで、他のプロセスを用いて堆積させることができ、そして0.34μm〜15μm波長範囲にわたってうまく機能するであろうことが認められる。的確な条件下でのイオン支援は、化学量論および密度およびたぶん構造を最適化する。例として、表2は、本明細書で記載される0.34μm〜15μm波長範囲特性を有するミラーを調製するために用いられたいくつかの異なる技術を記載する。選択された技術は、使用中の材料および達成されるべきである目標に依存した。
同じ構造を有するがIADの使用なしで調製されたミラーと比較して2時間塩水噴霧(SF)試験前後の両方の基材/CrN/Agミラーの性能へのAg層のイオン支援堆積(IAD)の影響を例示するグラフである。 銀コーティングがIAD支援なしで堆積されたミラーの塩水噴霧への2時間暴露後の、表面劣化、矢印18で示されるダークスポットを例示する光学顕微鏡画像(倍率374×)である。 銀コーティングがIAD支援ありで堆積されたミラーの塩水噴霧への2時間暴露後の、表面劣化、矢印18で示されるダークスポットを例示する光学顕微鏡画像(倍率374×)であり、劣化は、銀層の堆積中にイオン支援を用いる結果としての図1Bのものと比べて遅くされている。 0、4、6または10時間の塩水噴霧(SF)暴露後のAg/Cr/SiおよびAg/Ni/Siミラーの反射率対波長のグラフであり;数字20および22は、それぞれ、0および4時間SF暴露後のCr含有ミラーであり、数字24、26および28は、0、6および10時間SF暴露後のNi含有ミラーである。 ガラス基材上のコーティングの制御スタックへのガルバニック電位差の影響を例示するミラーの写真であり、スタックは、それぞれ、4時間および5時間塩水噴霧暴露後のAg/Cr/Si(上方の写真)およびAg/Ni/Si(下方の写真)である。 100nm超厚さのAlについておおよそ10.7μmでのAl−O吸収帯を例示するグラフである。 100nm未満厚さであるSiおよびAl薄膜に関して、それぞれ、おおよそ9.1μmおよび10.7μmでのSi−NおよびAl−O吸収帯のグラフである。 Siの薄いシングル保護層が、Ag層をカバーするAl第2界面層の上に置かれるときの反射性の低下を例示する部分スタックのグラフであり、このグラフは、0.5μm〜0.8μmのみならず、1.6μmまでにも反射性の低下を示す。これは、分散特性の吸収部分(k)によるものではなく、屈折率nによるものであり、これら屈折率をスタック設計においてマッチさせる。図5Bは、理論的スタックを例示し、どれほど材料の調整が反射性に影響を及ぼすかを示すグラフである。 図5AにおけるようなAg層の上にある、Al第2界面層のSi上部だけを有する代わりに、図5Bは、Al層の上に置かれた、図5AのシングルSi層の代わりに、Si−SiO−Siからなる3部コーティングを有しており、保護層が反射コーティングを保護し、それをより耐久性にするようにのみならず、所望の波長帯の反射性を最適化するまたは高めるようにも設計されなければならないことを例示している。 これらの材料のコーティング厚さがAg層の上で100nm超であるときにAg(唯一)、ならびにAg−NbおよびAgYFについての吸収帯を例示するグラフである。 LWIR帯における吸収を最小限にするためのNb層への調整を施した、反射層からVIS−SWIR−MWIR−LWIR帯性能のために設計されたAg−Al−YbF−Nb−YbFからなる最終層までを有する実際のスタックの光学性能を例示するグラフであり;Pol−Alは、「研磨6061−Al合金」を意味する。 LWIR帯における吸収を最小限にするためのNb層への調整を施した、反射層からVIS−SWIR−MWIR−LWIR帯性能のために設計されたAg−Al−YbF−Nb−YbFからなる最終層までを有する実際のスタックの光学性能を例示するグラフであり;Pol−Alは、「研磨6061−Al合金」を意味する。 Ag層からAg−Al−YbF−Nb−YbFからなる最終層まで、および基材が6061−Alである、図7は、所望のMWIRおよびLWIR帯において、高屈折率材料、例えばYFの使用がより高い%R性能をもたらすことを例示する反射率対波長のグラフである。 測定できる性能の変化が塩水噴霧後にまったくなかったことを示す塩水噴霧への23時間超暴露後のバリア層を有するEDISコーティングを有する、ミラー、溶融シリカ基材のグラフおよびイラストを提供し;構造は、基材Sから上部層Tまで、溶融シリカ、SiまたはCrN、Al、Ag、Al、YbF、Nb、YbFである。 塩水噴霧への23時間超暴露後のEDISコーティングおよび厚いバリア層を有する、ミラー、6061−Al基材のグラフおよびイラストを提供し;グラフは、規格外Δ形状およびΔ温度性能を引き起こす可能性があることを例示し;構造は、基材Sから上部層Tまで、6061−Al、超厚Niバリア、Al、Ag、Al、YbF、Nb、YbFである。 6時間塩水噴霧試験後のミラーが薄いバリア層を有することを除いて図8Bのそれに似たミラーのイラストであり;ミラーは、水平矢印の左側に傷および垂直矢印のポイントでスポットを示す。 120時間の湿度暴露Mil−C−48497(3.4.1.2)、中程度摩耗Mil−C−48497(3.4.1.3)および接着試験Mil−C−48497(3.4.1.1)への暴露後にすべての試験に合格した施削6061アルミニウム上に形成された完成スタックについてのミラーイラストおよび%R対波長のグラフである。 コーティング前のダイヤモンド施削および研磨6061−Alの表面上の沈澱物ピークまたはノジュールを示す干渉計結果であり;EDSを用いて特徴づけられる、6061−Al合金中の不純物であると特定される。これらの大きい沈澱物は、60A rms未満の表面仕上げを得ることを困難にする非均質表面を生み出し、最良結果は、苦労して得られた、約30A rmsである。 基材10、基材10上のバリア層12、バリア層12の上の第1界面層14、第1界面層14の上の反射層16、反射層16の上の第2界面層18、第2界面層18の上の少なくとも1つの調整層20、および調整層20の上の少なくとも1つの保護層22を含む本明細書で開示されるミラーの略図である。 基材10、基材10上のバリア層12、バリア層12の上の第1界面層14、第1界面層14の上の反射層16、反射層16の上の第2界面層18、ならびに第2界面層18の上の結合した調整層20および保護層22である層24を含む本明細書で開示されるミラーの略図である。
本明細書で用語「高反射率」は、0.4μm〜15μmの波長範囲にわたって少なくとも95%の少なくとも反射性の反射率を意味する。また本明細書で語句「塩水噴霧」は「SF」と略記される。6061−Alアルミニウム基材、または他の金属基材は、任意のコーティング材料の適用前にダイヤモンド施削され、研磨される。ガラス、ガラス−セラミックまたはセラミック基材は、任意のコーティングの適用前に研削され、粗研磨され、研磨される。省略形「AOI」は、「入射角」を意味し、度単位にあり、用語「pol」は、「研磨アルミニウム基材」を意味する。本明細書で記載されるプロセスでは基材温度は、コーティング材料の堆積中に最低限にされることが望ましい。6061−Al基材が使用されるとき、温度は、それぞれ、415℃および350℃である、6061−Alの熱処理および応力緩和温度よりも下であるべきである。
反射層:
マルチバンド反射要件のために、可視(VIS)〜長波赤外(LWIR)、0.40μm〜15μmにわたって、銀の薄膜層が反射層のために使用される。銀は、この全体波長範囲にわたって最大反射性、最低分極分裂、および最低放射率を有することが知られている。
次の特性は、多くのマルチバンド画像形成システムに共通している。
(1)銀層は、最適反射性を得るために最小厚さを持たなければならない。文献には、厚さは、銀を堆積させるために用いられるプロセスに依存して、約150nmであることが示唆されている。例えば、135nm〜175nmの範囲の銀層厚さ。
(2)銀層を堆積させるために用いられるプロセスは、銀層の耐久性に影響を及ぼす。
(3)図1A〜1Cは、どれほど銀のイオン支援堆積(IAD)がその化学的耐久性を向上させるかを例示する。たぶん、衝撃のために使用されたガス原子の捕捉による、いくらかの反射損失があり、先行試験IADスキャンの400nm範囲で見られることが指摘された。
図1A〜1C(2時間暴露後の塩水噴霧結果)において、基材は、ガラスの上にCrNバリア層を有し、そして銀層がバリア層の上に堆積されたシリカガラスであった。コーティング層は、銀層の上にまったく適用されなかった。数字10は、銀層がイオン支援なしでバリア層の上に堆積され、そして反射率が堆積後に、しかし塩水噴霧試験前に測定された物品を示す。数字12は、それが2時間塩水噴霧に曝された後の数字10の物品を示す。数字14は、銀がイオン支援ありでバリア層の上に堆積され、そして反射率が堆積後に、しかし塩水噴霧試験前に測定された物品を表す。数字16は、それが2時間塩水噴霧に曝された後の数字14の物品を表す。グラフは、イオン支援なしで銀コーティングの反射性が、たった2時間の塩水噴霧試験後に、イオン支援堆積のコーティングよりもはるかにより速く劣化することを明らかに示す。374×光学倍率で撮られた、図1Bにおいて、矢印で示されるダーク「スポット」は、銀コーティング表面上で起こってしまった腐食である。図1Cにおいて腐食スポットは、はるかにより少なく、存在するものは、はるかにより小さく、それは、銀反射層の堆積中のイオン支援の明らかな利点を示す。
バリア層
6061−Alがこれらの出願に使用される基材材料であるので(他の軽量の、ダイヤモンド機械加工された合金、シリカ、溶融シリカおよびF−ドープ溶融シリカもまた使用することができるが)、バリア層が、ガルバニック適合性を生み出すために、銀層と基材、または前述の複数の基材、1つの基材のいずれかの上に堆積されたAl層との間に使用されなければならない。熱いおよび湿ったならびに/または塩を含有するなどの厳しい環境に曝されることが予期されるシステムについては、似ていない金属は、それらが0.25vのガルバニック電位差を超える場合(塩なしの高い湿った環境中ではこの電位差は0.45V超であり得る)迅速な腐食のために接合されるまたは結合されるべきではない。6061−Alは、銀、カソード材料が0.15vの電位を有するのに対して、0.75vの電位差をもたらす、0.90vの電位を持ったアノード材料と考えられる。バリア材料としてのAlへのインターフェース連結アノード金属、例えばカドミウム、鉄、および炭素は、0.25v未満の低い電位差をもたらす。ガルバニック電位差は、スズについては0.25V超、クロムについては0.33v、亜鉛については0.33v、ニッケルについては0.63v、マグネシウムについては0.83vである。我々はまた、金属バリア層の代わりにTiAlN(それは、Ti−Al比に依存して金属のようにまたは誘電体のように挙動するために製造することができる)、ならびにダイヤモンドライクカーボン(DLC)、Al、Si、Si、SiO、およびTiOなどの非金属コーティングを効果的に使用してきた。CrNを使用して成功した例があるが、そのガルバニック適合性はボーダーラインであるので、意図される用途を考慮して注意を払わなければならない。
6061−Alの表面品質はまた重要な役割を演じる。大きい沈澱物部位は、6061−Al中の「不純物」によって形成され、それらのいくつかは、強度特性についての材料規格を満たすために必要とされる材料の制御された添加に由来し、他の不純物は単に汚染物質である。大きい沈澱物は、滑らかな表面、30Å rms未満を達成するのを困難にし、高いピークまたはノジュールのいくつかは、基材とコーティングスタック(銀層、または銀層が異なってカバーする)との間に不十分な接着(または応力もしくは空隙によるクラッキング)をもたらし得、完成ミラーが塩水噴霧および長期湿度条件の両方を用いる環境試験に曝されるとすぐに欠陥をもたらす。この条件をやりくりするためのアプローチは、これらの部位一面を有効にコートすることをもたらす非常に厚いバリア層を堆積させることである。任意の材料でコートされる前の6061−Al基材の仕上げ面を例示する、図9は、これらのノジュールの存在を示す。バリア層材料は、Si、Si、SiO、TiAlN、TiAlSiN、TiO、SiおよびDLC、ならびにさらにAlまたはAlからなる群から選択される。
6061−Al上の大きい沈澱物のこれらの存在は非均質な表面を生み出し、それは、60A rms未満の表面仕上げを得ることを困難にし、最良の結果は、苦労して得られた、約30A rmsである。ノジュールの存在は、なぜバリアの存在が反射性を向上させるために働くかを例示するのに役立つ。いかなる特定の理論にも制約されることなく、これらの厳しい環境に曝されたときに、ノジュールは局部的な腐食が起こる欠陥部位となり得ると考えられる。それらは、不十分な接着をもたらし得、その結果コーティングは、エリアを露出するかまたは腐食用の通路を生み出す部位で、ひびが入るかまたははがれ落ちる。十分に厚いバリア層は、この粗い表面を滑らかにし、全体表面にわたって良好に接着した連続膜を生み出すことができる。このバリア層表面が十分に厚い場合には、追加コーティング層の配置前に層を研磨すると、5A〜15Aのおおよその範囲のより良好な表面仕上げをもたらすであろう。
バリアコーティングの厚さは、10nm〜100μmの範囲にあり得る。ノジュールまたは他の表面欠陥が基材上に存在し、かつ除去できないとき、バリアコーティングは、この範囲のより高い端にあり、ノジュールをカバーするのに十分でなければならない。基材がノジュールを実質的に含まない場合には、バリアコーティングは、この範囲のより低い端であり得る。さらに、バリア層の堆積中のイオン支援の使用は、バリアコーティングの密度を高くし、滑らかな表面を提供するのに役立つであろう。
第1および第2界面
銀および金は、チタン、アルミニウム、クロム、およびニッケルのような他の金属と比較してかなりより低い酸化物形成エネルギーを有し、このために銀および金は、多くの材料にうまく接着しない。CrおよびNi、またはこれらの金属の合金の超薄膜は、AgまたはAuとCrまたはNiとの間の金属結合強度と併せて、Ag(または金)との金属−金属拡散のために銀用の優れた接着促進層であることがしばらくの間知られてきた。本明細書で開示されるミラーが曝されるであろう環境のために、ガルバニック適合性は決定的に重要であり、それ故界面材料を選択するときに考慮されなければならない。銀−Crおよび銀−Niの界面でのガルバニック電位差は、それぞれ、0.45vおよび0.15vである。図2Bは、それが塩水噴霧環境に曝されるときにコーティングスタックの性能にガルバニック電位差が有する重要な役割を例示する。ニッケルまたはAlが、2つの材料が適合性であるので、バリア層と銀層との間の第1界面層として使用されてきた。
Alは、ある種の金属用の接着促進材料であり、W.Zhang and J.R.Smith,Nonstoichiometric interfaces and Al adhesion with Al and Ag,Physical Review Letters,Vol85,No15,October 9,2000,pages3225−3228;Jiwei Feng et al.,Ab initio study of Ag/Al and Au/Al interfaces,Physical Review B,72,115423,September 21 2005は、Ag−AlおよびAl−Al非化学量論的界面、ならびにどれほどそれらが接着に影響を及ぼすかを研究している。これらの論文は、界面での化学量論からのAlのずれが、Ag金属かAl金属か(それらの酸化物のために選択された2つの金属)のいずれかとの接着に著しく影響を及ぼし、生成熱は、範囲の反対端であることを示している。「Low Pressure Reactive Magnetron sputtering apparatus and method」という表題のM.A.Scobey,米国特許第5,851,365号明細書は、Al−Agと、Al−Alとの間の最適接着を生成する、2つのタイプの堆積法:イオン支援堆積(IAD)およびe−ビーム堆積と、低圧反応性マグネトロンスパッタリング法とについての条件を記載している。第1界面が、基材とAg層との間の、反射層の背面上にあるために、厚さのその上方限界は、吸収によって制限されないが、応力考慮事項について監視されるべきである。反射層の前側上の、Ag層の上に堆積された層である、第2界面層、およびこの界面層の厚さは、Agへの最適接着を得ながらLWIR帯におけるその吸収帯を最小限にするために制限されなければならない。この吸収帯は、おおよそ10.7μmでの谷として現れる図3に例示されている。ZnSは、ガルバニック適合性問題を回避する、接着層として使用することができる追加の非導電性材料である。例えば、ZnSは、例えば、金界面Au−ZnS−YbFまたはAg−ZnS−YbFでの成功した界面材料であることが分かっている。
保護層および調整層
銀は、雰囲気中に存在し得る様々な物質、例えば塩、酸、および硫黄化合物と反応し得る。よく知られている例は、Agと硫黄含有化合物との反応による黒色硫化銀(AgS)の形成である銀変色ならびにAgと、その最も一般的なものがたぶんNaClおよびHClである、雰囲気中のハロゲン含有物質との反応から生じる銀腐食である。腐食および変色は両方とも、雰囲気中の湿気およびオゾンの存在によって加速され得る。
銀のVickers硬度(HV)は、ダイヤモンドが10,000HVの値を有するHVスペクトルの他端と比較して低い、100HV(電気堆積された)である。他の材料と比較して銀の相対的な柔らかさの結果として、システムアセンブリ用の銀コーテッド光学系の取扱い、またはミラーを含む光学系のクリーニングは多くの場合、銀表面の損傷をもたらすであろう。結果として保護層が、銀表面を損傷するのを最小限にするために必要とされる。保護層は、(1)光学系の表面から銀および界面層への通路がまったく提供されないように十分に稠密である、(2)アルカリ性および酸性環境で不溶性である、(3)引っ掻き抵抗性を提供するために機械的に硬質である、ならびに(4)(a)興味のある全体波長範囲(現場合には0.34μm〜15μm)の全体にわたって最小吸収だけか、(b)0.34μm〜15μm波長範囲にわたってゼロ吸収かかのいずれかを有するべきである。窒化ケイ素(Si)は、そのアルカリ拡散性、アルカリ溶液への溶解性についておよびその機械的硬度特性について試験され、非常に耐久性の、化学的に耐性のあるコーティングを提供することが分かった。しかし、この材料は不幸にも、おおよそ9.1μmに吸収帯を有することが分かったが;Si層が十分薄い場合には、それを使用することができる。正確な厚さは、帯範囲についてのシステムの処理能力に依存する。いくつかの用途向けには、この帯は、まったく興味のないものであり、したがって厚さは重要性が限定される。
超薄界面層と一緒にシングル保護層は、図5A−Bで観察されたように、VIS範囲からSWIR帯までにおいてスタック反射性能を低下させる。本明細書で開示されるミラーの異なる用途は、定義された波長領域において反射を最適化するために調整層の適用を必要とするので、これらの調整層は、保護層のそれに似た特性を有する必要があるが、いくつかの最小限の妥協を、これらの材料の耐久性において行うことができる。所望の反射率帯向けに調整するために、調整層の厚さは、変えなければならないであろうし、低い、中位のおよび/または高い屈折率材料の組合せが使用される。調整層の厚さは、75nm〜300nmの範囲にある。保護層は、調整層の上に適用され、60nm〜200nmの範囲の厚さを有し、調整層のそれに適合する屈折率を有する。
Corningは、薄膜堆積法、例えば米国特許第7,242,843号明細書に記載されている方法を開発しており、この方法は、その両方が低屈折率材料である、フッ化イッテルビウム(YbF、n=約1.5)およびフッ化イットリウム(YF、n=約1.5)を堆積させるために用いることができる。この方法が、高反射銀ミラーをコートするために用いられるとき、結果として生じるミラーは、軍規格中程度摩耗試験手順を満たす引っ掻き抵抗性(銀層を保護するのに役立つであろう特性)をまた提供しながらアルカリ溶液に高耐性である。低屈折率材料は、高屈折率材料、例えば、五酸化ニオブ(Nb、n=2.32)および硫化亜鉛(ZnS、n=2.36)との組合せで使用された。図6Aは、3μm〜19μmの波長範囲にわたって(a)Ag(唯一)、(b)Ag−Nbおよび(c)Ag−YbFコーティングの反射率を示す。図6AにおいてAg(唯一)膜は、おおよそ18.6μmでの小さい低下を除いて、グラフの波長範囲(3μm〜19μm)にわたって少なくとも98%の反射性を有し、3μm〜おおよそ17μmの波長範囲にわたって実質的に99%反射性である。Ag−Nbコーティングは、反射性が10μm〜13μmのおおよその波長範囲にわたって96%よりも下に下がる状態でNb−O吸収を示す。Ag−YbFコーティングは、3μm〜16.5μmの波長範囲で98%超の反射性でYb−F吸収を示す。すべての3つのコーティングについての反射率は、AOI=45°で測定された。
例示的な低屈折率フッ化物材料としてYbFを使用して、YbF−Nb−YbFのコーティング組合せが、VIS範囲(0.34μm〜0.75μm)における、およびまた3μm〜11.3μmのMWIR−LWIR範囲での高反射性のために調整された。図6B(バリア層を有する6061−Al上のAg−Al−YbF−Nb−YbF)は、0.4μm〜1.7μmのVIS−SWIR範囲で45°のAOIで測定されるときに、コーティングが96%超の反射性を有し、AOI 12°で測定されるときに反射性は実質的に97%であることを示す。図6C(バリア層を有する6061−Al上のAg−Al−YbF−Nb−YbF)は、4μm〜15μmのMWIR−LWIR範囲で(a)AOI 12°で、反射性は波長範囲にわたって実質的に99%であり、(b)AOI 45°で波長範囲にわたって96%超であり、3μm〜15μmの実質的に全体範囲にわたって98.5%超であったことを示す。酸素がYbF材料の堆積中に使用されるとき、堆積層は、本明細書ではYbとして示されるイッテルビウムオキシフルオリド材料になり、この層の厚さは、YbFについてのそれと同じ範囲にある。酸素が存在しないとき、YbF材料はYbFとして堆積する。
調整層および保護層はまた、Ybであるシングル材料を使用してシングル層へ結合させることができる。シングル調整/保護層のみが使用されるとき、この層の厚さは、150nm〜350nmの範囲にある。
組合せYbF(低屈折率)およびZnS(高屈折率)は所望の波長範囲全体にわたって最小限の吸収を提供することが分かった。図7は、前述のスタックの下に横たわるバリア層および第1界面層を有する6061−Al基材上のコーティングのAg−Al−YbF−ZnS−YbFスタックの反射率対波長のグラフである。このグラフは、Al界面層からのおおよそ11μmでのLWIR吸収を示す。最適接着を達成するために必要とされる最小Al厚さは、観察可能な吸収谷を依然としてもたらすが、反射率は谷の場所で依然として97%超である。
保護層として有用であると分かった材料は、YbF、YF、およびSiである。YbFおよびYF(両方とも低屈折率、n=約1.5)、GdF(VIS範囲で中位の屈折率、n=約1.6)、ならびにZnSおよびBi(両方とも高屈折率、それぞれ、n=2.36および2.5)は、調整のために使用することができ、かつLWIRを含むすべての帯において最小吸収を有する材料である。さらに、Si(中位屈折率、n=約2)、ならびにNb、TiOおよびTa(全3つ高屈折率、それぞれ、n=2.336、2.5および2.0超)は、調整層材料として使用することができるが、それらのLWIR吸収帯は、ミラーが用いられるであろう用途を考慮して考えられる必要がある。
層の結合、ならびに耐久性およびスペクトル性能についての試験
異なる組合せを、様々な軍規格環境試験を満たすために用いることができる。成功裡に合格するのに最も困難な試験は、24時間塩水噴霧試験である。図6Aおよび6Bのために使用されたコーティングスタックは、溶融シリカ基材およびダイヤモンド施削6061−Al基材の両方上に堆積されたし、試験結果は、Mil−C−48497規格に従っておおよそ98%の相対湿度(RH)で(それぞれ)23時間超塩水噴霧試験および120時間湿度試験後に図8A(シリカ基材)および8D(6061−Al基材)に示される。測定可能な変化は、両試験(塩水噴霧および湿度)に関してスペクトル性能についてまったく検出されなかった。このように、図8Aは、溶融シリカ基材上のコーティングスタックが、Mil−C−48497規格に従って塩水噴霧への23時間超暴露に合格することをもたらした、したがってこの規格を満たすことを示す。図8Dにおいて、図8Aについて使用された同一のスタックおよびバリア層が6061−Al基材上に堆積され、結果として生じるミラーは、同じMil−C−48497規格に従って120時間の湿度に曝され、同様に規格に合格した。
図8Bおよび8Cは、コーティングスタックが6061−Al上に堆積され、結果として生じるミラーが塩水噴霧環境に曝されるときにバリア層の役割を例示する。塩水噴霧試験に対するスタック耐破壊性は、薄いバリア層について低く、バリア層がより厚くなるとともに増加する。厚いバリア層を有する、図8Bのミラーは、塩水噴霧試験に合格したのに対して、薄いバリア層を有する、図8Cのミラーは、図中の矢印で指摘される欠陥を発現させた。上に示されたように、Si、SiO、DLC、およびCrNなどの、異なる材料をバリア層のために使用することができる。これらの材料は、IAD e−ビーム、低圧DCマグネトロンスパッタリング(米国特許第5,851,365号明細書、Corning Incorporated)、CVD、ゾル−ゲル、および金属めっきを含んでいる、異なるプロセスを用いて堆積させることができる。傷は、塩水噴霧試験後に図8Bミラー上でまったく観察されなかった。Niは、6061−Al基材上に無電解めっきによって堆積させた。温度変化に関するコーテッドミラーの性能に関して、これは特に、基材およびバリア層の両方のCTEに関係している。この2つ間の差は、温度の変化とともに光学系へのひずみまたは形状の変化を引き起こすであろう。バリア層が厚ければ厚いほど、形状の変化はより多く、そして基材およびバリア層のCTEの差が大きければ大きいほど、形状変化の増加はより多い。その結果として、Δ−形状およびΔ−温度を最小限にするためにCTEおよび厚さをデザイン−インすることが必要である。図8Cは、ミラーが薄いバリア層を有し、そして6時間塩水噴霧試験後であることを除いて図8Bのそれに似たミラーのイラストであり、ミラーは、矢印の左側に欠陥/傷を示す。
スタックを堆積させるためのプロセス考慮事項は、考慮に入れなければならないし、これらの考慮事項は、材料および界面依存性である。イオンビーム衝撃が堆積中に用いられる。イオンエネルギーおよび密度は、膜の密度を高くするが膜を損傷しないように適切に調整されなければならない。Ar、N、Oのガス比は、Oが(a)Ag層またはその後の第2界面層の堆積中に使用されないか、(b)Ag層の堆積中に使用されず、そして第2界面層の堆積の開始時に使用されないが、非常に薄い、3〜5nmの第2界面層がAg層に適用されてしまった後に第2界面層の堆積プロセス中へ添加されるかのいずれかであるべきであるという警告付きで、所望の化学量論を制御するために調整される。本目的は、Alの実質的にすべてを化学量論的なまたはほぼ化学量論的なAl:O比に維持しながら、Al堆積前に過剰のOに銀表面を曝さない間に第2界面層、例えばAlなどの酸化物を銀層に接着させることである。下記は、スタックのために用いられるプロセス判定基準である。
1.Alがバリア層として使用される場合には、Ar−Oガスのその初期分圧は、Al−Al界面での接着を最適化するのに必要とされる所望のAlxOy化学量論を生み出すために調整されなければならない。Al−Ag界面分圧は、最適接着を達成するためのAl−Al界面とは異なるので、このプロセスは、このバリア層の端に向かって調整されなければならない。Al界面かAg界面かのいずれかで最適接着のために必要とされるAl化学量論は、上の参考文献4および5において考察されている。それらの分圧またはガス流比は、堆積速度、ポンプ送液速度および堆積容積に依存するであろう。Cheng−Chung Lee et al,:Ion−assisted deposition of silver thin films」,Thin Solid Films Vol.359(2000),pages95−97、およびI Chang Kwon Wingbow et al,「On assisted deposition of thermally evaporated Ag and Al films」,Applied Optics,Vol.28,No.13,15 July 1989を参照されたい。
2.化学量論はまた、最適接着を得るために酸化物−フッ化物界面で重要である。酸化物材料の場合には、それが化学量論的酸化物であるように層を終了させることが重要であり;一方、界面でのフッ化物はオキシフッ化物であるべきである。
3.銀堆積中にIADを用いるときに考慮に入れるべき考慮事項があり;それが膜中へのArの捕捉をもたらし得るので、一定のイオンエネルギーおよび密度を超えないことが重要である。これらの欠陥は、より低い可視波長帯で反射性を低下させるであろう散乱中心として働き得る。
4.衝撃エネルギーおよびガス比は、最適膜密度を得るために調整されるべきである。フッ化物材料の密度を高くするときに、成長中の膜のフッ素原子を解離させないであろうイオンエネルギーが考慮されなければならない。これが起こる場合には膜は非常に不安定になり、スペクトル移動が観察されるであろう。
したがって、一態様では本開示は、0.4μm〜15μmの波長範囲での使用のための高反射ミラー(ミラーは(a)基材、(b)基材上のバリア層、(c)バリア層の上の第1界面層、(d)第1界面層の上の反射層、(e)反射層の上の第2界面層、(f)第2界面層の上の少なくとも1つの調整層および(g)調整層の上の少なくとも1つの保護層を含む)であって、前記ミラーが、AOI 45°で0.4μm〜1.8μmおよび3μm〜15μmの波長範囲にわたって少なくとも96%の反射性を有するミラーに関する。ある実施形態ではミラーは、AOI 12°で0.4μm〜1.8μmの波長範囲にわたって少なくとも97%の反射性、そして0.4μm〜1.8μmの波長範囲にわたって98%超の反射性を有する。基材は、溶融シリカ、フッ素ドープ溶融シリカおよびダイヤモンド施削アルミニウム合金、マグネシウム合金ならびにチタン合金からなる群から選択される。一実施形態では基材は6061−Al合金である。別の実施形態では基材は溶融シリカである。バリア層は、100nm〜50μmの範囲の厚さを有し、Si、SiO、Si、TiAlN、TiAlSiN、TiOおよびDLCからなる群から選択される。第1界面層は、0.2nm〜25nmの範囲の厚さを有し、Al、TiO、BiおよびZnS、ならびに金属材料Ni、Bi、モネル(Ni−Cu)、TiおよびPtからなる群から選択され、ただし、第1界面層が金属層であるとき、厚さは0.2nm〜2.5nmの範囲にあり、第1界面層が金属酸化物または硫化物であるとき、厚さは2.5nm超である。一実施形態では第1界面層は金属酸化物または硫化物であり、厚さは、5nm〜25nmの範囲にある。別の実施形態では第1界面層は金属酸化物または硫化物であり、厚さは、10nm〜20nmの範囲にある。反射層は、ゼロ価のAg、Au、Al、Rh、Cu、PtおよびNiからなる群から選択され、反射層は、75nm〜350nmの範囲の厚さを有する。一実施形態では反射層は、Ag、AuおよびAlからなる群から選択される。別の実施形態では、反射層は銀であり、厚さは、80nm〜150nmの範囲にある。第2界面層は、SiO、Si、Nb、TiO、Ta、Bi、ZnSおよびAlからなる群から選択され、第2界面層の厚さは、0.2nm〜50nmの範囲にある。一実施形態では第2界面層の厚さは、8nm〜15nmの範囲にある。調整層は、YbF、Yb、YF、GdFおよびBiからなる群から選択される少なくとも1つの材料であり、調整層の厚さは、75nm〜300nmの範囲にある。保護層は、YbF、Yb、YFおよびSiからなる群から選択される少なくとも1つの材料であり、保護層の厚さは、60nm〜200nmの範囲にある。一実施形態では調整層および保護層は、150nm〜300nmの範囲の厚さを有するシングル調整/保護層へ結合させられる。一実施形態では第2界面層はSi−SiO−Siである。本開示による例示的なミラーは、基材から上部保護層まで、(a)溶融シリカ、(b)SiまたはCrN、(c)Al、(d)Ag、(e)Al、(f)(i)YbFプラスNbおよび(ii)Ybの1つ、ならびに(g)YbFを含む。
本開示はまた、高反射ミラーの製造方法において、この方法が、
アルミニウム合金、シリカ、溶融シリカ、F−ドープ溶融シリカ、マグネシウム合金およびチタン合金からなる群から選択される基材を提供する工程と;
基材を10nm未満の粗さまで研磨する工程と;
基材の表面に10nm〜100μmの範囲の厚さを有するバリア層を適用する工程と;
バリア層の上に0.2nm〜50nmの範囲の厚さであって、界面層材料に依存する厚さを有する第1界面層を適用する工程と;
接着層の上に100nmから300nmの範囲の厚さを有する反射層を適用する工程と、
少なくとも1つの選択された材料の第2界面層であって、反射層の上部において反射層の上に0.2nm〜50nmの範囲の厚さを有し、ただし、第1界面層が金属層であるとき、厚さは0.2nmから2.5nmの範囲にあり、第1界面層が金属酸化物または硫化物であるとき、厚さは2.5nm超である、第2界面層を適用する工程と、
少なくとも1つの選択された材料を含むことからなる調整層であって、その厚さは、少なくとも1つの選択される材料に依存し、その厚さは75nm〜300nmである、調整層を適用する工程と;
調整層の上に少なくとも1つの保護層(保護層は、60nm〜200nmの範囲の厚さを有する)を適用し、それによって、45°のAOIで0.4μm〜1.8μmおよび3μm〜15μmの波長範囲にわたって少なくとも96%の反射性を有する高反射ミラーを製造する工程と
を有してなる方法に関する。一実施形態では、調整層および保護層は、150nm〜300nmの範囲の厚さを有するシングル調整/保護層へ結合させることができる。
前述の方法においてバリア層材料は、Si、SiO、TiAlN、TiAlSiN、TiO、DLC、AlおよびCrNからなる群から選択され;第1界面層材料は、Al、TiO、BiおよびZnS、ならびに金属材料Ni、モネル(Ni−Cu)、TiおよびPtからなる群から選択され;反射層は、Ag、Au、Al、Rh、Cu、PtおよびNiからなる群から選択される材料であり;第2界面層は、SiO、Si、Bi、ZnS、Nb、TiO、TaおよびAlからなる群から選択される少なくとも1つの材料であり;調整層は、YbF、Yb、YF、GdFおよびBiからなる群から選択される少なくとも1つの材料であり;少なくとも1つの保護層は、YbF、Yb、YF、Siからなる群から選択される。一実施形態では反射層は銀である。一実施形態では第2界面層はSi−SiO−Siを含む。別の実施形態では調整層および保護層は、150nm〜300nmの範囲の厚さを有するシングル調整/保護層へ結合させられる。
本発明は、限定された数の実施形態に関して説明されてきたが、本開示の利益を得る、当業者は、本明細書に開示されるような本発明の範囲から逸脱しない他の実施形態が考案され得ることを理解するであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。

Claims (10)

  1. 0.4μm〜15μmの波長範囲での使用のための高反射ミラーにおいて、前記ミラーが、
    溶融シリカ、フッ素ドープ溶融シリカ、ダイヤモンド施削アルミニウム合金、マグネシウム合金およびチタン合金からなる群から選択される基材と;
    前記基材の上のバリア層であって、前記バリア層材料は、100nm〜50μmの範囲の厚さを有し、前記バリア層は、Si、Si、SiO、TiAlN、TiAlSiN、TiOおよびDLCからなる群から選択されるバリア層と;
    前記バリア層の上の第1界面層であって、前記第1界面層は、0.2nm〜25nmの範囲の厚さを有し、前記第1界面層は、Al、TiOおよびZnS、ならびに金属材料Ni、モネル(Ni−Cu)、TiおよびPtからなる群から選択され;ただし、前記第1界面層が金属層であるとき、前記厚さは0.2nm〜2.5nmの範囲にあり、前記第1界面層が金属酸化物または硫化物であるとき、前記厚さは2.5nm超である、第1界面層と;
    前記第1界面層の上の反射層であって、前記反射層は80nm〜350nmの範囲の厚さを有し、前記反射層は、Ag、Au、AlおよびNiからなる群から選択される、反射層と;
    前記反射層の上の第2界面層と、
    前記第2界面層の上の、
    (i)前記第2界面層の上の75nm〜300nmの範囲の厚さを有する少なくとも1つの調整層および前記調整層の上の60nm〜200nmの範囲の厚さを有する少なくとも1つの保護層;ならびに
    (ii)結合した少なくとも1つの調整層および少なくとも1つの保護層であって、150nm〜300nmの範囲の厚さを有する、調整/保護層
    からなる群から選択されるものと
    を備え、
    前記ミラーが、AOI 45°で0.4μm〜1.8μmおよび3μm〜15μmの波長範囲にわたって少なくとも96%の反射性を有することを特徴とするミラー。
  2. 前記基材がダイヤモンド施削6061−Al合金であることを特徴とする請求項1に記載のミラー。
  3. 前記第2界面層が、0.2nm〜50nmの範囲の厚さを有し、Nb、SiO、TiO、Si、Ta、Bi、Al、ZnSおよびSi−SiO―Siからなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載のミラー。
  4. 前記第2界面層の厚さが8nm〜15nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のミラー。
  5. (i)または(ii)のいずれかの前記調整層および保護層が、
    (i)前記調整層が、YbF、Yb、YF、GdFおよびBiからなる群から選択される少なくとも1つの材料であり;前記調整層の上の前記保護層が、YbF、Yb、YFおよびSiからなる群から選択される少なくとも1つの材料であり;
    (ii)前記結合調整/保護層が、150nm〜300nmの範囲の厚さを有し、前記結合調整/保護層が、Nb、YbF、Yb、YFおよびSiからなる群から選択される少なくとも1つの材料である
    ことを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のミラー。
  6. 高反射ミラーの製造方法において、前記方法が、
    シリカ、溶融シリカ、F−ドープ溶融シリカ、アルミニウム合金、6061−Al、マグネシウム合金およびチタン合金からなる群から選択される基材を提供する工程と;
    前記基材を10nm未満の粗さまで研磨する工程と;
    前記基材の表面に100nm〜50μmの範囲の厚さを有するバリア層を適用する工程と;
    前記バリア層の上に0.2nm〜25nmの範囲の厚さを有する第1界面層を適用する工程と;
    前記第1界面層の上にAg、Au、AlおよびNiからなる群から選択される反射層であって、75nm〜350nmの範囲の厚さを有する反射層を適用する工程と;
    前記反射層の上に、第2界面層であって、5nm〜20nmの範囲の厚さを有し、ただし、前記第1界面層が金属層であるとき、前記第2界面層の厚さは0.2nm〜2.5nmの範囲にあり、前記第1界面層が金属酸化物または硫化物であるとき、前記第2界面層の厚さは2.5nm超である、第2界面層を適用する工程と;
    前記第2界面層の上に、
    (i)YbF、Yb、YF、GdFおよびBiからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む調整層であって、75nm〜300nmの範囲の厚さを有する調整層、および前記調整層の上の60nm〜200nmの範囲の厚さを有する保護層;ならびに;
    (ii)結合した少なくとも1つの調整層および保護層であって、150nm〜300nmの範囲の厚さを有する、調整/保護層
    からなる群から選択されるものを適用する工程と
    を有してなり、
    前記高反射ミラーが、45°のAOIで0.4μm〜1.8μmおよび3μm〜15μmの波長範囲にわたって少なくとも96%の反射性を有することを特徴とする方法。
  7. 前記バリア層が、Si、SiO、Si、TiAlN、TiAlSiN、TiO、DLC、AlおよびCrNからなる群から選択されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記第1界面層が、酸化物および硫化物材料Al、TiOおよびZnS、ならびに金属材料Ni、Bi、モネル(Ni−Cu)、TiおよびPtからなる群から選択されることを特徴とする請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記第2界面層が、Nb、SiO、TiO、Si、Ta、Bi、Al、ZnSおよびSi−SiO−Siからなる群から選択される少なくとも1つの材料であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. (i)において、前記調整層が、YbF、Yb、YF、GdF、NbおよびBiからなる群から選択される少なくとも1つの材料であり、前記少なくとも1つの保護層が、YbF、Yb、YF、Siからなる群から選択され、
    (ii)において、結合調整/保護層が、Nb、YbF、Yb、YFおよびSiからなる群から選択される少なくとも1つの材料である
    ことを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
JP2015560264A 2013-02-28 2014-02-26 高反射ミラー用の改良された耐久性銀コーティングスタック Active JP6343291B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361770548P 2013-02-28 2013-02-28
US61/770,548 2013-02-28
US13/834,230 2013-03-15
US13/834,230 US9488760B2 (en) 2013-02-28 2013-03-15 Enhanced, durable silver coating stacks for highly reflective mirrors
PCT/US2014/018519 WO2014134105A1 (en) 2013-02-28 2014-02-26 Enhanced, durable silver coating stacks for highly reflective mirrors

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016508628A true JP2016508628A (ja) 2016-03-22
JP6343291B2 JP6343291B2 (ja) 2018-06-13

Family

ID=51387881

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015560264A Active JP6343291B2 (ja) 2013-02-28 2014-02-26 高反射ミラー用の改良された耐久性銀コーティングスタック

Country Status (5)

Country Link
US (4) US9488760B2 (ja)
EP (1) EP2962137B1 (ja)
JP (1) JP6343291B2 (ja)
CN (1) CN105143930B (ja)
WO (1) WO2014134105A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019035885A (ja) * 2017-08-18 2019-03-07 コニカミノルタ株式会社 反射鏡、測距装置、及び反射鏡の製造方法

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9488760B2 (en) 2013-02-28 2016-11-08 Corning Incorporated Enhanced, durable silver coating stacks for highly reflective mirrors
DE102013215541A1 (de) * 2013-08-07 2015-02-12 Carl Zeiss Smt Gmbh Spiegel, insbesondere für eine mikrolithographische Projektionsbelichtungsanlage
KR101650938B1 (ko) * 2014-09-25 2016-08-24 코닝정밀소재 주식회사 집적회로 패키지용 기판
US20160097885A1 (en) * 2014-10-03 2016-04-07 Corning Incorporated Mirror substrates with highly finishable corrosion-resistant coating
DE102015102496A1 (de) * 2014-10-27 2016-04-28 Almeco Gmbh Temperatur- und korrosionsstabiler Oberflächenreflektor
DE102015114095A1 (de) * 2015-08-25 2017-03-02 Alanod Gmbh & Co. Kg Reflektierendes Verbundmaterial mit einem Aluminium-Träger und mit einer Silber-Reflexionsschicht
JP6163524B2 (ja) * 2015-09-30 2017-07-12 株式会社日立国際電気 半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム
US20170176654A1 (en) * 2015-12-17 2017-06-22 Corning Incorporated Mirror with stress-compensated reflective coating
US10816702B2 (en) * 2016-03-18 2020-10-27 Corning Incorporated Reflective optical element with high stiffness substrate
DE102016207307A1 (de) * 2016-04-28 2017-11-02 Carl Zeiss Smt Gmbh Optisches Element und optische Anordnung damit
EP3242150B1 (en) * 2016-05-04 2019-01-02 Essilor International Optical article comprising an antireflective coating with a high reflection in the near infrared region (nir)
US10280312B2 (en) * 2016-07-20 2019-05-07 Guardian Glass, LLC Coated article supporting high-entropy nitride and/or oxide thin film inclusive coating, and/or method of making the same
TWI605933B (zh) * 2017-03-08 2017-11-21 揚明光學股份有限公司 反射元件及反射鏡
CN108693578A (zh) * 2017-04-12 2018-10-23 扬明光学股份有限公司 反射元件及反射镜
US11143800B2 (en) * 2017-06-16 2021-10-12 Corning Incorporated Extending the reflection bandwith of silver coating stacks for highly reflective mirrors
CN107561609B (zh) * 2017-08-22 2019-10-01 哈尔滨工业大学 一种复制制造Wolter-I型反射镜的工艺
CN110850519B (zh) * 2019-11-13 2021-12-07 云南北方光学科技有限公司 适用7.5-12μm波段的高效金反射膜及其制备方法
IL294049A (en) * 2019-12-17 2022-08-01 Lantha Inc Portable instruments for chemical analysis and methods
CN111505753B (zh) * 2020-04-22 2021-11-02 南京波长光电科技股份有限公司 一种基于碳化硅基底的co2反射膜及其制备方法
CN111610584A (zh) * 2020-05-25 2020-09-01 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 基于铝合金基体反射镜的改性层及其加工方法
CN112611667B (zh) * 2020-11-03 2022-07-15 北京科技大学 钢包渣线耐材冲刷侵蚀的物理模拟试验装置及使用方法
CN113112407B (zh) * 2021-06-11 2021-09-03 上海英立视电子有限公司 基于电视的照镜视野生成方法、系统、设备及介质

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06313803A (ja) * 1993-04-15 1994-11-08 Balzers Ag 高反射性の銀鏡
JP2003329818A (ja) * 2002-05-15 2003-11-19 Sendai Nikon:Kk 反射鏡
US20060141272A1 (en) * 2004-11-23 2006-06-29 The Regents Of The University Of California Durable silver mirror with ultra-violet thru far infra-red reflection
JP2007072190A (ja) * 2005-09-07 2007-03-22 Konica Minolta Opto Inc 反射鏡

Family Cites Families (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3601471A (en) 1969-03-03 1971-08-24 Optical Coating Laboratory Inc Durable first surface silver high reflector
US4223974A (en) 1978-08-02 1980-09-23 American Optical Corporation Enhanced bonding of silicon oxides and silver by intermediate coating of metal
US4710283A (en) 1984-01-30 1987-12-01 Denton Vacuum Inc. Cold cathode ion beam source
US4963012A (en) 1984-07-20 1990-10-16 The United States Of America As Represented By The United States Department Of Energy Passivation coating for flexible substrate mirrors
IL86366A0 (en) 1988-05-12 1988-11-15 Luz Ind Israel Ltd Protected silvered substrates and mirrors containing the same
GB2261079B (en) 1991-10-31 1995-06-14 Asahi Optical Co Ltd Surface reflecting mirror
US5525199A (en) 1991-11-13 1996-06-11 Optical Corporation Of America Low pressure reactive magnetron sputtering apparatus and method
US6128126A (en) 1993-04-15 2000-10-03 Balzers Aktiengesellschaft High-reflection silver mirror
US6078425A (en) 1999-06-09 2000-06-20 The Regents Of The University Of California Durable silver coating for mirrors
US6839176B2 (en) 2002-12-16 2005-01-04 Ocean Optics, Inc. Composition and method of making high-reflection silver mirrors or thin-film optical filters
US6921177B2 (en) 2003-02-24 2005-07-26 Raytheon Company High precision mirror, and a method of making it
JP4125158B2 (ja) * 2003-02-28 2008-07-30 キヤノン株式会社 反射鏡及びそれを用いた光学機器
US7054065B2 (en) 2003-03-27 2006-05-30 The Regents Of The University Of California Durable silver thin film coating for diffraction gratings
US7261648B2 (en) 2004-03-03 2007-08-28 Bridgestone Sports Co., Ltd. Golf ball
US7419725B2 (en) 2004-09-01 2008-09-02 Guardian Industries Corp. Coated article with low-E coating including IR reflecting layer(s) and corresponding method
US20060077580A1 (en) 2004-10-07 2006-04-13 Guardian Industries Corp. First surface mirror with chromium nitride layer
US7242843B2 (en) 2005-06-30 2007-07-10 Corning Incorporated Extended lifetime excimer laser optics
JP2007066465A (ja) * 2005-09-01 2007-03-15 Fujifilm Corp 光記録媒体及びその製造方法
JP2007133325A (ja) * 2005-11-14 2007-05-31 Fujinon Sano Kk 反射ミラー及び光ピックアップ
US20100086775A1 (en) * 2008-10-06 2010-04-08 Bruce Lairson Optical spectrally selective coatings
US9362459B2 (en) * 2009-09-02 2016-06-07 United States Department Of Energy High reflectivity mirrors and method for making same
US8394502B2 (en) * 2009-09-14 2013-03-12 Ocean Thin Films, Inc. Highly durable first surface silver based optical coatings and method of making the same
WO2011120595A1 (en) 2010-03-29 2011-10-06 Siemens Concentrated Solar Power Ltd. Front surface mirror for reflecting sunlight, method for manufacturing the mirror and use of the mirror
JP5984828B2 (ja) * 2010-11-18 2016-09-06 コーニング インコーポレイテッド 光学ミラーのためのアルミニウム上の強化され保護された銀被覆
US9488760B2 (en) * 2013-02-28 2016-11-08 Corning Incorporated Enhanced, durable silver coating stacks for highly reflective mirrors
US20150285958A1 (en) * 2014-04-02 2015-10-08 Corning Incorporated Lightweight reflecting optics

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06313803A (ja) * 1993-04-15 1994-11-08 Balzers Ag 高反射性の銀鏡
JP2003329818A (ja) * 2002-05-15 2003-11-19 Sendai Nikon:Kk 反射鏡
US20060141272A1 (en) * 2004-11-23 2006-06-29 The Regents Of The University Of California Durable silver mirror with ultra-violet thru far infra-red reflection
JP2007072190A (ja) * 2005-09-07 2007-03-22 Konica Minolta Opto Inc 反射鏡

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019035885A (ja) * 2017-08-18 2019-03-07 コニカミノルタ株式会社 反射鏡、測距装置、及び反射鏡の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US10761247B2 (en) 2020-09-01
EP2962137A1 (en) 2016-01-06
CN105143930A (zh) 2015-12-09
JP6343291B2 (ja) 2018-06-13
US9488760B2 (en) 2016-11-08
US20170227689A1 (en) 2017-08-10
EP2962137B1 (en) 2022-02-09
WO2014134105A1 (en) 2014-09-04
US20180196173A1 (en) 2018-07-12
CN105143930B (zh) 2018-07-20
US9995860B2 (en) 2018-06-12
US20180259688A1 (en) 2018-09-13
US10955594B2 (en) 2021-03-23
US20140240821A1 (en) 2014-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6343291B2 (ja) 高反射ミラー用の改良された耐久性銀コーティングスタック
US11143800B2 (en) Extending the reflection bandwith of silver coating stacks for highly reflective mirrors
TWI589448B (zh) 溫度及腐蝕穩定的表面反射器
US7838134B2 (en) Durable silver mirror with ultra-violet thru far infra-red reflection
EP2687875A1 (en) Optical member and method for producing same
CN104090312A (zh) 一种高附着力红外金属反射膜及其制备方法
US10429549B2 (en) Optical element comprising a reflective coating
JP2017514170A (ja) 高性能金属系光学ミラー基板
JP4895902B2 (ja) 反射膜の形成方法
US6939018B2 (en) Reflecting mirror
Phillips et al. Progress toward high-performance reflective and anti-reflection coatings for astronomical optics
JP2019502158A (ja) 応力補償型反射性コーティングを備える鏡
US20170269265A1 (en) Graphite substrates for reflective optics
JP5916821B2 (ja) 酸化ハフニウムコーティング
US6839176B2 (en) Composition and method of making high-reflection silver mirrors or thin-film optical filters
US20060187551A1 (en) Reflector and method for producing the same
WO2006112107A1 (ja) 高反射鏡とその製造方法
RU208984U1 (ru) Оптическое зеркало
JP2005345509A (ja) 表面鏡およびその製造方法
US20190064398A1 (en) Durable silver-based mirror coating employing nickel oxide
JPH06208076A (ja) 金属回転多面鏡
JP2004347651A (ja) 表面鏡およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180424

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180518

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6343291

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250