JP2016508613A - 血液中の凝固阻害のためのインビトロの方法、薬剤の使用及び回収装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、血液中の凝固をインビトロで阻害するための方法と薬剤の使用、並びにこれらの方法と使用に提供される血液回収装置に関する。【選択図】 なし

Description

この発明は、インビトロでの血液中の凝固の阻害に関し、特に、インビトロで血液中の凝固の阻害のための方法と薬剤の使用、及びこの方法と使用のために提供される血液回収(採血)装置に関する。
血液のサンプリングと試験は、様々な診断目的のために日常的に行われている。血液成分又は血液パラメータを正確かつ精密に決定することが、有効で信頼性の高い診断と予後の結論を導き出すために必要とされている。この観点で、血液の診断試験の結果が、分析前の状況及び条件によって強く影響を受けることがある。多くの場合、回収後の血液を、実質的に生理学的に天然の状態に維持することが望ましい。特定の状況と決定されるべき(余分な)細胞成分と構成要素のタイプに応じて、全血を使用してもよいし、血清の代わりに血漿試料を用いてもよい。
血管を穿刺して血液を回収し、及び血液がサンプル容器内に回収されてサンプル容器に接触すると、血小板の活性と凝固因子により、血液中に凝固と血小板の凝集が起き、それが血餅をもたらす。さらに、このプロセスは、細胞の溶解、並びに細胞の及び細胞外の血液成分の濃度の変化をもたらす。更に、その後のインビトロ凝固検査と血液カウントが妨げられる。インビトロ診断調査のための全血及び血漿サンプルを調整し提供するために、血液サンプルを回収した直後に、通常、血液に、血液及び/又は血漿が凝固し血餅となるのを防止する添加剤(一般に抗凝固剤と呼ばれる)が添加され混合される。具体的には、用語「抗凝固剤」、血漿血液の血餅形成又は凝固の阻害剤を指し、血小板凝集の阻害剤とは区別される。この血餅形成過程には、カルシウムイオン及びトロンビンの両方が必要とされている。従って、この抗凝固剤として、典型的には、カルシウムイオンをキレート化することができるエチレンジアミン四酢酸(EDTA塩)又はクエン酸塩、及びトロンビン活性を阻害することができるヘパリン塩が使用されている。凝固カスケードと内因性及び外因性経路を含む、凝固及び一次及び二次止血に関与するプロセスと成分一般的な説明については、"Textbook of Biochemistry with Clinical Correlations", 5th edition, T. M. Devlin (ed.), Wiley, 2002.を参照されたい。
特に、診断実験調査では、抗凝固剤として、一般に、ヘパリンのナトリウム塩、リチウム塩又はアンモニウム塩、K2EDTA、K3EDTA、Na2EDTA及びクエン酸三ナトリウムが使用されている(例えば、WHO document "Use of Anticoagulants in Diagnostic Laboratory Investigations" (WHO/DIL/LAB/99.1 Rev. 2, 2002)を参照されたい。)。pHの緩衝と調整は、例えば、生理的な範囲内で、任意に行われてもよく、例えば、クエン酸塩にクエン酸を添加することにより行われてもよい。さらに、この抗凝固剤の他に、安定剤を含有させてもよい。上記の抗凝固剤は、血液学的分析(例えば、完全血球数及び白血球の差分分析)のための全血サンプルを得るため、又は止血及び臨床化学分析のための血漿サンプルを得るため、に使用される。
しかし、これらの一般的に使用される抗凝固剤は、診断用途においては、特定の分析方法及び測定対象の特定成分の濃度変化との干渉による、いくつかの欠点や短所を有する。例えば、サンプルに、比較的高い濃度で添加されているこれらの抗凝固薬から、Na+、Li+、K+とNH4 +などの臨床的に関連するカチオンが不純物として含まれ、これらのイオンや高浸透圧/モル浸透圧濃度の変化の決定に問題を生じることがある。後者は、細胞からの水の流出、細胞の完全性の喪失、イオン漏出をもたらし、その後の検体試験に干渉することもある。同様に、Ca2+、Mg2+又はZn2+等のキレート化は、これらのカチオンの分析に干渉する可能性があり、また、その後の分析において、特に高濃度のキレート抗凝固剤によって二価のカチオンが極度に枯渇した場合、構造や機能がこれらのイオンに依存する酵素が影響を受ける可能性もある。このポリアニオン性ヘパリンは、代謝又は触媒反応を阻害する可能性がある。更に、一つのサンプルを用いて、血液学的検査、血液凝固検査及び臨床化学分析により、いくつかの実験パラメータを決定することが排除される。異なる抗凝固剤や抗凝固剤の異なる濃度の複数のサンプルが必要であるなら、分析前及び分析中の手順において、余分な時間とコストや潜在的なエラーの可能性を伴う。
前分析において血液の凝固の阻害を簡単にして、しかも、血液の凝固の阻害が強力でかつ経済的であり、その後の血液成分の検査を可能にし、サンプルの取り扱い、保管、輸送及び処理の観点で利点を提供し、抗凝固効果に影響を与えることなく、可能な限り、正確であることが求められている。
この目的は、請求項1のインビトロ方法、請求項10の血液回収装置の使用、請求項12の薬剤の使用、請求項14の血液回収装置、及び請求項15のキットによって解決され、好適な実施態様は、これらの従属項に記載されており、さらに以下で説明される。
特に、本発明は、主要な側面と好ましい実施態様を含む以下の項目を提供し、これらはそれぞれ単独で及び組み合わせて、上記の課題の解決に貢献し、その結果追加の利点を提供する。
(1)インビトロで血液中の凝固を阻害するための方法であって、回収後の血液が、唯一の抗凝固剤としての、pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質から成る薬剤と混合される方法。
(2)前記物質が、pKaが0.9以上の遊離カルボン酸として提供される物質である項目(1)に記載の方法。
(3)前記物質が、1分子あたり少なくとも2個のカルボキシル基を含み、好ましくは、1分子あたり少なくとも3のカルボキシル基を含む、項目(1)又は(2)に記載の方法。
(4)前記薬剤が、
(i)pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質、又は
(ii)溶媒中に溶解されたpKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質、
のみから成る、前のいずれかの項目に記載の方法。
任意に、回収した血液は、上記特定物質以外の物質とは混合されない。
(5)引き続いて、少なくとも1つの血液成分を決定するために少なくとも1つの試験が行われ、好ましくは少なくとも2つの血液成分を決定するために少なくとも2つの試験が行われる、前のいずれかの項目に記載の方法。
(6)前記pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質の濃度が、混合される血液の少なくとも0.1ミリモル/L、好ましくは0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜50ミリモル/L、更に好ましくは2〜32ミリモル/L、最も好ましくは2〜10ミリモル/Lである、前のいずれかの項目に記載の方法。
(7)血液細胞の溶解が実質的に回避される、前のいずれかの項目に記載の方法。
(8)前記pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質が、粉末又は凍結乾燥の形態で提供される、前のいずれかの項目に記載の方法。
(9)項目(4)の(ii)において、溶媒が、水溶液、水、及びアルコール、並びに水とアルコールの混合液から成る群から選択される、好ましくは水又はエタノールであり、より好ましくは水である、(4)〜(8)のいずれかの項目に記載の方法。
(10)回収された血液が全血である、前のいずれかの項目に記載の方法。
(11)(1)〜(9)のいずれかの項目に記載の方法であって、下記の工程から成る方法により少なくとも1つの血液成分の量、好ましくは少なくとも2つの血液成分の量が決定される方法。
(a)(1)〜(4)、(6)、(8)及び(9)のいずれかの項目の薬剤を含む血液回収装置を提供する工程、任意に該薬剤は更にpH調整薬剤及び/又はアンモニウム塩NRX(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、直鎖C−Cアルキル基、分岐C−Cアルキル基、非置換フェニル基又は置換フェニル基を表し、Xはハロゲン化物、好ましくは塩化物を表す。)を含む、
(b)血液を該血液回収装置に入れる工程、
(c)該血液回収装置中で該薬剤と血液とを混合する工程、
任意に(d)所望の期間、血液を該血液回収装置中に保存する工程、及び
(e)該血液サンプル中の、少なくとも1つの血液成分、好ましくは少なくとも2つの血液成分、の量を決定する工程。
(12)項目(11)に記載の方法であって、前記工程(b)〜(d)が0〜37℃の温度で行われ、前記工程(b)〜(c)が好ましくは室温で行われる方法。
(13)項目(11)又は(12)に記載の方法であって、工程(a)及び(b)の代わりに、血液回収装置に血液を入れ、その後血液回収装置に薬剤を入れる工程を行う方法。
(14)工程(b)の血液が全血である、(11)〜(13)のいずれかの項目に記載の方法。
(15)工程(e)において、少なくとも1つの血液成分の量の決定が、従来の物理的方法、化学的方法、酵素的方法、及び/又は免疫学的方法、又はそれらの組み合わせを用いて行われる、(11)〜(14)のいずれかの項目に記載の方法。
(16)前記pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質が、クエン酸、トリカルバリル酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ベンゼンペンタカルボン酸、メリト酸、及びテトラヒドロフラン-2, 3, 4, 5-テトラカルボン酸から成る群から選択される、またはこれらの任意の混合物であり、好ましくはクエン酸、トリカルバリル酸又はエチレンジアミン四酢酸であり、より好ましくはクエン酸である、前のいずれかの項目に記載の方法。
(17)前記クエン酸が、無水クエン酸及び/又はクエン酸一水和物、好ましくはクエン酸一水和物である、項目(16)に記載の方法。
(18)工程(a)において、前記pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質の濃度が、項目(6)に記載の濃度である、項目(16)に記載の方法。
(19)インビトロで血液を回収する(及び任意に保存する)ための血液回収装置の使用であって、該装置中で回収後の血液が(1)〜(4)、(6)、(8)、(9)、(16)及び(17)のいずれかの項目に記載の薬剤と混合され、その結果血液中の凝固が阻害される使用。
(20)一つの装置中に回収されて、前記薬剤が混合された血液が、その後、少なくとも1つの血液成分を決定するために少なくとも1つの試験、好ましくは、少なくとも1つの血液学的検査、少なくとも一つの凝固試験、及び少なくとも1つのさらなる臨床化学分析から成る複数の試験を受ける、項目(19)に記載の使用。
(21)インビトロで血液の凝固の阻害を達成するための、唯一の抗凝固剤としてpKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質から成る薬剤の使用。
(22)前記薬剤が、(2)〜(4)、(6)、(8)、(9)、(16)及び(17)のいずれかの項目に記載の薬剤である、項目(21)に記載の使用。
(23)血液回収装置であって、該装置中に(1)〜(4)、(6)、(8)、(9)、(16)及び(17)のいずれかの項目に記載の薬剤が提供され、該物質が血液と混合される、装置。
(24)従来の採血装置に接続可能な装置を含む、項目(23)に記載の血液回収装置。
(25)項目(23)又は(24)に記載の血液回収装置、及び回収された血液中の少なくとも1つの血液成分の決定するための試験物質(複数可)から成るキット。
実施例29A及びBのヘモグロビン(Hb)を決定するための試験結果を示す図である。 実施例30A及びBの塩化物イオン(CI)を決定するための試験結果を示す図である。
以下、本発明を、好ましい実施態様及び実施例を参照して、詳細に記載するが、これらは例示の目的で提示されるものであり、決して本発明を限定するように解釈されるべきではない。
本発明の第一の態様は、インビトロで血液中の凝固を阻害するための方法であって、回収後の血液が、唯一の抗凝固剤としての、pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質から成る薬剤と混合される方法である。
対数定数pKaは、−log10Kaに等しい。ここでKaは酸解離定数である。多塩基酸の場合、このpKaは、最初のプロトンの解離のための対数定数、即ちpKa1である。遊離酸として提供される物質は、そのpKaが好ましくは1.4以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは2.5以上、最も好ましくは3以上である。
驚くべきことに、血液をpKaが0.9以上の遊離酸物質と混合すると、血液中の凝固が効果的に阻害されることが分かった。この混合は、好ましくは、血液サンプルの回収と同時に、又は回収後直ちに若しくは迅速に行われ、このサンプルは好ましくは採取された又は回収された全血である。本発明によれば、pKaが0.9以上の遊離酸物質が、唯一の抗凝固剤(即ち、血液凝固を阻害する目的として提供される唯一の物質)として提供された場合、本発明は特に有効である。好ましい実施態様において、このpKaが0.9以上の遊離酸物質は、pKaが0.9以上の遊離カルボン酸物質である。
任意に、回収された血液と混合される特定の抗凝固剤以外の物質の使用については省略する。本発明のpKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質は、好ましくは、pKaが0.9以上の有機ブレンステッド酸である。ある実施態様において、このpKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質は、1分子あたり少なくとも1個、好ましくは2個、より好ましくは3個のカルボキシル基を有する有機ブレンステッド酸であって、その分子中に提供されるカルボキシル基としての酸はプロトン化されている、即ち、このカルボキシル基は解離していない。塩基と結合するpKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質は、わずかな不純物として存在するかもしれないと理解される。従って、当該物質が遊離カルボン酸として提供されるある実施態様において、カルボキシレート基はわずかな不純物として存在しているにすぎない、好ましくはカルボキシレート基は実質的にない、より好ましくはカルボキシレート基はない。
このような可能な不純物以外に、本発明によれば、カルボン酸塩(カルボキシレート)、即ちカルボン酸からそのまま生じる塩、を抗凝固剤として使用してはならず、好ましくはこれは薬剤から完全に除外され、特にEDTA及びクエン酸の塩は除外される。更に、ヘパリン塩は抗凝固剤として提供されず、薬剤にも含まれない。従来、EDTA及びクエン酸の塩やヘパリン塩が抗凝固剤として使用されていることを考えると、pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質、好ましくはpKaが0.9以上の遊離カルボン酸として提供される物質が、回収後の血液とインビトロで混合されると、凝固に対する阻害効果を示すことは、予想外のことである。
本発明において凝固の阻害とは、回収して注意深く本発明の薬剤と混合した後、血液が液体のままであることを意味する。後で又は遅延して血餅が起きることを有利に回避できる。本発明の凝固の阻害は、好ましくは、従来の自動分析システムにおいて、血餅検出システムが、従来の抗凝固サンプリングと同等又はより少ない陽性の事象(血餅)を検出することを意味する。より好ましくは、従来の自動分析システムにおいて、血餅検出システムが、従来の抗凝固サンプリングより顕著に少ない陽性の事象(血餅)を検出することを意味する。
理論に束縛されるものではないが、血液中でpKaが0.9以上の遊離カルボン酸として提供される物質からの酸性プロトンは、特異的に及び/又は非特異的に(例えば、静電気、水素結合、酸塩基反応、プロトン移動等を介して)、しかし他のカチオンとは少なくとも部分的に異なる方法で、血液成分(例えば、酵素等のタンパク質やリン脂質等の膜の構成成分)と相互作用し、可逆的又は不可逆的に、この血液成分の正常な生体分子の構造と機能を妨害すると考えられる。特定のサイズ及び電荷を考慮すると、例えば、セリンプロテアーゼの例や、タンパク質複合体間の相互作用の観点から、このプロトンが適切にタンパク質と相互作用して、特定の構造及び物理化学的な変化を生じさせ、その結果タンパク質の機能に特異的に影響する可能性がある。
遊離カルボン酸を好ましく使用する場合、血液中に形成されるプロトンとアニオン性カルボン酸塩は、凝固因子とリン脂質のCa2+依存的結合を妨害する可能性がある。全体的に、酵素的凝固カスケードに対する阻害効果が見られる。従って、本明細書で使用される用語「抗凝固剤」は、好ましくは、血漿血餅や血漿凝固の阻害剤を意味する。本発明においては、Ca2+のキレート化を介する抗凝固剤との複合体形成は、全てであっても、最大でもわずかな役割しか果たしていないと考えられる。pKaが0.9以上の遊離カルボン酸を唯一の抗凝固剤として使用した場合、血漿中でCa2+はEDTAやクエン酸の塩によりほとんど完全に枯渇され、測定された遊離Ca2+血漿濃度は、対応する血清中と同等又はそれよりもわずかに高いことが分かっている(実施例18も参照されたい。)。
この方法のある実施態様において、この薬剤は、pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質、又は溶媒中に溶解されたpKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質、のみから成る。この方法の好ましいある実施態様において、この薬剤は、pKaが0.9以上の遊離カルボン酸として提供される物質、又は溶媒中に溶解されたpKaが0.9以上の遊離カルボン酸として提供される物質、のみから成る。この薬剤は、唯一の酸として、pKaが0.9以上の遊離酸、好ましくは遊離カルボン酸を含むことが好ましい。溶媒は、好ましくは、水溶液、水、及びアルコール、並びに水とアルコールの混合液から成る群から選択され、より好ましくは水又はエタノールであり、更に好ましくは水である。一般に血液を保存するために使用されている追加の添加剤(但し、この添加剤は抗凝固剤ではなく、酸を含まない。)、例えば、抗解糖剤、を含んでもよい。
本発明の一実施態様によれば、好ましくは、本発明の薬剤と血液の混合に引き続いて、少なくとも1つの血液成分を決定するために少なくとも1つの試験が行われる。より好ましくは、本発明の薬剤と血液の混合に引き続いて、少なくとも2つの血液成分を決定するために少なくとも2つの試験が行われる。有利なことに、本発明は、一つのサンプルの血液学的検査、凝固試験及び/又は臨床化学分析により、複数の実験パラメータを決定させることができる。このようにして、本発明の方法は、効果的な抗凝固方法を提供し、その一方で、血液が、一般的に適用され広く有用な方法で、下流の診断分析、特に、病理学的及び/又は治療的な推断を評価するのに適した特定の診断分析、を受けることを可能にする。
この少なくとも1つの血液成分の量の決定は、従来の物理的、化学的、酵素的及び/又は免疫学的方法、又はこれらの組み合わせを用いて行うことが好ましい。好ましい実施態様では、微量の不純物の他に、pKaが0.9以上の遊離酸、好ましくはKaが0.9以上の遊離カルボン酸からのプロトン以外のカチオンが血液に加えられることは実質的にない、好ましくは無い。従って、この場合、臨床的に関連するカチオンを含む他のカチオンの混入と妨害は好適に回避される。更に上記好ましい実施態様において、微量の不純物の他に、無機アニオン、好ましくは鉱物の無機アニオンは実質的に提供されない。更に、血液細胞の高浸透圧と溶解は、好ましくは本質的に回避される、より好ましくは回避される。従って、妨害イオンの有害な影響を回避しながら、一つのサンプルから血液学的検査、凝固試験及び/又は臨床化学分析により複数の実験パラメータを決定することが有利にも可能になる。
細胞内及び細胞外のイオン濃度の変化は、一般的に高浸透圧や溶血をもたらす。遊離酸を抗凝固剤として使用する場合には、原則として細胞の内部と外部の間の電気化学的バランスの乱れが、例えば、血漿塩化物濃度又は尿酸の濃度変化をもたらす可能性がある。遊離カルボン酸の場合、このような可能な変化の大きさは、カルボキシル基の数に依存する。理論に束縛されるものではないが、これは、生成するカルボン酸イオンの存在に伴う、血液の細胞外液中の水素イオンの増加によって引き起こされる可能性がある。特に、水素イオンが細胞外重炭酸アニオンと反応し、細胞の外部から内部へのイオンの流れ及びその逆の流れが影響され、その結果、例えば、塩化物イオンのシフトが起こる可能性がある。カルボン酸イオンがほとんど又は全く赤血球に浸透しないことを考慮すると、細胞内で、塩化物イオンが細胞内カチオンの対イオンとして機能し続ける可能性がある。このような状況では、赤血球の溶血が誘導され、そのため塩素イオンだけでなくヘモグロビンの決定にも影響を与える可能性がある。更に、浸透圧の変化及び血液細胞からの水の流出が、血液細胞の乾燥による、細胞の完全性の可能な希釈効果と可能な障害につながる可能性がある。
本発明において、任意にpH調整薬剤及び/又はアンモニウム塩NRXを、好ましくは同時に又は少し時間をずらして、抗凝固剤に共に提供してもよい。これは、血液サンプルの安定性及び保存の観点から、さらに血液成分の信頼ある決定を容易にする観点から、更なる重要な利益をもたらすことができる。
驚くべきことに、可能な細胞の完全性の障害と血液細胞の溶解が、好ましいことに、アンモニウム塩NRX(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、直鎖C−Cアルキル基、分岐C−Cアルキル基、非置換フェニル基又は置換フェニル基を表し、Xは好ましくはハロゲン化物、より好ましくは塩化物を表す。)を追加的に加えることにより阻害されうることが見出された。テトラメチルアンモニウムクロライド及び/又はテトラエチルアンモニウムクロライドがより好ましく、テトラメチルアンモニウムクロライドが特に好ましい。アンモニウム塩NRXを加える場合、アンモニウム塩NRXの濃度は、血液1mlあたり、0.01〜100μモル、好ましくは5〜25μモル、より好ましくは15〜20μモルである。濃度が血液1mlあたり15〜20μモルのテトラメチルアンモニウムクロライドが特に好ましい。
さらに驚くべきことに、細胞の完全性の障害と血液細胞の溶解は、好ましいことに、pH調整薬剤を加えることによっても阻害されうることが見出された。このpH調整薬剤は、好ましいことに、試験される実験パラメータを妨げない。pH調整薬剤として、好ましくは有機アミン、より好ましくはトリエタノールアミン、エタノールアミン及び/又は2−アミノ−2−メチルプロパノールが用いられる。例えば、pH調整薬剤を添加する場合、遊離酸が溶液中に提供され、pH値が2.2〜3.0に設定される。水酸化ナトリウム等の無機塩基は好適に回避される。
更に、驚くべきことに、細胞の完全性の障害と血液細胞の溶解は、好ましいことに、特に、アンモニウム塩NRXとpH調整薬剤の組み合わせを添加することによって阻害されうることが見出された。この方法により、ヘモグロビン及び塩化イオンの両方の正確な決定が更により確実に可能になる(実施例29及び30並びに図1及び2を参照されたい。)。これはまた、細胞の内部と外部の間の電気化学的バランスにおいて、さらにより有利な条件であることを提示する。この方法により、溶血が特に効率的かつ効果的に阻害されうる。この有利な効果は、特に、溶血の発生を、大幅に削減しなければならない場合、又は安全にかつ確実に回避しなければならない場合に、特に関係する。溶血は、例えば、サンプルを不安定にし、長期の保存を妨害する。更に、血液試験や診断にとって、溶血は有害である。例えば、溶解した細胞からの細胞成分を血漿成分と混合すると、血漿及び細胞分析が誤ったものになり、さらにはこのような分析を完全に妨害することになる可能性がある。従って、溶血を防止することは、信頼できる血液成分の決定にとって有利である。このことは、更に、血液サンプルの安定性と保存性が改善されると、血液成分の長期保存及びより信頼できる決定がもたらされ、その結果、改善された診断が提供されうる。
pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質、好ましくはpKaが0.9以上の遊離カルボン酸として提供される物質の濃度は、混合される血液に対し、好ましくは少なくとも0.1ミリモル/L、より好ましくは0.1〜100ミリモル/L、更に好ましくは1〜50ミリモル/L、さらにより好ましくは2〜32ミリモル/L、最も好ましくは2〜10ミリモル/Lである。ある実施態様において、pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質の濃度は、この物質を血液と混合した後、血液サンプルのpHが6.0〜7.4の範囲になるように設定される。本発明のある実施態様によれば、pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質の量は、この物質を所望の量の水に溶解させた場合に、得られた水溶液のpHが1.5以上を示すように設定される。好ましい実施態様において、pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質の量は、この物質を所望の量の水に溶解させた場合に、得られた水溶液のpHが1.5以上を示し、かつこの物質を血液と混合した後、血液サンプルのpHが6.0〜7.4の範囲になるように設定される。好ましい実施態様において、この遊離酸は、その濃度が、混合される血液に対し20ミリモル/L以下、好ましくは15ミリモル/L以下に調整されるように提供される。混合される血液に対し2〜10ミリモル/Lの範囲の濃度が特に好ましい。これにより、血液サンプル中のpH値を好適に調整することができる。
pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質、好ましくはpKaが0.9以上の遊離カルボン酸として提供される物質は、クエン酸、トリカルバリル酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ベンゼンペンタカルボン酸、メリト酸、及びテトラヒドロフラン-2, 3, 4, 5-テトラカルボン酸から成る群から選択される、またはこれらの任意の混合物であり、好ましくはクエン酸、トリカルバリル酸又はエチレンジアミン四酢酸であり、より好ましくはクエン酸である。ある実施態様において、このクエン酸は、無水クエン酸及び/又はクエン酸一水和物、最も好ましくはクエン酸一水和物である。本発明によれば、pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質は、好ましくは、粉末又は凍結乾燥の形態で提供される。
本発明の上記実施態様において、少なくとも1つの血液成分の量は、以下の工程を含む方法により決定される:(a)本発明の薬剤を含む、又は本発明の薬剤が装置中に入れられた、血液回収装置を提供する工程、任意にこの薬剤は更にpH調整薬剤及び/又はアンモニウム塩NRXを含む、(b)血液、好ましくは全血をこの血液回収装置に入れる工程、(c)この血液回収装置中でこの薬剤と血液とを混合する工程、任意に(d)所望の期間、例えば、割り当てられた試験が実施されるまで、血液を該血液回収装置中に保存する工程、及び(e)この血液サンプル中の、少なくとも1つの血液成分の量を決定する工程。このうち薬剤を装置中に入れる工程、混合工程、及び任意の保存工程は0〜37℃で行われることが好ましく、薬剤を装置中に入れる工程及び混合工程は室温で行われることがより好ましい。本発明の薬剤を含む血液回収装置を提供する工程、及び血液をこの血液回収装置に入れる工程の代わりに、血液をこの血液回収装置に入れ、引き続いて薬剤をこの血液回収装置に入れる一工程を行ってもよい。任意にpH調整薬剤及び/又はアンモニウム塩NRXを添加してもよい。好ましい実施態様においては、少なくとも2つの血液成分の量が決定される。
本発明の別の実施態様は、インビトロで血液を回収する(及び任意に保存する)ための血液回収装置の使用であって、この装置中で回収後の血液が本発明の薬剤と混合され、その結果血液中の凝固が阻害される使用である。予想外なことに、装置中で、血液が、唯一の抗凝固剤としての、pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質から成る薬剤と混合されたときに、凝固及び血餅に対する効率的な阻害効果が得られることが見出された。ある実施態様において、血液は一つの装置中に回収され、本発明の薬剤と混合され、その後、少なくとも1つの血液成分を決定するために少なくとも1つの試験、好ましくは、少なくとも1つの血液学的検査、少なくとも一つの凝固試験、及び少なくとも1つのさらなる臨床化学分析から成る複数の試験を受ける。本発明の別の観点によれば、実験医薬の異なる分野のために必要な多くの回収チューブの数を大幅に削減することができ、これは、実験室での活動性及びワークフローを最適化し、より効率的にし、サンプルの量と所要時間を短縮することを可能にする。更に、臨床検査の異なる分野(すなわち、血液学、臨床化学及び外科処置)のために単一の効果的な抗凝固薬を使用することは、緊急事態におけるプロセスを促進することができる。しかし、単一の血液回収チューブからの単一のサンプルを使用することは、緊急時に非常に有用であるばかりでなく、小児患者や、一つ以上の血液サンプルを得ることが困難な患者にとっても有用である。また、最初に予想されていなかった又は最初の検査のために要求されていなかった追加の生化学的分析を、本発明の抗凝固剤の広範な試験互換性のために有利に行うことができる(実施例1〜28も参照されたい)。エクスビボでの診断分析のための広範な適用性は、患者の看護と利便性にとって有益である。
別の観点によれば、本発明は、インビトロで血液の凝固の阻害を達成するための、唯一の抗凝固剤としてpKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質から成る薬剤の使用である。別の観点による本発明は、血液回収装置であって、この装置中に本発明の薬剤が提供され、この唯一の抗凝固剤としての、pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質が血液と混合される、装置である。好ましくは、従来の採血装置に接続可能な装置が含まれる。バキュテーナーなどの真空血液回収チューブやモノベット(monovette)などの吸引システムを含む従来の血液回収チューブは、当該分野でよく知られている。上記の使用の点で言及した利点以外にも、本発明は、血液回収チューブの製造やメーカーや臨床検査室における回収チューブの備蓄管理の観点からも更なる経済的利点を提供することができる。
別の実施態様の本発明は、本発明の血液回収装置、及び回収された血液中の少なくとも1つの血液成分の決定するための試験物質(複数可)から成るキットに関する。

以下の実施例は、本発明の単なる例示であり、これらは決して本発明の範囲を限定するものと考えるべきではない。これらの実施例及び変更例又はこれらの等価物は、本開示全体に照らして当業者に明らかになるであろう。
使用した材料と方法
材料
クエン酸一水和物(CA)、トリカルバリル酸(TCA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、メリト酸(MELA)、及びベンゼンペンタカルボン酸(BPCA)は、ドイツのシグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich)社から入手した。テトラヒドロフラン-2, 3, 4, 5-テトラカルボン酸(THTCA)はドイツのTCI社から入手した。新品の血液回収チューブ、即ち、もともと添加剤を含有しない、又は添加剤で充填されていない若しくは添加剤で被覆されていないチューブはドイツのKABE Labortechnik社(KABEVETTE(GR)と表記する。)から入手した。
この新品のチューブに、それぞれ混合する血液1Lあたり5.4ミリモルのCA、混合する血液1Lあたり31.2ミリモルのTCA、混合する血液1Lあたり2.3ミリモルのEDTA、混合する血液1Lあたり2.2ミリモルのDTPA、混合する血液1Lあたり3.1ミリモルのMELA、混合する血液1Lあたり4.6ミリモルのTHTCA、及び混合する血液1Lあたり8.0ミリモルのBPCAを入れた。
比較のため、EDTA三カリウム(K3EDTA)を含む血液回収チューブ、血餅アクチベーターを含む血清分離チューブ(SST)、及び3.2%クエン酸ナトリウムチューブを使用した(これらはベクトンディッキンソン(Becton Dickinson, BD)社から入手した。)。
血液回収とサンプリングプロトコル
事前にインフォームドコンセントを得ておいたボランティアの肘正中静脈から血液を採取した。各被験者から新たに採取した血液を、本発明の血液サンプル、血清サンプル(SST(BD))、クエン酸塩血液サンプル(クエン酸塩(BD))、及びEDTAカリウム血液サンプル(K3EDTA(BD))が得られるように、それぞれ対応するチューブに入れた。これらのチューブは、マーク(4.9 mL)まで血液を完全に充填し、抗凝血剤を含むチューブについては、血液回収後すぐにチューブを4回反転して、血液と各抗凝血剤とをよく混合した。血清サンプルは、製造業者のプロトコールに従って処理し、生化学分析に使用した。全血EDTAカリウム(K3EDTA(BD))及び本発明の血液サンプルは、まず血液学的測定のために使用し、次いで遠心分離した。本発明とクエン酸血漿サンプル(クエン酸塩(BD))は、止血及び生化学的測定の両方のために使用した。EDTAカリウム血漿はまた、生化学的測定のために使用した。
本発明のチューブにおいては、凝固が効果的に阻害されていることが見出された。引き続いて、本発明の単一の血液回収装置からの単一のサンプル中の複数の実験パラメータを決定し、評価し、そして試験に応じて、K3EDTA(BD)、クエン酸塩(BD)又はSST(BD)のいずれかのサンプルと比較した。CAを用いた結果を実施例1〜27に示す(GR15と表記する。)。実施例28は、本発明のpKaが0.9以上の様々な遊離酸、特に遊離カルボン酸の結果を示す。
測定
代謝物、ミネラル、及び酵素の分析は、自動分析装置COBAS 6000 C及び6000 Eを用いて行った。止血試験及び血液学的パラメータは、STA-Rアナライザー(Diagnostica Stago社)及びLH 780アナライザー(Beckman Coulter社)を用いて測定した。結果については実施例1-28を参照されたい。
略語
WBC:白血球; RBC:赤血球; Hb:ヘモグロビン; Ptl:血小板; Lympho:リンパ球; Neutro:好中球; Mono:単球; Eos:好酸球; BASO:好塩基球; ALB:アルブミン; ALP:アルカリホスファターゼ; AST:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ; ALT:アラニンアミノトランスフェラーゼ; APTT:活性化部分トロンボプラスチン時間; Ca:カルシウム; ; Chol:コレステロール; CREA:クレアチニン; CRP:C-反応性タンパク質; Fe:鉄; Fer:フェリチン; Fib:フィブリノゲン; FT3:トリヨードサイロニン、遊離; FT4:チロキシン、遊離; GGT:γ-グルタミルトランスフェラーゼ; Gluc:グルコース; K:カリウム; Mg:マグネシウム; Na:ナトリウム; PT:プロトロンビン時間; TG:トリグリセリド; TP:総タンパク質; TSH:甲状腺刺激ホルモン
実施例1
実施例1は、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)及びプロトロンビン時間(PT)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプル(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とクエン酸塩を用いた従来のサンプル(Becton Dickinson社製チューブ(BD))の比較を示す。
実施例2
実施例2は、白血球(WBC)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とK3EDTAを用いた従来のサンプリング(Becton Dickinson社製チューブ(BD))の比較を示す。
実施例3
実施例3は、リンパ球(LYMPHO)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とK3EDTAを用いた従来のサンプリング(Becton Dickinson社製チューブ(BD))の比較を示す。
実施例4
実施例4は、好塩基球(Baso Etude)及び単球(Mono)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とK3EDTAを用いた従来のサンプリング(Becton Dickinson社製チューブ(BD))の比較を示す。
実施例5
実施例5は、好酸球(Eos)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とK3EDTAを用いた従来のサンプリング(Becton Dickinson社製チューブ(BD))の比較を示す。
実施例6
実施例6は、好中球(Neutro)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とK3EDTAを用いた従来のサンプリング(Becton Dickinson社製チューブ(BD))の比較を示す。
実施例7
実施例7は、ヘモグロビン(Hb)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とK3EDTAを用いた従来のサンプリング(Becton Dickinson社製チューブ(BD))の比較を示す。
実施例8
実施例8は、赤血球(RBC)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とK3EDTAを用いた従来のサンプリング(Becton Dickinson社製チューブ(BD))の比較を示す。
実施例9
実施例9は、フィブリノーゲン(FIB ETUDE)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とクエン酸塩を用いた従来のサンプリング(Becton Dickinson社製チューブ(BD))の比較、及び血小板(Ptl)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とK3EDTAを用いた従来のサンプリング(Becton Dickinson社製チューブ(BD))の比較を示す。
実施例10
実施例10は、コレステロール(CHOL)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))と従来の血清サンプルを用いたサンプリング(SST(BD))の比較を示す。
実施例11
実施例11は、クレアチニン(CREA)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))と従来の血清サンプルを用いたサンプリング(SST(BD))の比較を示す。
実施例12
実施例12は、鉄(Fe)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))と従来の血清サンプルを用いたサンプリング(SST(BD))の比較を示す。
実施例13
実施例13は、フェリチン(Fer)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))と従来の血清サンプルを用いたサンプリング(SST(BD))の比較を示す。
実施例14
実施例14は、トリヨードサイロニン遊離(FT3)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))と従来の血清サンプルを用いたサンプリング(SST(BD))の比較を示す。
実施例15
実施例15は、グルコース(Gluc)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))と従来の血清サンプルを用いたサンプリング(SST(BD))の比較を示す。
実施例16
実施例16は、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))と従来の血清サンプルを用いたサンプリング(SST(BD))の比較を示す。
実施例17
実施例17は、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))と従来の血清サンプルを用いたサンプリング(SST(BD))の比較を示す。
実施例18
実施例18は、マグネシウム(Mg ETUDE)及びカルシウム(Ca ETUDE)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とBDチューブを用いた従来のサンプリングの比較を示す。
実施例19
実施例19は、アルカリホスファターゼ(ALP)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))と従来の血清サンプルを用いたサンプリング(SST(BD))の比較を示す。
実施例20
実施例20は、トリグリセリド(TG)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))と従来の血清サンプルを用いたサンプリング(SST(BD))の比較を示す。
実施例21
実施例21は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)及びチロキシン遊離(FT4 ETUDE)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とBDチューブを用いた従来のサンプリングの比較を示す。
実施例22
実施例22は、C-反応性タンパク質(CRP ETUDE)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とBDチューブを用いた従来のサンプリングの比較を示す。
実施例23
実施例23は、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(GGT ETUDE)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とBDチューブを用いた従来のサンプリングの比較を示す。
実施例24
実施例24は、カリウム(K ETUDE)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とBDチューブを用いた従来のサンプリングの比較を示す。
実施例25
実施例25は、ナトリウム(Na ETUDE)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とBDチューブを用いた従来のサンプリングの比較を示す。
実施例26
実施例26は、アルブミン(Alb ETUDE)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とBDチューブを用いた従来のサンプリングの比較を示す。
実施例27
実施例27は、総タンパク質(TP)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とBDチューブを用いた従来のサンプリングの比較を示す。
実施例1〜27の本発明と参考のサンプルについての結果とそれぞれのパラメータ濃度を表1〜27に示す。本発明のサンプルの結果は、従来のサンプリングで得られる結果と濃度に、統計学的及び医学的に完全に同等である。
実施例28
本発明に従ってそれぞれCA、TCA、EDTA、DTPA、MELA、THTCA及びBPCAの抗凝固剤を用いた血液回収チューブからのサンプルについて、完全血球数のカウント及び白血球の差分分析を行った。比較のために、EDTAカリウム(K3EDTA(BD))を用いたサンプルの結果も示す。本発明の抗凝固剤は効果的に凝固を阻害し、本発明のサンプルについての結果は、抗凝固剤としてK3EDTA(BD)を用いて得られた結果と統計学的及び医学的に完全に同等である(表28)。
実施例29
ヘモグロビン(Hb)を決定するための試験を行った。
実施例29Aは、ヘモグロビン(Hb)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とK3EDTAを用いた従来のサンプリング(Becton Dickinson社製チューブ(BD))の比較を示す。クエン酸溶液はアルキルアンモニウム化合物を含まず、pHを1.8に調整しなかった。結果については図1を参照されたい。
実施例29Bは、ヘモグロビン(Hb)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(HCT))とK3EDTAを用いた従来のサンプリング(Becton Dickinson社製チューブ(BD))の比較を示す。クエン酸溶液はアルキルアンモニウム化合物、特にテトラメチルアンモニウムクロライドを血液に対して16μモル/mlの濃度で含み、pHを2.4に調整した。結果については図1を参照されたい。
実施例30
塩化物イオン(CI)を決定するための試験を行った。
実施例30Aは、塩化物イオン(CI)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(GR15))とK3EDTAを用いた従来のサンプリング(Becton Dickinson社製チューブ(BD))の比較を示す。クエン酸溶液はアルキルアンモニウム化合物を含まず、pHを1.8に調整しなかった。結果については図2を参照されたい。
実施例30Bは、塩化物イオン(CI)について、クエン酸一水和物(CA)を用いた本発明のサンプリング(新品の血液回収KABEVETTEチューブ(HCT))とK3EDTAを用いた従来のサンプリング(Becton Dickinson社製チューブ(BD))の比較を示す。クエン酸溶液はアルキルアンモニウム化合物、特にテトラメチルアンモニウムクロライドを血液に対して16μモル/mlの濃度で含み、pHを2.4に調整した。結果については図2を参照されたい。
以下、実施例1〜28の表をまとめて示す。
[実施例1]
Figure 2016508613
[実施例2]
Figure 2016508613
[実施例3]
Figure 2016508613
[実施例4]
Figure 2016508613
[実施例5]
Figure 2016508613
[実施例6]
Figure 2016508613
[実施例7]
Figure 2016508613
[実施例8]
Figure 2016508613
[実施例9]
Figure 2016508613
[実施例10]
Figure 2016508613
[実施例11]
Figure 2016508613
[実施例12]
Figure 2016508613
[実施例13]
Figure 2016508613
[実施例14]
Figure 2016508613
[実施例15]
Figure 2016508613
[実施例16]
Figure 2016508613
[実施例17]
Figure 2016508613
[実施例18]
Figure 2016508613
[実施例19]
Figure 2016508613
[実施例20]
Figure 2016508613
[実施例21]
Figure 2016508613
[実施例22]
Figure 2016508613
[実施例23]
Figure 2016508613
[実施例24]
Figure 2016508613
[実施例25]
Figure 2016508613
[実施例26]
Figure 2016508613
[実施例27]
Figure 2016508613
[実施例28]
Figure 2016508613

Claims (15)

  1. インビトロで血液中の凝固を阻害するための方法であって、回収後の血液が、唯一の抗凝固剤としての、pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質から成る薬剤と混合される方法。
  2. 前記物質が、pKaが0.9以上の遊離カルボン酸として提供される物質である請求項1に記載の方法。
  3. 前記物質が、1分子あたり少なくとも2個のカルボキシル基を含み、好ましくは、1分子あたり少なくとも3のカルボキシル基を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記薬剤が、
    (i)pKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質、又は
    (ii)溶媒中に溶解されたpKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質、
    のみから成る請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 引き続いて、少なくとも1つの血液成分を決定するために少なくとも1つの試験が行われ、好ましくは少なくとも2つの血液成分を決定するために少なくとも2つの試験が行われる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記物質の濃度が、混合される血液の少なくとも0.1ミリモル/L、好ましくは0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜50ミリモル/L、更に好ましくは2〜32ミリモル/L、最も好ましくは2〜10ミリモル/Lである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. (ii)において、溶媒が、水溶液、水、及びアルコール、並びに水とアルコールの混合液から成る群から選択される、好ましくは水又はエタノールであり、より好ましくは水である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 下記の工程から成る請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法であって、少なくとも1つの血液成分の量、好ましくは少なくとも2つの血液成分の量が決定される方法。
    (a)請求項1〜4、6及び7のいずれか一項に記載の薬剤を含む血液回収装置を提供する工程、任意に該薬剤は更にpH調整薬剤及び/又はアンモニウム塩NRX(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、直鎖C−Cアルキル基、分岐C−Cアルキル基、非置換フェニル基又は置換フェニル基を表し、Xはハロゲン化物、好ましくは塩化物を表す。)を含む、
    (b)血液を該血液回収装置に入れる工程、
    (c)該血液回収装置中で該薬剤と血液とを混合する工程、
    任意に(d)所望の期間、血液を該血液回収装置中に保存する工程、及び
    (e)該血液サンプル中の、少なくとも1つの血液成分、好ましくは少なくとも2つの血液成分、の量を決定する工程
  9. 前記物質が、クエン酸、トリカルバリル酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ベンゼンペンタカルボン酸、メリト酸、及びテトラヒドロフラン-2, 3, 4, 5-テトラカルボン酸から成る群から選択される、またはこれらの任意の混合物であり、好ましくはクエン酸、トリカルバリル酸又はエチレンジアミン四酢酸であり、より好ましくはクエン酸である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. インビトロで血液を回収する(及び任意に保存する)ための血液回収装置の使用であって、該装置中で回収後の血液が請求項1〜4、6、7及び9のいずれか一項に記載の薬剤と混合され、その結果血液中の凝固が阻害される使用。
  11. 一つの装置中に回収されて、前記薬剤が混合された血液が、その後、少なくとも1つの血液成分を決定するために少なくとも1つの試験、好ましくは、少なくとも1つの血液学的検査、少なくとも一つの凝固試験、及び少なくとも1つのさらなる臨床化学分析から成る複数の試験を受ける、請求項10に記載の使用。
  12. インビトロで血液の凝固の阻害を達成するための、唯一の抗凝固剤としてpKaが0.9以上の遊離酸として提供される物質から成る薬剤の使用。
  13. 前記薬剤が、請求項2〜4、6、7及び9のいずれか一項に記載の薬剤である、請求項12に記載の使用。
  14. 血液回収装置であって、該装置中に請求項1〜4、6、8及び9のいずれか一項に記載の薬剤が提供され、前記物質が血液と混合される、装置。
  15. 請求項14に記載の血液回収装置、及び回収された血液中の少なくとも1つの血液成分の決定するための試験物質(複数可)から成るキット。
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