以下の詳細な説明においては、説明目的のため、開示されている実施形態の深い理解をもたらすように、多くの具体的な詳細が記載されている。しかし、それらの具体的な詳細を要することなく、一つ以上の実施形態を実施できることは明らかであろう。その他の例では、図を簡略化するために、周知の構造および装置は概略的に示されている。
図1〜図4を参照されたい。図1は、本開示の第1の実施形態によるスーツケースの斜視図である。図2は、開けられている図1のスーツケースの斜視図である。図3は、図2のリング状ガセットコンポーネントの部分拡大断面図である。図4は、図2のファスナーの拡大図である。
この実施形態において、スーツケース10は、後部ケースコンポーネント100と、前部蓋コンポーネント200と、リング状ガセットコンポーネント300とを含む。後部ケースコンポーネント100および前部蓋コンポーネント200は、より良好な保護をもたらすために、比較的硬い材料で作られている。例えば、後部ケースコンポーネント100および前部蓋コンポーネント200は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)またはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂等のプラスチックプレートで形成されるか、または、ファブリックで形成されている。
リング状ガセットコンポーネント300の2つの対向側部は、収容スペース330を形成するために、それぞれ後部ケースコンポーネント100の縁部および前部蓋コンポーネント200の縁部に接続されている。この実施形態において、リング状ガセットコンポーネント300は、例えば、1268Dファブリック、PE、PVC、PP、EVAまたはABS、および籐ファブリック、ブタジエン樹脂(SBR)、150Dジャージファブリック、ポリウレタン(PU)、ゴム、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、サンドイッチメッシュ生地、ネオプレン、ポリエステル、熱可塑性ゴム(TPR)、ウェビングまたは革等の比較的軟らかい材料を含む複合材料で形成されている。具体的には、リング状ガセットコンポーネント300は、複数の側壁部3100と、側壁部3100に接続して収容スペース330を形成するために構成されている複数の柔軟部3200とを有している。
各柔軟部3200は、リング状ガセットコンポーネント300が後部ケースコンポーネント100に接続されている縁部から、リング状ガセットコンポーネント300が前部蓋コンポーネント200に接続されている縁部までの方向に沿って延びており、また、各柔軟部3200と、後部ケースコンポーネント100との間には鋭角θが形成されている。具体的には、この実施形態において、柔軟部3200は、それぞれ、リング状ガセットコンポーネント300の角部から、それぞれスーツケース10の上部側および底部側に設けられている側壁部3100まで延びて鋭角θを形成しているが、本開示はそのことに限定されない。例えば、いくつかの実施形態において、柔軟部3200は、それぞれ、リング状ガセットコンポーネント300の角部から、スーツケース10の右側および左側に設けられている側壁部3100まで延ばすことができる。
この実施形態において、各柔軟部3200の幅は後部ケースコンポーネント100から前部蓋コンポーネント200まで連続的に小さくなっているが、本開示はそのことに限定されない。例えば、いくつかの実施形態において、各柔軟部3200の幅は、一定であるか、または、後部ケースコンポーネント100から離れていく方向に徐々に増加していく。各柔軟部3200の弾力性のある変形能力は、各側壁部3100の弾力性のある変形能力よりも大きく、また、柔軟部3200は湾曲可能であるため、互いに隣接しているそれぞれ2つの側壁部3100は、それらの間に接続されている柔軟部3200のうちの1つの湾曲によって、後部ケースコンポーネント100に対して上方または下方へ折り畳むことができ、それによって、保管位置および使用位置を有している。
具体的には、この実施形態において、側壁部3100の各々は、例えば、互いに積層されているPU 1682Dファブリック層3310と、EVA層3320と、PPプレート層3330とで形成されている。柔軟部3200の各々は、例えば、互いに積層されている籐ファブリック層3340と、SBR層3350と、150Dジャージファブリック層3360とで形成されている。さらに、籐ファブリック層3340、SBR層3350および150Dジャージファブリック層3360の弾力性のある変形能力は、PU 1682Dファブリック層3310、EVA層3320、PPプレート層3330の弾力性のある変形能力よりも大きく、また、籐ファブリック層3340、SBR層3350および150Dジャージファブリック層3360は湾曲可能であるため、柔軟部3200が曲げられた場合、互いに隣接している2つの側壁部3100は、後部ケースコンポーネント100に対して上方または下方へ折り畳むことができる。サトウキビ生地層840は、例えば、SBRで形成されている。この実施形態において、そのSBR層の厚さは3mmであり、EVA層の厚さは1.5mmであり、PPプレート層の厚さは0.8mmであるが、本開示はこれらに限定されない。
この実施形態において、リング状ガセットコンポーネント300は、第1の開口部340を有している。前部蓋コンポーネント200は、第2の開口部210を有している。側壁部3100のうちの1つは、側壁本体386および接続体387を含む。側壁本体386は、外側面386aおよび凹部386bを有している。凹部386bは、側壁本体386の外側面386aに設けられている。接続体387は、2つの対向縁部を有し、それらの縁部の一方は、凹部386bを形成している側壁本体386の縁部に接続され、他方の縁部は、前部蓋コンポーネント200の第2の開口部210の縁部に接続されている。換言すれば、接続体387は、前部蓋コンポーネント200と、側壁本体386との間に接続されている。いくつかの実施形態において、側壁本体386は、凹部386bに対応するくぼみを有している。
前部蓋コンポーネント200は、収容スペース330を形成するために、ファスナー400によって、リング状ガセットコンポーネント300に接続されている。ファスナー400は、2つのチェーン410と、2つのファスナーヘッド420と、2つのプルタブ430とを含む。チェーン410の一方は、第1の開口部340の縁部および凹部386bの縁部の周りに配置されている。他方のチェーン410は、第2の開口部210の縁部および接続体387の縁部の周りに配置されている。2つのファスナーヘッド420は、スーツケース10を閉じたり開けたりするために、2つのチェーン410をくくるか、または分離するために構成され、接続体387が側壁本体386を覆ったり、または覆わなかったりすることを可能にしている。2つのプルタブ430は、それぞれ、ファスナーヘッド420上に移動可能に取り付けられ、および収容スペース330の外側に設けられている。本開示は、ファスナーヘッド420の数に制限はない。例えば、いくつかの実施形態において、ファスナーヘッド420の数は1つである。ファスナー400は、前部蓋コンポーネント200とリング状ガセットコンポーネント300を接続するための接続要素のうちのちょうど1つであり、また、上述した接続要素は、例えば、ベルクロ(登録商標)またはボタンである。
この実施形態およびいくつかの実施形態において、リング状ガセットコンポーネント300はさらに、固定ベルト3400を含む。固定ベルト3400は、第1のベルト体3410および第2のベルト体3420を含む。第1のベルト体3410および第2のベルト体3420はそれぞれ、いずれかの2つの対向する側壁部3100に設けられている。第1のベルト体3410は、第2のベルト体3420に着脱可能に接続される。この実施形態において、第1のベルト体3410および第2のベルト体3420は、それぞれ、左側の側壁部3100および右側の側壁部3100に設けられているが、本開示はそのことに限定されない。例えば、いくつかの実施形態において、第1のベルト体3410および第2のベルト体3420は、上側の側壁部3100および底部の側壁部3100に配置することができる。右、左、上、底部、前部、後部等の方向に関する単語は、本願明細書において用いる場合、そのキャスターの位置に基づいている。例えば、それらのキャスターが設けられている側は、底部側と定義される。
この実施形態およびいくつかの実施形態において、前部蓋コンポーネント200はさらに、ベルト395を含む。ベルト395は、第1のベルト体396および第2のベルト体397を含む。第1のベルト体396および第2のベルト体397は、前部蓋コンポーネント200上に設けられている。第1のベルト体396は、第2のベルト体397に着脱可能に接続される。くわえて、第1のベルト体396および第2のベルト体397は、前部蓋コンポーネント200の上側および底部側に設けられているが、本開示は、そのことに限定されない。例えば、いくつかの実施形態においては、第1のベルト体396および第2のベルト体397は、前部蓋コンポーネント200の左側および右側に設けられる。
この実施形態およびいくつかの実施形態において、スーツケース10はさらに、それぞれ、スーツケース10の右側および左側に設けられている2つの側壁部3100に設けられた2つの第3の補強要素3510を含む。本開示では、第3の補強要素3510の数に制限はない。例えば、いくつかの実施形態において、第3の補強要素3510の数は3つであり、3つの第3の補強要素3510は、それぞれ、側壁部3100のうちの3つに設けられている。
この実施形態およびいくつかの実施形態において、スーツケース10はさらに、ハンドル3610および第4の補強要素3620を含む。ハンドル3610および第4の補強要素3620は、同じ側壁部3100上に設けられている。ハンドル3610は、側壁部3100の外側面に設けられている。側壁部3100上の第4の補強要素3620の直交突出部は、側壁部3100上のハンドル3610の直交突出部に少なくとも部分的に重なっており、それによって、側壁部3100の構造強度を向上させている。
この実施形態において、第3の補強要素3510および第4の補強要素3620は、例えば、ハニカム構造のボードである。それらのハニカム構造のボードの各々は、例えば、6mmの厚さを有している。
くわえて、この実施形態およびいくつかの実施形態において、そのハニカム構造のボードは、スーツケース10の支持力を向上させるために、底部側の側壁部3100に設けることができる。
以下、この実施形態のスーツケース10の保管プロセスについて説明する。図2と、図2の保管プロセスに関する概略図である図5〜図8を参照されたい。
まず、図2に示すように、後部ケースコンポーネント100に対して、リング状ガセットコンポーネント300が開けられて使用位置にあるため、ユーザが、収容スペース330に物を入れることが可能になっている。次に、リング状ケースフレーム300を折り畳む動作が始まる。図5に示すように、2つの対向する側壁部3100が押されて、または下方へ折り畳まれて、それぞれ隣接する側壁部3100の間に接続されている柔軟部3200上に折り目311が形成される。
次いで、図6に示すように、残りの2つの対向する側壁部3100が押されて、または下方へ折り畳まれ、その結果、全ての側壁部3100は、後部ケースコンポーネント100に対して閉じることができ、および保管位置にすることができる。より具体的には、柔軟部3200が曲げられると、各柔軟部3200に接続された、どの隣接する2つの側壁部3100も、柔軟部3200の弾力性のある変形能力により、後部ケースコンポーネント100に対して閉じられることになり、また、各側壁部3100は、曲げられて湾曲ライン312を形成することになる。そして、側壁部3100を保管位置に固定するために、第1のベルト体3410が第2のベルト体3420に取り付けられる。
次に、図7に示すように、後部ケースコンポーネント100と、格納されたリング状ガセットコンポーネント300とが、前部蓋コンポーネント200上に積み重ねられる。最後に、図8に示すように、第1のベルト体396および第2のベルト体397がバックルでしっかり留められて、後部ケースコンポーネント100と前部蓋コンポーネント200が一緒にくくられる。さらに、図8と図1を比較することにより、保管位置におけるスーツケース10のサイズが、使用位置におけるスーツケース10のサイズよりもかなり小さいことは明白である。
図9〜図12を参照されたい。図9は、本開示の第2の実施形態によるスーツケースの斜視図であり、図10は、開けられている図9のスーツケースの斜視図であり、図11は、図10のファスナーの拡大図である。
この実施形態において、スーツケース10は、後部ケースコンポーネント100と、前部蓋コンポーネント200と、リング状ガセットコンポーネント300とを含む。後部ケースコンポーネント100および前部蓋コンポーネント200は、より良好な保護をもたらすために、比較的硬い材料で形成されている。例えば、後部ケースコンポーネント100および前部蓋コンポーネント200は、PE、PP、EVA、PVCまたはABS樹脂等のプラスチックプレートで形成されるか、または、ファブリックで形成されている。
リング状ガセットコンポーネント300の2つの対向する側部は、収容スペース330を形成するために、それぞれ、後部ケースコンポーネント100の縁部および前部蓋コンポーネント200の縁部に接続されている。この実施形態において、リング状ガセットコンポーネント300は、例えば、PE、PVC、PP、EVAまたはABS、およびPU、ゴム、TPU、サンドイッチメッシュ生地、ネオプレン、ポリエステル、TPR、ウェビングまたは革等の比較的軟らかい材料を含む複合材料で形成されている。具体的には、リング状ガセットコンポーネント300は、複数の第1の支持部380と、第1の支持部380に接続される複数の第2の支持部385とを有している。第1の支持部380は、それぞれ、後部ケースコンポーネント100の角部に設けられ、また、第2の支持部385は、それぞれ、後部ケースコンポーネント100の縁部に設けられている。
第1の支持部380および第2の支持部385の内側の材質は、例えば、鉄製のワイヤーフレーム、木製プレート、プラスチックプレート、鉄製プレート、アルミプレートまたはマグネシウム合金プレートで形成されている。
リング状ガセットコンポーネント300は、複数の湾曲部390を含む。各湾曲部390は、互いに隣接し、および後部ケースコンポーネント100から前部蓋コンポーネント200まで及んでいる第1の支持部380と第2の支持部385との間に設けられている。換言すれば、各湾曲部390の2つの対向側部は、それぞれ、第1の支持部380および第2の支持部385に接続されている。くわえて、各湾曲部390の弾力性のある変形能力は、各第1の支持部380の弾力性のある変形能力および各第2の支持部385の弾力性のある変形能力よりも大きく、また、湾曲部390は湾曲可能であり、第1の支持部380および第2の支持部385を、保管位置になるように後部ケースコンポーネント100に対して閉じること、および使用位置になるようにそれらの支持部を後部ケースコンポーネント100に対して開けることが可能になっている。
具体的には、この実施形態において、第1の支持部380の各々は、例えば、互いに積層されている、PVC層810、EVA層820、PPプレート層830、サトウキビ生地層840、ネオプレン層850およびPVC底部層860で形成されている。第2の支持部385の各々は、例えば、互いに積層されている、PVC層810、EVA層820およびPPプレート層830で形成されている。また、各湾曲部390は、互いに隣接している第1の支持部380のうちの1つと第2の支持部385のうちの1つとの間に設けられている。各湾曲部390は、例えば、サトウキビ生地層840、ネオプレン層850およびPVC底部層860で形成されている。サトウキビ生地層840、ネオプレン層850およびPVC底部層860の弾力性のある変形能力は、PVC層810およびPPプレート層830の弾力性のある変形能力よりも大きく、およびサトウキビ生地層840、ネオプレン層850およびPVC底部層860は湾曲可能であるため、第1の支持部380および第2の支持部385は、後部ケースコンポーネント100に対して、上方または下方へ折り畳むことができ、それによって、保管位置および使用位置を有している。上述したサトウキビ生地層840は、例えば、SBRで形成されている。この実施形態およびいくつかの実施形態において、上述したPVC底部層860は、PVC膜を用いて取り付けられる。さらに、この実施形態において、PPプレート層830は、縫製によって、第1の支持部380および第2の支持部385の内側に設けられているが、本開示はそのことに限定されない。いくつかの実施形態において、PPプレート層830は、第1の支持部385および第2の支持部390の内側に着脱可能に設けられる。
この実施形態において、リング状ガセットコンポーネント300は第1の開口部340を有し、および前部蓋コンポーネント200は第2の開口部210を有している。第2の支持部385のうちの1つは、側壁本体386および接続体387を含む。側壁本体386は、外側面386aおよび凹部386bを有している。凹部386bは、側壁本体386の外側面386aに設けられている。接続体387は、2つの対向する後方縁部を有し、接続体387の一方の縁部は、凹部386bを形成する側壁本体386の縁部に接続されている。接続体387の他方の縁部は、前部蓋コンポーネント200の第2の開口部210の縁部に接続されている。すなわち、接続体387は、前部蓋コンポーネント200と側壁本体386との間に接続されている。
さらに、前部蓋コンポーネント200は、収容スペース330を形成するために、ファスナー400によって、リング状ガセットコンポーネント300に接続されている。ファスナー400は、2つのチェーン410と、2つのファスナーヘッド420と、2つのプルタブ430とを含む。チェーン410の一方は、第1の開口部340の縁部および凹部386bの縁部を包囲するために構成されている。他方のチェーン410は、第2の開口部210の縁部および接続体387の縁部を包囲するために構成されている。2つのファスナーヘッド420は、2つのチェーン410を結んでスーツケース10を閉じるか、または、2つのチェーン410を引き離してスーツケース10を開けるために構成され、接続体387が側壁本体386を覆うこと、または、該接続体を該側壁本体から引き離すことを可能にする。2つのプルタブ430は、それぞれ、ファスナーヘッド420上に移動可能に取り付けられ、および収容スペース330の外側に配置されている。本開示では、ファスナーヘッド420の数に制限はない。いくつかの実施形態において、ファスナーヘッド420の数は1つである。ファスナー400は、前部蓋コンポーネント200とリング状ガセットコンポーネント300を接続するための接続要素のうちの1つにすぎないが、本開示はそのことに限定されない。いくつかの実施形態において、上述した接続要素は、例えば、ベルクロ(登録商標)またはボタンである。
この実施形態およびいくつかの実施形態において、リング状ガセットコンポーネント300はさらに、ベルト395を含む。ベルト395は、第1のベルト体396および第2のベルト体397を含む。第1のベルト体396と第2のベルト体397は、リング状ガセットコンポーネント300の外側面に着脱可能に設けられているが、本開示はそのことに限定されない。いくつかの実施形態において、第1のベルト体396および第2のベルト体397は、リング状ガセットコンポーネント300の内側面に設けられる。さら別の実施形態においては、第1のベルト体396は、リング状ガセットコンポーネント300の外側面に直接接続され、すなわち、第1のベルト体396とリング状ガセットコンポーネント300は、着脱可能になっていない。第1のベルト体396が第2のベルト体397に接続されると、各第1の支持部380および各第2の支持部385は、保管位置に固定することができる。さらに、この実施形態において、第1のベルト体396および第2のベルト体397は、それぞれ、リング状ガセットコンポーネント300の上側および底部側に設けられているが、本開示はそのことに限定されない。いくつかの実施形態においては、第1のベルト体396と第2のベルト体397は、それぞれ、リング状ガセットコンポーネント300の右側および左側に設けられている。
また、この実施形態およびいくつかの実施形態において、スーツケース10はさらに、把持部930を含む。把持部930は、第2の延長部230に接続されている。ユーザは、第2の延長部230の位置を保持するために、把持部930をつかんで、他方の手でファスナーヘッド420を引っ張ることができる。しかし、いくつかの実施形態においては、把持部930は、第1の延長部398に接続されているが、本開示はそのことに限定されない。
以下、この実施形態のスーツケース10の保管プロセスについて説明する。図10と、図12〜図15を参照されたい。図12〜図15は、図10の保管プロセスの概略図である。
まず、図10に示すように、まず、図2に示すように、リング状ガセットコンポーネント300が、後部ケースコンポーネント100に対して開けられ、その結果として、使用位置にあり、ユーザが、物を収容スペース330に入れることが可能になる。次に、リング状ケースフレーム300を折り畳む動作が始まる。図12に示すように、2つの対向する第2の支持部385が押されるか、または、下方に折り畳まれて、湾曲部390に折り目311を形成する。
次いで、図13に示すように、残りの2つの対向する第2の支持部385が押されるか、または下方に折り畳まれ、その結果、第1の支持部380および第2の支持部385は、保管位置になるように、後部ケースコンポーネント100上に重ねることができる。次に、図14に示すように、前部蓋コンポーネント200が、後部ケースコンポーネント100および格納されたリング状ガセットコンポーネント300上に重ねられる。最後に、図15に示すように、第1のベルト体396および第2のベルト体397が、バックルでしっかり留められて、後部ケースコンポーネント100と前部蓋コンポーネント200が一緒にくくられる。さらに、図15と図9を比較することにより、保管位置におけるスーツケース10のサイズが、使用位置におけるスーツケース10のサイズよりもかなり小さいことは明らかである。
スーツケース10を格納または折り畳む場合、図12に示すように、ユーザがスーツケース10を格納または折り畳むのを前部蓋コンポーネント200が妨げないことを確実にするために、接続体387が、側壁本体386の外側面に対して曲げられるか、または、該外側面から離されて、前部蓋コンポーネント200と第2の支持部386との間の距離が大きくされる。
したがって、プルタブ430は、収容スペース330の外側に設けることができる。ユーザは、スーツケース10の外部からプルタブ430を引っ張ることによって、前部蓋コンポーネント200を開けることができる。
上述した凹部386bは第2の支持部385を貫通してはいないが、本開示はそのことに限定されない。いくつかの実施形態において、凹部386bは、第2の支持部385を貫通している。本開示の実施形態による、開けられているスーツケースの前部蓋コンポーネントの斜視図である図16を参照されたいが、第3の実施形態と同様の図9に示すような部材は、さらに説明はしない。
この実施形態において、リング状ガセットコンポーネント300は、第1の開口部340を有している。前部蓋コンポーネント200は、第2の開口部210を有している。第2の支持部385の1つは、側壁本体386および接続体387を含む。側壁本体386は、凹部386bを有している。凹部386bは、第1の開口部340の縁部に設けられている。接続体387は、2つの対向する縁部を有しており、それらの縁部の一方は、凹部386bを形成する側壁本体386の縁部に接続され、また、他方の縁部は、前部蓋コンポーネント200の第2の開口部210の縁部に接続されている。ファスナー400は、2つのチェーン410と、2つのファスナーヘッド420と、2つのプルタブ430とを含む。チェーン410の一方は、第1の開口部340の縁部および凹部386bの縁部の周辺に設けられている。他方のチェーン410は、第2の開口部210の縁部および接続体387の縁部の周囲に設けられている。2つのファスナーヘッド420は、2つのチェーン410を結ぶか、または分離するために構成されている。ファスナーヘッド420がチェーン410を結ぶと、接続体387および側壁本体386は一緒に、第2の支持部385のうちの1つを構成する。
図17〜図20を参照されたい。図17は本開示の第4の実施形態によるスーツケースの斜視図であり、図18は開けられている図17のスーツケースの斜視図であり、図19Aは図18の拡大図であり、図19Bは図19Aの断面図であり、図19Cは湾曲されている図19Aのスーツケースの斜視図であり、図20は図18のファスナーの拡大図である。
この実施形態において、スーツケース10は、後部ケースコンポーネント100と、前部蓋コンポーネント200と、リング状ガセットコンポーネント300とを含む。後部ケースコンポーネント100および前部蓋コンポーネント200は、より良好な保護をもたらすために、比較的硬い材料で形成されている。例えば、後部ケースコンポーネント100および前部蓋コンポーネント200は、PE、PP、EVA、PVCまたはABS樹脂等のプラスチックプレートで形成されるか、または、ファブリックで形成されている。
リング状ガセットコンポーネント300の2つの対向する側部は、収容スペース330を形成するために、それぞれ、後部ケースコンポーネント100の縁部および前部蓋コンポーネント200の縁部に接続されている。この実施形態において、リング状ガセットコンポーネント300は、例えば、PE、PVC、PP、EVAまたはABS、およびPU、ゴム、TPU、サンドイッチメッシュ生地、ネオプレン、ポリエステル、TPR、ウェビングまたは革等の比較的軟らかい材料を含む複合材料で形成されている。具体的には、リング状ガセットコンポーネント300は、複数の第1の支持部380と、第1の支持部380に接続される複数の第2の支持部385とを有している。第1の支持部380は、それぞれ、後部ケースコンポーネント100の角部に設けられ、また、第2の支持部385は、それぞれ、後部ケースコンポーネント100の側部に設けられている。第1の支持部380および第2の支持部385の内側の材質は、例えば、鉄製のワイヤーフレーム、木製プレート、プラスチックプレート、鉄製プレート、アルミプレートまたはマグネシウム合金プレートで形成されている。
リング状ガセットコンポーネント300は、複数の湾曲部390を含む。各湾曲部390は、互いに隣接し、および後部ケースコンポーネント100から前部蓋コンポーネント200まで及んでいる第1の支持部380と第2の支持部385との間に設けられている。換言すれば、各湾曲部390の2つの対向側部は、それぞれ、第1の支持部380および第2の支持部385に接続されている。くわえて、各湾曲部390の弾力性のある変形能力は、各第1の支持部380の弾力性のある変形能力および各第2の支持部385の弾力性のある変形能力よりも大きく、また、湾曲部390は湾曲可能であり、第1の支持部380および第2の支持部385を、保管位置になるように後部ケースコンポーネント100に対して閉じること、および使用位置になるようにそれらの支持部を後部ケースコンポーネント100に対して開けることが可能になっている。
具体的には、この実施形態において、第1の支持部380の各々は、例えば、互いに積層されている、PVC層810、EVA層820、PPプレート層830、サトウキビ生地層840、ネオプレン層850およびPVC底部層860で形成されている。第2の支持部385の各々は、例えば、互いに積層されている、PVC層810、EVA層820およびPPプレート層830で形成されている。また、各湾曲部390は、互いに隣接している、第1の支持部380のうちの1つと、第2の支持部385のうちの1つとの間に設けられている。各湾曲部390は、例えば、サトウキビ生地層840、ネオプレン層850およびPVC底部層860で形成されている。サトウキビ生地層840、ネオプレン層850およびPVC底部層860の弾力性のある変形能力は、PVC層810およびPPプレート層830の弾力性のある変形能力よりも大きく、およびサトウキビ生地層840、ネオプレン層850およびPVC底部層860は湾曲可能であるため、第1の支持部380および第2の支持部385は、後部ケースコンポーネント100に対して、上方または下方へ折り畳むことができ、それによって、保管位置および使用位置を有している。上述したサトウキビ生地層840は、例えば、SBRで形成されている。この実施形態およびいくつかの実施形態において、上述したPVC底部層860は、PVC膜を用いて取り付けられる。さらに、この実施形態において、PPプレート層830は、縫製によって、第1の支持部380および第2の支持部385の内側に設けられているが、本開示は、そのことに限定されない。いくつかの実施形態において、PPプレート層830は、第1の支持部385および第2の支持部390に着脱可能に設けられる。
この実施形態において、リング状ガセットコンポーネント300は第1の開口部340を有し、および前部蓋コンポーネント200は第2の開口部210を有している。リング状ガセットコンポーネント300はさらに第1の延長部398を含み、第1の延長部398は第1の開口部340を形成するリング状ガセットコンポーネント300の縁部に接続されている。前部蓋コンポーネント200はさらに第2の延長部230を含み、第2の延長部230は第2の開口部210を形成する前部蓋コンポーネント200の縁部に接続されている。前部蓋コンポーネント200は、収容スペース330を形成するために、ファスナー400によって、リング状ガセットコンポーネント300に接続されている。ファスナー400は、2つのチェーン410と、2つのファスナーヘッド420とを含む。チェーン410の一方は、第1の開口部340の縁部および第1の延長部398の縁部の周囲に設けられている。他方のチェーン410は、第2の開口部210の縁部および第2の延長部230の縁部の周囲に設けられている。2つのファスナーヘッド420は、スーツケース10を閉じるまたは開けるために、2つのチェーン410を結ぶか、または分離するために構成されている。ファスナーヘッド420は、単一のプルタブまたは一組のプルタブを有するが、本開示はそのことに限定されない。この実施形態においては、ファスナーヘッド420は、一組のプルタブを有し、ユーザは、それらのプルタブのうちのいずれか1つを引っ張ることにより、チェーン410を結ぶか、または分離することができる。ファスナー400は、前部蓋コンポーネント200とリング状ガセットコンポーネント300を接続するための接続要素のうちの1つにすぎず、また、上述した接続要素は、例えば、ベルクロ(登録商標)またはボタンである。
この実施形態およびいくつかの実施形態において、リング状ガセットコンポーネント300はさらにベルト395を含む。ベルト395は、第1のベルト体396および第2のベルト体397を含む。第1のベルト体396と、第2のベルト体397は、リング状ガセットコンポーネント300の外側面に着脱可能に設けられているが、本開示はそのことに限定されない。いくつかの実施形態において、第1のベルト体396および第2のベルト体397は、リング状ガセットコンポーネント300の内側面に設けられる。さらに別の実施形態においては、第1のベルト体396はリング状ガセットコンポーネント300の外側面に直接接続され、すなわち、第1のベルト体396とリング状ガセットコンポーネント300は着脱可能ではない。第1のベルト体396が第2のベルト体397に接続されると、各第1の支持部380および各第2の支持部385は保管位置に固定することができる。さらに、この実施形態において、第1のベルト体396および第2のベルト体397は、それぞれ、リング状ガセットコンポーネント300の上側および底部側に設けられているが、本開示はそのことに限定されない。いくつかの実施形態においては、第1のベルト体396と第2のベルト体397は、それぞれ、リング状ガセットコンポーネント300の右側および左側に設けられている。
また、この実施形態およびいくつかの実施形態において、スーツケース10はさらに把持部930を含む。把持部930は、第2の延長部230に接続されている。ユーザは、第2の延長部230の位置を保持するために、把持部930をつかんで、他方の手でファスナーヘッド420を引っ張ることができる。しかし、いくつかの実施形態においては、把持部930は第1の延長部398に接続されているが、本開示はそのことに限定されない。
以下、この実施形態のスーツケース10の保管プロセスについて説明する。図18と、図21〜図24を参照されたい。図21〜図24は、図18の保管プロセスの概略図である。
まず、図18に示すように、リング状ガセットコンポーネント300が後部ケースコンポーネント100に対して開けられ、その結果として、使用位置にあり、ユーザが、物を収容スペース330に入れることが可能になる。次に、リング状ガセットコンポーネント300を折り畳む動作が始まる。図21に示すように、2つの第2の支持部385が押されるか、または、下方に折り畳まれて、折り目311が形成される。
次いで、図22に示すように、残りの2つの対向する第2の支持部385が押されるか、または、下方に折り畳まれて、その結果、各第1の支持部380および各第2の支持部385が、保管位置になるように、後部ケースコンポーネント100上に重ねられる。次に、図23に示すように、前部蓋コンポーネント200が、後部ケースコンポーネント100および格納されたリング状ガセットコンポーネント300上に重ねられる。最後に、図24に示すように、第1のベルト体396および第2のベルト体397が、バックルでしっかり留められて、後部ケースコンポーネント100と前部蓋コンポーネント200が一緒にくくられる。さらに、図24と図17を比較することにより、保管位置におけるスーツケース10のサイズが、使用位置におけるスーツケース10のサイズよりもかなり小さいことは明らかである。
いくつかの実施形態において、スーツケース10は、異なる湾曲部材を有することができる。図25〜図28を参照されたい。図26は、開けられている図25のスーツケースの斜視図である。図27Aは、図26の部分拡大図である。図27Bは、湾曲されている図27Aの斜視図である。図28は、図26のファスナーの拡大図である。
この実施形態において、スーツケース10は、後部ケースコンポーネント100と、前部蓋コンポーネント200と、リング状ガセットコンポーネント300とを含む。後部ケースコンポーネント100および前部蓋コンポーネント200は、より良好な保護をもたらすために、比較的硬い材料で作られている。例えば、後部ケースコンポーネント100および前部蓋コンポーネント200は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、EVA、PVCまたはABS樹脂等のプラスチックプレートで形成されるか、または、ファブリックで形成されている。
リング状ガセットコンポーネント300の2つの対向する側部は、収容スペース330を形成するために、それぞれ、後部ケースコンポーネント100の縁部および前部蓋コンポーネント200の縁部に接続されている。この実施形態において、リング状ガセットコンポーネント300は、複合材料、例えば、PE、PP、EVAまたはABS等のプラスチックプレートと、PU、ゴム、TPU、TPR等の比較的軟らかい材料との組合せで形成されている。リング状ガセットコンポーネント300は、複数の湾曲部分310および複数の側壁部分320を含む。湾曲部分310は、それぞれ、後部ケースコンポーネント100の角部に設けられている。側壁部分320は、それぞれ、後部ケースコンポーネント100の縁部に設けられている。湾曲部分310は、PU、ゴム、TPUまたはTPR等の比較的軟らかい材料で形成されているが、側壁部分320の内側は、比較的硬い材料、例えば、PE、PPまたはABS等のプラスチックプレートで形成されるか、または木製プレート、鉄製フレーム、紙製プレート、アルミプレート、鉄製ワイヤーフレーム、鉄製プレートまたはマグネシウム合金プレートで形成されているため、各湾曲部分310の弾力性のある変形能力は、各側壁部分320の弾力性のある変形能力よりも大きい。さらに、湾曲部分310は湾曲可能であるため、側壁部分320を後部ケースコンポーネント100に対して上方または下方へ折り畳むことができる場合、それによって、保管位置および使用位置を有することになる。
具体的には、湾曲部分310は、大きな弾力性のある変形能力を有し、および湾曲可能であるため、ユーザは、スーツケース10を保管するために、湾曲部分310を湾曲させて、リング状ガセットコンポーネント300の形態を変えることができる。側壁部分320の弾力性のある変形能力は、湾曲部分310の弾力性のある変形能力よりも小さいため、すなわち、側壁部分320の剛性が、湾曲部分310の剛性よりも大きいため、側壁部分320は、スーツケース10に対する保護および支持をもたらすことができる。さらに、後部ケースコンポーネント100に対して側壁部分320をより簡単に開閉する目的で、折り目または大きな弾力性のある変形能力を有する材料が、各側壁部分320と、後部ケースコンポーネント100との間に設けられて、各側壁部分320を、後部ケースコンポーネント100に対して折り畳むことができるようになっている。
また、図27Bに示すように、湾曲部分310は、少なくとも一つの折り目311を有している。ユーザがスーツケース10を保管または使用するのを容易にするために、折り目311が、例えば、手で作られるか、または、インプリンティング等の機械的加工によって形成される。
この実施形態およびいくつかの実施形態において、各湾曲部分310と、隣接する側壁部分320は、それらの間に収束線360を有している。収束線360は、例えば、図27Aに示すような曲線または円弧である。いくつかの実施形態において、収束線360は直線であるため、2つの隣接する収束線360は、互いに平行にするか、または、互いに平行にしないことができる。
さらに、この実施形態において、リング状ガセットコンポーネント300は、第1の開口部340を有し、また、前部蓋コンポーネントは、第2の開口部210を有している。前部蓋コンポーネント200は、収容スペース330を形成するために、ファスナー400によってリング状ガセットコンポーネント300に接続されている。ファスナー400は、2つのチェーン410と、2つのファスナーヘッド420を含む。2つのチェーン410は、第1の開口部340の縁部および第2の開口部210の縁部の周囲に設けられている。2つのファスナーヘッド420は、スーツケース10を開閉するために、2つのチェーン410を結ぶか、または分離するために構成されている。ファスナー400は、前部蓋コンポーネント200とリング状ガセットコンポーネント300を接続するための接続要素の1つにすぎず、また、上述した接続要素は、例えば、ベルクロ(登録商標)またはボタンである。
さらに、いくつかの実施形態において、側壁本体386および接続体387は、図1に示すように、上述した側壁部分320に適用することができる。
この実施形態において、2つのチェーン410は、接続部分411を形成するように、互いに接続されている。接続部分411は、前部蓋コンポーネント200と、リング状ガセットコンポーネント300との間に設けられている。また、接続部分411は、前部蓋コンポーネント200とリング状ガセットコンポーネント300が互いに離された場合に、前部蓋コンポーネント200とリング状ガセットコンポーネント300を特定の距離で保持することを可能にする長さを有している。この実施形態において、接続部分411の長さ、すなわち、前部蓋コンポーネント200とリング状ガセットコンポーネントとの距離は、例えば、リング状ガセットコンポーネント300の幅よりも大きい。そのため、接続部分411の長さは、後部ケースコンポーネント100に対して全ての側壁部分320を閉じるために、ユーザが湾曲部分310を湾曲させるのに十分に長くなっている。
この実施形態において、スーツケース10はさらに、複数の第1のキャスター600および複数の第2のキャスター610を含む。第1のキャスター600は、後部ケースコンポーネント100に設けられており、また、第2のキャスター610は、前部蓋コンポーネント200に設けられている。しかし、キャスター600および610の位置および数は、本開示を限定するように意図されていない。
この実施形態およびいくつかの実施形態において、スーツケース10はさらに、少なくとも一つのハンドル350を含む。ハンドル350は、リング状ガセットコンポーネント300に設けられている。さらに、いくつかの実施形態において、スーツケース10には、ユーザがスーツケース10を異なる方向に運ぶために、それぞれ側壁部分320のうちの2つに設けられた2つのハンドル350が備えられている。
この実施形態およびいくつかの実施形態において、スーツケース10はさらに、テレスコープ式ハンドル700を含む。テレスコープ式ハンドル700は、スーツケース10を運ぶために、後部ケースコンポーネント100に設けられている。
この実施形態およびいくつかの実施形態において、後部ケースコンポーネント100は、ベルト110を含む。ベルト110は、互いに離すことができ、および互いに接続することができる第1のベルト体111および第2のベルト体112を含む。第1のベルト体111と第2のベルト体112が互いに接続されている場合、第1のベルト体111および第2のベルト体112は、後部ケースコンポーネント100およびリング状ガセットコンポーネント300を取り囲むことができ、後部ケースコンポーネント100およびリング状ガセットコンポーネント300を、前部蓋コンポーネント200に対して閉じることが可能である。しかし、ベルト110は、格納された後部ケースコンポーネント100とリング状ガセットコンポーネント300をくくるだけではなく、後部ケースコンポーネント100およびリング状ガセットコンポーネント300の内部に入れられた物を拘束するのにも用いられる。この実施形態およびいくつかの実施形態において、前部蓋コンポーネント200は、ベルト220を含む。ベルト220は、第1のベルト体221および第2のベルト体222を含む。第1のベルト体221および第2のベルト体222は、それぞれ、互いに対向している前部蓋コンポーネント200の2つの側部に設けられている。第1のベルト体221と第2のベルト体222は、前部蓋コンポーネント200の内側に入れられた物を拘束するために互いに接続されている。
この実施形態およびいくつかの実施形態において、リング状ガセットコンポーネント300はさらに、2つの保持リング370を含む。2つの保持リング370は、第1の開口部340の2つの対向側部に設けられている。後部ケースコンポーネント100のベルト110の第1のベルト体111および第2のベルト体112は、2つの保持リング370に通すために、および互いに接続されるために構成されている。
本開示の第6の実施形態による、開けられているスーツケースの斜視図である図29を参照されたい。この実施形態において、スーツケース10はさらに、少なくとも一つのハニカムボード500を含む。ハニカムボード500は、リング状ガセットコンポーネント300に取り付けられており、およびリング状ガセットコンポーネント300を支持するために構成されている。それにより、スーツケース構造10の構造的強度を高めることができる。しかし、他の実施形態においては、ハニカムボード500は、鉄製ワイヤーフレーム、木製プレート、プラスチックプレート、鉄製プレート、アルミプレート、ゴムまたはマグネシウム合金プレート等の、リング状ガセットコンポーネント300よりも大きな構造的強度を有する他のコンポーネントと置き換えてもよい。
以後、この実施形態のスーツケース10の保管プロセスについて説明する。図25と、図25の保管プロセスの概略図である図30〜図33を参照されたい。
まず、図26に示すように、リング状ガセットコンポーネント300が、後部ケースコンポーネント100に対して開けられ、その結果として使用位置にあり、ユーザが、物を収容スペース330に入れることが可能になる。次に、リング状ガセットコンポーネント300を折り畳む動作が始まる。図14に示すように、対向する側壁部分320が押されるか、または、下方に折り畳まれて折り目311が形成される。2つの対向する側壁部分320に接続されている4つの湾曲部分310は湾曲可能であるため、それら2つの対向する側壁部分320は、後部ケースコンポーネント100に対して閉じることができる。
次いで、図31に示すように、残りの2つの対向する側壁部分320が押されるか、または下方に折り畳まれ、すなわち、全ての側壁部分320は、保管位置になるように、後部ケースコンポーネント100上に重ねられる。ベルト110の第1のベルト体111と第2のベルト体112がバックルでしっかり留められる。図32に示すように、後部ケースコンポーネント100と、格納されたリング状ガセットコンポーネント300が、前部蓋コンポーネント200上に積み重ねられる。最後に、図33に示すように、ベルト220の第1のベルト体211および第2のベルト体222が、バックルでしっかり留められて、後部ケースコンポーネント100と前部蓋コンポーネント200が一緒にくくられる。さらに、図33と図25を比較することにより、保管位置におけるスーツケース10のサイズが、使用位置におけるスーツケース10のサイズよりもかなり小さいことは明らかである。
本開示の第7の実施形態によるスーツケースの斜視図である図34を参照されたい。
この実施形態において、スーツケース10は、後部ケースコンポーネント100と、前部蓋コンポーネント200と、リング状ガセットコンポーネント300とを含む。後部ケースコンポーネント100および前部蓋コンポーネント200は、より良好な保護をもたらすために、比較的硬い材料で作られている。例えば、後部ケースコンポーネント100および前部蓋コンポーネント200は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、EVA、PVCまたはABS樹脂等のプラスチックプレートで、またはファブリックで形成されている。
リング状ガセットコンポーネント300の2つの対向側部は、収容スペース330を形成するために、それぞれ後部ケースコンポーネント100の縁部および前部蓋コンポーネント200の縁部に接続されている。リング状ガセットコンポーネント300は、複数の第1の収容部301と、複数の第2の収容部302と、複数の第1の補強要素910と、複数の第2の補強要素920とを有している。第1の収容部301は、それぞれ、後部ケースコンポーネント100の縁部に設けられている。第2の収容部302は、それぞれ、後部ケースコンポーネント100の角部に設けられている。各第1の収容部301と、各第2の収容部302は、離間されている。第1の補強要素910は、それぞれ、第1の収容部301内に着脱可能に設けられている。第2の補強要素920は、それぞれ、第2の収容部302内に着脱可能に設けられており、第1の収容部301と第2の収容部302が一緒に、それらの間に複数の湾曲部303を形成することを可能にしている。この実施形態において、第1の補強要素910および第2の補強要素920は、第1の収容部301第2の収容部302よりも硬いプレートであるが、本開示はそのことに限定されない。いくつかの実施形態において、第1の補強要素910および第2の補強要素920は、鉄製ワイヤーフレーム、木製プレート、プラスチックプレート、鉄製プレート、アルミプレート、紙製プレートまたはマグネシウム合金プレートで形成されている。この実施形態において、リング状ガセットコンポーネント300は、第1の収容部301および第2の収容部302を有しているが、本開示は、そのことに限定されない。いくつかの実施形態において、リング状ガセットコンポーネント300は、第1の収容部301のみを有し、第1の補強要素910は、第1の収容部301内に着脱可能に設けられているため、複数の湾曲部303が、隣接する第1の収容部301の間に形成されている。
第1の補強要素910が、それぞれ、第1の収容部301内に設けられ、および第2の補強要素920が、それぞれ、第2の収容部302内に設けられているため、それによって、第1の収容部301および第2の収容部302の硬さが増加し、およびスーツケース10の保護能力が向上する。さらに、湾曲部303は補強要素を有していないため、各湾曲部303の弾力性のある変形能力は、各第1の収容部301の弾力性のある変形能力および各第2の収容部302の弾力性のある変形能力よりも大きい。湾曲部303は湾曲可能であり、第2の収容部302を後部ケースコンポーネント100に対して、上方または下方へ折り畳むことを可能にしている。
さらに、いくつかの実施形態において、側壁本体386および接続体387は、図1に示すように、上述した第1の収容部301に適用することができる。
上述したようなスーツケースによれば、そのリング状ガセットコンポーネントが、異なる弾力性のある変形能力を有する複数の湾曲部材および複数の支持部材で構成され、およびそれらの湾曲部材が湾曲可能であるため、ユーザは、それらの支持部材を下方に折り畳んで、それらの支持部材を後部ケースコンポーネント上に重ねることができる。こうすることにより、折り畳まれた後のそのスーツケースのサイズは、折り畳まれる前のスーツケースのサイズよりもかなり小さくなり、ユーザは、そのスーツケースを都合よく保管することが可能になる。
そのリング状ガセットコンポーネントは、異なる弾力性のある変形能力を有する、複数の湾曲部分および複数の側壁部分で構成され、およびそれらの湾曲部分は湾曲可能であるため、ユーザは、それらの側壁部分を下方へ折り畳んで、その後部ケースコンポーネントに対して、それらの側壁部分を閉じることができる。こうすることにより、折り畳まれた後のスーツケースのサイズは、折り畳まれる前のそのスーツケースのサイズよりもかなり小さくなり、ユーザが、スーツケースを都合よく保管することが可能になる。
さらに、そのハニカムボードの構造的強度は、そのリング状ガセットコンポーネントの構造的強度よりも大きいため、そのスーツケースの全体的な構造強度が向上する。
また、そのファスナーは、接続部分を有しているため、その前部蓋コンポーネントおよびリング状ガセットコンポーネントは、その前部蓋コンポーネントが、ユーザがそのリング状ガセットコンポーネントを折り畳むのを妨げないことを確実にするために、その前部蓋コンポーネントとリング状ガセットコンポーネントが互いに離されている場合、特定の距離に保持することができる。
さらに、そのリング状ガセットコンポーネントの接続体は、その側壁本体の外側面に配置された凹部に設けられているか、または、その凹部を貫通しているため、ユーザは、それらのチェーンを結ぶかまたは離すために、そのスーツケースの外部から、そのプルタブを引っ張ることができる。
さらに、上記で開示したスーツケースの場合、各柔軟部とその後部ケースコンポーネントとの間には鋭角が形成されるため、それらの柔軟部の弾力性のある変形能力は、全ての側壁部の弾力性のある変形能力よりも大きく、およびそれらの柔軟部は湾曲可能であるため、互いに隣接している2つの側壁部は、それらの間に接続されているその柔軟部の湾曲によって、その後部ケースコンポーネントに対して閉じることができ、その結果、折り畳まれた後のそのスーツケースのサイズは、折り畳まれる前のそのスーツケースのサイズよりもかなり小さくなり、ユーザが、スーツケースを都合よく保管することが可能になる。