JP2016506814A - 圧縮可能部分を含むステープルカートリッジ - Google Patents

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Abstract

外科用器具(10)のエンドエフェクタ(80005)のための組織厚さコンペンセータ(80020)などの層は、圧縮可能部分(80022)、及び圧縮不能部分(80024、80025)を含みうる。組織厚さコンペンセータは、例えば、エンドエフェクタ内に位置付けられた締結カートリッジ(80000)のデッキ表面(80011)に隣接するように位置付けられてもよい。組織厚さコンペンセータは圧縮状態に維持され得、エンドエフェクタの切断部材(80080)により、圧縮状態から解放されうる。

Description

本発明は、外科用器具に関するものであり、様々な実施形態において、組織の切断及びステープリングのために設計された、外科用切断及びステープリング器具、並びにステープルカートリッジに関する。
本発明の特徴及び利点、並びにそれらを実現する方法は、以下の本発明の実施形態の説明文を添付の図面と併せて参照することでより明らかとなり、発明自体のより深い理解が得られるであろう。
外科用器具の一実施形態の断面図である。 埋め込み可能なステープルカートリッジの一実施形態の斜視図である。 埋め込み可能なステープルカートリッジで組織をクランピング及びステープリングするエンドエフェクタの部分を示す。 埋め込み可能なステープルカートリッジで組織をクランピング及びステープリングするエンドエフェクタの部分を示す。 埋め込み可能なステープルカートリッジで組織をクランピング及びステープリングするエンドエフェクタの部分を示す。 埋め込み可能なステープルカートリッジで組織をクランピング及びステープリングするエンドエフェクタの部分を示す。 エンドエフェクタが外科用ステープルカートリッジを支持し、そのアンビルが解放位置にある、外科用器具の一部に連結された別のエンドエフェクタの部分断面側面図である。 閉位置における図2のエンドエフェクタの別の部分断面側面図である。 ナイフバーがエンドエフェクタを通って前進し始める際の、図2及び図3のエンドエフェクタの別の部分断面側面図である。 ナイフバーが内部を通って部分的に前進した図2〜図4のエンドエフェクタの別の部分断面側面図である。 少なくとも1つの実施形態による、折り畳み式ステープルカートリッジ本体内に位置決定された、外科用ステープルの変形を示す図である。 少なくとも1つの実施形態による、折り畳み式ステープルカートリッジ本体内に位置決定された、外科用ステープルの変形を示す図である。 少なくとも1つの実施形態による、折り畳み式ステープルカートリッジ本体内に位置決定された、外科用ステープルの変形を示す図である。 少なくとも1つの実施形態による、折り畳み式ステープルカートリッジ本体内に位置決定された、外科用ステープルの変形を示す図である。 圧潰式ステープルカートリッジ本体内に位置付けられたステープルを示す図である。 アンビルにより圧潰される図7Aの圧潰式ステープルカートリッジ本体を示す図である。 アンビルにより更に圧潰される図7Aの圧潰式ステープルカートリッジを示す図である。 完全に形成された構成の図7Aのステープル、及び完全に圧潰した状態の図7Aの圧潰式ステープルカートリッジを示す図である。 圧壊式ステープルカートリッジ本体内に埋め込まれたステープルを含む、少なくとも1つの実施形態による、ステープルカートリッジの上面図である。 図8のステープルカートリッジの立面図である。 内部にステープルを含む圧縮可能なステープルカートリッジ及びアンビルに対してステープルを駆動するためのシステムの代替的実施形態の分解斜視図である。 図10のステープルカートリッジの代替的実施形態の部分切り欠き図である。 図10のステープルカートリッジの断面図である。 図10のステープルカートリッジを横断し、ステープルをアンビルの方に移動するように構成されたスレッドの立面図である。 図12のスレッドによって、アンビルの方に持ち上げられることができる、ステープルドライバの図である。 本発明の少なくとも1つの実施形態による、外科用ステープリング器具と共に使用するための、剛性支持部と、圧縮可能な組織厚さコンペンセータと、を含む、ステープルカートリッジの斜視図である。 図14のステープルカートリッジの部分的分解図である。 図14のステープルカートリッジの完全分解図である。 組織厚さコンペンセータを覆うラップがない図14のステープルカートリッジの別の分解図である。 図14のステープルカートリッジのカートリッジ本体又は支持部の斜視図である。 ステープルカートリッジからステープルを配備するための、図14のステープルカートリッジ内で可動であるスレッドの上面斜視図である。 図19のスレッドの底面斜視図である。 図19のスレッドの立面図である。 ステープルカートリッジからステープルを放出するため、1つ又は2つ以上のステープルを支持し、図19のスレッドにより上方に持ち上げられるように構成されたドライバの上面斜視図である。 図22のドライバの底面斜視図である。 ステープルカートリッジの圧縮可能な組織厚さコンペンセータを少なくとも部分的に包囲するように構成されたラップである。 第1のシーケンス中にステープルが未発射位置から発射済み位置へと移動した状態を示す、剛性支持部と、圧縮可能な組織厚さコンペンセータと、を含む、ステープルカートリッジの一部切り欠き図である。 図25のステープルカートリッジの立面図である。 図25のステープルカートリッジの詳細立面図である。 図25のステープルカートリッジの横断端面図である。 図25のステープルカートリッジの下面図である。 図25のステープルカートリッジの詳細下面図である。 第1シーケンス中にステープルが非発射位置から発射位置へと移動している状態を示した、閉位置のアンビル、並びに剛性支持部分及び圧縮可能な組織厚さコンペンセータを備えるステープルカートリッジの、長手方向断面図である。 発射シーケンスが完了した後の解放位置にあるアンビルを示す、図31のアンビル及びステープルカートリッジの別の断面図である。 未発射位置にあるステープルを示す、図31のステープルカートリッジの部分詳細図である。 未発射位置にあるステープルを示す、剛性支持部と、圧縮可能な組織厚さコンペンセータと、を含む、ステープルカートリッジの断面立面図である。 図34のステープルカートリッジの詳細図である。 未発射位置にあるステープルを示す、解放位置にあるアンビルと、剛性支持部及び圧縮可能な組織厚さコンペンセータを含むステープルカートリッジと、の立面図である。 未発射位置にあるステープルと、アンビルと組織厚さコンペンセータとの間に捕捉された組織を示す、閉位置にあるアンビルと、剛性支持部及び圧縮可能な組織厚さコンペンセータを含むステープルカートリッジと、の立面図である。 図37のアンビル及びステープルカートリッジの詳細図である。 未発射位置にあるステープルを示し、アンビルとステープルカートリッジとの間に位置付けられたより厚い組織を示す、閉位置にあるアンビル、並びに剛性支持部及び圧縮可能な組織厚さコンペンセータを含むステープルカートリッジの立面図である。 図39のアンビル及びステープルカートリッジの詳細図である。 アンビルとステープルカートリッジとの間に位置付けられた、異なる厚さを有する組織を示す、図39のアンビル及びステープルカートリッジの立面図である。 図41に示す図39のアンビル及びステープルカートリッジの詳細図である。 異なるステープル内に捕捉された異なる組織厚さを補正する、組織厚さコンペンセータを示す図である。 ステープルのラインにより横切された1本以上の脈管に対して圧縮圧力をかけている組織厚さコンペンセータを示す図である。 1本以上のステープルが成形不良である状況を示している図である。 形成不良ステープルを補正することができる組織厚さコンペンセータを示す図である。 複数のステープルラインが交差する組織の領域に位置付けられた組織厚さコンペンセータを示す図である。 ステープル内に捕捉された組織を示す図である。 ステープル内に捕捉された組織及び組織厚さコンペンセータを示す図である。 ステープル内に捕捉された組織を示す図である。 ステープル内に捕捉された厚い組織及び組織厚さコンペンセータを示す図である。 ステープル内に捕捉された薄い組織及び組織厚さコンペンセータを示す図である。 ステープル内に捕捉された中間の厚さを有する組織及び組織厚さコンペンセータを示す図である。 ステープル内に捕捉された別の中間の厚さを有する組織及び組織厚さコンペンセータを示す図である。 ステープル内に捕捉された厚い組織及び組織厚さコンペンセータを示す図である。 外科用ステープリング器具のエンドエフェクタの部分断面図であり、後退した未発射位置にある発射バーとステープル発射スレッドを示す。 図56のエンドエフェクタの別の部分断面図であり、部分的に前進した位置にある発射バーとステープル発射スレッドを示す。 図56のエンドエフェクタの断面図であり、完全に前進した、又は発射済みの位置にある発射バーを示す。 発射後の後退位置にある発射バー、及び完全に発射された位置に残されているステープル発射スレッドを示した、図56のエンドエフェクタの断面図である。 図59の後退位置にある発射バーの詳細図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、外科用器具のエンドエフェクタ中の、組織厚さコンペンセータの斜視図である。 図61の組織厚さコンペンセータの不織布材料の詳細図である。 組織に対して埋め込まれ、エンドエフェクタから放出された、図61の組織厚さコンペンセータを描写している正面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、組織厚さコンペンセータの不織布材料の詳細図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、無作為に配向された捲縮繊維のクラスタを描写している模式図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、無作為に配向された捲縮繊維のクラスタを描写している模式図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、捲縮繊維の構成を描写している模式図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、捲縮繊維の構成を描写している模式図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、捲縮繊維の構成を描写している模式図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、組織厚さコンペンセータ中のコイル状繊維の平面断面図である。 図70のコイル状繊維の平面断面図である。 図70の組織厚さコンペンセータの断面詳細図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、外科用器具のエンドエフェクタ中の、組織厚さコンペンセータの斜視図である。 図71の組織厚さコンペンセータの変形を描写している図である。 少なくとも1つの実施形態に従って装填された構成の織縫合糸を描写している、組織厚さコンペンセータに対する織縫合糸の模式図である。 解放された構成の織構造を描写している、図73の織縫合糸の模式図である。 外科用器具のエンドエフェクタ中の図73の織縫合糸を有する組織厚さコンペンセータの平面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、外科用器具のエンドエフェクタ中の、組織厚さコンペンセータの斜視図である。 図76の組織厚さコンペンセータの部分平面図である。 図61のエンドエフェクタと組織厚さコンペンセータの締結カートリッジアセンブリの拡大図である。 未発射、部分的発射、及び発射した締結具を描写している、図78の締結カートリッジアセンブリの部分断面図である。 締結カートリッジアセンブリのステープル空洞から、組織厚さコンペンセータ内への締結具を発射するドライバを描写している、図78の締結カートリッジアセンブリの正面図である。 図80の締結カートリッジアセンブリの詳細図である。 図61の組織厚さコンペンセータと、発射締結具内の捕捉された組織の正面図である。 図61の組織厚さコンペンセータと、発射締結具内の捕捉された組織の正面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、外科用器具のエンドエフェクタ中の、組織厚さコンペンセータの斜視図である。 図84の組織厚さコンペンセータの変形可能な管の変形を描写している図である。 図84の組織厚さコンペンセータの変形可能な管の詳細図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、組織厚さコンペンセータの変形可能な管の変形を描写している図である。 少なくとも1つの実施形態に従った組織に対して埋め込まれた管状要素を含む組織厚さコンペンセータの正面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った組織に対して埋め込まれた管状要素を含む組織厚さコンペンセータの正面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った管状格子を含む、変形可能な管の部分斜視図である。 図90の変形可能な管の管状ストランドの正面図である。 図90の変形可能な管の正面図である。 種々の実施形態に従った図90の変形可能な管に対する、複数の管状ストランドの正面図である。 組織に対して埋め込まれた図90の管状格子の正面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った変形可能な管の部分斜視図である。 少なくとも1つの実施形態に従った変形可能な管の部分斜視図である。 少なくとも1つの実施形態に従った変形可能な管の部分斜視図である。 図97の変形可能な管の正面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った変形可能な管の部分斜視図である。 少なくとも1つの実施形態に従った変形可能な管の部分斜視図である。 少なくとも1つの実施形態に従った変形可能な管の部分斜視図である。 少なくとも1つの実施形態に従った外科用器具のエンドエフェクタ中に配置された組織厚さコンペンセータの斜視図である。 図102の組織厚さコンペンセータの管状要素の正面図である。 組織厚さコンペンセータと、クランプされていない構成の図102のエンドエフェクタを描写しているエンドエフェクタの正面断面図である。 組織厚さコンペンセータと、クランプされ、発射された構成の図102のエンドエフェクタを描写しているエンドエフェクタの正面断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った外科用器具のエンドエフェクタ中に配置された組織厚さコンペンセータの正面断面図である。 組織厚さコンペンセータと、クランプされ、発射された構成の図106のエンドエフェクタを描写しているエンドエフェクタの正面断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った外科用器具のエンドエフェクタ中の組織厚さコンペンセータの正面断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った外科用器具のエンドエフェクタ中に配置された組織厚さコンペンセータの正面断面図である。 クランプされ、発射された構成のエンドエフェクタを描写している図109の組織厚さコンペンセータとエンドエフェクタの正面断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った外科用器具のエンドエフェクタ中に配置された組織厚さコンペンセータの斜視図である。 少なくとも1つの実施形態に従った外科用器具のエンドエフェクタ中に配置された組織厚さコンペンセータの正面断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った外科用器具のエンドエフェクタ中に配置された組織厚さコンペンセータの正面断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った外科用器具のエンドエフェクタ中に配置された組織厚さコンペンセータの正面断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った外科用器具のエンドエフェクタ中に配置された組織厚さコンペンセータの正面断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った外科用器具のエンドエフェクタ中に配置された組織厚さコンペンセータの部分平面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った外科用器具のエンドエフェクタ中に配置された組織厚さコンペンセータの部分平面図である。 クランプされていない構成のエンドエフェクタを描写している、図116の組織厚さコンペンセータとエンドエフェクタの部分正面断面図である。 クランプされた構成中のエンドエフェクタを描写している、図116の組織コンペンセータとエンドエフェクタの部分正面断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、外科用器具のエンドエフェクタ中の、組織厚さコンペンセータの斜視図である。 図120の組織厚さコンペンセータとエンドエフェクタの正面図である。 クランプされた構成に向かって移動しているエンドエフェクタのアンビルを描写している図120の組織厚さコンペンセータ及びエンドエフェクタの斜視図である。 クランプされた構成中のエンドエフェクタを描写している、図120の組織厚さコンペンセータ及びエンドエフェクタの正面図である。 変形していない構成中の図120の組織厚さコンペンセータの管状要素の正面断面図である。 変形した構成中の、図120の組織厚さコンペンセータの管状要素の正面断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、外科用器具のエンドエフェクタ中の、組織厚さコンペンセータの斜視図である。 クランプされた構成中のエンドエフェクタを描写している、図126の組織厚さコンペンセータとエンドエフェクタの正面断面図である。 クランプされた構成中のエンドエフェクタを描写している、図126の組織厚さコンペンセータとエンドエフェクタの正面断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った外科用器具のエンドエフェクタ中に配置された組織厚さコンペンセータの斜視図である。 少なくとも1つの実施形態に従った外科用器具のエンドエフェクタのアンビルに固定された組織厚さコンペンセータの正面断面図である。 クランプされた構成中のエンドエフェクタを描写している、図130の組織厚さコンペンセータとエンドエフェクタの正面断面図である。 クランプされた構成中のエンドエフェクタを描写している、図130の組織厚さコンペンセータとエンドエフェクタの正面断面図である。 図132の組織厚さコンペンセータとエンドエフェクタの詳細図である。 少なくとも1つの実施形態に従ったステープル発射スレッドによるステープルの配置を描写している、外科用器具のエンドエフェクタ内にクランプされた組織コンペンセータの正面断面図である。 クランプされた構成中のエンドエフェクタを描写している、図134の組織厚さコンペンセータとエンドエフェクタの正面断面図である。 発射された構成中のエンドエフェクタを描写している、図134の組織厚さコンペンセータとエンドエフェクタの正面断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、外科用器具のエンドエフェクタ中の、組織厚さコンペンセータの斜視図である。 図137の組織厚さコンペンセータの管状要素の斜視図である。 第1及び第2の端部間で切断された、図138の管状要素の斜視図である。 組織厚さコンペンセータを切断している切断要素と、組織厚さコンペンセータを係合しているステープルを描写している、図137の組織厚さコンペンセータの斜視図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、図137の組織厚さコンペンセータを作製するために構成されたフレームの斜視図である。 フレーム中で硬化している、図137の組織厚さコンペンセータを描写している、図141のフレームの正面断面図である。 図142のフレームから取り除かれ、少なくとも1つの切断器具によってトリミングのために調製された、組織厚さコンペンセータの正面断面図である。 少なくとも1つの切断器具が、組織厚さコンペンセータをトリミングした後の、図143の組織厚さコンペンセータの正面断面図である。 種々の断面形状を有する切断可能管を描写している、図142のフレーム中で成形された組織厚さコンペンセータの正面断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、外科用器具のエンドエフェクタ中の、組織厚さコンペンセータの斜視図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、図146の組織厚さコンペンセータの詳細図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、組織厚さコンペンセータの部分斜視図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、組織厚さコンペンセータの部分斜視図である。 クランプされていない構成中のエンドエフェクタを描写している、図146の組織厚さコンペンセータとエンドエフェクタの正面断面図である。 クランプされた構成中のエンドエフェクタを描写している、図146の組織厚さコンペンセータとエンドエフェクタの正面断面図である。 クランプされ、発射された構成中のエンドエフェクタを描写している、図146の組織厚さコンペンセータとエンドエフェクタの正面断面図である。 発射済みステープル中に捕捉された、図146の組織厚さコンペンセータの正面断面図である。 組織厚さコンペンセータの更なる拡張を描写している、発射済みステープル中で捕捉された、図146の組織厚さコンペンセータの正面断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、外科用器具のエンドエフェクタ内の組織厚さコンペンセータの透視断面図である。 発射済みステープル中に捕捉された、図151の組織厚さコンペンセータの部分正面図である。 図151の組織厚さコンペンセータの変形可能な管の正面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、変形可能な管の正面図である。 図151の組織厚さコンペンセータの透視断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、外科用器具のエンドエフェクタ内の組織厚さコンペンセータの透視断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、組織厚さコンペンセータの斜視図である。 組織及び組織厚さコンペンセータと係合する締結具を描写している、図157の組織厚さコンペンセータの部分正面断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、組織厚さコンペンセータの透視断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、組織厚さコンペンセータの正面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、組織厚さコンペンセータの正面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、外科用器具の円形エンドエフェクタ内に配置された組織厚さコンペンセータの正面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、組織厚さコンペンセータの正面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、組織厚さコンペンセータの正面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、組織厚さコンペンセータの正面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、組織厚さコンペンセータの正面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、組織厚さコンペンセータの正面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、組織厚さコンペンセータの部分斜視図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、外科用器具のエンドエフェクタ内に配置された組織厚さコンペンセータの部分斜視図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、その開口部内に配置された締結具を有する組織厚さコンペンセータの部分斜視図である。 変形していない構成中の組織厚さコンペンセータを描写している、図169の組織厚さコンペンセータの部分斜視図である。 部分的に変形した構成中の組織厚さコンペンセータを描写している、図169の組織コンペンセータの部分斜視図である。 変形した構成中の組織厚さコンペンセータを描写している、図169の組織厚さコンペンセータの部分斜視図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、組織厚さコンペンセータの斜視図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、アンビルとステープルを含む、ステープリング器具のエンドエフェクタの斜視図である。 発射されていない状態にてステープルカートリッジ内に配置されたステープルと、穴の空いていない状態で封止された容器を含む組織厚さコンペンセータを図示している、図175のエンドエフェクタの断面図であり、容器は、図解の目的のために、その一部分を取り除いて描写されている。 少なくとも部分的に発射された状態での図176のステープルと、少なくとも部分的に穴の空いた状態での容器とを描写している、図175のエンドエフェクタの断面図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、アンビルとステープルカートリッジを含む、ステープリング器具のエンドエフェクタの斜視図である。 未発射状態でのステープルカートリッジ内に配置されたステープルと、穴の空いていない状態でのステープルカートリッジの組織厚さコンペンセータ内に位置する封止された容器を描写している、図178のエンドエフェクタの断面図であり、容器は、図解の目的のために、その一部分を取り除いて描写している。 少なくとも部分的に発射状態での図179のステープルと、少なくとも部分的に穴の空いた状態でのステープルカートリッジ中の容器を描写している、図178のエンドエフェクタの断面図である。 アンビルと、少なくとも1つの代替的実施形態に従ったアンビルに取り付けられた封止された容器を含むステープル器具のエンドエフェクタの斜視図であり、容器は、例示の目的のために、その一部分を取り除いて描写している。 ステープルカートリッジから少なくとも部分的に発射されたステープルと、少なくとも部分的に穴の空いた状態でのアンビルに取り付けられた容器を描写している、図181のエンドエフェクタの断面図である。 拡張された状態で示された、図181のアンビルに取り付けられた容器の断面図である。 拡張された状態で示された、図183のアンビルに取り付けられた容器の詳細図である。 ステープルのラインに対して横断する方向で延在する容器を示している。 ステープルのラインに対して横断する方向で延在する複数の容器を示している。 様々な実施形態に従ったステープルカートリッジの断面図である。 埋め込まれた状態での、図187の部分断面図である。 拡張の前の、組織厚さコンペンセータの部分斜視図である。 拡張の間の、図189の組織厚さコンペンセータの部分斜視図である。 様々な実施形態に従った、液体膨潤性組成物を含む、組織厚さコンペンセータの部分斜視図である。 様々な実施形態に従った、組織厚さコンペンセータに隣接して配置された組織の断面図である。 ステープルカートリッジが発射された後の、図191の部分断面図である。 組織に隣接して埋め込まれた、図191の組織厚さコンペンセータを示している図である。 様々な実施形態に従った、組織厚さコンペンセータの部分斜視図である。 図194の組織厚さコンペンセータを受容するために配置されたジョーの斜視図である。 ステープルカートリッジから展開しているステープルを示している部分断面図である。 使い捨て装填ユニットのエフェクタ内に配置された、上部組織厚さコンペンセータと、下部組織厚さコンペンセータの斜視図である。 様々な実施形態に従った鋳型中で製造されている、図197の下部組織コンペンセータの断面図である。 様々な実施形態に従った鋳型中で製造されている、三層組織厚さコンペンセータの断面図である。 様々な実施形態に従った、強化材料を含む組織厚さコンペンセータを含むアンビルの断面図である。 様々な実施形態に従った、上部組織厚さコンペンセータと下部組織厚さコンペンセータの中間に配置された組織の断面図である。 ステープルカートリッジから展開しているステープルを示している、図200の断面図である。 ステープルカートリッジが発射された後の、図200の断面図である。 様々な実施形態に従ったステープルカートリッジに取り付けられた組織厚さコンペンセータに、液体を伝達するように構成されたニードルを示している。 図203Aのニードルを受容するように配置された組織厚さコンペンセータを含むステープルカートリッジの断面図である。 様々な実施形態に従った、組織厚さコンペンセータを製造する方法を示している。 様々な実施形態に従った、膨張する厚さコンペンセータを成形する図と方法である。 ヒドロゲル前駆体を含むミセルを示している。 組織厚さコンペンセータと、様々な実施形態に従った組織厚さコンペンセータに伝達されうる液体とを含む、外科用器具の図である。 少なくとも1つの実施形態に従った、外科用器具のエンドエフェクタのアンビルに固定された組織厚さコンペンセータの部分斜視図である。 図208の組織厚さコンペンセータの管状要素の斜視図である。 半分に切断された管状要素と、それぞれの半分内で親水性基質を接触している液体を示している、図209の管状要素の斜視図である。 切断された管状要素の拡張を描写している、図210の切断された管状要素の半分の斜視図である。 様々な実施形態による、アンビル、ステープルカートリッジ、及び弾性部材を含む圧縮された組織厚さコンペンセータを含む、ステープル器具のエンドエフェクタの分解斜視図である。 様々な実施形態による、アンビル、ステープルカートリッジ、及びステープルカートリッジに対して配置された圧縮された組織厚さコンペンセータを含む、ステープル器具のエンドエフェクタの分解斜視図である。 様々な実施形態による、アンビル、ステープルカートリッジ、及び組織厚さコンペンセータを含み、組織Tがアンビルと組織厚さコンペンセータとの間に捕捉されている、ステープル器具のエンドエフェクタの側面図である。 様々な実施形態による、アンビル、ステープルカートリッジ、及び組織厚さコンペンセータを含み、組織Tがアンビルと組織厚さコンペンセータとの間に捕捉されている、ステープル器具のエンドエフェクタの側面図である。
対応する参照符号は、複数の図面の全体にわたって対応する部材を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の特定の実施形態を1つの形態として示すものであり、このような例示は、いかなる意味においても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
本願の出願人は、各出願の全容を参照により本明細書にそれぞれ援用するところの、下記に示す米国特許出願も所有するものである。すなわち、
米国特許出願第12/894,311号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH RECONFIGURABLE SHAFT SEGMENTS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080496号)、
米国特許出願第12/894,340号、発明の名称「SURGICAL STAPLE CARTRIDGES SUPPORTING NON−LINEARLY ARRANGED STAPLES AND SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH COMMON STAPEL−FORMING POCKETS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080482号)、
米国特許出願第12/894,327号、発明の名称「JAW CLOSURE ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080499号)、
米国特許出願第12/894,351号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENTS WITH SEPARATE AND DISTINCT FASTENER DEPLOYMENT AND TISSUE CUTTING SYSTEMS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080502号)、
米国特許出願第12/894,338号、発明の名称「IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE HAVING A NON−UNIFORM ARRANGEMENT」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080481号)、
米国特許出願第12/894,369号、発明の名称「IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE COMPRISING A SUPPORT RETAINER」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080344号)、
米国特許出願第12/894,312号、発明の名称「IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE COMPRISING MULTIPLE LAYERS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080479号)、
米国特許出願第12/894,377号、発明の名称「SELECTIVELY ORIENTABLE IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080334号)、
米国特許出願第12/894,339号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH COMPACT ARTICULATION CONTROL ARRANGEMENT」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080500号)、
米国特許出願第12/894,339号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH A VARIABLE STAPLE FORMING SYSTEM」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080484号)、
米国特許出願第12/894,322号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH INTERCHANGEABLE STAPLE CARTRIDGE ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080501号)、
米国特許出願第12/894,350号、発明の名称「SURGICAL STAPLE CARTRIDGES WITH DETACHABLE SUPPORT STRUCTURES AND SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH SYSTEMS FOR PREVENTING ACTUATION MOTIONS WHEN A CARTRIDGE IS NOT PRESENT」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080478号)、
米国特許出願第12/894,383号、発明の名称「IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE COMPRISING MULTIPLE LAYERS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080345号)、
米国特許出願第12/894,389号、発明の名称「COMPRESSIBLE FASTENER CARTRIDGE」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080335号)、
米国特許出願第12/894,345号、発明の名称「FASTENERS SUPPORTED BY A FASTENER CARTRIDGE SUPPORT」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080483号)、
米国特許出願第12/894,306号、発明の名称「COLLAPSIBLE FASTENER CARTRIDGE」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080332号)、
米国特許出願第12/894,318号、発明の名称「FASTENER SYSTEM COMPRISING A PLURALITY OF CONNECTED RETENTION MATRIX ELEMENTS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080480号)、
米国特許出願第12/894,330号、発明の名称「FASTENER SYSTEM COMPRISING A RETENTION MATRIX AND AN ALIGNMENT MATRIX」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080503号)、
米国特許出願第12/894,361号、発明の名称「FASTENER SYSTEM COMPRISING A RETENTION MATRIX」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080333号)、
米国特許出願第12/894,367号、発明の名称「FASTENING INSTRUMENT FOR DEPLOYING A FASTENER SYSTEM COMPRISING A RETENTION MATRIX」(代理人整理番号END6863USNP/0080485)、
米国特許出願第12/894,388号、発明の名称「FASTENER SYSTEM COMPRISING A RETENTION MATRIX AND A COVER」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080487号)、
米国特許出願第12/894,376号、発明の名称「FASTENER SYSTEM COMPRISING A PLURALITY OF FASTENER CARTRIDGES」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080486号)、
米国特許出願第13/097,865号、発明の名称「SURGICAL STAPLER ANVIL COMPRISING A PLURALITY OF FORMING POCKETS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080488号)、
米国特許出願第13/097,936号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR FOR A SURGICAL STAPLER」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080339号)、
米国特許出願第13/097,954号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING A VARIABLE THICKNESS COMPRESSIBLE PORTION」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080340号)、
米国特許出願第13/097,856号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING STAPLES POSITIONED WITHIN A COMPRESSIBLE PORTION THEREOF」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080336号)、
米国特許出願第13/097,928号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING DETACHABLE PORTIONS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080490号)、
米国特許出願第13/097,891号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR FOR A SURGICAL STAPLER COMPRISING AN ADJUSTABLE ANVIL」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080489号)、
米国特許出願第13/097,948号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING AN ADJUSTABLE DISTAL PORTION」(現在は、米国特許公開番号第2012/0083836号)、
米国特許出願第13/097,907号、発明の名称「COMPRESSIBLE STAPLE CARTRIDGE ASSEMBLY」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080338号)、
米国特許出願第13/097,861号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING PORTIONS HAVING DIFFERENT PROPERTIES」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080337号)、
米国特許出願第13/097,869号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE LOADING ASSEMBLY」(現在は、米国特許公開番号第2012/0160721号)、
米国特許出願第13/097,917号、発明の名称「COMPRESSIBLE STAPLE CARTRIDGE COMPRISING ALIGNMENT MEMBERS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0083834号)、
米国特許出願第13/097,873号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING A RELEASABLE PORTION」(現在は、米国特許公開番号第2012/0083833号)、
米国特許出願第13/097,938号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING COMPRESSIBLE DISTORTION RESISTANT COMPONENTS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080491号)、
米国特許出願第13/097,924号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING A TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(現在は、米国特許公開番号第2012/0083835号)、
米国特許出願第13/242,029号、発明の名称「SURGICAL STAPLER WITH FLOATING ANVIL」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080493号)、
米国特許出願第13/242,066号、発明の名称「CURVED END EFFECTOR FOR A STAPLING INSTRUMENT」(現在は、米国特許公開番号第2012/0080498号)、
米国特許出願第13/242,086号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE INCLUDING COLLAPSIBLE DECK」、
米国特許出願第13/241,912号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE INCLUDING COLLAPSIBLE DECK ARRANGEMENT」、
米国特許出願第13/241,922号、発明の名称「SURGICAL STAPLER WITH STATIONARY STAPLE DRIVERS」、
米国特許出願第13/241,637号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH TRIGGER ASSEMBLY FOR GENERATING MULTIPLE ACTUATION MOTIONS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0074201号)、
米国特許出願第13/241,629号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH SELECTIVELY ARTICULATABLE END EFFECTOR」(現在は、米国特許公開番号第2012/0074200号)、
米国特許出願第13/097,861号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING PORTIONS HAVING DIFFERENT PROPERTIES」(現在は、米国特許公開番号第2012/0241496号)、
米国特許出願第13/433,103号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING A PLURALITY OF LAYERS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0241498号)、
米国特許出願第13/433,098号、発明の名称「EXPANDABLE TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(現在は、米国特許公開番号第2012/0241491号)、
米国特許出願第13/433,103号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING A RESERVOIR」(現在は、米国特許公開番号第2012/0241497号)、
米国特許出願第13/433,114号、発明の名称「RETAINER ASSEMBLY INCLUDING A TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(現在は、米国特許公開番号第2012/0241499号)、
米国特許出願第12/433,103号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING AT LEAST ONE MEDICAMEN」(現在は、米国特許公開番号第2012/0241492号)、
米国特許出願第13/433,141号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING CONTROLLED RELEASE AND EXPANSION」(現在は、米国特許公開番号第2012/0241493号)、
米国特許出願第13/433,144号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING FIBERS TO PRODUCE A RESILIENT LOAD」(現在は、米国特許公開番号第2012/0241500号)、
米国特許出願第13/433,148号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING STRUCTURE TO PRODUCE A RESILIENT LOAD」(現在は、米国特許公開番号第2012/0241501号)、
米国特許出願第13/433,155号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING RESILIENT MEMBERS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0241502号)、
米国特許出願第13/433,163号、発明の名称「METHODS FOR FORMING TISSUE THICKNESS COMPENSATOR ARRANGEMENTS FOR SURGICAL STAPLERS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0248169号)、
米国特許出願第13/433,167号、発明の名称「ISSUE THICKNESS COMPENSATORS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0241503号)、
米国特許出願第13/433,175号、発明の名称「LAYERED TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(現在は、米国特許公開番号第2012/0253298号)、
米国特許出願第13/433,179号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATORS FOR CIRCULAR SURGICAL STAPLERS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0241505号)、
米国出願第13/433,115号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING CAPSULES DEFINING A LOW PRESSURE ENVIRONMENT」、
米国特許出願第13/433,118号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISED OF A PLURALITY OF MATERIALS」、(代理人整理番号第END7101USNP/110602)、
米国特許出願第13/433,135号、発明の名称「MOVABLE MEMBER FOR USE WITH A TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」、
米国特許出願第13/433,140号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR AND METHOD FOR MAKING THE SAME」、
米国特許出願第13/433,147号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING CHANNELS」、
米国特許出願第13/433,126号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING TISSUE INGROWTH FEATURES」、
米国出願第13/433,132号、発明の名称「DEVICES AND METHODS FOR ATTACHING TISSUE THICKNESS COMPENSATING MATERIALS TO SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」、
米国特許出願第13/433,129号、発明の名称「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING A PLURALITY OF MEDICAMENTS」。
本願の出願人は、各出願の全容を参照により本明細書にそれぞれ援用するところの、下記に示す米国特許出願も所有するものである。すなわち、
米国特許出願第11/216,562号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES FOR FORMING STAPLES HAVING DIFFERING FORMED STAPLE HEIGHTS」(現在は、米国特許番号第7,669,746号)、
米国特許出願第11/714,049号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICE WITH ANVIL HAVING STAPLE FORMING POCKETS OF VARYING DEPTHS」(現在は、米国特許公開番号第2007/0194082号)、
米国特許出願第11/711,979号、表題「SURGICAL STAPLING DEVICES THAT PRODUCE FORMED STAPLES HAVING DIFFERENT LENGTHS」、米国特許出願公開第8,317,070号、
米国特許出願第11/711,975号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICE WITH STAPLE DRIVERS OF DIFFERENT HEIGHT」(現在は、米国特許公開番号第2007/0194079号)、
米国特許出願第11/711,977号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICE WITH STAPLE DRIVER THAT SUPPORTS MULTIPLE WIRE DIAMETER STAPLES」(現在は、米国特許番号第7,673,781号)、
米国特許出願第11/712,315号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICE WITH MULTIPLE STACKED ACTUATOR WEDGE CAMS FOR DRIVING STAPLE DRIVERS」(現在は、米国特許番号第7,500,979号)、
米国特許出願第12/038,939号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES FOR FORMING STAPLES HAVING DIFFERING FORMED STAPLE HEIGHTS」(現在は、米国特許番号第7,934,630号)、
米国特許出願第13/020,263号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS THAT PRODUCE FORMED STAPLES HAVING DIFFERENT LENGTHS」(現在は、米国特許公開番号第2011/0147434号)、
米国特許出願第13/118,278号、発明の名称「ROBOTICALLY−CONTROLLED SURGICAL STAPLING DEVICES THAT PRODUCE FORMED STAPLES HAVING DIFFERENT LENGTHS」(現在は、米国特許公開番号第2011/0290851号)、
米国特許出願第13/369,629号、発明の名称「ROBOTICALLY−CONTROLLED CABLE−BASED SURGICAL END EFFECTORS」(現在は、米国特許公開番号第2012/0138660号)、
米国特許出願第12/695,359号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES FOR FORMING STAPLES WITH DIFFERENT FORMED HEIGHTS」(現在は、米国特許公開番号第2010/0127042号)、
米国特許出願第13/072,923号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES FOR FORMING STAPLES HAVING DIFFERING FORMED STAPLE HEIGHTS」(現在は、米国特許公開番号第2011/0174863号)。
本願の出願人はまた、本願と同一出願日に出願され、各出願の全容を参照によって本明細書にそれぞれ援用するところの、下記に示す米国特許出願も所有するものである。すなわち、
米国特許出願第_______________号、発明の名称が「SURGICAL STAPLING CARTRIDGE WITH LAYER RETENTION FEATURES,」(代理人整理番号END7104USCIP1/110606CIP1)、
米国特許出願第_______________号、発明の名称「ADHESIVE FILM LAMINATE」(代理人整理番号END6843USCIP19/100528CP19)、
米国特許出願第_______________号、発明の名称「ACTUATOR FOR RELEASING A TISSUE THICKNESS COMPENSATOR FROM A FASTENER CARTRIDGE」(代理人整理番号END6848USCIP2/100533CIP2)、
米国特許出願第_______________号、発明の名称「RELEASABLE TISSUE THICKNESS COMPENSATOR AND FASTENER CARTRIDGE HAVING THE SAME」(代理人整理番号END6848USCIP3/100533CIP3)、
米国特許出願第_______________号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING A RELEASABLE TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(代理人整理番号END6848USCIP4/100533CIP4)、
米国特許出願第_____号、表題「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING A CUTTING MEMBER FOR RELEASING A TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(代理人整理番号第END6848USCIP5/100533CIP5号)、
米国特許出願第_______________号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING A RELEASABLE TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(代理人整理番号END6848USCIP6/100533CIP6)、
米国特許出願第_______________号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING A RELEASABLE COVER」(代理人整理番号END7201USNP/120294)、
米国特許出願第_______________号、発明の名称「ANVIL LAYER ATTACHED TO A PROXIMAL END OF AN END EFFECTOR」(代理人整理番号 END7102USCIP2/110604CIP2)、
米国特許出願第_______________号、発明の名称「LAYER COMPRISING DEPLOYABLE ATTACHMENT MEMBERS」である(代理人整理番号END7102USCIP3/110604CIP3)、
米国特許出願第_______________号、発明の名称「END EFFECTOR COMPRISING A DISTAL TISSUE ABUTMENT MEMBER」(代理人整理番号END7102USCIP4/110604CIP4)、
米国特許出願第_______________号、発明の名称「LAYER ARRANGEMENTS FOR SURGICAL STAPLE CARTRIDGES」(代理人整理番号END6232USCIP1/070348CIP1)、
米国特許出願第_______________号、発明の名称「IMPLANTABLE ARRANGEMENTS FOR SURGICAL STAPLE CARTRIDGES」(END6232USCIP2/070348CIP2)、
米国特許出願第_______________号、発明の名称「MULTIPLE THICKNESS IMPLANTABLE LAYERS FOR SURGICAL STAPLING DEVICES」(END6840USCIP2/100525CIP2)、
米国特許出願第_______________号、発明の名称「ANVIL LAYER ATTACHED TO A PROXIMAL END OF AN END EFFECTOR」(代理人整理番号 END7102USCIP3/110604CIP3)、
米国特許出願第_______________号、発明の名称「ACTUATOR FOR RELEASING A LAYER OF MATERIAL FROM A SURGICAL END EFFECTOR」(代理人整理番号END6232USCIP4/070348CIP4)。
本明細書に開示する装置及び方法の構造、機能、製造、及び用途の原理が総括的に理解されるように、特定の例示的な実施形態について、これから説明することにする。これらの実施形態の1つ又は2つ以上の例が、添付の図面に示される。本明細書で詳細に説明され、添付の図面に示される装置及び方法は、非限定的な例示的実施形態である点、並びに、本発明の各種の実施形態の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されるものである点は、当業者であれば理解されるところであろう。1つの例示的な実施形態との関連において例示又は説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。かかる修正及び変形は本発明の範囲内に含まれるものとする。
本明細書の全体を通じて、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、又は「ある実施形態」などと言う場合、その実施形態との関連において述べられる特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体を通じた各所で、「様々な実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「一実施形態において」、又は「ある実施形態において」などの語句が出現するが、これらは必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。更に、特定の機構、構造、又は特徴が、1つ又は2つ以上の実施形態において任意の好適な方式で組み合わされてもよい。故に、一実施形態に関して図示又は説明される特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と、全体として又は部分的に、制限なしに組み合わせることができる。かかる修正及び変形は本発明の範囲内に含まれるものとする。
「近位」及び「遠位」なる用語は、本明細書において、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として用いられる。「近位」なる用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上、また分かりやすさのため、「垂直」、「水平」、「上」、「下」といった空間的用語は、本明細書では、図面に対して使用される場合がある点は更に理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的及び/又は絶対的なものであることを意図するものではない。
腹腔鏡下及び低侵襲の外科手術を行うための様々な例示的な装置及び方法が提供される。しかしながら、本明細書で開示する様々な方法及び装置が、例えば、解放的な外科手技を含めて、多数の外科手技及び用途で用いられうることが、当業者には容易に理解されよう。本明細書の「発明を実施するための形態」を読むにつれ、本明細書に開示される様々な器具を、例えば、天然のオリフィスから、又は組織に形成された切開口若しくは穿刺穴から、といったように任意の方法で体内に挿入することが可能である点は当業者には更に認識されるところであろう。これらの器具の作動部分すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接に挿入されてもよく、又は、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを進めることが可能な作業通路を有するアクセス装置を介して挿入されてもよい。
図面に戻り、図面では、同様の参照符号が、複数の図面の全体にわたって同様の構成要素を示す。図1は、いくつかの固有の利点を実施できる外科用器具10を示す。外科用ステープリング器具10は、これに動作可能に取り付けられる、様々な形状及び大きさのエンドエフェクタ12を操作及び/又は作動させるように設計されている。例えば、図1〜1Eに示されている実施形態において、エンドエフェクタ12は、エンドエフェクタ12の下方ジョー13を形成する細長いチャネル14を含む。細長いチャネル14は、「移植式」ステープルカートリッジ30を支持するように構成され、またエンドエフェクタ12の上方ジョー15として機能するアンビル20を動作可能に支持する。
様々な実施形態において、細長いチャネル14は、300 & 400シリーズ、17−4 & 17−7ステンレススチール、チタンなどから作製されてもよく、離間した側壁16で形成されてもよい。アンビル20は、例えば、300及び400シリーズ、17−4及び17−7ステンレススチール、チタンなどから製作されてもよく、内部に形成される複数のステープル形成ポケット23を有する、概ね22として標識される、ステープル形成下面を有してもよい。図1B〜図1Eを参照されたい。加えて、アンビル20は、そこから近位方向に突出する、叉状の傾斜アセンブリ24を有する。アンビルピン26は、細長いチャネル14の側壁16内の対応するスロット又は開口18内に受容される、傾斜アセンブリ24の各側方から突出し、ここに可動又は枢動可能に取り付けることを容易にする。
様々な形態の移植式ステープルカートリッジが、本明細書において開示される外科用器具の様々な実施形態で利用されうる。特定のステープルカートリッジ構成及び構造について、以下で更に詳細に述べる。しかしながら、図1Aに示される実施形態において、移植式ステープルカートリッジ30が示される。少なくとも一実施形態において、ステープルカートリッジ30は、内部に形成されていない金属ステープル32のラインが並んでいる、例えば、酸化再生セルロース(「ORC」)又は生体吸収性発泡材などの圧縮可能な止血材料からなる、本体部分31を有する。少なくともいくつかの実施形態において、ステープルが影響を受け、止血材料が導入及び配置工程中に活性化することを防ぐため、カートリッジ全体が、生分解性フィルム38、例えば、商標名PDS(登録商標)で販売されるポリジオキサノンフィルム、又はポリグリセロールセバケート(PGS)フィルム、又はPGA(Vicrylの商標名で販売されるポリグリセロール酸)、PCL(ポリカプロラクトン)、PLA、若しくはPLLA(ポリ乳酸)、PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)、PGCL(商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25)、又はPGA、PCL、PLA、PDSの複合物(破裂するまでは不透過性である)から形成される他の生分解性フィルムで、コーティング又は被覆されうる。ステープルカートリッジ30の本体31は、図示されるように、細長チャネル14内に取り外し可能に支持されるような大きさであり、それによって、アンビル20がステープルカートリッジ30と接触する際に、内部の各ステープル32が、アンビル内の対応するステープル形成ポケット23と整列される。
使用の際、エンドエフェクタ12が標的組織に隣接するように配置されると、エンドエフェクタ12は、ステープルカートリッジ30の上面36と、アンビル20のステープル成形表面22との間に、標的組織を捕捉又はクランプするように操作される。ステープル32は、細長いチャネル14と実質的に平行な経路内でアンビル20を動かして、ステープル成形表面22、及びより具体的には内部のステープル成形ポケット23を、ステープルカートリッジ30の上面36と実質的に同時に接触させることによって形成される。アンビル20がステープルカートリッジ30内に動き続けると、ステープル32の脚34がアンビル20の対応するステープル成形ポケット23と接触し、ステープル成形ポケット23は、ステープル脚34を折り曲げてステープル32を「B字型」に成形するように機能する。アンビル20が細長いチャネル14に更に近づく運動により、ステープル32が更に圧縮され、所望の最終的に成形された高さ「FF」へと成形される。
上記のステープル成形プロセスは、図1B〜1Eで概ね示される。例えば、図1Bは、アンビル20と移植式ステープルカートリッジ30の上面36との間に標的組織「T」を有する、エンドエフェクタ12を示す。図1Cは、アンビル20の初期クランプ締め位置を例示し、アンビル20は標的組織「T」の上に閉じられて、アンビル20とステープルカートリッジ30の上面36との間で標的組織「T」をクランプ締めしている。図1Dは、最初のステープル成形を示し、アンビル20は、ステープルカートリッジ30を圧縮し始め、それによってステープル32の脚34は、アンビル20内のステープル成形ポケット23によって成形され始めている。図1Eは、明確にするためにアンビル20が取り除かれた、標的組織「T」を貫いた、その最終的な成形状態にある、ステープル32を示す。一旦、ステープル32が標的組織「T」に成形及び締結されると、外科医は、アンビル20を開位置へと移動させて、エンドエフェクタ12が患者から引き抜かれる間、カートリッジ本体31及びステープル32が標的組織に付けられたままとなることを可能にする。エンドエフェクタ12は、2つのジョー13、15が一緒にクランピングされると、全てのステープルを同時に成形する。残っている「圧潰された」本体材料31は、止血剤(ORC)及びステープルのライン補強部(PGA、PDS又は上記の他のいずれかのフィルム構成物38)の両方として機能する。また、ステープル32は、成形中において、カートリッジ本体31を離れることはないため、ステープル32が成形中に変形する可能性は、最小限に抑えられる。本明細書において使用するとき、用語「移植式」とは、ステープルに加えて、ステープルを支持するカートリッジ本体の材料もまた、患者内に留まり、最終的には、患者の身体に吸収されてもよいことを意味する。そのような移植式ステープルカートリッジは、発射された後に全体がエンドエフェクタ内に配置されたままである従来のカートリッジの構成とは区別される。
様々な実施において、エンドエフェクタ12は、ハンドルアセンブリ100から突出する細長いシャフトアセンブリ40と連結されるように構成される。エンドエフェクタ12(閉鎖時)及び細長いシャフトアセンブリ40は、同様の断面形状を有してもよく、トロカール管又は別の形状のアクセス器具内の作業チャネルを動作可能に通過するような大きさでありうる。本明細書において使用するとき、用語「動作可能に通過」とは、エンドエフェクタ及び細長いシャフトアセンブリの少なくとも一部が、チャネル又は管開口を通って挿入されるか、又は通過することができ、外科用ステープリング手技を完了するために必要に応じてチャネル又は管開口内部で操作されうることを意味する。いくつかの実施形態において、閉位置にあるとき、エンドエフェクタ12のジョー13及び15は、ほぼ円形の横断面形状をエンドエフェクタにもたらすことができ、その形状により、エンドエフェクタが円形の通路/開口部を通り抜けることが容易となる。しかしながら、本発明の様々な実施形態のエンドエフェクタ、並びに細長いシャフト組み立て体の実施形態は、考えられる限りでは、非円形の横断面形状を有するアクセス通路及び開口部を通り抜けることができる他の横断面形状を与えられうる。したがって、閉じたエンドエフェクタの横断面の全体的な大きさは、エンドエフェクタを通すための通路又は開口部の大きさと関連する。したがって、あるエンドエフェクタは、例えば、「5mm」のエンドエフェクタと呼ばれてもよく、これは、直径が少なくとも約5mmである開口をそのエンドエフェクタが動作可能に通過しうることを意味する。
様々な実施形態において、細長いシャフトアセンブリ40は、閉位置にあるときのエンドエフェクタ12の外径と実質的に同じである外径を有してもよい。例えば、5mmのエンドエフェクタは、5mmの断面直径を有する、細長いシャフトアセンブリ40と連結されてもよい。しかしながら、この詳細な説明を読み進めると、本発明の様々な実施形態が種々のサイズのエンドエフェクタと関連付けて効果的に使用されうることが、当業者には明らかとなろう。例えば、10mmのエンドエフェクタが、5mmの断面直径を有する細長いシャフトに取り付けられてもよい。逆に、10mm以上のアクセス開口又は通路が設けられる用途において、細長いシャフトアセンブリ40は、10mm(又はそれ以上)の断面直径を有してもよく、また5mm又は10mmのエンドエフェクタを作動させてもよい。したがって、外側シャフト40は、これに取り付けられる閉じたエンドエフェクタ12の外径と同じか又はこれと異なる外径を有することができる。
図に示されるように、細長いシャフトアセンブリ40は、ハンドルアセンブリ100からほぼ真っ直ぐ遠位方向に延びて長手方向軸A−Aを規定する。様々な実施形態では、例えば、細長いシャフトアセンブリ40は、約9〜16インチ(229〜406mm)の長さとすることができる。しかし、細長いシャフトアセンブリ40は他の長さで提供されてもよく、他の実施形態では、それ自体にジョイントを有するか、又は別の方法で、下記に詳述するように、シャフト又はハンドルアセンブリの他の部分に対するエンドエフェクタ12の関節運動を可能にするように構成されてもよい。様々な実施形態において、細長いシャフトアセンブリ40は、ハンドルアセンブリ100からエンドエフェクタ12まで延びる、脊柱部材50を含む。エンドエフェクタ12の細長いチャネル14の近位端は、そこから突出する一対の保持トラニオン17を有し、これは、脊柱部材50の遠位端内に設けられる、対応するトラニオン開口又は受台52に受容される大きさであり、エンドエフェクタ12が、細長いシャフトアセンブリ40に取り外し可能に連結されることを可能にする。脊柱部材50は、例えば、6061又は7075アルミニウム、ステンレス鋼、チタンなどから作製することができる。
様々な実施形態において、ハンドルアセンブリ100は、組み立てる目的のために、2つ又は3つ以上の部品で作製されうる、ピストルグリップタイプのハウジングを含む。例えば、図示されるハンドルアセンブリ100は、ポリマー又はプラスチック部材から成形又は他の方法で作製された、互いに嵌合するように設計された右側ケース部材102及び左側ケース部材を有している(図示せず)。このようなケース部材は、その内側に成形又は他の方法により形成されたスナップ機構、ペグ、及びソケットにより、かつ/又は接着剤、ねじなどによって互いに取り付けることができる。脊椎部材50はフランジ56が形成された近位端54を有している。フランジ56は、各ケース部材102、104から内側に突出する嵌合リブ108によって形成される溝106内に回転可能に支持されるような構成となっている。このような構成は、脊柱部材50のハンドルアセンブリ100への取り付けを促す一方で脊柱部材50がハンドルアセンブリ100に対して長手方向軸A−Aを中心として360°の経路で回転することを可能にするものである。
図1に更に見られるように、脊柱部材50は、ハンドルアセンブリ100に回転可能に取り付けられた取り付けブッシング60を通過し、これによって支持されている。取り付けブッシング60は、ハンドルアセンブリ100のノーズ部分101をそれらの間に回転可能に受容するように構成された回転溝65を形成する近位フランジ62と遠位フランジ64とを有している。このような構成は、取り付けブッシング60がハンドルアセンブリ100に対して長手方向軸A−Aを中心として回転することを可能とするものである。脊柱部材50は、脊柱ピン66によって取り付けブッシング60に回転不能にピン留めされている。更に、取り付けブッシング60には回転ノブ70が取り付けられている。一実施形態において、例えば、回転ノブ70は、内部に取り付けブッシング60の一部分を受容するような大きさの中空の取り付けフランジ部分72を有する。様々な実施形態において、回転ノブ70は、例えば、ガラス又は炭素充填ナイロン、ポリカーボネート、Ultem(登録商標)などから作製されてもよく、また同様にスパインピン66によって取り付けブッシング60に取り付けられる。更に、内側に突出する保持フランジ74は、取り付けフランジ部分72に形成され、取り付けブッシング60に形成された径方向溝68内に延びるように構成されている。したがって、外科医は、回転ノブ70を把持し、これをハンドルアセンブリ100に対して回転させることによって、脊柱部材50(及びこれに取り付けられたエンドエフェクタ12)を長手方向軸A−Aを中心として360°の経路で回転させることができる。
様々な実施形態において、アンビル20は、アンビルばね21、及び/又は他の付勢構成によって開位置に維持される。アンビル20は、概ね109として示される、発射システムによって、開位置から様々な閉鎖又はクランピング及び発射位置へと、選択的に可動である。発射システム109は、「発射部材」110を含み、これは様々な実施形態において、中空発射管110を含む。中空発射管110は、脊柱部材50上で軸方向に可動であり、したがって、細長いシャフトアセンブリ40の外側部分を形成する。発射管110は、ポリマー、又は他の好適な材料から作製されてもよく、発射システム109の発射ヨーク114に取り付けられる近位端を有しうる。様々な実施形態において、例えば、発射ヨーク114は、発射管110の近位端にオーバーモールドされてもよい。しかしながら、他の締結具機構を用いることもできる。
図1に見られるように、発射ヨーク114は、ハンドルアセンブリ100内で軸方向に動くように構成された、支持カラー120内で回転可能に支持されうる。様々な実施形態において、支持カラー120は、一対の横方向に延びるフィンを有し、これはそれぞれ、右手ケース部材及び左手ケース部材に形成される、フィンスロット内に摺動可能に受容されるような大きさである。したがって、支持カラー120は、ハンドルハウジング100内において軸方向に摺動可能である一方で、発射ヨーク114及び発射管110がこれに対して長手方向軸A−Aを中心として回転することを可能とする。様々な実施形態において、長手方向スロットが発射管110を通るように設けられていることにより、脊柱ピン66が内部を通じて脊柱部材50内に延びることを可能とする一方で、脊柱部材50上における発射管110の軸方向の移動を促す。
発射システム109は更に、脊柱部材50上の発射管110の軸方向の運動を制御するように機能する発射トリガ130を有している。これについては、図1を参照されたい。発射管110をこのように遠位方向に軸方向に移動させて発射のためにアンビル20と相互作用させることをここでは「発射運動」と称する。図1に見られるように、発射トリガ130は枢動ピン132によってハンドルアセンブリ100に可動、又は枢動可能に連結されている。発射トリガ130を、非作動の「開」位置又は始点位置へとハンドルアセンブリ100のピストルグリップ部分107から離れる方向に付勢するためにトーションばね135が利用されている。図1に見られるように、発射トリガ130は、支持カラー120に可動に取り付けられた(ピン留めされた)発射リンク136に可動に取り付けられた(ピン留めされた)上側部分134を有している。したがって、始点位置(図1)から、ハンドルアセンブリ100のピストルグリップ部分107に隣接する終点位置に向かう発射トリガ130の運動によって、発射ヨーク114及び発射管110は遠位方向「DD」に動く。発射トリガ130の、ハンドルアセンブリ100のピストルグリップ部分107から離れる方向への運動(トーションばね135の付勢による)により、発射ヨーク114及び発射管110は、脊柱部材50上で近位方向「PD」に動く。
本発明の様々な実施形態は、異なる大きさ及び構成の移植式ステープルカートリッジと利用することができる。例えば、外科用器具10は、第1の発射アダプタ140に接続して使用されるとき、移植式ステープルカートリッジ30を支持する、約20mmの長さ(又は他の長さ)の、5mmのエンドエフェクタ12と共に使用されうる。このようなエンドエフェクタのサイズは、例えば、比較的微細な切開及び血管切断を行う上で特に好適である。しかしながら、下記により詳細に述べるように、外科用器具10は、例えば、第2の発射アダプタ140を第2の発射アダプタと交換することにより、他の大きさのエンドエフェクタ及びステープルカートリッジと共に用いることもできる。更に他の実施形態において、細長いシャフトアセンブリ40は、少なくとも1つの形状又は大きさのエンドエフェクタに取り付けられるように構成されうる。
エンドエフェクタ12を脊柱部材50に取り外し可能に連結する1つの方法がここで説明される。連結プロセスは、細長いチャネル14上の保持トラニオン17を、脊柱部材50のトラニオン受台52内に挿入することにより開始される。その後、外科医が発射トリガ130を、ハウジングアセンブリ100のピストルグリップ107の方に前進させ、発射管110及び第1の発射アダプタ140を、細長いチャネル14の近位端部47を超えて遠位方向に前進させ、それによってトラニオン17をこれらの各受台52に保持する。トラニオン17上の第1の発射アダプタ140のこの位置は、本明細書において「連結位置」と称される。本発明の様々な実施形態はまた、エンドエフェクタ12が脊柱部材50に取り付けられた後、発射トリガ130を適所に固定するために、エンドエフェクタ固定アセンブリを有しうる。
より詳細には、エンドエフェクタロックアセンブリ160の一実施形態は、発射トリガ130の上側部分134内に可動に支持された保持ピン162を有する。上記に述べたように、発射管110は最初に、第1の発射アダプタ140がエンドエフェクタ12の保持トラニオン17を脊柱部材50のトラニオン受台52内に保持する連結位置へと、遠位方向に前進されなくてはならない。外科医は、発射トリガ130を開始位置からピストルグリップ107へ向かって引くことによって、発射アダプタ140を連結位置へと遠位方向に前進させる。発射トリガ130が最初に作動されると、保持ピン162は、発射管110が第1の発射アダプタ140を連結位置まで前進させるまで遠位方向に動き、その時点で保持ピン162は、ケース部材内に形成されたロック空洞164内に付勢される。様々な実施形態において、保持ピン162がロック空洞164に入るとき、ピン162は、可聴「クリック音」、又は他の音を生じてもよく、またエンドエフェクタ12が脊柱部材50に「固定された」という触覚的指示を外科医に提供してもよい。加えて、外科医は、保持ピン162をロック空洞164から意図的に付勢しない限り、不注意により発射トリガ130を作動し続けて、ステープル32をエンドエフェクタ12内に成形し始めることはない。同様に、発射トリガ130が連結位置にある場合に外科医が発射トリガ130を解放する場合、発射トリガ130は保持ピン162によってその位置に保持されるために、発射トリガ130が始点位置に戻ってエンドエフェクタ12が脊柱部材50から解放することが防止される。
本発明の様々な実施形態は、ハンドルアセンブリ100に枢動可能に取り付けられた、発射システムロックボタン137を更に含みうる。一形態において、発射システムロックボタン137は、その遠位端に形成されたラッチ138を有し、ラッチ138は、発射解放ボタンが第1のラッチ位置にある場合に発射ヨーク114と係合する向きとなる。図1に見られるように、ラッチばね139は、発射システムロックボタン137を第1のラッチ位置へと付勢するように機能する。様々な状況において、ラッチ138は、脊柱部材50上の発射ヨーク114の位置が、第1の発射アダプタ140がアンビル20上のクランプ留めランプ部28を遠位方向へと前進して上がり始める点と対応する点において、発射ヨーク114と係合するように機能する。第1の発射アダプタ140がクランピング傾斜面28を軸方向に前進して上ると、アンビル20が、そのステープル成形表面部22がステープルカートリッジ30の上面36と実質的に平行となるような経路を移動することが理解されるであろう。
エンドエフェクタ12が脊柱部材50と連結すると、ステープル成形プロセスは、発射システムロックボタン137を最初に押圧することによって開始され、発射ヨーク114が脊柱部材50上で遠位方向に更に移動し、最終的にアンビル20をステープルカートリッジ30へと圧迫する。発射システムロックボタン137を押圧した後、外科医は、発射トリガ130をピストルグリップ107の方へ作動し続け、それによって第1のステープルカラー140を、対応するステープル成形傾斜面29を登るように駆動し、アンビル20を、ステープルカートリッジ30内のステープル32と接触させる。発射システムロックボタン137は、外科医がプロセスに備えるまで、ステープル32の不注意による成形を防ぐ。この実施形態において、外科医は、発射トリガ130が更に作動されてステープル成形プロセスを開始する前に、発射システムロックボタン137を押圧しなくてはならない。
外科用器具10は、所望により、単に組織ステープリング装置として使用されてもよい。しかしながら、本発明の様々な実施形態はまた、一般的に170として指定される、組織切断システムを含みうる。少なくとも一形態において、組織切断システム170は、ナイフ前進トリガ200を作動することによってエンドエフェクタ12の近位端に隣接する非作動位置から作動位置へと選択的に進めることができるナイフ部材172を含む。ナイフ部材172は脊柱部材50内に可動に支持されて取り付けられるか、ないしは別の方法によりナイフロッド180から突出している。ナイフ部材172は、例えば、38HRC超の硬度(ロックウェル硬度Cスケール)を有する420又は440ステンレススチールから製作され、かつその遠位端174上に形成される組織切断縁176を有し、アンビル20のスロット、及びステープルカートリッジ30の中央に配置されたスロット33を通って摺動可能に延在し、エンドエフェクタ12内でクランプされた組織を切断する。様々な実施形態において、ナイフロッド180は、脊柱部材50を通って延在し、ナイフ伝達器と駆動可能に接合する近位端部分を有し、このナイフ伝達器はナイフ前進トリガ200に操作可能に取り付けられている。様々な実施形態において、ナイフ前進トリガ200は、枢動ピン132に取り付けられ、それによってこれは、発射トリガ130を作動することなく、枢動するかないしは別の方法で作動しうる。様々な実施形態において、第1ナイフギア192はまた、枢動ピン132に取り付けられ、それによってナイフ前進トリガ200の作動がまた第1ナイフギア192を枢動させる。発射戻りばね202は、第1のナイフギア192とハンドルハウジング100との間に取り付けられて、ナイフ前進トリガ200を始点位置すなわち非作動位置に付勢する。
ナイフ伝達器の様々な実施形態は、第2ギアスピンドル上に回転可能に支持され、第1ナイフギア192と噛合係合する、第2ナイフギア194を更に含む。第2のナイフギア194は、第3のギアスピンドル上に支持された第3のナイフギア196と噛合している。第3のギアスピンドル195には第4のナイフギア198も支持されている。第4のナイフギア198は、ナイフロッド180の近位端の一連の環状ギア歯又はリングと駆動可能に係合するように構成されている。したがって、このような構成により、第4のナイフギア198がナイフロッド180を遠位方向「DD」又は近位方向「PD」に軸方向に駆動することが可能である一方で、発射ロッド180が第4のナイフギア198に対して長手方向軸A−Aを中心として回転することが可能である。したがって、外科医は、ナイフ前進トリガ200をハンドルアセンブリ100のピストルグリップ107の方向に引くことによって、発射ロッド180を軸方向に前進させ、最終的にナイフ部材172を遠位方向に前進させることができる。
本発明の様々な実施形態は、更にナイフロックアウトシステム210を含み、これは、発射トリガ130が完全な発射位置に引かれるとき以外、ナイフ部材172の前進を防ぐ。したがって、かかる特徴により、ステープルが組織内に最初に発射、又は成形されるとき以外、ナイフ前進システム170の作動を防ぐことができる。図1に見られるように、ナイフロックアウトシステム210の異なる実現形態は、ハンドルアセンブリ100のピストルグリップ部分107内に枢動可能に支持されたナイフロックアウトバー211を含んでいる。ナイフロックアウトバー211は、発射トリガ130が完全に発射位置にある場合に発射トリガ130と係合するように構成された作動端部212を有している。更に、ナイフロックアウトバー211は、第1の切断ギア192のラッチロッド216に引っ掛かるように係合するように構成された保持フック214をその他端に有している。ナイフロックアウトバー211を「ロック」位置に付勢するためにナイフロックばね218が用いられており、保持フック214がラッチロッド216と係合した状態に維持されることにより、発射トリガ130が完全に発射位置にある場合を除いてナイフ前進トリガ200の作動が防止される。
ステープルが標的組織内に「発射」(成形)された後、外科医が発射トリガ解放ボタン167を押し込むことで発射トリガ130がトーションばね135の付勢力により始点位置に戻ることが可能となり、これによりアンビル20はばね21の付勢力により開位置へと付勢される。開位置にあるとき、外科医は、移植式ステープルカートリッジ30及びステープル32を残してエンドエフェクタ12を引き抜いてもよい。エンドエフェクタが通路、作業通路などから挿入される用途では、外科医は、発射トリガ130を作動することによってアンビル20を閉位置に戻すことにより、経路又は作業通路からエンドエフェクタ12を引き抜くことができる。しかしながら、ステープルの発射の後に外科医が標的組織を切断することを望む場合、外科医はナイフ前進トリガ200を上記の要領で作動させて、標的組織を通じてナイフバー172をエンドエフェクタの端部まで押し込む。その後、外科医はナイフ前進トリガ200を解放することができ、これにより発射戻しばね202は、発射トランスミッションがナイフバー172を始点(非作動)位置に戻すことを可能とする。ナイフバー172が開始位置に戻ると、外科医は、エンドエフェクタジョー13、15を開き、移植式カートリッジ30を患者内で解放し、その後、エンドエフェクタ12を患者から引き抜く。したがって、かかる外科用器具は、比較的小さな作業チャネル及び通路を通って挿入することができる小さい移植式ステープルカートリッジの使用を促進し、一方で、外科医に、組織を切断せずにステープルを発射するか、又は所望によりステープルが発射された後にまた組織を切断するか、という選択肢を提供する。
本発明の様々な固有かつ新規の実施形態では、アンビルと接触成形するための実質的な固定位置にステープルを支持する圧縮可能なステープルカートリッジを使用する。様々な実施形態において、アンビルは未成形ステープルに対して駆動され、このとき、少なくともそのような一実施形態において、達成されるステープル成形の度合いは、アンビルがどの程度までステープルに対して駆動されたかに依存する。かかる構成により、外科医は、ステープルにかけられる成形圧力又は発射圧力の度合いを調節し、それによって最終的に成形されるステープルの高さを変更する能力を有することができる。本発明の他の様々な実施形態において、外科用ステープリング構成は、ステープルをアンビルに向かって持ち上げることができるステープル駆動要素を採用することができる。そのような実施形態の詳細は後述される。
様々な実施形態において、上記に詳述した実施形態に関し、可動性アンビルに適用される発射運動の量は、発射トリガの作動の度合いに依存する。例えば、外科医が部分的にのみ成形されたステープルをうることを所望する場合、発射トリガは、ピストルグリップ107の方へ向かって内側に、部分的にのみ押圧される。更なるステープルの成形をうるため、外科医は、単純に更に発射トリガを圧縮し、これによりアンビルは、ステープルと接触するように更に駆動される。本明細書において使用するとき、用語「接触する」とは、ステープル成形表面又はステープル成形ポケットがステープル脚の端と接触し、脚を成形した位置へと成形又は屈曲させ始めたことを意味する。ステープル成形の度合いとは、ステープル脚がどれだけ折り畳まれたかを指し、ひいては、上記のステープル成形高さに関連する。当業者であれば、アンビル20は、発射運動がそこにかけられる際に、ステープルカートリッジに対して実質的に平行な関係で移動するため、ステープルが実質的に同時に、実質的に同じ成形高さで成形されることを更に理解するであろう。
図2及び図3は、ナイフバー172’を収容するように構成された以下の相違点を除けば、上記のエンドエフェクタ12’と同様の別のエンドエフェクタ12”を示している。ナイフバー172’は、ナイフロッド180に連結されるか又はこれから突出し、それ以外の点においては、ナイフバー172に関して上記に述べた要領で操作される。しかしながら、本実施形態では、ナイフバー172’は、エンドエフェクタ12”の全長を横断するだけの充分な長さであり、したがって別個の遠位ナイフ部材はエンドエフェクタ12”では用いられていない。ナイフバー172’は、その上に形成された上側横断部材173’及び下側横断部材175’を有している。上側横断部材173’は、アンビル20”の対応する細長いスロット250を摺動可能に横断する方向に向けられ、下側横断部材175’は、エンドエフェクタ12”の細長い溝部材14”の細長いスロット252を横断する方向に向けられている。アンビル20”内には離脱スロット(図示せず)も設けられ、これによりナイフバー172’が薄いエンドエフェクタ12”と共に終点位置にまで駆動されると、上側横断部材173’は対応するスロットを通って降下し、アンビル20”が開位置へと動いてステープリング及び切断された組織から離脱する。アンビル20”は、その他の点においては、上記のアンビル20と同一であってもよく、細長いチャネル14”は、その他の点においては、上記の細長いチャネル14と同一であってもよい。
これらの実施形態では、アンビル20”は、ばね又は他の解放機構(図示なし)によって、完全に開いた位置(図2)に付勢される。アンビル20”は、上記の要領により、発射アダプタ150の軸方向の移動によって、開位置と、完全にクランプ締めされた位置との間で動かされる。発射アダプタ150が完全にクランプ締めされた位置(図3)まで前進させられた時点で、外科医は更にナイフバー172”を上記の要領で遠位方向に前進させることができる。外科医がエンドエフェクタを、組織を操作するための保持装置として使用することを所望する場合、発射アダプタが近位方向に移動し、アンビル20”は細長いチャネル14”から離れることができる(図4に破線で表される)。この実施形態では、ナイフバー172”が遠位方向に動くと、上側横断部材173’及び下側横断部材175’がアンビル20”及び細長い溝部材14”を一緒に引くことにより、ナイフバー172”がエンドエフェクタ12”を通じて遠位方向に前進するのに従って、所望のステープル成形が行われる。これについては、図5を参照されたい。したがって、この実施形態において、ステープル成形は、組織切断と同時に生じるが、ステープル自体は、ナイフバー172”が遠位方向に駆動される際に順次成形される。
本発明の様々な外科用ステープルカートリッジ及び外科用器具の固有かつ新規な特徴は、これらのカートリッジの各ステープルが1つ又は2つ以上の直線状又は非直線状のラインに配列されることを可能にする。複数のかかるステープルのラインは、その内部を通って組織切断部材を受容するために、ステープルカートリッジ内に中央に配置された、細長いスロットの両側に設けられてもよい。一構成において、例えば、1つのライン内の各ステープルは、隣接するステープルのライン内の各ステープルとほぼ平行であってよいが、各ステープルからオフセットされていてもよい。更に他の実施形態において、1つ又は2つ以上のステープルのラインは、非線形の性質を有してもよい。すなわち、あるステープルのライン内の少なくとも1つのステープルの基部が、同じステープルのライン内の他のステープルの基部に対してほぼ横断方向となる軸に沿って延びてもよい。例えば、細長スロットのそれぞれの側部上のステープルのラインがジグザグの外観を有していてもよい。
様々な実施形態において、ステープルカートリッジは、カートリッジ本体、及びカートリッジ本体内に収容される複数のステープルを含みうる。使用の際、ステープルカートリッジは、手術部位の中へ導入され、処置される組織の側に配置されうる。加えて、ステープル成形アンビルは、組織の反対側に配置されうる。様々な実施形態において、アンビルは、第1のジョーにより保持され、ステープルカートリッジは、第2のジョーによって保持され、第1のジョー及び/又は第2のジョーは互いに向かって移動しうる。ステープルカートリッジ及びアンビルが組織に対して配置されると、ステープルがステープルカートリッジ本体から排出され、ステープルが組織を貫通してステープル成形アンビルと接触することができる。ステープルがステープルカートリッジ本体から配備された時点で、ステープルカートリッジ本体を手術部位から引き抜くことができる。本明細書において開示される様々な実施形態において、ステープルカートリッジ又はステープルカートリッジの少なくとも一部分が、ステープルと共に埋め込まれうる。少なくとも1つのこのような実施形態において、以下でより詳細に記載されるように、ステープルカートリッジは、アンビルが開位置から閉位置へと移動するときに、アンビルにより圧縮、圧壊、及び/又は折り畳まれうる、カートリッジ本体を含みうる。カートリッジ本体が、圧縮、圧潰及び/又は圧壊されるとき、カートリッジ本体内に配置されるステープルは、アンビルによって変形されうる。あるいは、ステープルカートリッジを支持するジョーは、アンビルに向かい、閉位置へと移動しうる。いずれにせよ、様々な実施形態において、ステープルは、これらが少なくとも部分的にカートリッジ本体内に配置されるときに、変形されうる。いくつかの実施形態において、ステープルは、ステープルカートリッジから発射されなくてもよく、一方でいくつかの実施形態において、ステープルは、カートリッジ本体の一部分と共に、ステープルカートリッジから発射されうる。
ここで図6A〜6Dを参照すると、例えば、ステープルカートリッジ1000などの圧縮性ステープルカートリッジは、埋め込み可能な圧縮性カートリッジ本体1010に加えて、圧縮性カートリッジ本体1010の内に配置された複数のステープル1020も備えることができるが、図6A〜6Dでは、1つのステープル1020のみが示されている。図6Aは、ステープルカートリッジ支持体、又はステープルカートリッジチャネル1030によって支持されるカートリッジ1000を例示し、ステープルカートリッジ1000は、非圧縮状態で例示される。このような非圧縮状態では、アンビル1040は、組織Tと接触してもしなくてもよい。使用時には、アンビル1040は、開位置から動いて図6Bに示されるように組織Tと接触し、組織Tをカートリッジ本体1010に押し付けて配置することができる。図6Bを再び参照し、アンビル1040は、組織Tをステープルカートリッジ本体1010の組織接触表面1019に対して配置することができるが、ステープルカートリッジ本体1010は、このような時点において、圧縮力又は圧力を(受けたとしても)ほとんど受けないことがあり、ステープル1020は、非成形又は非発射状態にありうる。図6A及び6Bに例示されているように、ステープルカートリッジ本体1010は、1つ又は2つ以上の層を備えていてもよく、これらの層を通って上方にステープル1020のステープル脚1021が延在することができる。様々な実施形態において、カートリッジ本体1010は、第1層1011、第2層1012、第3層1013を含む場合があり、第2層1012は、第1層1011と第3層1013及び第4層1014との中間に位置付けられてもよく、第3層1013は、第2層1012と第4層1014との中間に位置付けられてもよい。少なくとも一実施形態において、ステープル1020の基部1022は、第4層1014の空洞1015内に位置付けられてもよく、ステープル脚1021は、基部1022から第4層1014、第3層1013、及び第2層1012を通じて上方に延びてもよい。様々な実施形態において、各変形可能な脚1021は、先端部、例えば鋭い先端部1023を含んでもよく、これは、例えばステープルカートリッジ1000が未圧縮状態にあるときに、第2層1012内に位置付けられてもよい。少なくとも1つのこのような実施形態において、先端部1023は、第1層1011内に及び/又はこれを通じて延びない場合があり、少なくとも一実施形態において、先端部1023は、ステープルカートリッジ1000が未圧縮状態にあるときに、組織接触表面1019を通じて突出しないことがある。いくつかの他の実施形態において、ステープルカートリッジが未圧縮状態にあるときに、鋭い先端部1023は、第3層1013、及び/又は他の任意の好適な層内に位置付けられてもよい。様々な代替的実施形態において、ステープルカートリッジのカートリッジ本体は、例えば、3層以下、又は5層以上など、任意の好適な数の層を有してもよい。
様々な実施形態において、以下でより詳細に記載されるように、第1層1011は、バットレス材料及び/又はプラスチック材料、例えば、ポリジオキサノン(PDS)及び/又はポリグリコール酸(PGA)を含むことがあり、第2層1012は、生吸収性フォーム材料及び/又は圧縮可能な止血材料、例えば、酸化再生セルロース(ORC)から構成されることがある。様々な実施形態により、1つ又は2つ以上の第1層1011、第2層1012、第3層1013、及び第4層1014は、ステープルカートリッジ本体1010内にステープル1020を保持してもよく、加えて、ステープル1020を、互いに整列した状態に維持してもよい。様々な実施形態において、第3層1013は、バットレス材料、又は高度に未圧縮性又は非弾性の材料から構成されてもよく、これはステープル1020のステープル脚1021を互いに対して適所に保持するように構成されうる。更に、第3の層1013の両側に位置付けられる、第2層1012及び第4の層1014は、第2層1012及び第4の層1014が、圧縮可能なフォーム又は弾性材料から構成することができる場合であっても、ステープル1020の移動を固定又は低減することができる。いくつかの実施形態において、ステープル脚1021のステープル先端部1023は、一部分が第1の層1011内に埋め込まれていてもよい。少なくとも1つのこのような実施形態において、第1の層1011及び第3の層1013は、協調して、かつしっかりと、ステープル脚1021を適所に保持するように構成されうる。少なくとも1つの実施形態において、第1層1011及び第3層1013はそれぞれ、生吸収性プラスチックのシート、例えば、商標名Vicrylで販売されるポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA又はPLLA)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25(PGCL)、ポリカプロラクトン(PCL)、及び/又はPGA、PLA、PDS、PHA、PGCL及び/若しくはPCLの混合物を含んでもよく、第2層1012及び第4層1014はそれぞれ、少なくとも1つの止血材料又は薬剤から構成されてもよい。
第1層1011は、圧縮可能であってもよく、第2層1012は、第1層1011よりも実質的に更に圧縮可能であってもよい。例えば、第2層1012は、第1層1011の約2倍圧縮可能、約3倍圧縮可能、約4倍圧縮可能、約5倍圧縮可能、及び/又は約10倍圧縮可能であってもよい。換言すると、第2層1012は、所与の力により第1層1011の約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、及び/又は約10倍圧縮してもよい。いくつかの実施形態において、第2の層1012は、第1の層1011の、約2倍〜約10倍圧縮可能でありうる。少なくとも一実施形態において、第2の層1012は、内部に画定される複数の空隙を含むことがあり、第2の層1012における空隙の量及び/又は大きさは、第2の層1012の所望の圧縮性を提供するために制御されうる。上記と同様、第3の層1013が圧縮性を有してもよいが、第4の層1014は第3の層1013よりも大幅に高い圧縮性を有するものとすることができる。例えば、第4の層1014は、第3の層1013の約2倍の圧縮性、約3倍の圧縮性、約4倍の圧縮性、約5倍の圧縮性、及び/又は約10倍の圧縮性を有しうる。別の言い方をすると、第4の層1014は、所定の力によって第3の層1013の約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、及び/又は約10倍の量で圧縮しうる。いくつかの実施形態において、第4の層1014は、第3の層1013の、約2倍〜約10倍圧縮可能でありうる。少なくとも一実施形態において、第4の層1014は、内部に画定される複数の空隙を含むことがあり、第4の層1014における空隙の量及び/又は大きさは、第4の層1014の所望の圧縮性を提供するために制御されうる。様々な状況において、カートリッジ本体、又はカートリッジ本体層の圧縮性は、圧縮率(すなわち、所定量の力によって層が圧縮される距離)によって表すことができる。例えば、高い圧縮率を有する層は、その層に作用する所定量の圧縮力によって、より低い圧縮率を有する層と比較してより大きな距離だけ圧縮する。すなわち、第2層1012は、第1層1011よりも高い圧縮率を有してもよく、同様に第4の層1014は、第3の層1013よりも高い圧縮率を有してもよい。様々な実施形態において、第2層1012及び第4層1014は、同じ材料から構成される場合があり、同じ圧縮率を含む場合がある。様々な実施形態において、第2の層1012及び第4の層1014は、異なる圧縮率を有する材料から構成されうる。同様に第1層1011及び第3の層1013は、同じ材料から構成されてもよく、同じ圧縮率を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1の層1011及び第3の層1013は、異なる圧縮率を有する材料から構成されてもよい。
図6Cに例示されているように、アンビル1040は、閉位置に向かって移動したときに組織Tに接触でき、組織T及びステープルカートリッジ1000に圧縮力をかけることができる。このような状況では、アンビル1040は、カートリッジ本体1010の上面又は組織接触表面1019をステープルカートリッジ支持体1030の方向に下方に押すことができる。様々な実施形態において、ステープルカートリッジ支持体1030は、カートリッジ支持表面1031を含む場合があり、これは、ステープルカートリッジ1000がカートリッジ支持表面1031と、アンビル1040の組織接触表面1041との間で圧縮される際に、ステープルカートリッジ1000を支持するように構成されうる。アンビル1040によって加えられる圧力により、カートリッジ本体1010が圧縮され、アンビル1040がステープル1020と接触することができる。より具体的に、様々な実施形態において、カートリッジ本体1010の圧縮、及び組織接触表面1019の下方移動により、ステープル脚1021の先端部1023がカートリッジ本体1010の第1の層1011を貫通し、組織Tを貫通し、アンビル1040の成形ポケット1042内に入ることがある。カートリッジ本体1010が、アンビル1040によって更に圧縮されると、先端部1023は形成ポケット1042を画定する壁部に接触することができ、結果として脚1021は、例えば、図6Cに例示されているように、変形するか、内側に湾曲することができる。図6Cにまた示すように、ステープル脚1021が変形すると、ステープル1020の基部1022は、ステープルカートリッジ支持体1030と接触するか、又はこれによって支持されうる。様々な実施形態において、以下により詳細に記載されるように、ステープルカートリッジ支持体1030は例えば、複数の支持機構、例えば、ステープル支持溝、スロット又はトラフ1032を含む場合があり、これらは、ステープル1020が変形される際に、ステープル1020のステープル1020又は少なくとも基部1022を支持するように構成されうる。また図6Cに例示されるように、第4の層1014の空洞1015は、ステープルカートリッジ本体1010に適用された圧縮力の結果として折り畳まれうる。空洞1015に加えて、ステープルカートリッジ本体1010は、1つ又は2つ以上の空隙、例えば空隙1016を更に含んでもよく、これは、その内部に配置されたステープルの一部を含んでも、含まなくてもよく、これは、カートリッジ本体1010が圧壊されることを可能にするように構成されてもよい。様々な実施形態において、空洞1015及び/又は空隙1016は、空洞及び/又は壁部を画定する壁部が下方に屈曲して、カートリッジ支持表面1031と接触し並びに/又は空洞及び/若しくは空隙の下に位置付けられるカートリッジ本体1010の層と接触するようにして、折り畳まれるように構成される。
図6Bと図6Cを比較すると、第2層1012及び第4の層1014が、アンビル1040によってかけられた圧縮圧力によって実質的に圧縮されていることが明らかである。尚、第1層1011及び第3の層1013も同様に圧縮されることに注目されたい。アンビル1040がその閉位置に移動すると、アンビル1040は、組織当接面1019をステープルカートリッジ支持体1030に向かって下方に押すことによって、カートリッジ本体1010を更に圧縮し続けることができる。カートリッジ本体1010が更に圧縮されると、アンビル1040は、図6Dに例示されているように、ステープル1020をその完全に形成された形状に変形することができる。図6Dを参照すると、各ステープル1020の脚1021は、変形可能な脚1021と基部1022との間に、組織T、第1層1011、第2層1012、第3の層1013、及び第4の層1014の少なくとも一部を捕捉するため、各ステープル1020の基部1022の方に向かって下方に変形されうる。図6Cと図6Dを比較すると、第2層1012及び第4の層1014が、アンビル1040によってかけられた圧縮圧力によって実質的に更に圧縮されていることが更に明らかである。同様に、図6Cと図6Dを比較した際に、第1層1011及び第3の層1013が更に圧縮されていることにも注目されたい。ステープル1020が完全に又は少なくとも充分に成形された後、アンビル1040が組織Tから離れるように持ち上げられてもよく、ステープルカートリッジ支持体1030は、ステープルカートリッジ1000から離れ、かつ/又は分離されてもよい。図6Dに示されるように、上記の結果として、カートリッジ本体1010は、ステープル1020と共に埋め込まれうる。様々な状況において、移植されたカートリッジ本体1010は、ステープルのラインに沿って組織を支持することができる。いくつかの状況において、埋め込まれたカートリッジ本体1010内に収容される止血剤及び/又は他の任意の好適な治療用薬物は、経時的に組織を治療することができる。上記のように、止血剤によって、ステープリング及び/又は切開された組織の出血を低減することができる一方で、結合剤又は組織接着剤によって、時間をかけて組織に強度をもたらすことができる。埋め込まれたカートリッジ本体1010は、例えば、ORC(酸化再生セルロース)などの材料、コラーゲンなどの細胞外タンパク質、商標名Vircylで販売されているポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA又はPLLA)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、商標名Monocrylで販売されているポリグレカプロン25(PGCL)、ポリカプロラクトン(PCL)、並びに/又はPGA、PLA、PDS、PHA、PGCL及び/若しくはPCLの複合体から構成されていてもよい。特定の状況において、カートリッジ本体1010は、手術部位における感染の可能性を低減させることが可能な、例えばコロイド銀及び/又はトリクロサンのような抗生物質及び/又は抗菌物質を含むことができる。
様々な実施形態において、カートリッジ本体1010の層は、互いに接続されうる。少なくとも1つの実施形態において、例えば、フィブリン及び/又はタンパク質ヒドロゲルなどの少なくとも1つの接着剤を使用して、第2層1012が第1層1011に接着されてもよく、第3層1013が第2層1012に接着されてもよく、第4層1014が第3層1013に接着されてもよい。いくつかの実施形態において、例示されないが、カートリッジ本体1010の層は、連結機械機構によって互いに連結されうる。少なくとも1つのそのような実施形態において、第1の層1011及び第2の層1012はそれぞれ、例えば舌部及び溝部構成及び/又はあり継手構成などの、対応する連結機構を含みうる。同様に、第2層1012及び第3の層1013は、それぞれ、対応するインターロック機構を含んでもよく、一方で第3の層1013及び第4の層1014は、それぞれ、対応するインターロック機構を含んでもよい。いくつかの実施形態において、例示されないが、ステープリングカートリッジ1000は、例えば、カートリッジ本体1010の1つ又は2つ以上の層を通じて延びうる1つ又は2つ以上のリベットを含みうる。少なくとも1つのこのような実施形態において、各リベットは、第1の層1011と隣接するように配置される第1の端部又はヘッド、及び第2ヘッドであって、このリベットの第2の端部に組み合わされるか、又はこれにより形成されうる第4の層1014と隣接するように配置された、第2ヘッドを含みうる。カートリッジ本体1010の圧縮可能な性質により、少なくとも一実施において、リベットはカートリッジ本体1010を圧縮してもよく、これにより、リベットのヘッドは、例えば、組織接触表面1019、及び/又はカートリッジ本体1010の底面1018に対して陥没していることがある。少なくとも1つのこのような実施形態において、リベットは、商標名Vircylで販売されるポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA又はPLLA)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25(PGCL)、ポリカプロラクトン(PCL)、並びに/又はPGA、PLA、PDS、PHA、PGCL及び/若しくはPCLの混合物などの生体吸収性材料から構成されうる。いくつかの実施形態において、カートリッジ本体1010の層は、内部に含まれるステープル1020によって以外は、互いに接続されないことがある。少なくとも1つのこのような実施形態において、ステープル脚1021と、カートリッジ本体1010との間の摩擦係合は、カートリッジ本体1010の層を一緒に保持することができ、一度ステープルが成形されると、層はステープル1020内に捕捉されうる。いくつかの実施形態において、ステープル脚1021の少なくとも一部分は、非平坦化表面又は非平坦なコーティングを含む場合があり、これは、ステープル1020とカートリッジ本体1010との間の摩擦力を増加させうる。
上記のように、外科用器具は、ステープルカートリッジ1030を含む第1のジョーと、アンビル1040を含む第2のジョーとを有しうる。様々な実施形態において、以下でより詳細に記載されるように、ステープルカートリッジ1000は、1つ又は2つ以上の保持機構を含んでもよく、これはステープルカートリッジ支持体1030と係合するように構成されてもよく、結果として、ステープルカートリッジ1000をステープルカートリッジ支持体1030に解放可能に保持する。特定の実施形態において、ステープルカートリッジ1000は、例えば、フィブリン及び/又はタンパク質ヒドロゲルなどの少なくとも1つの接着剤によって、ステープルカートリッジ支持体1030に接着されうる。使用の際、少なくとも1つの状況において、特に腹腔鏡及び/又は内視鏡手術において、例えば、第2のジョーは、第1のジョーと反対側の閉位置に移動しもよく、それによって第1及び第2のジョーがトロカールを通って手術部位に挿入されてもよい。少なくとも1つのこのような実施形態において、トロカールは、およそ5mmの開口又はカニューレを画定する場合があり、これを通じて第1及び第2ジョーが挿入されうる。いくつかの実施形態において、第2のジョーは、開位置と閉位置との中間の部分的に閉鎖した位置に移動することができ、これは、ステープルカートリッジ本体1010内に含まれるステープル1020を変形することなく、トロカールを通じて第1及び第2のジョーが挿入されることを可能にしうる。少なくとも1つの実施形態において、第2のジョーがその部分的に閉じた中間位置にあるとき、アンビル1040は圧縮力をステープルカートリッジ本体1010に適用しないことがあり、他のいくつかの実施形態において、第2のジョーが部分的に閉じた中間位置にあるときに、アンビル1040はステープルカートリッジ本体1010を圧縮しうる。アンビル1040が、そのような中間位置にあるときに、ステープルカートリッジ本体1010を圧縮することができる場合であっても、アンビル1040は、アンビル1040がステープル1020と接触するように、かつ/又はステープル1020がアンビル1040によって変形されるように、ステープルカートリッジ本体1010を充分に圧縮することができない。第1及び第2のジョーが、トロカールを通って手術部位に挿入されると、第2のジョーは、もう一度、解放され、アンビル1040及びステープルカートリッジ1000が、上記のように標的組織に対して配置されることができる。
様々な実施形態により、図7A〜7Dを参照して、外科用ステープラのエンドエフェクタは、アンビル1140とステープルカートリッジ支持体1130との中間に位置付けられた埋め込み可能なステープルカートリッジ1100を含みうる。上記と同様、アンビル1140は組織接触表面1141を有してもよく、ステープルカートリッジ1100は組織接触表面1119を含んでもよく、ステープルカートリッジ支持体1130はステープルカートリッジ1100を支持するように構成することが可能な支持表面1131を有してもよい。図7Aを参照し、アンビル1140は、ステープルカートリッジ1100を変形することなく、ステープルカートリッジ1100の組織接触表面1119に対して組織Tを配置するために使用され、アンビル1140がこのような位置にあるとき、組織接触表面1141は、ステープルカートリッジ支持表面1131から距離1101aで配置され得、組織接触表面1119は、ステープルカートリッジ支持表面1131から距離1102aで配置されうる。その後、アンビル1140がステープルカートリッジ支持体1130に向かって移動すると、ここで図7Bを参照すると、アンビル1140は、ステープルカートリッジ1100の上面又は組織当接面1119を下方に押し、カートリッジ本体1110の第1層1111及び第2層1112を圧縮することができる。再び図7Bを参照すると、層1111及び1112が圧縮されるにしたがって、第2の層1112が圧し潰され、ステープル1120の脚1121が、第1の層1111を貫通して組織T内に進入しうる。少なくとも1つのこうした実施形態では、ステープル1120は第2の層1112のステープル空洞又は空間1115内に少なくとも一部が配置されてよく、第2の層1112が圧縮される際、ステープル空洞1115が圧潰し、その結果、第2の層1112がステープル1120の周囲に圧潰することが可能となる。様々な実施形態において、第2の層1112は、カバー部分1116を含んでもよく、これはステープル空洞1115上に延び、かつステープル空洞1115を包囲するか又は少なくとも一部分を包囲しうる。図7Bは、ステープル空洞1115内へと下方に圧潰される、カバー部分1116を例示する。いくつかの実施形態において、第2層1112は、1つ又は2つ以上の弱化部分を含んでもよく、これは第2層1112が折り畳まれるのを促進しうる。様々な実施形態において、このような弱化部分は、例えば、刻んだ線、穿孔、及び/又は薄い断面を含んでもよく、これはカートリッジ本体1110の制御された折り畳みを促進しうる。少なくとも一実施形態において、第1層1111は、1つ又は2つ以上の弱化部分を含んでもよく、これは、第1層1111を通じてステープル脚1121の貫通を促進しうる。様々な実施形態において、このような弱化部分は、例えば、刻んだ線、穿孔、及び/又は薄い断面を含んでもよく、これはステープル脚1121と整列されるか又は少なくとも実質的に整列されうる。
図7Aを再び参照し、アンビル1140が、部分的に閉じた、発射していない位置にあるとき、アンビル1140は、カートリッジ支持表面1131から、その間に空隙が画定されるように、距離1101aで配置されうる。この間隙はステープルカートリッジ高さ1102aを有するステープルカートリッジ1100及び組織Tで充填されうる。再び図7Bを参照すると、アンビル1140が下方に動かされてステープルカートリッジ1100を圧縮すると、組織接触表面1141とカートリッジ支持表面1131との間の距離は、距離1101aよりも短い距離1101bによって規定されうる。様々な状況において、距離1101bにより規定されるアンビル1140の組織接触表面1141とカートリッジ支持表面1131との間の間隙は、元の未変形のステープルカートリッジ高さ1102aよりも大きくなりうる。ここで図7Cを参照し、アンビル1140がカートリッジ支持表面1131により近く移動すると、第2層1112は、圧壊し続け、ステープル脚1121と形成ポケット1142との間の距離は、減少しうる。同様に、組織接触表面1141とカートリッジ支持表面1131との間の距離は1101cまで減少することがあり、これは様々な実施形態において、元の変形してないカートリッジ高さ1102aより大きい、これと等しい、又はこれより小さいことがある。図7Dを参照し、アンビル1140は、ステープル1120が完全に成形された又は少なくとも所望の高さまで成形された、最終的な、発射位置まで移動されうる。この位置では、アンビル1140の組織接触表面1141は、カートリッジ支持表面1131から距離1101dの距離にあってよく、その場合、距離1101dは元の未変形のカートリッジ高さ102aより短くなりうる。また、図7Dに示すように、ステープル空洞1115は、完全に又は少なくとも実質的に、圧壊されてもよく、ステープル1120は、圧壊された第2層1112によって完全に又は少なくとも実質的に囲まれてもよい。様々な状況において、アンビル1140はこの後、ステープルカートリッジ1100から離れる方向に動かすことができる。アンビル1140がステープルカートリッジ1100から離脱した後、カートリッジ本体1110は、様々な位置(すなわち例えば隣接するステープル1120の間の位置)において少なくとも部分的に再拡張しうる。少なくとも一実施形態において、圧壊したカートリッジ本体1110は、弾性的に再拡張しないことがある。様々な実施形態において、成形されたステープル1120及び、加えて、隣接するステープル1120の中間に配置されるカートリッジ本体1110は、組織Tに圧力、又は圧縮力を適用することがあり、これは様々な治療的効果を提供しうる。
上記のように、図7Aに例示される実施形態を再び参照し、各ステープル1120は、そこから延びるステープル脚1121を含みうる。ステープル1120は、2つのステープル脚1121を含むものとして示されるが、1つのステープル脚、あるいは、3つ以上のステープル脚、例えば、3つのステープル脚、又は4つのステープル脚を含んでもよい様々なステープルが使用されてもよい。図7Aに示すように、各ステープル脚1121は、ステープル1120が第2層1112内に固定されるように、カートリッジ本体1110の第2層1112内に埋め込まれうる。様々な実施形態において、ステープル1120は、ステープル脚1121の先端部1123が、基部1122の前に空洞1115内に入るようにして、カートリッジ本体1110のステープル空洞1115内に挿入されることがある。先端部1123が、空洞1115内に挿入された後、様々な実施形態において、先端部1123は、カバー部分1116に押し込まれて、第2の層1112を切開する。様々な実施形態において、ステープル1120は、ステープル1120が第2の層1112に対して動かないか、又は少なくとも実質的に動かないように、第2の層1112内の充分な深さに配置されうる。いくつかの実施形態において、ステープル1120は、基部1122がステープル空洞1115内に配置されるか又は埋め込まれるように、第2の層1112内の充分な深さに配置されうる。他の様々な実施形態において、基部1122は、第2の層1112内に配置されないか、又は埋め込まれない場合もある。いくつかの実施形態において、図7Aを参照し、基部1122は、カートリッジ本体1110の底面1118の下に延びてもよい。いくつかの実施形態において、基部1122は、カートリッジ支持表面1130上に位置しうるか、又はこれに対して直接配置されうる。様々な実施形態において、カートリッジ支持表面1130は、ここから延びるか、及び/又は内部に画定される支持機構を含む場合があり、少なくとも1つのこのような実施形態において、ステープル1120の基部1122は、以下でより詳細に記載されるように、ステカートリッジ支持体1130内の、1つ又は2つ以上の支持溝、スロット、又はトラフ1132内に位置付けられるか、これによって支持されうる。
様々な実施形態において、ここで図8及び図9を参照し、例えば、ステープルカートリッジ1200などのステープルカートリッジは、外層1211及び内層1212を含む、圧縮可能な、埋め込み可能なカートリッジ本体1210を含む場合がある。上記と同様に、ステープルカートリッジ1200は、カートリッジ本体1210内に配置される、複数のステープル1220を含んでもよい。様々な実施形態において、各ステープル1220は、基部1222及びここから延びる1つ又は2つ以上のステープル脚1221を含みうる。少なくとも1つのこのような実施形態において、ステープル脚1221は、内層1212に挿入され、例えば、ステープル1220の基部1222が、内層1212の底面1218と隣接する、及び/又は隣接するように配置されるような深さに配置されうる。図8及び図9内に示される実施形態において、内層1212は、ステープル1220の一部分を受容するように構成されたステープル空洞を含まず、他の実施形態において内層1212は、このようなステープル空洞を含みうる。上記に加え、様々な実施形態において、内層1212は、例えば、生吸収性フォーム及び/又は酸化再生セルロース(ORC)などの、圧縮可能な材料から構成される場合があり、これは、カートリッジ本体1210が圧縮負荷がそこに適用される際に折り畳まれることを可能にするように構成されうる。様々な実施形態において、内層1212は、例えば、ポリ乳酸(PLA)及び/又はポリグリコール酸(PGA)を含む凍結乾燥発泡材から構成される場合がある。ORCは、商標名Surgicelで市販されているものであってよく、緩く編まれた布地(外科用スポンジなど)、緩い繊維(コットンボールなど)、及び/又は発泡材を備えうる。少なくとも一実施形態において、内層1212は、例えばその中に含有又はその上にコーティングされた、例えば凍結乾燥トロンビン及び/又はフィブリン等の薬剤を含む材料から構成することができ、これは例えば、水で活性化され、及び/又は患者の体内の体液によって活性化されうる。少なくともそのような一実施形態において、凍結乾燥トロンビン及び/又はフィブリンは、例えばVicryl(PGA)マトリックス上に保持することができる。しかし、特定の状況では、ステープルカートリッジ1200が、例えば患者の体内の手術部位に挿入されたときに、活性化可能な薬剤が、意図せずして活性化されうる。様々な実施形態において、図8及び図9を参照として、外層1211は、水不透過性、又は少なくとも実質的に水不透過性の材料から構成され、それによりカートリッジ本体1210が圧縮されてステープル脚が外層1211を貫入した後、及び/又は外層1211が何らかの様式により切開された後まで、液体が内層1212と接触しないか、又は少なくとも実質的に接触しない。様々な実施形態において、外層1211は、例えば、ポリジオキサノン(PDS)、及び/又はポリグリコール酸(PGA)などのバットレス材料及び/又はプラスチック材料から構成される場合がある。いくつかの実施形態において、外層1211は、内層1212及びステープル1220を囲むラップを含みうる。より具体的に、少なくとも一実施形態において、ステープル1220は、内層1212内に挿入されることがあり、外層1211は、内層1212及びステープル1220を含むサブアセンブリの周囲に巻かれ、その後封止されうる。
本明細書において記載される様々な実施形態において、ステープルカートリッジのステープルは、アンビルが閉位置に動かされるときに、アンビルによって完全に成形されうる。図10〜13を参照し、様々な他の実施形態において、例えば、ステープルカートリッジ4100などのステープルカートリッジのステープルは、アンビルが閉位置へと動くときにアンビルによって、加えて、ステープルを閉鎖したアンビルへと動かすステープルドライバシステムによって、変形されうる。ステープルカートリッジ4100は、例えば、発泡材料、及び圧縮可能なカートリッジ本体4110内に少なくとも部分的に配置された、複数のステープル4120から構成されてもよい、圧縮可能なカートリッジ本体4110を含んでもよい。様々な実施形態において、ステープルドライバシステムは、ドライバホルダ4160、ドライバホルダ4160内に配置された複数のステープルドライバ4162、及びドライバホルダ4160内にステープルドライバ4162を保持するように構成されうるステープルカートリッジパン4180を含みうる。少なくとも1つのこのような実施形態において、ステープルドライバ4162は、ドライバホルダ4160の1つ又は2つ以上のスロット4163内に位置付けられることがあり、スロット4163の側壁は、ステープルドライバ4162をアンビルに向かって上方に案内することを補助しうる。様々な実施形態において、ステープル4120は、ステープルドライバ4162によってスロット4163内に支持されることがあり、少なくとも一実施形態において、ステープル4120は、ステープル4120及びステープルドライバ4162がこれらの非発射位置にある際に、スロット4163内に完全に位置付けられることがある。いくつかの他の実施形態において、ステープル4120の少なくとも一部分は、ステープル4120及びステープルドライバ4162がこれらの非発射位置にあるときに、スロット4163の解放端部4161を通じて上方に延びうる。ここで図11を参照し、少なくとも1つのこのような実施形態において、ステープル4120の基部は、ドライバホルダ4160内に位置付けられることがあり、ステープル4120の先端部は、圧縮可能なカートリッジ本体4110内に埋め込まれることがある。いくつかの実施形態において、ステープル4120の高さの約1/3がドライバホルダ4160内に配置される場合があり、ステープル4120の約2/3が、カートリッジ本体4110内に配置されることがある。図10Aを参照し、少なくとも一実施形態において、ステープルカートリッジ4100は、例えば、カートリッジ本体4110及びドライバホルダ4160を囲む、水透過性ラップ又は膜4111を更に含む場合がある。
使用の際、ステープルカートリッジ4100は、例えば、ステープルカートリッジチャネル内に配置されてもよく、アンビルは、ステープルカートリッジ4100に向かって閉位置へと移動することができる。様々な実施形態において、アンビルは、アンビルがその閉位置に動かされるときに、圧縮可能カートリッジ本体4110と接触し、かつこれを圧縮することができる。いくつかの実施形態において、アンビルは、アンビルがその閉位置にあるときに、ステープル4120に接触しなくてもよい。いくつかの他の実施形態において、アンビルは、アンビルがその閉位置に動かされる際に、ステープル4120の脚に接触し、少なくとも部分的にステープル4120を変形させてもよい。いずれの場合も、ステープルカートリッジ4100は、ステープルカートリッジ4100内で長手方向に前進させることができる1つ又は2つ以上のスレッド4170を更に含んでもよく、それにより、スレッド4170はステープルドライバ4162と順次係合し、ステープルドライバ4162及びステープル4120をアンビルの方向に動かすことができる。様々な実施形態において、スレッド4170は、ステープルカートリッジパン4180と、ステープルドライバ4162との間で摺動しうる。アンビルのクロージャが、ステープル4120の成形プロセスを開始した場合の実施形態において、ステープル4120のアンビルへの上方への移動は、成形プロセスを完了し、ステープル4120をこれらの完全に成形した、又は少なくとも所望の高さへと変形させることができる。アンビルのクロージャが、ステープル4120を変形させていない場合の実施形態において、ステープル4120のアンビルへの上方への移動は、成形プロセスを開始及び完了し、ステープル4120をこれらの完全に成形した、又は少なくとも所望の高さへと変形させることができる。様々な実施形態において、スレッド4170は、ステープルカートリッジ4100の近位端から、ステープルカートリッジ4100の遠位端まで前進することができ、それによって、ステープルカートリッジ4100の近位端内に配置されるステープル4120は、ステープルカートリッジ4100の遠位端に配置されるステープル4120が完全に成形される前に、完全に成形される。図12を参照し、少なくとも一実施形態において、スレッド4170は、それぞれ、少なくとも1つの角度付き、又は傾いた表面4711を含む場合があり、これは、図13に例示されるように、ステープルドライバ4162の下を摺動し、ステープルドライバ4162を持ち上げるように構成されうる。
様々な実施形態において、上記に加え、ステープル4120は、組織Tの少なくとも一部分、及びステープルカートリッジ4100の圧縮可能なカートリッジ本体4110の少なくとも一部分を内部に捕捉するために、成形されうる。ステープル4120が形成された後、外科用ステープラのアンビル及びステープルカートリッジチャネル4130は、埋め込まれたステープルカートリッジ4100から離れることができる。様々な状況において、カートリッジパン4180はステープルカートリッジ溝部材4130と固定的に嵌合され、その結果、カートリッジパン4180は、ステープルカートリッジ溝部材4130が、移植されたカートリッジ本体4110から引き離される際に圧縮可能なカートリッジ本体4110から分離されうる。図10を再び参照し、様々な実施形態において、カートリッジパン4180は、対向する側壁4181を含む場合があり、その間に、カートリッジ本体4110が取り外し可能に配置されうる。少なくとも1つのこのような実施形態において、圧縮可能なカートリッジ本体4110は、カートリッジ本体4110が側壁4181の間で、使用中にその間に取り外し可能に保持され、カートリッジパン4180が引き離される際にカートリッジパン4180から解放可能に係合離脱されるように、圧縮されうる。少なくとも1つのこのような実施形態において、ドライバホルダ4160は、カートリッジパン4180が手術部位から取り外されるときに、ドライバホルダ4160、ドライバ4162、及び/又はスレッド4170が、カートリッジパン4180内に留まりうるようにして、カートリッジパン4180内に接続されうる。他のいくつかの実施形態において、ドライバ4162は、ドライバ4160から排出されて、手術部位に残されることができる。少なくとも1つのこのような実施形態において、ドライバ4162は、商標名Vircylで販売されるポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA又はPLLA)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25(PGCL)、ポリカプロラクトン(PCL)、並びに/又はPGA、PLA、PDS、PHA、PGCL及び/若しくはPCLの混合物などの生体吸収性材料から構成されうる。様々な実施形態において、ドライバ4162は、ドライバ4162が、ステープル4120と共に展開されるように、ステープル4120に取り付けられることができる。少なくとも1つのこのような実施形態において、各ドライバ4162は、例えば、ステープル4120の基部を受容するように構成されたトラフを含む場合があり、少なくとも1つの実施形態において、トラフは、圧力嵌め及び/又はスナップ嵌めの方法により、ステープル器具を受容するように構成されうる。
更に上記に加え、いくつかの実施形態において、ドライバホルダ4160及び/又はスレッド4170は、カートリッジパン4180から排出されうる。少なくとも1つのこのような実施形態において、スレッド4170は、カートリッジパン4180と、ドライバホルダ4160との間で摺動する場合があり、それにより、スレッド4170がステープルドライバ4162及びステープル4120を上方に駆動するためにスレッド4170が前進する際に、スレッド4170がドライバホルダ4160も同様に、カートリッジパン4180の外側に上方へと移動させることができる。少なくとも1つのこのような実施形態において、ドライバホルダ4160及び/又はスレッド4170は、商標名Vircylで販売されるポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA又はPLLA)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25(PGCL)、ポリカプロラクトン(PCL)、並びに/又はPGA、PLA、PDS、PHA、PGCL及び/若しくはPCLの混合物などの生体吸収性材料から構成されうる。様々な実施形態において、スレッド4170は、ドライブバー又は切断部材に一体的に形成される及び/又はこれに取り付けられる場合があり、これはステープルカートリッジ4100を通じてスレッド4170を押す。このような実施形態において、スレッド4170は、カートリッジパン4180から排出されなくてもよく、外科用ステープラと共に留まってもよいが、スレッド4170がドライブバーに取り付けられていない他の実施形態において、スレッド4170は、手術部位に残ってもよい。いずれにせよ、上記に加え、カートリッジ本体4110の圧縮性は、ステープラのアンビルが閉鎖するときにカートリッジ本体4110が圧縮又は収縮しうる際に、より厚いステープルカートリッジが、外科用ステープラのエンドエフェクタ内で使用されることを可能にしうる。いくつかの実施形態において、アンビルの閉鎖の際に少なくとも一部分が変形されるステープルの結果として、例えば、およそ4.6mm(0.18”)を有するステープルなどのより高いステープルが使用される場合があり、およそ3.0mm(0.12”)のステープル高さが圧縮可能な層4110内に位置付けられる場合があり、圧縮可能な層4110は、例えば、およそ3.6mm(0.14”)の未圧縮高さを有しうる。
本明細書において記載される多くの実施形態において、ステープルカートリッジは、内部に複数のステープルを含む場合がある。様々な実施形態において、このようなステープルは、2つのステープル脚を有する実質的にU字型の構成に変形される金属ワイヤから構成されることがある。ステープルが、3つ又は4つ以上のステープル脚を有する、一緒に結合された2つ又は3つ以上のワイヤなどの異なる構成を含みうる、他の実施形態が想到される。様々な実施形態において、ステープルを成形するために使用されるワイヤが、丸い、又は少なくとも実質的に丸い断面を含みうる。少なくとも一実施形態において、ステープルワイヤは、例えば、正方形及び/又は矩形の断面などの、他の任意の好適な断面を含みうる。いくつかの実施形態において、ステープルは、プラスチックワイヤから構成される場合がある。少なくとも一実施形態において、ステープルは、プラスチックコーティングされた金属ワイヤから構成されうる。様々な実施形態において、カートリッジは、ステープルに加えて、又はその代わりに、任意の好適な種類の締結具を含む場合がある。少なくとも1つのこのような実施形態において、このような締結具は、アンビルと係合する際に折られうる、枢動可能なアームを含む場合がある。いくつかの実施形態において、二部構成の締結具が使用されうる。少なくとも1つのこのような実施形態において、ステープルカートリッジは、複数の第1締結部分を含む場合があり、アンビルは、アンビルがステープルカートリッジに対して圧縮される際に、第1締結部分に接続される、複数の第2締結部分を含む場合がある。上記のように、いくつかの実施形態において、スレッド又はドライバは、ステープルの成形プロセスを完了するために、ステープルカートリッジ内で前進しうる。いくつかの実施形態において、スレッド又はドライバは、1つ又は2つ以上の形成部材を、内部に位置付けられた、対向するステープルカートリッジ及びステープル又は締結具と係合するように、下方に動かすために、アンビル内で前進しうる。
本明細書において記載される様々な実施形態において、ステープルカートリッジは、内部に保存された4列のステープルを含みうる。少なくとも1つの実施形態において、4つのステープル列は、2つの内側ステープル列、及び2つの外側ステープル列に構成されうる。少なくとも1つのこのような実施形態において、内側ステープル及び外側ステープル列は、ステープルカートリッジ内の切断部材又はナイフスロットの第1側部に配置されることがあり、同様に、内側ステープル列及び外側ステープル列は、切断部材又はナイフスロットの第2側部に配置されることがある。特定の実施形態では、ステープルカートリッジは切断部材スロットを有さなくともよいが、このようなステープルカートリッジは、ステープルカートリッジスロットの代わりに、切断部材によって切開されるように構成された指定部分を有しうる。様々な実施形態において、内側ステープル列は、ステープルカートリッジ内において、これらが切断部材スロットから均等に、又は少なくとも実質的に均等に離間するように配置されうる。同様に、外側ステープル列は、ステープルカートリッジ内において、これらが切断部材スロットから均等に、又は少なくとも実質的に均等に離間するように配置されうる。様々な実施形態において、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジ内に保存された5列以上、又は3列以下のステープルを含みうる。少なくとも一実施形態において、ステープルカートリッジは、6列のステープルを含みうる。少なくとも1つのこのような実施形態において、ステープルカートリッジは、切断部材スロットの第1側部に3列のステープルを備え、切断部材スロットの第2側部に3列のステープルを備える。いくつかの実施形態において、ステープルカートリッジは、奇数のステープル列を含みうる。例えば、ステープルカートリッジは、切断部材スロットの第1の側部に2列のステープルを有し、切断部材スロットの第2の側部に3列のステープルを有することができる。様々な実施形態において、ステープル列は、同じ又は少なくとも実質的に同じ、成形されていないステープル高さを含みうる。いくつかの他の実施形態において、1つ又は2つ以上のステープル列は、他のステープルとは異なる非形成ステープル高さを有するステープルを含みうる。少なくとも1つのこのような実施形態において、切断部材スロットの第1側部のステープルは、第1の非成形高さを有し、切断部材スロットの第2側部のステープルは、第2非成形高さを有し、これは、例えば、第1高さとは異なる。
様々な実施形態において、上述のように、ステープルカートリッジは、内部に画定された複数のステープル空洞を有するカートリッジ本体を含みうる。カートリッジ本体は、デッキ及びデッキ上表面を含んでもよく、各ステープル空洞は、デッキ表面に開口を画定してもよい。上記のように、ステープルは、ステープルがカートリッジ本体から排出されるまでの間、カートリッジ本体内に格納されるように、各ステープル空洞内に配置することができる。様々な実施形態において、ステープルは、カートリッジ本体から発射される前に、ステープルがデッキ表面の上に突出しないように、カートリッジ本体内に収容されうる。ステープルはデッキ表面の下に位置付けられているため、そのような実施形態において、ステープルの損傷及び/又は標的組織に時期尚早に接触する可能性を低減することができる。様々な状況において、ステープルは、カートリッジ本体から突出していない未発射位置と、カートリッジ本体から出現して、ステープルカートリッジの反対側に配置されているアンビルに接触することができる発射済み位置との間で、移動することができる。様々な実施形態において、アンビル、及び/又はアンビル内に画定されている成形ポケットは、デッキ表面の上の所定距離に配置することができ、これにより、ステープルがカートリッジ本体から配備される際に、ステープルが所定の成形高さに変形される。特定の状況において、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織の厚さは変化する可能性があり、その結果、より厚い組織が特定のステープル内に捕捉されることがある一方、より薄い組織が他の特定のステープル内に捕捉されうる。いずれの場合においても、ステープルによって組織にかけられるクランプ圧又はクランプ力は、ステープルからステープルまでで変化する可能性があり、あるいは、例えば、ステープル列の一方の端にあるステープルと、そのステープル列の他方の端にあるステープルとの間で変わる可能性がある。特定の状況において、アンビルとステープルカートリッジデッキとの間の隙間は、ステープルが各ステープル内に、所定の最低クランプ圧をかけるように制御することができる。しかしながら、いくつかのそのような状況において、異なるステープル内でクランプ圧の顕著な変動が依然として存在しうる。外科用ステープリング器具は米国特許第7,380,696号(2008年6月3日発行)に開示されており、その開示全体は本明細書において参照により援用されている。外科用ステープリング及び切断用器具の例示的なマルチストロークハンドルは、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている、同時係属かつ共同出願の米国特許出願「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING A MULTISTROKE FIRING POSITION INDICATOR AND RETRACTION MECHANISM」、第10/374,026号に詳細が記述されている。本発明と一致する他の適用は、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEM」という表題の同時係属及び共同出願の米国特許出願第10/441,632号に詳細が記載されているような、単一発射ストロークが含まれてよい。
本明細書に記述される様々な実施形態において、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジから配備されるステープル内に捕捉される組織の厚さに関して補償を行う手段を含みうる。様々な実施形態において、図14を参照し、ステープルカートリッジ(例えばステープルカートリッジ10000)は、剛性の第1部分(例えば、支持部分10010)と、圧縮可能な第2部分(例えば、組織厚さコンペンセータ10020)とを含みうる。少なくとも一実施形態において、主に図16を参照し、支持部分10010は、カートリッジ本体、デッキ上側表面10011、及び複数のステープル空洞10012を含み得、上記と同様に、各ステープル空洞10012はデッキ表面10011に開口部を画定しうる。例えば、ステープル10030は、各ステープル空洞10012内に取り外し可能に配置することができる。少なくともそのような一実施形態において、各ステープル10030は、底面10031と、底面10031から延びる1本又は複数の脚10032と、を含みうる。ステープル10030が配備される前に、これも詳しくは、後述されるように、ステープル10030の基部10031は、支持部10010内に配置されているステープルドライバによって支持されることができ、同時に、ステープル10030の脚10032は、ステープル空洞10012内に少なくとも部分的に含有されてもよい。様々な実施形態において、ステープル10030は、脚10032が組織厚さコンペンセータ10020を貫入して動き、組織厚さコンペンセータ10020の上側表面を貫入し、組織Tに入り込み、ステープルカートリッジ10000に相対して配置されるアンビルに接触するよう、未発射位置と発射済み位置との間に配備することができる。脚10032がアンビルに当たって変形すると、各ステープル10030の脚10032が、各ステープル10030内で、組織厚さコンペンセータ10020の一部と組織Tの一部とを捕捉し、この組織に圧縮力をかけることができる。上記に対して更に、各ステープル10030の脚10032は、ステープルの基部10031に向かって下方に変形して、ステープル捕捉領域10039を形成することができ、組織Tと組織厚さコンペンセータ10020が捕捉されうる。様々な状況において、ステープル捕捉領域10039は、変形した脚10032の内側表面と、基部10031の内側表面との間で画定されうる。ステープルの捕捉領域の大きさは、例えば、脚の長さ、脚の直径、基部の幅、及び/又は脚の変形の程度などのいくつかの要素に依存しうる。
前述の実施形態において、外科医はしばしば、ステープルを適用する組織に対して適切なステープル高さを有する適切なステープルを選択する必要があった。例えば外科医は、厚い組織に使用するには背の高いステープルを選択し、薄い組織に使用するには背の低いステープルを選択することができた。しかしながら、いくつかの状況において、ステープリングされる組織は、均一な厚さを有しておらず、ステープルによっては、望ましい発射形状を達成することができなかった。例えば、図48には、肉薄組織内に使用された背の高いステープルが図示してある。次に図49を参照すると、組織厚さコンペンセータ(例えば組織厚さコンペンセータ10020)を薄い組織に使用した場合、大きなステープルであっても、望ましい発射形状に成形することができる。
組織厚さコンペンセータの圧縮性によって、組織厚さコンペンセータはそれぞれのステープル内に捕捉された組織の厚さを補償することができる。より詳細には、次に図43及び44を参照して、組織厚さコンペンセータ(例えば組織厚さコンペンセータ10020)は、ステープル捕捉領域10039内に捕捉された組織の厚さ及び/又はタイプに応じて、各ステープル10030のステープル捕捉領域10039のより大きな部分及び/又はより小さな部分を占めることができる。例えば、より薄い組織Tがステープル10030内に捕捉された場合、組織厚さコンペンセータ10020は、より厚い組織Tがそのステープル10030内部に捕捉された状況に比べ、ステープル取り込み領域10039のより大きな部分を潰すことができる。これに対応して、より厚い組織Tがステープル10030内に捕捉された場合、組織厚さコンペンセータ10020は、より薄い組織Tがそのステープル10030内に捕捉された場合に比べ、ステープルの捕捉領域10039の中で、より小さな部分を占めることができる。このようにして、組織厚さコンペンセータは、より薄い組織及び/又はより厚い組織を補償することができ、ステープル内に捕捉された組織厚さとは無関係に、又は少なくとも実質的に無関係に、圧縮圧力を組織にかけることができる。上記に加えて、組織厚さコンペンセータ10020は、異なるステープル10030内に捕捉された組織の様々なタイプ又は圧縮性を、補償することができる。次に図44を参照して、組織厚さコンペンセータ10020は、管Vを含みうる脈管組織Tに対して圧縮力を適用することができ、その結果、圧縮性のより低い管Vを通る血流を制限する一方、周囲の組織Tに対して望ましい圧縮圧力を適用することができる。様々な状況において、上記に対して更に、組織厚さコンペンセータ10020はまた、成形不良ステープルをも補償することができる。図45を参照して、様々なステープル10030の成形不良により、そのようなステープル内で画定される、より大きなステープル捕捉領域10039が生じることがある。組織厚さコンペンセータ10020の弾力性のおかげで、次に図46を参照すると、成形不良ステープル10030内に配置された組織厚さコンペンセータ10020は、そのような成形不良ステープル10030内に画定されたステープル捕捉領域10039が増大している場合であっても、依然として組織Tに充分な圧縮圧力を適用することができる。様々な状況において、例えば、隣接するステープル10030の中間にある組織厚さコンペンセータ10020は、成形不良ステープル10030を包囲する適正に成形されたステープル10030により、組織Tに対して付勢することができ、その結果、周囲の組織、及び/又は成形不良ステープル10030内に捕捉された組織に対して、圧縮圧力をかけることができる。様々な状況において、組織厚さコンペンセータは、例えば石灰化、繊維性領域、及び/又は以前にステープル又は治療が行われた組織などによって生じうる、異なる組織密度を補正することができる。
様々な実施形態において、固定された(変更不能な)組織間隔は、支持部分とアンビルとの間で画定することができ、その結果、ステープルは、ステープル内に捕捉された組織の厚さにかかわらず、所定の高さに変形されうる。組織厚さコンペンセータをこれらの実施形態と共に使用すると、組織厚さコンペンセータが、アンビルと支持部分ステープルカートリッジとの間に捕捉された組織に対して適合することができ、この組織厚さコンペンセータの弾力性のおかげで、組織厚さコンペンセータが更なる圧縮圧力を組織に対して適用することができる。次に図50〜55を参照すると、ステープル10030は、所定の高さHに成形されている。図50に関して、組織厚さコンペンセータは使用されておらず、組織Tがステープル捕捉領域10039の全体を占めている。図57に関して言うと、組織厚さコンペンセータ10020の一部分が、ステープル10030内部に捕捉され、組織Tを圧縮し、ステープル取り込み領域10039の少なくとも一部分を潰している。次に図52を参照して、薄い組織Tがステープル10030内に捕捉されている。この実施形態において、例えば、圧縮された組織Tは約2/9Hの高さを有し、圧縮された組織厚さコンペンセータ10020は約7/9Hの高さを有する。次に図53を参照すると、中間の厚さを有する組織Tが、ステープル10030内に捕捉されている。この実施形態において、例えば、圧縮された組織Tは約4/9Hの高さを有し、圧縮された組織厚さコンペンセータ10020は約5/9Hの高さを有する。次に図54を参照すると、中間の厚さを有する組織Tが、ステープル10030内に捕捉されている。この実施形態において、例えば、圧縮された組織Tは約2/3Hの高さを有し、圧縮された組織厚さコンペンセータ10020は約1/3Hの高さを有する。次に図53を参照して、厚い組織Tがステープル10030内に捕捉されている。この実施形態において、例えば、圧縮された組織Tは約8/9Hの高さを有し、圧縮された組織厚さコンペンセータ10020は約1/9Hの高さを有する。様々な状況において、この組織厚さコンペンセータは、例えば、ステープル捕捉高さの約10%、ステープル捕捉高さの約20%、ステープル捕捉高さの約30%、ステープル捕捉高さの約40%、ステープル捕捉高さの約50%、ステープル捕捉高さの約60%、ステープル捕捉高さの約70%、ステープル捕捉高さの約80%、及び/又はステープル捕捉高さの約90%を含む圧縮高さを有しうる。
様々な実施形態において、ステープル10030は任意の好適な未形成高さを含みうる。特定の実施形態において、ステープル10030は、例えば約2mm〜4.8mmの未形成高さを含みうる。ステープル10030は、例えば約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.4mm、約3.5mm、約3.8mm、約4.0mm、約4.1mm、及び/又は約4.8mmの未成形高さを含んでもよい。様々な実施形態において、ステープルが変形されうる高さHは、支持部分10010のデッキ表面10011と、それに相対するアンビルとの間の距離によって規定されうる。少なくとも一実施形態において、デッキ表面10011とアンビルの組織接触表面との間の距離は、例えば約2.5mm(0.097”)でありうる。高さHは、アンビル内に画定される成形ポケットの深さによっても規定されうる。少なくとも一実施形態において、形成ポケットは、例えば組織接触表面から測定される深さを有しうる。様々な実施形態において、詳しくは後述されるように、ステープルカートリッジ10000は更にステープルドライバを含み得、これはステープル10030をアンビルに向かって持ち上げることができ、また少なくとも一実施形態において、ステープルをデッキ表面10011の上に持ち上げる(又は「オーバードライブさせる」)ことができる。そのような実施形態において、ステープル10030が成形される高さHは、ステープル10030がオーバードライブされる距離によっても規定されうる。少なくともそのような一実施形態において、ステープル10030は、例えば約0.71mm(0.028”)オーバードライブされることがあり、これによりステープル10030が例えば約4.80mm(0.189”)の高さに形成されうる。様々な実施形態において、ステープル10030は例えば、約0.8mm、約1.0mm、約1.5mm、約1.8mm、約2.0mm、及び/又は約2.25mmの高さに成形されうる。特定の実施形態において、ステープルは例えば、約2.25mm〜約3.0mmの高さに成形されうる。上記に対して更に、ステープルのステープル捕捉領域の高さは、ステープルの成形高さと、そのステープルを構成するワイヤの幅(又は直径)とによって決定されうる。様々な実施形態において、ステープル10030のステープル捕捉領域10039の高さは、ステープルの成形高さHから、ワイヤの直径幅の2倍を引いたものとなりうる。特定の実施形態において、ステープルワイヤは、例えば、約0.23mm(0.0089”)の直径を含みうる。様々な実施形態において、ステープルワイヤは、例えば、約0.18mm(0.0069”)〜約0.302mm(0.0119”)の直径を含みうる。少なくとも代表的な一実施形態において、例えば、ステープル10030の形成高さHは、約4.80mm(0.189”)であってよく、ステープルワイヤ直径は約0.23mm(0.0089”)であってよく、これによりステープル捕捉高さは約4.34mm(0.171”)となる。
様々な実施形態において、上記に対して更に、組織厚さコンペンセータは、未圧縮(又は配備前の)高さを有し、複数の圧縮高さの1つに変形されるように構成されうる。特定の実施形態において、組織厚さコンペンセータは例えば、約3.18mm(0.125”)の未圧縮高さを含みうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは例えば、約2.0mm(0.080”)以上の未圧縮高さを含みうる。少なくとも一実施形態において、組織厚さコンペンセータは、ステープルの未発射高さよりも高い、未圧縮(又は配備前)高さを含みうる。少なくとも一実施形態において、組織厚さコンペンセータの未圧縮(又は配備前)高さは、未発射のステープル高さよりも、例えば約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、及び/又は約100%高くてもよい。少なくとも一実施形態において、組織厚さコンペンセータの未圧縮(又は配備前)高さは、例えば、未発射のステープル高さよりも、最高約100%高くてもよい。特定の実施形態において、組織厚さコンペンセータの未圧縮(又は配備前)高さは、例えば、未発射のステープル高さよりも、100%以上高くてもよい。少なくとも一実施形態において、組織厚さコンペンセータは、ステープルの未発射高さに等しい未圧縮高さを含みうる。少なくとも一実施形態において、組織厚さコンペンセータは、ステープルの未発射高さより低い未圧縮高さを含みうる。少なくとも一実施形態において、厚さコンペンセータの未圧縮(又は配備前)高さは、例えば、ステープルの未発射高さよりも、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、及び/又は約90%小さくてもよい。様々な実施形態において、圧縮可能な第2部分は、ステープル適用される組織Tの未圧縮高さよりも高い、未圧縮高さを有しうる。特定の実施形態において、組織厚さコンペンセータは、ステープル適用される組織Tの未圧縮高さに等しい未圧縮高さを有しうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、ステープル適用される組織Tの未圧縮高さよりも低い未圧縮高さを有しうる。
上記のように、組織厚さコンペンセータは、ステープル内に捕捉される組織が厚いか薄いかにかかわらず、複数の成形されたステープル内に圧縮されうる。少なくとも代表的な一実施形態において、ステープルライン(列)内のステープルは、各ステープルのステープル捕捉領域が例えば約2.0mmの高さを含むように変形され得、組織Tと組織厚さコンペンセータが、この高さ内に圧縮されうる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープル捕捉領域内に約1.75mmの圧縮高さを含みうる一方、組織厚さコンペンセータは、ステープル捕捉領域内に約0.25mmの圧縮高さを有してよく、これによって合計で約2.0mmのステープル捕捉領域高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープル捕捉領域内に約1.50mmの圧縮高さを含みうる一方、組織厚さコンペンセータは、ステープル捕捉領域内に約0.50mmの圧縮高さを有してよく、これによって合計で約2.0mmのステープル捕捉領域高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープル捕捉領域内に約1.25mmの圧縮高さを含んでもよく、一方、組織厚さコンペンセータは、ステープル捕捉領域内に約0.75mmの圧縮高さを含んでもよく、これによって合計で約2.0mmのステープル捕捉領域高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープル捕捉領域内に約1.0mmの圧縮高さを含みうる一方、組織厚さコンペンセータは、ステープル捕捉領域内に約1.0mmの圧縮高さを有してよく、これによって合計で約2.0mmのステープル捕捉領域高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープル捕捉領域内に約0.75mmの圧縮高さを含んでもよく、一方、組織厚さコンペンセータは、ステープル捕捉領域内に約1.25mmの圧縮高さを含んでもよく、これによって合計で約2.0mmのステープル捕捉領域高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープル捕捉領域内に約1.50mmの圧縮高さを含みうる一方、組織厚さコンペンセータは、ステープル捕捉領域内に約0.50mmの圧縮高さを有してよく、これによって合計で約2.0mmのステープル捕捉領域高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープル捕捉領域内に約0.25mmの圧縮高さを含んでもよく、一方、組織厚さコンペンセータは、ステープル捕捉領域内に約1.75mmの圧縮高さを含んでもよく、これによって合計で約2.0mmのステープル捕捉領域高さとなる。
様々な実施形態において、上記に対して更に、組織厚さコンペンセータは、ステープルの発射済み高さよりも低い未圧縮高さを含みうる。特定の実施形態において、組織厚さコンペンセータは、ステープルの発射済み高さに等しい未圧縮高さを含みうる。特定のその他の実施形態において、組織厚さコンペンセータは、ステープルの発射済み高さよりも高い未圧縮高さを含みうる。少なくともそのような一実施形態において、組織厚さコンペンセータの未圧縮高さは例えば、形成済みステープル高さの約110%、形成済みステープル高さの約120%、形成済みステープル高さの約130%、形成済みステープル高さの約140%、形成済みステープル高さの約150%、形成済みステープル高さの約160%、形成済みステープル高さの約170%、形成済みステープル高さの約180%、形成済みステープル高さの約190%、及び/又は形成済みステープル高さの約200%の厚さを含みうる。特定の実施形態において、組織厚さコンペンセータは、ステープルの発射済み高さよりも2倍以上高い未圧縮高さを含みうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは例えば、形成済みステープル高さの約85%〜約150%の圧縮高さを含みうる。様々な実施形態において、上述のように、組織厚さコンペンセータは、未圧縮厚さと圧縮済み厚さとの間まで圧縮されうる。特定の実施形態において、組織厚さコンペンセータの圧縮済み厚さは例えば、未圧縮厚さの約10%、未圧縮厚さの約20%、未圧縮厚さの約30%、未圧縮厚さの約40%、未圧縮厚さの約50%、未圧縮厚さの約60%、未圧縮厚さの約70%、未圧縮厚さの約80%、及び/又は未圧縮厚さの約90%でありうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータの未圧縮厚さは例えば、圧縮済み厚さの約2倍、約10倍、約50倍、及び/又は約100倍でありうる。少なくとも一実施形態において、組織厚さコンペンセータの圧縮済み厚さは、未圧縮厚さの約60%〜約99%でありうる。少なくとも一実施形態において、組織厚さコンペンセータの圧縮済み厚さは、圧縮済み厚さより少なくとも50%厚くてもよい。少なくとも一実施形態において、組織厚さコンペンセータの圧縮済み厚さは、圧縮済み厚さより最高100倍厚くてもよい。様々な実施形態において、圧縮可能な第2部分は、弾性、又は少なくとも部分的に弾性であってよく、ステープルの変形した脚に対して組織Tを付勢しうる。少なくともそのような一実施形態において、圧縮可能な第2部分は、組織Tをステープルの脚に対して押し付けるために、組織Tとステープルの底面との間で弾力的に膨張しうる。特定の実施形態において、詳しくは後述されるように、組織厚さコンペンセータは組織Tと変形したステープル脚との中間に配置されうる。様々な状況において、上記の結果、組織厚さコンペンセータは、ステープル取り込み領域内の任意の間隙を潰すように構成することができる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、以下の特性の1つ又は2つ以上によって特徴付けられる材料を含みうる。すなわち、生体適合性、生体吸収性、生体再吸収性、生体耐久性、生体分解性、圧縮性、液体吸収性、膨潤性、自己膨張性、生体活性、薬物、薬学的活性、抗接着性、止血性、抗生物質、抗菌性、抗ウイルス性、栄養性、接着性、透過性、親水性及び/又は疎水性である。様々な実施形態において、アンビル及びステープルカートリッジを含む外科用器具には、フィブリン及びトロンビンのような止血剤、ドキシシプルのような抗生剤、マトリックスメタロプロテナーゼ(MMPs)のような薬物の少なくとも1つを含む、アンビル及び/又はステープルカートリッジと連結した組織厚さコンペンセータが含まれうる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、合成及び/又は非合成材料を含みうる。組織厚さコンペンセータは、1種又は2種以上の合成ポリマー及び/又は1種又は2種以上の非合成ポリマーを含む、ポリマー組成物からなることができる。この合成ポリマーは、吸収性合成ポリマー及び/又は非吸収性合成ポリマーを含みうる。様々な実施形態において、ポリマー組成物は例えば、生体適合性発泡材を含みうる。生体適合性発泡材は、例えば、多孔質連続気泡発泡材、及び/又は多孔質独立気泡発泡材を含んでもよい。生体適合性発泡材は、均一の孔形態を有してもよく、あるいは、勾配のある(すなわち、発泡材の厚さにわたって一方向に、小さい孔から大きい孔へと徐々に大きくなる)孔形態を有してもよい。様々な実施形態において、ポリマー組成物は、多孔質スカフォールド、多孔質マトリックス、ゲルマトリックス、ヒドロゲル溶液、溶液マトリックス、繊維状マトリックス、管状マトリックス、複合体マトリックス、膜状マトリックス、生体安定性ポリマー、及び生分解性ポリマー、及びこれらの組み合わせのうち1つ又は2つ以上を含みうる。例えば、組織厚さコンペンセータは、繊維状マトリックスにより補強された発泡材を含んでもよく、また、体液の存在下で膨張して組織に更に圧力を与える更なるヒドロゲル層を有する発泡材を含んでもよい。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、更に材料の上のコーティングから構成されてもよく、及び/又は体液の存在下で膨張して組織に更に圧力を提供する第2若しくは第3の層を含んでもよい。そのような層は、例えば、合成及び/又は天然由来の材料でありうるヒドロゲルであってもよく、生体耐久性及び/又は生分解性であってもよい。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、ミクロゲル、又はナノゲルを含んでもよい。ヒドロゲルは、炭水化物由来のミクロゲル及び/又はナノゲルを含むことができる。特定の実施形態において、組織厚さコンペンセータは、更なる可撓性、剛性及び/又は強度を与えることができる例えば繊維性不織布材料又は繊維性メッシュ型要素で強化することができる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、多孔質形態を有し、これは例えば、一方の表面に小さい孔、もう一方の表面により大きい孔を備えた勾配構造を呈する。そのような形態は、成長中の組織又は止血処置用に、より最適でありうる。更に、この勾配は、様々な生体吸収性プロフィールと共に構成することもできる。短期的な吸収プロフィールは、止血対処のために好ましく、一方、長期的な吸収プロフィールは、漏れを生じずにより良い組織治癒を行いうる。
非合成材料の例としては、凍結乾燥多糖類、糖タンパク質、牛の心膜、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、フィブリノーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、ケラチン、アルブミン、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース、酸化セルロース、酸化再生セルロース(ORC)、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサン、カゼイン、アルギン酸、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
合成吸収性材料の例としては、限定されないが、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(トリメチレンカーボネート、)(TMC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、グリコリドとε−カプロラクトン(PGCL)とのコポリマー、グリコリドとトリメチレンカーボネートとのコポリマー、ポリ(セバシン酸グリセロール)(PGS)、ポリ(ジオキサノン)(PDS)、ポリエステル、ポリ(オルソエステル)、ポリオキサエステル、ポリエーテルエステル、ポリカーボネート、ポリアミドエステル、ポリ酸無水物、ポリサッカライド、ポリ(エステル−アミド)、チロシン系ポリアリーレート、ポリアミン、チロシン系ポリイミノポリカーボネート、チロシン系ポリカーボネート、ポリ(D,L−ラクチド−ウレタン)、ポリ(ヒドロキシ酪酸塩)、ポリ(B−ヒドロキシ酪酸塩)、ポリ(Eカプロラクトン)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ[ビス(カルボキシラートフェノキシ)ホスファゼン]ポリ(アミノ酸)、擬似ポリ(アミノ酸)、吸収性ポリウレタン、ポリ(ホスファジン)、ポリホスファゼン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ(カプロラクトン)、ポリアクリル酸、ポリアセテート、ポリプロピレン、脂肪族ポリエステル、グリセロール、コポリ(エーテル−エステル)、ポリアルキレンオキザラート、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリアルキレンオキザラート、及びそれらの組み合わせが挙げられる。様々な実施形態において、ポリエステルは、ポリラクチド、ポリグリコリド、トリメチレンカーボネート、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、ポリブテステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されうる。
様々な実施形態において、合成吸収性ポリマーは例えば、90/10ポリ(グリコリド−L−ラクチド)コポリマー(Ethicon、Inc.から商品名VICRYL(ポリグラクチン(polyglactic)910)として市販)、ポリグリコリド(American Cyanamid Co.から商品名DEXONとして市販)、ポリジオキサノン(Ethicon、Inc.から商品名PDSとして市販)、ポリ(グリコリド−トリメチレンカーボネート)ランダムブロックコポリマー(American Cyanamid Co.から商品名MAXONとして市販)、75/25ポリ(グリコリド−ε−カプロラクトン−ポリグレカプロラクトン25)コポリマー(Ethiconから商品名MONOCRYLとして市販)のうち1つ又は2つ以上を含みうる。
合成非吸収性材料の例としては、ポリウレタン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート、ポリアミド(例えばナイロン)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリトリフルオロクロロエチレン(PTFCE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリアセタール、ポリスルホン、シリコン及びそれらの組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。合成非吸収性ポリマーには、例えば、シリコーン、ポリイソプレン、及びゴムなどの発泡エラストマー及び多孔質エラストマーが挙げられうるがこれらに限定されない。様々な実施形態において、合成ポリマーには、商標名GORE−TEX Soft Tissue PatchでW.L.Gore & Associates,Inc.より市販される、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、及び商標名NASOPOREでPolyganicsより市販されるコ−ポリエーテルエステルウレタンフォームが含まれてよい。
様々な実施形態において、このポリマー組成物には例えば、PLLAのポリマー組成物が約50重量%〜約90重量%、PCLのポリマー組成物が約50重量%〜約10重量%含まれうる。少なくとも一実施形態において、このポリマー組成物には例えば、PLLAが約70重量%、PCLが約30重量%含まれうる。様々な実施形態において、このポリマー組成物には例えば、PGAのポリマー組成物が約55重量%〜約85重量%、PCLのポリマー組成物が15重量%〜45重量%含まれうる。少なくとも一実施形態において、このポリマー組成物には例えば、PGAが約65重量%、PCLが約35重量%含まれうる。様々な実施形態において、このポリマー組成物には例えば、PGAのポリマー組成物が約90重量%〜約95重量%、PLAのポリマー組成物が約5重量%〜約10重量%含まれうる。
様々な実施形態において、合成吸収性ポリマーは、生体吸収性で生体適合性のエラストマーコポリマーを含みうる。好適な生体吸収性、生体適合性のエラストマーコポリマーとしては、ε−カプロラクトンとグリコリドとのコポリマー(好ましくは、ε−カプロラクトン対グリコリドのモル比が約30:70〜約70:30、好ましくは35:65〜約65:35、より好ましくは45:55〜35:65);ε−カプロラクトンとラクチド(L−ラクチド、D−ラクチド、それらの配合物、又は乳酸コポリマーを含む)とのエラストマーコポリマー(好ましくは、ε−カプロラクトン対ラクチドのモル比が約35:65〜約65:35、より好ましくは45:55〜30:70)p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン)とラクチド(L−ラクチド、D−ラクチド、及び乳酸を含む)とのエラストマーコポリマー(好ましくは、p−ジオキサノン対ラクチドのモル比が約40:60〜約60:40);ε−カプロラクトンとp−ジオキサノンとのエラストマーコポリマー(好ましくは、ε−カプロラクトン対p−ジオキサノンのモル比が約30:70〜約70:30);p−ジオキサノンとトリメチレンカーボネートとのエラストマーコポリマー(好ましくは、p−ジオキサノン対トリメチレンカーボネートのモル比が約30:70〜約70:30);トリメチレンカーボネートとグリコリドとのエラストマーコポリマー(好ましくは、トリメチレンカーボネート対グリコリドのモル比が約30:70〜約70:30);トリメチレンカーボネートとラクチド(L−ラクチド、D−ラクチド、それらの配合物、又は乳酸コポリマーを含む)とのエラストマーコポリマー(好ましくは、トリメチレンカーボネート対ラクチドのモル比が約30:70〜約70:30)、及びそれらの配合物が挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態において、エラストマーコポリマーは、グリコリドとε−カプロラクトンとのコポリマーである。別の実施形態において、エラストマーコポリマーは、ラクチドとε−カプロラクトンとのコポリマーである。
米国特許第5,468,253号「ELASTOMERIC MEDICAL DEVICE」(1995年11月21日発行)、及び同第6,325,810号「FOAM BUTTRESS FOR STAPLING APPARATUS」(2001年12月4日)に開示されており、そのそれぞれの全容を参照により本明細書に援用する。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、乳化剤を含みうる。乳化剤の例としては、限定されないが、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、プルロニック、TWEENS、ポリサッカライドなどの水溶性ポリマー、及びそれらの組み合わせを挙げることができる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、界面活性剤を含みうる。
界面活性剤の例としては、ポリアクリル酸、メタロース(methalose)、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンステアリールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ジアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール、及びポリオキサマー(polyoxamer)類が挙げられるが、これらに限定されない。
様々な実施形態において、ポリマー組成物は、薬学的活性薬剤を含みうる。ポリマー組成物は、治療有効量の製薬的活性薬剤を放出しうる。様々な実施形態において、薬学的活性薬剤は、ポリマー組成物が脱着/吸着される際に放出されうる。様々な実施形態において、製薬的活性薬剤は、そのポリマー組成物の上又は中を通過する液体(例えば血液)内に放出されうる。薬理活性剤の例としては、止血用の薬剤及び薬品(例えばフィブリン、トロンビン、及び酸化再生セルロース(ORC))、消炎剤(例えばジクロフェナク、アスピリン、ナプロキセン、スリンダク、及びヒドロコルチゾン)、抗生物質及び抗菌用の薬品又は薬剤(例えば、トリクロサン、銀イオン、アンピシリン、ゲンタマイシン、ポリミキシンB、クロラムフェニコール)、並びに抗癌剤(例えばシスプラチン、ミトマイシン、アドリアマイシン)が挙げられうるがそれらに限定されない。
様々な実施形態において、ポリマー組成物は、止血剤を含みうる。組織厚さコンペンセータは、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリアルキレンオキシド、コポリ(エーテル−エステル)、コラーゲン、ゼラチン、トロンビン、フィブリン、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、エラスチン、アルブミン、ヘモグロビン、オバルブミン、多糖類、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース、酸化セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キタン、キトサン、アガロース、マルトース、マルトデキストリン、アルギン酸塩、凝固因子、メタクリレート、ポリウレタン、シアノアクリレート、血小板アゴニスト、血管収縮剤、ミョウバン、カルシウム、RGDペプチド、タンパク質、硫酸プロタミン、ε−アミノ化婦論纂、硫酸鉄、亜硫酸鉄、塩化鉄、亜鉛、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、過マンガン酸塩、タンニン、骨ろう、ポリエチレングリコール、フカン及びその組み合わせを含んでよい。組織厚さコンペンセータは、止血特性によって特徴付けることができる。
組織厚さコンペンセータのポリマー組成物は、例えば、パーセント有孔率、孔サイズ、及び/又は硬度によって特性付けられうる。様々な実施形態において、ポリマー組成物は例えば、約30体積%〜約99体積%のパーセント有孔率を有しうる。特定の実施形態において、ポリマー組成物は例えば、約60体積%〜約98体積%のパーセント有孔率を有しうる。様々な実施形態において、ポリマー組成物は例えば、約85体積%〜約97体積%のパーセント有孔率を有しうる。少なくとも一実施形態において、ポリマー組成物は例えば、約70重量%のPLLAと約30重量%のPCLを含み得、例えば約90体積%の有孔率を有しうる。少なくともそのような一実施形態において、その結果、ポリマー組成物は約10体積%のコポリマーを含みうる。少なくとも一実施形態において、ポリマー組成物は例えば、約65重量%のPGAと約35重量%のPCLを含み得、例えば約93体積%〜約95体積%の有孔率を有しうる。様々な実施形態において、ポリマー組成物は、85%超の有孔率を有しうる。ポリマー組成物は、例えば、約5μm〜約2000μmの孔径を有してもよい。様々な実施形態において、ポリマー組成物は例えば、約10μm〜約100μmの孔サイズを有しうる。少なくともそのような一実施形態において、ポリマー組成物は例えば、PLLAとPCLのコポリマーを含みうる。特定の実施形態において、ポリマー組成物は例えば、約100μm〜約1000μmの孔サイズを有しうる。少なくともそのような一実施形態において、ポリマー組成物は例えば、PLLAとPCLのコポリマーを含みうる。
特定の態様により、ポリマー組成物の硬度は、ショア硬度で表わしてもよく、これは、例えば、ショアデュロメータなどのデュロメータで測定される、材料の恒久的な陥凹に対する抵抗として定義されうる。所与の材料のデュロメータ値を評価するために、「Standard Test Method for Rubber Property−Durometer Hardness」と題されるASTM手順D2240−00に従って、デュロメータインデンターフットで、材料に対して圧力がかけられる。デュロメータインデンターフットは、例えば15秒間などの充分な時間、材料に対して適用してよく、この測定値が適切な目盛で取得される。使用する目盛のタイプに応じて、インデンターフットが材料に完全に貫入したときに読取り値0が得られ、材料の中への貫入が起こらなかった場合に読取り値100が得られる。この読取り値は、無次元である。様々な実施形態において、デュロメータは、ASTM D2240−00に従って、任意の好適な目盛、例えばタイプA及び/又はタイプOOに従って測定されうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータのポリマー組成物は、例えば約4A〜約16AのショアA硬度値を有し得、これはショアOO範囲で約45 OO〜約65 OOである。少なくともそのような一実施形態において、ポリマー組成物は例えば、PLLA/PCLコポリマー又はPGA/PCLコポリマーを含みうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータのポリマー組成物は、15A未満のショアA硬度値を有しうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータのポリマー組成物は、10A未満のショアA硬度値を有しうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータのポリマー組成物は、5A未満のショアA硬度値を有しうる。特定の実施形態において、ポリマー組成物は例えば、約35 OO〜約75 OOのショアOO組成物値を有しうる。
様々な実施形態において、ポリマー組成物は、上述の特性のうち少なくとも2つを有しうる。様々な実施形態において、ポリマー組成物は、上述の特性のうち少なくとも3つを有しうる。ポリマー組成物は、例えば、85体積%〜97体積%の有孔率、5μm〜2000μmの孔径、並びに4A〜16AのショアA硬度及び45 OO〜65 OOのショアOO硬度値を有してもよい。少なくとも一実施形態において、ポリマー組成物は例えば、70重量%のPLLAポリマー組成物と30重量%のPCLポリマー組成物を含み、90体積%の有孔率、100μm〜1000μmの孔サイズ、及び4A〜16AのショアA硬度、及び45 OO〜65 OOのショアOO硬度値を有しうる。少なくとも一実施形態において、ポリマー組成物は例えば、65重量%のPGAポリマー組成物と35重量%のPCLポリマー組成物を含み、93体積%〜95体積%の有孔率、10μm〜100μmの孔サイズ、及び4A〜16AのショアA硬度値、及び45 OO〜65 OOのショアOO硬度値を有しうる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、膨張する材料を含みうる。上記したように、例えば、圧縮解除又は分配されたときに膨張する圧縮済み材料を、組織厚さコンペンセータに具備させてもよい。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、インサイチュで形成される自己膨張材料を含みうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、少なくとも1つの他の前駆体(複数可)、水及び/又は体液と接触するときに、自発的に架橋するように選択した、少なくとも1つの前駆体を含んでよい。図205を参照すると、様々な実施形態において、第1の前駆体は1つ又は2つ以上の他の前駆体と接触することによって膨張可能かつ/又は膨潤可能な組織厚さコンペンセータを形成することができる。様々な実施形態において、この組織厚さコンペンセータは、例えば、水膨潤性組成物などの、流体膨潤性組成物を含みうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、水を含むゲルを含みうる。
例えば、図189A及びBを参照すると、組織厚さコンペンセータ70000は、組織厚さコンペンセータ70000を膨張させるために、インサイチュ及び/又はインビボにて、ヒドロゲルを形成するように選択される、少なくとも1つのヒドロゲル前駆体70010を含んでよい。図189Aは、拡張の前に、第1のヒドロゲル前駆体70010Aと第2のヒドロゲル前駆体70010Bを含む封入体を含むような組織厚さコンペンセータ70000を図解している。特定の実施形態では、図189Aに示されるように、第1のヒドロゲル前駆体70010Aと第2のヒドロゲル前駆体70010Bとは、同じ封入体内で他方から物理的に分離されてもよい。特定の実施形態では、第1の封入体は第1のヒドロゲル前駆体70010Aを含んでよく、第2の封入体は第2のヒドロゲル前駆体70010Bを含んでよい。図189Bは、ヒドロゲルがインサイチュ及び/又はインビボで形成される際の組織厚さコンペンセータ70000の膨張する様子を示している。図189Bに示されるように、封入体は破裂するものであってもよく、第1のヒドロゲル前駆体70010Aが第2のヒドロゲル前駆体70010Bと接触することでヒドロゲル70020を形成することができる。特定の実施形態では、ヒドロゲルは膨張性材料を含みうる。特定の実施形態では、ヒドロゲルは、例えば最大で72時間膨張しうる。
様々な実施形態において、この組織厚さコンペンセータは、その中に埋め込まれた乾燥ヒドロゲル粒子又は顆粒を含むカプセルを有する生分解性フォームを含みうる。特定の理論に縛られるものではないが、フォーム内の封入部は、フォームを形成するために、ヒドロゲル前駆体の水溶液と、生体適合性材料の有機溶液を接触させることによって形成しうる。図206にて示すように、水溶液と有機溶液がミセルを形成してよい。水溶液及び有機溶液を乾燥して、乾燥ヒドロゲル粒子又は微粒子を発泡材内に封入してもよい。例えば、親水性ポリマーなどのヒドロゲル前駆体は、水に溶解して、ミセルの分散液を生じうる。その水溶液及び有機溶液をポリ(グリコール酸及びポリカプロラクトンを含むジオキサンの有機溶液に接触させてもよい。水溶液及び有機溶液は、乾燥ヒドロゲル粒子又は顆粒を内部に分散させた生分解性フォームを形成するために、凍結乾燥されうる。特定の理論に縛られるものではないが、ミセルが、発泡材構造内に分散した乾燥ヒドロゲル粒子又は顆粒を有する封入体を形成すると考えられている。いくつかの実施形態において、封入体を破裂させてもよいし、乾燥ヒドロゲル粒子又は顆粒を体液などの流体に接触させて膨張させることもできる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、例えば、液体などの活性化因子と接触する場合に膨張することができる。図190を参照して、例えば、組織厚さコンペンセータ70050は、例えば、体液、食塩水、水及び/又は活性化因子などの液体70055と接触する際に膨張するヒドロゲルなどの膨潤性材料を含むことができる。体液の例として、血液、血漿、腹水、脳脊髄液、尿、リンパ液、関節液、硝子体液、唾液、消化管内容物、胆汁、及び/又はガス(例えば、CO)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、組織厚さコンペンセータ70050は液体を吸収する際に膨張しうる。別の例では、組織厚さコンペンセータ70050は、架橋剤を含む活性化因子70055と接触する際に膨張して架橋ヒドロゲルを形成する非架橋ヒドロゲルを含むことができる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、活性化因子と接触する際に膨張することができる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、継続的に増加する圧力及び/又は圧縮を組織に与えるため、例えば、24〜72時間、最大24時間、最大48時間、及び最大72時間といった、最大72時間の接触により膨張又は膨潤することができる。図190にて示すように、組織厚さコンペンセータ70050の初期厚さは、液体70055が組織厚さコンペンセータ70050に接触した後の膨張後の厚さよりも小さくてよい。
図187及び188を参照すると、様々な実施形態において、カートリッジ70100は、組織厚さコンペンセータ70105、及びそれぞれステープル脚70112を有する複数のステープル70110を有することができる。図187にて示すように、組織厚さコンペンセータ70105は、ステープル70110の発射された高さよりも小さい、初期厚さ又は圧縮高さを含んでよい。組織厚さコンペンセータ70100は、例えば体液、食塩水、及び/又は活性化因子などの液体70102と接触するときに、インサイチュ及び/又はインビボにて膨張するように構成されてよく、ステープル70110の脚70112に対して組織Tを押圧する。図188にて示すように、組織厚さコンペンセータ70100は、液体70102と接触するときに、膨張及び/又は膨潤してよい。組織厚さコンペンセータ70105は、それぞれのステープル70110内に捕捉された組織Tの厚さを補償可能である。図188にて示すように、組織厚さコンペンセータ70105が、ステープル70110の発射した高さよりも小さな、膨張した厚さ、又は未圧縮高さを有してよい。
様々な実施形態において、上述のように、この組織厚さコンペンセータは初期厚さ及び膨張厚さを含みうる。いくつかの実施形態において、組織厚さコンペンセータの初期厚さは、例えば、その膨張厚さの約0.001%、その膨張厚さの約0.01%、その膨張厚さの約0.1%、その膨張厚さの約1%、その膨張厚さの約10%、その膨張厚さの約20%、その膨張厚さの約30%、その膨張厚さの約40%、その膨張厚さの約50%、その膨張厚さの約60%、その膨張厚さの約70%、その膨張厚さの約80%、及び/又はその膨張厚さの約90%でありうる。いくつかの実施形態において、組織厚さコンペンセータの拡張した厚さは、例えば、その初期厚さのおよそ2倍、およそ5倍、およそ10倍、およそ50倍、およそ100倍、およそ200倍、およそ300倍、およそ400倍、およそ500倍、およそ600倍、およそ700倍、およそ800倍、およそ900倍、及び/又はおよそ1000倍の厚さでありうる。いくつかの実施形態において、組織厚さコンペンセータの初期厚さは、その拡張厚さの1%まで、その拡張厚さの5%まで、その拡張厚さの10%まで、又はその拡張厚さの50%まででありうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータの拡張した厚さは、その初期厚さよりも50%厚く、その初期厚さよりも100%厚く、その初期厚さよりも300%厚く、及びその初期厚さよりも500%厚くてよい。以上で記載するように、上記の結果、組織厚さコンペンセータは、ステープル捕捉領域内の任意の空隙を埋めるように構成することができる。
上記のように、いくつかの実施形態において、組織厚さコンペンセータは、ヒドロゲルを含みうる。様々な実施形態において、ヒドロゲルは、ホモポリマーヒドロゲル、コポリマーヒドロゲル、マルチポリマーヒドロゲル、相互貫入ポリマーヒドロゲル、及びそれらの組み合わせを含むことができる。様々な実施形態において、ヒドロゲルは、ミクロゲル、ナノゲル、及びこれらの組み合わせを含みうる。ヒドロゲルは、液体を吸収及び/又は保持可能な親水性ポリマー網を含んでもよい。様々な実施形態において、ヒドロゲルは、非架橋ヒドロゲル、架橋ヒドロゲル、及びこれらの組み合わせを含みうる。ヒドロゲルは、化学的架橋、物理的架橋、疎水性セグメント及び/又は水不溶性セグメントを有しうる。ヒドロゲルの化学的架橋は、重合、小型分子の架橋、及び/又はポリマー間の架橋によって行われる。ヒドロゲルは、イオン性相互作用、疎水性相互作用、水素結合相互作用、ステレオコンプレックス(stero complexation)形成、及び/又は超分子化学によって、物理的に架橋してもよい。ヒドロゲルは、架橋、疎水性領域及び/又は水不溶性領域により実質的に不溶性であってもよく、流体を吸収及び/又は保持することにより膨張性及び/又は膨潤性であってもよい。いくつかの実施形態において、前駆体は、内因性物質及び/又は組織と架橋してもよい。
様々な実施形態において、ヒドロゲルは、環境に優しいヒドロゲル(ESH)を含むことがある。ESHは、環境条件に関連する流体膨潤特性を有する材料を含むことができる。環境条件は、限定されないが、手術部位における物理的条件、生物学的条件、及び/又は化学的条件を含むことができる。様々な実施形態において、ヒドロゲルは、例えば温度、pH、電界、イオン強度、酵素的及び/又は化学的反応、電気的及び/又は磁気的刺激、並びに他の生理学的及び環境的変数に応答して、膨張又は縮小することができる。様々な実施形態において、ESHは、多官能アクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、エラストマーアクリレート、及び関連するモノマーを含みうる。
様々な実施形態において、ヒドロゲルを備える組織厚さコンペンセータは、上述した非合成材料及び合成材料のうちの少なくとも1つを含みうる。ヒドロゲルは、合成ヒドロゲル及び/又は非合成ヒドロゲルを含むことができる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、複数の層を含みうる。複数の層は、多孔質層及び/又は非多孔質層を含むことができる。例えば、組織厚さコンペンセータは、非多孔質層及び多孔質層を備えうる。別の実施例において、組織厚さコンペンセータは、第1の非多孔質層及び第2の非多孔質層の多孔質層中間体を備えうる。別の実施例において、組織厚さコンペンセータは、第1の多孔質層及び第2の多孔質層の非多孔質層中間体を備えうる。非多孔層及び多孔層は、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルの表面に対して任意の順序で配置されてもよい。
非合成材料の例としては、アルブミン、アルギン酸、炭化水素、カゼイン、セルロース、キチン、キトサン、コラーゲン、血液、デキストラン、エラスチン、フィブリン、フィブリノーゲン、ゼラチン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラチン、タンパク質、血清及びデンプンが挙げられるが、これらに限定されない。セルロースは、ヒドロキシエチルセルロース、酸化セルロース、酸化再生セルロース(ORC)、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びそれらの組み合わせを含むことができる。コラーゲンはウシ心膜を含むことができる。炭水化物は、凍結乾燥多糖類などの多糖類を含んでもよい。タンパク質としては、糖タンパク質、プロテオグリカン及びこれらの組み合わせが挙げられうる。
合成材料の例としては、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ホスファジン)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−コ−ポリプロピレンオキシド、コ−ポリエチレンオキシド、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリビニルアルコール、ポリ(カプロラクトン))、ポリ(ジオキサノン)、ポリアクリル酸、ポリ酢酸、ポリプロピレン、脂肪族ポリエステル、グリセロール、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテル−エステル)、シュウ酸ポリアルキレン、ポリアミド、ポリ(イミノカルボネート)、ポリオキサエステル、ポリオルソエステル、ポリホスファゼン及びこれらの組み合わせが挙げられうるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、例えば、非合成ヒアルロン酸など、上記の非合成材料は、従来的な方法を使用して合成により調整されてもよい。
様々な実施形態において、ヒドロゲルは、1つ又は2つ以上のヒドロゲル前駆体から形成されてもよい。前駆体はモノマー及び/又はマクロマーを含むことができる。ヒドロゲル前駆体は、親電子性官能基及び/又は求核性親電子性の官能基を含むことができる。概して、親電子体は、求核体と反応して結合を生じうる。本明細書において用いられる「官能基」という用語は、相互に反応して結合を生じうる求電子基又は求核基を指す。求電子官能基の例としては、N−ヒドロキシスクシンイミド(「NHS」)、スルホスクシンイミド、カルボニルジイミダゾール、塩化スルホニル、ハロゲン化アリール、スルホスクシンイミジルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル、スクシンイミジルスクシネート及び/又はスクシンイミジルプロピオネートなどのスクシンイミジルエステル、イソシアネート、チオシアネート、カルボジイミド、ベンゾトリアゾールカルボネート、エポキシド、アルデヒド、マレイミド、イミドエステル、これらの組み合わせなどが挙げられうるが、これらに限定されない。少なくとも一実施形態において、求電子性官能基は、スクシンイミジルエステルを含みうる。求核官能基の例には、−NH、−SH、−OH、−PH、及びーCO−NH−NHが含まれるが、これらに限定されない。
様々な実施形態において、ヒドロゲルは、単一の前駆体又は多数の前駆体から形成されうる。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、第1前駆体と第2前駆体から形成されてよい。第1のヒドロゲル前駆体と第2のヒドロゲル前駆体とは、接触する際にインサイチュ及び/又はインビボでヒドロゲルを形成してもよい。ヒドロゲル前駆体は、一般的に、反応に関与してヒドロゲルを生じうるポリマー、官能基、巨大分子、小型分子、及び/又は架橋剤を指すことができる。前駆体は、例えば、水又は緩衝液などの好適な溶媒中における均質溶液、不均質溶液、又は相分離溶液を含むことができる。緩衝液のpHは約8〜約12、例えば、約8.2〜約9などであってもよい。緩衝液の例には、ホウ酸緩衝液が含まれうるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、前駆体はエマルション内にありうる。様々な実施形態において、第1の前駆体が第2の前駆体と反応してヒドロゲルを形成しうる。様々な実施形態において、第1前駆体は、第2前駆体と接触する際に、自然に架橋しうる。様々な実施形態において、第1の前駆体上の第1の組の求電子官能基は、第2の前駆体上の第2の組の求核官能基に反応してもよい。(例えば、pH、温度、及び/又は溶媒に関し)反応を可能にする環境において前駆体を混合すると、官能基は相互に反応して共有結合を形成することができる。前駆体の少なくとも一部が複数の他の前駆体と反応した場合に、前駆体が架橋することができる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータには、3−スルホプロピルアクリレートカリウム塩(「KSPA」)、ナトリウムアクリレート(「NaA」)、N−(トリス(ヒドロキシメチル)メチル)アクリルアミド(「トリスアクリル」)、及び2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS)から選択される少なくとも1つのモノマーが含まれてよい。組織厚さコンペンセータは、KSPA、NaA、トリスアクリル、AMPSからなる群から選択される、2つ又は3つ以上のモノマーを含む、コポリマーを含んでもよい。組織厚さコンペンセータは、KSPA、NaA、トリスアクリル及びAMPSから誘導されるホモポリマーを含むことができる。組織厚さコンペンセータは、一体的に共重合可能な親水性の修飾モノマーを含むことができる。親水性修飾モノマーは、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、スチレン、スチレンスルホン酸を含むことができる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、架橋剤を含みうる。架橋剤は、エチレングリコールジアクリレート又はジメタクリレート、ジ−、トリ−又はテトラエチレングリコールジアクリレート又はジメタクリレート、アリル(メタ)アクリレート、C〜Cアルキレンジアクリレート又はジメタクリレート、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジ−及びトリビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレート又はトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート又はテトラメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート又はジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド又はビスメタクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド又はエチレンビスメタクリルアミド、トリアリルフタレート又はジアリルフタレートなどの低分子量のジ−又はポリビニル架橋剤を含んでもよい。少なくとも一実施形態において、架橋剤は、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(「MBAA」)。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、少なくとも1つの、アクリレート及び/又はメタクリレート官能性ヒドロゲル、生体適合性光開始剤、アルキル−シアノアクリレート、任意にアミン官能性マクロマーを含む、イソシアネート官能性マクロマー、任意にアミン及び/又はスルヒドリル官能性マクロマーを含むスクシンイミジルエステル官能性マクロマー、任意にアミン官能性マクロマーを含むエポキシ官能性マクロマー、タンパク質及び/又はポリペプチド及びアルデヒド架橋剤の混合物、ゲニピン、及び水溶性カルボジイミド、陰イオン性多糖類及び多価陽イオンを含んでよい。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、不飽和有機酸モノマー、アクリル置換アルコール類、及び/又はアクリルアミド類を含んでもよい。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、メタクリル酸類、アクリル酸類、アクリル酸グリセロール、メタクリル酸グリセロール、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−(ジメチルアミノエチル)メタクリレート、N−ビニルピロリドン、メタクリルアミド、及び/又はN、N−ジメチルアクリルアミドポリ(メタクリル酸)を含んでもよい。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、強化材を含みうる。様々な実施形態において、強化材は、上記の非合成材料及び合成材料の少なくとも1つを含んでもよい。様々な実施形態において、強化材は、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、フィブリノーゲン、エラスチン、ケラチン、アルブミン、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース、酸化セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサン、アルギン酸、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ホスファジン)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリアクリル酸、ポリアセテート、ポリカプロラクトン、ポリプロピレン、脂肪族ポリエステル、グリセロール、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテル−エステル)、シュウ酸ポリアルキレン、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、シュウ酸ポリアルキレン、ポリオキサエステル、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは強化材を含む層を含みうる。いくつかの実施形態において、組織厚さコンペンセータの多孔質層及び/又は非多孔質層が、強化材を含んでもよい。例えば、多孔層は、強化材を含んでもよく、非多孔層は、強化材を含まなくてもよい。様々な実施形態において、強化層は、第1の非多孔質層と第2の非多孔質層との中間に内層を含んでもよい。いくつかの実施形態において強化層は、組織厚さコンペンセータの外側層を含んでもよい。いくつかの実施形態において強化層は、組織厚さコンペンセータの外側表面を含んでもよい。
様々な実施形態において、強化材は、メッシュ、モノフィラメント、マルチフィラメントブレード、繊維、マット、フェルト、粒子、及び/又は粉末を含んでもよい。いくつかの実施形態において、強化剤は、組織厚さコンペンセータの層内に組み込まれてもよい。強化材は、非多孔層及び多孔層の少なくとも1つの中に組み込まれてもよい。強化材を含むメッシュは、例えば、編み、織り、タッチング、及び/又はニップリング(knipling)など、従来の技術を用いて形成してもよい。
様々な実施形態において、複数の補強材料は、無作為な方向及び/又は共通の方向に向けられうる。いくつかの実施形態において、共通する方向は、例えば、ステープルラインに平行な方向、及びステープルラインに垂直な方向でありうる。例えば、モノフィラメント及び/又はマルチフィラメントのブレードを、ランダムな方向及び/又は共通の方向に配向させることができる。モノフィラメント及びマルチフィラメントのブレードは、非多孔層及び/又は多孔層と関連付けられてもよい。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、非多孔質層内で、無作為方向又は共通方向で配向される複数の強化繊維を含んでよい。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、非多孔質層内で、共通方向で配向される複数の強化繊維を含んでよい。
様々な実施形態において、図199を参照すると、アンビル70300は、強化層70310を密封して封入する第1の非多孔質層70307及び第2の非多孔質層70309を含む組織厚さコンペンセータ70305を含みうる。様々な実施形態において、強化層70310は、内部に包埋されたORC粒子又は繊維を有するヒドロゲルを含んでもよく、非多孔質層はORCを含んでもよい。図199にて示すように、組織厚さコンペンセータ70305は、アンビル70300の輪郭にぴったり一致するように構成されてよい。組織厚さコンペンセータ70305の内側層は、成形ポケット70301を含むアンビル70300の内表面に一致しうる。
繊維は、例えば、マット及びフェルトなどの、不織布材料を形成してよい。繊維は、例えば0.1mm〜100mm及び0.4mm〜50mmなどの任意の好適な長さであることができる。補強材は粉砕して粉末にされてもよい。粉末の粒径は、例えば、10μm〜1cmであってもよい。粉末を組織厚さコンペンセータに組み込むこともできる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、インサイチュに形成されうる。様々な実施形態において、ヒドロゲルがインサイチュに形成されうる。組織厚さコンペンセータは、共有結合、イオン性及び/又は疎水性結合を介してその場で形成することができる。物理的(非共有)架橋が、錯化、水素結合、脱溶媒和、ファンデルワールス相互作用、イオン結合及びこれらの組み合わせの結果であってよい。化学的(共有結合性)架橋は、フリーラジカル重合、縮合重合、アニオン又はカチオン重合、段階成長重合、求電子−求核反応、及びこれらの組み合わせを含む、多くのメカニズムのいずれかによって実現されうる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータのインサイチュ形成には、インサイチュにて接触するまで物理的に分離され、互いに反応してヒドロゲルを形成する、2つ又は3つ以上の前駆体を反応させることが含まれてよい。インサイチュ重合性ポリマーは、反応して手術部位においてポリマーを形成しうる前駆体から調製されてもよい。組織厚さコンペンセータは、インサイチュで前駆体の架橋反応によって形成されてもよい。いくつかの実施形態において、インサイチュ組織厚さコンペンセータの形成のために、重合化反応を開始することが可能な開始剤を含んでよい。組織厚さコンペンセータは、様々な実施形態において架橋ヒドロゲルを作製するために、適用の時点で活性化可能な前駆体を含んでよい。組織厚さコンペンセータのその場形成は、少なくとも1種の前駆体を活性化してコンペンセータを形成するための結合を生ずることを含むことができる。様々な実施形態において、活性化は、これらに限定するものではないが、温度、pH、電界、イオン強度、酵素及び/又は化学反応、電気的及び/又は磁気的刺激、並びにその他の生理的及び環境的変数要因を含めて、手術部位における物理的条件、生物学的条件、及び/又は化学的条件の変化によって達成されてもよい。様々な実施形態において、前駆体は、大概で接触して、手術部位に導入されてもよい。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、1つ又は2つ以上の封入部、すなわち、セルを備えてもよく、封入部は、内部に少なくとも1つの構成要素を保存するように構成されうる。いくつかの実施形態において、カプセル化は、ヒドロゲル前駆体を内部に保存するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、カプセル化は、例えば2つの成分を内部に保存するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において封入部は、第1のヒドロゲル前駆体及び第2のヒドロゲル前駆体を中に貯蔵するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、第1封入部は、その中に第1ヒドロゲル前駆体を保存するように構成されてよく、第2封入部は、その中に第2ヒドロゲル前駆体を保存するように構成されてよい。以上に記載するように、これらの封入部は、ステープル脚が封入部に接触するときに、封入部を穿刺及び/又はさもなければ破裂させるように、ステープル脚と整列される、又は少なくとも部分的に整列されうる。いくつかの実施形態において、ステープルが配備されると、封入部は、圧縮され、圧潰され、圧壊され、かつ/又は破裂されてもよい。封入体が破裂させられた後、その内部に貯蔵された成分は封入体から流出しうる。内部に貯蔵された成分は、他の成分、組織厚さコンペンセータの層、及び/又は組織と接触しうる。様々な実施形態において、他の成分は、組織厚さコンペンセータの層内に提供される、及び/又は、臨床医によって手術部位へ提供される、同一の、又は異なる封入部から流れてよい。上記の結果、封入体の内部に貯蔵された成分は、組織厚さコンペンセータの膨張及び/又は膨潤をもたらしうる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、封入部を含む層を含みうる。様々な実施形態において、封入部は、層に関連付けられた、空隙、ポケット、ドーム、管、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態において、封入部は層内の空隙を含みうる。少なくとも一実施形態において、層は、互いに取り付けられうる2層を含む場合があり、封入部は、2層の間で画定されうる。いくつかの実施形態において、封入部は、層表面上のドームを含みうる。例えば、封入体の少なくとも一部分を、層から上方に延在するドームの内部に配置することができる。いくつかの実施形態において、封入部は、層内に形成されたポケットを含みうる。いくつかの実施形態において、封入部の第1部分にはドームが含まれてよく、封入部の第2部分にはポケットが含まれてよい。いくつかの実施形態において、封入部は、層内に埋め込まれたチューブを含みうる。いくつかの実施形態において、このチューブには、PLAのような、本明細書で記載した任意の非合成材料及び/又は合成材料が含まれてよい。少なくとも一実施形態において、組織厚さコンペンセータには、その中に埋め込まれたPLAチューブを含む、ORCのような生物吸収性フォームが含まれてよく、チューブは、例えばハイドロゲルをカプセル封入しうる。いくつかの実施形態において、封入部は、互いに接続されていない別個のセルを含む場合がある。いくつかの実施形態において、封入部の1つ又は2つ以上が、例えば、層を通じて延びる1つ又は2つ以上の経路、導管及び/又はチャネルを通じて互いに流体連通しうる。
封入体からのある成分の放出速度は、例えば、組織厚さコンペンセータの厚さ、組織厚さコンペンセータの組成、成分の大きさ、成分の親水性、及び/又は、成分間の物理的及び/又は化学的相互作用、組織厚さコンペンセータ及び/又は外科用器具の組成によって調節することができる。様々な実施形態において、層は、1つ又は2つ以上の薄い区分又は弱化部分、例えば、部分的穿孔を含む場合があり、これは、層の切開、及び封入部の破裂を促進する場合がある。様々な実施形態において、部分的な穿孔部は、層を通じて完全に延びていなくてもよく、いくつかの実施形態において、穿孔部は、層を通じて完全に延びてもよい。
図194及び195を参照すると、様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ70150は、外側層70152Aと、封入体70154を含む内側層70152Bとを有しうる。特定の実施形態では、封入体は、第1の封入成分及び第2の封入成分を含みうる。特定の実施形態では、封入体は、第1の封入成分及び第2の封入成分の一方を独立して含みうる。第1の封入成分は、第2の封入成分から分離されてもよい。外側層70152Aは、組織接触表面を構成しうる。内側層70152Bは、器具接触表面を構成しうる。器具接触表面70152Bは、アンビル70156に解放可能に取り付けられうる。外側層70152Aは内側層70152Bに取り付けられ、外側層70152Aと内側層70152Bとの間に空隙を画定しうる。図194に示されるように、各封入体70154は、内側層70152Bの器具接触表面上のドームにより構成されうる。ドームは、ステープル脚による層の切開と、封入体の破裂を促進するために、部分的穿孔部を有しうる。図195において示されるように、アンビル70156は、複数の成形ポケット列70158を含んでよく、ここで封入体70154のドームは、成形ポケット70158と整列されうる。組織接触表面は、ドームのない平坦表面で構成されうる。特定の実施形態では、組織接触表面は、例えば、その表面から延びるカプセル70154などの1つ又は2つ以上のカプセルを含むことができる。
様々な実施形態において、アンビルは、少なくとも1つの微細球粒子を含む封入された構成要素を含む組織厚さコンペンセータを含んでもよい。いくつかの実施形態において、組織厚さコンペンセータには、第1封入成分と第2封入成分を含む封入部が含まれてよい。いくつかの実施形態において、組織厚さコンペンセータは、第1の封入されたマイクロスフィア粒子及び第2の封入されたマイクロスフィア粒子を含む封入部を備えてもよい。
様々な実施形態において、図196を参照すると、ステープリング装置は、アンビル70180及びステープルカートリッジ(別の図に示されている)を含むことができるステープルカートリッジのステープル70190は、アンビル70180が閉位置内に移動するときにアンビル70180によって、及び/又はステープル70190を閉鎖アンビル70180に向かって移動させるステープル駆動系70192によって変形可能である。ステープルの脚70194は、ステープル70190が少なくとも部分的に変形するように、アンビル70180に接触してよい。アンビル70180は、外側層70183A、内側層70183Bを含む、組織厚さコンペンセータ70182を含んでよい。組織厚さコンペンセータ70182は、第1の封入成分及び第2の封入成分を含みうる。特定の実施形態では、カプセル210185は、ステープル脚70194が組織T及び外側層70183Aを貫通して押し込まれる際に、ステープル脚70194がカプセル70185を穿孔及び/又は他の方法で破裂させることができるように整列又は少なくともほぼ整列される。図196に示されるように、ステープル70190Cは、その完全に発射された位置にあり、ステープル70190Bは発射の過程にあり、ステープル70190Aはその未発射位置にある。ステープル70190C及び70190Bの脚は、組織T、組織厚さコンペンセータ70182の外側層70183A及び内側層70183Bに貫通させられ、ステープルカートリッジの反対側に配置されたアンビル70180と接触している。封入体70185が破裂させられた後、封入成分が流出し、例えば、互いと、体液、かつ/又は組織Tと接触することができる。封入成分は反応して例えばヒドロゲルなどの反応生成物を形成することにより、組織Tとステープルの基部との間で膨張し、ステープルの脚に対して組織Tを押し付けることができる。様々な状況において、上記の結果、組織厚さコンペンセータは、ステープル取り込み領域内の任意の間隙を潰すように構成することができる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、外科用器具と使用するのに好適でありうる。以上で記述するように、組織厚さコンペンセータは、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルと関連付けられてよい。組織厚さコンペンセータは、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルに嵌合するのに好適な任意の形状、サイズ及び/又は寸法に構成することができる。本明細書に記載されているように、組織厚さコンペンセータは、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルに解放自在に取り付けることができる。ステープリングプロセスに先立って及びその最中に、組織厚さコンペンセータをステープルカートリッジ及び/又はアンビルに接触させて保持しておくことの可能な機械的かつ/又は化学的な方法にて、組織厚さコンペンセータをステープルカートリッジ及び/又はアンビルに取り付けることもできる。ステープルが組織厚さコンペンセータを貫入した後に、組織厚さコンペンセータをステープルカートリッジ及び/又はアンビルから取り外してもよいし、又は剥離することもできる。ステープルカートリッジ及び/又はアンビルを組織厚さコンペンセータから離れるように動かすと、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルから組織厚さコンペンセータが除去、又は剥離されうる。
図191〜193を参照して、ステープリング器具70118には、アンビル70120と、発射部材70124、複数のステープル70128、ナイフエッジ70129及び組織厚さコンペンセータ70130を含むステープルカートリッジ70122が含まれてよい。組織厚さコンペンセータ70130には、少なくとも1つの封入成分が含まれてよい。封入成分は、組織厚さコンペンセータが圧縮、ステープル処理及び/又は切断されるときに、破裂してよい。図192を参照して、例えば、ステープル70128が、ステープル脚が組織厚さコンペンセータ70130を通して移動し、組織厚さコンペンセータ70130の底面と頂面を通して貫入し、組織Tを貫入し、ステープルカートリッジ70118の反対に配置されるアンビル70120と接触するように、未発射位置と発射位置間で展開可能である。封入成分は、互いに、組織厚さコンペンセータ内に埋め込まれるか、又は分散する親水性粉末、及び/又は体液と接触して、組織厚さコンペンセータ70130を拡張又は膨潤してよい。脚がアンビルに対して変形するに伴い、それぞれのステープルの脚が、それぞれのステープル70128内の組織厚さコンペンセータ70130の一部分と、組織Tの一部分とを捕捉し、圧縮力を組織Tに適用することが可能である。図192及び193にて示すように、組織厚さコンペンセータ70130は、それぞれのステープル70128内に捕捉された組織Tの厚さを補償可能である。
図197を参照して、外科用器具70200は、上側組織厚さコンペンセータ70210を含むアンビル70205と、外側層70220と内側層70225とを含む下側組織厚さコンペンセータを含むステープルカートリッジ70215とを含んでよい。上側組織厚さコンペンセータ70210は、標的組織の第1の側部上に位置付け可能であり、下側組織厚さコンペンセータは、組織の第2の側部上に配置することができる。特定の実施形態では、例えば、上側組織厚さコンペンセータ70210はORCで構成することができ、下側組織厚さコンペンセータの外側層は、内部にORC粒子が埋め込まれたヒドロゲルで構成することができ、組織厚さコンペンセータの内側層はORCで構成することができる。
図200〜202を参照すると、様々な実施形態において、外科用器具70400は、ステープルカートリッジ70405及びアンビル70410を有することができる。ステープルカートリッジ70405は、生体吸収性発泡材を含む組織厚さコンペンセータ70415を有しうる。様々な実施形態において、生体吸収性発泡材は、封入成分70420を含む封入体を含みうる。例えば、生体吸収性発泡材は、ORCを含んでよく、封入成分は、薬物を含んでよい。アンビル70410の組織厚さコンペンセータ70415は、内側層70425と外側層70430を含んでよい。内側層70425は生物吸収性発泡材を含んでよく、外側層70430は、任意に例えば強化材料を含む、ヒドロゲルを含んでよい。例示発射シークエンスの間、主に図201を参照して、スレッド70435がまずステープル70440Aに接触し、ステープルを上方に持ち上げ始めうる。スレッド70435が更に遠位に進むに伴って、スレッド70435がステープル70440B〜D、そして任意の他の続くステープルを、連続順番で、持ち上げ始めうる。スレッド70435は、ステープルの脚が、反対側のアンビル70410と接触し、望む形状に変形されるように、上方にステープル70440を駆動可能である。図201にて図解した発射シークエンスに関して、ステープル70440A〜Cが、それらの完全に発射された位置内に移動し、ステープル70440Dが発射の工程中であり、ステープル70420Eがまだ未発射位置である。封入成分70470は、代表的な発射シークエンスの間、ステープル脚によって破裂されてよい。封入成分70420は、ステープル脚周辺の封入体から流れて、組織Tに接触してよい。様々な環境において、組織厚さコンペンセータの更なる圧縮が、封入部から更なる薬物を絞り出しうる。様々な実施形態において、薬剤が組織を直ちに治療し、組織からの出血を低減させることができる。
様々な環境において、外科医又は他の臨床医が、液体を組織厚さコンペンセータに駆動して、その中に保存された、及び/又は吸収された少なくとも1つの薬物を含む、組織厚さコンペンセータを製造してよい。様々な実施形態において、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルは、組織厚さコンペンセータへのアクセスを与えるように構成されたポートを有しうる。図203Bを参照して、ステープルカートリッジ70500は、例えばその遠位末端にて、ポート70505を含んでよい。ポート70505は、図203Aにて示した有窓ニードルなどの、ニードル70510を受容するように構成してよい。少なくとも1つの実施形態において、臨床医は、ニードル70510を、ポート70505に通して組織厚さコンペンセータ70515内に挿入し、組織厚さコンペンセータ70515に液体を供給することができる。様々な実施形態において、液体は例えば薬剤及びヒドロゲル前駆体を含みうる。以上で記載したように、組織厚さコンペンセータが破裂及び/又は圧縮されるときに、液体が、組織厚さコンペンセータから組織に解放されてよい。例えば、薬物が、組織厚さコンペンセータ70515が生体分解されるに伴って、組織厚さコンペンセータ70515から解放されてよい。
様々な実施形態において、ここで図14を参照して、ステープルカートリッジ(例えばステープルカートリッジ10000)は、支持部分10010と圧縮可能な組織厚さコンペンセータ10020とを含みうる。ここで図16〜18を参照して、支持部分10010は、支持部分10010内に画定されたデッキ表面10011及び複数のステープル空洞10012を含みうる。各ステープル空洞10012は、例えば、その中にステープル(例えば、ステープル10030)を取り外し可能に格納するようにサイズ決めされ構成することができる。ステープルカートリッジ10000は、更に、複数のステープルドライバ10040を含んでもよく、これは、それぞれ、ステープル10030とステープルドライバ10040が未発射位置にあるときに、ステープル空洞10012内に1つ又は2つ以上のステープル10030を支持するように構成することができる。少なくともそのような一実施形態において、図22及び23を主に参照すると、各ステープルドライバ10040は、例えば、1つ又は2つ以上の受台(又はトラフ)10041を含み得、これはステープルを支持し、かつステープル10030とステープルドライバ10040との間の相対的な動きを制限するように構成することができる。様々な実施形態において、再び図16を参照し、ステープルカートリッジ10000は、ステープル発射スレッド10050を更に含み得、これは、ステープルドライバ10040とステープル10030とを、それらの未発射位置から、ステープルカートリッジ10000に相対して配置されているアンビルに向かって連続的に持ち上げるために、ステープルカートリッジの近位端10001から遠位端10002へと動くことができる。特定の実施形態において、図16及び18を主に参照し、各ステープル10030は、底面10031と、その底面10031から延びる1つ又は2つ以上の脚10032とを含み、各ステープルは例えば、実質的にU字型及び実質的にV字型の少なくとも1つでありうる。少なくとも一実施形態において、ステープル10030は、ステープル10030が未発射位置にあるときに、ステープル脚10032の先端が支持部分10010のデッキ表面10011に対して引っ込んでいるように構成することができる。少なくとも一実施形態において、ステープル10030は、ステープル10030が未発射位置にあるときに、ステープル脚10032の先端が支持部分10010のデッキ表面10011に対して同一面であるように構成することができる。少なくとも一実施形態において、ステープル10030は、ステープル10030が未発射位置にあるときに、ステープル脚10032の先端、又はステープル脚10032の少なくとも一部が、支持部分10010のデッキ表面10011の上に延出するように構成することができる。そのような実施形態において、ステープル脚10032は、ステープル10030が未発射位置にあるときに、組織厚さコンペンセータ10020内に延出し、この中に埋め込まれうる。少なくともそのような一実施形態において、ステープル脚10032は例えば、デッキ表面10011の上に約1.9mm(0.075”)延出しうる。様々な実施形態において、ステープル脚10032は例えば、デッキ表面10011の上に約0.64mm(0.025”)〜約3.18mm(0.125”)の距離延出しうる。特定の実施形態において、上記に対して更に、組織厚さコンペンセータ10020は例えば、約2mm(0.08”)〜約3.18mm(0.125”)の未圧縮厚さを備えうる。
使用時には、上記に対して更に、図31を主に参照して、アンビル(例えばアンビル10060)は、ステープルカートリッジ10000に相対する閉位置に動くことができる。詳しくは後述されるように、アンビル10060は、組織厚さコンペンセータ10020に対するように組織を配置することができ、かつ、様々な実施形態において、例えば、組織厚さコンペンセータ10020を、支持部分10010のデッキ表面10011に対して圧縮することができる。アンビル10060が適当に配置されると、図31にも示されているように、ステープル10030を配備することができる。様々な実施形態において、前述のように、ステープル発射スレッド10050は、図32に示すように、ステープルカートリッジ10000の近位端10001から、遠位端10002に向かって動くことができる。スレッド10050が前進すると、スレッド10050がステープルドライバ10040に接触して、ステープルドライバ10040をステープル空洞10012内で上方に持ち上げることができる。少なくとも一実施形態において、スレッド10050とステープルドライバ10040はそれぞれ、1つ又は2つ以上の傾斜面(斜めの面)を含み得、これが協働して、ステープルドライバ10040を未発射位置から上側に動かすことができる。少なくともそのような一実施形態において、図19〜23を参照して、各ステープルドライバ10040は、少なくとも1つの傾斜面10042を含み得、スレッド10050は、少なくとも1つ又は2つ以上の傾斜面10052を含み得、これは、スレッド10050がステープルカートリッジ内で遠位方向に前進する際に、傾斜面10052が傾斜面10042の下を摺動できるように構成されうる。ステープルドライバ10040がそれぞれのステープル空洞10012内で上方に持ち上げられると、ステープルドライバ10040がステープル10030を上方に持ち上げ、これによりステープル10030がステープルデッキ10011の開口を通ってステープル空洞10012から現われうる。図25〜27を主に参照すると、例示的な発射シーケンスの間、スレッド10050はまずステープル10030aに接触してから、ステープル10030aを上に持ち上げ始めることができる。スレッド10050が更に遠位方向に前進すると、スレッド10050が順に、ステープル10030b、10030c、10030d、10030e、及び10030f、並びに他の任意の後続ステープルを持ち上げ始めることができる。図27に示すように、スレッド10050はステープル10030を上方向に駆動することができ、これによりステープル脚10032が相対するアンビルに接触し、望ましい形状に変形され、支持部分10010から発射される。様々な状況においては、スレッド10030は、発射シーケンスの一部として、いくつかのステープルが同時に上向きに移動することができる。図27に示す発射シーケンスに関して言うと、ステープル10030a及び10030bは完全に発射済みの位置に移動して支持部分10010から放出され、ステープル10030c及び10030dは発射の過程にあって少なくとも部分的に支持部分10010の内部に収容されており、かつステープル10030e及び10030fは依然として未発射位置にある。
前述のように、図33を参照し、ステープル10030のステープル脚10032は、ステープル10030が未発射位置にあるときに、支持部分10010のデッキ表面10011の上に延出しうる。更に、図27に示されるこの発射シーケンスに関して、ステープル10030e及び10030fは未発射位置に図示されており、そのステープル脚10032は、デッキ表面10011の上に出て、組織厚さコンペンセータ10020内に延出している。様々な実施形態において、ステープル10030が未発射位置にあるときには、ステープル脚10032の先端、又はステープル脚10032のいずれの部分も、組織厚さコンペンセータ10020の組織接触上側表面10021を貫通して突出することはできない。ステープル10030が未発射位置から発射済み位置へと動くと、図27に示すように、ステープル脚の先端が、組織接触表面10032を貫通して突出しうる。様々な実施形態において、ステープル脚10032の先端は鋭い先端を含み得、これが組織厚さコンペンセータ10020を切開し貫入することができる。特定の実施形態において、組織厚さコンペンセータ10020は複数の開口を含み得、これはステープル脚10032を受容して、ステープル脚10032が組織厚さコンペンセータ10020に対して相対的に摺動することができるように構成されうる。特定の実施形態において、支持部分10010は更に、デッキ表面10011から延出する複数のガイド10013を含みうる。ガイド10013は、デッキ表面10011内のステープル空洞の開口部に隣接して位置付けることができ、これによりステープル脚10032は、ガイド10013により少なくとも部分的に支持されうる。特定の実施形態において、ガイド10013は、ステープル空洞の開口部の近位端及び/又は遠位端に配置されうる。様々な実施形態において、第1ガイド10013は、各ステープル空洞の開口部の第1端に配置することができ、第2ガイド10013は、各ステープル空洞の開口部の第2端に配置することができ、これにより各第1ガイド10013は、ステープル10030の第1ステープル脚10032を支持することができ、各第2ガイド10013は、ステープルの第2ステープル脚10032を支持することができる。少なくとも一実施形態において、図33を参照し、各ガイド10013は、溝又はスロット(例えば溝10016)を含み得、この中にステープル脚10032が摺動可能に収容されうる。様々な実施形態において、各ガイド10013は、デッキ表面10011から延出しうる滑り止め、突起、及び/又はスパイクを含んでよく、これが組織厚さコンペンセータ10020内に延びることができる。少なくとも一実施形態において、詳しくは後述されるように、滑り止め、突起、及び/又はスパイクは、組織厚さコンペンセータ10020と支持部分10010との間の相対的な動きを低減させることができる。特定の実施形態において、ステープル脚10032の先端は、ガイド10013内に配置することができ、ステープル10030が未発射位置にあるときに、ガイド10013の上側表面の上に延びることはできない。少なくともそのような実施形態において、ガイド10013はガイド高さを画定し、ステープル10030は未発射位置にあるときにこのガイド高さを超えて延びることはできない。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ(例えば組織厚さコンペンセータ10020)は、1枚の材料のシートから構成されうる。少なくとも一実施形態において、組織厚さコンペンセータは、支持部分10010のデッキ上側表面10011全体を覆うことができる、あるいは、デッキ表面10011全体よりも小さい領域を覆うことができる、1枚の連続材料のシートを含みうる。特定の実施形態において、材料のシートは、支持部分10010のステープル空洞の開口部を覆うことができる一方、他の実施形態において、材料のシートは開口部を含み得、これはステープル空洞の開口部と整合、又は少なくとも部分的に整合させることができる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、複数層の材料から構成されうる。いくつかの実施形態において、ここで図15を参照し、組織厚さコンペンセータは、圧縮可能コアと、その圧縮可能コアを包むラップとを含みうる。特定の実施形態において、ラップ10022は、圧縮可能コアを支持部分10010に対して解放可能に保持するように構成されうる。少なくともそのような一実施形態において、支持部分10010は、そこから延出する1つ又は2つ以上の突起10014(例えば突起(図18))を含み、これは例えば、ラップ10022内に画定された1つ又は2つ以上の開口及び/又はスロット(例えば開口10024)内に受容されうる。突起10014と開口10024は、突起10014がラップ10022を支持部分10010に対して固定できるように構成することができる。少なくとも一実施形態において、突起10014の端は、例えば熱カシメ工程などによって変形させることができ、これにより突起10014の端を大きくし、その結果、ラップ10022と支持部分10010の間の相対的動きを制限することができる。少なくとも一実施形態において、図15に示すように、ラップ10022は1つ又は2つ以上の穿孔10025を含み、これがラップ10022を支持部分10010から剥がすのを促進しうる。ここで図24を参照すると、組織厚さコンペンセータは、複数の開口部10223を備えるラップ10222を含んでもよく、開口10223は、支持部10010のステープル空洞の開口部に整列、又は少なくとも部分的に整列されうる。特定の実施形態において、組織厚さコンペンセータのコアも、開口部を含み得、これらは、ラップ10222の開口10223に整合、又は少なくとも部分的に整合しうる。他の実施形態において、組織厚さコンペンセータのコアは連続体を含み得、これは、連続体がデッキ表面10011のステープル空洞の開口部を覆うように、開口10223の下側に延在させることができる。
様々な実施形態において、上述のように、組織厚さコンペンセータは、圧縮可能コアを支持部分10010に対して解放可能に保持しているラップを含みうる。少なくともそのような一実施形態において、図16を参照して、ステープルカートリッジは更に保持クリップ10026を含み得、これは、ラップ及び圧縮可能コアが、支持部分10010から時期尚早に外れるのを阻止するように構成することができる。様々な実施形態において、各保持クリップ10026は開口10028を含み得、これは、支持部分10010から延びる突起10014を受容し、これにより保持クリップ10026が支持部分10010に固定されうるように構成されうる。特定の実施形態において、保持クリップ10026は、それぞれ、少なくとも1つの皿状部分10027を含み得、これは支持部分10010の下側に延在し、ステープルドライバ10040を支持部分10010内に保持することができる。特定の実施形態において、上述のように、組織厚さコンペンセータは、ステープル10030によって支持部分10010に取り外し可能に取り付けることができる。より具体的には、これも上記のように、ステープル10030が未発射位置にあるときに、ステープル10030の脚が組織厚さコンペンセータ10020内に延在することができ、その結果、組織厚さコンペンセータ10020を支持部10010に解放可能に保持することができる。少なくとも一実施形態において、ステープル10030の脚は、各ステープル空洞10012の側壁と接触状態にあり得、ステープル脚10032と側壁との間の摩擦のおかげで、ステープル10030がステープルカートリッジ10000から配備されるまでの間、ステープル10030と組織厚さコンペンセータ10020が定位置に保持されうる。ステープル10030が配備されたとき、組織厚さコンペンセータ10020は、ステープル10030内に捕捉され、ステープリングされた組織Tに対して保持されうる。次にアンビルが開位置に動いて組織Tを解放すると、組織に固定されている支持部分10010が組織厚さコンペンセータ10020から離れる方向に動くことができる。特定の実施形態において、接着剤を使用して、組織厚さコンペンセータ10020を支持部分10010に取り外し可能に保持することができる。少なくとも一実施形態において、2成分接着剤を使用することができ、少なくとも一実施形態において、接着剤第1成分をデッキ表面10011上に配置し、接着剤第2成分を組織厚さコンペンセータ10020上に配置することができ、これにより、組織厚さコンペンセータ10020がデッキ表面10011に相対して配置されたときに、第1成分が第2成分と接触して接着剤を活性化させ、組織厚さコンペンセータ10020を支持部分10010に対して取り外し可能に結合させることができる。様々な実施形態において、任意の他の好適な手段を使用して、組織厚さコンペンセータをステープルカートリッジの支持部分に取り外し可能に保持することができる。
様々な実施形態において、上記に対して更に、スレッド10050を近位端10001から遠位端10002に前進させて、ステープルカートリッジ10000内に収容されているステープル10030全てを完全に配備させることができる。少なくとも一実施形態において、ここで図56〜60を参照し、スレッド10050は、外科用ステープラの発射部材(又はナイフバー)10052によって、支持部分10010内の長手方向空洞10016内で遠位方向に前進することができる。使用の際、ステープルカートリッジ10000は、外科用ステープラのジョー内のステープルカートリッジチャネル、すなわち、ステープルカートリッジチャネル10070に挿入され、これにより図56に示すように、発射部材10052が前進してスレッド10050に接触することができる。スレッド10050は、発射部材10052によって遠位に前進させることによって、最も近位側のステープルドライバ(すなわち、ドライバ10040)に接触させることができ、上述のように、カートリッジ本体10010からステープル10030を発射させるか又は放出することが可能になる。図56に示すように、発射部材10052は更に刃先10053を含んでよく、ステープル10030が発射されると、これが、支持部分10010内のナイフスロットを通って遠位方向に前進しうる。様々な実施形態において、対応するナイフスロットは、ステープルカートリッジ10000に相対して配置されるアンビルを通って延在することができ、これにより、少なくとも一実施形態において、刃先10053がアンビルと支持部分10010との間に延在し、その間にある組織及び組織厚さコンペンセータを切断することができる。図58に図示されているように、様々な状況において、発射部材10052によって、スレッド10050はステープルカートリッジ10000の遠位端10002に達するまで遠位に前進することができる。その時点において、発射部材10052は近位側に後退することができる。いくつかの実施形態において、スレッド10050は、発射部材10052で近位側に後退させることができるが、様々な実施形態において、ここで図59を参照し、スレッド10050は、発射部材10052が後退したときに、ステープルカートリッジ10000の遠位端10002側に残されうる。発射部材10052が十分に後退すると、アンビルが再び開き、組織厚さコンペンセータ10020が支持部10010から分離され、消費されたステープルカートリッジ10000の残りの非埋込み部分(支持部10010を含む)が、ステープルカートリッジチャネル10070から取り除かれうる。
消費されたステープルカートリッジ10000がステープルカートリッジ溝部材から除去された後、上記に対して更に、新しいステープルカートリッジ10000、又は任意の他の好適なステープルカートリッジを、ステープルカートリッジ溝部材10070に挿入することができる。様々な実施形態において、上記に対して更に、ステープルカートリッジチャネル10070、発射部材10052、及び/又はステープルカートリッジ10000は、協働機能を構成することができ、これは、ステープルカートリッジチャネル10070内に配置される新しい(又は未発射の)ステープルカートリッジ10000なしに、2回目(又は後続)に発射部材10052が遠位側に前進するのを阻止することができる。より具体的には、再び図56を参照して、発射部材10052が前進してスレッド10050に接触し、スレッド10050が近位側の未発射位置にあるとき、発射部材10052の支持ノーズ10055は、スレッド10050の支持棚部10056の上及び/又は上方に配置することができ、これにより、発射部材10052が充分に上側の位置に保持され、発射部材10052から延びるロック(又は梁部材)10054が、ステープルカートリッジチャネル内に画定されるロック凹部内に落ちるのを防ぐことができる。ロック10054がロック凹部に落ちない場合、そのような状況において、ロック10054は、発射部材10052が前進する際に、ロック凹部の遠位側側壁10057に隣接しない。発射部材10052がスレッド10050を遠位側に押すと、発射部材10052は、支持棚部10056の上に乗った支持ノーズ10055によって、上側の発射位置に支持することができる。発射部材10052がスレッド10050に対して後退されると、前述し図59に例示したように、支持ノーズ10055がスレッド10050の支持棚部10056上に載置された状態ではなくなり、発射部材10052がその上側位置から下向きに降下することができる。少なくともそのような一実施形態において、外科用ステープルは、ばね10058、及び/又は任意の他の好適な付勢構成要素を含み得、これは、発射部材10052を下側位置に付勢するように構成されうる。図60に図示されているように、発射部材10052が一旦完全に後退した後は、再度発射部材10052は使用済みステープルカートリッジ10000を通って遠位に前進させることはできない。より詳細には、スレッド10050は、操作シーケンスのこの時点において、ステープルカートリッジ10000の遠位端10002に残されているため、発射部材10052は、スレッド10050によって上位置に保持することができない。よって、前述のように、発射部材10052が再び、ステープルカートリッジの交換なしに前進する場合、ロック梁部材10054がロック凹部の側壁10057に接触し、これにより発射部材10052がステープルカートリッジ10000に対して再び遠位方向に前進するのを妨げる。換言すると、使用済みステープルカートリッジ10000を新しいステープルカートリッジと交換すれば、その新しいステープルカートリッジは、近位側に配置されたスレッド10050を有し、これが発射部材10052を上側位置に保持することができ、発射部材10052が再び遠位方向に前進することができる。
上述のように、スレッド10050は、支持部分10010からステープル10030を放出するために、第1の未発射位置と第2の発射済み位置との間で、ステープルドライバ10040を動かすように構成することができる。様々な実施形態において、ステープル10030が支持部分10010から発射された後、ステープルドライバ10040は、ステープル空洞10012内に収容されうる。特定の実施形態において、支持部分10010は1つ又は2つ以上の保持機構を構成することができ、これは、ステープルドライバ10040がステープル空洞10012から発射され又は脱落するのを阻止するように構成されうる。様々なその他の実施形態において、スレッド10050は、ステープル10030内の支持部分10010からステープルドライバ10040を発射するように構成することができる。少なくともそのような一実施形態において、ステープルドライバ10040は、生体吸収性及び/又は生体適合性の材料(例えばUltemなど)から構成されうる。特定の実施形態において、ステープルドライバは、ステープル10030に取り付けることができる。少なくともそのような一実施形態において、ステープルドライバは、ドライバがステープルと一体成形されるように、各ステープル10030の底面の上及び/又は周囲に成形することができる。米国特許出願番号第11/541,123号「SURGICAL STAPLES HAVING COMPRESSIBLE OR CRUSHABLE MEMBERS FOR SECURING TISSUE THEREIN AND STAPLING INSTRUMENTS FOR DEPLOYING THE SAME」(2006年9月29日出願)を、参照によりその全容を本明細書に援用する。
上記のように、外科用ステープリング器具は、ステープルカートリッジと、ステープルカートリッジチャネルに回転可能に連結されたアンビルと、アンビル及びステープルカートリッジチャネルに対して可動であるナイフエッジを含む発射部材と、を受容するように構成された、ステープルカートリッジチャネルを含んでもよい。使用の際、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジチャネル内に配置され、ステープルカートリッジが少なくとも部分的に消費された後、ステープルカートリッジをステープルカートリッジチャネルから取り外し、新しいステープルカートリッジに交換することができる。いくつかのそのような実施形態において、外科用ステープリング器具のステープルカートリッジチャネル、アンビル、及び/又は発射部材は、交換用ステープルカートリッジと共に再使用することができる。特定のその他の実施形態において、ステープルカートリッジは、使い捨て搭載ユニットアセンブリの一部を含むことができ、これには、ステープルカートリッジチャネル、アンビル、及び/又は発射部材が含まれ得、例えばこれは、使い捨て搭載ユニットアセンブリの交換の一環として、ステープルカートリッジと共に交換することができる。特定の使い捨て装填ユニットアセンブリは、米国特許出願番号第12/031,817号「END EFFECTOR COUPLING ARRANGEMENTS FOR A SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」(2008年2月15日出願)に開示されており、この開示全体を参照により本明細書に援用する。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、本明細書に記述される合成及び/又は非合成材料のうち少なくとも1つを含む、押出成形可能、注型成形可能、及び/又は成形可能な組成物を含みうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、2つ以上の層を含むフィルム又はシートを含みうる。組織厚さコンペンセータは、例えば、混合、配合、調合、噴霧、ウィッキング、溶媒蒸発、浸漬、ブラッシング、蒸着、押出し加工、カレンダリング(calendaring)、鋳造、成形などといった従来の方法を用いてうることができる。押出し加工において、開口は、少なくとも1つの開口を含み、出てくる押出成形物に形を与える、ダイの形態であってもよい。カレンダー加工において、開口部は、2つのロール間のニップを含むことができる。従来の成形方法としては、吹き込み成形、射出成形、フォーム射出、圧縮成形、熱成形、押出し加工、発泡押出し加工、インフレーション成形、カレンダリング、スピニング、溶着、ディップコーティング及びスピンコーティングなどのコーティング法、溶液流延及び流延成形、プラスチゾル処理(ナイフコーティング、ローラーコーティング及びローラー鋳造を含む)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。射出成形において、開口部は、ノズル及び/又はチャネル/湯道及び/又は型穴、並びに成型形態を含むことができる。圧縮成形において、組成物は、成形型空洞内に配置されてもよく、好適な温度に熱せられてもよく、比較的高圧で圧縮されることにより成形されてもよい。注型において、組成物は、型又は物体の中に、その上に、及び/若しくはその周辺に注入されうるか又はさもなければ提供されうる液体又はスラリーを構成することができ、それにより、その型又は物体の特徴部を複製することが可能になる。注型の後は、組成物の乾燥、冷却、及び/又は硬化によって固体を形成することができる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータの製造方法は概して、組織厚さコンペンセータ組成物を準備する工程と、組成物を融解して流動化する工程と、溶融、半溶融、又は塑性状態の組成物を所望の厚さを有する層及び/又はフィルムに成形する工程と、を含みうる。図198Aを参照して、組織厚さコンペンセータを、水溶液中ヒドロゲル前駆体を溶解すること、生体適合性粒子及び/又は繊維をその中に分散させること、その中に生体適合性粒子を有する鋳型を提供すること、溶液を鋳型内に提供すること、賦活物質と溶液を接触させること、溶液を硬化させて、生体適合性粒子と、その中に埋め込まれた生体適合性粒子を含む内側層とを含む、外側層を含む組織厚さコンペンセータを形成すること、によって製造しうる。図198Aにて示したように、生体適合性層70250を、鋳型70260の底部に提供することができ、その中に配置された生体適合性粒子70257を有するヒドロゲル前駆体70255の水溶液を鋳型70260に提供してよく、水溶液を、例えばORCなどの、生体適合性材料を含む第1の層と、その中に配置された、ORC繊維などの、生体適合性繊維を有するヒドロゲルを含む第2の層とを有する組織厚さコンペンセータを形成するために硬化してよい。組織厚さコンペンセータは、生体適合性粒子を含む外側層と、その中に埋め込まれた生体適合性粒子を含む内側層とを含む発泡材を含んでよい。少なくとも1つの実施形態において、組織厚さコンペンセータは、水中にアルギン酸ナトリウムを溶解すること、その中にORC粒子を分散させることと、その中にORC粒子を有する鋳型を提供することと、溶液を鋳型内に注ぐことと、塩化カルシウムを噴霧又は注入して、溶液を接触させて、アルギン酸ナトリウムの架橋を開始することと、ヒドロゲルを凍結乾燥して、ORCを含む外側層と、ヒドロゲルとその中に埋め込まれたORCを含む内側層とを含む組織厚さコンペンセータを形成することと、によって製造することができる。
図198Bを参照すると、様々な実施形態において、三層組織厚さコンペンセータを製造する方法には一般に、第1のヒドロゲル前駆体を第1の水溶液に溶解することと、生体適合性粒子及び/又は繊維を、第1の水溶液中に分散させること、その中に生体適合性粒子の第1の層70250を有する鋳型70260を提供することと、第1の水溶液を鋳型内に提供することと、賦活物質と第1の水溶液とを接触させることと、第1の水溶液を硬化させて第2の層70255を形成することと、第2のヒドロゲル前駆体を第2の水溶液中に溶解することと、第2の水溶液を鋳型内に提供することと、第2の水溶液を硬化させて、第3の層70265を形成することと、が含まれうる。少なくとも1つの実施形態において、三層組織厚さコンペンセータは、水中にアルギン酸ナトリウムを溶解させて、第1の水溶液を形成することと、第1の水溶液中にORC粒子を分散させることと、その中にORC粒子の第1の層を有する鋳型を提供することと、第1の水溶液を鋳型内に注ぐことと、塩化カルシウムを噴霧又は注入して、第1の水溶液を接触させて、アルギン酸ナトリウムの架橋を開始することと、第1の水溶液を凍結乾燥して、その中に埋め込まれたORC粒子を有するヒドロゲルを含む第2の層を形成することと、水中にアルギン酸ナトリウムを溶解して、第2の水溶液を形成することと、第2の水溶液を鋳型内に注ぐことと、塩化カルシウムを噴霧又は注入して、第2の水溶液を接触させ、アルギン酸ナトリウムの架橋を開始することと、第2の水溶液を凍結乾燥させて、ヒドロゲルを含む第3の層を形成することと、によって製造することができる。
様々な実施形態において、少なくとも1種の薬物を内部に格納及び/又は吸収して構成された組織厚さコンペンセータの製造方法は、概して組織厚さコンペンセータを提供することと、組織厚さコンペンセータ内に薬物が保持されるように組織厚さコンペンセータ及び薬物を接触させることと、を含むことができる。少なくとも一実施形態において、抗菌材料を含む組織厚さコンペンセータを製造する方法は、ヒドロゲルを準備すること、ヒドロゲルを乾燥させること、硝酸銀の水溶液内でヒドロゲルを膨潤させること、抗菌性を有した組織厚さコンペンセータを形成するためにヒドロゲル及び塩化ナトリウムの溶液を接触させることを含むことができる。組織厚さコンペンセータは、銀が中に分散されたものであってもよい。
図204を参照して、様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータを製造するための方法には、共押出及び/又は接着が含まれてよい。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ70550は、例えば、ヒドロゲルを含む、内側層70565を密封して封入している第1の層70555、及び第2の層70560とを有するラミネートを含みうる。ヒドロゲルには、例えば乾燥フィルム、乾燥発泡材、粉末及び/又は顆粒が含まれてよい。ヒドロゲルには、例えばポリビニルピロリドン、カルボキシルメチルセルロース、ポリスルフルプロピルアクリレートなどの、超吸収材が含まれてよい。第1及び第2の層は、それぞれ、第1及び第2の層の原料を、ホッパーから押出成形機内に供給し、その後第1及び第2の層を提供することによってインラインで製造しうる。内側層70565の原料を、押出成形機のホッパーに加えてよい。原料を分散して混合させて、押出し成形機内で、高温にて配合可能である。原料が開口のダイ70570を出るに伴い、内側層70565を第1の層70555の表面上に沈着させてよい。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、発泡材、フィルム、粉末、及び/又は顆粒を含みうる。第1及び第2の層70555及び70560を、対面関係にて位置付けうる。第2の層70560は、ローラー70575によって、対面関係にて、第1の層70555と整列されうる。第1の層70555は、第2の層70560と接着してよく、ここで第1及び第2の層70555、70560は、内側層70565を物理的にエントラップしてよい。層を、組織厚さコンペンセータ70550を形成するために、例えば、軽い圧力下、従来のカレンダー結合工程下、及び/又は接着剤の利用を通して、一緒に連結してよい。少なくとも1つの実施形態において、図78にて示すように、第1の層及び第2の層70555及び70560を、例えば溝付きローラー70580を用いて、ローリング工程を通して一緒に連結してよい。様々な実施形態において、上記の結果として、内側層70565は、集合的に外側層又はバリアを形成しうる第1及び第2の層70555及び70560によって包含及び/又は密封されうる。外側層が破裂するまで、外側層は、水分が内側層70565に接触しないようにするか、又は接触を低減しうる。
図61を参照すると、外科用器具10(図1)用のエンドエフェクタ12は、例えばステープルカートリッジ20000などの締結具カートリッジアセンブリを受容するように構成することができる。図61に図示されるように、ステープルカートリッジ20000は、エンドエフェクタ12のジョー20070のカートリッジチャネル20072内に収まるように構成することができる。他の実施形態では、ステープルカートリッジ20000を、ステープルカートリッジ20000とエンドエフェクタ12が、一体構造として形成されるように、エンドエフェクタ12に統合可能である。ステープルカートリッジ20000には、例えば、剛性の支持部分20010などの、第1の本体部分が含まれうる。ステープルカートリッジ20000にはまた、例えば、圧縮性部分又は組織厚さコンペンセータ20020などの、第2の本体部分が含まれうる。他の実施形態では、組織厚さコンペンセータ20020は、ステープルカートリッジ20000の一体化した部分を構成しないが、エンドエフェクタ12に対して異なった様相で配置することができる。例えば、組織厚さコンペンセータ20020は、エンドエフェクタ12のアンビル20060に固定されてよく、又はエンドエフェクタ12中に保持されてよい。少なくとも1つの実施形態では、図78を参照すると、ステープルカートリッジは更に、組織厚さコンペンセータ20020が、支持部群20010から早期に脱着することを阻害するように構成可能である、保持具先端部20126を含みうる。読者には、本明細書で記載した組織厚さコンペンセータを、種々のエンドエフェクタ内にインストールするか、又は係合することができること、及びそのような実施形態が、本開示の範囲内であることが、理解されよう。
本明細書で記載した組織厚さコンペンセータと同様に、図78を参照して、コンペンセータ20020が、外科用エンドエフェクタ12から係合離脱するか、又は解放することが可能である。特定の実施形態では、組織厚さコンペンセータ20020が剛性支持部分20010から外されても、ステープルカートリッジ20000の剛性支持部分20010は、エンドエフェクタジョー20070の締結具カートリッジチャネル20072と係合したままとすることができる。様々な実施形態において、本明細書に述べられる様々な実施形態と同様、組織厚さコンペンセータ20020は、ステープル20030(図78〜83)が剛性支持部分2010のステープル空洞20012から展開された後、エンドエフェクタ12から取り外すことができる。ステープル20030を、ステープル20030が組織厚さコンペンセータ20020を係合するように、ステープル空洞20012から発射することが可能である。やはり、本明細書に述べられる異なる実施形態と同様、一般に図63、82及び83を参照すると、ステープル20030は、ステープリングされる組織Tと共に組織厚さコンペンセータ20020の一部分を捕捉可能である。いくつかの実施形態では、組織厚さコンペンセータ20020は変形可能であり、発射ステープル20030内に捕捉された組織厚さコンペンセータ20020の部分が圧縮されうる。本明細書で記載した組織厚さコンペンセータと同様に、組織厚さコンペンセータ20020が、それぞれのステープル20030内に捕捉された組織Tの異なる厚さ、圧縮性、及び/又は密度を補償可能である。更に、本明細書でまた記載するように、組織厚さコンペンセータ20020は、不正な状態のステープル20030によって作製された空隙を補償可能である。
組織厚さコンペンセータ20020は、非圧縮高さ(複数可)と圧縮高さ(複数可)間で圧縮可能でありうる。図78を参照して、組織厚さコンペンセータ20020は、頂面20021と底面20022を有しうる。組織厚さコンペンセータの高さは、頂面20021と底面20022間の距離でありうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ20020の非圧縮高さとは、組織厚さコンペンセータ20020に加えられる力が最小であるか又は全く力がしない場合、すなわち組織厚さコンペンセータ20020が圧縮されない場合の、頂面20021と底面20022との間の距離でありうる。組織厚さコンペンセータ20020の圧縮高さは、例えば、発射済みステープル20030が組織厚さコンペンセータ20020の一部分を捕捉するときのような、組織厚さコンペンセータ20020に力が適用されたときの、頂面20021と底面20022間の距離でありうる。組織厚さコンペンセータ20020は、遠位端20025と近位端20026を含みうる。図78にて図解するように、組織厚さコンペンセータ20020の非圧縮高さは、組織厚さコンペンセータ20020の遠位端20025と近位端20026間で均一でありうる。他の実施形態では、非圧縮高さは、遠位端20025と近位端20026との間で変化しうる。例えば、組織厚さコンペンセータ20020の頂面20021及び/又は底面20022は、互いに対して角度をなす、かつ/又は段差が設けられていることにより非圧縮高さが、近位端20026と遠位端20025との間で変化してもよい。いくつかの実施形態では、組織厚さコンペンセータ20020の非圧縮高さは、例えば約2mm(0.08インチ)でありうる。他の実施形態では、組織厚さコンペンセータ20020の非圧縮高さは、例えば、約0.64mm(0.025インチ)及び約2.5mm(0.10インチ)の間で変化しうる。
本明細書でより詳細に説明されるように、組織厚さコンペンセータ20020は、その近位端20026と遠位端20025間の異なる圧縮高さまで圧縮可能である。他の実施形態では、組織厚さコンペンセータ20020は、その長さ全体にわたって均一に圧縮されうる。組織厚さコンペンセータ20020の圧縮高さ(複数可)は、例えば、エンドエフェクタ12の形状、組織厚さコンペンセータ20020、係合した組織T及び/又はステープル20030の特徴に依存しうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ20020の圧縮高さは、エンドエフェクタ12の組織間隙と関連付けることができる。様々な実施形態において、アンビル20060がステープルカートリッジ20000に向かってクランプ締めされる際、例えば、ステープルカートリッジ20000の上部デッキ表面20011(図78)とアンビル20060の組織接触表面20061(図61)との間に組織間隙が形成されうる。組織間隙は、例えば、およそ0.64mm(0.025インチ)又はおよそ2.54mm(0.100インチ)でありうる。いくつかの実施形態では、組織間隙は、約0.750mm又は約3.500mmでありうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ20020の圧縮高さは、例えば組織ギャップと等しいか又はほぼ等しくてよい。組織Tがエンドエフェクタ12の組織間隙内に配置されるとき、組織厚さコンペンセータの圧縮高さは、組織Tを収納するために小さくてよい。例えば、組織ギャップは約0.750mmである場合、組織厚さコンペンセータの圧縮高さは、約0.500mmでありうる。組織間隙が約3.500mmであるような実施形態では、組織厚さコンペンセータの圧縮高さ20020は、例えば約2.5mmでありうる。更に、組織厚さコンペンセータ20020は、最小圧縮高さを有しうる。例えば、組織厚さコンペンセータ20020の最小圧縮高さは、約0.250mmでありうる。様々な実施形態において、ステープルカートリッジのデッキ表面とアンビルの組織接触表面間とにより画定される組織間隙は、例えば組織厚さコンペンセータの非圧縮高さと等しいか又は少なくともほぼ等しくてよい。
主に図62を参照して、組織厚さコンペンセータ20020には、繊維20082を含む繊維性不織布材料20080が含まれうる。特定の実施形態では、組織厚さコンペンセータ20020はフェルト又はフェルト状材料を含みうる。不織布材料20080における繊維20082を、ニードルパンチング、熱結合、水流交絡、超音波パターン結合、化学結合及びメルトダウン結合を含むが、限定されない、本技術分野で公知の任意の手段によって一緒に締結することができる。更に、様々な実施形態において、不織布材料20080の層は、機械的、熱的、又は化学的に一体に結合されて組織厚さコンペンセータ20020を形成しうる。本明細書でより詳しく述べられるように、繊維性不織布材料20080は、圧縮可能であり、これにより組織厚さコンペンセータ20020の圧縮が可能である。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ20020は、非圧縮性部分を含んでもよい。例えば、組織厚さコンペンセータ20020は、圧縮性不織布材料20080と非圧縮性部分を含みうる。
また主に図62を参照して、不織布材料20080は、複数の繊維20082を含みうる。不織布材料20080における少なくともいくつかの繊維20082は、捲縮繊維20086でありうる。捲縮繊維20086は例えば、不織布材料20080内で、捲縮される、すりあわされる、コイルされる、曲げられる、クリップされる、らせん状にされる、湾曲される、及び/又はたわむことが可能である。本明細書でより詳しく述べられるように、捲縮繊維20086は、捲縮繊維20086の変形が、ばね荷重又は復元力を発生させるように、任意の好適な形状で形成可能である。特定の実施形態では、捲縮繊維20086は、熱形成により、コイル状又はほぼコイル状の形状を形成しうる。捲縮繊維20086は、非捲縮繊維20084から形成可能である。例えば、非捲縮繊維20084を加熱されたマンドレル周辺に巻き、実質的にコイル様の形状を形成可能である。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ20020は、均質な吸収性ポリマーマトリックスで構成することができる。均一な吸収性ポリマーマトリックスには、例えば、発泡材、ゲル及び/又はフィルムが含まれうる。更に、複数の繊維20082が、均一な吸収性ポリマーマトリックスのいたるところに分散可能である。均一な吸収性ポリマーマトリックス内の、少なくともいくつかの繊維20082が、例えば捲縮繊維20086でありうる。本明細書でより詳しく述べられるように、組織厚さコンペンセータ2002の均一な吸収性ポリマーマトリックスが圧縮性でありうる。
様々な実施形態において、図65及び66を参照すると、捲縮繊維20086は、不織布材料20080の少なくとも一部分にわたってランダムに分散されうる。例えば、捲縮繊維20086は、不織布材料20080の一部分が、不織布材料20080の他の部分よりも、より捲縮繊維20086を含むように、不織布材料20080の全体にわたってランダムに分散可能である。更に、捲縮繊維20086は、不織布材料20080中、例えば、繊維クラスタ20085a、20085b、20085c、20085d及び20085eを集合させうる。捲縮繊維20086の形状によって不織布材料20080の製造時に繊維20086の絡み合いが生じ、捲縮繊維20086の絡み合いにより、繊維クラスタ20085a、20085b、20085c、20085d及び20085eが形成されうる。更に、又はあるいは、捲縮繊維20086は、不織布材料20080の全体にわたってランダムに配向されうる。例えば、図62を参照して、第1の捲縮繊維20086aが第1の方向に配向され、第2の捲縮繊維20086bが第2の方向に配向され、第3の捲縮繊維20086cが第3の方向に配向されうる。
いくつかの実施形態では、捲縮繊維20086は、不織布材料20080の少なくとも一部分にわたって、組織的に分配及び/又は配置されうる。例えば、図67を参照して、捲縮繊維20186を、構成20185内に配置することが可能であり、ここで複数の捲縮繊維20186aが第1の方向で配置されており、他の複数の捲縮繊維20186bが第2の方向で配置されている。捲縮繊維20186は、それらが互いに絡まる、又は相互接続するようになるように、重なりうる。様々な実施形態において、捲縮繊維20186は、捲縮繊維20186aが他の捲縮繊維20186aとほぼ平行となるように、組織的に配置可能である。また他の捲縮繊維20186bが、捲縮繊維20186aに対してほぼ横断しうる。様々な実施形態において、捲縮繊維20186aは第1の軸Yとほぼ整列してよく、捲縮繊維20186bは第2の軸Xとほぼ整列してよい。いくつかの実施形態では、第1の軸Yは、例えば第2の軸Xと垂直、又はほぼ垂直でありうる。
主に図68を参照すると、様々な実施形態において、捲縮繊維20286は配列20285に配列させることができる。特定の実施形態では、各捲縮繊維20286は、捲縮繊維20286の第1の端部20287と第2の端部20289との間に画定される長手方向軸を有しうる。いくつかの実施形態では、捲縮繊維20286は、1つの捲縮繊維20286の第1の端部20287が、別の捲縮繊維20286の第2の端部20289に隣接して配置されるように、不織布材料20080中に組織的に分配することができる。別の実施形態では、次に図69を参照すると、繊維配列20385は、第1の方向に配向された第1の捲縮繊維20386a、第2の方向に配向された第2の捲縮繊維20386b、及び第3の方向に配向された第3の捲縮繊維20386cを含みうる。様々な実施形態において、捲縮繊維20286の単一のパターン又は配列が、不織布材料20080全体を通じて繰り返されうる。少なくとも1つの実施形態において、捲縮繊維は、不織布材料20080全体を通じて異なるパターンで配列されてもよい。更なる他の実施形態では、不織布材料20080は、ランダムに配向された、かつ/又はランダムに分配された捲縮繊維だけでなく少なくとも1つの捲縮繊維のパターンも含みうる。
再び図62を参照して、不織布材料20080中の複数の繊維20082が、少なくともいくつかの非捲縮繊維20084を含みうる。不織布材料20080中の非捲縮繊維20084と捲縮繊維20086が、絡まる、又は相互接続しうる。一実施形態では、捲縮繊維20086の非捲縮繊維20084に対する比は、例えば約25:1でありうる。別の実施形態では、捲縮繊維20086の非捲縮繊維20084に対する比は、例えば約1:25でありうる。他の実施形態では、捲縮繊維20086の非捲縮繊維20084に対する比は、例えば約1:1でありうる。本明細書でより詳しく述べられるように、不織布材料20080の単位体積当たりの捲縮繊維20086の数は、不織布材料20080が変形される際の不織布材料20080によって発生する復元力に影響しうる。本明細書でより詳細にまた記載するように、不織布材料20080によって発生する復元力はまた、例えば、不織布材料20080中の捲縮繊維及び非捲縮繊維20086、20084の材料、形状、大きさ、位置及び/又は方向に依存しうる。
様々な実施形態において、不織布材料20080の繊維20082はポリマー組成物で構成されうる。繊維20082のポリマー組成物には、非吸収性ポリマー、吸収性ポリマー又はこれらの組み合わせが含まれうる。いくつかの実施形態では、吸収性ポリマーには、生体吸収性、生体適合性エラストマーポリマーが含まれうる。更に、繊維20082のポリマー組成物には、合成ポリマー、非合成ポリマー又はこれらの組み合わせが含まれうる。合成ポリマーの例には、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジオキサノン(PDO)及びこれらのコポリマーが含まれる。例えば、繊維20082は、例えば、Ethicon,Inc.から、商標名「VICRYL」(polyglactic 910)で市販される、90/10ポリ(グリコリド−L−ラクチド)コポリマーを含みうる。非合成ポリマーの例には、凍結乾燥した多糖類、糖たんぱく、エラスチン、プロテオグリカン、ゼラチン、コラーゲン、及び酸化再生セルロースが挙げられるがこれらに限定されない。様々な実施形態において、本明細書に述べられる組織厚さコンペンセータのポリマー組成物と同様、繊維20082のポリマー組成物には、例えば、吸収性ポリマー、非吸収性ポリマー、合成ポリマー、及び/又は非合成ポリマーが、異なる重量比率の量で含まれうる。
特定の実施形態では、不織物材料20080の捲縮繊維20086は、第1のポリマー組成物で構成されてよく、不織布材料20080の非捲縮繊維20084は、異なるポリマー組成物で構成されてよい。例えば、捲縮繊維20086は、例えば90/10ポリ(グリコリド−L−ラクチド)などの合成ポリマー(複数可)で構成されてよく、一方で非捲縮繊維20084は、例えば酸化再生セルロースなどの、非合成ポリマー(複数可)で構成されてよい。他の実施形態では、捲縮繊維20086及び非捲縮繊維20084が同じポリマー組成物で構成されてもよい。
本明細書に述べられるように、捲縮繊維20086及び非捲縮繊維20084は例えば、ニードルパンチング、熱結合、水流交絡、超音波パターン結合、化学結合及びメルトダウン結合によって、一緒に締結することができる。特定の実施形態では、例えば、「VICRYL(polyglactic 910)」などの合成ポリマーを含む捲縮繊維20086と、酸化再生セルロースを含む非捲縮繊維20084は、合わせてニードルパンチを行い、不織布材料20080を形成することができる。様々な実施形態において、不織布材料20080には、例えば、約5重量%〜50重量%の捲縮「VICRYL(ポリグラクティック910)」繊維20086と、約5重量%〜50重量%非捲縮酸化再生セルロース(PRC)繊維20084とが含まれうる。不織布材料20080が組織Tに接触するとき、非捲縮ORC繊維20084が組織内の結晶と迅速に反応し、例えばゼラチン様塊を形成可能である。様々な実施形態において、ゼラチン状のORCの塊の形成は、組織接触により即時又はほぼ即時に起こりうる。更に、ゼラチン様ORC塊の形成後、捲縮「VICRYL(ポリグラクティック910)」繊維20086は、不織布材料20080の全体にわたって分散したままでありうる。例えば、捲縮繊維20086を、ゼラチン様ORC塊中に懸濁可能である。ゼラチン様ORC塊が生体吸収されるので、捲縮「VICRYL(ポリグラクティック910)」繊維20086は、本明細書で更に詳細に記載するように、隣接する組織上で、跳ね返り力がもたらされうる。更に、本明細書で更に詳細に記載するように、組織が、捲縮「VICRYL(ポリグラクティック910)」繊維及び/又は成形後のステープル30030周辺で治癒し始めうる。
少なくとも1つの実施形態において、主に図78〜81を参照すると、ステープルカートリッジ20000の支持部分20010は、カートリッジ本体20017、上部デッキ表面20011、及び複数のステープル空洞20012を有しうる。本明細書に述べられる実施形態と同様、各ステープル空洞20012は、デッキ表面20011に開口部を画定することができる。ステープル20030は、ステープル空洞20012内に取り出し可能に配置することができる。様々な実施形態において、1個のステープル20030が各ステープル空洞20012内に配置される。少なくとも1つの実施形態において、主に図82及び83を参照すると、本明細書に述べられるステープルと同様、各ステープル20030は、第1の端部20035及び第2の端部20036を有する基部20031を有しうる。ステープル脚20032が、基部20031の第1の端部20035から延在し、他のステープル脚20032が、基部20031の第2の端部20036から延在しうる。再び図78〜81を参照して、ステープル20030の展開の前に、それぞれのステープル20030の基部20031が、ステープルカートリッジ20000の剛性支持部分20010内に配置されるステープルドライバ20040によって支持されうる。またステープル20030の展開の前に、それぞれのステープル20030の脚20032が、ステープル空洞20012内に少なくとも部分的に含まれうる。
様々な実施形態において、ステープル20030は、初期位置と発射済み位置との間で展開されうる。例えば、主に図81を参照して、ステープル20030は初期位置(ステープル20030e、20030f)、部分的に発射済み又は中間位置(ステープル20030c、20030d)又は発射済み位置(ステープル20030a、20030b)にありうる。ドライバ20040は初期位置と発射済み位置間でステープルを移動可能である。例えば、それぞれのステープル20030の基部20031を、ドライバ20040によって支持可能である。ステープルの脚20032(例えば、図80中のステープル20030e、20030f)を、ステープル空洞20012内に配置することができる。発射部材又はステープル発射スレッド20050が、ステープルカートリッジ20000の近位端20001から遠位端20002まで横断するに伴って、スレッド20050の傾斜した表面20051が、ドライバ20040上の傾斜した表面20042に接触し、接触したドライバ20040上に配置されるステープル20030を展開可能である。様々な実施形態において、ステープル20030は、初期位置と発射位置との間で展開することができ、これによって脚20032が組織厚さコンペンセータ20020の不織布材料20080を貫入して動き、組織厚さコンペンセータ20020の上側表面20021を貫入し、組織Tに入り込み、エンドエフェクタ12のステープルカートリッジ20000と対向して配置されたアンビル20060(図61)と接触する。ステープル脚20032は、アンビル20060に対して変形することができ、それぞれのステープル20030の脚20032は、不織布材料20080の一部分と、組織Tの一部とを捕捉しうる。
発射済み形態(図82及び83)において、各ステープル20030は、ステープル20030内に捕捉された組織T及び組織厚さコンペンセータ20020に対して圧縮力を加えることができる。主に図80及び81を参照して、それぞれのステープル20030の脚20032を、ステープル20030の基部20031に向かって下方に変形し、ステープル捕捉領域20039を形成しうる。ステープル捕捉領域20039は、組織Tと組織厚さコンペンセータ20020が、発射済みステープル20030によって捕捉可能である領域でありうる。種々の状況において、ステープル捕捉領域20039は、変形脚20032の内側表面と、ステープル20030の基部20031の内側表面間で画定されうる。ステープル20030に対する捕捉領域20039の大きさは、例えば、脚の長さ、脚の直径、基部の幅、及び/又は脚が変形する程度などの、様々な因子に依存しうる。
様々な実施形態において、不織布材料20080がステープル捕捉領域20039に捕捉されるとき、不織布材料20080の捕捉された部分は圧縮されうる。捕捉領域20039内に捕捉されたステープル不織布材料20080の圧縮高さは、同一のステープル捕捉領域20039内の組織Tによって、ステープルカートリッジ20000内で種々でありうる。例えば、組織Tがより薄ければ、ステープル捕捉領域20039は、不織布材料20080に対してもてる空間がより大きくなり、結果として、不織布材料20080が、組織Tがより厚い場合ほどには圧縮されなくてよい。組織Tがより厚い場合、例えば、より厚い組織Tをより収納するために、不織布材料20080を圧縮可能である。例えば、図82を参照して、不織布材料20080を、例えば、第1のステープル捕捉領域20039a内で第1の高さまで、第2のステープル捕捉領域20039b内で第2の高さまで、第3のステープル捕捉領域20039c内で第3の高さまで、第4のステープル捕捉領域20039d内で第4の高さまで、そして第5ステープル捕捉領域20039e内で第5の高さまで、圧縮可能である。同様に、図83にて図解するように、不織布材料20080を、第1のステープル捕捉領域20039a内で第1の高さまで、第2のステープル捕捉領域20039b内で第2の高さまで、第3のステープル捕捉領域20039c内で第3の高さまで、そして、第4のステープル捕捉領域20039d内で第4の高さまで、圧縮可能である。他の実施形態では、不織布材料20080の圧縮高さは、ステープルカートリッジ20010全体にわたって均一でありうる。
様々な実施形態において、加えられる力は、不織布材料20080を、初期未圧縮形態から圧縮形態へ動かすことができる。更に、不織布材料20080は、圧縮したときに、不織布材料20080が、跳ね返り又は復元力を発生可能なように、弾力的でありうる。変形したときに、不織布材料20080は、圧縮又は変形形態から回復しようと試みうる。不織布材料20080が回復を試みるに伴い、本明細書でより詳しく述べられるように、ステープル捕捉領域30039内にまた捕捉された組織上で、跳ね返り又は復元力が発揮されうる。適用された力が続いて取り除かれるときに、復元力が、不織布材料が、圧縮形態から回復することを引き起こしうる。様々な実施形態において、不織布材料20080が、初期の未圧縮形態まで回復可能であり、初期の未圧縮形態とほぼ同様の形態に回復しうる。様々な実施形態において、不織布材料20080の変形は弾性的なものでありうる。特定の実施形態では、不織布材料の変形は、部分的に弾性的かつ部分的に塑性的なものでありうる。
不織布材料20080の一部が、ステープル捕捉領域20039内で圧縮されるときに、不織布コンペンセータ20039のその部分内の捲縮繊維20086がまた、圧縮されるか、変形されうる。捲縮繊維20086が変形する量は、不織布材料20080の捕捉部分が圧縮される量に対応しうる。例えば、図63を参照して、不織布材料20080は、展開したステープル20030によって捕捉されうる。不織布材料20080が、展開したステープル20030によって更に圧縮される場合、捲縮繊維20086の平均変形はより大きい場合がある。更に、不織布材料20080が、展開したステープルによってより少なく圧縮される場合、捲縮繊維20086の平均変形はより小さい場合がある。同様に、図82及び83を参照して、不織布材料20080がより圧縮されるステープル捕捉領域20039dにおいて、そのステープル捕捉領域20039d内の捲縮繊維20086は、平均でより変形しうる。更に、不織布材料20080がより少なく圧縮されるステープル捕捉領域20039aにおいて、そのステープル捕捉領域20039a内の捲縮繊維20086は、平均でより少なく変形しうる。
不織布材料20080の、変形形態から回復する能力、すなわち、不織布材料20080の弾力性は、不織布材料20080中の捲縮繊維20086の弾力性の関数でありうる。様々な実施形態において、捲縮繊維20086は弾性的に変形しうる。いくつかの実施形態では、捲縮繊維20086の変形は、部分的に弾性的かつ部分的に塑性的なものでありうる。様々な実施形態において、それぞれの捲縮繊維20086の圧縮が、圧縮された捲縮繊維20086に跳ね返り又は復元力を発生させうる。例えば、圧縮捲縮繊維20086は、繊維20086がこれらの圧縮形態から回復を試みるに伴い、復元力を発生可能である。様々な実施形態において、繊維20086は、繊維の初期の未圧縮形態又はそれらとほぼ同様の形態に戻ろうとすることができる。いくつかの実施形態では、捲縮繊維20086は、初期形態に部分的に戻ろうとすることができる。様々な実施形態において、不織布材料20080中の捲縮繊維20086の一部のみが弾力的でありうる。捲縮繊維20086が直線弾力性材料から構成される場合、圧縮捲縮繊維20086の復元力は、例えば、捲縮繊維20086が圧縮する量と、捲縮繊維20086のばね定数の関数でありうる。捲縮繊維20086のばね定数は、例えば、捲縮繊維20086の方向、材料、形状及び/又は大きさに少なくとも依存しうる。
様々な実施形態において、不織布材料20080中の捲縮繊維20086は均一なばね定数を有しうる。他の実施形態では、不織布材料20080中の捲縮繊維20086のばね定数は異なりうる。大きなばね定数を有する捲縮繊維20086が大きく圧縮されたときに、捲縮繊維20086は大きな復元力を発生可能である。同一の大きなばね定数を有する捲縮繊維20086が少なく圧縮されたときに、捲縮繊維20086はより小さな復元力を発生可能である。不織布材料20080中圧縮された捲縮繊維20086によって発生した復元力の集合体が、組織厚さコンペンセータ20020の不織布材料20080の全体にわたって合計復元力を発生可能である。様々な実施形態において、不織布材料20080は、圧縮された不織布材料20080と共に発射済みステープル20030内に捕捉された組織Tに合計復元力を加えうる。
更に、不織布量20080の単位体積当たりの捲縮繊維20086の数は、不織布材料20080のばね定数に影響を与えうる。例えば、不織布材料20080中の弾力性は、例えば、不織布材料20080のユニット体積あたりの捲縮繊維20086の数が低い場合、低い場合があり、例えば、不織布材料20080のユニット体積あたりの捲縮繊維20086の数がより高い場合、不織布材料20080中の弾力性がより高い場合があり、例えば、不織布材料20080のユニット体積あたりの捲縮繊維20086の数がまたより高い場合、不織布材料20080中の弾力性がまたより高い場合がある。不織布材料20080のユニット体積あたりの捲縮繊維20086の数が低い場合などの、不織布材料20080の弾力性が低い場合、捕捉された組織T上での組織厚さコンペンセータ20020によって発揮される合計復元力もまた低い場合がある。不織布材料20080のユニット体積あたりの捲縮繊維20086の数がより高い場合などの、不織布材料20080の弾力性がより高い場合、捕捉された組織T上での組織厚さコンペンセータ20020によって発揮される合計復元力もまたより高い場合がある。
様々な実施形態において、図64を主に参照すると、組織厚さコンペンセータ20020’の不織布材料20080’は、例えば薬物及び/又は薬学的に活性な薬剤などの治療薬20088を含むことができる。様々な実施形態において、不織布材料20080’は、治療上の有効量の治療薬20088を放出することができる。例えば、治療薬20088は、不織布材料20080’が吸収されるのに伴って放出されうる。様々な実施形態において、治療薬20088は、例えば、不織布材料20080’上又は内部を通過して、液体(例えば、血液)中に放出されうる。治療剤20088の例には、例えばフィブリン、トロンビン及び/又は酸化再生セルロース(ORC)のような止血剤及び薬物、例えばジクロフェナク、アスピリン、ナプロキセン、スリンダック及びヒドロコルチゾンのような抗炎症剤、及び例えば、トリクロサン、イオン性銀、アンピシリン、ゲンタマイシン、ポリミキシンB、クロラムフェニコールのような抗生物質及び抗菌剤又は薬剤、及び例えば、シスプラチン、マイトマイシン、アドリアマイシンのような抗がん剤が挙げられうるが、これらの限定はされない。様々な実施形態において、治療薬20088は、例えば幹細胞などの生物製剤を含みうる。特定の実施形態では、不織布材料20080’の繊維20082が治療薬20088を含んでもよい。他の実施形態では、治療剤20088を不織布材料20080’に加えるか又は他の形態で組織厚さコンペンセータ20020'内に組み込むこともできる。
特定の実施形態では、主に図70〜70Bを参照すると、エンドエフェクタ12の組織厚さコンペンセータ20520(図61)は、複数のばね又はコイル状繊維20586を含みうる。本明細書で記載する捲縮繊維20086と同様に、コイル状繊維20586を例えば、組織厚さコンペンセータ20520内で、捲縮される、ねじれる、コイル状にされる、曲げられる、クリップルされる、らせん状にされる、湾曲される、及び/又はたわませることが可能である。いくつかの実施形態では、コイル状繊維20586は、マンドレル周囲に巻き付けて、コイル状又はほぼコイル状の形状を形成することができる。本明細書に述べられる実施形態と同様、コイル状繊維20586は、組織厚さコンペンセータ20520全体を通じてランダムに配向させるか、かつ/又はランダムに分配することができる。他の実施形態では、コイル状繊維20586を、組織厚さコンペンセータ20520の全体を通じて組織的に配列するか、かつ/又は均一に分配することができる。例えば、図70を参照して、コイル状繊維20586には、コイル状繊維20586の第1の端部20587と第2の端部20589との間に長手方向軸が含まれうる。組織厚さコンペンセータ20520中のコイル状繊維20520の長手方向軸は平行でありうるか、又はほぼ平行でありうる。いくつかの実施形態では、各コイル状繊維20520の第1の端部20587は、組織厚さコンペンセータ20520の第1の長手方向側面20523に沿って配置され、各コイル繊維20586の第2の端部20589は、組織厚さコンペンセータ20520の第2の長手方向側面20524に沿って配置されうる。そのような構成において、コイル状繊維20586は、組織厚さコンペンセータを横方向に横断することができる。他の実施形態では、コイル状繊維20586は、組織厚さコンペンセータ20520を長手方向又は対角線方向に横断することができる。
様々な実施形態において、本明細書に述べられる捲縮繊維20086と同様、コイル状繊維20586はポリマー組成物で構成することができる。捲縮繊維20586は、捲縮繊維20586の変形が、復元力を発生するように、少なくとも部分的に弾力的でありうる。特定の実施形態では、コイル状繊維20586のポリマー組成物は、例えば、ポリカプロラクトン(PCL)を含んでよく、これによりコイル状繊維20586はクロロフィル溶媒に不溶性となる。図70Aを参照して、ばね又はコイル状繊維20520は、補償材料20580内に保持されうる。様々な実施形態において、補償材料20580は、コイル状繊維20586が補償材料20580上又はその内部にばね荷重を作用するようにコイル状繊維20586を荷重位置に保持することができる。特定の実施形態では、補償材料20580は、コイル状繊維20586が補償材料20580上又はその内部にばね荷重を作用させない自然位置にコイル状繊維20586を保持することができる。補償材料20580は生体吸収性であってよく、特定の実施形態では、例えばポリグリコール酸(PGA)発泡材などの発泡材を含みうる。更に、補償材料20580は、例えばクロロフィル溶媒中に可溶性であってもよい。特定の実施形態では、組織厚さコンペンセータは、ポリカプロラクトン(PCL)を含むコイル状繊維20586と、ポリグリコール酸(PGA)発泡材を含む補償材料20580とを含んでよく、これによって、コイル状繊維20520はクロロフィル溶媒に溶けないが、補償材料20580はクロロフィル溶媒に可溶性となりうる。様々な実施形態において、補償材料20580を少なくとも部分的に弾力的なものとすることにより、補償材料20580の圧縮により復元力が発生する。更に、本明細書に述べられる実施形態と同様、図70Bを参照すると、組織厚さコンペンセータ20520の補償材料20580は、例えば幹細胞などの治療薬20588を含むことができる。補償材料20580は、補償材料20580が吸収されるに伴い、治療的に効果的な量の治療薬20588を放出しうる。
本明細書で記載し組織厚さコンペンセータ20020と同様に、組織厚さコンペンセータ20520は圧縮性でありうる。例えば、ステープル20030(図78〜81)が初期位置から発射済み位置に展開されると、ステープル20030は、組織厚さコンペンセータ20520の一部と係合することができる。様々な実施形態において、ステープル20030は組織厚さコンペンセータ20520の一部及び隣接する組織Tを捕捉可能である。ステープル20030は、組織厚さコンペンセータ20520が非圧縮高さから圧縮高さまで圧縮されるように、組織厚さコンペンセータ20520の捕捉された部分及び組織Tに圧縮力を加えることができる。本明細書に述べられる実施形態と同様、組織厚さコンペンセータ20520の圧縮によって、その内部のコイル状繊維20586の対応した変形が生じる。本明細書でより詳しく述べられるように、それぞれのコイル状繊維20586の変形が、コイル状繊維の弾力性、例えば、コイル状繊維20586が変形する量及び/又はコイル状繊維20586のばね定数に依存しうる復元力を発生しうる。コイル状繊維20586のばね定数は、少なくとも、例えばコイル状繊維20586の方向、材料、形状及び/又は大きさに依存しうる。組織厚さコンペンセータ20520内のコイルされた繊維20586の変形が、組織厚さコンペンセータ20520全体にわたる復元力を発生可能である。本明細書に述べられる実施形態と同様、組織厚さコンペンセータ20520は、変形されたコイル繊維20586及び/又は弾性補償材料20586によって生じた集合復元力を、発射済みステープル20030内に捕捉された組織Tに加えることができる。
特定の実施形態では、主に図71及び72を参照すると、エンドエフェクタ12用の組織厚さコンペンセータ20620は、複数のばねコイル20686を含むことができる。本明細書で記載する、捲縮繊維20086とコイル状繊維20586と同様、ばねコイル20686は、例えば、組織厚さコンペンセータ20620内に捲縮される、ねじれる、コイル状にされる、曲げられる、クリップルされる、らせん状にされる、湾曲される、及び/又はたわませることが可能である。様々な実施形態において、本明細書に述べられる繊維及びコイルと、ばねコイル20686はポリマー組成物で構成することができる。更に、ばねコイル20686は、ばねコイル20686の変形が復元力を発生するように、少なくとも部分的に弾力的でありうる。ばねコイル20686には、第1の端部20687、第2の端部20689及びその間の長手方向軸が含まれうる。図71を参照して、ばねコイル20686が、例えば組織厚さコンペンセータ20620を長手方向に横断するように、ばねコイル20686の第1の端部20686を、組織厚さコンペンセータの近位端20626に、又は近くに位置付け可能であり、同一のばねコイル20686の第2の端部20689を、組織厚さコンペンセータ20620の遠位端20625に、又は近くに配置することができる。他の実施形態では、コイル状繊維20686は、組織厚さコンペンセータ20620を横手方向又は対角線方向に横断することができる。
組織厚さコンペンセータ20620は、少なくとも1つのばねコイル20686を少なくとも部分的に囲む外側フィルム20680を含みうる。様々な実施形態において、図71を参照すると、外側フィルム20680は、組織厚さコンペンセータ20620内の複数のばねコイル20686の外周に延びうる。他の実施形態では、外側フィルム20680は、組織厚さコンペンセータ20620内のばねコイル20686又は少なくとも1つのばねコイル20686を完全に封入することができる。外側フィルム20680は、エンドエフェクタ12中にばねコイル20686を保持可能である。様々な実施形態において、外側フィルム20680は、ばねコイル20686がばね荷重を発生させ、外側フィルム20680上に跳ね返り力を加えるようにばねコイル20686を荷重位置に保持することができる。他の実施形態では、外側フィルム20680は、ばねコイル20686を自然位置に保持することができる。組織厚さコンペンセータ20620はまた、充填材料20624を含みうる。特定の実施形態では、充填材料20624は、外側フィルム20680によって、ばねコイル20686内及び/又は周辺に保持されうる。いくつかの実施形態では、充填材料20624は、本明細書に記載される治療薬と同様の治療薬20688を含むことができる。更に、充填材料20624は、組織厚さコンペンセータ20620内でばねコイル20686を支持可能である。充填材料20624は、本明細書で更に詳細に記載するように、充填材料20624が、組織厚さコンペンセータ20620によって発生する跳ね返り又は復元力に寄与するように、圧縮性であり、少なくとも部分的に弾力的である。
本明細書で記載した組織厚さコンペンセータと同様に、組織厚さコンペンセータ20620は圧縮性でありうる。ステープル20030(図78〜81)が初期位置から発射済み位置へと展開される際、様々な実施形態において、ステープル20030は組織厚さコンペンセータ20620の一部と係合しうる。様々な実施形態において、各ステープル20030は、隣接する組織Tとともに組織厚さコンペンセータ20620の一部分を捕捉可能である。組織厚さコンペンセータ20620が非圧縮高さと圧縮高さの間に圧縮されるように、ステープル20030は、組織厚さコンペンセータ20620の捕捉された部分及び捕捉された組織に圧縮力を加えることができる。本明細書に述べられる実施形態と同様、組織厚さコンペンセータ20620の圧縮によって、その内部のばねコイル20686の対応した変形が生じる(図72)。本明細書でより詳しく述べられるように、それぞれのばねコイル20686の変形が、例えばばねコイル20686の弾力性、ばねコイル20686が変形する量、及び/又はばねコイル20686のばね定数に依存する復元力を産出可能である。ばねコイル20686のばね定数は、少なくとも、例えば、ばねコイル20686の材料、形状及び/又は寸法に依存しうる。更に、充填材料20624と外側フィルム20680の弾力性により、充填材料20624及び/又は外側フィルム20680の圧縮がまた復元力を発生させる。少なくとも、組織厚さコンペンセータ20620中の変形したばねコイル20686、充填材料20624及び/又は外側フィルム20680によって発生した復元力の集合が、組織厚さコンペンセータ20620のいたるところで復元力を発生させうる。本明細書に述べられる実施形態と同様、組織厚さコンペンセータ20620は、ばねコイル20686により発生させられた集合復元力を発射済みステープル20030内の捕捉された組織Tに作用させることができる。
様々な実施形態において、主に図73〜75を参照すると、エンドエフェクタ12用の組織厚さコンペンセータ20720は、複数のばねコイル20786を含むことができる。本明細書で記載したコイル状繊維及びばねと同様に、ばねコイル20786を例えば、組織厚さコンペンセータ20720内で、捲縮される、ねじれる、コイル状にされる、曲げられる、クリップルされる、らせん状にされる、湾曲される、及び/又はたわまされることが可能である。ばねコイル20786は、ばねコイル20786の変形が復元力を発生させるように、少なくとも部分的に弾力性でありうる。更に、ばねコイル20786は、第1の端部20787、第2の端部20789、及びその間の長手方向軸を含みうる。主に図75を参照して、ばねコイル20786が組織厚さコンペンセータ20720を長手方向に横断するように、ばねコイル20786の第1の端部20787を、組織厚さコンペンセータ20720の近位端20726にて、又は近くに位置付け可能であり、ばねコイル20786の第2の端部20789を、組織厚さコンペンセータ20720の遠位端20725にて、又は近くに配置することができる。特定の実施形態では、ばねコイル20786は、組織厚さコンペンセータ20720内で2本の平行な列として長手方向に延在しうる。組織厚さコンペンセータ20720は、スレッド20050(図61)又は切断要素20052がスロット20015に沿ってばねコイル20786の平行な列の間で直進運動できるように、エンドエフェクタ12内に配置することができる。他の実施形態では、本明細書に述べられる様々な実施形態と同様、ばねコイル20786は横手方向又は対角線方向に組織厚さコンペンセータ20720を横断することができる。
図75を再び参照して、ばねコイル20786は、補償材料20780内に保持又埋め込むことが可能である。補償材料20780は生体吸収性であってよく、特定の実施形態では、例えばポリグリコール酸(PGA)発泡材などの発泡材を含みうる。様々な実施形態において、補償材料20780は弾力性であってもよく、これによって補償材料20780の変形が跳ね返り力を生じうる。補償材料20780は、例えばクロロフィル溶媒中で可溶性でありうる。特定の実施形態では、例えば、組織厚さコンペンセータは、ポリカプロラクトン(PCL)を含むばねコイル20786と、ポリグリコール酸(PGA)発泡材を含む補償材料20780とを含んでよく、これによって、ばねコイル20786はクロロフィル溶媒に溶けないが、補償材料20780はクロロフィル溶媒に可溶性となりうる。補償材料20780は、補償材料20780の変形がばね荷重又は復元力を発生させるように、少なくとも部分的に弾力的でありうる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ20720は、ばねコイル20786の平行な列の間に延びうる編み上げ糸20790を有することができる。例えば、図75を参照すると、第1の編み上げ糸20790は、ばねコイル20786の2つの平行列を対角線方向に横断することができ、第2の編み上げ糸20790もばねコイル20786の2つの平行列を対角線方向に横断することができる。いくつかの実施形態では、第1の編み上げ糸20790と第2の編み上げ糸20790とは交差することができる。様々な実施形態において、編み上げ糸20790は、組織厚さコンペンセータ20720の長さに沿って複数回、交差することができる。編み上げ糸20790は、組織厚さコンペンセータ20720内のほぼ平坦な位置にばねコイル20786が保持されるように、荷重形態にばねコイル20786を保持可能である。特定の実施形態では、組織厚さコンペンセータ20720を横断する編み上げ糸20790は、ばねコイル20786に直接取り付け可能である。他の実施形態では、編み上げ糸20790は、その長手方向軸に沿って各ばねコイル20786を通って延びる支持体20792を介してばねコイル20786に連結可能である。
本明細書に詳述されるように、様々な実施形態において、ステープルカートリッジ20000は、切断要素20052(図61)を有する直進スレッド20050を受容するように構成されたスロット20015を有することができる。スレッド20050がスロット20015に沿って直進運動する際、スレッド20050は、ステープルカートリッジ20000内の締結具キャビティ20012からステープル20030を射出することができ、切断要素20052はこれと同時か又はほぼ同時に組織Tを切断することができる。様々な実施形態において、再び図75を参照すると、切断要素20052が直進運動する際、切断要素20052は、組織厚さコンペンセータ20720内のばねコイル20786の平行な列の間で交差する編み上げ糸20790も切断することができる。編み上げ糸20790が切断されると、各ばねコイル20786がその荷重形態から解放されることにより、各ばねコイル20786は組織厚さコンペンセータ20720内の荷重がかかったほぼ平坦な位置から、拡張された位置にまで復帰することができる。様々な実施形態において、ばねコイル20786が拡張されるとき、ばねコイル20786を囲む補償材料20780もまた拡張可能である。
様々な実施形態において、ステープル20030(図78〜81)が初期位置から発射済み位置まで展開されるのに従って、ステープル20030が、組織厚さコンペンセータ20720の一部分と係合でき、組織厚さコンペンセータ20720がステープル20030内で拡張するか、又は拡張しようとすることが可能であり、組織Tに圧縮力を作用させることができる。様々な実施形態において、少なくとも1つのステープル20030が、隣接する組織Tとともに組織厚さコンペンセータ20720の一部を捕捉することができる。ステープル20030が組織厚さコンペンセータ20720の捕捉された部分及び捕捉された組織Tに圧縮力を加えることにより、組織厚さコンペンセータ20720は非圧縮高さと圧縮高さとの間で圧縮される。本明細書に述べられる実施形態と同様、組織厚さコンペンセータ20720の圧縮によって、ばねコイル20786及びその内部に保持された補償材料20780の対応した変形が生じる。本明細書でより詳しく述べられるように、それぞれのばねコイル20786の変形は、ばねコイルの弾力性、例えばばねコイル20786が変形する量、及び/又はばねコイル20786のばね定数に依存しうる復元力を発生させうる。ばねコイル20786のばね定数は、少なくとも、例えば、ばねコイル20786の方向、材料、形状及び/又は大きさに依存しうる。少なくとも、組織厚さコンペンセータ20720中の変形したばねコイル20786及び/又は補償材料30380によって発生した復元力の集合が、組織厚さコンペンセータ20720のいたるところで復元力を発生させうる。本明細書に述べられる実施形態と同様、組織厚さコンペンセータ20720は、組織厚さコンペンセータ20720内の変形されたばねコイル20786によって発生させられる集合復元力を、捕捉された組織T及び発射済みステープル20030に加えることができる。
様々な実施形態において、主に図76及び77を参照すると、外科用エンドエフェクタ12用の組織厚さコンペンセータ20820は、ばねコイル20886を含むことができる。本明細書で記載する繊維及びコイルと同様に、ばねコイル20886は、例えば、組織厚さコンペンセータ20820内で、捲縮される、ねじれる、コイル状にされる、曲げられる、クリップルされる、らせん状にされる、湾曲される、及び/又はたわまされることが可能である。ばねコイル20886の変形が跳ね返り力を発生させるように、ばねコイル20886には、ポリマー組成物が含まれ、少なくとも部分的に弾力性でありうる。更に、ばねコイル20886には、第1の端部20887と第2の端部20889が含まれうる。図76を参照して、第1の端部20887を組織厚さコンペンセータ20820の近位端20826にて、又は近くに配置することか可能であり、第2の端部20889を、組織厚さコンペンセータ20820の遠位端20825にて、又は近くに配置することか可能である。ばねコイル20886は、組織厚さコンペンセータ20820の近位端20825から遠位端20826へ、巻き上がるか、曲がりくねることが可能である。
図76を再び参照して、ばねコイル20886は、補償材料20880内に保持又埋め込むことが可能である。補償材料20880は生体吸収性であってよく、特定の実施形態では、例えばポリグリコール酸(PGA)発泡材などの発泡材を含みうる。補償材料20880は、例えばクロロフィル溶媒中で可溶性でありうる。特定の実施形態では、組織厚さコンペンセータは、ポリカプロラクトン(PCL)を含むばねコイル20886と、ポリグリコール酸(PGA)発泡材を含む補償材料20880とを含んでよく、これによって、ばねコイル20886はクロロフィル溶媒に溶けないが、補償材料20880はクロロフィル溶媒に可溶性となりうる。補償材料20880は、補償材料20880の変形がばね荷重又は復元力を発生させるように、少なくとも部分的に弾力的でありうる。
本明細書で記載した組織厚さコンペンセータと同様に、例えば、組織厚さコンペンセータ20820は圧縮性でありうる。組織厚さコンペンセータ20820の圧縮が、結果として、組織厚さコンペンセータ20820の補償材料20880中に保持さたれた、又は埋め込まれたばねコイル20886の少なくとも一部の変形となりうる。本明細書にて更に詳細に記載するように、ばねコイル20886の変形が、ばねコイル20886の弾力性、例えば、ばねコイル20886が変形する量、及び/又はばねコイル20886のばね定数に依存しうる復元力を発生させうる。少なくとも、変形したばねコイル20886及び/又は変形した補償材料20880によって発生した復元力の集合が、組織厚さコンペンセータ20820のいたるところで復元力を発生させうる。組織厚さコンペンセータ20820は、発射済みステープル20030中捕捉された組織T上に集合復元力を発揮しうる。
ここで図84を参照して、外科用エンドエフェクタ12は、少なくとも1つの管状要素30080を有する組織厚さコンペンセータ30020を含みうる。組織厚さコンペンセータ30020は、外科用エンドエフェクタ12内に保持可能である。本明細書でより詳しく述べられるように、エンドエフェクタ12内の締結具は、締結具が発射位置に移動し、組織厚さコンペンセータ30020中の管状要素30080の少なくとも一部を変形させるように、展開可能である。読者は、本明細書で記載するような少なくとも1つの管状要素を含む組織厚さコンペンセータを、様々な外科用エンドエフェクタ内にインストールするか、又は係合することが可能であること、及びそのような実施形態が本開示の範囲内であること、を理解するであろう。
様々な実施形態において、図84を引き続き参照すると、組織厚さコンペンセータ30020は、エンドエフェクタ12のアンビル30060に対して配置することができる。他の実施形態では、組織厚さコンペンセータ30020は、エンドエフェクタ12の締結具カートリッジアセンブリ(例えば、ステープルカートリッジ30000)に対して配置することができる。様々な実施形態において、ステープルカートリッジ30000は、エンドエフェクタ12のジョー30070のカートリッジチャネル30072内に収まるように構成することができる。例えば、組織厚さコンペンセータ30020は、ステープルカートリッジ30000に取り外し可能に固定可能である。少なくとも1つの実施形態において、組織厚さコンペンセータ30020の管状要素30080を、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分30010の上部デッキ表面30011に隣接して配置することができる。様々な実施形態において、管状要素30080は、接着剤又はラップ(本明細書に記述されるラップの少なくとも1つと同様のラップ)(例えば図16)によって、上部デッキ表面30011に固定することができる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ30020は、ステープルカートリッジ30000を含むアセンブリと一体化することができ、これにより、ステープルカートリッジ30000と組織厚さコンペンセータ30020とは一体の構造として形成されうる。例えば、ステープルカートリッジ30000は、剛性支持部分30010のような第1の本体部分と、組織厚さコンペンセータ30020のような第2の本体部分を含みうる。
図84〜86を参照して、組織厚さコンペンセータ30020内の管状要素30080は、少なくとも部分的にそこを通して延在する、少なくとも1つの管腔30084を有する細長い部分30082を含みうる。主に図86を参照して、管状要素30080の細長い部分30082は、本明細書でより詳細に記載されるような、織られた又は編まれたストランド30090を含みうる。他の実施形態では、細長い部分30082は、織りストランド30090ではなく、例えば、ポリマー押出成形体などの中実構造を有しうる。管状要素30080の細長い部分30082は、所定の厚さを有しうる。様々な実施形態において、細長部分30082の厚さは、全長及びその直径周辺で実質的に均一であり得、他の実施形態では、厚さは様々でありうる。細長い部分30082は、その細長い部分30082の長さが、例えば細長い部分30082の直径より大きいように、延在されうる。様々な実施形態において、細長い部分は、例えば、約30.5mm(1.20インチ)〜約66.0mm(2.60インチ)の長さ、及び約2.5mm(0.10インチ)〜約3.8mm(0.15インチ)の直径を有しうる。特定の実施形態では、管状要素20080の長さは、例えば約35.6mm(1.40インチ))であってよく、管状要素20080の直径は、例えば約3.18mm(0.125インチ)であってよい。更に、細長い部分30082は、例えば、実質的に円形、又は長円形断面形状を画定しうる。他の実施形態では、断面形状は、例えば、三角形、六角形、及び/又は八角形の多角形形状を有しうる。図84を参照すると、管状要素30080は、第1の遠位端30083及び第2の近位端30085を有しうる。様々な実施形態において、細長い部分30082の断面形状は、第1及び/又は第2の端部30083、30085において狭くなってよく、管状要素30080の少なくとも一方の端部30083、30085は閉鎖及び/又は封止されうる。他の実施形態では、管腔30084が管状要素30080の遠位端30083、30085を貫通して連続してもよく、これによれば端部30083、30085は解放する。
様々な実施形態において、管状要素30080は、細長い部分30084を少なくとも部分的に通って延びる単一の中心管腔30084を有しうる。特定の実施形態では、管腔30084は、細長い部分30084の全長にわたって延びてよい。更なる他の実施形態では、管状要素30080には複数の管腔30084が貫通して延びてもよい。管状要素30080を貫通して延びる管腔30084は円形、半円形、くさび形及び/又はこれらの組み合わせでありうる。様々な実施形態において、管状要素30080は更に、管腔30084内に、例えば変形された「T」字形状又は「X」字形状を形成しうる支持ウェブを含んでもよい。様々な実施形態において、管状要素30080の断面形状は、管状要素30080内の寸法、管腔及び/又は支持ウェブによって画定されうる。管状要素30080の断面形状は、全長にわたって一定であってもよく、又は他の実施形態では、管状要素30080の断面形状は、その長さに沿って異なってもよい。本明細書により詳しく述べられるように、管状要素30080の断面形状は、管状要素30080の圧縮性及び弾力性に影響しうる。
チューブ状要素30080には、垂直直径と水平直径が含まれ得、その寸法は、エンドエフェクタ12内のチューブ状要素30080の構成、エンドエフェクタ12の組織空隙を含む、エンドエフェクタ12の寸法、及びステープル捕捉領域30039の予想される形状に依存して選択可能である。例えば、管状要素30080の垂直直径は、成形後のステープルの予想される高さと関連しうる。そのような実施形態では、管状要素30080の垂直直径は、管状要素30080が成形後のステープル30030内に捕捉される際に、垂直直径が約5%〜約20%減少するように選択することができる。例えば、約2.54mm(0.100インチ)の垂直直径を有する管状要素30080を、約2.0mm(0.080インチ)〜約2.4mm(0.095インチ)の予想される成形後の高さを有するステープルに使用することができる。その結果、管状要素30080の垂直直径は、成形後のステープル30030内に捕捉される際、組織Tがその中に捕捉されていなくても、約5%〜約20%減少しうる。組織Tが成形後のステープル30030内に捕捉される場合には、管状要素30080の圧縮率は更に大きくなりうる。特定の実施形態では、垂直直径は、管状要素30080の全長にわたって均一であってもよく、他の実施形態では、垂直直径はその長さに沿って異なってもよい。
特定の実施形態では、管状要素30080の水平直径は、管状要素30080が変形されていないか又は回復した形態にある場合に、管状要素30080の垂直直径よりも大きいか、等しいか、又は小さくなりうる。例えば、図85を参照すると、例えば、水平直径は、垂直直径よりも約3倍大きくてよい。特定の実施形態では、例えば、水平直径は、約10.2mm(0.400インチ)であってよく、垂直直径は、約3.18mm(0.125インチ)であってよい。他の実施形態では、次に図87を参照すると、管状要素31080の水平直径は、管状要素31080が変形されていないか又は回復した形態にある場合、管状要素31080の垂直直径に等しいか、又はほぼ等しくなりうる。特定の実施形態では、例えば、水平直径は、約3.18mm(0.125インチ)であってよく、垂直直径は、約3.18mm(0.125インチ)であってよい。様々な実施形態において、管状要素30080は、約3.18mm(0.125インチ)の垂直直径、約10.2mm(0.400インチ)の水平直径、及び約35.56mm(1.400インチ)の長さを有しうる。本明細書でより詳しく述べられるように、力Aが管状要素30080及び/又は31080に加えられると、管状要素は、水平及び垂直直径を含む断面形状が変化するように変形することができる。
再び図84〜86を参照すると、組織厚さコンペンセータ30020内の管状要素30080は変形可能でありうる。様々な実施形態において、管状要素30080全体が変形可能であってもよい。例えば、管状要素30080は、細長い部分30082の近位端30083から遠位端30085にかけて、またその全周に沿って変形可能でありうる。他の実施形態では、管状要素30080の一部分のみが変形可能であってもよい。例えば、様々な実施形態において、細長い部分30082の長さの中間においてのみ、及び/又は管状要素30080の外周の一部のみが変形可能であってもよい。
圧縮力が、管状要素30080の細長い部分30082上の接触点に適用されるとき、接触点がシフトし、管状要素30080の横断面寸法を変えることが可能である。例えば、再び図85を参照して、管状要素30080には、細長い部分30082上に上頂点30086と底頂点30088を含みうる。初期の、未変形形態において、管状要素30080には、上頂点30086と底頂点30088間の未変化垂直直径を含む、未変形横断面寸法が含まれうる。圧縮力Aが上頂点30086に適用されるとき、管状要素30080が変形形態に移動可能である。変形形態において、管状要素30080の横断面寸法は変更されうる。例えば、管状要素30086には、未変化垂直直径よりも小さくてよい、上頂点30086と底頂点30088間の変形した垂直直径が含まれる。特定の実施形態では、図87を参照すると、変形した管状要素30080の水平直径は、例えば管状要素30080が未変形形態から変形形態に動くと長くなりうる。変形後の管状要素30080の変形後の断面直径は、少なくとも、加えられる力Aの位置、角度方向及び/又は大きさによって決まりうる。本明細書でより詳しく述べられるように、管状要素30080の変形により、管状要素30080の弾性に依存しうる跳ね返り力又は復元力が発生しうる。
また図85を参照して、管状要素30080は、圧縮したときに、跳ね返り又は復元力を発生可能である。このような実施形態では、本明細書に述べられるように、管状要素30080は、管状要素30080の細長い部分30082上の接触点に力Aが加えられると、初期の未変形形態から変形形態へと動きうる。適用された力Aが取り除かれたときに、変形管状要素30080は、変形形態より回復可能である。変形した管状要素30080は、初期の未変形形態に回復してよいか、又は初期の未変形形態に実質的に同様な構成に回復してよい。管状要素30080の、変形形態から回復する能力は、管状要素30080の弾力性に関係する。
再び図85を参照して、管状要素30080は、跳ね返り又は復元力を発揮しうる。本明細書でより詳しく述べられるように、復元力は、例えば、ステープル30030によって力Aが管状要素30080に加えられる際に管状要素30080によって生じうる(図88及び89)。適用された力Aは、管状要素30080の横断面寸法を変更可能である。更に、直線弾力性材料において、管状要素30080のそれぞれの変形した部分の復元力は、管状要素30080の変形した寸法と、管状要素30080のその部分のばね定数の関数でありうる。管状要素30080のばね定数は、少なくとも、例えば管状要素30080の方向、材料、横断面形状及び/又は寸法に依存しうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ30020の管状要素30080は、均一なばね定数を有することができる。他の実施形態では、ばね定数は、管状要素30080の長さに沿って、及び/又は直径の周囲に沿って変化しうる。第1のばね定数を有する管状要素30080の一部が大きく圧縮されるとき、管状要素オ30080は大きな復元力を発生可能である。同一の第1のばね定数を有する管状要素30080の一部がほとんど圧縮されないとき、管状要素30080が、より小さな復元力を発生する場合がある。
図84を参照して、組織厚さコンペンセータ30020内の管状要素30080がポリマー組成物を含みうる。いくつかの実施形態では、管状要素30080の細長い部分30082はポリマー組成物で構成することができる。更に、様々な実施形態において、ポリマー組成物は少なくとも部分的に弾性材料を含んでよく、これによって管状要素30080の変形が復元力を発生することができる。ポリマー組成物には、例えば、非吸収性ポリマー、吸収性ポリマー、又はその組み合わせが含まれうる。合成ポリマーの例には、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジオキサノン(PDO)及びこれらのコポリマーが含まれる。特定の実施形態では、吸収性ポリマーには、例えば生体吸収性、生体適合性エラストマーポリマーが含まれうる。更に、管状要素30080のポリマー組成物には、例えば、合成ポリマー、非合成ポリマー又はこれらの組み合わせが含まれうる。様々な実施形態において、本明細書に述べられる組織厚さコンペンセータのポリマー組成物と同様、管状要素30080のポリマー組成物には、例えば、吸収性ポリマー、非吸収性ポリマー、合成ポリマー、及び/又は非合成ポリマーが、異なる重量比率の量で含まれうる。
図84及び85を参照して、管状要素30080には、薬学的に活性な薬剤又は薬物などの、治療薬30098が含まれうる。様々な実施形態において、治療薬30098は、管状要素30080の管腔30084内に保持されうる。細長い部分30082は、治療薬30098を封入するか、又は部分的に封入可能である。更に、又はあるいは、細長い部分30082のポリマー組成物に、治療薬30098が含まれうる。管状要素30080は、治療的に効果的な量の治療薬30098を放出可能である。様々な実施形態において、治療薬30098は、管状要素30080が吸収されるのにしたがって放出されうる。例えば、治療薬30098は、管状要素30080の上を、又はそれを通って通過している(血液などの)液体内に放出されうる。更なる他の実施形態では、治療薬30098は、例えば、ステープル30030(図88及び89)が管状要素30080に貫通するか、かつ/又はステープル発射スレッド30050上の切断要素30052(図84)が管状要素30080の一部分を切断する際に放出されうる。治療薬30098の例としては、例えばフィブリン、トロンビン及び酸化再生セルロース(ORC)などの止血剤及び薬物、例えばジクロフェナク、アスピリン、ナプロキセン、スリンダク及び/又はヒドロコルチゾンなどの抗炎症剤、及び例えば、トリクロサン、イオン性銀、アンピシリン、ゲンタマイシン、ポリミキシンB、及び/又はクロラムフェニコールなどの抗生物質及び抗菌剤又は薬剤、及び例えば、シスプラチン、マイトマイシン、アドリアマイシンなどの抗がん剤、及び/又は例えば幹細胞などの生物製剤が挙げられるが、これらに限定されない。
様々な実施形態において、再び図84、88及び89を参照すると、ステープル30030などの締結具は、例えば、ステープルカートリッジ30000から展開され、これによりステープル30030は組織厚さコンペンセータ30020と係合し、その中の管状要素32080に対して力Aを加えることができる。本明細書に述べられるように、力Aの管状要素30080への適用が、管状要素30080の変形を引き起こしうる。本明細書で記載したエンドエフェクタ12と同様に、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分30010には、カートリッジ本体30017、デッキ表面30011及びその中の複数のステープル空洞30012が含まれうる。各ステープル空洞30012は、デッキ表面30011に開口部を画定することができ、ステープル30030をステープル空洞30012内に取り出し可能に配置することができる(図104)。少なくとも1つの実施形態において、主に図88及び89を参照すると、各ステープル30030は、基部30031と、基部30031から延出する2本のステープル脚30032を有しうる。ステープル30030が展開される前には、各ステープル30030の基部30031は、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分30010内に配置されたステープルドライバ30040(図104)によって支持されうる。やはりステープル30030が展開される前、各ステープル30030の脚30032は、ステープル空洞30012内に少なくとも部分的に収容されうる(図104)。
様々な実施形態において、本明細書により詳しく述べられるように、ステープル30030は初期位置と発射済み位置の間で展開することができる。例えば、ステープル発射スレッド30050は、ドライバ30040(図104)と係合し、初期位置と発射位置との間で少なくとも1つのステープル30030を動かすことができる。様々な実施形態において、主に図88を参照すると、ステープル30030を発射位置に移動させることが可能であり、ここでステープル30030の脚30032が、組織厚さコンペンセータ32020の管状要素32080を係合し、組織Tを貫入し、外科用エンドエフェクタ12内でステープルカートリッジ30000と対向して配置されたアンビル30060(図104)と接触する。アンビル30060のステープル成形ポケット30062は、発射済みステープル30030が、ステープル捕捉領域30039内に管状要素32080の一部及び組織Tの一部分を捕捉するように、ステープル脚30032を曲げることができる。本明細書でより詳しく述べられるように、ステープル30030が初期位置と発射位置との間で動く際、少なくとも1つのステープル脚30032が組織厚さコンペンセータ32020の管状要素32080を貫通しうる。他の実施形態では、ステープル脚30032が管状要素32080に穿孔することを防止するように、ステープル脚30032は管状要素32080の周囲に沿って動くことができる。本明細書で記載した締結具と同様に、それぞれのステープル30030の脚30032が、ステープル30030の基部30031に向かって下方に変形し、その間にステープル捕捉領域30039を形成可能である。ステープル捕捉領域30039は、組織Tと、組織厚さコンペンセータ32020の一部分が、発射済みステープル30030によって捕捉可能である領域でありうる。発射位置において、それぞれのステープル30030は、圧縮力を組織Tに、そしてステープル30030のステープル捕捉領域30039内に捕捉された組織厚さコンペンセータ32020に適用可能である。
様々な実施形態において、引き続き図88を参照すると、本明細書に述べられるように、管状要素32080がステープル捕捉領域30039内に捕捉される際、管状要素32080の捕捉された部分が変形されうる。更に、管状要素32080が、例えば、同一のステープル捕捉領域30039内に捕捉された組織Tの厚さ、圧縮性及び/又は密度に依存して、異なるステープル捕捉領域30039において、異なる変形形態に変形しうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ32080の管状要素32080は、連続したステープル捕捉領域30039を通って長手方向に延在することができる。そのような構成において、管状要素32080は、発射済みステープル30030の列に沿って、それぞれのステープル捕捉領域30039中、異なる変形形態に変形しうる。ここで図89を参照して、組織厚さコンペンセータ33020中の管状要素33080を、発射済みステープル30030の列に沿って、ステープル捕捉領域30039内に横方向に配置可能である。様々な実施形態において、管状要素33080は可撓性シェル33210によって保持されうる。そのような構成において、管状要素33080と可撓性シェル33210が、それぞれのステープル捕捉領域30039内で、異なる変形形態に変形しうる。例えば、組織Tがより薄い場合には、管状要素33080はより小さく圧縮され、組織Tがより厚い場合には、管状要素33080は、より厚い組織Tを収容するためにより大きく圧縮されうる。他の実施形態では、管状要素33080の変形後の寸法は、組織厚さコンペンセータ33020の長さ及び/又は幅の全体にわたって均一でありうる。
図90〜92を参照すると、様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ34020内の管状要素34080は、複数のストランド34090を含むことができる。主に図90を参照すると、特定の実施形態では、ストランド34090は、管状格子34092として織られるか又は編組されて、管状要素34080を形成することができる。ストランド34090によって形成された管状格子34092は、ほぼ中空でありうる。管状要素34080のストランド34090は中実のストランド、管状ストランド及び/又は他の好適な形状でありうる。例えば、図91を参照すると、管状格子34092の単一ストランド34090は管状でありうる。様々な実施形態において、図93を参照すると、ストランド34090は、内部を貫通して延びる少なくとも1つの管腔34094を有することができる。管腔34094の数、形状及び/又は寸法(複数可)が、ストランド34090の横断面形状を決定可能である。例えば、ストランド34090は、円形管腔(複数可)、半円形管腔(複数可)、くさび形管腔(複数可)、及び/又はこれらの組み合わせを含みうる。様々な実施形態において、ストランド34090はまた、例えば、変形した「T」又は「X」字形状を形成可能な、支持ウェブ34096を含んでもよい。少なくとも、ストランド34090の直径、それを通って延在する管腔(複数可)、及び支持ウェブ(複数可)が、ストランド34090の横断面形状を特性付けることができる。本明細書でより詳細に議論するように、それぞれのストランド34090の横断面形状は、ストランド34090によって発生した跳ね返り又は復元力と、管状要素34080によって発生した対応する跳ね返り又は復元力とに影響を与えうる。
図94を参照して、ストランド34090の管状格子34092は変形可能でありうる。様々な実施形態において、管状格子34092は、管状要素34080の変形性及び/又は弾力性を生じるか、又はこれに寄与することができる。例えば、管状格子34092のストランド34090は、ストランド34090が、互いに対して、摺動及び/又は曲がるように構成されるように、一緒に織られうる。力が管状要素34080の細長い部分34082に適用されたときに、その中のストランド34090が、管状格子34092が変形形態まで移動するように、摺動、及び/又は曲がってよい。例えば、また図94を参照して、ステープル30030は、管状格子34092と、ステープル捕捉領域34039内に捕捉された組織Tを圧縮可能であり、管状格子34092のストランド34090が、互いに対して摺動及び/又は曲がることを引き起こしうる。ステープル捕捉領域30039内に、捕捉された組織Tを収納するために、管状格子34092が、圧縮構成まで圧縮されるときに、管状格子34092の上頂点34086が、管状格子34092の底頂点34088に向かって移動可能である。様々な環境のもと、発射ステープル30030中に捕捉された管状格子34092は、その未変形形態に復帰しようとし、復元力を捕捉した組織Tに適用することができる。更に、ステープル捕捉領域30039間(すなわち発射ステープル30030内で捕捉されない)の管状格子34092の部分がまた、ステープル捕捉領域30039内である管状格子34092の隣接部分の変形によって、変形しうる。管状格子34092が変形する場合、管状格子34092は、変形形態から回復、又は部分的に回復することを試みうる。様々な実施形態において、管状格子34092の各部分は、初期形状に回復することができ、管状格子34092の他の部分は、部分的にのみ回復するか、かつ/又は完全に圧縮された状態を維持しうる。
本明細書の管状要素の記載と同様に、それぞれのストランド34090がまた変形可能でありうる。更に、ストランド34090の変形が、それぞれのストランド34090の弾力性に依存する、復元力を発生しうる。特定の実施形態では、主に図91及び92を参照して、管状格子34092のそれぞれのストランド34090は管状でありうる。他の実施形態では、管状格子34092の各ストランド34090は中実でありうる。更なる他の実施形態では、管状格子30092は、少なくとも1つの管状ストランド34090、少なくとも1つの中実ストランド34090、少なくとも1つの「X」又は「T」字形状ストランド34090、及び/又はそれらの組み合わせを含みうる。
様々な実施形態において、管状要素34080内のストランド34090はポリマー組成物で構成することができる。ストランド34090のポリマー組成物は、非吸収性ポリマー、吸収性ポリマー、又はこれらの組み合わせを含みうる。合成ポリマーの例には、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジオキサノン(PDO)及びこれらのコポリマーが含まれる。特定の実施形態では、吸収性ポリマーには、例えば生体吸収性、生体適合性エラストマーポリマーが含まれうる。更に、ストランド34090のポリマー組成物には、合成ポリマー、非合成ポリマー及び/又はこれらの組み合わせが含まれうる。様々な実施形態において、本明細書に述べられる組織厚さコンペンセータのポリマー組成物と同様、ストランド34090のポリマー組成物には、例えば、吸収性ポリマー、非吸収性ポリマー、合成ポリマー、及び/又は非合成ポリマーが、異なる重量比率の量で含まれうる。
管状要素34080内のストランド34090は、例えば薬学的な活性成分又は薬剤などの治療薬34098(図91)を更に含むことができる。特定の実施形態では、ストランド34090は、治療上の有効量の治療薬34098を放出することができる。様々な実施形態において、治療薬34098は、ストランド34090が吸収されるのに従って放出されうる。例えば、治療薬30098は、ストランド34090の上を、又はそれを通って通過している(血液などの)液体内に放出されうる。更なる他の実施形態では、治療薬34098は、例えば、ステープル30030がストランド34090に貫通するか、かつ/又はステープル発射スレッド30050上の切断要素30052(図84)が管状格子34092の一部を切断する際に放出されうる。治療薬34098の例としては、例えばフィブリン、トロンビン及び酸化再生セルロース(ORC)などの止血剤及び薬物、例えばジクロフェナク、アスピリン、ナプロキセン、スリンダク及びヒドロコルチゾンなどの抗炎症剤、及び例えば、トリクロサン、イオン性銀、アンピシリン、ゲンタマイシン、ポリミキシンB、及び/又はクロラムフェニコールなどの抗生物質及び抗菌剤又は薬剤、及び例えば、シスプラチン、マイトマイシン、アドリアマイシンなどの抗がん剤、及び/又は例えば幹細胞などの生物製剤が挙げられるが、これらに限定されない。
図95及び96を参照して、管状要素35080は、ストランド35090の複数の層35100を含みうる。特定の実施形態では、管状要素35080は、管状格子35092の複数の層35100を含みうる。図95を参照して、管状要素35080は、例えば、ストランド35090の第1の層35100a及び第2の層35100bを含みうる。ここで、図96を参照して、組織厚さコンペンセータ35120の管状要素35180は、例えば、ストランド35090の第3の層35100cを含みうる。更に、管状要素35180の異なる層35100は、異なる材料で構成することができる。特定の実施形態では、各層35100a、35100b、35100cが生体吸収性であってよく、少なくとも1つの実施形態では、各層35100a、35100b、35100cは異なるポリマー組成物で構成することができる。例えば、第1層35100aは、第1ポリマー組成物を含み得、第2層35100bは、第2ポリマー組成物を含み得、第3層35100cは、第3ポリマー組成物を含みうる。このような実施形態では、管状要素35180の層35100a、35100b、35100cは、異なる速度で生体吸収されうる。例えば、第1の層35100aは素早く吸収可能であり、第2の層35100bは第1の層35100aよりもゆっくりと吸収可能であり、第3の層35100cは第1の層35100a及び/又は第2の層35100bよりゆっくりと吸収可能である。他の実施形態では、第1の層35100aはゆっくりと吸収可能であり、第2の層35100bは第1の層35100aよりも速く吸収可能であり、第3の層35100cは第1の層35100a及び/又は第2の層35100bより速く吸収可能である。
本明細書で記載するストランド34090と同様に、管状要素35180中のストランド35090は、薬物35098を含みうる。様々な実施形態において、図95を再び参照して、薬物(複数可)35098の溶出又は放出を制御するため、薬物35098aを含むストランド35090の第1の層35100aは、第1の速度にて生体吸収され、薬物30098bを含むストランド35090の第2の層35100bは、第2の速度において生体吸収されうる。例えば、第1の層35100aは、素早く吸収して、薬物35098aの迅速な初期放出を許容し、第2の層35100bはよりゆっくり吸収して、薬物30098bの徐放を許容可能である。第1の層30100aのストランド35090中の薬物35098aは、第2の層35100bのストランド35090中の薬物35098bとは異なりうる。例えば、第1の層35100a中のストランド35090は、酸化再生正ルロース(ORC)を含んでよく、第2の層35100b中のストランド35090は、ヒアルロン酸を含む溶液を含みうる。このような実施形態では、大地層35100aの初期吸収が、酸化再生セルロースを放出して、出血の制御を助け、一方で続く第2の層35100bの吸収により、ヒアルロン酸を含む溶液を放出可能で、組織の接着を防止することを助ける。他の実施形態では、層35100a、35100bは同じ薬剤35098a、35098bを含みうる。例えば、図96を再び参照して、層35100a、35100b及び35100c中のストランド35090は、例えばシスプラチンなどの抗がん剤を含んでよい。更に、第1の層35100aは迅速に吸収して、シスプラチンの迅速な初期放出を補助し、第2の層35100bはよりゆっくり吸収して、シスプラチンの徐放を許容し、第3の層35100cはもっともゆっくり吸収して、シスプラチンのより延長された徐放を許容可能である。
様々な実施形態において、図97と98を参照して、組織厚さコンペンセータ36020は、オーバーモールド材料36024を含みうる。オーバーモールド材料36024は、管状要素36080の外側、管状要素36080の内側、又は管状要素36080の内側と外側両方で形成可能である。特定の実施形態では、図97を参照すると、オーバーモールド材料36024は、管状要素36080の内側及び外側に共押出し成形することができ、少なくとも1つの実施形態では、管状要素36080はストランド36090の管状格子36092を含みうる。本明細書で記載したポリマー組成物と同様に、オーバーモールド材料36024は、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)及び/又は任意の他の好適な生体吸収性及び生体適合性エラストマーポリマーを含みうる。更に、オーバーモールド材料36024は、オーバーモールド材料36024が、管状要素36080内の液体不透過性層を形成するように、非多孔質でありうる。様々な実施形態において、オーバーモールド材料36024は内部を貫通する管腔36084を画定しうる。
以上の議論に対して更に、管状格子36092内の管状要素36080及び/又はストランド36090が、治療薬36098を含みうる。特定の実施形態では、引き続き図97及び98を参照して、非多孔性オーバーモールド材料36024は、内側内腔36084a内に薬物36098を含みうる。あるいは、又は更に、非多孔質オーバーモールド材料36024は、例えば薬物含有ストランド36090の管状格子36092を含む、中間管腔36084bなどの、中間管腔36084b内に薬物36098を含みうる。以上と同様に、管状要素36080を、ステープルカートリッジ30000中に、ステープル空洞30012と切断要素30052に対して配置することが可能である(図84)。いくつかのこのような実施形態において、管状要素30080の少なくとも1つの内腔36084中に含まれる薬物36098が内腔30084から放出されうるように、ステープル30030の展開、及び/又は切断要素30052の直進運動を、非多孔質オーバーモールド材料36024を貫通する、又は破裂させるように構成可能である。様々な実施形態において、図99を参照すると、管状要素37080は非多孔質フィルム37110を含みうる。非多孔質フィルム37110は、本明細書で記載したオーバーモールド材料36024と同様の液体不透過性カバーを提供するために、管状格子37092、又は管状格子30092の第1の層37100a及び第2の層37100bを、少なくとも部分的に取り囲みうる。
本明細書に述べられるように、管状要素は、生体吸収性材料、治療薬、複数のストランド、管状格子、管状格子の層、オーバーモールド材料、非多孔質フィルム、又はこれらの組み合わせの少なくとも1つを含みうる。例えば、図100を参照して、管状要素38080は、オーバーモールド材料38024と、管状要素38080の中央内腔38084を通して配置される複数のストランド38090を含みうる。特定の実施形態では、ストランド38090は治療薬38098を含みうる。他の実施形態では、例えば、図101を参照して、管状要素39080は、例えば、オーバーモールド材料39024と、管状要素39080の中心内腔39084内に配置される治療剤39098を含みうる。様々な実施形態において、少なくとも1つの管状要素39080と、オーバーモールド材料39024には、流体治療剤39098を含みうる。
様々な実施形態において、再び主に図84を参照すると、管状要素30080は、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分30010に対して配置されうる。管状要素30080は、剛性支持部分30010に隣接して、長手方向に配置することが可能である。特定の実施形態では管状要素30080は、剛性支持部分30010内で、長手方向スロット又は空洞30015と実質的に平行であるか、又は整列されうる。管状要素30080は、管状要素30080の一部が、長手方向スロット30015の一部に重なるように、長手方向スロット30015と整列されうる。このような実施形態では、切断エッジ30052が長手方向スロット30015に沿って直進するに従い、ステープル発射スレッド30050上の切断要素30052が管状要素30080の一部分を切断することができる。他の実施形態では、管状要素30080は、長手方向スロット30015の第1の側面又は第2の側面上に、長手方向に配置されうる。更なる他の実施形態では、管状要素30080が、剛性支持部分30010の少なくとも一部を、横方向又は対角線方向に横断するように、管状要素30080を、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分30010に対して配置することができる。
様々な実施形態において、図102を参照すると、例えば、組織厚さコンペンセータ40020は、複数の管状要素40080を含みうる。特定の実施形態では、管状要素40080は、例えば、異なる長さ、横断面形状及び/又は材料を含みうる。更に、管状要素40080の管状軸型外に平行であるように、管状要素40080を、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分40010に対して配置することができる。特定の実施形態では、管状要素40080の管状軸を、第1の管状要素40080を他の管状要素40080内に配置するように、長手方向に整列させることができる。他の実施形態では、平行な管状要素40080は、例えばステープルカートリッジ30000を長手方向に横断することが可能である。更なる他の実施形態では、平行管状要素40080は、ステープルカートリッジ30000を横方向又は択空く線上で横切ることができる。様々な他の実施形態において、非平行管状要素40080が、これらの管状軸が、互いに交差する、及び/又は平行ではないように、互いに対して角度のついた状態で配向されうる。
図102〜105を参照すると、組織厚さコンペンセータ40020は、2つの管状要素40080を有しうる。第1の管状要素40080aは、剛性支持部分30010内の長手方向スロット30015の第1の側面に長手方向に配置され、第2の管状要素40080bは、長手方向スロット30015の第2の側面に長手方向に配置されうる。それぞれの管状要素40080は、ストランド40090の管状格子40092を含みうる。様々な実施形態において、ステープルカートリッジ30000は、例えば、合計6列のステープル空洞30012を含んでよく、3列のステープル空洞30012が長手方向スロット30015の各側面に配置されうる。このような実施形態では、直進するステープル発射スレッド30050上の切断エッジ30052は、管状要素40080の一部分を切断するのに必要ではなくなりうる。
同様に、ここで図106〜107を参照して、組織厚さコンペンセータ41020は、ステープルカートリッジ30000内で長手方向に配置された、2つの管状要素41080a、41080bを含みうる。以上と同様に、ステープル空洞30012の3つの列からのステープル30030が、1つの管状要素41080aを係合することができ、ステープル空洞30012の3つの異なる列からのステープル30030が、もう1つの管状要素41080bを係合することができる。様々な実施形態において、図106〜107をまた参照して、展開したステープル30030は、管状要素40080の横断面にわたり、異なる位置にて、管状要素40080を係合することができる。本明細書で議論するように、管状要素41080によって実現した跳ね返り弾力性と相当する復元力は、中でも、管状要素41080の横断面形状に依存しうる。特定の実施形態では、管状要素41080の弓状部分に、又は近くに配置されるステープル捕捉領域30039内に位置するステープル30030は、非弓状部分近くに配置されるステープル捕捉領域30039内のステープル30030よりも大きな復元力を経験しうる。同様に、管状要素41080の非弓状部分内のステープル捕捉領域30039内に配置されるステープル30030は、管状要素30080の弓状部分に、又は近くに配置されるステープル30030によって経験されるものよりも小さな復元力を経験しうる。言い換えれば、より多量の弾性材料が、そのような部分に沿ってステープル30030によって捕捉されうる可能性により、管状要素41080の弓状部分は、管状要素41080の非弓状部分よりも、より大きなばね定数を持ちうる。様々な実施形態において、結果として、主に図107を参照すると、組織厚さコンペンセータ41020により生成される復元力は、管状要素30080a内において、ステープル30030及び30030cの近くでより大きく、ステープル30030bの近くでより小さくなりうる。相応に、組織厚さコンペンセータ41020によって発生した復元力は、管状要素30080b中、ステープル30030eの近くでよりも、ステープル30030d及び30030fの近くでより大きい場合がある。
再び図102〜105を参照すると、様々な実施形態において、管状格子40092を構成するストランド40090の断面形状は、管状格子40092により加えられる、望ましいばね戻り弾力性及び対応する復元力を提供できるように選択されうる。例えば、再び図103を参照して、管状要素40080の弓状部分に配置されるストランド40090aは、X形状横断面を有してよく、一方管状要素40080の非弓状部分に配置されるストランド40090bは、管状横断面を有しうる。特定の実施形態では、異なる横断面形状を有するストランド40090aと40090bを、管状格子40092を形成するために、一緒に織ることができる。他の実施形態では、ストランド40090aと40090bを、例えば接着剤にて、互いに接着可能である。図104と105を参照して、管状要素40080中のストランド40090の異なる横断面形状が、ステープルカートリッジ30000にわたる、ステープル捕捉領域30039にて経験された復元力を最適化可能である。特定の実施形態では、特定の横断面形状を、ステープルカートリッジにわたるステープル捕捉領域30039中で一定の跳ね返りが実質的にバランスが取れているか、又は等しいように、選択可能である。
特定の実施形態では図108を参照して、組織厚さコンペンセータ41120の管状要素41080a、41080bを、隣接部分41126によって一緒に締結可能である。切断要素30052を直進運動することが、管状要素41080a及び41080b間を通過するように構成可能であるけれども、切断要素30052は、隣接部分41126の少なくとも一部を切断するために必要でありうる。特定の実施形態では、隣接部分41126は、軟材料(例えば、フォーム又はゲル)を含んでよく、これは直進する切断要素30052によって容易に切断されうる。様々な実施形態において、隣接部分41026は、組織厚さコンペンセータ41120を外科用エンドエフェクタ12に対して解放可能に固定することができる。少なくとも1つの実施形態において、隣接部分41126は、隣接部分41126が、管状要素41080a、41080bがそこから放出された後、外科用エンドエフェクタ12中に保持されたままであるように、剛性支持部分30010の上部デッキ表面30011に固定可能である。
様々な実施形態において、図109〜110を参照すると、組織厚さコンペンセータ42020は複数の管状要素42080を含んでよく、これにより、例えば、管状要素42080の数は、ステープルカートリッジ30000内のステープル空洞30012の列数と同じになりうる。少なくとも1つの実施形態において、ステープルカートリッジ30000は、ステープル空洞30012の6つの列を含んでよく、組織厚さコンペンセータ42020は、6つの管状要素42080を含みうる。それぞれの管状要素42080は、ステープル空洞30012の列と実質的に整列されうる。ステープル30030がステープル空洞30012の列から発射されるとき、その列からの各ステープル30030が、同じ管状要素42080を貫通しうる(図110)。様々な実施形態において、更に、1つの管42080の変形は、隣接管42080の変形にほとんど、又は全く影響を与えない。したがって、管状要素42080は、ステープルカートリッジ30030の幅にわたり、ステープル捕捉領域30039内で、実質的に別個の、カスタマイズされた跳ね返り力を発揮しうる。ステープル空洞30012の複数の列から発射されるステープル30030が同じ管状要素35080と係合する特定の実施形態では(図107)、管状要素35080の変形はそれほど調整できない。例えば、第1の列中のステープル捕捉領域30039中の管状要素35080の変形が、他の列中のステープル捕捉領域30039中の管状要素35080の変形に影響を与えうる。少なくとも1つの実施形態では、直進運動する刃先30052が管状要素42080を切断することはない。他の実施形態では、図111を参照して、組織厚さコンペンセータ43020は、例えば、7個の管状要素44080などの、6個以上の管状要素43080を含みうる。更に、管状要素43080は、エンドエフェクタ12中に、対称又は非対称で配置されうる。奇数の管状要素43080が、エンドエフェクタ12中に、長手方向に、対称に配置されるとき、直進運動している切断要素30052が、長手方向チャネル30015を覆う、中間管状要素を切断するように構成可能である。
様々な実施形態において、図112を参照すると、組織厚さコンペンセータ44020は、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分33010において長手方向スロット30015に少なくとも部分的に揃っている中央管状要素44080bを含みうる。組織厚さコンペンセータ44020は更に、長手方向スロット30015の側部状に位置する、少なくとも1つの末梢管状要素44080a、44080cを含みうる。例えば、組織厚さコンペンセータ44020は、3つのチューブ状要素44080を含み得、第1末梢チューブ状要素44080aは、ステープルカートリッジ30000の長手方向スロット30015の第1側部上に長手方向に位置付け可能であり、中央チューブ状要素44080bは、長手方向スロット30015上に実質的に位置付け可能である、及び/又は位置合わせ可能であり、第2末梢チューブ状要素44080cは、長手方向スロット30015の第2側部上に長手方向に位置付け可能である。特定の実施形態では、中央管状要素44080bは、垂直直径に対して実質的に細長い、水平直径を含みうる。様々な実施形態において、中央管状要素44080b、及び/又は任意の他の管状要素は、ステープル空洞30012の複数の列に重なりうる。図112をまた参照して、中央管状要素44080bは、ステープル空洞30012の4ステープル列に重なり得、それぞれの末梢管状要素44080a、44080cは、例えば、ステープル空洞30012の単一列に重なりうる。他の実施形態では、中央管状要素44080bは、例えばステープル空洞30012の2列などの、ステープル空洞30012の4以下の列と重なりうる。更に、末梢管状要素44080a、44080cが、例えばステープル空洞30012の2列などの、1列以上のステープル空洞30012に重なりうる。ここで図113を参照して、組織厚さコンペンセータ44120の中央管状要素44180bは、中央管状要素44180bの管腔44184中に、治療薬44198を含みうる。様々な実施形態において、中央管状要素44180b及び/又は少なくとも1つの外周管状要素44080a、44080cは、治療薬44198及び/又は任意の他の好適な治療薬を含みうる。
様々な実施形態において、図114を参照して、組織厚さコンペンセータ44220は、シェル44224を含み、これは本明細書で記述したオーバーモールド材料32024と同様でありうる。様々な実施形態において、シェル44224は、エンドエフェクタ12の定位置に配された複数の管状要素44080保持する。シェル44224は、管状要素44080と共押出しすることができる。特定の実施形態では、管状要素44080は、ストランド44090の管状格子44092を含みうる。本明細書の実施形態に述べられるポリマー組成物と同様、シェル44224は、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、及び/又は任意の他の好適な生体吸収性かつ生体適合性のエラストマーポリマーを含みうる。更に、シェル44224は、シェル44224が、例えば組織厚さコンペンセータ44220中液体不透過性層を形成するように、非多孔質でありうる。本明細書での議論に対して更に、管状格子44092中、管状要素44080及び/又はストランド44090が治療薬44098を含みうる。特定の実施形態では、非多孔質シェル44224は、組織厚さコンペンセータ内に治療薬44098を包含しうる。本明細書に述べられるように、管状要素44080は、ステープルカートリッジ30000中、ステープル空洞30012と切断要素30052に対して配置することが可能である。いくつかのこのような実施形態では、例えば、その中に含まれる治療剤44198が、組織厚さコンペンセータ44020から放出可能であるように、ステープル30030の展開、及び/又は切断要素30052の直進運動を、非多孔質シェル44224を貫通するか、又は破裂させるように構成可能である。
図115を参照して、組織厚さコンペンセータ44320には、管状格子44392を含む、中心管状要素44380bが含まれうる。管状格子44392は、剛性支持部分30010の長手方向スロット30015と実質的に整列される、不織布部分又は空隙44381を有しうる。このような実施形態では、管状要素44380bの管状格子44092の織部分は、長手方向スロット30015に重ならない。したがって、直進運動しているステープル−発射スレッド30052上の切断要素30052が、管状格子44392の織部分の重なりを切断することなしに、長手方向スロット30015に沿って直進運動可能である。管状要素44380b中、ギャップ44381に隣接して位置するステープル30030cと30030dは、管状格子44392構造からの支持をほとんど受容しなくてよく、特定の実施形態では、更なる特徴が、これらのステープル30030に対する支持、及び/又はそのステープル捕捉領域30039内の更なる復元力を提供可能である。例えば、本明細書でより詳しく述べられるように、更なる管状要素、支持ウェビング、ばね及び/又はバットレス材料を、例えば、空隙44381の近くの内側及び外側管状要素44380bの少なくとも1つで配置することができる。
ここで図116〜119を参照して、様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ45020は、ステープルカートリッジ30000を横側に横断する、多数の管状要素45080を含みうる。管状要素45080を、ステープル空洞30012の列、及び/又はステープルカートリッジ30000の剛性支持部分30010の長手方向軸に対して、垂直に配置することができる。特定の実施形態では、図116を参照して、管状要素45080は、ステープル−発射スレッド30050が長手方向スロット30015にそって横切るのに従って、ステープル−発射スレッド30050上の切断要素30052が、管状要素45080を切断するように構成されるように、ステープルカートリッジ30000中で、長手方向スロット30015を横切ることが可能である。他の実施形態では、ここで図117を参照すると、組織厚さコンペンセータ46020は、横方向に横切る2セットの管状要素46080を含みうる。第1の組の横方向に横断する管状要素46080aは、長手方向スロット30015の第1の側部上に位置付け可能であり、第2の組の横方向に横断する管状要素46080bは、長手方向スロット30015の第2の側部上に配置することが可能である。そのような構成において、切断要素30052を、管状要素46080の一部分を切断することなしに、二組の管状要素46080間を通過するように構成可能である。他の実施形態では、切断要素30052は、長手方向スロット30015を横断する少なくとも1つの管状要素46080を切断可能であり、一方で少なくとも1つの他の管状要素46080は、長手方向スロット30015を横断せず、切断要素30052によって切断されない。
管状要素45080が、ステープルカートリッジ30000を横方向に横断するに伴い、図118及び119を参照して、ステープル30030が、それぞれのステープル捕捉領域30039中、少なくとも1つの管状要素45080を係合しうる。そのような構成において、それぞれの管状要素45080が、ステープルカートリッジ30000の長さに沿って、別個の復元力を提供可能である。例えば、図119を主に参照して、組織がより厚い、組織厚さコンペンセータ45020の近位端近くに位置する管状要素45080を、組織がより薄い、組織厚さコンペンセータ45020の遠位端に近くに位置する管状要素45080と比較して、大きく圧縮可能である。結果として、組織厚さコンペンセータ45020の近位端近くに配置される管状要素45080が、組織厚さコンペンセータ45020の遠位端近くに配置される管状要素46080によって発生した復元力よりも大きな復元力を提供可能である。更に、図119をまた参照して、1つの管45080の変形は、隣接管45080の変形にほとんど、又は全く影響を与えない。したがって、管状要素45080は、ステープルカートリッジ30030の長さに沿って、ステープル捕捉領域30039中、実質的に別個で、カスタマイズされた跳ね返り力を発揮可能である。いくつかの実施形態では、ステープル空洞30012の単一列から発射された多数のステープル30030が、同一の管状要素35080を係合する場合、管状要素35080の変形が、あまりカスタマイズされない。例えば、1つのステープル捕捉領域30039中の管状要素35080の変形は、他のステープル捕捉領域30039中、管状要素35080の変形に影響を与えうる。
更なる他の実施形態では、図120〜125を参照して、組織厚さコンペンセータ47020の管状要素47080が、ステープルカートリッジ30000を対角線方向に横断しうる。管状要素47080は、ステープル−発射スレッド30052が長手方向スロット30015に沿って横断するに従って、ステープル−発射スレッド30050上の切断要素30052が、管状要素47080を対角線方向に横断するように切断するように構成されるように、ステープルカートリッジ30000の長手方向スロット30015を横断することが可能である。他の実施形態では、組織厚さコンペンセータ47020は、二組の対角線方向に横切っている管状要素47080を含みうる。対角線方向に横断する管状要素47080の第1組を、長手方向スロット30015の第1の側部上に配置することが可能であり、対角線方向に横断する管状要素47080の第2組を、長手方向スロット30015の第2の側部上に配置することができる。そのような構成において、切断要素30052が、二組の管状要素47080の間を通過可能であり、任意の管状要素47080を切断しなくてよい。
また図120〜123を参照して、対角線方向に横断する管状要素47080を、空隙が管状要素47080間で画定されるように、ステープルカートリッジ30000中に配置することができる。隣接管状要素47080間の空隙が、例えば、成形されたステープル30030のステープル捕捉領域30039内に捕捉された組織Tによってなどの、圧縮力が適用されるときに、管状要素47080の水平拡張のための空間を提供可能である。管状要素47080は、材料47024のフィルム又はシートによって、空隙にわたり連結することができる。材料のシートを、剛性支持部分30010の少なくとも1つのデッキ表面30011、及び/又は管状要素47080の組織接触側部上に配置することができる。
様々な実施形態において、図124及び125を参照すると、少なくとも1本の斜めに横断する管状要素47080が、ステープルカートリッジ30000内のステープル空洞30012に対して配置され、これによって、管状要素47080は、ステープル空洞30012の複数の列から配備されたステープル30030の脚30032の間に配置されうる。ステープル30030が、初期位置から発射位置まで移動されるに伴い、本明細書でより詳しく述べられるように、ステープル脚30032が、管状要素47080周辺に配置されたままでありうる。更に、ステープル脚30032が、例えば管状要素47080の周辺部を被覆するように、ステープルが変形されうる。そのような構成において、ステープル30030を、管状要素47080に穴を開けることなしに、発射又は成形位置に移動するように構成可能である。管状要素47080周辺のステープル脚30032の移動は、いくつかの実施形態では、その中に保持される治療剤47098が意図せずに放出するのを防ぐことが可能である。ステープルカートリッジ30000の長手方向スロット30015に対する、それぞれの管状要素47080の選択された角度方向は、ステープルカートリッジ30000中のステープル空洞30012の位置に依存しうる。例えば、いくつかの実施形態では、管状要素47080は、ステープルカートリッジ30000の長手方向スロット30015に対して、約45°の角度で配置することができる。他の実施形態では、管状要素47080は、例えば、ステープルカートリッジ30000の長手方向スロット30015に対して15〜75°の角度で配置されうる。
本開示にわたる描写と同様に、組織厚さコンペンセータ中の多数の管状要素が、例えば、結合剤、ラップ、ウェビング、オーバーモールド、補償材料、及び/又は任意の他の好適な連結接着剤又は構造物によって連結可能である。様々な実施形態において、図126〜128を参照すると、可撓性シェル48024は、組織厚さコンペンセータ48020内の管状要素48080を包囲又は封入しうる。様々な実施形態において、可撓性シェル48024は、エンドエフェクタ12内の管状要素48080を拘束し、各管状要素48080を定位置に(例えば、ステープル空洞30012の列に揃った長手方向に)保持することができる。少なくとも1つの実施形態では、組織厚さコンペンセータ48020は、例えば6つの管状要素48080を有することができる。様々な実施形態において、可撓性シェル48024は、その中に格納された管状要素48020を抑えるために十分に変形性であり、弾力性であり、一方で管状要素48080の変形及び回復を許容する。更に、いくつかの実施形態では、可撓性シェル48024は、管状要素48080をぴんと張って囲み、変形及び/又は回復するに伴い、管状要素48080とぴんと張って係合したままでありうる。
図127を参照して、ステープル30030の展開の前に、アンビル30060が、アンビル30060とステープルカートリッジ30000間で、組織厚さコンペンセータ48020と組織Tを圧縮するために、枢動、又は下方に回転可能である。組織厚さコンペンセータ48020の圧縮には、その中の、可撓性シェル48024と、管状要素48020の相当する圧縮が含まれうる。管状要素48020が変形するに伴って、可撓性シェル48024が同様の変形をしうる。様々な実施形態において、管状要素48020は、ステープルカートリッジ30000の幅にわたって均一に圧縮され、可撓性シェル48024は、管状要素48080にわたって同様に均一な圧縮を受けうる。図128を参照して、アンビル30060が、ステープル30030がステープルカートリッジ30000から展開された後に開かれたときに、管状要素48080が、圧縮された構成(図127)から回復、又は部分的に回復可能である。様々な実施形態において、管状要素48080は、管状要素48080が初期の非変形形状に戻るように回復しうる。特定の実施形態では、管状要素48080は、管状要素48080が初期の非変形形状に部分的に戻るように部分的に回復しうる。例えば、管状要素48080は、部分的に弾力性であり、かつ部分的に可塑性でありうる。管状要素48080が回復するに伴い、可撓性シェル48024が、各管状要素48080とぴんと張って係合したままでありうる。管状要素48080と可撓性シェル48024は、管状要素48080と組織Tが、ステープル捕捉領域30039を充たす程度まで回復可能であり、一方で、管状要素48080が、その中で組織T上に適切な復元力を発揮する。図129を参照すると、他の実施形態において、例えば、可撓性シェル48124内に保持された6本の管状要素48180を含む組織厚さコンペンセータ48120が、エンドエフェクタ12のアンビル30060上に配置されうる。
図130〜133を参照して、組織厚さコンペンセータ49020は、アンビル30060の長手方向軸に沿って、長手方向に配置された管状要素49080を含みうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ49020を、圧縮性補償材料49024によって、エンドエフェクタ12のアンビル30060に固定可能である。更に、圧縮性補償材料49024が、管状要素49080を囲むか、封入可能である。本明細書の記載と同様に、管状要素49080は、組織厚さコンペンセータ49020の様々な成分の吸収、ステープルカートリッジ30000から発射したステープル30030による管状要素49080の穿孔、及び/又は切断要素30052によって放出されうる、少なくとも1つの治療薬49098を含みうる。
図131を参照して、ステープルカートリッジ30000は、ステープル空洞30012中に配置されるステープル30030を含んでよく、ステープル30030の展開の前に、アンビル30060とそれに取り付けられた組織厚さコンペンセータ49020が、ステープルカートリッジ30000に向かって枢動し、その間に捕捉した組織Tを圧縮可能である。特定の実施形態では、組織厚さコンペンセータ49020の管状要素49080は、アンビル30060(図131)を枢動することによって、ステープルカートリッジ30000の長さにそって均一に変形可能である。図132及び133を参照して、ステープル−発射スレッド30050が、ステープルカートリッジ30000内の長手方向スロット30015に沿って直進運動し、ステープル空洞30010内のステープル30030の下に配置されるそれぞれのドライバ30040を係合することが可能であり、ここで、それぞれの係合したドライバ30040が、ステープル空洞30012からステープル30030を発射又は発射可能である。アンビル30060が組織T及び組織厚さコンペンセータ49020に対する圧力を解放すると、組織厚さコンペンセータ49020(管状要素49080及び圧縮可能な補償材料49024を含む)が、圧縮形状(図131)から復元形状(図132及び133)へと回復又は部分的に回復しうる。管状要素49080と圧縮性補償材料49024は、組織厚さコンペンセータ49020と組織Tがステープル捕捉領域30039を充たすまでの程度まで回復可能であり、一方で組織厚さコンペンセータ49020は、捕捉した組織T上で復元力を発揮する。
様々な実施形態において、図124〜126を参照すると、2つの組織厚さコンペンセータ50020a、50020bが、外科用器具のエンドエフェクタ12内に配置されうる。例えば、第1の組織厚さコンペンセータ50020aは、下ジョー30070中のステープルカートリッジ30000に取り付け可能であり、第2の組織厚さコンペンセータ50020bは、アンビル30060に取り付け可能である。少なくとも1つの実施形態において、第1の組織厚さコンペンセータ50020aは、第1の補償材料50024a内に長手方向に配置されかつ保持される複数の管状要素50080を含みうる。少なくとも1つの管状要素50080には、本明細書で記載した治療薬と同様に、治療薬50098が含まれうる。第1の補償材料50024aは変形可能であり、本質的に剛性でありうる。更に、いくつかの実施形態では、第1の補償材料50024aは、ステープルチャネル30000に対する位置に、管状要素50080を保持することができる。例えば、第1の補償材料50024aは、ステープル空洞30012の列との長手方向に位置合わせして、それぞれの管状要素50080を保持可能である。少なくとも1つの実施形態において、第2の組織厚さコンペンセータ50020bには、第1の補償材料50024a、第2の補償材料50024b及び/又は第3の補償材料50024cが含まれうる。第2及び第3の補償材料50024b、50024cは、変形可能であるか、又は実質的に剛性でありうる。
本明細書に述べられる少なくとも1つの実施形態と同様、アンビル30060は枢動して、アンビル30060とステープルカートリッジ30000との間の組織厚さコンペンセータ50020a、50020b及び組織Tに圧縮力を加えることができる。いくつかの実施形態では、第1の組織厚さコンペンセータ50020aと第2の組織厚さコンペンセータ50020bのいずれも、圧縮可能でない場合がある。他の実施形態では、第1の組織厚さコンペンセータ50020a及び/又は第2の組織厚さコンペンセータ50020bの少なくとも1つの成分が圧縮性でありうる。ステープル30030がステープルカートリッジ30000から発射されるとき、ここで図135及び136を参照して、それぞれのステープル30030が、第1の組織厚さコンペンセータ50020a内に保持される管状要素50080を貫通しうる。図135に示すように、管状要素50080内に保持された治療薬50098が、ステープル30030が管状要素50080を貫通しうるときに、放出されうる。放出されるとき、治療薬50098はステープル脚30032と、発射済みステープル30030を囲む組織Tをコートしうる。様々な実施形態において、ステープル30030は更に、ステープル30030がステープルカートリッジ30000から発射されたときに、第2の組織厚さコンペンセータ50020bをも貫通することができる。
図137〜140を参照して、組織厚さコンペンセータ51020が、組織厚さコンペンセータ51020を横方向に横切る少なくとも1つの管状要素51080を含みうる。例えば、図137を参照して、横方向に横断する管状要素51080の第1の端部51083が、ステープルカートリッジ30000の第1の長手方向側部近くに位置付け可能であり、横方向に横断する管状要素51080の第2の端部51085が、ステープルカートリッジ30000の第2の長手方向側部近くに配置することができるように、組織厚さコンペンセータ51020を、ステープルカートリッジ30000に対して配置することができる。様々な実施形態において、管状要素51080は例えばカプセル状の形状を有することができる。図138にて図解するように、管状要素51080は、第1の端部51083と第2の端部51085間で穿孔され、特定の実施形態では、管状要素51080を、管状要素51080の中心51087にて、又はその近くで穿孔されうる。管状要素51080は、例えば、生物吸収性、生体適合性エラストマーポリマーなどの、重合組成物を含みうる。更に、再び図137を参照して、組織厚さコンペンセータ51020は、複数の横方向に横断する管状要素51080を含みうる。少なくとも1つの実施形態において、例えば13本の管状要素51080を、組織厚さコンペンセータ51020内に横手方向に配列することができる。
再び図137を参照して、組織厚さコンペンセータ51020は、管状要素51080を少なくとも部分的に囲む、補償材料51024を更に含みうる。様々な実施形態において、補償材料51024は、例えば、凍結乾燥多糖類、糖タンパク質、エラスチン、プロテオグリカン、ゼラチン、コラーゲン、及び/又は酸化再生セルロース(ORC)などの生体吸収性ポリマーを含みうる。補償材料51024は、組織厚さコンペンセータ51020内の適所で、管状要素51080を保持可能である。更に、補償材料51024を、補償材料51020がエンドエフェクタ12しっかりと配置されるように、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分30010の上部デッキ表面30011に固定可能である。特定の実施形態では、補償材料51024は少なくとも1種類の薬剤51098を含みうる。
また図137を参照して、切断要素30052が、管状要素51080を切断するように、横方向に配置された管状要素51080を、直進運動している切断要素30052に対して配置することが可能である。様々な実施形態において、切断要素30052は、管状要素51080を穿孔部又はその近くで切断することができる。管状要素51080が、2つの半球に切断され、管状要素51080の切断された一部を、図139にて図解するように、膨張するか、拡張するように構成可能である。例えば、様々な実施形態において、管状要素51080には、管状要素51080を切断するときに、放出及び/又は曝露可能である、親水性基質51099が含まれうる。更に、親水性基質51099が、組織T内で体液に接触するとき、親水性基質51099が液体を引きつけ、管状要素51080が膨張又は拡張することを引き起こしうる。管状要素51080が拡張するに供ない、管状要素51080を囲んでいる補償材料51024が、膨張した管状要素51080を格納するようシフト又は調整しうる。例えば、補償材料51024がゼラチンを含む場合、ゼラチンが、膨張した管状要素51080を格納するようにシフトしうる。ここで図140を参照して、管状要素51080の拡張と、補償材料51024のシフト化が、組織厚さコンペンセータ51020の相当する拡張を引き起こしうる。
本開示の全体にわたって議論した他の組織厚さコンペンセータと同様に、組織厚さコンペンセータ51020は、適用された力により変形又は圧縮されうる。更に、組織厚さコンペンセータ51020は、適用された力よって変形するときに、跳ね返り力を産し、続いて適用された力が取り除かれたときに、回復、又は部分的に回復するように、充分に弾力性でありうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ51020が、ステープル捕捉領域30039内で捕捉されるときに、ステープル30030が、組織厚さコンペンセータ51020を変形可能である。例えば、ステープル30030は、発射済みステープル30030内に捕捉される、組織厚さコンペンセータ51020の管状要素51080及び/又は補償材料51024を変形させることができる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ51020の捕捉されていない部分がまた、ステープル捕捉領域30039内の変形のために、変形しうる。変形したとき、組織厚さコンペンセータ51020が、変形した構成から回復することを試みうる。様々な実施形態において、そのような回復は、管状要素51080の親水性拡張の前に、管状要素51080の親水性拡張と同時に、及び/又は管状要素51080の親水性拡張の後に発生しうる。組織厚さコンペンセータ51020が回復を試みるに伴い、本明細書でより詳しく述べられるように、ステープル捕捉領域30039にまた捕捉された組織上に、復元力を発揮しうる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ51020中の少なくとも1つの管状要素51080及び/又は補償材料51024が、治療剤51098を含みうる。治療薬51098を含む管状要素51080が切断されるとき、管状要素51080内に含まれる治療薬51098が放出されうる。更に、補償材料51024に治療薬51098が含まれる場合、治療薬51098は、生体吸収性補償材料51024が吸収されるに伴って、放出されうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ51020は、治療剤51098の迅速な初期放出と、続いて治療剤51098の制御された放出が提供可能である。例えば、治療薬51098を含む管状要素51080が切断されるとき、切断線に沿って、組織厚さコンペンセータ51020は、管状要素51080から組織Tへの、治療薬51098の迅速な初期放出を提供する。更に、治療薬51098を含む生体吸収性補償材料51024が吸収されるに伴って、組織厚さコンペンセータ51020が、治療薬51098の延長された、制御された放出を提供可能である。いくつかの実施形態では、治療剤51098の少なくともいくつかが、治療剤51098が補償材料51024内に流れる前に、短期間、管状要素51080内に残りうる。他の実施形態では、治療薬51098の少なくとも一部は、管状要素51080が吸収されるまで、管状要素51080内に留まりうる。様々な実施形態において、管状要素51080から放出された治療剤51098と、補償材料51024は同一でありうる。他の実施形態では、管状要素51080及び補償材料51024は、例えば、異なる治療薬、又は異なる治療薬の組み合わせを含みうる。
引き続き図140を参照すると、様々な実施形態において、エンドエフェクタ12は、組織Tを切断し、それとほぼ同時に、又は直後に、その切断された組織Tにステープル30030を発射することができる。このような実施形態では、ステープル30030は、切断要素30052が組織Tに隣接する管状要素51080を切断した直後に、組織T内に展開しうる。言い換えれば、ステープル30030は、管状要素51080の膨張と、組織厚さコンペンセータ51020の拡張の直後、又は同時に、組織厚さコンペンセータ51020を係合することができる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ51020は、ステープル30030が組織T内に発射された後に、増殖又は拡張し続けうる。様々な実施形態において、ステープル30030は、ステープル30030が展開するときに、管状要素51080を貫通するように構成可能である。このような実施形態では、切断された管状要素51080内にまだ保持された治療剤51098が、管状要素51080から放出され、いくつかの実施形態では、発射したステープル30030の脚30031をカバーしうる。
図141を参照して、組織厚さコンペンセータ51020を、例えば成形技術によって製造可能である。様々な実施形態において、フレーム(又は成形型)51120は、第1長手方向側面51122及び第2長手方向側面51124を含みうる。それぞれの長手方向側部51124には、1つ又は2つ以上の切欠き部51130が含まれてよく、それぞれが、管状要素51080の第1又は第2の端部50183、50185を受容するように構成可能である。特定の実施形態では、管状要素51080が、フレーム51120を横方向に横切るように、管状要素51080の第1の端部50183を、第1の長手方向側部51122状の第1の切欠き部51130a内に配置することが可能であり、管状要素51080の第2の端部50183が、第2の長手方向側部51124上の第2の切欠き部51130b内に配置することが可能である。様々な実施形態において、切欠き部51180は、半円溝を含んでよく、その中で管状要素51080の第1又は第2の端部50183、50185にしっかりとフィット可能である。様々な実施形態において、第1の切欠き部51130aは、第2の切欠き部51130bから直接配置され、管状要素51080は、フレーム51120の長手方向軸に対して垂直、又は少なくとも実質的に垂直に配置されうる。他の実施形態では、管状要素51080が、フレーム51120の長手方向軸に対して、角度を持って配置されるように、第1の切欠き部51130aは、第2の切欠き部51130bからオフセットでありうる。更なる他の実施形態では、管状要素が、フレーム51120の横方向側部51126、51128間で延在するように、少なくとも1つの管状要素51080を、フレーム51120内の長手方向に配置することができる。更に、少なくとも1つの管状要素を、例えば、フレームの横側部51126、51128上の2つの切欠き部間、及び/又は横側部51126上の切欠き部と、長手方向側部51124上の切欠き部間のフレーム内に角度を成すように位置付けることができる。様々な実施形態において、フレーム51120は、支持棚51136を含んでよく、これはフレーム51120内に配置された管状要素51080を支えることができる。
様々な実施形態において、フレーム51120は例えば12本の管状要素51080を収容するための切欠き部51130を有することができる。いくつかの実施形態では、フレームの切欠き部51130は管状要素51080によって塞がれうるが、他の実施形態では、切欠き部51130の全てが塞がれなくてもよい。様々な実施形態において、少なくとも1つの管状要素51080をフレーム51120内に配置することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも半分の切欠き部51130が管状要素51080を受容可能である。少なくとも1つの実施形態において、管状要素51080がフレーム51120内に配置された時点で、補償材料51024をフレーム51120に加えることができる。補償材料51024は、フレーム51120に加えるときには、液体でありうる。例えば、様々な実施形態において、補償材料51024を、フレーム51120内に注ぐことができ、その中に位置する管状要素51080周辺を流れうる。図142を参照して、液体補償材料51024が、フレーム51120中、切欠き部51130によって支持された管状要素51080の周辺を流れうる。補償材料51024が硬化、又は少なくとも充分に硬化した後、図143をここで参照して、補償材料51024と、管状要素51080とを含む、組織厚さコンペンセータ51020を、フレーム51120から取り除くことができる。少なくとも1つの実施形態において、組織厚さコンペンセータ51020をトリミングすることができる。例えば、補償材料の長手方向側部が実質的に平面であるように、過剰な補償材料51024を、組織厚さコンペンセータ51020から取り除くことができる。更に、いくつかの実施形態では、図144を参照して、管状要素51080の第1及び第2の端部50183、50185を、管状要素51080を封止するために、一緒に押圧する、又は閉鎖することが可能である。いくつかの実施形態では、端部を、管状要素51080がフレーム51120内に配置される前に閉鎖しうる。他の実施形態では、トリミング工程は、端部51083、51085を横断してよく、熱スタッキング工程を、管状要素51080の端部51083、51085を密封及び/又は閉鎖するために使用可能である。
様々な実施形態において、再び図141を参照して、補強ピン51127を、それぞれの管状要素51080内で配置することが可能である。例えば、補強ピン51127は、管状要素51080の長手方向管腔を通って延在可能である。いくつかの実施形態では、補強ピン51127は、各管状要素51080を超えて延在してもよく、これによって、補強ピン51127がフレーム51120内の切り欠き51130に配置されうる。補強ピン51127を有する実施形態において、補強ピン51127は、補償材料51204がフレーム51120内に注がれ、液体として、補償材料51024が、例えば管状要素51080周辺に流れるときに、管状要素51080を支持可能である。一旦補償材料51024が硬化し、固体化し、及び/若しくは凍結乾燥、又は充分に硬化、固体化、及び/若しくは凍結乾燥したならば、組織厚さコンペンセータ51020がフレーム51120より取り除かれてよく、硬化ピン51127が、管状要素51080の長手方向管腔から取り除かれうる。いくつかの実施形態では、この後、管状要素51080を例えば薬剤で充填することができる。本明細書に述べられる少なくとも1つの実施形態と同様、管状要素51080が薬剤で充填された後、例えば、管状要素51080の端部51083、51085を含む組織厚さコンペンセータ51020をトリミングすることができる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ51020を例えばダイカット可能であり、並びに/又は例えば熱及び/若しくは圧力によって封止可能である。
本明細書で議論するように、組織厚さコンペンセータ52020には、多数の管状要素51080が含まれうる。ここで図145を参照して、管状要素51080が、異なる材料特性、寸法及び形状を含みうる。例えば、第1の管状要素51080aには、第1の厚さと第1の材料が含まれてよく、第2の管状要素51080bは、第2の厚さと第2の材料を含みうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ52020内にある少なくとも2本の管状要素51080が同じ材料を含みうる。他の実施形態では、組織厚さコンペンセータ5202中のそれぞれの管状要素51080は異なる材料を含みうる。同様に、様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ52020内にある少なくとも2本の管状要素51080が同じ形状を含みうる。他の実施形態では、組織厚さコンペンセータ52020内のそれぞれの管状要素51080は頃なる形状を含みうる。
ここで図208〜211を参照して、組織厚さコンペンセータ51220は、組織厚さコンペンセータ51220を横方向に横断する、少なくとも1つの管状要素51280を含みうる。様々な実施形態において、図208を参照すると、組織厚さコンペンセータ51220は、エンドエフェクタ12のアンビル30060に対して配置することができる。組織厚さコンペンセータ51220を、例えば、エンドエフェクタ12のアンビル30060の固定表面30061に固定可能である。様々な実施形態において、主に図209を参照すると、管状要素51280は、例えば、カプセル様の形状を含みうる。管状要素51280は、例えば、生物吸収性、生体適合性エラストマーポリマーなどの、重合組成物を含みうる。
再び図208を参照して、組織厚さコンペンセータ51220は、管状要素51280を少なくとも部分的に囲む、補償材料51224を更に含みうる。様々な実施形態において、補償材料51224は、例えば、凍結乾燥多糖類、糖タンパク質、エラスチン、プロテオグリカン、ゼラチン、コラーゲン、及び/又は酸化再生セルロース(ORC)などの生体吸収性ポリマーを含みうる。以上と同様に、補償材料51024は、組織厚さコンペンセータ51220内の適所で管状要素51280を保持可能である。更に、補償材料51224を、エンドエフェクタ12中にしっかりと配置するように、補償材料51220を、アンビル30060の固定表面30061に固定可能である。いくつかの実施形態では、補償材料51224は少なくとも1種類の薬剤を含みうる。
また図208を参照して、直進運動可能な切断要素30252を、管状要素51280を切断するように構成するように、横方向に配置された管状要素51280を、直進運動しているスレッド30250上の切断要素30252に対して配置することが可能である。様々な実施形態において、切断要素30252は、例えばそれぞれの管状要素51280の中心にて、又はその近くで、管状要素51280を切断可能である。管状要素51280が、2つの半球に切断され、管状要素51280の切断された一部を、図208にて図解するように、膨張するか、拡張するように構成可能である。主に図210を参照して、様々な実施形態において、管状要素51280には、管状要素51280を切断するときに、解放及び/又は曝露可能である、親水性基質51099が含まれうる。更に、ここで図211を参照して、親水性基質51099が組織T内の体液に接触するときに、親水性基質51099は液体を引きつけることができ、管状要素51280の膨張又は拡張を引き起こすことができる。管状要素51280が拡張するにともない、管状要素51280を囲んでいる補償材料51224が、膨張した管状要素51280を格納するようシフト又は調整しうる。例えば、補償材料51224がゼラチンを含む場合、ゼラチンが、膨張した管状要素51280を格納するようにシフトしうる。再び図208を参照して、管状要素51280の拡張と、補償材料51224のシフトが、組織厚さコンペンセータ51220の相当する拡張を引き起こしうる。
本開示の全体にわたって議論した他の組織厚さコンペンセータと同様に、組織厚さコンペンセータ51220は、適用された力により変形又は圧縮されうる。更に、組織厚さコンペンセータ51220は、適用された力よって変形するときに、跳ね返り力を産し、続いて適用された力が取り除かれたときに、回復、又は部分的に回復するように、充分に弾力性でありうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ51220がステープル捕捉領域30039(図88)内に捕捉される際、ステープル30030は、組織厚さコンペンセータ51220を変形させることができる。例えば、ステープル30030は、発射済みステープル30030内に捕捉された組織厚さコンペンセータ51220の管状要素51280及び/又は補償材料51224を変形させうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ51220の捕捉されていない部分がまた、ステープル捕捉領域30039内の変形のために、変形しうる。変形したとき、組織厚さコンペンセータ51220が、変形した構成から回復することを試みうる。様々な実施形態において、そのような回復は、管状要素51280の親水性拡張の前に、管状要素51280の親水性拡張と同時に、及び/又は管状要素51280の親水性拡張の後に発生しうる。組織厚さコンペンセータ51220が回復しようとするのに従い、本明細書でより詳しく述べられるように、ステープル捕捉領域30039にまた捕捉された組織上に、復元力を発揮しうる。
図146〜149を参照して、組織厚さコンペンセータ52020には、本明細書に記載した少なくとも1つの組織厚さコンペンセータと同様に、組織厚さコンペンセータ52020を横方向に横断する、1つ又は2つ以上の管状要素52080が含まれうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ52020は、複数の横手方向に横断する管状要素52080を含みうる。組織厚さコンペンセータ52020には更に、組織厚さコンペンセータ52020内に少なくとも1つの管状要素52080を把持又は保持する、材料52024の1つ又は2つ以上のシートが含まれうる。様々な実施形態において、1枚以上の材料のシート52024は、管状要素52080の上及び/又は下に配置することができ、組織厚さコンペンセータ52020内の各管状要素52080をしっかり保持することができる。図146を主に参照して、組織厚さコンペンセータには、材料の第1のシート52024aと、材料の第2のシート52024bが含まれうる。様々な実施形態において、管状要素52080は、第1及び第2材料のシート52024a、52024bの間に配置されうる。更に、また図146を参照して、材料のシート52024bを、組織厚さコンペンセータ52020がエンドエフェクタ12内にしっかり配置されるように、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分の上部デッキ表面30011に固定可能である。他の実施形態では、1つ又は2つ以上の材料のシート52024を、アンビル30060に固定するか、エンドエフェクタ12内に保持することが可能である。
様々な実施形態において、主に図147を参照して、組織厚さコンペンセータ52020は多孔質及び/又は透過性でありうる。例えば、材料のシート52024には、複数の開口部52026が含まれうる。様々な実施形態において、開口部52026はほぼ円形であってよい。少なくとも1つの実施形態において、開口部52036は材料のシート52024において見えるものでよい。他の実施形態では、開口部52036は微視的なものでありうる。また147を参照して、管状要素52080には、複数の開口部52026も含まれうる。様々な実施形態において、図148を参照して、組織厚さコンペンセータ52120には、複数の非円形開口部52126を含む、材料のシート52124が含まれうる。例えば、開口部52126には、ダイヤモンド及び/又はスロット形状が含まれうる。様々な実施形態において、図149を参照して、組織厚さコンペンセータ52220には、透過性管状格子52292を含む、管状要素52280が含まれうる。様々な実施形態において、材料のシート52224には、生体吸収性、生体適合性エラストマーポリマーが含まれてよく、例えば薬物が含まれうる。
本明細書に述べられる少なくとも1つの実施形態と同様、少なくとも1つの管状要素52080が、図150A〜150Dにて図解するように、膨張又は拡張するように構成可能である。例えば、図150Aを参照して、管状要素52080を、組織厚さコンペンセータ52020内の、第1及び第2の材料シート52024a、52024bの中間に配置することができる。図150Bにて図解するように、組織厚さコンペンセータ52020が組織Tに接触するとき、組織厚さコンペンセータ52020が拡張可能である。様々な実施形態において、例えば、管状要素52080は、組織T内及び/又は上に流体を曝露するときに拡張する、親水性基質52099を含みうる。更に、組織Tからの流体が組織厚さコンペンセータ52020を浸透でき、それによって流体が、管状要素52080内の親水性基質52099に接触することを許容するように、材料のシート52024と、管状要素52080は、本明細書で記述するように、透過性でありうる。管状要素52080が拡張するに伴い、管状要素52080を囲んでいる材料のシート52024が、膨張した管状要素52080を格納するために、シフト又は適合可能である。本開示の全体にわたって議論した様々な組織厚さコンペンセータと同様に、拡張した組織厚さコンペンセータ52020は、例えば、図150Cにて図解したような、発射済みステープルによって適用された圧縮力などの、適用された力によって変形又は圧縮されうる。更に、組織厚さコンペンセータ52020は、適用された力によって変形した時に跳ね返り力を生じ、続いて適用された力が取り除かれたときに回復するように、充分に弾力性でありうる。ここで図150Dと150Eを参照して、組織厚さコンペンセータ52020は、捕捉組織Tを適切に格納するために、異なるステープル捕捉領域30039内の異なる構成に回復可能である。
図151〜156を参照して、組織厚さコンペンセータ53020には、複数の垂直に配置される管状要素53080が含まれうる。様々な実施形態において、各管状要素53080は、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分30010の上部デッキ表面30011に対して実質的に垂直の管状軸を含みうる。更に、それぞれの管状要素53080の第1の端部は、例えば上部デッキ表面30011に隣接して配置される。本明細書に述べられる少なくとも1つの実施形態と同様、管状要素53080は変形可能であり、例えばエラストマーポリマーで構成することができる。様々な実施形態において、図152に図解するように、ステープルされた組織Tとともに、ステープラ捕捉領域30039中に捕捉されたとき、管状要素53080を圧縮可能である。管状要素53080には、管状要素53080が、変形した構成から回復を試みるに伴い、管状要素53080の変形が復元力を発生させるように、弾性材料を含みうる。いくつかの実施形態では、管状要素53080の変形は、少なくとも部分的に弾性であり、少なくとも部分的に可塑性でありうる。管状要素53080は、適応した力のもとでばねとして働くように構成可能であり、様々な実施形態において、座屈しないように構成可能である。様々な実施形態において、図153を参照すると、管状要素53080はほぼ円筒状でありうる。特定の実施形態では、図154を参照すると、管状要素53180は座屈領域53112を有しうる。管状要素53180は、圧縮力が適用されるとき、座屈領域53112にて、座屈するか、変形するように構成可能である。管状要素53180は、弾性的に、及び/又は可塑的に変形可能であり、ついで前もって選択された座屈力のもとで、座屈領域53112にて突然座屈するように設計可能である。
図155を主に参照して、第1の管状要素53080が、ステープル空洞30012の第1の端部にて位置付け可能であり、他の管状要素53080が、ステープル空洞30012の第2の端部に配置することができる。図153にて図解するように、管状要素53080には、それを通して延在する管腔53084が含まれうる。図152を参照して、ステープル30030が初期位置より発射位置まで移動するとき、それぞれのステープル脚30032が、それぞれの管状要素53080の管腔53084を通して通過するように構成可能である。様々な実施形態において、主に図156を参照すると、垂直配置された管状要素54080は、管状要素54080が互いに沿い又は接触するように、組織厚さコンペンセータ54020内に配列されうる。言い換えれば、管状要素54080を、一緒にクラスタ化するか、集めることができる。特定の実施形態では、管状要素54080は組織厚さコンペンセータ54020内に組織的に配置することができるが、他の実施形態では、管状要素54080はランダムに配置されてもよい。
再び図151、155及び156を参照して、組織厚さコンペンセータ53020はまた、管状要素53080を組織厚さコンペンセータ53020内に保持又は維持する材料53024のシートを含みうる。様々な実施形態において、材料のシート53024は、管状要素53080の上及び/又は下に配置することができ、組織厚さコンペンセータ53020内の各管状要素53080をしっかり維持することができる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ53020は、第1材料のシート及び第2材料のシート53024を含みうる。様々な実施形態において、管状要素53080は、第1及び第2材料のシート53024の間に配置されうる。更に、材料53024のシートを、組織厚さコンペンセータ53020が、エンドエフェクタ12内にしっかりと配置するように、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分の上部デッキ表面30011に固定可能である。他の実施形態では、材料のシート53024を、アンビル30060に固定可能であり、又はエンドエフェクタ12内に保持されうる。本明細書に述べられる少なくとも1つの実施形態と同様、材料のシート53024は充分な変形性を有することにより、組織厚さコンペンセータ内のばね55080が変形されるのにしたがって材料のシート53024は変形する。
図157及び158を参照して、組織厚さコンペンセータ55020には、変形したときに、跳ね返り力を生成可能なように十分弾力性である少なくとも1つのばね55080を含みうる。図157を主に参照して、組織厚さコンペンセータ55020には、例えば三列のばね55080などの、複数のばね55080が含まれうる。ばね55080を、組織厚さコンペンセータ55020内に、系統立てて、及び/又は無作為に配列可能である。様々な実施形態において、ばね55080は、例えばエラストマーポリマーで構成することができる。いくつかの実施形態では、ばね55080の形状はその変形を可能とするものでよい。様々な実施形態において、ばね55080は初期形態から変形後の形態に変形されうる。例えば、組織厚さコンペンセータ55020の一部が、ステープル捕捉領域30039内に捕捉されるとき、ステープル捕捉領域30039内及び/又は周辺のばね55080が変形可能である。様々な実施形態において、ばね55080が、発射済みステープル30030に対して適用された圧縮力のもと、座屈するか、又は折り畳み可能であり、例えば、ばね55080は、変形したばね55080のバネレート及び/又はばね55080が変形する量の関数である、復元力を発生してよい。特定の実施形態では、ばね55080は、発射済みステープル30030によって適用された圧縮力の元で、スポンジとして働きうる。更に、ばね55080には、本開示の全体にわたってより詳細に記載するような、補償材料を含みうる。
組織厚さコンペンセータ55020は更に、組織厚さコンペンセータ55020中、少なくとも1つのばね55080を把持又は保持する材料55024の1つ又は2つ以上のシートを含みうる。様々な実施形態において、材料55024のシートは、ばね55080の上及び/又は下に配置することができ、組織厚さコンペンセータ55020中にばね55080をしっかり維持しうる。少なくとも1つの実施形態において、組織厚さコンペンセータ55020は、第1材料のシート55024aと、第2材料のシート55024bが含まれうる。様々な実施形態において、管状要素52080は、第1及び第2材料のシート55024a、55024bの間に配置されうる。主に図158を参照すると、様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ55020は更に、第1又は第2材料のシート55024a、55024bのいずれかに隣接して配置される、第3材料のシート55024cを含みうる。様々な実施形態において、少なくとも1枚の材料のシート55024を、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分の上部デッキ表面30011に固定することができ、これによって組織厚さコンペンセータ55020がエンドエフェクタ12内にしっかりと配置されうる。他の実施形態では、少なくとも1つの材料のシート55024を、アンビル30060に固定可能であり、又はエンドエフェクタ12内に維持されうる。
次に図158を参照すると、ステープル30030はステープルカートリッジ30000(図156)から発射されると、組織厚さコンペンセータ55020と係合しうる。様々な実施形態において、発射済みステープル30030が、ステープル捕捉領域30039内に、組織Tと、組織厚さコンペンセータ55020の一部を捕捉可能である。ばね55080は、発射済みステープル30030によって捕捉されるときに、組織厚さコンペンセータ55020が圧縮するように、変形可能である。いくつかの実施形態では、ばね55080は、組織厚さコンペンセータ55020中の発射済みステープル30030間に配置することができる。他の実施形態では、少なくとも1つのばね55080が、ステープル捕捉領域30039内で捕捉されうる。
図159を参照して、組織厚さコンペンセータ60020は、少なくとも2つの補償層60022を含みうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ60020は、複数の補償層60022を含んでよく、これは、互いに上下に重なり合い、隣り合わせに配置され、又はこれらの組み合わせでありうる。本明細書でより詳しく述べられるように、組織厚さコンペンセータ60020の補償層60022は、例えば、異なる形状及び/又は材料特性を含みうる。更に、本明細書でより詳しく述べられるように、ポケット及び/又はチャネルが、隣接して積み重なった補償層60022間に存在しうる。例えば、組織厚さコンペンセータ62020は、互いに隣り合うように積み重ねることができる、6つの補償層62022a、62022b、62022c、62022d、62022e、62022fを含みうる(図174)。
図160、161及び163〜168を参照して、組織厚さコンペンセータは、第1の補償層60122aと第2の補償層60122bを含みうる。様々な実施形態において、第1の補償層60122aは、第2の補償層60122bの上に隣接させて積層することができる。少なくとも1つの実施形態において、隣接させて積層した補償層60122は、分離間隙又はポケット60132によって分離されうる。主に図160を参照して、組織厚さコンペンセータ60120にはまた、第1及び第2の補償層60122a、60122b間に配置される少なくとも1つのカンチレバー梁部材、又は支持体60124も含まれうる。様々な実施形態において、支持体60124は、第2の補償層60122bに対して第1の補償層60122aを配置するように構成することができ、これにより、補償層60122は、分離隙間60132によって分離されうる。本明細書でより詳しく述べられるように、例えば、支持体60124及び/又は補填層60122a、60122bの変形が、分離間隙60132を減少可能である。
組織厚さコンペンセータの支持梁部材には、様々な形状及び寸法が含まれうる。例えば、支持梁部材は、単純なI字状梁部材、中央に配置された1重折曲支持梁部材60124(図160)、中央から外れた位置に配置された1重折曲支持梁部材60224(図161)、楕円状支持梁部材60324(図163)、多重折曲支持梁部材60424(図164)、及び/又は対称的な2重カンチレバー型支持梁部材60524(図165)とすることができる。更に、次に図160、166、及び167を参照すると、例えば、支持梁部材60624は少なくとも1つの補償層60122よりも薄くてもよく(図166)、支持梁部材60724は少なくとも1つの補償層60122よりも厚くてもよく(図167)、かつ/又は支持梁部材60124は少なくとも1つの補償層60122とほぼ同じ厚さであってもよい(図160)。支持梁部材60124の材料、形状及び/又は寸法は例えば、組織厚さコンペンセータ60120の変形性と、跳ね返り弾力性に影響を与えうる。
また図160を参照して、組織厚さコンペンセータ60120の補償層60122と支持梁部材60124は、例えば構造材料、生物学的材料及び/又は電気的材料などの、異なる材料を含みうる。例えば、様々な実施形態において、少なくとも1つの補償層60122をポリマー組成物で構成することができる。ポリマー組成物には、補償層60122及び/又は支持梁部材60124の変形が、跳ね返り力を発生可能であるように、少なくとも部分的に弾性材料を含みうる補償層60122のポリマー組成物には、非吸収性ポリマー、吸収性ポリマー又はこれらの組み合わせが含まれうる。いくつかの実施形態では、吸収性ポリマーには、例えば生体吸収性、生体適合性エラストマーポリマーが含まれうる。更に、補償層60122のポリマー組成物には、合成ポリマー、非合成ポリマー、又はこれらの組み合わせが含まれうる。合成ポリマーの例には、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジオキサノン(PDO)及びこれらのコポリマーが含まれる。非合成ポリマーの例としては、多糖類、糖タンパク質、エラスチン、プロテオグリカン、ゼラチン、コラーゲン及び酸化再生セルロース(ORC)が挙げられるが、これらに限定されない。様々な実施形態において、本明細書に述べられる実施形態のポリマー組成物と同様、補償層60122のポリマー組成物には、例えば、吸収性ポリマー、非吸収性ポリマー、合成ポリマー、及び/又は非合成ポリマーが、異なる重量比率の量で含まれうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ60120内の各補償層60022は異なるポリマー組成物で構成されてもよく、又は様々な他の実施形態では、少なくとも2つの補償層60122が同じポリマー組成物で構成されてもよい。
再び図159を参照して、様々な実施形態において、少なくとも1つの補償層60022は、例えば薬物又は薬学的に活性な薬剤などの、治療剤60098を含みうる。補償層60022は、治療的に効果的な量の治療薬60098を放出可能である。様々な実施形態において、治療薬60098は、補償層60022が吸収されるのにしたがって放出されうる。治療薬60098の例としては、例えばフィブリン、トロンビン及び/又は酸化再生セルロース(ORC)などの止血剤及び薬物、例えばジクロフェナク、アスピリン、ナプロキセン、スリンダク及びヒドロコルチゾンなどの抗炎症剤、及び例えば、トリクロサン、イオン性銀、アンピシリン、ゲンタマイシン、ポリミキシンB、クロラムフェニコールなどの抗菌剤又は薬剤、及び例えば、シスプラチン、マイトマイシン、アドリアマイシンなどの抗がん剤が挙げられうるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、治療薬60098は、例えば幹細胞などの生物製剤を含みうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ60020内の各補償層60022が異なる治療薬60098を含んでもよく、又は様々な他の実施形態では、少なくとも2つの補償層60022が同じ治療薬60098を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、例えば生物製剤などの治療剤60098を含む補償層60022を、例えばポリグリコール酸(PGA)発泡材などのポリマー組成物を含む、2つの構造補償層60022間に封止することができる。様々な実施形態において、補償層60022は更に、導電性材料(例えば、銅など)を含みうる。
様々な実施形態において、再び図174を参照して、組織厚さコンペンセータ62020中の補償層62022は異なる形状を有しうる。層62022が、組織厚さコンペンセータ62020中に隣接して配置されるとき、補償材料62022が、層62022間に、少なくとも1つの三次元導管62032を形成可能である。例えば、チャネルを含む第2の補償材料62022bが、実質的に平坦な第3の補償材料62022c上に配置されるときに、第3の補償材料62022cのチャネルと、平坦な表面が、その間に、三次元導管62032aを画定可能である。同様に、例えば、チャネルを含む第5補償材料62022eが、相当するチャネルを含む第4の補償材料62022dの下に配置され、チャネルが、隣接して積み重なった補償層62022d、62022e中に、チャネルによって画定された三次元導管62032bを形成可能である。様々な実施形態において、導管62032は、治療剤及び/又は体液を、組織厚さコンペンセータ62020を通して流れる流体として指示可能である。
様々な実施形態において、図170を参照して、組織厚さコンペンセータ61020には、ステープルカートリッジ20000から展開したステープル30030を受容するように構成された、層60122a及び21022bなどの補償層61022が含まれうる(図169)。ステープル30030を、初期位置から発射位置へ移動させるに伴い、少なくとも1つの補償材料61022の形状が、ステープル脚30032を発射位置までガイド可能である。様々な実施形態において、少なくとも2つの補償層61022が、それを通って延在する機構部61030を含んでよく、ここで開口部61030が、本明細書でより詳細に記載するように、ステープル30030がステープルカートリッジ20000から発射するときに(図169)、展開したステープル30030のステープル脚30032を受容するように構成可能である。様々な他の実施形態において、図174を再び参照して、ステープル脚30032は、例えば補償層62022fなどの、少なくとも1つの補償層を通して貫通することができ、例えば補償層62022aなどの、少なくとも1つの補償層の開口部62030を通して受容可能である。
図170を主に参照して、組織厚さコンペンセータ60120には、1つの補償材料61022a、61022b上に、少なくとも1つの支持タブ61026を含みうる。支持タブ61026は、第1の補償材料61020aと第2の補償材料61020b間の空隙61032などの、隣接する補償材料間で画定された分離間隙61032内に突出しうる。様々な実施形態において、支持タブ61026が、第1の補償層61022aの長手方向側面から突出しうる。更に、支持タブ61026は、長手方向側部の長さに沿って、又はその一部のみに沿って延在可能である。様々な実施形態において、少なくとも1つの支持タブ61026が、補償層61022a、61022bの2つの長手方向側面から延出しうる。更に、隣接して配置された補償材料61022a、61022bは、第1の補償層60122aから延在する支持タブ60126が、少なくとも部分的に、第2の補償層60122bから延在する支持タブ60126と位置合わせされるように、相当する支持タブ60126を含みうる。少なくとも1つのこうした実施形態において、再び図168を参照すると、組織厚さコンペンセータ60820は、隣接する補償層60122a、60122bの間にリミッタプレート60828を含みうる。リミッタプレート60828は、例えば、第1の補償層60122aと第2の補償層60122b間で画定された空隙60132中に配置することができる。本明細書でより詳しく述べられるように、支持タブ(複数可)61026及び/又はリミッタプレート(複数可)60828が、支持体60124及び/又は補償層60122a、60122bの変形及び/又は屈曲を制御しうる。
上述のように、様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ60020の補償層60022は、異なる材料、形状及び/又は寸法を含みうる。好適な組織厚さコンペンセータ60020は、種々の製造技術によってアセンブリ可能である。主として図159を参照して、組織厚さコンペンセータ60022を、リソグラフ、ステレオリソグラフ(SLA)又はシルクスクリーニング工程によって製造可能である。例えば、立体リソグラフィ製造工程が、それぞれの補償層60022が異なる材料及び/又は幾何学的特徴を含む、組織厚さコンペンセータ60020を作製可能である。例えば、第1の材料、形状及び/又は寸法を含む第1の補償層60022が紫外線によって硬化するように、ステレオリソグラフィー機器中の紫外線が、第1の補償層60022の形状を描画可能である。第2の材料、形状及び/又は寸法を含む第2の補償層60022が紫外線によって硬化するように、紫外線がついで、第2の補償層60022の形状を描画可能である。様々な実施形態において、ステレオリソグラフィー装置は、互いの上に重ね合わせた、横並びの、又はそれらの組み合わせの補償層60022を描くことができる。更に、補償層60022は、ポケット60132が、隣接する補償層60022間に存在するように、描画されうる。ステレオリソグラフィー機器が、固有の形状を有する非常に薄い層を作製可能であるので、ステレオリソグラフィー工程によって製造される組織厚さコンペンセータ60020は、非常に複雑の三次元形状を含みうる。
様々な実施形態において、図169を参照して、組織厚さコンペンセータ60920を、外科用器具10のエンドエフェクタ12中に配置することができる(図1)。組織厚さコンペンセータ60920を、エンドエフェクタ12のステープルカートリッジ20000に対して配置することができる。例えば、組織厚さコンペンセータ60920は、ステープルカートリッジ20000に取り外し可能に固定可能である。少なくとも1つの実施形態において、組織厚さコンペンセータ60920のうち少なくとも1つの補償層60922は、ステープルカートリッジ20000の上部デッキ表面20011(図79)に隣接して配置されうる。例えば、第2の補償材料60922bを、接着剤によって、又は本明細書で記載した少なくとも1つのラップ(図16)と同様のラップによって、上部デッキ表面20011に固定可能である。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ60920は、ステープルカートリッジ20000と一体化することができ、これにより、ステープルカートリッジ20000と組織厚さコンペンセータ60920とは一体の構造として形成されうる。例えば、ステープルカートリッジ20000は、例えば剛性支持部分20010などの第1の本体部分(図79)、及び組織厚さコンペンセータ60920などの第2の本体部分を有しうる。
また図169を参照して、組織厚さコンペンセータ60920には、第1のコンペンセータ部分60920aと第2のコンペンセータ部分60920bが含まれうる。第1のコンペンセータ部分60920aは、ステープルカートリッジ20000の第1の長手方向側部上に配置することができ、第2のコンペンセータ部分60920bは、ステープルカートリッジ20000の第2の長手方向側部上に配置することが可能である。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ60920がステープルカートリッジ20000に対して配置される際、剛性支持部分20010(図78)内の長手方向スロット20015(図78)は、第1のコンペンセータ部分60920aと第2のコンペンセータ部分60920bとの間に延びることができる。ステープル−発射スレッド20050上の切断要素20052(図78)が、エンドエフェクタ12を通して直進運動するときに、切断要素20052が、例えば、組織厚さコンペンセータ60920の一部を切開することなしに、第1のコンペンセータ部分60920aと第2のコンペンセータ部分60920b間の長手方向スロット20015を通して通過可能である。他の実施形態では、切断要素20052は、組織厚さコンペンセータ60920の一部を切断するように構成することができる。
様々な実施形態において、ここで図162を参照して、組織厚さコンペンセータ63020を、円状外科用機器のエンドエフェクタ12’中に収まるように構成可能である。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ62030は、円形の第1の補償層63022a及び円形の第2の補償層63022bを含みうる。第2の補償材料63022bは、円形ステープルカートリッジ20000’の円形上部デッキ表面20011’上に位置付け可能であり、ここで第2の補償材料63022bは、デッキ表面20011’の形状に相当する形状を有しうる。例えば、デッキ表面20011’には、ステップ付き部分が含まれてよく、第2の補償材料63022bは、相当するステップ付き部分を含みうる。本明細書に述べられる様々な実施形態と同様、組織厚さコンペンセータは、組織厚さコンペンセータ63020の周囲に延びる例えば少なくとも1つの支持体63024及び/又は支持タブ63026を更に有することができる。
図170を再び参照して、発射済みステープル30030を、組織厚さコンペンセータ60920を係合するように構成可能である。本開示と通して記載する様に、発射済みステープル30030は、組織厚さコンペンセータ60920の一部と組織Tを捕捉し、圧縮力を組織厚さコンペンセータ60920に適用することができる。更に、主として図171〜173を参照して、組織厚さコンペンセータ60920は変形可能でありうる。様々な実施形態において、上述のように、第1の補償層60920aは、分離隙間60932によって、第2の補償層60920bから分離されていてもよい。図171を参照して、組織厚さコンペンセータ60920の圧縮の前に、空隙60932が第1の距離を含みうる。圧縮力Aが組織厚さコンペンセータ60920及び組織Tに加えられるとき(例えば、発射済みステープル30030(図170)によって)、支持体60924が変形するように構成することができる。ここで図172を参照して、単一ベンド支持梁部材60924が、第1の補償材料60920aと第2の補償材料60920bとの間の分離間隙60932が第2の距離まで減少するように、圧縮力Aのもとで曲がりうる。主に図173を参照して、第1及び第2の補償層60922a、60922bがまた、圧縮力Aのもとで変形しうる。様々な実施形態において、支持タブ60926が、補償層60920の変形を制御可能である。例えば、支持タブ60926は、互いに接触するときに、補償材料60920の長手方向側部を支持することによって、補償材料60920の過剰な曲がりを防止可能である。支持体タブ60926はまた、圧縮力Aのもとで曲がる、又はたわむように構成可能でもある。更に、またはあるいは、本明細書でより詳細に記述するリミタプレート60128(図168)は、補正層60920及び/又は支持体タブ60926がリミタプレート60128と接触するときに、補正層60920の変形を制限することができる。
更に、本明細書で記載した種々の組織厚さコンペンセータと同様に、組織厚さコンペンセータ60920は、変形するときに、跳ね返り又は復元力を発生させうる。変形した組織厚さコンペンセータによって発生した復元力は、組織厚さコンペンセータ60920の方向、寸法、材料及び/又は形状に少なくとも依存し、同時に適用された力によって変形する組織厚さコンペンセータ60920の量に依存しうる。更に、様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ60920の少なくとも一部が、組織厚さコンペンセータ60920が、発射済みステープル30030によって変形するときに、ばね荷重又は復元力を発生するような、弾力性を有しうる。少なくとも1つの実施形態において、支持体60924は、弾力性材料を含んでよく、及び/又は少なくとも1つの補償材料60922は、組織厚さコンペンセータ60920が弾力性であるように、弾力性のある材料を含みうる。
様々な実施形態において、ここで図175を参照すると、外科用ステープル器具のエンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを含んでよく、第1のジョー及び第2のジョーのうち少なくとも一方が、他方に対して動くように構成されうる。特定の実施形態では、エンドエフェクタは、ステープルカートリッジチャネル19070を含む第1のジョーと、アンビル19060を含む第2のジョーとを含んでよく、アンビル19060は、例えば、ステープルカートリッジチャネル19070に向かって及び/又は離れるように枢動しうる。ステープルカートリッジチャネル19070は、ステープルカートリッジ19000を受容するように構成することができ、例えば、少なくとも1つの実施形態において、これは、ステープルカートリッジチャネル19070内に取り外し可能に保持されうる。様々な実施形態において、ステープルカートリッジ19000は、カートリッジ本体19010及び組織厚さコンペンセータ19020を有してよく、少なくとも1つの実施形態では、組織厚さコンペンセータ19020は、カートリッジ本体19010に着脱可能に取り付けることができる。本明細書に述べられる他の実施形態と同様、次に図176を参照すると、カートリッジ本体19010は、複数のステープル空洞19012、及び各ステープル空洞19012内に配置されたステープル19030を有しうる。やはり本明細書に述べられる他の実施形態と同様、ステープル19030は、カートリッジ本体19010内に配置されたステープルドライバ19040によって支えられていてもよく、例えば、スレッド及び/又は発射部材は、ステープルカートリッジ19000を介して前進し、図177に示すように、ステープル空洞19012内でステープルドライバ19040を上に持ち上げ、ステープル空洞19012からステープル19030を発射させることができる。
様々な実施形態において、主に図175及び176を参照して、組織厚さコンペンセータ19020が、弾力的部材19022と、弾力的部材19022を封止している容器19024を含みうる。少なくとも1つの実施形態において、容器19024は密封されてもよく、周囲の大気圧とは異なる圧力を有する内圧を含む空洞を画定しうる。特定の実施形態では、内部大気の圧力は、周辺大気の圧力よりも大きくてよく、他の実施形態では、内部大気の圧力は、周辺大気の圧力よりも小さくてよい。容器19024が、周辺大気の圧力よりも小さな圧力を含む実施形態において、容器19024の側壁が真空密封可能である。このような実施形態では、真空は、容器19024の変形、崩壊及び/又は平坦化を引き起こし得、そこで、容器19024内に位置する弾力性部材19022が、容器19024内で弾性的に圧縮されうる。容器19024を真空にすると、弾力性部材19022は、下方に歪むか変形してよく、圧縮又は真空パック状態で、容器19024の側壁によって適所で保持されうる。
弾力性部材19022と容器19024は生体適合性材料から構成される。様々な実施形態において、弾力性部分19022及び/又は容器19024は、例えば、PLLA、PGA、及び/又はPCLなどの生体吸収性材料から構成されうる。特定の実施形態では、弾力性部材19022は、弾性材料から構成されることができる。弾力性部材19022はまた、構造弾力性を含みうる。例えば、弾力性部材19022は、中空管の形態でありうる。
以上に加え、組織厚さコンペンセータ19020は、カートリッジ本体19010のデッキ表面19011に対して、又は隣接して配置することができる。ステープル19030が少なくとも部分的に発射されるときに、図177をここで参照して、ステープル19030が、容器19024に穴を開けるか、又は破裂させうる。特定の実施形態では、容器19024には、切断部材19080が進行して、ステープルカートリッジ19000とアンビル19060間に配置される組織Tに穴を開けるときに、切断部材19080がまた、容器19024の中心部分19026に穴を開け、それによって、容器19024に穴を開ける、もしくは破裂させるように、カートリッジ本体19010の切断スロット19016上に位置付けられうる中心部分19026を含みうる。いずれの場合でも、一旦容器19024が破裂したならば、容器19024内の内側大気が、組織厚さコンペンセータ19020周辺の大気と均質化し、弾性的部材19022が、その歪曲のない、及び/又は平坦化していない構成を再取得する、又は少なくとも部分的に再取得するために、弾性的に拡張することを許容しうる。そのような状況において、弾性的部材19022は、変形したステープル19020内に捕捉された組織Tに付勢力を提供可能である。より具体的には、容器19024が破裂するとき、組織厚さコンペンセータ19020が、ステープル19030内で捕捉した組織Tの厚さを補償可能であるように、アンビル19060中で画定されたポケット19062の成形表面によって変形された後、ステープル19030の脚が、組織Tと、ステープル19030内の弾性的部材19022の少なくとも一部分を捕捉可能である。例えば、ステープル19030内に捕捉された組織Tがより薄い場合、そのステープル19030内に捕捉された弾力性部材19022は、ステープル19030内のギャップを充たすために拡張可能であり、組織Tに対して、充分な圧縮力を適用可能である。対応して、ステープル19030内に捕捉された組織Tがより厚い場合、そのステープル19030内に捕捉された弾力性部材19022は、ステープル19030内のより厚い組織に対する空間をつくるために圧縮されたままであり得、同様に組織Tに対して充分な圧縮力を適用可能である。
容器19024が破裂するとき、以上で概略したように、弾性的部材19022が、これらの本来の構成に弾性的に戻ろうと試みて、拡張しうる。特定の状況において、ステープル19030内で捕捉された弾性的部材19022の部分は、その本来のゆがんでいない形状に戻ることができなくてよい。そのような状況において、弾性的部材19022は、ステープル19030内で捕捉された組織Tに圧縮力を適用可能であるばねを含みうる。様々な実施形態において、弾力性部材19022は、直線ばねを模倣可能であり、弾性的部材19022によって作用される圧縮力は、ステープル19030内で弾力性部材19022が屈曲したままでいる量又は距離に対して線状に比例する。特定の他の実施形態では、本発明により、弾力性部材19022は、非線状ばねを模倣可能であり、弾力性部材19022によって作用される圧縮力は、ステープル19030内で弾力性部材19022が屈曲したままでいる量又は距離に対して線状に比例しない。
様々な実施形態において、図178及び179を主に参照して、ステープルカートリッジ19200は、その中に1つ又は2つ以上の密封した容器19222を含みうる、組織厚さコンペンセータ19220を含みうる。少なくとも1つの実施形態において、容器19222のそれぞれは密封することができ、内部雰囲気を含みうる。特定の実施形態では、密封容器19222内の内部雰囲気の圧力は大気圧よりも高くてもよく、特定の実施形態では、密封容器19222内の内部雰囲気の圧力は大気圧よりも低くてもよい。容器19222内の内部大気の圧力が大気圧より低い実施形態では、容器19222は、真空を含むものとして記述できる。様々な実施形態において、1つ又は2つ以上の容器19222を、例えば、外側囲い版、容器、ラップ及び/又はフィルム19224内にラップ又は含めることができ、そこで組織厚さコンペンセータ19220は、カートリッジ本体19010のデッキ表面19011上に配置することが可能である。特定の実施形態では、各容器19222は、円形(又は、少なくとも実質的に円形)の断面を有し、閉鎖端と解放端を有する管から製造することができる。管の開端部で減圧して真空にすることができ、充分な真空が管内で達成されたならば、開端部を閉じて密封しうる。少なくとも1つのこうした実施形態において、管は、例えば、ポリマー材料から構成され、そこで管の開端部は、それを閉じ、封止するために、熱カシメ形成が可能である。任意の事象において、それぞれの容器19222内の真空が、管の側壁を内側に引き、管を弾性的に歪曲及び/又は平坦化する。容器19222を、図179にて、少なくとも部分的に平坦化した状態で図解している。
ステープル19030がその未発射位置であるとき、図179にて図解するように、ステープル19030の先端部が、組織厚さコンペンセータ19220の下に配置されうる。少なくとも1つのこうした実施形態において、ステープル19030は、ステープル19030が、図179にて図解するような、未発射位置から、図180にて図解するようなそれらの発射位置まで移動するまで、ステープル19030が容器19222に接触しないように、それぞれのステープル空洞19012内で配置することができる。特定の実施形態では、組織厚さコンペンセータ19220のラップ19224が、ステープル19030によって早期に穴が開くことから容器19220を保護することが可能である。ステープル19030が少なくとも部分的に発射されるときに、図180をここで参照して、ステープル19030の脚が、容器19222に穴を開けるか、又は破裂させうる。そのような状況において、容器19222内の内側大気が、容器19222周辺の大気と均質化可能であり、これらの歪曲のない、及び/又は平坦化していない構成を取り戻す、又は少なくとも部分的に取り戻すために弾性的に拡張可能である。そのような状況において、穴の開いた容器19222が、変形したステープル19030内に捕捉された組織に付勢力を提供可能である。より具体的には、容器19222が破裂するとき、容器19222が、ステープル19030内で捕捉された組織Tの厚さを補償可能なように、アンビル19060中で画定されたポケット19062の成形表面によって変形された後、ステープル19030の脚が、組織Tと、ステープル19030内の容器19222の少なくとも一部を捕捉可能である。例えば、ステープル19030内に捕捉された組織Tがより薄い場合、そのステープル19030内に捕捉された容器19222は、ステープル19030内のギャップを充たすために拡張可能であり、組織Tに対して、充分な圧縮力を適用可能である。対応して、ステープル19030内に捕捉された組織Tがより厚い場合、そのステープル19030内に捕捉された容器19222は、ステープル19030内のより厚い組織に対する空間をつくるために圧縮されたままであり得、同様に組織Tに対して充分な圧縮力を適用可能である。
容器19222が破裂するとき、以上で概略したように、容器19222が、これらの本来の構成に弾性的に戻ろうと試みて、拡張しうる。ステープル19030内で捕捉された容器19222の部分は、その本来のゆがんでいない形状に戻ることができなくてよい。そのような状況において、容器19222は、ステープル19030内で捕捉された組織Tに圧縮力を適用可能であるばねを含みうる。様々な実施形態において、容器19222は、線形ばねを模倣可能であり、容器19222によって適用された圧縮力は、容器19222がステープル19030内で屈曲したままである量又は距離に直線比例する。特定の他の実施形態では、容器19222は、非線形ばねを模倣可能であり、容器19222によって適用された圧縮力が、容器19222がステープル19030内で屈曲したままである量又は距離に直線比例しない。様々な実施形態において、容器19222は中空であってよく、少なくとも1つの実施形態において、密封された形態にある場合、空であってよい。特定の実施形態では、各容器19222が空洞を画定してもよく、更に、その中に包含される少なくとも1つの薬剤を含みうる。少なくともいくつかの実施形態において、容器19222は例えば放出及び/又は生体吸収されうる少なくとも1種類の薬剤から構成することができる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータ19220の容器19222は、任意の好適な様式で配置可能である。図178にて図解するように、カートリッジ本体19010中で画定されるステープル空洞19012と、ステープル空洞19012内に配置されるステープル19030を列中に配置可能である。少なくとも図に示される実施形態において、ステープル空洞19012は、例えば6列の長手方向の直線的な列に配列することができるが、任意の適当なステープル空洞19012の配列を用いることができる。また図178にて図解するように、組織厚さコンペンセータ19220は、6つの容器19222を含んでよく、それぞれの容器19222は、ステープル空洞19012の列と整列されるか、その上に配置されてよい。少なくとも1つの実施形態において、ステープル空洞19012の1つの列内のステープル19030のそれぞれは、同じ容器19222に穿孔するように構成することができる。特定の状況において、ステープル19030のステープル脚の一部が、その上に配置される容器19222に穴を開けない場合があるが、容器19222が例えば連続内部空洞を画定する実施形態では、空洞は、内部空洞大気の圧力が、容器19222の周囲の大気圧と同じになるように、ステープル19030の少なくとも1つによって十分に孔を開けられる。様々な実施形態において、ここで図185を参照すると、組織厚さコンペンセータは容器(例えば、容器19222’など)を含み、これは、ステープル19030の列を横切る方向に延在しうる。少なくとも1つのこうした実施形態において、容器19222’は複数のステープル列を横切って延びることができる。特定の実施形態では、ここで図186を参照して、組織厚さコンペンセータ19220”は、ステープル19030のラインに対して、垂直、又は少なくとも実質的に垂直である方向で伸張する、複数の容器19222”を含みうる。少なくとも1つのこうした実施形態において、いくつかの容器19222”は、ステープル19030によって孔を開けられうるが、一方で他はステープル19030によって孔が開けられなくてよい。少なくとも1つの実施形態において、容器19222”は、例えば、切断部材が容器19222”を横断し破裂させる切断経路にわたって、又はそのような切断経路を通って延在可能である。
様々な実施形態において、以上で記述したように、例えば、組織厚さコンペンセータ19220などの、組織厚さコンペンセータは、例えば容器19222などの、複数の封止された容器を含みうる。また、以上で記載したように、それぞれの密封容器19222は、別の内部大気を含みうる。特定の実施形態では、容器19222は異なる内圧を有しうる。少なくとも1つの実施形態において、例えば、第1容器19222は、第1圧力を有する内側真空を含んでよく、第2容器19222は、第2の異なる圧力を有する内側真空を含みうる。少なくとも1つのこうした実施形態において、容器19222の歪曲又は平坦化の量は、その中に含まれる内部大気の真空圧の関数でありうる。例えば、より大きな真空を有する容器19222が、より小さな真空を有する容器19222と比較して、より大きな量で、歪曲又は平坦化しうる。特定の実施形態では、容器の空洞は、2つ以上の別個の密封された空洞に分かれていてもよく、別個の密封された空洞はそれぞれ、別個の内圧を含みうる。少なくとも1つのこうした実施形態において、例えば、あるステープル列内のいくつかのステープルが、容器内に画定される第1空洞を穿刺するように構成及び配列されてもよく、一方、そのステープル列内の他のステープルが、容器内に画定される第2空洞を穿刺するように構成及び配列されてもよい。このような実施形態では、特に、ステープル列内のステープルがステープル列の一方の端から他方へと順に連続的に発射される実施形態において、上述のように、他の空洞が破裂したときにも空洞の1つが無傷のままで、内圧を維持することができる。特定の実施形態では、第1の空洞は、第1の真空圧を有する第1の大気を有してよく、第2の空洞は、例えば第2の異なる真空圧を有する内部大気を有してよい。様々な実施形態において、そのまま残る空洞は、容器が生体吸収されるまで、その内部圧力を保持可能であり、それによって、時限圧力放出を作製する。
様々な実施形態において、ここで図181及び182を参照して、例えば組織厚さコンペンセータ19120などの、組織厚さコンペンセータを、アンビル19160に取り付け可能である。以上と同様に、組織厚さコンペンセータ19120には、容器19124と、その中に配置される複数の弾力的部材19122を含みうる。以上とまた同様に、容器19124は、組織厚さコンペンセータ19120を取り囲んでいる大気圧よりも小さいか、又は大きい圧力を有している内部大気を含む空洞を画定可能である。容器19124内の内圧が真空を含む実施形態では、その中に配置された容器19124及び弾力性部材19122は、容器19124内の真空と、容器19124の外の大気圧との間の圧力差によって、歪み、潰れ、及び/又は平らになりうる。利用に際し、アンビル19160が、ステープルカートリッジ19100と反対に配置され、容器19124上の組織係合表面19121が、組織厚さコンペンセータ19120とステープルカートリッジ19100の中間に配置される組織Tと係合しうる、閉位置に移動させることができる。利用に際して、発射部材19080が、以上で記述するように、そして組織Tを切開すると同時にステープル19030を発射するために遠位に前進可能である。少なくとも1つの実施形態において、組織厚さコンペンセータ19120は更に、アンビル19160中で画定された切断スロットと位置合わせ可能な、中間部分19126を更に含んでよく、そこで発射部材19080が組織厚さコンペンセータ19120を通して遠位に前進するときに、発射部材19080が容器19124を穿孔又は破裂させることが可能である。また、以上と同様に、発射部材19080は、図183にて図解するように、ステープル19030がアンビル19160と接触して、これらの変形形態に変形可能なように、ステープルドライバ19040を上方に持ち上げ、ステープル19030を発射することができる。ステープル19030を発射するとき、容器19124内に配置される弾性的部材19122が、以上で概説したように、少なくとも部分的に拡張可能であるように、ステープル19030が組織Tに孔を開け、ついで容器19124を貫通するか、破裂させることが可能である。
ここで図212及び213を参照して、外科用ステープリング器具のエンドエフェクタは、第1ジョーと第2ジョーを含み得、ここで第1ジョーと第2ジョーの少なくとも1つが他に対して移動されるように構成可能である。エンドエフェクタには、ステープルカートリッジチャネル80070を含む第1ジョーと、アンビル80060を含む第2ジョーが含まれ得、そこでアンビル80060は、例えばステープルカートリッジチャネル80070に向かって、及び/又はから離れて枢動しうる。ステープルカートリッジチャネル80070を、例えばステープルカートリッジチャネル80070内に取り外し可能に保持可能な、ステープルカートリッジ80000を受容するように構成可能である。他の実施形態は、カートリッジチャネル80070から容易に取り外し可能なステープルカートリッジを含みうる。ステープルカートリッジ80000は、図212、及び213に例示されるように、カートリッジ本体80010、カートリッジデッキ80011、及び組織厚さコンペンセータ80020を含んでよく、そこで組織厚さコンペンセータ80020は、カートリッジ本体80011に対して、又はこれと隣接するように、取り外し可能に接続されてもよい。
本明細書に述べられる他の実施形態と同様、次に図212、及び214を参照すると、カートリッジ本体80010は、複数のステープル空洞80012、及び各ステープル空洞80012内に配置されたステープル80030を有しうる。やはり本明細書に述べられる他の実施形態と同様、ステープル80030は、カートリッジ本体80010内に配置されたステープルドライバ19040によって支えられていてもよく、例えば、スレッド及び/又は発射部材は、ステープルカートリッジ80000を介して前進し、ステープル空洞80012内でステープルドライバを上に持ち上げ、ステープル空洞80012からステープル80030を発射させることができる。
図212及び213を主に参照し、組織厚さコンペンセータ80020は、適切な圧縮力で弾力的に圧縮され、圧縮力が減らされるか、又は完全に取り除かれるまで、圧縮状態に維持されうる。コンペンセータ80020は、第1支持部材80024、及び第2支持部材80025により少なくとも部分的に包囲されうる、弾力性部材80022を含みうる。図212に例示されるように、弾力性部材80022は、第1支持部材80024と、第2支持部材80025との中間に位置付けられ、及び/又は挟持され得、それにより、弾力性部材80022は、第1支持部材80024と、第2支持部材80025との間で圧縮されうる。少なくとも1つの状況において、その間で弾力性部材80022を圧縮するために、第1支持部材80024及び/又は第2支持部材80025に対して圧縮力がかけられる場合がある。組織厚さコンペンセータは、多数の支持部材により少なくとも部分的に包囲された、多数の弾力性部材を含むことがあり、多数の支持部材は、多数の支持部材のうちの1つ又は2つ以上に圧縮力をかけることによって弾力的に圧縮されうる。
図212に例示されるように、弾力性部材80022、第1支持部材80024、及び第2支持部材80025は、1つ又は2つ以上の圧縮部材80028により圧縮状態で一緒に保持されうる、分離した別個の層として構成されうる。圧縮状態において、図212に例示されるように、圧縮部材80028により、組織厚さコンペンセータ80020が歪み、圧潰し、及び/又は平坦化し、弾力性部材80022は、第1支持部材80024と、第2支持部材80025との間で弾力的に圧縮されうる。図212〜214に例示されるように、圧縮部材80028は、多数の別個のストラップ及び/又はバンドを含む場合があり、これらはそれぞれ、圧縮状態で組織厚さコンペンセータ80020の少なくとも区分を保持しうる。圧縮部材80028それ自体が、組織厚さコンペンセータ80020の層を包囲し、第1支持部材80024、及び第2支持部材80025を通じて弾力性部材80022に圧縮力をかけるよう、弾力的に伸張しうる、弾力性部材でありうる。単一の連続的なストラップは、組織厚さコンペンセータ80020の周囲に巻かれ、圧縮状態で組織厚さコンペンセータ80020を保持するように構成されうる。組織厚さコンペンセータ80020を圧縮し、このコンペンセータを圧縮状態で保持するための他の圧縮手段も、本開示の範囲内で想到される。
上記に加え、組織厚さコンペンセータ80020は、カートリッジ本体80010のデッキ表面80011に対して、又は隣接して圧縮状態で配置することができる。図215を参照し、ステープル80030が発射されるとき、ステープル80030の脚が、組織厚さコンペンセータ80020の層を貫入し、アンビル80060とカートリッジ80000の中間に位置付けられた組織Tを捕捉しうる。より具体的に、アンビル80060内に画定されるポケットの形成表面により変形された後、ステープル80030の脚が組織T、及び圧縮された組織厚さコンペンセータ80020の少なくとも一部をステープル80030内で捕捉することができる。
いくつかの状況において、組織厚さコンペンセータ80020は、カートリッジ本体80010の切断スロット80016上に位置付けられる場合があり、それにより、切断部材80080が前進してステープルカートリッジ80000とアンビル80060との間に位置付けられるとき、切断部材80080はまた圧縮部材80028も切断し、それによって弾力性部材80022が弾力的に拡張して、その非圧縮の、歪んでいない形状、及び/又は非平坦な構成へと元に戻るか、又は少なくとも部分的に元に戻り、それにより、組織厚さコンペンセータ80020がステープル80030内に捕捉された組織Tの厚さを補償する。いくつかの状況において、コンペンセータ80020は、圧縮部材80028から解放された際に、完全に非圧縮状態に戻らないことがある。そのような状況において、弾性的部材80022は、変形されたステープル80020内で捕捉された組織Tに付勢力を適用可能であるばねを含みうる。
使用中、手術者は、切断部材80080を、スロット80016を通じて近位から遠位へと前進させて、アンビル80070とステープルカートリッジ80000との間に捕捉された組織を切断してもよい。切断部材80070の前進は、ステープル80030が展開される間、及び/又はその後に生じうる。加えて、切断部材800070は、切断部材がスロット80016を通じて近位から遠位へと前進する際に、コンペンセータ80020を切断してもよい。更に、切断部材80080は、これが近位から遠位へと前進する間に、圧縮部材80028を徐々に切断してもよい。
図212に例示されるように、圧縮部材80028のそれぞれが、コンペンセータ80020の少なくとも一部分を圧縮状態で保持してもよく、これにより、圧縮部材80028の1つを切断する際に、切断された圧縮部材80028により保持されていたコンペンセータ80028の部分が、圧縮状態から解放されうる。コンペンセータ80020の解放された部分は、拡大、又は部分的に拡大して、コンペンセータ80020のこの部分と隣接して、又はこれに対して位置付けられた組織Tの厚さを補償してもよく、及び/又は組織Tに対して圧縮力をかけてもよい。コンペンセータ80020の残部は、完全な圧縮部材80028により圧縮状態で保持されたままでありうる。切断部材80080が更に前進して別の圧縮部材80028を切断し、これによりコンペンセータ80028の別の部分を、圧縮状態から解放してもよい。結果として、切断部材80080の、近位から遠位への前進は、コンペンセータ80020を通じ、解放及び除圧の波を生じうる。
図214に例示されるように、組織厚さコンペンセータ80020と、アンビル80060との間に捕捉された組織Tは、ステープルカートリッジ80000の長さに沿って、異なる厚さの部分を含む。特に、形成されていないステープル80030Aの上に位置付けられた、コンペンセータ80020の部分は、形成されていないステープル80030Bの上に位置付けられたコンペンセータ80020の部分よりも薄い場合がある。同様に、形成されていないステープル80030Bの上に位置付けられた、コンペンセータ80020の部分は、形成されていないステープル80030Cの上に位置付けられたコンペンセータ80020の部分よりも薄い場合がある。上記に加えて、ステープル80030A〜Cが発射されると、ステープル80030A〜Cの脚が圧縮された組織厚さコンペンセータ80020の層を貫入し、これに応じてステープル80030A〜C内の組織Tの部分を捕捉する。加えて、例えば、切断部材80080により、圧縮部材80028A及び80028Bを切断することにより、組織厚さコンペンセータ80020が圧縮状態から解放されるとき、弾力性部材80022は、一部ステープル80030A〜Cにより捕捉された組織部分の厚さによって、弾力的に拡大し、及び/又はステープルA〜Cにより捕捉された組織Tに対して付勢力をかける。
図215を参照し、上記の実施例において、ステープル80030A内に捕捉された組織T部分は、ステープル80030B内に捕捉される組織T部分よりも薄い場合がある。同様に、ステープル80030B内に捕捉された組織Tの部分は、ステープル80030B内に捕捉される組織Tの部分よりも薄い場合がある。結果として、図215に例示されるように、組織厚さコンペンセータ80020は、ステープル80030A〜C内に捕捉される組織Tの厚さを補償するために十分な厚さまで、ステープル80030A〜Cそれぞれの内部で拡大する。換言すると、組織Tが、発射されたステープルを充填するために十分に厚い場所では、組織厚さコンペンセータ80020が圧縮されているか、又は少なくとも部分的に圧縮されたままでありうる。しかしながら、組織Tが発射されたステープルを充填するために十分に厚くない場所では、組織厚さコンペンセータ80020は、拡大して発射されたステープルを充填し、組織Tの厚さを補償しうる。
上記に加え、図214、及び215を再び参照し、組織厚さコンペンセータ80020は、カートリッジ本体80010のデッキ表面80011に対して、又は隣接して圧縮状態で配置することができる。ステープル80030がその未発射位置であるとき、ステープル80030の先端部が、組織厚さコンペンセータ80020の下に配置されうる。ステープル80030が未発射位置からその発射位置まで移動するまで、ステープル80030が組織厚さコンペンセータ80020と接触しないように、ステープル80030は、その対応するステープル空洞80012内でカートリッジデッキ80011下に位置付けられうる。図214に示されるように、他の実施形態において、ステープル80030の先端部は、その未発射位置において、組織厚さコンペンセータ80020内に位置付けられうる。少なくとも1つのこのような実施形態において、ステープル80030の先端部は、例えば、カートリッジ80000をカートリッジ80070へと取り付け、カートリッジ8000を組織Tに対して位置付ける間に、組織厚さコンペンセータ80020とカートリッジデッキ80011との間の相対移動を低減することによって、組織厚さコンペンセータ80020を、カートリッジデッキ80011に対する位置に維持するのを補助することができる。
上記のように、図215を再び参照し、弾力性部材80022は、圧縮部材80028が切断されるときに、その元の構成に弾力的に戻ろうとして拡大することができる。しかしながら、また上記のように、ステープル80030内に捕捉された弾力性部材80022の部分は、ステープル80030内に捕捉された組織Tの厚さが、形成されるステープルを充填するために十分に厚い場合、元の歪んでいない形状に戻ることができない場合がある。そのような状況において、弾性的部材80022は、ステープル80030内で捕捉された組織Tに圧縮力を適用可能であるばねを含みうる。容器80022の第1部分は、線形のばねを模倣することがあり、このような第1部分によりかけられる圧縮力は、この部分がステープル80030内で変形されたままである、程度又は距離に直線的に比例する。特定の他の実施形態では、弾力性部材80022の異なる第2部分は、非線形のばねを模倣することがあり、このような第2部分によりかけられる圧縮力は、第2部分がステープル80030内で変形されたままである、程度又は距離に直線的に比例しない。
弾力性部材80022は、生体適合性の材料から構成されうる。加えて、弾力性部材80032は、例えば、PLLA、PGA、PCL、及び/又はこれらの組み合わせなどの、生体吸収性材料から構成されうる。特定の状況では、弾力性部材80022は、弾性材料から構成することができる。更に、弾力性部材80022はまた、構造弾力性を含みうる。例えば、弾性部材8022は、フォームなどの多孔質構造を含みうる。
組織厚さコンペンセータ80020は、全体を通じ、均一の、又は実質的に均一の非圧縮厚さを備える、弾力性部材80022を含みうる。あるいは、弾力性部材80022は、様々な厚さを備える区域を含みうる。弾力性部材80022の厚さは、例えば、ステープルカートリッジ80010の長さに沿って、組織厚さコンペンセータ80020の第1端部から、組織厚さコンペンセータ80020の第2端部まで徐々に増加するように構成されうる。結果として、非圧縮の組織厚さコンペンセータ80020は、第1端部において、第2端部におけるよりも薄い場合がある。更に、圧縮部材80028により圧縮力をかけるときに、組織厚さコンペンセータ80020は実質的に均一の厚さを有することがあるが、コンペンセータ80020のより厚い端部における圧縮の程度は、コンペンセータ80020のより薄い端部における圧縮の程度よりも大きい場合がある。
上記の厚さの勾配により、組織厚さコンペンセータ80020は、ステープル80030により捕捉され、全体を通じて均一な厚さを有する組織Tの長さに対して、既定の圧縮勾配を適用しうる。換言すると、組織Tが経験する圧縮力は、ステープルカートリッジ80010の長さに沿った組織Tの位置によって、既定の様式で異なっていてもよい。
支持部材80024と容器80025は生体適合性材料から構成される。加えて、支持部材80024及び80025は、例えば、PLLA、PGA、PCL、及び/又はこれらの組み合わせなどの、生体吸収性材料を含みうる。支持部材80024と容器80025は同じ材料から構成されうる。あるいは、支持材料80024、及び80025は、異なる材料から構成されうる。
更に支持部材80024、及び/又は支持部材80025は、組織厚さコンペンセータ80020の長さ及び/又は幅、全体を通じて実質的に均一な厚さを維持するために十分な硬さを含みうる。例えば、支持部材80024及び/又は支持部材80025は、図212〜214に例示される、圧縮部材80028により、そこにかけられる負荷下において、撓む、曲がる、及び/又は歪むことがないように、十分に剛性でありうる。あるいは、支持部材80024、及び80025のうちの少なくとも1つが、ステープル80030により捕捉された組織の外形に沿って曲がる、及び/又はこれに適合するように、十分な弾性を含みうる。特定の状況において、第2支持部材80025は、ステープルクラウン80028を受容するために十分な剛性を有してもよく、よってステープル80030により捕捉される組織のための追加的な支持をもたらす。
圧縮部材80028は、生体適合性材料から構成される。加えて、圧縮部材80028は、例えば、PLLA、PGA、PCL、及び/又はこれらの組み合わせなどの、生体吸収性材料から構成されうる。上記のように、圧縮部材80028は、多数の別個のストラップ及び/又はバンドを含む場合があり、これらはそれぞれ、圧縮状態で組織厚さコンペンセータ80020の少なくとも区分を保持しうる。このような構成は、切断部材80080が、スロット80016を通じて段階的に移動するにつれて、段階的に圧縮を解放することを可能にしうる。特定の状況において、圧縮部材80028は、埋め込まれた後に、時限の圧力解放を可能にするように、完全なままであってもよい。このような圧縮部材80028は、埋め込み後に、段階的に吸収しうる、生体吸収性物質から構成され、時限の圧力解放を生じうる。
圧縮部材80028は、組織厚さコンペンセータ80020とは別個に製造され、後に、例えば、カートリッジ80000をカートリッジチャネル80070に取り付ける前に、コンペンセータ80020に適用されうる。あるいは、圧縮部材80028を、組織厚さコンペンセータ80020の一部として一体的に形成してもよい。例えば、圧縮部材80028を、第2支持部材80025の一部として一体的に形成してもよい。この場合、弾力性部材80022及び第1支持部材80024は、例えば、カートリッジ80000をカートリッジチャネル80070に取り付ける前に、第2支持部材80025と接合されるか、組み合わされることがある。圧縮部材80028を解放するためにいくつかの解放手段は、本開示の範囲内として想到される。
例えば、組織厚さコンペンセータ80020のような、組織厚さコンペンセータは、アンビル80060に取り付けることができる。使用中、アンビル80060が、ステープルカートリッジ80000と反対に配置され、組織Tが、組織厚さコンペンセータ80020とステープルカートリッジ80000との間で捕捉される組織Tと係合しうる、閉位置に移動させることができる。使用中、上記のように、発射されたステープル80030は、捕捉された組織T、及び更に組織厚さコンペンセータ80020を貫入して、アンビル80060のポケットにより形成されうる。上記と同様に、圧縮部材80028は、切断部材80080と同様の切断部材により切断されうる。
上記と同様に、エンドエフェクタ80005は、2つの組織厚さコンペンセータを含み、第1組織厚さコンペンセータが、アンビル80060に隣接して、又はこれに対して取り付けられる、及び/又は位置付けられ得、第2組織厚さコンペンセータは、ステープルカートリッジ80000に隣接して、又はこれに対して取り付けられうる。組織Tは、第1組織厚さコンペンセータと、第2組織厚さコンペンセータとの間に捕捉され得、ステープル80030は、第1及び第2組織厚さコンペンセータを通じて発射され得、よってその間に組織Tが捕捉される。コンペンセータ80020と同様に、第1及び/又は第2厚さコンペンセータは、弾力性部材及び/又は支持部材を含むことがある。またコンペンセータ80020と同様に、第1及び/又は第2厚さコンペンセータは、圧縮部材を含むことがある。
いくつかの状況において、発射されたステープル80030は他所に記載されるように変形されてもよく、ステープル80030の変形された本体内に圧縮ゾーンを画定してもよい。更に、圧縮状態のコンペンセータ80020、及び組織Tが、変形したステープル80030により画定された圧縮ゾーン内に捕捉されてもよく、圧縮ゾーンの大きさ、及び圧縮ゾーン内に捕捉された組織T及びコンペンセータ80030の厚さによって、ステープル80030が発射された後に、圧縮ゾーン内に空隙が残ることがある。いくつかの状況によって、コンペンセータ80020をその圧縮状態から解放することによって、空隙が充填されるか、又は少なくとも部分的に充填されうる。例えば、切断部材80080は、上記のように圧縮部材80028を切断してもよく、これによりコンペンセータ80020が拡大して、圧縮ゾーン内の空隙を充填するか、又は少なくとも部分的に充填する。あるいは、手術者は、ステープル80030が充填された後に、例えば、外科用鋏により、圧縮部材80028を切断することによって、コンペンセータ80020をその圧縮状態から解放することができる。いくつかの状況において、圧縮ゾーン内に捕捉された組織Tは、コンペンセータ80020がその圧縮状態から解放されるときに、より大きな圧縮を受けることがある。解放されたコンペンセータ80020は変形したステープル80030の圧縮ゾーン内で部分的に圧縮されたままであり得、結果として、圧縮ゾーン内の組織Tに圧縮力をかけうる。
ステープルカートリッジアセンブリは、デッキ、及び未発射位置と発射位置との間で可動の複数のステープルを含む、カートリッジ本体を含む。加えて、ステープルカートリッジアセンブリは、圧縮性組織厚さコンペンセータであって、上記ステープルが上記ステープルが前記未発射位置から上記発射位置まで移動するときに、上記組織厚さコンペンセータを部分的に捕捉するように構成された、圧縮性組織厚さコンペンセータと、上記組織厚さコンペンセータを圧縮状態に、解放可能に維持するための圧縮手段と、上記組織厚さコンペンセータを上記圧縮状態から拡大させるための拡大手段とを含む。
外科用器具は、アンビル、及びカートリッジ本体を含むカートリッジアセンブリを含む。カートリッジ本体は、デッキ、及び未発射位置と発射位置との間で可動の複数のステープルを含む。外科用器具は、圧縮性組織厚さコンペンセータであって、上記ステープルが上記ステープルが前記未発射位置から上記発射位置まで移動するときに、上記組織厚さコンペンセータを部分的に捕捉するように構成された、圧縮性組織厚さコンペンセータと、上記ステープルが上記発射位置へと移動された後に、上記組織厚さコンペンセータを圧縮状態に、解放可能に維持するための拘束部材とを更に含む。
カートリッジアセンブリは、デッキ、及び未発射位置と発射位置との間で可動の複数のステープルを含む、カートリッジ本体を含む。加えて、カートリッジアセンブリは、圧縮状態に解放可能に維持された圧縮可能な組織厚さコンペンセータを含み、上記ステープルは、上記ステープルが上記未発射位置と上記発射位置との間で可動であるときに、上記圧縮状態の上記組織厚さコンペンセータを少なくとも部分的に捕捉するように構成されている。
患者の組織のステープリングに使用するためのステープルカートリッジアセンブリは、非変形構成と変形構成との間で可動である複数のステープルを含むカートリッジ本体であって、各上記ステープルは上記変形構成にある、圧縮ゾーンを画定する、カートリッジ本体と、圧縮状態に解放可能に維持された組織厚さコンペンセータであって、上記ステープルは、上記ステープルが上記変形構成へと移動されるときに、患者の組織及び上記組織厚さコンペンセータを上記ステープルの上記圧縮ゾーン内に少なくとも部分的に捕捉するように構成され、上記圧縮ゾーン内の患者の組織は、上記組織厚さコンペンセータが上記圧縮状態から解放されるときに、より高い圧縮にかけられる、組織厚さコンペンセータとを含む。
上記に加え、様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、生体適合性材料から構成されうる。発泡材などの生体適合性材料は、粘着剤、界面活性剤、充填剤、架橋剤、顔料、染料、抗酸化剤、及び他の安定剤、並びに/又はこれらの組み合わせを含んでもよく、所望の特性を材料に与えることができる。いくつかの実施形態において、生体適合性フォームは、界面活性剤を含みうる。界面活性剤は、材料の表面に塗布するか、かつ/又は材料内に分散させることができる。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、生体適合性材料に塗布される界面活性剤は、材料に接触する液体の表面張力を低減することができる。例えば、界面活性剤は、材料と接触する水の表面張力を低下させることによって材料内への水の浸透を加速させると考えられる。様々な実施形態において、水は触媒として機能しうる。界面活性剤は材料の親水性を高めることができる。
様々な実施形態において、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び/又は非イオン界面活性剤を含みうる。界面活性剤の例としては、これらに限定されるものではないが、ポリアクリル酸、メタロース(methalose)、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンステアリ−ルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ジアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール、及びポリオキサマー、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。少なくとも一実施形態において、界面活性剤は、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールのコポリマーを含みうる。少なくとも一実施形態において、界面活性剤は、リン脂質界面活性剤を含みうる。リン脂質界面活性剤は、抗菌安定化特性を与え、かつ/又は生体適合性材料中に他の材料を分散させることができる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは少なくとも1つの薬剤を含みうる。組織厚さコンペンセータは、本明細書に述べられる1つ以上の天然材料、非合成材料、及び/又は合成材料を含むことができる。特定の実施形態では、組織厚さコンペンセータは、ゼラチン、コラーゲン、ヒアルロン酸、酸化再生セルロース、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリジオキサノン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグレカプロン、及びこれらの組み合わせを含む、生体適合性フォームを含んでよい。いくつかの実施形態において、組織厚さコンペンセータは、少なくとも1つの薬剤を含むフィルムを含みうる。いくつかの実施形態において、組織厚さコンペンセータは少なくとも1つの薬剤を含む生分解性フィルムを含みうる。いくつかの実施形態において、薬剤は、液体、ゲル、及び/又は粉末を含みうる。様々な実施形態において、薬剤は、例えば、シスプラチン、マイトマイシン、及び/又はアドリアマイシンなどの、抗癌剤を含みうる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、生分解性材料が分解する際に前記少なくとも1種類の薬剤の制御された溶出を可能とする生分解性材料を含むことができる。様々な実施形態において、生分解性材料は、例えばアクチベーター流体などのアクチベーターに接触すると、劣化するか、分解するか、又は構造的一体性を失う可能性がある。様々な実施形態において、活性流体は、例えば、生理食塩水、又は他の任意の電解液を含みうる。生分解性材料は、これらに限定されるものではないが、スプレー、浸漬、及び/又はブラッシングを含む従来の方法によって活性化液と接触させることができる。使用時には、例えば、外科医は、少なくとも1種類の薬剤を含む組織厚さコンペンセータを有するエンドエフェクタ及び/又はステープルカートリッジを、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及び/又は塩化カリウムなどの塩溶液を含む活性化液中に浸漬することができる。組織厚さコンペンセータは、組織厚さコンペンセータが分解する際に薬剤を放出することができる。特定の実施形態では、組織厚さコンペンセータからの薬剤の溶出は、速やかな初期の溶出速度及び遅い持続的な溶出速度によって特徴付けられてもよい。
いくつかの実施形態において、本発明により、組織厚さコンペンセータは、例えば、酸化剤から構成されうる生体適合性材料を含みうる。様々な実施形態において、酸化剤は有機過酸化物及び/又は無機過酸化物でありうる。酸化剤の例としては、これらに限定されるものではないが、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウム、及び過酸化マグネシウム、及び過炭酸ナトリウムを挙げることができる。様々な実施形態において、酸化剤は、例えば、過酸化水素、次亜塩素酸、次亜塩素酸塩類、次亜ヨウ素酸塩類、及び過炭酸塩類などの、過酸化物ベースの酸化剤類及び次亜ハロゲン酸ベースの酸化剤類を含んでもよい。様々な実施形態において、酸化剤は、例えば亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム及び過ホウ酸ナトリウムなどのアルカリ金属の亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、及び過ホウ酸塩を含みうる。いくつかの実施形態において、酸化剤はバナジウム酸塩を含みうる。いくつかの実施形態において、酸化剤はアスコルビン酸を含みうる。いくつかの実施形態において、酸化剤は、活性酸素発生装置を含みうる。様々な実施形態において、本発明に従って、組織スカフォールドが、酸化剤を含む生体適合性材料を含んでよい。
様々な実施形態において、生体適合性材料は、液体、ゲル、及び/又は粉末を含む場合がある。いくつかの実施形態において、酸化剤は、例えば、マイクロ粒子、及び/又はナノ粒子を含む場合がある。例えば、酸化剤は、微小粒子及び/又はナノ粒子に粉砕することができる。いくつかの実施形態において、酸化剤は、酸化剤をポリマー溶液中に懸濁することにより、生体適合性材料中に組み込まれてもよい。いくつかの実施形態において、酸化剤は、凍結乾燥中に生体適合性材料に導入されてもよい。凍結乾燥後、酸化剤は、生体適合性材料の細胞壁に付着して、組織に接触すると組織と相互作用しうる。様々な実施形態において、酸化剤は、生体適合性材料に化学的に結合されてもよい。少なくとも一実施形態において、過炭酸塩乾燥力が、酸素の遅い解放により長期間にわたって生物学的に影響するために、生体適合性フォーム内に埋め込まれてもよい。少なくとも一実施形態において、過炭酸塩乾燥力が、酸素の遅い解放により長期間にわたって生物学的に影響するために、不織構造のポリマー繊維内に埋め込まれてもよい。様々な実施形態において、生体適合性材料は、酸化剤と、例えば、ドキシサイクリン及びアスコルビン酸などの薬剤と、を含んでよい。
様々な実施形態において、生体適合性材料には、迅速放出酸化剤及び/又は徐放酸化剤が含まれてよい。特定の実施形態では、生体適合性材料からの酸化剤の溶出は、速やかな初期の溶出速度及び遅い持続的な溶出速度によって特徴付けられてもよい。様々な実施形態において、酸化剤が例えば水などの体液に接触すると、酸化剤は酸素を発生しうる。体液の例としては、血液、血漿、腹膜液、脳脊髄液、尿、リンパ液、滑液、硝子体液、唾液、胃腸内部空洞成分、及び/又は胆汁が挙げられうるが、これらに限定されない。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、酸化剤は、細胞死を低減させることができ、組織の生存能を強化することができ、かつ/又は、切断及び/若しくはステープリングの間に損傷しうる組織に対する組織の機械的強度を維持することができる。
様々な実施形態において、生体適合性材料は、少なくとも1つのマイクロ粒子、及び/又はナノ粒子を含みうる。生体適合性材料は、本明細書に述べられる1つ以上の天然材料、非合成材料、及び/又は合成材料を含むことができる。生体適合性材料としては、粒子として平均径が約10nm〜約100nm及び/又は約10μm〜約100μm、例えば45〜50nm及び/又は45〜50μmなどのものを挙げることができる。様々な実施形態において、生体適合性材料は、少なくとも1種類の微小粒子及び/又はナノ粒子が包埋された生体適合性発泡材を含みうる。微小粒子及び/又はナノ粒子は、生体適合性材料に化学的に結合されなくともよい。微小粒子及び/又はナノ粒子は、薬剤の制御放出を与えることができる。いくつかの実施形態において、マイクロ粒子、及び/又はナノ粒子は、少なくとも1つの薬剤を含みうる。いくつかの実施形態において、マイクロ粒子及び/又はナノ粒子は、例えば、止血剤、抗菌剤、及び/又は酸化剤を含みうる。いくつかの実施形態において、組織厚さコンペンセータは、酸化再生セルロースを含む止血剤、ドキシサイクリン及び/又はゲンタマイシンを含む抗菌剤、並びに/又は過炭酸塩(percarbant)を含む酸化剤を含む、生体適合性フォームを含みうる。様々な実施形態において、マイクロ粒子及び/又はナノ粒子は、例えば、3日までの薬物の制御放出を提供しうる。
様々な実施形態において、マイクロ粒子及び/又はナノ粒子は、製造プロセス中に生体適合性材料内に埋め込まれうる。例えば、PGA/PCLなどの生体適合性ポリマーは、例えばジオキサンなどの溶媒と接触して混合物を形成しうる。生体適合性ポリマーは粉砕して粒子を形成することもできる。ORC粒子を含むか又は含まない乾燥粒子をこの混合物と接触させて懸濁液を形成することができる。懸濁液を、凍結乾燥して、生体適合性発泡材内部に埋め込まれた乾燥粒子及び/又はORC粒子を有するPGA/PCLを含む生体適合性発泡材を形成してもよい。
様々な実施形態において、本明細書に開示される組織厚さコンペンセータ又は層は、例えば、吸収性ポリマーから構成されうる。いくつかの実施形態において、組織厚さコンペンセータは、フォーム、フィルム、繊維性織物、繊維性不織PGA、PGA/PCL(ポリ(グリコール酸−コ−カプロラクトン))、PLA/PCL(ポリ(乳酸−コ−ポリカプロラクトン))、PLLA/PCL、PGA/TMC(ポリ(グリコール−コ−トリメチレンカーボネート))、PDS、PEPBO又は多の吸収性ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオルソエステル、ポリアンヒドリド、ポリエステルアミド、及び/又はポリオキサエステルから構成されうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、例えば、PGA/PLA(ポリ(グリコール酸−co−乳酸))及び/又はPDS/PLA(ポリ(p−ジオキサノン−co−乳酸))から構成されうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、例えば、有機材料から構成することができる。いくつかの実施形態において、組織厚さコンペンセータは、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、架橋ヒアルロン酸及び/又は酸化再生セルロースから構成されうる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、例えば、15ショアA(65ショアOO)の最高剛度を有する3〜7ショアA(30〜50ショアOO)の範囲のジュロ硬度を有しうる。いくつかの実施形態において、組織厚さコンペンセータは、例えば、3lbfの荷重下で40%の圧縮、6lbfの荷重下で60%の圧縮、及び/又は20lbfの荷重下で80%の圧縮を受けることができる。いくつかの実施形態において、1種又は2種以上の気体、例えば、空気、窒素、二酸化炭素、及び/又は酸素は、例えば、組織厚さコンペンセータを通してかつ/又は組織厚さコンペンセータの内部に収容されて、泡立つことができる。少なくとも一実施形態において、組織厚さコンペンセータは、組織厚さコンペンセータを構成する材料硬さの約50%〜約75%を構成するビーズを含みうる。
様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、例えば、ヒアルロン酸、栄養物、フィブリン、トロンビン、血小板を豊富に含む血漿、スルファサラジン(アザルフィジン(登録商標)−5ASA+スルファピリジン、アゾ結合))−プロドラッグ−大腸菌(アゾレダクターゼ)、メサラミン(遅延解放のために異なるプロドラッグの形態を有する5ASA)、アサコール(登録商標)(5ASA+ユドラジット−Sでコーティングされる−pH>7(コーティング分解))、ペンタサ(登録商標)(5ASA+エチルセルロースでコーティングされる−時間/pHに依存した遅い解放)、メササル(登録商標)(5ASA+ユドラジット−Lでコーティングされる−pH>6)、オルサラジン(5ASA+5ASA−大腸菌(アゾレダクターゼ))、バルサラジド(5ASA+4アミノベンゾイル−B−アラニン)−大腸菌(アゾレダクターゼ))、メサラミン顆粒、リアルダ(メサラミンの遅延及びSR製剤)、HMPL−004(TNF−アルファ、インターロイキン−1ベータ、及び核内カッパーB活性を阻害することができる混合生薬)、CCX282−B(腸粘膜へのTリンパ球の輸送に干渉する経口ケモカイン受容体アンタゴニスト)、リファキシミン(非吸収性広域抗生剤)、インフリキシマブ、murine chymieric(TNF−アルファに対して向けられたモノクローナル抗体−従来の治療に対して不適切に反応した中程度/重度の管腔性及び瘻孔性クローン病の成人/小児患者の徴候/症状を低減させ及び臨床的寛解を維持するために認可される)、アダリムマブ、全ヒトIgG1(抗TNF−アルファモノクローナル抗体−クローン病の徴候/症状を低減させるため、並びに従来の治療に対して不適切に反応するか又はインフリキシマブに不耐性となった中程度/重度の活性クローン病の成人患者の臨床的寛解を誘導及び維持するために認可される)、セルトリズマブペゴール、ヒト化抗TNFFAB’(ポリエチレングリコールに連結したモノクローン抗体フラグメント−クローン病の徴候/症状を低減させるため、並びに従来の治療に対して不適切に反応した中程度/重度の病気の成人患者の反応を誘導及び維持するために認可される)、ナタリズマブ、第1の非TNF−アルファ阻害剤(クローン病のために認可される生物化合物)、ヒト化モノクローナルIgG4抗体(アルファ−4インテグリンに対して向けられる−炎症の形跡があり、従来のクローン病の治療及びTNF−アルファの阻害剤に対して不適切に反応するか又は治療及び阻害剤に耐えることができない中程度/重度の病気の患者の臨床的反応及び寛解を誘導及び維持するためにFDA認可される)、インフリキシマブと共に与えられる場合もある併用免疫調節剤、アザチオプリン6−メルカプトプリン(プリン合成阻害剤−プロドラッグ)、メトトレキサート(テトラヒドロ葉酸合成に関与するジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)酵素と結合し、全てのプリン合成を阻害する)、アロプリノール及びThioprine治療、PPI、癒合線を保護する酸抑制のためのH2、ディフィシレ菌(C−Diff)−フラジール、バンコマイシン(大腸菌トランスロケーション治療、プロバイオティックス、正常腔内細菌叢の再増殖)、並びに/又はリファキシミン(細菌の異常増殖(特に肝性脳症)の治療、胃腸管内細菌に対する作用を持つ消化管に吸収されない)を含むことができる。
本明細書に記載されるように、組織厚さコンペンセータによって、例えば、ステープルカートリッジから排出された、かつ/又はステープルの列の内部に含有される、ステープルの内部で捕捉される組織の厚さのばらつきを補償することができる。別の言い方をすると、あるステープル列内の特定のステープルが組織の厚い部分を捕捉しうるのに対して、そのステープル列内の他のステープルは組織の薄い部分を捕捉しうる。そのような状況において、組織厚さコンペンセータは、ステープル内で異なる高さ及び厚さをとることができ、捕捉された組織が厚いか薄いかに関係なく、ステープル内に捕捉された組織に一定の圧縮力を加えることができる。様々な実施形態において、組織厚さコンペンセータは、組織の硬さの変化を補償することができる。例えば、あるステープル列内の特定のステープルが組織の圧縮性の高い部分を捕捉することができる一方で、そのステープル列内の他のステープルは組織のより圧縮性の低い部分を捕捉する場合がある。かかる状況において、組織厚さコンペンセータは、例えば、圧縮性がより低い、又は硬度がより高い組織を捕捉したステープル内の高さがより低いこと、及び、これに対応して、圧縮性がより高い、又は硬度がより低い組織を捕捉したステープル内の高さがより高いことを想定するように構成することができる。いずれにせよ、組織厚さコンペンセータは、例えば、組織の厚さのばらつき、及び/又は組織の硬度のばらつきを補償するか否かに関わらず、例えば、「組織コンペンセータ」、及び/又は「コンペンセータ」と称されてもよい。
本明細書において開示される装置は、1回の使用の後に廃棄されるような設計とするか、又は複数回使用されるような設計とすることができる。しかしながら、いずれの場合も、装置は少なくとも1回の使用後、再使用のために再調整されうる。再調整は、装置の分解と、これに続く洗浄と、又は特定部品の交換と、及びその後の再組立と、の任意の組み合わせを含むことができる。詳細には、装置は分解可能であり、装置の任意の数の特定片又は部材を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り除くことができる。特定の部材の洗浄及び/又は交換に際し、装置を再調整施設において、あるいは外科手術の直前に手術チームが再組み立てしてから、その後の使用に供することができる。当業者であれば、装置の再調整に、分解、洗浄/交換、及び再組み付けのための様々な技術を利用できる点を、認識するであろう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、すべて、本出願の範囲内にある。
好ましくは、本明細書に述べられる本発明は、手術の前に処理される。まず、新品の又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄される。次いで器具を滅菌してもよい。1つの滅菌法では、プラスチック又はTYVEKバッグなどの閉鎖及び封止容器に器具を入れる。次いで容器及び器具を、ガンマ線、X線又は高エネルギー電子線などの、容器を貫入することができる放射線野の中に置く。この放射線によって器具の表面上及び容器内の細菌が死滅する。滅菌された器具は、その後、無菌容器内に格納することができる。封止された容器は医療施設において開封されるまで器具を無菌状態に保つ。
本明細書で説明した様々な実施形態は、手術用ステープリング器具で使用するためのステープルカートリッジ内に着脱可能に格納されたステープルと関連させて説明されている。いくつかの状況において、ステープルは、手術用ステープラのアンビルと接触すると変形するワイヤを有してもよい。そのようなワイヤは、例えばステンレス鋼などの金属、及び/又は任意の他の好適な材料から構成されたものでよい。そのような実施形態及びその教示は、任意の好適な締結器具と共に使用するためのファスナカートリッジ内に着脱可能に格納されるファスナを有する実施形態に適用されることができる。
本明細書において記載される様々な実施形態は、ステープルカートリッジ、及び/又は締結カートリッジに取り付けられ、及び/又はこれと共に使用される組織厚さコンペンセータの関連において記載される。このような組織厚さコンペンセータは、ステープルカートリッジの一端から他端における組織厚さのばらつき、又はあるステープル又は締結具内に捕捉された組織厚さを、別のものと比較した際のばらつきを補償するために使用されうる。このような組織厚さコンペンセータはまた、ステープルカートリッジの一方の側から別の側への組織厚さのばらつきを補償するために使用されうる。このような実施形態、及びその教示は、ステープルカートリッジ、及び/又は締結カートリッジに取り付けられる、及び/又はそれと共に使用される、層(単数又は複数)を含む、実施形態に適用されうる。層は、バットレス材料を含みうる。
本明細書で説明した各種の実施形態は、線形エンドエフェクタ及び/又は線形ファスナカートリッジとの関連で説明されている。そのような実施形態及びその教示は、例えば円形の及び/又は起伏のあるエンドエフェクタなど、非線形エンドエフェクタ及び/又は非線形ファスナカートリッジに適用されることができる。例えば、非線形のエンドエフェクタを含む様々なエンドエフェクタが、2011年2月28日に出願された、米国特許出願番号第13/036,647号、表題「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」(現在は米国特許出願公開第2011/0226837号)に開示され、これは本明細書においてその全体が参照として組み込まれる。加えて、2012年9月29日に出願された、米国特許出願番号第12/893,461号、表題「STAPLE CARTRIDGE」(現在は米国特許出願公開第2012/0074198号)に開示され、これは本明細書においてその全体が参照として組み込まれる。2008年2月15日出願の米国特許出願第12/031,873号、表題「END EFFECTORS FOR A SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」(現在は米国特許第7,980,443号)もまた、本明細書においてその全体が参照として組み込まれる。
全体又は部分において、本明細書に参照により援用されるものとされるいずれの特許公報又は他の開示物も、援用される内容が現行の定義、記載、又は本開示に記載されている他の開示物と矛盾しない範囲でのみ本明細書に援用するものとする。このように及び必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に援用される任意の矛盾する事物に取って代わるものとする。本明細書に参照により援用するものとされているが、既存の定義、見解、又は本明細書に記載された他の開示内容と矛盾する全ての内容、又はそれらの部分は、援用された内容と既存の開示内容との間にあくまで矛盾が生じない範囲でのみ援用するものとする。
以上、本発明を例示的な設計を有するものとして説明したが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に改変することができる。したがって、本出願はその一般的原理を利用した本発明のあらゆる変形、使用、又は適応を網羅するものとする。更に、本出願は、本発明が関連する技術分野における既知の又は従来の実施に含まれるところの本開示からの発展形を網羅するものとする。
〔実施の態様〕
(1) ステープルカートリッジアセンブリであって、
カートリッジ本体であって、
デッキ、及び
未発射位置と発射位置との間で可動の複数のステープルを含む、カートリッジ本体と、
圧縮可能な組織厚さコンペンセータであって、前記ステープルは、前記ステープルが前記未発射位置と前記発射位置との間で移動するときに、前記組織厚さコンペンセータを少なくとも部分的に捕捉するように構成される、圧縮可能な組織厚さコンペンセータと、
前記組織厚さコンペンセータを圧縮状態に解放可能に維持するための圧縮手段と、
前記組織厚さコンペンセータを、前記圧縮状態から拡大させる、拡大手段とを含む、ステープルカートリッジアセンブリ。
(2) 前記圧縮手段が少なくとも1つの拘束部材を含む、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(3) 前記拘束部材が複数のストラップを含む、実施態様2に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(4) 前記拡大手段が、前記ストラップを切断するように構成された切断部材を含む、実施態様3に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(5) 各前記ステープルが前記未発射位置においてステープル高さを含み、前記組織厚さコンペンセータは、前記圧縮状態において、前記ステープル高さよりも小さい厚さを含む、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(6) 前記組織厚さコンペンセータが、
第1生体適合性材料から構成される第1層と、
第2生体適合性材料から構成される第2層と、
前記第1生体適合性材料から構成される第3層とを含む、実施態様1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(7) 前記第1生体適合性材料は、第1密度を含み、前記第2生体適合性材料は第2密度を含み、前記第1密度は前記第2密度よりも高い、実施態様6に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
(8) 外科用器具であって、
アンビルと、
カートリッジアセンブリであって、
カートリッジ本体であって、
デッキ、及び
未発射位置と発射位置との間で可動である複数のステープルを含む、カートリッジ本体を含む、カートリッジアセンブリと、
圧縮可能な組織厚さコンペンセータであって、前記ステープルは、前記ステープルが前記未発射位置と前記発射位置との間で移動するときに、前記組織厚さコンペンセータを少なくとも部分的に捕捉するように構成される、圧縮可能な組織厚さコンペンセータと、
前記ステープルが前記発射位置へと移動した後に、前記組織厚さコンペンセータを圧縮状態に解放可能に維持するための拘束部材とを含む、外科用器具。
(9) 前記拘束部材は、前記圧縮状態の前記組織厚さコンペンセータを少なくとも部分的に包囲する、実施態様8に記載の外科用器具。
(10) 前記拘束部材が複数のストラップを含む、実施態様8に記載の外科用器具。
(11) 前記拘束部材を切断することにより、前記組織厚さコンペンセータを前記圧縮状態から解放するための、切断部材を更に含む、実施態様8に記載の外科用器具。
(12) 各前記拘束部材は縫合糸を含む、実施態様8に記載の外科用器具。
(13) 前記組織厚さコンペンセータを前記圧縮状態から解放するための、解放部材を更に含む、実施態様8に記載の外科用器具。
(14) 前記組織厚さコンペンセータが、
第1生体適合性材料から構成される第1層と、
第2生体適合性材料から構成される第2層と、
前記第1生体適合性材料から構成される第3層とを含む、実施態様8に記載の外科用器具。
(15) 前記第1生体適合性材料は、第1密度を含み、前記第2生体適合性材料は第2密度を含み、前記第1密度は前記第2密度よりも高い、実施態様14に記載の外科用器具。
(16) カートリッジアセンブリであって、
カートリッジ本体であって、
デッキ、及び
未発射位置と発射位置との間で可動である複数のステープルを含む、カートリッジ本体と、
圧縮状態に解放可能に維持された圧縮可能な組織厚さコンペンセータであって、前記ステープルは、前記ステープルが前記未発射位置と前記発射位置との間で移動するときに、前記圧縮状態の前記組織厚さコンペンセータを少なくとも部分的に捕捉するように構成されている、圧縮可能な組織厚さコンペンセータとを含む、カートリッジアセンブリ。
(17) 前記組織厚さコンペンセータを前記圧縮状態に解放可能に維持するための、拘束部材を更に含む、実施態様16に記載のカートリッジアセンブリ。
(18) 前記拘束部材が複数のストラップを含む、実施態様17に記載のカートリッジアセンブリ。
(19) 前記ストラップを切断することにより、前記組織厚さコンペンセータを前記圧縮状態から解放するように構成された切断部材を更に含む、実施態様18に記載のカートリッジアセンブリ。
(20) 各前記ストラップは縫合糸を含む、実施態様18に記載のカートリッジアセンブリ。
(21) 前記組織厚さコンペンセータを前記圧縮状態から解放するための、解放部材を更に含む、実施態様16に記載のカートリッジアセンブリ。
(22) 前記組織厚さコンペンセータが、
第1生体適合性材料から構成される第1層と、
第2生体適合性材料から構成される第2層と、
前記第1生体適合性材料から構成される第3層とを含む、実施態様16に記載のカートリッジアセンブリ。
(23) 前記第1生体適合性材料は、第1密度を含み、前記第2生体適合性材料は第2密度を含み、前記第1密度は前記第2密度よりも高い、実施態様22に記載のカートリッジアセンブリ。
(24) 患者の組織をステープリングするのに使用するためのステープルカートリッジアセンブリであって、前記ステープルカートリッジアセンブリは、
未変形構成と変形構成との間で可動である、複数のステープルを含む、カートリッジ本体であって、各前記ステープルは前記変形構成において圧縮ゾーンを画定する、カートリッジ本体と、
圧縮状態に解放可能に維持された組織厚さコンペンセータであって、前記ステープルは、前記ステープルが前記変形構成へと移動されるときに、前記患者の組織及び前記組織厚さコンペンセータを前記ステープルの前記圧縮ゾーン内に少なくとも部分的に捕捉するように構成され、前記圧縮ゾーン内の前記患者の組織は、前記組織厚さコンペンセータが前記圧縮状態から解放されるときに、より高い圧縮を受ける、組織厚さコンペンセータとを含む、ステープルカートリッジアセンブリ。
(25) 前記圧縮ゾーンは、前記組織厚さコンペンセータが前記圧縮状態から解放されるときに、前記組織厚さコンペンセータで充填されるように構成された空隙を画定する、実施態様24に記載のステープルカートリッジアセンブリ。

Claims (25)

  1. ステープルカートリッジアセンブリであって、
    カートリッジ本体であって、
    デッキ、及び
    未発射位置と発射位置との間で可動の複数のステープルを含む、カートリッジ本体と、
    圧縮可能な組織厚さコンペンセータであって、前記ステープルは、前記ステープルが前記未発射位置と前記発射位置との間で移動するときに、前記組織厚さコンペンセータを少なくとも部分的に捕捉するように構成される、圧縮可能な組織厚さコンペンセータと、
    前記組織厚さコンペンセータを圧縮状態に解放可能に維持するための圧縮手段と、
    前記組織厚さコンペンセータを、前記圧縮状態から拡大させる、拡大手段とを含む、ステープルカートリッジアセンブリ。
  2. 前記圧縮手段が少なくとも1つの拘束部材を含む、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  3. 前記拘束部材が複数のストラップを含む、請求項2に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  4. 前記拡大手段が、前記ストラップを切断するように構成された切断部材を含む、請求項3に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  5. 各前記ステープルが前記未発射位置においてステープル高さを含み、前記組織厚さコンペンセータは、前記圧縮状態において、前記ステープル高さよりも小さい厚さを含む、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  6. 前記組織厚さコンペンセータが、
    第1生体適合性材料から構成される第1層と、
    第2生体適合性材料から構成される第2層と、
    前記第1生体適合性材料から構成される第3層とを含む、請求項1に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  7. 前記第1生体適合性材料は、第1密度を含み、前記第2生体適合性材料は第2密度を含み、前記第1密度は前記第2密度よりも高い、請求項6に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
  8. 外科用器具であって、
    アンビルと、
    カートリッジアセンブリであって、
    カートリッジ本体であって、
    デッキ、及び
    未発射位置と発射位置との間で可動である複数のステープルを含む、カートリッジ本体を含む、カートリッジアセンブリと、
    圧縮可能な組織厚さコンペンセータであって、前記ステープルは、前記ステープルが前記未発射位置と前記発射位置との間で移動するときに、前記組織厚さコンペンセータを少なくとも部分的に捕捉するように構成される、圧縮可能な組織厚さコンペンセータと、
    前記ステープルが前記発射位置へと移動した後に、前記組織厚さコンペンセータを圧縮状態に解放可能に維持するための拘束部材とを含む、外科用器具。
  9. 前記拘束部材は、前記圧縮状態の前記組織厚さコンペンセータを少なくとも部分的に包囲する、請求項8に記載の外科用器具。
  10. 前記拘束部材が複数のストラップを含む、請求項8に記載の外科用器具。
  11. 前記拘束部材を切断することにより、前記組織厚さコンペンセータを前記圧縮状態から解放するための、切断部材を更に含む、請求項8に記載の外科用器具。
  12. 各前記拘束部材は縫合糸を含む、請求項8に記載の外科用器具。
  13. 前記組織厚さコンペンセータを前記圧縮状態から解放するための、解放部材を更に含む、請求項8に記載の外科用器具。
  14. 前記組織厚さコンペンセータが、
    第1生体適合性材料から構成される第1層と、
    第2生体適合性材料から構成される第2層と、
    前記第1生体適合性材料から構成される第3層とを含む、請求項8に記載の外科用器具。
  15. 前記第1生体適合性材料は、第1密度を含み、前記第2生体適合性材料は第2密度を含み、前記第1密度は前記第2密度よりも高い、請求項14に記載の外科用器具。
  16. カートリッジアセンブリであって、
    カートリッジ本体であって、
    デッキ、及び
    未発射位置と発射位置との間で可動である複数のステープルを含む、カートリッジ本体と、
    圧縮状態に解放可能に維持された圧縮可能な組織厚さコンペンセータであって、前記ステープルは、前記ステープルが前記未発射位置と前記発射位置との間で移動するときに、前記圧縮状態の前記組織厚さコンペンセータを少なくとも部分的に捕捉するように構成されている、圧縮可能な組織厚さコンペンセータとを含む、カートリッジアセンブリ。
  17. 前記組織厚さコンペンセータを前記圧縮状態に解放可能に維持するための、拘束部材を更に含む、請求項16に記載のカートリッジアセンブリ。
  18. 前記拘束部材が複数のストラップを含む、請求項17に記載のカートリッジアセンブリ。
  19. 前記ストラップを切断することにより、前記組織厚さコンペンセータを前記圧縮状態から解放するように構成された切断部材を更に含む、請求項18に記載のカートリッジアセンブリ。
  20. 各前記ストラップは縫合糸を含む、請求項18に記載のカートリッジアセンブリ。
  21. 前記組織厚さコンペンセータを前記圧縮状態から解放するための、解放部材を更に含む、請求項16に記載のカートリッジアセンブリ。
  22. 前記組織厚さコンペンセータが、
    第1生体適合性材料から構成される第1層と、
    第2生体適合性材料から構成される第2層と、
    前記第1生体適合性材料から構成される第3層とを含む、請求項16に記載のカートリッジアセンブリ。
  23. 前記第1生体適合性材料は、第1密度を含み、前記第2生体適合性材料は第2密度を含み、前記第1密度は前記第2密度よりも高い、請求項22に記載のカートリッジアセンブリ。
  24. 患者の組織をステープリングするのに使用するためのステープルカートリッジアセンブリであって、前記ステープルカートリッジアセンブリは、
    未変形構成と変形構成との間で可動である、複数のステープルを含む、カートリッジ本体であって、各前記ステープルは前記変形構成において圧縮ゾーンを画定する、カートリッジ本体と、
    圧縮状態に解放可能に維持された組織厚さコンペンセータであって、前記ステープルは、前記ステープルが前記変形構成へと移動されるときに、前記患者の組織及び前記組織厚さコンペンセータを前記ステープルの前記圧縮ゾーン内に少なくとも部分的に捕捉するように構成され、前記圧縮ゾーン内の前記患者の組織は、前記組織厚さコンペンセータが前記圧縮状態から解放されるときに、より高い圧縮を受ける、組織厚さコンペンセータとを含む、ステープルカートリッジアセンブリ。
  25. 前記圧縮ゾーンは、前記組織厚さコンペンセータが前記圧縮状態から解放されるときに、前記組織厚さコンペンセータで充填されるように構成された空隙を画定する、請求項24に記載のステープルカートリッジアセンブリ。
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