JP6320989B2 - 制御放出及び膨張を含む組織厚さコンペンセーター - Google Patents

制御放出及び膨張を含む組織厚さコンペンセーター Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本特許非仮出願は、米国特許法第120条に基づく、米国特許出願第13/097,891号「Tissue Thickness Compensator For A Surgical Stapler Comprising An Adjustable Anvil」(2011年9月29日出願)の一部継続出願であり、これは、米国特許法第120条に基づく、米国特許出願第12/894,377号「Selectively Orientable Implantable Fastener Cartridge」(2010年9月30日出願)の一部継続出願であり、これらの開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、外科用器具に関するものであり、様々な実施形態において、組織の切断及びステープル留めのために設計された、外科用切断及びステープル留め器具並びにステープルカートリッジに関する。
下記は、請求されるか又は請求され得る本発明の実施形態の非網羅的リストである。
1.
水非透過性材料内に密封的に封入された第1生体適合性材料を含む第1層と、
少なくとも1つのカプセルを含む第2生体適合性材料を含む第2層と、
を含む、組織厚さコンペンセーターであって、該第1生体適合性材料が流体に接触すると膨張する、組織厚さコンペンセーター。
2.第3生体適合性材料を含む第3層を含み、前記第1層が、前記第2層と該第3層の中間である、実施形態1に記載の組織厚さコンペンセーター。
3.前記第1層及び第2層のそれぞれが、組織接触表面を含む、実施形態2に記載の組織厚さコンペンセーター。
4.前記第1生体適合性材料、前記第2生体適合性材料、及び前記第3生体適合性材料が、アルブミン、アルギン酸塩、炭水化物、カゼイン、セルロース、キチン、キトサン、コラーゲン、血液、デキストラン、エラスチン、フィブリン、フィブリノゲン、ゼラチン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラチン、タンパク質、血清、デンプン、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ホスファジン)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリカーボネート、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリビニルアルコール、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリアクリル酸、ポリアセテート、ポリプロピレン、グリセロール、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテルエステル)、ポリアルキレンオキサレート、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオキサエステル、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、又は上述の組み合わせから独立に選択される、実施形態2又は3に記載の組織厚さコンペンセーター。
5.前記第1生体適合性材料が、乾燥ヒドロゲルを含む、実施形態1〜4のいずれか一項に記載の組織厚さコンペンセーター。
6.前記ヒドロゲルが、ポリアルキレンオキシド、多糖類、エステル、脂肪族エステル、オルトエステル、リン酸エステル、炭酸塩、ウレタン、エーテル、アミド、フェノール類、又は上述の組み合わせから選択される化合物を含む、実施形態5に記載の組織厚さコンペンセーター。
7.前記第1生体適合性材料が、水膨潤性組成物である、実施形態1〜6のいずれか一項に記載の組織厚さコンペンセーター。
8.前記流体が、水、生理食塩水、又は体液を含む、実施形態1〜7のいずれか一項に記載の組織厚さコンペンセーター。
9.前記水非透過性材料が破裂したときに、前記第1生体適合性材料が前記流体に接触する、実施形態1〜8のいずれか一項に記載の組織厚さコンペンセーター。
10.前記水非透過性材料が、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ホスファジン)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリカーボネート、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリビニルアルコール、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリアクリル酸、ポリアセテート、ポリプロピレン、グリセロール、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテルエステル)、ポリアルキレンオキサレート、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオキサエステル、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、又は上述の組み合わせを含む、実施形態1〜9のいずれか一項に記載の組織厚さコンペンセーター。
11.少なくとも1つのカプセルが、止血剤、抗炎症薬、抗生物質、抗菌剤、抗接着剤、抗凝血剤、薬剤、製薬的活性物質、又は上述の組み合わせを含む、少なくとも1つのカプセル化成分を含む、実施形態1〜10のいずれか一項に記載の組織厚さコンペンセーター。
12.前記少なくとも1つのカプセル化成分が、トリクロサン、クロルヘキシジン若しくはその塩、銀若しくはその塩、アンモニウム若しくはその塩、銅若しくはその塩、鉄若しくはその塩、亜鉛若しくはその塩、又は上述の組み合わせを含む抗菌剤を含む、実施形態11に記載の組織厚さコンペンセーター。
13.前記少なくとも1つのカプセルが、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリジオキサノン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグレカプロン、ポリカプロラクトン、又は上述の組み合わせを含むチューブを含む、実施形態1〜12のいずれか一項に記載の組織厚さコンペンセーター。
14.前記少なくとも1つのカプセルが、生体内で分解する、実施形態1〜13のいずれか一項に記載の組織厚さコンペンセーター。
15.ステープル留め装置のアンビル、及びステープル留め装置のステープルカートリッジから選択される物品であって、実施形態1の組織厚さコンペンセーターを含む、物品。
16.
止血剤、抗炎症薬、抗生物質、抗菌剤、抗接着剤、抗凝血剤、薬剤、及び製薬的活性物質のうち少なくとも1つを含浸させたヒドロゲルを含む内側層と、
該内側層を密封的に封入する、水非透過性材料を含む外側層と、
を含む組織厚さコンペンセーターであって、該ヒドロゲルは、水、生理食塩水、及び体液のうち少なくとも1つに接触すると膨張する、組織厚さコンペンセーター。
17.前記水非透過性材料が破裂したときに、前記ヒドロゲルが水、生理食塩水、又は体液に接触し、該水非透過性材料が破裂したときに、止血剤、抗炎症薬、抗生物質、抗菌剤、抗接着剤、抗凝血剤、薬剤、及び製薬的活性物質のうち少なくとも1つが放出される、実施形態16に記載の組織厚さコンペンセーター。
18.生体適合性材料を含む内側層と、該内側層を密封的に封入する水非透過性材料を含む外側層から、組織厚さコンペンセーターを製造する方法であって、
該内側層に、止血剤、抗炎症薬、抗生物質、抗菌剤、抗接着剤、抗凝血剤、薬剤、及び製薬的活性物質のうち少なくとも1つを含浸させることを含み、
該生体適合性材料が、水、生理食塩水、及び体液のうち少なくとも1つに接触すると膨張する、方法。
19.
前記水非透過性材料を破裂させることと、
前記生体適合性材料を、水、生理食塩水、及び体液のうち少なくとも1つに接触させて、前記組織厚さコンペンセーターを膨張させることと、を更に含む、実施形態18に記載の方法。
本発明の特徴及び利点、並びにそれらを実現する方法は、本発明の実施形態の以下の説明文を添付の図面と併せて参照することでより明らかとなり、また発明自体のより深い理解が得られるであろう。
外科用器具の一実施形態の断面図である。 埋め込み可能なステープルカートリッジの一実施形態の斜視図である。 埋め込み可能なステープルカートリッジで組織をクランピング及びステープリングするエンドエフェクタの部分を示す。 埋め込み可能なステープルカートリッジで組織をクランピング及びステープリングするエンドエフェクタの部分を示す。 埋め込み可能なステープルカートリッジで組織をクランピング及びステープリングするエンドエフェクタの部分を示す。 埋め込み可能なステープルカートリッジで組織をクランピング及びステープリングするエンドエフェクタの部分を示す。 エンドエフェクタが外科用ステープルカートリッジを支持し、そのアンビルが開位置にある、外科用器具の一部分に連結された、別のエンドエフェクタの部分断面図である。 閉鎖位置における、図2のエンドエフェクタの別の部分断面図である。 ナイフバーがエンドエフェクタを通じて前進し始める際の、図2及び図3のエンドエフェクタの別の部分断面図である。 ナイフバーが内部を通じて部分的に前進した、図2〜4のエンドエフェクタの別の部分断面側面図である。 少なくとも1つの実施形態による、折り畳み式ステープルカートリッジ本体内に位置付けられた、外科用ステープルの変形を示す図である。 少なくとも1つの実施形態による、折り畳み式ステープルカートリッジ本体内に位置付けられた、外科用ステープルの変形を示す図である。 少なくとも1つの実施形態による、折り畳み式ステープルカートリッジ本体内に位置付けられた、外科用ステープルの変形を示す図である。 少なくとも1つの実施形態による、折り畳み式ステープルカートリッジ本体内に位置付けられた、外科用ステープルの変形を示す図である。 圧壊式ステープルカートリッジ本体内に位置付けられる、ステープルを例示する図である。 アンビルにより圧壊される、図7Aの圧壊式ステープルカートリッジ本体を例示する図である。 アンビルにより更に圧壊される、図7Aの圧壊式ステープルカートリッジを例示する図である。 完全に形成された状態の図7Aのステープル、及び完全に圧壊した状態の図7Aの圧壊式ステープルカートリッジを例示する図である。 折り畳み式ステープルカートリッジ本体内に埋め込まれたステープルを含む、少なくとも1つの実施形態による、ステープルカートリッジの平面図である。 図8のステープルカートリッジの立面図である。 内部にステープルを含む圧縮可能なステープルカートリッジ、及びアンビルに対してステープルを駆動するためのシステムの代替的実施形態の分解斜視図である。 図10のステープルカートリッジの代替的実施形態の部分切り欠き図である。 図10のステープルカートリッジの断面図である。 図10のステープルカートリッジを横断し、ステープルをアンビルの方に動かすように構成されたスレッドの立面図である。 図12のスレッドによって、アンビルの方に持ち上げられ得る、ステープルドライバーの図である。 本発明の少なくとも1つの実施形態による、外科用ステープリング器具と共に使用するための、剛性支持部分及び圧縮可能な組織厚さコンペンセーターを含むステープルカートリッジの斜視図である。 図14のステープルカートリッジの一部分解図である。 図14のステープルカートリッジの完全分解図である。 組織厚さコンペンセーターを覆うラップ(warp)がない、図14のステープルカートリッジの別の分解図である。 図14のステープルカートリッジのカートリッジ本体(又は支持部分)の斜視図である。 ステープルカートリッジからステープルを配備するための、図14のステープルカートリッジ内で動くことができるスレッドの上面斜視図である。 図19のスレッドの下面斜視図である。 図19のスレッドの立面図である。 ステープルカートリッジからステープルを発射するための、1つ以上のステープルを支持し、図19のスレッドにより上に持ち上げられるように構成されたドライバーの上面斜視図である。 図22のドライバーの下面斜視図である。 ステープルカートリッジの圧縮可能な組織厚さコンペンセーターを少なくとも部分的に取り巻くように構成されたラップである。 第1シーケンス中にステープルが未発射位置から発射済み位置へと移動した状態を示している、剛性支持部分及び圧縮可能な組織厚さコンペンセーターを含むステープルカートリッジの一部切除図である。 図25のステープルカートリッジの立面図である。 図25のステープルカートリッジの詳細立面図である。 図25のステープルカートリッジの断面図である。 図25のステープルカートリッジの底面図である。 図25のステープルカートリッジの詳細底面図である。 第1シーケンス中にステープルが未発射位置から発射済み位置へと移動した状態を示している、閉鎖位置のアンビル、並びに、剛性支持部分及び圧縮可能な組織厚さコンペンセーターを含むステープルカートリッジの、長手方向断面図である。 発射シーケンスが完了した後の開位置にあるアンビルを示している、図31のアンビル及びステープルカートリッジの別の断面図である。 未発射位置にあるステープルを示している、図31のステープルカートリッジの部分詳細図である。 未発射位置にあるステープルを示している、剛性支持部分及び圧縮可能な組織厚さコンペンセーターを備えるステープルカートリッジの断面立面図である。 図34のステープルカートリッジの詳細図である。 未発射位置にあるステープルを示している、開位置にあるアンビルと、剛性支持部分及び圧縮可能な組織厚さコンペンセーターを含むステープルカートリッジの立面図である。 未発射位置にあるステープルと、アンビルと組織厚さコンペンセーターとの間に捕捉された組織を示している、閉鎖位置にあるアンビルと、剛性支持部分及び圧縮可能な組織厚さコンペンセーターを含むステープルカートリッジの立面図である。 図37のアンビル及びステープルカートリッジの詳細図である。 未発射位置にあるステープルと、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉されたより厚い組織を示している、閉鎖位置にあるアンビルと、剛性支持部分及び圧縮可能な組織厚さコンペンセーターを含むステープルカートリッジの立面図である。 図39のアンビル及びステープルカートリッジの詳細図である。 アンビルとステープルカートリッジとの間に配置された異なる厚さを有する組織を示している、図39のアンビル及びステープルカートリッジの立面図である。 図39に示されている、図41のアンビル及びステープルカートリッジの詳細図である。 異なるステープル内に捕捉された異なる組織厚さを補償する、組織厚さコンペンセーターを示している図である。 ステープルラインにより切断された1本以上の脈管に対して圧縮圧力を適用している組織厚さコンペンセーターを示している図である。 1本以上のステープルが形成不良である状況を示している図である。 形成不良ステープルを補償し得る組織厚さコンペンセーターを示している図である。 複数のステープルラインが交差する組織領域に配置された組織厚さコンペンセーターを示している図である。 ステープル内に捕捉された組織を示している図である。 ステープル内に捕捉された組織及び組織厚さコンペンセーターを示している図である。 ステープル内に捕捉された組織を示している図である。 ステープル内に捕捉された厚い組織及び組織厚さコンペンセーターを示している図である。 ステープル内に捕捉された薄い組織及び組織厚さコンペンセーターを示している図である。 ステープル内に捕捉された中間の厚さを有する組織及び組織厚さコンペンセーターを示している図である。 ステープル内に捕捉された別の中間の厚さを有する組織及び組織厚さコンペンセーターを示している図である。 ステープル内に捕捉された厚い組織及び組織厚さコンペンセーターを示している図である。 後退した未発射位置にある発射バーとステープル発射スレッドを示している、外科用ステープリング器具のエンドエフェクタの部分断面図である。 部分的に前進した位置にある発射バーとステープル発射スレッドを示している、図56のエンドエフェクタの別の部分断面図である。 完全に前進した(発射済み)位置にある発射バーを示している、図56のエンドエフェクタの断面図である。 発射後の後退位置にある発射バーと、完全発射済み位置に残されているステープル発射スレッドを示している、図56のエンドエフェクタの断面図である。 図59の、後退位置にある発射バーの詳細図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタにおける組織厚さコンペンセーターの斜視図である。 図61の組織厚さコンペンセーターの不織布材料の詳細図である。 エンドエフェクタ組織に対して埋め込まれ、インプラントから解放された、図61の組織厚さコンペンセーターを示す立面図である。 少なくとも一実施形態による組織厚さコンペンセーターの不織布材料の詳細図である。 少なくとも一実施形態による、ランダムに方向付けられた捲縮繊維のクラスターを示す図である。 少なくとも一実施形態による、ランダムに方向付けられた捲縮繊維のクラスターを示す図である。 少なくとも一実施形態による、捲縮繊維の配列を示す図である。 少なくとも一実施形態による、捲縮繊維の配列を示す図である。 少なくとも一実施形態による、捲縮繊維の配列を示す図である。 少なくとも一実施形態による、組織厚さコンペンセーター内のコイル状繊維の平面断面図である。 図70のコイル状繊維の平面断面図である。 図70の組織厚さコンペンセーターの断面詳細図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタにおける組織厚さコンペンセーターの斜視図である。 図71の組織厚さコンペンセーターの変形を示す図である。 少なくとも一実施形態による、搭載配置における織布縫合糸を示す、組織厚さコンペンセーターのための織布縫合糸の図である。 解放配置における織布縫合糸を示す、図73の織布縫合糸の図である。 外科用器具のエンドエフェクタにおける、図73の織布縫合糸を有する組織厚さコンペンセーターの平面図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタにおける組織厚さコンペンセーターの斜視図である。 図76の組織厚さコンペンセーターの部分平面図である。 図61のエンドエフェクタ及び組織厚さコンペンセーターの締結具カートリッジアセンブリの分解図である。 図78の締結具カートリッジアセンブリの部分断面図であり、未発射、部分的に発射、及び発射済みの締結具を示す。 図78の締結具カートリッジアセンブリの立面図であり、締結具カートリッジアセンブリのステープル空洞から、組織厚さコンペンセーター内へと、締結具を発射するドライバーを示す。 図80の締結具カートリッジアセンブリの詳細図である。 図61の組織厚さコンペンセーターと、発射された締結具内に捕捉された組織の、立面図である。 図61の組織厚さコンペンセーターと、発射された締結具内に捕捉された組織の、立面図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタにおける組織厚さコンペンセーターの斜視図である。 図84の組織厚さコンペンセーターの変形可能チューブの変形を示す図である。 図84の組織厚さコンペンセーターの変形可能チューブの詳細図である。 少なくとも一実施形態による組織厚さコンペンセーターの変形可能チューブの変形を示す図である。 少なくとも一実施形態による、組織に対して埋め込まれたチューブエレメントを含む組織厚さコンペンセーターの立面図である。 少なくとも一実施形態による、組織に対して埋め込まれたチューブエレメントを含む組織厚さコンペンセーターの立面図である。 少なくとも一実施形態によるチューブ格子を含む変形可能チューブの部分斜視図である。 図90の変形可能チューブのチューブストランドの立面図である。 図90の変形可能チューブの立面図である。 様々な実施形態による図90の変形可能チューブの複数のチューブストランドの立面図である。 組織に対して埋め込まれた図90のチューブ格子の立面図である。 少なくとも一実施形態による変形可能チューブの部分斜視図である。 少なくとも一実施形態による変形可能チューブの部分斜視図である。 少なくとも一実施形態による変形可能チューブの部分斜視図である。 図97の変形可能チューブの立面図である。 少なくとも一実施形態による変形可能チューブの部分斜視図である。 少なくとも一実施形態による変形可能チューブの部分斜視図である。 少なくとも一実施形態による変形可能チューブの部分斜視図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタに配置された組織厚さコンペンセーターの斜視図である。 図102の組織厚さコンペンセーターのチューブエレメントの立面図である。 図102の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの立面断面図で、エンドエフェクタがクランプされていない配置を示す。 図102の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの立面断面図で、エンドエフェクタがクランプされ発射済みの配置を示す。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタに配置された組織厚さコンペンセーターの立面断面図である。 図106の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの立面断面図で、エンドエフェクタがクランプされ発射済みの配置を示す。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタ内の組織厚さコンペンセーターの立面断面図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタに配置された組織厚さコンペンセーターの立面断面図である。 図109の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの立面断面図で、エンドエフェクタがクランプされ発射済みの配置を示す。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタに配置された組織厚さコンペンセーターの斜視図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタに配置された組織厚さコンペンセーターの立面断面図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタに配置された組織厚さコンペンセーターの立面断面図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタに配置された組織厚さコンペンセーターの立面断面図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタに配置された組織厚さコンペンセーターの立面断面図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタに配置された組織厚さコンペンセーターの部分平面図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタに配置された組織厚さコンペンセーターの部分平面図である。 図116の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの部分立面断面図で、エンドエフェクタがクランプされていない配置を示す。 図116の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの部分立面断面図で、エンドエフェクタがクランプされている配置を示す。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタにおける組織厚さコンペンセーターの斜視図である。 図120の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの立面図である。 図120の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの斜視図で、クランプされた配置に向かって動いているエンドエフェクタのアンビルを示す。 図120の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの立面図で、エンドエフェクタがクランプされた配置を示す。 非変形形状の、図120の組織厚さコンペンセーターのチューブエレメントの立面断面図である。 変形した形状の、図120の組織厚さコンペンセーターのチューブエレメントの立面断面図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタにおける組織厚さコンペンセーターの斜視図である。 図126の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの立面断面図で、エンドエフェクタがクランプされた配置を示す。 図126の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの立面断面図で、エンドエフェクタが発射され、部分的にクランプされていない配置を示す。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタに配置された組織厚さコンペンセーターの斜視図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタのアンビルに固定された組織厚さコンペンセーターの立面断面図である。 図130の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの立面断面図で、エンドエフェクタがクランプされた配置を示す。 図130の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの立面断面図で、エンドエフェクタが発射され、部分的にクランプされていない配置を示す。 図132の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの詳細図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタ内にクランプされた組織厚さコンペンセーターの立面断面図であり、ステープル発射スレッドによるステープルの配備を示す。 図134の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの立面断面図で、エンドエフェクタがクランプされた配置を示す。 図134の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの立面断面図で、エンドエフェクタが発射された配置を示す。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタにおける組織厚さコンペンセーターの斜視図である。 図137の組織厚さコンペンセーターのチューブエレメントの斜視図である。 第1端と第2端の間で切断された、図138のチューブエレメントの斜視図である。 図137の組織厚さコンペンセーターの斜視図で、組織厚さコンペンセーターを切断する切断エレメントと、組織厚さコンペンセーターに係合するステープルとを示す。 少なくとも一実施形態による、図137の組織厚さコンペンセーターを作製するように構成されたフレームの斜視図である。 図141のフレームの立面断面図であり、図137の組織厚さコンペンセーターがこのフレーム内で硬化しているのが示されている。 図142のフレームから取り出し、少なくとも1つの切断器具によってトリミングするための準備を行った、組織厚さコンペンセーターの立面断面図である。 少なくとも1つの切断器具で組織厚さコンペンセーターにトリミングを行った後の、図143の組織厚さコンペンセーターの立面断面図である。 様々な断面形状を有する切断可能チューブを示した、図142のフレーム内で形成された組織厚さコンペンセーターの立面断面図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタにおける組織厚さコンペンセーターの斜視図である。 少なくとも一実施形態による、図146の組織厚さコンペンセーターの詳細図である。 少なくとも一実施形態による組織厚さコンペンセーターの部分斜視図である。 少なくとも一実施形態による組織厚さコンペンセーターの部分斜視図である。 図146の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの立面断面図で、エンドエフェクタがクランプされていない配置を示す。 図146の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの立面断面図で、エンドエフェクタがクランプされた配置を示す。 図146の組織厚さコンペンセーター及びエンドエフェクタの立面断面図で、エンドエフェクタがクランプされ発射済みの配置を示す。 発射されたステープルに捕捉された図146の組織厚さコンペンセーターの立面断面図を示す。 組織厚さコンペンセーターの更なる膨張を示す、発射されたステープルに捕捉された図146の組織厚さコンペンセーターの立面断面図を示す。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタ内の組織厚さコンペンセーターの斜視断面図である。 発射されたステープルに捕捉された図151の組織厚さコンペンセーターの部分立面図を示す。 図151の組織厚さコンペンセーターの変形可能チューブの立面図である。 少なくとも一実施形態による変形可能チューブの立面図である。 図151の組織厚さコンペンセーターの斜視断面図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタ内の組織厚さコンペンセーターの斜視断面図である。 少なくとも一実施形態による組織厚さコンペンセーターの斜視図である。 図157の組織厚さコンペンセーターの部分立面断面図で、組織及び組織厚さコンペンセーターに係合した締結具が示されている。 少なくとも一実施形態による組織厚さコンペンセーターの斜視断面図である。 少なくとも一実施形態による組織厚さコンペンセーターの立面図である。 少なくとも一実施形態による組織厚さコンペンセーターの立面図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具の円形エンドエフェクタに配置された組織厚さコンペンセーターの立面図である。 少なくとも一実施形態による組織厚さコンペンセーターの立面図である。 少なくとも一実施形態による組織厚さコンペンセーターの立面図である。 少なくとも一実施形態による組織厚さコンペンセーターの立面図である。 少なくとも一実施形態による組織厚さコンペンセーターの立面図である。 少なくとも一実施形態による組織厚さコンペンセーターの立面図である。 少なくとも一実施形態による組織厚さコンペンセーターの部分斜視図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタに配置された組織厚さコンペンセーターの部分斜視図である。 少なくとも一実施形態による、それ自体の開口部内に配置された締結具を備えた組織厚さコンペンセーターの部分斜視図である。 非変形形状の組織厚さコンペンセーターを示す、図169の組織厚さコンペンセーターの部分斜視図である。 部分的に変形した形状の組織厚さコンペンセーターを示す、図169の組織厚さコンペンセーターの部分斜視図である。 変形した形状の組織厚さコンペンセーターを示す、図169の組織厚さコンペンセーターの部分斜視図である。 少なくとも一実施形態による組織厚さコンペンセーターの斜視図である。 少なくとも一実施形態による、アンビル及びステープルカートリッジを含むステープル器具のエンドエフェクタの斜視図である。 図175のエンドエフェクタの断面図であり、未発射状態でステープルカートリッジ内にあるステープルと、未穿刺状態の密封された容器を含む組織厚さコンペンセーターとが示されており、この容器は、図の目的のため一部を除去された部分で図示されている。 図175のエンドエフェクタの断面図であり、図176のステープルが少なくとも部分的に発射状態にあり、かつ、容器が少なくとも部分的に穿刺された状態を示す。 少なくとも一実施形態による、アンビル及びステープルカートリッジを含むステープル器具のエンドエフェクタの斜視図である。 図178のエンドエフェクタの断面図であり、未発射状態でステープルカートリッジ内にあるステープルと、未穿刺状態でステープルカートリッジの組織厚さコンペンセーター内に配置された密封された容器とがが示されており、この容器は、図の目的のため一部を除去された部分で図示されている。 図178のエンドエフェクタの断面図であり、図179のステープルが少なくとも部分的に発射状態にあり、かつ、容器が少なくとも部分的に穿刺された状態でカートリッジ内にある状態を示す。 少なくとも1つの別の実施形態による、アンビルと、アンビルに取り付けられた密封容器とを含むステープル器具のエンドエフェクタの斜視図であり、この容器は、図の目的のため一部を除去された部分で図示されている。 図181のエンドエフェクタの断面図であり、ステープルが少なくとも部分的にステープルカートリッジから発射されていて、かつ、容器が少なくとも部分的に穿刺された状態でアンビルに取り付けられている。 膨張状態の、図181のアンビルに取り付けられた容器の断面図である。 膨張状態の、図183のアンビルに取り付けられた容器の詳細図である。 ステープルの列に対して横断方向に膨張する容器を示す。 ステープルの列に対して横断方向に膨張する複数の容器を示す。 様々な実施形態によるステープルカートリッジの断面図である。 埋め込まれた状態での図187の部分断面図である。 膨張前の組織厚さコンペンセーターの部分斜視図である。 膨張中の図189Aの組織厚さコンペンセーターの部分斜視図である。 様々な実施形態による流体膨潤性組成物を含む組織厚さコンペンセーターの部分斜視図である。 様々な実施形態による組織厚さコンペンセーターに隣接して配置された組織の断面図である。 ステープルカートリッジが発射された後の、図191の部分断面図である。 組織に隣接して埋め込まれた、図191の組織厚さコンペンセーターを示す図である。 様々な実施形態による組織厚さコンペンセーターの部分斜視図である。 図194の組織厚さコンペンセーターを受容するように構成されたジョーの斜視図である。 ステープルカートリッジから配備されているステープルを示している、ステープルカートリッジの部分断面図である。 上側組織厚さコンペンセーターと、使い捨て搭載ユニットのエフェクタ内に配置された下側組織厚さコンペンセーターの、斜視図である。 様々な実施形態による、成形型内で製造されている図197の下側組織厚さコンペンセーターの断面図である。 様々な実施形態による、成形型内で製造されている3層組織厚さコンペンセーターの断面図である。 様々な実施形態による、強化材料を含む組織厚さコンペンセーターを含むアンビルの断面図である。 様々な実施形態による、上側組織厚さコンペンセーターと下側組織厚さコンペンセーターの中間に配置された組織の断面図である。 ステープルカートリッジから配備されているステープルを示している、図200の断面図である。 ステープルカートリッジが発射された後の、図200の断面図である。 様々な実施形態による、ステープルカートリッジに取り付けられた組織厚さコンペンセーターに、流体を送達するように構成されたニードルを示す。 図203Aのニードルを受容するように構成された組織厚さコンペンセーターを含むステープルカートリッジの断面図である。 様々な実施形態による組織厚さコンペンセーターの製造方法を示す。 様々な実施形態による膨張性厚さコンペンセーターを形成する図及び方法である。 ヒドロゲル前駆体を含むミセルを示す。 様々な実施形態による、組織厚さコンペンセーターと、その組織厚さコンペンセーターに送達され得る流体とを含む、外科用器具の図である。 少なくとも一実施形態による、外科用器具のエンドエフェクタのアンビルに固定された組織厚さコンペンセーターの部分斜視図図である。 図208の組織厚さコンペンセーターのチューブエレメントの斜視図である。 半分に切断した図209のチューブエレメントで、流体が、各半分内にある親水性物質に接触しているのを示す、斜視図である。 図210の切断されたチューブエレメントの半分の斜視図であり、切断されたチューブエレメントの膨張を示している。
対応する参照符合は、複数の図面を通じて対応する部材を示す。本明細書において説明される例示は、一形態による本発明の特定の実施形態を例示し、このような例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されない。
本出願の出願人はまた、以下に示す米国特許出願も所有し、それらのそれぞれの全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
米国特許出願第12/894,311号「SURGICAL INSTRUMENTS WITH RECONFIGURABLE SHAFT SEGMENTS」(代理人整理番号第END6734USNP/100058号);
米国特許出願第12/894,340号「SURGICAL STAPLE CARTRIDGES SUPPORTING NON−LINEARLY ARRANGED STAPLES AND SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH COMMON STAPLE−FORMING POCKETS」(代理人整理番号第END6735USNP/100059号);
米国特許出願第12/894,327号「JAW CLOSURE ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(代理人整理番号第END6736USNP/100060号);
米国特許出願第12/894,351号「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENTS WITH SEPARATE AND DISTINCT FASTENER DEPLOYMENT AND TISSUE CUTTING SYSTEMS」(代理人整理番号第END6839USNP/100524号);
米国特許出願第12/894,338号「IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE HAVING A NON−UNIFORM ARRANGEMENT」(代理人整理番号第END6840USNP/100525号);
米国特許出願第12/894,369号「IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE COMPRISING A SUPPORT RETAINER」(代理人整理番号第END6841USNP/100526号);
米国特許出願第12/894,312号「IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE COMPRISING MULTIPLE LAYERS」(代理人整理番号第END6842USNP/100527号);
米国特許出願第12/894,377号「SELECTIVELY ORIENTABLE IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE」(代理人整理番号第END6843USNP/100528号);
米国特許出願第12/894,339号「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH COMPACT ARTICULATION CONTROL ARRANGEMENT」(代理人整理番号第END6847USNP/100532号);
米国特許出願第12/894,360号「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH A VARIABLE STAPLE FORMING SYSTEM」(代理人整理番号第END6848USNP/100533号);
米国特許出願第12/894,322号「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH INTERCHANGEABLE STAPLE CARTRIDGE ARRANGEMENTS」(代理人整理番号第END6849USNP/100534号);
米国特許出願第12/894,350号「SURGICAL STAPLE CARTRIDGES WITH DETACHABLE SUPPORT STRUCTURES AND SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH SYSTEMS FOR PREVENTING ACTUATION MOTIONS WHEN A CARTRIDGE IS NOT PRESENT」(代理人整理番号第END6855USNP/100540号);
米国特許出願第12/894,383号「IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE COMPRISING BIOABSORBABLE LAYERS」(代理人整理番号第END6856USNP/100541号);
米国特許出願第12/894,389号「COMPRESSIBLE FASTENER CARTRIDGE」(代理人整理番号第END6857USNP/100542号);
米国特許出願第12/894,345号「FASTENERS SUPPORTED BY A FASTENER CARTRIDGE SUPPORT」(代理人整理番号第END6858USNP/100543号);
米国特許出願第12/894,306号「COLLAPSIBLE FASTENER CARTRIDGE」(代理人整理番号第END6859USNP/100544号);
米国特許出願第12/894,318号「FASTENER SYSTEM COMPRISING A PLURALITY OF CONNECTED RETENTION MATRIX ELEMENTS」(代理人整理番号第END6860USNP/100546号);
米国特許出願第12/894,330号「FASTENER SYSTEM COMPRISING A RETENTION MATRIX AND AN ALIGNMENT MATRIX」(代理人整理番号第END6861USNP/100547号);
米国特許出願第12/894,361号「FASTENER SYSTEM COMPRISING A RETENTION MATRIX」(代理人整理番号第END6862USNP/100548号);
米国特許出願第12/894,367号「FASTENING INSTRUMENT FOR DEPLOYING A FASTENER SYSTEM COMPRISING A RETENTION MATRIX」(代理人整理番号第END6863USNP/100549号);
米国特許出願第12/894,388号「FASTENER SYSTEM COMPRISING A RETENTION MATRIX AND A COVER」(代理人整理番号第END6864USNP/100550号);
米国特許出願第12/894,376号「FASTENER SYSTEM COMPRISING A PLURALITY OF FASTENER CARTRIDGES」(代理人整理番号第END6865USNP/100551号);
米国特許出願第13/097,865号「SURGICAL STAPLER ANVIL COMPRISING A PLURALITY OF FORMING POCKETS」(代理人整理番号第END6735USCIP1/100059CIP1号);
米国特許出願第13/097,936号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR FOR A SURGICAL STAPLER」(代理人整理番号第END6736USCIP1/100060CIP1号);
米国特許出願第13/097,954号「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING A VARIABLE THICKNESS COMPRESSIBLE PORTION」(代理人整理番号第END6840USCIP1/100525CIP1号);
米国特許出願第13/097,856号「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING STAPLES POSITIONED WITHIN A COMPRESSIBLE PORTION THEREOF」(代理人整理番号第END6841USCIP1/100526CIP1号);
米国特許出願第13/097,928号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING DETACHABLE PORTIONS」(代理人整理番号第END6842USCIP1/100527CIP1号);
米国特許出願第13/097,891号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR FOR A SURGICAL STAPLER COMPRISING AN ADJUSTABLE ANVIL」(代理人整理番号第END6843USCIP1/100528CIP1号);
米国特許出願第13/097,948号「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING AN ADJUSTABLE DISTAL PORTION」(代理人整理番号第END6847USCIP1/100532CIP1号);
米国特許出願第13/097,907号「COMPRESSIBLE STAPLE CARTRIDGE ASSEMBLY」(代理人整理番号第END6848USCIP1/100533CIP1号);
米国特許出願第13/097,861号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING PORTIONS HAVING DIFFERENT PROPERTIES」(代理人整理番号第END6849USCIP1/100534CIP1号);
米国特許出願第13/097,869号「STAPLE CARTRIDGE LOADING ASSEMBLY」(代理人整理番号第END6855USCIP1/100540CIP1号);
米国特許出願第13/097,917号「COMPRESSIBLE STAPLE CARTRIDGE COMPRISING ALIGNMENT MEMBERS」(代理人整理番号第END6856USCIP1/100541CIP1号);
米国特許出願第13/097,873号「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING A RELEASABLE PORTION」(代理人整理番号第END6857USCIP1/100542CIP1号);
米国特許出願第13/097,938号「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING COMPRESSIBLE DISTORTION RESISTANT COMPONENTS」(代理人整理番号第END6858USCIP1/100543CIP1号);
米国特許出願第13/097,924号「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING A TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(代理人整理番号第END6859USCIP1/100544CIP1号);
米国特許出願第13/242,029号「SURGICAL STAPLER WITH FLOATING ANVIL」(代理人整理番号第END6841USCIP2/100526CIP2号);
米国特許出願第13/242,066号「CURVED END EFFECTOR FOR A STAPLING INSTRUMENT」(代理人整理番号第END6841USCIP3/100526CIP3号);
米国特許出願第13/242,086号「STAPLE CARTRIDGE INCLUDING COLLAPSIBLE DECK」(代理人整理番号第END7020USNP/110374号);
米国特許出願第13/241,912号「STAPLE CARTRIDGE INCLUDING COLLAPSIBLE DECK ARRANGEMENT」(代理人整理番号第END7019USNP/110375号);
米国特許出願第13/241,922号「SURGICAL STAPLER WITH STATIONARY STAPLE DRIVERS」(代理人整理番号第END7013USNP/110377号);
米国特許出願第13/241,637号「SURGICAL INSTRUMENT WITH TRIGGER ASSEMBLY FOR GENERATING MULTIPLE ACTUATION MOTIONS」(代理人整理番号第END6888USNP3/110378号);及び
米国特許出願第13/241,629号「SURGICAL INSTRUMENT WITH SELECTIVELY ARTICULATABLE END EFFECTOR」(代理人整理番号第END6888USNP2/110379)。
本出願の出願人はまた、本明細書と同日に出願され、それらの全ての内容がそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる、以下に示す米国特許出願も所有する。
米国特許出願第____________号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING A PLURALITY OF CAPSULES」(代理人整理番号第END6864USCIP1/100550CIP1号);
米国特許出願第____________号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING A PLURALITY OF LAYERS」(代理人整理番号第END6864USCIP2/100550CIP2号);
米国特許出願第____________号「EXPANDABLE TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(代理人整理番号第END6843USCIP2/100528CIP2号);
米国特許出願第____________号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING A RESERVOIR」(代理人整理番号第END6843USCIP3/100528CIP3号);
米国特許出願第____________号「RETAINER ASSEMBLY INCLUDING A TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(代理人整理番号第END6843USCIP4/100528CIP4号);
米国特許出願第____________号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING AT LEAST ONE MEDICAMENT」(代理人整理番号第END6843USCIP5/100528CIP5号);
米国特許出願第____________号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING FIBERS TO PRODUCE A RESILIENT LOAD」(代理人整理番号第END6843USCIP7/100528CIP7号);
米国特許出願第____________号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING STRUCTURE TO PRODUCE A RESILIENT LOAD」(代理人整理番号第END6843USCIP8/100528CIP8号);
米国特許出願第____________号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING RESILIENT MEMBERS」(代理人整理番号第END6843USCIP9/100528CIP9号);
米国特許出願第____________号「METHODS FOR FORMING TISSUE THICKNESS COMPENSATOR ARRANGEMENTS FOR SURGICAL STAPLERS」(代理人整理番号第END6843USCIP10/100528CP10号);
米国特許出願第____________号「TISSUE THICKNESS COMPENSATORS」(代理人整理番号第END6843USCIP11/100528CP11号);
米国特許出願第____________号「LAYERED TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(代理人整理番号第END6843USCIP12/100528CP12号);
米国特許出願第____________号「TISSUE THICKNESS COMPENSATORS FOR CIRCULAR SURGICAL STAPLERS」(代理人整理番号第END6843USCIP13/100528CP13号);
米国特許出願第____________号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING CAPSULES DEFINING A LOW PRESSURE ENVIRONMENT」(代理人整理番号第END7100USNP/110601号);
米国特許出願第____________号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISED OF A PLURALITY OF MATERIALS」(代理人整理番号第END7101USNP/110602号);
米国特許出願第____________号「MOVABLE MEMBER FOR USE WITH A TISSUE THICKNESS COMPENSATOR」(代理人整理番号第END7107USNP/110603号);
米国特許出願第____________号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING A PLURALITY OF MEDICAMENTS」(代理人整理番号第END7102USNP/110604号);
米国特許出願第____________号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR AND METHOD FOR MAKING THE SAME」(代理人整理番号第END7103USNP/110605号);
米国特許出願第____________号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING CHANNELS」(代理人整理番号第END7104USNP/110606号);
米国特許出願第____________号「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING TISSUE INGROWTH FEATURES」(代理人整理番号第END7105USNP/110607号);及び
米国特許出願第____________号「DEVICES AND METHODS FOR ATTACHING TISSUE THICKNESS COMPENSATING MATERIALS TO SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」(代理人整理番号第END7106USNP/110608)。
本明細書で開示される装置並びに方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解が与えられるよう、特定の例示的実施形態について以下に説明する。これらの実施形態の1以上の例を添付図面に示す。当業者であれば、本明細書に具体的に記載され、添付の図面に示される装置及び方法は非限定的かつ例示的な実施形態であることが理解されるであろう。1つの例示的な実施形態との関連において例示又は説明された特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような修正及び変形は、本発明の範囲に含まれる。
物品又は製品の製造、形成又はその他作製のために本明細書に開示又は請求されている方法のいずれも、対象の物品又は製造の全体又は部品を製造、形成又はその他作製するために採用することができ、そのような方法が、対象の物品又は製品の部品を製造、形成又はその他作製するために採用された場合、その物品又は製品の残りの部品は、その物品又は製品を製造、形成又はその他作製するために本明細書で開示されかつ請求されている他の方法の任意のものを採用することを含め、任意の方法で作製することができ、そのように作製された様々な部品は任意の様相で組み合わせることができる。同様に、本明細書に開示又は請求されている物品又は製品は、単独で、又は、これに適合性であると開示されている他の任意の物品又は製品と組み合わせて、若しくはその全体の一部として、存在し得る。よって、ある物品、製品又は方法に関連して例示又は記述されている具体的な特徴、構造、又は特性は、制限なしに、1つ以上の他の適合性の物品、製品、又は方法の特徴、構造、又は特性と、全体的又は部分的に、組み合わせることができる。このような修正及び変形は、本発明の範囲に含まれる。
特定の図又はその他を参照するかどうかを問わず、本発明の特定の一実施形態又は特定の物品、製品若しくは方法が、特定の構造、特性又は特徴を含み得ることが本明細書に開示されている場合は、その構造、特性又は特徴が、任意の適合性の組み合わせにおいて対象の物品、製品又は方法に体現され得ることを意味することが、読者には理解されよう。特に、数多くの任意の構造、特性又は特徴のそのような開示は、互いに代替のものとして開示されている構造、特性又は特徴の場合を除き、それら構造、特性又は特徴の全てを組み合わせて開示されていると理解されるべきである。そのような構造、特性又は特徴が、互いに代替のものとして開示されている場合は、互いに置換される代替物を開示するものとして理解されるべきである。
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書において、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準にして用いられている。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上、及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、「下」などの、空間的用語は、本明細書では、図面に関連して使用し得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
腹腔鏡下及び最小侵襲の外科手技を実施するための様々な例示的な装置及び方法が提供される。しかしながら、本明細書で開示する様々な方法及び装置が、例えば、開放的な外科手技を含めて、多数の外科手技及び用途で用いられ得ることが、読者には容易に理解されよう。本「発明を実施するための形態」を読み進む中で、読者には更に、本明細書に開示される様々な器具が、任意の方法(例えば、自然の開口部を通して、又は組織内に形成された切開若しくは穿刺穴を通してなど)で体内に挿入され得ることが理解されよう。器具の作業部分又はエンドエフェクタは、患者の体内に直接挿入することができ、あるいは、作業チャネルを有するアクセス装置を通して挿入することができ、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長シャフトをこれに通して前進させることができる。
図面に戻り、図面では、同様の参照符号が、複数の図を通じて同様の構成要素を示している。図1は、いくつかの固有の利点を実施できる外科用器具10を示している。外科用ステープリング器具10は、これに動作可能に取り付けられた、様々な形状及び大きさのエンドエフェクタ12を操作及び/又は作動させるように設計される。図1〜1Eにおいて、エンドエフェクタ12は、エンドエフェクタ12の下方ジョー13を形成する細長チャネル14を含む。細長チャネル14は、「埋め込み可能な」ステープカートリッジ30を支持するように構成され、またエンドエフェクタ12の上方ジョー15として機能するアンビル20を動作可能に支持する。
細長チャネル14は、300 & 400シリーズ、17−4 & 17−7ステンレス・スチール、チタンなどから作製されてもよく、離間した側壁16で形成されてもよい。アンビル20は、例えば、300 & 400シリーズ、17−4 & 17−7ステンレス・スチール、チタンなどから作製されてもよく、内部に形成される複数のステープル形成ポケット23を有する、一般的に22として標識される、ステープル形成下面を有し得る。図1B〜1Eを参照されたい。加えて、アンビル20は、そこから近位方向に突出する、二又の傾斜アセンブリ24を有する。アンビルピン26は、細長チャネル14の側壁16内の対応するスロット又は開口部18内に受容される、傾斜アセンブリ24の各側壁から突出し、ここに可動又は枢動可能に取り付けることを容易にする。
様々な形態の埋め込み可能なステープルカートリッジが、本明細書において開示される外科用器具で利用され得る。特定のステープルカートリッジ構成及び構造は、以下で更に詳細に記載される。しかしながら、図1Aにおいて、埋め込み可能なステープルカートリッジ30が示される。ステープルカートリッジ30は、内部に形成されていない金属ステープル32が並んでいる、例えば、酸化再生セルロース(「ORC」)又は生体吸収性フォームなどの圧縮可能な止血材料からなる、本体部分31を有する。ステープルが影響を受け、止血材料が導入及び配置工程中に活性化することを防ぐため、カートリッジ全体が、生分解性フィルム38、例えば、商標名PDS(登録商標)において販売されるポリジオキサノンフィルム、又はポリグリセロールセバケート(PGS)フィルム、又はPGA(商標Vicrylの商標名で販売されるポリグリセロール酸)、PCL(ポリカプロラクトン)、PLA、若しくはPLLA(ポリ乳酸)、PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)、PGCL(商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25)、又はPGA、PCL、PLA、PDSの複合物(破裂するまでは不透過性である)から形成される他の生分解性フィルムで、コーティング又は被覆され得る。ステープルカートリッジ30の本体31は、図示されるように、細長チャネル14内に取り外し可能に支持されるような大きさであり、それによって、アンビル20がステープルカートリッジ30と接触する際に、内部の各ステープル32が、アンビル内の対応するステープル形成ポケット23と位置合わせされる。
使用中、一度エンドエフェクタ12が標的組織に隣接するように位置付けられると、エンドエフェクタ12は、ステープルカートリッジ30の上面36と、アンビル20のステープル形成表面22との間に、標的組織を捕捉又はクランプするように操作される。ステープル32は、細長チャネル14と実質的に平行な経路内でアンビル20を動かして、ステープル形成表面22、及びより具体的には内部のステープル形成ポケット23を、ステープルカートリッジ30の上面36と実質的に同時に接触されることによって形成される。アンビル20がステープルカートリッジ30内に動き続けると、ステープル32の脚部34はアンビル20内の対応するステープル形成ポケット23に接触して、ステープル脚部34を折り曲げ、ステープル32を「B字型」に形成するように機能する。アンビル20の細長チャネル14への移動は、ステープル32を更に圧縮して、所望の最終的に形成される高さ「FF」へと形成する。
上記のステープル形成プロセスは、図1B〜1E内で一般的に示される。例えば、図1Bは、アンビル20と埋め込み可能なステープルカートリッジ30の上面36との間に標的組織「T」を有する、エンドエフェクタ12を例示する。図1Cは、アンビル20の初期クランピング位置を例示し、アンビル20は標的組織「T」の上に閉鎖されて、アンビル20とステープルカートリッジ30の上面36との間に標的組織「T」をクランプする。図1Dは、初期ステープル形成を例示し、アンビル20はステープルカートリッジ30を圧縮しはじめ、それによってステープル32の脚部34は、アンビル20内のステープル形成ポケット23によって形成され始めている。図1Eは、明確性の目的のためにアンビル20が取り除かれた、標的組織「T」を貫通してその最終的な形成状態にある、ステープル32を例示する。一度ステープル32が標的組織「T」に形成及び締結されると、外科医はアンビル20を開放位置へと移動させて、エンドエフェクタ12が患者から引き抜かれる間、カートリッジ本体31及びステープル32が標的組織に固定されたままとなることを可能にする。エンドエフェクタ12は、2つのジョー13、15が一緒にクランピングされると、全てのステープルを同時に形成する。残っている「折り畳み式」本体材料31は、止血剤(ORC)及びステープルのライン補強部(PGA、PDS又は上記の他のいずれかのフィルム組成38)の両方として機能する。また、ステープル32は、形成中において、カートリッジ本体31を離れることはないため、ステープル32が形成中に不適切に形成される可能性は極小化される。本明細書において使用するとき、用語「埋め込み可能な」とは、ステープルに加えて、ステープルを支持するカートリッジ本体の材料もまた、患者内に留まり、最終的には患者の身体に吸収され得ることを意味する。そのような埋め込み可能なステープルカートリッジは、発射された後に全体がエンドエフェクタ内に位置したまま残る従来のカートリッジ構成とは区別される。
様々な実施において、エンドエフェクタ12は、ハンドルアセンブリ100から突出する細長シャフトアセンブリ40と連結されるように構成される。エンドエフェクタ12(閉鎖時)及び細長シャフトアセンブリ40は、同様の断面形状を有してもよく、トロカール管又は別の形状のアクセス器具内の作業チャネルを動作可能に通過するような大きさであり得る。本明細書において使用するとき、用語「動作可能に通過」とは、エンドエフェクタ及び細長シャフトアセンブリの少なくとも一部分が、チャネル又は管開口部を通じて挿入されるか、又は通過することができ、外科用ステープリング手技を完了するために必要性に応じて内部で操作され得ることを意味する。閉鎖位置にある際、エンドエフェクタ12のジョー13及び15は、エンドエフェクタにほぼ円形の断面形状をもたらすことがあり、これは、円形の通路/開口部の通過を容易にする。しかしながら、本発明のエンドエフェクタ、並びに細長シャフトアセンブリは、考えられる限りでは、非円形の横断面形状を有するアクセス通路及び開口部を通り抜けることができる他の横断面形状を与えられ得る。したがって、閉鎖したエンドエフェクタの横断面の全体的な大きさは、エンドエフェクタを通すことが意図される通路又は開口部の大きさに関連付けられる。したがって、あるエンドエフェクタは、例えば、「5mmの」エンドエフェクタと呼ばれてもよく、これは、直径が少なくとも約5mmである開口部をそのエンドエフェクタが動作可能に通り抜け得ることを意味する。
細長シャフトアセンブリ40は、閉鎖位置にあるときのエンドエフェクタ12の外径と実質的に同じである外径を有してもよい。例えば、5mmエンドエフェクタは、5mmの断面直径を有する、細長シャフトアセンブリ40と連結されてもよい。しかしながら、本発明の詳細な説明を読み進めると、本発明が、異なる大きさのエンドエフェクタに関連して有効に使用され得ることが明らかになる。例えば、10mmのエンドエフェクタが、5mmの横断面直径を有する細長シャフトに結合されてもよい。逆に、10mm以上のアクセス開口部又は経路が提供されるこれらの用途において、細長シャフトアセンブリ40は、10mm(又はそれ以上)の断面直径を有してもよいが、また5mm又は10mmのエンドエフェクタを作動させることもできる。したがって、外側シャフト40は、これに取り付けられる閉鎖したエンドエフェクタ12の外径と同じ、又はこれと異なる外径を有してもよい。
示されるように、細長シャフトアセンブリ40は、ハンドルアセンブリ100からほぼ直線上に遠位方向に延びて、長手方向軸A−A画定する。例えば、細長シャフトアセンブリ40は、約229〜406mm(9〜16インチ)の長さであり得る。しかし、細長シャフトアセンブリ40は別の長さであり得、また、その内側に接合箇所を有することができ、下記で詳しく説明されているように、シャフト又はハンドルアセンブリの他の部分に対してエンドエフェクタ12のアーティキュレーションを容易にするように構成し得る。細長シャフトアセンブリ40は、ハンドルアセンブリ100からエンドエフェクタ12まで延びる、スパイン部材50を含む。エンドエフェクタ12の細長チャネル14の近位端は、そこから突出する一対の保持トラニオン17を有し、これはスパイン部材50の遠位端内に提供される、対応するトラニオン開口部又は受台52に受容される大きさであり、エンドエフェクタ12が、細長シャフトアセンブリ40に取り外し可能に連結されることを可能にする。スパイン部材50は、例えば、6061又は7075アルミニウム、ステンレス・スチール、チタンなどから作製されてもよい。
ハンドルアセンブリ100は、組み立てる目的のために、2つ以上の部品で作製され得る、ピストルグリップタイプのハウジングを含む。例えば、図示されるハンドルアセンブリ100は、右手ケース部材102、及び左手ケース部材を含み(図示なし)を含み、これらは、ポリマー又はプラスチック部材から作製され、互いに噛み合うように設計される。このような場合、部材は、スナップ機能、ペグ、及びその内側に成形又は形成されたソケットにより、及び/又は接着剤、ねじ等により貼り合わせることができる。脊椎部材50は、その上部に形成されたフランジ56を有する近位端54を有する。フランジ56は、各ケース部材102、104から内側に突出する噛み合うリブ108により形成される溝106内に回転可能に支持されるように構成される。このような構成は、スパイン部材50のハンドルアセンブリ100への取り付けを促進し、一方でスパイン部材50がハンドルアセンブリ100に対し、長手方向軸A−Aを中心に360°の起動で回転することを可能にする。
図1に更に見られるように、スパイン部材50は、ハンドルアセンブリ100に回転可能に取り付けられた、取り付けブッシング60を通過し、これによって支持される。取り付けブッシング60は、近位フランジ62、及び遠位フランジ64を有し、これらは、その間のハンドルアセンブリ100の鼻部分101を回転可能に受容するように構成される回転可能な溝65を画定する。このような構成は、取り付けブッシング60が、ハンドルアセンブリ100に対し、長手方向軸A−Aを中心に回転することを可能にする。スパイン部材50は、スパインピン66により、取り付けブッシング60に回転不可能にピン留めされている。加えて、回転ノブ70は、取り付けブッシング60に取り付けられる。例えば、回転ノブ70は、内部に取り付けブッシング60の一部分を受容するような大きさの中空の取り付けフランジ部分72を有する。回転ノブ70は、例えば、ガラス又は炭素充填ナイロン、ポリカーボネート、Ultem(登録商標)などから作製されてもよく、また同様にスパインピン66によって取り付けブッシング60に取り付けられる。加えて、内側に突出する保持フランジ74は、取り付けフランジ部分72上に形成され、取り付けブッシング60内に形成された放射状の溝68内に延びるように構成される。したがって、外科医は、回転ノブ70を把持し、これをハンドルアセンブリ100に対して回転させることによって、スパイン部材50(及びこれに取り付けられたエンドエフェクタ12)を長手方向軸A−Aを中心に、360°の経路で回転させてもよい。
アンビル20は、アンビルばね21、及び/又は他の付勢構成によって開位置に維持される。アンビル20は、一般的に109として指定される、発射システムによって、開放位置から様々な閉鎖又はクランピング及び発射位置へと、選択的に可動である。発射システム109は、「発射部材」110を含み、これは中空発射管110を含む。中空発射管110は、スパイン部材50上で軸方向に可動であり、したがって、細長シャフトアセンブリ40の外部を形成する。発射管110は、ポリマー、又は他の好適な材料から作製されてもよく、発射システム109の発射ヨーク114に取り付けられる近位端を有してもよい。例えば、発射ヨーク114は、発射管110の近位端にオーバーモールドされてもよい。しかしながら、他の締結具配置が利用されてもよい。
図1に見られるように、発射ヨーク114は、ハンドルアセンブリ100内で軸方向に動くように構成された、支持カラー120内で回転可能に支持されてもよい。支持カラー120は、一対の横方向に貫通して延在するフィンを有し、これはそれぞれ、右手ケース部材及び左手ケース部材に形成される、フィンスロット内に摺動可能に受容されるような大きさである。したがって、支持カラー120はハンドルハウジング100内に軸方向に摺動可能であり得、一方で発射ヨーク114及び発射管110がこれに対して、長手方向軸A−Aを中心に回転することを可能にする。本発明により、細長スロットが、発射管110を通じて提供され、スパインピン66が内部を通じてスパイン部材50内に貫通して延在することを可能にし、一方で、スパイン部材50上における発射管110の軸方向の移動を促進する。
発射システム109は更に、スパイン部材50上の発射管110の軸方向の移動を制御するように機能する、発射トリガー130を更に含む。図1を参照されたい。発射管110を遠位方向、軸方向に移動させて、発射のためにアンビル20と相互作用させることは、ここでは「発射運動」と称される。図1に見られるように、発射トリガー130は枢動ピン132によってハンドルアセンブリ100に可動、又は枢動可能に連結されている。発射トリガー130を、ハンドルアセンブリ100のピストルグリップ部分107から、非作動の「解放」又は開始位置へと付勢するために、トーションばね135が利用される。図1に見られるように、発射トリガー130は、支持カラー120に可動に取り付けられた(ピン留めされた)発射リンク136に可動に取り付けられた(ピン留めされ)上部134を有する。したがって、発射位置(図1)から、ハンドルアセンブリ100のピストルグリップ部分107に隣接する終了位置への、発射トリガー130の移動により、発射ヨーク114及び発射管110を遠位方向「DD」に移動させる。発射トリガー130のハンドルアセンブリ100のピストルグリップ部分107から離れる動き(トーションばね135の付勢により)により、発射ヨーク114及び発射管110は、スパイン部材50において近位方向「PD」に移動する。
本発明は、異なる大きさ及び構成の埋め込み可能なステープルカートリッジと利用することができる。例えば、外科用器具10は、第1発射アダプタ140と共に使用されるとき、埋め込み可能なステープルカートリッジ30を支持する、約20mm長さ(又は他の長さ)の、5mmエンドエフェクタ12と共に使用され得る。このようなエンドエフェクタの大きさは、例えば、比較的細かい切開、及び血管横切(transactions)を完成させるために、特に好適である。しかしながら、以下でより詳細に記載されるように、外科用器具10はまた、例えば、第1発射アダプタ140を第2発射アダプタと交換することにより、他の大きさのエンドエフェクタ及びステープルカートリッジと共に利用され得る。別の代替方法として、細長シャフトアセンブリ40は、少なくとも1つの形状又は大きさのエンドエフェクタに取り付けられるように構成され得る。
エンドエフェクタ12をスパイン部材50に取り外し可能に連結する1つの方法が説明される。連結プロセスは、細長チャネル14上の保持トラニオン17を、スパイン部材50のトラニオン受台52内に挿入することにより開始される。その後、外科医が発射トリガー130を、ハウジングアセンブリ100のピストルグリップ107の方に前進させ、発射管110及び第1発射アダプタ140を、細長チャネル14の近位端部分47を超えて遠位方向に前進させ、それによってトラニオン17をこれらの各受台52に保持する。トラニオン17を超える第1発射アダプタ140のこのような位置は、本明細書において「連結位置」と称される。本発明はまた、エンドエフェクタ12がスパイン部材50に取り付けられた後、発射トリガー130を適所に固定するために、エンドエフェクタ固定アセンブリを有し得る。
より具体的に、エンドエフェクタ固定アセンブリ160の一実施形態は、発射トリガー130の上部134内に可動に支持される、保持ピン162を含む。上記のように、発射管110は最初に、第1発射アダプタ140がエンドエフェクタ12の保持トラニオン17をスパイン部材50のトラニオン受台52内に保持する、連結位置へと、遠位方向に前進されなくてはならない。外科医は、発射トリガー130を開始位置からピストルグリップ107へと引くことによって、発射アダプタ140を連結位置へと遠位方向に前進させる。発射トリガー130が最初に作動されると、保持ピン162は、発射管110が第1発射アダプタ140を連結位置まで前進させるまで、遠位方向に動き、この連結位置の点において保持ピン162は、ケース部材内に形成される固定空洞164内に付勢される。所望により、保持ピン162が固定空洞164に入るとき、ピン162は、可聴「クリック音」、又は他の音を生じてもよく、またエンドエフェクタ12がスパイン部材50に「固定された」という触覚的指示を外科医に提供してもよい。加えて、外科医は、保持ピン162を固定空洞164から意図的に付勢しない限り、不注意により発射トリガー130を作動し続けて、ステープル32をエンドエフェクタ12内に形成し始めることはない。同様に、外科医が発射トリガー130を、これが連結位置にあるときに解放するとき、これは保持ピン162によってこの位置に保持され、発射トリガー130が開始位置に戻り、よってエンドエフェクタ12がスパイン部材50から解放するのを防ぐ。
本発明は、ハンドルアセンブリ100に枢動可能に取り付けられた、発射システム固定ボタン137を更に含み得る。一形態において、発射システム固定ボタン137は、その遠位端上に形成されたラッチ138を有し、これは、発射解放ボタンが第1ラッチング位置にあるときに、発射ヨーク114と係合するように向けられる。図1に見られるように、ラッチばね139は、発射システム固定ボタン137を、第1ラッチング位置へと付勢するように機能する。様々な状況において、ラッチ138は、スパイン部材50上の発射ヨーク114の位置が、第1発射アダプタ140がアンビル20上のクランピング傾斜面28を遠位方向へと前進して上り始める点と対応する点において、発射ヨーク114と係合するように機能する。第1発射アダプタ140がクランピング傾斜面28を軸方向に前進して延びると、アンビル20が、そのステープル形成表面部分22がステープルカートリッジ30の上面36と実質的に平行となるようにして経路を移動する。
エンドエフェクタ12がスパイン部材50と連結すると、ステープル形成プロセスは、発射システム固定ボタン137を最初に押圧することによって開始され、発射ヨーク114がスパイン部材50上で遠位方向に更に移動され、最終的にアンビル20をステープルカートリッジ30へと圧迫する。発射システム固定ボタン137を押圧した後、外科医は発射トリガー130をピストルグリップ107の方に作動し続け、それによって第1ステープルカラー140を、対応するステープル形成傾斜面29を登るように駆動し、アンビル20を、ステープルカートリッジ30内のステープル32と接触するように形成する。発射システム固定ボタン137は、外科医がプロセスに備えるまで、ステープル32の不注意による形成を防ぐ。この実施形態において、外科医は、発射トリガー130が更に作動されてステープル形成プロセスを開始する前に、発射システム固定ボタン137を押圧しなくてはならない。
外科用器具10は、所望される場合、単に、所望により組織ステープリング装置として使用され得る。しかしながら、本発明はまた、一般的に170として指定される、組織切断システムを含み得る。少なくとも一形態において、組織切断システム170は、ナイフ部材172を含み、これは、ナイフ前進トリガー200を作動することによって、エンドエフェクタ12の近位端に隣接する非作動位置から、作動位置へと選択的に前進し得る。ナイフ部材172は、スパイン部材50内に可動に支持され、取り付けられ、ないしは別の方法によりナイフロッド180から突出する。ナイフ部材172は、例えば、38HRC超の硬度(Rockwell硬度Cスケール)を有する420又は440ステンレススチールから作製されてもよく、かつその遠位端174上に形成される組織切断縁部176を有し、アンビル20のスロット、及びステープルカートリッジ30の中央に配置されたスロット33を通じて摺動可能に延びて、エンドエフェクタ12内でクランプされた組織を通じて切断する。ナイフロッド180は、スパイン部材50を通って延在し、ナイフ伝達器と駆動可能に接合する近位端部分を有し、このナイフ伝達器はナイフ前進トリガー200に操作可能に取り付けられている。ナイフ前進トリガー200は、駆動ピン132に取り付けられ、それによってこれは、発射トリガー130を作動することなく、枢動するかないしは別の方法で作動し得る。本発明により、第1ナイフギア192はまた、枢動ピン132に取り付けられ、それによってナイフ前進トリガー200の作動がまた第1ナイフギア192を枢動させる。発射戻りばね202は、第1ナイフギア192とハンドルハウジング100との間に取り付けられて、ナイフ前進トリガー200を開始又は非作動位置に付勢する。
ナイフ伝達器は更に、第2ギアスピンドル上に回転可能に支持され、第1ナイフギア192と噛合係合する、第2ナイフギア194を含む。第2ナイフギア194は、第3ギアスピンドル上に支持される第3ナイフギア196と噛合係合する。第4ナイフギア198もまた、第3ギアスピンドル195に支持される。第4ナイフギア198は、ナイフロッド180の近位端上で一連の環状ギア歯又はリングと駆動しながら係合するように適合される。このような配置は、第4ナイフギア198がナイフロッド180を遠位方向「DD」、又は近位方向「PD」に軸方向に駆動することを可能にし、一方で、発射ロッド180が第4ナイフギア198に対して長手方向軸A−Aを中心に回転することを可能にする。したがって、外科医は、ナイフ前進トリガー200をハンドルアセンブリ100のピストルグリップ107の方に引くことによって、発射ロッド180を軸方向に前進させ、最終的にナイフ部材172を遠位方向に前進させることができる。
本発明は、更にナイフロックアウトシステム210を含み、これは、発射トリガー130が完全な発射位置に引かれるとき以外、ナイフ部材172の前進を防ぐ。このような特徴はしたがって、ステープルが組織内に最初に発射されるか形成されるとき以外、ナイフ前進システム170の作動を防ぐ。図1に見られるように、ナイフロックアウトシステム210の様々な実施は、ハンドルアセンブリ100のピストルグリップ部分107内に枢動可能に支持される、ナイフロックアウトバー211を含む。ナイフロックアウトバー211は、発射トリガー130が完全に発射位置にあるときに、発射トリガー130と係合するように適合される、作動端部212を有する。加えて、ナイフロックアウトバー211は、その他端に保持フック214を有し、これは第1切断ギア192上のラッチロッド216に引っ掛けるようにして係合するように適合される。ナイフ固定ばね218は、ナイフロックアウトバー211を、「固定」位置に付勢するように利用され、ここで保持フック214はラッチロッド216と係合した状態に維持され、それによって、発射トリガー130が完全に発射位置にある場合を除いてナイフ前進トリガー200の作動を防ぐ。
ステープルが、標的組織内に「発射」(形成)された後、外科医は発射トリガー解放ボタン167を押圧して、発射トリガー130が、トーションばね135の付勢力により開始位置に戻ることを可能にし、これによりアンビル20はばね21の付勢力により開放位置に付勢される。開放位置にあるとき、外科医は、埋め込み可能なステープルカートリッジ30及びステープル32を後ろに残してエンドエフェクタ12を引いてもよい。エンドエフェクタが経路、作業チャネルなどを通じて挿入される用途において、外科医は、経路又は作業チャネルを通じてエンドエフェクタ12を後退できるようにするために、発射トリガー130を起動することによりアンビル20を閉じた位置に戻す。しかしながら、ステープルの発射の後に外科医が標的組織を切断することを所望する場合、外科医はナイフ前進トリガー200を上記の方法で起動して、標的組織を通じてナイフバー172を、エンドエフェクタの端部まで駆動する。その後、外科医はナイフ前進トリガー200を解放し、これにより発射戻しばね202は、発射伝達器がナイフバー172を開始(非作動)位置に戻すことを可能にする。一度ナイフバー172が開始位置に戻ると、外科医はエンドエフェクタジョー13、15を開き、埋め込み可能なカートリッジ30を患者内で解放し、その後エンドエフェクタ12を患者から引き抜く。したがって、このような外科用器具は、比較的小さな作業チャネル及び経路を通じて挿入され得、一方で、外科医に、組織を切断せずにステープルを発射するか、又は所望によりまたステープルが発射された後に組織を切断する選択肢を提供する、小さい埋め込み可能ステープルカートリッジの使用を促進する。
本発明の様々な固有かつ新規の実施形態は、アンビルと接触する実質的に静的な位置にステープルを支持する、圧縮可能なステープルカートリッジを利用する。アンビルは未形成ステープルに対して駆動され、このとき、例えば、達成されるステープル形成の度合いは、アンビルがどの程度までステープルに対して駆動されたかに依存する。このような構成は、外科医に、ステープルに適用される形成又は発射圧力の度合いを調節し、それによって最終的に形成されるステープルの高さを変更する能力を提供する。本発明の他のものにおいて、外科用ステープリング構成は、ステープルをアンビルに向かって持ち上げることができるステープル駆動要素を採用することができる。これらの詳細は後述される。
所望により、上記に関し、可動性アンビルに適用される発射運動の量は、発射トリガーの差動の度合いに依存する。例えば、外科医が部分的にのみ形成されたステープルを得ることを所望する場合、発射トリガーは、ピストルグリップ107の方に向かって内側に、部分的にのみ押圧される。更なるステープルの形成を得るため、外科医は単純に更に発射トリガーを圧縮し、これによりアンビルは、ステープルとより深く接触するように更に駆動される。本明細書において使用するとき、用語「接触する」とは、ステープル形成表面又はステープル形成ポケットがステープル脚部の端部と接触し、脚部を形成した位置へと形成又は屈曲させ始めたことを意味する。ステープル形成の度合いとは、ステープル脚部がどれだけ折り畳まれたかを指し、ひいては、上記のステープル形成高さに関連する。当業者は更に、アンビル20が、発射運動がそこに適用される際に、ステープルカートリッジと実質的に平行な関係で移動するため、ステープルが実質的に同時に、実質的に同じ形成高さで形成されることを理解する。
図2及び図3は、上記のエンドエフェクタ12’と同様の別のエンドエフェクタ12”を例示するが、ただしナイフバー172’に適合するように構成された、以下の差異を含むものとする。ナイフバー172’は、ナイフロッド180に連結されるか、又はこれから突出し、他の点においては、ナイフバー172に関連する上記の方法で操作される。しかしながら、本実施形態において、ナイフバー172’は、エンドエフェクタ12”の全長を横断するために十分な長さであり、したがって別個の遠位ナイフ部材はエンドエフェクタ12”で利用されない。ナイフバー172’は、その上に形成される、上方横断部材173’、及び下方横断部材175’を有する。上方横断部材173’は、アンビル20”の対応する細長スロット250を摺動自在に横断するように向けられ、下方横断部材175’は、エンドエフェクタ12”の細長チャネル14”の細長スロット252を横断するように向けられる。係合離脱スロット(図示されない)がまたアンビル20”内に提供され、それによりナイフバー172’が薄いエンドエフェクタ12”と共に終了位置に駆動されるとき、上方横断部材173’は対応するスロットを通じて降下し、アンビル20”が開放位置へと移動して、ステープリング及び切断された組織と係合離脱する。アンビル20”は、その他の点においては上記のアンビル20と同一であり得、細長チャネル14”はその他の点においては、上記の細長チャネル14と同一であり得る。
これらの実施形態において、アンビル20”は、ばね又は他の開口部構成(図示なし)によって、完全に開いた位置(図2)に付勢される。アンビル20”は、上記の方法により、発射アダプタ150の軸方向の移動によって、開放位置と、完全にクランプした位置との間で移動する。一度発射アダプタ150が完全にクランプした位置(図3)まで前進すると、外科医は次にナイフバー172”を上記の方法で遠位方向に前進させてもよい。外科医がエンドエフェクタを、組織を操作するための把持装置として使用すると、発射アダプタは近位方向に移動されて、アンビル20”が細長チャネル14”から離れるように移動することを可能にする(図4に破線で表される)。この実施形態において、ナイフバー172”が遠位方向に移動すると、上方横断部材173’、及び下方横断部材175’は、アンビル20”及び細長チャネル14”を一緒に引き、ナイフバー172”がエンドエフェクタ12”を通じて遠位方向に前進するに伴い、所望のステープル形成を達成する。図5を参照されたい。したがって、この実施形態において、ステープル形成は組織切断と同時に生じるが、ステープル自体は、ナイフバー172”が遠位方向に駆動される際に順次形成されてもよい。
本発明の様々な外科用ステープルカートリッジ、及び外科用器具の固有かつ新規の特徴は、これらのカートリッジのステープルが1つ又は2つ以上の線形又は非線形のラインに構成されることを可能にする。複数のこのようなステープルのラインは、内部を通じて組織切断部材を受容するために、ステープルカートリッジ内に中央に配置された、細長スロットの両側に提供されてもよい。一構成において、例えば、1つのライン上のステープルは、ステープルの隣接するラインのステープルと実質的に平行であるが、ここからオフセットされていてもよい。別の代替方法として、1つ又は2つ以上のステープルのラインは、非線形の性質を有してもよい。すなわち、ステープルのラインの少なくとも1つのステープルの基部は、同じステープルのラインの他のステープルの基部と、実質的に横方向である、軸に沿って延びてもよい。例えば、細長スロットの各側面のステープルのラインは、ジグザグ形状を有し得る。
本発明により、ステープルカートリッジは、カートリッジ本体、及びカートリッジ本体内に収容される複数のステープルを含み得る。使用中、ステープルカートリッジは、手術部位に組み込まれ、処理される組織の側に組み込まれ得る。加えて、ステープル形成アンビルは、組織の反対側に位置し得る。アンビルは、第1ジョーにより保持され得て、ステープルカートリッジは、第2ジョーによって保持され得て、第1ジョー及び/又は第2ジョーは互いに向かって移動し得る。一度ステープルカートリッジ及びアンビルが組織に対して位置付けられると、ステープルがステープルカートリッジ本体から発射され得、ステープルが組織を貫通してスープル形成アンビルと接触し得る。一度ステープルがステープルカートリッジ本体から展開されると、ステープルカートリッジ本体がその後、手術部位から取り除かれてもよい。ステープルカートリッジ又はステープルカートリッジの少なくとも一部分が、ステープルと共に埋め込まれ得る。例えば、以下でより詳細に記載されるように、ステープルカートリッジは、アンビルが開放位置から閉鎖位置へと移動するときに、アンビルにより圧縮、圧壊、及び/又は折り畳まれ得る、カートリッジ本体を含み得る。カートリッジ本体が圧縮、圧壊及び/又は折り畳みされるとき、カートリッジ本体内に位置付けられるステープルは、アンビルによって変形され得る。あるいは、ステープルカートリッジを支持するジョーは、アンビルに向かい、閉鎖位置へと移動し得る。いずれにせよ、ステープルは、これらが少なくとも部分的にカートリッジ本体内に位置付けられるときに、変形され得る。いくつかの場合において、ステープルは、ステープルカートリッジから発射されなくてもよく、別の場合において、ステープルは、カートリッジ本体の一部分と共に、ステープルカートリッジから発射され得る。
ここで図6A〜6Dを参照すると、例えば、ステープルカートリッジ1000などの圧縮可能なステープルカートリッジは、圧縮可能な、埋め込み可能なカートリッジ本体1010、及び、加えて、圧縮可能なカートリッジ本体1010内に位置付けられる、複数のステープル1020を含んでもよいが、図6A〜6Dでは、1つのステープル1020のみが示されている。図6Aは、ステープルカートリッジ支持体、又はステープルカートリッジチャネル1030によって支持されるカートリッジ1000を例示し、ステープルカートリッジ1000は、非圧縮状態で例示される。このような非圧縮状態において、アンビル1040は、組織Tと接触してもしなくてもよい。使用中、アンビル1040は、図6に見られるように、開位置から組織Tへと接触させ、組織Tを、カートリッジ本体1010に対して位置付けるように移動してもよい。図6Bを再び参照すると、アンビル1040は、組織Tをステープルカートリッジ本体1010の組織接触表面1019に対して位置付けることができるが、ステープルカートリッジ本体1010は、このような時点において、圧縮力又は圧力を(受けたとしても)ほとんど受けないことがあり、ステープル1020は、非形成又は非発射状態にあり得る。図6A及び図6Bに例示されるように、ステープルカートリッジ本体1010は、1つ又は2つ以上の層を含む場合があり、ステープル1020のステープル脚部1021は、これらの層を通じて上方に延びる場合がある。カートリッジ本体1010は、第1層1011、第2層1012、第3層1013を含むことができ、第2層1012は、第1層1011と第3層1013及び第4層1014との中間に位置付けられてもよく、第3層1013は、第2層1012と第4層1014との中間に位置付けられてもよい。ステープル1020の基部1022は、第4層1014の空洞1015内に位置付けられてもよく、ステープル脚部1021は、基部1022から第4層1014、第3層1013、及び第2層1012を通じて上方に延びてもよい。所望により、各変形可能な脚部1021は、先端部、例えば、鋭い先端部1023を含んでもよく、これは、例えば、ステープルカートリッジ1000が非圧縮状態にあるときに、第2層1012内に位置付けられてもよい。例えば、先端部1023は、第1層1011内に及び/又はこれを通じて延在しない場合があり、先端部1023は、ステープルカートリッジ1000が非圧縮状態にあるときに、組織接触表面1019を通じて突出しないことがある。ステープルカートリッジが非圧縮状態にあるときに、鋭い先端1023は、第3層1013、及び/又は他の任意の好適な層内に位置付けられてもよい。あるいは、ステープルカートリッジのカートリッジ本体は、例えば、3層以下、又は5層以上など、任意の好適な数の層を有してもよい。
所望により、以下でより詳細に記載されるように、第1層1011は、バットレス材料及び/又はプラスチック材料、例えば、ポリジオキサノン(PDS)及び/又はポリグリコール酸(PGA)からなることがあり、第2層1012は、生体吸収性フォーム材料及び/又は圧縮可能な止血材料、例えば、酸化再生セルロース(ORC)から構成されることがある。所望により、1つ又は2つ以上の第1層1011、第2層1012、第3層1013、及び第4層1014は、ステープルカートリッジ本体1010内にステープル1020を保持してもよく、加えて、ステープル1020を、互いに位置合わせした状態に維持してもよい。第3層1013は、バットレス材料、又は高度に非圧縮性又は非弾性の材料から構成される場合があり、これはステープル1020のステープル脚部1021を互いに対して適所に保持するように構成され得る。更に、第3層1013の両側に配置される、第2層1012及び第4層1014は、第2層1012及び第4層1014が、圧縮可能なフォーム又は弾性材料を含み得るにもかかわらず、ステープル1020の移動を安定化又は低減することができる。ステープル脚部1021のステープル先端1023は、一部分が第1層1011内に埋め込まれていてもよい。例えば、第1層1011及び第3層1013は、協調して、かつしっかりと、ステープル脚部1021を適所に保持するように構成され得る。第1層1011及び第3層1013はそれぞれ、生体吸収性プラスチックのシート、例えば、商標名Vicrylで販売されるポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA又はPLLA)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25(PGCL)、ポリカプロラクトン(PCL)、及び/又はPGA、PLA、PDS、PHA、PGCL及び/若しくはPCLの混合物を含んでもよく、第2層1012及び第4層1014はそれぞれ、少なくとも1つの止血材料又は薬剤を含んでもよい。
第1層1011は、圧縮可能であり得、第2層1012は、第1層1011よりも実質的に圧縮可能である。例えば、第2層1012は、第1層1011の約2倍圧縮可能、約3倍圧縮可能、約4倍圧縮可能、約5倍圧縮可能、及び/又は約10倍圧縮可能であり得る。換言すると、第2層1012は、所定の力により第1層1011の約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、及び/又は約10倍圧縮し得る。第2層1012は、第1層1011の、約2倍〜約10倍圧縮可能であり得る。第2層1012は、内部に画定される複数の空隙を含むことがあり、第2層1012における空隙の量及び/又は大きさは、第2層1012の所望の圧縮性を提供するために制御され得る。上記と同様に、第3層1013は圧縮可能である場合があり、第4層1014は、第3層1013よりも実質的に圧縮可能であり得る。例えば、第4層1014は、第3層1013の約2倍圧縮可能、約3倍圧縮可能、約4倍圧縮可能、約5倍圧縮可能、及び/又は約10倍圧縮可能であり得る。換言すると、第4層1014は、所定の力により第3層1013の約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、及び/又は約10倍圧縮し得る。第4層1014は、第3層1013の、約2倍〜約10倍圧縮可能であり得る。第4層1014は、内部に画定される複数の空隙を含むことがあり、第4層1014における空隙の量及び/又は大きさは、第4層1014の所望の圧縮性を提供するために制御され得る。様々な状況において、カートリッジ本体の圧縮性、又はカートリッジ本体層は、圧縮率(すなわち、所定量の力において層が圧縮される距離)という観点で表現され得る。例えば、高い圧縮率を有する層は、層に適用される所定量の圧縮力において、より低い圧縮率を有する層と比較して、より大きな距離だけ圧縮する。すなわち、第2層1012は、第1層1011よりも高い圧縮率を有することがあり、同様に第4層1014は、第3層1013よりも高い圧縮率を有することがある。第2層1012及び第4層1014は、同じ材料を含むことができ、同じ圧縮率を含み得る。第2層1012及び第4層1014は、異なる圧縮率を有する材料から構成され得る。同様に第1層1011及び第3層1013は、同じ材料を含むことがあり、同じ圧縮率を含む場合がある。第1層1011及び第3層1013は、異なる圧縮率を有する材料を含んでもよい。
図6Cに例示されるように、アンビル1040が閉鎖位置に移動すると、アンビル1040は、組織Tに接触し、組織T及びステープルカートリッジ1000に圧縮力を適用することができる。このような状況において、アンビル1040は、カートリッジ本体1010の頂面又は組織接触表面1019を、ステープルカートリッジ支持体1030に向かって下方に押すことができる。ステープルカートリッジ支持体1030は、カートリッジ支持表面1031を含む場合があり、これは、ステープルカートリッジ1000がカートリッジ支持表面1031と、アンビル1040の組織接触表面1041との間で圧縮される際に、ステープルカートリッジ1000を支持するように構成され得る。アンビル1040により適用される圧力により、カートリッジ本体1010は圧縮され得、アンビル1040がステープル1020と接触し得る。より具体的に、カートリッジ本体1010の圧縮、及び組織接触表面1019の下方移動により、ステープル脚部1021の先端1023がカートリッジ本体1010の第1層1011を貫通し、組織Tを貫通し、アンビル1040の形成ポケット1042内に入ることがある。カートリッジ本体1010が、アンビル1040によって更に圧縮されると、先端1023は形成ポケット1042を画定する壁部に接触することができ、結果として脚部1021は、例えば、図6Cに例示されるように、変形するか、内側に湾曲し得る。やはり図6Cに見られるように、ステープル脚部1021が変形すると、ステープル1020の基部1022は、ステープルカートリッジ支持体1030と接触するか、又はこれによって支持され得る。所望により、以下により詳細に記載されるように、ステープルカートリッジ支持体1030は、例えば、複数の支持機構、例えば、ステープル支持溝、スロット又はトラフ1032を備える場合があり、これらは、ステープル1020が変形される際に、ステープル1020のステープル1020又は少なくとも基部1022を支持するように構成され得る。また図6Cに例示されるように、第4層1014の空洞1015は、ステープルカートリッジ本体1010に適用された圧縮力の結果として折り畳まれ得る。空洞1015に加えて、ステープルカートリッジ本体1010は、1つ又は2つ以上の空隙、例えば、空隙1016を更に含むことがあり、これは、内部に位置付けられたステープルの一部分を含んでも、含まなくてもよく、これは、カートリッジ本体1010が折り畳まれることを可能にするように構成され得る。空洞1015及び/又は空隙1016は、空洞及び/又は壁部を画定する壁部が下方に屈曲して、カートリッジ支持表面1031と接触し並びに/又は空洞及び/若しくは空隙の下に位置付けられるカートリッジ本体1010の層と接触するようにして、潰れるように構成される。
図6B及び図6Cを比較すると、第2層1012及び第4層1014が、アンビル1040によって適用される圧縮圧力によって実質的に圧縮されていることが明らかである。第1層1011及び第3層1013が同様に圧縮されたことが認識され得る。アンビル1040がその閉鎖位置に移動されると、アンビル1040は、組織接触表面1019をステープルカートリッジ支持体1030に向かって下方に押すことによって、カートリッジ本体1010を更に圧縮し続けてもよい。図6Dに例示されるように、カートリッジ本体1010が更に圧縮されると、アンビル1040は、ステープル1020を、これらの完全に形成された形状に変形し得る。図6Dを参照すると、各ステープル1020の脚部1021は、変形可能な脚部1021と基部1022との間に、組織T、第1層1011、第2層1012、第3層1013、及び第4層1014の少なくとも一部分を捕捉するため、各ステープル1020の基部1022の方に向かって下方に変形され得る。図6C及び図6Dを比較すると、第2層1012及び第4層1014が、アンビル1040によって適合される圧縮圧力によって実質的に圧縮されていることが明らかである。同様に、図6C及び図6Dを比較した際に、第1層1011及び第3層1013が更に圧縮されたことに留意し得る。ステープル1020が完全に又は少なくとも十分に形成された後、アンビル1040が組織Tから離れるように持ち上げられる場合があり、ステープルカートリッジ1030が、ステープルカートリッジ1000から離れるように動かされる、及び/又はこれから分離されることがある。図6Dに示されるように、上記の結果として、カートリッジ本体1010は、ステープル1020と共に埋め込まれ得る。様々な状況において、埋め込まれたカートリッジ本体1010は、ステープルのラインに沿って組織を支持し得る。いくつかの状況において、埋め込まれたカートリッジ本体1010内に含まれる止血剤及び/又は他の任意の好適な治療用薬剤は、時間と共に組織を治療し得る。上記のように、止血剤は、ステープリング及び/又は切開された組織の出血を低減させ得る一方で、結合剤又は組織接着剤は、時間と共に組織に強度をもたらし得る。埋め込まれたカートリッジ本体1010は、例えば、ORC(酸化再生セルロース)、細胞外タンパク質(例えば、コラーゲン)、商標名Vircylで販売されるポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA又はPLLA)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25(PGCL)、ポリカプロラクトン(PCL)、並びに/又はPGA、PLA、PDS、PHA、PGCL及び/若しくはPCLの混合物などの材料から構成され得る。いくつかの状況において、カートリッジ本体1010は、抗生物質及び/又は抗菌剤物質、例えば、コロイド状銀及び/又はトリクロサンを含んでもよく、これらは、手術部位における感染の可能性を低減させることができる。
カートリッジ本体1010の層は、互いに接続され得る。例えば、繊維素及び/又はタンパク質ヒドロゲルなどの少なくとも1つの接着剤を使用して、第2層1012は、第1層1011に接着されてもよく、第3層1013は、第2層1012に接着されてもよく、第4層1014は第3層1013に接着されてもよい。例示されないが、カートリッジ本体1010の層は、連結機械機構によって互いに連結され得る。例えば、第1層1011及び第2層1012はそれぞれ、例えば、舌部及び溝部構成及び/又はあり継手構成などの、対応する連結機構を含み得る。同様に、第2層1012及び第3層1013はそれぞれ、対応する連結機構を含む場合があり、一方で第3層1013及び第4層1014はそれぞれ、対応する連結機構を含み得る。例示されないが、ステープリングカートリッジ1000は、例えば、カートリッジ本体1010の1つ又は2つ以上の層を通じて延び得る1つ又は2つ以上のリベットを含み得る。例えば、各リベットは、第1層1011と隣接するように位置付けられる第1端部又はヘッド、及び第2ヘッドであって、このリベットの第2端部によって組み立てられるか、又は形成され得る第4層1014と隣接するように位置付けられた、第2ヘッドを含み得る。カートリッジ本体1010の圧縮可能な性質により、リベットはカートリッジ本体1010を圧縮してもよく、これにより、リベットのヘッドは、例えば、組織接触表面1019、及び/又はカートリッジ本体1010の底面1018に対して陥没していることがある。例えば、リベットは、商標名Vircylで販売されるポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA又はPLLA)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25(PGCL)、ポリカプロラクトン(PCL)、並びに/又はPGA、PLA、PDS、PHA、PGCL及び/若しくはPCLの混合物などの生体吸収性材料を含み得る。カートリッジ本体1010の層は、内部に含まれるステープル1020によって以外は、互いに接続されないことがある。例えば、ステープル脚部1021と、カートリッジ本体1010との間の摩擦係合は、カートリッジ本体1010の層を一緒に保持することができ、一度ステープルが形成されると、層はステープル1020内に捕捉され得る。ステープル脚部1021の少なくとも一部分は、非平坦化表面又は非平坦なコーティングを備える場合があり、これは、ステープル1020とカートリッジ本体1010との間の摩擦力を含み得る。
上記のように、外科用器具は、ステープルカートリッジ1030を含む第1ジョー、及びアンビル1040を含む第2ジョーを含み得る。所望により、以下でより詳細に記載されるように、ステープルカートリッジ1000は、1つ又は2つ以上の保持機構を含んでもよく、これはステープルカートリッジ支持体1030と係合するように構成されてもよく、結果として、ステープルカートリッジ1000をステープルカートリッジ支持体1030に解放可能に保持する。ステープルカートリッジ1000は、例えば、繊維素及び/又はタンパク質ヒドロゲルなどの少なくとも1つの接着剤によって、ステープルカートリッジ支持体1030に接着され得る。使用中、少なくとも1つの状況において、特に腹腔鏡及び/又は内視鏡手術において、例えば、第2ジョーは第1ジョーと反対側の閉鎖位置に移動され得、それによって第1及び第2ジョーがトロカールを通じて手術部位に挿入され得る。例えば、トロカールは、約5mmの開口部又はカニューレを画定する場合があり、これを通じて第1及び第2ジョーが挿入され得る。第2ジョーは、開放位置と閉鎖位置との中間の部分的に閉鎖した位置に移動することができ、これは、ステープルカートリッジ本体1010内に含まれるステープル1020を変形することなく、トロカールを通じて第1及び第2ジョーが挿入されることを可能にし得る。例えば、第2ジョーがその部分的に閉じた中間位置にあるとき、アンビル1040は圧縮力をステープルカートリッジ本体1010に適用しないことがあり、他のいくつかの実施形態において、第2ジョーが部分的に閉じた中間位置にあるときに、アンビル1040はステープルカートリッジ本体1010を圧縮し得る。アンビル1040が、そのような中間位置にあるときに、ステープルカートリッジ本体1010を圧縮し得るにもかかわらず、アンビル1040は、アンビル1040がステープル1020と接触するために、及び/又はステープル1020がアンビル1040によって変形されるために、ステープルカートリッジ本体1010を十分に圧縮しないことがある。一度第1及び第2ジョーが、トロカールを通じて手術部位に挿入されると、第2ジョーはもう一度開放されることがあり、アンビル1040及びステープルカートリッジ1000は、上記のように標的組織に対して位置付けられることがある。
図7A〜7Dを参照すると、外科用ステープラーのエンドエフェクタは、アンビル1140とステープルカートリッジ支持体1130との中間に位置付けられた埋め込み可能なステープルカートリッジ1100を含み得る上記と同様に、アンビル1140は、組織接触表面1141を含むことがあり、ステープルカートリッジ1100は、組織接触表面1119を含むことがあり、ステープルカートリッジ支持体1130は支持表面1131を含むことがあり、これはステープルカートリッジ1100を支持するように構成されている。図7Aを参照すると、アンビル1140は、ステープルカートリッジ1100を変形することなく、ステープルカートリッジ1100の組織接触表面1119に対して組織Tを位置付けるために使用され得、アンビル1140がこのような位置にあるとき、組織接触表面1141は、ステープルカートリッジ支持表面1131から距離1101aで位置付けられ得、組織接触表面1119は、ステープルカートリッジ支持表面1131から距離1102aで位置付けられ得る。その後、アンビル1140がステープルカートリッジ支持体1130に向かって移動され、図7Bを参照すると、アンビル1140は、ステープルカートリッジ1100の頂面又は組織接触表面1119を下方に押し、カートリッジ本体1110の第1層1111及び第2層1112を圧縮することができる。図7Bを再び参照すると、層1111及び1112が圧縮されると、第2層1112が圧壊し、ステープル1120の脚部1121が、第1層1111を通過して組織T内に貫通し得る。ステープル1120は第2層1112のステープル空洞又は空隙1115内に少なくとも一部分が位置付けられ得、第2層1112が圧縮されると、ステープル空洞1115が折り畳まれ、結果として、第2層1112がステープル1120の周囲で折り畳まれる。第2層1112は、カバー部分1116を含んでもよく、これはステープル空洞1115上に延在し、かつステープル空洞1115を包囲するか又は少なくとも一部分を包囲し得る。図7Bは、ステープル空洞1115内へと下方に圧壊される、カバー部分1116を例示する。第2層1112は、1つ又は2つ以上の弱化部分を含んでもよく、これは第2層1112が折り畳まれるのを促進し得る。所望により、このような弱化部分は、例えば、刻んだ線、穿孔、及び/又は薄い断面を含んでもよく、これはカートリッジ本体1110の制御された折りたたみを促進し得る。第1層1111は、1つ又は2つ以上の弱化部分を含んでもよく、これは、第1層1111を通じてステープル脚部1121の貫通を促進し得る。所望により、このような弱くした部分は、例えば、刻んだ線、穿孔、及び/又は薄い断面を含んでもよく、これはステープル脚部1121と位置合わせされるか又は少なくとも実質的に位置合わせされ得る。
図7Aを再び参照すると、アンビル1140が、部分的に閉じた、発射していない位置にあるとき、アンビル1140は、カートリッジ支持表面1131から、その間に空隙が画定されるように、距離1101aで位置付けられ得る。空隙はステープルカートリッジ高さ1102aを有するステープルカートリッジ1100、及び組織Tで充填され得る。図7Bを再び参照すると、アンビル1140が下方に移動されてステープルカートリッジ1100を圧縮すると、組織接触表面1141とカートリッジ支持表面1131との間の距離は、距離1101aよりも短い距離1101bによって画定され得る。様々な状況において、距離1101bにより画定される、アンビル1140の組織接触表面1141と、カートリッジ支持表面1131との間の空隙は、元々の変形していないステープルカートリッジ高さ1102aよりも大きいことがある。ここで図7Cを参照すると、アンビル1140がカートリッジ支持表面1131により近く移動されると、第2層1112は、折り畳み続け、ステープル脚部1121と形成ポケット1142との間の距離は減少し得る。同様に、組織接触表面1141とカートリッジ支持表面1131との間の距離は1101cまで減少することがあり、これは、元の変形してないカートリッジ高さ1102aより大きい、これと等しい、又はこれより小さいことがある。ここで図7Dを参照すると、アンビル1140は、ステープル1120が完全に形成された又は少なくとも所望の高さまで形成された、最終的な、発射位置まで移動され得る。このような位置において、アンビル1140の組織接触表面1141は、カートリッジ支持表面1131から距離1101dの距離であり得、距離1101dは、元の変形していないカートリッジ高さ1102aより短い場合がある。また図7Dに例示されるように、ステープル空洞1115は、完全に又は少なくとも実質的に、折り畳まれており、ステープル1120は完全に又は少なくとも実質的に、折り畳まれた第2層1112によって囲まれる。様々な状況において、アンビル1140はその後、ステープルカートリッジ1100から離れるように動く場合がある。一度アンビル1140がステープルカートリッジ1100から係合離脱すると、カートリッジ本体1110は、様々な位置において(すなわち、例えば、ステープル1120に隣接するステープルの中間の位置)、少なくとも部分的に再拡張し得る。圧壊したカートリッジ本体1110は、弾性的に再拡張しないことがある。形成されたステープル1120及び、加えて、隣接するステープル1120の中間に位置付けられるカートリッジ本体1110は、組織Tに圧力、又は圧縮力を適用することがあり、これは様々な治療的効果を提供し得る。
上記のように、図7Aを再び参照すると、各ステープル1120は、そこから延びるステープル脚部1121を含み得る。ステープル1120は、2つのステープル脚部1121を含むものとして示されるが、1つのステープル脚部、又はあるいは2つを超えるステープル脚部、例えば、3つのステープル脚部、又は4つのステープル脚部を含む様々なステープルが使用される場合がある。図7Aに例示されるように、各ステープル脚部1121は、ステープル1120が第2層1112内に固定されるように、カートリッジ本体1110の第2層1112内に埋め込まれ得る。ステープル1120は、ステープル脚部1121の先端部1123が、基部1122の前に空洞1115内に入るようにして、カートリッジ本体1110のステープル空洞1115内に挿入されることがある。先端1123が、空洞1115内に挿入された後、先端1123は、カバー部分1116に押し込まれて、第2層1112を切開する。ステープル1120は、ステープル1120が第2層1112に対して動かないか、又は少なくとも実質的に動かないように、第2層1112内の十分な深さに据え付けられ得る。ステープル1120は、基部1122がステープル空洞1115内に位置付けられるか又は埋め込まれるように、第2層1112内の十分な深さに位置付けられ得る。あるいは、基部1122は、第2層1112内に位置付けられないか、又は埋め込まれない場合もある。再び図7Aを参照すると、基部1122は、カートリッジ本体1110の底面1118の下に延在してもよい。基部1122は、カートリッジ支持表面1130上に位置し得るか、又はこれに対して直接位置付けられ得る。カートリッジ支持表面1130は、ここから貫通して延在するか、及び/又は内部に画定される支持機構を備える場合があり、例えば、ステープル1120の基部1122は、以下でより詳細に記載されるように、ステカートリッジ支持体1130内の、1つ又は2つ以上の支持溝、スロット、又はトラフ1132内に位置付けられるか、これによって支持され得る。
ここで図8及び図9を参照すると、例えば、ステープルカートリッジ1200などのステープルカートリッジは、外層1211及び内層1212を含む、圧縮可能な、埋め込み可能なカートリッジ本体1210を含む場合がある。上記と同様に、ステープルカートリッジ1200は、カートリッジ本体1210内に位置付けられた、複数のステープル1220を含む場合がある。所望により、各ステープル1220は、基部1222及びここから延びる1つ又は2つ以上のステープル脚部1221を含み得る。例えば、ステープル脚部1221は、内層1212に挿入され、例えば、ステープル1220の基部1222が、内層1212の底面1218と隣接する、及び/又は隣接するように位置付けられるような深さに据え付けられ得る。図8及び図9において、内層1212は、ステープル1220の一部分を受容するように構成されたステープル空洞を含まず、あるいは内層1212は、このようなステープル空洞を含み得る。上記に加え、内層1212は、例えば、生体吸収性フォーム及び/又は酸化再生セルロース(ORC)などの、圧縮可能な材料を含む場合があり、これは、カートリッジ本体1210が圧縮負荷がそこに適用される際に折り畳まれることを可能にするように構成され得る。内層1212は、例えば、ポリ乳酸(PLA)及び/又はポリグリコール酸(PGA)を含む凍結乾燥フォームから構成される場合がある。ORCは、商標名Surgicelで市販で入手し得て、緩く編まれた(外科用スポンジのような)ファブリック、(コットンボールのような)緩い繊維、及び/又はフォームを備え得る。内層1212は、例えば、水で活性化すること及び/又は、例えば、患者の体液によって活性化することが可能な、そこに包含されている及び/又はそこに塗布されている凍結乾燥トロンビン及び/又は繊維素のような、医薬品を含む材料で構成され得る。例えば、凍結乾燥したトロンビン及び/又は繊維素をVicryl(PGA)マトリックス上に保持し得る。しかし、特定の状況では、ステープルカートリッジ1200が、例えば、患者の体内の外科的部位に挿入されたときに、活性化可能な医薬品が、意図せずして、活性化され得る。図8及び図9を再び参照すると、外層1211は、水不透過性、又は少なくとも実質的に水不透過性の材料から構成され得、それによりカートリッジ本体1210が圧縮されてステープル脚部が外層1211を貫通した後、及び/又は外層1211が何らかの様式により切開された後まで、液体が内層1212と接触しないか、又は少なくとも実質的に接触しない。外層1211は、例えば、ポリジオキサノン(PDS)、及び/又はポリグリコール酸(PGA)などのバットレス材料及び/又はプラスチック材料から構成され得る。外層1211は、内層1212及びステープル1220を囲むラップを含み得る。より具体的に、ステープル1220は、内層1212内に挿入されることがあり、外層1211は、内層1212及びステープル1220を含むサブアセンブリの周囲に巻かれ、その後封止され得る。
本明細書において記載されるように、ステープルカートリッジのステープルは、アンビルが閉鎖位置に動かされるときに、アンビルによって完全に形成され得る。あるいは、ここで図10〜13を参照すると、例えば、ステープルカートリッジ4100などのステープルカートリッジのステープルは、アンビルが閉鎖位置へと動くときにアンビルによって、加えて、ステープルを閉鎖したアンビルの方へ動かすステープルドライバーシステムによって、変形され得る。ステープルカートリッジ4100は、例えば、フォーム材料、及び圧縮可能なカートリッジ本体4110内に少なくとも一部分が位置付けられた、複数のステープル4120を含み得る、圧縮可能なカートリッジ本体4110を含み得る。ステープルドライバーシステムは、ドライバーホルダ4160、ドライバーホルダ4160内に位置付けられた複数のステープルドライバー4162、及びドライバーホルダ4160内にステープルドライバー4162を保持するように構成され得るステープルカートリッジパン4180を含み得る。例えば、ステープルドライバー4162は、ドライバーホルダ4160の1つ又は2つ以上のスロット4163内に位置付けられることがあり、スロット4163の側壁は、ステープルドライバー4162をアンビルに向かって上方に案内することを補助し得る。ステープル4120は、ステープルドライバー4162によってスロット4163内に支持されることがあり、ステープル4120は、ステープル4120及びステープルドライバー4162がこれらの非発射位置にある際に、スロット4163内に完全に位置付けられることがある。あるいは、ステープル4120の少なくとも一部分は、ステープル4120及びステープルドライバー4162がこれらの非発射位置にあるときに、スロット4163の解放端部4161を通じて上方に延び得る。例えば、ここで主に図11を参照すると、ステープル4120の基部は、ドライバーホルダ4160内に位置付けられることがあり、ステープル4120の先端部は、圧縮可能なカートリッジ本体4110内に埋め込まれることがある。ステープル4120の高さの約1/3がドライバーホルダ4160内に位置付けられる場合があり、ステープル4120の約2/3が、カートリッジ本体4110内に位置付けられることがある。図10Aを参照すると、ステープルカートリッジ4100は、例えば、カートリッジ本体4110及びドライバーホルダ4160を囲む、水透過性ラップ又は膜4111を更に備える場合がある。
使用中、ステープルカートリッジ4100は、例えば、ステープルカートリッジチャネル内に位置付けられることがあり、アンビルは、ステープルカートリッジ4100に向かって閉鎖位置へと動かされ得る。アンビルは、アンビルがその閉鎖位置に動かされるときに、圧縮可能カートリッジ本体4110と接触し、かつこれを圧縮することができる。アンビルは、アンビルがその閉鎖位置にあるときに、ステープル4120に接触しなくてもよい。アンビルは、アンビルがその閉鎖位置に動かされる際に、ステープル4120の脚部に接触し、少なくとも部分的にステープル4120を変形させてもよい。いずれにせよ、ステープルカートリッジ4100は、1つ又は2つ以上のスレッド4170を更に含むことがあり、これは、ステープルカートリッジ4100内で長手方向に前進させられることがあり、それによって、スレッド4170は、連続的にステープルドライバー4162と係合し、ステープルドライバー4162及びステープル4120をアンビルの方に動かすことができる。スレッド4170は、ステープルカートリッジパン4180と、ステープルドライバー4162との間で摺動し得る。アンビルのクロージャが、ステープル4120の形成プロセスを開始した場合、ステープル4120のアンビルに向かう上方への移動は、形成プロセスを完了し、ステープル4120をこれらの完全に形成した、又は少なくとも所望の高さへと変形させることができる。アンビルのクロージャが、ステープル4120を変形させていない場合、ステープル4120のアンビルの方への上方への移動は、形成プロセスを開始及び完了し、ステープル4120をこれらの完全に形成した、又は少なくとも所望の高さへと変形させることができる。スレッド4170は、ステープルカートリッジ4100の近位端から、ステープルカートリッジ4100の遠位端まで前進することができ、それによって、ステープルカートリッジ4100の近位端内に位置付けられるステープル4120は、ステープルカートリッジ4100の遠位端に位置付けられるステープル4120が完全に形成される前に、完全に形成される。図12を参照すると、スレッド4170は、それぞれ、少なくとも1つの角度付き、又は傾いた表面4711を含むことができ、これは、図13に例示されるように、ステープルドライバー4162の下を摺動し、ステープルドライバー4162を持ち上げるように構成され得る。
更に上記に加え、ステープル4120は、組織Tの少なくとも一部分、及びステープルカートリッジ4100の圧縮可能なカートリッジ本体4110の少なくとも一部分を内部に捕捉するために、形成され得る。ステープル4120が形成された後、外科用ステープラーのアンビル及びステープルカートリッジチャネル4130は、埋め込まれたステープルカートリッジ4100から離れるように動かされ得る。様々な状況において、カートリッジパン4180は、ステープルカートリッジチャネル4130としっかりと固定され得、その結果、カートリッジパン4180は、ステープルカートリッジチャネル4130が、埋め込まれたカートリッジ本体4110から引き離される際に、圧縮可能なカートリッジ本体4110から取り外され得る。図10を再び参照すると、カートリッジパン4180は、その間にカートリッジ本体4110が取り外し可能に取り付けられ得る、対向する側壁4181を含み得る。例えば、圧縮可能なカートリッジ本体4110は、カートリッジ本体4110が側壁4181の間で、使用中にその間に取り外し可能に保持され、カートリッジパン4180が引き離される際にカートリッジパン4180から解放可能に係合離脱されるように、圧縮され得る。例えば、ドライバーホルダ4160は、カートリッジパン4180が手術部位から取り外すときに、ドライバーホルダ4160、ドライバー4162、及び/又はスレッド4170が、カートリッジパン4180内に留まり得るようにして、カートリッジパン4180内に接続され得る。ドライバー4162は、ドライバー4160から排出されて、手術部位に残されることができる。例えば、ドライバー4162は、商標名Vircylで販売されるポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA又はPLLA)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25(PGCL)、ポリカプロラクトン(PCL)、並びに/又はPGA、PLA、PDS、PHA、PGCL及び/若しくはPCLの混合物などの生体吸収性材料から構成され得る。ドライバー4162は、ドライバー4162が、ステープル4120と共に配備されるように、ステープル4120に取り付けられることができる。例えば、各ドライバー4162は、例えば、ステープル4120の基部を受容するように構成されたトラフを含む場合があり、トラフは、圧力嵌め及び/又はスナップ嵌めの方法により、ステープル器具を受容するように構成され得る。
更に上記に加え、ドライバーホルダ4160及び/又はスレッド4170は、カートリッジパン4180から排出され得る。例えば、スレッド4170は、カートリッジパン4180と、ドライバーホルダ4160との間で摺動する場合があり、それにより、スレッド4170がステープルドライバー4162及びステープル4120を上方に駆動するためにスレッド4170が前進する際に、スレッド4170がドライバーホルダ4160も同様に、カートリッジパン4180の外側に上方へと移動させることができる。例えば、ドライバーホルダ4160及び/又はスレッド4170は、商標名Vircylで販売されるポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA又はPLLA)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25(PGCL)、ポリカプロラクトン(PCL)、並びに/又はPGA、PLA、PDS、PHA、PGCL及び/若しくはPCLの混合物などの生体吸収性材料を含み得る。スレッド4170は、ドライブバー又は切断部材に一体的に形成される及び/又はこれに取り付けられる場合があり、これはステープルカートリッジ4100を通じてスレッド4170を押す。このような場合において、スレッド4170は、カートリッジパン4180から排出されなくてもよく、外科用ステープラーと共に留まってもよいが、スレッド4170がドライブバーに取り付けられていない他の場合において、スレッド4170は、手術部位に残ってもよい。いずれにせよ、上記に加え、カートリッジ本体4110の圧縮性は、ステープルのアンビルが閉じるときにカートリッジ本体4110が圧縮又は収縮し得る際に、より厚いステープルカートリッジが、外科用ステープラーのエンドエフェクタ内で使用されることを可能にし得る。アンビルの閉鎖の際に少なくとも一部分が変形されるステープルの結果として、例えば、約0.46cm(0.18”)を有するステープルなどのより高いステープルが使用される場合があり、約0.30cm(0.12”)のステープル高さが圧縮可能な層4110内に位置付けられる場合があり、圧縮可能な層4110は、例えば、約0.36cm(0.14”)の非圧縮高さを有し得る。
本明細書において記載されるように、ステープルカートリッジは、内部に複数のステープルを備えることができる。所望により、このようなステープルは、2つのステープル脚部を有する実質的にU字型の構成に変形される金属ワイヤから構成されることがある。ステープルが、3つ以上のステープル脚部を有する、一緒に結合された2つ以上のワイヤなどの異なる構成を備え得る、代替のものが想到される。ステープルを形成するために使用されるワイヤは、丸い、又は少なくとも実質的に丸い断面を含み得る。ステープルワイヤは、例えば、正方形及び/又は矩形の断面などの、他の任意の好適な断面を含み得る。ステープルは、プラスチックワイヤを含み得る。ステープルは、プラスチックコーティングされた金属ワイヤを含み得る。本発明により、カートリッジは、ステープルに加えて、又はその代わりに、任意の好適な種類の締結具を備えることができる。例えば、このような締結具は、アンビルと係合する際に折られ得る、枢動可能なアームを備える場合がある。2部分締結具を利用することができる。例えば、ステープルカートリッジは、複数の第1締結部分を備える場合があり、アンビルは、アンビルがステープルカートリッジに対して圧縮される際に、第1締結部分に接続される、複数の第2締結部分を備える場合がある。上記のように、スレッド又はドライバーは、ステープルの形成プロセスを完了するために、ステープルカートリッジ内で前進し得る。スレッド又はドライバーは、1つ又は2つ以上の形成部材を、内部に位置付けられた、対向するステープルカートリッジ及びステープル又は締結具と係合するように、下方に動かすために、アンビル内で前進し得る。
本明細書に記載されるように、ステープルカートリッジは、内部に保存された4列のステープルを含み得る。4つのステープル列は、2つの内側ステープル列、及び2つの外側ステープル列に構成され得る。例えば、内側ステープル及び外側ステープル列は、ステープルカートリッジ内の切断部材又はナイフスロットの第1側部に位置付けられることがあり、同様に、内側ステープル列及び外側ステープル列は、切断部材又はナイフスロットの第2側部に位置付けられることがある。ステープルカートリッジは、切断部材スロットを含まない場合があるが、このようなステープルカートリッジは、ステープルカートリッジスロットの代わりに、切断部材によって切開されるように構成された指定部分を含み得る。内側のステープル列は、ステープルカートリッジ内において、これらが切断部材スロットから均等に、又は少なくとも実質的に均等に離間するように配置され得る。同様に、外側のステープル列は、ステープルカートリッジ内において、これらが切断部材スロットから均等に、又は少なくとも実質的に均等に離間するように配置され得る。本発明により、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジ内に保存された5列以上、又は3列以下のステープルを備え得る。ステープルカートリッジは6列のステープルを含み得る。例えば、ステープルカートリッジは、切断部材スロットの第1側部に3列のステープルを含み、切断部材スロットの第2側部に3列のステープルを含み得る。ステープルカートリッジは、奇数のステープル列を含み得る。例えば、ステープルカートリッジは、切断部材スロットの第1側部に2列のステープルを含み、切断部材スロットの第2側部に3列のステープルを含み得る。ステープル列は、同じ又は少なくとも実質的に同じ、形成されていないステープル高さを含み得る。あるいは、1つ又は2つ以上のステープル列は、他のステープルとは異なる非形成ステープル高さを有するステープルを含み得る。例えば、切断部材スロットの第1側部のステープルは、第1の非形成高さを有し、切断部材スロットの第2側部は、第2非形成高さを有し、これは、例えば、第1高さとは異なる。
所望により、上述のように、ステープルカートリッジは、内部に画定された複数のステープル空洞を有するカートリッジ本体を備え得る。カートリッジ本体は、デッキ及びデッキ上表面を含み得、各ステープル空洞は、デッキ表面に開口部を画定し得る。上述のように、ステープルは、そこから発射されるまでの間、カートリッジ本体内に保存されるように、各ステープル空洞内に配置することができる。ステープルは、カートリッジ本体から発射される前に、ステープルがデッキ表面の上に突出しないように、カートリッジ本体内に受容され得る。ステープルはデッキ表面の下に配置されているため、そのような場合において、ステープルの損傷及び/又は標的組織に時期尚早に接触する可能性を低減することができる。様々な状況において、ステープルは、カートリッジ本体から突出していない未発射位置と、カートリッジ本体から出現して、ステープルカートリッジに相対して配置されているアンビルに接触することができる発射済み位置との間で、移動することができる。アンビル、及び/又はアンビル内に画定されている形成ポケットは、デッキ表面の上の所定距離に配置することができ、これにより、ステープルがカートリッジ本体から配備される際に、ステープルが所定の形成高さに変形される。いくつかの状況において、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織の厚さは変化する可能性があり、その結果、より厚い組織が特定のステープル内に捕捉されることがある一方、より薄い組織が他の特定のステープル内に捕捉されることがある。いずれの場合においても、ステープルによって組織にかかるクランプ圧力又はクランプ力は、ステープルによって変化する可能性があり、あるいは、例えば、ステープル列の一方の端にあるステープルと、そのステープル列の他方の端にあるステープルとの間で変わる可能性がある。特定の状況において、アンビルとステープルカートリッジデッキとの間の隙間は、ステープルが各ステープル内に所定の最低クランプ圧力を適用するように制御することができる。しかしながら、いくつかのそのような状況において、異なるステープル内でクランプ圧力の顕著な変動が依然として存在し得る。外科用ステープリング器具が、米国特許番号第7,380,696号(2008年6月3日発行)に開示されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。外科用ステープリング及び切断用器具の例示的なマルチストロークハンドルは、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている、同時係属かつ共同出願の米国特許出願「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING A MULTISTROKE FIRING POSITION INDICATOR AND RETRACTION MECHANISM」、Ser.第10/374,026号に詳細が記述されている。本発明と一貫性がある他の出願は、例えば、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている、同時係属かつ共同出願の米国特許出願第10/441,632号「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」、に詳述されている。
本明細書に記述されるように、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジから配備されるステープル内に捕捉される組織の厚さに関して補償を行う手段を備え得る。図14を参照すると、ステープルカートリッジ(例えば、ステープルカートリッジ10000)は、剛性の第1部分(例えば、支持部分10010)と、圧縮可能な第2部分(例えば、組織厚さコンペンセーター10020)とを備え得る。主に図16を参照すると、支持部分10010は、カートリッジ本体、デッキ上側表面10011、及び複数のステープル空洞10012を備え得、上記と同様に、各ステープル空洞10012はデッキ表面10011に開口部を画定し得る。例えば、ステープル10030は、各ステープル空洞10012内に取り外し可能に配置することができる。例えば、各ステープル10030は、基部10031と、基部10031から延びる1本以上の脚部10032を含み得る。ステープル10030が配備される前に、これも詳しくは後述されるように、ステープル10030の基部10031は、支持部分10010内に配置されているステープルドライバーによって支持されることができ、同時に、ステープル10030の脚部10032は、ステープル空洞10012内に少なくとも部分的に収容され得る。ステープル10030は、脚部10032が組織厚さコンペンセーター10020を貫通して動き、組織厚さコンペンセーター10020の上側表面を貫通し、組織Tに入り込み、ステープルカートリッジ10000に相対して配置されるアンビルに接触するよう、未発射位置と発射済み位置との間に配備することができる。脚部10032がアンビルに当たって変形されると、各ステープル10030の脚部10032が、各ステープル10030内で、組織厚さコンペンセーター10020の一部と組織Tの一部とを捕捉し、この組織に圧縮力をかけることができる。上記に対して更に、各ステープル10030の脚部10032は、ステープルの基部10031に向かって下向きに変形して、ステープル捕捉領域10039を形成することができ、組織Tと組織厚さコンペンセーター10020が捕捉され得る。様々な状況において、ステープル捕捉領域10039は、変形した脚部10032の内側表面と、基部10031の内側表面との間で画定され得る。ステープルの捕捉領域の大きさは、例えば、脚の長さ、脚の直径、基部の幅、及び/又は脚の変形の程度などのいくつかの要素に依存し得る。
従来、外科医はしばしば、ステープルを適用する組織に対して適切なステープル高さを有する適切なステープルを選択する必要があった。例えば、外科医は、厚い組織に使用するには長いステープルを選択し、薄い組織に使用するには短いステープルを選択することができた。しかしながらいくつかの状況において、ステープルが適用される組織は均一な厚さを有しておらず、ステープルによっては、望ましい発射形状を達成することができなかった。例えば、図48は、薄い組織に使用された長いステープルを示す。ここで図49を参照すると、組織厚さコンペンセーター(例えば、組織厚さコンペンセーター10020)を薄い組織に使用した場合、大きなステープルであっても、望ましい発射形状を形成することができる。
組織厚さコンペンセーターの圧縮性のおかげで、組織厚さコンペンセーターは、各ステープル内に捕捉された組織の厚さを補償することができる。より具体的には、ここで図43及び44を参照すると、組織厚さコンペンセーター(例えば、組織厚さコンペンセーター10020)は、ステープル捕捉領域10039内に捕捉された組織の厚さ及び/又はタイプに応じて、各ステープル10030のステープル捕捉領域10039のより大きな部分及び/又はより小さな部分を占めることができる。例えば、より薄い組織Tがステープル10030内に捕捉された場合、組織厚さコンペンセーター10020は、より厚い組織Tがそのステープル10030内に捕捉された場合に比べ、ステープル捕捉領域10039のより大きな部分を占めることができる。これに対応して、より厚い組織Tがステープル10030内に捕捉された場合、組織厚さコンペンセーター10020は、より薄い組織Tがそのステープル10030内に捕捉された場合に比べ、ステープル捕捉領域10039の中で、より小さな部分を占めることができる。このようにして、組織厚さコンペンセーターは、より薄い組織及び/又はより厚い組織を補償することができ、ステープル内に捕捉された組織厚さとは無関係に、又は少なくとも実質的に無関係に、圧縮圧力を組織に適用することができる。上記に加え、組織厚さコンペンセーター10020は、異なるステープル10030内に捕捉された組織の様々なタイプ又は圧縮性を、補償することができる。ここで図44を参照すると、組織厚さコンペンセーター10020は、管Vを含み得る脈管組織Tに対して圧縮力を適用することができ、その結果、圧縮性のより低い管Vを通る血流を制限する一方、周囲の組織Tに対して望ましい圧縮圧力を適用することができる。様々な状況において、上記に対して更に、組織厚さコンペンセーター10020はまた、形成不良ステープルをも補償することができる。図45を参照すると、様々なステープル10030の形成不良により、そのようなステープル内で画定される、より大きなステープル捕捉領域10039が生じることがある。組織厚さコンペンセーター10020の弾力性により、ここで図46を参照すると、形成不良ステープル10030内に配置された組織厚さコンペンセーター10020は、そのような形成不良ステープル10030内に画定されたステープル捕捉領域10039が増大している場合であっても、依然として組織Tに十分な圧縮圧力を適用することができる。様々な状況において、例えば、隣接するステープル10030の中間にある組織厚さコンペンセーター10020は、形成不良ステープル10030を取り囲む適正形成ステープル10030により、組織Tに対して付勢することができ、その結果、周囲の組織、及び/又は形成不良ステープル10030内に捕捉された組織に対して、圧縮圧力を適用することができる。様々な状況において、組織厚さコンペンセーターは、例えば、石灰化、線維性領域、及び/又は以前にステープル又は治療が行われた組織などによって生じ得る、異なる組織密度を補償することができる。
本発明により、固定された(変更不能な)組織間隔は、支持部分とアンビルとの間で画定することができ、その結果、ステープルは、ステープル内に捕捉された組織の厚さにかかわらず、所定の高さに変形され得る。組織厚さコンペンセーターをそのような場合に使用すると、組織厚さコンペンセーターが、アンビルと支持部分ステープルカートリッジとの間に捕捉された組織に対して適合することができ、この組織厚さコンペンセーターのおかげで、組織厚さコンペンセーターが追加の圧縮圧力を組織に対して適用することができる。ここで図50〜55を参照すると、ステープル10030が、所定の高さHに形成されている。図50に関して、組織厚さコンペンセーターは使用されておらず、組織Tがステープル捕捉領域10039の全体を占めている。図57に関して、組織厚さコンペンセーター10020の一部がステープル10030内に捕捉され、組織Tを圧縮し、ステープル捕捉領域10039の少なくとも一部分を占めている。ここで図52を参照すると、薄い組織Tがステープル10030内に捕捉されている。この実施形態において、例えば、圧縮された組織Tは約2/9Hの高さを有し、圧縮された組織厚さコンペンセーター10020は約7/9Hの高さを有する。ここで図53を参照すると、中間の厚さを有する組織Tが、ステープル10030内に捕捉されている。この実施形態において、例えば、圧縮された組織Tは約4/9Hの高さを有し、圧縮された組織厚さコンペンセーター10020は約5/9Hの高さを有する。ここで図54を参照すると、中間の厚さを有する組織Tが、ステープル10030内に捕捉されている。この実施形態において、例えば、圧縮された組織Tは約2/3Hの高さを有し、圧縮された組織厚さコンペンセーター10020は約1/3Hの高さを有する。ここで図53を参照すると、厚い組織Tがステープル10030内に捕捉されている。この実施形態において、例えば、圧縮された組織Tは約8/9Hの高さを有し、圧縮された組織厚さコンペンセーター10020は約1/9Hの高さを有する。様々な状況において、この組織厚さコンペンセーターは、例えば、ステープル捕捉高さの約10%、ステープル捕捉高さの約20%、ステープル捕捉高さの約30%、ステープル捕捉高さの約40%、ステープル捕捉高さの約50%、ステープル捕捉高さの約60%、ステープル捕捉高さの約70%、ステープル捕捉高さの約80%、及び/又はステープル捕捉高さの約90%を含む圧縮高さを含み得る。
ステープル10030は任意の好適な未形成高さを備え得る。ステープル10030は、例えば、約2mm〜4.8mmの未形成高さを備え得る。ステープル10030は、例えば、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.4mm、約3.5mm、約3.8mm、約4.0mm、約4.1mm、及び/又は約4.8mmの未形成高さを含み得る。ステープルが変形され得る高さHは、支持部分10010のデッキ表面10011と、それに相対するアンビルとの間の距離によって規定され得る。デッキ表面10011とアンビルの組織接触表面との間の距離は、例えば、約0.246cm(0.097”)であり得る。高さHは、アンビル内に画定される形成ポケットの深さによっても規定され得る。形成ポケットは、例えば、組織接触表面から測定される深さを有し得る。所望により、詳しくは後述されるように、ステープルカートリッジ10000は更にステープルドライバーを含み得、これはステープル10030をアンビルに向かって持ち上げることができ、また少なくとも一実施形態において、ステープルをデッキ表面10011の上に持ち上げる(又は「オーバードライブさせる」)ことができる。そのような場合において、ステープル10030が形成される高さHは、ステープル10030がオーバードライブされる距離によっても規定され得る。例えば、ステープル10030は、例えば、約0.071cm(0.028”)オーバードライブされることがあり、これによりステープル10030が、例えば、約0.480cm(0.189”)の高さに形成され得る。ステープル10030は、例えば、約0.8mm、約1.0mm、約1.5mm、約1.8mm、約2.0mm、及び/又は約2.25mmの高さに形成され得る。このステープルは、例えば、約2.25mm〜約3.0mmの高さに形成され得る。上記に対して更に、ステープルのステープル捕捉領域の高さは、ステープルの形成高さと、そのステープルを構成するワイヤの幅(又は直径)とによって決定され得る。ステープル10030のステープル捕捉領域10039の高さは、ステープルの形成高さHから、ワイヤの直径幅の2倍を引いたものとなり得る。このステープルワイヤは、例えば、約0.0226cm(0.0089”)の直径を備え得る。このステープルワイヤは、例えば、約0.0175cm〜約0.0302cm(約0.0069”〜約0.0119”)の直径を含み得る。例えば、ステープル10030の形成高さHは、約0.480cm(0.189”)であってもよく、ステープルワイヤ直径は約0.0226cm(0.0089”)であってもよく、これによりステープル捕捉高さは約0.434cm(0.171”)となる。
上記に対して更に、組織厚さコンペンセーターは、未圧縮(又は配備前の)高さを有し、複数の圧縮高さの1つに変形されるように構成され得る。この組織厚さコンペンセーターは、例えば、約0.318cm(0.125”)の未圧縮高さを備え得る。この組織厚さコンペンセーターは、例えば、約0.203cm(0.080”)以上の未圧縮高さを備え得る。この組織厚さコンペンセーターは、ステープルの未発射高さよりも高い、未圧縮(又は配備前)高さを含み得る。この組織厚さコンペンセーターの未圧縮(又は配備前)高さは、未発射のステープル高さよりも、例えば、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、及び/又は約100%高くてもよい。この組織厚さコンペンセーターの未圧縮(又は配備前)高さは、例えば、未発射のステープル高さよりも、最高約100%高くてもよい。この組織厚さコンペンセーターの未圧縮(又は配備前)高さは、例えば、未発射のステープル高さよりも、100%以上高くてもよい。この組織厚さコンペンセーターは、ステープルの未発射高さに等しい未圧縮高さを備え得る。この組織厚さコンペンセーターは、ステープルの未発射高さ未満の未圧縮高さを備え得る。この厚さコンペンセーターの未圧縮(又は配備前)高さは、例えば、ステープルの未発射高さよりも、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、及び/又は約90%小さくてもよい。この圧縮可能な第2部分は、ステープル適用される組織Tの未圧縮高さよりも高い、未圧縮高さを有し得る。この組織厚さコンペンセーターは、ステープル適用される組織Tの未圧縮高さに等しい未圧縮高さを有し得る。この組織厚さコンペンセーターは、ステープル適用される組織Tの未圧縮高さより短い未圧縮高さを有し得る。
上述のように、組織厚さコンペンセーターは、ステープル内に捕捉される組織が厚いか薄いかにかかわらず、複数の形成されたステープル内に圧縮され得る。例えば、ステープルライン(列)内のステープルは、各ステープルのステープル捕捉領域が、例えば、約2.0mmの高さを含むように変形され得、組織Tと組織厚さコンペンセーターが、この高さ内に圧縮され得る。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープル捕捉領域内に約1.75mmの圧縮高さを含み得る、一方、組織厚さコンペンセーターは、ステープル捕捉領域内に約0.25mmの圧縮高さを含み得、これによって合計で約2.0mmのステープル捕捉領域高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープル捕捉領域内に約1.50mmの圧縮高さを含み得る一方、組織厚さコンペンセーターは、ステープル捕捉領域内に約0.50mmの圧縮高さを含み得、これによって合計で約2.0mmのステープル捕捉領域高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープル捕捉領域内に約1.25mmの圧縮高さを含み得る一方、組織厚さコンペンセーターは、ステープル捕捉領域内に約0.75mmの圧縮高さを含み得、これによって合計で約2.0mmのステープル捕捉領域高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープル捕捉領域内に約1.0mmの圧縮高さを含み得る一方、組織厚さコンペンセーターは、ステープル捕捉領域内に約1.0mmの圧縮高さを含み得、これによって合計で約2.0mmのステープル捕捉領域高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープル捕捉領域内に約0.75mmの圧縮高さを含み得る一方、組織厚さコンペンセーターは、ステープル捕捉領域内に約1.25mmの圧縮高さを含み得、これによって合計で約2.0mmのステープル捕捉領域高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープル捕捉領域内に約1.50mmの圧縮高さを含み得る一方、組織厚さコンペンセーターは、ステープル捕捉領域内に約0.50mmの圧縮高さを含み得、これによって合計で約2.0mmのステープル捕捉領域高さとなる。特定の状況において、例えば、組織Tは、ステープル捕捉領域内に約0.25mmの圧縮高さを含み得る一方、組織厚さコンペンセーターは、ステープル捕捉領域内に約1.75mmの圧縮高さを含み得、これによって合計で約2.0mmのステープル捕捉領域高さとなる。
上記に対して更に、この組織厚さコンペンセーターは、ステープルの発射済み高さよりも低い未圧縮高さを含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、ステープルの発射済み高さに等しい未圧縮高さを備え得る。この組織厚さコンペンセーターは、ステープルの発射済み高さよりも高い未圧縮高さを備え得る。例えば、この組織厚さコンペンセーターの未圧縮高さは、例えば、形成済みステープル高さの約110%、形成済みステープル高さの約120%、形成済みステープル高さの約130%、形成済みステープル高さの約140%、形成済みステープル高さの約150%、形成済みステープル高さの約160%、形成済みステープル高さの約170%、形成済みステープル高さの約180%、形成済みステープル高さの約190%、及び/又は形成済みステープル高さの約200%の厚さを備え得る。この組織厚さコンペンセーターは、ステープルの発射済み高さよりも2倍以上高い未圧縮高さを備え得る。この組織厚さコンペンセーターは、例えば、形成済みステープル高さの約85%〜約150%の圧縮高さを含み得る。所望により、上述のように、この組織厚さコンペンセーターは、未圧縮厚さと圧縮済み厚さとの間まで圧縮され得る。この組織厚さコンペンセーターの圧縮済み厚さは、例えば、未圧縮厚さの約10%、未圧縮厚さの約20%、未圧縮厚さの約30%、未圧縮厚さの約40%、未圧縮厚さの約50%、未圧縮厚さの約60%、未圧縮厚さの約70%、未圧縮厚さの約80%、及び/又は未圧縮厚さの約90%であり得る。この組織厚さコンペンセーターの未圧縮厚さは、例えば、圧縮済み厚さの約2倍、約10倍、約50倍、及び/又は約100倍であり得る。この組織厚さコンペンセーターの圧縮済み厚さは、未圧縮厚さの約60%〜約99%であり得る。この組織厚さコンペンセーターの圧縮済み厚さは、圧縮済み厚さより少なくとも50%厚くてもよい。この組織厚さコンペンセーターの圧縮済み厚さは、圧縮済み厚さより最高100倍厚くてもよい。圧縮可能な第2部分は、弾性、又は少なくとも部分的に弾性であってもよく、ステープルの変形した脚に対して組織Tを付勢し得る。例えば、圧縮可能な第2部分は、組織Tをステープルの脚に対して押し付けるために、組織Tとステープルの基部との間で弾力的に膨張し得る。詳しくは後述されるように、この組織厚さコンペンセーターは組織Tと変形したステープル脚部との中間に配置され得る。様々な状況において、上記の結果、組織厚さコンペンセーターは、ステープル捕捉領域内の任意の隙間を埋めるように構成することができる。
この組織厚さコンペンセーターは、例えば、生体適合性、生体吸収性、生体再吸収性、生体耐久性、生分解性、圧縮性、流体吸収性、膨潤性、自己膨張性、生理活性、薬剤、製薬的活性、抗接着性、止血性、抗生性、抗細菌性、抗ウイルス性、栄養性、接着性、浸透性、親水性及び/又は疎水性の特性のうち1つ以上によって特性付けられる材料を含み得る。本発明により、アンビル及びステープルカートリッジを含む外科用器具は、少なくとも1つ以上の止血剤(例えば、フィブリン及びトロンビン)、抗生物質(例えば、ドキシサイクリン(doxycpl))、及び薬剤(例えば、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP))を含む、アンビル及び/又はステープルカートリッジに関連付けられた、組織厚さコンペンセーターを含み得る。
この組織厚さコンペンセーターは、合成及び/又は非合成材料を含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、1つ以上の合成ポリマー及び/又は1つ以上の非合成ポリマーを含むポリマー組成物を含み得る。この合成ポリマーは、吸収性合成ポリマー及び/又は非吸収性合成ポリマーを含み得る。このポリマー組成物は、例えば、生体適合性フォームを含み得る。この生体適合性フォームには、例えば、多孔質連続気泡フォーム、及び/又は多孔質独立気泡フォームが含まれ得る。この生体適合性フォームは均一の孔形態を有していてもよく、あるいは勾配のある孔形態(すなわち、フォームの厚さにわたって一方向に、小さい孔から大きい孔へと徐々に大きくなる)を有していてもよい。ポリマー組成物は、多孔質スカフォールド、多孔質マトリックス、ゲルマトリックス、ヒドロゲル溶液、溶液マトリックス、繊維状マトリックス、管状マトリックス、複合体マトリックス、膜状マトリックス、生体安定性ポリマー、及び生分解性ポリマー、及びこれらの組み合わせのうち1つ以上を含み得る。例えば、この組織厚さコンペンセーターは、繊維状マトリックスにより補強されたフォームを含んでもよく、また、体液の存在下で膨張して組織に更に圧宿を提供する追加のヒドロゲル層を有するフォームを含んでもよい。本発明により、組織厚さコンペンセーターは、更に材料の上のコーティングから構成されてもよく、及び/又は体液の存在下で膨張して組織に更に圧宿を提供する第2若しくは第3の層を含んでもよい。そのような層は、例えば、合成及び/又は天然由来の材料であり得るヒドロゲルであってもよく、かつ、生体耐久性及び/又は生分解性であってもよい。この組織厚さコンペンセーターは、マイクロゲル又はナノゲルを含み得る。このヒドロゲルは、炭水化物由来のマイクロゲル及び/又はナノゲルを含み得る。組織厚さコンペンセーターは、追加の柔軟性、合成、及び/又は強度を提供し得るような、例えば、繊維性不織布材料又は繊維性メッシュタイプ構成要素で強化され得る。本発明により、組織厚さコンペンセーターは、多孔質形態を有し、これは、例えば、一方の表面に小さい孔、もう一方の表面により大きい孔を備えた勾配構造を呈する。そのような形態は、成長中の組織又は止血処置用に、より最適であり得る。更に、この勾配は、様々な生体吸収性プロフィールと共に構成することもできる。短期的な吸収プロフィールは、止血対処のために好ましいことがあり、一方、長期的な吸収プロフィールは、漏れを生じずにより良い組織治癒を行い得る。
非合成材料の例としては、凍結乾燥多糖類、糖蛋白質、ウシ心膜、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、フィブリノゲン、エラスチン、プロテオグリカン、ケラチン、アルブミン、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース、酸化セルロース、酸化再生セルロース(ORC)、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キタン、キトサン、カゼイン、アルギネート、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
合成吸収性材料の例としては、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(トリメチレンカーボネート)(TMC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、グリコリドとε−カプロラクトンのコポリマー(PGCL)、グリコリドとトリメチレンカーボネートとのコポリマー、ポリ(グリセロールセバケート)(PGS)、ポリ(ジオキサノン)(PDS)、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリオキサエステル、ポリエーテルエステル、ポリカーボネート、ポリアミドエステル、ポリ無水物、多糖類、ポリ(エステルアミド)、チロシン系ポリアリレート、ポリアミン、チロシン系ポリイミノカーボネート、チロシン系ポリカーボネート、ポリ(D,L−ラクチド−ウレタン)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(B−ヒドロキシブチレート)、ポリ(E−カプロラクトン)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ[ビス(カルボキシラトフェノキシ)ホスファゼン]ポリ(アミノ酸)、偽ポリ(アミノ酸)、吸収性ポリウレタン、ポリ(ホスファジン)、ポリホスファゼン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ(カプロラクトン)、ポリアクリル酸、ポリアセテート、ポリプロピレン、脂肪族ポリエステル、グリセロール、コポリ(エーテル−エステル)、ポリアルキレンオキサレート、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリアルキレンオキサレート、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ポリエステルは、ポリラクチド、ポリグリコリド、トリメチレンカーボネート、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、ポリブテステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
合成吸収性ポリマーは、例えば、90/10ポリ(グリコリド−L−ラクチド)コポリマー(Ethicon、Inc.から商品名VICRYL(ポリグラクチン(polyglactic)910)として市販)、ポリグリコリド(American Cyanamid Co.から商品名DEXONとして市販)、ポリジオキサノン(Ethicon、Inc.から商品名PDSとして市販)、ポリ(グリコリド−トリメチレンカーボネート)ランダムブロックコポリマー(American Cyanamid Co.から商品名MAXONとして市販)、75/25ポリ(グリコリド−ε−カプロラクトン−ポリグレカプロラクトン25)コポリマー(Ethiconから商品名MONOCRYLとして市販)のうち1つ以上を含み得る。
合成非吸収性材料の例としては、ポリウレタン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート、ポリアミド(例えば、ナイロン)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリトリフルオロクロロエチレン(PTFCE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリアセタール、ポリスルホン、シリコーン(silicons)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。合成非吸収性ポリマーには、例えば、シリコーン、ポリイソプレン、及びゴムなどの発泡エラストマー及び多孔質エラストマーが挙げられ得るが、これらに限定されない。合成ポリマーには、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)(W.L.Gore & Associates、Inc.から商品名GORE−TEX軟組織パッチとして市販)及びコ−ポリエーテルエステルウレタンフォーム(Polyganicsから商品名NASOPOREとして市販)が含まれ得る。
このポリマー組成物には、例えば、PLLAのポリマー組成物が約50重量%〜約90重量%、PCLのポリマー組成物が約50重量%〜約10重量%含まれ得る。このポリマー組成物には、例えば、PLLAが約70重量%、PCLが約30重量%含まれ得る。このポリマー組成物には、例えば、PGAのポリマー組成物が約55重量%〜約85重量%、PCLのポリマー組成物が15重量%〜45重量%含まれ得る。このポリマー組成物には、例えば、PGAが約65重量%、PCLが約35重量%含まれ得る。このポリマー組成物には、例えば、PGAのポリマー組成物が約90重量%〜約95重量%、PLAのポリマー組成物が約5重量%〜約10重量%含まれ得る。
この合成吸収性ポリマーは、生体吸収性で生体適合性のエラストマーコポリマーを含み得る。適した生体吸収性、生体適合性のエラストマーコポリマーは、ε−カプロラクトンとグリコリドとのコポリマー(好ましくは、ε−カプロラクトン対グリコリドのモル比が、約30:70〜約70:30、好ましくは35:65〜約65:35、最も好ましくは45:55〜35:65);ε−カプロラクトンとラクチド(L−ラクチド、D−ラクチド、これらの配合物、又は乳酸コポリマーを含む)とのエラストマーコポリマー(好ましくは、ε−カプロラクトン対ラクチドのモル比が、約35:65〜約65:35、より好ましくは45:55〜30:70);p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン)とラクチド(L−ラクチド、D−ラクチド、及び乳酸を含む)とのエラストマーコポリマー(好ましくは、p−ジオキサノン対ラクチドのモル比が、約40:60〜約60:40);ε−カプロラクトンとp−ジオキサノンとのエラストマーコポリマー(好ましくは、ε−カプロラクトン対p−ジオキサノンのモル比が、約30:70〜約70:30);p−ジオキサノンと炭酸トリメチレンとのエラストマーコポリマー(好ましくは、p−ジオキサノン対炭酸トリメチレンのモル比が、約30:70〜約70:30);炭酸トリメチレンとグリコリドとのエラストマーコポリマー(好ましくは、炭酸トリメチレン対グリコリドのモル比が、約30:70〜約70:30);炭酸トリメチレンとラクチド(L−ラクチド、D−ラクチド、これらの配合物、又は乳酸コポリマーを含む)とのエラストマーコポリマー(好ましくは、炭酸トリメチレン対ラクチドのモル比が、約30:70〜約70:30)及びこれらの配合物を含むが、これらに限定されない。このエラストマーコポリマーは、グリコリドとε−カプロラクトンのコポリマーを含み得る。あるいは、このエラストマーコポリマーは、ラクチドとε−カプロラクトンのコポリマーを含み得る。
米国特許番号第5,468,253号「ELASTOMERIC MEDICAL DEVICE」(1995年11月21日発行)、及び同第6,325,810号「FOAM BUTTRESS FOR STAPLING APPARATUS」(2001年12月4日)に開示されており、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
この組織厚さコンペンセーターは乳化剤を含み得る。乳化剤の例としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、PLURONICS、TWEENS、多糖類、及びこれらの組み合わせなどの水溶性ポリマーが挙げられ得るが、これらに限定されない。
この組織厚さコンペンセーターは界面活性剤を含み得る。
界面活性剤の例としては、ポリアクリル酸、メタロース、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ基メチルセルロース、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ジアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール、及びポリオキサマーが挙げられ得るが、これらに限定されない。
このポリマー組成物は、製薬的活性薬剤を含み得る。このポリマー組成物は、治療有効量の製薬的活性薬剤を放出し得る。この製薬的活性薬剤は、ポリマー組成物が脱着/吸着される際に放出され得る。この製薬的活性薬剤は、そのポリマー組成物の上又は中を通過する液体(、例えば、血液)内に放出され得る。この製薬的活性薬剤の例としては、止血剤及び薬剤(例えば、フィブリン、トロンビン、及び酸化再生セルロース(ORC))、抗炎症薬(例えば、ジクロフェナク、アスピリン、ナプロキセン、スリンダク、及びヒドロコルチゾン)、抗生物質及び抗菌薬剤又は薬剤(例えば、トリクロサン、銀イオン、アンピシリン、ゲンタマイシン、ポリミキシンB、クロラムフェニコール)、並びに抗癌剤(例えば、シスプラチン、ミトマイシン、アドリアマイシン)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
このポリマー組成物は止血材料を含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ歩きレンオキシド、コポリ(エーテル−エステル)、コラーゲン、ゼラチン、トロンビン、フィブリン、フィブリノゲン、フィブロネクチン、エラスチン、アルブミン、ヘモグロビン、オボアルブミン、多糖類、ヒアルロン酸、硫酸コンドロイチン、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース、酸化セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キタン、キトサン、アガロース、マルトース、マルトデキストリン、アルギネート、凝固因子、メタクリレート樹脂、ポリウレタン、シアノアクリレート、抗血小板薬、血管収縮薬、ミョウバン、カルシウム、RGDペプチド、タンパク質、硫酸プロタミン、ε−アミノカプロン酸、硫酸第二鉄、塩基性硫酸第二鉄、塩化第二鉄、亜鉛、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、過マンガン酸塩、タンニン、ボーンワックス、ポリエチレングリコール、フカン、及びこれらの組み合わせを含む止血材料を含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、止血特性によって特性付けることができる。
この組織厚さコンペンセーターのポリマー組成物は、例えば、パーセント有孔率、孔サイズ、及び/又は硬度によって特性付けられ得る。このポリマー組成物は、例えば、約30体積%〜約99体積%のパーセント有孔率を有し得る。このポリマー組成物は、例えば、約60体積%〜約98体積%のパーセント有孔率を有し得る。このポリマー組成物は、例えば、約85体積%〜約97体積%のパーセント有孔率を有し得る。このポリマー組成物は、例えば、約70重量%のPLLAと約30重量%のPCLを含み得、例えば、約90体積%の有孔率を有し得る。例えば、その結果、このポリマー組成物は約10体積%のコポリマーを含み得る。このポリマー組成物は、例えば、約65重量%のPGAと約35重量%のPCLを含み得、例えば、約93体積%〜約95体積%の有孔率を有し得る。このポリマー組成物は、85%超の有孔率を有し得る。このポリマー組成物は、例えば、約5マイクロメートル〜約2000マイクロメートルの孔サイズを有し得る。このポリマー組成物は、例えば、約10マイクロメートル〜約100マイクロメートルの孔サイズを有し得る。このポリマー組成物は、例えば、PGAとPClのコポリマーを含み得る。このポリマー組成物は、例えば、約100マイクロメートル〜約1000マイクロメートルの孔サイズを有し得る。このポリマー組成物は、例えば、PLLAとPClのコポリマーを含み得る。
特定の態様により、このポリマー組成物の硬度は、ショア硬度で表わすことができ、これは、例えば、ショアデュロメーターなどのデュロメーターで測定される、材料の恒久的な陥凹に対する抵抗として定義され得る。所与の材料のデュロメーター値を評価するために、ASTM手順D2240−00「Standard Test Method for Rubber Property−Durometer Hardness」に従って、デュロメーターインデンターフットで、材料に対して圧力が適用される。デュロメーターインデンターフットは、例えば、15秒間などの十分な時間、材料に対して適用してもよく、この測定値が適切な目盛で取得される。使用する目盛のタイプに応じて、インデンターフットが材料に完全に貫入したときに読取り値0が得られ、材料に対する貫入が起こらなかった場合に読取り値100が得られる。この読取り値は無次元である。デュロメーターは、ASTM D2240−00に従って、任意の好適な目盛、例えば、タイプA及び/又はタイプOOに従って測定され得る。組織厚さコンペンセーターのポリマー組成物は、例えば、約4A〜約16AのショアA硬度値を有し得、これはショアOO範囲で約45 OO〜約65 OOである。例えば、このポリマー組成物は、例えば、PLLA/PCLコポリマー又はPGA/PCLコポリマーを含み得る。組織厚さコンペンセーターのポリマー組成物は、15A未満のショアA硬度値を有し得る。組織厚さコンペンセーターのポリマー組成物は、10A未満のショアA硬度値を有し得る。組織厚さコンペンセーターのポリマー組成物は、5A未満のショアA硬度値を有し得る。このポリマー組成物は、例えば、約35 OO〜約75 OOのショアOO組成物値を有し得る。
このポリマー組成物は、上述の特性のうち少なくとも2つを有し得る。このポリマー組成物は、上述の特性のうち少なくとも3つを有し得る。このポリマー組成物は、85体積%〜97体積%の有孔率、5マイクロメートル〜2000マイクロメートルの孔サイズ、及び4A〜16AのショアA硬度、及び45 OO〜65 OOのショアOO硬度値を有し得る。このポリマー組成物は、例えば、70重量%のPLLAポリマー組成物と30重量%のPCLポリマー組成物を含み、90体積%の有孔率、100マイクロメートル〜1000マイクロメートルの孔サイズ、及び4A〜16AのショアA硬度、及び45 OO〜65 OOのショアOO硬度値を有し得る。このポリマー組成物は、例えば、65重量%のPGAポリマー組成物と35重量%のPCLポリマー組成物を含み、93体積%〜95体積%の有孔率、10マイクロメートル〜100マイクロメートルの孔サイズ、及び4A〜16AのショアA硬度、及び45 OO〜65 OOのショアOO硬度値を有し得る。
この組織厚さコンペンセーターは、膨張する材料を含み得る。上述のように、この組織厚さコンペンセーターは、例えば、未圧縮又は配備されたときに膨張する、圧縮された材料を含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、その場で形成される自己膨張性材料を含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、他の前駆体、水、及び/又は体液に接触したときに、自発的に架橋するよう選択された少なくとも1つの前駆体を含み得る。図205aを参照すると、第1前駆体は、1つ以上の他の前駆体と接触して、膨張性及び/又は膨潤性の組織厚さコンペンセーターを形成し得る。この組織厚さコンペンセーターは、例えば、水膨潤性組成物などの、流体膨潤性組成物を含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、水を含むゲルを含み得る。
図189A及びBを参照すると、例えば、組織厚さコンペンセーター70000を膨張させるため、組織厚さコンペンセーター70000は、その場及び/又は生体内でヒドロゲルを形成するよう選択された少なくとも1つのヒドロゲル前駆体70010を含み得る。図189Aは、膨張前に第1ヒドロゲル70010A及び第2ヒドロゲル前駆体70010Bを含むカプセルを含む組織厚さコンペンセーター70000を示す。図189Aに示すように、第1ヒドロゲル前駆体70010A及び第2ヒドロゲル前駆体70010Bは、同じカプセル内で互いに物理的に分離され得る。第1カプセルは第1ヒドロゲル前駆体70010Aを含み得、第2カプセルは第2ヒドロゲル前駆体70010Bを含み得る。図189Bは、ヒドロゲルがその場及び/又は生体内で形成されたときの組織厚さコンペンセーター70000の膨張を示す。図189Bに示されているように、カプセルを破裂させることができ、これにより第1ヒドロゲル前駆体70010Aが第2ヒドロゲル前駆体70010Bに接触してヒドロゲル70020を形成することができる。このヒドロゲルは膨張性材料を含み得る。このヒドロゲルは、例えば、最長72時間膨張し得る。
この組織厚さコンペンセーターは、その中に埋め込まれた乾燥ヒドロゲル粒子又は顆粒を含むカプセルを有する生分解性フォームを含み得る。特定の理論に束縛されるものではないが、フォーム内のカプセルは、フォームを形成するためにヒドロゲル前駆体の水溶液と生体適合性材料の有機溶液を接触させることによって形成され得る。図206に示すように、水溶液と有機溶液はミセルを形成し得る。水溶液と有機溶液を乾燥させて、フォーム内に乾燥ヒドロゲル粒子又は顆粒をカプセル化することができる。例えば、ヒドロゲル前駆体(例えば、親水性ポリマー)を水に溶かして、ミセルの分散液を形成することができる。この水溶液は、ポリ(グリコール酸)及びポリカプロラクトンを含むジオキサンの有機溶液に接触し得る。この水溶液と有機溶液は凍結乾燥させて、分散された乾燥ヒドロゲル粒子又は顆粒を有する生分解性フォームを形成し得る。特定の理論に束縛されるものではないが、このミセルは、フォーム構造内に分散された乾燥ヒドロゲル粒子又は顆粒を有するカプセルを形成し得ると考えられる。このカプセルを破裂させて、乾燥ヒドロゲル粒子又は顆粒を流体(例えば、体液)に接触させて膨張させることができる。
この組織厚さコンペンセーターは、例えば、流体などのアクチベーターに接触すると膨張し得る。図190を参照すると、例えば、組織厚さコンペンセーター70050は、膨潤性材料(例えば、ヒドロゲル)を含み得、これは流体70055(例えば、体液、生理食塩水、水、及び/又はアクチベーターなど)に接触すると膨張する。体液の例としては、血液、血漿、腹水、脳脊髄液、尿、リンパ液、滑液、硝子体液、唾液、胃腸管腔内容物、胆汁、及び/又は気体(例えば、CO)が挙げられ得るが、これらに限定されない。組織厚さコンペンセーター70050は、組織厚さコンペンセーター70050が体液を吸収すると膨張し得る。別の一例において、組織厚さコンペンセーター70050は非架橋ヒドロゲルを含み得、これは、架橋剤を含むアクチベーター70055と接触すると架橋ヒドロゲルを形成して膨張する。この組織厚さコンペンセーターは、アクチベーターに接触すると膨張し得る。この組織厚さコンペンセーターは、最長72時間、例えば、24〜72時間、最長24時間、最長48時間、及び最長72時間の接触により膨張又は膨潤して、組織に対して連続的に増加する圧力及び/又は圧縮を提供し得る。図190に示すように、組織厚さコンペンセーター70050の初期厚さは、流体70055が組織厚さコンペンセーター70050に接触した後の膨張した厚さよりも薄くてもよい。
図187及び188aを参照すると、ステープルカートリッジ70100は、組織厚さコンペンセーター70105と、それぞれステープル脚部70112を含む複数のステープル70110とを含み得る。図187に示すように、組織厚さコンペンセーター70105は、ステープル70110の発射済み高さより低い、初期厚さ又は圧縮高さを有し得る。組織厚さコンペンセーター70100は、流体70102(例えば、体液、生理食塩水、及び/又はアクチベーターなど)と接触すると、その場及び/又は生体内で膨張して、ステープル70110の脚部70112に対して組織Tを押し付けることができる。図188に示すように、組織厚さコンペンセーター70100は、流体70102に接触すると膨張及び/又は膨潤し得る。組織厚さコンペンセーター70105は、各ステープル70110内に捕捉された組織Tの厚さを補償し得る。図188に示すように、組織厚さコンペンセーター70105は、ステープル70110の発射済み高さより低い、膨張厚さ又は非圧縮高さを有し得る。
所望により、上述のように、この組織厚さコンペンセーターは初期厚さ及び膨張厚さを含み得る。この組織厚さコンペンセーターの初期厚さは、例えば、膨張厚さの約0.001%、膨張厚さの約0.01%、膨張厚さの約0.1%、膨張厚さの約1%、膨張厚さの約10%、膨張厚さの約20%、膨張厚さの約30%、膨張厚さの約40%、膨張厚さの約50%、膨張厚さの約60%、膨張厚さの約70%、膨張厚さの約80%、及び/又は膨張厚さの約90%であり得る。この組織厚さコンペンセーターの膨張厚さは、例えば、初期厚さの約2倍、約5倍、約10倍、約50倍、約100倍、約200倍、約300倍、約400倍、約500倍、約600倍、約700倍、約800倍、約900倍、及び/又は約1000倍厚くなり得る。この組織厚さコンペンセーターの初期厚さは、膨張厚さの最大1%、最大5%、最大10%、及び最大50%であり得る。この組織厚さコンペンセーターの膨張厚さは、初期厚さより少なくとも50%厚く、初期厚さより少なくとも100%厚く、初期厚さより少なくとも300%厚く、及び初期厚さより少なくとも500%厚くてもよい。上述のように、様々な状況において、上記の結果、この組織厚さコンペンセーターは、ステープル捕捉領域内の任意の隙間を埋めるように構成することができる。
上述のように、この組織厚さコンペンセーターはヒドロゲルを含み得る。このヒドロゲルは、ホモポリマーヒドロゲル、コポリマーヒドロゲル、マルチポリマーヒドロゲル、相互貫入ポリマーヒドロゲル、及びこれらの組み合わせを含み得る。このヒドロゲルは、マイクロゲル、ナノゲル、及びこれらの組み合わせを含み得る。このヒドロゲルは、流体を吸収及び/又は保持することができる親水性ポリマーネットワークを含み得る。このヒドロゲルは、非架橋ヒドロゲル、架橋ヒドロゲル、及びこれらの組み合わせを含み得る。このヒドロゲルは、化学的架橋、物理的架橋、疎水性部分、及び/又は非水溶性部分を含み得る。このヒドロゲルは、重合、小分子架橋、及び/又はポリマー−ポリマー架橋によって化学的に架橋され得る。このヒドロゲルは、イオン相互作用、疎水性相互作用、水素結合相互作用、立体錯体化、及び/又は超分子化学によって物理的に架橋され得る。このヒドロゲルは、架橋、疎水性部分、及び/又は不溶性部分によって実質的に不溶性であり得るが、流体の吸収及び/又は保持により、膨張性及び/又は膨潤性であり得る。この前駆体は、内因性材料及び/又は組織と架橋し得る。
このヒドロゲルは、環境感受性ヒドロゲル(ESH)を含み得る。ESHは、環境条件に関係する流体膨潤特性を有する材料を含み得る。環境条件には、手術部位の物理的条件、生物学的条件、及び/又は化学的条件を含み得るが、これらに限定されない。このヒドロゲルは、例えば、温度、pH、電場、イオン強度、酵素反応及び/又は化学反応、電気的及び/又は磁気的刺激、並びにその他の生理学的及び環境的変数に対応して膨潤又は収縮し得る。ESHは、多機能アクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、エラストマーアクリレート、及び関連するモノマーを含み得る。
このヒドロゲルを含む組織厚さコンペンセーターは、上述の非合成材料及び合成材料を少なくとも1つ含み得る。このヒドロゲルは、合成ヒドロゲル及び/又は非合成ヒドロゲルを含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、複数の層を含み得る。この複数の層は、多孔質層及び/又は非多孔質層を含み得る。例えば、この組織厚さコンペンセーターは、非多孔質層と多孔質層とを含み得る。別の例において、この組織厚さコンペンセーターは、第1非多孔質層と第2非多孔質層との間に多孔質層を含み得る。別の例において、この組織厚さコンペンセーターは、第1多孔質層と第2多孔質層との間に非多孔質層を含み得る。この非多孔質層及び多孔質層は、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルの表面に対して任意の順序で配置することができる。
この非合成材料の例としては、アルブミン、アルギネート、炭水化物、カゼイン、セルロース、キチン、キトサン、コラーゲン、血液、デキストラン、エラスチン、フィブリン、フィブリノゲン、ゼラチン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラチン、タンパク質、血清、及びデンプンが挙げられ得るが、これらに限定されない。セルロースは、ヒドロキシエチルセルロース、酸化セルロース、酸化再生セルロース(ORC)、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びこれらの組み合わせを含み得る。コラーゲンは、ウシ心膜を含み得る。炭水化物は、多糖類(例えば、凍結乾燥多糖類)を含み得る。タンパク質は、糖蛋白質、プロテオグリカン、及びこれらの組み合わせを含み得る。
この合成材料の例としては、ポリ(乳酸)、ポリグリコール酸、ポリ(ヒドロキシブチラート)、ポリ(ホスファジン)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−co−ポリプロピレンオキシド、co−ポリエチレンオキシド、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリビニルアルコール、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサン)、ポリアクリル酸、ポリアセテート、ポリプロピレン、脂肪族ポリエステル、グリセロール、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテルエステル)、ポリアルキレンオキサレート、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオキサエステル、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、及びこれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。上記の非合成材料は、従来の方法を利用して、例えば、合成ヒアルロン酸など、合成的に調製することができる。
このヒドロゲルは、1つ以上のヒドロゲル前駆体から作製され得る。この前駆体は、モノマー及び/又はマクロマーを含み得る。このヒドロゲル前駆体は、求電子官能基及び/又は求核求電子官能基を含み得る。一般に、求電子種は求核種と反応して結合を形成し得る。本明細書で使用される用語「官能基」は、互いに反応して結合を形成することができる求電子基又は求核基を指す。求電子官能基の例としては、N−ヒドロキシスクシンイミド(「NHS」)、スルホスクシンイミド、カルボニルジイミダゾール、スルホニルクロリド、ハロゲン化アリール、スルホスクシンイミジルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル、スクシンイミジルエステル(例えば、スクシンイミジルスクシネート及び/又はスクシンイミジルプロピオネート)、イソシアネート、チオシアネート、カルボジイミド、ベンゾトリアゾール、カーボネート、エポキシド、アルデヒド、マレイミド、イミドエステル、これらの組み合わせ、及び同様物が挙げられ得るが、これらに限定されない。求電子官能基は、スクシンイミジルエステルを含み得る。求核官能基の例には、−NH、−SH、−OH、−PH、及び−CO−NH−NHが挙げられ得るが、これらに限定されない。
このヒドロゲルは単一の前駆体又は複数の前駆体から形成され得る。このヒドロゲルは、第1前駆体及び第2前駆体から形成され得る。この第1ヒドロゲル前駆体及び第2ヒドロゲル前駆体は、接触によりその場及び/又は生体内でヒドロゲルを形成し得る。このヒドロゲル前駆体は、一般に、ヒドロゲルを形成する反応に酸化し得るポリマー、官能基、巨大分子、小分子、及び/又は架橋剤を指し得る。この前駆体は、好適な溶媒(例えば、水又は緩衝液など)中の、均質溶液、不均質溶液、又は相分離溶液を含み得る。緩衝液は、pHが約8〜約12であってもよく、例えば、約8.2〜約9であってもよい。緩衝液の例には、ホウ酸塩緩衝液が挙げられ得るがこれに限定されない。前駆体は、乳濁液であり得る。本発明により、第1前駆体は第2前駆体と反応してヒドロゲルを形成し得る。この第1前駆体は、第2前駆体と接触すると、自発的に架橋し得る。本発明により、第1前駆体の第1群の求電子官能基が、第2前駆体の第2群の求核官能基と反応し得る。この前駆体が、反応を可能にするような環境(例えば、pH、温度、及び/又は溶媒に関して)と混合された場合、この官能基は互いに反応して共有結合を形成し得る。この前駆体の少なくとも一部が、複数の他の前駆体と反応するとき、前駆体が架橋され得る。
この組織厚さコンペンセーターは、アクリル酸3−スルホプロピルカリウム塩(「KSPA」)、アクリル酸ナトリウム(「NaA」)、N−(トリス(ヒドロキシルメチル)メチル)アクリルアミド(「トリスアクリル」)、及び2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS)からなる群から選択される少なくとも1つのモノマーを含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、KSPA、NaA、トリスアクリル、AMPSからなる群から選択される2つ以上のモノマーを含むコポリマーを含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、KSPA、NaA、トリスアクリル、及びAMPSから誘導されるホモポリマーを含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、これと共重合可能な親水性改変モノマーを含み得る。この親水性改変モノマーは、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、スチレン、スチレンスルホン酸を含み得る。
この組織厚さコンペンセーターは架橋剤を含み得る。この架橋剤は、低分子量ジビニル又はポリビニル架橋剤(例えば、エチレングリコールジアクリレート又はジメタクリレート、ジ−、トリ−、又はテトラエチレングリコールジアクリレート又はジメタクリレート、アリル(メタ)アクリレート、C〜C−アルキレンジアクリレート又はジメタクリレート、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジ−及びトリビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレート又はトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート又はテトラメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート又はジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド又はビスメタクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド又はエチレンビスメタクリルアミド、トリアリルフタレート又はジアリルフタレートを含み得る。この架橋剤は、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(「MBAA」)を含み得る。
この組織厚さコンペンセーターは、アクリレート及び/又はメタクリレート官能基ヒドロゲル、生体適合性光開始剤、アルキル−シアノアクリレート、イソシアネート官能基マクロマー(所望によりアミン官能基マクロマーを含む)、スクシンイミジルエステル官能基マクロマー(所望によりアミン及び/又はスルフヒドリル官能基マクロマーを含む)、エポキシ官能基マクロマー(所望によりアミン官能基マクロマーを含む)タンパク質及び/又はポリペプチドとアルデヒド架橋剤との混合物、ゲニピン、並びに水溶性カルボジイミド、アニオン性多糖類、及び多価カチオンのうち少なくとも1つを含み得る。
この組織厚さコンペンセーターは、不飽和有機酸モノマー、アクリル置換アルコール、及び/又はアクリルアミドを含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、メタクリル酸、アクリル酸、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−(ジメチルアミノエチル)メタクリレート、N−ビニルピロリドン、メタクリルアミド、及び/又はN,N−ジメチルアクリルアミドポリ(メタクリル酸)を含み得る。
この組織厚さコンペンセーターは、強化材料を含み得る。この強化材料は、上述の非合成材料及び合成材料のうち少なくとも1つを含み得る。この強化材料は、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、フィブリノゲン、エラスチン、ケラチン、アルブミン、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース、酸化セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キタン、キトサン、アルギネート、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ホスファジン)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリアクリル酸、ポリアセテート、ポリカプロラクトン、ポリプロピレン、脂肪族ポリエステル、グリセロール、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテル−エステル)、ポリアルキレンオキサレート、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリオキサエステル、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン及びこれらの組み合わせを含み得る。
この組織厚さコンペンセーターは、この強化材料を含む層を含み得る。組織厚さコンペンセーターの多孔質層及び/又は非多孔質層は、この強化材料を含み得る。例えば、多孔質層はこの強化材料を含み得、非多孔質層はこの強化材料を含まないことがあり得る。この強化層は、第1非多孔質層と第2非多孔質層の間の内側層を含み得る。この強化層は、組織厚さコンペンセーターの外側層を含み得る。この強化層は、組織厚さコンペンセーターの外側表面を含み得る。
この強化材料は、メッシュ、単フィラメント、多フィラメント編組み、繊維、マット、フェルト、粒子、及び/又は粉末を含み得る。この強化材料は、組織厚さコンペンセーターの層に組み込まれ得る。この強化材料は、非多孔質層と多孔質層のうち少なくとも一方に組み込まれ得る。この強化材料を含むメッシュは、従来の技法(例えば、編み、織り、タッチング、及び/又はボビンレース編みなど)を使用して形成し得る。本発明により、複数の強化材料を、不規則な方向及び/又は共通する方向に向けることができる。共通する方向は、例えば、ステープルラインに平行な方向、及びステープルラインに垂直な方向であり得る。例えば、単フィラメント及び/又は多フィラメント編組みは、不規則な方向及び/又は共通する方向に向いていてもよい。この単フィラメント及び/又は多フィラメント編組みは、非多孔質層及び/又は多孔質層に関連付けられ得る。この組織厚さコンペンセーターは、非多孔質層内で不規則な方向に向けられた複数の強化繊維を含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、非多孔質層内で共通する方向に向けられた複数の強化繊維を含み得る。
図199を参照すると、アンビル70300は、強化層70310を密封的に閉じ込める第1非多孔質層70307及び第2非多孔質層70309を含む組織厚さコンペンセーター70305を含み得る。強化層70310は、中に埋め込まれたORC粒子又は繊維を含むヒドロゲルを含み得、かつ、非多孔質層はORCを含み得る。図199に示すように、組織厚さコンペンセーター70305は、アンビル70300の外形にぴったり沿うように構成され得る。組織厚さコンペンセーター70305の内側層は、アンビル70300の内側層にぴったり沿い、これには形成ポケット70301が含まれ得る。
この繊維は、例えば、マット及びフェルトなどの不織布材料を形成し得る。この繊維は、例えば、0.1mm〜100mm及び0.4mm〜50mmなどの任意の好適な長さを有し得る。この強化材料は、粉末状にすり潰し得る。この粉末は、例えば、10マイクロメートル〜1cmの粒径を有し得る。この粉末は、組織厚さコンペンセーターに組み込むことができる。
この組織厚さコンペンセーターは、その場で形成され得る。ヒドロゲルは、その場で形成され得る。この組織厚さコンペンセーターは、共有結合、イオン結合、及び/又は疎水性結合によってその場で形成され得る。物理的(非共有結合)架橋は、錯化、水素結合、脱溶媒和、ファンデルワールス相互作用、イオン結合、及びこれらの組み合わせにより生じ得る。化学的(共有結合)架橋は、フリーラジカル重合、縮合重合、アニオン重合又はカチオン重合、ステップ成長重合、求電子−求核反応、及びこれらの組み合わせを含む、たくさんの機構の任意のものにより達成することができる。
所望により、組織厚さコンペンセーターのその場形成は、その場で接触するまで物理的に分離されている2つ以上の前駆体を反応させることを含むか、及び/又は、環境条件に反応して互いに反応を起こし、ヒドロゲルを形成し得る。その場重合は、手術部位で反応してポリマーを形成し得る前駆体から調製され得る。この組織厚さコンペンセーターは、前駆体のその場での架橋反応により形成され得る。この前駆体は、その場での組織厚さコンペンセーターの形成のために重合反応を開始できる反応開始剤を含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、適用時点で活性化されて架橋ヒドロゲルを生じることができる前駆体を含み得る。組織厚さコンペンセーターのその場形成は、この組織厚さコンペンセーターを形成する結合を生じるよう、少なくとも1つの前駆体を活性化させることを含み得る。所望により、活性化は、手術部位での物理的条件、生物学的条件、及び/又は化学的条件の変化によって達成することができ、これには、温度、pH、電場、イオン強度、酵素及び/又は化学反応、電気的及び/又は磁気的刺激、並びにその他の生理学的及び環境的変数が挙げられるが、これらに限定されない。この前駆体は、身体の外に接触してから、手術部位に導入され得る。
この組織厚さコンペンセーターは、1つ以上のカプセル又はセルを含み得、これはその中に少なくとも1つの成分を保管するように構成され得る。このカプセルは、その中にヒドロゲル前駆体を保管するように構成され得る。このカプセルは、例えば、その中に2つの成分を保管するように構成され得る。このカプセルは、その中に第1ヒドロゲル前駆体及び第2ヒドロゲル前駆体を保管するように構成され得る。第1カプセルは、その中に第1ヒドロゲル前駆体を保管するように構成され、第2カプセルは、その中に第2ヒドロゲル前駆体を保管するように構成され得る。上述のように、カプセルは、ステープル脚部と揃えて配置するか、少なくとも実質的に揃えて配置することができ、これによって、ステープル脚部がカプセルに接触したときにカプセルを穿刺及び/又は他の方法で破裂させることができる。このカプセルは、ステープルが配備されたときに、圧縮されるか、破砕されるか、押しつぶされるか、及び/又は他の方法で破裂され得る。カプセルが破裂した後、その中に保管されていた成分がカプセルから流出し得る。その中に保管されていた成分は、他の成分、組織厚さコンペンセーターの層、及び/又は組織に接触し得る。他の成分が、組織厚さコンペンセーターの層内に提供されている同じ又は別のカプセルから流出するか、及び/又は、臨床医により手術部位に供給され得る。上記の結果、カプセル内に保管されていた成分は、組織厚さコンペンセーターの膨張及び/又は膨潤を提供することができる。
この組織厚さコンペンセーターは、このカプセルを含む層を含み得る。このカプセルは、層に関連付けられた、空隙、ポケット、ドーム、チューブ、又はこれらの組み合わせを含み得る。このカプセルは、層内に空隙を含み得る。この層は、互いに取り付けられ得る2層を含み得、カプセルは、2層の間で画定され得る。このカプセルは、層の表面の上のドームを含み得る。例えば、カプセルの少なくとも一部を、層から上方向に延在するドームの中に配置することができる。このカプセルは、層内に形成されたポケットを含み得る。カプセルの第1部分はドームを含み得、カプセルの第2部分はポケットを含み得る。このカプセルは、層内に埋め込まれたチューブを含み得る。このチューブは、本明細書に記述されるような、非合成材料及び/又は合成材料(例えば、PLA)を含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、中に埋め込まれたPLAチューブを含んだ生体吸収性フォーム(例えば、ORC)を含み得、このチューブは、例えば、ヒドロゲルをカプセル化し得る。このカプセルは、互いに接続されていない分離したセルを含み得る。1つ以上のカプセルが、例えば、層を通過して延在する1つ以上の経路、導管及び/又はチャネルを通じて互いに流体連通し得る。
カプセルからの成分の放出速度は、例えば、組織厚さコンペンセーターの厚さ、組織厚さコンペンセーターの組成、成分の大きさ、成分の親水性、並びに/又は、成分、組織厚さコンペンセーターの組成物、及び/若しくは外科用器具の間の物理的及び/若しくは化学的相互作用によって制御され得る。この層は、1つ以上の薄い区分又は弱化部分、例えば、部分的穿孔を含む場合があり、これは、脚部による、層の切開、及びカプセルの破裂を促進することができる。部分的穿孔は、層を完全に貫通していなくてもよく、場合によっては、層を完全に貫通していてもよい。
図194及び195aを参照すると、組織厚さコンペンセーター70150は、カプセル70154を含む外側層70152A及び内側層70152Bを含み得る。このカプセルは、第1カプセル化成分及び第2カプセル化成分を含み得る。このカプセルは独立に、第1カプセル化成分及び第2カプセル化成分のうち一方を含み得る。第1カプセル化成分は、第2カプセル化成分から分離され得る。この外側層70152Aは、組織接触表面を含み得る。この内側層70152Bは、器具接触表面を含み得る。器具接触表面70152Bは、アンビル70156に解放可能に取り付けることができる。外側層70152Aは、内側層70152Bに取り付けられ、外側層70152Aと内側層70152Bとの間の空隙を画定し得る。図194に示すように、各カプセル70154は、内側層70152Bの器具接触表面上にドームを含み得る。このドームは、ステープル脚部による層の穿刺とカプセルの破裂を促進するため、部分的な穿孔を含み得る。図195に示すように、アンビル70156は、複数の形成ポケット列70158を含み得、カプセル70154のドームは、形成ポケット70158に揃って配列され得る。この組織接触表面は、ドームがない平坦な表面を含み得る。この組織接触表面は、例えば、その表面から延びるカプセル70154などの、1つ以上のカプセルを含み得る。
所望により、アンビルは、少なくとも1つの球形粒子を含むカプセル化成分を含む組織厚さコンペンセーターを含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、第1カプセル化成分及び第2カプセル化成分を含むカプセルを含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、第1ミクロスフェア粒子及び第2ミクロスフェア粒子を含むカプセルを含み得る。
図196を参照すると、ステープル留め装置は、アンビル70180及びステープルカートリッジ(別の図に示されている)を含み得る。ステープルカートリッジのステープル70190は、アンビル70180が閉鎖する際にアンビル70180によって、及び/又は、閉鎖したアンビル70180に向かってステープル70190を動かすステープルドライバーシステム70192によって、変形することができる。ステープルの脚部70194は、アンビル70180に接触し、これによってステープル70190が少なくとも部分的に変形される。アンビル70180は、外側層70183A、内側層70183Bを含む組織厚さコンペンセーター70182を含み得る。この組織厚さコンペンセーター70182は、第1カプセル化成分及び第2カプセル化成分を含み得る。カプセル210185は、ステープル脚部70194が組織T及び外側層70183Aを通って押し込まれたときに、ステープル脚部70194がカプセル70185を穿刺及び/又は他の方法で破裂させることができるように、位置が揃えられ、又は少なくとも実質的に位置が揃えられ得る。図196に示すように、ステープル70190Cは完全に発射済み位置にあり、ステープル70190Bは発射されるプロセス中であり、ステープル70190Aは未発射位置にある。ステープル70190C及び70190Bの脚部は、組織T、組織厚さコンペンセーター70182の外側層70183A、及び内側層70183Bを通って移動し、ステープルカートリッジの反対側に配置されているアンビル70180に接触する。カプセル70185が破裂すると、カプセル化されていた成分が流出し、例えば、互いに、体液と、及び/又は組織Tと接触することができる。カプセル化成分は、反応して、例えば、ヒドロゲルなどの反応生成物を形成することができ、組織Tとステープルの基部との間を膨張させ、ステープルの脚部に対して組織Tを押し付けることができる。様々な状況において、上記の結果、組織厚さコンペンセーターは、ステープル捕捉領域内の任意の隙間を埋めるように構成することができる。
この組織厚さコンペンセーターは、外科用器具と共に使用するのに好適であり得る。上述のように、この組織厚さコンペンセーターは、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルに関連付けられ得る。この組織厚さコンペンセーターは、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルに適合させるのに好適な任意の形状、サイズ、及び/又は寸法に構成することができる。上述のように、この組織厚さコンペンセーターは、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルに解放可能に取り付けられ得る。この組織厚さコンペンセーターは、ステープルプロセスの前及び最中に、組織厚さコンペンセーターとステープルカートリッジ及び/又はアンビルとの接触を維持できるような、任意の機械的及び/又は化学的様相で、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルに取り付けることができる。この組織厚さコンペンセーターは、ステープルが組織厚さコンペンセーターに穿刺された後、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルから除去又は解放され得る。この組織厚さコンペンセーターは、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルが組織厚さコンペンセーターから離れる際に、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルから除去又は解放され得る。
図191〜193を参照すると、ステープル留め装置70118は、発射部材70124、複数のステープル70128、ナイフエッジ70129、及び組織厚さコンペンセーターを含む、アンビル70120と70130ステープルカートリッジ70122とを含み得る。組織厚さコンペンセーター70130は、少なくとも1つのカプセル化成分を含み得る。このカプセル化成分は、組織厚さコンペンセーターが圧縮、ステープル、及び/又は切断されたときに、破裂し得る。図192を参照すると、例えば、ステープル70128は、脚部が組織厚さコンペンセーター70130を貫通して動き、組織厚さコンペンセーター70130の下側表面及び上側表面を貫通し、組織Tに入り込み、ステープルカートリッジ70118に相対して配置されるアンビル70120に接触するよう、未発射位置と発射済み位置との間に配備することができる。カプセル化成分は、互いに、及び/又は組織厚さコンペンセーター内に埋め込まれ若しくは分散された親水性粉末と、及び/又は体液と反応して、組織厚さコンペンセーター70130を膨張又は膨潤させ得る。脚部がアンビルに当たって変形されると、各ステープルの脚部が、各ステープル70128内で、組織厚さコンペンセーター70130の一部と組織Tの一部とを捕捉し、この組織Tに圧縮力をかけることができる。図192及び193に示すように、この組織厚さコンペンセーター70130は、各ステープル70128内に捕捉された組織Tの厚さを補償することができる。
図197を参照すると、外科用器具70200は、上側組織厚さコンペンセーター70210を含むアンビル70205と、外側層70220及び内側層70225を含む下側組織厚さコンペンセーターを含むステープルカートリッジ70215とを含み得る。上側組織厚さコンペンセーター70210は標的組織の第1側面上に配置することができ、下側組織厚さコンペンセーターは、この組織の第2側面上に配置することができる。例えば、上側組織厚さコンペンセーター70210はORCを含み得、下側組織厚さコンペンセーターの外側層は、その中に埋め込まれたORC粒子を有するヒドロゲルを含み得、組織厚さコンペンセーターの内側層はORCを含み得る。
図200〜202aを参照すると、外科用器具70400は、ステープルカートリッジ70405及びアンビル70410を含み得る。このステープルカートリッジ70405は、生体吸収性フォームを含む組織厚さコンペンセーター70415を含み得る。この生体吸収性フォームは、カプセル化成分70420を含むカプセルを含み得る。この生体吸収性フォームはORCを含み得、このカプセル化成分は、例えば、薬剤を含み得る。アンビル70410の組織厚さコンペンセーター70415は、内側層70425及び外側層70430を含み得る。例えば、内側層70425は生体吸収性フォームを含み得、外側層70430はヒドロゲル(所望により強化材料を含む)を含み得る。代表的な発射シーケンス中に、図201を主に参照すると、スレッド70435は最初にステープル70440Aに接触し、ステープルを上に持ち上げ始めることができる。スレッド70435が更に遠位方向に前進すると、スレッド70435が順に、ステープル70440B〜D、及び他の後続ステープルを、持ち上げ始めることができる。スレッド70435は、ステープル70440を上方向に動かすことができ、これによりステープルの脚部が、相対するアンビル70410に接触し、望ましい形状に変形される。図201に示す発射シーケンスに関して、ステープル70440A〜Cが完全に発射済みの位置に移動しており、ステープル70440Dは発射のプロセス中であり、またステープル70420Eはまだ未発射位置にある。カプセル化成分70470は、代表的な発射シーケンス中にステープル脚部によって破裂され得る。カプセル化成分70420は、ステープル脚部の周囲のカプセルから流出して、組織Tに接触し得る。様々な状況において、組織厚さコンペンセーターの追加の圧縮により、カプセルから追加の薬剤を搾り出すことができる。この薬剤は、組織を速やかに治療し、組織からの出血を低減することができる。
様々な状況において、外科医、又はその他の臨床医が、組織厚さコンペンセーターに流体を送達することによって、そこに保管及び/又は吸収されている少なくとも1つの薬剤を含む組織厚さコンペンセーターを形成することができる。本発明により、ステープルカートリッジ及び/又はアンビルは、組織厚さコンペンセーターへのアクセスを提供するように構成されたポートを含み得る。図203Bを参照すると、ステープルカートリッジ70500は、例えば、その遠位端にポート70505を含み得る。ポート70505は、例えば、図203Aに示す有窓ニードルなどのニードル70510を受容するように構成され得る。臨床医は、ポート70505を通してニードル70510を組織厚さコンペンセーター70515内へと挿入して、組織厚さコンペンセーター70515に流体を送達することができる。この流体は、例えば、薬剤及びヒドロゲル前駆体を含み得る。上述のように、組織厚さコンペンセーターが破裂及び/又は圧縮されると、この流体が、組織厚さコンペンセーターから組織へと放出され得る。例えば、組織厚さコンペンセーター70515が生分解されるに従って、薬剤が組織厚さコンペンセーター70515から放出され得る。
ここで図14を参照すると、ステープルカートリッジ(例えば、ステープルカートリッジ10000)は、支持部分10010と圧縮可能な組織厚さコンペンセーター10020とを含み得る。ここで図16〜18を参照すると、支持部分10010は、支持部分10010内に画定されたデッキ表面10011及び複数のステープル空洞10012を含み得る。各ステープル空洞10012は、例えば、その中にステープル(例えば、ステープル10030)を取り外し可能に保管するような寸法で構成され得る。ステープルカートリッジ10000は更に、複数のステープルドライバー10040を含み得、これはそれぞれ、ステープル10030とステープルドライバー10040が未発射位置にあるときに、ステープル空洞10012内に1つ以上のステープル10030を支持するように構成することができる。例えば、図22及び23を主に参照すると、各ステープルドライバー10040は、例えば、1つ以上の受台(又はトラフ)10041を含み得、これはステープルを支持し、かつステープル10030とステープルドライバー10040との間の相対的な動きを制限するように構成することができる。再び図16を参照すると、ステープルカートリッジ10000は、ステープル発射スレッド10050を更に含み得、これは、ステープルドライバー10040とステープル10030とを、それらの未発射位置から、ステープルカートリッジ10000に相対して配置されているアンビルに向かって連続的に持ち上げるために、ステープルカートリッジの近位端10001から遠位端10002へと動くことができる。図16及び18を主に参照すると、各ステープル10030は、基部10031と、その基部10031から延在する1本又は複数の脚部10032とを含み、各ステープルは、例えば、実質的にU字型及び実質的にV字型の少なくとも1つであり得る。ステープル10030は、ステープル10030が未発射位置にあるときに、ステープル脚部10032の先端が支持部分10010のデッキ表面10011に対して引っ込んでいるように構成することができる。ステープル10030は、ステープル10030が未発射位置にあるときに、ステープル脚部10032の先端が支持部分10010のデッキ表面10011に対して平らになるように構成することができる。ステープル10030は、ステープル10030が未発射位置にあるときに、ステープル脚部10032の先端、又はステープル脚部10032の少なくとも一部が、支持部分10010のデッキ表面10011の上に延出するように構成することができる。そのような場合において、ステープル脚部10032は、ステープル10030が未発射位置にあるときに、組織厚さコンペンセーター10020内に延出し、この中に埋め込まれ得る。例えば、ステープル脚部10032は、デッキ表面10011の上に約0.191cm(0.075”)延出し得る。様々な実施形態において、ステープル脚部10032は、例えば、デッキ表面10011の上に約0.064cm〜約0.318cm(約0.025”〜約0.125”)の距離を延出し得る。上記に対して更に、組織厚さコンペンセーター10020は、例えば、約0.20cm〜約0.318cm(約0.08”〜約0.125”)の未圧縮厚さを備え得る。
使用中、上記に対して更に、図31を主に参照すると、アンビル(例えば、アンビル10060)は、ステープルカートリッジ10000に相対する閉鎖位置に動くことができる。詳しくは後述されるように、アンビル10060は、組織厚さコンペンセーター10020に対するように組織を配置することができ、かつ、例えば、組織厚さコンペンセーター10020を、支持部分10010のデッキ表面10011に対して圧縮することができる。アンビル10060が好適に配置されると、図31にも示されているように、ステープル10030を配備することができる。所望により、前述のように、ステープル発射スレッド10050は、図32に示すように、ステープルカートリッジ10000の近位端10001から、遠位端10002に向かって動くことができる。スレッド10050が前進すると、スレッド10050がステープルドライバー10040に接触して、ステープルドライバー10040をステープル空洞10012内で上方向に持ち上げる。スレッド10050とステープルドライバー10040はそれぞれ、1つ又は2つ以上の傾斜面(斜めの面)を備え得、これが協働して、ステープルドライバー10040を未発射位置から上側に動かすことができる。例えば、図19〜23を参照すると、各ステープルドライバー10040は、少なくとも1つの傾斜面10042を含み得、スレッド10050は、少なくとも1つ又は複数の傾斜面10052を含み得、これは、スレッド10050がステープルカートリッジ内で遠位方向に前進する際に、傾斜面10052が傾斜面10042の下を摺動できるように構成され得る。ステープルドライバー10040がそれぞれのステープル空洞10012内で上側に持ち上げられると、ステープルドライバー10040がステープル10030を上側に持ち上げ、これによりステープル10030がステープルデッキ10011の開口部を通ってステープル空洞10012から上に現われることができる。代表的な発射シーケンス中に、図25〜27を主に参照すると、スレッド10050は最初にステープル10030aに接触し、ステープル10030aを上に持ち上げ始めることができる。スレッド10050が更に遠位方向に前進すると、スレッド10050が順に、ステープル10030b、10030c、10030d、10030e、及び10030f、及び他の後続ステープルを、更に持ち上げ始めることができる。図27に示すように、スレッド10050はステープル10030を上方向に駆動することができ、これによりステープル脚部10032が相対するアンビルに接触し、望ましい形状に変形され、支持部分10010から発射される。様々な状況において、スレッド10030は、発射シーケンスの一部として同時に、いくつかのステープルを上側に動かすことができる。図27に示す発射シーケンスに関して、ステープル10030a及び10030bは、完全に発射済みの位置に動かされ、支持部分10010から発射されており、ステープル10030c及び10030dは発射が進行中で、少なくとも部分的に支持部分10010内に収容されており、ステープル10030e及び10030fはまだ未発射位置にある。
前述のように、図33を参照すると、ステープル10030のステープル脚部10032は、ステープル10030が未発射位置にあるときに、支持部分10010のデッキ表面10011の上に延出し得る。更に、図27に示されるこの発射シーケンスに関して、ステープル10030e及び10030fは未発射位置に図示されており、そのステープル脚部10032は、デッキ表面10011の上に出て、組織厚さコンペンセーター10020内に延出している。ステープル10030が未発射位置にあるときには、ステープル脚部10032の先端、又はステープル脚部10032のいずれの部分も、組織厚さコンペンセーター10020の組織接触上側表面10021を貫通して突出することはできない。ステープル10030が未発射位置から発射済み位置へと動くと、図27に示すように、ステープル脚部の先端が、組織接触表面10032を貫通して突出し得る。ステープル脚部10032の先端は鋭い先端を含み得、これが組織厚さコンペンセーター10020を切開し貫入することができる。組織厚さコンペンセーター10020は複数の開口部を含み得、これはステープル脚部10032を受容して、ステープル脚部10032が組織厚さコンペンセーター10020に対して相対的に摺動することができるように構成され得る。支持部分10010は更に、デッキ表面10011から延出する複数のガイド10013を備え得る。ガイド10013は、デッキ表面10011内のステープル空洞開口部に隣接して配置することができ、これによりステープル脚部10032は、ガイド10013により少なくとも部分的に支持され得る。ガイド10013は、ステープル空洞開口部の近位端及び/又は遠位端に配置され得る。本発明により、第1ガイド10013は、各ステープル空洞開口部の第1端に配置することができ、第2ガイド10013は、各ステープル空洞開口部の第2端に配置することができ、これにより各第1ガイド10013は、ステープル10030の第1ステープル脚部10032を支持することができ、各第2ガイド10013は、ステープルの第2ステープル脚部10032を支持することができる。図33を参照すると、各ガイド10013は、溝又はスロット(例えば、溝10016)を備え得、この中にステープル脚部10032が摺動可能に受容され得る。所望により、各ガイド10013は、デッキ表面10011から延出し得る滑り止め、突起、及び/又はスパイクを含んでもよく、これが組織厚さコンペンセーター10020内に延びることができる。詳しくは後述されるように、滑り止め、突起、及び/又はスパイクは、組織厚さコンペンセーター10020と支持部分10010との間の相対的な動きを低減させることができる。ステープル脚部10032の先端は、ガイド10013内に配置することができ、ステープル10030が未発射位置にあるときに、ガイド10013の上側表面の上に延在することはできない。例えば、ガイド10013はガイド高さを画定し、ステープル10030は未発射位置にあるときにこのガイド高さを超えて延びることはできない。
本発明により、組織厚さコンペンセーター(例えば、組織厚さコンペンセーター10020)は、1枚のシート材料から構成され得る。組織厚さコンペンセーターは、支持部分10010のデッキ上側表面10011全体を覆うことができる、あるいは、デッキ表面10011全体よりも小さい領域を覆うことができる、1枚の連続シート材料を含み得る。シート材料は、支持部分10010のステープル空洞開口部を覆うことができるが、あるいは、シート材料は開口部を含み得、これはステープル空洞開口部と整合、又は少なくとも部分的に整合させることができる。本発明により、組織厚さコンペンセーターは、複数層の材料から構成され得る。ここで図15を参照すると、組織厚さコンペンセーターは、圧縮可能コアと、その圧縮可能コアを包むラップとを含み得る。ラップ10022は、圧縮可能コアを支持部分10010に対して解放可能に保持するように構成され得る。例えば、支持部分10010は、そこから延出する1つ以上の突起(例えば、突起10014(図18))を含み、これは、ラップ10022内に画定された1つ以上の開口部及び/又はスロット(例えば、開口部10024)内に受容され得る。突起10014と開口部10024は、突起10014がラップ10022を支持部分10010に対して固定できるように構成され得る。突起10014の端は、例えば、熱カシメ工程などによって変形させることができ、これにより突起10014の端を大きくし、その結果、ラップ10022と支持部分10010の間の相対的動きを制限することができる。図15に示すように、ラップ10022は1つ以上の穿孔10025を含み、これがラップ10022を支持部分10010から剥がすのを促進し得る。ここで図24を参照すると、組織厚さコンペンセーターは、複数の開口部10223を備えるラップ10222を備え得、開口部10223は、支持部分10010のステープル空洞開口部に整合、又は少なくとも部分的に整合し得る。組織厚さコンペンセーターのコアも、開口部を備え得、これらは、ラップ10222の開口部10223に整合、又は少なくとも部分的に整合し得る。あるいは、組織厚さコンペンセーターのコアは連続体を備え得、これは、連続体がデッキ表面10011のステープル空洞開口部を覆うように、開口部10223の下側に延在させることができる。
所望により、上述のように、組織厚さコンペンセーターは、圧縮可能コアを支持部分10010に対して解放可能に保持しているラップを含み得る。例えば、図16を参照すると、ステープルカートリッジは更に保持クリップ10026を含み得、これは、ラップ及び圧縮可能コアが、支持部分10010から時期尚早に外れるのを阻止するように構成することができる。所望により、各保持クリップ10026は開口部10028を備え得、これは、支持部分10010から延在する突起10014を受容し、これにより保持クリップ10026が支持部分10010に固定され得るように構成され得る。保持クリップ10026は、それぞれ、少なくとも1つの皿状部分10027を備え得、これは支持部分10010の下側に延在し、ステープルドライバー10040を支持部分10010内に保持することができる。上述のように、組織厚さコンペンセーターは、ステープル10030によって支持部分10010に取り外し可能に取り付けることができる。より具体的には、これも上述のように、ステープル10030が未発射位置にあるときに、ステープル10030の脚部が組織厚さコンペンセーター10020内に延びることができ、その結果、組織厚さコンペンセーター10020を支持部分10010に解放可能に保持することができる。ステープル10030の脚部は、各ステープル空洞10012の側壁と接触状態にあり得、ステープル脚部10032と側壁との間の摩擦のおかげで、ステープル10030がステープルカートリッジ10000から配備されるまでの間、ステープル10030と組織厚さコンペンセーター10020が定位置に保持され得る。ステープル10030が配備されたとき、組織厚さコンペンセーター10020は、ステープル10030内に捕捉され、ステープル適用された組織Tに対して保持され得る。次にアンビルが開位置に動いて組織Tを解放すると、組織に固定されている支持部分10010が組織厚さコンペンセーター10020から離れるように動くことができる。接着剤を使用して、組織厚さコンペンセーター10020を支持部分10010に取り外し可能に保持することができる。2成分接着剤を使用することができ、接着剤第1成分をデッキ表面10011上に配置し、接着剤第2成分を組織厚さコンペンセーター10020上に配置することができ、これにより、組織厚さコンペンセーター10020がデッキ表面10011に相対して配置されたときに、第1成分が第2成分と接触して接着剤を活性化させ、組織厚さコンペンセーター10020を支持部分10010に対して取り外し可能に結合させることができる。所望により、任意の他の好適な手段を使用して、組織厚さコンペンセーターをステープルカートリッジの支持部分に取り外し可能に保持することができる。
上記に対して更に、スレッド10050を近位端10001から遠位端10002に前進させて、ステープルカートリッジ10000内に収容されているステープル10030全てを完全に配備させることができる。ここで図56〜60を参照すると、スレッド10050は、外科用ステープラーの発射部材(又はナイフバー)10052によって、支持部分10010内の長手方向空洞10016内で遠位方向に前進することができる。使用中、ステープルカートリッジ10000は、外科用ステープラーのジョー内のステープルカートリッジチャネル(例えば、ステープルカートリッジチャネル10070)に挿入され、これにより、図56に示すように、発射部材10052が前進してスレッド10050に接触することができる。スレッド10050が発射部材10052によって遠位方向に前進すると、スレッド10050が最も近位側のステープルドライバー(又はドライバー10040)に接触でき、上述のように、カートリッジ本体10010からステープル10030を発射又は発出させることができる。図56に示すように、発射部材10052は更に刃先10053を含み得、ステープル10030が発射されると、これが、支持部分10010内のナイフスロットを通って遠位方向に前進し得る。本発明により、対応するナイフスロットは、ステープルカートリッジ10000に相対して配置されるアンビルを貫通して延在することができ、これにより、刃先10053がアンビルと支持部分10010との間に延在し、その間にある組織及び組織厚さコンペンセーターを切断することができる。様々な状況において、スレッド10050は、図58に示すように、スレッド10050がステープルカートリッジ10000の遠位端10002に達するまで、発射部材10052により遠位側に前進することができる。その時点において、発射部材10052は近位側に後退させることができる。スレッド10050は、発射部材10052で近位側に後退させることができるが、様々な実施形態において、ここで図59を参照すると、スレッド10050は、発射部材10052が後退したときに、ステープルカートリッジ10000の遠位端10002側に残され得る。発射部材10052が十分に後退すると、アンビルが再び開き、組織厚さコンペンセーター10020が支持部分10010から離れ、消費されたステープルカートリッジ10000の残りの非インプラント部分(支持部分10010を含む)が、ステープルカートリッジチャネル10070から除去され得る。
消費されたステープルカートリッジ10000がステープルカートリッジチャネルから除去された後、上記に対して更に、新しいステープルカートリッジ10000、又は任意の他の好適なステープルカートリッジを、ステープルカートリッジチャネル10070に挿入することができる。上記に対して更に、ステープルカートリッジチャネル10070、発射部材10052、及び/又はステープルカートリッジ10000は、協働機能を構成することができ、これは、ステープルカートリッジチャネル10070内に配置される新しい(又は未発射の)ステープルカートリッジ10000なしに、2回目(又は後続)に発射部材10052が遠位側に前進するのを阻止することができる。より具体的には、再び図56を参照すると、発射部材10052が前進してスレッド10050に接触し、スレッド10050が近位側の未発射位置にあるとき、発射部材10052の支持ノーズ10055は、スレッド10050の支持棚部10056の上及び/又は上方に配置することができ、これにより、発射部材10052が十分に上側の位置に保持され、発射部材10052から延びるロック(又はビーム)10054が、ステープルカートリッジチャネル内に画定されるロック凹部内に落ちるのを防ぐことができる。ロック10054がロック凹部に落ちない場合、そのような状況において、ロック10054は、発射部材10052が前進する際に、ロック凹部の遠位側側壁10057に接しない。発射部材10052がスレッド10050を遠位側に押すと、発射部材10052は、支持棚部10056の上に乗った支持ノーズ10055のおかげで、上側の発射位置に支持され得る。発射部材10052がスレッド10050に対して後退されると、前述のように、かつ図59に示すように、支持ノーズ10055がスレッド10050の支持棚部10056の上に乗った状態ではなくなり、発射部材10052がその上側位置から下に向かって落ち得る。例えば、外科用ステープルは、ばね10058、及び/又は任意の他の好適な付勢構成要素を含み得、これは、発射部材10052を下側位置に付勢するように構成され得る。発射部材10052がいったん完全に後退すると、図60に示すように、発射部材10052は使用済みステープルカートリッジ10000を通って再び遠位方向に前進することはできない。より具体的には、スレッド10050は、操作シーケンスのこの時点において、ステープルカートリッジ10000の遠位端10002に残されているため、発射部材10052は、スレッド10050によって上位置に保持されることができない。よって、前述のように、発射部材10052が再び、ステープルカートリッジの交換なしに前進された場合、ロックビーム10054がロック凹部の側壁10057に接触し、これにより発射部材10052がステープルカートリッジ10000に対して再び遠位方向に前進するのを妨げる。換言すれば、使用済みステープルカートリッジ10000を新しいステープルカートリッジと交換すれば、その新しいステープルカートリッジは近位側に配置されたスレッド10050を有し、これが発射部材10052を上側位置に保持することができ、発射部材10052が再び遠位方向に前進するのが可能になる。
上述のように、スレッド10050は、支持部分10010からステープル10030を発射するために、第1の未発射位置と、第2の発射済み位置との間で、ステープルドライバー10040を動かすように構成することができる。ステープル10030が支持部分10010から発射された後、ステープルドライバー10040は、ステープル空洞10012内に受容され得る。支持部分10010は1つ以上の保持機構を構成することができ、これは、ステープルドライバー10040がステープル空洞10012から発射され又は脱落するのを阻止するように構成され得る。あるいは、スレッド10050は、ステープル10030内の支持部分10010からステープルドライバー10040を発射するように構成することができる。例えば、ステープルドライバー10040は、生体吸収性及び/又は生体適合性の材料(例えば、Ultemなど)から構成され得る。ステープルドライバーは、ステープル10030に取り付けることができる。例えば、ステープルドライバーは、ドライバーがステープルと一体成形されるように、各ステープル10030の基部の上及び/又は周囲に成形することができる。米国特許出願番号第11/541,123号「SURGICAL STAPLES HAVING COMPRESSIBLE OR CRUSHABLE MEMBERS FOR SECURING TISSUE THEREIN AND STAPLING INSTRUMENTS FOR DEPLOYING THE SAME」(2006年9月29日出願)が、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
上述のように、外科用ステープリング器具は、ステープルカートリッジと、ステープルカートリッジチャネルに回転可能に連結されたアンビルと、アンビル及びステープルカートリッジチャネルに対して移動可能なナイフエッジを含む発射部材とを受容するように構成された、ステープルカートリッジチャネルを含み得る。使用中、ステープルカートリッジはステープルカートリッジチャネル内に配置され、ステープルカートリッジが少なくとも部分的に消費された後、ステープルカートリッジをステープルカートリッジチャネルから取り出し、新しいステープルカートリッジに交換することができる。例えば、外科用ステープリング器具のステープルカートリッジチャネル、アンビル、及び/又は発射部材は、交換用ステープルカートリッジと共に最使用することができる。あるいは、ステープルカートリッジは、使い捨て搭載ユニットアセンブリの一部を含むことができ、これには、ステープルカートリッジチャネル、アンビル、及び/又は発射部材が含まれ得、例えば、これは、使い捨て搭載ユニットアセンブリの交換の一環として、ステープルカートリッジと共に交換することができる。特定の使い捨て搭載ユニットアセンブリは、米国特許出願第12/031,817号「END EFFECTOR COUPLING ARRANGEMENTS FOR A SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」(2008年2月15日出願)に開示されており、この開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
組織厚さコンペンセーターは、本明細書に記述される合成及び/又は非合成材料のうち少なくとも1つを含む、押出成形可能、注型成形可能、及び/又は成形可能な組成物を含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、2枚以上の層を含むフィルム又はシートを含み得る。この組織厚さコンペンセーターは、例えば、混合、ブレンド、調合、スプレー、吸い上げ、溶媒蒸発、液浸、ブラッシング、蒸着、押出、カレンダー加工、注型成形、金型成形、及び同様物などの従来方法を使用して得ることができる。押出成形において、開口部は、得られる押出品に形状を付与するような少なくとも1つの開口部を含むダイの形状であり得る。カレンダー処理において、開口部は、2本のロールの間のニップを含み得る。従来の成形方法には、ブロー成形、射出成形、フォーム射出、圧縮成形、熱成形、押出、フォーム押出、フィルムブロー、カレンダー加工、スピン加工、溶媒溶接、コーティング法(例えば、ディップコーティング及びスピンコーティング)、溶液鋳造及びフィルム鋳造、プラスチゾル処理(ナイフコーティング、ローラーコーティング及び注型成形を含む)、並びにこれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。射出成形において、開口部は、ノズル及び/又はチャネル/ランナー及び/又は成形型空洞及び形状を含み得る。圧縮成形において、組成物は成形型空洞内に配置され、好適な温度に加熱され、比較的高圧での圧縮にさらすことによって成形され得る。注型成形において、組成物は液体又はスラリーを含み得、これらは、成形型、又は、成形型若しくは物品の形状を複製する物品の中、上、及び/又は周囲に注がれるか又は他の方法で提供され得る。注型成形後、組成物を乾燥させ、冷却し、及び/又は硬化させて固形物を形成することができる。
本発明により、組織厚さコンペンセーターの製造方法は概ね、組織厚さコンペンセーター組成物を提供することと、その組成物を液化して流動化させることと、その溶融状態、半溶融状態、又は可塑性状態の組成物を、望ましい厚さを有する層及び/又はフィルムに形成することと、を含み得る。図198Aを参照すると、組織厚さコンペンセーターは、ヒドロゲル前駆体を水溶液に溶解することと、生体適合性粒子及び/又は繊維をその中に分散させることと、中に生体適合性粒子を有する成形型を提供することと、その溶液をその成形型に供給することと、アクチベーターとその溶液とを接触させることと、その溶液を硬化させて、生体適合性粒子を含む外側層と、中に埋め込まれた生体適合性粒子を含む内側層とを含む組織厚さコンペンセーターを形成することによって、製造され得る。図198Aに示されているように、生体適合性層70250は、成形型70260の底に提供され、中に堆積した生体適合性粒子70257を有するヒドロゲル前駆体70255の水溶液を、成形型70260に供給することができ、この水溶液を硬化させて、生態的合成材料(例えば、ORC)を含む第1層と、中に配置された生態的合成繊維(例えば、ORC)を有するヒドロゲルを含む第2層とを有する、組織厚さコンペンセーターを形成することができる。組織厚さコンペンセーターは、生体適合性粒子を含む外側層と、中に埋め込まれた生体適合性粒子を含む内側層とを含む、フォームを含み得る。組織厚さコンペンセーターは、アルギン酸ナトリウム(sodium alginater)を水に溶かすことと、その中にORC粒子を分散させることと、中にORC粒子を有する成形型を提供することと、その溶液をその成形型に注ぐことと、塩化カルシウムをスプレー又は吹き込んで溶液に接触させることによりアルギン酸ナトリウムの架橋を開始させることと、このヒドロゲルを凍結乾燥させて、ORCを含む外側層と、ヒドロゲル及び中に埋め込まれたORC粒子を含む内側層とを含む組織厚さコンペンセーターを形成することによって、製造され得る。
図198Bを参照すると、3層組織厚さコンペンセーターを製造する一方法は、第1水溶液に第1ヒドロゲル前駆体を溶かすことと、生体適合性粒子及び/又は繊維を第1水溶液に分散させることと、中に生体適合性粒子の第1層70250を有する成形型70260を提供することと、第1水溶液を成形型に供給することと、アクチベーターと第1水溶液とを接触させることと、第1溶液を硬化させて第2層70255を形成することと、第2ヒドロゲル前駆体を第2水溶液に溶かすことと、第2水溶液を成形型に供給することと、第2水溶液を硬化させて第3層70265を形成することと、を含み得る。3層組織厚さコンペンセーターは、アルギン酸ナトリウムを水に溶かして第1水溶液を形成することと、ORC粒子を第1水溶液に分散させることと、中にORC粒子の第1層を有する成形型を提供することと、第1水溶液を成形型に注ぐことと、塩化カルシウムをスプレー又は吹き込んで溶液に接触させることによりアルギン酸ナトリウムの架橋を開始させることと、第1水溶液を凍結乾燥させて、中に埋め込まれたORC粒子を有するヒドロゲルを含む第2層を形成することと、アルギン酸ナトリウムを水に溶かして第2水溶液を形成することと、第2水溶液を成形型に注ぐことと、塩化カルシウムをスプレー又は吹き込んで溶液に接触させることによりアルギン酸ナトリウムの架橋を開始させることと、第2水溶液を凍結乾燥させて、ヒドロゲルを含む第3層を形成することによって、製造され得る。
本発明により、中に保管及び/又は吸収された少なくとも1つの薬剤を含む組織厚さコンペンセーターの製造方法は、概ね、組織厚さコンペンセーターを提供することと、その組織厚さコンペンセーターを薬剤と接触させて、その薬剤が組織厚さコンペンセーター内に保持されるようにすることと、を含み得る。抗菌材料を含む組織厚さコンペンセーターの製造方法は、ヒドロゲルを提供することと、ヒドロゲルを乾燥させることと、そのヒドロゲルを硝酸銀水溶液中で膨潤させることと、そのヒドロゲルと塩化ナトリウム溶液とを接触させて、抗菌特性を有する組織厚さコンペンセーターを形成することと、を含み得る。組織厚さコンペンセーターは、中に分散された銀を含み得る。
図204を参照すると、組織厚さコンペンセーターを製造するための一方法は、共押出及び/又は接着を含み得る。組織厚さコンペンセーター70550は、例えば、ヒドロゲルを含む内側層70565を密封的に閉じ込める第1層70555及び第2層70560を含む積層体を含み得る。このヒドロゲルは、例えば、乾燥フィルム、乾燥フォーム、粉末、及び/又は顆粒を含み得る。このヒドロゲルは、例えば、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリスルフルプロピルアクリレートなどの超吸収性材料を含み得る。第1層及び/又は第2層は、それぞれ第1層及び第2層の原材料を、ホッパーから押出成形機に供給し、これによって第1層及び第2層を供給することにより、インラインで作製することができる。内側層70565の原材料は、押出成形機のホッパーに加えることができる。原材料は、押出成形機の高温で、分散的に混合され調合され得る。原材料が開口部でダイ70570から出る際に、内側層70565が第1層70555の表面に堆積され得る。組織厚さコンペンセーターは、フォーム、フィルム、粉末、及び/又は顆粒を含み得る。第1及び第2層70555及び70560は、対向した位置関係に配置され得る。第2層70560は、ローラー70575によって、対向した位置関係で第1層70555に揃えることができる。第1層70555は、第2層70560に接着することができ、第1及び第2層70555、70560は、内側層70565を物理的に閉じ込め得る。層は、例えば、軽い圧力、従来のカレンダー接着プロセス、及び/又は接着剤の使用を介して互いに接合させ、組織厚さコンペンセーター70550を形成することができる。図78に示すように、第1及び第2層70555及び70560は、例えば、溝付きローラー70580を利用するロールプロセスにより互いに接合させることができる。所望により、上記の結果として、内側層70565は、集合的に外側層又はバリアを形成し得る第1及び第2層70555及び70560によって、内包及び/又は密封され得る。外側層は、外側層が破裂するまで、内側層70565に湿気が接触するのを防止又は低減し得る。
図61を参照すると、外科用器具10のエンドエフェクタ12(図1)は、例えば、ステープルカートリッジ20000などの、締結具カートリッジアセンブリを受容するように構成することができる。図61に示すように、ステープルカートリッジ20000は、エンドエフェクタ12のジョー20070のカートリッジチャネル20072内に適合するように構成することができる。あるいは、ステープルカートリッジ20000は、エンドエフェクタ12に一体化していてもよく、これによりステープルカートリッジ20000とエンドエフェクタ12が単一のユニット構成体を形成し得る。ステープルカートリッジ20000は、例えば、剛体の指示部分20010などの、第1本体部分を含み得る。ステープルカートリッジ20000は更に、例えば、圧縮可能部分又は組織厚さコンペンセーター20020などの、第2本体部分を含み得る。あるいは、組織厚さコンペンセーター20020は、ステープルカートリッジ20000の一体化した部分を構成しないが、エンドエフェクタ12に対して異なった様相で配置することができる。例えば、組織厚さコンペンセーター20020は、エンドエフェクタ12のアンビル20060に固定することができ、あるいは、他の様相でエンドエフェクタ12内に保持することができる。図78を参照すると、ステープルカートリッジは更に保持クリップ20126を含み得、これは、組織厚さコンペンセーター20020が、支持部分20010から時期尚早に外れるのを阻止するように構成することができる。読者には、本明細書に記述される組織厚さコンペンセーターが様々なエンドエフェクタ内に設置又は他の様相で係合され得ること、及びこれらが本開示の範囲内であることが、理解されよう。
ここで図78を参照すると、本明細書に記述される組織厚さコンペンセーターと同様、組織厚さコンペンセーター20020は、外科用エンドエフェクタ12から放出又は解放され得る。例えば、ステープルカートリッジ20000の剛性支持部分20010は、エンドエフェクタジョー20070の締結具カートリッジチャネル20072に係合したまま、剛性支持部分20010から組織厚さコンペンセーター20020を解放することができる。組織厚さコンペンセーター20020は、ステープル20030(図78〜83)が剛性支持部分2010内のステープル空洞20012から配備された後、エンドエフェクタ12から放出され得る。ステープル20030は、ステープル空洞20012から発射され、これによってステープル20030は組織厚さコンペンセーター20020に係合できる。また、図63、82及び83を全般に参照すると、ステープル20030は、ステープル係合された組織Tと一緒に組織厚さコンペンセーター20020の一部を捕捉することができる。組織厚さコンペンセーター20020は変形可能であってもよく、発射されたステープル20030内に捕捉された組織厚さコンペンセーター20020は圧縮され得る。本明細書に記述される組織厚さコンペンセーターと同様に、組織厚さコンペンセーター20020は、各ステープル20030内に捕捉された組織Tの様々な厚さ、圧縮性、及び/又は密度を補償することができる。更に、これも本明細書に記述されるように、組織厚さコンペンセーター20020は形成不良のステープル20030により生じた隙間を補償することができる。
組織厚さコンペンセーター20020は、非圧縮高さと圧縮高さの間で圧縮可能である。図78を参照すると、組織厚さコンペンセーター20020は、上表面20021及び下表面20022を有し得る。組織厚さコンペンセーターの高さは、上表面20021と下表面20022の間の距離であり得る。組織厚さコンペンセーター20020の非圧縮高さは、組織厚さコンペンセーター20020にかかる力が最小限又は力がかかっていないとき、すなわち組織厚さコンペンセーター20020が圧縮されていないときの、上表面20021と下表面20022との間の距離であり得る。組織厚さコンペンセーター20020の圧縮高さは、組織厚さコンペンセーター20020に力が印加されているとき、例えば、発射されたステープル20030が組織厚さコンペンセーター20020の一部を捕捉しているときの、上表面20021と下表面20022との間の距離であり得る。組織厚さコンペンセーター20020は、遠位端20025及び近位端20026を有し得る。図78に示すように、組織厚さコンペンセーター20020の非圧縮高さは、組織厚さコンペンセーター20020の遠位端20025と近位端20026との間で均一であり得る。あるいは、非圧縮高さは、遠位端20025と近位端20026との間で変化してもよい。例えば、組織厚さコンペンセーター20020の上表面20021及び/又は下表面20022は、他方に対して傾斜及び/又は階段状であってもよく、これにより非圧縮高さは近位端20026と遠位端20025の間で変化し得る。組織厚さコンペンセーター20020の非圧縮高さは、例えば、約0.20センチメートル(0.08インチ)であり得る。あるいは、組織厚さコンペンセーター20020の非圧縮高さは、例えば、約0.064センチメートル〜約0.25センチメートル(約0.025インチ〜約0.10インチ)であり得る。
本明細書で詳述されるように、組織厚さコンペンセーター20020は、その近位端20026と遠位端20025の間で、異なる圧縮高さに圧縮され得る。あるいは、組織厚さコンペンセーター20020は、その長さ全体にわたって均一に圧縮され得る。組織厚さコンペンセーター20020の圧縮高さは、例えば、エンドエフェクタ12の形状、組織厚さコンペンセーター20020、係合している組織T及び/又はステープル20030の特性に依存し得る。組織厚さコンペンセーター20020の圧縮高さは、エンドエフェクタ12の組織隙間に関連し得る。所望により、アンビル20060がステープルカートリッジ20000に向かってクランプされるとき、組織隙間は、例えば、ステープルカートリッジ20000のデッキ表面20011(図78)と、アンビル20060の組織接触表面20061(図61)との間で画定され得る。組織隙間は、例えば、約0.064センチメートル又は約0.254センチメートル(約0.025インチ又は約0.100インチ)であり得る。組織隙間は、例えば、約0.750ミリメートル又は約3.500ミリメートルであり得る。組織厚さコンペンセーター20020の圧縮高さは、例えば、組織隙間に等しいか又は実質的に等しくてもよい。組織Tがエンドエフェクタ12の組織隙間に配置される場合、組織厚さコンペンセーターの圧縮高さは、組織Tに適合させるために、より小さい値になり得る。例えば、組織隙間が約0.750ミリメートルの場合、組織厚さコンペンセーターの圧縮高さは約0.500ミリメートルであり得る。組織隙間が約3.500ミリメートルの場合、組織厚さコンペンセーターの圧縮高さ20020は、例えば、約2.5mmであり得る。更に、組織厚さコンペンセーター20020は最小圧縮高さを含み得る。例えば、組織厚さコンペンセーターの最小圧縮高さ20020は約0.250ミリメートルであり得る。ステープルカートリッジのデッキ表面とアンビルの組織接触表面との間に画定される組織隙間は、例えば、組織厚さコンペンセーターの非圧縮高さに等しいか、又は少なくとも実質的に等しくてもよい。
図62を参照すると、組織厚さコンペンセーター20020は、繊維20082を含む繊維性の不織布材料20080を含み得る。組織厚さコンペンセーター20020は、フェルト又はフェルト状材料を含み得る。不織布材料20080中の繊維20082は、当該技術分野において既知の任意の方法により互いに結合させることができ、これには、例えば、ニードルパンチ、熱接着、水流交絡、超音波パターン接着、化学接着、及びメルトブローン接着が挙げられるが、これらに限定されない。更に、不織布材料20080の層は、機械的、熱的、又は化学的に結合されて、組織厚さコンペンセーター20020を形成し得る。本明細書で詳述されるように、繊維性の不織布材料20080は圧縮可能であってもよく、これにより組織厚さコンペンセーター20020の圧縮が可能になり得る。組織厚さコンペンセーター20020は、非圧縮性部分も含み得る。例えば、組織厚さコンペンセーター20020は、圧縮性の不織布材料20080と非圧縮性の部分とを含み得る。
引き続き主に図62を参照すると、不織布材料20080は複数の繊維20082を含み得る。不織布材料20080中の繊維20082の少なくともいくつかは、捲縮繊維20086であり得る。捲縮繊維20086は、例えば、不織布材料20080内で、捲縮、ねじれ、コイル状、折れ曲がり、復元力、スパイラル、カール、及び/又は曲がっていてもよい。本明細書で詳述されるように、捲縮繊維20086は、捲縮繊維20086の変形がばね負荷又は復元力を生成するような、任意の形状に形成し得る。捲縮繊維20086は、熱形成により、コイル状又は実質的にコイル様の形状を形成し得る。捲縮繊維20086は、非捲縮繊維20084から形成され得る。例えば、非捲縮繊維20084は、加熱したマンドレル周囲に巻き付けて、実質的にコイル様の形状を形成することができる。
組織厚さコンペンセーター20020は、均質な吸収性ポリマーマトリックスを含み得る。均質な吸収性ポリマーマトリックスは、例えば、フォーム、ゲル、及び/又はフィルムを含み得る。更に、複数の繊維20082が、均質な吸収性ポリマーマトリックス全体にわたって分散し得る。均質な吸収性ポリマーマトリックス内の繊維20082の少なくとも一部が、例えば、捲縮繊維20086であり得る。本明細書で詳述されるように、組織厚さコンペンセーター2002の均質な吸収性ポリマーマトリックスは圧縮可能であり得る。
図65及び66を参照すると、捲縮繊維20086は、不織布材料20080の少なくとも一部分にわたって不規則に分散され得る。例えば、捲縮繊維20086は、不織布材料20080全体にわたって不規則に分散されており、これによって不織布材料20080の一部が、不織布材料20080の他の部分よりも多くの捲縮繊維20086を含み得る。更に、捲縮繊維20086は、例えば、不織布材料20080内の繊維クラスター20085a、20085b、20085c、20085d及び20085eにおいて凝集し得る。捲縮繊維20086の形状は、不織布材料20080の製造中に繊維20086の交絡を生じ得る。捲縮繊維20086の交絡により、繊維クラスター20085a、20085b、20085c、20085d及び20085eの形成が生じ得る。加えて又は別の方法として、捲縮繊維20086は不織布材料20080全体にわたって不規則に向いている。例えば、図62を参照すると、第1捲縮繊維20086aは第1方向を向き、第2捲縮繊維20086bは第2方向を向き、第3捲縮繊維20086cは第3方向を向いている。
捲縮繊維20086は、不織布材料20080の少なくとも一部分にわたって、系統的に配分及び/又は配置され得る。例えば、ここで図67、捲縮繊維20186は配列20185に配置することができ、複数の捲縮繊維20186aは第1方向に配置され、別の複数の捲縮繊維20186bは第2方向に配置される。捲縮繊維20186は、互いに交絡又は相互結合するよう重なり合うことができる。捲縮繊維20186は、捲縮繊維20186aが別の捲縮繊維20186aに対して実質的に平行になるように、系統的に配置することができる。更に別の捲縮繊維20186bが、いくつかの捲縮繊維20186aを実質的に横切ることができる。所望により、捲縮繊維20186aは、第1軸Yに実質的に揃っていてもよく、捲縮繊維20186bは、第2軸Xに実質的に揃っていてもよい。第1軸Yは、例えば、第2軸Xに対して垂直又は実質的に垂直であり得る。
主に図68を参照すると、捲縮繊維20286は、配列20285に配列され得る。各捲縮繊維20286は、捲縮繊維20286の第1端20287と第2端20289の間に画定される長手方向軸を含み得る。捲縮繊維20286は不織布材料20080内に系統的に分布することができ、これによって、1つの捲縮繊維20286の第1端20287が、別の捲縮繊維20286の第2端20289に隣接するよう配置され得る。あるいは、ここで図69を参照すると、繊維配列20385は、第1方向を向いた第1捲縮繊維20386a、第2方向を向いた第2捲縮繊維20386b、及び第3方向を向いた第3捲縮繊維20386cを含み得る。本発明により、捲縮繊維20286の単一のパターン又は配列が、不織布材料20080全体にわたって繰り返され得る。捲縮繊維は、不織布材料20080全体にわたって異なるパターンで配列され得る。別の代替方法として、不織布材料20080は、少なくとも1つのパターンの捲縮繊維を含み、また、不規則な方向の、及び/又は不規則に分配された、複数の捲縮繊維を含み得る。
図62を再び参照すると、不織布材料20080中の複数の繊維20082は、少なくともいくつかの非捲縮繊維20084を含み得る。不織布材料20080中の非捲縮繊維20084と捲縮繊維20086は、交絡又は相互接続され得る。捲縮繊維20086と非捲縮繊維20084との比は、例えば、約25:1であり得る。あるいは、捲縮繊維20086と非捲縮繊維20084との比は、例えば、約1:25であり得る。あるいは、捲縮繊維20086と非捲縮繊維20084との比は、例えば、約1:1であり得る。本明細書で詳述されるように、不織布材料20080の単位体積あたりの捲縮繊維20086の数は、不織布材料20080が変形されたときの、不織布材料20080によって生成される復元力に影響し得る。また本明細書に詳述されるように、この不織布材料20080により生成される復元力は更に、例えば、不織布材料20080中の捲縮繊維及び非捲縮繊維20086、20084の材料、形状、寸法、位置、及び/又は向きに依存し得る。
不織布材料20080の繊維20082は、ポリマー組成物を含み得る。繊維20082のポリマー組成物は、非吸収性ポリマー、吸収性ポリマー、又はこれらの組み合わせを含み得る。吸収性ポリマーは、生体吸収性、生体適合性のエラストマーポリマーを含み得る。更に、繊維20082の組成物は、合成ポリマー、非合成ポリマー、又はこれらの組み合わせを含み得る。合成ポリマーの例としては、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジオキサノン(PDO)、及びこれらのコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、繊維20082には、90/10ポリ(グリコリド−L−ラクチド)コポリマーを含み得、例えば、商品名「VICRYL(polyglactic 910)」としてEthicon、Inc.から市販されているコポリマーが含まれ得る。非合成ポリマーの例には、凍結乾燥した多糖類、糖たんぱく、エラスチン、プロテオグリカン、ゼラチン、コラーゲン、及び酸化再生セルロースが挙げられるが、これらに限定されない。所望により、本明細書に記述される組織厚さコンペンセーターのポリマー組成物と同様に、繊維20082のポリマー組成物には、例えば、吸収性ポリマー、非吸収性ポリマー、合成ポリマー、及び/又は非合成ポリマーが、様々な重量パーセントの量で含まれ得る。
不織布材料20080の捲縮繊維20086は、第1ポリマー組成物を含み得、不織布材料20080の非捲縮繊維20084は、異なるポリマー組成物を含み得る。例えば、捲縮繊維20086は、例えば、90/10ポリ(グリコリド−L−ラクチド)などの合成ポリマーを含み得、一方非捲縮繊維20084は、例えば、酸化再生セルロースなどの非合成ポリマーを含み得る。あるいは、捲縮繊維20086及び非捲縮繊維20084は同じポリマー組成物を含み得る。
上述のように、捲縮繊維20086及び非捲縮繊維20084は、例えば、ニードルパンチ、熱接着、水流交絡、超音波パターン接着、化学接着、及びメルトブローン接着によって互いに結合され得る。例えば、「VICRYL(polyglactic 910)」などの合成ポリマーを含む捲縮繊維20086と、酸化再生セルロースを含む非捲縮繊維20084は、合わせてニードルパンチを行い、不織布材料20080を形成することができる。不織布材料20080は、例えば、約5重量%〜50重量%の捲縮「VICRYL(polyglactic 910)」繊維20086と、約5重量%〜50重量%の非捲縮酸化再生セルロース(ORC)繊維20084とを含み得る。不織布材料20080が組織Tに接触すると、非捲縮ORC繊維20084は、例えば、組織内の血漿と急速に反応して、ゼラチン状の塊を形成することができる。ゼラチン状のORCの塊の形成は、組織接触により即時又はほぼ即時に起こり得る。更に、ゼラチン状のORCの塊が形成された後、捲縮「VICRYL(polyglactic 910)」繊維20086は、不織布材料20080全体にわたって分散されたままであり得る。例えば、捲縮繊維20086は、ゼラチン状のORCの塊中に懸濁していてもよい。本明細書で詳述されるように、ゼラチン状のORCの塊が生体吸収されると、捲縮「VICRYL(polyglactic 910)」繊維20086は、隣接する組織にばね戻り力を印加することができる。更に、本明細書で詳述されるように、組織が「VICRYL(polyglactic 910)」繊維及び/又は形成されたステープル30030の周囲で治癒し始めることができる。
主に図78〜81を参照すると、ステープルカートリッジ20000の支持部分20010は、カートリッジ本体20017、上デッキ表面20011、及び複数のステープル空洞20012を含み得る。各ステープル空洞20012は、デッキ表面20011内に開口部を画定し得る。ステープル20030は、ステープル空洞20012内に取り外し可能に配置することができる。本発明により、1つのステープル20030が各ステープル空洞20012内に配置される。図82及び83を主に参照すると、本明細書に記述されるステープルと同様、各ステープル20030は、第1端20035及び第2端20036を有する基部20031を含み得る。ステープル脚部20032は、基部20031の第1端20035から延出していてもよく、もう一方のステープル脚部20032は、基部20031の第2端20036から延出していてもよい。再び図78〜81を参照すると、ステープル20030を配備する前に、各ステープル20030の基部20031が、ステープルカートリッジ20000の剛性支持部分20010内に配置されたステープルドライバー20040によって支持され得る。また、ステープル20030の配備前に、各ステープル20030の脚部20032が、ステープル空洞20012内に少なくとも部分的に収容され得る。
ステープル20030は、初期位置と発射済み位置との間に配備され得る。例えば、主に図81を参照すると、ステープル20030は、初期位置(ステープル20030e、20030f)、部分的に発射又は中間位置(ステープル20030c、20030d)、又は発射済み位置(ステープル20030a、20030b)にあり得る。ドライバー20040は、初期位置と発射済み位置の間でステープルを動かし得る。例えば、各ステープル20030の基部20031は、ドライバー20040により支持され得る。ステープル(例えば、図80のステープル20030e、20030f)の脚部20032は、ステープル空洞20012内に配置され得る。発射部材又はステープル発射スレッド20050が、ステープルカートリッジ20000の近位端20001から遠位端20002へと並進する際、スレッド20050上の傾斜表面20051が、ドライバー20040上の傾斜表面20042に接触して、接触しているドライバー20040の上に配置されているステープル20030を配備することができる。ステープル20030は、初期位置と発射済み位置との間に配備することができ、これによって脚部20032が組織厚さコンペンセーター20020の不織布材料20080を貫通して動き、組織厚さコンペンセーター20020の上側表面20021を貫通し、組織Tに入り込み、エンドエフェクタ12のステープルカートリッジ20000に相対して配置されたアンビル20060(図61)に接触する。ステープル脚部20032は、アンビル20060に当たって変形され、各ステープル20030の脚部20032は、不織布材料20080の一部及び組織Tの一部を捕捉することができる。
発射配置(図82及び83)において、各ステープル20030は、ステープル20030内に捕捉された組織T及び組織厚さコンペンセーター20020に対して圧縮力を印加することができる。主に図80及び81を参照すると、各ステープル20030の脚部20032は、ステープル20030の基部20031に向かって下向きに変形され、ステープル捕捉領域20039を形成し得る。ステープル捕捉領域20039は、組織T及び組織厚さコンペンセーター20020が、発射されたステープル20030によって捕捉され得る領域であり得る。様々な状況において、ステープル捕捉領域20039は、変形した脚部20032と、ステープル20030の基部20031の内側表面との間で画定され得る。ステープル20030の捕捉領域20039の大きさは、例えば、脚の長さ、脚の直径、基部の幅、及び/又は脚の変形の程度などのいくつかの要素に依存し得る。
所望により、不織布材料20080がステープル捕捉領域20039に捕捉されるとき、不織布材料20080の捕捉された部分は圧縮され得る。ステープル捕捉領域20039に捕捉された不織布材料20080の圧縮高さは、同じステープル捕捉領域20039内の組織Tに応じて、ステープルカートリッジ20000内で変化し得る。例えば、組織Tが比較的薄い場合、ステープル捕捉領域20039は不織布材料20080のためにより大きな余地を有し得、その結果、不織布材料20080は、組織Tがより厚い場合ほどには圧縮されない。組織Tが比較的厚い場合、不織布材料20080は、例えば、より厚い組織Tに対応するため、より圧縮され得る。例えば、図82を参照すると、不織布材料20080は、例えば、第1ステープル捕捉領域20039aで第1高さに圧縮され、第2ステープル捕捉領域20039bで第2高さに圧縮され、第3ステープル捕捉領域20039cで第3高さに圧縮され、第4ステープル捕捉領域20039dで第1高さに圧縮され、及び第5ステープル捕捉領域20039eで第5高さに圧縮され得る。同様に、図83に示すように、不織布材料20080は、第1ステープル捕捉領域20039aで第1高さに圧縮され、第2ステープル捕捉領域20039bで第2高さに圧縮され、第3ステープル捕捉領域20039cで第3高さに圧縮され、及び第4ステープル捕捉領域20039dで第1高さに圧縮され得る。あるいは、不織布材料20080の圧縮高さは、ステープルカートリッジ20010全体にわたって均一であり得る。
所望により、印加力により、不織布材料20080が、圧縮されていない初期形状から、圧縮された形状へと動き得る。更に、不織布材料20080は弾力性であってもよく、これにより、圧縮されたときに、不織布材料20080はばね戻り力又は復元力を生成し得る。変形されたときに、不織布材料20080は圧縮又は変形された形状から復元しようとする可能性がある。不織布材料20080が復元しようとする際に、本明細書で詳述されるように、ステープル捕捉領域30039に一緒に捕捉された組織に対して、ばね戻り力又は復元力を印加することができる。次に、この印加力が除去されると、復元力によって、不織布材料が圧縮形状から復元し得る。不織布材料20080は初期の非圧縮形状に戻ることができ、あるいは、初期の非圧縮形状にほぼ同様の形状に戻ることができる。不織布材料20080の変形は、弾性的であり得る。不織布材料の変形は、部分的に弾性的で、かつ部分的に塑性的であり得る。
不織布材料20080の一部がステープル捕捉領域20039内で圧縮されているとき、不織布コンペンセーター20039のその部分にある捲縮繊維20086も、圧縮又は他の様相で変形され得る。捲縮繊維20086の変形量は、圧縮されている不織布材料20080の捕捉された部分の量に対応し得る。例えば、図63を参照すると、不織布材料20080は配備されたステープル20030によって捕捉され得る。不織布材料20080が、配備されたステープル20030によってより圧縮されると、捲縮繊維20086の平均変形は大きくなり得る。更に、不織布材料20080が、配備されたステープルによる圧縮が少なくなると、捲縮繊維20086の平均変形は小さくなり得る。同様に、図82及び83を参照すると、不織布材料20080がより圧縮されているステープル捕捉領域20039dにおいて、ステープル捕捉領域20039d内の捲縮繊維20086は、平均で、より変形され得る。更に、不織布材料20080の圧縮度合が少ないステープル捕捉領域20039aにおいて、ステープル捕捉領域20039a内の捲縮繊維20086は、平均で、より変形が少なくてもよい。
不織布材料20080が、変形形状から回復する能力、すなわち、不織布材料20080の弾力性は、不織布材料20080中の捲縮繊維20086の弾力性の関数であり得る。捲縮繊維20086は弾力的に変形し得る。捲縮繊維20086の変形は、部分的に弾性的で、かつ部分的に塑性的であり得る。所望により、各捲縮繊維20086の圧縮により、圧縮された捲縮繊維20086がばね戻り力又は復元力を生成し得る。例えば、圧縮された捲縮繊維20086は、繊維20086が、その圧縮された形状から戻ろうとする際に、復元力を生成し得る。繊維20086は、初期の非圧縮形状に、又は、それに実質的に類似の形状に、戻ろうとし得る。捲縮繊維20086は、初期形状に部分的に戻ろうとし得る。所望により、不織布材料20080中の捲縮繊維20086は弾力性であり得る。捲縮繊維20086が線状弾力性材料からなる場合、圧縮された捲縮繊維20086の復元力は、例えば、捲縮繊維20086の圧縮量、及び捲縮繊維20086のばね定数の関数になり得る。捲縮繊維20086のばね定数は、例えば、少なくとも、捲縮繊維20086の向き、材料、形状、及び/又は寸法に依存し得る。
不織布材料20080中の捲縮繊維20086は、均一なばね定数を含み得る。あるいは、不織布材料20080の捲縮繊維20086のばね定数は異なっていてもよい。大きなばね定数を有する捲縮繊維20086が大幅に圧縮されると、その捲縮繊維20086は大きな復元力を生成し得る。同じく大きなばね定数を有する捲縮繊維20086の圧縮度が小さいと、その捲縮繊維20086はより小さな復元力を生成し得る。不織布材料20080内の圧縮された捲縮繊維20086により生成された復元力の集合は、組織厚さコンペンセーター20020の不織布材料20080全体の合計復元力を生成し得る。不織布材料20080は、圧縮された不織布材料20080の発射済みステープル20030内に捕捉された組織Tに、この合計復元力を印加し得る。
更に、不織布材料20080の単位体積あたりの捲縮繊維20086の数が、不織布材料20080のばね定数に影響し得る。例えば、不織布材料20080の弾力性は、例えば、不織布材料20080の単位体積あたりの捲縮繊維20086の数が少ないと、低くなり得る。不織布材料20080の弾力性は、例えば、不織布材料20080の単位体積あたりの捲縮繊維20086の数が多いと、高くなり得る。不織布材料20080の弾力性は、例えば、不織布材料20080の単位体積あたりの捲縮繊維20086の数が更に多くなると、更に高くなり得る。不織布材料20080の弾力性が低い場合、例えば、不織布材料20080の単位体積あたりの捲縮繊維20086の数が少ない場合、捕捉された組織Tに対して組織厚さコンペンセーター20020により印加される合計復元力も小さくなり得る。不織布材料20080の弾力性が高い場合、例えば、不織布材料20080の単位体積あたりの捲縮繊維20086の数が多い場合、捕捉された組織Tに対して組織厚さコンペンセーター20020により印加される集合復元力も大きくなり得る。
主に図64を参照すると、組織厚さコンペンセーター20020’の不織布材料20080’は、治療薬20088、例えば、薬剤及び/又は製薬的活性薬剤を含み得る。不織布材料20080’は、治療薬20088の治療有効量を放出し得る。例えば、治療薬20088は、不織布材料20080’が吸収される際に、放出され得る。治療薬20088は、例えば、不織布材料20080’を通過して又は介して、流体(例えば、血液)内に放出され得る。この製薬的活性薬剤20088の例としては、止血剤及び薬剤(例えば、フィブリン、トロンビン、及び/又は酸化再生セルロース(ORC))、抗炎症薬(例えば、ジクロフェナク、アスピリン、ナプロキセン、スリンダク、及び/又はヒドロコルチゾン)、抗生物質及び抗菌薬剤又は薬剤(例えば、トリクロサン、銀イオン、アンピシリン、ゲンタマイシン、ポリミキシンB、及び/又はクロラムフェニコール)、並びに抗癌剤(例えば、シスプラチン、ミトマイシン、及び/又はアドリアマイシン)が挙げられ得るが、これらに限定されない。治療薬20088は、例えば、幹細胞などの生物製剤を含み得る。不織布材料20080’の繊維20082は、治療薬20088を含み得る。あるいは、治療薬20088は、不織布材料20080’に添加されてもよく、又は別の方法で組織厚さコンペンセーター20020’に組み込まれ得る。
主に図70〜70Bを参照すると、エンドエフェクタ12(図61)のための組織厚さコンペンセーター20520は、複数のばね又はコイル繊維20586を含み得る。本明細書に記述される捲縮繊維20086と同様、コイル繊維20586は、例えば、組織厚さコンペンセーター20520内で、捲縮、ねじれ、コイル状、折れ曲がり、ひねり、スパイラル、カール、及び/又は曲がっていてもよい。コイル繊維20586は、マンドレル周囲に巻き付けて、コイル状又は実質的にコイル様の形状を形成することができる。コイル繊維20586は不規則な向きであってもよく、及び/又は組織厚さコンペンセーター20520全体にわたって不規則に分配されていてもよい。あるいは、コイル繊維20586は、組織厚さコンペンセーター20520全体にわたって、系統的に配置されていてもよく、及び/又は均一に分配されていてもよい。例えば、図70を参照すると、コイル繊維20586は、コイル繊維20586の第1端20587と第2端20589との間に、長手方向軸を含み得る。組織厚さコンペンセーター20520におけるコイル繊維20520の長手方向軸は、平行又は実質的に平行であり得る。各コイル繊維20520の第1端20587は、組織厚さコンペンセーター20520の第1長手方向側面20523に沿って配置され、各コイル繊維20586の第2端20589は、組織厚さコンペンセーター20520の第2長手方向側面20524に沿って配置され得る。そのような配列において、コイル繊維20586は組織厚さコンペンセーターを横方向に横断し得る。あるいは、コイル繊維20586は、組織厚さコンペンセーター20520を長手方向又は斜めに横断し得る。
所望により、本明細書に記述されている捲縮繊維20086と同様に、コイル繊維20586はポリマー組成物を含み得る。捲縮繊維20586は、少なくとも部分的に弾性であってもよく、これにより、捲縮繊維20586の変形によって快復力を生成し得る。コイル繊維20586のポリマー組成物は、例えば、ポリカプロラクトン(PCL)を含み得、これによりコイル繊維20586はクロロフィル溶媒に不溶性となる。図70Aを参照すると、ばね又はコイル繊維20520は、補償材料20580内に保持され得る。補償材料20580はコイル繊維20586を負荷位置で保持することができ、これにより、コイル繊維20586は、補償材料20580に対して、又はその中で、ばね負荷を印加し得る。補償材料20580はコイル繊維20586をニュートラル位置で保持することができ、これにより、コイル繊維20586は、補償材料20580に対して、又はその中で、ばね負荷を印加しない。補償材料20580は生体吸収性であってもよく、場合によっては、例えば、ポリグリコール酸(PGA)フォームなどのフォームを含み得る。更に、補償材料20580は、例えば、クロロフィル溶媒に可溶性であり得る。組織厚さコンペンセーターは、ポリカプロラクトン(PCL)を含むコイル繊維20586と、ポリグリコール酸(PGA)フォームを含む補償材料20580とを含み得、これによって、コイル繊維20520はクロロフィル溶媒に溶けないが、補償材料20580はクロロフィル溶媒に可溶性であり得る。補償材料20580は、少なくとも部分的に弾性であり得、これによって、補償材料20580の圧縮が、復元力を生成し得る。更に、図70Bを参照すると、組織厚さコンペンセーター20520の補償材料20580は、例えば、幹細胞などの治療薬20588を含み得る。補償材料20580は、補償材料20580が吸収されたときに、治療的有効量の治療薬20588を放出し得る。
本明細書に記述される組織厚さコンペンセーター20020と同様、組織厚さコンペンセーター20520は圧縮可能であり得る。例えば、ステープル20030(図78〜81)が初期位置から発射済み位置へと配備される際、ステープル20030は組織厚さコンペンセーター20520の一部に係合し得る。本発明により、ステープル20030は、組織厚さコンペンセーター20520の一部及び隣接する組織Tを捕捉し得る。ステープル20030は、組織厚さコンペンセーター20520及び組織Tの捕捉した部分に圧縮力を印加することができ、これによって、組織厚さコンペンセーター20520は、非圧縮高さから圧縮高さへと圧縮され得る。組織厚さコンペンセーター20520の圧縮によって、中のコイル繊維20586に、対応した変形がもたらされ得る。本明細書で詳述されるように、各コイル繊維20586の変形が、復元力を生成することができ、これは、コイル繊維の弾性、例えば、コイル繊維20586の変形量、及び/又はコイル繊維20586のばね定数に依存し得る。コイル繊維20586のばね定数は、例えば、少なくとも、コイル繊維20586の向き、材料、形状、及び/又は寸法に依存し得る。組織厚さコンペンセーター20520内のコイル繊維20586の変形は、組織厚さコンペンセーター20520全体にわたって復元力を生成し得る。組織厚さコンペンセーター20520は、変形されたコイル繊維20586及び/又は弾性補償材料20586によって生成された集合復元力を、発射済みステープル20030内に捕捉された組織Tに対して、印加することができる。
主に図71及び72を参照すると、エンドエフェクタ12のための組織厚さコンペンセーター20620は、複数のばねコイル20686を含み得る。本明細書に記述される捲縮繊維20086及びコイル繊維20586と同様、ばねコイル20686は、例えば、組織厚さコンペンセーター20620内で、捲縮、ねじれ、コイル状、折れ曲がり、ひねり、スパイラル、カール、及び/又は曲がっていてもよい。所望により、本明細書に記述される繊維及びコイルと同様、ばねコイル20686はポリマー組成物を含み得る。更に、ばねコイル20686は、少なくとも部分的に弾性であり、これにより、ばねコイル20686の変形によって復元力を生じ得る。ばねコイル20686は、第1端20687、第2端20689、及びこれらの間に長手方向軸を含み得る。図71を参照すると、例えば、ばねコイル20686の第1端20686は、組織厚さコンペンセーターの近位端20626位置又はその近くにあってもよく、ばねコイル20686の第2端20689は、組織厚さコンペンセーター20620の遠位端20625位置又はその近くにあってもよく、これによってばねコイル20686が組織厚さコンペンセーター20620を長手方向に横断し得る。あるいは、コイル繊維20686は、組織厚さコンペンセーター20620を横方向又は斜めに横断し得る。
組織厚さコンペンセーター20620は、少なくとも1つのばねコイル20686を少なくとも部分的に包み込む外側フィルム20680を含み得る。図71を参照すると、外側フィルム20680は、組織厚さコンペンセーター20620内の複数のばねコイル20686の外周の回りに延在し得る。あるいは、外側フィルム20680は、ばねコイル20686を、又は、組織厚さコンペンセーター20620の少なくとも1つのばねコイル20686を、完全に封入することができる。外側フィルム20680は、ばねコイル20686をエンドエフェクタ12内に保持することができる。外側フィルム20680は、ばねコイル20686を負荷位置に保持することができ、これによって、ばねコイル20686はばね負荷を生成し、外側フィルム20680に対してばね戻り力を印加することができる。あるいは、外側フィルム20680は、ばねコイル20686をニュートラル位置に保持することができる。組織厚さコンペンセーター20620は更に、充填材料20624を含み得る。充填材料20624は、外側フィルム20680により、ばねコイル20686の内部及び/又は周囲に保持され得る。充填材料20624は、本明細書に記述される治療薬と同様の、治療薬20688を含み得る。更に、充填材料20624は、ばねコイル20686を組織厚さコンペンセーター20620内に支持することができる。充填材料20624は圧縮可能であり、かつ少なくとも部分的に弾力性であってもよく、これによって、充填材料20624は、本明細書で詳述されるように、組織厚さコンペンセーター20620によって生成されるばね戻り力又は復元力に寄与し得る。
本明細書に記述される組織厚さコンペンセーターと同様、組織厚さコンペンセーター20620は圧縮可能であり得る。ステープル20030(図78〜81)が初期位置から発射済み位置へと配備される際、ステープル20030は組織厚さコンペンセーター20620の一部に係合し得る。所望により、各ステープル20030は、隣接する組織Tと共に、組織厚さコンペンセーター20620の一部を捕捉し得る。ステープル20030は、組織厚さコンペンセーター20620及び捕捉した組織Tに圧縮力を印加することができ、これによって、組織厚さコンペンセーター20620は、非圧縮高さと圧縮高さの間に圧縮され得る。組織厚さコンペンセーター20620の圧縮は、その中に保持されるばねコイル20686に、対応する変形を起こし得る(図72)。本明細書で詳述されるように、各ばねコイル20686の変形が、復元力を生成することができ、これは、ばねコイル20686の弾性、例えば、ばねコイル20686の変形量、及び/又はばねコイル20686のばね定数に依存し得る。ばねコイル20686のばね定数は、例えば、少なくとも、ばねコイル20686の材料、形状、及び/又は寸法に依存し得る。更に、充填材料20624及び外側フィルム20680の弾力性に依存して、充填材料20624及び/又は外側フィルム20680の圧縮も、復元力を生じ得る。少なくとも、組織厚さコンペンセーター20620内の変形したばねコイル20686、充填材料20624及び/又は外側フィルム20680によって生成された、復元力の集合は、組織厚さコンペンセーター20620全体にわたって復元力を生成し得る。組織厚さコンペンセーター20620は、発射済みステープル20030内で捕捉された組織Tに対し、変形したばねコイル20686により生じた集合復元力を印加し得る。
所望により、主に図73〜75を参照すると、エンドエフェクタ12のための組織厚さコンペンセーター20720は、複数のばねコイル20786を含み得る。本明細書に記述されるコイル繊維及びばねと同様、ばねコイル20786は、例えば、組織厚さコンペンセーター20720内で、捲縮、ねじれ、コイル状、折れ曲がり、ひねり、スパイラル、カール、及び/又は曲がっていてもよい。ばねコイル20786は、少なくとも部分的に弾性であり、これにより、ばねコイル20786の変形によって復元力を生じ得る。更に、ばねコイル20786は、第1端20787、第2端20789、及びこれらの間に長手方向軸を含み得る。主に図75を参照すると、ばねコイル20786の第1端20787は、組織厚さコンペンセーター20720の近位端20726又はその近くにあってもよく、ばねコイル20786の第2端20789は、組織厚さコンペンセーター20720の遠位端20725又はその近くにあってもよく、これによってばねコイル20786が組織厚さコンペンセーター20720を長手方向に横断し得る。ばねコイル20786は、組織厚さコンペンセーター20720内で2本の平行な列で長手方向に延在し得る。組織厚さコンペンセーター20720は、エンドエフェクタ12内に配置され、これによってスレッド20050(図61)又は切断エレメント20052は、ばねコイル20786の平行な列の間のスロット20015に沿って並進し得る。あるいは、ばねコイル20786は、組織厚さコンペンセーター20720を横方向又は斜めに横断し得る。
再び図75を参照すると、ばねコイル20786は、補償材料20780内に保持又は埋め込まれ得る。補償材料20780は生体吸収性であってもよく、場合によっては、例えば、ポリグリコール酸(PGA)フォームなどのフォームを含み得る。補償材料20780は弾力性であってもよく、これによって補償材料20780の変形が、ばね戻り力を生じ得る。補償材料20780は、例えば、クロロフィル溶媒に可溶性であり得る。例えば、組織厚さコンペンセーターは、ポリカプロラクトン(PCL)を含むばねコイル20786と、ポリグリコール酸(PGA)フォームを含む補償材料20780とを含み得、これによって、ばねコイル20786はクロロフィル溶媒に溶けないが、補償材料20780はクロロフィル溶媒に可溶性であり得る。補償材料20780は、少なくとも部分的に弾力性であってもよく、これによって補償材料20780の変形が、ばね負荷又は復元力を生じ得る。
組織厚さコンペンセーター20720は、合わせ織り糸20790を含み得、これはばねコイル20786の平行な列の間に延在し得る。例えば、図75を参照すると、第1合わせ織り糸20790は、ばねコイル20786の2本の平行な列を斜めに横切ってもよく、第2合わせ織り糸20790も、ばねコイル20786の2本の平行な列を斜めに横切ってもよい。第1及び第2の合わせ織り糸20790は十字に交差し得る。合わせ織り糸20790は、組織厚さコンペンセーター20720の長さに沿って複数回、十字に交差し得る。合わせ織り糸20790は、ばねコイル20786を負荷配置に保持することができ、これによって、ばねコイル20786が、組織厚さコンペンセーター20720内の実質的に平坦な位置に保持され得る。組織厚さコンペンセーター20720を横切る合わせ織り糸20790は、ばねコイル20786に直接取り付けることができる。あるいは、合わせ織り糸20790は、その長手方向軸に沿って、各ばねコイル20786を通って延在する支持体20792を介して、ばねコイル20786に連結され得る。
本明細書で詳述されるように、ステープルカートリッジ20000は、切断エレメント20052(図61)を含む並進スレッド20050を受容するように構成されたスロット20015を含み得る。スレッド20050がスロット20015に沿って並進する際、スレッド20050は、ステープルカートリッジ20000内の締結具空洞20012からステープル20030を発射し、かつ切断エレメント20052が同時又はほぼ同時に、組織Tを切断することができる。図75を再び参照すると、切断エレメント20052が並進する際に、組織厚さコンペンセーター20720内のばねコイル20786の平行な列の間で十字に交差する合わせ織り糸20790も切断し得る。合わせ織り糸20790が切断されると、各ばねコイル20786がその負荷配置から解放され、各ばねコイル20786が、負荷された実質的に平坦な位置から、組織厚さコンペンセーター20720内の伸張位置へと戻り得る。所望により、ばねコイル20786が伸張しているとき、ばねコイル20786を取り巻く補償材料20780も伸張し得る。
所望により、ステープル20030(図78〜81)が初期位置から発射済み位置へと配備される際、ステープル20030が組織厚さコンペンセーター20720の一部分に係合し、組織厚さコンペンセーター20720がステープル20030内で膨張するか又は膨張しようとし、組織Tに対して圧縮力を印加することができる。所望により、少なくとも1つのステープル20030が、隣接する組織Tと共に、組織厚さコンペンセーター20720の一部を捕捉し得る。ステープル20030は、組織厚さコンペンセーター20720及び捕捉した組織Tに圧縮力を印加することができ、これによって、組織厚さ,コンペンセーター20720は、非圧縮高さと圧縮高さの間に圧縮され得る。組織厚さコンペンセーター20720の圧縮は、ばねコイル20786及びその中に保持される補償材料20780に、対応する変形を起こし得る。本明細書で詳述されるように、各ばねコイル20786の変形が、復元力を生成することができ、これは、ばねコイルの弾性、例えば、ばねコイル20786の変形量、及び/又はばねコイル20786のばね定数に依存し得る。ばねコイル20786のばね定数は、例えば、少なくとも、ばねコイル20786の向き、材料、形状、及び/又は寸法に依存し得る。少なくとも、組織厚さコンペンセーター20720内の変形したばねコイル20786、及び/又は補償材料30380によって生成された、復元力の集合は、組織厚さコンペンセーター20720全体にわたって復元力を生成し得る。組織厚さコンペンセーター20720は、組織厚さコンペンセーター20720内の変形されたばねコイル20786によって生成された集合復元力を、捕捉された組織T及び発射済みステープル20030に対して、印加することができる。
所望により、主に図76及び77を参照すると、外科用エンドエフェクタ12のための組織厚さコンペンセーター20820は、ばねコイル20886を含み得る。本明細書に記述される繊維及びコイルと同様、ばねコイル20886は、例えば、組織厚さコンペンセーター20820内で、捲縮、ねじれ、コイル状、折れ曲がり、ひねり、スパイラル、カール、及び/又は曲がっていてもよい。ばねコイル20886は、ポリマー組成物を含み得、少なくとも部分的に弾性であり得、これによって、ばねコイル20886の変形が、ばね戻り力を生成し得る。更に、ばねコイル20886は、第1端20887及び第2端20889を含み得る。図76を参照すると、第1端20887は、組織厚さコンペンセーター20820の近位端20826又はその近くにあってもよく、第2端20889は、組織厚さコンペンセーター20820の遠位端20825又はその近くにあってもよい。ばねコイル20886は、組織厚さコンペンセーター20820の近位端20825から遠位端20826まで蛇行又は曲折し得る。
再び図76を参照すると、ばねコイル20886は、補償材料20880内に保持又は埋め込まれ得る。補償材料20880は生体吸収性であってもよく、場合によっては、例えば、ポリグリコール酸(PGA)フォームなどのフォームを含み得る。補償材料20880は、例えば、クロロフィル溶媒に可溶性であり得る。組織厚さコンペンセーターは、ポリカプロラクトン(PCL)を含むばねコイル20886と、ポリグリコール酸(PGA)フォームを含む補償材料20880とを含み得、これによって、ばねコイル20886はクロロフィル溶媒に溶けないが、補償材料20880はクロロフィル溶媒に可溶性であり得る。補償材料20880は、少なくとも部分的に弾力性であってもよく、これによって補償材料20880の変形が、ばね負荷又は復元力を生じ得る。
本明細書に記述される組織厚さコンペンセーターと同様、例えば、組織厚さコンペンセーター20820は圧縮可能であり得る。組織厚さコンペンセーター20820の圧縮によって、組織厚さコンペンセーター20820の補償材料20880内に保持又は埋め込まれたばねコイル20886の少なくとも一部分に変形が生じ得る。本明細書で詳述されるように、ばねコイル20886の変形が、復元力を生成することができ、これは、ばねコイル20886の弾性、例えば、ばねコイル20886の変形量、及び/又はばねコイル20886のばね定数に依存し得る。少なくとも、変形したばねコイル20886及び/又は変形した補償材料20880によって生成された、復元力の集合は、組織厚さコンペンセーター20820全体にわたって復元力を生成し得る。組織厚さコンペンセーター20820は、発射済みステープル20030内に捕捉された組織Tに対し、集合の復元力を印加し得る。
ここで図84を参照すると、外科用エンドエフェクタ12は、少なくとも1本のチューブ状エレメント30080を有する組織厚さコンペンセーター30020を含み得る。組織厚さコンペンセーター30020は、外科用エンドエフェクタ12内に保持され得る。本明細書で詳述されるように、締結具が発射済み位置へと移動し、組織厚さコンペンセーター30020内のチューブ状エレメント30080の少なくとも一部分を変形させるように、エンドエフェクタ12内の締結具が配備され得る。本明細書に記述される少なくとも1本のチューブ状エレメントを含む組織厚さコンペンセーターは、様々な外科用エンドエフェクタに取り付け又は他の様相で係合させることができること、及び、これらが本開示の範囲内であることが、読者には理解されよう。
所望により、引き続き図84を参照すると、組織厚さコンペンセーター30020は、エンドエフェクタ12のアンビル30060に対して配置することができる。あるいは、組織厚さコンペンセーター30020は、エンドエフェクタ12の締結具カートリッジアセンブリ(例えば、ステープルカートリッジ30000)に対して配置され得る。ステープルカートリッジ30000は、エンドエフェクタ12のジョー30070のカートリッジチャネル30072内に適合するように構成することができる。例えば、組織厚さコンペンセーター30020は、ステープルカートリッジ30000に解放可能に固定され得る。組織厚さコンペンセーター30020のチューブ状エレメント30080は、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分30010の上デッキ表面30011に隣接して配置され得る。チューブ状エレメント30080は、接着剤又はラップ(本明細書に記述されるラップの少なくとも1つに類似のラップ)(例えば、図16)によって、上デッキ表面30011に固定され得る。組織厚さコンペンセーター30020は、ステープルカートリッジ30000を含むアセンブリに一体化することができ、これにより、ステープルカートリッジ30000と組織厚さコンペンセーター30020は、単一のユニット構成体として形成され得る。例えば、ステープルカートリッジ30000は、第1本体部分(例えば、剛性支持部分30010)、及び第2本体部分(例えば、組織厚さコンペンセーター30020)を含み得る。
図84〜86を参照すると、組織厚さコンペンセーター30020内のチューブ状エレメント30080は、少なくとも部分的に貫通して延在する少なくとも1本の管腔30084を有する細長部分30082を含み得る。主に図86を参照すると、チューブ状エレメント30080の細長部分30082は、本明細書で詳述されるように、織り又は編み込みストランド30090を含み得る。あるいは、細長部分30082は、織りストランド30090ではなく、例えば、ポリマー押出成形物などの中実構造を含み得る。チューブ状エレメント30080の細長部分30082は厚さを含み得る。細長部分30082の厚さは、その長さ及び直径周囲にわたって実質的に均一であり得る。他の場合において、この厚さは異なり得る。細長部分30082は、例えば、細長部分30082の長さが細長部分30082の直径よりも大きくなるように、細長くてもよい。細長部分は、例えば、約3.05センチメートル〜約6.60センチメートル(約1.20インチ〜約2.60インチ)の長さと、約0.25センチメートル〜約0.38センチメートル(約0.10インチ〜約0.15インチ)の直径を含み得る。例えば、チューブ状エレメント20080の長さは、約3.56センチメートル(1.40インチ)であってもよく、例えば、チューブ状エレメント20080の直径は、約0.318センチメートル(0.125インチ)であってもよい。更に、細長部分30082は、例えば、実質的に円形又は楕円形の断面形状を画定し得る。あるいは、断面形状は、例えば、三角形、六角形、及び/又は八角形の多角形形状を含み得る。再び図84を参照すると、チューブ状エレメント30080は、第1遠位端30083及び第2近位端30085を含み得る。細長部分30082の断面形状は、第1及び/又は第2端30083、30085で狭くてもよく、チューブ状エレメント30080の少なくとも一方の端30083、30085が、封止又は密封されていてもよい。あるいは、管腔30084は、チューブ状エレメント30080の遠位端30083、30085を通って継続していてもよく、これにより端30083、30085は開放していてもよい。
チューブ状エレメント30080は、細長部分30084を少なくとも部分的に通って延在する単一の中央管腔30084を含み得る。管腔30084は、細長部分30084の全長にわたって延在し得る。別の代替方法として、チューブ状エレメント30080は、中を通って延在する複数の管腔30084を含み得る。チューブ状エレメント30080内を通って延在する管腔30084は、円形、準円形、くさび形、及び/又はこれらの組み合わせであり得る。本発明により、チューブ状エレメント30080は更に、管腔30084内に、例えば、改変された「T」形状又は「X」形状を形成し得る支持ウェブを含み得る。チューブ状エレメント30080の寸法、管腔、及び/又は支持ウェブが、チューブ状エレメント30080の断面形状を画定し得る。チューブ状エレメント30080の断面形状は、長さ全体にわたって一貫していてもよく、あるいは、チューブ状エレメント30080の断面形状歯、その長さに沿って変化してもよい。本明細書で詳述されるように、チューブ状エレメント30080の断面形状は、チューブ状エレメント30080の圧縮性と弾力性に影響し得る。
チューブ状エレメント30080は、垂直直径及び水平直径を含み得る。この寸法は、エンドエフェクタ12内のチューブ状エレメント30080の配列、エンドエフェクタ12の寸法(エンドエフェクタ12の組織隙間を含む)、及びステープル捕捉領域30039の予測される形状に依存して、選択することができる。例えば、チューブ状エレメント30080の垂直直径は、形成済みステープルの予測される高さに関連し得る。そのような場合において、チューブ状エレメント30080の垂直直径は、チューブ状エレメント30080が形成済みステープル30030内に捕捉されたときに、その垂直直径が、約5%〜約20%に低減され得るように、選択することができる。例えば、垂直直径約0.254センチメートル(0.100インチ)を有するチューブ状エレメント30080は、約0.203センチメートル〜約0.241センチメートル(約0.080インチ〜約0.095インチ)の予測される形成済み高さを有するステープルに対して使用することができる。その結果、チューブ状エレメント30080の垂直直径は、組織Tが中に捕捉されていないときも、形成済みステープル30030内に捕捉されたときに約5%〜約20%に低減され得る。組織Tが形成済みステープル30030内に捕捉されているとき、チューブ状エレメント30080の圧縮度は更に大きくなり得る。垂直直径は、チューブ状エレメント30080の長さ全体にわたって均一であってもよく、あるいは、垂直直径は、その長さに沿って異なっていてもよい。
チューブ状エレメント30080の水平直径は、チューブ状エレメント30080が非変形又は復元した形状のとき、チューブ状エレメント30080の垂直直径よりも大きいか、等しいか、又は小さくてもよい。例えば、図85を参照すると、水平直径は例えば、垂直直径の約3倍の大きさであり得る。例えば、水平直径は約1.016センチメートル(0.400インチ)、垂直直径は約0.318センチメートル(0.125インチ)であり得る。あるいは、ここで図87を参照すると、チューブ状エレメント31080の水平直径は、チューブ状エレメント31080が非変形又は復元した形状のとき、チューブ状エレメント31080の垂直直径に等しいか、又は実質的に等しくてもよい。例えば、水平直径は約0.318センチメートル(0.125インチ)、垂直直径も約0.318センチメートル(0.125インチ)であり得る。チューブ状エレメント30080は、約0.318センチメートル(0.125インチ)の垂直直径、約1.016センチメートル(0.400インチ)の水平直径、及び約3.556センチメートル(1.400インチ)の長さを含み得る。本明細書で詳述されるように、力Aがチューブ状エレメント30080及び/又は31080に印加された場合、チューブ状エレメントは、断面形状(水平及び垂直直径を含む)が変化し得るように変形することができる。
再び図84〜86を参照すると、組織厚さコンペンセーター30020のチューブ状エレメント30080は変形可能であり得る。チューブ状エレメント30080全体が変形可能であり得る。例えば、チューブ状エレメント30080は、細長部分30082の近位端30083から遠位端30085まで、及びその全円周にわたって、変形可能であり得る。あるいは、チューブ状エレメント30080の一部分のみが変形可能であり得る。例えば、細長部分30082の中間長さのみ、及び/又はチューブ状エレメント30080の円周の一部分のみが、変形可能であり得る。
チューブ状エレメント30080の細長部分30082上の一接触点に圧縮力が印加された場合、この接触点が移動しチューブ状エレメント30080の断面形状を変化させ得る。例えば、再び図85を参照すると、チューブ状エレメント30080は、細長部分30082の上頂点30086及び下頂点30088を含み得る。初期の非変形形状において、チューブ状エレメント30080は、非変形断面寸法を含み得、これには上頂点30086と下頂点30088との間の非変形垂直直径が含まれる。上頂点30086に圧縮力Aが印加されると、チューブ状エレメント30080が変形された形状に移行し得る。変形形状において、チューブ30080の断面寸法が変化し得る。例えば、チューブ30086は、上頂点30086と下頂点30088の間の変形垂直直径を含み得、これは、非変形垂直直径よりも小さくなり得る。図87を参照すると、例えば、チューブ状エレメント30080が非変形形状から変形形状へと移行した場合に、変形チューブ30080の水平直径は長くなり得る。変形チューブ30080の変形した断面寸法は、少なくとも、印加される力Aの位置、角度方向、及び/又は大きさに依存し得る。本明細書で詳述されるように、チューブ状エレメント30080の変形によって、チューブ状エレメント30080の弾力性に依存し得るばね戻り力又は復元力が生成され得る。
引き続き図85を参照すると、チューブ状エレメント30080は、圧縮されたときにばね戻り力又は復元力を生成し得る。そのような場合において、上述のように、力Aがチューブ状エレメント30080の細長部分30082上にある接触点に印加されたときに、チューブ状エレメント30080は、初期の非変形形状から変形形状へと移行し得る。印加された力Aが除去されると、変形したチューブ30080は変形した形状から復元し得る。変形したチューブ30080は、初期の非変形形状に戻ることができ、あるいは、初期の非変形形状にほぼ同様の形状に戻ることができる。チューブ状エレメント30080が変形形状から復元する能力は、チューブ状エレメント30080の弾力性に関連する。
再び図85を参照すると、チューブ状エレメント30080は、ばね戻り力又は復元力を印加し得る。復元力は、本明細書で詳述されるように、例えば、ステープル30030により、力Aがチューブ状エレメント30080に対して印加されたときに(図88及び89)、チューブ状エレメント30080によって生成され得る。印加された力Aは、チューブ状エレメント30080の断面形状を変化させ得る。更に、線状弾力性材料において、チューブ状エレメント30080の各変形部分の復元力は、チューブ状エレメント30080の変形寸法と、チューブ状エレメント30080のその部分のばね定数の、関数であり得る。チューブ状エレメント30080のばね定数は、例えば、少なくとも、チューブ状エレメント30080の向き、材料、断面形状、及び/又は寸法に依存し得る。組織厚さコンペンセーター30020のチューブ状エレメント30080は、均一なばね定数を含み得る。あるいは、ばね定数は、チューブ状エレメント30080の長さ及び/又は円周に沿って変化し得る。第1ばね定数を有するチューブ状エレメント30080の一部分が大幅に圧縮されると、チューブ状エレメント30080は大きな復元力を生成し得る。同じ第1ばね定数を有するチューブ状エレメント30080の一部分がそれより少なく圧縮されると、チューブ状エレメント30080は、より小さな復元力を生成し得る。
再び図84を参照すると、組織厚さコンペンセーター30020のチューブ状エレメント30080は、ポリマー組成物を含み得る。チューブ状エレメント30080の細長部分30082は、ポリマー組成物を含み得る。更に、ポリマー組成物は少なくとも部分的に弾性材料を含み得、これによってチューブ状エレメント30080の変形が復元力を生成することができる。このポリマー組成物は、例えば、非吸収性ポリマー、吸収性ポリマー、又はこれらの組み合わせを含み得る。合成ポリマーの例としては、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジオキサノン(PDO)、及びこれらのコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。吸収性ポリマーは、例えば、生体吸収性の生体適合性エラストマーポリマーを含み得る。更に、チューブ状エレメント30080のポリマー組成物は、例えば、合成ポリマー、非合成ポリマー、又はこれらの組み合わせを含み得る。所望により、本明細書の他の箇所に記述される組織厚さコンペンセーターのポリマー組成物と同様に、チューブ状エレメント30080のポリマー組成物には、例えば、吸収性ポリマー、非吸収性ポリマー、合成ポリマー、及び/又は非合成ポリマーが、様々な重量パーセントの量で含まれ得る。
図84及び85を参照すると、チューブ状エレメント30080は、治療薬30098、例えば、製薬的活性薬剤及び/又は薬剤を含み得る。治療薬30098は、チューブ状エレメント30080の管腔30084内に保持され得る。細長部分30082は、治療薬30098を封入又は部分的に封入することができる。加えて又は別の方法として、細長部分30082のポリマー組成物は、治療薬30098を含み得る。チューブ状エレメント30080は、治療薬30098の治療有効量を放出し得る。治療薬30098は、チューブ状エレメント30080が吸収される際に、放出され得る。例えば、治療薬30098は、チューブ状エレメント30080を通過して又は介して、流体(例えば、血液)内に放出され得る。追加の代替方法として、治療薬30098は、ステープル30030(図88及び89)がチューブ状エレメント30080に穿刺するか、及び/又はステープル発射スレッド30050(図84)上の切断エレメント30052がチューブ状エレメント30080の一部分を切断した場合に、放出され得る。この製薬的活性薬剤30098の例としては、止血剤及び薬剤(例えば、フィブリン、トロンビン、及び/若しくは酸化再生セルロース(ORC))、抗炎症薬(例えば、ジクロフェナク、アスピリン、ナプロキセン、スリンダク、及び/若しくはヒドロコルチゾン)、抗生物質及び抗菌薬剤又は薬剤(例えば、トリクロサン、銀イオン、アンピシリン、ゲンタマイシン、ポリミキシンB、及び/若しくはクロラムフェニコール)、抗癌剤(例えば、シスプラチン、ミトマイシン、及び/若しくはアドリアマイシン)、並びに/又は生物製剤(例えば、幹細胞)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
再び図84、88及び89を参照すると、ステープル30030などの締結具は、例えば、ステープルカートリッジ30000から配備され、これによってステープル30030が組織厚さコンペンセーター30020に係合し、その中のチューブ状エレメント32080に対して力Aを印加し得る。上述のように、力Aをチューブ状エレメント30080に印加することにより、チューブ状エレメント30080の変形が生じる。本明細書に記述されるエンドエフェクタ12と同様、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分30010は、カートリッジ本体30017、デッキ表面30011、及びその中に複数のステープル空洞30012を含み得る。各ステープル空洞30012は、デッキ表面30011内に開口部を画定することができ、ステープル30030は、ステープル空洞30012内に除去可能に配置され得る(図104)。主に図88及び89を参照すると、各ステープル30030は、基部30031と、基部30031から延出する2本のステープル脚部30032を含み得る。ステープル30030を配備する前に、各ステープル30030の基部30031が、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分30010内に配置されたステープルドライバー30040(図104)によって支持され得る。また、ステープル30030の配備前に、各ステープル30030の脚部30032が、ステープル空洞30012内に少なくとも部分的に収容され得る(図104)。
所望により、本明細書で詳述されるように、ステープル30030は初期位置と発射済み位置の間に配備され得る。例えば、ステープル発射スレッド30050は、ドライバー30040(図104)に係合して、少なくとも1つのステープル30030を、初期位置と発射済み位置の間で動かすことができる。主に図88を参照すると、ステープル30030は発射済み位置へと移動させることができ、ステープル30030の脚部30032は組織厚さコンペンセーター32020のチューブ状エレメント32080に係合し、組織Tに入り込み、外科用エンドエフェクタ12のステープルカートリッジ30000に相対して配置されるアンビル30060(図104)に接触し得る。アンビル30060内のステープル形成ポケット30062が、ステープル脚部30032を折り曲げ、これによって発射済みステープル30030が、ステープル捕捉領域30039内に、チューブ状エレメント32080の一部及び組織Tの一部を捕捉し得る。本明細書で詳述されるように、ステープル30030が初期位置と発射済み位置との間で移動する際に、少なくとも1本のステープル脚部30032が、組織厚さコンペンセーター32020のチューブ状エレメント32080を穿刺し得る。あるいは、ステープル脚部30032は、チューブ状エレメント32080の外周に沿って動き、これによりステープル脚部30032がチューブ状エレメント32080を穿刺するのを回避し得る。本明細書に記述される締結具と同様に、各ステープル30030の脚部30032は、ステープル30030の基部30031に向かって下向きに変形され、それらの間にステープル捕捉領域30039を形成し得る。ステープル捕捉領域30039は、組織T及び組織厚さコンペンセーター32020の一部が、発射されたステープル30030によって捕捉され得る領域であり得る。発射済み位置において、各ステープル30030は、ステープル30030のステープル捕捉領域30039内に捕捉された組織T及び組織厚さコンペンセーター32020に対して圧縮力を印加することができる。
引き続き図88を参照すると、チューブ状エレメント32080がステープル捕捉領域30039内に捕捉されると、本明細書に記述されるように、チューブ状エレメント32080の捕捉された部分が変形され得る。更に、チューブ状エレメント32080は、例えば、同じステープル捕捉領域30039内に捕捉された組織Tの厚さ、圧縮性、及び/又は密度に応じて、異なるステープル捕捉領域30039において、異なる変形形状に変形され得る。組織厚さコンペンセーター32080のチューブ状エレメント32080は、連続するステープル捕捉領域30039を通って長手方向に延在し得る。そのような配列において、チューブ状エレメント32080は、発射されたステープル30030の列に沿って、各ステープル捕捉領域30039において、異なる変形形状に変形され得る。ここで図89を参照すると、組織厚さコンペンセーター33020のチューブ状エレメント33080は、発射されたステープル30030の列に沿って、ステープル捕捉領域30039において、横方向に配列され得る。チューブ状エレメント33080は、可撓性シェル33210によって保持され得る。そのような配列において、チューブ状エレメント33080及び可撓性シェル33210は、各ステープル捕捉領域30039において、異なる変形形状に変形され得る。例えば、組織Tがより薄い場合、チューブ状エレメント33080の圧縮度は小さくなり得、組織Tがより厚い場合、より厚い組織Tに対応するために、チューブ状エレメント33080の圧縮度は大きくなり得る。あるいは、チューブ状エレメント33080の変形寸法は、組織厚さコンペンセーター33020の長さ及び/又は幅全体にわたって均一であり得る。
図90〜92を参照すると、組織厚さコンペンセーター34020内のチューブ状エレメント34080は、複数のストランド34090を含み得る。主に図90を参照すると、ストランド34090は、チューブ状格子34092に織られ又は編み込まれて、チューブ状エレメント34080を形成し得る。ストランド34090により形成されたチューブ状格子34092は、実質的に中空であり得る。チューブ状エレメント34080のストランド34090は、中実ストランド、チューブ状ストランド、及び/又はその他の好適な形状であり得る。例えば、図91を参照すると、チューブ状格子34092の単一ストランド34090はチューブであり得る。図93を参照すると、ストランド34090は、中を通って延在する少なくとも1つの管腔34094を含み得る。管腔34094の数、形状及び/又は寸法が、ストランド34090の断面形状を決定し得る。例えば、ストランド34090は、円形管腔、半円管腔、くさび形管腔、及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。本発明により、ストランド34090は更に、例えば、改変された「T」形状又は「X」形状を形成し得る支持ウェブ34096を含み得る。少なくとも、ストランド34090の直径、貫通して延在する管腔、及び支持ウェブが、ストランド34090の断面形状を特徴付けることができる。各ストランド34090の断面形状は、本明細書で詳述されるように、ストランド34090により生成されるばね戻り力又は復元力と、チューブ状エレメント34080により生成される対応するばね戻り力又は復元力とに影響し得る。
図94を参照すると、ストランド34090のチューブ状格子34092は変形可能であり得る。チューブ状格子34092は、チューブ状エレメント34080の変形性及び/又は弾力性を生成し、又はこれに寄与し得る。例えば、チューブ状格子34092のストランド34090は、一緒に織られ、これによってストランド34090が互いに対して摺動及び/又は屈曲するように構成することができる。チューブ状エレメント34080の細長部分34082に力が印加された場合、そこにあるストランド34090は、摺動及び/又は屈曲して、チューブ状格子34092が変形形状に移行し得る。例えば、引き続き図94を参照すると、ステープル30030は、ステープル捕捉領域34039内に捕捉されたチューブ状格子34092及び組織Tを圧縮し、これによって、チューブ状格子34092のストランド34090が互いに対して摺動及び/又は屈曲し得る。ステープル捕捉領域30039内の捕捉された組織Tに対応するために、チューブ状格子34092が変形形状に圧縮されたときに、チューブ状格子34092の上頂点34086は、チューブ状格子34092の下頂点34088に向かって動くことができる。様々な状況において、発射済みステープル30030内に捕捉されたチューブ状格子34092は、非変形形状に戻ろうとし、捕捉された組織Tに対して復元力を印加し得る。更に、ステープル捕捉領域30039の間にあるチューブ状格子34092の部分(すなわち、発射済みステープル30030内に捕捉されていない部分)も、ステープル捕捉領域30039内にあるチューブ状格子34092の隣接部分の変形によって、変形され得る。チューブ状格子34092が変形された場合、チューブ状格子34092は、変形形状から、復元しようとするか、又は部分的に復元しようとし得る。所望により、チューブ状格子34092の部分は、初期形状に戻ることができ、チューブ状格子34092の他の部分は、部分的にのみ復元するか、及び/又は完全に圧縮されたままであり得る。
本明細書のチューブ状エレメントの記述と同様、各ストランド34090も変形可能であり得る。更に、ストランド34090の変形は、各ストランド34090の弾力性に依存する復元力を生成し得る。主に図91及び92を参照すると、チューブ状格子34092の各ストランド34090は管状であり得る。あるいは、チューブ状格子34092の各ストランド34090は中実であり得る。別の代替方法として、チューブ状格子30092は少なくとも1本のチューブ状ストランド34090、少なくとも1本の中実ストランド34090、少なくとも1本の「X」又は「T」形状ストランド34090、及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。
チューブ状エレメント34080のストランド34090は、ポリマー組成物を含み得る。ストランド34090のポリマー組成物は、非吸収性ポリマー、吸収性ポリマー、又はこれらの組み合わせを含み得る。合成ポリマーの例としては、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジオキサノン(PDO)、及びこれらのコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。吸収性ポリマーは、例えば、生体吸収性の生体適合性エラストマーポリマーを含み得る。更に、ストランド34090の組成物は、合成ポリマー、非合成ポリマー、及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。所望により、本明細書の他の箇所に記述される組織厚さコンペンセーターのポリマー組成物と同様に、ストランド34090のポリマー組成物には、例えば、吸収性ポリマー、非吸収性ポリマー、合成ポリマー、及び/又は非合成ポリマーが、様々な重量パーセントの量で含まれ得る。
チューブ状エレメント34080のストランド34090は更に、治療薬34098(図91)、例えば、製薬的活性薬剤及び/又は薬剤を含み得る。ストランド34090は、治療薬34098の治療有効量を放出し得る。治療薬34098は、チューブ状ストランド34090が吸収される際に、放出され得る。例えば、治療薬30098は、ストランド34090を通過して又は介して、流体(例えば、血液)内に放出され得る。別の代替方法として、治療薬34098は、ステープル30030がストランド34090に穿刺するか、及び/又はステープル発射スレッド30050(図84)上の切断エレメント30052がチューブ状格子34092の一部分を切断した場合に、放出され得る。この製薬的活性薬剤34098の例としては、止血剤及び薬剤(例えば、フィブリン、トロンビン、及び/若しくは酸化再生セルロース(ORC))、抗炎症薬(例えば、ジクロフェナク、アスピリン、ナプロキセン、スリンダク、及び/若しくはヒドロコルチゾン)、抗生物質及び抗菌薬剤又は薬剤(例えば、トリクロサン、銀イオン、アンピシリン、ゲンタマイシン、ポリミキシンB、及び/若しくはクロラムフェニコール)、抗癌剤(例えば、シスプラチン、ミトマイシン、及び/若しくはアドリアマイシン)、並びに/又は生物製剤(例えば、幹細胞)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
図95及び96を参照すると、チューブ状エレメント35080は、複数層35100のストランド35090を含み得る。チューブ状エレメント35080は、複数層35100のチューブ状格子35092を含み得る。図95を参照すると、チューブ状エレメント35080は、例えば、第1層35100a及び第2層35100bのストランド35090を含み得る。ここで図96を参照すると、組織厚さコンペンセーター35120のチューブ状エレメント35180は、例えば、第3層35100cのストランド35090を含み得る。更に、チューブ状エレメント35180内の異なる層35100が、異なる材料を含み得る。各層35100a、35100b、35100cは生体吸収性であり得、各層35100a、35100b、35100cは異なるポリマー組成物を含み得る。例えば、第1層35100aは第1ポリマー組成物を含み得る。第2層35100bは第2ポリマー組成物を含み得る。第3層35100cは第3ポリマー組成物を含み得る。そのような場合において、チューブ状エレメント35180の層35100a、35100b、35100cは、異なる速度で生体吸収され得る。例えば、第1層35100aは急速に吸収されてもよく、第2層35100bは第1層35100aよりもゆっくりと吸収され得、第3層35100cは第1層35100a及び/又は第2層35100bよりもゆっくりと吸収され得る。あるいは、第1層35100aはゆっくりと吸収されてもよく、第2層35100bは第1層35100aよりも速く吸収され得、第3層35100cは第1層35100a及び/又は第2層35100bよりも速く吸収され得る。
本明細書に記述されるストランド34090と同様に、チューブ状エレメント35180内のストランド35090は、薬剤35098を含み得る。再び図95を参照すると、薬剤35098の溶出又は放出を制御するため、薬剤35098aを含む第1層35100aのストランド35090は第1速度で生体吸収され得、薬剤30098bを含む第2層35100bのストランド35090は第2速度で生体吸収され得る。例えば、第1層35100aは急速に吸収されて、薬剤35098aの急速な初期放出を可能にし、第2層35100bはよりゆっくりと吸収されて、薬剤30098の制御放出を可能にすることができる。第1層30100aのストランド35090内の薬剤35098aは、第2層35100bのストランド35090内の薬剤35098bとは異なり得る。例えば、第1層35100aのストランド35090は、酸化再生セルロース(ORC)を含み得、第2層35100bのストランド35090は、ヒアルロン酸を含む溶液を含み得る。そのような場合において、第1層35100aの初期吸収によって酸化再生セルロースが放出されて出血制御に役立つ一方、その後で第2層35100bが吸収されることにより、ヒアルロン酸を含む溶液が放出されて組織の接着防止に役立ち得る。あるいは、層35100a、35100bは、同じ薬剤35098a、35098bを含み得る。例えば、再び図96を参照すると、層35100a、35100b及び35100cのストランド35090は、抗癌剤(例えば、シスプラチン)を含み得る。更に、第1層35100aは急速に吸収されて、シスプラチンの急速な初期放出を可能にし、第2層35100bはよりゆっくりと吸収されて、シスプラチンの制御放出を可能にし、第3層35100cはもっとも遅く吸収されて、より長期にわたるシスプラチンの制御放出を可能にすることができる。
図97及び98を参照すると、組織厚さコンペンセーター36020は被覆材料36024を含み得る。被覆材料36024は、チューブ状エレメント36080の外側、チューブ状エレメント36080の内側、又はチューブ状エレメント36080の外側及び内側の両方に形成され得る。図97を参照すると、被覆材料36024は、チューブ状エレメント36080の内側及び外側の両方に共射出成形することができ、チューブ状エレメント36080はストランド36090のチューブ状格子36092を含み得る。本明細書に記述されるポリマー組成物と同様、被覆材料36024は、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、及び/又は任意の他の好適な生体吸収性かつ生体適合性のエラストマーポリマーを含み得る。更に、被覆材料36024は非多孔質であり得、これによって、被覆材料36024はチューブ状エレメント36080内に、流体不透過性の層を形成し得る。被覆材料36024は、その中に貫通する管腔36084を画定し得る。
上述の記述に対して更に、チューブ状エレメント36080及び/又はチューブ状格子36092内のストランド36090は、治療薬36098を含み得る。引き続き図97及び98を参照すると、非多孔質被覆材料36024は、内側管腔36084a内に薬剤36098を包含し得る。別の方法として又はこれに加えて、非多孔質の被覆材料36024は、中間管腔36084内に薬剤36098を包含することができる(例えば、薬剤含有ストランド36090のチューブ状格子36092を含む中間管腔36084b)。上記と同様に、チューブ状エレメント36080は、ステープルカートリッジ30000内のステープル空洞30012及び切断エレメント30052に対して配置され得る(図84)。ステープル30030の配備、及び/又は切断エレメント30052の並進は、非多孔質の被覆材料36024を穿刺又は破裂させるように構成することができ、これにより、チューブ状エレメント30080の少なくとも1本の管腔36084内に包含されている薬剤36098が、管腔30084から放出され得る。図99を参照すると、チューブ状エレメント37080は非多孔質フィルム37110を含み得る。非多孔質フィルム37110は、チューブ状格子37092か、チューブ状格子30092の第1層37100a及び第2層37100bを少なくとも部分的に取り巻くことができ、これによって、本明細書に記述される被覆材料36024と同様の流体不透過性の被覆を提供し得る。
上述のように、チューブ状エレメントは、生体吸収性材料、治療薬、複数のストランド、チューブ状格子、チューブ状格子の層、被覆材料、非多孔質フィルム、又はこれらの組み合わせのうち少なくとも1つを含み得る。例えば、図100を参照すると、チューブ状エレメント38080は、チューブ状エレメント38080の中央管腔38084を通って配置される、被覆材料38024及び複数のストランド38090を含み得る。ストランド38090は治療薬38098を含み得る。あるいは、例えば、図101を参照すると、チューブ状エレメント39080は、例えば、チューブ状エレメント39080の中央管腔39084内に配置される、被覆材料39024及び治療薬39098を含み得る。所望により、チューブ状エレメント39080及び被覆材料39024のうち少なくとも1つが、流体治療薬39098を含み得る。
再び、主に図84を参照すると、チューブ状エレメント30080は、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分30010に対して配置され得る。チューブ状エレメント30080は、剛性支持部分30010に隣接して長手方向に配置され得る。チューブ状エレメント30080は、剛性支持部分30010内の長手方向スロット又は空洞30015に対して実質的に平行に又はこれに沿っていてもよい。チューブ状エレメント30080は、長手方向スロット30015に沿っていてもよく、これにより、チューブ状エレメント30080の一部分が、長手方向スロット30015の一部分に重なり得る。そのような場合において、切断エッジ30052が長手方向スロット30015に沿って並進するに従い、ステープル発射スレッド30050上の切断エレメント30052がチューブ状エレメント30080の一部分を切断することができる。あるいは、チューブ状エレメント30080は、長手方向スロット30015の第1側面又は第2側面上に、長手方向に配置され得る。別の代替方法として、チューブ状エレメント30080は、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分30010に対して配置され、これにより、チューブ状エレメント30080は、剛性支持部分30010の少なくとも一部分を横方向又は斜めに横断し得る。
図102を参照すると、例えば、組織厚さコンペンセーター40020は、複数のチューブ状エレメント40080を含み得る。チューブ状エレメント40080は、例えば、異なる長さ、断面形状、及び/又は材料を含み得る。更に、チューブ状エレメント40080は、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分40010に対して配置され、これによって、チューブ状エレメント40080のチューブ軸が互いに平行になり得る。チューブ状エレメント40080のチューブ軸は、長手方向に揃っていてもよく、これによって、第1チューブ状エレメント40080が、もう一方のチューブ状エレメント40080内に配置され得る。あるいは、平行なチューブ状エレメント40080が、例えば、ステープルカートリッジ30000を長手方向に横断することができる。別の代替方法として、平行なチューブ状エレメント40080が、ステープルカートリッジ30000を横方向又は斜めに横断することができる。あるいは、非平行なチューブ状エレメント40080が、互いに対して角度をもった向きであってもよく、これにより、これらのチューブ軸が交差するか、及び/又は互いに非平行になり得る。
図102〜105を参照すると、組織厚さコンペンセーター40020は、2つのチューブ状エレメント40080を有し得る。第1チューブ状エレメント40080aは、剛性支持部分30010内の長手方向スロット30015の第1側面に長手方向に配置され、第2チューブ状エレメント40080bは、長手方向スロット30015の第3側面に長手方向に配置され得る。各チューブ状エレメント40080は、ストランド40090のチューブ状格子40092を含み得る。ステープルカートリッジ30000は、例えば、合計6列のステープル空洞30012を含み得、3列のステープル空洞30012が長手方向スロット30015の各側面に配置され得る。そのような場合において、並進するステープル発射スレッド30050上の切断エッジ30052は、チューブ状エレメント40080の一部分を切断するのに必要ではなくなり得る。
同様に、ここで図106〜107を参照すると、組織厚さコンペンセーター41020は、ステープルカートリッジ30000内に長手方向に配置された2つのチューブ状エレメント41080a、41080bを含み得る。上記と同様に、ステープル空洞30012の3列のステープル30030が、1つのチューブ状エレメント41080aに係合し、ステープル空洞30012の別の3列のステープル30030が、もう一方のチューブ状エレメント41080bに係合し得る。引き続き図106〜107を参照すると、配備されたステープル30030は、チューブ状エレメント40080の断面にわたってさまざまな場所でチューブ状エレメント40080に係合し得る。本明細書に記述されているように、チューブ状エレメント41080により印加される、ばね戻り弾力性と、対応する復元力は、とりわけ、チューブ状エレメント41080の断面形状に依存し得る。チューブ状エレメント41080の円弧部分又はその近くにあるステープル捕捉領域30039内に配置されているステープル30030は、非円弧部分近くに配置されているステープル捕捉領域30039内にあるステープル30030よりも、大きな復元力を受けることができる。同様に、チューブ状エレメント41080の非円弧部分にあるステープル捕捉領域30039内に配置されているステープル30030は、チューブ状エレメント30080の円弧部分又はその近くに配置されているステープル30030が受ける復元力よりも、小さい復元力を受け得る。換言すれば、チューブ状エレメント41080の円弧部分は、チューブ状エレメント41080の非円弧部分よりも大きなばね定数を有し得る。これは、より大量の弾性材料が、そのような部分に沿ってステープル30030によって捕捉され得るという可能性によるものである。所望により、結果として、主に図107を参照すると、組織厚さコンペンセーター41020により生成される復元力は、チューブ状エレメント30080a内において、ステープル30030及び30030cの近くでより大きく、ステープル30030bの近くでより小さくなり得る。これに対応して、組織厚さコンペンセーター41020により生成される復元力は、チューブ状エレメント30080b内において、ステープル30030d及び30030fの近くのほうが、ステープル30030eの近くよりも大きくなり得る。
再び図102〜105を参照すると、チューブ状格子40092を構成するストランド40090の断面形状は、チューブ状格子40092により印加される、望ましいばね戻り弾力性及び対応する復元力を提供できるように選択され得る。例えば、再び図103を参照すると、チューブ状エレメント40080の円弧部分に配置されたストランド40090aは、X形状の断面を含み得、一方、チューブ状エレメント40080の非円弧部分に配置されたストランド40090bは、チューブ状断面を含み得る。異なる断面形状を含むストランド40090a及び40090bは、織り合わせられて、チューブ状格子40092を形成し得る。あるいは、ストランド40090a及び40090bは、例えば、接着剤で互いに接着され得る。図104及び105を参照すると、チューブ状エレメント40080の様々な断面形状のストランド40090は、ステープルカートリッジ30000にわたってステープル捕捉領域30039が受ける復元力を最適化し得る。ステープルカートリッジにわたってステープル捕捉領域30039内のばね戻り定数が実質的に均衡又は等しくなるように、特定の断面形状が選択され得る。
図108を参照すると、組織厚さコンペンセーター41120のチューブ状エレメント41080a、41080bは、隣接部分41126によって一緒に接合され得る。並進する切断エレメント30052は、チューブ状エレメント41080aと41080bの間を通過するように構成され得るが、切断エレメント30052は、隣接部分41126の少なくとも一部分を切断する必要があり得る。隣接部分41126は、軟材料(例えば、フォーム又はゲル)を含み得、これは並進する切断エレメント30052によって容易に切断され得る。隣接部分41026は、組織厚さコンペンセーター41120を外科用エンドエフェクタ12に対して解放可能に固定することができる。隣接部分41126は、剛性支持部分30010の上デッキ表面30011に固定することができ、これにより、隣接部分41126は、チューブ状エレメント41080a、41080bがそこから開放された後に、外科用エンドエフェクタ12内に保持されたままとなり得る。
図109〜110を参照すると、組織厚さコンペンセーター42020は複数のチューブ状エレメント42080を含み得、これにより、例えば、チューブ状エレメント42080の数は、ステープルカートリッジ30000内のステープル空洞30012の列数と同じになり得る。ステープルカートリッジ30000は、6列のステープル空洞30012を含み得、組織厚さコンペンセーター42020は、6つのチューブ状エレメント42080を含み得る。各チューブ状エレメント42080は、ステープル空洞30012の列に実質的に揃い得る。ステープル30030がステープル空洞30012の列から発射されるとき、その列からの各ステープル30030が、同じチューブ状エレメント42080を穿刺し得る(図110)。1本のチューブ42080の変形は、隣接するチューブ42080の変形にほとんど又は全く影響を与え得ない。したがって、チューブ状エレメント42080は、ステープルカートリッジ30030の幅にわたってステープル捕捉領域30039内に、実質的に個別かつカスタマイズされたばね戻り力を印加し得る。ステープル空洞30012の複数の列から発射されたステープル30030が同じチューブ状エレメント35080に係合する場合(図107)、チューブ状エレメント35080の変形は、カスタマイズの度合が少なくなり得る。例えば、第1列のステープル捕捉領域30039内のチューブ状エレメント35080の変形は、別の列のステープル捕捉領域30039内のそのチューブ状エレメント35080の変形に影響を与え得る。並進する切断エッジ30052は、チューブ状エレメント42080の切断を回避し得る。あるいは、図111を参照すると、組織厚さコンペンセーター43020は、6本を超えるチューブ状エレメント43080(例えば、7本のチューブ状エレメント44080)を含み得る。更に、チューブ状エレメント43080は、エンドエフェクタ12内に対称的又は非対称的に配列することができる。奇数のチューブ状エレメント43080が長手方向に、かつ対称的に、エンドエフェクタ12内に配列される場合、並進する切断エレメント30052は、長手方向チャネル30015に重なる中央チューブ状エレメントを切断するように構成され得る。
図112を参照すると、組織厚さコンペンセーター44020は、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分33010において長手方向スロット30015に少なくとも部分的に揃っている中央チューブ状エレメント44080bを含み得る。組織厚さコンペンセーター44020は更に、長手方向スロット30015の側面にある少なくとも1つの外周チューブ状エレメント44080a、44080cを含み得る。例えば、組織厚さコンペンセーター44020は、3本のチューブ状エレメント44080を含み得る。第1外周チューブ状エレメント44080aはステープルカートリッジ30000の長手方向スロット30015の第1側面に長手方向に配置され得、中央チューブ状エレメント44080bは、長手方向スロット30015の上及び/又はこれに揃って実質的に配置され得、第2外周チューブ状エレメント44080cは、長手方向スロット30015の第2側面に長手方向に配置され得る。中央チューブ状エレメント44080bは、垂直直径に対して実質的に長くなった水平直径を含み得る。中央チューブ状エレメント44080b、及び/又は任意の他のチューブ状エレメントは、ステープル空洞30012の複数の列に重なり得る。引き続き図112を参照すると、中央チューブ状エレメント44080bは、例えば、ステープル空洞30012の4本のステープル列に重なり合い、各外周チューブ状エレメント44080a、44080cは、ステープル空洞30012の単一列に重なり得る。あるいは、中央チューブ状エレメント44080bは、例えば、2列のステープル空洞30012など、4本未満の列のステープル空洞30012に重なり得る。更に、外周チューブ状エレメント44080a、44080cは、例えば、2列のステープル空洞30012など、1本を超える列のステープル空洞30012に重なり得る。ここで図113を参照すると、組織厚さコンペンセーター44120の中央チューブ状エレメント44180bは、中央チューブ状エレメント44180bの管腔44184内に治療薬44198を含み得る。所望により、中央チューブ状エレメント44180b及び/又は少なくとも1つの外周チューブ状エレメント44080a、44080cは、治療薬44198及び/又は任意の他の好適な治療薬を含み得る。
図114を参照すると、組織厚さコンペンセーター44220はシェル44224を含み、これは本明細書に記述される被覆材料32024に類似であり得る。シェル44224は、複数のチューブ状エレメント44080の、エンドエフェクタ12内での位置を保持する。シェル44224は、チューブ状エレメント44080と一緒に共押出成形できる。チューブ状エレメント44080は、ストランド44090のチューブ状格子44092を含み得る。本明細書の他の箇所で記述されるポリマー組成物と同様、シェル44224は、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、及び/又は任意の他の好適な生体吸収性かつ生体適合性のエラストマーポリマーを含み得る。更に、シェル44224は非多孔質であってもよく、これによりシェル44224は、例えば、組織厚さコンペンセーター44220内に流体不透過性の層を形成し得る。本明細書の記述に対して更に、チューブ状エレメント44080及び/又はチューブ状格子44092内のストランド44090は、治療薬44098を含み得る。非多孔質シェル44224は、組織厚さコンペンセーター内に治療薬44098を包含し得る。上述のように、チューブ状エレメント44080は、ステープルカートリッジ30000内のステープル空洞30012及び切断エレメント30052に対して配置され得る。ステープル30030の配備及び/又は切断エレメント30052の並進は、非多孔質のシェル44224を穿刺又は破裂させるように構成することができ、これにより、ここに包含されている治療薬44198が、組織厚さコンペンセーター44020から放出され得る。
図115を参照すると、組織厚さコンペンセーター44320は、チューブ状格子44392を含む中央チューブ状エレメント44380bを含み得る。チューブ状格子44392は、不織布部分又は隙間44381を有し得、これは、剛性支持部分30010の長手方向スロット30015に実質的に揃っていてもよい。そのような場合において、チューブ状エレメント44380bのチューブ状格子44092の織布部分は、長手方向スロット30015に重ならない。したがって、並進ステープル発射スレッド30052上の切断エレメント30052は、チューブ状格子44392の織布部分の重なりを切断することなしに、長手方向スロット30015に沿って並進することができる。チューブ状エレメント44380b内の隙間44381に隣接して配置されるステープル30030c及び30030dは、チューブ状格子44392構造から受ける支持が少ない可能性があるが、追加機能によってこれらのステープル30030に支持を提供することができ、及び/又は、その中のステープル捕捉領域30039内に、追加の復元力を提供することができる。例えば、本明細書で詳述されるように、例えば、追加のチューブ状エレメント、支持ウェブ、ばね、及び/又はバットレス材料を、隙間44381近くのチューブ状エレメント44380bの内側及び外側の少なくとも一方に配置することができる。
ここで図116〜119aを参照すると、組織厚さコンペンセーター45020は、ステープルカートリッジ30000を横方向に横断する複数のチューブ状エレメント45080を含み得る。チューブ状エレメント45080は、ステープル空洞30012の列に対して、及び/又は、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分30010の長手方向軸に対して、垂直に配置され得る。図116を参照すると、チューブ状エレメント45080は、ステープルカートリッジ30000の長手方向スロット30015を横断することができ、これによって、ステープル発射スレッド30050上の切断エレメント30052は、ステープル発射スレッド30050が長手方向スロット30015に沿って並進する際に、チューブ状エレメント45080を切断するように構成され得る。あるいは、ここで図117を参照すると、組織厚さコンペンセーター46020は、横方向に横切る2セットのチューブ状エレメント46080を含み得る。第1セットの横方向に横断するチューブ状エレメント46080aは、長手方向スロット30015の第1側面に配置することができ、第2セットの横方向に横断するチューブ状エレメント46080bは、長手方向スロット30015の第2側面に配置することができる。そのような配列において、切断エレメント30052は、チューブ状エレメント46080の一部を切断することなしに、2セットのチューブ状エレメント46080の間を通るように構成することができる。あるいは、切断エレメント30052は、長手方向スロット30015を横断する少なくとも1本のチューブ状エレメント46080を切断することができ、このとき、少なくとも1本の他のチューブ状エレメント46080は長手方向スロット30015を横断せず、よって切断エレメント30052によって切断されない。
チューブ状エレメント45080がステープルカートリッジ30000を横方向に横断する際、図118及び119を参照すると、ステープル30030は各ステープル捕捉領域30039内の少なくとも1つのチューブ状エレメント45080に係合し得る。そのような配列において、各チューブ状エレメント45080は、ステープルカートリッジ30000の長さにわたって、分離した復元力を提供し得る。例えば、主に図119を参照すると、組織厚さコンペンセーター45020の近位端近く(組織がより厚い場所)に配置されたチューブ状エレメント45080は、組織厚さコンペンセーター45020の遠位端近く(組織がより薄い場所)に配置されたチューブ状エレメント45080よりも、圧縮度が大きくなり得る。その結果、組織厚さコンペンセーター45020の近位端近くに配置されたチューブ状エレメント45080は、組織厚さコンペンセーター45020の遠位端近くに配置されたチューブ状エレメント46080によって生成され得る復元力よりも、大きな復元力を供給し得る。更に、引き続き図119を参照すると、1本のチューブ45080の変形は、隣接するチューブ45080の変形に、ほとんど又は全く影響をもたらし得ない。したがって、チューブ状エレメント45080は、ステープルカートリッジ30030の長さにわたってステープル捕捉領域30039内に、実質的に個別かつカスタマイズされたばね戻り力を印加し得る。ステープル空洞30012の単一列から発射された複数のステープル30030が同じチューブ状エレメント35080に係合する場合、チューブ状エレメント35080の変形は、カスタマイズの度合が少なくなり得る。例えば、ステープル捕捉領域30039内のチューブ状エレメント35080の変形は、別のステープル捕捉領域30039内のそのチューブ状エレメント35080の変形に影響を与え得る。
別の代替方法として、図120〜125を参照すると、組織厚さコンペンセーター47020のチューブ状エレメント47080は、ステープルカートリッジ30000を斜めに横断し得る。チューブ状エレメント47080は、ステープルカートリッジ30000の長手方向スロット30015を横断することができ、これによって、ステープル発射スレッド30050上の切断エレメント30052は、ステープル発射スレッド30052が長手方向スロット30015に沿って並進する際に、斜めに横断するチューブ状エレメント47080を切断するように構成され得る。あるいは、組織厚さコンペンセーター47020は、2セットの斜めに横断するチューブ状エレメント47080を含み得る。第1セットの斜めに横断するチューブ状エレメント47080は、長手方向スロット30015の第1側面に配置することができ、第2セットの斜めに横断するチューブ状エレメント47080は、長手方向スロット30015の第2側面に配置することができる。そのような配列において、切断エレメント30052は2セットのチューブ状エレメント47080の間を通ることができ、チューブ状エレメント47080を切断することがない。
引き続き図120〜123を参照すると、斜めに横断するチューブ状エレメント47080は、チューブ状エレメント47080間に隙間が画定されるように、ステープルカートリッジ30000内に配置することができる。隣接するチューブ状エレメント47080は、例えば、形成されたステープル30030のステープル捕捉領域30039内に捕捉された組織Tによって圧縮力が印加されたときに、チューブ状エレメント47080の水平方向膨張のためのスペースを提供し得る。チューブ状エレメント47080は、フィルム又はシート材料47024により、隙間にわたって接続され得る。シート材料は、剛性支持部分30010のデッキ表面30011、及び/又はチューブ状エレメント47080の組織接触面の、少なくとも一方に配置され得る。
図124及び125を参照すると、少なくとも1本の斜めに横断するチューブ状エレメント47080が、ステープルカートリッジ30000内のステープル空洞30012に対して配置され、これによって、チューブ状エレメント47080は、ステープル空洞30012の複数の列から配備されたステープル30030の脚部30032の間に配置され得る。ステープル30030が初期位置から発射済み位置へと移動すると、本明細書で詳述されるように、ステープル脚部30032は、チューブ状エレメント47080の回りに配置されたままになり得る。更に、ステープルは、例えば、ステープル脚部30032がチューブ状エレメント47080の回りを包み込むように変形され得る。そのような配列において、ステープル30030は、チューブ状エレメント47080を穿刺することなく、発射済み又は形成済み位置に移動するように構成され得る。チューブ状エレメント47080回りのステープル脚部30032の動きにより、その中に保持される治療薬47098を誤って放出するのが防止され得る。ステープルカートリッジ30000の長手方向スロット30015に対する、各チューブ状エレメント47080の選択される角度方向は、ステープルカートリッジ30000のステープル空洞30012の位置に依存し得る。例えば、チューブ状エレメント47080は、ステープルカートリッジ30000の長手方向スロット30015に対して約45度の角度で配置され得る。あるいは、チューブ状エレメント47080は、例えば、ステープルカートリッジ30000の長手方向スロット30015に対して15〜75度の角度で配置され得る。
本開示全体の記述と同様に、組織厚さコンペンセーター内の複数のチューブ状エレメントは、例えば、結合剤、ラップ、ウェブ、被覆、補償材料、及び/又は任意の他の好適な結合接着材又は構造によって接続することができる。図126〜128を参照すると、可撓性シェル48024は、組織厚さコンペンセーター48020内のチューブ状エレメント48080を包囲又は封入し得る。可撓性シェル48024は、エンドエフェクタ12内のチューブ状エレメント48080を拘束し、各チューブ状エレメント48080を定位置に(例えば、ステープル空洞30012の列に揃った長手方向に)保持することができる。組織厚さコンペンセーター48020は、例えば、6本のチューブ状エレメント48080を含み得る。可撓性シェル48024は、チューブ状エレメント48080の変形及び復元を可能にしながら、その中に収容されているチューブ状エレメント48020を拘束できるよう、十分に変形可能かつ弾力性であり得る。更に、可撓性シェル48024は、チューブ状エレメント48080をしっかりと包み込むことができ、チューブ状エレメント48080が変形及び/又は復元する際にもこれにしっかりと係合したままであり得る。
図127を参照すると、ステープル30030を配備する前に、アンビル30060は下方向に枢動又は回転して、アンビル30060とステープルカートリッジ30000の間にある組織厚さコンペンセーター48020及び組織Tを圧縮し得る。組織厚さコンペンセーター48020の圧縮は、その中にある可撓性シェル48024及びチューブ状エレメント48020の対応する圧縮を含み得る。チューブ状エレメント48020が変形すると、可撓性シェル48024が同様に変形し得る。チューブ状エレメント48020は、ステープルカートリッジ30000の幅にわたって均一に圧縮され、可撓性シェル48024は、チューブ状エレメント48080にわたって同様に均一な圧縮を受け得る。図128を参照すると、ステープル30030がステープルカートリッジ30000から配備された後にアンビル30060が開くと、チューブ状エレメント48080は、圧縮された形状から復元又は部分的に復元し得る(図127)。本発明により、チューブ状エレメント48080は、チューブ状エレメント48080が初期の非変形形状に戻るように復元し得る。チューブ状エレメント48080は、チューブ状エレメント48080が初期の非変形形状に部分的に戻るように部分的に復元し得る。例えば、チューブ状エレメント48080の変形は、部分的に弾性的かつ部分的に塑性的であり得る。チューブ状エレメント48080が復元されるとき、可撓性シェル48024は各チューブ状エレメント48080にしっかりと係合したままであり得る。チューブ状エレメント48080及び可撓性シェル48024は、チューブ状エレメント48080がその中の組織Tに対して適切な復元力を印加すると同時に、チューブ状エレメント48080及び組織Tがステープル捕捉領域30039を充填するような程度に、復元され得る。図129を参照すると、他の場合において、例えば、可撓性シェル48124内に保持された6本のチューブ状エレメント48180を含む組織厚さコンペンセーター48120が、エンドエフェクタ12のアンビル30060上に配置され得る。
図130〜133を参照すると、組織厚さコンペンセーター49020は、アンビル30060の長手方向軸に沿って長手方向に配置されたチューブ状エレメント49080を含み得る。組織厚さコンペンセーター49020は、圧縮可能な補償材料49024によって、エンドエフェクタ12のアンビル30060に固定され得る。更に、圧縮可能な補償材料49024は、チューブ状エレメント49080を包囲又は封入し得る。本明細書の記述と同様に、チューブ状エレメント49080は少なくとも1つの治療薬49098を含み得、これは、組織厚さコンペンセーター49020の様々な構成要素の吸収、ステープルカートリッジ30000から発射されたステープル30030によるチューブ状エレメント49080の穿刺、及び/又は切断エレメント30052によって、放出され得る。
図131を参照すると、ステープルカートリッジ30000は、ステープル空洞30012内に配置されたステープル30030を含み得、ステープル30030の配備の前に、アンビル30060及びそこに取り付けられた組織厚さコンペンセーター49020が、ステープルカートリッジ30000に向かって枢動し、間に捕捉されている組織Tを圧縮し得る。組織厚さコンペンセーター49020のチューブ状エレメント49080は、アンビル30060を枢動させることにより、ステープルカートリッジ30000の長さに沿って均一に変形され得る(図131)。図132及び133を参照すると、ステープル発射スレッド30050はステープルカートリッジ30000内の長手方向スロット30015に沿って並進し、ステープル空洞30010内のステープル30030の下に配置されている各ドライバー30040に係合し、係合された各ドライバー30040が、ステープル空洞30012からステープル30030を発射又は射出することができる。アンビル30060が組織T及び組織厚さコンペンセーター49020に対する圧力を解放すると、組織厚さコンペンセーター49020(チューブ状エレメント49080及び圧縮可能な補償材料49024を含む)が、圧縮形状(図131)から復元形状(図132及び133)へと復元又は部分的に復元し得る。チューブ状エレメント49080及び圧縮可能な補償材料49024は、組織厚さコンペンセーター49020が、捕捉された組織Tに復元力を印加すると同時に、組織厚さコンペンセーター49020と組織Tがステープル捕捉領域30039を充填するような程度に、復元することができる。
図124〜126を参照すると、2つの組織厚さコンペンセーター50020a、50020bが、外科用器具のエンドエフェクタ12内に配置され得る。例えば、第1組織厚さコンペンセーター50020aは、下ジョー30070内のステープルカートリッジ30000に取り付けられ、第2組織厚さコンペンセーター50020bはアンビル30060に取り付けられ得る。第1組織厚さコンペンセーター50020aは、第1補償材料50024a内に長手方向に配置されかつ保持される複数のチューブ状エレメント50080を含み得る。少なくとも1本のチューブ状エレメント50080が、本明細書に記述される治療薬と同様の、治療薬50098を含み得る。第1補償材料50024aは、変形可能か、又は実質的に剛性であり得る。更に、第1補償材料50024aは、ステープルチャネル30000に対する位置に、チューブ状エレメント50080を保持することができる。例えば、第1補償材料50024aは、ステープル空洞30012の列に沿って長手方向に、各チューブ状エレメント50080を保持することができる。第2組織厚さコンペンセーター50020bは、第1補償材料50024a、第2補償材料50024b及び/又は第3補償材料50024cを含み得る。第2及び第3補償材料50024b、50024cは、変形可能か、又は実質的に剛性であり得る。
アンビル30060は枢動し、アンビル30060とステープルカートリッジ30000の間にある組織厚さコンペンセーター50020a、50020b及び組織Tに対して圧縮力を印加することができる。場合によっては、第1組織厚さコンペンセーター50020aと第2組織厚さコンペンセーター50020bのいずれも、圧縮可能でない場合がある。あるいは、第1組織厚さコンペンセーター50020a及び/又は第2組織厚さコンペンセーター50020bのうち少なくとも1つが、圧縮可能であり得る。ステープル30030がステープルカートリッジ30000から発射されるとき、ここで図135及び136を参照すると、各ステープル30030は、第1組織厚さコンペンセーター50020a内に保持されているチューブ状エレメント50080を穿刺し得る。図135に示されているように、チューブ状エレメント50080内に保持されている治療薬50098は、ステープル30030がチューブ状エレメント50080を穿刺したときに放出され得る。放出されると、治療薬50098は、ステープル脚部30032と、発射されたステープル30030周囲の組織Tをコーティングし得る。ステープル30030は更に、ステープル30030がステープルカートリッジ30000から発射されたときに、第2組織厚さコンペンセーター50020bをも穿刺することができる。
図137〜140を参照すると、組織厚さコンペンセーター51020は、組織厚さコンペンセーター51020を横方向に横断する少なくとも1本のチューブ状エレメント51080を含み得る。例えば、図137を参照すると、組織厚さコンペンセーター51020は、ステープルカートリッジ30000に対して配置され、これによって、横方向に横断するチューブ状エレメント51080の第1端51083は、ステープルカートリッジ30000の第1長手方向側面近くに配置され、横方向に横断するチューブ状エレメント51080の第2端51085は、ステープルカートリッジ30000の第2長手方向側面近くに配置され得る。チューブ状エレメント51080は、例えば、カプセル様形状を含み得る。図138に示すように、チューブ状エレメント51080は第1端51083と第2端51085との間にミシン目を有し得、場合によっては、チューブ状エレメント51080はチューブ状エレメント51080の中央位置51087又はその近くにミシン目を有し得る。チューブ状エレメント51080はポリマー組成物を含み得、例えば、生体吸収性の生体適合性エラストマーポリマーを含み得る。更に、再び図137を参照すると、組織厚さコンペンセーター51020は、複数の横方向に横断するチューブ状エレメント51080を含み得る。例えば、13本のチューブ状エレメント51080が、組織厚さコンペンセーター51020内に横方向に配置され得る。
再び図137を参照すると、組織厚さコンペンセーター51020は更に、チューブ状エレメント51080を少なくとも部分的に包囲する補償材料51024を含み得る。補償材料51024は、生体吸収性ポリマーを含み得、例えば、凍結乾燥した多糖類、糖たんぱく、エラスチン、プロテオグリカン、ゼラチン、コラーゲン、及び/又は酸化再生セルロース(ORC)を含み得る。補償材料51024は、組織厚さコンペンセーター51020内の位置にチューブ状エレメント51080を保持し得る。更に、補償材料51024は、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分30010の上デッキ表面30011に固定することができ、これによって補償材料51020は、エンドエフェクタ12内にしっかりと配置され得る。補償材料51024は、少なくとも1つの薬剤51098を含み得る。
引き続き図137を参照すると、横方向に配置されたチューブ状エレメント51080は、並進切断エレメント30052に対して配置され、これによって、切断エレメント30052がチューブ状エレメント51080を切断するように構成され得る。切断エレメント30052は、ミシン目の位置又はその近くでチューブ状エレメント51080を切断し得る。チューブ状エレメント51080が半分に切断された場合、そのチューブ状エレメント51080の切断された部分は、図139に示すように膨潤又は膨張するように構成され得る。例えば、チューブ状エレメント51080は親水性物質51099を含み得、チューブ状エレメント51080が切断されるとこれが放出及び/又は曝露され得る。更に、親水性物質51099が組織T内の体液に接触すると、親水性物質51099は流体を引き付け、これによってチューブ状エレメント51080を膨潤又は膨張させることができる。チューブ状エレメント51080が膨張すると、チューブ状エレメント51080を包囲している補償材料51024が、膨潤したチューブ状エレメント51080に対応するために移動又は調整を行うことができる。例えば、補償材料51024がゼラチンを含む場合、ゼラチンは移動して、膨潤したチューブ状エレメント51080に対応することができる。ここで図140を参照すると、チューブ状エレメント51080の膨張及び補償材料51024の移動によって、組織厚さコンペンセーター51020の対応する膨張が生じ得る。
本開示全体に記述される他の組織厚さコンペンセーターと同様、組織厚さコンペンセーター51020は、印加された力によって変形又は圧縮され得る。更に、組織厚さコンペンセーター51020は、印加力により変形したときにばね戻り力を生成し、この後に印加力が除去されたときに復元又は部分的に復元できるよう、十分に弾力性であり得る。所望により、組織厚さコンペンセーター51020がステープル捕捉領域30039内に捕捉されると、ステープル30030は組織厚さコンペンセーター51020を変形させ得る。例えば、ステープル30030は、発射されたステープル30030内に捕捉された組織厚さコンペンセーター51020のチューブ状エレメント51080及び/又は補償材料51024を変形させることができる。所望により、組織厚さコンペンセーター51020の捕捉されていない部分も、ステープル捕捉領域30039の変形によって変形され得る。変形されると、組織厚さコンペンセーター51020は変形形状から復元しようとし得る。所望により、そのような復元は、チューブ状エレメント51080の親水性膨張の前に、チューブ状エレメント51080の親水性膨張と同時に、及び/又はチューブ状エレメント51080の親水性膨張の後に、起こり得る。組織厚さコンペンセーター51020が復元しようとする際に、本明細書で詳述されるように、ステープル捕捉領域30039に一緒に捕捉された組織に対して、復元力を印加することができる。
所望により、組織厚さコンペンセーター51020内の少なくとも1本のチューブ状エレメント51080及び/又は補償材料51024は、治療薬51098を含み得る。治療薬51098を包含するチューブ状エレメント51080が切断されると、チューブ状エレメント51080内に包含されている治療薬51098が放出され得る。更に、補償材料51024が治療薬51098を含む場合、治療薬51098は、生体吸収性補償材料51024が吸収される際に、放出され得る。組織厚さコンペンセーター51020は、治療薬51098の急速な初期放出と、その後の治療薬51098の制御放出を提供し得る。例えば、組織厚さコンペンセーター51020は、治療薬51098を含むチューブ状エレメント51080が切断されるときに、チューブ状エレメント51080から組織Tへの、治療薬51098の急速な初期放出を提供し得る。更に、治療薬51098を含む生体吸収性補償材料51024が吸収されるときに、組織厚さコンペンセーター51020は、治療薬51098の長期間の制御放出を提供することができる。治療薬51098の少なくとも一部は、治療薬51098が補償材料51024内に流入する前に、短時間、チューブ状エレメント51080内に留まり得る。あるいは、治療薬51098の少なくとも一部は、チューブ状エレメント51080が吸収されるまで、チューブ状エレメント51080内に留まり得る。チューブ状エレメント51080と補償材料51024から放出される治療薬51098は、同じであり得る。あるいは、チューブ状エレメント51080及び補償材料51024は、例えば、異なる治療薬、又は異なる治療薬の組み合わせを含み得る。
引き続き図140を参照すると、エンドエフェクタ12は、組織Tを切断し、それとほぼ同時に、又は直後に、その切断された組織Tにステープル30030を発射することができる。そのような場合において、ステープル30030は、切断エレメント30052が組織Tに隣接するチューブ状エレメント51080を切断した直後に、組織T内に配備され得る。換言すれば、ステープル30030は、チューブ状エレメント51080の膨潤及び組織厚さコンペンセーター51020の膨張の直後又は同時に、組織厚さコンペンセーター51020に係合することができる。組織厚さコンペンセーター51020は、ステープル30030が組織T内に発射された後も、増大又は膨張し続けることができる。ステープル30030は、ステープル30030が配備されるときに、チューブ状エレメント51080を穿刺するように構成することができる。そのような場合において、切断されたチューブ状エレメント51080にまだ留まっている治療薬51098は、チューブ状エレメント51080から放出され、場合によっては、発射済みステープル30030の脚部30031を覆うことができる。
図141を参照すると、組織厚さコンペンセーター51020は、例えば、成形型技法によって製造することができる。本発明により、フレーム(成形型)51120は、第1長手方向側面51122及び第2長手方向側面51124を含み得る。各長手方向側面51124は、1つ以上の切り欠き51130を含み得、これはそれぞれ、チューブ状エレメント51080の第1端又は第2端50183、50185を受容するように構成され得る。チューブ状エレメント51080の第1端50183は、第1長手方向側面51122の第1切り欠き51130a内に配置することができ、チューブ状エレメント51080の第2端50183は、第2長手方向側面51124の第2切り欠き51130b内に配置することができ、これによって、チューブ状エレメント51080がフレーム51120を横方向に横断する。切り欠き51180は半円形の溝を含み、これは、その中にチューブ状エレメント51080の第1端又は第2端50183、50185をしっかりと保持し得る。第1切り欠き51130aは、第2切り欠き51130bの真向かいに配置することができ、チューブ状エレメント51080は、フレームの長手方向軸51120に対して垂直に、又は少なくとも実質的に垂直に、配置することができる。あるいは、第1切り欠き51130aは、第2切り欠き51130bからずれた位置にあってもよく、これにより、チューブ状エレメント51080は、フレームの長手方向軸51120に対して角度をつけて配置され得る。別の代替方法として、少なくとも1本のチューブ状エレメント51080が、フレーム51120内に長手方向に配置され、これによって、チューブ状エレメントは、フレーム51120の横方向側面51126、51128の間に延在し得る。更に、例えば、少なくとも1本のチューブ状エレメントを、フレームの横方向側面51126、51128の2つの切り欠きの間で、又は、横方向側面51126上の切り欠きと長手方向側面51124上の切り欠きとの間で、フレーム内に斜めに配置することができる。フレーム51120は、支持棚51136を含み得、これはフレーム51120内に配置されたチューブ状エレメント51080を支えることができる。
フレーム51120は、例えば、12本のチューブ状エレメント51080を収容するための切り欠き51130を含み得る。フレーム切り欠き51130は、チューブ状エレメント51080で占められていてもよく、あるいは、切り欠き51130の全てが占められていなくともよい。所望により、少なくとも1本のチューブ状エレメント51080がフレーム51120内に配置され得る。少なくとも半分の切り欠き51130が、チューブ状エレメント51080を受容し得る。チューブ状エレメント51080がいったんフレーム51120に配置されたら、補償材料51024をフレーム51120に加えることができる。補償材料51024は、フレーム51120に加えるときに流体であり得る。例えば、補償材料51024は、フレーム51120内に注ぐことができ、その中に配置されたチューブ状エレメント51080の周りに流れ込むことができる。図142を参照すると、流体補償材料51024は、フレーム51120内の切り欠き51130に支持されたチューブ状エレメント51080の周りに流れ込むことができる。補償材料51024が硬化した後、又は少なくとも十分に硬化した後、ここで図143を参照すると、補償材料51024及びチューブ状エレメント51080を含む組織厚さコンペンセーター51020を、フレーム51120から取り出すことができる。組織厚さコンペンセーター51020はトリミングすることができる。例えば、余分の補償材料51024を組織厚さコンペンセーター51020から除去して、補償材料の長手方向側面を実質的に平らにすることができる。更に、図144を参照すると、チューブ状エレメント51080の第1端及び第2端50183、50185を一緒にプレスするか又は閉じて、チューブ状エレメント51080を密封することができる。この端は、チューブ状エレメント51080をフレーム51120に配置する前に閉じることができる。あるいは、トリミングプロセスで端51083、51085を切断して、次に熱スタッキングプロセスを使用して、チューブ状エレメント51080の端51083、51085を密封及び/又は閉じることができる。
再び図141を参照すると、補強ピン51127を各チューブ状エレメント51080内に配置することができる。例えば、補強ピン51127は、チューブ状エレメント51080の長手方向管腔を通って延在し得る。補強ピン51127は、各チューブ状エレメント51080を超えて延在してもよく、これによって、補強ピン51127がフレーム51120内の切り欠き51130に配置され得る。補強ピン51127を有する実施形態において、補強ピン51127は、例えば、補償材料51204がフレーム51120に注がれ、流体補償材料51024がチューブ状エレメント51080の周りに流れ込む際に、チューブ状エレメント51080を支持することができる。補償材料51024がいったん硬化し、固化し、及び/又は凍結乾燥するか、あるいは十分な程度に硬化し、固化し、及び/又は凍結乾燥したら、組織厚さコンペンセーター51020をフレーム51120から取り出し、補強ピン51127をチューブ状エレメント51080の長手方向管腔から取り出すことができる。チューブ状エレメント51080は次に、例えば、薬剤で充填し得る。チューブ状エレメント51080に薬剤を充填した後、組織厚さコンペンセーター51020(チューブ状エレメント51080の端51083、51085を含む)をトリミングすることができる。組織厚さコンペンセーター51020は、例えば、ダイカットすることができ、及び/又は、熱及び/又は圧力で密封することができる。
本明細書に記述されているように、組織厚さコンペンセーター52020は、複数のチューブ状エレメント51080を含み得る。ここで図145を参照すると、チューブ状エレメント51080は様々な材料特性、寸法及び形状を含み得る。例えば、第1チューブ状エレメント51080aは第1厚さ及び第1材料を含み得、第2チューブ状エレメント51080bは第2厚さ及び第2材料を含み得る。所望により、組織厚さコンペンセーター52020内にある少なくとも2本のチューブ状エレメント51080が同じ材料を含み得る。あるいは、組織厚さコンペンセーター52020内の各チューブ状エレメント51080が異なる材料を含み得る。同様に、組織厚さコンペンセーター52020内にある少なくとも2本のチューブ状エレメント51080が同じ形状を含み得る。あるいは、組織厚さコンペンセーター52020内の各チューブ状エレメント51080が異なる形状を含み得る。
ここで図208〜211を参照すると、組織厚さコンペンセーター51220は、組織厚さコンペンセーター51220を横方向に横断する少なくとも1本のチューブ状エレメント51280を含み得る。図208を参照すると、組織厚さコンペンセーター51220は、エンドエフェクタ12のアンビル30060に対して配置され得る。組織厚さコンペンセーター51220は、例えば、エンドエフェクタ12のアンビル30060の固定表面30061に対して固定され得る。主に図209を参照すると、チューブ状エレメント51280は、例えば、カプセル様の形状を含み得る。チューブ状エレメント51280はポリマー組成物を含み得、例えば、生体吸収性の生体適合性エラストマーポリマーを含み得る。
再び図208を参照すると、組織厚さコンペンセーター51220は更に、チューブ状エレメント51280を少なくとも部分的に包囲する補償材料51224を含み得る。補償材料51224は、生体吸収性ポリマーを含み得、例えば、凍結乾燥した多糖類、糖たんぱく、エラスチン、プロテオグリカン、ゼラチン、コラーゲン、及び/又は酸化再生セルロース(ORC)を含み得る。上記と同様に、補償材料51024は、組織厚さコンペンセーター51220内の位置にチューブ状エレメント51280を保持し得る。更に、補償材料51224は、アンビル30060の固定表面30061に固定することができ、これによって補償材料51220は、エンドエフェクタ12内にしっかりと配置され得る。補償材料51224は、少なくとも1つの薬剤を含み得る。
引き続き図208を参照すると、横方向に配置されたチューブ状エレメント51280は、並進スレッド30250上の切断エレメント30252に対して配置され、これによって、並進切断エレメント30252がチューブ状エレメント51280を切断するように構成され得る。切断エレメント30252は、例えば、各チューブ状エレメント51280の中央又はその近くで、チューブ状エレメント51280を切断することができる。チューブ状エレメント51280が半分に切断された場合、そのチューブ状エレメント51280の切断された部分は、図208に示すように膨潤又は膨張するように構成され得る。主に図210を参照すると、チューブ状エレメント51280は親水性物質51099を含み得、チューブ状エレメント51280が切断されると、これが放出及び/又は曝露され得る。更に、ここで図211を参照すると、親水性物質51099が組織T内の体液に接触すると、親水性物質51099は流体を引き付け、これによってチューブ状エレメント51280を膨潤又は膨張させることができる。チューブ状エレメント51280が膨張すると、チューブ状エレメント51280を包囲している補償材料51224が、膨潤したチューブ状エレメント51280に対応するために移動又は調整を行うことができる。例えば、補償材料51224がゼラチンを含む場合、ゼラチンは移動して、膨潤したチューブ状エレメント51280に対応することができる。再び図208を参照すると、チューブ状エレメント51280の膨張及び補償材料51224の移動によって、組織厚さコンペンセーター51220の対応する膨張が生じ得る。
本開示全体に記述される他の組織厚さコンペンセーターと同様、組織厚さコンペンセーター51220は、印加された力によって変形又は圧縮され得る。更に、組織厚さコンペンセーター51220は、印加力により変形したときにばね戻り力を生成し、この後に印加力が除去されたときに復元又は部分的に復元できるよう、十分に弾力性であり得る。所望により、組織厚さコンペンセーター51220がステープル捕捉領域30039(図88)内に捕捉されると、ステープル30030は組織厚さコンペンセーター51220を変形させ得る。例えば、ステープル30030は、発射されたステープル30030内に捕捉された組織厚さコンペンセーター51220のチューブ状エレメント51280及び/又は補償材料51224を変形させることができる。所望により、組織厚さコンペンセーター51220の捕捉されていない部分も、ステープル捕捉領域30039の変形によって変形され得る。変形されると、組織厚さコンペンセーター51220は変形形状から復元しようとし得る。所望により、そのような復元は、チューブ状エレメント51280の親水性膨張の前に、チューブ状エレメント51280の親水性膨張と同時に、及び/又はチューブ状エレメント51280の親水性膨張の後に、起こり得る。組織厚さコンペンセーター51220が復元しようとする際に、本明細書で詳述されるように、ステープル捕捉領域30039に一緒に捕捉された組織に対して、復元力を印加することができる。
図146〜149を参照すると、組織厚さコンペンセーター52020は、本明細書に記述される組織厚さコンペンセーターのうち少なくとも1つと同様に、組織厚さコンペンセーター52020を横方向に横断する1本以上のチューブ状エレメント52080を含み得る。組織厚さコンペンセーター52020は、横方向に横断する複数のチューブ状エレメント52080を含み得る。組織厚さコンペンセーター52020は更に、組織厚さコンペンセーター52020内に、少なくとも1本のチューブ状エレメント52080を保持又は留保する、1枚以上のシート材料52024を含み得る。1枚以上のシート材料52024は、チューブ状エレメント52080の上及び/又は下に配置することができ、組織厚さコンペンセーター52020内の各チューブ状エレメント52080をしっかり保持することができる。主に図146を参照すると、組織厚さコンペンセーターは第1シート材料52024a及び第2シート材料52024bを含み得る。チューブ状エレメント52080は、第1及び第2シート材料52024a、52024bの間に配置され得る。更に、引き続き図146を参照すると、シート材料52024bはステープルカートリッジ30000の剛性支持部分の上デッキ表面30011に固定することができ、これによって組織厚さコンペンセーター52020がエンドエフェクタ12内にしっかりと配置され得る。あるいは、1枚以上のシート材料52024が、アンビル30060に固定されるか、又は他の様相でエンドエフェクタ12内に保持され得る。
主に図147を参照すると、組織厚さコンペンセーター52020は多孔質及び/又は浸透性であり得る。例えば、シート材料52024は複数の開口部52026を含み得る。開口部52026は実質的に円形であり得る。開口部52036はシート材料52024内で可視であり得る。あるいは、開口部52036は微細であり得る。引き続き図147を参照すると、チューブ状エレメント52080も、複数の開口部52026を含み得る。図148を参照すると、組織厚さコンペンセーター52120は、複数の非円形開口部52126を含むシート材料52124を含み得る。例えば、開口部52126は、菱形及び/又はスロット形状を含み得る。あるいは、図149を参照すると、組織厚さコンペンセーター52220は、透過性チューブ状格子52292を含むチューブ状エレメント52280を含み得る。シート材料52224は、生体吸収性の生体適合性エラストマーポリマーを含み得、かつ、例えば、薬剤を含み得る。
少なくとも1本のチューブ状エレメント52080は、図150A〜150Dに示すように、膨潤又は膨張するように構成され得る。例えば、図150Aを参照すると、チューブ状エレメント52080は、組織厚さコンペンセーター52020内で、第1及び第2シート材料52024a、52024bの間に配置することができる。組織厚さコンペンセーター52020が組織Tに接触すると、図150Bに示すように、組織厚さコンペンセーター52020が膨張し得る。例えば、チューブ状エレメント52080は、組織T内又は表面にある流体に曝露すると膨張する、親水性物質52099を含み得る。更に、上述のように、シート材料52024及びチューブ状エレメント52080は透過性であってもよく、これによって、組織T由来の流体が、組織厚さコンペンセーター52020を浸透し、この流体がチューブ状エレメント52080内の親水性物質52099に接触し得る。チューブ状エレメント52080が膨張すると、チューブ状エレメント52080を包囲しているシート材料52024は、膨潤したチューブ状エレメント52080に対応するよう、移動又は調整を行うことができる。本開示全体にわたって記述される様々な組織厚さコンペンセーターと同様、膨張した組織厚さコンペンセーター52020は、印加されている力(例えば、図150Cに示すような、発射済みステープルによって印加されている圧縮力)によって、変形又は圧縮され得る。更に、組織厚さコンペンセーター52020は、印加力により変形したときにばね戻り力を生成し、この後に印加力が除去されたときに復元できるよう、十分に弾力性であり得る。ここで図150D及び150Eを参照すると、組織厚さコンペンセーター52020は、捕捉された組織Tに適切に対応するため、異なるステープル捕捉領域30039内で異なる形状に復元され得る。
図151〜156を参照すると、組織厚さコンペンセーター53020は、垂直配置された複数のチューブ状エレメント53080を含み得る。所望により、各チューブ状エレメント53080は、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分30010の上デッキ表面30011に対して実質的に垂直のチューブ軸を含み得る。更に、各チューブ状エレメント53080の第1端は、例えば、上デッキ表面30011に隣接して配置され得る。チューブ状エレメント53080は、変形可能であり得、例えば、エラストマーポリマーを含み得る。所望により、図152に示すように、チューブ状エレメント53080は、ステープル係合された組織Tと共にステープル捕捉領域30039内に捕捉されたときに、圧縮され得る。チューブ状エレメント53080は弾性材料を含み得、これによって、チューブ状エレメント53080が変形形状から復元しようとする際に、チューブ状エレメント53080の変形が復元力を生成し得る。チューブ状エレメント53080の変形は、少なくとも部分的に弾性的かつ少なくとも部分的に塑性的であり得る。チューブ状エレメント53080は、印加された力の下でばねとして作用するように構成することができ、屈曲しないように構成することができる。図153を参照すると、チューブ状エレメント53080は実質的に円柱であり得る。図154を参照すると、チューブ状エレメント53180は屈曲領域53112を含み得る。チューブ状エレメント53180は、圧縮力が印加されたときに、屈曲領域53112で屈曲又は変形するように構成され得る。チューブ状エレメント53180は、弾性的及び/又は塑性的に変形することができ、次に、所定の屈曲力下で、屈曲領域53112で急に屈曲するよう設計され得る。
主に図155を参照すると、第1チューブ状エレメント53080はステープル空洞30012の第1端に配置され、もう一方のチューブ状エレメント53080はステープル空洞30012の第2端に配置することができる。図153に示すように、チューブ状エレメント53080はその中を貫通する管腔53084を含み得る。再び図152を参照すると、ステープル30030が初期位置から発射済み位置に移動すると、各ステープル脚部30032は、各チューブ状エレメント53080の管腔53084を貫通するように構成され得る。あるいは、主に図156を参照すると、垂直配置されたチューブ状エレメント54080は、チューブ状エレメント54080が互いに沿い又は接触するように、組織厚さコンペンセーター54020内に配列され得る。換言すれば、チューブ状エレメント54080は、互いにクラスター化または集合化され得る。チューブ状エレメント54080は、組織厚さコンペンセーター54020内に系統的に配列され得る。しかしながら場合によっては、チューブ状エレメント54080は不規則に配列することができる。
再び図151、155、及び156を参照すると、組織厚さコンペンセーター53020は更に、組織厚さコンペンセーター53020内にチューブ状エレメント53080を保持又は留保するシート材料53024を含み得る。シート材料53024は、チューブ状エレメント53080の上及び/又は下に配置することができ、組織厚さコンペンセーター53020内の各チューブ状エレメント53080をしっかり保持することができる。組織厚さコンペンセーター53020は、第1及び第2シート材料53024を含み得る。チューブ状エレメント53080は、第1及び第2シート材料53024の間に配置され得る。更に、シート材料53024はステープルカートリッジ30000の剛性支持部分の上デッキ表面30011に固定することができ、これによって組織厚さコンペンセーター53020がエンドエフェクタ12内にしっかりと配置され得る。あるいは、シート材料53024が、アンビル30060に固定されるか、又は他の様相でエンドエフェクタ12内に保持され得る。シート材料53024は、組織厚さコンペンセーター内のばね55080が変形される際、シート材料53024が変形されるように、十分に変形可能であり得る。
図157及び158を参照すると、組織厚さコンペンセーター55020は、変形したときにばね戻り力を生成できるように、十分に弾力性であるような、少なくとも1つのばね55080を含み得る。主に図157を参照すると、組織厚さコンペンセーター55020は、複数のばね55080を含み得、例えば、3列のばね55080を含み得る。ばね55080は、組織厚さコンペンセーター55020内で系統的及び/又は不規則に配列することができる。ばね55080は、例えば、エラストマーポリマーを含み得る。ばね55080の形状は、その変形を可能にし得る。ばね55080は、初期形状から変形形状へと変形され得る。例えば、組織厚さコンペンセーター55020の一部がステープル捕捉領域30039内に捕捉されている場合、ステープル捕捉領域30039内及び/又はその周囲にあるばね55080が変形され得る。ばね55080は、発射済みステープル30030で印加される圧縮力下で屈曲又は潰れることができ、ばね55080は復元力を生成することができ、この復元力は、変形されたばね55080のばね定数、及び/又はばね55080の変形された量の関数である。ばね55080は、発射済みステープル30030により印加される圧縮力下で、スポンジとして機能し得る。更に、本開示全体にわたって詳述されているように、ばね55080は補償材料を含み得る。
組織厚さコンペンセーター55020は更に、組織厚さコンペンセーター55020内に、少なくとも1つのばね55080を保持又は留保する、1枚以上のシート材料55024を含み得る。シート材料55024は、ばね55080の上及び/又は下に配置されてもよく、組織厚さコンペンセーター55020内のばね55080にしっかり保持することができる。組織厚さコンペンセーター55020は、第1シート材料55024a及び第2シート材料55024bを含み得る。チューブ状エレメント52080は、第1及び第2シート材料55024a、55024bの間に配置され得る。主に図158を参照すると、組織厚さコンペンセーター55020は更に、第1又は第2シート材料55024a、55024bのいずれかに隣接して配置される、第3シート材料55024cを含み得る。所望により、少なくとも1枚のシート材料55024を、ステープルカートリッジ30000の剛性支持部分の上デッキ表面30011に固定することができ、これによって組織厚さコンペンセーター55020がエンドエフェクタ12内にしっかりと配置され得る。あるいは、少なくとも1枚のシート材料55024が、アンビル30060に固定されるか、又は他の様相でエンドエフェクタ12内に保持され得る。
ここで図158を参照すると、ステープル30030がステープルカートリッジ30000(図156)から発射されると、ステープル30030が組織厚さコンペンセーター55020に係合し得る。発射済みステープル30030は、ステープル捕捉領域30039内の組織T及び組織厚さコンペンセーター55020の一部を捕捉し得る。ばね55080は、発射済みステープル30030によって捕捉されたときに組織厚さコンペンセーター55020が圧縮できるよう、変形可能であり得る。ばね55080は、組織厚さコンペンセーター55020内の発射済みステープル30030の間に配置され得る。あるいは、少なくとも1つのばね55080が、ステープル捕捉領域30039内に捕捉され得る。
図159を参照すると、組織厚さコンペンセーター60020は、少なくとも2層の補償層60022を含み得る。組織厚さコンペンセーター60020は、複数の補償層60022を含み得、これは、互いに上下に重なり合い、隣り合わせに配置され、又はこれらの組み合わせであり得る。本明細書で詳述されるように、組織厚さコンペンセーター60020の補償層60022は、例えば、異なる形状及び/又は材料特性を含み得る。更に、本明細書で詳述されるように、ポケット及び/又はチャネルが、隣接して重ね合わせられている補償層60022の間に存在し得る。例えば、組織厚さコンペンセーター62020は、6つの補償層62022a、62022b、62022c、62022d、62022e、62022f、を含み得、これらは互いに上下に隣接して重ね合わせることができる(図174)。
図160、161、及び163〜168を参照すると、組織厚さコンペンセーターは、第1補償層60122a及び第2補償層60122bを含み得る。第1補償層60122aは、第2補償層60122bの上に隣接して重ね合わせることができる。隣接して重ね合わせられている補償層60122は、分離隙間又はポケット60132によって分離されている。主に図160を参照すると、組織厚さコンペンセーター60120は、第1及び第2補償層60122a、60122bの間に配置される少なくとも1つのカンチレバービーム又は支持体60124を含み得る。支持体60124は、第2補償層60122bに対して第1補償層60122aを配置するように構成することができ、これにより、補償層60122は、分離隙間60132によって分離され得る。本明細書で詳述されるように、支持体60124及び/又は補償層60122a、60122bの変形は、例えば、分離隙間60132を低減させ得る。
組織厚さコンペンセーターの支持ビームは、様々な形状及び寸法を含み得る。例えば、支持ビームは、単純Iビーム、中央の単屈曲支持ビーム60124(図160)、中央からずれた単屈曲支持ビーム60224(図161)、楕円形支持ビーム60324(図163)、多屈曲支持ビーム60424(図164)、及び/又は対称二重カンチレバー支持ビーム60524(図165)であり得る。更に、ここで図160、166、及び167を参照すると、例えば、支持ビーム60624は、少なくとも1つの補償層60122(図166)よりも薄くてもよく、支持ビーム60724は、少なくとも1つの補償層60122(図167)よりも厚くてもよく、及び/又は、支持ビーム60124は、少なくとも1つの補償層60122(図160)と実質的に同じ厚さであってもよい。支持ビーム60124の材料、形状及び/又は寸法は、例えば、組織厚さコンペンセーター60120の変形およびばね戻り弾力性に影響し得る。
引き続き図160を参照すると、組織厚さコンペンセーター60120の補償層60122及び支持ビーム60124は、例えば、構造材料、生体材料、及び/又は電気的材料に関して、異なる材料を含み得る。例えば、少なくとも1つの補償層60122が、ポリマー組成物を含み得る。ポリマー組成物は、少なくとも部分的に弾性材料を含み得、これによって補償層60122及び/又は支持ビーム60124の変形が、ばね戻り力を生成し得る。補償層60122のポリマー組成物は、非吸収性ポリマー、吸収性ポリマー、又はこれらの組み合わせを含み得る。吸収性ポリマーは、例えば、生体吸収性の生体適合性エラストマーポリマーを含み得る。更に、補償層60122の組成物は、合成ポリマー、非合成ポリマー、及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。合成ポリマーの例としては、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジオキサノン(PDO)、及びこれらのコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。非合成ポリマーの例には、多糖類、糖たんぱく、エラスチン、プロテオグリカン、ゼラチン、コラーゲン、及び酸化再生セルロースが挙げられるが、これらに限定されない。所望により、本明細書の他の箇所に記述される組織厚さコンペンセーターのポリマー組成物と同様に、補償層60122のポリマー組成物には、例えば、吸収性ポリマー、非吸収性ポリマー、合成ポリマー、及び/又は非合成ポリマーが、様々な重量パーセントの量で含まれ得る。所望により、組織厚さコンペンセーター60120内の各補償層60022は、異なるポリマー組成物を含み得、あるいは、少なくとも2つの補償層60122が、同じポリマー組成物を含み得る。
再び図159を参照すると、少なくとも1つの補償層60022が、例えば、薬剤又は製薬的活性物質などの、治療薬60098を含み得る。補償層60022は、治療薬60098の治療有効量を放出し得る。治療薬60098は、補償層60022が吸収される際に放出され得る。この製薬的活性薬剤60098の例としては、止血剤及び薬剤(例えば、フィブリン、トロンビン、及び/又は酸化再生セルロース(ORC))、抗炎症薬(例えば、ジクロフェナク、アスピリン、ナプロキセン、スリンダク、及び/又はヒドロコルチゾン)、抗生物質及び抗菌薬剤又は薬剤(例えば、トリクロサン、銀イオン、アンピシリン、ゲンタマイシン、ポリミキシンB、及び/又はクロラムフェニコール)、並びに抗癌剤(例えば、シスプラチン、ミトマイシン、及び/又はアドリアマイシン)が挙げられ得るが、これらに限定されない。治療薬60098は、例えば、幹細胞などの生物製剤を含み得る。所望により、組織厚さコンペンセーター60020内の各補償層60022は、異なる治療薬60098を含み得、あるいは、少なくとも2つの補償層60022が、同じ治療薬60098を含み得る。治療薬60098(例えば、生物製剤など)を含む補償層60022は、ポリマー組成物(例えば、ポリグリコール酸(PGA)フォームなど)を含む2つの構造的補償層60022の間に封入され得る。本発明により、補償層60022は更に、導電性材料(例えば、銅など)を含み得る。
再び図174を参照すると、組織厚さコンペンセーター62020内の補償層62022は、異なる形状を有し得る。層62022が、組織厚さコンペンセーター62020内に隣接して配置されている場合、補償層62022は、層62022の間に少なくとも1本の3次元導管62032を形成し得る。例えば、チャネルを含む第2補償層62022bが、実質的に平らな第3補償層62022cの上に配置されると、そのチャネルと、第3補償層62022cの平坦面とが、その間に3次元の導管62032aを画定し得る。同様に、例えば、チャネルを含む第5補償層62022eが、対応するチャネルを含む第4補償層62022dの下に配置された場合、それらのチャネルは、隣接して重ね合わせられた補償層62022d、62022eの中のチャネルにより画定される3次元導管62032bを形成し得る。導管62032は、治療薬及び/又は体液が組織厚さコンペンセーター62020を通って流れる際に、その流体を誘導することができる。
図170を参照すると、組織厚さコンペンセーター61020は、ステープルカートリッジ20000(図169)から配備されるステープル30030を受容するように構成された、補償層61022(例えば、層60122a及び21022b)を含み得る。ステープル30030が初期位置から発射済み位置へと移動する際、少なくとも1つの補償層61022が、ステープル脚部30032を発射済み位置へと誘導し得る。所望により、少なくとも1つの補償層61022が、貫通して延びる開口部61030を含み得、この開口部61030は、本明細書で詳述されるように、ステープル30030がステープルカートリッジ20000(図169)から発射されると、配備されたステープル30030のステープル脚部30032を受容するよう配列することができる。あるいは、再び図174を参照すると、ステープル脚部30032は、少なくとも1つの補償層(例えば、補償層62022fなど)を穿刺することができ、これは、例えば、少なくとも1つの補償層(例えば、補償層62022aなど)内の開口部62030を通って受容することができる。
主に図170を参照すると、組織厚さコンペンセーター60120は、補償層61022a、61022bのうち一方の上の、少なくとも1つの支持タブ61026を含み得る。支持タブ61026は、例えば、第1補償層61020aと第2補償層61020bとの間の隙間61032など、隣接する補償層の間に画定される分離隙間61032内に突出し得る。支持タブ61026は、第1補償層61022aの長手方向側面から延出し得る。更に、支持タブ61026は、長手方向側面の長さに沿って延在してもよく、又は、その一部にのみ沿っていてもよい。所望により、少なくとも1つの支持タブ61026が、補償層61022a、61022bの2つの長手方向側面から延出し得る。更に、隣接して配置される補償層61022a、61022bは、対応する支持タブ60126を含み、これにより、第1補償層60122aから延出する支持タブ60126は、少なくとも部分的に、第2補償層60122bから延出する支持タブ60126に揃い得る。再び図168を参照すると、組織厚さコンペンセーター60820は、隣接する補償層60122a、60122bの間にリミッタープレート60828を含み得る。リミッタープレート60828は、例えば、第1補償層60122aと第2補償層60122bの間に画定される隙間60132内に配置され得る。本明細書で詳述されるように、支持タブ61026及び/又はリミッタープレート60828は、支持体60124及び/又は補償層60122a、60122bの変形及び/又は屈曲を制御することができる。
上述のように、組織厚さコンペンセーター60020の補償層60022は、異なる材料、形状及び/又は寸法を含み得る。そのような組織厚さコンペンセーター60020は、様々な製造技法により製造され得る。主に図159を参照すると、組織厚さコンペンセーター60022は、リソグラフィー、ステレオリソグラフィー(SLA)、又はシルクスクリーンプロセスによって製造することができる。例えば、ステレオリソグラフィー製造プロセスは、各補償層60022が異なる材料及び/又は幾何学形状を含む組織厚さコンペンセーター60020を形成することができる。例えば、ステレオリソグラフィー装置の紫外線が、第1補償層60022の形状を描き、これによって、第1材料、形状及び/又は寸法を含む第1補償層60022が、紫外線により硬化され得る。紫外線は次に、第2補償層60022の形状を描き、これによって、第2材料、形状及び/又は寸法を含む第2補償層60022が、紫外線により硬化され得る。本発明により、ステレオリソグラフィー装置は、互いの上に重ね合わせた、横並びの、又はそれらの組み合わせの補償層60022を描くことができる。更に、補償層60022は、隣接する補償層60022の間にポケット60132が存在するように描くことができる。ステレオリソグラフィー装置は固有の形状を有する非常に薄い層を作製することができるため、ステレオリソグラフィープロセスにより製造された組織厚さコンペンセーター60020は、非常に複雑な3次元形状を含み得る。
図169を参照すると、組織厚さコンペンセーター60920は、外科用器具10(図1)のエンドエフェクタ12内に配置され得る。組織厚さコンペンセーター60920は、エンドエフェクタ12のステープルカートリッジ20000に対して配置され得る。例えば、組織厚さコンペンセーター60920は、ステープルカートリッジ20000に解放可能に固定され得る。組織厚さコンペンセーター60920のうち少なくとも1つの補償層60922は、ステープルカートリッジ20000の上デッキ表面20011(図79)に隣接して配置され得る。例えば、第2補償層60922bは、接着剤か、又は、本明細書に記述されるラップ(図16)のうち少なくとも1つと同様のラップによって、上デッキ表面20011に固定され得る。組織厚さコンペンセーター60920は、ステープルカートリッジ20000に一体化されてもよく、これによりステープルカートリッジ20000及び組織厚さコンペンセーター60920は、単一ユニット構造として形成され得る。例えば、ステープルカートリッジ20000は第1本体部分(例えば、剛性支持部分20010(図79))、及び第2本体部分(例えば、組織厚さコンペンセーター60920)を含み得る。
引き続き図169を参照すると、組織厚さコンペンセーター60920は、第1コンペンセーター部分60920a及び第2コンペンセーター部分60920bを含み得る。第1コンペンセーター部分60920aは、ステープルカートリッジ20000の第1長手方向側面に配置することができ、第2コンペンセーター部分60920bは、ステープルカートリッジ20000の第2長手方向側面に配置することができる。所望により、組織厚さコンペンセーター60920がステープルカートリッジ20000に対して配置される場合、剛性支持部分20010(図78)内の長手方向スロット20015(図78)は、第1コンペンセーター部分60920aと第2コンペンセーター部分60920bの間に延在し得る。ステープル発射スレッド20050(図78)上の切断エレメント20052がエンドエフェクタ12を通って並進する際、切断エレメント20052は、例えば、組織厚さコンペンセーター60920の一部を切断することなく、第1コンペンセーター部分60920aと第2コンペンセーター部分60920bの間の、長手方向スロット20015を通過することができる。あるいは、切断エレメント20052は、組織厚さコンペンセーター60920の一部を切断するように構成することができる。
ここで図162を参照すると、組織厚さコンペンセーター63020は、円形外科用器具のエンドエフェクタ12’に適合するように構成され得る。組織厚さコンペンセーター62030は、円形第1補償層63022a及び円形第2補償層63022bを含み得る。第2補償層63022bは、円形ステープルカートリッジ20000’の円形上デッキ表面20011’上に配置することができ、第2補償層63022bは、デッキ表面20011’の形状に対応する形状を含み得る。例えば、デッキ表面20011’は、階段状部分を含み得、第2補償層63022bは、対応する階段状部分を含み得る。組織厚さコンペンセーターは更に、例えば、組織厚さコンペンセーター63020の周囲に延びる、少なくとも1つの支持体63024及び/又は支持タブ63026を含み得る。
再び図170を参照すると、発射済みステープル30030は、組織厚さコンペンセーター60920に係合するように構成され得る。本開示全体にわたって記述されているように、発射済みステープル30030は、組織厚さコンペンセーター60920及び組織Tを捕捉し、組織厚さコンペンセーター60920に対して圧縮力を印加することができる。更に、主に図171〜173を参照すると、組織厚さコンペンセーター60920は変形可能であり得る。所望により、上述のように、第1補償層60920aは、分離隙間60932によって、第2補償層60920bから分離されていてもよい。図171を参照すると、組織厚さコンペンセーター60920を圧縮する前に、隙間60932が第1距離を含み得る。圧縮力Aが組織厚さコンペンセーター60920及び組織Tに印加されるとき(例えば、発射済みステープル30030(図170)によって)、支持体60924が変形するように構成することができる。ここで図172を参照すると、単屈曲支持ビーム60924は圧縮力Aの下で屈曲し、これによて、第1補償層60920aと第2補償層60920bの間の分離隙間60932が第2距離に減少する。主に図173を参照すると、第1及び第2補償層60922a、60922bも、圧縮力A下で変形し得る。支持タブ60926は、補償層60920の変形を制限することができる。例えば、支持タブ60926は、互いに接触するときに、補償層60920の長手方向側面を支持することによって、補償層60920の過剰な屈曲を防ぐことができる。支持タブ60926は更に、圧縮力Aの下で屈曲又は折れ曲がるように構成され得る。加えて、又は別の方法として、本明細書に詳述されるリミッタープレート60128(図168)は、補償層60920及び/又は支持タブ60926がリミッタープレート60128に接触する際に、補償層60920の変形を制限し得る。
更に、本明細書に記述される様々な組織厚さコンペンセーターと同様に、組織厚さコンペンセーター60920は、変形されたときに、ばね戻り力又は復元力を生成し得る。変形した組織厚さコンペンセーターにより生成された復元力は、少なくとも、組織厚さコンペンセーター60920の向き、寸法、材料、及び/又は形状と、印加された力による組織厚さコンペンセーター60920の変形量とに依存し得る。更に、少なくとも組織厚さコンペンセーター60920の一部分が弾力性であり、これによって、組織厚さコンペンセーター60920は、発射済みステープル30030により変形されたときに、ばね負荷又は復元力を生じ得る。支持体60924は弾性材料を含み得、及び/又は、少なくとも1つの補償層60922が弾性材料を含み得、これによって組織厚さコンペンセーター60920が弾力性であり得る。
ここで図175を参照すると、外科用ステープル器具のエンドエフェクタは、第1ジョー及び第2ジョーを含み得、第1ジョー及び第2ジョーのうち少なくとも一方が、他方に対して動くように構成され得る。エンドエフェクタは、ステープルカートリッジチャネル19070を含む第1ジョーと、アンビル19060を含む第2ジョーとを含み得、アンビル19060は、例えば、ステープルカートリッジチャネル19070に向かって及び/又は離れるように枢動し得る。ステープルカートリッジチャネル19070は、ステープルカートリッジ19000を受容するように構成することができ、例えば、これは、ステープルカートリッジチャネル19070内に取り外し可能に保持され得る。ステープルカートリッジ19000は、カートリッジ本体19010及び組織厚さコンペンセーター19020を含み得、組織厚さコンペンセーター19020は取り外し可能にカートリッジ本体19010に取り付けることができる。ここで図176を参照すると、カートリッジ本体19010は複数のステープル空洞19012と、各ステープル空洞19012内に配置されたステープル19030とを含み得る。また、ステープル19030は、カートリッジ本体19010内に配置されたステープルドライバー19040によって支えられていてもよく、例えば、スレッド及び/又は発射部材は、ステープルカートリッジ19000を介して前進し、図177に示すように、ステープル空洞19012内でステープルドライバー19040を上に持ち上げ、ステープル空洞19012からステープル19030を発射させることができる。
主に図175及び176を参照すると、組織厚さコンペンセーター19020は、弾力性部材19022と、その弾力性部材19022を封入する容器19024とを含み得る。容器19024は密封されてもよく、周囲の大気圧とは異なる圧力を有する内圧を含む空洞を画定し得る。この内圧は、周囲の大気圧よりも高くてもよく、一方、別の方法として、この内圧は周囲の大気圧よりも低くてもよい。容器19024が、周囲の大気圧よりも低い圧力を含む実施形態において、容器19024の側壁は、真空を密閉することができる。そのような場合において、この真空により、容器19024が歪み、潰れ、及び/又は平らになり得、この容器19024内に配置された弾力性部材19022は、容器19024内で弾力的に圧縮され得る。真空が容器19024内で生じると、弾力性部材19022は、下向きに屈曲又は変形し、圧縮(又は真空パック)状態で容器19024の側壁により定位置に保持され得る。
弾力性部材19022及び容器19024は、生体適合性材料からなる。所望により、弾力性部材19022及び/又は容器19024は、例えば、PLLA、PGA、及び/又はPCLなどの、生体吸収性材料からなっていてもよい。弾力性部材19022は、弾力性材料からなっていてもよい。弾力性部材19022も、構造的弾力性を含み得る。例えば、弾力性部材19022は、中空チューブの形状であり得る。
上記に対して更に、組織厚さコンペンセーター19020は、カートリッジ本体19010のデッキ表面19011に対向して、又は隣接して、配置され得る。ステープル19030が少なくとも部分的に発射されたとき、ここで図177を参照すると、ステープル19030の脚部が容器19024を穿刺又は破裂させ得る。容器19024は、カートリッジ本体19010の切断スロット19016の上に配置され得る中央部分19026を含み得、これによって、切断部材19080が前進して、ステープルカートリッジ19000とアンビル19060の間に配置されている組織Tを切断する際、この切断部材19080は更に、容器19024の中央部分19026も切断し、これにより容器19024を穿刺又は破裂させることができる。いずれの場合でも、容器19024がいったん破裂すると、容器19024の内圧が、組織厚さコンペンセーター19020を取り巻く圧力に等しくなり、弾力性部材19022が弾力的に膨張して、歪んでいない及び/又は平らになっていない形状に復元されるか、又は少なくとも部分的に復元される。そのような場合において、弾力性部材19022は、変形したステープル19020内に捕捉されている組織Tに対して付勢力を印加し得る。より具体的には、ステープル19030の脚部は、アンビル19060内に画定されているポケット19062の形成表面により変形された後、ステープル19030内の組織Tと、弾力性部材19022の少なくとも一部分とを捕捉することができ、これによって、容器19024が破裂したときに、組織厚さコンペンセーター19020が、ステープル19030内に捕捉された組織Tの厚さを補償することができる。例えば、ステープル19030内に捕捉された組織Tが比較的薄い場合、ステープル19030内に捕捉された弾力性部材19022が膨張して、ステープル19030内の隙間を充填し、組織Tに対して十分な圧縮力を印加し得る。これに対応して、ステープル19030内に捕捉された組織Tが比較的厚い場合、ステープル19030内に捕捉された弾力性部材19022は、ステープル19030内のより厚い組織のための余地をつくるために圧縮されたままであってもよく、かつ、同様に、組織Tに対して十分な圧縮力を印加し得る。
容器19024が穿刺されると、上記で概要を述べたように、弾力性部材19022は膨張して、元の形状に弾力的に戻ろうとし得る。特定の状況において、ステープル19030内に捕捉された弾力性部材19022の一部が、元の歪んでいない形状に戻ることはできない場合がある。そのような状況において、弾力性部材19022は、ステープル19030内に捕捉された組織Tに圧縮力を印加し得るばねを含み得る。本発明により、弾力性部材19022は、線状ばねに匹敵し、弾力性部材19022によって印加された圧縮力が、ステープル19030内で弾力性部材19022が屈曲したままでいる量又は距離に対して比例し得る。あるいは、本発明により、弾力性部材19022は、非線状ばねに匹敵し、弾力性部材19022によって印加された圧縮力は、ステープル19030内で弾力性部材19022が屈曲したままでいる量又は距離に対して比例しない。
主に図178及び179を参照すると、ステープルカートリッジ19200は、組織厚さコンペンセーター19220を含み得、これはその中に1つ以上の密封された容器19222を含み得る。容器19222はそれぞれ密封されてもよく、内圧を包含し得る。密封容器19222内の内圧は、大気圧を超えていてもよく、一方、密封された容器19222内の内圧は、大気圧より低くてもよい。容器19222内の内圧が大気圧より低い場合、容器19222は、真空を含むものとして記述され得る。所望により、1つ以上の容器19222が、例えば、外側シュラウド、容器、ラップ、及び/又はフィルム19224で包まれるか又はこれに収容されてもよく、組織厚さコンペンセーター19220は、カートリッジ本体19010のデッキ表面19011の上に配置することができる。各容器19222は、円形(又は、少なくとも実質的に円形)の断面を有し、閉鎖端と開放端を有するチューブから製造することができる。真空はチューブの開放端側から排気し、チューブ内で十分な真空に達したら、開放端を閉じて密封することができる。例えば、チューブはポリマー材料を含んでもよく、例えば、チューブの開放端に熱カシメを行って、これを閉鎖し密封することができる。いずれの場合でも、各容器19222内の真空は、チューブの側壁を内側に引っ張り、チューブを弾力的に歪ませ及び/又は平らにし得る。容器19222は、図179において、少なくとも部分的に平らになった状態で図示されている。
ステープル19030が未発射位置にあるとき、図179に示すように、ステープル19030の先端は、組織厚さコンペンセーター19220より下に配置され得る。例えば、ステープル19030は、それぞれのステープル空洞19012内に配置されてもよく、これによって、ステープル19030は、未発射位置(図179)から発射済み位置(図180)に移動するまで、容器19222に接触しないようにすることができる。組織厚さコンペンセーター19220のラップ19224は、容器19220がステープル19030により時期尚早に穿刺されるのを防ぐことができる。ステープル19030が少なくとも部分的に発射されたとき、ここで図180を参照すると、ステープル19030の脚部が容器19222を穿刺又は破裂させ得る。そのような状況において、容器19222内の内圧は、容器19222を取り巻く圧力に等しくなり、弾力的に膨張して、歪んでいない及び/又は平らになっていない形状に復元されるか、又は少なくとも部分的に復元される。そのような状況において、穿刺された容器19222は、変形したステープル19030内に捕捉されている組織に対して付勢力を印加し得る。より具体的には、ステープル19030の脚部は、アンビル19060内に画定されているポケット19062の形成表面により変形された後、ステープル19030内の組織Tと、容器19222の少なくとも一部分とを捕捉することができ、これによって、容器19222が破裂したときに、容器19222が、ステープル19030内に捕捉された組織Tの厚さを補償することができる。例えば、ステープル19030内に捕捉された組織Tが比較的薄い場合、ステープル19030内に捕捉された容器19222が膨張して、ステープル19030内の隙間を充填し、同時に、組織Tに対して十分な圧縮力を印加し得る。これに対応して、ステープル19030内に捕捉された組織Tが比較的厚い場合、ステープル19030内に捕捉された容器19222は、ステープル19030内のより厚い組織のための余地をつくるために圧縮されたままであってもよく、同時に、組織Tに対して十分な圧縮力を印加し得る。
容器19222が穿刺されると、上記で概要を述べたように、容器19222は膨張して、元の形状に弾力的に戻ろうとし得る。ステープル19030内に捕捉された容器19222の一部が、元の歪んでいない形状に戻ることはできない場合がある。そのような状況において、容器19222は、ステープル19030内に捕捉された組織Tに圧縮力を印加し得るばねを含み得る。本発明により、容器19222は、線状ばねに匹敵し、容器19222によって印加された圧縮力が、ステープル19030内で容器19222が屈曲したままでいる量又は距離に対して比例し得る。あるいは、容器19222は、非線状ばねに匹敵し、容器19222によって印加された圧縮力は、ステープル19030内で容器19222が屈曲したままでいる量又は距離に対して比例しない。容器19222は中空であり得、密封形状の場合は空であり得る。あるいは、各容器19222が空洞を画定してもよく、更に、その中に包含される少なくとも1つの薬剤を含み得る。容器19222は、少なくとも1つの薬剤を含んでもよく、これは、例えば、放出され、及び/又は生体吸収され得る。
組織厚さコンペンセーター19220の容器19222は、任意の好適な様相で配列することができる。図178に示すように、カートリッジ本体19010内に画定されるステープル空洞19012と、ステープル空洞19012内に配置されるステープル19030は、列に配列することができる。図示のように、ステープル空洞19012は、例えば、6列の長手方向直線状に配列することができる。しかしながら、ステープル空洞19012には、任意の好適な配列を利用することができる。更に図178に示されているように、組織厚さコンペンセーター19220は6つの容器19222を含み得、この容器19222のそれぞれが、ステープル空洞19012の列に揃えられ、又はこの上に配置され得る。ステープル空洞19012のある列内の各ステープル19030は、同じ容器19222を穿刺するように構成することができる。特定の状況において、いくつかのステープルステープル19030の脚部が、その上に配置される容器19222を穿刺しないことがある。しかしながら、容器19222が、例えば、連続した内部空洞を画定している場合、この空洞は、少なくとも1つのステープル19030によって十分に穿刺され、これによって内部空洞の圧力が、容器19222の周囲の大気圧と等しくなるようにすることができる。ここで図185を参照すると、組織厚さコンペンセーターは容器(例えば、容器19222’など)を含み、これは、ステープル19030の線を横切る方向に延在し得る。例えば、容器19222’は、複数のステープル列にわたって延在し得る。ここで図186を参照すると、組織厚さコンペンセーター19220”は、複数の容器19222”を含み得、これは、ステープル19030の線に対して垂直、又は少なくとも実質的に垂直な方向に延在し得る。例えば、いくつかの容器19222”は、ステープル19030によって穿刺されてもよく、一方他の容器は、ステープル19030によって穿刺されないことがある。容器19222”は、切断経路を横切るか、又はこれを通って延在することができ、この切断経路では、例えば、切断部材が容器19222”を切断して破裂させ得る。
所望により、上述のように、組織厚さコンペンセーター(例えば、組織厚さコンペンセーター19220)は例えば、複数の密封容器(例えば、容器19222など)を含み得る。上述したように、各密封容器19222は、別々の内圧を含み得る。容器19222は、異なる内圧を有し得る。例えば、第1容器19222は、第1圧力を有する内側真空を含み得、第2容器19222は、第2の異なる圧力を有する内側真空を含み得る。例えば、容器19222の歪み又は平坦化の程度は、この中に収容される真空内圧の関数であり得る。例えば、より大きな真空を有する容器19222は、より小さな真空を有する容器19222よりも、歪み又は平坦化の程度が大きくなり得る。容器の空洞は、2つ以上の別個の密封された空洞に分かれていてもよく、別個の密封された空洞はそれぞれ、別個の内圧を含み得る。例えば、あるステープル列内のいくつかのステープルが、容器内に画定される第1空洞を穿刺するように構成及び配列されてもよく、一方、そのステープル列内の他のステープルが、容器内に画定される第2空洞を穿刺するように構成及び配列されてもよい。そのような場合において、特に、ステープル列内のステープルがステープル列の一方の端から他方へと順に連続的に発射される実施形態において、上述のように、他の空洞が破裂したときにも空洞の1つが無傷のままで、内圧を維持することができる。第1空洞は、第1真空圧力を有する内圧を有し得、第2空洞は第2の異なる真空圧力を有する内圧を有し得る。本発明により、無傷のままの空洞は、容器が生体吸収されるまで内圧を維持することができ、これによって時限式の圧力解放が形成され得る。
ここで図181及び182を参照すると、組織厚さコンペンセーター(例えば、組織厚さコンペンセーター19120)は、アンビル19160に取り付けることができる。上記と同様に、組織厚さコンペンセーター19120は、容器19124と、その中に配置された複数の弾力性部材19122とを含み得る。また上記と同様に、容器19124は、組織厚さコンペンセーター19120の周囲の大気圧よりも低いか又は高い圧力を有する内圧を含む空洞を画定し得る。容器19124内の内圧が真空を含む場合、その中に配置された容器19124及び弾力性部材19122は、容器19124内の真空と、容器19124の外の大気圧との間の圧力差によって、歪み、潰れ、及び/又は平らになり得る。使用中、アンビル19160は、閉位置へと動き、ここでは、ステープルカートリッジ19100の反対側に配置され、かつ、容器19124の組織係合表面19121が、組織厚さコンペンセーター19120とステープルカートリッジ19100との間に配置された組織Tに係合し得る。使用中、発射部材19080は、上述のように、遠位側に前進してステープル19030を発射し、かつ同時に、組織Tを切断することができる。組織厚さコンペンセーター19120は更に、中間部分19126を含み得、これはアンビル19160内に画定される切断スロットに揃っていてもよく、発射部材19080が組織厚さコンペンセーター19120を通って遠位側に前進すると、発射部材19080が容器19124を穿刺又は破裂させることができる。更に、上記と同様に、発射部材19080はステープルドライバー19040を上方向に持ち上げてステープル19030を発射することができ、これによって、ステープル19030はアンビル19160に接触し、図183に示すように、変形形状へと変形され得る。ステープル19030が発射されると、ステープル19030は組織Tを穿刺し、次に容器19124を穿刺又は破裂させることができ、これによって、上記に概説されているように、容器19124内に配置されている弾力性部材19122が少なくとも部分的に膨張し得る。
上記に対して更に、組織厚さコンペンセーターは、生体適合性材料を含み得る。生体適合性材料(例えば、フォーム)は、望ましい特性をこの材料に提供するために、粘着性付与剤、界面活性剤、充填材、架橋剤、色素、染料、抗酸化剤、及びその他の安定剤、及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。生体適合性フォームは、界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、材料の表面に適用されるか、及び/又は材料内に分散され得る。特定の理論に束縛されるものではないが、生体適合性材料に適用される界面活性剤は、材料に接触する流体の表面張力を低減し得る。例えば、界面活性剤は、材料への水の浸透を促進するため、材料に接触する水の表面張力を低減することができる。水は、触媒として作用し得る。界面活性剤は、材料の親水性を高めることができる。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び/又は非イオン性界面活性剤を含み得る。界面活性剤の例としては、ポリアクリル酸、メタロース、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ基メチルセルロース、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ジアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール、及びポリオキサマー、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。界面活性剤は、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのコポリマーを含み得る。界面活性剤は、リン脂質界面活性剤を含み得る。リン脂質界面活性剤は、抗菌剤安定化特性を提供することができ、及び/又は生体適合性材料内で他の材料を分散させることができる。組織厚さコンペンセーターは、少なくとも1つの薬剤を含み得る。組織厚さコンペンセーターは、本明細書に記述される1つ以上の天然材料、非合成材料、及び/又は合成材料を含み得る。組織厚さコンペンセーターは、ゼラチン、コラーゲン、ヒアルロン酸、酸化再生セルロース、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリジオキサノン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグレカプロン、及びこれらの組み合わせを含み得る。組織厚さコンペンセーターは、少なくとも1つの薬剤を含むフィルムを含み得る。組織厚さコンペンセーターは、少なくとも1つの薬剤を含む生分解性フィルムを含み得る。薬剤は、液体、ゲル、及び/又は粉末であり得る。薬剤は、抗癌剤(例えば、シスプラチン、ミトマイシン、及び/又はアドリアマイシン)を含み得る。
組織厚さコンペンセーターは、生分解性材料が分解する際に、少なくとも1つの薬剤の制御溶出を提供するよう、生分解性材料を含み得る。生分解性材料は、その生分解性材料が活性化剤(例えば、活性化剤流体)に接触すると、分解し得るか、解体され得るか、又は構造的一体性を失う可能性がある。活性化剤流体は、例えば、生理食塩水、又は任意のその他の電解質溶液を含み得る。生分解性材料は、スプレー、ディップ、及び/又はブラシなどが挙げられるが、これらに限定されない従来の技法によって、活性化剤流体に接触し得る。使用中、例えば、外科医は、少なくとも1つの薬剤を含む組織厚さコンペンセーターを含むエンドエフェクタ及び/又はステープルカートリッジを、活性化剤流体(塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及び/又は塩化カリウムなどの塩溶液を含む)に浸漬することができる。組織厚さコンペンセーターは、組織厚さコンペンセーターが分解する際に薬剤を放出し得る。組織厚さコンペンセーターからの薬剤の溶出は、急速な初期溶出速度と、遅い保持溶出速度とによって特徴付けることができる。
本発明により、組織厚さコンペンセーターは、例えば、酸化剤を含み得る生体適合性材料を含み得る。酸化剤は、有機過酸化物及び/又は無機過酸化物であり得る。酸化剤の例には、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウム、及び過酸化マグネシウム、及び過炭酸ナトリウムが挙げられ得るが、これらに限定されない。酸化剤は、過酸素系酸化剤及び次亜ハロゲン酸系酸化剤を含み得、例えば、過酸化水素、次亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、次亜よう素酸塩(hypocodites)、及び過炭酸塩などを含み得る。酸化剤は、アルカリ金属亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、及び過ホウ酸塩を含み得、例えば、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム及び過ホウ酸ナトリウムを含み得る。酸化剤はバナジン酸塩を含み得る。酸化剤はアスコルビン酸を含み得る。酸化剤は、活性酸素生成物質であり得る。本発明により、組織スカフォールドは、酸化剤を含む生体適合性材料を含み得る。
生体適合性材料は、液体、ゲル、及び/又は粉末を含み得る。酸化剤は、例えば、マイクロ粒子及び/又はナノ粒子を含み得る。例えば、酸化剤は、マイクロ粒子及び/又はナノ粒子に粉砕され得る。酸化剤は、ポリマー溶液に酸化剤を懸濁させることによって、生体適合性材料に組み込まれ得る。酸化剤は、凍結乾燥プロセス中に、生体適合性材料に組み込まれ得る。凍結乾燥後、酸化剤を生体適合性材料のセル壁に付着させて、接触時に組織と相互作用させることができる。酸化剤は、生体適合性材料に化学的に結合していなくともよい。過炭酸塩乾燥粉末を生体適合性フォームに埋め込んで、酸素の持続放出による長期的な生物学的効果を提供することができる。過炭酸塩乾燥粉末を、不織布構造のポリマー繊維内に埋め込んで、酸素の持続放出による長期的な生物学的効果を提供することができる。生体適合性材料は、酸化剤と、薬剤、例えば、ドキシサイクリン及びアスコルビン酸を含み得る。
生体適合性材料は、急速放出性酸化剤、及び/又は持続放出性酸化剤を含み得る。生体適合性材料からの酸化剤の溶出は、急速な初期溶出速度と、遅い持続溶出速度とによって特徴付けることができる。酸化剤は、体液(例えば、水など)に接触すると、酸素を生成し得る。体液の例としては、血液、血漿、腹水、脳脊髄液、尿、リンパ液、滑液、硝子体液、唾液、胃腸管腔内容物、及び/又は胆汁が挙げられ得るが、これらに限定されない。特定の理論に束縛されるものではないが、酸化剤は、細胞死の低減、細胞生存能力の強化、並びに/又は、切断及び/若しくはステープリングにより損傷した可能性のある組織間の機械的強度の維持を行い得る。生体適合性材料は、少なくとも1つのマイクロ粒子及び/又はナノ粒子を含み得る。生体適合性材料は、本明細書に記述される1つ以上の天然材料、非合成材料、及び合成材料を含み得る。生体適合性材料は、約10nm〜約100nm、及び/又は約10μm〜約100μm、例えば、45〜50nm及び/又は45〜50μmの平均粒径を有する粒子を含み得る。生体適合性材料は、中に埋め込まれた少なくとも1つのマイクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む生体適合性フォームを含み得る。マイクロ粒子及び/又はナノ粒子は、生体適合性材料に化学的に結合していなくともよい。マイクロ粒子及び/又はナノ粒子は、薬剤の制御放出を提供し得る。マイクロ粒子及び/又はナノ粒子は、少なくとも1つの薬剤を含み得る。マイクロ粒子及び/又はナノ粒子は、例えば、止血剤、抗菌剤、及び/又は酸化剤を含み得る。組織厚さコンペンセーターは、酸化再生セルロースを含む止血剤、ドキシサイクリン及び/若しくはゲンタマイシンを含む抗菌剤、並びに/又は過炭酸塩(percarbant)を含む酸化剤を含む、生体適合性フォームを含み得る。マイクロ粒子及び/又はナノ粒子は、例えば、最長3日間、薬剤の制御放出を提供し得る。
マイクロ粒子及び/又はナノ粒子は、製造プロセス中に生体適合性材料内に埋め込まれ得る。例えば、PGA/PCLなどの生体適合性ポリマーが、溶媒(例えば、ジオキサン)と接触して、混合物を形成し得る。生体適合性ポリマーは、粉砕して粒子を形成することができる。乾燥粒子(ORCを含む、又は含まない)が、この混合物に接触して、懸濁液を形成し得る。この懸濁液は、凍結乾燥して、中に埋め込まれた乾燥粒子及び/又はORC粒子を有するPGA/PCLを含む生体適合性フォームを形成し得る。
本明細書に開示される組織厚さコンペンセーター又は層は、例えば、吸収性ポリマーを含み得る。組織厚さコンペンセーターは、例えば、フォーム、フィルム、繊維性織布、繊維性不織布の、PGA、PGA/PCL(ポリ(グリコール酸−co−カプロラクトン))、PLA/PCL(ポリ(乳酸−co−ポリカプロラクトン))、PLLA/PCL、PGA/TMC(ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート))、PDS、PEPBO、又はその他の吸収性ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリエステルアミド、及び/又はポリオキサエステルを含み得る。本発明により、組織厚さコンペンセーターは、例えば、PGA/PLA(ポリ(グリコール酸−co−乳酸))及び/又はPDS/PLA(ポリ(p−ジオキサノン−co−乳酸))を含み得る。本発明により、組織厚さコンペンセーターは、例えば、有機材料を含み得る。組織厚さコンペンセーターは、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、架橋ヒアルロン酸、及び/又は酸化再生セルロースを含み得る。本発明により、組織厚さコンペンセーターは、例えば、3〜7 Shore A(30〜50 Shore OO)範囲、最大硬度15 Shore A(65 Shore OO)のジュロ硬度を含み得る。組織厚さコンペンセーターは、例えば、0.03N(3lbf)の負荷で40%圧縮、0.06N(6lbf)の負荷で60%圧縮、及び/又は0.20N(20lbf)の負荷で80%圧縮し得る。1つ以上の気体(例えば、空気、窒素、二酸化炭素、及び/又は酸素など)を、組織厚さコンペンセーター内に曝気、及び/又は含ませることができる。組織厚さコンペンセーターは、中にビーズを含んでもよく、これは、組織厚さコンペンセーターを含む材料剛性の約50%〜約75%を含み得る。
本発明により、組織厚さコンペンセーターは、例えば、ヒアルロン酸、栄養剤、フィブリン、トロンビン、富血小板血漿、スルファサラジン(Azulfidine(登録商標)−5ASA+スルファピリジンジアゾ結合))−プロドラッグ−結腸細菌(アゾ還元酵素)、メサラミン(5ASA、遅延放出のための様々なプロドラッグ構成を備える)、asacol(登録商標)(5ASA+オイドラギット−Sコーティング−pH>7(コーティング溶解))、Pentasa(登録商標)(5ASA+エチルセルロースコーティング−時間/pH依存性遅延放出)、Mesasal(登録商標)(5ASA+オイドラギット−Lコーティング−pH>6)、オルサラジン(5ASA+5ASA−結腸細菌(アゾ還元酵素))、バルサラジン(5ASA+4アミノベンゾイル−B−アラニン)−結腸細菌(アゾ還元酵素))、顆粒メサラミン、リアルダ(メサラミンの遅延及びSR製剤)、HMPL−004(TNF−α、インターロイキン−1β、及び核内因子カッパBの活性化を阻害し得る生薬混合物)、CCX282−B(経口ケモカイン受容体拮抗物質、腸粘膜へのTリンパ球トラフィッキングを阻害する)、リファキシミン(非吸収性広域抗生物質)、インフリキシマブ、マウスキメラ(TNF−αを標的とするモノクローナル抗体。従来治療に対する反応が不十分であった中程度/重度の管腔及び瘻形成クローン病の成人/小児患者に、症候/症状の軽減と臨床的寛解のために認可)、アダリムマブ、全ヒトIgG1(抗−TNF−αモノクローナル抗体−クローン病の症候/症状軽減と、中程度/重度の活動性クローン病成人患者で、従来治療に対する反応が不十分、又はインフリキシマブに対して不耐となった患者において、臨床的寛解の誘導と維持のために認可)、セルトリズマブ・ペゴル、ヒト化抗−TNF FAB’(ポリエチレングリコールに結合したモノクローナル抗体フラグメント−クローン病の症候/症状軽減と、従来治療に対する反応が不十分な中程度/重度のクローン病成人患者における反応の誘導と維持のために認可されている)、ナタリズマブ、第1非TNF−α阻害物質(クローン病に認可された生物製剤)、ヒト化モノクローナルIgG4抗体(α−4−インテグリンを標的とする−従来のクローン病治療及びTNF−α阻害物質に対する反応が不十分、又は不耐である、炎症エビデンスがある中程度/重度のクローン病患者において、臨床的反応及び寛解の誘導及び維持のために、FDA認可)、インフリキシマブと共に投与可能な併用免疫調節薬、アザチオプリン6−メルカプトプリン(プリン合成阻害物質−プロドラッグ)、メトトレキサート(テトラヒドロフォレート合成に関与するジヒドロフォレート還元酵素(DHFR)に結合し、すべてのプリン合成を阻害する)、アロプリノール及びチオプリン治療、PPI、治癒線を保護する酸抑制のためのH2、C−Diff−フラジール、バンコマイシン(便転移治療;プロバイオティクス;正常な腸内菌叢の調整)、及び/又はリファキシミン(細菌過剰繁殖の治療(特に肝性脳症);腸内細菌の作用を伴う消化管内でも吸収されない)を含み得る。
上述のように、組織厚さコンペンセーターは、例えば、ステープルカートリッジから発射されたステープル内に捕捉された、及び/又はステープルライン内に含まれる、組織の厚さの変化を補償し得る。換言すれば、ステープルライン内の特定のステープルは、厚い組織部分を捕捉することができ、そのステープルライン内の別のステープルは、薄い組織部分を捕捉することができる。そのような状況において、組織厚さコンペンセーターは、ステープル内の異なる高さ又は厚さに対応し、捕捉された組織が厚いか薄いかにかかわらず、ステープル内に捕捉された組織に対して圧縮力を適用する。本発明により、組織厚さコンペンセーターは、組織の硬さの変化を補償し得る。例えば、ステープルライン内の特定のステープルは、非常に圧縮性の高い組織部分を捕捉することができ、そのステープルライン内の別のステープルは、より圧縮性の低い組織部分を捕捉することができる。そのような状況において、組織厚さコンペンセーターは、より低い圧縮性又はより高い硬度を有する組織を捕捉したステープル内の、より低い高さに対応し、また、同様に、より高い圧縮性又はより低い硬度を有する組織を捕捉したステープル内の、より高い高さに対応するよう、構成することができる。いかなる場合でも、組織厚さコンペンセーターは、例えば、組織の厚さの変化及び/又は組織の硬さの変化のいずれを捕捉するかを問わず、例えば、「組織コンペンセーター」及び/又は「コンペンセーター」と称され得る。
本明細書において開示される装置は、1回の使用の後に処分されるような設計とするか、又は複数回使用されるような設計とすることができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後、再使用のために再調整されることができる。再調整は、装置の分解工程、これに続く洗浄工程又は特定部品の交換工程、及びその後の再組み付け工程の任意の組み合わせを含むことができる。詳細には、装置は分解可能であり、装置の任意の数の特定の部品又は部材を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外すことができる。特定の部材の洗浄及び/又は交換に際し、装置を再調整施設において、あるいは外科手術の直前に手術チームによって再組み付けしてからその後の使用に供することができる。当業者であれば、装置の再調整に、分解、洗浄/交換、及び再組み付けのための様々な技術を利用できる点は認識されるであろう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
好ましくは、本明細書で説明した本発明は、外科手術の前に処理される。まず、新しい又は使用済みの器具を得て、必要に応じて洗浄する。次に、器具を滅菌することができる。1つの滅菌法では、プラスチック又はTYVEKバッグなどの閉鎖かつ密封された容器に器具を入れる。次いで容器及び器具を、ガンマ線、X線又は高エネルギー電子線などの、容器を貫通することができる放射線野の中に置く。この放射線によって器具上及び容器内の細菌が殺菌される。滅菌された器具は、その後、無菌容器内で保管することができる。密封容器は医療施設において開封されるまで器具を無菌状態に保つ。
全体又は部分において、本明細書に参照により組み込まれると称されるいずれの特許公報又は他の開示物も、組み込まれた事物が現行の定義、記載、又は本開示に記載されている他の開示物と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる。このように、また必要な範囲で、本明細書に明確に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する内容に優先するものとする。本明細書に参照により援用するものとされているが既存の定義、見解、又は本明細書に記載された他の開示内容と矛盾するすべての内容、又はそれらの部分は、援用された内容と既存の開示内容との間にあくまで矛盾が生じない範囲でのみ援用するものとする。
以上、本発明を例示的な構成を有するものとして説明したが、本発明は本開示の趣旨及び範囲内で更に改変することができる。したがって、本出願はその一般的原理を利用した本発明のあらゆる変形、使用又は適応を網羅するものとする。更に、本出願は、本発明が関連する技術分野における公知の、又は従来の実施に含まれるところの本開示からの発展形を網羅するものとする。
〔実施の態様〕
(1) 水非透過性材料内に密封的に封入された第1生体適合性材料を含む第1層と、
少なくとも1つのカプセル(encapsulation)を含む第2生体適合性材料を含む第2層と、
を含む、組織厚さコンペンセーターであって、前記第1生体適合性材料が流体に接触すると膨張する、組織厚さコンペンセーター。
(2) 第3生体適合性材料を含む第3層を含み、前記第1層が、前記第2層と第3層の中間である、実施態様1に記載の組織厚さコンペンセーター。
(3) 前記第1層及び第2層のそれぞれが、組織接触表面を含む、実施態様2に記載の組織厚さコンペンセーター。
(4) 前記第1生体適合性材料、前記第2生体適合性材料、及び前記第3生体適合性材料が、アルブミン、アルギン酸塩、炭水化物、カゼイン、セルロース、キチン、キトサン、コラーゲン、血液、デキストラン、エラスチン、フィブリン、フィブリノゲン、ゼラチン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラチン、タンパク質、血清、デンプン、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ホスファジン)(poly(phosphazine))、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリカーボネート、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリビニルアルコール、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリアクリル酸、ポリアセテート、ポリプロピレン、グリセロール、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテルエステル)、ポリアルキレンオキサレート、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオキサエステル、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、又は上述の組み合わせから独立に選択される、実施態様2又は3に記載の組織厚さコンペンセーター。
(5) 前記第1生体適合性材料が、乾燥ヒドロゲルを含む、実施態様1〜4のいずれかに記載の組織厚さコンペンセーター。
(6) 前記ヒドロゲルが、ポリアルキレンオキシド、多糖類、エステル、脂肪族エステル、オルトエステル、リン酸エステル、炭酸塩、ウレタン、エーテル、アミド、フェノール類(phenolic)、又は上述の組み合わせから選択される化合物を含む、実施態様5に記載の組織厚さコンペンセーター。
(7) 前記第1生体適合性材料が、水膨潤性組成物である、実施態様1〜6のいずれかに記載の組織厚さコンペンセーター。
(8) 前記流体が、水、生理食塩水、又は体液を含む、実施態様1〜7のいずれかに記載の組織厚さコンペンセーター。
(9) 前記水非透過性材料が破裂したときに、前記第1生体適合性材料が前記流体に接触する、実施態様1〜8のいずれかに記載の組織厚さコンペンセーター。
(10) 前記水非透過性材料が、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ホスファジン)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリカーボネート、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリビニルアルコール、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリアクリル酸、ポリアセテート、ポリプロピレン、グリセロール、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテルエステル)、ポリアルキレンオキサレート、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオキサエステル、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、又は上述の組み合わせを含む、実施態様1〜9のいずれかに記載の組織厚さコンペンセーター。
(11) 前記少なくとも1つのカプセルが、止血剤、抗炎症薬、抗生物質、抗菌剤、抗接着剤、抗凝血剤、薬剤、製薬的活性物質、又は上述の組み合わせを含む、少なくとも1つのカプセル化成分を含む、実施態様1〜10のいずれかに記載の組織厚さコンペンセーター。
(12) 前記少なくとも1つのカプセル化成分が、トリクロサン、クロルヘキシジン若しくはその塩、銀若しくはその塩、アンモニウム若しくはその塩、銅若しくはその塩、鉄若しくはその塩、亜鉛若しくはその塩、又は上述の組み合わせを含む抗菌剤を含む、実施態様11に記載の組織厚さコンペンセーター。
(13) 前記少なくとも1つのカプセルが、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリジオキサノン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグレカプロン(poliglecaprone)、ポリカプロラクトン、又は上述の組み合わせを含むチューブを含む、実施態様1〜12のいずれかに記載の組織厚さコンペンセーター。
(14) 前記少なくとも1つのカプセルが、生体内で分解する、実施態様1〜13のいずれかに記載の組織厚さコンペンセーター。
(15) ステープル留め装置のアンビル、及びステープル留め装置のステープルカートリッジから選択される物品であって、実施態様1の組織厚さコンペンセーターを含む、物品。
(16) 止血剤、抗炎症薬、抗生物質、抗菌剤、抗接着剤、抗凝血剤、薬剤、及び製薬的活性物質のうち少なくとも1つを含浸させたヒドロゲルを含む内側層と、
前記内側層を密封的に封入する、水非透過性材料を含む外側層と、
を含む、組織厚さコンペンセーターであって、前記ヒドロゲルは、水、生理食塩水、及び体液のうちの少なくとも1つに接触すると膨張する、組織厚さコンペンセーター。
(17) 前記水非透過性材料が破裂したときに、前記ヒドロゲルが前記水、生理食塩水、又は体液に接触し、前記水非透過性材料が破裂したときに、止血剤、抗炎症薬、抗生物質、抗菌剤、抗接着剤、抗凝血剤、薬剤、及び製薬的活性物質のうち前記少なくとも1つが放出される、実施態様16に記載の組織厚さコンペンセーター。
(18) 生体適合性材料を含む内側層と、前記内側層を密封的に封入する水非透過性材料を含む外側層から、組織厚さコンペンセーターを製造する方法であって、
該内側層に、止血剤、抗炎症薬、抗生物質、抗菌剤、抗接着剤、抗凝血剤、薬剤、及び製薬的活性物質のうち少なくとも1つを含浸させることを含み、
前記生体適合性材料が、水、生理食塩水、及び体液のうち少なくとも1つに接触すると膨張する、方法。
(19) 前記水非透過性材料を破裂させることと、
前記生体適合性材料を、水、生理食塩水、及び体液のうち前記少なくとも1つに接触させて、前記組織厚さコンペンセーターを膨張させることと、を更に含む、実施態様18に記載の方法。

Claims (9)

  1. 水非透過性材料内に密封的に封入され、流体に接触すると膨張する第1生体適合性材料を含む第1層と、
    流体に接触すると膨張する第2生体適合性材料を含む少なくとも1つのカプセルを含む第2層と、
    を含む、組織厚さコンペンセーターであって、
    前記組織厚さコンペンセーターは、発射されたステープル内に捕捉されることで、前記ステープル内に捕捉された組織の様々な厚さを補うことができ、
    前記第2層の前記少なくとも1つのカプセルが、前記ステープルと接触することで破裂されたときに、前記第生体適合性材料が前記流体に接触して膨張して、前記組織厚さコンペンセーターの厚さが大きくなって、前記組織厚さコンペンセーターが前記ステープル内に捕捉された組織の厚さを補うことができる、組織厚さコンペンセーター。
  2. 第3生体適合性材料を含む第3層を含み、前記第1層が、前記第2層と第3層の中間である、請求項1に記載の組織厚さコンペンセーター。
  3. 前記第1層及び第2層のそれぞれが、組織接触表面を含む、請求項2に記載の組織厚さコンペンセーター。
  4. 前記第3生体適合性材料が、アルブミン、アルギン酸塩、炭水化物、カゼイン、セルロース、キチン、キトサン、コラーゲン、血液、デキストラン、エラスチン、フィブリン、フィブリノゲン、ゼラチン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラチン、タンパク質、血清、デンプン、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ホスファジン)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリカーボネート、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリビニルアルコール、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリアクリル酸、ポリアセテート、ポリプロピレン、グリセロール、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテルエステル)、ポリアルキレンオキサレート、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオキサエステル、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、又は上述の組み合わせから独立に選択される、請求項2又は3に記載の組織厚さコンペンセーター。
  5. 前記第1生体適合性材料が、乾燥ヒドロゲルを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組織厚さコンペンセーター。
  6. 前記乾燥ヒドロゲルが、ポリアルキレンオキシド、多糖類、エステル、脂肪族エステル、オルトエステル、リン酸エステル、炭酸塩、ウレタン、エーテル、アミド、フェノール類、又は上述の組み合わせから選択される化合物を含む、請求項5に記載の組織厚さコンペンセーター。
  7. 前記第1生体適合性材料が、水膨潤性組成物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組織厚さコンペンセーター。
  8. 前記流体が、水、生理食塩水、又は体液を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組織厚さコンペンセーター。
  9. 前記水非透過性材料が、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ホスファジン)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリカーボネート、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリビニルアルコール、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリアクリル酸、ポリアセテート、ポリプロピレン、グリセロール、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテルエステル)、ポリアルキレンオキサレート、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオキサエステル、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、又は上述の組み合わせを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組織厚さコンペンセーター。
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