JP2016506447A - ベンゾオキサジン、及び、酸形成過酸化物触媒、を含む重合性組成物、物品、及び方法 - Google Patents

ベンゾオキサジン、及び、酸形成過酸化物触媒、を含む重合性組成物、物品、及び方法 Download PDF

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Abstract

重合性組成物、物品、及び方法が提供され、前記重合性組成物は、ベンゾオキサジン、酸形成過酸化物触媒、及び、任意追加的にフィルム形成ポリマー、共触媒、硬化剤、又はこれらの組み合わせ、を含有する。【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
(背景技術)
ベンゾオキサジンは、比較的新しい分類の高温及び高性能熱硬化性ポリマーである。従来の欠点としては、かかるポリマーの形成中に高温をかける必要があること、及び高度に架橋した脆いポリマーが形成することが挙げられる。重合温度を低下させるための方法及び組成物が開発されてきたが、更なる方法及び組成物が引き続き必要とされている。
(概要)
本開示は、ベンゾオキサジン及び酸形成過酸化物触媒を含有する重合性組成物を提供する。かかる重合性組成物は、コーティング、シーラント、接着剤、及び多数のその他の用途、特に高温用途において有用となり得る。
一実施形態では、本開示は、ベンゾオキサジン、酸形成過酸化物触媒、及び、フィルム形成材料、共触媒、硬化剤、又はこれらの組み合わせ、を含有する重合性組成物を提供する。
特定の実施形態では、重合性組成物は、タフナー(即ち、強靭化剤)、エポキシ樹脂、反応性希釈剤、又はこれらの組み合わせを更に含有できる。
当業者は、1つの化合物が2つ以上の異なる機能を形成してもよいことを理解するであろう。例えば、1つの化合物が強靭化剤と硬化剤の両方として機能してもよく、又は1つの化合物がフィルム形成材料と硬化剤の両方として機能してもよい。
本開示の重合性組成物は有機溶媒を含有してもよいが、特定の実施形態は塩素化有機溶媒を含まない。例えば、一実施形態では、本開示は、ベンゾオキサジン及び酸形成過酸化物触媒を含有する重合性組成物を提供し、この重合性組成物は塩素化有機溶媒を含まない。
一実施形態では、本開示は、基材と、その上に設けられた、本明細書に記載の重合性組成物を含有する接着フィルムと、を含有する物品を提供する。
本開示は、接着剤を形成する方法も提供する。
一実施形態では、接着剤を形成する方法は、本明細書に記載の重合性組成物を提供する工程と、かかる重合性組成物を、ベンゾオキサジンを少なくとも部分的に重合するのに有効な温度及び時間で加熱する工程とを含有する。
一実施形態では、接着剤を形成する方法は、ベンゾオキサジン及び酸形成過酸化物触媒を含む重合性組成物を提供する工程と、かかる重合性組成物を、ベンゾオキサジンを少なくとも部分的に重合するのに有効な時間、少なくとも150℃の温度で加熱する工程と、を含有する。
本明細書で使用するとき、用語「アルキル」は、アルカンのラジカルである一価の基を指し、非置換及び置換アルキル基の両方を包含する直鎖、分枝鎖、又は環状アルキル基を包含する。特に指定がない限り、アルキル基は、典型的には、1〜30個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、又は1〜3個の炭素原子を含有する。本明細書で使用するとき、「アルキル」の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、イソブチル、t−ブチル、イソプロピル、n−オクチル、n−ヘプチル、エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、ノルボルニル等が挙げられるが、これらに限定されない。別途記載のない限り、アルキル基は一価であっても多価であってもよい。
用語「アルキレン」は、アルカンのラジカルである二価の基を指し、直鎖、分枝鎖、環式、二環式、又はこれらの組み合わせである基を含む。別途記載のない限り、アルキレン基は、典型的には、1〜30個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、このアルキレン基は、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する。
用語「アリール」は、芳香族及び、任意追加的に、炭素環式である一価の基を指す。アリールは、少なくとも1つの芳香環を有する。任意の更なる環は、不飽和、部分飽和、飽和、又は芳香族であってもよい。任意追加的に、芳香環は、芳香環に縮合される1つ以上の更なる炭素環式環を有することができる。別途記載のない限り、アリール基は、典型的には、6〜30個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アリール基は、炭素原子を6〜20個、6〜18個、6〜16個、6〜12個、又は6〜10個含有する。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナンスリル、及びアントラシルが挙げられる。
ヘテロアリールは、窒素、酸素、又は硫黄等の1〜3個のヘテロ原子を含有するアリールであり、縮合環を含有してもよい。ヘテロアリールのいくつかの例は、ピリジル、フラニル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、及びベンズチアゾリルである。別途記載のない限り、アリール及びヘテロアリール基は、一価であっても多価であってもよい。
用語「アリーレン」は、芳香族、及び場合により、炭素環式である、二価の基を指す。アリーレンは、少なくとも1つの芳香環を有する。任意の更なる環は、不飽和、部分飽和、又は飽和であってもよい。任意追加的に、芳香環は、芳香環に縮合される1つ以上の更なる炭素環式環を有することができる。アリーレン基は、多くの場合、6〜20個の炭素原子、6〜18個の炭素原子、6〜16個の炭素原子、6〜12個の炭素原子、又は6〜10個の炭素原子を有する。
用語「アラルキル」は、アリール基で置換されたアルキル基である一価の基を指す。用語「アルカリール」は、アルカリ基で置換されたアリール基である一価の基を指す。いずれの基についても、アルキル部分は、多くの場合、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有し、アリール部分は、多くの場合、6〜20個の炭素原子、6〜18個の炭素原子、6〜16個の炭素原子、6〜12個の炭素原子、又は6〜10個の炭素原子を有する。
用語「アラルキレン」は、アリール基で置換されたアルキレン基又はアリーレン基に結合するアルキレン基である二価の基を指す。用語「アルカリーレン」は、アルキル基で置換されたアリーレン基又はアルキレン基に結合するアリーレン基である二価の基を指す。いずれの基についても、アルキル又はアルキレン部分は一般的に1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子を含有する。いずれの基についても、アリール又はアリーレン部分は一般的に6〜20個の炭素原子、6〜18個の炭素原子、6〜16個の炭素原子、6〜12個の炭素原子、又は6〜10個の炭素原子を含有する。
用語「ヘテロアルキル」は、S、O、及びNから独立して選択される1つ以上のヘテロ原子を有する直鎖、分枝鎖、及び環状のアルキル基であって、非置換及び置換の両方のアルキル基を含む。別途記載のない限り、ヘテロアルキル基は、典型的には、1〜20個の炭素原子を含有する。「ヘテロアルキル」は、下記「ヘテロ(ヘテロ)ヒドロカルビル」の部分集合である。本明細書で使用するとき、「ヘテロアルキル」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、3,6−ジオキサヘプチル、3−(トリメチルシリル)−プロピル、4−ジメチルアミノブタニル等が挙げられるが、これらに限定されない。別途記載のない限り、ヘテロアルキル基は一価であっても多価であってもよい。
用語「(ヘテロ)ヒドロカルビル」は、(ヘテロ)ヒドロカルビルアルキル及びアリール基、並びにヘテロ(ヘテロ)ヒドロカルビルヘテロアルキル及びヘテロアリール基を含み、後者は、エーテル又はアミノ基等の1つ以上のカテナリー酸素ヘテロ原子を含む。ヘテロ(ヘテロ)ヒドロカルビルは、場合により、エステル、アミド、尿素、ウレタン、及びカーボネート官能基を含む1つ以上のカテナリー(鎖内)官能基を含有してもよい。別途記載のない限り、非高分子(ヘテロ)ヒドロカルビル基は、典型的には1〜60個の炭素原子を含有し、場合により、ヒドロキシル、クロロ、アミノ、及びカルボン酸等の置換基を包含することができる。このような(ヘテロ)ヒドロカルビルのいくつかの例は、本明細書で使用するとき、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」、及び「ヘテロアリール」について上に記載したものに加えて、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、4−ジフェニルアミノブチル、2−(2’−フェノキシエトキシ)エチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサへキシル−6−フェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、用語「残基」は、記載されている式中の結合している官能基又は結合している基の除去(又は反応)後に残る基の(ヘテロ)ヒドロカルビル部分を定義するために用いられる。例えば、「ブチルアルデヒド」C−CHOの「残基」は、両方のアミノ基が反応した場合、アルキルC−である。同様に、両方のアミノ基が反応した場合、ヘキサメチレンジアミンHN−C12−NHの残基は、アルキレン−C12−であり、フェニレンジアミンHN−C−NHの残基は二価アリール−C−であり、ジアミノポリエチレングリコールHN−(CO)1〜20−C−NHの残基は、二価(ヘテロ)ヒドロカルビルポリエチレングリコール−(CO)1〜20−C−である。
用語「含む(comprise)」及びこの変形は、これらの用語が現れる明細書及び請求項を制限する意図を持たない。
「好ましい」及び「好ましくは」という語は、特定の状況下で、特定の効果をもたらし得る本開示の実施形態のことを指す。しかしながら、同一又は他の環境下で、他の実施形態も好ましい可能性がある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の説明は、他の実施形態が有用ではないことを示唆するものではなく、本開示の範囲から他の実施形態を除外することを目的としたものではない。
本願では、「a」、「an」、及び「the」等の用語は、1つの実体のみを指すことを意図するものではなく、具体例を例示のために用いることができる一般分類を含む。用語「a」、「an」、及び「the」は、用語「少なくとも1つ」と共に、互換的に使用される。一覧を伴った、「〜の少なくとも1つ」及び「〜の少なくとも1つを含む」という表現は、その一覧の項目の任意の1つ、及びその一覧の項目の2つ以上の任意の組み合わせを指す。
本明細書で使用するとき、用語「又は」は、内容が明確にそれ以外を指図しない限り、一般的に「及び/又は」を含む意味で使用される。
用語「及び/又は」は、列挙された要素の1つ又は全てを、若しくは列挙された要素の任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
同様に、本明細書においては、全ての数は「約」という用語で修飾されているとみなされ、好ましくは「厳密に」という用語で修飾されているとみなされる。本明細書において、測定された量と関連して使用されるとき、用語「約」は、測定を行い測定の目的及び使用測定機器の精度に相応する程度の注意を払う当業者に期待されるような測定量の変化を指す。
同様に、本明細書においては、端点による数の範囲の列挙には、その範囲内に包含される全ての数及び端点(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等)が包含される。
ある基が本明細書において記載される式中に2回以上存在するとき、各基は、別途の記載の有無によらず、「独立して」選択される。例えば、式中に1つ以上のR基が存在するとき、各R基は独立して選択される。更に、これらの基の中に含まれるサブグループも独立して選択される。例えば、各R基がY基を含有するとき、各Yも独立して選択される。
本明細書で使用するとき、用語「室温」は、20℃〜25℃又は22℃〜25℃の温度を指す。
本開示の上記の「課題を解決するための手段」は、本開示の開示される各実施形態又は全ての実現形態を説明することを目的としたものではない。以下の説明は、例示的な実施形態をより具体的に例示するものである。本出願の全体を通じていくつかの箇所で、実施例の一覧によって指針が与えられるが、これらの実施例は異なる組み合わせで使用することができる。いずれの場合も、記載される一覧は、あくまで代表的な群としてのみの役割を果たすものであって、排他的な一覧として解釈するべきではない。
MXDAを使用して硬化したBZ−1及びMXDAを過酸化ベンゾイルと共に使用して硬化したBZ−1の示差走査熱量のトレース。 過酸化ベンゾイルを使用して硬化したBZ−1の示差走査熱量トレース、及び同じ物質を、触媒なしで、又は硫黄、若しくは硫黄と過酸化ベンゾイルの組み合わせを用いて硬化した参照トレース。
(実施形態の詳細な説明)
本開示は、ベンゾオキサジン、酸形成過酸化物触媒、及び、場合によりフィルム形成材料、共触媒、硬化剤、タフナー、エポキシ樹脂、溶媒、又はこれらの組み合わせ等の添加剤、を含有する重合性組成物を提供する。かかる重合性組成物は、コーティング、シーラント、接着剤、及び多数のその他の用途、特に高温用途において有用となり得る。
本開示は、更に、ベンゾオキサジン化合物及び触媒を含み、重合したときに高温構造用接着剤用途において有用である、重合性組成物を提供する。本開示は、更に、重合をもたらすのに十分な温度及び時間で、重合性組成物を加熱することを含む、ポリベンゾオキサジンを調製する方法を提供する。いくつかの実施形態では、フィルム形成剤(ベンゾオキサジンに対して非反応性でも反応性でもよい)を重合性組成物に加えてもよい。
本開示は、より低い重合温度及び低減された発熱等、ポリベンゾオキサジンの重合においてよく知られている欠点の多くを克服する。いくつかの実施形態では、生成物であるポリベンゾオキサジンは、優れた熱安定性を有する可撓性固体であり、多くの工業用途に有用である。
ベンゾオキサジン
本明細書で使用するとき、用語「ベンゾオキサジン」は、式Iに示すような特徴的なベンゾオキサジン環を有する化合物及びポリマーを含む。
Figure 2016506447

(I)
図のベンゾオキサジン基において、Rは、モノアミン又はポリアミンの残基である(2官能以上のベンゾオキサジンを包含する)。
本開示の重合性組成物の調製では、多種多様なベンゾオキサジン化合物を使用してもよい。ベンゾオキサジンは、フェノール化合物、脂肪族アルデヒド、及び一級アミン化合物を組み合わせることによって調製することができる。米国特許第5,543,516号(Ishida)及び米国特許第7,041,772号(Aizawa et al.)は、ベンゾオキサジンを形成する方法を記載している。一官能、二官能、及びそれ以上の官能性のベンゾオキサジンを製造するための他の好適な反応スキームは、N.N.Ghosh et al.,Polybenzoxazine−new high performance thermosetting resins:synthesis and properties、Prog.Polym.Sci.32(2007),pp.1344〜1391に記載されている。ベンゾオキサジンは、Huntsman Chemical Advanced Materials America Inc.(Woodlands TX)及びShikoku(Kawaga,Japan)等の商業的供給源からも入手できる。例えば、2,2−ビス(3,4−ジヒドロ−3−フェニル−1,3−ベンゾオキサジン)プロパンビスフェノール−A系のベンゾオキサジンは、Shikoku Chemicals Co.、Ltd.(Kagawa,Japan)から入手できる。
ベンゾオキサジンモノマーのポリマーへの重合は、オキサジン環を別の構造、例えば、直鎖ポリマー又はより大きな複素環に変換するイオン性開環重合であると考えられる。かかる重合は、酸形成過酸化物触媒を、場合により、本明細書に記載の共触媒と共に用いて、触媒することができる。任意追加の硬化剤も、重合に使用できる。かかる硬化剤は、一般的に、生成ポリマーの主鎖に組み込まれる。ベンゾオキサジンの特性を修飾するために、例えば、フィルム形成材料、強靭化剤、及びエポキシ樹脂等の、その他の添加剤を使用できる。
酸形成過酸化物触媒
重合性組成物の触媒は、酸形成過酸化物触媒である。望ましくは、選択した触媒の分解点は、使用するベンゾオキサジンの熱的自己触媒温度よりも低い。
特定の実施形態では、酸形成過酸化物触媒は、カルボキシル基、アセチル基、フタリル基、スルホニル基、又はこれらの組み合わせを包含する。特定の実施形態では、酸形成過酸化物触媒は、ジアシルペルオキシド、ペルオキシジカーボネート、ペルオキシエステル、及びこれらの組み合わせの群から選択される。
好適なジアシルペルオキシドは、次式のものである:
−C(O)−O−O−C(O)−R
(II)
好適なペルオキシジカーボネートは、次式のものである:
−O−C(O)−O−O−C(O)−O−R
(III)
好適なペルオキシエステルは、次式のものである:
[R−O−O−C(O)−O−]−R4’
(IV)
式II、III、及びIVにおいて:
各Rは、独立してアルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせ(アルカリール又はアラルキル基)であり、場合により、ヒドロキシル基又はカルボン酸基で置換されており;
各Rは、独立してアルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせであり、場合により、ヒドロキシル基又はカルボン酸基で置換されており;
yは、0又は1であり;
nは、1、2、又はそれ以上であり;
4’は、nが1のとき、アルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせであり、場合により、ヒドロキシル基で置換されており;
4’は、nが2のとき、アルキレン基、アリーレン基、又はこれらの組み合わせ(アルカリーレン又はアラルキレン基)であり、場合により、ヒドロキシル基で置換されており;又は
4’は、nが2を超えるとき、多価のアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの組み合わせであり、場合により、ヒドロキシル基で置換されている。
好適なジアシルペルオキシドの例としては、過酸化デカノイル、過酸化ラウロイル、コハク酸ペルオキシド、及び過酸化ベンゾイルが挙げられる。好適なペルオキシジカーボネートの例としては、
ジ(n−プロピル)=ペルオキシジカーボネート、ジ(sec−ブチル)=ペルオキシジカーボネート、及びジ(2−エチルヘキシル)=ペルオキシジカーボネートが挙げられる。好適なペルオキシエステルの例としては、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル=ペルオキシネオデカノエート、α−クミル=ペルオキシネオデカノエート、t−アミル=ペルオキシネオデカノエート、
t−ブチル=ペルオキシネオデカノエート、t−アミル=ペルオキシピバレート、t−ブチル=ペルオキシピバレート、2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、t−アミル=ペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチル=ペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミル=ペルオキシアセテート、t−ブチル=ペルオキシアセテート、t−ブチル=ペルオキシベンゾエート、OO−(t−アミル)−O−(2−エチルヘキシル)=モノペルオキシカーボネート、OO−(t−ブチル)−O−イソプロピル=モノペルオキシカーボネート、
OO−(t−ブチル)−O−(2−エチルヘキシル)=モノペルオキシカーボネート、ポリエーテル=ポリ−t−ブチルペルオキシカーボネート、及びt−ブチル=ペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエートが挙げられる。好適な過酸化物は、LUPEROXの商標名でArkema Inc.(Philadelphia,PA)から入手できる。
所望の場合、酸形成過酸化物触媒の様々な組み合わせを使用できる。
酸形成過酸化物触媒は、重合性組成物の全重量を基準にして、少なくとも0.1重量パーセント(重量%)、特定の実施形態では、少なくとも1重量%の量で存在する。特定の実施形態では、酸形成過酸化物触媒は、重合性組成物の全重量を基準にして、10重量%以下、特定の実施形態では、5重量%以下の量で存在する。上記の量を超えて使用すると、COが発生する場合があり、これは一部の用途で望ましくない。
共触媒
好適な共触媒としては、元素硫黄、元素セレン、周期表の第VA族元素(例えば、N、P、As、Sb、Bi)の硫化物(旧CAS又は米国の族番号表記方式を参照)、第VIA族元素(例えば、O、S、Se、Te、Po)の硫化物、第VA族元素のセレン化物、第VIA族元素のセレン化物、及びこれらの組み合わせの群から選択されるものが挙げられる。
望ましくは、選択した添加共触媒の融点は、使用するベンゾオキサジンの熱的自己触媒温度よりも低い。
結晶又は非晶質形態の元素硫黄を共触媒として使用してもよい。元素硫黄は、名目上、S環として説明されるが、他のポリマー及びオリゴマーが知られている。元素セレンの様々な同素体形態を使用してもよい。名目上は、硫化セレンは、硫黄及びセレンの多くの様々な化合物を指すが、一般には式SeSによって与えられる。三硫化四リン、五硫化リン、及び四窒化四硫黄を使用することができる。
その他の好適な共触媒は、有機金属錯体カチオンの塩である。かかる化合物としては、遷移金属原子に結合した炭素原子を少なくとも1個含有するカチオンが挙げられる。
本開示の重合性組成物の特定の実施形態では、本開示の重合性組成物の有機金属錯体塩は、次式で表される:
[(L(LM]+q
(V)
式(V)において:
Mは、Cr、Ni、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、及びIrの群から選択され;
及びLは、芳香族化合物及び複素環式芳香族化合物から選択できるπ電子に寄与する同じ又は異なる配位子を表し、この配位子は、Mの価電子殻に6個のπ電子を寄与することができ;
qは、1又は2の値を有する整数で、錯体カチオンの残留電荷であり;
y及びzは、yとzの合計が2に等しいことを条件として、0、1、又は2の値を有する整数であり;
Xは、好適なアニオン(重合を妨げないもの)であり;
nは、1又は2の値を有する整数であり、錯体カチオン上の電荷qを中和するために必要な錯体アニオンの数である。
式(V)の配位子L及びLの例としては、25個までの環、100個までの炭素原子、及び10個までのヘテロ原子(N、S、非過酸化物のO、P、As、Se、B、Sb、Te、Si、Ge、Snから選択される)を有する置換及び非置換のカルボン酸(carboxylic)及び複素環式芳香族配位子、例えば、η−ベンゼン、η−メシチレン、η−トルエン、η−p−キシレン、η−o−キシレン、η−m−キシレン、η−クメン、η−デュレン、η−ペンタメチルベンゼン、η−ヘキサメチルベンゼン、η−フルオレン、η−ナフタレン、η−アントラセン、η−ペリレン、η−クリセン、η−ピレン、η−トリフェニルメタン、η−パラシクロファン、η−カルバゾール、η−シクロペンタジエニルアニオン、例えば、η5−シクロペンタジエニルアニオン、η−メチルシクロペンタジエニルアニオン、η−ペンタメチルシクロペンタジエニルアニオン、η−トリメチルシリルシクロペンタジエニルアニオン、η−トリメチルスズシクロペンタジエニルアニオン、η−トリフェニルスズシクロペンタジエニルアニオン、η−トリフェニルシリルシクロペンタジエニルアニオン、及びη−インデニルアニオン等が挙げられる。
特定の実施形態では、式(V)のLは、シクロペンタジエニル及びインデニルアニオン基から選択できるπ電子に寄与する同じ又は異なる配位子を表し、この配位子は、Mの価電子殻に6個のπ電子を寄与することができる。
式(V)の配位子L及びLの各々は、金属原子に対する配位子の錯化作用を妨げない基又は金属原子との競争が起こらない程度まで配位子の溶解度を低下しない基によって置換できる。置換基は、その全てが典型的には30個未満の炭素原子と10個までのヘテロ原子(N、S、非過酸化物O、P、Ar、Se、Sb、Te、Si、Ge、Sn、及びBから選択される)とを有し、その例としては、メチル、エチル、ブチル、ドデシル、テトラコサニル、フェニル、ベンジル、アリル、ベンジリデン、エテニル、及びエチニル等のヒドロカルビル基;シクロヘキシル等のシクロヒドロカルビル;メトキシ、ブトキシ、及びフェノキシ等のヒドロカルビルオキシ基;メチルメルカプト(チオメトキシ)、フェニルメルカプト(チオフェノキシ)等のヒドロカルビルメルカプト基;メトキシカルボニル及びフェノキシカルボニル等のヒドロカルビルオキシカルボニル;ホルミル、アセチル、及びベンゾイル等のヒドロカルビルカルボニル;アセトキシ、及びシクロヘキサンカルボニルオキシ等のヒドロカルビルカルボニルオキシ;ヒドロカルビルカーボンアミド、例えば、アセトアミド、ベンズアミド;アゾ;ボリル;ハロ、例えば、クロロ、ヨード、ブロモ、及びフルオロ;ヒドロキシ;シアノ;ニトロ;ニトロソ;オキソ;ジメチルアミノ;ジフェニルホスフィノ;ジフェニルアルシノ;ジフェニルスチビン;トリメチルゲルマン;トリブチルスズ;メチルセレノ;エチルテルロ;及びトリメチルシロキシが挙げられる。
式(V)の配位子L及びLは、独立してポリマーの1単位、例えば、ポリスチレン、若しくはポリメチルフェニルシロキサンのフェニル基;ポリビニルカルバゾールのカルバゾール基;又は、ポリ(ビニルシクロペンタジエン)のシクロペンタジエン基であってもよい。1,000,000以上までの重量平均分子量を有するポリマーを使用することができる。
式(V)において、共触媒の有機金属錯体カチオンのイオン塩の対イオンとしての使用に好適なアニオンXは、Xを次式で表すことができるアニオンであり:
DQ
(VI)
式(VI)において:
Dは、周期表(旧CAS又は米国の族番号表記方式参照)の第IB族(例えば、Cu、Ag、Au)、第IIB族(例えば、Zn、Cd、Hg)、第IIIB族(例えば、Sc、Y、La、Ac)、第IVB族(例えば、Ti、Zr、Hf)、第VB族(例えば、V、Nb、Ta)、第VIB族(例えば、Cr、Mo、W)、第VIIB族(例えば、Mn、Tc、Re)、及び第VIIIB族(例えば、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt)の金属、又は第IIIA族(例えば、B、Al、Ga、In、Tl)、第IVA族(例えば、C、Si、Ge、Sn、Pb)、及び第VA族(例えば、N、P、As、Sb、Bi)の金属若しくは半金属である。
Qは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは非置換フェニル基、又は置換若しくは非置換アルキル基であり、
rは、1〜6の値を有する整数である。
式(VI)の特定の実施形態では、金属Dは銅、亜鉛、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、又はニッケルであり、半金属は好ましくはホウ素、アルミニウム、アンチモン、スズ、ヒ素、及びリンである。特定の実施形態では、ハロゲン原子Qは、塩素又はフッ素である。好適なアニオンの代表例は、B(フェニル) 、B(フェニル)(アルキル)(式中、アルキルは、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル等であり得る)、BF 、PF 、AsF 、SbF 、FeCl 、SnCl 、SbFOH、AlCl 、A1F 、GaCl 、InF 、TiF 、ZrF 、B(C 、B(C(CF である。
有機金属錯体カチオンのイオン塩の対イオンとしての使用に好適な式(V)のアニオンXとして、更に、Xが有機スルホネートであるアニオンが挙げられる。
好適なスルホネート含有アニオンの代表例は、CHSO 、CFSO 、CSO 、p−トルエンスルホネート、p−クロロベンゼンスルホネート、及び関連異性体である。その他の好適なアニオンとしては、米国特許第5,554,664号に記載されるようなトリス−(高級フッ素化アルキル)スルホニルメチド、ビス−(高級フッ素化アルキル)スルホニルイミド、及びトリス−(フッ素化アリール)スルホニルメチドが挙げられる。
特定の実施形態では、(V)のアニオンXとしては、トリス−(高級フッ素化アルキル)スルホニルメチド、ビス−(高級フッ素化アルキル)スルホニルイミド、及びトリス−(フッ素化アリール)スルホニルメチド、テトラキス−(フッ素化アリール)ボレート、有機スルホン酸アニオン、及び金属又は半金属のハロゲン含有錯体アニオン(例えば、SbF 、PF )から選択されるアニオンが挙げられる。
共触媒としての使用に好適なかかる有機金属塩の例は、国際公開第2002/000757号(Mahoney et al.)、並びに米国特許第5,089,536号(Palazzotto)、同第5,059,701号(Keipert)、及び同第5,191,101号(Palazzotto et al.)、並びに欧州特許出願第094,914号(Irving et al.)、同第094,915号(Meier et al.)、及び同第126,712号(Meier et al.)に記載されている。その使用の例証を、実施例の節に記載する。
所望の場合、共触媒の様々な組み合わせを使用できる。
共触媒を使用する場合、共触媒は、重合性組成物の全重量を基準にして、少なくとも0.1重量%の量で存在する。共触媒を使用する場合、共触媒は、重合性組成物の全重量を基準にして、10重量%、5重量%、又は2重量%以下の量で存在する。
硬化剤
本開示の重合性組成物は1つ以上の硬化剤を任意追加的に含有する。かかる硬化剤は、チオール化合物、アミン化合物、及びこれらの組み合わせの群から選択される。特定の実施形態において、チオール化合物及びアミン化合物の少なくとも1つは多官能である。かかる硬化剤は、反応性希釈剤として機能できる。
有用なかかる化合物は、ベンゾオキサジンを開環する求核性官能基を少なくとも1つ有する。かかる化合物は、次の一般式の化合物であり:
10−(ZH)
VII
式(VII)において:
10は(ヘテロ)ヒドロカルビル基であり;
各Zは、独立して−S−又は−NR11であり、式中、R11はH又はヒドロカルビル基、例えばアリール及びアルキルであり;
pは、1〜6である(特定の実施形態では、pは少なくとも2である)。
上記のように、ベンゾオキサジンモノマーのポリマーへの重合は、オキサジン環を別の構造、例えば、直鎖ポリマー又はより大きな複素環に変換するイオン性開環重合であると考えられる。連鎖移動工程は、生じるポリマーの分子量を制限し、いくつかの分岐を生じさせると考えられる。開環反応は、ビスフェノールAをベースとするベンゾオキサジンと式R10−(ZH)の硬化剤との反応による高分子物質生成に関する以下のスキームIによって表すことができる:
Figure 2016506447
スキームIにおいて:
式中、各Rは、独立して、H又はアルキル基であり、かつ脂肪族アルデヒドの残基であり、
各Rは、独立して、一級アミノ化合物の(ヘテロ)ヒドロカルビル残基であり;
各R10は、独立して、(ヘテロ)ヒドロカルビル基であり;
Zは、−S−又は−NR11であって、式中各R11はH又はアリール及びアルキルを含むヒドロカルビル基であり、pは1〜6、又は2〜6であり;
qは、繰り返し単位の数であって、少なくとも1である(特定の実施形態では、qは少なくとも2である)。
スキーム1に示す硬化剤は−ZH基を2個しか持たないが、他の硬化剤は2個を超える−ZH基を有することができる。それ故、かかる硬化剤は、2個のベンゾオキサジン基と反応した後、追加のベンゾオキサジン基との更なる反応に利用できる追加の−ZH基を有することができる。更に、出発ベンゾオキサジンがポリアミンで調製される実施形態では、R基は、追加のベンゾオキサジン基に結合され得る。更に、組成物が少なくとも1つの多官能性チオール化合物又はアミン化合物を含むと、ポリマー反応生成物が生じることに留意されたい。
これらの実施形態では、未反応のベンゾオキサジンが触媒の存在下でホモポリマー化して、式(VII)の硬化剤及びポリ(ベンゾオキサジン)とベンゾオキサジン付加物の同延の混合物又はポリマーネットワークを形成するため、過剰のベンゾオキサジンが存在する。そのような実施形態では、ベンゾオキサジン基と化合物R10−(ZH)からのアミン及び/又はチオール「Z」基の合計とのモル量比は、約3:1〜100:1、又は特定の実施形態では4:1〜50:1である。
式(VII)、R10(ZH)の硬化剤を参照すると、ベンゾオキサジン環は、アミン化合物によって開環されてもよい。有用なアミン化合物は、以下の式の一級及び二級アミンに相当し、
10(NHR11
(VIII)
式(VIII)において、R10、R11、及びpは、式(VII)に関する上記の定義の通りである。かかる化合物としては、一級及び二級(ヘテロ)ヒドロカルビルモノアミン及びポリアミンが挙げられる。式(VIII)の化合物において、R10は、価数pを有する(ヘテロ)ヒドロカルビル基であり、少なくとも1個の一級アミン基を有するモノ−、ジ−又はそれ以上のアミンの残基である。R10は、アルキル、シクロアルキル又はアリールであることができ、pは1〜4、又は2〜4である。特定の実施形態では、R10は、好ましくは、一価及び多価(ヘテロ)ヒドロカルビル(即ち、1〜30個の炭素原子を有するアルキル及びアリール化合物、又は1〜20個のヘテロ原子の酸素を有するヘテロアルキル及びヘテロアリールを含む(ヘテロ)ヒドロカルビル)から選択される。各R11は、独立して、H、又はアリール及びアルキルを含むヒドロカルビル基であり、pは1〜6、又は2〜6である。ベンゾオキサジンの調製に使用される同じアミンは、開環反応でも有用であることが、当業者には明らかであろう。
ベンゾオキサジン環は、次式のチオールでも開環されてよく:
10−(SH)
(IX)
式(IX)において、R10及びpは、式(VII)に関する上記の定義の通りである。即ち、式(IX)の化合物において、pは1〜6、又は2〜6であり、R10としては、脂肪族及び芳香族のモノチオール及びポリチオールを包含する(ヘテロ)ヒドロカルビル基が挙げられる。Rは、ヒドロキシル、酸、エステル、シアノ、尿素、ウレタン及びエーテル基等の1つ以上の官能基を、場合により、更に含んでもよい。
いくつかの好ましい実施形態では、式(IX)のチオール化合物は、次式の化合物であり:
12−[(CO−R13−SH]
(X)
式(X)において:
12は、アルキレン基、アリール基、オキシアルキレン基、又はこれらの組み合わせであり;R13は、二価のヒドロカルビル基であり;
xは、0又は1であり;
yは、1〜6、又は2〜6である。
式(X)の範囲に入る有用なチオール化合物としては、次式のチオールが挙げられ:
Figure 2016506447

式中、
12は、アルキレン基、アリール基、オキシアルキレン基、又はこれらの組み合わせであり;
13は、二価のヒドロカルビル基であり;
xは、0又は1であり;
yは、1〜6、又は2〜6である。
特定の実施形態では、式(XI)〜(XIII)の化合物は、R12がアルキレン基の化合物である。
有用なアルキルチオールとしては、メチル、エチル及びブチルチオールが挙げられる。その他の有用なチオールとしては、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、4−メルカプトブタノール、メルカプトウンデカノール、2−メルカプトエチルアミン、2,3−ジメルカプトプロパノール、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピオン酸を含むメルカプトアルカン酸及びそのエステル、2−クロロエタンチオール、2−アミノ−3−メルカプトプロピオン酸、ドデシルメルカプタン、チオフェノール、2−メルカプトエチルエーテル、並びにペンタエリスリトールテトラチオグリコレートが挙げられる。有用なポリチオールの具体的な例としては、ジメルカプトジエチルスルフィド;1,6−ヘキサンジチオール;1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン;プロパン−1,2,3−トリチオール;1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン;テトラキス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン;及びトリチオシアヌル酸が挙げられる。
ポリチオールの別の有用な分類としては、チオグルコール酸又はβ−メルカプトプロピオン酸又はそのエステル等のα−又はβ−メルカプトカルボン酸を含むチオール末端置換カルボン酸(又はエステル若しくはアシルハライドなどのこれらの誘導体)によるポリオールのエステル化により得られるものが挙げられる。このように得られる化合物の有用な例としては、エチレングリコールビス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)が挙げられ、これらは全て市販されている。高分子ポリチオールの具体例は、ポリプロピレンエーテルグリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)であり、これは、エステル化により、ポリプロピレン−エーテルグリコール(例えば、BASF Wyandotte Chemical Corp.からPLURAXOL P201の商標名で入手可能)及び3−メルカプトプロピオン酸から調製される。
いくつかの実施形態では、有用なチオールには、エポキシ化合物から誘導されるチオールが挙げられる。ポリチオールは、HS(又は等価物)と、2つ以上の官能基を有し、かつ好ましくは1000未満の分子量を有するエポキシ樹脂と、の間の反応から誘導され得る。例えば、二官能エポキシ樹脂類、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂及びビスフェノールFエポキシ樹脂、並びにノボラックエポキシ樹脂類、例えば、フェノールノボラックエポキシ樹脂及びクレゾールノボラックエポキシ樹脂、又はアミンエポキシ樹脂類を使用することができる。更に、一般的に既知の多官能エポキシ樹脂類、複素環含有エポキシ樹脂類、及び脂環式エポキシ樹脂類を使用することができる。これらのエポキシ樹脂類は、単独で又は2つ以上の化学的種類若しくは分子量範囲の組み合わせで使用されてもよい。
特に有用なポリチオールは、約245のチオール当量及び以下の一般構造(nは少なくとも1)を有する、QX−11としてJapan Epoxy Resinsから入手可能なビスフェノールAジグリシジルエーテルから誘導されるものである:
Figure 2016506447
有用な可溶性の高分子量チオールとしては、ポリエチレングリコール=ジ(2−メルカプトアセテート)、及びLP−3の商標名で入手できる樹脂(LP North America(Houston,TX)により供給される)及びPERMAPOL P3(Products Research & Chemical Corp.(Glendale,Calif.)により供給される)、並びに2−メルカプトエチルアミンとカプロラクタムの付加物のような化合物が挙げられる。
スキームIの化合物は、ベンゾオキサジン化合物及び硬化剤を、未希釈で又は好適な溶媒中でのいずれかで組み合わせることによって調製されてもよい。好適な溶媒としては、好ましくは室温で反応物が溶解し、かつ重合性組成物の様々な構成成分と非反応性である溶媒が挙げられる。好適な溶媒の例としては、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。チオール及びアミンに誘導される開環は発熱性であるので、加熱は通常不要である。
所望の場合、様々な硬化剤の組合せを使用できる。
使用するとき、硬化剤は、ベンゾオキサジン当量の少なくとも5%、多くの場合は60%の量で存在する。
フィルム形成材料
本開示の重合性組成物は、フィルム形成材料を含有してもよく、これはモノマー、オリゴマー、重合性プレポリマー、ポリマー、又はこれらの組み合わせであることができる。これらの材料は、その名前が示唆するように、一般的なベンゾオキサジンの脆性を低減するベンゾオキサジン含有フィルムの形成を可能にする。そのようなフィルムは、典型的には可撓性であり、かつ周囲温度以下からベンゾオキサジン硬化温度の範囲の望ましい温度域にわたって粘着性である。フィルム形成剤は、ベンゾオキサジンと反応性でも非反応性でもよく、又は触媒、共触媒、硬化剤、タフナー等のような任意の他の構成成分であってもよい。
いくつかの実施形態において、フィルム形成剤は、好ましくは周囲温度以下から重合性ベンゾオキサジン組成物の処理までの処理温度にて、ベンゾオキサジン/触媒混合物と均質の混合物を形成する材料、特にオリゴマー又はポリマーである。それらのフィルムに存在する触媒は、フィルムが高温で保管される場合でさえも優れた貯蔵寿命をもたらす。
所望により、フィルム形成剤は、ベンゾオキサジンの一部分と反応する反応性官能性基を有することができる。フィルム形成材料は、反応性フィルム形成材料を含有してもよいベンゾオキサジンと反応性のある官能基の1つ以上、例えば、チオール、アミン、ベンゾオキサジン、ホルムアルデヒド、アルデヒド、及びこれらの組み合わせの群から選択される官能基を有してもよい。反応性フィルム形成材料は、ベンゾオキサジンと反応でき、ベンゾオキサジンに結合できる構成成分を含有してもよい。1つ以上の官能性基の存在により、前記フィルムの加工性の選択肢を増やすことができ、フィルムは、反応性基の反応温度を超えて又はそれ未満で処理されて、異なる程度の粘着性、可撓性、及びその他の望ましい特性をもたらすことができる。そのような反応性フィルム形成剤の例としては、限定するものではないが、アミン末端ブタジエンニトリル(ATBN)、ヒドロキシ末端ブタジエンニトリル(HOTBN)、カルボキシ末端ブタジエンニトリルCTBN、アミン末端ポリ(アルキレンオキシド)(JEFFAMINE及びVERSALINKの商標名で入手できるもの等)、及び関連する化合物が挙げられるが、それらに限定されない。
いくつかの実施形態において、反応性フィルム形成剤は、主鎖及び末端に異なる反応性基を有してもよい。そのような材料の例としてはATBN等の末端官能性ブタジエンニトリルゴムが挙げられ、このようなゴムは、繰り返し単位が不飽和であり、かつ末端にアミン官能性反応性基を有する。アミン官能基は、求核開環(例えば、本明細書の硬化剤に関する記載による)によってベンゾオキサジンと反応してもよく、不飽和は加硫によって触媒と反応してもよい。
コーティング製剤のための好適な非反応性フィルム形成ポリマーの例としては、アクリルポリマー(例えば、ポリ(メチルメタクリレート−コ−エチルアクリレート)及びポリ(メチルアクリレート−コ−アクリル酸));ポリウレタン(例えば、脂肪族、脂環式又は芳香族ジイソシアネートと、ポリエステルグリコール又はポリエーテルグリコールとの反応生成物);ポリオレフィン;ポリスチレン;スチレンとアクリレートとのコポリマー(例えば、ポリ(スチレン−コ−ブチルアクリレート);ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートイソフタレート、及びポリカプロラクトン);ポリアミド(例えば、ポリヘキサメチレンアジパミド);ビニルポリマー(例えば、ポリ(ビニルアセテート/メチルアクリレート)及びポリ(ビニリデンクロリド/ビニルアセテート);ポリジエン(例えば、ポリ(ブタジエン/スチレン));セルロースエーテル及びセルロースエステルを含むセルロース誘導体(例えば、エチルセルロース及びセルロースアセテート/ブチレート);ポリイミド;ポリスルホン;ウレタン−アクリレートコポリマー;及びポリーテルが挙げられる。このようなポリマー類は、例えば、商業的供給源から入手可能であり、あるいは当該技術分野において既知の方法及び出発材料を使用して調製してもよい。
所望の場合、様々なフィルム形成材料の組み合わせを使用してもよい。
使用する場合、フィルム形成材料は、重合性組成物の全重量を基準にして、少なくとも10重量%、特定の実施形態では少なくとも25重量%の量で存在する。使用する場合、フィルム形成材料は、重合性組成物の全重量を基準にして、75重量%以下、特定の実施形態では50重量%以下の量で存在する。
その他の任意の添加剤
例えば、タフナー、エポキシ樹脂、及びその他の反応性希釈剤等の、特定のその他の任意の添加剤も含有してよい。かかる添加剤は、様々な機能(例えば、フィルム形成)を提供する。例えば、強靭化剤は、硬化を妨げることなく、硬化後の組成物の脆性を低減し及び/又は強度を増強し得る。エポキシ樹脂は、粘度低減、Tg低下、及び/又は強靭化剤のキャリアとして機能し得る。
当業者は、1つの化合物が2つ以上の異なる機能を生じてもよいことを理解するであろう。例えば、1つの化合物が強靭化剤と硬化剤の両方として機能してもよい。
いくつかの実施形態では、かかる添加剤はベンゾオキサジンと反応しない。いくつかの実施形態では、かかる添加剤は、反応性官能基を、特に末端基として含有してもよい。
そのような反応性官能性基の例としては、アミン、チオール、アルコール、エポキシド、ビニル、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本開示の重合性組成物への使用に有用な強靭化剤は、ゴム相と熱可塑性相の両方を有する高分子化合物、例えば、重合ジエンゴム状コアとポリアクリレートポリメタクリレートシェルとを有するグラフトポリマー;ゴム状ポリアクリレートコアとポリアクリレート又はポリメタクリレートシェルとを有するグラフトポリマー;並びにフリーラジカル重合性モノマー及び共重合性ポリマー安定剤からエポキシド中にてその場で重合されるエラストマー粒子である。
第1の種類の有用な強靭化剤の例としては、米国特許第3,496,250号(Czerwinski)に開示されるような、アクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステルのシェルがグラフト化される重合ジエンゴムの主鎖又はコア、モノビニル芳香族炭化水素、又はこれらの混合物を有するグラフトコポリマーが挙げられる。代表的なゴム状主鎖としては、重合ブタジエン又はブタジエンとスチレンの重合混合物が挙げられる。重合メタクリル酸エステルを含有する代表的なシェルは、低級アルキル(C1〜C4)置換メタクリレートである。代表的なモノビニル芳香族炭化水素は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、エチルビニルベンゼン、イソプロピルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、及びエチルクロロスチレンである。グラフトコポリマーは、触媒を汚染する官能基を含有しないことが重要である。
第2の種類の有用な強靭化剤の例は、アクリレートコア−シェルグラフトコポリマーであり、そのコア又は主鎖は約0℃未満のガラス転移温度を有するポリアクリレートポリマーであり、例えば、ポリメチルメタクリレート等の約25℃超のガラス転移温度を有するポリメタクリレートポリマー(シェル)がグラフト化されたポリブチルアクリレート又はポリイソオクチルアクリレートである。
本発明において有用な強靭化剤の第3の分類としては、組成物の他の成分と混合する前に約25℃未満のガラス転移温度(T)を有するエラストマー粒子が挙げられる。これらのエラストマー粒子は、フリーラジカル重合性モノマー及びベンゾオキサジンに可溶性である共重合性ポリマー安定剤から重合される。フリーラジカル重合性モノマーは、ジオール、ジアミン、及びアルカノールアミン等の共反応性二官能性水素化合物と組み合わせたエチレン不飽和モノマー又はジイソシアネートである。
有用な強靭化剤としては、コア/シェルポリマー、例えば、コアが架橋スチレン/ブタジエンゴムで、シェルがポリメチルアクリレートであるメタクリレート−ブタジエン−スチレン(MBS)コポリマー(例えば、ACRYLOID KM653及びKM680の商標名でRohm and Haas(Philadelphia,PA)から入手可能なもの)、ポリブタジエンを含有するコアとポリ(メチルメタクリレート)を含有するシェルとを有するもの(例えば、KANE ACE M511、M521、B11A、B22、B31、及びM901の商標名で、Kaneka Corporation(Houston,TX)から、並びにCLEARSTRENGTH C223の商標名でATOFINA(Philadelphia,PA)から入手可能なもの)、ポリシロキサンコアとポリアクリレートシェルとを有するもの(例えば、CLEARSTRENGTH S−2001の商標名でATOFINAから、及びGENIOPERL P22の商標名でWacker−Chemie GmbH,Wacker Silicones(Munich,Germany)から入手可能なもの)、ポリアクリレートコアとポリ(メチルメタクリレート)シェルとを有するもの(例えば、PARALOID EXL2330の商標名でRohm and Haasから、並びにSTAPHYLOID AC3355及びAC3395の商標名でTakeda Chemical Company(Osaka,Japan)から入手可能なもの)、MBSコアとポリ(メチルメタクリレート)シェルとを有するもの(例えば、PARALOID EXL2691A、EXL2691、及びEXL2655の商標名でRohm and Haasから入手可能なもの)等、及びこれらの混合物が挙げられる。
上記でアクリルコア/シェル材料に使用するとき、「コア」は、0℃未満のTを有するアクリルポリマーと理解され、「シェル」は、25℃を超えるTを有するアクリルポリマーと理解されるであろう。
その他の有用な強靭化剤としては:カルボキシル化及びアミン末端化されたアクリロニトリル/ブタジエン加硫性エラストマー前駆体、例えば、HYCAR CTBN 1300X8、ATBN 1300X16、及びHYCAR 1072の商標名でB.F.Goodrich Chemical Co.から入手可能なもの;ブタジエンポリマー、例えば、HYCAR CTBの商標名で入手可能なもの;アミン官能性ポリエーテル、例えば、3M Co.(St.Paul,MN)からの分子量10,000の一級アミン末端化合物であるHCl 101(即ち、ポリテトラメチレンオキシドジアミン)、JEFFAMINEの商標名Huntsman Chemical Co.(Houston,TX)から入手可能なもの;アクリルコア/シェル材料を含有する官能性アクリルゴム、例えばACRYLOID KM330及び334の商標名でRohm & Haasから入手可能なもの;並びにコア/シェルポリマー、例えば、コアが架橋スチレン/ブタジエンゴムであり、シェルがポリメチルアクリレートであるメタクリレート−ブタジエン−スチレン(MBS)コポリマー(例えば、ACRYLOID KM653及びKM680の商標名で入手可能なもの;Rohm and Haas)が挙げられる。有用な液体のポリブタジエンヒドロキシル末端樹脂としては、LIQUIFLEX Hの商標名でPetroflex(Wilmington,DE)から、及びHT 45の商標名でSartomer(Exton,PN)から入手可能なものが挙げられる。
タフナーは、エポキシ末端化合物を含んでもよく、これは、ポリマー主鎖に組み込まれることができる。典型的な好ましい強靭化剤のリストには、アクリルコア/シェルポリマー;スチレンブタジエン/メタクリレートコア/シェルポリマー;ポリエーテルポリマー;カルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエン;及びカルボキシル化ブタジエンが挙げられる。上述した強靭化剤が存在していなくても、エポキシ樹脂を有する組成物中の鎖延長剤の提供から利益を得ることができる。しかしながら、特定の利益は、既に提案されたように、強靭化剤又は異なる薬剤の組み合わせの存在から得ることができる。
記載した天然及び合成ゴムのいくつかは、触媒によって架橋できる鎖中不飽和を有することが理解されるであろう。このように、触媒はベンゾオキサジンを重合し、同時にゴムを加硫処理して、ポリ(ベンゾオキサジン)及び加硫ゴムの広範なネットワークにする。
所望の場合、強靭化剤の様々な組み合わせを使用できる。
使用する場合、強靭化剤は、重合性組成物中に、ベンゾオキサジンの全重量を基準にして少なくとも3重量%、又は少なくとも5重量%の量で存在する。使用する場合、強靭化剤は、重合性組成物中に、ベンゾオキサジンの全重量を基準にして、35重量%以下、又は25重量%以下の量で存在する。
その他の任意追加の添加剤としては、エポキシ樹脂が挙げられる。かかる材料は、硬化剤、反応性希釈剤、又は共反応物として機能してもよい。エポキシ基は、硬化剤のアミン又はチオールがするようなベンゾオキサジンとの直接反応はしないものの、ベンゾオキサジンの開環から生じるフェノール基、又は酸形成過酸化物は、更に反応してエポキシ基を開環する。
本開示の組成物に使用できるポリエポキシ化合物は、脂肪族ポリエポキシドと芳香族ポリエポキシドの両方を含有する。特定の実施形態では、グリシジル脂肪族エポキシドが好ましい。芳香族ポリエポキシドは、少なくとも1つの芳香環構造、例えば、ベンゼン環と、2つ以上のエポキシ基とを含有する化合物である。好ましい芳香族ポリエポキシドとしては、多価フェノールのポリグリシジルエーテル(例えば、ビスフェノールA誘導体樹脂、エポキシクレゾール−ノボラック樹脂、ビスフェノールF誘導体樹脂、エポキシフェノール−ノボラック樹脂)及び芳香族カルボン酸のグリシジルエステルが挙げられる。最も好ましい芳香族ポリエポキシドは、多価フェノールのポリグリシジルエーテルである。
本開示の組成物に使用できる脂肪族ポリエポキシドの代表例としては、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルオキシラン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、リノール二量体酸のジグリシジルエステル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ブタン、4−(1,2−エポキシエチル)−1,2−エポキシシクロヘキサン、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、グリセロール等の脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル、又は水素添加4,4’−ジヒドロキシジフェニル−ジメチルメタン、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、かかるポリエポキシドは脂環式基を含有しない。
本開示の組成物に利用できる芳香族ポリエポキシドの代表例としては、芳香族カルボン酸のグリシジルエステル、例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル、及びピロメリト酸テトラグリシジルエステル、並びにこれらの混合物;N−グリシジルアミノベンゼン、例えば、N,N−ジグリシジルベンゼンアミン、ビス(N,N−ジグリシジル−4−アミノフェニル)メタン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)ベンゼン、及びN,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシベンゼンアミン、並びにこれらの混合物;並びに、多価フェノールのポリグリシジル誘導体、例えば、2,2−ビス−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニルプロパン、多価フェノールのポリグリシジルエーテル(例えば、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルジメチルメタン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメチルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−3,31−ジメチルジフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、及びトリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン)、ノボラックのポリグリシジルエーテル(酸触媒の存在下での、一価又は多価フェノールとアルデヒドとの反応生成物)、及び米国特許第3,018,262号((Schroeder)及び同第3,298,998号(McConnell et al.)に記載の誘導体、並びにHandbook of Epoxy Resins by Lee and Neville,McGraw−Hill Book Co.,New York(1967)に記載の誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
ポリエポキシ化合物の代表的な分類は、多価アルコール(特にポリフェノール)のポリグリシジルエーテルである。グリシジルエポキシ化合物は一般的にシクロ脂肪族エポキシ化合物よりもアミンに対する反応性が高い。いくつかの実施形態では、エポキシ化合物は一般的に170〜4,000、又は170〜1,000のエポキシ当量(EW)を有する。エポキシド当量(EW)は、1グラム当量のエポキシ(オキシラン)官能基を含有するエポキシ官能性化合物のグラム重量として定義される。
使用する場合、エポキシ樹脂は、重合性組成物中に、ベンゾオキサジンの全重量を基準にして少なくとも5重量%、又は少なくとも3重量%の量で存在する。使用する場合、強靭化剤は、重合性組成物において、ベンゾオキサジンの全重量を基準にして、35重量%以下、又は25重量%以下の量で有用である。
その他の任意追加の添加剤、又は補助剤を、所望に応じて組成物に添加してもよい。かかるその他の任意追加の添加剤の例としては、着色剤、研磨顆粒、酸化防止安定剤、熱分解安定剤、光安定剤、導電性粒子、粘着付与剤、流動化剤、増粘剤、艶消し剤、不活性充填剤、結合剤、発泡剤、殺真菌剤、殺菌剤、界面活性剤、可塑化剤、ゴム強靭化剤、及び当業者に既知のその他の添加剤が挙げられる。かかる添加剤は、典型的には、無機充填剤及び有機充填剤のように、実質的に非反応性である。これらの補助剤(存在する場合)、又はその他の添加剤は、その使用目的に有効な量で添加される。
任意追加の構成成分の選択及び量は、具体的な用途の必要性によって決まる。例えば、構造用/半構造用ベンゾオキサジン接着剤の場合、重合性組成物は、シリカ充填剤、ガラス球、及び強靭化剤を含有してもよい。これらの補助剤は、重合した組成物に強靱性を付与し、密度を低下させる。耐摩耗性コーティングのような保護コーティングの場合、コーティングは一般的に硬く、配合物の大部分が一般的に短鎖長及び高官能性を含有する硬質樹脂であることが要求される。いくらか屈曲されるコーティングは、強靭性増大及び可撓性増大のために上記添加剤を使用することによって得ることができる強靭性を必要とする。クリアコーティングは、硬化樹脂が、ほとんど又は全く相分離しないことを必要とする。これは、樹脂の適合性を制御することによって、又は硬化速度により相分離を制御することによって得られる。
溶媒
本開示の重合性組成物は有機溶媒を含有してもよい。一般的には、かかる溶媒は、ベンゾオキサジンの調製に使用される溶媒である。かかる実施形態において、好適な溶媒としては、反応物質が好ましくは室温で溶解するものが挙げられる。溶媒は、反応物質と非反応性であるもの、及び共反応物質をその後に溶解するものを含有してもよい。特定の実施形態では、重合性組成物は塩素化有機溶媒を含まない。好適な有機溶媒の例としてはブチルアセテート、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
ベンゾオキサジン、酸形成過酸化物触媒、フィルム形成材料、及び1つ以上のその他の任意追加の添加剤(例えば、共触媒、硬化剤、タフナー)を含有するコーティング配合物と溶媒とを基材に塗布したとき、溶媒は蒸発し、フィルム形成材料は、フィルム形成ポリマーマトリックス中に溶解又は分散されているベンゾオキサジン、酸形成過酸化物触媒、及びその他の任意追加添加剤と共に連続ポリマーフィルムを形成する。コーティング製剤は通常、塗布され、乾燥され、所望により加熱されて、完成品に固体コーティングが残る。界面活性剤を添加することにより、コーティングが基材を濡らす能力が向上することによって、及び/又はフィルム形成中の溶媒の均一な蒸発(即ち、レベリング)が可能になることによって、製剤によってはフィルム形成特性が改善され得る。
使用方法
本開示の重合性組成物を硬化(即ち、重合及び/又は架橋)するための反応条件は、反応物質及び使用量に依存し、当業者はこれを決定できる。重合性組成物は、ベンゾオキサジン化合物及び上記の酸形成過酸化物触媒を、任意追加の構成成分と任意の順番で混合することによって作製される。一般的に、組成物はその後、ベンゾオキサジンが少なくとも部分的に重合するのに有効な時間(一般的には1〜120分間)、50℃〜200℃の温度に加熱される(特定の実施形態では、130〜180℃、特定の実施形態では、組成物は少なくとも150℃の温度に加熱される)。多くの実施形態において、この混合物は、ベンゾオキサジンの融点を超える第1の温度まで加熱されて、均質な混合物を形成し、ここで触媒は、溶融したベンゾオキサジンに溶解され、次いで第2の高い開始温度まで加熱され、この温度でポリ(ベンゾオキサジン)への重合が起こる。通常、重合は、無溶媒で行われる。
本発明の組成物を硬化(重合)するための好適な熱源としては、誘導加熱コイル、オーブン、ホットプレート、ヒートガン、レーザを含む赤外線源、マイクロ波源が挙げられる。好適な光源及び放射線源としては、紫外線源、可視光線源、及び電子ビーム源が挙げられる。
本開示の組成物は、コーティング、発泡体、成形物品、接着剤(構造用及び半構造用接着剤を含む)、磁気媒体、充填又は補強複合材、コーティングされた研磨材、コーキング及びシーリング化合物、鋳造及び成型化合物、製陶及び封入化合物、含浸及びコーティング化合物、エレクトロニクス用導電性接着剤、エレクトロニクス用保護コーティング、並びに当業者に既知であるその他の用途に対して有用である。未硬化又は部分的に硬化されている場合、ベンゾオキサジン組成物は、粘着性を含む感圧性接着特性を示す。いくつかの実施形態では、本開示は、その上にベンゾオキサジンの硬化コーティングを有する基材を含む、コーティングされた物品を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、「B−段階的(stagable)」接着剤を提供する。プリント回路製造等の加工用途は、「段階的」接着剤、即ち、部分的に重合して粘着性又は不粘着性コーティングを形成し、被着材に固定され、熱、圧力、又はその両方を用いて硬化され得る接着剤を使用することが多い(米国特許第4,118,377号(S’Alelio)参照)。不粘着性状態は、時に「B−段階」と呼ばれる。
本開示は、ベンゾオキサジン化合物、酸形成過酸化物、並びに共触媒、硬化剤、及びフィルム形成剤(場合により反応性官能基を有する)等の任意追加構成成分を含有する段階的接着剤組成物を提供する。段階的接着剤組成物は、被着材又は基材上にコーティングされ、熱を用いて完全に硬化されて構造用又は半構造用接着剤を形成してもよい。
ベンゾオキサジン、酸形成過酸化物、及び硬化剤のような反応性構成成分、反応性フィルム形成剤、又は反応性強靭化剤を含有するB段階的接着剤の一実施形態では、第1の温度で、反応性希釈剤は、ベンゾオキサジンの一部を開環して付加物を形成する。第2の、より高い温度では、触媒によってポリ(ベンゾオキサジン)の硬化がもたらされる。反応性構成成分、例えばタフナーが、鎖不飽和を更に含有する場合、触媒はそのような構成成分を加硫してもよい。
いくつかの実施形態では、部分的に硬化された段階的接着剤組成物は、2つの基材(又は被着材)の間に配置され、次いで、加熱されて接着剤が完全に硬化され、基材間を構造又は半構造接着させることができる。その他の実施形態では、段階的接着剤組成物は、流動可能な粘度に加熱して、基材のコーティングを行ってもよく、次いで、これを溶融状態のうちに第2の基材に接合し、完全硬化してもよい。
B−段階的フィルムは、通常、ベンゾオキサジンをその融点まで加熱し、所望の量の触媒をその中に溶解させることにより調製される。時として、組成物を触媒の融点付近まで更に加熱して、所望の溶解度を確保することが必要な場合がある。次いで、所望の配合温度まで加熱された任意追加のフィルム形成剤をベンゾオキサジン/触媒混合物に加え、均一になるまで撹拌し、得られた組成物を、場合により高温で、剥離ライナーの間でナイフコーターにより引っ張り、所望の厚さのフィルムを製造する。
それゆえ、本開示は、段階的構造用及び半構造用接着剤を提供する。「半構造用接着剤」は、少なくとも0.5MPa、少なくとも1.0MPa、又は少なくとも1.5MPaの重なり剪断強度を有する硬化接着剤である。しかし、特に高い重なり剪断強度を有する前記硬化接着剤は、構造用接着剤と呼ばれる。「構造用接着剤」は、少なくとも3.5MPa、少なくとも5MPa、又は少なくとも7MPaの重なり剪断強度を有する硬化接着剤である。
この組成物は、25マイクロメートル〜500マイクロメートル、又はそれ以上の範囲の有用な厚さで基材上にコーティングされてもよい。コーティングは、ローラー、ディップ、ナイフ、又は押出コーティング等の任意の従来の手段によって行うことができる。重合性組成物の溶液を用いて、コーティングを容易にしてもよい。重合性組成物の所望のコーティング厚さ(最終硬化又は架橋の前に)を維持するためには、好適なレオロジーが必要である。有用な基材は、いかなる性質及び組成のものであってもよく、無機であっても有機であってもよい。有用な基材の代表的な例としては、セラミックス、ガラスを含むシリカ質基材、金属、天然及び人工石、織布及び不織布物品、熱可塑性及び熱硬化性を含む高分子材料(例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリルコポリマー等のスチレンコポリマー、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート)、シリコーン、塗料(アクリル樹脂ベースのもの等)、粉末コーティング(ポリウレタン又はハイブリッド粉末コーティング等)、及び木材、並びに前述の材料の複合材が挙げられる。
本開示は、更に、接着テープの裏材等の好適な基材上に未硬化の又は部分的に硬化されたベンゾオキサジン組成物のコーティングを含有する感圧性接着剤を提供する。感圧性接着剤物品を調製する好ましい方法は、有用なコーティング粘度まで新規組成物を部分的に硬化する工程、部分的に架橋した組成物を基材(例えば、テープの裏材)上にコーティングする工程、及び組成物を更に硬化する工程を包含する。有用なコーティング粘度は、一般的に、500〜10,000センチポアズ(cps)の範囲である。
代表的な実施例
1.
ベンゾオキサジン、
酸形成過酸化物触媒、及び、
フィルム形成材料、共触媒、硬化剤、又はこれらの組み合わせ、を含む重合性組成物。
2.前記酸形成過酸化物触媒が、ベンゾオキサジンの全重量を基準にして、0.1重量%〜10重量%の量で存在する、実施形態1に記載の重合性組成物。
3.前記酸形成過酸化物触媒が、ベンゾオキサジンの全重量を基準にして、1重量%〜5重量%の量で存在する、実施形態2に記載の重合性組成物。
4.カルボキシル基、アセチル基、フタリル基、スルホニル基、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の重合性組成物。
5.前記酸形成過酸化物触媒が、ジアシルペルオキシド、ペルオキシジカーボネート、ペルオキシエステル、及びこれらの組み合わせの群から選択される、実施形態4に記載の重合性組成物。
6.前記酸形成過酸化物が
次式のジアシルペルオキシドであって:
−C(O)−O−O−C(O)−R
(II)
式(II)において:
は、アルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせ(アルカリール又はアラルキル基)であり、場合により、ヒドロキシル基又はカルボン酸基で置換されており;
は、アルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせであり、場合により、ヒドロキシル基又はカルボン酸基で置換されている、実施形態5に記載の重合性組成物。
7.前記酸形成過酸化物
が次式のペルオキシジカーボネートであって:
−O−C(O)−O−O−C(O)−O−R
(III)
式(III)において:
は、アルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせ(アルカリール又はアラルキル基)であり、場合により、ヒドロキシル基又はカルボン酸基で置換されており;
は、アルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせであり、場合により、ヒドロキシル基又はカルボン酸基で置換されている、実施形態5に記載の重合性組成物。
8.前記酸形成過酸化物
が次式のペルオキシエステルであって:
[R−O−O−C(O)−O−]−R4’
(IV)
式(IV)において:
は、アルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせ(アルカリール又はアラルキル基)であり、場合により、ヒドロキシル基又はカルボン酸基で置換されており;
yは、0又は1であり;
nは、1、2、又はそれ以上であり;
4’は、nが1のとき、アルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせであり、場合により、ヒドロキシル基で置換されており;
4’は、nが2のとき、アルキレン基、アリーレン基、又はこれらの組み合わせ(アルカリーレン又はアラルキレン基)であり、場合により、ヒドロキシル基で置換されており;又は
4’は、nが2を超えるとき、多価のアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの組み合わせであり、場合により、ヒドロキシル基で置換されている、実施形態5に記載の重合性組成物。
9.前記重合性組成物が、ベンゾオキサジン、酸形成過酸化物触媒、及び、フィルム形成材料
を含む、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の重合性組成物。
10.前記フィルム形成材料が、重合性組成物の全重量を基準にして、10重量%〜75重量%の量で存在する、実施形態9に記載の重合性組成物。
11.前記フィルム形成材料が、重合性組成物の全重量を基準にして、25重量%〜50重量%の量で存在する、実施形態10に記載の重合性組成物。
12.前記フィルム形成材料が、モノマー、オリゴマー、重合性プレポリマー、ポリマー、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の重合性組成物。
13.前記フィルム形成材料が反応性フィルム形成材料であり、ベンゾオキサジン反応性の官能基を1つ以上含む、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の重合性組成物。
14.前記反応性フィルム形成化合物中の前記1つ以上の反応性官能基が、チオール、アミン、エポキシド、ベンゾオキサジン、ホルムアルデヒド、アルデヒド、及びこれらの組み合わせの群から選択される、実施形態13に記載の重合性組成物。
15.前記反応性フィルム形成材料が、ベンゾオキサジンに結合した化合物を含む、実施形態13又は14に記載の重合性組成物。
16.前記フィルム形成材料が、ベンゾオキサジン非反応性である、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の重合性組成物。
17.前記非反応性フィルム形成材料が、アクリルポリマー、ポリウレタン、スチレン−アクリレートコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリジエン、セルロース系ポリマー、ポリイミド、ポリスルホン、ウレタン−アクリレートコポリマー、ポリエーテル、及びこれらの組み合わせを含む、実施形態16に記載の重合性組成物。
18.前記重合性組成物が共触媒を含む、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の重合性組成物。
19.前記共触媒が、前記重合性組成物の全重量を基準にして、0.1重量%〜10重量%の量で存在する、実施形態18に記載の重合性組成物。
20.前記共触媒が、元素硫黄、元素セレン、周期表の第V族元素の硫化物、第VIA族元素の硫化物、第VA族元素のセレン化物、第VIA族元素のセレン化物、及びこれらの組み合わせの群から選択される、実施形態18又は19に記載の重合性組成物。
21.前記共触媒が有機金属錯体カチオンの塩である、実施形態18又は19に記載の重合性組成物。
22.硬化剤を更に含む、実施形態1〜21のいずれか1つに記載の重合性組成物。
23.前記硬化剤がベンゾオキサジン当量の5%〜60%の量で存在する、実施形態22に記載の重合性組成物。
24.前記硬化剤が、チオール化合物、アミン化合物、及びこれらの組み合わせの群から選択される、実施形態22又は23に記載の重合性組成物。
25.前記チオール化合物及びアミン化合物のうち少なくとも1つが多官能性である、実施形態24に記載の重合性組成物。
26.強靭化剤、エポキシ樹脂、又はその両方を更に含む、実施形態1〜25のいずれか1つに記載の重合性組成物。
27.有機溶媒を更に含む、実施形態1〜26のいずれか1つに記載の重合性組成物。
28.塩素化有機溶媒を含まない、実施形態1〜27のいずれか1つに記載の重合性組成物。
29.重合性組成物であって、
ベンゾオキサジン、及び、
酸形成過酸化物触媒、
を含み、塩素化有機溶媒を含まない、重合性組成物。
30.前記酸形成過酸化物触媒が、ベンゾオキサジンの全重量を基準にして、0.1重量%〜10重量%の量で存在する、実施形態29に記載の重合性組成物。
31.前記酸形成過酸化物触媒が、ベンゾオキサジンの全重量を基準にして、1重量%〜5重量%の量で存在する、実施形態30に記載の重合性組成物。
32.前記酸形成過酸化物触媒が、カルボキシル基、アセチル基、フタリル基、スルホニル基、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態29〜31のいずれか1つに記載の重合性組成物。
33.前記酸形成過酸化物触媒が、ジアシルペルオキシド、ペルオキシジカーボネート、ペルオキシエステル、及びこれらの組み合わせの群から選択される、実施形態32に記載の重合性組成物。
34.前記酸形成過酸化物が
次式のジアシルペルオキシドであって:
−C(O)−O−O−C(O)−R
(II)
式(II)において:
は、アルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせ(アルカリール又はアラルキル基)であり、場合により、ヒドロキシル基又はカルボン酸基で置換されており;
は、アルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせであり、場合により、ヒドロキシル基又はカルボン酸基で置換されている、実施形態33に記載の重合性組成物。
35.前記酸形成過酸化物が
次式のペルオキシジカーボネートであって:
−O−C(O)−O−O−C(O)−O−R
(III)
式(III)において:
は、アルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせ(アルカリール又はアラルキル基)であり、場合により、ヒドロキシル基又はカルボン酸基で置換されており;
は、アルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせであり、場合により、ヒドロキシル基又はカルボン酸基で置換されている、実施形態33に記載の重合性組成物。
36.前記酸形成過酸化物が
次式のペルオキシエステルであって:
[R−O−O−C(O)−O−]−R4’
(IV)
式(IV)において:
は、アルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせ(アルカリール又はアラルキル基)であり、場合により、ヒドロキシル基又はカルボン酸基で置換されており;
yは、0又は1であり;
nは、1、2、又はそれ以上であり;
4’は、nが1のとき、アルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせであり、場合により、ヒドロキシル基で置換されており;
4’は、nが2のとき、アルキレン基、アリーレン基、又はこれらの組み合わせ(アルカリーレン又はアラルキレン基)であり、場合により、ヒドロキシル基で置換されており;又は
4’は、nが2を超えるとき、多価のアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの組み合わせであり、場合により、ヒドロキシル基で置換されている、実施形態33に記載の重合性組成物。
37.基材と、その上に設けられた、実施形態1〜36のいずれか1つに記載の重合性組成物を含む接着フィルムと、を含む物品。
38.接着剤を形成する方法であって、
実施形態1〜36のいずれか1つに記載の重合性組成物を提供する工程と、
前記重合性組成物を、ベンゾオキサジンを少なくとも部分的に重合するのに有効な温度及び時間で加熱する工程と、を含む、方法。
39.前記重合性組成物の加熱が、少なくとも150℃の温度で生じる、実施形態38に記載の方法。
40.接着剤を形成する方法であって、
ベンゾオキサジン及び酸形成過酸化物触媒を含む重合性組成物を提供する工程と、
前記重合性組成物を、少なくとも150℃の温度で、ベンゾオキサジンを少なくとも部分的に重合させるのに有効な時間加熱する工程と、を含む、方法。
本開示の目的及び利点を、以下の実施例によって更に例示するが、これらの実施例に引用された特定の物質及びその量、並びにその他の条件及び詳細は、本開示を不当に制限すると解釈されるべきではない。
実施例における全ての部、百分率、比等は、特に明記しない限り、重量基準である。
接着剤用の触媒の量は、反応物分子1モルあたりの反応基のモルに基づく当量(eq)によって決定され、例えば、2eqの二官能性反応物は、1モルの該反応物を表し、1モルの三官能性反応物は、3eqの該反応物を表す。触媒は、一官能性であるものとして、取り扱われる。
表中のダブルダッシュ表記は、その試料が未試験又は未測定であることを示す。
発熱は、組成物の硬化中に放出された発熱エネルギーであり、エネルギーと呼ばれることもある。
試験方法
硬化の示差走査熱量測定(DSC分析)
硬化中の組成物の熱特性は、ある量の組成物を、示差走査熱量計(DSC)の、開放型アルミパンに入れ、10℃/分の加熱速度で25℃から300℃又は320℃に加熱することにより、測定した。DSCは、TA Instruments(New Castle,DE)製が指定される。DSCトレースからの℃で表されるピーク硬化温度(ピーク)、℃で表される近似硬化温度(開始)、及び組成物の硬化中に放出される、ジュール/グラム(J/g)で表される総エネルギー(エネルギー)を報告する。エネルギーは、トレースのピーク発熱に対応する。
接着剤結合特性のための試験基材の調製
接着特性(重なり剪断強度(OLS)及びフローティングローラー剥離(FRP))の試験用の基材は、2024 T3裸アルミニウム試験パネルとした。OLS試験には、4in×7in×0.063in(10cm×18cm×0.16cm)のアルミニウムパネルを使用した。FRP試験には、8in×3in×0.063in(20.3cm×7.6cm×0.16cm)又は10in×3in×0.025in(25.4cm×7.6×0.064cm)のいずれかのパネルを使用した。パネルをFPLエッチングで処理し、リン酸で陽極処理し、以下に記載のように準備した。
以下のプロセスに従って、パネルをFPLエッチングした。
・71±10℃の温度の苛性洗浄液(Isoprep 44溶液(MacDermid Inc.,Denver,CO))にパネルを10〜11分間浸した;
・パネルをラックに入れ、水道水の入ったタンクに10分間浸漬した;
・パネルを水道水で2〜3分間噴霧すすぎした;
・71±10℃のFPLエッチング溶液(Forest Products Laboratory(Madison,WI)からの硫酸及び重クロム酸ナトリウムのFPL溶液)のタンクに、パネルのラック(rake)を10〜15分間入れた;
・エッチングされたパネルを水道水で2〜3分間噴霧すすぎした。
次いで、パネルのラックをリン酸の陽極処理タンクに沈めることにより、陽極処理した。パネルを15±1ボルトの電圧で23分間、67〜82°F(19〜28℃)のタンク温度にて陽極処理した。パネルを周囲温度にて10分間、次いで71℃の再循環空気オーブン内で30分間、ドリップ乾燥させた。
エッチングされ陽極処理されたアルミニウムパネルを、24時間以内に、乾燥したプライマーの厚さが2.6〜5.2マイクロメートルとなるように、スプレーガン(1クオートのカップのついたACCUSPRAY Model 12Sスプレーガン)を使用してメーカーの使用説明書に従ってアルミニウム腐食抑制接着プライマー(3M SCOTCH−WELD構造用接着剤プライマーEW−5000(3M Company,St.Paul,MN))で下塗りした。下塗りしたパネルを75±5°F(24±2℃)で30分間、次いで250±5°F(121±2℃)で60〜65分間乾燥した。
不織布スクリムが組み込まれた未硬化接着フィルムの調製
2枚の剥離ライナーの間の未硬化接着シートを、以下のように不織布スクリムに組み込んだ。ライナーのうち1つを取り除き、接着剤を接着フィルムよりわずかに大きいポリエステル不織布スクリムシートに付けた。ポリエステル不織布スクリムは、坪量0.8グラム/平方メートルのポリエステル不織布シート(Technical Fibre Products,Inc.(Schenectady,NY))であった。ライナーを接着剤上のスクリムの上部に置きなおし、そのサンドイッチ状のものを、約140°F(60℃)の温度に設定し加熱された2つのローラーの間で、ゲージ圧力20psi(137.9kPa)の給気源からの圧力を用いて積層した。積層中に、ポリエステルスクリムは、2枚の剥離ライナー間の接着剤に組み込まれた。
FRPパネル調製
スクリム支持された未硬化の接着剤組成物を、FRP試験用に指定されたFPL処理済(上記)アルミニウムクーポンの間に積層した:3”×8”(8cm×20cm)の接着剤試料を2枚のパネルの間にはさみ、下記のようにオートクレーブ内で硬化した。
重なり剪断パネル調製
OLS試験用の未硬化接着剤を、4in×7in×0.063in(10cm×18cm×0.16cm)の2枚の調製済みアルミニウムパネル(上記)の間に入れ、その際2枚のパネルが約0.5インチ(1.27cm)重なり、パネルのおよそ3.5インチ(8.9cm)が、接着剤が載っていない反対の端部に延びるようにした。接着剤がコーティングされた部分にこの複合体を併せて押し付け、下記のようにオートクレーブ内で硬化した。
OLS又はFRP試験のためのオートクレーブ硬化
続いて、接合体(Bonds)を真空テーブル上に完全真空にて5〜10分間置いて圧密化する。続いて、この圧密化したアセンブリを真空バッグに入れ、下記の方法でオートクレーブ内で硬化した。真空をかけて圧力を約1.9インチ(48.3mm)Hg(6.4kPa)に下げた後、外圧約45psi(310kPa)をかけ、オートクレーブの温度を、4.5°F/分(2.5℃/分)の速度で、およそ室温(72°F(22℃))から350°F(177℃)へと加熱した。圧力が約15psi(103.4kPa)に達したら、真空を開放した。最終温度及び圧力を120分間維持した後、5°F/分(2.8℃/分)の速度で室温に冷却し、その時点で、圧力を放出し、硬化接合物品を得た。
フローティングローラー剥離(FRP)試験
スクリム上に支持される未硬化の接着フィルムを、以下の変更を加えたASTM D−3167−76に従って、2枚の調製されたアルミニウム試験パネル(1枚は厚さ0.16cm、もう1枚は厚さ0.064cm)の間に入れて試験用に調製した。アルミニウムパネルを、上記のように調製した。幅0.5インチ(12.7cm)の試験ストリップを、接合されたアルミニウムパネルの縦方向に沿って切り出した。引張試験機内で試験ストリップをそれぞれ試験した。薄い方の基材を厚い方の基材から6インチ/分(30.5cm/分)の剥離速度で引っ張り、結果を1インチ(2.5cm)の幅に正規化した。試験結果は、6点の試験試料の平均であり、平均値(Peelavg)、最大値(Peelmax)、及び標準偏差(Peelsd)がポンド/インチ幅(piw)単位で報告される。
重なり剪断強度(OLS)試験
硬化した試験パネルを幅1インチ(2.54cm)のストリップに切り出し、引張試験機(MTS Systems Corporation(Eden Prairie,MN))の把持顎に配置した。試験機の把持顎間の間隔は、およそ5.5インチ(13.97cm)であり、各把持顎は、各ストリップのおよそ2.54cmを把持した。把持顎は、30,000のポンドフォース(13.3キロニュートン)のロードセルを用いて破損が起こるまで0.05インチ/分(1.27ミリメートル/分)の速度で離間させた。把持顎は、試料が75°F(24℃)、275°F(136℃)、又は350°F(177℃)に平衡化した後にオーブン内に配置する。最大(OLSmax)及び平均剪断(OLSavg)値は、6点の試験試料の平均であり、ポンド/平方インチ(psi)単位で報告される。標準偏差も報告される(OLSsdev)。
使用材料
用いた溶媒及びその他の試薬は、別途記載のない限り、Sigma−Aldrich Chemical Company(Milwaukee,WI)から入手した。
Azo1は、DuPont(Wilmington,DE)から入手可能なVAZO 67フリーラジカル反応開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を指す。
Azo2は、DuPont(Wilmington,DE)から入手可能なVAZO 52フリーラジカル反応開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を指す。
AIBNは、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手可能なフリーラジカル反応開始剤アゾビスイソブチロニトリルを指す。
ATBNは、Emerald Performance Materials(Akron,OH)からHYCAR反応性液体ポリマーATBN 1300X16の商標表記で市販されているアミン末端オリゴ(ブタジエンアクリロニトリル)を指す。
BAは安息香酸を指し、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手可能である。
BPNはベンゾピナコールを指し、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手可能である。
BPOは過酸化ベンゾイルを指し、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手可能である。
BZ−1は、Huntsman Advanced Materials America Inc.(Woodlands,TX)からAraldite 35600の商標表記で市販されているビスフェノールA−ベンゾオキサジン樹脂を指す。
DCPはジクミルペルオキシドを指し、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手可能である。
DLPはジラウロイルペルオキシドを指し、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手可能である。
ヒュームドシリカは、Cabot Corporation(Billerica,MA)からCAB−O−SIL TS−720の商標表記で市販されている製品を指す。
MXDAは、Mitsubishi Chemical(Japan)から入手可能な硬化剤m−キシリルジアミンを指す。
P16は、Akzo Nobel Polymer Chemicals,LLC(Chicago,IL)からPERKADOX 16の商標表記で市販されているジ(2−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネートを指す。
TBPTHは、tert−ブチル−ペルオキシ−3,5,5トリメチル=ヘキサノエートを指し、BOC Sciences(Shirley,NY)から入手可能である。
TMMPは、Wako Chemical USA,Inc.(Richmond,VA)から入手可能な硬化剤トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロプリオネート)を指す。
Sは、ACRO CHEM(microfine wettable MC elemental sulfur)の商標表記で市販されている元素硫黄)を指し、Acro Chem Corp.(Akron,OH)から入手可能である。
シリコーンコーティングされた剥離ライナーは、Loparex LLC(Cary,NC)から PRIMELINERの商標表記で市販されているシリコーン剥離剤コーティングでコーティングされた1.5mil(0.02mm)のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを指す。
CpFeSbFは、米国特許第5,089,536号(Palazzotto)に記載のように調製された触媒を指す。基のCpはシクロペンタジエニルを指す。
XylCpFeSbFは、米国特許第5,089,536号(Palazzotto)に記載のように調製された触媒を指す。基のXylはキシレンを指し、Cpはシクロペンタジエニルを指す。
[(Me)Ph][FeSbFは、米国特許第5,089,536号(Palazzotto)に記載のように調製された触媒を指す。基のPhはフェニルを指す。
CpFePFは、米国特許第5,089,536号(Palazzotto)に記載のように調製された触媒を指す。
NACURE Super XC7231は、King Industries(Norwalk,CT)から市販されている触媒六フッ化アンチモンアンモニウムを指す。
Iodonium CD1012は、Sartomer(Exton,PA)から入手可能なヨードニウム塩を指す。
実施例1〜8、比較例C1〜C13
実施例1〜4では、微粉砕したBZ−1粉末(23.1グラム;0.1mol)を、表1に示す過酸化物(1.16g;5重量%)と十分に混合した。各混合物の試料3mg〜10mgを、上記のDSC分析に従って示差走査熱量計内で加熱し、混合物を硬化した。開始温度(開始)、ピーク温度(ピーク)、及びピーク発熱で放出されたエネルギー(エネルギー)に関して、結果を表1に示す。
実施例5〜8は、共触媒、硫黄(S)、1.16g;5重量%の量のBZ−1も含有することを除き、実施例1〜4と同様に調製及び試験した。
実施例C1及びC2は、過酸化物の代わりに安息香酸と混合したことを除き、実施例1〜4と同様に調製及び試験した。
実施例C3は、BZ−1のみを含有し、反応開始剤なしで熱硬化した。
実施例C4〜C13は、以下の点を除き、実施例1〜4と同様に調製及び試験した:
・C4及びC5は、非酸形成過酸化物の触媒を使用し、C5は硫黄を含有した。
・C6及びC7は、アゾ系反応開始剤(AIBN)を使用し、C7は硫黄を含有した。
・C8〜C11は、熱反応開始剤を触媒として使用し、C9及びC11は硫黄を含有した。
・C12〜C13は、ベンゾピナコールを触媒として使用し、C13は硫黄を含有した。
Figure 2016506447
実施例1〜9の「無触媒と比べた温度(℃)シフト」の列のデータは、ベンゾオキサジン硬化の場合、触媒又は硬化剤なし(実施例C3)の場合と比較して、硬化中の開始及びピーク温度が低いことを示す。
実施例C6、C8、C10及びC12のアゾ触媒を、5重量%の硫黄を含有するベンゾオキサジン組成物(実施例C7、C9、C11、C13)に導入したとき、ベンゾオキサジン樹脂の硬化特性は改良されなかった。ほとんどの場合、ベンゾオキサジン重合中に放出される発熱エネルギーは減少し、C4〜C13の組成物の硬化中に望ましくない傾向を示した。
実施例9〜14
実施例9〜14では、微粉砕したBZ−1粉末(23.1グラム;0.1mol)を、表2に示すBPO(5重量%/1.16g)及び共触媒と十分に混合した。試料を加熱し、DSC分析に記載のように加熱及び分析した。結果を表2に示す。
実施例C14〜C19は、BPOを使用しなかったことを除き、実施例9〜14と同様に調製及び試験した。試験結果を表2に示す。開始及びピーク温度を、比較例C3の開始及びピーク温度と比較した。
Figure 2016506447
表2のデータは、過酸化ベンゾイルを含有する組成物の方が開始及びピーク温度が低いことを示す。
実施例15〜23及び比較例C20〜C24
微粉砕したBZ−1粉末(23.1グラム)を、表3に示すBPO及びSと十分に混合した。実施例16において、使用した触媒及び共触媒の総量は2%であった。触媒及び共触媒の量は、以下のように変動した:2は1%のS+3%のBPO;2は2%のS+2%のBPO;2は3%のS+1%のBPO。触媒の合計を2%にするために、それぞれの量を半分にした。実施例23では、触媒の総量は2.5%であった。
実施例C20〜C24は、それぞれ1%〜5%の量の硫黄のみを触媒として使用して調製した。
各混合物の試料を加熱し、DSC分析に記載のように加熱及び分析した。結果を表4に示す。表4において、2%の触媒を含有する混合物は、上記の各混合物のS及びBPOの相対量に対応する外書きが添えられている。
Figure 2016506447

実施例23において、BPOと硫黄の総量は2.5%であった。2.5%のBPOと2.5%の硫黄との混合物を調製し、2分割して、BPOと硫黄の総量を2.5%にした。
Figure 2016506447
表4のデータは、硫黄と過酸化ベンゾイルとの組み合わせが、硫黄又は過酸化物のいずれか単独よりも開始及びピーク温度を下げることができることを示す。更に、硫黄の量は過酸化物での置換によって十分に低く維持されたため、重合中に放出されるエネルギーは低下しなかった。
実施例24〜25及び比較例C25〜C26
231グラムの粉砕BZ−1、3グラムのヒュームドシリカ及び2グラムのSを、130℃で加熱し、溶融混合物を形成することによって、ストック組成物を調製した。それぞれが23.1グラムを有する4つの部分を秤り取り、100℃に予熱した5〜7グラムのATBNを、それぞれ実施例24及び25に添加し、冷却しながら激しく混合した。次いで、0.5グラムのBPOを各実施例に添加し、激しく混合した。
実施例C25及びC26は、BPOを使用しないことを除き、実施例24〜25と同様に調製した。
各混合物を、2枚のシリコーン剥離ライナーの間でまだ高温の間に、80℃に設定したナイフコーターを使用して厚さ250マイクロメートルのフィルムにコーティングして、接着フィルムを作製した。この接着フィルムから重なり剪断力試験試料を調製し、350°F(177℃)で硬化して、上記のように24℃、135℃、及び177℃で重なり剪断力(OLS)を試験した。試験結果を表5に示す。フローティングローラー剥離(FRP)についても上記のように試験試料を調製し、試験した。試験結果を表6に示す。
Figure 2016506447
Figure 2016506447
Figure 2016506447
表6及び7のデータは、酸形成過酸化物の添加が、フィルム接着剤の硬化温度を低下させることを示す。過酸化物は、改良された重なり剪断強度及び剥離接着強度も示し、高い試験温度で優れた性能を示した。
実施例26〜27及び比較例C27〜C28
BZ−1の微粉砕粉末(2.31グラム;0.01mol)を、表7に示す種類及び量の硬化剤並びに表7に示す量の触媒と十分に混合した。硬化剤と添加BZ−1の総量は、全組成物の5重量%までである。各混合物の3mg〜10mgの試料を、上記のDSC分析に従ってDSC内で加熱し、混合物を硬化した。開始温度(開始)、ピーク温度(ピーク)、及びピーク発熱で放出されたエネルギー(エネルギー)に関して、結果を表8に示す。
Figure 2016506447
比較例C29
23.1グラムのBZ−1と0.16gの硫黄とを用い、過酸化物なしで、実施例1に記載のように組成物を調製した。約3グラムの組成物をDSC内で硬化した。そのDSCデータを表9に示す。
Figure 2016506447
図1のDSCトレースは、本発明の過酸化ベンゾイル(benozoylperoxide)添加(実施例27)の効果を、過酸化物なしのMXDA硬化ベンゾオキサジン(実施例C28)と比較して示す。92℃で開始し、104℃でピークとなっているベンゾオキサジンの一級アミン硬化は、BPOを添加すると有意に低温にシフトしている(60℃で開始、86℃でピーク)。より幅広い高温発熱の原因となる二級アミン反応の出現は、同様に低温への大幅なシフトを示し、同時にベンゾオキサジン硬化(199J/g)中に発生される全エネルギーが過酸化物の添加で保存される(286J/g)。それ故、アミン硬化ベンゾオキサジン組成物への過酸化物添加は、より完全な硬化をより低温で提供する。実施例26及びC27からのデータは、酸形成過酸化物(BPO)の導入時に、チオール硬化ベンゾオキサジン系に対する同様の効果が観察されたことを示唆する。表8のデータは、BPO添加による開始温度の低下を示す。
図2のDSCのトレースは、本発明(実施例1及び5)の過酸化ベンゾイル(benozoyl peroxide)添加の効果を、過酸化物なしで硬化したベンゾオキサジン(実施例C3)及び過酸化物なしでベンゾオキサジン/硫黄硬化した場合(実施例C29)と比較して示す。図2は、低温へと大幅にシフトしながら、ベンゾオキサジン硬化(307J/g)又はBz/S硬化(292J/g)中に放出された全エネルギーが、過酸化物添加時は、ほぼ保存されている(それぞれ345J/g及び229J/g)ことを示す。それ故、ベンゾオキサジン硬化又はBz/S硬化組成物への酸形成過酸化物の添加は、より完全な硬化をより低温で提供する。
本明細書に引用される特許、特許文献、及び刊行物の完全な開示内容は、あたかもそれぞれが個々に組み込まれたのと同様に、それら全体が参照により組み込まれる。本開示の範囲及び趣旨を逸脱することなく本開示に対する様々な改変及び変更が可能であることは当業者には明らかであろう。本開示は本明細書に記載される説明的実施形態及び実施例によって不要に限定されるものではない点、更にこうした実施例及び実施形態はあくまで一例として示されるものであって本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである点は理解されるはずである。

Claims (15)

  1. ベンゾオキサジン、
    酸形成過酸化物触媒、及び、
    フィルム形成材料、共触媒、硬化剤、又はこれらの組み合わせ、
    を含む重合性組成物。
  2. 前記酸形成過酸化物触媒が、前記ベンゾオキサジンの全重量を基準にして、0.1重量%〜10重量%の量で存在する、請求項1に記載の重合性組成物。
  3. 前記重合性組成物が、ベンゾオキサジン、酸形成触媒、及びフィルム形成材料を含む、請求項1に記載の重合性組成物。
  4. 前記フィルム形成材料が反応性フィルム形成材料であり、ベンゾオキサジンと反応性の官能基を1つ以上含む、請求項3に記載の重合性組成物。
  5. 前記フィルム形成材料が、前記重合性組成物の全重量を基準にして、10重量%〜75重量%の量で存在する、請求項3に記載の重合性組成物。
  6. 前記酸形成過酸化物触媒が、カルボキシル基、アセチル基、フタリル基、スルホニル基、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の重合性組成物。
  7. 前記酸形成過酸化物触媒が、ジアシルペルオキシド、ペルオキシジカーボネート、ペルオキシエステル、及びこれらの組み合わせの群から選択される、請求項6に記載の重合性組成物。
  8. 塩素化有機溶媒を含まない、請求項1に記載の重合性組成物。
  9. 前記組成物が共触媒を含み、前記共触媒が、元素硫黄、元素セレン、第VA族元素の硫化物、第VIA族元素の硫化物、第VA族元素のセレン化物、第VIA族元素のセレン化物、及びこれらの組み合わせの群から選択される、請求項1に記載の重合性組成物。
  10. 前記組成物が共触媒を含み、前記共触媒が有機金属錯体カチオンの塩である、請求項1に記載の重合性組成物。
  11. 前記組成物が硬化剤を含み、前記硬化剤が、チオール化合物、アミン化合物、及びこれらの組み合わせの群から選択される、請求項1に記載の重合性組成物。
  12. ベンゾオキサジン、及び、
    酸形成過酸化物触媒、
    を含む重合性組成物であって、前記重合性組成物が塩素化有機溶媒を含まない、重合性組成物。
  13. 基材と、その上に設けられた、請求項1に記載の重合性組成物を含む接着フィルムと、を含む物品。
  14. 接着剤を形成する方法であって、
    請求項1に記載の重合性組成物を提供する工程と、
    前記重合性組成物を、ベンゾオキサジンを少なくとも部分的に重合するのに有効な温度及び時間で加熱する工程と、を含む、方法。
  15. 接着剤を形成する方法であって、
    ベンゾオキサジン及び酸形成過酸化物触媒を含む重合性組成物、を提供する工程と、
    前記重合性組成物を、少なくとも150℃の温度で、ベンゾオキサジンを少なくとも部分的に重合するのに有効な時間加熱する工程と、を含む、方法。
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