JP2016505823A - 免疫染色マスクを使用してish分析結果を選択的に精密化するためのシステム及び方法 - Google Patents

免疫染色マスクを使用してish分析結果を選択的に精密化するためのシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

組織試料中の生物学的単位を表す画像データを処理するコンピュータ実装方法は、組織試料が免疫蛍光(IF)形態学的マーカーで染色されている、IF形態学的マーカー由来のシグナルを含有する組織試料の第1の画像を受信し、組織試料が蛍光プローブでインサイツハイブリダイズされている、蛍光プローブ由来のシグナルを含有する同一組織試料の第2の画像を受信することを包含する。この方法は、さらに、第1の画像中のIF形態学的マーカー由来の平均シグナル強度に基づいて少なくとも2つのクラスの1つに組織試料中のそれぞれの生物学的単位を分類し、第2の画像において組織試料の蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)分析を実施してそこから結果を取得し、FISH分析の結果をフィルタリングして1つのクラスに分類される生物学的単位に関係する結果のサブセットを得ることを包含する。【選択図】 図1

Description

本開示は、一般に、生体試料中のタンパク質発現及び標的核酸配列の検出に関し、より詳細には、免疫染色マスクを使用してインサイツハイブリダイゼーション(ISH)分析結果を選択的に精密化するためのシステム及び方法に関する。
組織学的切片及び他の細胞学的調製物におけるタンパク質の分析は、蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)を用いて実施することができる。FISHは、染色体上の特異的DNA配列の存在又は非存在を検出し局在化する細胞遺伝学的技術である。FISHは、高い配列相補性の程度を示す染色体のそれらの部分にのみ結合する蛍光プローブを使用する。蛍光顕微鏡法を使用し、画像に存在する蛍光ドットを計数することによって、蛍光プローブが染色体に結合している場所を見つけ出すことができる。
癌腫瘍試料のFISH分析において、FISHドット数の測定は、試料中の上皮細胞に対してのみ適する。しかし、従来のFISH分析は、定義した細胞のサブセットに対する分析を制限する有効な方法がないことから、視野内のすべての細胞についてFISHシグナルを測定する。手動による介入がない場合、このことによって、FISHドット計数統計データに関与する非上皮細胞(例えば、間質細胞)が多くなる可能性があり、ドット計数測定の精度が低くなる。
米国特許第2005/037406号
一実施形態によれば、組織試料中の生物学的単位を表す画像データを処理するコンピュータ実装方法であって、コンピュータがプロセッサを含み、プロセッサにより、組織試料が免疫蛍光(IF)形態学的マーカーで染色されている、IF形態学的マーカー由来のシグナルを含有する組織試料の第1の画像を受信し、プロセッサにより、組織試料が蛍光プローブでインサイツハイブリダイズされている、蛍光プローブ由来のシグナルを含有する同一組織試料の第2の画像を受信することを包含する。この方法は、さらに、プロセッサにより、第1の画像中のIF形態学的マーカー由来の平均シグナル強度に基づいた少なくとも2つのクラスの1つに組織試料中のそれぞれの生物学的単位を分類し、プロセッサにより、第2の画像において組織試料の蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)分析を実施して結果をそこから取得し、プロセッサにより、FISH分析の結果をフィルタリングして少なくとも2つのクラスの1つだけに分類される生物学的単位に関係する結果のサブセットを得ることを包含する。一部の実施形態において、クラスは、上皮細胞及び非上皮細胞を含んでいてもよい。
一部の実施形態において、この方法は、プロセッサにより、第1の画像中のIF形態学的マーカー由来のシグナルの位置を第2の画像中の蛍光プローブ由来のシグナルの位置とともに登録して登録画像を得ることをさらに包含する。一部の実施形態において、この方法は、プロセッサにより、第2の画像を区分化して第2の画像中の蛍光プローブ由来のシグナルの位置に基づいて組織試料中の核を同定することをさらに包含する。一部の実施形態において、それぞれの生物学的単位は、組織試料で同定される各々の核に対応し得る。一部の実施形態において、核を区分化する操作は、プロセッサにより、第2の画像にウェーブレット変換を施すことを包含していてもよい。
一部の実施形態において、この方法は、プロセッサにより、第2の画像中の核から得た閾値距離地図から作成されるボロノイ分割及び環(Voronoi partition and rings)を作成することをさらに包含し得、それぞれ各々の環に組織試料中のただ1つの核を少なくとも部分的に取り囲むようにさせる。一部の実施形態において、第2の画像においてボロノイ分割を作成する操作は、それぞれの環によって定められたマスクにより拡張されるボロノイ分割のシードとして組織試料で同定された核を使用して第2の画像からローカルバックグラウンド領域を作成することを可能にし得る。
一部の実施形態において、IF形態学的マーカーは、サイトケラチン(CK)タンパク質を標的とするように構成することができる。この方法は、大津の閾値処理法(Otsu's thresholding method)を併用して閾値を使用して第1の画像
を閾値化し、第1の画像中の上皮領域の最小強度レベルを評価することをさらに包含し得る。一部の実施形態において、この方法は、それぞれの生物学的単位の分類における変化を観測しながら、利用者によって閾値を双方向性に変化させることをさらに包含し得る。
一部の実施形態において、それぞれの核は、核を取り囲む環内の平均サイトケラチン(CK)強度を演算し、その平均CK強度を上皮領域の評価された最小強度レベルと比較することにより、上皮又は非上皮として分類することができる。一部の実施形態において、IF形態学的マーカーとしては、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)染色剤を挙げることができる。一部の実施形態において、IF形態学的マーカーは、サイトケラチン(CK)タンパク質及びヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)タンパク質の少なくとも1つを標的とするように構成することができる。一部の実施形態において、蛍光プローブは、HER2遺伝子及び17番染色体セントロメアリピートの少なくとも1つに結合するように構成することができる。
一実施形態によれば、非一時的なコンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行された場合に、組織試料が免疫蛍光(IF)形態学的マーカーで染色されている、IF形態学的マーカー由来のシグナルを含有する組織試料の第1の画像を受信し、組織試料が蛍光プローブでインサイツハイブリダイズされている、蛍光プローブ由来のシグナルを含有する同一組織試料の第2の画像を受信することをコンピュータにさせる、コンピュータ実装可能命令を格納している。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行された場合に、第1の画像中のIF形態学的マーカー由来の平均シグナル強度に基づいて、少なくとも2つのクラスの1つへ組織試料中の各生物学的単位を分類し、第2の画像において組織試料の蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)分析を実施してそこから結果を取得し、FISH分析の結果をフィルタリングして上皮のみと分類される生物学的単位に関係する結果のサブセットを得ることをコンピュータにさせる、コンピュータ実装可能命令をさらに包含する。
一部の実施形態において、コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行された場合に、第1の画像中のIF形態学的マーカー由来のシグナルの位置を第2の画像中の蛍光プローブ由来のシグナルの位置とともに登録して登録画像を得ることをコンピュータにさせる、コンピュータ実装可能命令をさらに包含し得る。一部の実施形態において、コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行された場合に、第2の画像を区分化して第2の画像中の蛍光プローブ由来のシグナルの位置に基づいて組織試料中の核を同定させることをコンピュータにさせる、コンピュータ実装可能命令をさらに包含し得る。
一実施形態によれば、組織試料中の生物学的単位を表す画像データを処理するためのシステムは、プロセッサ、プロセッサと電気通信されており、画像データを受信するように構成されている入力、及びプロセッサと電気通信されているメモリーを包含する。メモリーは、プロセッサによって実行された場合に、組織試料が免疫蛍光(IF)形態学的マーカーで染色されている、IF形態学的マーカー由来のシグナルを含有する組織試料の第1の画像を受信し、組織試料が蛍光プローブでインサイツハイブリダイズされている、蛍光プローブ由来のシグナルを含有する同一組織試料の第2の画像を受信し、第1の画像中のIF形態学的マーカー由来の平均シグナル強度に基づいて少なくとも2つのクラスの1つに組織試料中のそれぞれの生物学的単位を分類し、第2の画像において組織試料の蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)分析を実施してそこから結果を取得し、FISH分析の結果をフィルタリングして少なくとも2つのクラスの1つだけに分類される生物学的単位に関係する結果のサブセットを得ることをプロセッサにさせる、コンピュータ実装可能命令を包含する。一部の実施形態において、クラスは、上皮細胞及び非上皮細胞を含んでいてもよい。
一部の実施形態において、メモリーは、プロセッサによって実行された場合に、第1の画像中のIF形態学的マーカー由来のシグナルの位置を第2の画像中の蛍光プローブ由来のシグナルの位置とともに登録して登録画像を取得することをプロセッサにさせる、コンピュータ実装可能命令をさらに包含し得る。一部の実施形態において、メモリーは、プロセッサによって実行された場合に、第2の画像を区分化して第2の画像中の蛍光プローブ由来のシグナルの位置に基づいて組織試料中の核を同定することをプロセッサにさせる、コンピュータ実装可能命令をさらに包含し得る。一部の実施形態において、それぞれの生物学的単位は、組織試料で同定される各々の核に対応し得る。
一部の実施形態において、メモリーは、プロセッサによって実行された場合に、第2の画像にウェーブレット変換を施して組織試料中の核を区分化することをプロセッサにさせる、コンピュータ実装可能命令をさらに包含し得る。一部の実施形態において、メモリーは、プロセッサによって実行された場合に、第2の画像中の核から得た閾値距離地図から作成されるボロノイ分割及び環を作成することをプロセッサにさせる、コンピュータ実装可能命令をさらに包含し得、それぞれ各々の環に組織試料中のただ1つの核を少なくとも部分的に取り囲むようにさせる。一部の実施形態において、メモリーは、プロセッサによって実行された場合に、それぞれの環によって定められたマスクにより拡張されるボロノイ分割のシードとして組織試料で同定された核を使用して第2の画像からローカルバックグラウンド領域を作成することをプロセッサにさせる、コンピュータ実装可能命令をさらに包含し得る。
一部の実施形態において、IF形態学的マーカーは、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)染色剤を包含し得る。一部の実施形態において、IF形態学的マーカーは、サイトケラチン(CK)タンパク質及びヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)タンパク質の少なくとも1つを標的とするように構成することができる。一部の実施形態において、蛍光プローブは、HER2遺伝子及び17番染色体セントロメアリピートの少なくとも1つに結合するように構成することができる。
実施形態の特徴及び態様について添付の図面を参照して下記に述べるが、この場合、成分は必ずしも縮尺通りに描かれているものではない。
図1は、一実施形態による、組織試料中の生物学的単位を表す画像データを処理する方法の一例のブロック図である。 図2は、具体的なDAPI画像を示す。 図3は、具体的なサイトケラチン画像を示す。 図4は、一実施形態による、区分化された核を含む、図2のDAPI画像の一例を示す。 図5は、一実施形態による、区分化されたそれぞれの核の周囲の環を対応する影響領域とともに示す図4のDAPI画像の一例を示す。 図6は、一実施形態による、処理後の具体的なオーバーレイ画像を示す。 図7は、一実施形態による、組織試料中の生物学的単位を表す画像データを処理する方法の一例のフローチャートである。 図8は、一実施形態による、具体的な演算システムを示す。 図9は、一実施形態による、具体的なネットワーク環境を示す。
具体的な実施形態は、免疫蛍光(IF)染色の画像からの情報と、同一生物標本の蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)染色の画像からの情報とを組合せ、FISH分析結果の正確な自動計算を可能にするシステム及び方法を対象とする。
定義
特許請求の範囲に記載の発明の主題をより明確に簡潔に記載し指摘するため、以下の本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されている特定の用語について、下記の定義を提供する。
単数形の「a」「an」及び「the」には、文脈上明白に他の意味を指定しない限り、複数の指示語が含まれる。本出願において、明細書及び特許請求の範囲を通して使用される近似する用語は、それが関連している基本的機能に変化を及ぼさない許容範囲で変動し得るすべての定量表現を修飾するために適用することができる。従って、「約」などの用語によって修飾される数値は、指定された厳密な数値に限定するものではない。特に断りのない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用されている、成分の量、分子量などの特性、反応条件等を示すすべての数字は、すべての事例において、「約」という用語によって修飾されているものとして理解されたい。従って、反対のことを示さない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲において示す数値パラメータは、本発明によって得ることが求められる所望の特性に応じて変動し得る近似値である。最低限でも、それぞれの数値パラメータは、報告されている有効数字の数を踏まえ、通常の四捨五入の方法を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。
本明細書で使用する場合、「結合剤」という用語は、生体試料中の1以上の標的に結合し得る分子を意味する。結合剤は、標的に特異的に結合することができる。適切な結合剤としては、天然ペプチド又は修飾ペプチド、タンパク質(例えば、抗体、Affibodies、若しくはアプタマー)、核酸(例えば、ポリヌクレオチド、DNA、RNA、若しくはアプタマー);多糖(例えば、レクチン、糖)、脂質、酵素、酵素基質又は阻害剤、リガンド、受容体、抗原、又はハプテンの1以上を包含し得る。適切な結合剤は、分析しようとする試料と検出に利用可能な標的に応じて選択することができる。例えば、試料中の標的はリガンドを含んでいてもよく、かつ結合剤は受容体を含んでいてもよく、或いは、標的は受容体を含んでいてもよく、かつ結合剤はリガンドを含んでいてもよい。同様に、標的は抗原を含んでいてもよく、かつ結合剤は抗体又は抗体フラグメントを含んでいてもよく、その逆であってもよい。一部の実施形態では、標的は核酸を含んでいてもよく、かつ結合剤は相補的な核酸を含んでいてもよい。一部の実施形態において、標的と結合剤の両方とも、互いに結合し得るタンパク質を含んでいてもよい。
本明細書で使用する場合、「生体試料」という用語は、対象となる生体より入手した試料を意味し、例えば、インビボ又はインビトロで入手した生体組織又は体液に由来する試料が挙げられる。そのような試料は、限定するものではないが、ヒトをはじめとする哺乳動物から単離した体液(例えば、血液、血漿、血清、又は尿)、臓器、組織、画分及び細胞であり得る。生体試料はまた、組織をはじめとする生体試料の切片(例えば、臓器又は組織の切片部分)を含んでいてもよい。生体試料はまた、生体試料からの抽出物、例えば、生体液(例、血液又は尿)からの抗原を含んでいてもよい。
生体試料は、原核生物起源又は真核生物起源(例えば、昆虫、原生動物、鳥類、魚類、爬虫類)のものであってもよい。一部の実施形態において、生体試料は、哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウシ、イヌ、ロバ、モルモット、又はウサギ)である。特定の実施形態において、生体試料は、霊長動物(例えば、チンパンジー、又はヒト)起源である。
本明細書で使用する場合、「プローブ」という用語は、結合剤と標識、例えば、シグナルジェネレータ又は酵素を有する薬剤を意味する。一部の実施形態において、結合剤と標識(シグナルジェネレータ又は酵素)は、単一の実体において具体化される。結合剤と標識は、直接的に(例えば、結合剤へ取り込まれた蛍光分子を介して)又は間接的に(例えば、切断部位を含み得る、リンカーを介して)結合され、単一段階で生体試料へ適用させることができる。代替の実施形態において、結合剤と標識は、個別の実体(例えば、標的及び酵素に結合可能な一次抗体、又は一次抗体に結合可能なシグナルジェネレータで標識された二次抗体)において具体化される。結合剤と標識(シグナルジェネレータ又は酵素)が別々の実体である場合、それらは、生体試料へ単一段階又は複数段階で適用させることができる。本明細書で使用する場合、「蛍光プローブ」という用語は、蛍光シグナルジェネレータに結合される結合剤を有する薬剤を意味する。
本明細書で使用する場合、「シグナルジェネレータ」という用語は、1以上の検出技術(例えば、分光分析、熱量測定、分光学、又は目視検査)を使用して検出可能なシグナルを提供することができる分子を意味する。検出可能なシグナルの適切な例としては、光シグナル、及び電気シグナル、又は放射性シグナルが挙げられる。シグナルジェネレータの例としては、1以上の発色団、フルオロフォア、ラマン活性タグ、又は放射性標識が挙げられる。上記のように、プローブに関しては、一部の実施形態において、シグナルジェネレータと結合剤は単一の実体に存在していてもよい(例えば、蛍光標識を有する標的結合タンパク質)。或いは、結合剤とシグナルジェネレータは、試料へ導入する前又は導入する際に互いに会合する個別の実体(例えば、受容体タンパク質と、その特定の受容体タンパク質に対する標識抗体)であってもよい。
本明細書で使用する場合、「フルオロフォア」又は「蛍光シグナルジェネレータ」という用語は、特定の波長の光に曝露させることによって励起されたときに、異なる波長の光を放出する化学化合物を意味する。フルオロフォアは、それらの発光プロフィール又は「色」の観点から記載されることもある。緑色のフルオロフォア(例えば、Cy3、FITC、及びオレゴングリーン)は、一般に、515〜540ナノメートルの範囲の波長のそれらの発光を特徴とし得る。赤色のフルオロフォア(例えば、テキサスレッド、Cy5、及びテトラメチルローダミン)は、一般に、590〜690ナノメートルの範囲の波長のそれらの発光を特徴とし得る。フルオロフォアの例としては、限定するものではないが、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナートスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、アクリジン、アクリジン及びアクリジンイソチオシアネートの誘導体、5−(2’−アミノエチル)アミノナフタレン−1−スルホン酸(EDANS)、4−アミノ−N−[3−ビニルスルホニル)フェニル]ナフタルイミド−3,5−ジスルホネート(ルシファーイエローVS)、N−(4−アニリノ−1−ナフチル)マレイミド、アントラニルアミド、ブリリアントイエロー、クマリン、クマリン誘導体、7−アミノ−4−メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7−アミノ−トリフルオロメチルクルアリン(クマリン151)、シアノシン;4’,6−ジアミニジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、5’,5’’−ジブロモピロガロール−スルホンフタレイン(ブロモピロガロールレッド)、7−ジエチルアミノ−3−(4’−イソチオシアナートフェニル)−4−メチルクマリン、4,4’−ジイソチオシアナートジヒドロ−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジイソチオシアナートスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、5−[ジメチルアミノ]ナフタレン−1−スルホニルクロリド(DNS、ダンシルクロリド)、エオシン、エオシン誘導体、例えば、エオシンイソチオシアネート、エリトロシン、エリトロシン誘導体、例えば、エリトロシンB及びエリトロシンイソチオシアネート;エチジウム;フルオレセイン及び誘導体、例えば5−カルボキシフルオレセイン(FAM)、5−(4,6−ジクロロトリアジン−2−イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアナート(FITC)、QFITC(XRITC);フルオレスカミン誘導体(アミンとの反応の際に蛍光);IR144;IR1446;マラカイトグリーンイソチオシアナート;4−メチルウンベリフェロン;オルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラローズアニリン;フェノールレッド、B−フィコエリスリン;o−フタルジアルデヒド誘導体(アミンとの反応の際に蛍光);ピレン及び誘導体、例えばピレン、ピレンブチレート、及びスクシンイミジル1−ピレンブチレート;リアクティブレッド4(Cibacron. RTM. ブリリアントレッド3B−A)、ローダミン及び誘導体、例えば6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、6−カルボキシローダミン(R6G)、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、ローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアナート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、及びスルホローダミン101のスルホニルクロリド誘導体(テキサスレッド);N,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA);テトラメチルローダミン、テトラメチルローダミンイソチオシアナート(TRITC);リボフラビン;ロゾール酸とランタニドキレート誘導体、量子ドット、シアニン、ピレリウム色素、及びスクアラインが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「インサイツ」という用語は、一般に、ある事象が原位置で、例えば、無傷の臓器若しくは組織で、又は臓器若しくは組織の代表的な部分において起こることを意味する。一部の実施形態において、標的のインサイツ分析は、生物、臓器、組織試料、又は細胞培養物をはじめとする、様々な供給源に由来する細胞で実施することができる。インサイツ分析は、標的がその起源の部位から取り出された場合に失われる可能性がある状況(contextual)情報を提供する。従って、標的のインサイツ分析は、細胞膜が完全に無傷であるか又は部分的に無傷であり、標的結合プローブが細胞の内部に残っている場合における、全細胞内又は組織試料内に位置する標的結合プローブの分析について記載する。さらに、本発明で開示されている方法を利用し、固定されているか固定されていない細胞又は組織試料において標的をインサイツ分析することができる。
本明細書で使用する場合、「照射」又は「照射する」という用語は、試料又は溶液を非電離照射へ暴露させる操作又はプロセスを意味する。一部の実施形態において、非電離照射の波長は350nm乃至1.3umである。好ましい実施形態において、非電離放射は、波長が400〜700nmの可視光である。照射は、試料又は溶液を、特定の波長又はある範囲の波長の照射を放射することができる放射線源、例えばランプに暴露させることにより行うことができる。一部の実施形態において、光励起を受けることができる分子は、照射の結果、光励起される。一部の実施形態において、光励起を受けることができる分子は、シグナルジェネレータ、例えば蛍光シグナルジェネレータである。一部の実施形態において、蛍光シグナルジェネレータへ照射すると、蛍光シグナルジェネレータとシグナル不活性化剤の間で光反応が開始される。一部の実施形態において、照射は、光活性化型化学退色によってシグナルジェネレータを実質的に不活性化する光反応を開始する。他の実施形態において、シグナル不活性化剤は、光励起を受けて、シグナルジェネレータと反応しシグナルを不活性化させる反応成分を生成する。光学フィルターは、試料又は溶液の特定の波長又はある範囲の波長への照射を制限するために使用することができる。一部の実施形態において、光学フィルターを使用して、光励起を受けることができる1以上の分子を選択的光励起するための狭い範囲の波長に照射を制限することができる。
本明細書で使用する場合、「選択的光励起」という用語は、光励起を受けることができる1以上の分子が、照射後に基底電子状態のままで光励起を受けることができる他の1以上の分子の存在下で光励起される、操作又はプロセスを意味する。
一部の実施形態において、光励起を受けることができる分子は、蛍光色素、例えばシアニン色素である。さらなる一実施形態において、620〜680nmの範囲の波長に限定される照射は、Cy5色素の選択的光励起に使用される。代替の実施形態において、特定波長での試料への照射は、レーザーを使用することにより行うこともできる。
具体的な実施形態の一般的な説明
一実施形態において、生物標本中の細胞型(例えば、上皮細胞又は非上皮)の決定は、IFマーカーを使用して自動化することができるが、この場合、IFのシグナル強度は標本中の所定の細胞が目的のものであるかどうかを規定する。IFマーカー及びFISHマーカーを含む画像は、反復型の分析技術によって多重化することが可能であり、それぞれの細胞はその細胞型(例えば、上皮細胞又は非上皮)によって自動的に分類することができる。これによって、FISH分析を、正確で完全に自動化された計数統計用の目的の細胞(例えば、上皮細胞)に限定することができる。IFとFISHは相互に排他的な技術であるが、これらの技術は同時に、又は連続して実施することができる。個別の試料を反復して分析する方法は、例えば、米国特許第7,629,125号及び米国特許第7,741,046号に記載されており、それらはいずれも参照によりその全体を本明細書に組み入れるものとする。
図1は、一実施形態による、FISH結果を選択的に精密化するプロセスの一例を示すブロック図である。本プロセスへの入力は、FISH染色セット由来の染色DAPI画像と、IF染色ラウンド由来のCK及び/又はヒト上皮増殖因子受容体2(Her2)IF画像である。一部の実施形態は、ヒト腫瘍の標準ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料を使用することができる。例えば、乳癌試料を使用することができる。この例においては、試料を、顕微鏡用スライドに置く4マイクロメートルの薄切片にカットし、従来法を用いて免疫染色の処理を行う。
第1の染色段階において、サイトケラチン(CK)及び/又はヒト上皮増殖因子受容体2(Her2)に対する免疫蛍光(IF)染色、並びにDAPI染色を実施し、対応する蛍光画像を記録する。次に、FISH、DAPI染色したHer2及びCEP17のスライドを染色し、次いで、IF染色に関しては同じ位置から画像化する。このプロセスによって、試料中の正確な同一細胞の2組の画像が得られる。1組の画像は、(入力110として示した)対応するDAPI、CK及びHer2 IFシグナルを含んでおり、別の組の画像は、(入力120として示した)対応するDAPI、Her2 FISH及びCEP17 FISHシグナルを含んでいる。図2は具体的なDAPI画像を示し、図3は対応するサイトケラチン画像を示す。次いで、IF及びFISH画像ラウンドを、各々のDAPIシグナルを使用して登録し(130で示す)、画像分析アルゴリズムを使用してシグナルを区分化し(140)、分類し(150)、測定する(160)。プロセスの出力は、(例えば、結果から非上皮細胞を除くための)画像中の細胞の分類によってフィルタリングされた分析結果を含む。
細胞の分類(例えば、上皮又は非上皮)は、ウェーブレット区分化技術を使用してDAPI画像中の核を区分化し、続いて接触している核を単離する段階を行うことにより開始することができる。区分化された核に距離変換を適用し、この距離を閾値化することによって、図4に示すような細胞質の影響領域に近接するそれぞれの核の周囲の1組の環が得られる。それぞれの核に関する特有の細胞質環を作成し、かつ(不正確な測定領域の原因となり得る)他の核とオーバーラップするこれらの環を有することを回避するため、ボロノイ分割を使用して環の影響領域を抑止することができる。これは、例えば、環によって作成されたマスクにより拡張されるシードとして核区分化を使用し、流域区分化(watershed segmentation)によって行うことができる。次いで、IFチャネルの平均強度をこれらの抑止された環において測定し、平均強度値を閾値と比較することによって、それらの細胞が上皮細胞であるかどうかを判断することができる。ボロノイ分割の結果は、図5に示したように、単離細胞がそれらの周囲に完全な環を有するのに対し、厳密にパックされた細胞は抑止領域を有することを示す。次いで、全細胞に関するFISHシグナルについて、FISHドット計測アルゴリズムを使用して処理することができる(160、170)。FISHドット計測アルゴリズム(160、170)の結果は、上皮/非上皮細胞の分類に従ってフィルタリングされ(180)、FISH分析形態の上皮細胞のみを得ることができる。図6は、上記の具体的なプロセスを使用して処理した後の、それぞれ図2及び図3に示すDAPI画像及びサイトケラチン画像のオーバーレイの一例を図示している。
別の実施形態において、IF画像はサイトケラチン(CK)マーカーを含み、大津の閾値処理法を使用して閾値化して、第1の画像中の上皮領域の最小強度レベルを評価することができる。それぞれの核は、核を取り囲む環内の平均サイトケラチン(CK)強度を演算し、その平均CK強度を上皮領域の評価された最小強度レベルと比較することによって、上皮又は非上皮として分類することができる。別の実施形態において、利用者は、例えば、上皮細胞と非上皮細胞の分類における変化を観測しながら、閾値を双方向性に変化させることができる。さらに別の実施形態において、当該画像を示す上皮領域を利用者が選択できるように、また、含まれている領域に関する強度閾値を変更する「スライダー」によって利用者が選択を変更できるように、双方向ツールが提供される。
図7は、一実施形態による、画像分析プロセス700の一例のフローチャートである。段階702では、IF形態学的マーカー由来のシグナルを含有する組織試料の第1の画像が、例えばプロセッサによって受信される。段階704では、蛍光プローブ由来のシグナルを含有する同一組織試料の第2の画像が受信される。組織試料は、例えば、蛍光プローブとインサイツハイブリダイズされ得る。
段階706では、第1の画像中のそれぞれの生物学的単位は、例えば、上皮及び非上皮の少なくとも2つのクラスの1つに分類される。段階708では、FISH分析は、第2の画像を使用して実施される。段階710では、FISH分析の結果は、それぞれの生物学的単位の分類によってフィルタリングされる。例えば、上皮として分類される細胞に関係している結果だけを保存し、一方、他の細胞に関係する結果は廃棄することができる。
一部の実施形態において、分類段階706は、第2の画像中の核が区分化された後に実施することができる。区分化は、まず、第1の画像中のシグナルの位置を第2の画像中のシグナルの位置とともに登録することによって行うことができる(段階712)。この登録によって、第1の画像と第2の画像を細胞に関して整合させることができる。段階714では、核は、第2の画像に適用されるウェーブレット変換を使用して区分化され得る。段階716では、ボロノイ分割及び環は、区分化された核から得た閾値距離地図から作成される。環は、図1に関して上述したように、段階706で実施される分類を容易にするため、1つの核のみを少なくとも部分的に取り囲むようにさせることができる。ボロノイ分割は、それぞれの環によって定められたマスクにより拡張される区分のシードとして核を使用して第2の画像にローカルバックグラウンド領域を作成させることができる。
別の具体的な実施形態
一部の実施形態において、生体標本は、固体支持体に接着された複数の標的を含有していてもよい。一部の実施形態において、生体標本は、組織試料、全細胞、細胞成分、サイトスピン、又は細胞塗抹標本を包含していてもよい。一部の実施形態において、生体標本は組織試料又は組織成分を包含していてもよい。組織試料は、類似機能を有し得る、生体被験者の組織から得られる類似細胞の収集物を包含していてもよい。一部の実施形態において、組織試料は、ヒト組織から得られる類似細胞の収集物を包含していてもよい。ヒト組織の適切な例としては、限定するものではないが、(1)上皮;(2)血管、骨及び軟骨をはじめとする結合組織;(3)筋肉組織;並びに(4)神経組織が挙げられる。組織試料の供給源は、新鮮、凍結、及び/又は保存状態の臓器又は組織試料又は生検又は吸引物から得られる固体組織;血液又は任意の血液成分;体液、例えば、脳脊髄液、羊水、腹膜液、又は間質液;或いは、被検体の妊娠期又は発生期におけるあらゆる時点から得た細胞であってもよい。一部の実施形態において、組織試料は、初代細胞若しくは培養細胞、循環疾患細胞若しくは正常細胞、感染因子に応答する活性化白血球、又は細胞株を包含していてもよい。
一部の実施形態において、生体標本は、健康又は疾患状態の組織試料から得た組織切片(例えば、結腸、乳房組織、前立腺から得た組織切片)を包含する。組織切片は、組織試料の一部分又は小片、例えば、組織試料から切り取った組織又は細胞の薄片を包含していてもよい。一部の実施形態において、組織試料の複数の切片には、例えば、組織マイクロアレイを実施することができ、また、IF及びFISHによる分析へ供することができる。一部の実施形態において、組織試料の同一切片は、形態学レベル及び分子レベルの両方で分析され得る。組織切片は、生体試料として利用する場合、約100マイクロメートル未満である範囲、約50マイクロメートル未満である範囲、約25マイクロメートル未満である範囲、又は約10マイクロメートル未満である範囲の厚さを有していてもよい。
一部の実施形態において、生体試料又は生体試料中の標的は、固体支持体に付着させることができる。固体支持体としては、マイクロアレイ(例えば、DNA又はRNAマイクロアレイ)、ゲル、ブロット、ガラススライド、ビーズ、又はELISAプレートを挙げることができる。一部の実施形態において、生体試料又は生体試料中の標的は、ナイロン、ニトロセルロース、及びポリビニリデンジフルオリドから選択される膜へ付着させることができる。一部の実施形態において、固体支持体は、ポリスチレン、ポリカーボネート、及びポリプロピレンから選択されるプラスチック表面を包含し得る。
本発明の一実施形態による生体試料は、固体であっても液体であってもよい。生体試料の適切な例としては、限定するものではないが、培養物、血液、血漿、血清、唾液、脳脊髄液、胸膜液、乳、リンパ液、痰、精液、尿、糞、涙液、唾液、注射針による吸引物、皮膚の外部切片、気道、腸管、及び尿生殖路、腫瘍、臓器、細胞培養物若しくは細胞培養物成分、又は固体組織切片が挙げられる。一部の実施形態において、生体試料は、そのままの状態で、即ち、対象とする標的の採取及び/又は単離を行うことなく分析することができる。
生体試料としては、その物理状態、例えば、限定するものではないが、凍結若しくは染色されている状態又は別の方法で処理されている状態を問わない、任意の上記の試料を包含していてもよい。一部の実施形態において、生体試料は、天然の試料と天然では混ざらない化合物、例えば、保存剤、抗凝固剤、緩衝液、固定剤、栄養素、抗生物質等を包含していてもよい。
試料は凍結組織切片であってもよいし、パラフィン包埋試料であってもよい。パラフィン試料は、生体試料を予め、例えば、パラホルムアルデヒドに固定させ、続いてワックスに包埋したこれらの試料を意味する。一部の実施形態において、組織試料は、まず固定し、次いで順次増加するアルコールで脱水し、組織試料が切片化され得るようにパラフィン又は別の切片化媒体に浸透させて包埋することができる。代替の実施形態においては、組織試料を切片化し、その後、固定することができる。一部の実施形態において、組織試料はパラフィンに包埋して処理することができる。使用できるパラフィンの例としては、限定するものではないが、Paraplast、Broloid、及びTissuemayが挙げられる。組織試料が包埋されたら、試料をミクロトームにより、約3ミクロン乃至約5ミクロンの範囲の厚さを有し得る切片へ切片化することができる。切片にしたら、切片は、接着剤を使用してスライドに付けることができる。スライド接着剤の例としては、限定するものではないが、シラン、ゼラチン、ポリ−L−リジンを挙げることができる。実施形態において、包埋材料としてパラフィンを使用する場合、組織切片は、脱パラフィン化し、水中に再水和させることができる。組織切片は、例えば、有機薬剤、例えば、キシレン、及び段階的に順次減少するアルコール、又は界面活性剤を使用することによって脱パラフィン化することができる。
一部の実施形態において、上記で論じた試料調製方法とは別に、インサイツハイブリダイゼーション及び/又は免疫組織化学の前、間、又は後に、組織切片にさらなる処理を施すことができる。例えば、一部の実施形態において、組織切片は、エピトープ回復法、例えば、組織試料のクエン酸緩衝液中での加熱に供することができる。一部の実施形態において、組織切片はブロッキング段階に適宜供し、あらゆる非特異的結合を最低限にすることができる。
分析しようとする標的の適切性は、生体試料に必要とされる分析の種類及び特性により決定することができる。一部の実施形態において、標的は、生体試料中の分析物の存在又は非存在についての情報を提供することができる。別の実施形態において、標的は、生体試料の状態についての情報を提供することができる。例えば、生体試料が組織試料を含む場合には、本発明で開示されている方法を使用し、異なる種類の細胞又は組織の比較、異なる発生段階の比較、疾患又は異常の存在の検出、或いは疾患又は異常の種類の決定に有用となり得る標的を検出することができる。
一部の実施形態において、生体試料中の標的は、ペプチド、タンパク質(例えば、抗体、親和体、又はアプタマー)、核酸(例えば、ポリヌクレオチド、DNA、RNA、又はアプタマー);多糖(例えば、レクチン又は糖)、脂質、酵素、酵素基質、リガンド、受容体、抗原、又はハプテンの1以上を挙げることができる。一部の実施形態において、標的は、本質的に、タンパク質又は核酸を包含することができる。上記の1以上の標的は特定の細胞に特徴的であってもよいが、他の標的は特定の疾患又は症状に関連していてもよい。一部の実施形態において、本発明で開示されている方法を使用して検出及び分析され得る標的としては、限定するものではないが、予後標的、ホルモン標的又はホルモン受容体標的、リンパ球様標的、腫瘍標的、細胞周期関連標的、神経組織標的及び腫瘍標的、或いはクラスター分化標的を挙げることができる。
予後標的の適切な例としては、酵素標的、例えば、ガラクトシルトランスフェラーゼII、ニューロン特異的エノラーゼ、プロトンATPase−2、又は酸ホスファターゼなどが挙げられる。
ホルモン標的又はホルモン受容体標的の適切な例としては、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)、副腎皮質刺激ホルモン、癌胎児性抗原(CEA)、前立腺特異抗原(PSA)、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、アンドロゲン受容体、gC1q−R/p33補体受容体、IL−2受容体、p75神経栄養因子受容体、PTH受容体、甲状腺ホルモン受容体、又はインスリン受容体を挙げることができる。
リンパ球様標的の適切な例としては、α−1−アンチキモトリプシン、α−1−アンチトリプシン、B細胞標的、bcl−2、bcl−6、Bリンパ球抗原36kD、BM1(骨髄性標的)、BM2(骨髄性標的)、ガレクチン−3、グランザイムB、HLAクラスI抗原、HLAクラスII(DP)抗原、HLAクラスII(DQ)抗原、HLAクラスII(DR)抗原、ヒト好中球デフェンシン、免疫グロブリンA、免疫グロブリンD、免疫グロブリンG、免疫グロブリンM、κ軽鎖、κ軽鎖、λ軽鎖、リンパ球/組織球抗原、マクロファージ標的、ムラミダーゼ(リゾチーム)、p80未分化リンパ腫キナーゼ、プラズマ細胞標的、分泌性白血球プロテアーゼ阻害剤、T細胞抗原受容体(JOVI1)、T細胞抗原受容体(JOVI3)、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ、又は非クラスター化B細胞標的を挙げることができる。
腫瘍標的の適切な例としては、αフェトプロテイン、アポリポタンパク質D、BAG−1(RAP46タンパク質)、CA19−9(Sialyl lewisa)、CA50(癌関連ムチン抗原)、CA125(卵巣癌抗原)、CA242(腫瘍関連ムチン抗原)、クロモグラニンA、クラステリン(アポリポタンパク質J)、上皮膜抗原、上皮関連抗原、上皮特異的抗原、グロス嚢胞性疾患流体タンパク質−15、肝細胞特異的抗原、ヘレグリン、ヒト胃ムチン、ヒト乳脂肪球、MAGE−1、マトリックスメタロプロテイナーゼ、メランA、メラノーマ標的(HMB45)、メソセリン、メタロチオネイン、小眼球症転写因子(MITF)、Muc−1コア糖タンパク質、Muc−1糖タンパク質、Muc−2糖タンパク質、Muc−5AC糖タンパク質、Muc−6糖タンパク質、ミエロペルオキシダーゼ、Myf−3(横紋筋肉腫標的)、Myf−4(横紋筋肉腫標的)、MyoD1(横紋筋肉腫標的)、ミオグロブリン、nm23タンパク質、胎盤アルカリホスファターゼ、プレアルブミン、前立腺特異的抗原、前立腺酸性ホスファターゼ、前立腺インヒビンペプチド、PTEN、腎細胞癌標的、小腸ムチン抗原、テトラネクチン、甲状腺転写因子−1、マトリックスメタロプロテイナーゼ1の組織阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ2の組織阻害剤、チロシナーゼ、チロシナーゼ関連タンパク質−1、ビリン、又はフォンウィルブラント因子が挙げられる。
細胞周期関連標的の適切な例としては、アポトーシスプロテアーゼ活性化因子−1、bcl−w、bcl−x、ブロモデオキシウリジン、CAK(cdk−活性化キナーゼ)、細胞アポトーシス感受性タンパク質(CAS)、カスパーゼ2、カスパーゼ8、CPP32(カスパーゼ−3)、CPP32(カスパーゼ−3)、サイクリン依存性キナーゼ、サイクリンA、サイクリンB1、サイクリンD1、サイクリンD2、サイクリンD3、サイクリンE、サイクリンG、DNA断片化因子(N末端)、Fas(CD95)、Fas結合デスドメインタンパク質、Fasリガンド、Fen−1、IPO−38、Mcl−1、ミニ染色体維持タンパク質、ミスマッチ修復タンパク質(MSH2)、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ、増殖細胞核内抗原、p16タンパク質、p27タンパク質、p34cdc2、p57タンパク質(Kip2)、p105タンパク質、Stat1α、トポイソメラーゼI、トポイソメラーゼIIα、トポイソメラーゼIIIα、又はトポイソメラーゼIIβが挙げられる。
神経組織及び腫瘍標的の適切な例としては、αBクリスタリン、α−インターネキシン、αシヌクレイン、アミロイド前駆体タンパク質、βアミロイド、カルビンジン、コリンアセチルトランスフェラーゼ、興奮性アミノ酸トランスポーター1、GAP43、グリア線維性酸性タンパク質、グルタミン酸受容体2、ミエリン塩基性タンパク質、神経成長因子受容体(gp75)、神経芽細胞腫標的、ニューロフィラメント68kD、ニューロフィラメント160kD、ニューロフィラメント200kD、ニューロン特異的エノラーゼ、ニコチン性アセチルコリン受容体α4、ニコチン性アセチルコリン受容体β2、ペリフェリン、タンパク遺伝子産物9、S−100タンパク質、セロトニン、SNAP−25、シナプシンI、シナプトフィシン、tau、トリプトファンヒドロキシラーゼ、チロシンヒドロキシラーゼ、又はユビキチンを挙げることができる。
クラスター分化標的の適切な例としては、CD1a、CD1b、CD1c、CD1d、CD1e、CD2、CD3δ、CD3ε、CD3γ、CD4、CD5、CD6、CD7、CD8α、CD8β、CD9、CD10、CD11a、CD11b、CD11c、CDw12、CD13、CD14、CD15、CD15s、CD16a、CD16b、CDw17、CD18、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD25、CD26、CD27、CD28、CD29、CD30、CD31、CD32、CD33、CD34、CD35、CD36、CD37、CD38、CD39、CD40、CD41、CD42a、CD42b、CD42c、CD42d、CD43、CD44、CD44R、CD45、CD46、CD47、CD48、CD49a、CD49b、CD49c、CD49d、CD49e、CD49f、CD50、CD51、CD52、CD53、CD54、CD55、CD56、CD57、CD58、CD59、CDw60、CD61、CD62E、CD62L、CD62P、CD63、CD64、CD65、CD65s、CD66a、CD66b、CD66c、CD66d、CD66e、CD66f、CD68、CD69、CD70、CD71、CD72、CD73、CD74、CDw75、CDw76、CD77、CD79a、CD79b、CD80、CD81、CD82、CD83、CD84、CD85、CD86、CD87、CD88、CD89、CD90、CD91、CDw92、CDw93、CD94、CD95、CD96、CD97、CD98、CD99、CD100、CD101、CD102、CD103、CD104、CD105、CD106、CD107a、CD107b、CDw108、CD109、CD114、CD115、CD116、CD117、CDw119、CD120a、CD120b、CD121a、CDw121b、CD122、CD123、CD124、CDw125、CD126、CD127、CDw128a、CDw128b、CD130、CDw131、CD132、CD134、CD135、CDw136、CDw137、CD138、CD139、CD140a、CD140b、CD141、CD142、CD143、CD144、CDw145、CD146、CD147、CD148、CDw149、CDw150、CD151、CD152、CD153、CD154、CD155、CD156、CD157、CD158a、CD158b、CD161、CD162、CD163、CD164、CD165、CD166、及びTCR−ζが挙げられる。
他の適切な予後標的としては、中心体タンパク質−F(CENP−F)、ジアンチン(giantin)、インボルクリン、ラミンA&C(XB10)、LAP−70、ムチン、核孔複合体タンパク質、p180ラメラ体タンパク質、ran、r、カテプシンD、Ps2タンパク質、Her2−neu、P53、S100、上皮標的抗原(EMA)、TdT、MB2、MB3、PCNA、又はKi67が挙げられる。
シグナルジェネレータ由来のシグナルは、様々な観測システム又は検出システムを使用して検出することができる。使用する検出システムの特性は、使用するシグナルジェネレータの特性に依存し得る。検出システムとしては、例えば、電荷結合素子(CCD)検出システム、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像検出システム、蛍光検出システム、電気系検出システム、写真フィルム検出システム、化学発光検出システム、酵素検出システム、光学的検出システム、近接場検出システム、又は全内部反射(TIR)検出システムを挙げることができる。
1以上の上記技術を使用して、シグナルジェネレータ(結合剤と結合しているか、又は酵素基質と結合しているもの)由来のシグナルの1以上の特徴を観測することができる。一部の実施形態において、シグナル強度、シグナル波長、シグナル位置、シグナル頻度、又はシグナルシフトは、上記技術の1以上を使用して決定することができる。一部の実施形態において、シグナルの1以上の上記特徴を観測、測定、及び記録することができる。
一部の実施形態において、観測されるシグナルは蛍光シグナルであり、生体試料中の標的に結合されているプローブは、フルオロフォアであるシグナルジェネレータを含んでいてもよい。一部の実施形態において、蛍光シグナルは、蛍光検出システムを使用して、蛍光波長又は蛍光性強度を決定することにより測定することができる。一部の実施形態において、シグナルはインサイツで観測することができる。即ち、シグナルは、生体試料中の標的に結合剤を介して会合しているシグナルジェネレータから直接観測することができる。一部の実施形態において、シグナルジェネレータ由来のシグナルは、生体試料の内部で分析することができ、個別のアレイ系検出システムの必要性を回避することができる。
一部の実施形態において、シグナルの観測は、生体試料の画像を取り込むことを包含し得る。一部の実施形態において、本発明で開示されている方法に従って、撮像デバイスに接続した顕微鏡を検出システムとして使用することができる。一部の実施形態において、シグナルジェネレータ(例えば、フルオロフォア)を励起し、得られたシグナル(例えば、蛍光シグナル)をデジタルシグナルの形態(例えば、デジタル化画像)で観測し記録することができる。適正な蛍光フィルターを使用して試料中に結合されている様々なシグナルジェネレータ(存在する場合)に対して、同じ手順を繰り返すことができる。
一部の実施形態において、複数の異なる種類のシグナルは、同一試料において観測することができる。例えば、1つの標的は蛍光プローブで検出し、同一試料中の第2の標的は発色性プローブで検出することができる。
一部の実施形態において、生体試料は、形態染色剤、又はマーカーと接触させることができる。形態染色剤は、細胞型又は疾患状態の同定を容易にするために異なる細胞成分を染色することができる色素を包含し得る。一部の実施形態において、形態染色剤は、プローブ中のシグナルジェネレータから容易に識別することができ、即ち、染色剤は、プローブ由来のシグナルと重複する可能性のあるシグナルを放出しなくてもよい。例えば、蛍光形態染色剤においては、形態染色剤由来のシグナルは、プローブで使用されるフルオロフォアと同一波長において自己蛍光を発することができない。
一部の実施形態において、発色団、フルオロフォア、酵素、又は酵素基質を形態染色剤として使用することができる。形態染色剤として使用することができる発色団(及びその標的細胞、細胞内成分、又は細胞成分)の適切な例としては、限定するものではないが、エオシン(アルカリ性細胞成分、細胞質)、ヘマトキシリン(核酸)、オレンジG(赤血球、膵臓、及び下垂体細胞)、ライトグリーンSF(コラーゲン)、ロマノフスキーギムザ(細胞形態全般)、メイグリュンワルド(血液細胞)、ブルー対比染色剤(Trevigen)、エチルグリーン(CAS)(アミロイド)、フォイルゲン−ナフトールイエローS(DNA)、ギムザ(様々な細胞成分を分別的に染色)、メチルグリーン(アミロイド)、ピロニン(核酸)、ナフトールイエロー(赤血球細胞)、ニュートラルレッド(核)、パパニコラウ染色剤(ヘマトキシリン、エオシンY、オレンジG、及びビスマルクブラウン混合物の混合物(細胞形態全般))、レッド対比染色剤B(Trevigen)、レッド対比染色剤C(Trevigen)、シリウスレッド(アミロイド)、フォイルゲン試薬(パラローズアニリン)(DNA)、ガロシアニンクロムミョウバン(DNA)、ガロシアニンクロムミョウバン及びナフトールイエローS(DNA)、メチルグリーン−ピロニンY(DNA)、チオニン−フォイルゲン試薬(DNA)、アクリジンオレンジ(DNA)、メチレンブルー(RNA及びDNA)、トルイジンブルー(RNA及びDNA)、アルシアンブルー(炭水化物)、ルテニウムレッド(炭水化物)、スーダンブラック(脂質)、スーダンIV(脂質)、オイルレッド−O(脂質)、ワンギーソントリクローム染色剤(酸性フクシン及びピクリン酸混合物)(筋肉細胞)、マッソントリクローム染色剤(ヘマトキシリン、酸性フクシン、及びライトグリーン混合物)(コラーゲン、細胞質、核小体を分別的に染色)、アルデヒドフクシン(エラスチン線維)、又はワイゲルト染色剤(細網線維及びコラーゲン線維を分別)が挙げられる。
適切な蛍光形態染色剤と、適用可能な場合、その標的細胞、細胞内成分、又は細胞成分の例としては、限定するものではないが、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)(核酸)、エオシン(アルカリ性細胞成分、細胞質)、ヘキスト33258及びヘキスト33342(2つのビスベンズイミド)(核酸)、ヨウ化プロピジウム(核酸)、スペクトルオレンジ(核酸)、スペクトルグリーン(核酸)、キナクリン(核酸)、フルオレセイン−ファロイジン(アクチン線維)、クロモマイシンA3(核酸)、アクリフラビン−フォイルゲン反応液(核酸)、オーラミンO−フォイルゲン反応液(核酸)、臭化エチジウム(核酸)、ニッスル染色剤(ニューロン)、POPO、BOBO、YOYO及びTOTOなどの高親和性DNAフルオロフォア、並びに、ヒストンなどのDNA結合タンパク質に融合されている緑色蛍光タンパク質、ACMA、キナクリン、及びアクリジンオレンジが挙げられる。
適切な酵素、及びその主要な細胞部位又は活性の例としては、限定するものではないが、ATPases(筋肉線維)、コハク酸デヒドロゲナーゼ(ミトコンドリア)、シトクロムcオキシダーゼ(ミトコンドリア)、ホスホリラーゼ(ミトコンドリア)、ホスホフルクトキナーゼ(ミトコンドリア)、アセチルコリンエステラーゼ(神経細胞)、ラクターゼ(小腸)、酸性ホスファターゼ(リソソーム)、ロイシンアミノペプチダーゼ(肝細胞)、デヒドロゲナーゼ(ミトコンドリア)、ミオアデニル酸デアミナーゼ(筋肉細胞)、NADHジアホラーゼ(赤血球)、及びスクラーゼ(小腸)が挙げられる。
一部の実施形態において、形態染色剤は、不活性化剤に対して安定的であり得る。即ち、形態染色剤のシグナル形成特性は、不活性化剤によって実質的に影響を受けることはない。一部の実施形態において、生体試料をプローブと形態染色剤で同時に染色することができる場合、プローブ由来のシグナルを修飾する不活性化剤の適用は、形態染色剤由来のシグナルを修飾することはない。一部の実施形態において、形態染色剤は、反復的なプロービング段階を介して得られる分子情報と、形態染色剤を介して得られる形態情報を同時に記録するための対照として使用することができる。
タンパク質、RNA及びDNAの検出を含む本発明で開示されている方法は、一般に、特定の方法で標的へ物理的に結合する結合剤を使用するものである。一部の実施形態において、結合剤は、それ自体として、十分な特異性をもって標的に結合することができ、即ち、結合剤は、別のいかなる分子に結合するよりも大きな親和性で標的に結合することができる。一部の実施形態において、結合剤は、別の分子に結合することができるが、その結合は、非特異的結合がバックグラウンドレベルであるか、それに近い可能性があるようなものである。一部の実施形態において、対象の標的に対する結合剤の親和性は、別の分子へのその親和性の2倍以上、5倍以上、10倍以上、又はそれ以上の範囲であってもよい。一部の実施形態において、親和性の差が最大である結合剤を使用することができるが、それらは、標的に対する親和性が最大のものでなくてもよい。
一部の実施形態において、標的と結合剤の間の結合は物理的な結合によって影響を受けることがあり得る。物理的な結合は、非共有結合性相互作用の使用によりもたらされる結合を含んでいてもよい。非共有結合性相互作用としては、限定するものでないが、疎水性相互作用、イオン性相互作用、水素結合相互作用、又は親和性相互作用(例えば、ビオチン−アビジン又はビオチン−ストレプトアビジン複合体形成)が挙げられる。一部の実施形態において、標的と結合剤は、物理的な結合をもたらすその2つの間の特異的認識を生じる、その表面上又は空洞中の領域を有していてもよい。一部の実施形態において、結合剤は、それらの分子形状の一部の相互適合に基づいて生体標的に結合することができる。
結合剤とその対応標的は、結合対と考えられ、その限定されない例としては、免疫型の結合対、例えば、抗原/抗体、抗原/抗体フラグメント、又はハプテン/抗ハプテン;非免疫型の結合対、例えば、ビオチン/アビジン、ビオチン/ストレプトアビジン、葉酸/葉酸結合タンパク質、ホルモン/ホルモン受容体、レクチン/特定の炭水化物、酵素/酵素、酵素/基質、酵素/基質類似体、酵素/擬似基質(酵素活性により触媒されることがない基質類似体)、酵素/補因子、酵素/調節剤、酵素/阻害剤、又はビタミンB12/内因子などが挙げられる。結合対の他の適切な例としては、相補的核酸断片(DNA配列、RNA配列、LNA配列、及びPNA配列);プロテインA/抗体;プロテインG/抗体;核酸/核酸結合タンパク質;又はポリヌクレオチド/ポリヌクレオチド結合タンパク質を挙げることができる。
一部の実施形態において、結合剤は、配列特異的又は構造特異的結合剤であってもよく、この場合、結合剤によって認識及び結合される標的の配列又は構造は、その標的に十分に特有であり得る。
一部の実施形態において、結合剤は、構造特異的であってもよく、標的の一次、二次、又は三次構造を認識することができる。標的の一次構造としては、その原子組成及びそれらの原子を連結している化学結合(立体化学を含む)の詳細が挙げられ、例えば、タンパク質のアミノ酸の線状配列の種類及び特質である。標的の二次構造は、生体分子の部分の全体的な三次元形態を意味し得る。例えば、タンパク質においては、二次構造は、離れたアミノ酸が互いに近接することをもたらす、ペプチド「骨格」鎖の様々なコンホメーションへのフォールディングを意味し得る。二次構造の適切な例としては、限定するものではないが、αヘリックス、βプリーツシート、又はランダムコイルが挙げられる。標的の三次構造は、その全体的な三次元構造であってもよい。標的の四次構造は、1以上の別の標的又は巨大分子とのその非共有結合性相互作用(例えばタンパク質相互作用)により形成される構造であってもよい。四次構造の例は、ヘモグロビンがつくられる4つのグロビンタンパク質サブユニットによって形成される構造であってもよい。本発明の実施形態による結合剤は、上記構造のいずれに対しても特異的であり得る。
構造特異的結合剤の例としては、タンパク質標的に結合し得るタンパク質特異的分子が挙げられる。適切なタンパク質特異的分子の例としては、抗体及び抗体フラグメント、核酸(例えば、タンパク質標的を認識するアプタマー)、又はタンパク質基質(非触媒性)が挙げられる。
一部の実施形態において、結合剤は、配列特異的であってもよい。配列特異的な結合剤は核酸を包含していてもよく、その結合剤は、標的中のヌクレオチド又はその誘導体の特定の線状配列を認識することができる。一部の実施形態において、線状配列は、結合剤中の対応する相補的ヌクレオチドにそれぞれ結合し得る、連続するヌクレオチド又はその誘導体を包含していてもよい。代替の実施形態において、この配列は、プローブ上に対応する相補的残基を有さない1、2、又はそれ以上のヌクレオチドがあり得る場合、連続していなくてもよい。核酸ベースの結合剤の適切な例としては、限定するものではないが、DNA又はRNAのオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドが挙げられる。一部の実施形態において、適切な核酸としては、核酸類似体、例えば、ジオキシゲニンdCTP、ビオチンdcTP 7−アザグアノシン、アジドチミジン、イノシン、又はウリジンが挙げられる。
結合剤及び標的の種類に関わらず、タンパク質、DNA、及びRNAの検出において、結合剤と標的の間の結合特異性は、結合条件(例えば、相補的核酸の場合、ハイブリダイゼーション条件)に依存して影響を受けることもある。適切な結合条件は、pH、温度、又は塩濃度の1以上を調節することにより実現することができる。
結合剤は、内在的に標識化(シグナルジェネレータ若しくは酵素が結合剤の合成中に付けられる)してもよいし、又は外在的に標識化(シグナルジェネレータ又は酵素が後続の段階中に付けられる)してもよい。例えば、タンパク質ベースの結合剤については、標識アミノ酸を使用することによって、内在的に標識化した結合剤を製造することができる。同様に、内在的に標識化した核酸は、伸長する核酸へ直接的にシグナルジェネレータ標識化ヌクレオチドを取り込む方法を使用して合成することができる。一部の実施形態において、結合剤は、シグナルジェネレータ又は酵素が後続の段階で取り込まれ得るような方法で合成することができる。例えば、この後続の標識化は、活性アミノ基又はチオール基をペプチド鎖の核酸へ導入することによる化学的な手段によって行うことができる。一部の実施形態において、タンパク質(例えば、抗体)又は核酸(例えば、DNA)などの結合剤は、適正な化学物質を使用し直接的に化学標識することができる。
一部の実施形態において、より大きな特異性又は特定の実施形態ではシグナルの増幅を提供する、結合剤の組合せを使用することができる。従って、一部の実施形態において、結合剤のサンドイッチを使用することができ、この場合、第1の結合剤は標的に結合し二次結合を提供するのに用いられ、第2の結合剤は標識を含んでいても含んでいなくてもよく、それは(必要に応じて)三次結合をさらに提供することができ、この場合、三次結合メンバーは標識を含んでいてもよい。
結合剤の組合せの適切な例としては、一次抗体−二次抗体、相補的核酸、又は他のリガンド−受容体対(例えば、ビオチン−ストレプトアビジン)が挙げられる。適切な結合剤対のいくつかの具体的な例としては、c−mycエピトープを有する組換え発現タンパク質に対するマウス抗myc;His−Tagエピトープを有する組換えタンパク質に対するマウス抗HisG、エピトープ−タグを有する組換えタンパク質に対するマウス抗xpress、ヤギIgG一次分子に対するウサギ抗ヤギ、核酸に対する相補的核酸配列;チオレドキシン融合タンパク質に対するマウス抗チオ、融合タンパク質に対するウサギ抗GFP、−D−ガラクトースに対するジャカリン;並びに、炭水化物結合タンパク質、糖、ニッケル結合マトリクス、又はヘパリンに対するメリビオースを挙げることができる。
一部の実施形態において、一次抗体と二次抗体の組合せを結合剤として使用することができる。一次抗体は、標的の特異的領域に結合することができ、二次抗体は、一次抗体に結合することができる。二次抗体は、一次抗体への結合の前にシグナルジェネレータ又は酵素に付けてもよく、又は、後続の段階で、シグナルジェネレータ又は酵素に結合させることができる。代替の実施形態において、一次抗体と特異的結合リガンド−受容体対(例えば、ビオチン−ストレプトアビジン)を使用することができる。一次抗体をこの対の一方のメンバー(例えば、ビオチン)に付け、他のメンバー(例えば、ストレプトアビジン)にはシグナルジェネレータ又は酵素で標識化することができる。二次抗体、アビジン、ストレプトアビジン、又はビオチンは、互いに独立して、シグナルジェネレータ又は酵素で標識化することができる。
一部の実施形態において、本発明で開示されている方法は、免疫染色法に利用することができ、一次抗体を使用して、標的タンパク質に特異的に結合させることができる。二次抗体を使用して一次抗体に特異的に結合させ、それにより、もしあれば、一次抗体と後続の試薬(例えば、シグナルジェネレータ又は酵素)の間に架橋を形成させることができる。例えば、一次抗体は、マウスIgG(マウスにおいて産生される抗体)であってもよく、対応する二次抗体は、マウスIgGの領域に結合することが可能な領域を有するヤギ抗マウス(ヤギにおいて産生される抗体)であってもよい。
一部の実施形態において、シグナル増幅は、いくつかの二次抗体が一次抗体上のエピトープに結合し得る場合に得ることができる。免疫染色法において、一次抗体は、この方法で使用される第一抗体であってもよく、二次抗体は、この方法で使用される二次抗体であってもよい。一部の実施形態において、一次抗体は、免疫染色法において使用する唯一の抗体であってもよい。
本発明で開示されている方法に適したシグナルジェネレータの種類は、実施される分析の特性、使用するエネルギー源及び検出器の種類、利用する不活性化剤の種類、結合剤の種類、標的の種類又は結合剤とシグナルジェネレータの間の結合様式(例えば、切断性若しくは非切断性)をはじめとする、様々な要因に依存し得る。
適切なシグナルジェネレータは、検出可能なシグナルを提供することができる分子又は化合物を包含し得る。シグナルジェネレータは、エネルギー源又は電流との相互作用の後に、特徴的なシグナルを提供することができる。エネルギー源は、電磁放射線源及び蛍光励起光源を包含していてもよい。電磁放射線源は、可視光、赤外線、及び紫外線をはじめとする、あらゆる波長の電磁エネルギーを提供することができる。電磁放射線は、直接光源の形態であってもよく、又はドナーフルオロフォアなどの発光性化合物によって放出されてもよい。蛍光励起源は、起源に蛍光を発生させることができるものであってもよく、又は光子放出を生じるものでもよい(即ち、電磁放射線、有向電場、温度、物理的接触、若しくは機械的破壊)。適切なシグナルジェネレータは、光学測定(例えば、蛍光)、電気伝導度、又は放射活性をはじめとする、様々な方法によって検出することができるシグナルを提供し得る。適切なシグナルジェネレータは、例えば、発光、エネルギー受容、蛍光、放射活性、又は消光であってもよい。
適切なシグナルジェネレータは、それが結合する成分、例えば、結合剤と立体的及び化学的に適合し得る。さらに、適切なシグナルジェネレータは、結合剤の標的への結合に干渉することがなく、結合剤の結合特異性に影響を及ぼすものでもない。適切なシグナルジェネレータは、有機の特性であっても、無機の特性であってもよい。一部の実施形態において、シグナルジェネレータは、化学的特性、ペプチド特性、又は核酸特性のものであってもよい。
適切なシグナルジェネレータは、直接的に検出することができる。直接的に検出できる部分は、例えば、別の低い波長の光による励起の後に特定波長の光を放出し、且つ/又は特定波長の光を吸収する、蛍光標識などのシグナルを放出するその能力によって直接的に検出することができるものであってもよい。
本発明で開示されている方法に適したシグナルジェネレータは、化学薬剤を適用する際の操作に従うことができる。一部の実施形態において、シグナルジェネレータは、不活性化剤に暴露した際に化学的に破壊され得る。化学的破壊は、シグナルジェネレータの完全な崩壊、又はシグナルジェネレータのシグナル形成成分の修飾を包含していてもよい。シグナル形成成分の修飾は、シグナル形成特性の修飾を生じ得る任意の化学修飾(例えば、付加、置換、又は除去)を包含していてもよい。例えば、コンジュゲートされたシグナルジェネレータを非コンジュゲート化すると、シグナルジェネレータの発色特性が破壊される可能性がある。同様に、蛍光シグナルジェネレータ上の蛍光阻害性官能基を置換すると、その蛍光特性の修飾が生じる可能性がある。一部の実施形態において、特定の化学剤による不活性化に対して実質的に耐性のある1以上のシグナルジェネレータを、提供する方法における対照プローブとして使用することができる。
一部の実施形態において、シグナルジェネレータは、発光性分子、放射性同位元素(例えば、32P又は3H、14C、125I及び131I)、光学密度又は電子密度マーカー、ラマン活性タグ、電子スピン共鳴分子(例えば、ニトロキシル基)、電荷移動分子(即ち、電荷変換分子)、半導体ナノ結晶、半導体ナノ粒子、コロイド金ナノ結晶、ミクロビーズ、磁気ビーズ、常磁性粒子又は量子ドットから選択することができる。
一部の実施形態において、シグナルジェネレータは、発光性分子を包含していてもよい。発光性分子は、特定波長の光での照射に応答して発光することができる。発光性分子は、発光(励起時の材料による電磁放射線の非発熱放出)、リン光(放射線の吸収の結果としての遅延型発光)、化学発光(化学反応による発光)、蛍光、又は偏光蛍光を介して光を吸収及び放出することができる。
一部の実施形態において、シグナルジェネレータは、本質的に、フルオロフォアを包含し得る。一部の実施形態において、シグナルジェネレータは、本質的に、例えば、免疫組織化学分析において、抗体に結合されるフルオロフォアを包含し得る。一次抗体にコンジュゲートされ得る適切なフルオロフォアとしては、限定するものではないが、フルオレセイン、ローダミン、テキサスレッド、VECTOR Red、ELF(酵素標識化蛍光)、Cy2、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy7、FluorX、Calcein、Calcein−AM、CRYPTOFLUOR、Orange(42kDa)、Tangerine(35kDa)、Gold(31kDa)、Red(42kDa)、Crimson(40kDa)、BHMP、BHDMAP、Br−Oregon、Lucifer Yellow、Alexa色素ファミリー、N−[6−(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)アミノ]カプロイル](NBD)、BODIPY、ボロンジピロメテンジフルオリド、Oregon Green、MITOTRACKER Red、フィコエリスリン、フィコビリプロテインBPE(240kDa)、RPE(240kDa)、CPC(264kDa)、APC(104kDa)、Spectrum Blue、Spectrum Aqua、Spectrum Green、Spectrum Gold、Spectrum Orange、Spectrum Red、Infra−Red(IR)色素、サイクリックGDP−リボース(cGDPR)、Calcofluor White、Lissamine、Umbelliferone、Tyrosine又はTryptophanが挙げられる。一部の実施形態において、シグナルジェネレータは、本質的に、シアニン色素を包含し得る。一部の実施形態において、シグナルジェネレータは、本質的に、1以上のCy3色素、Cy5色素、又はCy7色素を包含し得る。
一部の実施形態において、シグナルジェネレータは、FRET対の一部であってもよい。FRET対は、近くに互いに位置している場合、FRETを受けて検出可能なシグナルを形成又は消失させることが可能な2つのフルオロフォアを包含する。ドナーの一部の例としては、Alexa488、Alexa546、BODIPY493、Oyster556、Fluor(FAM)、Cy3、又はTTR(Tamra)を挙げることができる。アクセプターの一部の例としては、Cy5、Alexa594、Alexa647、又はOyster656を挙げることができる。
上記のとおり、1以上の上記分子をシグナルジェネレータとして使用することができる。一部の実施形態において、1以上のシグナルジェネレータは化学的破壊に適しておらず、切断可能なリンカーを利用してシグナルジェネレータと結合剤を会合させることができる。一部の実施形態において、1以上のシグナルジェネレータはシグナル破壊に適しており、シグナルジェネレータは、化学的に破壊され得る分子を本質的に包含し得る。一部の実施形態において、シグナルジェネレータは、酸化剤によって化学的に破壊され得るフルオロフォアを包含し得る。一部の実施形態において、シグナルジェネレータは、酸化剤によって化学的に破壊され得る、シアニン、クマリン、BODIPY、ATTO658、量子ドット又はATTO634を本質的に包含し得る。一部の実施形態において、シグナルジェネレータは、破壊又は消光され得る1以上のCy3色素、Cy5色素又はCy7色素を包含し得る。
一部の実施形態において、プローブは、酵素に結合される結合剤を含んでいてもよい。一部の実施形態において、適切な酵素は、基質の化学反応を触媒し、試料中に存在する受容体(例えば、フェノール基)又は試料が結合されている固体支持体に結合し得る反応生成物を形成する。受容体は、外因性(即ち、試料又は固体支持体に外在的に付着する受容体)であってもよいし、又は内因性(試料又は固体支持体に内在的に存在する受容体)であってもよい。単一の酵素が基質の化学反応を触媒し、標的付近の複数のシグナルジェネレータに共有結合させることができる場合、シグナル増幅が生じ得る。
一部の実施形態において、適切な酵素はまた、酸化剤によって不活性化され得る。適切な酵素の例としては、ペルオキシダーゼ、オキシダーゼ、ホスファターゼ、エステラーゼ、及びグリコシダーゼが挙げられる。適切な酵素の具体例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、リパーゼ、及びグルコースオキシダーゼが挙げられる。一部の実施形態において、酵素は、西洋ワサビペルオキシダーゼ、シトクロムCペルオキシダーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、ミクロペルオキシダーゼ、ミエロペルオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、及びダイズペルオキシダーゼから選択されるペルオキシダーゼである。
一部の実施形態において、結合剤と酵素を、単一の実体、例えば、標的へ結合することが可能であって、しかも基質の化学反応を触媒することも可能なタンパク質分子で具体化することができる。別の実施形態において、結合剤と酵素は、別々の実体で具体化することができ、共有結合形成によるか、又はリガンド−受容体コンジュゲート対(例えば、ビオチン−ストレプトアビジン)を使用することにより結合させることができる。
酵素基質は、利用する酵素と試料中又は固体支持体上での結合で利用可能な標的に応じて選択することができる。例えば、HRPが酵素として含まれる実施形態においては、基質は置換フェノール(例えば、チラミン)を含み得る。HRPのチラミンに対する反応によって、生体試料の表面タンパク質に存在する電子が豊富な部分(例えば、チロシン又はトリプトファン)又はフェノール基などの内因性受容体に結合することができる、活性化フェノール性基質が生じ得る。3−メチル−2−ベンゾチアゾリノン塩酸塩(MBTH)をHRP酵素と一緒に基質として利用することができる代替の実施形態においては、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド(DMAB)などの外因性受容体は、基質と反応させる前に、固体支持体又は生体試料に付着させることができる。
一部の実施形態において、酵素基質は、酵素との反応後に脱リン酸化することができる。脱リン酸化反応生成物は、試料又は固体支持体中の内因性又は外因性の受容体(例えば、抗体)に結合させることが可能であり得る。例えば、酵素はアルカリホスファターゼ(AP)を包含していてもよく、基質はNADP、置換ホスフェート(例えば、ニトロフェニルホスフェート)、又はリン酸化ビオチンを包含していてもよい。従って、受容体は、NAD結合タンパク質、脱リン酸化反応生成物に対する抗体(例えば、抗ニトロフェノール)、アビジン、又はストレプトアビジンを包含し得る。
一部の実施形態において、酵素はβ−ガラクトシダーゼを包含し、基質はフルオレセイン又はクマリンのβ−ガラクトピラノシル−グリコシドを包含し得る。受容体は、脱グリコシル化部分に対する抗体(例えば、抗フルオレセイン又は抗クマリン)を包含し得る。一部の実施形態において、HRP/APなどの複数の酵素の組合せを酵素として使用することができる。基質は、リン酸化置換フェノール、例えばチロシンホスフェートを包含し得るが、これはHRPと反応させる前に、APにより脱リン酸化し、フェノール基又は電子が豊富な部分をベースとする受容体に結合させることが可能な反応生成物を生成することができる。
酵素基質の反応生成物は、検出可能なシグナルを提供していることがさらに可能となり得る。一部の実施形態において、本発明で開示されている方法で利用される酵素基質は、非発色性又は非化学発光性の基質を包含し得る。即ち、酵素と酵素基質の反応は、それ自体で検出可能なシグナルを形成しなくてもよい。本明細書に開示されている方法で利用される酵素基質は、外在性シグナルジェネレータ(例えば、フルオロフォア)を標識として包含し得る。シグナルジェネレータと酵素基質は、直接的に(例えば、蛍光標識を有する酵素基質)又は間接的に(例えば、リガンド−受容体コンジュゲート対を介して)結合させることができる。一部の実施形態において、基質は、保護化官能基(例えば、スルフヒドリル基)を包含し得る。活性化基質を受容体に結合した後、官能基は、脱保護することができ、チオール反応基(例えば、マレインイミド又はヨードアセチル)を有するシグナルジェネレータを使用して、シグナルジェネレータへのコンジュゲーションを行うことができる。
一部の実施形態において、標識は西洋ワサビペルオキシダーゼを包含していてもよく、基質は置換フェノール類(例えば、チラミン)から選択される。一部の実施形態において、西洋ワサビペルオキシダーゼは、活性化フェノール基質を、試料中に存在するフェノール基又は試料が結合されている固体支持体に共有結合させる。一部の実施形態において、プローブは、HRPに結合される結合剤を包含し、基質は、フルオロフォアに結合したチラミンを包含し得る。
化学薬剤は、シグナルジェネレータ、酵素、又はシグナルジェネレータと結合剤若しくは酵素基質の間の切断可能なリンカー(存在する場合)を修飾することができる化学薬剤又は化学物質を包含し得る。化学薬剤は、固体、溶液、ゲル又は懸濁液の形態の試料と接触させることができる。
一部の実施形態において、化学薬剤としては、酸化剤、例えば、活性酸素種、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素、過酸化水素、オゾンを挙げることができる。一部の実施形態において、化学薬剤としては、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、重クロム酸ナトリウム、臭素水溶液、ヨウ素−ヨウ化カリウム、又はt−ブチルヒドロペルオキシドを挙げることができる。
前述の1以上の化学薬剤は、化学薬剤に対するシグナルジェネレータ、酵素、結合剤、標的、又は生体試料の感受性に応じて、本発明で開示されている方法において使用することができる。一部の実施形態において、結合剤、標的及び生体試料の完全性に本質的に影響を及ぼさない化学薬剤を利用することができる。一部の実施形態において、結合剤と標的の間の結合特異性に影響を及ぼさない化学薬剤を利用することができる。一部の実施形態において、シグナルの強度値(例えば、蛍光強度)を測定することができ、生体試料中の標的の量に相関させることができる。
標的の量とシグナル強度の間の相関性は、較正基準を使用して決定することができる。一部の実施形態において、第1及び第2のシグナルの強度値を測定し、それぞれの標的量に相関させることができる。一部の実施形態において、2つのシグナル強度を比較することによって、第1の標的と第2の標的の(相互に対する又は対照に対する)相対量を確定することができる。同様に、複数のプローブを使用して複数の標的を分析することができる場合、異なる標的の生体試料中の相対量は、異なるシグナル強度を測定することによって決定することができる。一部の実施形態において、1以上の対照試料は、上記に記載のように使用することができる。
試料中のシグナルの(対象の生体試料の対照に対する)存在又は非存在を観測することによって、生体試料に関する情報を得ることができる。例えば、疾患の組織試料を正常な組織試料に対して比較することにより、疾患の組織試料中に存在する標的に関する情報を得ることができる。同様に、試料間(即ち、対象の試料と1以上の対照)のシグナル強度を比較することによって、試料中の標的の発現に関する情報を得ることができる。
一部の実施形態において、生体試料中のシグナルの位置を観測することができる。一部の実施形態において、生体シグナル中のシグナルの局在化は、形態染色を使用して観測することができる。一部の実施形態において、2以上のシグナルの相対位置を観測することができる。シグナルの位置は、生体試料中の標的の位置に相関させることができ、生体試料中の異なる標的の局在化に関する情報を得ることができる。一部の実施形態において、シグナルの強度値とシグナルの位置を相関させ、生体試料中の異なる標的の局在化に関する情報を得ることができる。例えば、特定の標的は、核と比べると細胞質でより多く発現され得る。またその逆もある。一部の実施形態において、標的の相対的な局在化に関する情報は、2以上のシグナルの位置及び強度値を比較することによって得ることができる。
具体的なコンピュータシステム及びネットワーク環境
本発明において開示したシステム及び方法は、1以上のプログラム可能な処理ユニットを包含しており、それは、1以上の非一時的なコンピュータ可読媒体、RAM、ROM、ハードドライブ、及び/又はハードウェア上に保持されている、関連の実行可能な命令を有し得る。具体的な実施形態において、ハードウェア、ファームウェア、及び/又は実行可能なコードは、例えば、既存のインフラストラクチャー(例えば、既存のデバイス/処理ユニット)と組合せて使用するためのアップグレードモジュール(複数可)として提供することができる。ハードウェアは、例えば、演算プロセスとして本発明で教示した実施形態を実施するためのコンポーネント及び/又は論理回路を包含することができる。
またディスプレイ及び/又は他のフィードバックコンポーネントも、例えば、本開示による、グラフィカルユーザーインターフェイスを提供するために包含することができる。ディスプレイ及び/又は他のフィードバックコンポーネントは独立型の装置であってもよいし、処理ユニット(複数可)の1以上のコンポーネント/モジュールとして包含することもできる。具体的な実施形態において、ディスプレイ及び/又は他のフィードバックコンポーネントを使用し、生体組織試料の実視野の形態学的及び統計的表示の両方を同時に記載することができる。
本実施形態の一部の実施に使用することができる実際のソフトウェアコード又は制御ハードウェアは、こうした実施形態の範囲を限定するものではない。例えば、本発明に記載されている実施形態の特定の態様は、例えば、従来のプログラミング技術又はオブジェクト指向プログラミング技術を使用し、例えば、アセンブリコードのC、C#又はC++などのあらゆる適切なプログラミング言語の種類を用いるコードで実行することができる。こうしたコードは、あらゆる種類の適切な非一時的コンピュータ可読媒体又は媒体類、例えば、磁気媒体又は光保存媒体上に保存又は保持される。
本明細書で使用する場合、「プロセッサ」、「処理ユニット」、「コンピュータ」又は「コンピュータシステム」は、例えば、様々なワイヤレス又はワイヤーラインのマイクロコンピュータ、ミニコンピュータ、サーバー、メインフレーム、ラップトップ、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メールデバイス(例えば、「BlackBerry」、「Android」又は「Apple」などのトレード表示されたデバイス)、携帯電話、ポケットベル、プロセッサ、ファックス、スキャナ、又はネットワークを介して送受信データに設定される他のあらゆるプログラマブルデバイスであってもよい。本発明で開示されているコンピュータシステムは、データの取得、処理及び通信に使用される特定のソフトウェアアプリケーションを保存するメモリーを包含することができる。こうしたメモリーは、開示した実施形態の内部又は外部にあってもよいことは理解されよう。またメモリーとしては、ソフトウェアを格納するための非一時的保存媒体、例えば、ハードディスク、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、ROM(リードオンリーメモリー)、RAM(ランダムアクセスメモリー)、PROM(プログラマブルROM)、EEPROM(電気的に消去可能なPROM)、フラッシュメモリー保存デバイスなどが挙げられる。
図8は、システムの実行に使用可能な具体的な演算デバイス1000と本発明で開示されている方法を表すブロック図を示す。演算デバイス1000は、あらゆるコンピュータシステムであってよく、例えば、ワークステーション、デスクトップコンピュータ、サーバー、ラップトップ、ハンドヘルドコンピュータ、タブレットコンピュータ(例えば、iPad(商標)タブレットコンピュータ)、モバイル演算又は通信デバイス(例えば、iPhone(商標)モバイル通信デバイス、Android(商標)モバイル通信デバイスなど)、又は、通信が可能であって、本発明に記載されている操作を実施するのに十分なプロセッサ電力及びメモリー容量を有する、演算又は通信デバイスの他の形態である。具体的な実施形態において、分散型コンピュータシステムは、複数のこうした演算デバイスを含んで提供することができる。
演算デバイス1000は、本明細書に記載の具体的な方法を実現するための1以上のコンピュータ実装可能命令又はソフトウェアがその上にコードされている、1以上の非一時的なコンピュータ可読媒体を包含する。非一時的なコンピュータ可読媒体としては、限定するものではないが、ハードウェアメモリー、及び他の有形媒体(例えば、1以上の磁気保存ディスク、1以上の光ディスク、1以上のUSBフラッシュドライブ)などの1以上の種類を挙げることができる。例えば、演算デバイス1000に含まれているメモリー1006は、本発明に記載されているグラフィカルユーザーインターフェイスを実行するコンピュータ可読及びコンピュータ実装可能命令又はソフトウェアを格納していてもよい。また演算デバイス1000は、プロセッサ1002及び関連コア1004も包含し、一部の実施形態においては、メモリー1006に格納されているコンピュータ可読及びコンピュータ実装可能命令又はソフトウェア及び制御システムハードウェア用の他のプログラムを実行するための1以上の追加のプロセッサ(複数可)1002’及び関連コア(複数可)1004’(例えば、複数のプロセッサ/コアを有するコンピュータシステムの場合)を包含する。プロセッサ1002及びプロセッサ(複数可)1002’はそれぞれ単一のコアプロセッサであってもよいし、複数のコア(1004及び1004’)プロセッサであってもよい。
演算デバイス中のインフラストラクチャー及びリソースが動的に共有され得るように、演算デバイス1000に仮想化を利用することができる。プロセスが複数の演算リソースではなく単一の演算リソースを使用しているように見えるように、仮想マシン1014を提供して、複数のプロセッサ上で実行中のプロセスを処理することができる。多重仮想マシンを1台のプロセッサで使用することもできる。
メモリー1006は、コンピュータシステムメモリー又はランダムアクセスメモリー、例えば、DRAM、SRAM、EDO RAMなどを包含していてもよい。メモリー1006は、別の種類のメモリーだけでなく、それらの組合せを包含していてもよい。
利用者は、本発明に記載されている具体的な実施形態に従って提供される1以上のグラフィカルユーザーインターフェイス1020を表示することができる、スクリーン又はモニターなどの視覚ディスプレイデバイス1018を介して演算デバイス1000と交信することができる。また視覚的なディスプレイデバイス1018は、他の態様、要素及び/又は具体的な実施形態に関連した情報若しくはデータを表示することもできる。演算デバイス1000は、利用者からの入力を受信するための他のI/Oデバイス、例えば、キーボード又は任意の適切なマルチポイントタッチインターフェイス1008、ポインティングデバイス1010(例えば、マウス、ディスプレイデバイスと直接インターフェイスする利用者の指など)を包含していてもよい。キーボード/マルチポイントタッチインターフェイス1008及びポインティングデバイス1010は、視覚ディスプレイデバイス1018に接続することができる。演算デバイス1000は、他の適切な従来のI/O周辺装置を包含していてもよい。I/Oデバイスは、1以上のグラフィカルユーザーインターフェイス1020の実行、例えば、本発明に記載されている具体的な実施形態に関するグラフィカルユーザーインターフェイスの1以上の選択コンポーネント(例えば、視野選択コンポーネント、バイオマーカー選択コンポーネント、バイオマーカー発現レベル基準選択コンポーネント、形態特性選択コンポーネントなど)の実行を容易にすることができる。
演算デバイス1000は、本発明で教示した具体的な実施形態を実行するデータ及びコンピュータ可読命令及び/又はソフトウェアを格納するための1以上の保存デバイス1024、例えば、耐久性のあるディスク保存デバイス(これには適切なあらゆる耐久性のある光学性又は磁気性保存デバイス、例えばRAM、ROM、フラッシュ、USBドライブ、又は他の半導体ベースの保存媒体が含まれ得る)、ハードドライブ、CD−ROM、又は他のコンピュータ可読媒体を包含することができる。具体的な実施形態において、1以上の保存デバイス1024は、本開示のシステム及び方法によって作成され得るデータの保存を提供することができる。例えば、保存デバイス1024は、イメージデータの保存及び/又はデータ分析の保存(例えば、画像の区分化結果などの本発明に記載されているすべての画像又は統計分析のパラメーターの結果に関する保存)を提供することができる。1以上の保存デバイス1024は、本発明に記載されている1以上の方法に関係しているコンピュータ可読命令に関する保存をさらに提供することができる。1以上の保存デバイス1024は演算デバイス1000上で提供することができ、かつ/又は演算デバイス1000とは個別に、又は遠隔的に提供することができる。
演算デバイス1000は、様々な接続、例えば、限定するものではないが、標準の電話線、LAN又はWANリンク(例えば、802.11、T1、T3、56kb、X.25)、ブロードバンド接続(例えば、ISDN、Frame Relay、ATM)、ワイヤレス接続、コントローラーエリアネットワーク(CAN)、又は上記のいずれか又は全部のいくつかの組合せを介する、1以上のネットワーク、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)又はインターネットと、1以上のネットワークデバイス1022を介して接続するように構成されたネットワークインターフェイス1012を包含することができる。ネットワークインターフェイス1012は、内蔵ネットワークアダプタ、ネットワークインターフェイスカード、PCMCIAネットワークカード、カードバスネットワークアダプタ、ワイヤレスネットワークアダプタ、USBネットワークアダプタ、モデム又は通信可能であって、本発明に記載されている操作を実施可能な任意の種類のネットワークに演算デバイス1000を接続するのに適した他のデバイスを包含することができる。ネットワークデバイス1022は、ネットワークを介して通信を送受信するのに適した1以上のデバイス、例えば、限定するものではないが、1以上の受信機、1以上の送信機、1以上のトランシーバ、1以上のアンテナなどを包含することができる。
演算デバイス1000は、任意のオペレーティングシステム1016、例えば、任意のバージョンのMicrosoft(登録商標) Windows(登録商標)オペレーティングシステム、異なるリリースのUnix(登録商標)及びLinux(登録商標)オペレーティングシステム、Macintoshコンピュータ用の任意のバージョンのMacOS(登録商標)、任意の組み込みオペレーティングシステム、任意のリアルタイムオペレーティングシステム、任意のオープンソースオペレーティングシステム、任意の独自のオペレーティングシステム、モバイル演算デバイス用の任意のオペレーティングシステム、又は、演算デバイスで実行可能であって、本発明に記載されている操作を実施可能な他の任意のオペレーティングシステムを実行することができる。具体的な実施形態において、オペレーティングシステム1016は、ネイティブモード又はエミュレートモードで実行することができる。具体的な実施形態において、オペレーティングシステム1016は、1以上のクラウドマシンのインスタンス上で実行することができる。
図9は、本発明で開示されている実施形態の実行に適した具体的なネットワーク環境2000を示す。ネットワーク環境2000は、通信ネットワーク2010を介して1以上のクライアント2006及び2008に接続されている1以上のサーバー2002及び2004を包含することができる。特に、1以上のそれぞれのサーバー2002及び2004と、1以上のクライアント2006及び2008は、図8に関して説明したように、演算デバイス1000として実行することができる。したがって、1以上のそれぞれのサーバー2002及び2004と、1以上のクライアント2006及び2008は、通信ネットワーク2010を介してサーバー2002及び2004がクライアント2006及び2008と通信できるようにする、ネットワークインターフェイス1012及びネットワークデバイス1022を包含することができる。通信ネットワーク2010としては、限定するものではないが、インターネット、イントラネット、LAN(ローカルエリアネットワーク)、WAN(ワイドエリアネットワーク)MAN(メトロポリタンエリアネットワーク)、ワイヤレスネットワーク、光ネットワークなどを挙げることができる。通信ネットワーク2010によって提供される通信機器は、本発明に開示されている協調的分析及び研究成果をサポートすることができる。
具体的な実施形態において、協調エンティティは、1以上のサーバー2002、2004に遠隔的にアクセスするように1以上のクライアント2006、2008を利用することができる。サーバー2002及び2004は、有利には、本開示のシステム及び方法に関係するデータを保存し、アクセスし、共有し、分析する(例えば、検証する)ためのクラウド環境を提供することができる。また1以上のサーバー2006、2008は、有利には、例えば、本発明で開示されているような、ユーザーインターフェイスの作成及び/又はデータ分析に関係する1以上のモジュールを実行するためのコンピュータ可読命令を特徴とする1以上のアプリケーションに関連付けることもできる。1以上のアプリケーションは、1以上のクライアント2006及び2008にアクセスし、遠隔的に実行することができるのが有利である。具体的な実施形態において、1以上のアプリケーションの配布は、ライセンス契約などの特定条件に従う場合がある。
本発明のいくつかの具体的な実施形態をこのように記載してきたが、様々な変更、改変及び改良が容易に行われることは、当業者には明らかであろう。こうした変更、改変及び改良は本開示の一部であるものとし、本発明の範囲内にあることを意図している。したがって、前述の記載及び図面は単なる一例である。

Claims (28)

  1. 組織試料中の生物学的単位を表す画像データを処理するコンピュータ実装方法であって、コンピュータがプロセッサを含み、
    プロセッサにより、組織試料が免疫蛍光(IF)形態学的マーカーで染色されている、IF形態学的マーカー由来のシグナルを含有する組織試料の第1の画像を受信し、
    プロセッサにより、組織試料が蛍光プローブでインサイツハイブリダイズされている、蛍光プローブ由来のシグナルを含有する同一組織試料の第2の画像を受信し、
    プロセッサにより、第1の画像中のIF形態学的マーカー由来の平均シグナル強度に基づいて、少なくとも2つのクラスの1つに組織試料中のそれぞれの生物学的単位を分類し、
    プロセッサにより、第2の画像において組織試料の蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)分析を実施してそこから結果を取得し、
    プロセッサにより、FISH分析の結果をフィルタリングして少なくとも2つのクラスの1つだけに分類される生物学的単位に関係する結果のサブセットを得る
    ことを含む方法。
  2. 少なくとも2つのクラスが上皮及び非上皮を包含する、請求項1記載の方法。
  3. プロセッサにより、第1の画像中のIF形態学的マーカー由来のシグナルの位置を第2の画像中の蛍光プローブ由来のシグナルの位置とともに登録して登録画像を得ることをさらに含む、請求項1記載の方法。
  4. プロセッサにより、第2の画像を区分化して第2の画像中の蛍光プローブ由来のシグナルの位置に基づいて組織試料中の核を同定することをさらに含む、請求項3記載の方法。
  5. それぞれの生物学的単位が組織試料において同定される各々の核に対応する、請求項4記載の方法。
  6. 核を区分化することが、プロセッサにより、第2の画像にウェーブレット変換を施すことを包含する、請求項4記載の方法。
  7. プロセッサにより、第2の画像中の核から得た閾値距離地図から作成されるボロノイ分割及び環を作成することをさらに含み、それぞれ各々の環に組織試料中のただ1つの核を少なくとも部分的に取り囲むようにさせる、請求項6記載の方法。
  8. 第2の画像においてボロノイ分割を作成することによって、それぞれの環によって定められたマスクにより拡張されるボロノイ分割のシードとして組織試料で同定された核を使用して第2の画像からローカルバックグラウンド領域を作成することができる、請求項7記載の方法。
  9. IF形態学的マーカーがサイトケラチン(CK)タンパク質を標的とするように構成されており、大津の閾値処理法を併用して閾値を使用して第1の画像を閾値化し、第1の画像中の上皮領域の最小強度レベルを評価することをさらに含む、請求項7記載の方法。
  10. それぞれの生物学的単位の分類における変化を観測しながら、利用者によって閾値を双方向性に変化させることをさらに含む、請求項9記載の方法。
  11. それぞれの核が、核を取り囲む環内の平均サイトケラチン(CK)強度を演算し、その平均CK強度を上皮領域の評価された最小強度レベルと比較することにより、上皮又は非上皮のものとして分類される、請求項9記載の方法。
  12. IF形態学的マーカーが4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)染色剤を包含する、請求項1記載の方法。
  13. IF形態学的マーカーがサイトケラチン(CK)タンパク質及びヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)タンパク質の少なくとも1つを標的とするように構成される、請求項1記載の方法。
  14. 蛍光プローブがHER2遺伝子及び17番染色体セントロメアリピートの少なくとも1つに結合するように構成される、請求項1記載の方法。
  15. コンピュータによって実行された場合に、
    組織試料が免疫蛍光(IF)形態学的マーカーで染色されている、IF形態学的マーカー由来のシグナルを含有する組織試料の第1の画像を受信し、
    組織試料が蛍光プローブでインサイツハイブリダイズされている、蛍光プローブ由来のシグナルを含有する同一組織試料の第2の画像を受信し、
    第1の画像中のIF形態学的マーカー由来の平均シグナル強度に基づいて、少なくとも2つのクラスの1つに組織試料中の各生物学的単位を分類し、
    第2の画像において組織試料の蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)分析を実施してそこから結果を取得し、
    FISH分析の結果をフィルタリングして上皮のみと分類される生物学的単位に関係する結果のサブセットを得る
    ことをコンピュータにさせる、コンピュータ実装可能命令を格納している、非一時的なコンピュータ可読媒体。
  16. コンピュータによって実行された場合に、
    第1の画像中のIF形態学的マーカー由来のシグナルの位置を第2の画像中の蛍光プローブ由来のシグナルの位置とともに登録して登録画像を得る
    ことをコンピュータにさせる、コンピュータ実装可能命令をさらに含む、請求項15記載のコンピュータ可読媒体。
  17. コンピュータによって実行された場合に、
    第2の画像を区分化して第2の画像中の蛍光プローブ由来のシグナルの位置に基づいて組織試料中の核を同定させる
    ことをコンピュータにさせる、コンピュータ実装可能命令をさらに含む、請求項16記載のコンピュータ可読媒体。
  18. 組織試料中の生物学的単位を表す画像データを処理するためのシステムであって、
    プロセッサ;
    プロセッサと電気通信されており、画像データを受信するように構成されている入力;及び、
    プロセッサと電気通信されているメモリー
    を含み、メモリーが、プロセッサによって実行された場合に、
    組織試料が免疫蛍光(IF)形態学的マーカーで染色されている、IF形態学的マーカー由来のシグナルを含有する組織試料の第1の画像を受信し、
    組織試料が蛍光プローブでインサイツハイブリダイズされている、蛍光プローブ由来のシグナルを含有する同一組織試料の第2の画像を受信し、
    第1の画像中のIF形態学的マーカー由来の平均シグナル強度に基づいて少なくとも2つのクラスの1つに組織試料中のそれぞれの生物学的単位を分類し、
    第2の画像において組織試料の蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)分析を実施してそこから結果を取得し、
    FISH分析の結果をフィルタリングして少なくとも2つのクラスの1つだけに分類される生物学的単位に関係する結果のサブセットを得る
    ことをプロセッサにさせる、コンピュータ実装可能命令を包含する、システム。
  19. 少なくとも2つのクラスが上皮及び非上皮を包含する、請求項18記載のシステム。
  20. メモリーが、プロセッサによって実行された場合に、
    第1の画像中のIF形態学的マーカー由来のシグナルの位置を第2の画像中の蛍光プローブ由来のシグナルの位置とともに登録して登録画像を得る
    ことをプロセッサにさせる、コンピュータ実装可能命令をさらに包含する、請求項18記載のシステム。
  21. メモリーが、プロセッサによって実行された場合に、
    第2の画像を区分化して第2の画像中の蛍光プローブ由来のシグナルの位置に基づいて組織試料中の核を同定する
    ことをプロセッサにさせる、コンピュータ実装可能命令をさらに包含する、請求項20記載のシステム。
  22. それぞれの生物学的単位が組織試料で同定される各々の核に対応する、請求項21記載のシステム。
  23. メモリーが、プロセッサによって実行された場合に、第2の画像にウェーブレット変換を施して組織試料中の核を区分化することをプロセッサにさせる、コンピュータ実装可能命令をさらに包含する、請求項21記載のシステム。
  24. メモリーが、プロセッサによって実行された場合に、第2の画像中の核から得た閾値距離地図から作成されるボロノイ分割及び環を作成することをプロセッサにさせる、コンピュータ実装可能命令をさらに包含し、それぞれ各々の環に組織試料中のただ1つの核を少なくとも部分的に取り囲むようにさせる、請求項23記載のシステム。
  25. メモリーが、プロセッサによって実行された場合に、それぞれの環によって定められたマスクにより拡張されるボロノイ分割のシードとして組織試料で同定された核を使用して第2の画像からローカルバックグラウンド領域を作成することをプロセッサにさせる、コンピュータ実装可能命令をさらに包含する、請求項23記載のシステム。
  26. IF形態学的マーカーが4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)染色剤を包含する、請求項18記載のシステム。
  27. IF形態学的マーカーがサイトケラチン(CK)タンパク質及びヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)タンパク質の少なくとも1つを標的とするように構成される、請求項18記載のシステム。
  28. 蛍光プローブがHER2遺伝子及び17番染色体セントロメアリピートの少なくとも1つに結合するように構成される、請求項18記載のシステム。
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