JP2016502531A - ジヒドロ−ピリド−オキサジン誘導体の固体形態 - Google Patents

ジヒドロ−ピリド−オキサジン誘導体の固体形態 Download PDF

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Abstract

本発明は、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態;これらの形態を含む医薬組成物および組合せ、ならびに疾患の治療のためのこれらの医薬組成物および組合せを含む、これらの形態を使用する方法に関する。

Description

本発明は、ジヒドロ−ピリド−オキサジン誘導体の新規な固体形態、その調製のための方法および医薬組成物におけるその使用に関する。
WO2013/093849として公開された国際特許出願第PCT/IB2012/057554号は、PI3K酵素の活性が媒介する障害または疾患の治療に適したジヒドロ−ベンゾ−オキサジンおよびジヒドロ−ピリド−オキサジン誘導体を開示している。PCT/IB2012/057554は、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノン、およびこの化合物を作製する方法を開示している。
これらの化合物は、単独で、または1種もしくは複数の他の薬理学的活性化合物と組み合わせて、限定はされないが、自己免疫障害、炎症性疾患、アレルギー性疾患、気道疾患、例えば、喘息およびCOPD、移植片拒絶、例えば、造血起源の癌または固形腫瘍を含む、PI3Kが関連する疾患の治療のために有用である。
これらの化合物はまた、単独で、または1種もしくは複数の他の薬理学的活性化合物と組み合わせて、状態、疾患または障害、例えば、自己免疫障害、炎症性疾患、アレルギー性疾患、気道疾患、例えば、喘息およびCOPD、移植片拒絶;関節リウマチ、尋常性天疱瘡、特発性血小板減少性紫斑病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、シェーグレン症候群、自己免疫性溶血性貧血、ANCAが関連する血管炎、寒冷グロブリン血症、血栓性血小板減少性紫斑病、慢性自己免疫性じんま疹、アレルギー(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)、グッドパスチャー症候群、AMR(抗体が媒介する移植片拒絶)、B細胞が媒介する超急性、急性および慢性の移植片拒絶、ならびに限定はされないが、多発性骨髄腫;白血病;急性骨髄性白血病;慢性骨髄性白血病;リンパ球性白血病;骨髄性白血病;非ホジキンリンパ腫;リンパ腫;真性赤血球増加症;本態性血小板血症;骨髄様化生を伴う骨髄線維症;およびワルデンシュトレーム病を含む造血起源の癌を含み、抗体産生、抗原提示、サイトカイン産生またはリンパ組織形成が異常であるか、または望ましくないもの;より適切には、関節リウマチ(RA)、尋常性天疱瘡(PV)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、後天性血友病A型(AHA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症(MG)、シェーグレン症候群(SS)、ANCAが関連する血管炎、寒冷グロブリン血症、慢性自己免疫性じんま疹(CAU)、アレルギー(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)、グッドパスチャー症候群、移植片拒絶および造血起源の癌、ならびに疾患または感染症が関連する免疫病理、例えば、重症および脳マラリア、トリパノソーマ症、リーシュマニア症、トキソプラズマ症および神経嚢虫症の治療のために有用である。
本発明は、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態;この形態を含む医薬組成物および組合せに関する。本発明はさらに、PI3K酵素の活性、好ましくは、PI3Kδイソ型の活性が媒介する疾患の治療のための、その医薬組成物および組合せを含む、この形態を使用する方法に関する。
特定の薬物の活性医薬成分(API)の結晶形態は、薬物の調製の容易さ、吸湿性、安定性、溶解性、保存安定性、製剤の容易さ、胃腸液における溶解の速度、およびインビボでのバイオアベイラビリティーの重要な決定要因であることが多いことは周知である。結晶形態が起こり、ここでは同じ物質組成が異なる格子配列で結晶化し、特定の結晶形態に特異的な異なる熱力学的特性および安定性をもたらす。結晶形態はまた、同じ化合物の異なる水和物または溶媒和物を含み得る。どの形態が好ましいかを決定することにおいて、形態の多数の特性を比較し、多くの物理的特性の可変部分に基づいて好ましい形態を選択する。特定の態様、例えば、調製の容易さ、安定性などが決定的であると認められるある環境において、1つの形態が好ましくあり得ることが全体的に可能である。他の状況において、より速い溶解速度および/またはより優れたバイオアベイラビリティーのために、異なる形態が好ましくてもよい。特定の化合物が多形を形成するかどうか、任意のこのような多形が治療組成物で商業的使用に適しているかどうか、またはどのような多形がこのような望ましい特性を示すかを予想することはまだ可能ではない。
実施例F1、結晶性無水形態のX線粉末回折パターンである。 実施例F1、結晶性無水形態の示差走査熱量測定グラフである。
一実施形態において、本発明は、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態に関する。
別の実施形態において、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態は、2シータ度+/−0.2度において得られる下記のピーク:9.1、10.2、11.9、13.0、17.1、17.7、18.7、20.3、20.8、26.0、26.7、23.2、24.1、24.8、29.3、27.4、および21.4を含むX線粉末回折パターンを特徴とする。
別の実施形態において、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態は、図1に示すX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線回折スペクトルを有する。
別の実施形態において、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態は、図2に示す示差走査熱量測定グラフと実質的に同じ示差走査熱量測定グラフを有する。
他に特定しない限り、用語「本発明の形態」は、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態を指す。
本明細書の上および下で使用される一般用語は好ましくは、他に示さない限り、この開示の文脈内で下記の意味を有する。
本発明は、以下の用語集および結びの実施例を含む以下の説明を参照してより完全に理解することができる。本明細書で使用される場合、用語「含むこと(including)」、「含有すること(containing)」および「含むこと(comprising)」は、オープンな、限定されない意味で、本明細書で使用される。
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される担体」には、当業者に知られている、任意の全ての溶媒、分散媒、コーティング剤、界面活性剤、抗酸化剤、保存剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬物安定剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、染料などおよびこれらの組合せが含まれる(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第18版 Mack Printing Company, 1990, 1289-1329ページを参照されたい)。任意の通常の担体が、活性成分と相溶性がない場合を除いて、治療または医薬組成物におけるその使用が考えられる。本発明の化合物の用語「治療有効量」は、対象の生物学的または医学的反応、例えば、酵素もしくはタンパク質活性の低減もしくは阻害を誘発し、または症状を寛解し、状態を軽減し、疾患の進行を遅くしもしくは遅延させ、または疾患などを予防する本発明の化合物の量を指す。1つの非限定的な実施形態において、用語「治療有効量」は、対象に投与したとき、(1)(i)PI3Kが媒介し、または(ii)PI3K活性と関連し、または(iii)PI3Kの活性(正常もしくは異常)によって特徴付けられる、状態、または障害または疾患を少なくとも部分的に軽減し、阻害し、予防しかつ/または寛解させ、あるいは(2)PI3Kの活性を低減または阻害し、あるいは(3)PI3Kの発現を低減または阻害するのに有効な本発明の化合物の量を指す。別の非限定的な実施形態において、用語「治療有効量」は、細胞、または組織、または細胞ではない生物学的材料、または培地に投与されたとき、PI3Kの活性を少なくとも部分的に低減もしくは阻害する;またはPI3Kの発現を少なくとも部分的に低減もしくは阻害するのに有効な本発明の化合物の量を指す。PI3Kについての上記の実施形態において例示したような用語「治療有効量」の意味はまた、任意の他の関連性のあるタンパク質/ペプチド/酵素に同じ意味で適用される。
本明細書で使用される場合、用語「対象」は、動物を指す。典型的には、動物は哺乳動物である。対象は、例えば、霊長類(例えば、ヒト、男性または女性)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚、鳥なども指す。特定の実施形態において、対象は霊長類である。さらに別の実施形態において、対象はヒトである。
本明細書で使用される場合、用語「阻害する」、「阻害」または「阻害すること」は、
所与の状態、症状、もしくは障害、もしくは疾患の低減もしくは抑制、または生物学的活動もしくは過程の基本的活動における著しい減少を指す。
本明細書で使用される場合、任意の疾患または障害の用語「治療する」、「治療すること」または「治療」は、一実施形態において、疾患または障害を改善すること(即ち、疾患の進行またはその臨床症状の少なくとも一つを遅らせることまたは阻むことまたは減少させること)を指す。別の実施形態において、「治療する」、「治療すること」または「治療」は、患者によって認識され得ない場合もあるものを含む、少なくとも一つの身体的パラメーターを軽減することまたは改善することを指す。さらに別の実施形態において、「治療する」、「治療すること」または「治療」は、身体的(例えば、認識できる症状の安定化)、生理的(例えば、身体的パラメーターの安定化)のいずれかで、または両方で、疾患または障害を調節することを指す。さらに別の実施形態において、「治療する」、「治療すること」または「治療」は、疾患または障害の発症または発現または進行を防止することまたは遅らせることを指す。
本明細書で使用される場合、対象が、生物学的、医学的または生活の質において、治療から利益を得る場合、このような対象は、このような治療を「必要とする」。
本明細書で使用される場合、本発明の文脈で、特に特許請求の範囲の文脈で使用される用語「a」、「an」、「the」および類似の用語は、本明細書で他に指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を含むものと解釈されるべきである。
本明細書に記載された全ての方法は、本明細書で他に指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書に提供される任意の全ての例、または例示的な言葉、例えば「〜などの」の使用は、単に本発明をより明らかにするよう意図されており、別に特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に制限を課すものではない。
別の態様において、本発明は、本発明の形態および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、経口投与、非経口投与、および直腸投与などの特定の投与経路のために製剤化することができる。加えて、本発明の医薬組成物は、固体形態(無制限に、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤もしくは坐剤を含む)に、または液体形態(無制限に、溶液剤、懸濁液剤もしくは乳濁液剤を含む)に作ることができる。医薬組成物は、滅菌などの通常の製薬工程にかけることができ、かつ/または通常の不活性希釈剤、滑沢剤、または緩衝剤、ならびにアジュバント、例えば、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝液などを含有することができる。
典型的に、医薬組成物は、
a)希釈剤、例えば、乳糖、デキストロース、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/もしくはグリシン;
b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルカム、ステアリン酸、そのマグネシウムもしくはカルシウム塩および/もしくはポリエチレングリコール;錠剤についてはさらに
c)結合剤、例えば、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/もしくはポリビニルピロリドン;必要に応じて
d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または発泡混合物;ならびに/または
e)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤
と一緒に活性成分を含む錠剤またはゼラチンカプセル剤である。
錠剤は、当技術分野で知られている方法に従って、フィルムコーティングまたは腸溶コーティングすることができる。
経口投与に好適な組成物は、錠剤、ロゼンジ剤、水性もしくは油性懸濁液剤、分散性散剤、もしくは顆粒剤、乳濁液剤、硬質もしくは軟質カプセル剤、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤の形態で、有効量の本発明の形態を含む。経口使用を目的とした組成物は、医薬組成物の製造のための当技術分野で知られている任意の方法に従って調製し、このような組成物は、薬学的に上質で味のよい製剤を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1種または複数の薬剤を含有することができる。錠剤は、錠剤の製造に適する、非毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合物として活性成分を含有することができる。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;造粒剤および崩壊剤、例えば、コーンスターチ、またはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア;および滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクである。錠剤は、コーティングされていないか、または崩壊および消化管中での吸収を遅らせ、それにより長期にわたって持続作用を提供するために、既知の技術によってコーティングされている。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料が使用され得る。経口使用のための製剤は、活性成分が、不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合された硬質ゼラチンカプセル剤として、または活性成分が、水もしくは油性媒体、例えば、ラッカセイ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合された軟質ゼラチンカプセル剤として提供することができる。
特定の注射用組成物は、水性等張液または懸濁液であり、坐剤は、脂肪乳濁液または懸濁液から有利に調製される。前記組成物は、滅菌することができ、かつ/またはアジュバント、例えば保存剤、安定剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤(solution promoter)、浸透圧を調節するための塩および/または緩衝液を含有することができる。加えて、それらは、他の治療上有益な物質を含有することもできる。前記組成物は、それぞれ、通常の混合、造粒またはコーティング法に従って調製され、約0.1〜75%、または約1〜50%の活性成分を含有する。
経皮投与に適する組成物は、好適な担体と共に、有効量の本発明の形態を含む。経皮送達に適する担体は、宿主の皮膚を通した通過を助けるための吸収性の薬理学的に許容される溶媒を含む。例えば、経皮デバイスは、基材、場合によって担体と共に、場合によって、長期間にわたって制御された所定の速度で、宿主の皮膚の化合物を送達するための速度調節バリアと共に、化合物を含有する貯留層、および皮膚にデバイスを固定するための手段を含む包帯の形態をしている。
局所適用、例えば、皮膚および眼に適した組成物には、水溶液剤、懸濁液剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤または、例えばエアゾールによる送達用のスプレー可能な製剤などが含まれる。このような局所送達系は、例えば、皮膚癌の治療のための、例えば、日焼け止めクリーム剤、ローション剤、スプレー剤などにおける予防的使用のための皮膚適用に特に適する。したがって、それらは、当技術分野で周知の、化粧品を含む局所製剤における使用に特に適している。このような組成物は、可溶化剤、安定剤、張性増強剤、緩衝剤および保存剤を含有することができる。
本明細書で使用される局所適用は、吸入または鼻腔内適用に属してもよい。それらは、好適な噴射剤の使用を用いるまたは用いない、乾燥粉末吸入器または加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーもしくはネブライザーからのエアゾールスプレー提示からの、乾燥粉末(混合物、例えば乳糖とのドライブレンドとして単独で、または、例えばリン脂質との混合成分粒子)の形態で好都合に送達することができる。
水が、特定の化合物の分解を促進することがあるので、本発明は、活性成分として本発明の形態を含む無水医薬組成物および剤形をさらに提供する。
本発明の無水医薬組成物および剤形は、無水または低水分含有成分および低水分または低湿度条件を使用して調製することができる。無水医薬組成物は、その無水性が保たれるように調製し貯蔵することができる。したがって、無水組成物は、それらが、好適な処方キットに含まれ得るように、水への曝露を防ぐことが知られている材料を使用して包装される。好適な包装の例には、限定はされないが、密閉されたホイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、およびストリップパックが含まれる。
本発明は、活性成分としての本発明の形態が分解する速度を減少させる1種または複数の薬剤を含む医薬組成物および剤形をさらに提供する。「安定剤」と本明細書で呼ばれるこのような薬剤には、限定はされないが、アスコルビン酸などの抗酸化剤、pH緩衝剤、または塩緩衝液などが含まれる。
本発明の形態は、関節リウマチ、尋常性天疱瘡および関連する疾患、特発性血小板減少性紫斑病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、シェーグレン症候群、自己免疫性溶血性貧血、ANCAが関連する血管炎、寒冷グロブリン血症、血栓性血小板減少性紫斑病、慢性自己免疫性じんま疹、アレルギー(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)、グッドパスチャー症候群、AMR(抗体が媒介する移植片拒絶)、B細胞が媒介する超急性、急性および慢性の移植片拒絶、ならびに限定はされないが、多発性骨髄腫;急性骨髄性白血病;慢性骨髄性白血病;リンパ球性白血病;骨髄性白血病;非ホジキンリンパ腫;リンパ腫;真性赤血球増加症;本態性血小板血症;骨髄様化生を伴う骨髄線維症;およびワルデンシュトレーム病を含む造血起源の癌を含む、B細胞の機能の1つまたは複数、例えば、抗体産生、抗原提示、サイトカイン産生またはリンパ組織形成が異常であるか、または望ましくない疾患または感染症が関連する免疫病理を含む状態、疾患または障害の治療において有用であり得る。
本発明は、関節リウマチ、敗血症、肺または呼吸器障害、例えば、喘息、炎症性皮膚病、例えば、乾癬を含む、好中球の機能の1つまたは複数、例えば、スーパーオキシド放出、刺激された開口分泌、または走化性移動が異常であるか、または望ましくない状態、疾患または障害、ならびに疾患または感染症が関連する免疫病理などを治療する方法を含む。
本発明は、アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)を含む、好塩基球および肥満細胞の機能の1つまたは複数、例えば、走化性移動またはアレルゲン−IgE−媒介脱顆粒が異常であるか、または望ましくない状態、疾患または障害、ならびに他の障害、例えば、COPD、喘息または気腫を治療する方法を含む。
本発明は、関節リウマチ、多発性硬化症、細胞組織もしくは臓器移植の急性もしくは慢性拒絶、または造血起源の癌を含む、T細胞の機能の1つまたは複数、例えば、サイトカイン産生または細胞が媒介する細胞毒性が異常であるか、または望ましくない状態、疾患または障害、ならびに疾患または感染症が関連する免疫病理を治療する方法含む。
さらに、本発明は、神経変性疾患、心血管疾患および血小板凝集を治療する方法を含む。さらに、本発明は、皮膚疾患、例えば、晩発性皮膚ポルフィリン症、多形日光疹、皮膚筋炎、日光じんま疹、口腔扁平苔癬、脂肪織炎、強皮症、じんま疹様血管炎を治療する方法を含む。
さらに、本発明は、慢性炎症性疾患、例えば、サルコイドーシス、環状肉芽腫を治療する方法を含む。
他の実施形態において、(例えば、PI3Kが媒介する)状態または障害は、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、骨髄様化生を伴う骨髄線維症、喘息、COPD、ARDS、レフラー症候群、好酸球性肺炎、寄生虫(特に、後生動物)の寄生(熱帯性好酸球増加症を含む)、気管支肺アスペルギルス症、結節性多発性動脈炎(チャーグ−ストラウス症候群を含む)、好酸球性肉芽腫、薬物反応によって引き起こされる気道に影響を与える好酸球が関連する障害、乾癬、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性脈管炎、じんま疹、水疱性類天疱瘡、エリテマトーデス、天疱瘡、後天性表皮水疱症、自己免疫性血液障害(例えば、溶血性貧血、再生不良性貧血、真正赤血球性貧血および特発性血小板減少症)、全身性エリテマトーデス、多発性軟骨炎、強皮症、ウェゲナー肉芽腫症、皮膚筋炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、スティーブンスジョンソン症候群、特発性スプルー、自己免疫性炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎およびクローン病)、内分泌性眼障害、グレーブス病、サルコイドーシス、肺胞炎、慢性過敏性肺臓炎、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、ブドウ膜炎(前部および後部)、間質性肺線維症、乾癬性関節炎、糸球体腎炎、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、深部静脈血栓症、脳卒中、心筋梗塞、不安定狭心症、血栓塞栓症、肺塞栓症、血栓溶解症、急性動脈虚血、末梢の血栓性閉塞、および冠動脈疾患、再灌流傷害、網膜症、例えば、糖尿病性網膜症または高圧酸素によって誘発される網膜症、ならびに上昇した眼内圧または眼房水の分泌によって特徴付けられる状態、例えば、緑内障からなる群から選択される。
別の実施形態において、本発明の形態は、自己免疫疾患、および炎症状態、特に、自己免疫性成分を含む病因を伴う炎症状態、例えば、関節炎(例えば、関節リウマチ、慢性進行性関節炎および変形性関節炎)、ならびに炎症状態を含むリウマチ性疾患、および骨喪失が関与するリウマチ性疾患、炎症性疼痛、強直性脊椎炎を含む脊椎関節症、ライター症候群、反応性関節炎、乾癬性関節炎、および腸炎性関節炎、過敏症(気道過敏症および皮膚過敏症の両方を含む)、ならびにアレルギーの治療、予防、または寛解において有用である。それに対して本発明の形態を用い得る特定の自己免疫疾患には、自己免疫性血液障害(例えば、溶血性貧血、再生不良性貧血、真正赤血球性貧血および特発性血小板減少症を含む)、後天性血友病A、寒冷凝集素症、寒冷グロブリン血症、血栓性血小板減少性紫斑病、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、炎症性筋障害、多発性軟骨炎、強皮症、抗好中球細胞質抗体関連血管炎、IgM媒介ニューロパシー、眼球クローヌスミオクローヌス症候群、ウェゲナー肉芽腫症、皮膚筋炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、乾癬、スティーブンスジョンソン症候群、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、特発性スプルー、自己免疫性炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病および過敏性腸症候群を含む)、内分泌性眼障害、グレーブス病、サルコイドーシス、多発性硬化症、視神経脊髄炎、原発性胆汁性肝硬変、若年性糖尿病(真性糖尿病I型)、ブドウ膜炎(前部、中間部および後部、ならびに汎ぶどう膜炎)、乾性角結膜炎および春季角結膜炎、間質性肺線維症、乾癬性関節炎および糸球体腎炎(例えば、特発性ネフローゼ症候群または微小変化型ネフロパシーを含むネフローゼ症候群を伴う、および伴わない)、腫瘍、皮膚および角膜の炎症性疾患、筋炎、骨移植片のゆるみ、代謝性障害、例えば、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、ならびに異脂肪血症が含まれる。
別の実施形態において、本発明の形態は、原発性皮膚B細胞リンパ腫、自己免疫性水疱症、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、ブラジルの天疱瘡の固有の形態(ブラジル天疱瘡)、腫瘍随伴性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、粘膜類天疱瘡、後天性表皮水疱症、慢性移植片対宿主病、皮膚筋炎、全身性エリテマトーデス、血管炎、小血管炎、低補体血症性じんま疹様血管炎、抗好中球細胞質抗体−血管炎、寒冷グロブリン血症、シュニッツラー症候群、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、血管性浮腫、白斑、全身性エリテマトーデス、特発性血小板減少性紫斑病、多発性硬化症、寒冷凝集素症、自己免疫性溶血性貧血、抗好中球細胞質抗体関連血管炎、移植片対宿主病、寒冷グロブリン血症および血栓性血小板減少性からなる群から選択される状態または障害の治療において有用である。
このように、さらなる実施形態として、本発明は、治療における(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態の使用を提供する。さらなる実施形態において、治療は、PI3Kの阻害によって治療し得る疾患から選択される。別の実施形態において、疾患は、上述の一覧、適切には、自己免疫障害、炎症性疾患、アレルギー性疾患、気道疾患、例えば、喘息およびCOPD、移植片拒絶;関節リウマチ、尋常性天疱瘡、特発性血小板減少性紫斑病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、シェーグレン症候群、自己免疫性溶血性貧血、ANCAが関連する血管炎、寒冷グロブリン血症、血栓性血小板減少性紫斑病、慢性自己免疫性じんま疹、アレルギー(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)、グッドパスチャー症候群、AMR(抗体が媒介する移植片拒絶)、B細胞が媒介する超急性、急性および慢性の移植片拒絶、ならびに限定はされないが、多発性骨髄腫;白血病;急性骨髄性白血病;慢性骨髄性白血病;リンパ球性白血病;骨髄性白血病;非ホジキンリンパ腫;リンパ腫;真性赤血球増加症;本態性血小板血症;骨髄様化生を伴う骨髄線維症;およびワルデンシュトレーム病を含む造血起源の癌を含む、抗体産生、抗原提示、サイトカイン産生またはリンパ組織形成が異常であるか、または望ましくないものから;より適切には、関節リウマチ(RA)、尋常性天疱瘡(PV)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、後天性血友病A型(AHA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症(MG)、シェーグレン症候群(SS)、ANCAが関連する血管炎、寒冷グロブリン血症、慢性自己免疫性じんま疹(CAU)、アレルギー(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)、グッドパスチャー症候群、移植片拒絶および造血起源の癌、ならびに疾患または感染症が関連する免疫病理、例えば、重症および脳マラリア、トリパノソーマ症、リーシュマニア症、トキソプラズマ症および神経嚢虫症から選択される。
別の実施形態において、本発明は、治療的に許容される量の(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態を投与することを含む、PI3Kの阻害によって治療される疾患を治療する方法を提供する。さらなる実施形態において、疾患は、上述の一覧から、適切には、自己免疫障害、炎症性疾患、アレルギー性疾患、気道疾患、例えば、喘息およびCOPD、移植片拒絶;関節リウマチ、尋常性天疱瘡、特発性血小板減少性紫斑病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、シェーグレン症候群、自己免疫性溶血性貧血、ANCAが関連する血管炎、寒冷グロブリン血症、血栓性血小板減少性紫斑病、慢性自己免疫性じんま疹、アレルギー(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)、グッドパスチャー症候群、AMR(抗体が媒介する移植片拒絶)、B細胞が媒介する超急性、急性および慢性の移植片拒絶、ならびに限定はされないが、多発性骨髄腫;白血病;急性骨髄性白血病;慢性骨髄性白血病;リンパ球性白血病;骨髄性白血病;非ホジキンリンパ腫;リンパ腫;真性赤血球増加症;本態性血小板血症;骨髄様化生を伴う骨髄線維症;およびワルデンシュトレーム病を含む造血起源の癌を含む、抗体産生、抗原提示、サイトカイン産生またはリンパ組織形成が異常であるか、または望ましくないものから;より適切には、関節リウマチ(RA)、尋常性天疱瘡(PV)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、後天性血友病A型(AHA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症(MG)、シェーグレン症候群(SS)、ANCAが関連する血管炎、寒冷グロブリン血症、慢性自己免疫性じんま疹(CAU)、アレルギー(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)、グッドパスチャー症候群、移植片拒絶および造血起源の癌、ならびに疾患または感染症が関連する免疫病理、例えば、重症および脳マラリア、トリパノソーマ症、リーシュマニア症、トキソプラズマ症および神経嚢虫症から選択される。
このように、さらなる実施形態として、本発明は、医薬の製造のための(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態の使用を提供する。さらなる実施形態において、医薬は、PI3Kの阻害によって治療し得る疾患の治療のためである。別の実施形態において、疾患は、上述の一覧から、適切には、自己免疫障害、炎症性疾患、アレルギー性疾患、気道疾患、例えば、喘息およびCOPD、移植片拒絶;関節リウマチ、尋常性天疱瘡、特発性血小板減少性紫斑病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、シェーグレン症候群、自己免疫性溶血性貧血、ANCAが関連する血管炎、寒冷グロブリン血症、血栓性血小板減少性紫斑病、慢性自己免疫性じんま疹、アレルギー(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)、グッドパスチャー症候群、AMR(抗体が媒介する移植片拒絶)、B細胞が媒介する超急性、急性および慢性の移植片拒絶、ならびに限定はされないが、多発性骨髄腫;白血病;急性骨髄性白血病;慢性骨髄性白血病;リンパ球性白血病;骨髄性白血病;非ホジキンリンパ腫;リンパ腫;真性赤血球増加症;本態性血小板血症;骨髄様化生を伴う骨髄線維症;およびワルデンシュトレーム病を含む造血起源の癌を含む、抗体産生、抗原提示、サイトカイン産生またはリンパ組織形成が異常であるか、または望ましくないものから;より適切には、関節リウマチ(RA)、尋常性天疱瘡(PV)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、後天性血友病A型(AHA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症(MG)、シェーグレン症候群(SS)、ANCAが関連する血管炎、寒冷グロブリン血症、慢性自己免疫性じんま疹(CAU)、アレルギー(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)、グッドパスチャー症候群、移植片拒絶および造血起源の癌、ならびに疾患または感染症が関連する免疫病理、例えば、重症および脳マラリア、トリパノソーマ症、リーシュマニア症、トキソプラズマ症および神経嚢虫症から選択される。
本発明の医薬組成物または組合せは、約50〜70kgの対象に、約1〜1000mgの活性成分、または約1〜500mgまたは約1〜250mgまたは約1〜150mgまたは約0.5〜100mg、または約1〜50mgの活性成分の単位用量であり得る。化合物、その医薬組成物、またはこれらの組合せの治療有効投与量は、対象の種、体重、年齢および個別状態、障害または疾患または治療する障害または疾患の重症度に依存する。通常の技術の医師、臨床医または獣医師は、障害または疾患を予防する、治療するまたは進行を阻害するために必要な活性成分のそれぞれの有効量を容易に決定できる。
上記の投与特性は、例えば、マウス、ラット、イヌ、サルまたは単離臓器、組織およびその調製物などの有利な哺乳動物を使用したインビトロおよびインビボ試験で証明できる。本発明の形態は、溶液、例えば、水溶液の形態で、インビトロにて、および例えば、懸濁液として、または水溶液において、インビボにて経腸的に、非経口的に、有利には静脈内で適用することができる。インビトロでの用量は、約10−3モル濃度と10−9モル濃度との間の範囲で変わり得る。インビボでの治療有効量は、投与経路に依存し、約0.1〜500mg/kg、または約1〜100mg/kgの間の範囲であり得る。
本発明の形態は、1種または複数の他の治療剤と同時に、または1種もしくは複数の他の治療剤の前もしくは後に投与し得る。本発明の形態は、別々に、同じもしくは異なる投与経路によって、または他の薬剤として同じ医薬組成物において一緒に投与し得る。
一実施形態において、本発明は、治療における同時の、別々のまたは逐次の使用のための合わせた調製物として、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態および少なくとも1種の他の治療剤を含む生成物を提供する。一実施形態において、治療は、PI3K酵素の活性が媒介する疾患または状態の治療である。合わせた調製物として提供される生成物は、同じ医薬組成物中で一緒に、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態および他の治療剤(複数可)を含む組成物、または別々の形態で、例えば、キットの形態で、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態および他の治療剤(複数可)を含む。
一実施形態において、本発明は、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態および別の治療剤(複数可)を含む医薬組成物を提供する。任意選択で、医薬組成物は、上記のような薬学的に許容される担体を含み得る。
一実施形態において、本発明は、2種以上の別々の医薬組成物を含むキットを提供し、これらの少なくとも1つは、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態を含有する。一実施形態において、キットは、前記組成物を別々に保持するための手段、例えば、容器、分割されたボトル、または分割されたホイルパケットを含む。このようなキットの一例は、典型的には錠剤、カプセル剤などのパッケージングのために使用されるようなブリスターパックである。
本発明のキットは、異なる剤形、例えば、経口および非経口を投与するために、異なる投与間隔での別々の組成物を投与するために、または別々の組成物を互いに滴定するために使用し得る。服薬遵守を支援するために、本発明のキットは典型的には、投与のための指示を含む。
本発明の併用療法において、本発明の形態および他の治療剤は、同じまたは異なる製造者が製造および/または製剤し得る。さらに、本発明の形態および他の治療剤は、(i)医師への組合せ生成物のリリースの前に(例えば、本発明の形態および他の治療剤を含むキットの場合);(ii)投与の直前に、医師自身によって(または医師の指導の下に);(iii)例えば、本発明の形態および他の治療剤の逐次投与の間に、患者自身において、併用療法にまとめ得る。
本発明はまた、医薬品としての使用のための(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態の使用を提供する。
したがって、本発明は、疾患を治療するための、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態の使用を提供する。本発明はまた、PI3K酵素の活性が媒介する疾患または状態を治療するための、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態の使用を提供し、医薬は、別の治療剤との投与のために調製される。本発明はまた、PI3K酵素の活性が媒介する疾患または状態の治療のための別の治療剤の使用を提供し、医薬は、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態と共に投与される。
本発明はまた、治療法において使用するための、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態を提供する。本発明はまた、PI3K酵素の活性が媒介する疾患または状態を治療する方法において使用するための、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態を提供し、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態は、別の治療剤との投与のために調製される。本発明はまた、PI3K酵素の活性が媒介する疾患または状態を治療する方法において使用するための別の治療剤を提供し、他の治療剤は、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態との投与のために調製される。本発明はまた、PI3K酵素の活性が媒介する疾患または状態を治療する方法において使用するための、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態を提供し、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態は、別の治療剤と共に投与される。本発明はまた、PI3K酵素の活性が媒介する疾患または状態を治療する方法において使用するための別の治療剤を提供し、他の治療剤は、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態と共に投与される。
本発明はまた、疾患を治療するための、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態の使用を提供する。本発明はまた、PI3K酵素の活性が媒介する疾患または状態を治療するための、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態の使用を提供し、患者は、従前(例えば、24時間以内)に別の治療剤で治療をされてきている。本発明はまた、PI3K酵素の活性が媒介する疾患または状態を治療するための別の治療剤の使用を提供し、患者は、従前(例えば、24時間以内)に(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態で治療をされてきている。
(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態は、唯一の活性成分として、あるいは例えば、アジュバントとして、例えば、同種異系移植片もしくは異種移植片の急性もしくは慢性拒絶、または炎症性もしくは自己免疫障害の治療もしくは予防のための、他の薬物、例えば、免疫抑制剤または免疫調節剤または他の抗炎症剤、あるいは化学療法剤、例えば、悪性細胞抗増殖剤と併せて投与し得る。例えば、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態は、カルシニューリン阻害剤、例えばシクロスポリンAまたはFK506;mTOR阻害剤、例えばラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、CCI779、ABT578、AP23573、TAFA−93、バイオリムス−7またはバイオリムス−9;免疫抑制特性を有するアスコマイシン、例えばABT−281、ASM981など;コルチコステロイド;シクロホスファミド;アザチオプレン;メトトレキセート;レフルノミド;ミゾリビン;ミコフェノール酸または塩;ミコフェノール酸モフェチル;15−デオキシスペルグアリンまたは免疫抑制同族体、類似体もしくはその誘導体;例えばWO02/38561またはWO03/82859に開示されたPKC阻害剤、例えば実施例56または70の化合物;JAK3キナーゼ阻害剤、例えば、N−ベンジル−3,4−ジヒドロキシ−ベンジリデン−シアノアセトアミドα−シアノ−(3,4−ジヒドロキシ)−]N−ベンジルシンナムアミド(Tyrphostin AG 490)、プロジギオシン25−C(PNU156804)、[4−(4’−ヒドロキシフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI−P131)、[4−(3’−ブロモ−4’−ヒドロキシフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI−P154)、[4−(3’,5’−ジブロモ−4’−ヒドロキシフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン]WHI−P97、KRX−211、遊離形態または薬学的に許容される塩形態、例えばモノクエン酸塩の3−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピオニトリル(CP−690,550とも呼ばれる)、またはWO04/052359もしくはWO05/066156に開示されている化合物;免疫抑制モノクローナル抗体、例えば、白血球受容体に対するモノクローナル抗体、例えば、MHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD8、CD25、CD28、CD40、CD45、CD52、CD58、CD80、CD86またはそれらのリガンド;他の免疫調節化合物、例えば、CTLA4の細胞外ドメインの少なくとも一部分を有する組換え結合分子または変異体、例えば、非CTLA4タンパク質配列に結合したCTLA4の少なくとも一つの細胞外部分またはその変異体、例えばCTLA4Ig(例えば、ATCC 68629と命名)またはその変異体、例えば、LEA29Y;接着分子阻害剤、例えばLFA−1アンタゴニスト、ICAM−1または−3アンタゴニスト、VCAM−4アンタゴニストまたはVLA−4アンタゴニスト;または抗ヒスタミン剤;または鎮咳薬、もしくは気管支拡張剤;またはアンジオテンシン受容体遮断薬;または抗感染性因子(anti-infectious agent)と共に使用することができる。
(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態が、他の免疫抑制性/免疫調節性、抗炎症性、化学療法的または抗感染性治療と併せて投与される場合、同時投与される免疫抑制剤、免疫調節性、抗炎症性、化学療法的または抗感染性化合物の用量は、用いられる共薬物のタイプ、例えば、これがステロイドまたはカルシニューリン阻害剤であるかどうかによって、用いられる特定の薬物によって、治療される状態などによって当然ながら変化する。
(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態はまた、他の治療剤、特に、他の抗増殖剤と組み合わせて有利に使用し得る。このような抗増殖剤には、限定はされないが、アロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン剤;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性剤;アルキル化剤;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;細胞分化過程を誘発する化合物;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;MMP阻害剤;mTOR阻害剤;抗新生物性代謝拮抗剤;プラチン化合物;タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的とする/減少させる化合物、およびさらなる抗血管新生化合物;タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物;ゴナドレリンアゴニスト;抗アンドロゲン剤;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;ビスホスホネート;生物学的応答調節剤;抗増殖性抗体;ヘパラナーゼ阻害剤;Ras発癌性イソ型の阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;血液悪性腫瘍の治療において使用される薬剤;Flt−3の活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物;Hsp90阻害剤;テモゾロミド(TEMODAL(登録商標));ならびにロイコボリンが含まれる。用語「アロマターゼ阻害剤」は、本明細書で使用される場合、エストロゲン産生、すなわち、それぞれ、エストロンおよびエストラジオールへの基質アンドロステンジオンおよびテストステロンの変換を阻害する化合物に関する。この用語には、限定はされないが、ステロイド、特に、アタメスタン、エキセメスタンおよびフォルメスタン;ならびに特に、非ステロイド、特に、アミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾールおよびレトロゾールが含まれる。エキセメスタンは、例えば、商標AROMASINで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。フォルメスタンは、例えば、商標LENTARONで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。ファドロゾールは、例えば、商標AFEMAで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。アナストロゾールは、例えば、商標ARIMIDEXで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。レトロゾールは、例えば、商標FEMARAまたはFEMARで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。アミノグルテチミドは、例えば、商標ORIMETENで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。アロマターゼ阻害剤である化学療法剤を含む本発明の組合せは、ホルモン受容体陽性腫瘍、例えば、乳房腫瘍の治療のために特に有用である。
用語「抗エストロゲン剤」は、本明細書で使用される場合、エストロゲン受容体レベルでのエストロゲンの効果をアンタゴナイズする化合物に関する。この用語には、限定はされないが、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェンおよびラロキシフェン塩酸塩が含まれる。タモキシフェンは、例えば、商標NOLVADEXで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。ラロキシフェン塩酸塩は、例えば、商標EVISTAで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。フルベストラントは、米国特許第4,659,516号に開示されているように製剤することができ、またはこれは、例えば、商標FASLODEXで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。抗エストロゲン剤である化学療法剤を含む本発明の組合せは、エストロゲン受容体陽性腫瘍、例えば、乳房腫瘍の治療のために特に有用である。
用語「抗アンドロゲン剤」は、本明細書で使用される場合、男性ホルモンの生物学的効果を阻害することができる任意の物質に関し、限定はされないが、ビカルタミド(CASODEX)が含まれ、これは、例えば、米国特許第4,636,505号に開示されているように製剤することができる。
用語「ゴナドレリンアゴニスト」は、本明細書で使用される場合、限定はされないが、アバレリックス、ゴセレリンおよびゴセレリン酢酸塩が含まれる。ゴセレリンは、米国特許第4,100,274号に開示されており、例えば、商標ZOLADEXで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。アバレリックスは、例えば、米国特許第5,843,901号に開示されているように製剤することができる。
用語「トポイソメラーゼI阻害剤」には、本明細書で使用される場合、限定はされないが、トポテカン、ギマテカン、イリノテカン、カンプトテシンおよびその類似体、9−ニトロカンプトテシンならびに高分子カンプトテシンコンジュゲートPNU−166148(WO99/17804における化合物A1)が含まれる。イリノテカンは、例えば、商標CAMPTOSARで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。トポテカンは、例えば、商標HYCAMTINで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。
用語「トポイソメラーゼII阻害剤」には、本明細書で使用される場合、限定はされないが、アントラサイクリン、例えば、リポソーム製剤、例えば、CAELYXを含むドキソルビシン;ダウノルビシン;エピルビシン;イダルビシン;ネモルビシン;アントラキノンであるミトキサントロンおよびロソキサントロン;ならびにポドフィロトキシンであるエトポシドおよびテニポシドが含まれる。エトポシドは、例えば、商標ETOPOPHOSで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。テニポシドは、例えば、商標VM26−BRISTOLで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。ドキソルビシンは、例えば、商標ADRIBLASTINまたはADRIAMYCINで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。エピルビシンは、例えば、商標FARMORUBICINで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。イダルビシンは、例えば、商標ZAVEDOSで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。ミトキサントロンは、例えば、商標NOVANTRONで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。
用語「微小管活性剤」は、限定はされないが、タキサン、例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル;ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、特に、ビンブラスチン硫酸塩;ビンクリスチン、特に、硫酸ビンクリスチンおよびビノレルビン;ディスコデルモリド;コルヒチン;ならびにエポチロンおよびその誘導体、例えば、エポチロンBもしくはDまたはその誘導体を含む、微小管安定化剤、微小管不安定化剤および微小管重合阻害剤に関する。パクリタキセルは、例えば、市販されているような形態、例えば、TAXOLで投与し得る。ドセタキセルは、例えば、商標TAXOTEREで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。ビンブラスチン硫酸塩は、例えば、商標VINBLASTIN R.Pで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。硫酸ビンクリスチンは、例えば、商標FARMISTINで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。ディスコデルモリドは、例えば、米国特許第5,010,099号に開示されているように得ることができる。また含まれるのは、WO98/10121、米国特許第6,194,181号、WO98/25929、WO98/08849、WO99/43653、WO98/22461およびWO00/31247に開示されているエポチロン誘導体である。特に好ましいのは、エポチロンAおよび/またはBである。
用語「アルキル化剤」には、本明細書で使用される場合、限定はされないが、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファランまたはニトロソ尿素(BCNUもしくはGliadel)が含まれる。シクロホスファミドは、例えば、商標CYCLOSTINで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。イホスファミドは、例えば、商標HOLOXANで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。
用語「ヒストンデアセチラーゼ阻害剤」または「HDAC阻害剤」は、ヒストンデアセチラーゼを阻害し、かつ増殖抑制作用を有する化合物に関する。これは、WO02/22577に開示されている化合物、特に、N−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドおよび薬学的に許容されるその塩を含む。これはさらに、特に、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)を含む。
用語「抗新生物性代謝拮抗剤」には、限定はされないが、5−フルオロウラシルまたは5−FU;カペシタビン;ゲムシタビン;DNA脱メチル化剤、例えば、5−アザシチジンおよびデシタビン;メソトレキセートおよびエダトレキサート;ならびに葉酸アンタゴニスト、例えば、ペメトレキセドが含まれる。カペシタビンは、例えば、商標XELODAで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。ゲムシタビンは、例えば、商標GEMZARで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。また含まれるのは、例えば、商標HERCEPTINで、例えば、市販されているような形態で投与することができるモノクローナル抗体トラスツズマブである。
用語「プラチン化合物」には、本明細書で使用される場合、限定はされないが、カルボプラチン、シスプラチン、シスプラチナムおよびオキサリプラチンが含まれる。カルボプラチンは、例えば、商標CARBOPLATで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。オキサリプラチンは、例えば、商標ELOXATINで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。
用語「タンパク質もしくは脂質キナーゼ活性;またはタンパク質もしくは脂質ホスファターゼ活性を標的とする/減少させる化合物;あるいはさらなる抗血管新生化合物」には、本明細書で使用される場合、限定はされないが、タンパク質チロシンキナーゼならびに/またはセリンおよび/もしくはトレオニンキナーゼ阻害剤あるいは脂質キナーゼ阻害剤、例えば、
a)血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)の活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物、例えば、PDGFRの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物、特に、PDGF受容体を阻害する化合物、例えば、N−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えば、イマチニブ、SU101、SU6668およびGFB−111;
b)線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)の活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物;
c)インスリン様増殖因子受容体I(IGF−IR)の活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物、例えば、IGF−IRの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物、特に、IGF−IR受容体を阻害する化合物、例えば、WO02/092599において開示されているこれらの化合物;
d)Trk受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物;
e)Axl受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物;
f)c−Met受容体の活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物;
g)Kit/SCFR受容体チロシンキナーゼの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物;
h)C−kit受容体チロシンキナーゼ(PDGFRファミリーの部分)の活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物、例えば、c−Kit受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物、特に、c−Kit受容体を阻害する化合物、例えば、イマチニブ;
i)c−Ablファミリーのメンバーおよびこれらの遺伝子融合産物、例えば、BCR−Ablキナーゼの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物、例えば、c−Ablファミリーメンバーおよびこれらの遺伝子融合産物の活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物、例えば、N−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えば、イマチニブ、PD180970、AG957、NSC680410またはParkeDaviからのPD173955;
j)タンパク質キナーゼC(PKC)およびセリン/トレオニンキナーゼのRafファミリーのメンバー、MEK、SRC、JAK、FAK、PDKのメンバーおよびRas/MAPKファミリーメンバー、またはPI(3)キナーゼファミリー、またはPI(3)−キナーゼ−関連キナーゼファミリー、および/またはサイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物、ならびに特に、米国特許第5,093,330号に開示されているこれらのスタウロスポリン誘導体、例えば、ミドスタウリン;さらなる化合物の例は、例えば、UCN−01;サフィンゴール;BAY43−9006;ブリオスタチン1;ペリホシン;イルモホシン;RO318220およびRO320432;GO6976;Isis3521;LY333531/LY379196;イソキノリン化合物、例えば、WO00/09495において開示されているもの;FTI;PD184352;またはQAN697(P13K阻害剤)を含む;
k)タンパク質−チロシンキナーゼ阻害剤の活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物、例えば、メシル酸イマチニブ(GLEEVEC)またはチルホスチンを含む、タンパク質−チロシンキナーゼ阻害剤の活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物。チルホスチンは、好ましくは低分子量(Mr<1500)化合物、または薬学的に許容されるその塩、特に、化合物のベンジリデンマロニトリルクラスまたはS−アリールベンゼンマロニトリルもしくは二基質キノリンクラスから選択される化合物、より特に、チルホスチンA23/RG−50810、AG99、チルホスチンAG213、チルホスチンAG1748、チルホスチンAG490、チルホスチンB44、チルホスチンB44(+)エナンチオマー、チルホスチンAG555、AG494、チルホスチンAG556、AG957およびアダフォスチン(4−{[(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]アミノ}−安息香酸アダマンチルエステル、NSC680410、アダフォスチンからなる群から選択される任意の化合物である;ならびに
l)受容体チロシンキナーゼの上皮増殖因子ファミリー(ホモ二量体またはヘテロ二量体としてEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)の活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物、例えば、上皮増殖因子受容体ファミリーの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物は、特に、EGF受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバー、例えば、EGF受容体、ErbB2、ErbB3およびErbB4を阻害し、またはEGFもしくはEGF関連リガンドに結合する化合物、タンパク質または抗体であり、特に、WO97/02266において一般的におよび特に開示されているそれらの化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体、例えば、実施例39の、またはEP0564409;WO99/03854;EP0520722;EP0566226;EP0787722;EP0837063;米国特許第5,747,498号;WO98/10767;WO97/30034;WO97/49688;WO97/38983、および特に、WO96/30347における化合物、例えば、CP358774として公知の化合物;WO96/33980、例えば、化合物ZD1839;およびWO95/03283、例えば、化合物ZM105180、例えば、トラスツズマブ(HERCEPTIN)、セツキシマブ、Iressa、Tarceva、OSI−774、CI−1033、EKB−569、GW−2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3;ならびにWO03/013541に開示されている7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジン誘導体
が含まれる。
さらなる抗血管新生化合物は、例えば、タンパク質または脂質キナーゼ阻害と無関係のこれらの活性のための別の機序を有する化合物、例えば、サリドマイド(THALOMID)およびTNP−470を含む。
タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物は、例えば、ホスファターゼ1、ホスファターゼ2A、PTENまたはCDC25の阻害剤、例えば、オカダ酸またはその誘導体である。
細胞分化過程を誘発する化合物は、例えば、レチノイン酸、α−、γ−もしくはδ−トコフェロールまたはα−、γ−もしくはδ−トコトリエノールである。
用語シクロオキシゲナーゼ阻害剤は、本明細書で使用される場合、限定はされないが、例えば、Cox−2阻害剤、5−アルキル置換2−アリールアミノフェニル酢酸および誘導体、例えば、セレコキシブ(CELEBREX)、ロフェコキシブ(VIOXX)、エトリコキシブ、バルデコキシブまたは5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、例えば、5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸またはルミラコキシブを含む。
用語「ビスホスホネート」は、本明細書で使用される場合、限定はされないが、エチドロン酸、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸およびゾレドロン酸を含む。「エチドロン酸」は、例えば、商標DIDRONELで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。「クロドロン酸」は、例えば、商標BONEFOSで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。「チルドロン酸」は、例えば、商標SKELIDで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。「パミドロン酸」は、例えば、商標AREDIA(商標)で、例えば、市販されているような形態で投与することができる。「アレンドロン酸」は、例えば、商標FOSAMAXで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。「イバンドロン酸」は、例えば、商標BONDRANATで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。「リセドロン酸」は、例えば、商標ACTONELで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。「ゾレドロン酸」は、例えば、商標ZOMETAで、例えば、市販されているような形態で投与することができる。
用語「mTOR阻害剤」は、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)を阻害し、かつ増殖抑制作用を有する化合物、例えば、シロリムス(Rapamune(登録商標))、エベロリムス(Certican(商標))、CCI−779およびABT578に関する。
用語「ヘパラナーゼ阻害剤」は、本明細書で使用される場合、ヘパラン硫酸の分解を標的とし、減少させまたは阻害する化合物を指す。この用語には、限定はされないが、PI−88が含まれる。
用語「生物学的応答調節剤」は、本明細書で使用される場合、リンフォカインまたはインターフェロン、例えば、インターフェロンγを指す。
用語「Ras発癌性イソ型の阻害剤」、例えば、H−Ras、K−RasまたはN−Rasは、本明細書で使用される場合、Rasの発癌性活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物、例えば、「ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤」、例えば、L−744832、DK8G557またはR115777(Zarnestra)を指す。
用語「テロメラーゼ阻害剤」は、本明細書で使用される場合、テロメラーゼの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物を指す。テロメラーゼの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物は、特に、テロメラーゼ受容体を阻害する化合物、例えば、テロメスタチンである。
用語「メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤」は、本明細書で使用される場合、メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物を指す。メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物は、例えば、ベンガミドまたはその誘導体である。
用語「プロテアソーム阻害剤」は、本明細書で使用される場合、プロテアソームの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物を指す。プロテアソームの活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物は、例えば、PS−341およびMLN341を含む。
用語「マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤」または「MMP阻害剤」には、本明細書で使用される場合、限定はされないが、コラーゲンペプチド模倣および非ペプチド模倣阻害剤、テトラサイクリン誘導体、例えば、ヒドロキサメートペプチド模倣物阻害剤であるバチマスタットおよびその経口的に生物が利用可能な類似体マリマスタット(BB−2516)、プリノマスタット(AG3340)、メタスタット(NSC683551)BMS−279251、BAY12−9566、TAA211、MMI270BまたはAAJ996が含まれる。
用語「血液悪性腫瘍の治療において使用される薬剤」は、本明細書で使用される場合、限定はされないが、FMS様チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、FMS様チロシンキナーゼ受容体(Flt−3R)の活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物;インターフェロン、1−b−D−アラビノフラノシルシトシン(ara−c)およびビスルファン;ならびにALK阻害剤、例えば、未分化リンパ腫キナーゼを標的とし、減少させ、または阻害する化合物が含まれる。
FMS様チロシンキナーゼ受容体(Flt−3R)の活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物は、特に、Flt−3R受容体キナーゼファミリーのメンバーを阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えば、PKC412、ミドスタウリン、スタウロスポリン誘導体、SU11248およびMLN518である。
用語「HSP90阻害剤」には、本明細書で使用される場合、限定はされないが、HSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的とし、減少させまたは阻害し、ユビキチンプロテアソーム経路を介してHSP90クライアントタンパク質を分解し、標的とし、減少させまたは阻害する化合物が含まれる。HSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的とし、減少させまたは阻害する化合物は、特に、HSP90のATPアーゼ活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えば、17−アリルアミノ、17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体、他のゲルダナマイシンが関連する化合物、ラディシコールおよびHDAC阻害剤である。
用語「抗増殖性抗体」には、本明細書で使用される場合、限定はされないが、トラスツズマブ(Herceptin(商標))、トラスツズマブ−DM1、エルロチニブ(Tarceva(商標))、ベバシズマブ(Avastin(商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、PRO64553(抗CD40)および2C4抗体が含まれる。抗体とは、例えば、損なわれていないモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2種の損なわれていない抗体から形成される多特異的抗体、および所望の生物活性を示す限りにおいて抗体フラグメントを意味する。
急性骨髄性白血病(AML)の治療のために、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態は、標準的な白血病の治療と組み合わせて、特に、AMLの治療のために使用される治療と組み合わせて使用することができる。特に、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態は、例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ならびに/またはAMLの治療に有用な他の薬物、例えば、ダウノルビシン、アドリアマイシン、Ara−C、VP−16、テニポシド、ミトキサントロン、イダルビシン、カルボプラチナムおよびPKC412と組み合わせて投与することができる。
(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態はまた、他の治療剤、特に、他の抗マラリア剤と組み合わせて有利に使用し得る。このような抗マラリア剤には、限定はされないが、プログアニル、クロルプログアニル、トリメトプリム、クロロキン、メフロキン、ルメファントリン、アトバコン、ピリメタミン−スルファドキシン、ピリメタミン−ダプソン、ハロファントリン、キニーネ、キニジン、アモジアキン、アモピロキン、スルホンアミド、アルテミシニン、アルテフレン、アルテメテル、アルテスナート、プリマキン、吸入NO、L−アルギニン、ジプロピレントリ−アミンNONOエート(NOドナー)、ロシグリタゾン(PPARγアゴニスト)、活性炭、エリスロポエチン、レバミソール、およびピロナリジンが含まれる。
(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態はまた、例えば、リーシュマニア症、トリパノソーマ症、トキソプラズマ症および神経嚢虫症の治療のために使用される他の治療剤と組み合わせて有利に使用し得る。このような薬剤には、限定はされないが、硫酸クロロキン、アトバコン−プログアニル、アルテメテル−ルメファントリン、硫酸キニン、アルテスネート、キニン、ドキシサイクリン、クリンダマイシン、メグルミンアンチモニエート、ナトリウムスチボグルコネート、ミルテフォシン、ケトコナゾール、ペンタミジン、アムホテリシンB(AmB)、リポソーマル−AmB、パロモマイシン、エフロルニチン、ニフルチモックス、スラミン、メラルソプロール、プレドニゾロン、ベンズニダゾール、スルファジアジン、ピリメタミン、クリンダマイシン、トリメトロピン、スルファメトキサゾール、アジトロマイシン、アトバコン、デキサメタゾン、プラジクアンテル、アルベンダゾール、ベータ−ラクタム、フルオロキノロン、マクロライド、アミノグリコシド、スルファジアジンおよびピリメタミンが含まれる。
コード番号、一般名または商品名によって同定された活性剤の構造は、標準の概論「The Merck Index」の現行版またはデータベース、例えば、Patents International、例えば、IMS World Publicationsから得ることができる。
(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態と組み合わせて使用することができる上記の化合物は、例えば、上記で引用した文献において当技術分野で記載されているように調製および投与することができる。
(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態はまた、公知の治療方法、例えば、ホルモン、または特に、放射線の投与と組み合わせて有利に使用し得る。
(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態は特に、放射線療法に対して乏しい感受性を示す腫瘍の治療のために、特に、放射線増感剤として使用し得る。
「組合せ」とは、1つの用量単位形態における固定された組合せ、または合わせた投与のためのパーツのキットを意味し、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態および組合せパートナーは、組合せパートナーが協同効果、例えば、相乗効果、または任意のこれらの組合せの効果を示すことを特に可能とする時間間隔内で、独立して同時にまたは別々に投与し得る。用語「同時の投与」または「合わせた投与」などは、本明細書において利用されるように、それを必要としている単一の対象(例えば、患者)への選択した組合せパートナーの投与を包含することを意味し、薬剤が同じ投与経路によって、または同時に、必ずしも投与されない治療レジメンを含むことを意図する。用語「医薬品の組合せ」は、本明細書で使用される場合、複数種の活性成分を混合し、または合わせることからもたらされ、かつ活性成分の固定された組合せおよび固定されていない組合せの両方を含む生成物を意味する。用語「固定された組合せ」は、活性成分、例えば、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態および組合せパートナーが、単一の実体または用量の形態で、患者に両方とも同時に投与されることを意味する。用語「固定されていない組合せ」は、活性成分、例えば、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノン)の無水結晶形態および組合せパートナーが、特定の期限を伴わずに同時に、併行的にまたは逐次的に、患者に別々の実体として両方とも投与されることを意味し、このような投与は、患者の体内で2種の化合物の治療有効レベルを実現する。後者はまた、カクテル療法、例えば、3種以上の活性成分の投与に適用される。
実験の詳細:
下記の実施例は本発明を例示することを意図し、それに対する限定として解釈されない。温度は、摂氏温度で示す。他に記述しない限り、全ての蒸発は、減圧下、典型的には、約15mmHg〜100mmHg(=20〜133ミリバール)で行う。最終生成物、中間体および出発材料の構造は、標準的な分析方法、例えば、微量分析および分光学的特徴、例えば、MS、IR、NMRによって確認する。使用する略語は、当技術分野で通常のものである。
本発明の形態を合成するために利用する全ての出発材料、構造ブロック、試薬、酸、塩基、脱水剤、溶媒、および触媒は、市販であるか、または当業者に公知の有機合成法によって生成することができる(Houben-Weyl 第4版1952, Methods of Organic Synthesis, Thieme, 21巻)。さらに、本発明の形態は、下記の実施例において示すように、当業者に公知の有機合成法によって生成することができる。
略語
ACN アセトニトリル
AcOH 酢酸
aq. 水溶液
Boc tert−ブトキシカルボニル
BocO ジ−tert−ブチルジカーボネート
tBu tert−ブチル
tBuOH tert−ブタノール
BrettPhos 2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−3,6−ジメトキシ−2’−4’−6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル
br s ブロードな一重項
COMU (1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ−モルホリノ−カルベニウムヘキサフルオロホスフェート
conc. 濃縮した
d 日
d 二重項
dd 二重項の二重項
dba ジベンジリデンアセトン
DCM ジクロロメタン
DEA ジエチルアミン
DEAD アゾジカルボン酸ジエチル
DEAP ジエチルアミノピリジン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
DMME ジメトキシメタン
DMSO ジメチルスルホキシド
DPPA ジフェニルホスホリルアジド
DPPF 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EDC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
eq. 当量
ESI エレクトロスプレーイオン化
EtN トリエチルアミン
EtO ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
h 時間
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HBTU O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HMDS ヘキサメチルジシラザン
HOBT 1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IPA イソプロパノール
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析法
mCPBA メタ−クロロ過安息香酸
MeOH メタノール
m 多重項
min 分
MS 質量分析法
mw マイクロ波
NMR 核磁気共鳴分析法
NaOtBu ナトリウムtert−ブトキシド
NP 順相
OBD 最適床密度
Pd(dba) トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム
PL−HCO MP SPE 酸除去のためのポリマー担持バイカーボネートカートリッジ
prep. 分取
PPh トリフェニルホスフィン
q 四重項
Rac−BINAP ラセミの2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
RP 逆相
Rt 保持時間
rt 室温
RuPhos 2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジ−イソプロポキシ−1,1’−ビフェニル
sat. 飽和
SCX−2 ポリマー担持スルホン酸マクロ多孔性ポリスチレン
soln. 溶液
t 三重項
TBME tert−ブチルメチルエーテル
TBAF フッ化テトラブチルアンモニウム
TBDMSCl tert−ブチルジメチルシリルクロリド
テトラメチル−t−ブチル−XPhos 2−ジ−t−ブチルホスフィノ−3,4,5,6−テトラメチル−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
UPLC 超高速液体クロマトグラフィー
XPhos 2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル
Pd[RuPhos] (2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’6’−ジイソプロピル−11’−ビフェニル)(2−(2−アミノエチル)フェニル)パラジウム(II)
使用するマイクロ波装置は、Biotage Initiator(登録商標)である。
全ての化合物は、AutoNomを使用して命名する。
一般的クロマトグラフィー情報
LCMS方法M1(RtM1
HPLC−カラムの寸法:2.1×50mm
HPLC−カラムタイプ:Acquity UPLC HSS T3、1.8μm
HPLC−溶離液:A)水+0.05容量%ギ酸+3.75mMの酢酸アンモニウム、B)ACN+0.04容量%ギ酸
HPLC−勾配:1.4分で2〜98%B、98%B、0.45分、流量=1.2ml/分
HPLC−カラム温度:50℃
LCMS方法M2(RtM2
HPLC−カラムの寸法:2.1×30mm
HPLC−カラムタイプ:Ascentis Express C18、2.7μm
HPLC−溶離液:A)水+0.05容量%ギ酸+3.75mMの酢酸アンモニウム、B)ACN+0.04容量%ギ酸
HPLC−勾配:1.4分で2〜98%B、98%B、0.75分、流量=1.2ml/分
HPLC−カラム温度:50℃
LCMS方法M3(RtM3
HPLC−カラムの寸法:2.1×30mm
HPLC−カラムタイプ:Ascentis Express C18、2.7μm
HPLC−溶離液:A)水+0.05容量%ギ酸+3.75mMの酢酸アンモニウム、B)ACN+0.04容量%ギ酸
HPLC−勾配:8.5分で2〜98%B、98%B、1分、流量=1.2ml/分
HPLC−カラム温度:50℃
LCMS方法M4(RtM4
HPLC−カラムの寸法:4.6×50mm
HPLC−カラムタイプ:SunFire C18、5μm
HPLC−溶離液:A)水+0.1容量%TFA、B)ACN+0.1容量%TFA
HPLC−勾配:8.0分で5〜100%B B、流量=2ml/分
HPLC−カラム温度:40℃
LCMS方法M5(RtM5
HPLC−カラムの寸法:0.46×25cm
HPLC−カラムタイプ:Chiralcel OJ−H(1189)
HPLC−溶離液:EtOH/MeOH、60:40
HPLC−勾配:均一濃度、流量=0.5ml/分
検出器:UV220nm
LCMS方法M6(RtM6
HPLC−カラムの寸法:2.1×30mm
HPLC−カラムタイプ:Ascentis Express C18、2.7μm
HPLC−溶離液:A)水+0.05%TFA、B)ACN+0.04%TFA
HPLC−勾配:1.4分で2〜98%B、98%B、0.75分、流量=1.2ml/分
HPLC−カラム温度:50℃
LCMS方法M7(RtM7
HPLC−カラムの寸法:2.1×30mm
HPLC−カラムタイプ:Ascentis Express C18、2.7μm
HPLC−溶離液:A)水+0.05%TFA、B)ACN+0.04%TFA
HPLC−勾配:3.0分で10〜95%B、95%B、1分、流量=1.2ml/分
HPLC−カラム温度:50℃
LCMS方法M8(RtM8
HPLC−カラムの寸法:2.1×30mm
HPLC−カラムタイプ:Ascentis Express C18、2.7μm
HPLC−溶離液:A)水+0.05%ギ酸+3.75mMの酢酸アンモニウム、B)アセトニトリル+0.04%ギ酸
HPLC−勾配:3.0分で10〜95%B、流量=1.2ml/分
LCMS方法M9(RtM9
HPLC−カラムの寸法:2.1×30mm
HPLC−カラムタイプ:Ascentis Express C18、2.7μm
HPLC−溶離液:A)水+0.05%ギ酸+3.75mMの酢酸アンモニウム、B)アセトニトリル+0.04%ギ酸
HPLC−勾配:10%B、0.0〜0.5分、次いで、勾配10〜95%B、0.5分〜3.0分、流量=1.2ml/分
LCMS方法M10(RtM10
HPLC−カラムの寸法:2.1×50mm
HPLC−カラムタイプ:Acquity UPLC BEH C18、1.7μm
HPLC−溶離液:A)水+0.1容量%ギ酸、B)アセトニトリル
HPLC−勾配:1.00分で20〜25%B、次いで、3.20分で25〜95%B、次いで、0.10分で95〜100%B、次いで、100%0.20分間、流量=0.7ml/分
LCMS方法M11(RtM11
HPLC−カラムの寸法:2.1×50mm
HPLC−カラムタイプ:Acquity UPLC BEH C18、1.7μm
HPLC−溶離液:A)水+0.1容量%ギ酸、B)アセトニトリル
HPLC−勾配:1.00分で5〜10%B、次いで、3.00分で10〜90%B、次いで、0.10分で90〜100%B、次いで、100%0.40分間、流量=0.7ml/分
LCMS方法M12(RtM12
HPLC−カラムの寸法:2.1×30mm
HPLC−カラムタイプ:Ascentis Express C18、2.7μm
HPLC−溶離液:A)水+0.1容量%TFA、B)アセトニトリル
HPLC−勾配:1.7分にわたり10〜95%B、および溶媒流量として1.2mL/分、次いで、0.7分にわたり955B、流量=1.4mL/分。
LCMS方法M13(RtM13
HPLC−カラムの寸法:2.1×30mm
HPLC−カラムタイプ:Ascentis Express C18、2.7μm
HPLC−溶離液:A)水+0.05%ギ酸+3.75mMの酢酸アンモニウム、B)アセトニトリル+0.04%ギ酸
HPLC−勾配:3.7分で10〜95%B、流量=1.2ml/分
LCMS方法M14(RtM14
HPLC−カラムの寸法:2.1×30mm
HPLC−カラムタイプ:Ascentis Express C18、2.7μm
HPLC−溶離液:A)水+0.05%ギ酸+3.75mMの酢酸アンモニウム、B)アセトニトリル+0.04%ギ酸
HPLC−勾配:1.5分で10〜95%B、95%B、1分、流量=1.2ml/分
LCMS方法M15(RtM15
HPLC−カラムの寸法:0.46×25cm
HPLC−カラムタイプ:Chiralcel OD−H(1194)
HPLC−溶離液:Hexan/EtOH50:50+0.05%DEA
HPLC−勾配:均一濃度、流量=0.5ml/分
検出器:UV220nm
LCMS方法M16(RtM16
HPLC−カラムの寸法:2.1×50mm
HPLC−カラムタイプ:Acquity UPLC HSS T3、1.8μm
HPLC−溶離液:A)水+0.05容量%ギ酸+3.75mMの酢酸アンモニウム、B)ACN+0.04容量%ギ酸
HPLC−勾配:1.4分で5〜98%B、0.4分、98%B、流量=1.0ml/分
HPLC−カラム温度:60℃
X線粉末回折
計器類:
方法X1
機器 Bruker D8 GADDS Discover
照射 CuKα(40kV、40mA)
検出器 HI−STAR Area検出器
走査範囲、6°〜39°(2シータ値)
融点の決定:
融点は、示差走査熱量測定(DSC)によって決定した。DSCは、10℃/分の加熱速度を使用してTA Instruments DSC Q2000で記録した。0.6mgの試料を、標準的なアルミニウムパン(パン+蓋、TA900786.901、900779.901)中に秤量した。機器は、Thermal Advantage Q−シリーズソフトウェアV.2.6.0.367およびThermal AdvantageソフトウェアV4.6.9を使用して操作した。Universal Analysis V4.3A Build4.3.0.6を使用して、熱事象を特性決定した。ピンホールを有さない試料パンに対して試料を測定した。試料を下記のプロトコルによって処置した。
ステップ1:0℃で平衡化
ステップ2:300℃まで10℃/分の勾配
実施例F1:(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノン
a)7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン
7−クロロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−2−オン(CAS登録928118−43−8)(3.70g、20mmol)のTHF(63ml)溶液を、BH THF(THF中1M、47ml、47mmol)で処置した。反応混合物を75℃で1時間撹拌し、次いで、室温に冷却し、メタノール(24ml、600mmol)でクエンチした。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をEtOAcで溶解し、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題生成物を淡黄色の固体として得た(3.3g、96%収率)。
UPLC RtM1=0.47分;ESIMS:171[(M+H)]。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.53 (s, 1H), 7.11 (br s, 1H), 6.47 (s, 1H), 4.09 (t, 2H), 3.17-3.38 (m, 2H).
b)2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−オール
ジオキサン(32.5ml)中の7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン(1.08g、6.33mmol)、KOH水溶液(5.4mlの水中1.07g、19mmolのKOH)、2−ジ−t−ブチルホスフィノ−3,4,5,6−テトラメチル−2’,4’,6−トリ−i−プロピルビフェニル98%(0.30g、0.63mmol)およびPd(dba)(0.29g、0.32mmol)の混合物を窒素で3回脱気し、チューブを密封し、反応混合物を100℃で5時間撹拌した。室温に冷却した後、hyfloを通して反応混合物を濾過し、EtOAcおよびメタノールですすいだ。濾液を濃縮し、表題化合物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH、98:2から75:25)の後にオレンジ色の残渣として得た(660mg、69%収率)
UPLC RtM1=0.34分;ESIMS:153[(M+H)]。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.33 (br s, 1H), 7.03 (br s, 1H), 6.71 (s, 1H), 5.15 (s, 1H), 3.95 (t, 2H), 3.25 (m, 2H).
c)(S)−3−(2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
乾燥した2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−オール(0.66g、4.34mmol)および(R)−3−メタンスルホニルオキシ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(CAS登録127423−61−4)(1.73g、6.51mmol)のDMF(40ml)溶液を、水素化ナトリウム(鉱油中60%、0.21g、8.68mmol)で処置し、反応混合物を80℃で18時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をTBMEで希釈し、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc、95:5〜30:70)後に黄色の油として得た(1.035g、75%純度、56%収率)
UPLC RtM1=0.65分;ESIMS:322[(M+H)]。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.54 (s, 1H), 5.86 (s, 1H), 5.42 (br s, 1H), 4.25-4.41 (m, 1H), 4.19 (t, 2H), 3.38-3.66 (m, 6H), 2.00-2.18 (m, 2H), 1.46 (d, 9H).
d)(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ジオキサン(6ml)中の(S)−3−(2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(254mg、0.79mmol)、5−ブロモ−2−メトキシ−3−メチルピリジン(CAS登録760207−87−2)(208mg、1.03mmol)、XPhos(30mg、0.06mmol)、およびNaOtBu(167mg、1.74mmol)の混合物をアルゴンで5分間脱気し、次いで、Pd(dba)(29mg、0.03mmol)を加えた。チューブをアルゴンで充填し、密封し、反応混合物を100℃で2時間撹拌した。室温に冷却した後、hyfloを通して反応混合物を濾過し、EtOAcですすぎ、濾液を飽和NaHCO水溶液で洗浄した。水層を、EtOAcで2回再抽出し、合わせた有機層をNaSO上で脱水させ、濾過し、濃縮し、表題化合物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc、100:0〜50:50)の後に透明なガムとして得た(274mg、78%収率)。UPLC RtM1=1.20分;ESIMS:443[(M+H)]。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.93 (d, 1H), 7.61 (br s, 1H), 7.30-7.35 (m, 1H), 5.71 (s, 1H), 5.34-5.46 (m, 1H), 4.31 (br s, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.68 (t, 2H), 3.34-3.62 (m, 4H), 2.23 (s, 3H), 2.01-2.09 (m, 2H), 1.44 (s, 9H).
e)1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−7−((S)−ピロリジン−3−イルオキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン
(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(364mg、0.82mmol)のDCM(6ml)溶液を、TFA(0.63ml、8.23mmol)で処置し、反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、飽和NaHCO水溶液でクエンチし、DCMで抽出した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題生成物を赤色の油として得て、これをそれ以上精製することなく次のステップで使用した(313mg、90%純度、定量的収率)。
UPLC RtM1=0.65分;ESIMS:343[(M+H)]。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.93 (d, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.32 (d, 1H), 5.70 (s, 1H), 5.26-5.36 (m, 1H), 4.31 (t, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.67 (t, 2H), 2.95-3.15 (m, 3H), 2.81-2.92 (m, 1H), 2.22 (s, 3H), 1.98-2.10 (m, 1H), 1.79-1.90 (m, 1H).
f)(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノン
1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−カルボン酸(CAS登録64096−87−3)(106mg、0.59mmol)のDMF(4ml)溶液を、HBTU(225mg、0.59mmol)およびDIPEA(0.24ml、1.37mmol)で処置した。このように得られたオレンジ色の溶液を、室温で5分間撹拌し、次いで、1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−7−((S)−ピロリジン−3−イルオキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン(156mg、0.46mmol)のDMF(2ml)溶液を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮し、残渣をDCMで溶解し、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。相分離カートリッジを通過させることによって有機層を乾燥させ、濃縮し、SFCクロマトグラフィー(カラムDEAP(250mm×30mm、60A、5μm)Princeton、6分で超臨界CO中メタノールの勾配11〜16%)後に僅かに着色した固体として表題化合物を得た(112mg、49%収率)。
UPLC RtM1=0.81分;ESIMS:503[(M+H)]。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.01 (s, 1H), 7.61 (m, 1H), 7.52 (d, 1H), 5.52 (d, 1H), 5.24-5.43 (m, 1H), 4.26 (br s, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.59-3.79 (m, 3H), 3.41-3.56 (m, 2H), 3.21-3.39 (m, 1H), 2.98-3.21 (m, 4H), 2.67-2.83 (m, 1H), 1.84-2.20 (m, 9H).
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6): δ 8.01 (s, 1H), 7.63-7.59 (m, 1H), 7.55-7.51 (m, 1H), 5.55-5.51 (m, 1H), 5.43-5.24 (m, 1H), 4.29-4.22 (m, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.80-3.60 (m, 2H), 3.56-3.37 (m, 3H), 3.28-2.99 (m, 5H), 2.89-2.66 (m, 1H), 2.19-2.09 (m, 4H), 2.08-1.98 (m, 2H), 1.98-1.86 (m, 3H).
イソプロパノール/ジエチルエーテル中での加熱および冷却による実施例F1の結晶化
474mgのアモルファスの実施例F1を、1.4mLのイソプロパノールに懸濁した。混合物を70℃に加熱し、70℃で撹拌し、実施例F1の完全な溶解を可能とした。溶液を室温に冷却し、接着剤残渣が形成された。2mLのジエチルエーテルを加え、スラリーを48時間撹拌した。白色の懸濁液が形成された。懸濁液を濾過し、固体を40℃、15ミリバールで乾燥させた。微細な白色の粉末が得られた。材料は、僅かのみの残留溶媒(<0.5%)を含有する。148.77℃の融解開始を伴う実施例F1の結晶性無水形態を得た。
実施例F1の無水形態(方法M1)の許容差±0.5を伴うX線粉末回折パターンからの最も有意な2シータピークの一覧(情報のために低い/弱いピークを含む)。注記:ピークのこの一覧は網羅的ではないが、単に「とりわけ」である。
生物学的評価
化合物の活性は、次のインビトロおよびインビボ法によって評価することができる。
生物学的アッセイ
1 酵素的PI3KアルファおよびPI3Kデルタイソ型阻害の測定
1.1 脂質キナーゼ活性の試験
PI3キナーゼ阻害剤としての化合物の効能は、以下のとおり実証することができる。
キナーゼ反応を、ハーフエリアCOSTAR、96ウェルプレートのウェル当たり50μlの最終体積で実施する。アッセイにおけるATPおよびホスファチジルイノシトールの最終濃度は、それぞれ、5μMおよび6μg/mLである。PI3キナーゼ、例えばPI3キナーゼδの添加によって、反応を開始する。
p110δ。アッセイの成分を、次のとおりウェル当たり添加する。
− カラム2−1におけるウェル当たり5% DMSO中10μl試験化合物。
− カラム1の最初の4ウェルおよびカラム12の最後の4ウェルにおける10μlの5%体積/体積DMSOの添加によって、合計活性を測定する。
− カラム1の最後の4ウェルおよびカラム12の最初の4ウェルへの10μM対照化合物の添加によって、バックグラウンドを測定する。
− 2mL「アッセイミックス」をプレート当たり調製する。
1.912mLのHEPESアッセイ緩衝液
ウェル当たり5μMの最終濃度をもたらすATPの3mMストックの8.33μl
ウェル当たり0.05μCiをもたらす活性日における1μlの[33P]ATP
ウェル当たり6μg/mLの最終濃度をもたらす1mg/mL PIストックの30μl
ウェル当たり1mMの最終濃度をもたらす1MストックMgClの5μl
− 20μlのアッセイミックスをウェル当たり添加する。
− 2mL「酵素ミックス」をプレート当たり調製する(2mLのキナーゼ緩衝液中xμlのPI3キナーゼp110β)。アッセイプレートへの添加の間、「酵素ミックス」を、氷上に維持する。
− 20μl「酵素ミックス」を、ウェル当たり添加して反応を開始する。
− 次いで、プレートを、室温で90分間インキュベートする。
− ウェル当たり50μlのWGA−SPAビーズ(コムギ胚芽凝集素をコーティングしたシンチレーション近接アッセイビーズ)懸濁液の添加によって、反応を停止する。
− TopSeal−S(ポリスチレンマイクロプレート用ヒートシール、PerkinElmer LAS[Deutschland]GmbH、Rodgau、ドイツ)を使用して、アッセイプレートを密閉し、室温で少なくとも60分間インキュベートする。
− 次いで、Jouan卓上遠心分離機(Jouan Inc.、Nantes、フランス)を使用して、1500rpmで2分間、アッセイプレートを遠心分離する。
− Packard TopCountを使用して、アッセイプレートをカウントし、各ウェルを20秒間カウントする。
酵素の量は、使用するバッチの酵素活性によって決まる。
一つのより好ましいアッセイにおいて、少量ノンバインディングCORNING、384ウェルブラックプレート(カタログ番号3676)のウェル当たり10μlの最終体積で、キナーゼ反応を実施する。アッセイにおけるATPおよびホスファチジルイノシトール(PI)の最終濃度は、それぞれ1μMおよび10μg/mLである。ATPの添加によって、反応を開始する。
アッセイの成分を次のとおりウェル当たり添加する。
一つずつ8種の濃度(1/3および1/3.33連続希釈ステップ)でのカラム1〜20における、ウェル当たり90% DMSO中の50nl試験化合物。
− 低対照:カラム23〜24の半分のウェルに50nlの90% DMSO(最終0.45%)。
− 高対照:カラム23〜24の別の半分に参照化合物(例えば、WO2006/122806における実施例7の化合物)の50nl(最終2.5μM)。
− 標準:カラム21〜22における試験化合物として希釈した、ちょうど言及した50nlの参照化合物。
− 20mL「緩衝液」をアッセイ当たり調製する。
200μlの1M TRIS HCl pH7.5(最終10mM)
60μlの1M MgCl(最終3mM)
500μlの2M NaCl(最終50mM)
100μlの10% CHAPS(最終0.05%)
200μlの100mM DTT(最終1mM)
18.94mLのナノ純水
− 10mL「PI」をアッセイ当たり調製する。
3%オクチルグルコシド中に調製された200μlの1mg/mLの1−アルファ−ホスファチジルイノシトール(Liver Bovine、Avanti Polar Lipids カタログ番号840042C MW=909.12)(最終10μg/mL)
9.8mLの「緩衝液」
− アッセイ当たり10mL「ATP」を調製する。
ウェル当たり1μMの最終濃度をもたらす6.7μlのATPの3mMストック
10mLの「緩衝液」
− 次の最終濃度で「PI」中にアッセイ当たり2.5mLの各PI3K構築物を調製する。
10nM PI3KアルファEMV B1075
25nM ベータEMV BV949
10nM デルタEMV BV1060
150nM ガンマEMV BV950
− ウェル当たり5μlの「PI/PI3K」を添加する。
− ウェル当たり5μlの「ATP」を添加して反応を開始する。
− 次いで、室温で60分間(アルファ、ベータ、デルタ)または120分間(ガンマ)、プレートをインキュベートする。
− 10μlキナーゼ−Glo(Promega カタログ番号6714)の添加によって、反応を停止する。
− 100ミリ秒の積分時間および191に設定された感度で、Synergy 2 reader(BioTek、Vermont 米国)で、10分後に、アッセイプレートを読む。
− アウトプット:高対照は、約60’000カウントであり、低対照は、30’000以下である。
− このルミネセンスアッセイは、0.4から0.7の間の有用なZ’比を与える
Z’値は、アッセイのロバストネスの万能尺度である。0.5から1.0の間のZ’は、優れたアッセイと認められる。
このアッセイのために、記載されたPI3K構築物を以下のとおり調製する。
1.2 遺伝子構築物の生成
二つの異なる構築物、BV 1052およびBV 1075を使用して、化合物スクリーニングのためのPI3キナーゼαタンパク質を生成する。
PI3Kα BV−1052 p85(iSH2)−Glyリンカー−p110a(D20aa)−C−末端Hisタグ
p85サブユニットのインターSH2ドメイン(iSH2)およびp110−aサブユニット(最初の20個のアミノ酸の欠失を有する)のためのPCR生成物を生成し、オーバーラップPCRによって融合する。iSH2 PCR生成物を、最初にプライマー
gwG130−p01(5’−CGAGAATATGATAGATTATATGAAGAAT−3’)(配列番号1)およびgwG130−p02(5’−TGGTTT−AATGCTGTTCATACGTTTGTCAAT−3’)(配列番号2)
を使用して一本鎖cDNAから生成する。続いて、二次PCR反応において、Gateway(Invitrogen AG、Basel、スイス)組換えAttB1サイトおよびリンカー配列を、プライマー
gwG130−p03(5’−GGGACAAGTTTGTACAAAAAAGCAGGCTACGAAGGAGATATACATAT−GCGAGAATATGATAGATTATATGAAGAAT−3’)(配列番号3)および
gwG152−p04(5’−TACCATAATTCCACCACCACCACCGGAAATTCCCCCTGGTTT−AATGCTGTTCATACGTTTGTCAAT−3’)(配列番号4)
を使用して、それぞれp85 iSH2フラグメントの5’末端および3’末端に添加する。
p110−aフラグメントを同様に、最初にプライマー
gwG152−p01(5’−CTAGTGGAATGTTTACTACCAAATGG−3’)(配列番号5)および
gwG152−p02(5’−GTTCAATG−CATGCTGTTTAATTGTGT−3’)(配列番号6)
を使用して、一本鎖cDNAから生成する。
続いてのPCR反応において、リンカー配列およびヒスチジンタグを、プライマー
gw152−p03(5’−GGGGGAATTTCCGGTGGTGGTGGTGGAATTATGGTAC−TAGTGGAATGTTTACTACC−AAATGGA−3’)(配列番号7)および
gwG152−p06(5’−AGCTCCGTGATGGTGATGGTGATGTGCTCCGTTCAATG−CATGCTGTTTAATTGTGT−3’)(配列番号8)
を使用して、それぞれp110−aフラグメントの5’末端および3’末端に添加する。
p85−iSH2/p110−a融合タンパク質を、iSH2フラグメントの3’末端およびp110−aフラグメントの5’末端においてオーバーラップするリンカーによって、上述されたgwG130−p03プライマーおよびオーバーラップするヒスチジンタグおよびAttB2組換え配列
(5’−GGGACCACTTTGTACAAGAAAGCTGGGTTTAAGCTCCGTGATGGTGATGGTGAT−GTGCTCC−3’)(配列番号9)
を含有するプライマーを使用して、第3のPCR反応において組み立てる。
この最終生成物を、(Invitrogen)OR反応においてドナーベクターpDONR201に組み込んでORF318エントリークローンを生成する。このクローンをシークエンシングによって検証し、バキュロウイルス発現ベクターLR410の生成のためのGateway採用pBlueBac4.5(Invitrogen)ベクターに挿入物を移すために、Gateway LR反応において使用する。
PI3Kα BV−1075 p85(iSH2)−12 XGlyリンカー−p110a(D20aa)−C−末端Hisタグ
バキュロウイルスBV−1075のための構築物を、p85フラグメントおよびベクターpBlueBac4.5にクローニングしたp110−aフラグメントから構成された3部のライゲーションによって生成する。p85フラグメントは、Nhe/Speで消化したプラスミドp1661−2由来である。p110−aフラグメントは、SpeI/HindIIIフラグメントとしてLR410(上記を参照されたい)由来である。クローニングベクターpBlueBac4.5(Invitrogen)を、Nhe/HindIIIで消化する。これは、構築物PED 153.8をもたらす。
p85成分(iSH2)は、テンプレートとしてのORF 318(上記に記載された)および一つのフォワードプライマー
KAC1028(5’−GCTAGCATGCGAGAATATGATAGATTATATGAAGAATATACC)(配列番号10)および二つのリバースプライマー
KAC1029(5’−GCCTCCACCACCTCCGCCTGGTTTAATGCTGTTCATACGTTTGTC)
(配列番号11)および
KAC1039(5’−TACTAGTCCGCCTCCACCACCTCCGCCTCCACCACCTCCGCC)
(配列番号12)
を使用して、PCRによって生成する。
二つのリバースプライマーは、オーバーラップし、12x Glyリンカーおよびp110a遺伝子のN−末端配列をSpeI部位に組み込む。12x Glyリンカーは、BV1052構築物においてリンカーを置き換える。PCRフラグメントをpCR2.1 TOPO(Invitrogen)にクローニングする。得られたクローニング物において、p1661−2が正しいことが決定される。このプラスミドをNheおよびSpeIで消化し、得られるフラグメントをゲル単離し、サブクローニングのために精製する。p110−aクローニングフラグメントを、Spe IおよびHindIIIを用いて、クローンLR410(上記を参照されたい)の酵素消化によって生成する。SpeI部位は、p110a遺伝子のコーディング領域にある。得られるフラグメントを、ゲル単離しサブクローニングのために精製する。
クローニングベクター、pBlueBac4.5(Invitrogen)を、NheおよびHindIIIを用いて酵素消化によって調製する。切断したベクターを、Qiagen(Quiagen N.V、Venlo、オランダ)カラムを用いて精製し、次いで、子牛腸アルカリホスファターゼ(CIP)(New England BioLabs、Ipswich、MA)を用いて脱リン酸化する。CIP反応の完了後、切断したベクターを、再びカラム精製して最終ベクターを生成する。3部のライゲーションを、Roche Rapidリガーゼおよびベンダー仕様書を使用して実施する。
PI3Kβ BV−949 p85(iSH2)−Glyリンカー−p110b(完全長)−C−末端Hisタグ
p85サブユニットのインターSH2ドメイン(iSH2)および完全長p110−bサブユニットのためのPCR生成物を生成し、PCRをオーバーラップすることによって融合する。
iSH2 PCR生成物を、最初にプライマー
gwG130−p01(5’−CGAGAATATGATAGATTATATGAAGAAT−3’)(配列番号1)およびgwG130−p02(5’−TGGTTT−AATGCTGTTCATACGTTTGTCAAT−3’)(配列番号2)
を使用して、一本鎖cDNAから生成する。続いて、二次PCR反応において、Gateway(Invitrogen)組換えAttB1部位およびリンカー配列を、プライマー
gwG130−p03(5’−GGGACAAGTTTGTACAAAAAAGCAGGCTACGAAGGAGATA−TACATATGCGAGAATATGATAGATTATATGAAGAAT−3’)(配列番号3)および
gwG130−p05(5’−ACTGAAGCATCCTCCTCCTCCTCCTCCTGGTTTAAT−GCTGTTCATACGTTTGTC−3’)(配列番号13)
を使用して、それぞれp85 iSH2フラグメントの5’末端および3’末端に添加する。
p110−bフラグメントを同様に、リンカー配列およびp110−bの5’末端を含有するプライマー
gwG130−p04(5’−ATTAAACCAGGAGGAGGAGGAGGAGGATGCTTCAGTTTCATAATGCC−TCCTGCT−3’)(配列番号4)
および、ヒスチジンタグに融合したp110−bの3’末端の配列を含有するプライマー
gwG130−p06(5’−AGCTCCGTGATGGTGATGGTGATGTGCTCCAGATCTGTAGTCTTT−CCGAACTGTGTG−3’)(配列番号14)
を最初に使用して、一本鎖cDNAから生成する。
p85−iSH2/p110−b融合タンパク質を、上述されたgwG130−p03プライマーおよびオーバーラップするヒスチジンタグおよびAttB2組換え配列(5’−GGGACCACTTTGTACAAGAAAGCTGGGTTT−AAGCTCCGTGATGGTGATGGTGATGTGCTCC−3’)(配列番号15)を含有するプライマーを使用して、iSH2フラグメントの3’末端およびp110−bフラグメントの5’末端におけるリンカーの反応であるPCRをオーバーラップすることによって組み立てる。
最終生成物を、Gateway(Invitrogen)OR反応においてドナーベクターpDONR201に組み込んでORF253エントリークローンを生成する。このクローンをシークエンシングによって検証し、バキュロウイルス発現ベクターLR280の生成のためのGateway採用pBlueBac4.5(Invitrogen)ベクターに挿入物を移すために、Gateway LR反応において使用する。
PI3Kδ BV−1060 p85(iSH2)−Glyリンカー−p110d(完全長)−C−末端Hisタグ
p85サブユニットのインターSH2ドメイン(iSH2)および完全長p110−dサブユニットのためのPCR生成物を生成し、PCRをオーバーラップすることによって融合する。
iSH2 PCR生成物を、最初にプライマー
gwG130−p01(5’−CGAGAATATGATAGATTATATGAAGAAT−3’)(配列番号1)およびgwG130−p02(5’−TGGTTT−AATGCTGTTCATACGTTTGTCAAT−3’)(配列番号2)
を使用して、一本鎖cDNAから生成する。続いて、二次PCR反応において、Gateway(Invitrogen)組換えAttB1部位およびリンカー配列を、プライマー
gwG130−p03(5’−GGGACAAGTTTGTACAAAAAAGCAGGCTACGAAGGAGATATACAT−ATGCGAGAATATGATAGATTATATGAAGAAT−3’)(配列番号3)および
gwG154−p04(5’−TCCTCCTCCTCCTCCTCCTGGTTTAATGCTGTTCATACGTTTGTC−3’)(配列番号16)
を使用して、それぞれp85 iSH2フラグメントの5’末端および3’末端に添加する。
p110−aフラグメントは、同様に、最初にプライマー
gwG154−p01(5’−ATGCCCCCTGGGGTGGACTGCCCCAT−3’)(配列番号17)およびgwG154−p02(5’−CTACTG−CCTGTTGTCTTTGGACACGT−3’)(配列番号18)
を使用して、一本鎖cDNAから生成する。
続いてのPCR反応において、リンカー配列およびヒスチジンタグを、プライマー
gw154−p03(5’−ATTAAACCAGGAGGAGGAGGAGGAGGACCCCCTGGGGTGGAC−TGCCCCATGGA−3’)(配列番号19)およびgwG154−p06(5’−AGCTCCGTGATGGTGAT−GGTGATGTGCT−CCCTGCCTGTTGTCTTTGGACACGTTGT−3’)(配列番号20)
を使用して、それぞれp110−dフラグメントの5’末端および3’末端に添加する。
p85−iSH2/p110−d融合タンパク質を、第3のPCR反応において、上述されたgwG130−p03プライマーおよびオーバーラップするヒスチジンタグおよびGateway(Invitrogen)AttB2組換え配列(5’−GGGACCACTTTGTA−CAAGAAAGCTGGGTTT−AAGCTCCGTGATGGTGATGGTGATGTGCTCC−3’)(配列番号21)を含有するプライマーを使用して、iSH2フラグメントの3’末端およびp110−dフラグメントの5’末端でリンカーをオーバーラップすることによって組み立てる。
この最終生成物を、Gateway(Invitrogen)OR反応において、ドナーベクターpDONR201に組み込んでORF319エントリークローンを生成する。このクローンをシークエンシングによって検証し、バキュロウイルス発現ベクターLR415の生成のためのGateway採用pBlueBac4.5(Invitrogen)ベクターに挿入物を移すために、Gateway LR反応において使用する。
PI3Kγ BV−950 p110g(D144aa)−C−末端Hisタグ
この構築物を、Roger Williams lab、MRC Laboratory of Molecular Biology、Cambridge、イギリス(2003年11月)より得る。構築物の説明:Pacold M. E.ら、(2000) Cell 103巻、931〜943ページ。
1.3 タンパク質の発現および精製
PI3Kイソ型のための組換えバキュロウイルスおよびタンパク質を生成する方法:
異なるPI3キナーゼ遺伝子を含有するpBlue−Bac4.5(a、b、およびdイソ型用)またはpVL1393(g用)プラスミドを、ベンダーに推奨される方法を使用して、BaculoGold WTゲノムDNA(BD Biosciences、Franklin Lakes、NJ、米国)と共に同時形質移入する。続いて、形質移入から得られる組換えバキュロウイルスを、Sf9昆虫細胞上でプラーク精製して、組換えタンパク質を発現しているいくつかの単離株を得る。陽性クローンは、抗HISまたは抗イソ型抗体ウェスタンによって選択される。PI3Kアルファおよびデルタイソ型について、二次プラーク精製を、PI3Kの第1のクローンウイルスストック上で実施する。全てのバキュロウイルス単離株の増幅を、低い感染多重度(moi)において実施して、タンパク質生成用の高力価低継代ストックを生成する。バキュロウイルスを、BV1052(α)およびBV1075(α)、BV949(β)、BV1060(δ)およびBV950(γ)と称する。
タンパク質産生は、2lのガラスErlenmyerフラスコ(110rpm)またはウェーブ−バイオリアクター(22〜25rpm)における39〜48時間の、2〜10のmoiにおける、タンパク質を含まない培地における懸濁されたTn5(Trichoplusia ni)またはTiniPro(Expression Systems,LLC、Woodland、CA、米国)細胞の感染(3代以下の継代)を含む。最初、10lの作業体積のウェーブ−バイオリアクターに、半分の許容量(5L)で、3e5細胞/mLの密度で播種する。反応器を、72時間、細胞増殖期中15rpmで揺り動かし、空気と混合した5%酸素を補う(毎分0.2l)。感染の直前に、ウェーブ−リアクター培養物を、密度、生存度について分析し、約1.5e6細胞/mLに希釈する。100〜500mLの高力価、低継代ウイルスを、追加の培養の2〜4時間後に添加する。39〜48時間の感染期間、酸素を35%に増加し、振動台のrpmを25に増加する。感染の間、Vicell生存度分析機(Beckman Coulter,Inc、Fullerton、CA、米国)によって、生存度、直径および密度のバイオプロセスについて細胞をモニターする。種々のパラメーターおよび代謝産物(pH、O飽和、ブドウ糖など)のNova Bioanalyzer(NOVA Biomedical Corp.、Waltham、MA、米国)による読み取りを、回収まで12〜18時間毎に行う。ウェーブ−バイオリアクター細胞を、感染後40時間以内に集める。遠心分離(1500rpmで4度C)によって細胞を集め、続いて、溶解および精製のためにペレットのプーリング中、氷上に維持する。少量の冷たい、補充されていないGrace培地(プロテアーゼ阻害剤を含まない)を用いて、ペレットプールを作る。
HTS(BV1052)のためのPI3Kアルファ精製プロトコル
PI3Kアルファを三つのクロマトグラフィーステップ:Niセファロース樹脂(GE Healthcare、General Electric Company所属、Fairfield、CT、米国)上の固定化金属アフィニティークロマトグラフィー、Superdex 200 26/60カラム(GE Healthcare)を使用するゲル濾過、最後にSP−XLカラム(GE Healthcare)上の陽イオン交換ステップで精製する。全ての緩衝液を4℃に冷却し、氷上で冷却したまま溶解を行う。カラム分画を、室温で迅速に行う。
典型的に、凍結昆虫細胞を、高張溶解緩衝液に溶解し、分取IMACカラムに適用する。樹脂を3〜5カラム体積の溶解緩衝液で洗浄し、次いで、45mMイミダゾールを含有する3〜5カラム体積の洗浄緩衝液で洗浄し、次いで、目的のタンパク質を、250mMイミダゾールを含有する緩衝液で溶離する。画分を、クーマシィー染色SDS−PAGEゲルで分析し、目的のタンパク質を含有する画分をプールし、分取GFCカラムに適用する。GFCカラムからの画分を、クーマシィー染色SDS−PAGEゲルで分析し、目的のタンパク質を含有する画分をプールする。GFCカラムからのプールを、低塩濃度緩衝液に希釈し、分取SP−XLカラムに適用する。安定なA280ベースライン吸光度が達成されるまで、カラムを低塩濃度緩衝液で洗浄し、0mM NaClから500mM NaClまでの20カラム体積勾配を使用して溶離する。再び、SP−XLカラムからの画分を、クーマシィー染色SDS−PAGEゲルで分析し、目的のタンパク質を含有する画分をプールする。最終的なプールを、50%グリセロールを含有する保存用緩衝液中に透析し、−20℃で貯蔵する。最終的なプールを、ホスホイノシトールキナーゼアッセイで活性について評価する。
HTS(BV949)のためのPI3Kベータ精製プロトコル
PI3Kベータを、二つのクロマトグラフィーステップ:Niセファロース樹脂(GE Healthcare)上の固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)およびSuperdex 200 26/60カラム(GE Healthcare)を使用するゲル濾過(GFC)で精製する。全ての緩衝液を4℃に冷却し、氷上で冷却したまま溶解を行う。カラム分画を、室温で迅速に行う。
典型的に、凍結昆虫細胞を、高張溶解緩衝液に溶解し、分取IMACカラムに適用する。樹脂を3〜5カラム体積の溶解緩衝液で洗浄し、次いで、45mMイミダゾールを含有する3〜5カラム体積の洗浄緩衝液で洗浄し、次いで、目的のタンパク質を、250mMイミダゾールを含有する緩衝液で溶離する。画分を、クーマシィー染色SDS−PAGEゲルで分析し、目的のタンパク質を含有する画分をプールし、分取GFCカラムに適用する。GFCカラムからの画分を、クーマシィー染色SDS−PAGEゲルで分析し、目的のタンパク質を含有する画分をプールする。最終的なプールを、50%グリセロールを含有する保存用緩衝液中に透析し、−20℃で貯蔵する。最終的なプールを、ホスホイノシトールキナーゼアッセイで活性について評価する。
HTS(BV950)のためのPI3Kガンマ精製プロトコル
PI3Kガンマを、二つのクロマトグラフィーステップ:Niセファロース樹脂(GE Healthcare)上の固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)およびSuperdex 200 26/60カラム(GE Healthcare)を使用するゲル濾過(GFC)で精製する。全ての緩衝液を4℃に冷却し、氷上で冷却したまま溶解を行う。カラム分画を、室温で迅速に行う。典型的に、凍結昆虫細胞を、高張溶解緩衝液に溶解し、分取IMACカラムに適用する。樹脂を3〜5カラム体積の溶解緩衝液で洗浄し、次いで、45mMイミダゾールを含有する3〜5カラム体積の洗浄緩衝液で洗浄し、次いで、目的のタンパク質を、250mMイミダゾールを含有する緩衝液で溶離する。画分を、クーマシィー染色SDS−PAGEゲルで分析し、目的のタンパク質を含有する画分をプールし、分取GFCカラムに適用する。GFCカラムからの画分を、クーマシィー染色SDS−PAGEゲルで分析し、目的のタンパク質を含有する画分をプールする。最終的なプールを、50%グリセロールを含有する保存用緩衝液中に透析し、−20℃で貯蔵する。最終的なプールを、ホスホイノシトールキナーゼアッセイで活性について評価する。
HTS(BV1060)のためのPI3Kデルタ精製プロトコル
PI3Kデルタを、三つのクロマトグラフィーステップ:Niセファロース樹脂(GE Healthcare)上の固定化金属アフィニティークロマトグラフィー、Superdex 200 26/60カラム(GE Healthcare)を使用するゲル濾過、最後にQ−HPカラム(GE Healthcare)上の陰イオン交換ステップで精製する。全ての緩衝液を、4℃に冷却し、氷上で冷却したまま、溶解を行う。カラム分画を室温で迅速に行う。典型的に、凍結昆虫細胞を、高張溶解緩衝液に溶解し、分取IMACカラムに適用する。樹脂を3〜5カラム体積の溶解緩衝液で洗浄し、次いで、45mMイミダゾールを含有する3〜5カラム体積の洗浄緩衝液で洗浄し、次いで、目的のタンパク質を、250mMイミダゾールを含有する緩衝液で溶離する。画分を、クーマシィー染色SDS−PAGEゲルで分析し、目的のタンパク質を含有する画分をプールし、分取GFCカラムに適用する。GFCカラムからの画分を、クーマシィー染色SDS−PAGEゲルで分析し、目的のタンパク質を含有する画分をプールする。GFCカラムからのプールを、低塩濃度緩衝液に希釈し、分取Q−HPカラムに適用する。安定なA280ベースライン吸光度が達成されるまで、カラムを低塩濃度緩衝液で洗浄し、0mM NaClから500mM NaClまでの20カラム体積勾配を使用して溶離する。再び、Q−HPカラムからの画分を、クーマシィー染色SDS−PAGEゲルで分析し、目的のタンパク質を含有する画分をプールする。最終的なプールを、50%グリセロールを含有する保存用緩衝液中に透析し、−20℃で貯蔵する。最終的なプールを、ホスホイノシトールキナーゼアッセイで活性について評価する。
IC50を、「excel fit」と組み合わせての4パラメーター曲線適合ルーティンによって求める。4パラメーターロジスティック方程式を、8種の濃度(通常、10、3.0、1.0、0.3、0.1、0.030、0.010および0.003μM)における各化合物の阻害百分率のIC50値(IDBS XLfit)を計算するために使用する。別法として、IC50値を、4パラメーターロジスティックモデルであるidbsXLfitモデル204を使用して計算する。
さらに、別法として、ATP枯渇アッセイについて、試験すべき化合物を、DMSOに溶解し、ウェル当たり0.5μlで白色384ウェルプレートに直接分配する。反応を開始するために、10μlの10nM PI3キナーゼおよび5μg/mL 1アルファ−ホスファチジルイノシトール(PI)を、各ウェルに添加し、次いで10μlの2μM ATPを添加する。ATPの約50%が枯渇するまで反応を行い、次いで、20μlのキナーゼ−Glo溶液(Promega Corp.、Madison、WI、米国)の添加によって停止する。停止した反応物を、5分間インキュベートし、次いで、残ったATPをルミネセンスによって検出する。次いで、IC50を求める。
本発明の一実施形態において、PI3K阻害剤であって、前記阻害剤は、PI3Kデルタイソ型への阻害作用を有し、酵素的PI3KデルタアッセイにおけるIC50として表された活性の範囲は、1nMから500nMの間である。
本発明の別の実施形態において、PI3K阻害剤であって、前記阻害剤は、PI3Kデルタイソ型への阻害作用を有し、酵素的PI3KデルタアッセイにおけるIC50として表された活性の範囲は、1nMから100nMの間である。
本発明の別の実施形態において、PI3K阻害剤であって、前記阻害剤は、PI3Kデルタイソ型への阻害作用を有し、酵素的PI3KデルタアッセイにおけるIC50として表された活性の範囲は、0.5nMから10nMの間である。
本発明の一実施形態において、PI3K阻害剤であって、前記阻害剤は、PI3Kデルタイソ型への阻害作用を有し、細胞のPI3KデルタアッセイにおけるIC50として表された活性の範囲は、1nMから1000nMの間である。
本発明の別の実施形態において、PI3K阻害剤であって、前記阻害剤は、PI3Kデルタイソ型への阻害作用を有し、細胞のPI3KデルタアッセイにおけるIC50として表された活性の範囲は、1nMから500nMの間である。
本発明の別の実施形態において、PI3K阻害剤であって、前記阻害剤は、PI3Kデルタイソ型への阻害作用を有し、阻害剤は、他のイソ型の1つまたは複数よりPI3Kデルタイソ型への選択性を示し、この選択性は少なくとも10倍である。
本発明の別の実施形態において、PI3K阻害剤であって、前記阻害剤は、PI3Kデルタイソ型への阻害作用を有し、阻害剤は、他のイソ型の1つまたは複数よりPI3Kデルタイソ型への選択性を示し、この選択性は少なくとも20倍である。
本発明の別の実施形態において、PI3K阻害剤であって、前記阻害剤は、PI3Kデルタイソ型への阻害作用を有し、阻害剤は、異なるパラログPI3KαおよびβよりPI3Kデルタイソ型への選択性を示し、この選択性は少なくとも10倍である。
本発明の別の実施形態において、PI3K阻害剤であって、前記阻害剤は、PI3Kデルタイソ型への阻害作用を有し、阻害剤は、異なるパラログPI3KαおよびβよりPI3Kデルタイソ型への選択性を示し、この選択性は少なくとも20倍である。
本発明の別の実施形態において、PI3K阻害剤であって、前記阻害剤は、PI3Kデルタイソ型への阻害作用を有し、細胞のPI3KデルタアッセイにおけるIC50として表された活性の範囲は、1nMから500nMの間であり、前記阻害剤は、PI3Kデルタイソ型への阻害作用を有し、阻害剤は、異なるパラログPI3KαおよびβよりPI3Kデルタイソ型への選択性を示し、この選択性は少なくとも10倍である。
本発明の別の実施形態において、PI3K阻害剤であって、前記阻害剤は、PI3Kデルタイソ型への阻害作用を有し、細胞のPI3KデルタアッセイにおけるIC50として表された活性の範囲は、1nMから500nMの間であり、前記阻害剤は、PI3Kデルタイソ型への阻害作用を有し、阻害剤は、異なるパラログPI3KαおよびβよりPI3Kデルタイソ型への選択性を示し、この選択性は少なくとも20倍である。
2.細胞アッセイ
2.1 Rat−1細胞におけるホスホイノシチド−3キナーゼ(PI3K)が媒介するAkt1/2(S473)リン酸化
ヒトホスホイノシチド−3キナーゼ(PI3K)の触媒サブユニットであるアルファ、ベータまたはデルタのミリストイル化形態を安定的に過剰発現しているRat−1細胞を、30ulの完全増殖培地(10%(v/v)ウシ胎仔血清、1%(v/v)MEM非必須アミノ酸、10mMのHEPES、2mMのL−グルタミン、10μg/mLのピューロマイシンおよび1%(v/v)のペニシリン/ストレプトマイシンを補充したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM高グルコース))中で、7500個(PI3Kアルファ)、6200個(PI3Kベータ)、または4000個(PI3Kデルタ)の細胞の密度で384ウェルプレートに蒔き、37%C/5%CO/95%湿度にて24時間インキュベートした。90% DMSO中の40試験化合物用の8点連続希釈、ならびに4参照化合物プラス16高対照および16低(阻害された)対照を得るために、384ウェル化合物プレート中で化合物を希釈した。Hummingwellナノリットルディスペンサーを使用して384ウェルポリプロピレンプレートに250nlの化合物溶液をピペット分注することによって、予備希釈プレートを調製した。49.75ulの完全成長培地の添加によって、化合物を予備希釈した。10ulの予備希釈した化合物溶液を、384ウェルピペッターを使用して細胞プレートに移し、0.11%の最終DMSO濃度をもたらした。
細胞を37%C/5%CO/95%湿度にて1時間インキュベートした。上清を除去し、AlphaScreen(登録商標)SureFire(登録商標)検出のために細胞を20ulの溶解緩衝液中で溶解した。
p−AKT(Ser473)の検出のために、SureFire(登録商標)p−Akt 1/2(Ser473)アッセイキット(PerkinElmer、米国)を使用した。5ulの細胞溶解物を、384ウェルピペッターを使用して検出のために384ウェル少量Proxiplateに移した。AlphaScreen(登録商標)SureFire(登録商標)試薬の添加は、製造者のプロトコルに従って行った。第一に、5ulの反応緩衝液プラスAlphaScreen(登録商標)アクセプタービーズを含有する活性化緩衝液ミックスを添加し、プレートを密閉し、室温において2時間プレートシェーカー上でインキュベートした。第二に、AlphaScreen(登録商標)ドナービーズを含有する2ulの希釈緩衝液を添加し、プレートを、さらに2時間、上記のとおりプレートシェーカー上でインキュベートした。プレートを、標準的AlphaScreen(登録商標)設定を使用して、AlphaScreen(登録商標)互換性プレートリーダーで読み取った。
2.2 マウスのB細胞活性化の決定
細胞がB細胞受容体(BCR)を介して刺激されるとき、PI3KδはB細胞機能をモジュレートすると認識されてきた(Okkenhaug et al. Science 297:1031 (2002))。B細胞活性化に対する化合物の阻害特性を評価するために、マウス脾臓抗体に由来するマウスのB細胞上の活性化マーカーCD86およびCD69のアップレギュレーションを、抗IgMによる刺激の後に測定する。CD69は、B細胞およびT細胞のための周知の活性化マーカーである(Sancho et al. Trends Immunol. 26:136 (2005))。CD86(B7−2としてもまた公知である)は、B細胞を含む抗原提示細胞上に主に発現する。休止B細胞は、CD86を低レベルで発現するが、例えば、BCRまたはIL−4受容体の刺激に続いてCD86をアップレギュレートする。B細胞上のCD86は、T細胞上のCD28と相互作用する。この相互作用は、最適なT細胞活性化のために、および最適なIgG1反応を生じさせるために必要とされる(Carreno et al. Annu Rev Immunol. 20:29 (2002))。
Balb/cマウスからの脾臓を集め、脾細胞を単離し、10%ウシ胎児血清(FBS)、10mMのHEPES、100単位/mLのペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMIで2回洗浄する。このように補充されるRPMIは、その後培地と称される。細胞を、培地中で2.5×10個の細胞/mLに調節し、200μlの細胞懸濁液(5×10個の細胞)を96ウェルプレートの適当なウェルに加える。
次いで、培地中の50μlの抗IgM mAb(最終濃度:30μg/mL)を加えることによって細胞を刺激する。37℃での24時間のインキュベーション後、細胞を下記の抗体カクテルで染色する。抗マウスCD86−FITC、抗マウスCD69−PerCP−Cy5.5、B細胞のアセスメントのための抗マウスCD19−PerCP、および抗マウスCD3−FITC、T細胞のアセスメントのための抗マウスCD69−PE(2μlの各抗体/ウェル)。暗中で室温(rt)にて1時間後、細胞を96ディープウェルプレートに移す。2%FBSを含有する1mLのPBSで細胞を1回洗浄し、200μl中での再懸濁の後、試料をFACS Caliburフローサイトメーターで分析する。リンパ球を、サイズおよび粒度によってFSC/SSCドットプロットにおいてゲーティングし、CD19、CD3および活性化マーカー(CD86、CD69)の発現についてさらに分析する。データを、BD CellQestソフトウェアを使用して、CD19+またはCD3+集団内で活性化マーカーについて陽染された細胞の百分率としてドットブロットから計算する。
化合物の阻害特性を評価するために、化合物を最初に溶解し、DMSOに希釈し、それに続いて培地に1:50希釈する。Balb/cマウスからの脾細胞を単離し、再懸濁し、上記のような96ウェルプレートに移す(200μl/ウェル)。希釈した化合物または溶媒をプレート(25μl)に加え、37℃で1時間インキュベートする。次いで、培養物を25μlの抗IgM mAb/ウェル(最終濃度30μg/mL)で37℃にて24時間刺激し、抗マウスCD86−FITCおよび抗マウスCD19−PerCP(2μlの各抗体/ウェル)で染色する。CD19陽性B細胞上のCD86発現は、上記のようなフローサイトメトリーによって定量化する。
2.3 ラットB細胞活性化の決定
細胞がB細胞受容体(BCR)を介して刺激されるとき、PI3KδはB細胞機能をモジュレートすることが認識されてきた(Okkenhaug et al. Science 297:1031 (2002))。B細胞活性化に対する化合物の阻害特性を評価するために、全血に由来するラットB細胞に対する活性化マーカーCD86のアップレギュレーションを、抗IgMおよび組換えIL−4による刺激の後で測定する。CD86分子(B7−2としてもまた公知である)は、B細胞を含む抗原提示細胞上に主に発現している。休止B細胞は、CD86を低レベルで発現するが、例えば、BCRまたはIL−4受容体の刺激に続いてCD86をアップレギュレートする。B細胞上のCD86は、T細胞上のCD28と相互作用する。この相互作用は、最適なT細胞活性化のために、および最適なIgG1反応を生じさせるために必要とされる(Carreno et al. Annu Rev Immunol. 20:29 (2002))。
ラット血液の収集
ヘパリンナトリウムで事前コーティングした皮下針を有する10mlのシリンジを使用して、全血を、成体雄Lewisラット(LEW/HanHsd)obyの腹部大動脈から集めた。血液を50mlのFalconチューブ中に移し、抗凝血剤濃度を100U/mlに調節した。
ラットB細胞の刺激、および特定の阻害剤による処置
免疫抑制薬のインビトロの効果のアセスメントのために、ヘパリン添加血液を、培地で50%に事前希釈した。培地として務めたのは100U/mlのペニシリン、100mg/mlのストレプトマイシン、2mMのL−グルタミン、50mg/mlのデキストラン40および5%ウシ胎仔血清(FCS、Fetaclone I、Gibco#10270−106)を補充したDMEM高グルコース(Animedカタログ#1−26F01−I)。次いで、190μlの事前希釈した血液を、96ウェルU底マイクロタイタープレート(Nunc)において10μlの事前希釈した試験化合物でスパイクし、20〜0.0003μMの濃度範囲を伴う3倍段階希釈をもたらした。対照ウェルをDMSOで事前処置し、0.5%DMSOの最終濃度を得た。培養物を2連で設け、プレート振盪機(Heidolph Titramax101;30秒、スピード900)上で撹拌によってよく混合し、ピペットに吸い上げて吐き出し、再びプレート振盪機上で撹拌した。培養物を37℃、5%COで1時間インキュベートした。次いで、20μlのポリクローナルヤギ抗ラットIgM Ab(Serotec、カタログ#302001)および10μlの希釈した組換えrIL−4(Immunotools#340085)を加え、それぞれ、30μg/mlおよび5ng/mlの最終濃度を得た。上記のようにプレート振盪機上での撹拌によってプレートを混合し、37℃、5%COで24時間インキュベートした。
フローサイトメトリーによるB細胞活性化の決定
インキュベーションの後、15μlの25mMのEDTA溶液を、ウェル毎に加え、15分間振盪し、接着細胞を剥離した。次いで、表面活性化マーカーの分析のために、試料をPE−Cy5−標識した抗ラットCD45RA(BDカタログ#557015)で染色し、FACS分析においてB細胞上のゲーティングを可能とした。さらに、試料をPE−標識した抗ラットCD86(BDカタログ#551396)で染色した。全ての染色手順は、暗中室温で30分間行った。インキュベーション後、試料を2ml/ウェルのBD Lysing Solution(BD#349202)を含有する96ディープウェルV底マイクロタイタープレート(Corning#396096)に移した。赤血球の溶解後、試料を2mlのCellWASH(BD#349524)で洗浄した。データは、それぞれ、Cellquest PlusまたはDIVA(バージョン6.1.1)ソフトウェアを使用して、LSRIIまたはFACScaliburフローサイトメーター(BD Biosciences)で取得した。リンパ球を、サイズおよび粒度によってFSC/SSCドットプロットにおいてゲーティングし、CD45RAおよび活性化マーカーの発現についてさらに分析した。データは、CD45RA+集団内で活性化マーカーについて陽染された細胞の百分率としてドットブロットまたはヒストグラムから計算した。
統計的評価
薬物への曝露の後のB細胞活性化の阻害百分率を、下記の式によって計算した。
ORIGIN7ソフトウェア(OriginLab Corporation、Northampton、MA)を、非線形回帰曲線の当てはめのために使用した。50%阻害をもたらす薬物濃度(IC50)を、阻害データにヒルの式をフィットさせることによって得た。
2.4 マウス脾細胞におけるTLR9誘発IL−6の測定
マウス脾臓からの単一細胞懸濁液の調製
安楽死後即座に、脾臓をC57BL/6マウスから切り取った。5mlシリンジからのプランジャーを使用して0.4μMセルストレーナーを通して脾臓をすりつぶす前に、過剰な脂肪を脾臓から切り取った。単一細胞懸濁液を調製し、冷PBSを使用して50mlのFalcon管中で、体積を15mlに調節した。上清の除去および脾臓当たり5mlの赤血球溶解緩衝液中の再懸濁および5分間の室温インキュベーションの前に、4℃において5分間1500rpmで細胞を遠心分離した。4℃での5分間1500rpmの遠心分離の前に、氷冷したPBS(30ml)を細胞に添加した。上清を除去し、40mlのマウス脾細胞培養培地(MSCM)で2度、細胞を洗浄した。MSCMは、100単位/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシン、1×非必須アミノ酸、1mMピルビン酸ナトリウム、0.05mM β−メルカプトエタノール、および10%加熱不活性化したウシ胎仔血清(FBS)を補充したRPMIからなった。細胞を10〜20mlのMSCMに再懸濁し、Countessセルカウンターを使用してカウントした。およそ60×10個の脾細胞が、単一のC57BL/6マウス脾臓から得られた。
マウス脾細胞の刺激および特定の阻害剤による処理
脾細胞を、96ウェル平底プレートに100μlの量で2×10細胞/ウェルの最終密度でプレートし、加湿した37℃のインキュベーター中で2〜4時間インキュベートした。その後、試験すべき化合物を、先に調製した化合物ストックプレートを使用し、自動液体操作機械を使用して分注した。ストックプレートは、2倍または3倍希釈を使用して8〜10点に配列した化合物(90%/10% DMSO/ddHO中)からなった。液体操作機械は、先に調製された化合物ソースプレートからの1μlの各希釈を、96ウェルプレート中の適切な目的ウェル中に分注した。細胞培養物中の化合物の最終出発濃度は、10μMであった。細胞培養物中のDMSOの最終濃度は、0.5%であった。細胞を、TLRリガンドの添加前に、1時間、化合物と共にインキュベートした。次いで、10×EC80濃度のCpG1826を、20μlの量で(200μlの最終培養物体積のために)添加し、その後、加湿した37℃のインキュベーター中で終夜、培養物をインキュベートした。
ELISAによるインターロイキン6の測定
終夜の培養の後、プレートを室温で5分間、2000rpmで遠心分離した。続いて150μlの各培養物を、96ウェルV底プレートに移し、市販のマウスIL−6サンドイッチELISAキットを使用して、IL−6レベルを測定した。一時的に、PBS/0.1% BSAで1時間、遮断する前に、プレートを捕捉抗体で終夜コーティングした。試料および標準を50μlの量で添加し、プレートを室温で2時間インキュベートした。標準/試料の除去後、50μlのビオチン化検出抗体の添加の前に、PBS/0.05% Tweenを使用してプレートを洗浄し、その後、撹拌しながら、プレートを室温で2時間インキュベートした。ウェル当たり50μlストレプトアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼの添加の前に、プレートを、20分間、再び洗浄した。追加のプレート洗浄に続いて、50μl TMB基質を各ウェルに添加し、25μl/ウェルの停止液の添加の前に、プレートを20分間インキュベートした。SpectraMax 190 Plate Reader(450nm)を使用して、IL−6レベルを測定し、SoftMax ProおよびGraphPad Prismソフトウェアを使用して分析した。
2.5 ヒト末梢血単核細胞(PBMC)におけるTLR9誘発IFNアルファの測定
ヒト新鮮血からのPBMCの調製
ヒト血液(約75ml)を、Heparin(S−Monovette 7.5mL NH Heparin 16 IU/mL血液;Starstedt)を入れた10S−Monovette管に集めた。Leucosep(商標)管(30mL #227290;Greiner Bio−one)を、管当たり15mlリンパ球分離培地LSM1077(商標)(#J15−004;PAA Laboratories)の添加および1000gにおける30秒間の遠心分離によって調製した。等量のPBS(Ca2+/Mg2+を含まない;#14190−094)による希釈に続いて、約25mlの血液をLeucosep(商標)管に移した。ブレーキをかけずにEppendorf 5810R遠心分離機を使用して、22℃で20分間、800gで、試料を遠心分離した。PBMC層を、血漿:分離媒体界面から注意深く取り出し、清潔な50ml管に移した。細胞を、PBS(最大で45mlまで)の添加によって一度洗浄し、Eppendorf 5810Rを使用してブレーキ(速度9に設定)をかけながら遠心分離(22℃で1400rpm、10分)した。ペレット細胞を、培地(RPMI 1640+GlutaMAX−I、0.05mM 2−メルカプトエタノール、10mM HEPESおよび5%v/v FCS)に注意深く再懸濁化し、試料をプールした。培地成分の2−メルカプトエタノール(#31350−010;50mM)、Hepes(#15630−056、1M)およびRPMI 1640(1×)+GlutaMAX−I(#61870−010)はGibcoから得た。FCS(#2−01F36−1)は、Amimedから得た。PBMCを、Countess(登録商標)自動セルカウンターを使用してカウントした(等量(10μl)のTrypan Blueの添加の前に、試料を培地に1:10で予備希釈した)。細胞を、4×10細胞/mlに希釈し、384ウェルプレート(#353962; Becton Dickinson AG)に播種して25μlの最終量を得た(即ち、1×10細胞/ウェル)。
PBMCの刺激および特定の阻害剤による処理
化合物を、100%v/v DMSO(#41640−100mL;Sigma−Aldrich)中に予備希釈し、次いで培地に移した(0.25%の最終DMSO濃度を達成するため)。適切な化合物希釈(5μl)またはビヒクル対照(5μl)で、細胞を処理し、5%(v/v)COを含む空気中で、加湿したインキュベーター中で30分間、37℃でインキュベートした。細胞を、CpG2216(0.3μM;#tlrl−hodna;Invivogen)またはビヒクル対照(10μl/ウェル)で刺激し、20時間インキュベートした。プレートを、短時間遠心分離(22℃で200×g、2分間)し、IFNαレベルの定量のために、上清試料(30μl)を取り出した。
AlphaLisa技術を使用したIFNαの定量化
IFNアルファの定量化のために、PerkinElmer製のヒトインターフェロンAlphaLISAキット(#AL264F)を使用した。抗IFNαアクセプタービーズ(最終5μg/ml)およびビオチン化抗体抗IFNα(最終0.5nM)を含有する抗体ミックスを、新しく調製し、384ウェルOptiplate(商標)(#6007299;PerkinElmer)中に分注(5μl)する。既知のIFNα標準(ヒトIFNα B(2b))の希釈を調製し、細胞上清(5μl)と一緒に上記プレートに添加した。プレートを短時間遠心分離(200gにおけるパルス)し、接着性シーリングフィルムで覆い、ボルテックスし、暗所で、室温で1時間インキュベートした。ストレプトアビジン-コーティングしたドナービーズ(最終20μg/ml)を調製し、薄暗い場所(光に敏感なミックス)において各ウェル(5μl)に添加した。プレートを室温で30分インキュベートした(プレートを遠心分離または覆ってはならない)。インキュベーション後、装置自体の「AlphaScreen標準設定」(例えば、合計測定時間:550ms、レーザー 680nm励起時間:180ms、ミラー:D640 as、発光フィルター:M570w、中心波長570nm、帯域幅100nm、透過率75%)を使用するALPHAオプションを備えたEnVision(商標)マルチプレートリーダーで、プレートを読んだ。分析およびIFNαレベルの定量化のためにデータを集めた。
データ評価および分析
XLfitアドイン(IDBS;バージョン4.3.2)を備えたExcel XL fit 4.0(Microsoft)を使用してデータを分析した。特定のIFNα濃度を、ヒトIFNα B(2b)を使用する標準曲線への外挿に従って求めた。化合物の個別のIC50値は、実験データへの曲線の適合後の非線形回帰によって求めた。
3 ヒツジ赤血球(SRBC)に対する抗体産生の決定
簡潔に言えば、OFAラットに、d0にヒツジ赤血球をi.v.注射し、研究中の化合物で経口的に連続4日(d0からd3)処置した。d4に脾臓細胞懸濁液を調製し、指標細胞(SRBC)および補体の存在下でリンパ球を軟寒天上に蒔いた。SRBC特異抗体(主に、IgMサブクラス)の分泌による指標細胞の溶解、および補体の存在によって、プラークが生じた。プレート毎のプラークの数を計数し、脾臓毎のプラークの数として表した。
免疫化:5匹の雌性OFAラットの群を、ラット毎に0.5mlの容量でi.v.注射によって2×10個/mlのSRBC(Laboratory Animal Services LAS、Novartis Pharma AGから得た)で0日目に免疫化した。
化合物処置:動物を、0.5%CMC、0.5%Tween80に懸濁した化合物で、免疫化の日に開始して連続4日間(0日目、1日目、2日目および3日目)処置した。化合物を、投与の間に12時間の間隔を伴って、5ml/kg体重の適用容量で経口的に1日2回投与した。
脾臓細胞懸濁液の調製:
4日目に、COで動物を安楽死させた。脾臓を取り出し、秤量し、各ラットの脾臓について10mlの冷たい(4℃)ハンクス平衡塩類溶液(HBSS;Gibco、pH7.3、1mgのフェノールレッド/100mlを含有)を含有するプラスチックチューブ中に入れた。ガラス製ポッターで脾臓をホモジナイズし、氷上で5分間静置し、1mlの上清を、新しいチューブ中に移した。細胞を4mlのHBSS中で1回洗浄し、次いで、上清を廃棄し、ペレットを1mlのHBSSに再懸濁した。脾臓毎のリンパ球数を自動化細胞計数器によって決定し、脾臓細胞懸濁液を30×10個/mlの細胞濃度に調節した。
プラーク形成アッセイ:
軟寒天ペトリ皿は、HBSS中の0.7%アガロース(SERVA)と共に調製した。
さらに、1mlの0.7%アガロースを、プラスチックチューブ中で調製し、水浴において48℃で保持した。50μlの30×10個/mlでの脾臓細胞懸濁液および50μlの40×10個/mlでのSRBCを加え、急速に混合し(ボルテックス)、調製したアガロース皿中に注いだ。ペトリ皿を僅かに傾け、アガロース層上の細胞混合物の均一な分布を達成した。皿を室温で15分間静置し、次いで、37℃にて60分間インキュベートした。次いで、1.4mlのモルモット補体(Harlan;10%)を加え、37℃にてさらに60分間インキュベーションを続けた。SRBC特異的抗体は、これらの近傍において抗原(SRBC)に結合したプレートアウトしたB細胞によって放出された。これらの抗原−抗体複合体は補体を活性化し、SRBCの溶解をもたらし、赤血球層内に明るいスポット(プラーク)を残した。プラークを、顕微鏡で計数した。
プラーク形成の阻害の決定のための下記の式を使用した。
阻害%=C100/V−100
式中、V=ビヒクル群についてのプラークの平均数/脾臓;C=化合物処置群についてのプラークの平均数/脾臓
参考文献:
生物学的データ
酵素アッセイ
細胞アッセイ

Claims (11)

  1. (1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ−チオピラン−4−イル)−{(S)−3−[1−(6−メトキシ−5−メチル−ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルオキシ]−ピロリジン−1−イル}−メタノンの無水結晶形態。
  2. 2シータ度+/−0.2度において得られる下記のピーク:9.1、10.2、11.9、13.0、17.1、17.7、18.7、20.3、20.8、26.0、26.7、23.2、24.1、24.8、29.3、27.4、および21.4を含むX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の無水結晶形態。
  3. 図1に示すX線粉末回折スペクトルと実質的に同じであるX線回折スペクトルを有する、請求項1に記載の無水結晶形態。
  4. 図2に示すものと実質的に同じである示差走査熱量測定グラフを有する、請求項1に記載の無水結晶形態。
  5. 医薬品として使用するための、請求項1から4のいずれか一項に記載の形態。
  6. 治療有効量の請求項1から4のいずれか一項に記載の形態、および1種または複数の治療活性剤を含む組合せ。
  7. PI3K酵素の活性、好ましくはPI3Kδイソ型の活性が媒介する疾患または障害の治療用の医薬の製造のための、請求項1から4のいずれか一項に記載の形態の使用。
  8. PI3K酵素の活性、好ましくはPI3Kδイソ型の活性が媒介する疾患または障害の治療における使用のための、請求項1から4のいずれか一項に記載の形態。
  9. 治療有効量の請求項1から4のいずれか一項に記載の形態、および1種または複数の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  10. 対象に治療有効量の請求項1から4のいずれか一項に記載の形態を投与するステップを含む、対象において、PI3K酵素、好ましくはPI3Kδイソ型の活性をモジュレートする方法。
  11. 対象において、PI3K酵素の活性、好ましくはPI3Kδイソ型の活性が媒介する障害または疾患の治療のための、請求項1から4のいずれか一項に記載の形態の使用。
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