JP2016223547A - 車両の変速指示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クルーズコントロール中に不必要なアップシフト指示を表示させない変速指示装置を提供すること。【解決手段】定速走行制御部41が車両1の定速走行を制御しているとき、定速走行制御部41が求めた要求トルクに基づいて、対応するアクセル開度を推定するアクセル開度推定部42と、定速走行制御部41が定速走行の制御を行なっている場合には、アクセル開度推定部42が推定したアクセル開度に、通常のなまし量より大きいなまし量でなまし処理を行なうなまし処理部43と、なまし処理部43がなまし処理したアクセル開度と車速に基づいて自動変速機3の変速段の変更タイミングを報知装置20により報知させる変速指示部40と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の変速指示装置に関し、特に、クルーズコントロールを搭載した車両の変速指示装置に関する。
従来、アクセル開度と車速などに応じたギア段を運転者に指示するギアシフトインジケータと、長距離走行における運転者への負担軽減のため定速走行を可能とするクルーズコントロールと、が搭載された車両がある。
例えば、特許文献1には、クルーズコントロール作動時と非作動時とでアクセル開度の算出方法を切り換え、そのアクセル開度と車速またはエンジン回転数とに基づいて自動変速機のシフトチェンジポジションを設定する制御装置が記載されている。
特開2005−24048号公報
ところで、自動変速機を搭載した車両において、クルーズコントロール中に、登坂路走行時にキックダウンが発生する場合がある。キックダウンが発生した場合、低速のギアに自動的に切り替わるため、車速を一定に保つためにギアシフトインジケータによりアップシフトが指示される。
このとき、運転者がシフトアップ操作を行なうと、ギア比が低下してクルーズコントロール制御部からの要求アクセル開度が上がり、再度キックダウンが発生してしまう。また、再度キックダウンが発生しなくても、駆動力不足により運転者に違和感を生じさせる場合があった。
そこで、本発明は、クルーズコントロール中に不必要なアップシフト指示を表示させない変速指示装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決する車両の変速指示装置の発明の一態様は、任意で変速段の選択が可能な変速機が搭載され、運転者が設定した車速を維持し定速走行を制御する定速走行制御部を備える車両の変速指示装置であって、変速機に形成させる変速段の変更タイミングを報知する報知装置と、エンジンの負荷を表す値に所定のなまし量でなまし処理を行なってなまし負荷値を算出するなまし処理部と、車速となまし負荷値に基づいて報知装置により変更タイミングを報知させる変速指示部と、を備え、なまし処理部は、定速走行制御部が定速走行の制御を行なっている場合には、なまし量を通常のなまし量より大きくしてなまし負荷値を算出するものである。
このように本発明の一態様によれば、クルーズコントロール中に不必要なアップシフト指示を表示させない変速指示装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両の変速指示装置を示す図であり、その概念ブロック図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る車両の変速指示装置を示す図であり、その変速マップを示す図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る車両の変速指示装置を示す図であり、そのアクセル開度算出処理を説明するフローチャートである。 図4は、本発明の一実施形態に係る車両の変速指示装置を示す図であり、そのアクセル開度算出処理によるアクセル開度の変化とアップシフト指示表示の変化を示す図である。 図5は、本発明の一実施形態の他の態様に係る車両の変速指示装置を示す図であり、そのアクセル開度算出処理を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1において、本発明の一実施形態に係る変速指示装置を搭載した車両1は、内燃機関型のエンジン2と、自動変速機3と、ギア機構4と、駆動輪5と、ECU(Electronic Control Unit)6とを含んで構成されている。
エンジン2は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行なうとともに、圧縮行程及び膨張行程の間に燃焼室で点火を行なう4サイクルのエンジンによって構成されている。
自動変速機3は、エンジン2から駆動輪5までの動力伝達経路に設けられている。自動変速機3は、複数の変速段のなかで任意の1つの変速段を形成することができるようになっている。詳細には、自動変速機3は、ECU6によって制御された図示しない油圧回路によって、変速段が変更されるようになっている。
ギア機構4は、図示しないディファレンシャルギア及びドライブシャフトなどによって構成され、駆動輪5に動力を伝達するようになっている。
ECU6は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
ECU6のROMには、各種定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをECU6として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、本実施形態におけるECU6として機能する。
ECU6の入力ポートには、エンジン2の機関回転速度(以下、「エンジン回転速度」ともいう)を検出するエンジン回転速度センサ10と、車速を検出する車速センサ11と、アクセルペダル14の操作量(以下、「アクセル開度」ともいう)を検出するアクセル開度センサ15と、シフトレバー16のシフト位置がP(パーキング)レンジ、R(リバース)レンジ、D(ドライブ)レンジあるいは、M(マニュアル)レンジなどのいずれに位置するかを検出するシフトポジションセンサ17とを含む各種センサ類が接続されている。
また、ECU6の出力ポートには、自動変速機3を制御するための油圧回路に加えて、インストルメントパネル等に設けられた報知装置20と、エンジン2の吸入空気量を調節するスロットルバルブ30と、エンジン2の燃焼室内に燃料を噴射するインジェクタ31とを含む各種制御対象類が接続されている。
ECU6は、各種センサ類から得られる情報に基づいて、各種制御対象類を制御するようになっている。例えば、ECU6は、シフトポジションセンサ17によって検出されたシフトレバー16の位置に応じて、自動変速機3に形成させる変速段を変更するように油圧回路を制御するようになっている。
ECU6は、シフトレバー16のシフト位置がDレンジである場合、車速やアクセル開度などに基づいて変速段を決定し、その変速段を自動変速機3に形成させるように油圧回路を制御する。
また、ECU6は、シフトレバー16のシフト位置がMレンジである場合、シフトポジションセンサ17からの手動アップシフト指令、手動ダウンシフト指令を受信したとき、現在の変速段から1段ハイ側またはロー側へ変速段を変更するように油圧回路を制御する。
また、ECU6は、例えば、アクセルペダル14が大きくまたは急激に踏み込まれたことを検知すると、自動変速機3の変速段を現在の変速段より低い変速段に変更するキックダウンを行なうようになっている。
また、ECU6は、アクセル開度センサ15の検出するアクセル開度に基づきエンジン2に要求される出力トルクである要求トルクを求め、エンジン2がその要求トルクを出力するようにスロットルバルブ30の開度(以下、「スロットル開度」ともいう)やインジェクタ31による燃料噴射量を制御するようになっている。
また、ECU6は、例えば、インストルメントパネルに設けられたクルーズコントロールスイッチがオン状態にされると、予め設定された所定車速を維持して走行する定速走行を車両1に行なわせるようにスロットル開度や燃料噴射量などを制御する定速走行制御部41を構成する。定速走行制御部41は、例えば、所定車速と現在の車両1の車速との差から、車両1の車速を所定車速にするためにエンジン2に要求される要求トルクを求め、要求トルクからスロットル開度や燃料噴射量などを求めて、スロットルバルブ30やインジェクタ31を制御して、車両1を所定車速で定速走行させるクルーズコントロールを制御する。
また、ECU6は、シフトレバー16のシフト位置がMレンジであるとき、車速とエンジン2の負荷に基づいて、自動変速機3の変速タイミングを報知装置20に変速指示として報知させる変速指示部40を構成する。報知装置20は、例えば、インストルメントパネルに設けられたLED(Light Emitting Diode)及びLEDの駆動回路によって構成される。変速指示部40は、報知装置20に、例えば、運転者にシフトアップを指示する「アップシフト指示表示」、運転者に変速段の維持を指示する「ステイ指示表示」、運転者にシフトダウンを指示する「ダウンシフト指示表示」、運転者に現在の変速段を通知する「ギアポジション表示」などを表示させるようになっている。
ECU6のROMには、図2に示すような変速マップが記憶されている。変速マップは、車速とエンジン2の負荷を表すアクセル開度とに対応する変速段を表している。なお、図2において、「1⇒2」で示す実線は1速から2速に、「2⇒3」で示す実線は2速から3速に、「3⇒4」で示す実線は3速から4速に、「4⇒5」で示す実線は4速から5速に、「5⇒6」で示す実線は5速から6速にシフトアップするタイミングを示す指示線(以下、「シフトアップ指示線」ともいう)である。
また、図2では、シフトアップ指示線を示したが、各変速段から1つ下の変速段に変速するシフトダウンのタイミングを示すシフトダウン指示線も各変速段について変速マップに設定されている。
変速指示部40は、シフトレバー16のシフト位置がMレンジであるとき、図2に示した変速マップを参照し、車速とアクセル開度とに対応する交点が、前回参照時の交点から指示線を跨いだときに、自動変速機3に形成させる変速段の変更タイミングを報知装置20に変速指示として報知させる。
変速指示部40は、車速とアクセル開度とに対応する交点がシフトアップ指示線を境界としてシフトアップ指示線の左側の領域から右側の領域に跨いだとき、自動変速機3の変速段がシフトアップ指示線のシフトアップ元の変速段である場合、報知装置20にアップシフト指示表示を表示させる。また、変速指示部40は、車速とアクセル開度とに対応する交点がシフトアップ指示線を境界としてシフトアップ指示線の右側の領域から左側の領域に跨いだとき、報知装置20に表示させているアップシフト指示表示を停止させる。
ECU6は、定速走行制御部41が車両1の定速走行を制御しているとき、定速走行制御部41が求めた要求トルクに基づいて、対応するアクセル開度を推定するアクセル開度推定部42を構成する。
また、ECU6は、車両1の通常走行時はアクセル開度センサ15の検出したアクセル開度をなまし処理し、車両1の定速走行時はアクセル開度推定部42が推定したアクセル開度をなまし処理するなまし処理部43を構成する。変速指示部40は、なまし処理部43がなまし処理したアクセル開度に基づいて変速タイミングを判定する。なお、なまし処理とは、測定値や制御値の急激な変化を抑え、値の変化量を少なくすることである。
なまし処理部43は、以下の式(1)によりなまし処理後のアクセル開度を算出する。
A(n)=A(n-1)×K+Arare×(1-K)...(1)
ここで、A(n)は、なまし処理したアクセル開度値であるなましアクセル開度値である。A(n-1)は、前回求めたなましアクセル開度値である。Arareは、アクセル開度の生値、すなわち、通常走行時にはアクセル開度センサ15の検出したアクセル開度値であり、定速走行時にはアクセル開度推定部42が推定したアクセル開度値である。Kは、なまし量であり、0〜1の値を取る。
本実施形態において、なまし処理部43は、定速走行時には、通常走行時のなまし量Kよりも大きいなまし量K1を用いてアクセル開度のなまし処理を行なう。すなわち、K1>KであるK1をなまし量としてアクセル開度のなまし処理を行なう。このようにすることでアクセル開度の急激な変化が抑えられ、定速走行時に不必要なアップシフト指示を表示させなくすることができる。
以上のように構成された本実施形態に係る車両の変速指示装置によるアクセル開度算出処理について、図3を参照して説明する。なお、以下に説明するアクセル開度算出処理は、ECU6が動作を開始すると開始され、予め設定された時間間隔で実行される。
まず、なまし処理部43は、定速走行制御部41による定速走行中か否かを判定する(ステップS11)。定速走行中でないと判定した場合、なまし処理部43は、通常走行時のなまし量Kで式(1)によりアクセル開度を算出して(ステップS12)、処理を終了する。
一方、定速走行中であると判定した場合、なまし処理部43は、定速走行時のなまし量K1で式(1)によりアクセル開度を算出して(ステップS13)、処理を終了する。
このようにして算出したアクセル開度と車速に基づいて、変速指示部40は、図2に示すような変速マップから変速タイミングを検出して、報知装置20にアップシフト指示表示を表示させる。
このようなアクセル開度算出処理による動作について図4を参照して説明する。
図4の上側のグラフは、図2の3速から4速へのシフトアップ指示線の一部を拡大したものに、車速V1で発生したキックダウン後の車速とアクセル開度との変化を、通常走行時のなまし量の場合と、定速走行時のなまし量の場合とで比較したものである。また、図4の下側のグラフは、定速走行時のなまし量の場合と、通常走行時のなまし量の場合とのアップシフト指示表示の点灯状態を示したものである。
図4に示すように、通常走行時のなまし量Kでは、V1で発生したキックダウン後にアクセル開度が低下し、シフトアップ指示線を超えてアップシフト指示表示が表示される。また、その後の速度上昇時にシフトアップ指示線に近づくと、定速走行制御部41の制御量が激しく変化するため、シフトアップ指示線を超えたり戻ったりを繰り返し、アップシフト指示表示が変化を繰り返す。
一方、定速走行時のなまし量K1では、V1で発生したキックダウン後のアクセル開度の低下が抑えられ、シフトアップ指示線を超えず、アップシフト指示表示は表示されない。また、その後の速度上昇時にシフトアップ指示線に近づいても、アクセル開度の変化が抑えられ、一度アップシフト指示表示が表示され、そのままアップシフト指示表示が継続して表示される。
なお、本実施形態においては、アクセル開度と車速に基づいて変速タイミングを判定したが、要求トルクと車速に基づいて変速タイミングを判定するようにしてもよい。この場合、要求トルクと車速による変速マップを備え、なまし処理部43は、アクセル開度ではなく要求トルクに対してなまし処理を行ない、定速走行時は通常走行時より大きいなまし量を使うようにする。
また、なまし量は、アクセル開度または要求トルクの上昇時と下降時で別々の値を用いてもよい。
また、なまし量は、アクセル開度または要求トルクが所定値以上になった場合に、さらに切り替えるようにしてもよいし、通常走行時のなまし量に戻すようにしてもよい。
また、なまし量は、車速が所定値以上になった場合に、さらに切り替えるようにしてもよいし、通常走行時のなまし量に戻すようにしてもよい。
また、なまし量は、エンジン回転速度が所定値以上になった場合に、さらに切り替えるようにしてもよいし、通常走行時のなまし量に戻すようにしてもよい。
この場合、図5のフローチャートに示すように、なまし処理部43は、定速走行制御部41による定速走行中か否かを判定する(ステップS21)。定速走行中でないと判定した場合、なまし処理部43は、通常走行時のなまし量Kで式(1)によりアクセル開度を算出して(ステップS22)、処理を終了する。
一方、定速走行中であると判定した場合、なまし処理部43は、エンジン回転速度センサ10の検出したエンジン回転速度が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS23)。エンジン回転速度が所定値以上ではないと判定した場合、なまし処理部43は、定速走行時のなまし量K1で式(1)によりアクセル開度を算出して(ステップS24)、処理を終了する。
一方、エンジン回転速度が所定値以上であると判定した場合、なまし処理部43は、定速走行時高回転用のなまし量K2で式(1)によりアクセル開度を算出して(ステップS25)、処理を終了する。
このように、上述の実施形態では、エンジン2の負荷を表すアクセル開度を所定のなまし量でなまし処理するなまし処理部43を備え、なまし処理部43は、定速走行制御部41が定速走行の制御を行なっている場合には、なまし量を通常のなまし量より大きくしてなまし処理を行ない、変速指示部40は、なまし処理部43がなまし処理したアクセル開度と車速に基づいて自動変速機3の変速段の変更タイミングを報知装置20により報知させる。
これにより、定速走行時には、通常走行時よりも大きいなまし量でアクセル開度がなまし処理される。このため、定速走行時に不必要なアップシフト指示表示を表示させなくすることができる。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 車両
2 エンジン
3 自動変速機
6 ECU
11 車速センサ
15 アクセル開度センサ
20 報知装置
40 変速指示部
41 定速走行制御部
42 アクセル開度推定部
43 なまし処理部

Claims (1)

  1. 任意で変速段の選択が可能な変速機が搭載され、運転者が設定した車速を維持し定速走行を制御する定速走行制御部を備える車両の変速指示装置であって、
    前記変速機に形成させる変速段の変更タイミングを報知する報知装置と、
    エンジンの負荷を表す値に所定のなまし量でなまし処理を行なってなまし負荷値を算出するなまし処理部と、
    車速と前記なまし負荷値に基づいて前記報知装置により変更タイミングを報知させる変速指示部と、を備え、
    前記なまし処理部は、前記定速走行制御部が定速走行の制御を行なっている場合には、前記なまし量を通常のなまし量より大きくして前記なまし負荷値を算出する車両の変速指示装置。
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