JP2016223519A - 伸縮自在シャフト及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インナシャフトとアウタチューブとの係合部の回転方向のがたつきを小さく抑えられる構造を採用した場合にも、安定して摺動させる事ができる構造を実現する。【解決手段】インナシャフト9aの外周面のうち、軸方向一端縁から雄スプライン部31を介して、小径軸部28の軸方向一端寄り部分にかけての部分にコーティング層48を設ける。インナシャフト9aに、軸方向一端がインナシャフト9aの軸方向一端面に開口した中心孔34を形成する。そして、中心孔34を構成する円筒面部35の軸方向他端縁を、傾斜連続面部27の軸方向一端縁よりも軸方向一方側に位置させる。これと共に、中心孔34を構成する円錐面部36の軸方向他端縁の軸方向に関する位置を、傾斜連続面部27の軸方向一端縁よりも軸方向他方側、且つ、傾斜連続面部27の軸方向他端縁よりも軸方向一方側に位置させる。【選択図】図2

Description

この発明に係る伸縮自在シャフトは、例えば自動車の操舵装置を構成する中間シャフトとして使用される。
自動車のステアリング装置として従来から、図7に記載する様な構造のものが知られている。このステアリング装置は、ステアリングホイール1が、ステアリングシャフト2の後端部に固定されている。又、これと共に、このステアリングシャフト2の前端部が、1対の自在継手3a、3b及び中間シャフト4を介して、ステアリングギヤユニット5を構成する入力軸6の基端部に接続されている。更に、このステアリングギヤユニット5に内蔵されラックアンドピニオン機構により左右1対のタイロッド7、7を押し引きして、左右1対の操舵輪に、前記ステアリングホイール1の操作量に応じた舵角を付与する様に構成されている。
この様なステアリング装置に組み込まれる前記中間シャフト4は、例えば、走行時に自動車から入力される振動が、前記ステアリングホイール1に伝わる事を防止する(吸収する)為に、伸縮式のものを使用している。図8は、特許文献1に記載された伸縮式の中間シャフト4の構造を示している。この中間シャフト4は、軸方向一端部(前端部であって、図8の左端部。組み付け状態で後述するアウタチューブ11側の端部)の外周面に雄スプライン部8が形成されたインナシャフト9と、内周面にこの雄スプライン部8とをスプライン係合可能な雌スプライン部10が形成された円管状のアウタチューブ11とから成る。そして、これら雄スプライン部8と雌スプライン部10とをスプライン係合する事で、前記インナシャフト9と前記アウタチューブ11とを、伸縮自在に組み合わせている。尚、図8に示す構造の場合、前記インナシャフト9を、後側(前後方向とは、車体の前後方向を言う。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)に配置すると共に、前記アウタチューブ11を前側に配置している。従って、前記インナシャフト9の軸方向他端部(後端部であって、図8の右端部)に、前記両自在継手3a、3bのうちの後側に配置された自在継手3aが固定されている。一方、前記アウタチューブ11の軸方向一端部(前端部であって、図8の左端部)に、前記両自在継手3a、3bのうちの前側に配置された自在継手3bが固定されている。但し、後述する実施の形態の各例の構造の様に、インナシャフトを前側に、アウタチューブを後側に配置する構造を採用する事もできる。
上述の様な構成を有する中間シャフト4の様に、前記インナシャフト9と前記アウタチューブ11とをトルク伝達可能、且つ、軸方向の伸縮(摺動)可能に組み合わせた伸縮軸は、回転方向のがたつきが小さく、且つ、伸縮時の摺動抵抗が小さい事が要求される。この為に、従来から、前記インナシャフト9の雄スプライン部8の外周面に、ポリアミド樹脂等の摩擦係数が低い合成樹脂製のコーティング層を設けると共に、前記雄スプライン部8と、前記雌スプライン部10とを締め代を持たせた状態で係合させる事が行われている。但し、この様な構造の場合、前記インナシャフト9のうち、前記コーティング層を設けた部分の径方向に関する剛性が高いと、前記締め代に対する摺動抵抗(摺動荷重)の変動が敏感になってしまい、前記インナシャフト9の、前記アウタチューブ11に対する摺動を安定させる事が難しくなる可能性がある。この様な問題は、前記がたつきを十分に抑える為に前記締め代を大きくするほど顕著になる。
特開2005−21596号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、雄軸の雄スプライン部と雌軸の雌スプライン部との係合部の回転方向のがたつきを小さく抑えられる構造を採用した場合にも、前記雄軸と前記雌軸とを安定して摺動させる事ができる伸縮自在シャフト、及びその製造方法を実現するものである。
本発明の対象となる伸縮自在シャフトは何れも、雄軸と、雌軸と、コーティング層とを備えている。
このうちの雄軸は、雄スプライン部と、小径軸部と、傾斜連続面部とを有している。
このうちの雄スプライン部は、前記雄軸の、軸方向一端部の外周面に形成されている。具体的には、この様な雄スプライン部は、円周方向に交互に形成された軸方向に長い、複数ずつの凹部と凸部とから成る。尚、前記雄軸に関して、軸方向一方側とは、組み付け状態に於いて、前記雌軸側となる側を言う。
前記小径軸部は、前記雄スプライン部よりも軸方向他方側に形成されており、外径寸法がこの雄スプライン部の各凸部の外接円の直径よりも小さい。但し、好ましくは、前記小径軸部の外径を、この雄スプライン部の各凹部の外接円の直径よりも小さくする。
前記傾斜連続面部は、前記小径軸部の軸方向一端縁と、前記雄スプライン部の軸方向他端縁とを連続する状態で形成されている。
前記雌軸は、内周面に雌スプライン部が形成されている。具体的には、この様な雌スプライン部は、円周方向に交互に形成された軸方向に長い、複数ずつの凹部と凸部とから成る。
前記コーティング層は、前記雄スプライン部のうちの少なくとも一部を覆う状態で設けられている。
そして、前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させる事により、前記雄軸と前記雌軸とがトルク伝達可能、且つ、全長を伸縮可能な状態に組み合わされている。
特に、請求項1に記載した発明に於いては、前記コーティング層が、前記雄スプライン部の軸方向一端縁から、この雄スプライン部の軸方向他端縁よりも軸方向他方側に位置する部分にまで設けられている。
又、前記雄軸が、軸方向一端がこの雄軸の軸方向一端面に開口した状態で形成された中心孔を有している。この様な中心孔は、少なくとも軸方向他端部の内径が軸方向他方に向かうほど小さくなる状態で形成されている。
そして、前記中心孔の軸方向他端縁の軸方向に関する位置が、前記傾斜連続面部の軸方向一端縁(雄スプライン部と傾斜連続面部との境界)と軸方向他端縁(傾斜連続面部と小径軸部との境界)との間(傾斜連続面部の軸方向一端縁よりも軸方向他方側、且つ、この傾斜連続面部の軸方向他端縁よりも軸方向一方側)に位置している。
一方、請求項2に記載された発明に於いては、前記コーティング層が、前記雄スプライン部の軸方向一端縁から、この雄スプライン部の軸方向他端縁よりも軸方向一方側に位置する部分にまで設けられている。
又、前記雄軸が、軸方向一端がこの雄軸の軸方向一端面に開口した状態で形成された中心孔を有している。この中心孔は、軸方向一方側に形成された円筒面部と、軸方向他方側に形成され、内径が、軸方向他方に向かうほど小さくなる円錐面部とから成る。
又、前記円筒面部の軸方向他端縁(円筒面部と円錐面部との境界)の軸方向に関する位置が、前記コーティング層の軸方向他端縁と前記傾斜連続面部の軸方向他端縁(傾斜連続面部と小径軸部との境界)との間(コーティング層の軸方向他端縁よりも軸方向他方側、且つ、傾斜連続面部の軸方向他端縁よりも軸方向一方側)に位置している。
上述の様な請求項1に記載した発明を実施する場合には、追加的に、請求項3に記載した発明の様に、前記中心孔を、軸方向一方側に形成された円筒面部と、軸方向他方側に形成され、内径が、軸方向他方に向かうほど小さくなる円錐面部とにより構成する事ができる。
この様な構成を採用した場合には、前記円筒面部の軸方向他端縁の軸方向に関する位置を、前記傾斜連続面部の軸方向一端縁よりも軸方向一方側に位置させた構成を採用できる。
更に、上述の様な構成を採用した場合には、前記円錐面部の軸方向他端の軸方向に関する位置を、前記傾斜連続面部の軸方向一端縁と軸方向他端縁との間(傾斜連続面部の軸方向一端縁よりも軸方向他方側、且つ、傾斜連続面部の軸方向他端縁よりも軸方向一方側)に位置させる構成を採用できる。
上述の様な本発明を実施する場合には、追加的に、請求項4に記載した発明の様に、前記傾斜連続面部の母線の、前記雄軸の中心軸に対する傾斜角度を、前記円錐面部の母線の、この雄軸の中心軸に対する傾斜角度よりも小さくした構成を採用できる。
又、上述の様な本発明の伸縮自在シャフトの製造方法に係る発明である請求項5に記載した発明は、先ず、円杆状(円柱状)の素材に前記雄スプライン部及び前記中心孔を形成して前記雄軸を造る。次に、この雄軸の軸方向一端面に押え治具を固定し、この中心孔の軸方向一端開口部を塞いだ状態で、前記雄スプライン部の少なくとも一部を、溶融した合成樹脂の中に浸漬する事により、当該部分に粗コーティング層を形成する。そして、この粗コーティング層にシェービング加工を施す事により、前記コーティング層を形成する。
又、上述の様な請求項5に記載した発明を実施する場合には、追加的に、請求項6に記載した発明の様に、前記中心孔を、前記シェービング加工のセンタ出し(シェービング加工に用いるシェービングカッターと、雄軸との中心軸同士を一致させる作業)に使用する事ができる。
上述した様な構成を有する本発明の伸縮自在シャフトによれば、雄軸の雄スプライン部と雌軸の雌スプライン部との係合部の回転方向のがたつきを小さく抑えられる構造を採用した場合にも、前記雄軸と前記雌軸とを安定して摺動させる事ができる。
具体的には、請求項1に記載した伸縮自在シャフトの場合、雄軸の外周面のうち、雄スプライン部の軸方向一端縁から、この雄スプライン部の軸方向他端縁よりも軸方向他方側に位置する部分にまでコーティング層を設けている。又、これと共に、前記雄軸に、軸方向一端が開口し、軸方向他端縁の軸方向に関する位置が、傾斜連続面部の軸方向一端縁と軸方向他端縁との間に位置した状態で中心孔を形成している。
一方、請求項2に記載した伸縮自在シャフトの場合、コーティング層を、雄軸の外周面のうち、雄スプライン部の軸方向一端縁から、この雄スプライン部の軸方向他端縁よりも軸方向一方側に位置する部分にまで設けている。又、これと共に、前記雄軸に、軸方向一端がこの雄軸の軸方向一端面に開口し、軸方向一方側に形成された円筒面部と、軸方向他方側に形成され、内径が、軸方向他方に向かうほど小さくなる円錐面部とから成る中心孔を設けている。そして、この中心孔を構成する円筒面部の軸方向他端縁の軸方向に関する位置を、前記コーティング層の軸方向他端縁よりも軸方向他方側に位置させている。
上述の様な各構成を採用する事により、請求項1及び請求項2に記載した何れの発明の場合も、前記雄軸のうち、前記コーティング層が形成された部分の径方向の剛性を適度に小さくできる。従って、前記雄軸の雄スプライン部と雌軸の雌スプライン部との係合部の回転方向のがたつきを防止する為に、この係合部に締め代を持たせた場合でも、この締め代に対する摺動抵抗(摺動荷重)の変動が鈍感になり、前記雄軸の、前記雌軸に対する摺動を安定させる事ができる。
又、請求項1及び請求項2に記載した発明は、何れも前記雄軸の雄スプライン部と雌軸の雌スプライン部との締め代に対する摺動抵抗(摺動荷重)の変動を鈍感にできる為、前記雄軸の寸法誤差を許容できる範囲(寸法公差)を、図7に示した従来構造の様に、雄軸であるインナシャフト9を全長に亙って中実とした場合と比較して大きくする事ができる。この結果、製造コストの低減を図れる。
又、前記雄軸を構成する小径軸部と前記傾斜連続面部との境界部分の様に、断面形状(外径)の変化が大きくトルク伝達の際に応力集中が発生し易い部分には、前記中心孔が形成されていない。この為、当該部分の強度を十分に確保して、前記雄軸の耐久性の向上を図れる。
又、前記雄スプライン部と前記雌スプライン部との係合部の回転方向のがたつきを防止する為に、この係合部の締め代を大きくした場合でも、この係合部の摺動抵抗を小さく抑える事ができる。
更に、前記中心孔を形成している分だけ、前記雄軸の軽量化を図る事ができる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、両端部に十字軸式自在継手を装着した中間シャフトを示す、部分切断側面図。 同じく、雄軸のうち、図1のA部に相当する部分を示す拡大図。 同じく、中間シャフトを構成する雄軸の製造工程を説明する為の図。 同じく、図3(a)のB−B断面図(a)と、図3(c)のC−C断面図(b)と、図3(d)のD−D断面図(c)。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図1と同様の図。 従来から知られているステアリング装置の1例を示す部分切断側面図。 中間シャフトを取り出して示す部分切断側面図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜4により説明する。尚、本例は、本発明を、ステアリング装置を構成する中間シャフトに適用したものである。但し、本発明は、この様な中間シャフト以外にも、各種用途で使用される伸縮自在シャフトの構造に適用する事ができる。又、本例の中間シャフトを組み込んだステアリング装置の構造は、図7に示したステアリング装置と同様の構造を有している。但し、本例の中間シャフトは、図7に示したステアリング装置の構造に限らず、従来から知られている各種ステアリング装置の構造に適用する事ができる。以下、本発明を組み込んだステアリング装置の構造を簡単に説明した後、本例の中間シャフト4aの構造、及びこの中間シャフト4aの製造方法に就いて説明する。
本例の中間シャフト4aを組み込んだステアリング装置は、ステアリングホイール1(図7参照)が、ステアリングシャフト2の後端部に固定されている。又、これと共に、このステアリングシャフト2の前端部が、1対の自在継手3c、3d及び前記中間シャフト4aを介して、ステアリングギヤユニット5を構成する入力軸6の基端部に接続されている。更に、このステアリングギヤユニット5に内蔵したラックアンドピニオン機構により左右1対のタイロッド7、7を押し引きして、左右1対の操舵輪に、前記ステアリングホイール1の操作量に応じた舵角を付与する様に構成されている。
前記中間シャフト4aは、特許請求の範囲に記載した雄軸の1例に相当するインナシャフト9aの軸方向一端部(図1の右端部であって、組み付け状態に於いて、後述するアウタチューブ11a側となる端部)と、同じく雌軸の1例に相当するアウタチューブ11aの軸方向他端部(図1の左端部であって、組み付け状態に於いて、インナシャフト9a側となる端部)とをスプライン係合させる事により、トルク伝達可能、且つ全長を伸縮可能に組み合わせている。以下、前記中間シャフト4aの具体的な構造に就いて説明する。
前記アウタチューブ11aは、軸方向他方側から順に、小径筒部12と、連続部13と、大径筒部14と、ヨーク部15とを備えている。
このうちの小径筒部12は円筒状であり、前記アウタチューブ11aのうちの、軸方向中央部から軸方向他端部にかけての部分に設けられている。この様な小径筒部12の外周面は、軸方向の全長に亙り外径寸法が変化しない円筒面状である。又、この小径筒部12の内周面には、円周方向に関して交互に形成された軸方向に長い、複数ずつの凹部と凸部とから成る雌スプライン部16が、全長に亙り形成されている。
前記連続部13は、外径寸法及び内径寸法が軸方向一方側(図1の右側)に向かうほど大きくなる部分円錐筒状であり、軸方向他端縁が、前記小径筒部12の軸方向一端縁に連続している。
前記大径筒部14は円筒状であり、軸方向他端縁が、前記連続部13の軸方向一端縁に連続している。この様な大径筒部14の内径寸法及び外径寸法は、前記小径筒部12の内径寸法及び外径寸法よりも大きい。
前記ヨーク部15は、前記自在継手3cを構成するものであり、前記大径筒部14の軸方向一端縁のうちで、この大径筒部14に関する直径方向反対側となる2箇所位置から軸方向一方側に延出する状態で設けられた1対の腕部17、17から成る。この様な両腕部17、17の軸方向一端寄り部分には、互いの中心軸が同軸となる状態で1対の円孔18、18が形成されている。尚、図1に示す組み立て状態に於いて、これら両円孔18、18の内側には、それぞれ有底円筒状の軸受カップ19、19が内嵌固定されている。これと共に、これら両軸受カップ19、19の内側に、それぞれ複数本のニードル20、20を介して、十字軸21を構成する4本の軸部22、22のうちの1対の軸部22、22の端部が回動自在に支持されている。
尚、前記十字軸21を構成する4本の軸部22、22のうちの、前記ヨーク部15の両円孔18、18内に支持された軸部22、22以外の1対の軸部22(一方の軸部22は図示省略)の端部は、前記ステアリングシャフト2の前端部に支持固定されたヨーク23を構成する1対の腕部24(一方の腕部24は図示省略)に形成された円孔(図示省略)の内側に、軸受カップ及びニードル(図示省略)を介して回動自在に支持されている。
本例の場合、前記ヨーク部15を、前記アウタチューブ11aに一体に設ける構造を採用しているが、アウタチューブとヨーク部とを別体に設けて溶接或は嵌合等により結合固定する構造を採用する事もできる。
前記インナシャフト9aは、軸方向一方側(図1の右側)から順に、予備軸部25、スプライン形成部26と、連続部27と、小径軸部28と、結合軸部29とを備えている。
このうちの予備軸部25は、前記インナシャフト9aの軸方向一端部に設けられている。この様な予備軸部25の外周面は、軸方向一端縁に形成された面取り部を除いて、軸方向の全長に亙り変化しない円筒面状に形成されている。
前記スプライン形成部26は、前記インナシャフト9aの軸方向中間部から軸方向一端寄り部分にかけての部分(軸方向中間部のうちの軸方向一方側部分)に形成されている。この様なスプライン形成部26の軸方向一端縁は、前記予備軸部25の軸方向他端縁(図1の左端縁)に連続している。又、このスプライン形成部26の外周面には、円周方向に関して交互に形成された軸方向に長い、複数ずつの凹部(図示省略)と凸部30とから成る雄スプライン部31が、全長に亙り形成されている。
前記連続部27は、前記インナシャフト9aのうち、前記スプライン形成部26の軸方向他方側に隣接した部分に形成されている。この様な連続部27の外周面には、円周方向に関して交互に形成された、複数ずつの凹部(図示省略)と、前記インナシャフト9aの中心軸を含む仮想平面に関する断面形状が直角三角形状の凸部32とから成る不完全スプライン部33が形成されている。この様な不完全スプライン部33を構成する各凸部32の外周面は、軸方向他方に向かうほど外径寸法が小さくなる方向に傾斜している。本例の場合、前記不完全スプライン部33を構成する各凸部32の外周面の母線は、前記インナシャフト9aの中心軸α9aに対して角度θ32(本例の場合、19°)だけ傾斜している。又、前記不完全スプライン部33の各凸部32の外周面の軸方向一端縁は、前記雄スプライン部31を構成する各凸部30の外周面の軸方向他端縁に連続している。一方、前記不完全スプライン部33の各凸部32の外周面の軸方向他端縁は、前記小径軸部28の外周面の軸方向一端縁に連続している。本例の場合、前記不完全スプライン部33の各凸部32の外周面を、特許請求の範囲に記載した傾斜連続面部としている。
前記小径軸部28は、前記インナシャフト9aのうち、前記連続部27の軸方向他方側に隣接した位置から、軸方向他端寄り部分にかけて形成されている。この様な小径軸部の軸方向一端縁は、前記連続部27の軸方向他端縁に連続している。そして、前記小径軸部28の外径寸法は、前記スプライン形成部26の形成された雄スプライン部31を構成する凹部の外径寸法よりも小さい。
前記結合軸部29は、前記インナシャフト9aのうち、前記小径軸部28の軸方向他方側に隣接した位置から、軸方向他端部にかけて形成されている。又、前記結合軸部29の外径寸法は、前記小径軸部28の軸方向他端部の外径寸法よりも僅かに小さい。又、この様な結合軸部29の軸方向一端縁は、前記小径軸部28の軸方向他端縁に連続している。尚、前記結合軸部29を設けずに、前記インナシャフト9aの軸方向他端部に、後述するヨーク37を一体に設ける構成(一体成形シャフト)を採用する事もできる。
又、本例の場合、前記インナシャフト9aの軸方向一端縁から、軸方向に関して前記連続部27の軸方向中間部と整合する位置にかけて、軸方向一端が前記インナシャフト9a(予備軸部25)の軸方向一端面に開口した状態で中心孔34が形成されている。
具体的には、この中心孔34は、円筒面部35と、円錐面部36とから成る。
このうちの円筒面部35は、全長に亙り内径寸法が変化しない円筒面状であり、軸方向に関して、前記インナシャフト9a(予備軸部25)の軸方向一端縁から前記スプライン形成部26の軸方向他端寄り部分にかけての部分に形成されている。即ち、前記円筒面部35の軸方向他端縁(円筒面部35と円錐面部36との境界)の軸方向に関する位置は、前記連続部27の軸方向一端縁(雄スプライン部31と連続部27との境界であって、図2に直線Xで示す位置)よりも軸方向一方側に位置している。
又、前記円錐面部36は、軸方向一端縁が、前記円筒面部35の軸方向他端縁に連続した状態で形成されている。この様な円錐面部36は、内径寸法が、軸方向他方側に向かうほど小さくなる状態で形成されている。本例の場合、前記円錐面部36の母線は、前記インナシャフト9aの中心軸α9aに対して角度θ36(本例の場合、59°)だけ傾斜している。この角度θ36は、前記不完全スプライン部33を構成する各凸部32の外周面の母線の、前記インナシャフト9aの中心軸α9aに対する傾斜角度θ32よりも大きい(θ36>θ32)。又、本例の場合、前記円錐面部36の軸方向他端の軸方向に関する位置は、前記連続部27の軸方向一端縁(図2に直線Xで示す位置)と、軸方向他端縁(図2に直線Yで示す位置)との間(連続部27の軸方向一端縁よりも軸方向他方側、且つ、この連続部27の軸方向他端縁よりも軸方向一方側)に位置している。別の言い方をすれば、本例の場合、前記円錐面部36の軸方向他端の軸方向に関する位置を、前記連続部27の軸方向他端縁よりも軸方向他方側に位置(突出)しない様に規制している。尚、本例の場合、前記インナシャフト9aのうち、前記中心孔34が形成された部分以外の部分は、中実状に形成されている。
又、前記インナシャフト9aの結合軸部29には、前記両自在継手3c、3dのうちの、前側(図1の左側)に配置された自在継手3dを構成するヨーク37が結合固定されている。このヨーク37は、略円板状の基部38と、この基部38の外周面のうち、この基部38に関する直径方向反対側となる2箇所位置から軸方向他方側に延出する状態で設けられた1対の腕部39、39とから成る。
このうちの基部38は、中央部に前記結合軸部29を挿通可能な結合孔40が形成されている。又、前記両腕部39、39の軸方向に関して前記基部38と反対側端部寄り部分には、互いの中心軸が同軸となる状態で1対の円孔41、41が形成されている。この様なヨーク37は、前記結合孔40に前記インナシャフト9aの結合軸部29を締り嵌めにより内嵌固定すると共に、溶接する事により、このインナシャフト9aに結合固定されている。
又、図1に示す組み立て状態に於いて、前記両腕部39、39の両円孔41、41の内側には、それぞれ有底円筒状の軸受カップ42、42が内嵌固定されている。これと共に、これら両軸受カップ42、42の内側に、それぞれ複数本のニードル43、43を介して、十字軸44を構成する4本の軸部45、45のうちの1対の軸部45、45の端部が回動自在に支持されている。
尚、前記十字軸44を構成する4本の軸部45、45のうちの、前記ヨーク37の両円孔41、41内に支持された軸部45、45以外の1対の軸部45(一方の軸部45は図示省略)の端部は、前記入力軸6の基端部に支持固定されたヨーク46を構成する1対の腕部47(一方の腕部47は図示省略)に形成された円孔(図示省略)の内側に、軸受カップ(図示省略)及びニードル(図示省略)を介して回動自在に支持されている。
又、前記インナシャフト9aを構成する雄スプライン部31のうち、組み付け状態に於いて、前記アウタチューブ11aの雌スプライン部16とスプライン係合する部分であるスプライン有効歯型部を覆う状態で、滑りやすい(摩擦係数の低い)合成樹脂製のコーティング層48が設けられている。具体的には、本例の場合、このコーティング層48は、前記インナシャフト9aの外周面のうち、前記予備軸部25の軸方向一端縁から前記小径軸部28の軸方向一端寄り部分(連続部27の軸方向他端縁よりも軸方向他方側に位置する部分であって、図2に直線Zで示す位置)にかけての部分に設けられている。
以上の様な構成を有するインナシャフト9aは、前記雄スプライン部31を全長に亙り、前記アウタチューブ11aの雌スプライン部16に前記コーティング層48を介してスプライン係合させる事により、このアウタチューブ11aに組み付けられている。この様に組み付けられた状態で、前記雄スプライン部31と前記雌スプライン部16との係合部には、所定量の締め代が設けられている。
次に、本例の中間シャフト4aを構成するインナシャフト9aの製造方法に就いて、図3、4を参照しつつ説明する。
先ず、円杆状(円柱状)の素材(図示省略)の外周面の全長に亙り、転造又はプレス成形により雄スプラインを形成して第一中間素材(図示省略)とする。尚、前記素材の外径寸法は、全長に亙り転造下径(プレス下径)に形成しておく。
次に、前記第一中間素材のうち、前記インナシャフト9aの予備軸部25、連続部27、小径軸部28、及び結合軸部29に相当する部分に切削加工を施して、外周面の形状(外径)を整える事によりこれら各部分25、27、28、29を形成して第二中間素材(図示省略)とする。
尚、前記第二中間素材を造る為の手順として、上述の手順以外に、転造下径(プレス下径)よりも大きい外径を有する円杆状(円柱状)の素材(図示省略)に対して、予め、切削加工を施す事により、この素材の軸方向一端部以外の部分(又は、少なくとも前記雄スプライン部31に相当する部分)の外径を、転造下径(プレス下径)に加工すると共に、同じく軸方向一端部に、前記予備軸部25を形成する手順を採用する事もできる。この手順を採用した場合には、この後に、転造又はプレス成形により前記雄スプライン部31を形成する工程、及び、切削加工により前記連続部27、小径軸部28、及び結合軸部29を形成する工程を行う。これら各工程は、矛盾が生じない範囲で順不同に実施できる。
次に、孔あけ加工により、前記第二中間素材に前記中心孔34を形成して、図3(a)に示す様なインナシャフト9aとする。尚、この中心孔34の形状、寸法は、前述した通りであり、前記孔あけ加工で使用するドリルの先端部により、この中心孔34の円錐面部36が形成される。
次に、このインナシャフト9aの軸方向一端面(図3の下端面)に、例えば磁石製で直方体状の押え治具49を、前記中心孔34の軸方向一端開口部を塞ぐ様に固定する。尚、この押え治具49の構造は、この中心孔34の軸方向一端開口部を塞ぐ事ができる構造であれば、円柱状や多角柱状等の各種構造を採用する事ができる。
次に、溶融した合成樹脂50の中に、前記インナシャフト9aを軸方向一方側から所定の長さだけ{軸方向一端縁(図3の下端縁)から図3(b)にZで示す位置まで}浸漬(ディッピング)する事により粗コーティング層51を形成する。具体的には、本例の場合、前記インナシャフト9aのうち、軸方向一端縁から前記小径軸部28の軸方向一端寄り部分にかけての部分を、前記合成樹脂50の中に浸漬して、当該部分に前記粗コーティング層51を形成する。尚、この粗コーティング層51は、前記予備軸部25の外周面にも、全周に亙り連続した状態で形成される。
この様にして前記粗コーティング層51を形成する作業の際、前記インナシャフト9aの中心孔34の軸方向一端開口部は、前記押え治具49により塞がれている為、この中心孔34の内側に前記合成樹脂50が浸入する事を防止できる。尚、前記インナシャフト9aのうち、この合成樹脂50に浸漬する部分の長さ寸法は、前述した有効スプライン歯型部の軸方向長さとの関係で適宜決定する事ができる。
最後に、上述の様にインナシャフト9aの外周面に形成された粗コーティング層51にシェービング加工を施して、前記コーティング層48を形成する。尚、このコーティング層48のうち、前記予備軸部25の外周面に形成された部分は、全周に亙り連続している。又、前記シェービング加工の際には、前記押え治具49を取り外して、前記中心孔34をセンタ出し(シェービングカッターとインナシャフト9aとの中心軸同士を一致させる作業)に利用する事ができる。
以上の様な構成を有する本例の中間シャフト4aによれば、前記インナシャフト9aの雄スプライン部31と、前記アウタチューブ11aの雌スプライン部16との係合部の回転方向の回転方向のがたつきを小さく抑えられる構造を採用した場合にも、前記インナシャフト9aと前記アウタチューブ11aとを安定して摺動させる事ができる。
即ち、本例の場合、前記インナシャフト9aの外周面のうち、軸方向に関して、前記予備軸部25の軸方向一端縁から前記小径軸部28の軸方向一端寄り部分(図2、3にZで示す位置)にかけての部分に、滑りやすい(摩擦係数の低い)合成樹脂製のコーティング層48が設けられている。又、これと共に、前記インナシャフト9aに、軸方向一端が開口し、軸方向他端(円錐面部36の軸方向他端)の軸方向に関する位置が、前記連続部27の軸方向一端縁と軸方向他端縁との間に位置した状態で前記中心孔34を形成している。この為、前記インナシャフト9aのうち、前記コーティング層48が形成された部分(スプライン有効歯型部)の径方向の剛性を適度に小さくする事ができる。従って、前記インナシャフト9aの雄スプライン部31と前記アウタチューブ11aの雌スプライン部16との係合部の回転方向のがたつきを防止する為に、この係合部に締め代を持たせた構造を採用した場合でも、この締め代に対する摺動抵抗(摺動荷重)の変動が鈍感になり、前記インナシャフト9aの、前記アウタチューブ11aに対する摺動を安定させる事ができる。
又、本例の場合、前記インナシャフト9aの雄スプライン部31と前記アウタチューブの雌スプライン部16との締め代に対する摺動抵抗(摺動荷重)の変動を鈍感にできる為、前記インナシャフト9aの誤差を許容できる範囲(寸法公差)を、前述した図7に示した従来構造の様に、インナシャフト9を全長に亙って中実とした場合と比較して大きく確保する事ができる。この結果、製造コストの低減を図れる。
又、前記インナシャフト9aを構成する小径軸部28と前記連続部27(不完全スプライン部33の凸部32の外周面)との境界部分の様に、断面形状(外径)の変化が大きく、トルク伝達の際に応力集中が発生し易い部分には、前記中心孔34が形成されていない。この為、当該部分の強度を十分に確保して、前記インナシャフト9aの耐久性の向上を図れる。
又、前記雄スプライン部31と前記雌スプライン部16との係合部の締め代を大きくした場合でも、この係合部の摺動抵抗を小さく抑える事ができる。
更に、前記中心孔34を形成している分だけ、前記インナシャフト9aの軽量化を図る事ができる。
又、本例の場合、前記中心孔34の円錐面部36の母線の、前記インナシャフト9aの中心軸α9aに対する傾斜角度θ36を、前記連続部27の外周面に形成された前記不完全スプライン部33の各凸部32の外周面の母線の、前記中心軸α9aに対する傾斜角度θ32よりも大きくしている(θ36>θ32)。この為、前記円錐面部36の軸方向他端縁が前記連続部27の軸方向他端縁よりも軸方向他方に位置する事を防止しつつ、前記中心孔34を構成する円筒面部35の軸方向他端縁を、前記雄スプライン部31の軸方向他端縁の近くに位置させる事ができる。この結果、前記インナシャフト9aのうち、前記小径軸部28と前記連続部27(不完全スプライン部33の凸部32の外周面)との境界部分の様に、トルク伝達の際に応力集中が発生し易い部分の強度を確保しつつ、前記雄スプライン部31の径方向に関する剛性を、全長に亙り均一に低下させる事ができる。
又、本例の場合、前記インナシャフト9aの軸方向一端部に、前記予備軸部25を設けている。この為、前述した様な方法により前記インナシャフト9aに前記粗コーティング層51を形成する際に、前記予備軸部25の外周面の全周に亙り、この粗コーティング層51を連続した状態で形成できる。この為、この粗コーティング層51を形成した後、前記インナシャフト9aの軸方向一端面から前記押え治具49を取り外す際に、この押え治具49に引っ張られて前記粗コーティング層51の軸方向一端縁がめくれてしまう事の防止を図れる。更に、使用時に前記インナシャフト9aと前記アウタチューブ11aとが摺動する際にも、前記コーティング層48の軸方向一端縁がめくれてしまう事を防止できる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図5により説明する。本例の中間シャフトを構成するインナシャフト9bも、前述した実施の形態の第1例のインナシャフトと同様に、軸方向一方側(図5の右側)から順に、予備軸部25、スプライン形成部26と、連続部27と、小径軸部28と、結合軸部29(図1参照)とを備えている。
特に、本例の場合、前記インナシャフト9bの外周面のうち、軸方向に関して、前記予備軸部25の軸方向一端縁から前記スプライン形成部26の軸方向中間部の軸方向他端寄り部分(図5にZで示す位置)にかけての部分(スプライン形成部26の軸方向一端縁から全長の約3/4部分)に、滑りやすい(摩擦係数の低い)合成樹脂製のコーティング層48aが設けられている。
本例の場合、前記インナシャフト9bを構成する雄スプライン部31のうち、前記コーティング層48aが設けられた部分を、組み付け状態に於いて、アウタチューブ11aの雌スプライン部16とスプライン係合するスプライン有効歯型部としている。従って、組み付け状態に於いて、前記インナシャフト9bを構成する雄スプライン部31のうち、前記コーティング層48aが設けられた部分以外の部分(図5にZで示す部分よりも左側部分)は、アウタチューブ11aの雌スプライン部16とスプライン係合しない(隙間を介して対向する)。
又、本例の場合、前記インナシャフト9bのうち、軸方向一端縁から、軸方向に関して前記コーティング層48aの軸方向他端縁と前記スプライン形成部26の軸方向他端縁との間(コーティング層48aの軸方向他端縁よりも軸方向他方側、且つ、スプライン形成部の軸方向他端縁よりも軸方向一方側)に位置した部分に、軸方向一端が前記インナシャフト9b(予備軸部25)の軸方向一端面に開口した状態で中心孔34aが形成されている。
具体的には、この中心孔34aは、円筒面部35aと、円錐面部36aとから成る。
このうちの円筒面部35aは、全長に亙り内径寸法が変化しない円筒面状であり、軸方向に関して、前記インナシャフト9bの軸方向一端縁から、前記コーティング層48aの軸方向他端縁と前記連続面27の軸方向一端縁との間に位置する部分にかけて形成されている。即ち、前記円筒面部35aの軸方向他端縁の軸方向に関する位置は、前記コーティング層48aの軸方向他端縁よりも軸方向他方側に位置している。
又、前記円錐面部36aは、軸方向一端縁が、前記円筒面部35aの軸方向他端縁に連続した状態で形成されている。この様な円錐面部36aは、内径寸法が、軸方向他方側に向かうほど小さくなる状態で形成されている。本例の場合、前記円錐面部36aの母線は、前記インナシャフト9bの中心軸α9aに対して角度θ36a(本例の場合、59°)だけ傾斜している。この角度θ36aは、前記連続部27の外周面に形成された不完全スプライン部33を構成する各凸部32の外周面の母線の、前記インナシャフト9bの中心軸α9bに対する傾斜角度θ32よりも大きい(θ36>θ32)。又、本例の場合、前記円錐面部36aの軸方向他端の軸方向に関する位置は、前記連続部27の軸方向一端縁(図5に直線Xで示す位置)よりも軸方向一方側に位置している。別の言い方をすれば、本例の場合、前記円錐面部36aの軸方向他端縁の軸方向に関する位置を、前記連続部27の軸方向他端縁(図5に直線Yで示す位置)よりも軸方向他方側に位置しない様に規制している。尚、本例の場合、前記インナシャフト9bのうち、前記中心孔34aが形成された部分以外の部分は、中実状に形成されている。その他の部分の構成及び作用・効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図6により説明する。本例の中間シャフト4bを構成するインナシャフト9cも、前述した実施の形態の第1例のインナシャフト9aと同様に、軸方向一方側(図6の右側)から順に、予備軸部25、スプライン形成部26と、連続部27と、小径軸部28と、結合軸部29とを備えている。
又、本例の場合、前述した実施の形態の第1例の場合と同様に、前記インナシャフト9cの外周面のうち、軸方向に関して、前記予備軸部25の軸方向一端縁から前記小径軸部28の軸方向一端寄り部分(図6にZで示す位置)にかけての部分に、滑りやすい(摩擦係数の低い)合成樹脂製のコーティング層48が設けられている。
又、本例の場合、前記インナシャフト9cの軸方向一端縁から、軸方向に関して前記連続部27の軸方向中間部と整合する位置にかけて、軸方向一端が前記インナシャフト9c(予備軸部25)の軸方向一端面に開口した状態で中心孔34bが形成されている。
具体的には、この中心孔34bは、全長に亙り軸方向他方に向かうほど内径寸法が小さくなる円錐面状に形成されている。本例の場合、前記中心孔34bの軸方向他端縁の軸方向に関する位置を、前記連続部27の軸方向他端縁(図6にYで示す位置)よりも軸方向他方側に位置しない様に規制している。
以上の様な構成を有する本例の場合、前記インナシャフト9cのスプライン形成部26(雄スプライン部31)の径方向の剛性を、軸方向他方側に向かうほど徐々に小さくする事ができる。その他の部分の構成及び作用・効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
前述した実施の形態の各例では、本発明をステアリング装置を構成する中間シャフトに適用した例に就いて説明した。但し、本発明は、この様な中間シャフト以外にも、各種用途で使用される伸縮自在シャフトの構造に適用する事ができる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3a、3b、3c、3d 自在継手
4、4a、4b 中間シャフト
5 ステアリングギヤユニット
6 入力軸
7 タイロッド
8 雄スプライン部
9、9a、9b、9c インナシャフト
10 雌スプライン部
11、11a アウタチューブ
12 小径筒部
13 連続部
14 大径筒部
15 ヨーク部
16 雌スプライン部
17 腕部
18 円孔
19 軸受カップ
20 ニードル
21 十字軸
22 軸部
23 ヨーク
24 腕部
25 予備軸部
26 スプライン形成部
27 傾斜連続面部
28 小径軸部
29 結合軸部
30 凸部
31 雄スプライン部
32 凸部
33 不完全スプライン部
34、34a、34b 中心孔
35、35a 円筒面部
36、36a 円錐面部
37 ヨーク
38 基部
39 腕部
40 結合孔
41 円孔
42 軸受カップ
43 ニードル
44 十字軸
45 軸部
46 ヨーク
47 腕部
48、48a コーティング層
49 押え治具
50 合成樹脂
51 粗コーティング層




Claims (6)

  1. 軸方向一端部の外周面に形成された雄スプライン部と、この雄スプライン部よりも軸方向他方側に形成されており、外径がこの雄スプライン部の各凸部の外接円の直径よりも小さい小径軸部と、この小径軸部の軸方向一端縁とこの雄スプライン部の軸方向他端縁とを連続する傾斜連続面部とを有する雄軸と、
    内周面に雌スプライン部が形成された雌軸と、
    前記雄スプライン部のうちの少なくとも一部を覆う状態で設けられたコーティング層とを備えており、
    前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させる事により、前記雄軸と前記雌軸とをトルク伝達可能、且つ、全長を伸縮可能な状態に組み合わせられている伸縮自在シャフトであって、
    前記コーティング層が、前記雄スプライン部の軸方向一端縁から、この雄スプライン部の軸方向他端縁よりも軸方向他方側に位置する部分にまで設けられており、
    前記雄軸が、軸方向一端がこの雄軸の軸方向一端面に開口し、少なくとも軸方向他端部の内径が軸方向他方に向かうほど小さくなる中心孔を有しており、
    前記中心孔の軸方向他端の軸方向に関する位置が、前記傾斜連続面部の軸方向一端縁と軸方向他端縁との間に位置している伸縮自在シャフト。
  2. 軸方向一端部の外周面に形成された雄スプライン部と、この雄スプライン部よりも軸方向他方側に形成されており、外径がこの雄スプライン部の各凸部の外接円の直径よりも小さい小径軸部と、この小径軸部の軸方向一端縁とこの雄スプライン部の軸方向他端縁とを連続する傾斜連続面部とを有する雄軸と、
    内周面に雌スプライン部が形成された雌軸と、
    前記雄スプライン部のうちの少なくとも一部を覆う状態で設けられたコーティング層とを備えており、
    前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させる事により、前記雄軸と前記雌軸とをトルク伝達可能、且つ、全長を伸縮可能に組み合わせられている伸縮自在シャフトであって、
    前記コーティング層が、前記雄スプライン部の軸方向一端縁から、この雄スプライン部の軸方向他端縁よりも軸方向一方側に位置する部分にまで設けられており、
    前記雄軸が、軸方向一端がこの雄軸の軸方向一端面に開口し、軸方向一方側に形成された円筒面部と、軸方向他方側に形成され、内径が、軸方向他方に向かうほど小さくなる円錐面部とから成る中心孔を有しており、
    前記円筒面部の軸方向他端縁の軸方向に関する位置が、前記コーティング層の軸方向他端縁と軸方向他端縁との間に位置している伸縮自在シャフト。
  3. 前記中心孔が、軸方向一方側に形成された円筒面部と、軸方向他方側に形成され、内径が、軸方向他方に向かうほど小さくなる円錐面部とから成り、
    前記円筒面部の軸方向他端縁の軸方向に関する位置が、前記傾斜連続面部の軸方向一端縁よりも軸方向一方側に位置しており、前記円錐面部の軸方向他端の軸方向に関する位置が、前記傾斜連続面部の軸方向一端縁と軸方向他端縁との間に位置している、請求項1に記載した伸縮自在シャフト。
  4. 前記傾斜連続面部の母線の、前記雄軸の中心軸に対する傾斜角度が、
    前記円錐面部の母線の、この雄軸の中心軸に対する傾斜角度よりも小さい、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した伸縮自在シャフト。
  5. 請求項1〜5に記載した伸縮自在シャフトの製造方法であって、
    円杆状の素材に前記雄スプライン部及び前記中心孔を形成して前記雄軸とした後、
    この雄軸の軸方向一端面に押え治具を固定し、この中心孔の軸方向一端開口部を塞いだ状態で、前記雄スプライン部の少なくとも一部を、溶融した合成樹脂の中に浸漬する事により、当該部分に粗コーティング層を形成し、この粗コーティング層にシェービング加工を施す事により、前記コーティング層を形成する伸縮自在シャフトの製造方法。
  6. 前記中心孔を、前記シェービング加工のセンタ出しに使用する請求項5に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。


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