JP2016223427A - ガス供給システム、燃料電池システム及びガス供給システムの制御方法 - Google Patents

ガス供給システム、燃料電池システム及びガス供給システムの制御方法 Download PDF

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成紀 矢澤
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Abstract

【課題】一つのモータによって第1のガス供給装置と第2のガス供給装置とを駆動するガス供給システムのコストを低減する。【解決手段】ガス供給システムは、モータから直接伝達されるモータの動力により第1のガスを供給する第1のガス供給装置と、モータの動力により駆動される駆動部を備え、駆動部に伝達されるモータの動力により第2のガスを供給する第2のガス供給装置とを備える。さらに、モータと第2のガス供給装置との間を仕切るハウジング壁を有し、モータ及び第1のガス供給装置、又は、第2のガス供給装置の少なくとも一方を気密に覆うハウジングと、ハウジング壁に対してモータ側に設けられ、モータの動力をハウジング壁を介して非接触で駆動部に伝達する動力伝達装置と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、第1のガスと第2のガスとをそれぞれ圧送するガス供給システムと、これを備える燃料電池システムと、ガス供給システムの制御方法とに関する。
燃料電池システムは、燃料電池の燃料極に供給される水素を含むアノードガスと、空気極に供給される酸素を含むカソードガスとを用いた電気化学反応により、発電を行うシステムである。アノードガスの供給手段として、燃料電池アノード流路出口から燃料電池アノード流路入口までを繋ぐ循環流路を配備し、モータにより駆動される水素循環装置を循環流路に備え、アノードガスを循環流路内で循環させる手法が知られている。一方、カソードガスの供給手段としては、例えば大気中から取り込んだ空気を、モータの動力により供給するエアコンプレッサ等の空気供給装置が知られている。
燃料電池ガス供給システムの小型化を図るために、特許文献1は、水素循環装置である水素ポンプと空気供給装置であるエアポンプとを一つのモータの動力により駆動する燃料電池用ポンプを開示する。
特開2008−21468号公報
上記の燃料電池用ポンプにあっては、モータから軸を介してエアポンプに直接動力が伝達されると共に、水素ポンプにはモータから変速機を介して動力が伝達される。このような構成では変速機が必要になるため、一つのモータで複数のガス供給装置を駆動するガス供給システムを製造するにはコストが増加してしまうという課題があった。
このような課題に鑑み、本発明は、一つのモータによって第1のガス供給装置と第2のガス供給装置とが駆動されるガス供給システムのコストを低減できるガス供給システム及び燃料電池システムの提供を目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって上述の課題を解決する。
本発明のある態様によれば、ガス供給システムは、モータから直接伝達されるその動力により第1のガスを供給する第1のガス供給装置と、モータの動力により駆動される駆動部を備え、駆動部に伝達されるモータの動力により第2のガスを供給する第2のガス供給装置とを備える。さらに、モータと第2のガス供給装置との間を仕切るハウジング壁を有し、モータ及び第1のガス供給装置、又は、第2のガス供給装置の少なくとも一方を気密に覆うハウジングと、ハウジング壁に対してモータ側に設けられ、モータの動力をハウジング壁を介して非接触で駆動部に動力伝達を行う動力伝達装置と、を備える。
本発明のある態様によれば、第1のガス供給装置に直接伝達されるモータの動力を第2のガス供給装置に対しては非接触で伝達することにより、変速機が不要になるので、ガス供給システムのコストを低減できる。
図1は、本発明の第1実施形態における燃料電池システムの概略構成図である。 図2は、本実施形態におけるガス供給システムの概略構成図である。 図3は、本実施形態における、水素循環ブロアの側から見た動力伝達装置(25a)の概略構成図である。 図4Aは、本実施形態における磁力遮断板の全閉状態を表す概略構成図である。 図4Bは、本実施形態における磁力遮断板の動作を表す概略構成図である。 図4Cは、本実施形態における磁力遮断板の全開状態を表す概略構成図である。 図5は、本発明の第2実施形態における、水素循環ブロアの側から見た動力伝達装置(25b)の概略構成図である。 図6は、本実施形態におけるガス供給システムを制御する制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 図7は、モータの回転数と水素循環ブロアの回転数との関係を示す水素循環流量マップの一例を示す観念図である。 図8は、水素循環ブロアの回転数とモータの回転軸に設けられた多極磁気ディスクからの磁力線通過量との関係を示す磁力制御マップの一例を示す観念図である。 図9は、本発明の第3実施形態における磁力線通過量演算部の機能構成の一例を示すブロック図である。 図10は、本発明の第4実施形態における磁力線通過量演算部の機能構成の一例を示すブロック図である。 図11は、本実施形態におけるガス供給システムを制御する制御方法に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。 図12は、磁力遮断板を介して多極磁気ディスクから水素循環ブロアへの磁力を制御する磁力制御処理の一例を示すフローチャートである。 図13は、本発明の第5実施形態における燃料電池システムの概略構成図である。 図14は、本実施形態における制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
以下、添付された図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における燃料電池システムの概略構成図である。
燃料電池システム1は、ガス供給システム2と、内部状態測定装置3と、冷却システム4と、燃料電池スタック10とを備える。また、燃料電池システム1は、水素供給源13と、アノードガス供給流路14と、アノードガス還流流路15と、カソードガス供給流路16と、バイパス流路16aと、バイパス弁16bと、カソードガス排出流路17と、エゼクタ18とを備える。さらに、燃料電池システム1は、ガス供給システム2を制御する制御装置100を備える。なお、燃料電池システム1の各部には、温度センサ、圧力センサ、バルブ、気液分離器などの補器が備えられるが、図1ではこれらの補器の図示を省略している。
ガス供給システム2は、燃料電池スタック10に発電用のガスを供給するためのシステムである。ガス供給システム2は、水素を供給する水素循環ブロア19と、空気を供給する空気コンプレッサ20と、モータ21と、磁力発生部22と、モータ21のトルクを検出するトルクセンサ23とを含む。
燃料電池スタック10は、発電動作を行う動作部である。燃料電池スタック10は、複数の燃料電池単位セルを積層した構造を有しており、単位セルの水素極(アノード極)11と酸素極(カソード極)12に、アノードガスとしての水素とカソードガスとしての空気をそれぞれ供給することにより、発電を行う。
燃料電池の各単位セルは、電解質の両面にそれぞれカーボンに白金を担持した触媒層を
接合して電極を形成して膜電極接合体とし、膜電極接合体の両面にセパレータを配設する
ことで水素ガス流路と酸素ガス流路とを各単位セルの膜電極接合体上に構成する。
水素供給源13は、燃料電池スタック10にアノードガスとしての水素を供給するものであり、本実施形態では高圧の水素ガスを貯蔵する水素タンクである。なお、水素供給源は水素タンクに限定されない。
アノードガス供給流路14は、一端を水素供給源13と、他端を燃料電池スタック10のアノードガス入口と接続される流路である。アノードガスは、水素供給源13からアノードガス供給流路14を通して燃料電池スタック10へ供給される。アノードガス供給流路14には、エゼクタ18が備えられる。
アノードガス還流流路15は、一端が燃料電池スタック10のアノードガス出口と接続され、他端がアノードガス供給流路14に備えられたエゼクタ18と接続される流路である。これにより、アノードガス出口より排出されたガスは、アノードガス還流流路15、エゼクタ18、アノードガス供給流路14を介して、再び燃料電池スタック10に導入される。このように、燃料電池システムのアノード系で循環流路が構成される。
エゼクタ18は、水素供給源13から供給されるアノードガスをエゼクタ18内の絞りにより高速化し、アノードガス還流流路15を流れるアノードガスに対して高速化されたアノードガスの巻き込み力を作用させる。これにより、アノード系の循環流路内に循環流を生じさせる。
アノードガス還流流路15には、ガス供給システム2の水素循環ブロア19が設けられる。水素循環ブロア19は、アノードガス還流流路15を流れるアノードガスを供給し、エゼクタ18と共に、循環流路内に循環流を引き起こす。これにより、燃料電池のアノード極11に十分な量の水素を供給し、アノード極11上の水素濃度の偏りを低減させることができる。
アノードガス還流流路15には、さらに、図示しない気液分離器や、排水弁、パージ弁、パージ流路、などの補器が設けられる。パージ弁の開放により、循環流路内に溜まった窒素ガスがパージ流路を通して排出される。また、気液分離器は燃料電池スタック10から排出された生成水を貯蔵し、排水弁を通して適宜、燃料電池システム1の外に排出する。なお、気液分離器は水素循環ブロア19の上流側に設けられることが望ましい。
空気コンプレッサ20は、大気中からカソードガスである空気を取り込み、カソードガス供給流路16へ供給する。カソードガス供給流路16は空気コンプレッサ20と燃料電池スタック10のカソードガス入口とを接続する流路であり、圧縮された空気からなるカソードガスを燃料電池スタック10のカソードガス入口へ導入する。燃料電池スタック10のカソードガス出口から排出されたカソードガスは、カソードガス排出流路17を通して、燃料電池システム1の外へ排出される。
バイパス流路16aは、カソードガスが燃料電池スタック10を迂回するようにカソードガス供給流路16とカソードガス排出流路17とを接続する流路である。バイパス流路16aに設けられたバイパス弁16bは、空気コンプレッサ20から燃料電池スタック10に供給されるカソードガスの一部をカソードガス排出流路17に排出する。カソードガス排出流路17には、アノードガス還流流路15に設けられたパージ流路が接続されており、窒素ガスと共に排出される水素がカソードガスにより希釈される。
モータ21は、水素循環ブロア19及び空気コンプレッサ20の共通の動力源であり、電力により回転駆動して動力を発生する。本実施形態では、燃料電池スタック10、又は不図示の二次電池から出力される電力を交流電力に変換するインバータがモータ21に備えられている。
磁力発生部22は、水素循環ブロア19の駆動部に作用する磁力を発生するものであり、モータ21の回転動力を水素循環ブロア19に伝達する。磁力発生部22の磁力は、制御装置100によって制御される。
内部状態測定装置3は、燃料電池スタック10の内部状態を測定する装置である。例えば、内部状態測定装置3は、燃料電池スタック10の温度や、窒素濃度、水素濃度、電解質膜の含水量を示す湿潤度、等を測定する。
燃料電池スタック10においては、電解質膜の湿潤度が低くなり過ぎると発電性能が低下し、電解質膜の湿潤度が高くなり過ぎるとフラッディングが発生するおそれがある。そのため、内部状態測定装置3は、電解質膜の湿潤度と相関のある燃料電池スタック10の高周波数抵抗(HFR:High Frequency Resistance)を測定する。電解質膜の湿潤度が高くなるほど、燃料電池スタック10のHFRは小さくなり、電解質膜の湿潤度が低くなるほど、HFRは大きくなる。
具体的には、内部状態測定装置3は、燃料電池スタック10の電解質膜に応答する周波数の交流電流を燃料電池スタック10に供給し、燃料電池スタック10の出力電圧の交流成分を検出する。内部状態測定装置3は、検出した交流成分の振幅と、出力した交流電流の振幅とに基づいて燃料電池スタック10のHFRを算出し、そのHFRを制御装置100に出力する。交流電流の周波数は、例えば1kHz(キロヘルツ)に設定される。
冷却システム4は、燃料電池スタック10を冷却するためのシステムであり、冷却水循環通路41と、冷却水ポンプ42と、ラジエータ43と、温度センサ44及び45とを含む。
冷却水循環通路41は、燃料電池スタック10に冷却水を循環させる通路である。冷却水循環通路41の一端は、燃料電池スタック10の冷却水入口孔に接続され、他端は、燃料電池スタック10の冷却水出口孔に接続される。
冷却水ポンプ42は、冷却水循環通路41に設けられる。冷却水ポンプ42は、ラジエータ43を介して燃料電池スタック10に冷却水を供給する。冷却水ポンプ42の回転数は、制御装置100によって制御される。
ラジエータ43は、冷却水ポンプ42よりも下流の冷却水循環通路41に設けられる。ラジエータ43は、燃料電池スタック10の内部で温められた冷却水をファンによって冷却する。
温度センサ44及び45は、冷却水循環通路41を循環する冷却水の温度を検出する。本実施形態では、冷却水の温度は燃料電池スタック10の温度として用いられる。温度センサ44及び45は、それぞれ、検出した冷却水の温度を示す検出信号を制御装置100に出力する。
制御装置100は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピューターで構成される。
制御装置100は、内部状態測定装置3、負荷装置5、トルクセンサ23、温度センサ44及び45等の各出力信号を受信する。負荷装置5は、燃料電池スタック10に接続される電気負荷であり、負荷装置5からは、燃料電池スタック10に対して要求される要求電力が制御装置100に出力される。例えば、車両に搭載された燃料電池システム1では、アクセルペダルの踏込み量が大きくなるほど、負荷装置5の要求電力は大きくなる。これらの出力信号は、燃料電池システム1の運転状態に関するパラメータとして用いられる。
制御装置100は、燃料電池システム1の運転状態に関するパラメータに応じて、モータ21の回転数を制御する。例えば、制御装置100は、負荷装置5の要求電力に基づいて、燃料電池スタック10に供給されるカソードガスの流量、及びアノードガスの流量の各々の目標値を演算する。制御装置100は、演算したカソードガス流量の目標値に基づいてモータ21の回転数(回転速度)を制御し、モータ21の回転数に基づいて、アノードガス流量の目標値に対応する水素循環ブロア19の回転数となるように、磁力発生部22の磁力を制御する。
図2は本実施形態のガス供給システム2の概略構成図である。
本実施形態のガス供給システム2は、水素循環ブロア19と、空気コンプレッサ20と、これらを駆動するモータ21と、磁力発生部22と、モータ21から動力を入力される回転軸24とを備える。磁力発生部22は、モータ21の動力を伝達するための磁力を発生するものである。磁力発生部22は、回転軸24が接続される動力伝達装置25aと、磁力遮断板26と、モータ21と水素循環ブロア19との間を仕切るハウジング壁33とを備える。また、ガス供給システム2は、空気側ハウジング27と、水素側ハウジング28とを備える。
モータ21は、電力の供給を受けて回転動力を生み出す。モータ21には、モータ21の動力により回転される一本の金属製の回転軸24が接続される。本実施形態のモータ21は、燃料電池スタック10から電力を供給される。
回転軸24はモータ21の両側から延出している。回転軸24の一端は空気側ハウジング27を貫通して、空気コンプレッサ20の回転部品(空気側インペラ)29と接続される。一方、回転軸24の他端は動力伝達装置25aと接続される。すなわち、回転軸24は、モータ21と空気コンプレッサ20とを接続する第1ガス供給駆動軸24aと、モータ21と磁力発生部25とを接続する第2ガス供給駆動軸24bとにより構成される。
空気コンプレッサ20は、空気側ハウジング27に覆われ、回転部品である空気側インペラ29を備える。空気側ハウジング27によって空気の流路が構成される。
空気側インペラ29は複数の羽根を有する金属製の部品であり、空気側ハウジング27の内部に収容される。空気側インペラ29は、その中央部が空気側ハウジング27を貫通する回転軸24の一端と接続されている。モータ21から出力された動力は、回転軸24を介して、直接、空気側インペラ29に伝達される。空気側インペラ29は、モータ21から出力された動力によって回転される。空気側ハウジング27には空気側インペラ29の中心軸方向から延出する空気入口流路30と、空気側インペラ29の円周に接した方向に延出する空気出口流路31が設けられる。
本実施形態の空気コンプレッサ20は、次に示すような遠心式の圧縮方法を用いる。空気入口流路30から空気側ハウジング27内に導入された外気は、回転する空気側インペラ29による遠心力を受け、空気側ハウジング27の内壁に押し付けられることで高圧化される。その後、空気出口流路31を通して図1のカソードガス供給流路16に供給される。
水素循環ブロア19は、水素側ハウジング28に気密に覆われている。水素循環ブロア19は、駆動部の一例である水素側インペラ32を備える。水素側ハウジング28は、水素の流路を構成すると共に、ハウジング壁33を備える。水素側ハウジング28によって、水素循環ブロア19とモータ21とが一体化される。
水素側インペラ32は、モータ21からの回転動力を非接触で伝達される回転部品である。水素側インペラ32は外周に多数の溝を有する円盤状の金属製部品であり、水素側ハウジング28で囲まれる空間の内部に収容される。水素側インペラ32の中央部はハウジング壁33に水素流路側から取りつけられ、中央部を回転軸として、水素側インペラ32は回転可能に支持されている。なお、水素側インペラ32の回転軸は、ハウジング壁33を貫通しない。水素循環ブロア19は、水素側ハウジング28によって構成される水素入口流路34と水素出口流路35を備え、回転する水素側インペラ32の外周部に沿って、接線方向から接続される。
本実施形態の水素循環ブロア19は、次に示すような渦流式の圧縮方法を用いる。アノードガス還流流路15を流れるアノードガスは、水素入口流路34を通して水素側ハウジング28内に導入される。導入されたアノードガスは、水素側インペラ32がモータの動力で回転されることによって、ハウジング内を内壁に沿って円周方向に進む。その際、水素側インペラ32の回転に伴って水素側インペラ32の各溝の中でアノードガスに渦流が生じるため、アノードガスが加速、加圧される。このようにして圧縮されたアノードガスが水素出口流路35を通してアノードガス還流流路15に供給される。
本実施形態の動力伝達装置は、回転軸24の他端と接続される多極磁気ディスク25aである。多極磁気ディスク25aと水素側インペラ32とは、ハウジング壁33を挟んで互いに面するように配置される。多極磁気ディスク25aは、ハウジング壁33に対してモータ21側に設けられ、ハウジング壁33を介してモータ21の動力を非接触で水素側インペラ32に伝達する。
本実施形態の磁力遮断板26は、高透磁率部材の一例であって、多極磁気ディスク25aとハウジング壁33の間に配置されている。磁力遮断板26は、多極磁気ディスク25aと水素側インペラ32との間の磁界を遮ることにより、多極磁気ディスク25aと水素側インペラ32との間の動力伝達を遮断する。磁力遮断板26は、ハウジング壁33にモータ21側から取りつけられる。よって、モータ21側から、多極磁気ディスク25a、磁力遮断板26、ハウジング壁33、水素側インペラ32の順で配置される。なお、多極磁気ディスク25aの回転軸、水素側インペラ32の回転軸、及び磁力遮断板26の中心軸は、一直線上に配置されていることが望ましい。
図3は、本実施形態の多極磁気ディスク25aを、水素循環ブロア19の側から見た際の概略構成図である。
図3に示すように、多極磁気ディスク25aはディスク形状をしており、多極磁気ディスク25aの円形の表面には、複数の永久磁石36が埋め込まれる。永久磁石36は、円周方向に沿ってN極とS極とが交互に正面を向くように配列され、多極磁気ディスク25aの表面から磁力線が延出する。
図4A、図4B、図4Cは、本実施形態の磁力遮断板26と、磁力遮断板26を動かすモータとギアとの概略構成図である。
本実施形態の磁力遮断板26は、高透磁率材料で構成される4枚の板26a〜26dである。本実施形態において、磁力遮断板26は、多極磁気ディスク25aと水素側インペラ32との間の磁界を遮る役割を有する。ガス供給システム2は多極磁気ディスク25aと水素側インペラ32との間で生じる磁力を変化させるように、磁力遮断板26a〜26dの位置を制御する高透磁率部材制御部を更に備える。図4A〜4Cは、高透磁率部材制御部の一例として、磁力遮断板26a〜26dを作動させるステッピングモータ37と、ステッピングモータ37と磁力遮断板26a〜26dとの間で動力を伝える各種ギア(38、39、40a〜40d)とを示す。
以下に、磁力遮断板26a〜26dの動作を説明する。
図4A、図4Cに示すように、4枚の磁力遮断板26a〜26dは、それぞれが4つに分割された円盤の形状をしており、4枚が組み合わさることで、一つの円盤が構成される。図4Aは磁力遮断板26a〜26dが組み合わされた状態を示し、多極磁気ディスク25aと水素側インペラ32との間に磁力遮断板26a〜26dが挿入される。一方、図4Cは磁力遮断板26a〜26dが組み合わされていない状態を示し、磁力遮断板26a〜26dは挿入されない。
それぞれの磁力遮断板26a〜26dは、例えばFe−Si−A1系合金や、Fe−Ni系合金等の高透磁率材料で構成される。すなわち、多極磁気ディスク25aと水素側インペラ32との間に磁力遮断板26a〜26dが挿入されることにより、多極磁気ディスク25aの表面から延出する磁力線は磁力遮断板26a〜26dに沿った方向に通過してしまうため、水素側インペラ32までは到達しにくくなる。そのため、図4A、図4Cに示すように、磁力遮断板26a〜26dを挿入する或いは挿入しないことにより、多極磁気ディスク25aと水素側インペラ32との間で作用する磁力を変化させることができる。
図4A、図4Cに示す磁力遮断板26a〜26dの位置は、各種ギア(38、39、40a〜40d)及びステッピングモータ37により制御される。各種ギア(38、39、40a〜40d)には、磁力遮断板26a〜26dの各々と一体化されたピニオンギア40a〜40dと、ピニオンギア40a〜40dと噛み合うリングギア39と、リングギア39と噛みあうウォームギア38とが含まれる。ステッピングモータ37は、ウォームギア38を駆動する。
図4Aに示すように、円盤として組み合わさった際の、それぞれの磁力遮断板26a〜26dの外周部には、外側に歯をもつ略円柱形のピニオンギア40a〜40dが一体化して備えられる。それぞれのピニオンギア40a〜40dの中心部はモータ21側からハウジング壁33に取り付けられている。磁力遮断板26a〜26dはピニオンギア40a〜40dの中心部を軸として、互いに干渉せずに所定範囲を回転できるように配置される。
リングギア39は内周及び外周を有するリング状の円盤型をしたギアであり、内側の円周面と外側の円周面にそれぞれ歯を備える。リングギア39は4つのピニオンギア40a〜40dの外周に配置され、リングギア39の内側の歯が、それぞれのピニオンギア40a〜40dの歯とかみ合うように配置される。
ウォームギア38は略円柱型のねじ歯車であり、ウォームギア38の歯が、リングギア39の外側の歯とかみ合うように配置される。ウォームギア38がねじ歯の回転方向に回転されると、それに伴ってリングギアが図4Aの時計方向に回転される。
ステッピングモータ37は、印加されるパルス電力によって段階的に駆動されるモータである。ステッピングモータ37はウォームギア38と軸を介して接続され、ステッピングモータ37の回転により、ウォームギア38が円周方向に段階的に回転される。ステッピングモータ37は、例えば、水素側ハウジング28に固定される。
以上のような構成により、ステッピングモータ37及び各種ギア(38、39、40a〜40d)は、4枚の磁力遮断板26a〜26dの開閉を同時に行うことができる。そのため、多極磁気ディスク25aから延出し、水素側インペラ32を通る磁力線(磁束)の割合を変化させることができる。
図4Aは、磁力遮断板26a〜26dが完全に閉じられた状態を表す概略構成図である。この場合、4枚の磁力遮断板26a〜26dは互いに組み合わさり、閉口されている。この状態では、多極磁気ディスク25aより延びる磁力線は、ほとんど水素側インペラ32に到達しない。
図4Bは、4枚の磁力遮断板26a〜26dの内の1枚の動作を表す概略構成図である。図4Bに示すように、それぞれの磁力遮断板26a〜26dは、各ピニオンギア40a〜40dを中心とした円弧に沿うように分割されている。そのため、4枚の磁力遮断板26a〜26dは、互いに干渉されることなく、ピニオンギアを中心に回転することができる。
磁力遮断板26a〜26dはステッピングモータ37を動力源として動作する。まずステッピングモータ37によってウォームギア38が回転され、次にリングギア39を介して各ピニオンギア40a〜40dに動力が伝わり、ピニオンギア40a〜40dの回転に伴い磁力遮断板26a〜26dが回転される。その際、ステッピングモータ37の段階的な回転により、指定した角度だけ、磁力遮断板を回転させることができる。なお、図4Bでは、4枚の磁力遮断板26a〜26dの独立した動作が可能であることを示すために、1枚の磁力遮断板26aのみの動作を示したが、実際は4枚の磁力遮断板26a〜26dを同時に動作させることもできる。
このようにして、磁力遮断板26a〜26dの開口部の面積を調節することにより、多極磁気ディスク25aから延び水素側インペラ32まで通過する磁力線の割合を任意に変化させることができる。
図4Cは、4枚の磁力遮断板26a〜26dが完全に開放された状態を表す概略構成図である。4枚の磁力遮断板26a〜26dが開放された場合、リングギア39内に略円形の開口部が形成される。この状態では、多極磁気ディスク25aより延出する殆どの磁力線が水素側インペラ32を通過することができる。
なお、磁力遮断板26a〜26dの構造は、これに限定されず、磁力遮断板26a〜26dの枚数や、動作方法を適宜変更することができる。例えば、換気扇に用いられるシャッターの構造のように、複数の長方形型の板を備え、それぞれの板の長辺を軸として回転させることで、開口部の面積を変化させてもよい。また、カメラの絞り羽根の構造ように、互いに重なる羽根を用いて開口部の面積を変化させてもよい。
以上を踏まえ、本実施形態のガス供給システムの駆動方法について説明する。
まず、モータ21が回転軸24を回転させることにより、空気コンプレッサ20の空気側インペラ29が回転されるとともに、動力伝達装置であるの多極磁気ディスク25aが回転される。多極磁気ディスク25aの表面には永久磁石36が埋め込まれているため、回転軸24を中心として回転する磁界が生み出される。
ここで、断続装置の磁力遮断板26a〜26dが全開または半開の場合、磁力遮断板26a〜26dの開口部を通過した回転磁界はハウジング壁33を貫通し、水素循環ブロア19の水素側インペラ32に、誘導起電力を生じさせる。そして、水素側インペラ32に誘導された渦電流が、多極磁気ディスク25aによる回転磁界と相互作用することで、水素側インペラ32に回転トルクが発生し、水素側インペラ32が回転される。このようにして、多極磁気ディスク25aは、モータ21の回転動力を磁力によって水素側インペラ32に伝達することができる。水素側インペラ32に発生するトルクは、多極磁気ディスク25aと水素側インペラ32との回転数の差、すなわち滑りに比例して大きくなる。最終的に水素側インペラ32の回転数は、多極磁気ディスク25aの回転数と比較して、滑りの分だけ小さい回転数に制御される。
磁力遮断板26a〜26dによって磁力線の一部が遮断されると、多極磁気ディスク25aと水素側インペラ32との間に生じる相互作用が弱まる。その場合、水素側インペラ32と、多極磁気ディスク25aとの滑りが大きくなり、水素側インペラ32が減速されることになる。このようにして、水素循環ブロア19の動力を磁力遮断板26a〜26dの開度により調節することができる。
一方で、断続装置の磁力遮断板26a〜26dが完全に閉じられた場合、多極磁気ディスク25aから延びる磁力線は、水素側インペラ32にほとんど届かなくなる。空気コンプレッサ20のみを駆動させ、水素循環ブロア19を停止したままにする、という運転を行うことができる。
以上のように、本実施形態のガス供給システム2は、1つのモータ21の動力により、水素循環ブロア19と空気コンプレッサ20を駆動できると共に、それぞれの供給装置(19、20)を個別に制御することができる。これにより、供給装置(19、20)ごとにモータを設ける必要がなくなり、ガス供給システムを小型化、軽量化できる。更に、モータが1つのみで良いため、システムのコストを低減できる。
さらに、本実施形態のガス供給システム2によれば、水素側インペラ32が、水素側ハウジング28によって覆われた状態で、モータ21と水素循環ブロア19との間のハウジング壁33を介して非接触で伝わる動力により駆動される。そのため、回転軸24がハウジング壁33を貫通する必要がなく、水素の軸貫通部を通した別区画への漏出が防止される。このため、燃料電池システム1の燃費を向上させることができる。
回転軸24は、モータ21の動力により回転されると共に、空気コンプレッサ20及び多極磁気ディスク25aにモータ21の回転動力を伝達する。水素側インペラ32は、モータ21からの回転動力を非接触で伝達される回転部品である。これにより、任意の回転数を選択することにより、供給する空気及び水素の量を容易に制御することができる。
渦電流と回転磁界との相互作用によって、多極磁気ディスク25aは、モータ21の回転動力を磁力によって水素側インペラ32に伝達する。これにより、多極磁気ディスク25aは、モータ21の動力を、ハウジング壁33を介して非接触で水素側インペラ32に伝達することができる。
図4A〜図4Cに示したように、ステッピングモータ37及び各種ギア(38、39、40a〜40d)は、4枚の磁力遮断板26a〜26dの開閉を同時に行うことができる。そのため、多極磁気ディスク25aから延出し、水素側インペラ32を通る磁力線(磁束)の割合を変化させることができる。
また、本実施形態のガス供給システムによりアノードガスとカソードガスの供給を行う燃料電池システム1によれば、空気コンプレッサ20をモータ21と接続するとともに、空気コンプレッサ20と比較して出力の小さい水素循環ブロア19に動力伝達部(多極磁気ディスク25a)を介してモータ21の動力を伝えることになる。そのため、1つのモータの動力で、システムをより効率的に動かすことができる。
さらに、本実施形態の燃料電池システム1は、水素循環ブロア19を水素側ハウジング28で気密に覆うことで、水素循環ブロア19から空気コンプレッサ20への水素の漏出を防止することができる。これにより、水素と酸素がガス供給システム内で混合し、そこで生じる化学反応により消費されることがなくなる。そのため、燃料電池における発電に用いられるべき水素ガスが別の場所で消費される、無駄な消費を防止することができる。
(第2実施形態)
図5は水素循環ブロア19の側から見た、第2実施形態における動力伝達装置(多極磁気ディスク25b)の概略構成図である。
なお、以下の各実施形態において、先の実施形態と同様の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図5に示すように、第2実施形態の多極磁気ディスク25bは、ディスク形状をしており、多極磁気ディスク25bの円形の表面に、複数の電磁石51が埋め込まれる。その際、各電磁石51に電流を流した際に生じる磁界の向きが、円周方向に沿って1つおきに多極磁気ディスク25bの正面側を向くように、巻線の向きと電流の向きとが決定される。
本実施形態のガス供給システムによれば、先の実施形態と同様の作用効果を奏すると共に、電磁石51への通電量により、モータ21と水素循環ブロア19との間で伝達される動力を変化させることができる。これにより、より幅広く空気コンプレッサ20と水素循環ブロア19との動力を制御することが可能となる。
また、本実施形態のガス供給システムでは、断続装置の磁力遮断板を設置しなくとも、電磁石51への通電量を変化させることで、水素循環ブロア19の動力を変化させることができる。そのため、ガス供給システムをより小型化、軽量化できると共に、システム簡素化によるコスト削減に繋げることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態におけるガス供給システム2の制御手法について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、第1実施形態の構成と同様の構成である。
図6は、本発明の第3実施形態における制御装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
制御装置100は、目標空気流量演算部110と磁力制御部120とを備える。
目標空気流量演算部110は、モータ21の回転数を制御するモータ制御部を構成する。目標空気流量演算部110は、固定空気流量出力部111と、負荷要求空気流量演算部112と、目標空気流量設定部113とを備える。
磁力制御部120は、磁力発生部22の磁力を制御するものであり、目標水素流量演算部130と磁力線通過量演算部140とを備える。目標水素流量演算部130は、水素循環ブロア19から燃料電池スタック10に供給されるべき水素の流量を示す目標水素流量を演算するものであり、基本水素流量演算部131と流量補正部132とを備える。
目標空気流量演算部110は、空気コンプレッサ20から燃料電池スタック10に供給されるべき空気の流量を示す目標空気流量を演算する。本実施形態では、目標空気流量演算部110は、負荷装置5の要求電力に基づいて、空気コンプレッサ20の目標回転数Ncを、目標空気流量として算出する。
固定空気流量出力部111は、負荷装置5の要求電力に関わらず一定の空気流量を示す固定空気流量を目標空気流量設定部113に出力する。本実施形態では、固定空気流量出力部111は、燃料電池システム1の運転状態に応じて、空気コンプレッサ20の固定回転数を固定空気流量として出力する。
固定空気流量出力部111は、燃料電池システム1が暖機運転を実施しているか否かを示す暖機運転フラグに応じて、燃料電池スタック10の暖機に必要となる空気コンプレッサ20の固定回転数を出力する。暖機に必要となる固定回転数は、例えば、燃料電池スタック10の発電量を多くして自己発熱量が増加するように、燃料電池スタック10が安定して発電できる範囲におけるモータ21の回転数の上限値に設定される。
暖機運転フラグは、暖機運転を実施するときに「1」に設定され、暖機運転の実施を停止するときに「0」に設定される。例えば、暖機運転フラグは、燃料電池スタック10の温度として温度センサ44からの検出値に基づいて設定される。この例では、検出値が所定の温度、例えば50℃以下であるときには、暖機運転フラグが「1」に設定され、検出値が所定の温度よりも大きいときには、暖機運転フラグが「0」に設定される。
このため、固定空気流量出力部111は、暖機運転フラグが「1」を示す場合には、暖機に必要となる空気コンプレッサ20の固定回転数を出力し、暖機運転フラグが「0」を示す場合には、固定回転数の出力を停止してゼロを出力する。
また、固定空気流量出力部111は、燃料電池システム1が停止運転を実施しているか否かを示す停止運転フラグに応じて、燃料電池スタック10の発電の停止に必要となる空気コンプレッサ20の固定回転数を出力する。発電の停止に必要となる固定回転数は、パージ流路からカソードガス排出流路17に排出される水素がカソードガスにより十分に希釈されるように、例えばモータ21が安定して運転できる回転数の上限値に設定される。
停止運転フラグは、停止運転を実施するときに「1」に設定され、停止運転の実施を停止するときに「0」に設定される。例えば、停止運転フラグは、燃料電池システム1の運転を開始するための操作キーがONからOFFに切り替えられた場合に停止指令が発行され、停止運転フラグが「1」に設定され、操作キーがONに設定されたときには、停止運転フラグが「0」に設定される。
このため、固定空気流量出力部111は、停止運転フラグが「1」を示す場合には、発電の停止に必要となる空気コンプレッサ20の固定回転数を出力し、停止運転フラグが「0」を示す場合には、固定回転数の出力を停止する。
なお、本実施形態では固定空気流量出力部111から出力される固定回転数を所定の範囲におけるモータ21の回転数の上限値に設定したが、これに限られず、モータ21の回転数の上限値よりも低い値に設定するようにしてもよい。
負荷要求空気流量演算部112は、燃料電池スタック10の発電に最低限必要となる空気流量を示す負荷要求空気流量を演算する。本実施形態では、負荷要求空気流量演算部112は、スタック目標電流に基づいて、燃料電池スタック10に供給される空気の流量が負荷要求空気流量となるように設定された空気コンプレッサ20の負荷要求回転数を算出する。
スタック目標電流は、負荷装置5の要求電流に基づいて算出されるパラメータである。例えば、スタック目標電流は、燃料電池スタック10のIV(電流電圧)特性を示すマップを用いて負荷装置5の要求電力となる電流値に設定される。スタック目標流量が大きくなるほど、目標空気流量演算部110により算出される負荷要求回転数は大きくなる。
例えば、負荷要求空気流量演算部112には、スタック目標電流と空気コンプレッサ20の回転数との関係を示す空気流量マップが予め記録される。負荷要求空気流量演算部112は、スタック目標電流を取得すると、空気流量マップを参照し、取得したスタック目標電流に関係付けられた空気コンプレッサ20の回転数を算出する。負荷要求空気流量演算部112は、算出した空気コンプレッサ20の回転数を、負荷要求回転数として目標空気流量設定部113に出力する。
目標空気流量設定部113は、固定空気流量出力部111からの固定回転数と、負荷要求空気流量演算部112からの負荷要求回転数とのうち大きい方の値を、空気コンプレッサ20の目標回転数Ncに設定する。目標空気流量設定部113は、空気コンプレッサ20の目標回転数Ncをモータ21の回転数指令値としてモータ21のインバータに出力すると共に基本水素流量演算部121に出力する。
また、目標空気流量設定部113は、固定空気流量出力部111からの固定回転数が負荷要求空気流量演算部112からの負荷要求回転数よりも大きい場合には、固定回転数と負荷要求回転数との差分を算出する。制御装置100は、算出された差分に基づいて、燃料電池スタック10への過剰な空気流量を算出し、その過剰な空気流量を、バイパス流路16aを通して排出するようにバイパス弁16bの開度を制御する。これにより、燃料電池スタック10に過剰な空気が供給されて電解質膜が過乾燥となるのを回避できる。
磁力制御部120は、目標空気流量演算部110から出力されるモータ21の回転数指令値に基づいて、磁力遮断板26a〜26dの各々の開度を制御する。すなわち、磁力制御部120は、モータ21の回転数に基づいて、磁力発生部22の磁力を制御する。
目標水素流量演算部130は、空気コンプレッサ20の目標回転数Ncと、スタック状態信号線101からの信号とに基づいて、アノードガス還流流路15を循環する水素の流量を目標水素流量に設定するための水素循環ブロア19の目標回転数Naを算出する。
スタック状態信号線101には、燃料電池スタック10の温度であるスタック温度と電解質膜の湿潤度である膜湿潤度とが入力される。本実施形態では、スタック温度として温度センサ44から出力されるスタック出口水温を示す信号が用いられ、膜湿潤度として内部状態測定装置3から出力されるHFRが用いられる。
基本水素流量演算部131は、空気コンプレッサ20の目標回転数Ncに基づいて、目標水素流量の基本値となる基本水素流量を演算する。
また、基本水素流量演算部131は、燃料電池スタック10が異常状態となるのを回避するために、スタック温度に応じて基本水素流量を補正する。スタック温度が低下するほど、水蒸気が液化しやすくなるので、燃料電池スタック10におけるアノードガス流路及びカソードガス流路内の液水が増加し、フラッディングを起こしやすくなる。この対策として、基本水素流量演算部121は、スタック温度の低下に伴って燃料電池スタック10内の液水が増加しないように、基本水素流量を補正する。
本実施形態の燃料電池スタック10においては、図1に示したようにアノード極11を流れるアノードガスの流れ向きと対向する向きにカソードガスがカソード極12を流れる。このような構成では、アノードガス還流流路15を循環する水素の流量が増加するほど、カソード極12からアノード極11に透過してくる水蒸気がアノードガス中に吸収されやすくなり、アノードガス還流流路15を循環する水蒸気量が増加する。これに伴って、燃料電池スタック10内の水蒸気量が増加し、燃料電池スタック10で液水が増加し易くなる。したがって、基本水素流量演算部131は、スタック温度が低くなるほど、燃料電池スタック10内の液水の増加が抑制されるように、基本水素流量を小さくする。
本実施形態では、空気コンプレッサ20の目標回転数と、基本水素流量に対応する水素循環ブロア19の基本回転数との関係を示す水素循環流量マップがスタック温度ごとに基本水素流量演算部131に予め記憶される。水素循環流量マップについては図7を参照して説明する。
基本水素流量演算部131は、スタック温度を取得すると、そのスタック温度により特定される水素循環流量マップを参照し、空気コンプレッサ20の目標回転数Ncに関係付けられた水素循環ブロア19の基本回転数を算出する。基本水素流量演算部131は、算出した水素循環ブロア19の基本回転数を流量補正部132に出力する。
流量補正部132は、燃料電池スタック10の湿潤状態を発電に適した状態に維持する機能を有する。流量補正部132は、燃料電池スタック10の膜湿潤度に応じて水素循環ブロア19の目標回転数Naを補正する。
流量補正部132は、燃料電池スタック10の膜湿潤度が低くなるほど、水素循環ブロア19の基本回転数を大きくする。これにより、燃料電池スタック10内の水蒸気量が増加するので、膜湿潤度が低くなり過ぎるのを抑制することができる。反対に、流量補正部122は、燃料電池スタック10の膜湿潤度が高くなるほど、水素循環ブロア19の基本回転数を小さくする。これにより、燃料電池スタック10内の水蒸気量が減少するので、電解質膜の湿潤度が高くなり過ぎるのを抑制することができる。
本実施形態では、流量補正部132は、内部状態測定装置3から燃料電池スタック10のHFRを取得し、そのHFRの大きさに応じて、水素循環ブロア19の基本回転数を増減させる。流量補正部122は、増減した基本回転数を、水素循環ブロア19の目標回転数Naとして磁力線通過量演算部140に出力する。
具体的には、流量補正部132は、燃料電池スタック10のHFRを補正値として水素循環ブロア19の基本回転数に乗算することにより、水素循環ブロア19の目標回転数Naを算出する。これにより、燃料電池スタック10のHFRが大きくなるほど、すなわち乾燥して膜湿潤度が低下するほど、水素循環ブロア19の目標回転数Naが大きくなるので、燃料電池スタック10の電解質膜の過乾燥を抑制することができる。反対に、燃料電池スタック10のHFRが小さくなるほど、すなわち湿って膜湿潤度が高くなるほど、水素循環ブロア19の目標回転数Naが小さくなるので、燃料電池スタック10のフラッディングの発生を抑制することができる。
磁力線通過量演算部140は、水素循環ブロア19の目標回転数Naに基づいて、磁力遮断板26a〜26dを介して多極磁気ディスク25aから水素側インペラ32へ通過する磁力線の通過量を示す磁力線通過量の指令値を演算する。
磁力線通過量演算部140は、水素循環ブロア19の目標回転数Naが大きくなるほど、磁力線通過量指令値を大きくする。これにより、磁力発生部22の磁力が増減されるので、モータ21の動力を用いて水素循環ブロア19の回転数を目標回転数Naに設定することが可能となる。
本実施形態では、水素循環ブロア19の回転数と磁力線通過量との関係を示す磁力制御マップが磁力線通過量演算部140に予め記憶される。磁力制御マップについては図8を参照して詳細に説明する。磁力線通過量演算部140は、水素循環ブロア19の目標回転数Naを取得すると、磁力制御マップを参照し、目標回転数Naに関係付けられた磁力線通過量を算出する。磁力線通過量演算部140は、算出結果を磁力線通過量指令値としてステッピングモータ37に出力する。
このように、磁力制御部120は、モータ21の回転数指令値と、燃料電池スタック10の内部状態とに基づいて、モータ21から水素循環ブロア19への磁力発生部22の磁力を増減させる。
なお、磁力制御部120に用いられるモータ21の回転数指令値に代えて、モータ21の回転数の推定値又は検出値を用いるようにしてもよい。これにより、水素循環ブロア19の回転数をより精度良く制御することができる。また、目標空気流量演算部110に用いられるスタック目標電流に代えて、燃料電池スタック10の出力電流又は出力電力の検出値を用いてもよい。これにより、燃料電池スタック10の出力電流に関する検出値と目標値とが乖離する過渡運転状態において、モータ21の回転数の急激な変動を抑制することができる。
図7は、基本水素流量演算部131に記録される水素循環流量マップの一例を示す観念図である。
図7に示すように、空気コンプレッサ20の目標回転数Ncが大きくなるほど、燃料電池スタック10の発電に必要な水素の流量が増加するので、水素循環ブロア19の目標回転数Naは大きくなる。また、空気コンプレッサ20の回転数を固定した場合には、スタック温度が低くなるほど、燃料電池スタック10内の液水が増加しやすくなるため、水素循環ブロア19の目標回転数Naを小さくする。上述のとおり、水素循環ブロア19の回転数を小さくするほど、燃料電池スタック10内の水蒸気量が低下するので、フラッディングの発生を抑制することができる。
図8は、磁力線通過量演算部140に記録される磁力制御マップの一例を示す観念図である。この磁力制御マップにおいては、水素循環ブロア19の目標回転数Naが大きくなるほど、水素循環ブロア19への磁力線通過量が大きくなる。このため、水素循環ブロア19の目標回転数Naが大きくなるほど、水素循環ブロア19に伝達されるべきモータ21の回転動力が大きくなる。このように、磁力発生部22の磁力を増減させることにより、空気コンプレッサ20の回転数とは独立して水素循環ブロア19の回転数を制御することが可能となる。
本発明の第3実施形態によれば、ガス供給システム2は、回転して動力を発生するモータ21と、第1のガス供給装置を構成する空気コンプレッサ20と、空気コンプレッサ20とモータ21とを接続する第1ガス供給駆動軸24aとを備える。また、ガス供給システム2は、第2のガス供給装置を構成する水素循環ブロア19と、水素循環ブロア19に対しモータ21の動力を伝達するための磁力を発生する磁力発生部22と、モータ21と磁力発生部22とを接続する第2ガス供給駆動軸24bとを備える。そして、ガス供給システム2を制御する制御装置100は、モータ21の回転数を制御するモータ制御部を構成する目標空気流量演算部110と、モータ21の回転数に基づいて磁力発生部22の磁力を制御する磁力制御部120とを備える。
このため、ガス供給システム2は、空気コンプレッサ20の回転数が目標回転数Ncとなるようにモータ21の回転数を制御し、モータ21の回転数に基づいて、水素循環ブロア19の回転数が目標回転数Naとなるように磁力発生部22の磁力を制御する。
このように、磁力発生部22の磁力を利用して水素循環ブロア19の動力を変化させるので、モータ21の回転数が急激に変化したとしても、水素循環ブロア19の回転状態に対して急激な変動を与えることを抑制することができる。したがって、空気コンプレッサ20の変動に伴う水素循環ブロア19への変動を抑制しつつ、空気コンプレッサ20と水素循環ブロア19とを独立して制御することができる。
また、本実施形態によれば、磁力制御部120は、モータ21の回転数と、水素及び空気により動作する燃料電池スタック10の内部状態とに基づいて、磁力発生部22の磁力を増減させる。燃料電池スタック10の内部状態としては、例えば、液水の滞留状態や、電解質膜の湿潤状態、窒素濃度などが挙げられる。
磁力制御部120は、例えば、スタック温度が低くなるほど、磁力発生部22の磁力を減少させる。これにより、アノードガス還流流路15を循環する水素の流量が減少するので、燃料電池スタック10内の液水の増加を抑制することができる。また、磁力制御部120は、電解質膜の湿潤度が目標値よりも低いときには、燃料電池スタック10内の水蒸気量が増加するように、磁力発生部22の磁力を増加させる。反対に、磁力制御部120は、電解質膜の湿潤度が目標値よりも高いときには、燃料電池スタック10内の水蒸気量が減少するように、磁力発生部22の磁力を減少させる。
このように、燃料電池スタック10の内部状態に応じて磁力発生部22の磁力を増減させることにより、フラッディングの発生を抑制することができ、また、電解質膜の湿潤状態を発電に適した状態に維持することができる。したがって、燃料電池スタック10の発電性能の低下を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、燃料電池スタック10の発電に必要となる空気を供給する空気コンプレッサ20をモータ21と接続すると共に、電解質膜の湿潤状態を操作するための水素循環ブロア19に磁力発生部22を介してモータ21の動力を伝える。これにより、簡易な構成により、負荷装置5からの電力要求に対する発電の応答性を確保しつつ、電解質膜の湿潤状態を適切に維持することができる。
(第4実施形態)
なお、第3実施形態では水素循環ブロア19の目標回転数Naの変化に応じて磁力発生部22の磁力を変化させたが、次の実施形態では燃料電池システム1の運転状態によっては磁力発生部22の磁力を固定してもよい。そのため、燃料電池システム1の運転状態に応じて磁力発生部22の磁力を固定する実施形態について次図を参照して説明する。
図9は、本発明の第4実施形態における磁力線通過量演算部140の機能構成の一例を示すブロック図である。
磁力線通過量演算部140は、システム運転状態判断部141と、指令値切替器142a及び142bと、通常運転通過量演算部143と、特定運転通過量演算部144とを含む。
システム運転状態判断部141は、燃料電池システム1が通常運転状態か、特定運転状態かの判断を行う。特定運転状態には、暖機運転状態、停止運転状態、及び過渡運転状態が含まれる。
システム運転状態判断部141は、上述のとおり、暖機運転フラグ、及び停止運転フラグのいずれか一方が「1」を示す場合には、燃料電池システム1が特定運転状態であると判断する。また、システム運転状態判断部141は、燃料電池システム1が過渡運転状態か否かを示す過渡運転フラグが「1」を示す場合にも、燃料電池システム1が特定運転状態であると判断する。
過渡運転フラグは、過渡運転が実施される場合に「1」に設定され、過渡運転の実施が停止される場合に「0」に設定される。例えば、過渡運転フラグは、燃料電池システム1を搭載した車両においてアクセルペダルが踏み込まれた場合に「1」に設定され、アクセルペダルが踏み込まれていない場合に「0」に設定される。
また、燃料電池スタック10の電力と二次電池の電力との合成電力を負荷装置5に供給する構成においては、二次電池のSOC(State Of Charge)が放電下限値に達して放電できない状態になった場合に、過渡運転フラグが「1」に設定される。このように、過渡運転フラグは、スタック目標電流の単位時間あたりの増加幅が所定値を超えた場合に「1」に設定され、スタック目標電流の単位時間あたりの増加幅が所定値以下である場合に「0」に設定される。
システム運転状態判断部141は、燃料電池システム1が特定運転状態であると判断した場合には、磁力発生部22の磁力を固定するための磁力固定信号を指令値切替器142a及び142bに出力する。一方、システム運転状態判断部141は、燃料電池システム1が特定運転状態以外の通常運転状態であると判断した場合には、磁力発生部22の磁力を制御するための磁力制御信号を指令値切替器142a及び142bに出力する。
指令値切替器142a及び142bは、システム運転状態判断部141から磁力制御信号を受信すると、目標水素流量演算部130から水素循環ブロア19の目標回転数Naを通常運転通過量演算部143に入力する。これと共に、指令値切替器142a及び142bは、通常運転通過量演算部143からの磁力線通過量指令値をステッピングモータ37に出力する。
一方、指令値切替器142a及び142bは、システム運転状態判断部141から磁力固定信号を受信すると、目標水素流量演算部130からの水素循環ブロア19の目標回転数Naを特定運転通過量演算部144に入力する。これと共に、指令値切替器142a及び142bは、特定運転通過量演算部144からの磁力線通過量指令値をステッピングモータ37に出力する。
通常運転通過量演算部143は、図8に示した磁力制御マップを有し、水素循環ブロア19の目標回転数Naを取得すると、磁力制御マップを参照し、目標回転数Naに関係付けられた磁力線通過量を指令値として出力する。
特定運転通過量演算部144は、水素循環ブロア19の目標回転数Naに関わらず、磁力線通過量を上限値に固定した磁力固定マップを有する。このため、特定運転通過量演算部144は、水素循環ブロア19の目標回転数Naを取得すると、一定の磁力線通過量指令値を出力する。これにより、図4Cに示したように、磁力遮断板26a〜26dが全開状態となり、モータ21から水素循環ブロア19に伝達される動力が最大となる。
このように、燃料電池システム1が暖機運転状態、停止運転状態、及び過渡運転状態のいずれかの運転状態であるときには、磁力線通過量指令値が、予め定められた上限値に設定されるので、アノードガス還流流路15を循環する水素の循環流量が最大となる。
これにより、燃料電池システム1が暖機運転状態のときには、燃料電池スタック10の発電に必要な水素が十分に確保されるので、発電による自己発熱を促進することができる。また、燃料電池システム1が停止運転状態のときには、燃料電池スタック10に滞留する水蒸気や窒素などの不純物をパージ弁から排出しやすくなるので、不純物の排出量を増加させることができる。さらに、燃料電池システム1が過渡運転状態のときには、燃料電池スタック10に十分な水素が供給されるので、水素不足による電解質膜の劣化を抑制することができる。
なお、本実施形態では特定運転通過量演算部144の磁力固定マップに設定された磁力線通過量を上限値に設定したが、燃料電池システムの設計等に合わせて、磁力線通過量を上限値よりも小さな値に設定してもよい。また、本実施形態では暖機運転状態、停止運転状態、過渡運転状態の各運転状態において同一の磁力線通過量に設定したが、運転状態ごとに異なる磁力線通過量を設定してもよい。このような場合であっても本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
本発明の第4実施形態によれば、磁力制御部120は、燃料電池システム1が特定運転状態であるときには、モータ21の回転数に関わらず、モータ21から水素循環ブロア19への磁力線通過量を固定する。これにより、余計な演算処理を実行することなく、燃料電池スタック10の発電性能の低下を抑制することができる。
(第5実施形態)
次に、水素循環ブロア19が凍結したときのガス供給システム2の動作について説明する。水素循環ブロア19には、燃料電池スタック10の発電に伴う生成水が水素と共に流入するため、燃料電池システム1の周囲温度が氷点よりも低下すると、水素循環ブロア19に付着した生成水が凍結して水素側インペラ32が動かなくなる可能性がある。この対策について次の実施形態で詳細に説明する。
図10は、本発明の第5実施形態における磁力線通過量演算部140の機能構成の一例を示すブロック図である。
磁力線通過量演算部140は、図9に示したシステム運転状態判断部141及び特定運転通過量演算部144に代えて、ブロア凍結状態判断部151及び凍結対策通過量演算部154を備えている。
ブロア凍結状態判断部151は、水素循環ブロア19が凍結状態か否かを判断する。
本実施形態では、ブロア凍結状態判断部151は、水素循環ブロア19の温度であるブロア温度が所定の温度閾値、例えば0℃よりも低い場合には、水素循環ブロア19が凍結状態であると判断する。
ブロア温度としては、本実施形態では温度センサ44からのスタック入口水温が用いられる。あるいは、水素循環ブロア19のハウジング壁33に水素循環ブロア19の内部温度を検出する温度センサを設け、その温度センサからの検出信号を用いてもよい。
また、ブロア凍結状態判断部151は、トルクセンサ23からモータ21のトルクを取得し、そのトルクが所定のトルク閾値よりも低い場合には、水素循環ブロア19が凍結状態であると判断する。あるいは、モータ21の回転数を検出する回転数センサをモータ21に設け、ブロア凍結状態判断部151は、その回転センサからの検出信号に応じて凍結状態を判断するものであってもよい。
なお、ブロア凍結状態判断部151は、モータ21のトルクがトルク閾値以下であり、かつ、ブロア温度が温度閾値以下である場合に限り、水素循環ブロア19が凍結状態であると判断してもよい。
ブロア凍結状態判断部151は、水素循環ブロア19が凍結状態であると判断した場合には、水素循環ブロア19の凍結を抑制するための凍結抑制信号を指令値切替器142a及び142bに出力する。ブロア凍結状態判断部151は、水素循環ブロア19が凍結状態でないと判断した場合には、磁力制御信号を指令値切替器142a及び142bに出力する。
指令値切替器142a及び142bは、ブロア凍結状態判断部151から磁力制御信号を受信すると、目標水素流量演算部130からの水素循環ブロア19の目標回転数Naを通常運転通過量演算部143に入力する。これと共に、指令値切替器142a及び142bは、通常運転通過量演算部143からの磁力線通過量指令値をステッピングモータ37に出力する。
一方、指令値切替器142a及び142bは、ブロア凍結状態判断部151から凍結抑制信号を受信すると、目標水素流量演算部130からの水素循環ブロア19の目標回転数Naを凍結対策通過量演算部154に入力する。これと共に指令値切替器142a及び142bは、凍結対策通過量演算部154からの磁力線通過量指令値をステッピングモータ37に出力する。
凍結対策通過量演算部154は、水素循環ブロア19での発熱を促進するための凍結対策マップを有する。凍結対策マップでは、磁力線通過量が、図8に示した磁力制御マップの設定値よりも大きな値に設定されている。水素循環ブロア19が凍結して水素側インペラ32が回転していない状態では、多極磁気ディスク25aから水素側インペラ32への磁場が乱れて水素側インペラ32に渦電流が発生する。そのため、磁力制御マップを用いる場合に比べて、磁力発生部22の磁力を増加させることにより、水素側インペラ32が発熱しやすくなる。このため、早期に水素循環ブロア19を解凍することができる。
さらに、凍結対策マップでは、水素循環ブロア19の回転数が小さくなるほど、磁力発生部22の磁力線通過量が小さくなる。これにより、図9に示した特定運転通過量演算部144の磁力固定マップを用いる場合に比べて、水素循環ブロア19が解凍した時に水素側インペラ32の回転数が急激に増加するのを低減でき、水素循環ブロア19の振動や異音の発生を抑制することができる。さらに、水素循環ブロア19の解凍後の水素側インペラ32の回転数の上昇に伴うフラッディングの発生を抑制することができる。
凍結対策通過量演算部154は、水素循環ブロア19の目標回転数Naを取得すると、凍結対策マップに関係付けられた磁力線通過量指令値を、指令値切替器142bを介してステッピングモータ37に出力する。
このように、水素循環ブロア19が凍結状態であるか否かを判断し、水素循環ブロア19が凍結状態である場合には、磁力発生部22の磁力線通過量を、上限値よりも低く、かつ、図8に示した磁力制御マップの設定値よりも高くする。これにより、迅速に水素循環ブロア19を解凍しつつ、解凍直後の水素循環ブロア19の異音や振動などを抑制することができる。
図11は、本実施形態におけるガス供給システム2の制御方法に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。この制御方法は、所定の制御周期(例えば数ミリ秒)で実行される。
ステップS901において制御装置100は、燃料電池システム1が暖機運転状態か否かを判断する。本実施形態では、制御装置100は、暖機運転フラグが「1」を示す場合には、燃料電池システム1が暖機運転状態であると判断し、暖機運転フラグが「0」を示す場合には、燃料電池システム1が暖機運転状態ではないと判断する。
ステップS902において制御装置100は、燃料電池システム1が暖機運転状態ではないと判断した場合には、燃料電池システム1が停止運転状態であるか否かを判断する。本実施形態では、制御装置100は、停止運転フラグが「1」を示す場合には、燃料電池システム1が停止運転状態であると判断し、停止運転フラグが「0」を示す場合には、燃料電池システム1が停止運転状態ではないと判断する。
ステップS903において制御装置100は、燃料電池システム1が暖機運転状態ではなく、停止運転状態でもない場合には、負荷装置5の要求電力に基づいてスタック目標電流を算出する。
ステップS904において制御装置100の目標空気流量演算部110は、算出したスタック目標電流に基づいて、燃料電池スタック10に供給されるべき目標空気流量を実現するための空気コンプレッサ20の目標回転数Ncを算出する。
ステップS905において制御装置100は、算出した空気コンプレッサ20の目標回転数Ncに基づいてモータ21の回転数を制御する。
ステップS906において制御装置100の目標水素流量演算部130は、空気コンプレッサ20の目標回転数Ncに基づいて、燃料電池スタック10に供給されるべき目標水素流量を実現するための水素循環ブロア19の目標回転数Naを算出する。
ステップS910において制御装置100の磁力線通過量演算部140は、水素循環ブロア19の目標回転数Naに基づいて、磁力発生部22の磁力を制御する磁力制御処理を実行する。磁力制御処理については次図を参照して詳細に説明する。
また、ステップS901で燃料電池システム1が暖機運転状態であるとの判断がなされた場合、又はステップS902で燃料電池システム1が停止運転状態であるとの判断がなされた場合には、制御装置100は、ステップS907の処理に進む。
ステップS907において制御装置100は、燃料電池システム1が暖機運転状態、又は停止運転状態であると判断した場合には、空気コンプレッサ20の目標回転数Ncを、例えば、モータ21が安定して回転できる範囲の上限値に設定する。
ステップS908において制御装置100は、モータ21の回転数指令値を上限値に設定すると、磁力遮断板26a〜26dが全開状態となるように磁力発生部22の磁力線通過量指令値を上限値に設定する。
そしてステップS908及びS910のうちのいずれかの処理が終了すると、ガス供給システム2の制御方法についての一連の処理手順が完了する。
このように、燃料電池システム1が暖機運転状態、又は停止運転状態であるときには、空気コンプレッサ20及び水素循環ブロア19の両者の回転数を所定の上限値に固定することにより、運転時間を短縮することができる。また、負荷装置5の要求電力に基づいて、空気コンプレッサ20及び水素循環ブロア19の回転数を独立して制御することができる。
図12は、ステップS910で実行される磁力制御処理に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS911において制御装置100は、水素循環ブロア19が凍結状態か否かを判断する。
ステップS912において制御装置100は、水素循環ブロア19が凍結状態であると判断した場合には、凍結対策マップを参照し、空気コンプレッサ20の目標回転数Ncに関係付けられた磁力線通過量を算出する。
ステップS913において制御装置100は、算出された磁力線通過量に基づいて、磁力遮断板26a〜26dの開度を制御する。
ステップS913において制御装置100は、ステップS911で水素循環ブロア19が凍結状態ではないと判断した場合には、燃料電池システム1が過渡運転状態であるか否かを判断する。本実施形態では、制御装置100は、過渡運転フラグが「1」を示す場合には、燃料電池システム1が過渡運転状態であると判断し、過渡運転フラグが「0」を示す場合には、燃料電池システム1が過渡運転状態ではないと判断する。
ステップS914において制御装置100は、燃料電池システム1が過渡運転状態であると判断した場合には、磁力線通過量を、磁力遮断板26a〜26dの開度の上限値に設定する。
ステップS915において制御装置100は、水素循環ブロア19が凍結状態ではなく、かつ、燃料電池システム1が過渡運転状態でもないと判断した場合には、図8に示した磁力制御マップに関係付けられた磁力線通過量を算出する。
本発明の第5実施形態によれば、図10に示したブロア凍結状態判断部151によって水素循環ブロア19が凍結状態であるとの判断がなされた場合には、凍結状態でない場合に比べて、磁力発生部22の磁力を増加させる。これにより、水素側インペラ32に渦電流が発生して発熱しやすくなるので、早期に水素循環ブロア19を解凍することができる。
なお、本実施形態では水素循環ブロア19が凍結状態である場合に水素循環ブロア19の目標回転数Naに応じて磁力発生部22の磁力を増やしたが、図9の磁力固定マップのように目標回転数Naに関わらず、磁力発生部22の磁力を上限値に固定してもよい。これにより、水素循環ブロア19の目標回転数Naが低い領域では、本実施形態に比べてより迅速に水素循環ブロア19を解凍することができる。この場合には、ブロア凍結状態判断部151は、水素側インペラ32の回転数が所定の回転閾値よりも高くなったときに、指令値切替器142a及び142bを通常運転通過量演算部143に切り替える。回転閾値は、例えば、通常運転通過量演算部143の磁力制御マップの設定値、又は設定値よりも小さな値に設定される。これにより、解凍直後の水素循環ブロア19の急激な変動を抑制することができる。
(第6実施形態)
上記実施形態では空気コンプレッサ20をモータ21に直接接続し、水素循環ブロア19を、磁力発生部22を介してモータ21に接続したが、空気コンプレッサ20と水素循環ブロア19とを入れ替えてもよい。そこで、次の実施形態では空気コンプレッサ20と水素循環ブロア19とを入れ替えた構成について簡単に説明する。
図13は、本発明の第6実施形態における燃料電池システム1aの概略構成図である。
燃料電池システム1aは、図1に示した燃料電池システム1のガス供給システム2及び制御装置100に代えて、ガス供給システム2a及び制御装置200を備えている。他の構成については燃料電池システム1の構成と同じであるため、同一符号を付して説明を省略する。
ガス供給システム2aは、水素循環ブロア19をモータ21に直接接続し、空気コンプレッサ20を、磁力発生部22を介してモータ21に接続されている。その他の構成については、他の実施形態の構成と同様である。
制御装置200は、燃料電池スタック10の状態に基づいてモータ21の回転数を制御すると共に、モータ21の回転数に基づいて磁力発生部22の磁力を制御する。
図14は、本実施形態における制御装置200の機能構成の一例を示すブロック図である。
制御装置200は、目標水素流量演算部210と磁力制御部220とを備える。目標水素流量演算部210は、図6に示した目標水素流量演算部130と同様、基本水素流量演算部211と流量補正部212とを備える。磁力制御部220は、図6に示した磁力制御部120に対応し、目標空気流量演算部230と磁力線通過量演算部240とを備える。
目標水素流量演算部210は、スタック状態信号線201から出力される信号に基づいて、水素循環ブロア19の目標回転数Naを演算する。
基本水素流量演算部211は、スタック温度に基づいて、水素循環ブロア19の基本回転数を演算する。基本水素流量演算部211は、スタック温度が低くなるほど、燃料電池スタック10内の液水が増加しないように、水素循環ブロア19の基本回転数を大きくする。
流量補正部212は、図6に示した流量補正部132と同様に、膜湿潤度に基づいて、水素循環ブロア19の基本回転数を補正する。具体的には、流量補正部212は、膜湿潤度と相関のある燃料電池スタック10のHFRを水素循環ブロア19の基本回転数を乗算することにより、水素循環ブロア19の目標回転数Naを算出する。これにより、図6で述べたとおり、燃料電池スタック10の電解質膜の湿潤度が高くなるほど、水素循環ブロア19の目標回転数Naが小さくなり、電解質膜の湿潤度が低くなるほど、目標回転数Naが大きくなる。
流量補正部212は、算出した水素循環ブロア19の目標回転数Naを、回転数調整部250を介してモータ21及び目標空気流量演算部230に出力する。
目標空気流量演算部230は、スタック目標電流と水素循環ブロア19の目標回転数Naとに基づいて、空気コンプレッサ20の目標回転数Ncを演算する。
本実施形態では、目標空気流量演算部230は、図6に示した負荷要求空気流量演算部112と同様、スタック目標電流に基づいて、空気コンプレッサ20の負荷要求回転数を算出する。
さらに、目標空気流量演算部230は、水素循環ブロア19の目標回転数Naに基づいて、燃料電池スタック10における電解質膜の湿潤状態を目標とする状態に維持するための湿潤要求回転数を算出する。本実施形態では、目標空気流量演算部230は、水素循環ブロア19の目標回転数Naを取得すると、予め定められた湿潤要求流量マップを参照し、水素循環ブロア19の目標回転数Naに関係付けられた空気コンプレッサ20の回転数を湿潤要求回転数として算出する。例えば、目標空気流量演算部230は、水素循環ブロア19の目標回転数が大きくなるほど、電解質膜の湿潤度が低いことになるため、空気コンプレッサ20の湿潤要求回転数を小さくする。
目標空気流量演算部230は、算出した湿潤要求回転数と、スタック目標電流に基づいて算出された負荷要求回転数とのうち大きい方の値を空気コンプレッサ20の目標回転数Ncに設定する。このように、目標空気流量演算部230は、空気コンプレッサ20の負荷要求回転数よりも低い値とならない範囲で目標回転数Ncを小さくする。
目標空気流量演算部230は、空気コンプレッサ20の目標回転数Ncが水素循環ブロア19の目標回転数Naよりも大きい場合には、両者の差分である不足回転数を回転数調整部250に出力する。なお、目標空気流量演算部230は、両者の差分に対して誤差などを考慮した所定の値を不足回転数に加算しても良い。
空気コンプレッサ20の目標回転数Ncが、回転数調整部250からの目標回転数Na以下である場合には、目標空気流量演算部230は、空気コンプレッサ20の目標回転数Ncを磁力線通過量演算部240に出力する。
磁力線通過量演算部240は、図6に示した磁力線通過量演算部140と同様に、空気コンプレッサ20の目標回転数Ncに基づいて、磁力発生部22の磁力線通過量を演算する。磁力線通過量演算部240は、空気コンプレッサ20の目標回転数Ncが大きくなるほど、磁力発生部22の磁力線通過量は大きくする。磁力線通過量演算部240は、演算した磁力線通過量を指令値としてステッピングモータ37に出力する。
なお、磁力線通過量演算部240は、目標空気流量演算部230から水素循環ブロア19の目標回転数Naに対する空気コンプレッサ20の目標回転数Ncの比率を取得し、その比率に基づいて磁力線通過量指令値を算出するものであってもよい。
回転数調整部250は、目標空気流量演算部230から不足回転数を取得すると、その不足回転数を水素循環ブロア19の目標回転数Naに加算することにより、新たな目標回転数Naを算出する。回転数調整部250は、新たな目標回転数Naを、目標空気流量演算部230に出力すると共に、モータ21の回転指令値としてモータ21のインバータに出力する。
本発明の第6実施形態によれば、ガス供給システム2aは、水素循環ブロア19が目標回転数Naとなるようにモータ21の回転数を制御し、モータ21の回転数に基づいて空気コンプレッサ20が目標回転数Ncとなるように磁力発生部22の磁力を制御する。これにより、水素循環ブロア19をモータ21に接続させると共に磁力発生部22を介して空気コンプレッサ20にモータ21の動力を伝える構成であっても、簡素な構成で水素循環ブロア19及び空気コンプレッサ20を独立して制御することができる。
(その他の実施形態)
本発明のガス供給システムは、その構成が上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各構成部材の形状、個数、配置、および材質等々を適宜変更することが可能である。
例えば、上記各実施形態の水素側インペラ32は導電性の金属材料であったが、非導電性の材料のインペラに永久磁石を埋め込んでもよい。その場合は、回転磁石とインペラとの相互作用が強くなり、定常状態におけるすべりが小さくなり、よりインペラの回転数を上げることができる。更に、材料の選択によってインペラを軽量化することが可能であり、ガス供給システムの効率を上げることもできる。
また、上記各実施形態では、磁力遮断板26a〜26dと水素側インペラ32とを、ハウジング壁33を介してそれぞれ反対側に備えたが、磁力遮断板26a〜26dを水素側インペラ32と共に水素側ハウジング28によって構成される水素流路内に収めても良い。その場合、水素側ハウジング28により磁力遮断板26a〜26dが保護される。
また、第1から第5実施形態までの各実施形態のガス供給システムにおいて、空気コンプレッサ20とモータ21の間又はモータ21と動力伝達装置(多極磁気ディスク25a、25b)との間に、ギアや変速機等を介して回転数を変換させてもよい。その場合、例えば水素側インペラ32の回転数を、空気側インペラ29の回転数より早い回転数に設定する等、水素循環ブロア19を制御できる範囲を広げることができる。
更に、水素循環ブロア19の回転部品は水素側インペラ32に限らず、別の回転部品を介して水素側インペラ32を回転させてもよい。
なお、ガス供給システムの水素循環ブロア19や空気コンプレッサ20は、上記各実施形態で述べたような圧縮方式のものに限らない。すなわち、回転部品の回転を動力源とするものであればよく、ルーツ式、過流式、スクロール式、ターボ式等のブロアを幅広く採用できる。なお、水素循環や空気供給を行う装置はブロアに限らず、圧縮機であっても良い。
そして、上記各実施形態は酸素含有ガスと水素含有ガスとの組み合わせの場合を示したが、勿論この組み合わせに限らず、任意の第1のガスと第2のガスとを、ガス供給システムで供給することができ、同等の効果を奏する。
その際、上記各実施形態のように、水素側ハウジング28は第2のガス供給装置(水素循環ブロア19)を気密に覆う形態に限らず、モータ21と第1のガス供給装置(空気コンプレッサ20)を気密に覆ってもよい。この場合でも、第1のガス(カソードガス)は水素循環ブロア19に漏出されず、同等の効果を奏する。勿論、モータ21と第1のガス
供給装置(空気コンプレッサ20)、及び第2のガス供給装置(水素循環ブロア19)の両方を覆ってもよい。更に、動力伝達装置(多極磁気ディスク25a、25b)を、モータ21及び第1のガス供給装置(空気コンプレッサ20)と共に気密に覆っても構わない
勿論、実施形態のガス供給システムは燃料電池スタック10にガスを供給するものに限らず、様々なシステムに適用して、ガスの供給を行うことができる。
なお、上記各実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
11 燃料電池スタック(動作部)
12 ガス供給システム
19 水素循環ブロア(第2のガス供給装置)
20 空気コンプレッサ(第2のガス供給装置)
21 モータ
11 アノード極
12 カソード極
22 磁力発生部
24 回転軸
24a 第1ガス供給駆動軸
24b 第2ガス供給駆動軸
25a、25b 多極磁気ディスク(動力伝達装置)
26、26a〜26d 磁力遮断板
27 空気側ハウジング(ハウジング)
28 水素側ハウジング(ハウジング)
32 水素側インペラ(駆動部)
33 ハウジング壁
36 永久磁石
37 ステッピングモータ(高透磁率部材制御部)
38 ウォームギア
39 リングギア
40a〜40d ピニオンギア
51 電磁石
100 制御装置(モータ制御部、磁力制御部)
110 目標空気流量演算部(モータ制御部)
120 磁力制御部

Claims (16)

  1. 第1のガスと、第2のガスとをそれぞれ圧送するガス供給システムであって、
    モータから直接伝達される前記モータの動力により前記第1のガスを供給する第1のガス供給装置と、
    前記モータの動力により駆動される駆動部を備え、当該駆動部に伝達される前記モータの動力により前記第2のガスを供給する第2のガス供給装置と、
    前記モータと前記第2のガス供給装置との間を仕切るハウジング壁を有し、前記モータ及び前記第1のガス供給装置、又は、前記第2のガス供給装置の少なくとも一方を気密に覆うハウジングと、
    前記ハウジング壁に対して前記モータの側に設けられ、前記モータの動力を前記ハウジング壁を介して非接触で前記駆動部に伝達する動力伝達装置と、
    を備えるガス供給システム。
  2. 請求項1に記載のガス供給システムであって、
    前記モータの動力により回転されると共に、前記第1のガス供給装置及び前記動力伝達装置にモータの回転動力を伝達する回転軸を備え、
    前記駆動部は、前記モータからの回転動力を非接触で伝達される回転部品である、
    ガス供給システム。
  3. 請求項2に記載のガス供給システムであって、
    前記動力伝達装置は、前記モータの回転動力を磁力によって前記駆動部に伝達する、
    ガス供給システム。
  4. 請求項3に記載のガス供給システムであって、
    前記ハウジング壁と前記動力伝達装置との間、又は前記ハウジング壁と前記駆動部との間に設けられた、前記動力伝達装置と前記駆動部との間の磁界を遮る高透磁率部材と、
    前記動力伝達装置と前記駆動部との間で生じる磁力を変化させるように、前記高透磁率部材の位置を制御する高透磁率部材制御部と、
    を更に備えるガス供給システム。
  5. 請求項3に記載のガス供給システムであって、
    前記動力伝達装置は、通電量を変化させることにより、前記動力伝達装置と前記駆動部との間で生じる磁力を変化させる電磁石を備える、
    ガス供給システム。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のガス供給システムと、
    アノードとカソードとを有する燃料電池と、を備え、
    前記第1のガスは、前記カソードに供給されるガスであり、
    前記第2のガスは、前記アノードに供給されるガスである、
    燃料電池システム。
  7. 回転して動力を発生するモータと、
    第1のガスを供給する第1のガス供給装置と、
    前記第1のガス供給装置と前記モータとを接続する第1ガス供給駆動軸と、
    前記モータの動力を伝達するための磁力を発生する磁力発生部と、
    前記モータと前記磁力発生部とを接続する第2ガス供給駆動軸と、
    前記磁力発生部の磁力により回転して第2のガスを供給する第2のガス供給装置と、
    前記モータの回転数を制御するモータ制御部と、
    前記モータの回転数に基づいて、前記磁力発生部の磁力を制御する磁力制御部と、
    を備えるガス供給システム。
  8. 請求項7に記載のガス供給システムであって、
    前記モータ制御部は、前記第1のガス及び前記第2のガスにより動作する動作部の出力に基づいて、前記モータの回転数を制御する、
    ガス供給システム。
  9. 請求項8に記載のガス供給システムであって、
    前記磁力制御部は、前記モータの回転数と前記動作部の内部状態とに基づいて、前記磁力発生部の磁力を制御する、
    ガス供給システム。
  10. 請求項8に記載のガス供給システムであって、
    前記磁力制御部は、前記動作部の運転状態に応じて、前記磁力発生部の磁力を所定値に固定する、
    ガス供給システム。
  11. 請求項9に記載のガス供給システムであって、
    前記磁力制御部は、前記動作部が暖機運転状態、停止運転状態、又は過渡運転状態である場合に、前記磁力発生部の磁力を所定値に固定する、
    ガス供給システム。
  12. 請求項7から請求項11までのいずれか1項に記載のガス供給システムであって、
    前記磁力制御部は、前記第2のガス供給装置が凍結状態である場合には、前記磁力発生部の磁力を増加させる、
    ガス供給システム。
  13. 請求項7から請求項12までのいずれか1項に記載のガス供給システムであって、
    前記動作部は、アノードとカソードとを有する燃料電池である、
    ガス供給システム。
  14. 請求項13に記載のガス供給システムであって、
    前記第1のガスは、前記カソードに供給されるガスであり、
    前記第2のガスは、前記アノードに供給されるガスである、
    ガス供給システム。
  15. 請求項7から請求項14までのいずれか1項に記載のガス供給システムであって、
    前記磁力発生部は、前記モータと前記第2のガス供給装置との間を仕切るハウジング壁を有する、
    ガス供給システム。
  16. 回転して動力を発生するモータと、
    第1のガスを供給する第1のガス供給装置と、
    前記モータと前記第1のガス供給装置とを接続する第1ガス供給駆動軸と、
    前記モータの動力を伝達するための磁力を発生する磁力発生部と、
    前記モータと前記磁力発生部とを接続する第2ガス供給駆動軸と、
    前記磁力発生部の磁力により回転して第2のガスを供給する第2のガス供給装置と、を備えるガス供給システムの制御方法であって、
    前記モータの回転数を制御し、
    前記モータの回転数に基づいて、前記磁力発生部の磁力を制御する、
    ガス供給システムの制御方法。
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