JP2016223261A - 鋼管用キャップ - Google Patents
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Abstract
【課題】建設現場において仮設足場やコンクリート型枠を組み立てるときに使用される丸鋼管の開口端部を塞ぐ手段として活用出来る鋼管用キャップを提供する。【解決手段】断面円形の丸鋼管Pの開口端部に内嵌する円形椀形の本体1の湾曲底板部2cの中央外側に取り付けられたバネ鋼板製の抜け止め板3が、中央取付け部4から周方向90度間隔で延出する4本の弾性舌片5a〜5dを備えた、平面形状が十字形のもので、本体1を斜めにして、周方向に隣り合う2本の弾性舌片5a,5bを丸鋼管P内に嵌め込んだとき、残りの2本の弾性舌片5c,5dの先端部p1,p2と、本体1の張り出し鍔部2bの最も低くなる一か所p3の合計三か所が、丸鋼管Pの円形端面で受け止められる構成。【選択図】図4
Description
本発明は、建設現場において仮設足場やコンクリート型枠を組み立てるときに使用される鋼管、特に断面円形の丸鋼管の開口端部を塞ぐために使用される鋼管用キャップに関するものである。
この種の鋼管用キャップ、特に丸鋼管用のキャップとしては、特許文献1に記載のように、丸鋼管の開口端部に嵌合させることの出来る円形椀型の本体に、その上端円形外周部から外側に張り出して、前記丸鋼管の円形端面に当接する張り出し鍔部を一体に連設すると共に、当該本体の底板部の内側中央に、把手となるハンドルを取り付けたものが知られている。又、丸鋼管ではなく、断面が四角形の角鋼管用のキャップとしては、特許文献2に記載のように、角鋼管の開口端部に嵌合させることの出来る四角形の椀型の本体に、その上端円形外周部から外側に張り出して、前記角鋼管の四角形端面に当接する張り出し鍔部を一体に連設すると共に、当該本体の底板部の外側に、先端が角鋼管の内側入隅部に圧接する抜け止め板を取り付けたもので知られている。
丸鋼管用のキャップを得るために、特許文献1に記載されたような円形椀型の本体の底板部の外側中央に、特許文献2に記載されたような抜け止め板を取り付けて、丸鋼管の開口端部に嵌合させた本体が容易に脱落することが無いように構成することは容易に考えられるところであるが、この構成では、特許文献2に記載された抜け止め板が、1本の帯状バネ鋼板製のものであって、これを円形椀型の本体の底板部の外側中央に取り付けた場合、その抜け止め板の両端が、円形椀型の本体の底板部の直径方向両側に突出することになる。従って、この円形椀型の本体を丸鋼管の開口端部にハンマーで打ち叩いて嵌合させる準備段階として、丸鋼管の開口端部上に水平に円形椀型の本体を乗せたとき、抜け止め板が丸鋼管の開口端部上で直径方向に水平に位置して、その両端が丸鋼管の開口端部上の乗ることになるので、当該抜け止め板を1本の支点軸として円形椀型の本体が揺動し得る状態になる。又、円形椀型の本体を斜めにして、抜け止め板の一端部のみが丸鋼管の開口端部内に入り込むように載置したときは、前記抜け止め板の一端部の上方に位置する張り出し鍔部の一か所と、丸鋼管の開口端部から外に突出した状態で丸鋼管の開口端上に載置されている部抜け止め板の他端部との2か所で支持されることになるので、やはり当該2か所を結ぶ仮想直線を1本の支点軸として円形椀型の本体が揺動し得る状態になる。このことから、丸鋼管の開口端部上に支持された円形椀型の本体をハンマーで打ち叩いて、当該円形椀型の本体を丸鋼管の開口端部に嵌合させる取付け操作が非常に行い難いという問題点が考えられる。
本発明は、上記のような従来の問題点を解消することのできる鋼管用キャップを提案するものであって、本発明に係る鋼管用キャップは、後述する実施例との関係を理解し易くするために、当該実施例の説明において使用した参照符号を括弧付きで付して示すと、断面円形の丸鋼管(P)の開口端部に内嵌する円形椀形の本体(1)と、この本体(1)の、中央が外側へ突出した湾曲底板部(2c)の中央外側に取り付けられたバネ鋼板製の抜け止め板(3)から成り、前記本体(1)には、その上端円形外周部から外側に張り出して、前記丸鋼管(P)の円形端面に当接する張り出し鍔部(2b)が一体に連設された鋼管用キャップであって、前記抜け止め板(3)は、前記本体(1)の湾曲底板部(2c)の中央外側に取り付けられた中央取付け部(4)から延出する弾性舌片部(5a)を備え、前記本体(1)を丸鋼管(P)の開口端部に圧入内嵌させたとき、前記弾性舌片(5a)が前記本体(1)の湾曲底板部(2c)に接近する方向に弾性変形して、その先端が丸鋼管(P)の内周面に圧接するように構成された鋼管用キャップにおいて、前記抜け止め板(3)は、その弾性舌片(5a〜5d)が前記中央取付け部(4)から周方向90度間隔で4本延出する、平面形状が十字形のもので、本体(1)を斜めにして、周方向に隣り合う2本の弾性舌片(5a,5b)を丸鋼管(P)内に嵌め込んだとき、残りの2本の弾性舌片(5c,5d)の先端部(p1,p2)と、前記張り出し鍔部(2b)の最も低くなる一か所(p3)の合計三か所が、丸鋼管(P)の円形端面で受け止められる構成になっている。
上記本発明の構成によれば、丸鋼管の開口端部への取り付けのために円形椀形の本体を丸鋼管の開口端部上に載置するとき、十字形の抜け止め板の4本の弾性舌片の内、周方向に隣り合う2本の弾性舌片の先端部を丸鋼管の円形端面で受け止めさせて、この2本の弾性舌片と丸鋼管の円形端面との間の2か所の当接部を支点にして、前記本体を斜めに丸鋼管の開口端部に内嵌させることにより、張り出し鍔部の最も低くなる一か所が丸鋼管の円形端面で受け止められることになる。
従って、この状態での円形椀形の本体は、2本の弾性舌片の先端部と張り出し鍔部の一か所の合計三か所で丸鋼管の円形端面上で安定的に受け止められており、この後の、円形椀形の本体を上からハンマーで打ち叩いて、4本の弾性舌片の弾性変形を伴わせて当該円形椀形の本体を丸鋼管の開口端部内に叩き込む取付け操作が、非常に容易且つ確実に行えることになる。勿論、このようにして取り付けられたキャップは、周方向等間隔おきに位置する4本の弾性舌片の先端それぞれが丸鋼管の内周面に圧接するので、姿勢が安定しており、このキャップに丸鋼管からの抜き取り方向の外力が作用したときも、周方向等間隔おきに位置する4本の弾性舌片の先端それぞれが丸鋼管の内周面に食い込んで、確実な抜け止め効果が期待出来る。
尚、前記抜け止め板は、2本の抜け止め板を十字形に重ねて、二枚重ね状態の中央取付け部を、円形椀形の本体の湾曲底板部の中央外側に取り付けることも出来るが、4本の弾性舌片の全体を1枚のバネ鋼板から一体形成するのが望ましい。又、前記抜け止め板の4本の弾性舌片は、その先端を尖らせて、1つの尖端が丸鋼管の内周面に圧接する(食い込む)ように構成することも出来るが、各弾性舌片を、2つの直角の角部を有する帯板状のものから構成して、各弾性舌片先端の2つの直角の角部が丸鋼管の内周面に圧接する(食い込む)ように構成して、抜け止め効果を高めることが望ましい。
以下、本発明の一実施例を図1及び図2に基づいて説明すると、1は、円形椀形の本体であって、若干上広がりの円筒状胴部2a、この円筒状胴部2aの上端円形外周部から外側に張り出す張り出し鍔部2b、円筒状胴部2aの下端を閉じる、中央が外側へ突出した湾曲底板部2cが、鋼板からプレス加工により一体成形されている。尚、張り出し鍔部2bには、その周方向適当間隔おきの位置に、上向きに突曲する水抜きリブ2dが一体成形されている。
3は、前記本体1の湾曲底板部2cの中央外側に取り付けられた抜け止め板である。この抜け止め板3は、バネ鋼板を十字形に抜いて構成したものであって、中央取付け部4から周方向90度間隔おきに半径方向に延出する4本の弾性舌片5a〜5dを備えている。この抜け止め板3と本体1とは、中央取付け部4と湾曲底板部2cの中央平坦部とを貫通する1本の止着具(リベットなど)6によって一体に結合され、抜け止め板3の4本の弾性舌片5a〜5dは、本体1の湾曲底板部2cの周辺部に接近する方向に、先端側が少し湾曲し、各弾性舌片5a〜5dは、先端に2つの直角の角部7を備えた帯板状であって、本体1の平面視において、各弾性舌片5a〜5dの先端の2つの角部7が張り出し鍔部2bの外周縁と重なるか又は僅かに突出するように構成されている。
図3に示すように、上記構成のキャップが開口端部を閉じる丸鋼管Pは、その外径が張り出し鍔部2bの外径より若干大きく、内径は、円筒状胴部2aの最大外径より若干大きいものである。従って、本体1を、抜け止め板3のある側から丸鋼管Pの開口端部に圧入させることにより、抜け止め板3の各弾性舌片5a〜5dが、その先端(角部7)と丸鋼管Pの内周面との圧接により、本体1の湾曲底板部2cの周辺部に接近する方向に弾性変形することを伴って、張り出し鍔部2bが丸鋼管Pの円形端面に当接する深さまで、本体1を丸鋼管Pの開口端部内に嵌合固定させることが出来る。このように丸鋼管Pの開口端部に嵌合固定させたキャップは、これを丸鋼管Pから抜き出す方向に外力が作用しても、抜け止め板3における各弾性舌片5a〜5dの先端(角部7)が丸鋼管Pの内周面に食い込んで、本体1が丸鋼管Pから抜け出す方向に移動するのを阻止する。又、本体1における張り出し鍔部2bに形成された各水抜きリブ2dと丸鋼管Pの円形端面との間には、丸鋼管P内と外界とを連通させる通路が形成されるので、丸鋼管P内に水が溜まるようなことも無い。
以上のように実施して使用出来る鋼管用キャップであるが、この本発明による鋼管用キャップによれば、丸鋼管Pの開口端部に本体1を圧入させるとき、図4に示すように、本体1を斜めにして、抜け止め板3の4本の弾性舌片5a〜5dの内、周方向に隣り合う2つの弾性舌片、例えば図示のように2つの弾性舌片5a,5bを丸鋼管P内に嵌め込む。この結果、残りの2つの弾性舌片5c,5dの先端部p1,p2と、張り出し鍔部2bのもっとも低くなる一か所p3の合計三か所が、丸鋼管Pの円形端面上で支持されて、本体1の傾斜姿勢が安定的に保持される。従って、丸鋼管Pの開口端部上に傾斜姿勢で支持されている本体1を、例えばその傾斜上端部をハンマーで丸鋼管Pの側へ打ち叩くなどの方法で、本体1の姿勢を丸鋼管Pの軸心に対して直角姿勢に変えながら、丸鋼管Pの開口端部内に容易に嵌合固定させることが出来る。尚、必要に応じて、本体1の上に当て板を乗せた状態でハンマーにより打ち叩くことが出来る。
本発明の鋼管用キャップは、建設現場において仮設足場やコンクリート型枠を組み立てるときに使用される、断面円形の丸鋼管の開口端部を塞ぐ手段として活用出来る。
1 円形椀形の本体
2a 円筒状胴部
2b 張り出し鍔部
2c 湾曲底板部
2d 水抜きリブ
3 抜け止め板
4 中央取付け部
5a〜5d 弾性舌片
6 止着具(リベットなど)
7 弾性舌片の先端角部
P 丸鋼管
2a 円筒状胴部
2b 張り出し鍔部
2c 湾曲底板部
2d 水抜きリブ
3 抜け止め板
4 中央取付け部
5a〜5d 弾性舌片
6 止着具(リベットなど)
7 弾性舌片の先端角部
P 丸鋼管
Claims (3)
- 断面円形の丸鋼管の開口端部に内嵌する円形椀形の本体と、この本体の、中央が外側へ突出した湾曲底板部の中央外側に取り付けられたバネ鋼板製の抜け止め板から成り、前記本体には、その上端円形外周部から外側に張り出して、前記丸鋼管の円形端面に当接する張り出し鍔部が一体に連設された鋼管用キャップであって、前記抜け止め板は、前記本体の湾曲底板部の中央外側に取り付けられた中央取付け部から延出する弾性舌片部を備え、前記本体を丸鋼管の開口端部に圧入内嵌させたとき、前記弾性舌片が前記本体の湾曲底板部に接近する方向に弾性変形して、その先端が丸鋼管の内周面に圧接するように構成された鋼管用キャップにおいて、前記抜け止め板は、その弾性舌片が前記中央取付け部から周方向90度間隔で4本延出する、平面形状が十字形のもので、本体を斜めにして、周方向に隣り合う2本の弾性舌片を丸鋼管内に嵌め込んだとき、残りの2本の弾性舌片の先端部と、前記張り出し鍔部の最も低くなる一か所の合計三か所が、丸鋼管の円形端面で受け止められるように構成された、鋼管用キャップ。
- 前記抜け止め板は、前記中央取付け部と4本の弾性舌片の全体が1枚のバネ鋼板から一体形成されている、請求項1に記載の鋼管用キャップ。
- 前記抜け止め板の4本の弾性舌片は、その先端に2つの直角の角部を有する帯板状のもので、各弾性舌片先端の2つの直角の角部が丸鋼管の内周面に食い込むように構成されている、請求項1又は2に記載の鋼管用キャップ。
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Citations (4)
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US20060278653A1 (en) * | 2005-06-08 | 2006-12-14 | Zeyfang Frederick W | Center pull tab plug with sealing flange |
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2015
- 2015-06-04 JP JP2015113632A patent/JP2016223261A/ja active Pending
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