JP2016223110A - シールド掘進機の発進準備方法及び発進方法 - Google Patents

シールド掘進機の発進準備方法及び発進方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シールド掘進機の発進前に、シールド掘進機の全体的な作動確認を容易に行うことが可能なシールド掘進機の発進準備方法を提供する。【解決手段】シールド掘進機1は前胴3と後胴4とに分割可能である。立坑60の発進坑口部61から発進するシールド掘進機1の発進準備方法は、発進坑口部61から地山を掘削して横坑37を形成すること、立坑60内に前胴3を搬入すること、前胴3の少なくとも一部を立坑60内から横坑37内に移動すること、前胴3の少なくとも一部を立坑60内から横坑37内に移動した後に、後胴4を立坑60内に搬入すること、及び、少なくとも一部が立坑60内から横坑37内に移動された前胴3にその掘進方向後方から後胴4を連結することを含む。前述の発進準備方法では、前胴3の少なくとも一部を立坑60内から横坑37内に移動するに先立って横坑37を形成する。【選択図】図7

Description

本発明は、地下構造物の発進坑口部から発進するシールド掘進機の発進準備方法、及び、その発進方法に関する。
上下水道、共同溝、道路、鉄道等の管路として用いられるシールドトンネルは、シールド工法により構築される。このシールド工法ではシールド掘進機が用いられる。シールド掘進機は、その機軸方向(換言すれば掘進方向)に複数に分割可能に構成され得る。特許文献1,2には、掘進方向前側の部分を構成する前部と、掘進方向後側の部分を構成する後部とに分割可能なシールド掘進機の発進方法が開示されている。
特許文献1に開示のシールド掘進機の発進方法では、まず、シールド掘進機の前部が入り得る立坑を掘削する。次に、立坑にシールド掘進機の前部を設置する。次に、シールド掘進機の前部で所定深さまで横坑を掘進する。次に、シールド掘進機の後部を立坑内に吊下し、横坑内に位置するシールド掘進機の前部に組み立てる。そして、シールド掘進機を推進させる。
特許文献2に開示のシールド掘進機の発進方法では、まず、立坑の架台上にシールド掘進機の前部を搭載する。次に、シールド掘進機の前部を仮掘進させて、シールド掘進機の前部の後方にスペースを確保する。このスペースは、少なくともシールド掘進機の前部にその後方からシールド掘進機の後部を接続するのに必要なスペースである。次に、シールド掘進機の前部にシールド掘進機の後部を接続してシールド掘進機を組み立てる。そして、シールド掘進機によって慣行にしたがい本掘進を行う。
特公昭42−025969号公報 特開平03−199596号公報
しかしながら、特許文献1,2に開示のようなシールド掘進機の発進方法では、まず、シールド掘進機の前部のみで掘進を行って、シールド掘進機の後部をシールド掘進機の前部に連結するためのスペースを確保し、この後にシールド掘進機の後部をシールド掘進機の前部に連結してシールド掘進機の一体化を行っている。それゆえ、シールド掘進機の一体化を行ったときにはシールド掘進機の前部が既に地山に差し込まれた状態となっているので、シールド掘進機の一体化を行った後に例えばカッタヘッドを回転させるなどの試運転を行うことが難しく、ひいては、組み立て後のシールド掘進機の全体的な作動確認をシールド掘進機の発進前に行うことが難しかった。
本発明は、このような実状に鑑み、シールド掘進機の発進前に、シールド掘進機の全体的な作動確認を容易に行うことが可能なシールド掘進機の発進準備方法、及び、シールド掘進機の発進方法を提供することを目的とする。
そのため本発明では、地下構造物の発進坑口部から発進するシールド掘進機は、少なくとも、掘進方向前側の部分を構成する前部と、掘進方向後側の部分を構成する後部とに分割可能である。
本発明に係るシールド掘進機の発進準備方法は、発進坑口部から地山を掘削して横坑を形成すること、地下構造物内にシールド掘進機の前部を搬入すること、シールド掘進機の前部の少なくとも一部を地下構造物内から横坑内に移動すること、シールド掘進機の前部の少なくとも一部を地下構造物内から横坑内に移動した後に、シールド掘進機の後部を地下構造物内に搬入すること、及び、少なくとも一部が地下構造物内から横坑内に移動されたシールド掘進機の前部に、その掘進方向後方から、シールド掘進機の後部を連結すること、を含む。本発明に係るシールド掘進機の発進準備方法では、シールド掘進機の前部の少なくとも一部を地下構造物内から横坑内に移動するに先立って横坑を形成する。
また、本発明に係るシールド掘進機の発進方法では、前述の発進準備方法を用いてシールド掘進機の発進準備を行った後に、地下構造物から反力を取ってシールド掘進機を発進させる。
本発明によれば、シールド掘進機の前部の少なくとも一部を地下構造物内から横坑内に移動するに先立って横坑を形成する。これにより、別体であるシールド掘進機の前部及び後部を、地下構造物の内面及び横坑の内面によって区画形成される空間内で組み立てて一体化することができるので、当該空間内にて、組み立て後のシールド掘進機の全体的な作動確認をシールド掘進機の発進前に容易に行うことができる。
本発明の第1実施形態におけるシールド掘進機の概略構成を示す図 同上実施形態における筒状部材の概略構成を示す図 同上実施形態におけるパッキン装置の作動状態を示す図 同上実施形態におけるシールド掘進機の発進準備方法を示す図 同上実施形態におけるシールド掘進機の発進準備方法を示す図 同上実施形態におけるシールド掘進機の発進準備方法を示す図 同上実施形態におけるシールド掘進機の発進準備方法を示す図 同上実施形態におけるシールド掘進機の発進準備方法及び発進方法を示す図 本発明の第2実施形態におけるシールド掘進機の発進準備方法を示す図
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態におけるシールド掘進機の概略構成を示す。尚、本実施形態では、便宜上、トンネル掘進方向を前進方向として前後左右を規定している。ここで、本発明における「掘進方向前側」が図1に記載の「前」側に対応し、「掘進方向後側」が図1に記載の「後」側に対応する。
また、本実施形態では、いわゆる泥土圧式のシールド掘進機を例にとってシールド掘進機の構成を説明するが、シールド掘進機の種類はこれに限らない。
また、本実施形態では、本発明の地下構造物の一例として立坑を挙げて説明するが、地下構造物はこれに限らない。
トンネルの構築に用いられるシールド掘進機1は、その本体(掘進機本体)2が、円筒形状の前胴3及び後胴4を含んで構成される。ここで、前胴3の側部に配置されるスキンプレート5と、後胴4の側部に配置されるスキンプレート6とは、それぞれ、掘進機本体2の外殻をなすものである。
前胴3は、掘削用のカッタヘッド7とシールド隔壁(バルクヘッド)8とを有する。
カッタヘッド7は前胴3の前端部に配置されている。シールド隔壁8は、カッタヘッド7の後方に離間して前胴3に配置されている。
カッタヘッド7は、シールド隔壁8に回転自在に支持されており、シールド隔壁8の後面に設置された駆動用モータ9を駆動源として、回転しながら地山を掘削する。
カッタヘッド7とシールド隔壁8との間には、これらとスキンプレート5とによりカッタチャンバ10が区画形成されている。
カッタチャンバ10内では、カッタヘッド7による掘削で生じた掘削土砂が滞留する。
シールド掘進機1には、その前胴3の後部と後胴4の前部とを連結するように、複数の中折れジャッキ11が、胴の周方向に互いに間隔を空けて配置されている。
中折れジャッキ11は、シリンダ11aとロッド11bとにより構成される油圧ジャッキである。シリンダ11aは、その一端が後胴4の前部に固定されており、他端側にて、ロッド11bが進出・退入可能となっている。中折れジャッキ11のロッド11bは、その先端部が、前胴3の後部に着脱可能に固定されている。シールド掘進機1の掘進方向の変更・調整時には、各中折れジャッキ11の伸長量が変更・調整される。
シールド掘進機1は、後胴4のスキンプレート6内にエレクター12を備える。
エレクター12は把持部12aを備える。エレクター12は、スキンプレート6の内方にて、円弧状断面を有するセグメント13を把持部12aで把持しつつ、セグメント13をトンネル軸方向、径方向、周方向に適宜移動させることができる。エレクター12は、スキンプレート6の内方にて、その周方向にセグメント13を組み立てて、円筒状のセグメントリング14を構築する。
シールド掘進機1の後胴4の周縁部には、複数の推進ジャッキ15が、複数の中折れジャッキ11と干渉しないように、胴の周方向に互いに間隔を空けて配置されている。
推進ジャッキ15は、シリンダ15aとロッド15bとにより構成される油圧ジャッキである。シリンダ15aは、その一端側が後胴4に固定されており、他端側にて、ロッド15bが進出・退入可能となっている。尚、シリンダ15aの一端側は後胴4に固定される代わりに前胴3に固定されてもよい。推進ジャッキ15のロッド15bの先端部を既設のセグメントリング14に当接させた状態で推進ジャッキ15を伸長作動させることにより、シールド掘進機1(掘進機本体2)は推進力を得ることができる。それゆえ、推進ジャッキ15は、既設のセグメントリング14をスキンプレート6の後方に押し出して、その反力により、シールド掘進機1(掘進機本体2)を前方に推進させることができる。
シールド掘進機1は、カッタチャンバ10内の掘削土砂をシールド隔壁8の後方に搬出するスクリューコンベヤ16を備えている。
スクリューコンベヤ16は、シールド隔壁8に固定された円筒状のケース17とその内部に組み込まれたオーガ18とからなり、オーガ18を回転させることにより、カッタチャンバ10内の掘削土砂をシールド隔壁8の後方に搬出する。
後胴4は、その中央部に足場20を備える。足場20は、機軸に沿うように延在している。足場20は例えばセグメント13の組み立てに用いられる。シールド掘進機1の後方に位置する後続台車(図示せず)には運転管理室(図示せず)が設けられている。この運転管理室内には、シールド掘進機1の運転制御を行うための制御装置(図示せず)が設けられている。
ここで、カッタヘッド7などを含む前胴3が本発明の「シールド掘進機の前部」の一例であり、シールド掘進機1の掘進方向前側の部分を構成する。一方、推進ジャッキ15などを含む後胴4が本発明の「シールド掘進機の後部」の一例であり、シールド掘進機1の掘進方向後側の部分を構成する。
また、シールド掘進機1は、カッタヘッド7などを含む前胴3と、推進ジャッキ15などを含む後胴4とに分割可能に構成されている。すなわち、シールド掘進機1は、機軸方向に(換言すればトンネル掘進方向に)複数に分割可能に構成されている。
図2は、シールド掘進機1の発進準備に用いられる筒状部材30の概略構成を示す。図3は、筒状部材30に設けられるパッキン装置の作動状態を示す図である。ここで、図3(A)〜(D)は図2の部分Pの部分拡大図に対応するものであるが、図3(A)〜(D)では、後述する配管41の図示を省略している。
筒状部材30はトンネル掘進方向に延びる円筒形状であり、その前側の部分を構成する円筒形状の第1筒部31と、後側の部分を構成する円筒形状の第2筒部32とを含んで構成される。第1筒部31と第2筒部32とは別部材であり、図示しない締結手段を介して一体化されることにより、前述の筒状部材30が形成される。前述の締結手段としては、例えば、ワンパス形式の継手金物が挙げられる。また、前述の締結手段としてボルト及びナットを採用し、これらを用いて、第1筒部31と第2筒部32とをボルト締結により一体化してもよい。又は、第1筒部31と第2筒部32とを溶接で互いに固定することにより一体化してもよい。
第1筒部31及び第2筒部32は鋼製である。
第1筒部31の内径及び第2筒部32の内径は、シールド掘進機1の前胴3及び後胴4の外径よりも大きい。また、第1筒部31の内径及び第2筒部32の内径は、セグメントリング14の外径よりも大きい。
第1筒部31の前端部(先端部)には先細のテーパ部(刃口部)31aが形成されている。第1筒部31の後端部には前述の締結手段を介して第2筒部32の前端部が連結される。
図3(A)に示すように、第1筒部31の内周面31bには、トンネル径方向内方に突出するブラケット34が設けられている。このブラケット34にはエントランスパッキン35が設けられている。このエントランスパッキン35は、筒状部材30の内周面とシールド掘進機1との間の間隙や、筒状部材30の内周面とセグメントリング14との間の間隙を塞ぐことにより、地下水や土砂が当該間隙から筒状部材30の内部に浸入することを抑制することを目的として設置されている(図3(B)及び(C)参照)。ここで、エントランスパッキン35は本発明の「パッキン装置」に対応するものであり、筒状部材30の内周面とシールド掘進機1の外周面(例えば、カッタヘッド7の外周面、前胴3のスキンプレート5の外周面、及び、後胴4のスキンプレート6の外周面)との間の間隙を塞ぐ機能を実現する。
図2に戻り、第1筒部31の内周面には、ブラケット34を前後に貫通するように延びるグラウト注入用の配管41が設けられている。また、図示は省略するが、第1筒部31の内周面には、ブラケット34を前後に貫通するように延びるエアー抜き用の配管も設けられている。
配管41は、その前端部が、テーパ部31aとブラケット34及びエントランスパッキン35との間に位置して開口している。配管41の後端開口部は、第2筒部32の内周面に設けられた配管42の前端開口部に着脱可能に連結され得る。
第1筒部31の下部と第2筒部32の下部とには、それぞれ、シールド掘進機1をその下方から支持する架台(受台)51,52が設けられている。本実施形態では、架台51,52は、各々が、トンネル掘進方向に延びる左右一対の形鋼材53,54を含んで構成されている。架台51の形鋼材53は、その前端部がブラケット34及びエントランスパッキン35の後方に位置し、後端部が架台52の形鋼材54に連結され得る。架台51,52の形鋼材53,54の上面にシールド掘進機1の前胴3のスキンプレート5の外周面、及び、後胴4のスキンプレート6の外周面が接触しつつ、シールド掘進機1が前進可能である。尚、架台51,52がシールド掘進機1を支持可能であれば、架台51,52の構成は前述のものに限らない。
次に、図1〜図3に加えて、図4〜図8を用いて、シールド掘進機1の発進準備方法、及び、発進方法を説明する。
図4〜図8は、立坑60の発進坑口部61から発進するシールド掘進機1の発進準備方法を示す。また、図8は、シールド掘進機1の発進方法も示す。
尚、以下の説明では、立坑60は有底円筒状であって、その内径が、シールド掘進機1の機長(トンネル掘進方向での長さ)よりも小さいものとするが、立坑60の形状及び寸法はこれに限らない。
シールド掘進機1の発進準備においては、まず、図4(ア)に示すように、コンクリート製の立坑60を構築する。次に、立坑60の周辺の地山のうち筒状部材30が挿入される部分を含むように発進防護工の施工を行う。この発進防護工の施工では、周知の高圧噴射撹拌工法や凍結工法などを用いて地盤改良が行われる。尚、図4(ア)には、この地盤改良が行われた箇所(地盤改良箇所)62が図示されている。
次に、図4(イ)に示すように、立坑60の下部の鏡面をはつり取って、円形状の開口部からなる発進坑口部61を形成する。この発進坑口部61の形成には、バックホーや電動ショベル(油圧ショベル)などの、シールド掘進機1以外の掘削機械が用いられ得る。また、発進坑口部61の形成を人力で行ってもよい。尚、発進坑口部61の内径は、筒状部材30の外径よりもわずかに大きい。
次に、図5(ウ)に示すように、立坑60内に筒状部材30の第1筒部31及び推進装置64を搬入し、推進装置64を立坑60内に設置して、推進装置64に第1筒部31をセットする。
ここで、立坑60内に搬入される第1筒部31については、地上で組み立てられた後に立坑60の上面開口部から吊り下げられて搬入され得る。又は、第1筒部31を地上で複数の部品に分解した後、これら部品を地上から立坑60内に搬入して、これら部品を立坑60内で組み立ててもよい。
また、立坑60内に搬入される推進装置64については、地上で組み立てられた後に立坑60の上面開口部から吊り下げられて搬入され得る。又は、推進装置64を地上で複数の部品に分解した後、これら部品を地上から立坑60内に搬入して、これら部品を立坑60内で組み立ててもよい。
本実施形態では、推進装置64は、トンネル掘進方向に沿って伸縮自在な複数のジャッキ65と、後面にジャッキ65の先端部が接続されて前面に筒状部材30(第1筒部31及び第2筒部32)をセット可能な押輪66とを含んで構成される。ジャッキ65は例えば油圧ジャッキであり、その基端部が、立坑60の内周面のうち発進坑口部61とは反対の側から反力を取ることが可能である。押輪66は例えば鋼製である。
次に、推進装置64のジャッキ65を伸長することで、立坑60の内周面から反力を取りつつ、押輪66を介して、第1筒部31を、立坑60の発進坑口部61から地盤改良箇所62中に押し込む。これにより、例えば、第1筒部31の前側の半分が、地盤改良箇所62中に設置される。
尚、この第1筒部31の押し込み時(設置時)には、第1筒部31の内部から、地盤改良された地山を掘削して、第1筒部31内の空間を確保する。この掘削では、バックホーや電動ショベル(油圧ショベル)などの、シールド掘進機1以外の掘削機械が用いられ得る。また、この掘削は人力で行われてもよい。尚、この掘削は、第1筒部31の押し込みに先立って(すなわち、第1筒部31の押し込みに先行して)行われてもよい。また、この掘削は、第1筒部31の押し込みの途中で複数回に分けて行われてもよい。また、この掘削は、第1筒部31に第2筒部32が連結される直前に行われてもよい。
次に、例えば、地盤改良箇所62中に第1筒部31の前側の半分が押し込まれた状態で、第1筒部31の押輪66へのセットを解除して、推進装置64のジャッキ65を短縮する。そして、立坑60内に筒状部材30の第2筒部32を搬入して、推進装置64に第2筒部32をセットする。このセット時には、第1筒部31の後端部と第2筒部32の前端部とが前述の締結手段を介して連結されて、筒状部材30が一体化される。ここで、立坑60内に搬入される第2筒部32については、地上で組み立てられた後に立坑60の上面開口部から吊り下げられて搬入され得る。又は、第2筒部32を地上で複数の部品に分解した後、これら部品を地上から立坑60内に搬入して、これら部品を立坑60内で組み立ててもよい。
次に、推進装置64のジャッキ65を伸長することで、立坑60の内周面から反力を取りつつ、押輪66及び第2筒部32を介して、第1筒部31を立坑60の発進坑口部61から地盤改良箇所62中に更に押し込む。これにより、例えば、第1筒部31の全体が、地盤改良箇所62中に設置される(図5(エ)参照)。
尚、この筒状部材30の押し込み時(設置時)には、筒状部材30の内部から、地盤改良された地山を掘削して、筒状部材30内の空間を確保する。この掘削では、前述と同様にバックホーや電動ショベル(油圧ショベル)などの、シールド掘進機1以外の掘削機械が用いられ得る。また、この掘削は人力で行われてもよい。尚、この掘削は、筒状部材30の押し込みに先立って(すなわち、筒状部材30の押し込みに先行して)行われてもよい。また、この掘削は、筒状部材30の押し込みの途中で複数回に分けて行われてもよい。
このようにして、地盤改良された地山を掘削して、横坑37が形成される。また、この横坑37を形成することは、発進坑口部61から、地盤改良された地山に筒状部材30を設置すること(例えば押し込むこと)、及び、筒状部材30内から、地盤改良された地山を掘削すること、を含む。
本実施形態では、バックホーや電動ショベル(油圧ショベル)などの、シールド掘進機1以外の掘削機械を用いて、又は人力で、地山を掘削して横坑37を形成する。それゆえ、横坑37を形成するために複雑な構造のシールド掘進機1を組み立てる必要がなく、汎用的な掘削機械を用いて、又は人力で、横坑37を容易に形成することができる。
ここで、横坑37の内部空間は発進坑口部61を介して立坑60の内部空間と連通している。また、横坑37の内部空間は、発進坑口部61より掘進方向前方における筒状部材30の内周面と、地盤改良された地山の掘削面とによって囲まれている。また、筒状部材30は、推進装置64によって掘進方向前方に推進される推進式坑口であり、立坑60の発進坑口部61の内部空間を掘進方向前方に実質的に拡張(拡幅)するものである。
次に、図6(オ)に示すように、推進装置64を立坑60内から搬出する。また、シールド掘進機1をその下方から支持する架台(受台)67を、立坑60の底部に設ける。
架台67は、筒状部材30の第2筒部32をその下方から支持する筒状部材支持部68と、トンネル掘進方向に延びる左右一対の形鋼材69をその下方から支持する形鋼材支持部70と、により構成されている。形鋼材69は、その前端部が、第2筒部32の架台52の形鋼材54の後端部に連続するように配置される。架台67の形鋼材69の上面にシールド掘進機1の前胴3のスキンプレート5の外周面、及び、後胴4のスキンプレート6の外周面が接触しつつ、シールド掘進機1が前進可能である。それゆえ、本実施形態では、第1筒部31の架台51の左右一対の形鋼材53、第2筒部32の架台52の左右一対の形鋼材54、及び、架台67の左右一対の形鋼材69により、トンネル掘進方向に延びる連続的な左右一対のレール部が形成され得る。また、このレール部の上面にシールド掘進機1の前胴3のスキンプレート5の外周面、及び、後胴4のスキンプレート6の外周面が接触しつつ、シールド掘進機1が前進可能である。尚、第1筒部31の架台51の左右一対の形鋼材53、第2筒部32の架台52の左右一対の形鋼材54、及び、架台67の左右一対の形鋼材69は、必ずしも連続している必要はない。
尚、架台67については、少なくともシールド掘進機1を支持可能であればよく、架台67の構成は前述のものに限らない。
次に、図6(カ)に示すように、架台67の形鋼材69上にシールド掘進機1の前胴3を搬入する。ここで、立坑60内に搬入される前胴3については、地上で組み立てられた後に立坑60の上面開口部から吊り下げられて搬入され得る。又は、前胴3を地上で複数の部品に分解した後、これら部品を地上から立坑60内に搬入して、これら部品を立坑60内で組み立ててもよい。
次に、図7(キ)に示すように、架台67の形鋼材69、第2筒部32の架台52の形鋼材54、及び、第1筒部31の架台51の形鋼材53に沿って前胴3を前進させて、前胴3の全体を筒状部材30内に挿入する。この前胴3の前進は、例えば、立坑60における横坑37の対面側に反力を取ってジャッキ装置(図示せず)を用いて前胴3の後部を前方に押圧することにより実現可能である。これにより、前胴3の後方の立坑60内には、後胴4を搬入するためのスペースが確保される。尚、図7(キ)に示すように、この前胴3の前進は、カッタヘッド7がエントランスパッキン35に接触する手前まで行われる。
この前胴3の前進により、前胴3は、その少なくとも一部が、立坑60内から横坑37内に移動する。
次に、架台67の形鋼材69上にシールド掘進機1の後胴4を搬入する。ここで、立坑60内に搬入される後胴4については、地上で組み立てられた後に立坑60の上面開口部から吊り下げられて搬入され得る。又は、後胴4を地上で複数の部品に分解した後、これら部品を地上から立坑60内に搬入して、これら部品を立坑60内で組み立ててもよい。
次に、架台67の形鋼材69、及び、第2筒部32の架台52の形鋼材54に沿って後胴4を前進させて、後胴4の少なくとも前部を筒状部材30内に挿入し、前胴3と後胴4とを連結する(図7(ク)参照)。この後胴4の前進は、例えば、立坑60における横坑37の対面側に反力を取ってジャッキ装置(図示せず)を用いて後胴4の後部を前方に押圧することにより実現可能である。このようにして、立坑60の内面と横坑37の内面(筒状部材30の内面)によって区画形成される空間内でシールド掘進機1が組み立てられて一体化される。
次に、カッタヘッド7を回転させるなどのシールド掘進機1の試運転を行って、全体的な作動確認を行う。
このシールド掘進機1の組み立て及び試運転と並行して、又は、当該組み立て及び試運転の後に、立坑60の内周面とシールド掘進機1の後端との間に鋼製の反力トラス(反力壁)71を組み立てる(図8(ケ)参照)。また、反力トラス71とシールド掘進機1との間に仮セグメント13’を組み立てる(図8(ケ)参照)。
以上のようにしてシールド掘進機1の発進準備が完了した後に、シールド掘進機1の発進が行われる。
シールド掘進機1は、仮セグメント13’及び反力トラス71を介して、立坑60から反力を取って発進する。
シールド掘進機1の発進時には、まず、シールド掘進機1の推進ジャッキ15を伸長させて、前記組み立てられた仮セグメント13’を押して反力を取りつつ、シールド掘進機1を推進させる。その後、推進ジャッキ15の1ストローク毎に推進ジャッキ15を収縮させて、仮セグメント13’を追加する。この作業を繰り返して、シールド掘進機1が発進坑口部61から出た段階で、セグメント13を組み立ててセグメントリング14を構築しながら、シールド掘進機1を推進させる(図8(ケ)参照)。
ここで、図3(B)は、シールド掘進機1がエントランスパッキン35に接触している状態を示しており、このときにエントランスパッキン35はシールド掘進機1に接触しつつ屈曲する。また、図3(C)は、セグメントリング14がエントランスパッキン35に接触している状態を示しており、このときにエントランスパッキン35はセグメントリング14に接触しつつ屈曲する。また、図3(D)に示すように、筒状部材30(第1筒部31)の内周面31bと、エントランスパッキン35の前側の表面と、セグメントリング14の外周面とによって区画形成される空間72内には、前述のグラウト注入用の配管41,42を介して、グラウトが注入される。尚、空間72内にグラウトを注入する手法はこれに限らず、例えば、セグメント13に予め設けられたグラウト孔を介して、トンネルの内部からグラウトの注入を行ってもよい。空間72内にグラウトを注入することにより、立坑60内に土砂が流入することを防止できる。
以上のようにして、シールド掘進機1の発進が行われる。
ところで、特許文献1,2に開示のようなシールド掘進機の発進方法では、まず、シールド掘進機の前部のみで地山を掘削する。それゆえ、反力架台、仮組みセグメント、給電設備、排土設備、制御装置などの各種設備を、シールド掘進機の前部による地山掘削に先立って準備しなければならない。また、シールド掘進機の前部による地山掘削が終わった後に、前述の各種設備を撤去し、この後にシールド掘進機の前部にシールド掘進機の後部を連結する。従って、前述の各種設備の準備及び撤去に手間を要していた。この点、本実施形態によれば、立坑60の内面及び横坑37の内面によって区画形成される空間内でシールド掘進機1を組み立てて一体化した後に本掘進を開始することができるので、前述の各種設備の準備及び撤去が不要となり、シールド掘進機1の発進準備及び発進を効率良く行うことができる。
本実施形態によれば、シールド掘進機1は、少なくとも、掘進方向前側の部分を構成する前部(前胴3)と、掘進方向後側の部分を構成する後部(後胴4)とに分割可能である。地下構造物(立坑60)の発進坑口部61から発進するシールド掘進機1の発進準備方法は、発進坑口部61から地山を掘削して横坑37を形成すること(図5(ウ)及び(エ)参照)、地下構造物内(立坑60内)にシールド掘進機1の前部(前胴3)を搬入すること(図6(カ)参照)、シールド掘進機1の前部(前胴3)の少なくとも一部を地下構造物内(立坑60内)から横坑37内に移動すること(図7(キ)参照)、シールド掘進機1の前部(前胴3)の少なくとも一部を地下構造物内(立坑60内)から横坑37内に移動した後に、シールド掘進機1の後部(後胴4)を地下構造物内(立坑60内)に搬入すること、及び、少なくとも一部が地下構造物内(立坑60内)から横坑37内に移動されたシールド掘進機1の前部(前胴3)に、その掘進方向後方から、シールド掘進機1の後部(後胴4)を連結すること(図7(ク)参照)を含む。本実施形態ではシールド掘進機1の前部(前胴3)の少なくとも一部を地下構造物内(立坑60内)から横坑37内に移動するに先立って横坑37を形成する(図5(ウ)及び(エ)参照)。これにより、前胴3と後胴4とを、立坑60の内面及び横坑37の内面によって区画形成される空間内で組み立てて一体化することができるので、当該空間内にて、組み立て後のシールド掘進機1の全体的な作動確認をシールド掘進機1の発進前に容易に行うことができる。
また本実施形態によれば、シールド掘進機1の発進準備方法は、シールド掘進機1の前部(前胴3)を地下構造物内(立坑60内)に搬入するに先立って、地下構造物内(立坑60内)にシールド掘進機用の架台67を設けることを含む(図6(オ)参照)。これにより、発進前のシールド掘進機1(前胴3及び後胴4)を架台67で支持することができる。
また本実施形態によれば、シールド掘進機1の発進準備方法において、横坑37を形成することは、発進坑口部61から地山に筒状部材30を設置すること(図5(ウ)及び(エ)参照)、及び、筒状部材30内から地山を掘削すること、を含む。また、シールド掘進機1の発進準備方法において、シールド掘進機1の前部(前胴3)の少なくとも一部を地下構造物内(立坑60内)から横坑37内に移動することは、シールド掘進機1の前部(前胴3)の少なくとも一部を地下構造物内(立坑60内)から筒状部材30内に移動することを含む(図7(キ)参照)。これにより、横坑37の内周面が筒状部材30の内周面によって構成されるので、横坑37の形状を良好に保持できる。
また本実施形態によれば、筒状部材30は、その内周面とシールド掘進機1の外周面との間の間隙を塞ぐパッキン装置(エントランスパッキン35)を有する。これにより、地下水や土砂が当該間隙から筒状部材30の内部に浸入することを抑制することができる。
また本実施形態によれば、シールド掘進機1の発進準備方法は、シールド掘進機1の前部(前胴3)の少なくとも一部を地下構造物内(立坑60内)から筒状部材30内に移動するに先立って、筒状部材30内にシールド掘進機用の架台51,52を設けることを含む(図5(ウ)及び(エ)参照)。これにより、発進前のシールド掘進機1(前胴3及び後胴4)を架台51,52で支持することができる。
尚、エントランスパッキン35及び架台51については、第1筒部31が立坑60内に搬入されるに先立って、地上で第1筒部31に取り付けられることが好ましい。また、架台52については、第2筒部32が立坑60内に搬入されるに先立って、地上で第2筒部32に取り付けられることが好ましい。
また本実施形態によれば、シールド掘進機1の発進準備が行われる地下構造物が立坑60である。これにより、シールド掘進機1の機長よりも内径が小さい立坑60内にてシールド掘進機1の発進準備を行うことができる。それゆえ、立坑60の内径がシールド掘進機1の機長よりも大きい場合に比べて立坑60が小型化され得るので、立坑60の構築時の土砂掘削量と、立坑60の構築に必要なコンクリート量とを低減することができる。
また本実施形態によれば、前述のシールド掘進機1の発進準備方法を用いてシールド掘進機1の発進準備を行った後に、仮セグメント13’及び反力トラス71を介して、地下構造物(立坑60)から反力を取ってシールド掘進機1を発進させる。これにより、立坑60の内径よりも機長が長いシールド掘進機1であっても、立坑60の発進坑口部61から発進させることができる。それゆえ、立坑60の内径がシールド掘進機1の機長よりも大きい場合に比べて立坑60が小型化され得るので、立坑60の構築時の土砂掘削量と、立坑60の構築に必要なコンクリート量とを低減することができる。
図9は本発明の第2実施形態におけるシールド掘進機1の発進準備方法の一部を示す。
前述の第1実施形態におけるシールド掘進機1の発進準備方法と異なる点について説明する。
前述の図4(イ)に示すように立坑60の発進坑口部61が形成された後に、図9(ウ)に示すように、発進坑口部61から、地盤改良された地山を掘削して、空間75を形成する。この掘削では、バックホーや電動ショベル(油圧ショベル)などの、シールド掘進機1以外の掘削機械が用いられ得る。また、この掘削は人力で行われてもよい。
この空間75の大きさは、例えば、筒状部材30の第1筒部31を収容可能な大きさである。また、この空間75が横坑37の内部空間に対応する。
この後、前述の第1実施形態と同様に、立坑60内に筒状部材30の第1筒部31及び第2筒部32と推進装置64とを搬入し、推進装置64を用いて、第1筒部31の全体を地盤改良箇所62中に設置する(図9(エ)参照)。
ここで、本実施形態において、この横坑37を形成することは、発進坑口部61から、地盤改良された地山を掘削して空間75を形成すること、及び、空間75内に筒状部材30を設置すること、を含む。
また、本実施形態では、横坑37の内部空間(空間75)は発進坑口部61を介して立坑60の内部空間と連通している。また、横坑37の内部空間(空間75)は、発進坑口部61より掘進方向前方における筒状部材30の内周面と、地盤改良された地山の掘削面とによって囲まれ得る。
次に、図6(オ)に示すように、推進装置64を立坑60内から搬出する。この後の工程については前述の第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
特に本実施形態によれば、シールド掘進機1の発進準備方法において、横坑37を形成することは、発進坑口部61から地山を掘削して空間75を形成すること、及び、空間75内に筒状部材30を設置すること(図9(ウ)及び(エ)参照)、を含む。また、シールド掘進機1の前部(前胴3)の少なくとも一部を地下構造物内(立坑60内)から横坑37内に移動することは、シールド掘進機1の前部(前胴3)の少なくとも一部を地下構造物内(立坑60内)から筒状部材30内に移動することを含む(図7(キ)参照)。これにより、前胴3と後胴4とを、立坑60の内面及び筒状部材30の内面によって区画形成される空間内で組み立てて一体化することができる。
尚、本実施形態では、空間75内に筒状部材30を設置しているが、この他、空間75の周囲の地山の強度が十分にある場合には、筒状部材30を空間75内に設置せずに省略してもよい。この場合には、前述のパッキン装置(エントランスパッキン35)が発進坑口部61の周縁部に設けられ得る。
また、前述の第1及び第2実施形態では、筒状部材30がトンネル掘進方向に2つに(すなわち第1筒部31及び第2筒部32に)分割可能に構成されているが、この他、筒状部材30がトンネル掘進方向に3つ以上に分割可能に構成されていてもよい。又は、筒状部材30が1つの円筒状の部材により構成されていてもよい。ここで、筒状部材30の軸方向長さは、推進装置64のジャッキ65のストロークに基づいて決定され得る。
また、前述の第1及び第2実施形態では、筒状部材30の断面形状が円形状であるが、筒状部材30の断面形状はこれに限らず、例えば矩形状であってもよい。
また、前述の第1及び第2実施形態では、シールド掘進機1がトンネル掘進方向に2つに(すなわち前胴3及び後胴4に)分割可能に構成されているが、この他、シールド掘進機1がトンネル掘進方向に3つ以上に分割可能に構成されていてもよい。
また、前述の第1及び第2実施形態では、本発明の「シールド掘進機の前部」及び「シールド掘進機の後部」の一例として前胴3及び後胴4を挙げて説明したが、本発明の「シールド掘進機の前部」及び「シールド掘進機の後部」は前胴3及び後胴4に限らない。トンネル掘進方向に対して2つ以上に分割可能なシールド掘進機であって掘進・掘削に際して一体化されるものにおいて、シールド掘進機のトンネル掘進方向前側の部分が、本発明の「シールド掘進機の前部」に対応する。また、シールド掘進機のうち、そのトンネル掘進方向前側の部分よりもトンネル掘進方向後方に位置し、かつ、当該トンネル掘進方向前側の部分から分離可能な部分が、本発明の「シールド掘進機の後部」に対応する。
また、前述の第1及び第2実施形態では、泥土圧式のシールド掘進機1を用いて説明したが、シールド掘進機1の種類はこれに限らず、例えば、泥水式のシールド掘進機であってもよい。
また、前述の第1及び第2実施形態では、立坑60がコンクリート製であるが、立坑60の構成はこれに限らず、例えば、立坑60が鉄筋コンクリート製、又は、鋼製であってもよい。
立坑60が鉄筋コンクリート製である場合には、発進坑口部61の形成時にコンクリートがはつり取られると共に鉄筋がガス切断される。また、発進坑口部61にて露出する鉄筋の端部と筒状部材30とを溶接することで、筒状部材30を立坑60に固定することができる。
立坑60が鋼製である場合には、ガス切断により発進坑口部61が形成される。また、発進坑口部61の周縁部と筒状部材30とを溶接することで、筒状部材30を立坑60に固定することができる。
また、前述の第1及び第2実施形態では、立坑60の内径がシールド掘進機1の機長よりも小さい例を示したが、この他、立坑60の内径がシールド掘進機1の機長よりも大きい場合であっても、シールド掘進機1の発進準備を立坑60内にてコンパクトに行うことができるので有益である。
また、前述の第1及び第2実施形態では、立坑60が新設のものであるが、この他、立坑60は既設のものであってもよい。立坑60が用地問題や立地条件などにより様々な制約を受けている場合であっても、本発明に係るシールド掘進機の発進準備方法、及び、発進方法を用いて、立坑60からシールド掘進機を発進させることができる。
また、前述の第1及び第2実施形態では、本発明の地下構造物の一例として立坑60を挙げて説明したが、地下構造物はこれに限らず、例えば、既設のシールド坑であってもよい。すなわち、本発明に係るシールド掘進機の発進準備方法、及び、発進方法を、既設のシールド坑(本線シールド坑)から分岐する新たなシールド坑(支線シールド坑)の施工時(いわゆる分岐シールドの施工時)に用いてもよい。
尚、図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
1 シールド掘進機
2 掘進機本体
3 前胴
4 後胴
5,6 スキンプレート
7 カッタヘッド
8 シールド隔壁
9 駆動用モータ
10 カッタチャンバ
11 中折れジャッキ
12 エレクター
13 セグメント
13’ 仮セグメント
14 セグメントリング
15 推進ジャッキ
16 スクリューコンベヤ
17 ケース
18 オーガ
20 足場
30 筒状部材
31 第1筒部
31a テーパ部
31b 内周面
32 第2筒部
34 ブラケット
35 エントランスパッキン
37 横坑
41,42 配管
51,52 架台
53,54 形鋼材
60 立坑
61 発進坑口部
62 地盤改良箇所
64 推進装置
65 ジャッキ
66 押輪
67 架台
68 筒状部材支持部
69 形鋼材
70 形鋼材支持部
71 反力トラス
72,75 空間

Claims (8)

  1. 地下構造物の発進坑口部から発進するシールド掘進機の発進準備方法であって、
    前記シールド掘進機は、少なくとも、掘進方向前側の部分を構成する前部と、掘進方向後側の部分を構成する後部とに分割可能であり、
    前記発進準備方法は、
    前記発進坑口部から地山を掘削して横坑を形成すること、
    前記地下構造物内に前記シールド掘進機の前部を搬入すること、
    前記シールド掘進機の前部の少なくとも一部を前記地下構造物内から前記横坑内に移動すること、
    前記シールド掘進機の前部の少なくとも一部を前記地下構造物内から前記横坑内に移動した後に、前記シールド掘進機の後部を前記地下構造物内に搬入すること、及び、
    少なくとも一部が前記地下構造物内から前記横坑内に移動された前記シールド掘進機の前部に、その掘進方向後方から、前記シールド掘進機の後部を連結すること、
    を含み、
    前記シールド掘進機の前部の少なくとも一部を前記地下構造物内から前記横坑内に移動するに先立って前記横坑を形成する、シールド掘進機の発進準備方法。
  2. 前記シールド掘進機の前部を前記地下構造物内に搬入するに先立って、前記地下構造物内に前記シールド掘進機用の架台を設けることを更に含む、請求項1に記載のシールド掘進機の発進準備方法。
  3. 前記横坑を形成することは、前記発進坑口部から地山に筒状部材を設置すること、及び、前記筒状部材内から地山を掘削すること、を含み、
    前記シールド掘進機の前部の少なくとも一部を前記地下構造物内から前記横坑内に移動することは、前記シールド掘進機の前部の少なくとも一部を前記地下構造物内から前記筒状部材内に移動することを含む、請求項1又は請求項2に記載のシールド掘進機の発進準備方法。
  4. 前記横坑を形成することは、前記発進坑口部から地山を掘削して空間を形成すること、及び、前記空間内に筒状部材を設置すること、を含み、
    前記シールド掘進機の前部の少なくとも一部を前記地下構造物内から前記横坑内に移動することは、前記シールド掘進機の前部の少なくとも一部を前記地下構造物内から前記筒状部材内に移動することを含む、請求項1又は請求項2に記載のシールド掘進機の発進準備方法。
  5. 前記筒状部材は、その内周面と前記シールド掘進機の外周面との間の間隙を塞ぐパッキン装置を有する、請求項3又は請求項4に記載のシールド掘進機の発進準備方法。
  6. 前記シールド掘進機の前部の少なくとも一部を前記地下構造物内から前記筒状部材内に移動するに先立って、前記筒状部材内に前記シールド掘進機用の架台を設けることを更に含む、請求項3〜請求項5のいずれか1つに記載のシールド掘進機の発進準備方法。
  7. 前記地下構造物は立坑である、請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載のシールド掘進機の発進準備方法。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載のシールド掘進機の発進準備方法を用いて前記シールド掘進機の発進準備を行った後に、前記地下構造物から反力を取って前記シールド掘進機を発進させる、シールド掘進機の発進方法。
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