JP2016221925A - 積層体、タッチパネルセンサの製造方法、及び、タッチパネルセンサ - Google Patents

積層体、タッチパネルセンサの製造方法、及び、タッチパネルセンサ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、一つの基材上にパターン化された電極部とノイズシールド層を有する透明導電性フィルムから形成されるタッチパネルセンサを製造することができる積層体を提供することを目的とする。また、本発明は、当該積層体を用いたタッチパネルセンサの製造方法及びタッチパネルセンサを提供することも目的とする。【解決手段】透明基材の一方の面に電極用透明導電層を有し、他方の面にノイズシールド用透明導電層を有する透明導電性フィルムと、支持体の一方の面に粘着剤層を有する耐エッチング性表面保護フィルムが、前記透明導電性フィルムのノイズシールド用透明導電層と、前記耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層が接するように貼り合わされており、前記耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層のノイズシールド用透明導電層に対する粘着力が、0.04N/25mm以上であることを特徴とする積層体である。【選択図】図1

Description

本発明は、透明基材の一方の面にパターン化された電極用透明導電層を有し、他方の面にノイズシールド用透明導電層を有する透明導電性フィルムから形成されるタッチパネルセンサを製造することができる積層体、タッチパネルセンサの製造方法、及び、タッチパネルセンサに関する。
近年、携帯電話や携帯用音楽プレイヤー等の画像表示装置とタッチパネルを組み合わせて用いる入力装置が普及してきている。なかでも、静電容量方式のタッチパネルはその機能性から急速に普及してきている。
タッチパネルに用いる透明導電性フィルムとしては、透明プラスチックフィルム基材やガラスに透明導電性薄膜(酸化インジウムスズ(ITO)膜)が積層されたものが多く知られており、当該透明導電性フィルムは、他の部材に粘着剤層を介して積層される。
画像表示装置において、構成する部品からでる信号や外部からの電磁波がノイズとなり、誤作動を起こす場合があった。特に、静電容量方式のタッチパネルでは、ディスプレイモジュールから出る信号がノイズとなり、タッチ位置を正確に検知できなくなる場合があった。このようなディスプレイモジュールからの電磁波対策のため、タッチパネルと液晶表示パネルとの間に導電性のシールド膜を配置することが知られている。しかしながら、このような方法では、導電性のシールド膜を1枚追加することで、厚みやコスト、工数の点でデメリットであった。
また、例えば、操作体との間での静電容量変化を検出するセンサ部を有する入力装置であって、電極部の一部がシールド層として機能するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−140130号公報
特許文献1には、基材の表面に、導電膜が区画溝によって所定形状に分離されることによりセンサ部を構成する複数の電極部が配列されており、前記基板の裏面に、前記表面に形成された前記複数の電極部と同一の形状及び配列で重なり合う複数の電極部が設けられる入力装置が開示されている。特許文献1においては、レーザー装置を用いることにより基材の表裏面に同時に同一形状及び同一配列の電極部及び配線導電膜を形成することができるものである。従って、特許文献1には、両面に透明導電膜を有する透明導電性フィルムにおいて片面の透明導電膜のみをパターン化する方法については十分に検討されていないものである。
両面に透明導電膜を有する透明導電性フィルムにおいて、片面の透明導電層のみをパターン化する場合、パターン化の必要がない他方の透明導電層を保護する必要がある。例えば、透明導電層に表面保護フィルムを貼り合せて保護する方法が考えられるが、表面保護フィルムの種類によっては、透明導電層が腐食してしまい、透明導電層の抵抗値が高くなってしまう場合があった。また、エッチング溶液に浸漬した際に、表面保護フィルムと透明導電層の間にエッチング溶液が浸透し、透明導電層が腐食してしまう場合もあった。
本発明は、一つの基材上にパターン化された電極部とノイズシールド層を有する透明導電性フィルムから形成されるタッチパネルセンサを製造することができる積層体を提供することを目的とする。また、本発明は、当該積層体を用いたタッチパネルセンサの製造方法及びタッチパネルセンサを提供することも目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記構成を採用することにより上記目的を達成し得ることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、透明基材の一方の面に電極用透明導電層を有し、他方の面にノイズシールド用透明導電層を有する透明導電性フィルムと、支持体の一方の面に粘着剤層を有する耐エッチング性表面保護フィルムが、前記透明導電性フィルムのノイズシールド用透明導電層と、前記耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層が接するように貼り合わされており、
前記耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層のノイズシールド用透明導電層に対する粘着力が、0.04N/25mm以上であることを特徴とする積層体に関する。
前記耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層が、(メタ)アクリル系ポリマーを含有するアクリル系粘着剤組成物から形成されたものであり、
前記粘着剤層を、純水中において100℃、45分の条件で処理した場合に抽出されるアクリル酸イオン及びメタクリル酸イオンの合計量が、前記粘着剤層の単位面積あたり20ng/cm未満であることが好ましい。
前記粘着剤層の厚さが、2μm以上であることが好ましい。
前記支持体の粘着剤層を有さない面が表面処理されていないことが好ましい。
また、本発明は、
前記積層体の電極用透明導電層上にパターン形成用マスクを形成する工程、
前記パターン形成用マスクが形成された積層体をエッチング溶液に浸漬して、電極用透明導電層をエッチングする工程、
前記マスクを除去する工程、及び、
前記耐エッチング性表面保護フィルムを除去する工程を含むことを特徴とする、
透明基材の一方の面にパターン化された電極用透明導電層を有し、他方の面にノイズシールド用透明導電層を有する透明導電性フィルムから形成されるタッチパネルセンサの製造方法に関する。
さらに、本発明は、前記製造方法により得られた、透明基材の一方の面にパターン化された電極用透明導電層を有し、他方の面にノイズシールド用透明導電層を有する透明導電性フィルムから形成されることを特徴とするタッチパネルセンサに関する。
本発明の積層体は、透明導電性フィルムのノイズシールド用透明導電層が、特定の粘着力を有する耐エッチング性表面保護フィルムによって保護されているため、当該積層体をエッチング溶液に浸漬した場合でも、ノイズシールド用透明導電層を適切に保護することができる。従って、本発明の積層体から得られたタッチパネルセンサは、別途シールド層を設けることなく、液晶ディスプレイ等から発せられる電磁波を高度に遮蔽できるため、位置検出の精度を向上させることができる。また、本発明の積層体は、ノイズシールド用透明導電層と電極用透明導電層が同一の基材の表裏に形成されているため、タッチパネルセンサの製造工程において、貼り合わせの工数も増えないため、工程の簡略化をすることもできる。
本発明の一実施形態に係る積層体の模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係る積層体において、電極用透明導電層がパターン化された積層体の模式的断面図である。 実施例の一実施形態に係るタッチパネルセンサの模式的断面図である。
1.積層体
本発明の積層体は、透明基材の一方の面に電極用透明導電層を有し、他方の面にノイズシールド用透明導電層を有する透明導電性フィルムと、支持体の一方の面に粘着剤層を有する耐エッチング性表面保護フィルムが、前記透明導電性フィルムのノイズシールド用透明導電層と、前記耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層が接するように貼り合わされており、前記耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層のノイズシールド用透明導電層に対する粘着力が、0.04N/25mm以上であることを特徴とする。
本発明の積層体の実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。図面の一部又は全部において、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にするために拡大又は縮小等して図示した部分がある。また、本発明は図の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層体の模式的断面図である。積層体1を構成する透明導電性フィルム5は、透明基材3の一方の面に電極用透明導電層2を有し、透明基材3の他方の面にノイズシールド用透明導電層4を有する。また、積層体1を構成する耐エッチング性表面保護フィルム8は、支持体6の一方の面に粘着剤層7を有する。また、前記透明導電性フィルム5と、耐エッチング性表面保護フィルム8は、ノイズシールド用透明導電層4と粘着剤層7が接するように貼り合わされる。以下、それぞれの構成について説明する。
(1)耐エッチング性表面保護フィルム
(1−1)支持体
支持体6としては、特に限定されないが、プラスチックのフィルムやシート等のプラスチック系支持体等を挙げることができる。
前記プラスチックのフィルムやシートにおける素材としては、例えば、低密度、高密度、直鎖状低密度ポリエチレン(PE)、ホモ、ランダム、ブロックポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等が挙げられる。これらの素材は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、強靭性、加工性、透明性等を有するポリエステル系樹脂は、作業性・検査性が向上するため好ましい。
前記ポリエステル系樹脂としては、シート状やフィルム状等に形成できるものであれば特に限定されるものでなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムが挙げられる。これらのポリエステル系樹脂は単独(ホモポリマー)で使用してもよく、また2種以上を混合・重合(コポリマー等)して使用してもよい。これらの中でも特に、ポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。ポリエチレンテレフタレートを用いることにより、強靭性、加工性、透明性に優れた表面保護フィルムとなり、作業性が向上し、好ましい態様となる。
前記支持体6の厚みは、特に限定されないが、10〜500μmであることが好ましく、15〜300μmであることがより好ましく、20〜200μmであることがさらに好ましい。支持体6の厚みが前記範囲内であると、薄膜化の傾向が見られる透明導電性フィルムに適用することで積層体の層厚を保持することができる。そのため加工工程や搬送工程等において搬送性に優れ、かつ結晶化処理やエッチング処理等の加熱時のカールの不具合を未然に防止でき有用である。
また、前記支持体6の粘着剤層7を形成する面には、必要に応じて、酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理等の易接着処理、塗布型、練り込み型、蒸着型等の静電防止処理をすることもできる。これらの中でも、粘着剤層7と支持体6間の密着性を向上させることができるため、支持体6の粘着剤層7形成面にはコロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理を行うことが好ましい。
また、支持体6の粘着剤層7を有さない側(背面側)に、ハードコート層等を形成したり、表面処理がなされた場合には、形成する層や表面処理の種類によっては、本発明の積層体を巻いた際に、表面処理剤が透明導電層表面に移行し、汚染される場合がある。また、積層体をエッチング溶液に浸漬した場合に、表面処理面が白化してしまう場合がある。従って、支持体6の粘着剤層7を有さない側には処理を施さないことが好ましい。但し、エッチング溶液に浸漬しても白化しにくい処理や、透明導電層表面への転写の少ない表面処理であれば行うことができる。
(1−2)粘着剤層
本発明における粘着剤層7は、ベースポリマー及び架橋剤を含む粘着剤組成物から形成されることが好ましい。当該粘着剤組成物は、アクリル系、合成ゴム系、ゴム系、シリコーン系等の粘着剤等とすることができるが、透明性、耐熱性等の観点から、(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤組成物が好ましい。
アクリル系粘着剤組成物のベースポリマーとなる(メタ)アクリル系ポリマーは、炭素数2〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むモノマー成分を重合して得られることが好ましい。前記(メタ)アクリル酸エステルを使用することは、取り扱いの容易性等の点から、有用である。
前記炭素数2〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート(BA)、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート(2EHA)、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらを一種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。これらの中でも、炭素数4〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、n−ブチル(メタ)アクリレート(BA)や2−エチルへキシル(メタ)アクリレート(2EHA)を主モノマーとして使用することがより好ましい。ここで主モノマーとは、モノマー成分に含まれる「炭素数2〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル」の全量に対して、50重量%以上であり、より好ましくは60重量%以上であり、さらに好ましくは80重量%以上であり、特に好ましくは100重量%である。
前記炭素数2〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの配合量は、モノマー成分中、55重量%以上が好ましく、60〜100重量%がより好ましく、60〜98重量%が特に好ましい。
前記モノマー成分には、炭素数が2〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル以外のその他の重合性モノマーを含むことができる。前記その他の重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移点や剥離性を調整するための重合性モノマー等を、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。また、これらのモノマーは単独で用いても良いし組み合わせて用いても良いが、前記その他の重合性モノマーの配合量としては、モノマー成分中45重量%以下が好ましく、0〜40重量%がより好ましい。
前記その他の重合性モノマーとしては、例えば、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ビニルエステルモノマー、芳香族ビニルモノマー等の凝集力・耐熱性向上成分や、ヒドロキシル基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、N−アクリロイルモルホリン、ビニルエーテルモノマー等、架橋化基点として働く官能基を有するモノマー成分を適宜用いることができる。これらのモノマー成分は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられる。
前記酸無水物基含有モノマーとしては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
前記ヒドロキシル基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルアクリレート、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等が挙げられる。
前記スルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等が挙げられる。
前記リン酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートが挙げられる。
前記シアノ基含有モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル等が挙げられる。
前記ビニルエステルモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等が挙げられる。
前記芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
前記アミド基含有モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、ジエチルアクリルアミド等が挙げられる。
前記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記ビニルエーテルモノマーとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等が挙げられる。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系ポリマーは、重量平均分子量が20万〜500万が好ましく、より好ましくは30万〜200万である。重量平均分子量が20万より小さい場合は、被着体である透明導電性フィルムの透明導電層への濡れ性の向上により、剥離時の粘着力が大きくなるため、剥離時に透明導電層の損傷の原因になることがあり、また、粘着剤層の凝集力が小さくなることにより糊残りを生じる傾向がある。一方、重量平均分子量が500万を超える場合は、ポリマーの流動性が低下し、被着体である透明導電性フィルムの透明導電層への濡れが不十分となり、被着体と粘着剤層との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定して得られたものをいう。
本発明に用いられる(メタ)アクリル系ポリマーは、前記モノマー成分を重合することにより得られるものであり、その重合方法は、特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等の公知の方法により重合でき、作業性等の観点から、溶液重合がより好ましい。また、得られるポリマーは、ホモポリマーやランダムコポリマー、ブロックコポリマー等いずれでもよい。
溶液重合においては、重合溶媒として、例えば、酢酸エチル、トルエンなどが用いられる。具体的な溶液重合例としては、反応は窒素などの不活性ガス気流下で、重合開始剤を加え、通常、50〜70℃程度で、5〜30時間程度の反応条件で行われる。
ラジカル重合に用いられる重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤などは特に限定されず適宜選択して使用することができる。なお、(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、重合開始剤、連鎖移動剤の使用量、反応条件により制御可能であり、これらの種類に応じて適宜のその使用量が調整される。
重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(商品名:VA−057、和光純薬工業(株)製)などのアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジラウロイルパーオキシド、ジ−n−オクタノイルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキシド、過酸化水素、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物系開始剤、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムの組み合わせなどの過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
前記重合開始剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分100重量部に対して、0.005〜1重量部程度であることが好ましい。
本発明において用いられる粘着剤層は、前記(メタ)アクリル系ポリマーの構成単位、構成比率、また、後述する架橋剤の選択及び配合比率等を適宜調節して、(メタ)アクリル系ポリマーを適宜架橋することにより、透明導電層への粘着剤による汚染の低減、粘着力上昇抑制、エッチング液の耐液浸入性に優れたものとなる。
本発明に用いられる架橋剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン系樹脂、アジリジン誘導体、及び金属キレート化合物等が用いられる。これらの中でも、主に適度な凝集力を得る観点から、イソシアネート化合物やエポキシ化合物が特に好ましく用いられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記イソシアネート化合物としては、例えば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)、トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(商品名:コロネートHL、日本ポリウレタン工業(株)製)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名:コロネートHX、日本ポリウレタン工業(株)製)等のイソシアネート付加物等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記エポキシ化合物としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(商品名:TETRAD−X、三菱瓦斯化学(株)製)や1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン(商品名:TETRAD−C、三菱瓦斯化学(株)製)等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記メラミン系樹脂としてはヘキサメチロールメラミン等が挙げられる。アジリジン誘導体としては、例えば、市販品としての商品名HDU(相互薬工(株)製)、商品名TAZM(相互薬工(株)製)、商品名TAZO(相互薬工(株)製)等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記金属キレート化合物としては、金属成分としてアルミニウム、鉄、スズ、チタン、ニッケル等、キレート成分としてアセチレン、アセト酢酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
本発明に用いられる架橋剤の配合量は、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部(固形分)に対し、0.5重量部以上であることが好ましく、1重量部以上であることがより好ましく、2重量部以上であることがさらに好ましい。また、上限値としては、20重量部以下であることが好ましく、15重量部以下であることがより好ましい。配合量が0.5重量部よりも少ない場合、架橋剤による架橋形成が不十分となり、粘着剤層の凝集力が小さくなって、透明導電層への粘着剤による汚染の低減、粘着力上昇抑制ができない場合もある。一方、配合量が20重量部を超える場合、粘着剤層の凝集力が大きく、流動性が低下し、被着体である透明導電性フィルムの透明導電層に対して、濡れが不十分となって、被着体と粘着剤層との間に発生するフクレの原因となる傾向があり、好ましくない。また、これらの架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、本発明において、前記架橋剤と供に、又は、単独で、架橋成分として、放射線反応性不飽和結合を2個以上有する多官能モノマーを配合することができる。かかる場合には、放射線等を照射することにより(メタ)アクリル系ポリマーを架橋させる。一分子中に放射線反応性不飽和結合を2個以上有する多官能モノマーとしては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルベンジル基等の放射線の照射で架橋処理(硬化)することができる1種又は2種以上の放射線反応性を2個以上有す多官能モノマーが挙げられる。また、前記多官能モノマーとしては、一般的には放射線反応性不飽和結合が10個以下のものが好適に用いられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記多官能モノマーの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等を挙げることができる。
前記架橋成分の配合量は、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部(固形分)に対し、30重量部以下であることが好ましく、2〜25重量部であることがより好ましい。
放射線としては、例えば、紫外線、レーザー線、α線、β線、γ線、X線、電子線等が挙げられるが、制御性及び取り扱い性の良さ、コストの点から紫外線が好適に用いられる。より好ましくは、波長200〜400nmの紫外線が用いられる。紫外線は、高圧水銀灯、マイクロ波励起型ランプ、ケミカルランプ等の適宜光源を用いて照射することができる。なお、放射線として紫外線を用いる場合には粘着剤組成物に光重合開始剤を配合する。光重合開始剤としては、放射線反応性成分の種類に応じ、その重合反応の引金となり得る適当な波長の紫外線を照射することによりラジカルもしくはカチオンを生成する物質であればよく、従来より用いられているものを好適に用いることができる。
さらに、本発明で用いられる粘着剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、例えば、着色剤、顔料等の粉体、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、低分子量ポリマー、表面潤滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機又は有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物等を使用する用途に応じて適宜配合することができる。
また、粘着剤組成物の固形分としては、特に限定されるものではなく、20重量%以上であることが好ましく、30重量%以上であることがより好ましい。
本発明において用いられる粘着剤層は、以上のような粘着剤組成物から形成されるものであり、前記(メタ)アクリル系ポリマーを前記架橋剤により架橋することにより得られるものであることが好ましい。また、本発明で用いる耐エッチング性表面保護フィルムは、かかる粘着剤層を支持体上に形成してなるものである。その際、(メタ)アクリル系ポリマーの架橋は、粘着剤組成物の塗布後に行うのが一般的であるが、架橋後の粘着剤組成物からなる粘着剤層を支持体等に転写することも可能である。
(1−3)耐エッチング性表面保護フィルムの製造方法
支持体6上に、粘着剤層7を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、前記粘着剤組成物を支持体6に塗布し、重合溶剤等を乾燥除去して粘着剤層7を支持体6上に形成することにより作製される。その後、粘着剤層7の成分移行の調整や架橋反応の調整等を目的として養生をおこなってもよい。また、粘着剤組成物を支持体6上に塗布して、表面保護フィルムを作製する際には、支持体上に均一に塗布できるよう、粘着剤組成物中に重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
また、前記粘着剤組成物の塗布方法としては、粘着テープ等の製造に用いられる公知の方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法等が挙げられる。
支持体6に塗布した粘着剤組成物を乾燥する際の乾燥条件は、粘着剤組成物の組成、濃度、組成物中の溶媒の種類等によって適宜決定できるものであり、特に限定されるものではないが、例えば、20〜200℃で1秒〜24時間程度で乾燥することができる。
本発明で用いる耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層7の厚みは、エッチング溶液の侵入の抑制の観点から、2μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、4μm以上であることがさらに好ましい。また、厚みの上限値は特に限定されないが、取扱い性の観点から50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。
本発明の積層体は、後述する透明導電性フィルムのノイズシールド用透明導電層上に、前記耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層を貼り合わせることで得ることができる。
前記耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層のノイズシールド用透明導電層に対する粘着力は、0.04N/25mm以上であり、0.08〜2N/25mmであることが好ましい。粘着力が前記範囲にあることで、積層体をエッチング溶液に浸漬した際にも、表面保護フィルムがノイズシールド用透明導電層から剥離することがなく、ノイズシールド用透明導電層を適切に保護できる。また、粘着力が2N/25mmを超える場合は、エッチング処理後、ノイズシールド用透明導電層から表面保護フィルムを剥離する際に、透明導電層が損傷したり、糊残りしたりする場合があり、好ましくない。前記粘着力の測定は、実施例に記載の方法により行うことができる。
前記耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層7を、純水中において100℃、45分の条件で処理した場合に抽出される(メタ)アクリル酸イオン合計量は、粘着剤層7の単位面積あたり、20ng/cm以下であることが好ましく、10ng/cm以下であることがより好ましく、5ng/cm以下であることがさらに好ましい。また、抽出(メタ)アクリル酸イオン合計量の下限値は特に限定されるものではなく、小さければ小さいほど好ましいものであり、理想的には0ng/cmであることが好ましい。抽出(メタ)アクリル酸イオン合計量が、20ng/cmを超える場合には、粘着剤層7から遊離した(メタ)アクリル酸イオンの影響で、透明導電層が腐食し、抵抗値(導電性)が変化しやすくなる傾向があり好ましくない。抽出(メタ)アクリル酸イオン合計量の測定は、実施例に記載の方法により行うことができる。
粘着剤層7から水分中に遊離してくる(メタ)アクリル酸イオンは、一般的に、粘着剤層7中に存在する(メタ)アクリル酸に起因する。上記(メタ)アクリル酸イオンは、高温高湿環境下において透明導電層に移行し、当該透明導電層の抵抗値上昇(腐食)を引き起こす。一般的に、粘着剤組成物に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分として(メタ)アクリル酸を多量(例えば、15重量%以上)に使用した場合には、粘着剤層7中に未反応の(メタ)アクリル酸が残留しやすくなり、粘着剤層7から水分によって遊離してくる(メタ)アクリル酸イオンも増加する傾向にある。例えば、粘着剤層形成時の乾燥を十分に行う、(メタ)アクリル系ポリマーの重合時間を長くする、モノマー成分として用いる(メタ)アクリル酸の量を低減する、等の方法により、遊離してくる(メタ)アクリル酸イオン量を減少することができる。
(2)透明導電性フィルム
(2−1)透明基材
透明基材3としては、透明性を有するものであればよく、例えば、樹脂フィルムや、ガラス等からなる基材(例えば、シート状やフィルム状、板状の基材等)等が挙げられ、樹脂フィルムが特に好ましい。透明基材3の厚さは、特に限定されないが、10〜200μm程度が好ましく、15〜150μm程度がより好ましい。
前記樹脂フィルムの材料としては、特に制限されないが、透明性を有する各種のプラスチック材料が挙げられる。例えば、その材料として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂及びポリエーテルスルホン系樹脂が好ましい。
また、前記透明基材3には、表面に予めスパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化等のエッチング処理や下塗り処理を施して、この上に設けられる電極用透明導電層2及びノイズシールド用透明導電層4の前記透明基材3に対する密着性を向上させるようにしてもよい。また、電極用透明導電層2及びノイズシールド用透明導電層4を設ける前に、必要に応じて溶剤洗浄や超音波洗浄等により除塵、清浄化してもよい。
(2−2)透明導電層
電極用透明導電層2及びノイズシールド用透明導電層4は、金属酸化物により形成された層であることが好ましい。金属酸化物としては、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アンチモン、チタン、珪素、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウム、タングステンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の金属酸化物が好適に用いられる。当該金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子を含んでいてもよい。これらの中でも、インジウム・スズ複合酸化物(ITO)であることが好ましい。電極用透明導電層2及びノイズシールド用透明導電層4は、同じ材料から形成されていてもよく、異なる材料から形成されていてもよい。
電極用透明導電層2、ノイズシールド用透明導電層4の厚さは特に制限されないが、その表面抵抗を1×10Ω/□以下の良好な導電性を有する連続被膜とするには、厚さを10nm以上とするのが好ましい。膜厚が、厚くなりすぎると透明性の低下等をきたすため、15〜35nmであることが好ましく、20〜30nmがより好ましい。電極用透明導電層2、ノイズシールド用透明導電層4の厚さが15nm未満であると膜表面の電気抵抗が高くなり、かつ連続被膜になり難くなる。また、電極用透明導電層2、ノイズシールド用透明導電層4の厚さが35nmを超えると透明性の低下等をきたす場合がある。電極用透明導電層2の厚さと、ノイズシールド用透明導電層4の厚さは、同じであっても異なっていてもよい。また、いずれの透明導電層も、異なる組成の透明導電膜を複数層積層した構造であってもよい。
電極用透明導電層2及びノイズシールド用透明導電層4の形成方法としては特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。具体的には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法を例示できる。また、必要とする膜厚に応じて適宜の方法を採用することもできる。
また、電極用透明導電層2及びノイズシールド用透明導電層4は、非晶質であっても結晶質であってもよい。
また、エッチング処理前の電極用透明導電層2及びノイズシールド用透明導電層4のいずれもが、パターンが形成されていない、全面塗布膜(いわゆる、べた膜)である。
本発明において用いる透明導電性フィルム5においては、前記電極用透明導電層2及びノイズシールド用透明導電層4は、前記透明基材3上に直接形成されているものであるが、電極用透明導電層2やノイズシールド用透明導電層4と、透明基材3との間に、必要に応じて、ブロッキング防止層、光学調整層、ハードコート層等を設けることもできる。
ブロッキング防止層としては、硬化型樹脂層中に微粒子を含有させたものや、硬化型樹脂組成物として相分離する2種以上の成分を含有するコーティング組成物を用いたもの、あるいはこれらを併用することによって、表面に凹凸が形成されたものが好適に用いられる。硬化型樹脂層の成分としては、ハードコート層の各成分として前記したものが好適に用いられる。また、相分離する2種以上の成分を含有するコーティング組成物としては、例えば国際公開第2005/073763号パンフレットに記載の組成物を好適に用いることができる。
光学調整層は、無機物、有機物、あるいは無機物と有機物との混合物により形成される。光学調整層を形成する材料としては、NaF、NaAlF、LiF、MgF、CaF2、SiO、LaF、CeF、Al、TiO、Ta、ZrO、ZnO、ZnS、SiO(xは1.5以上2未満)等の無機物や、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、シロキサン系ポリマー等の有機物が挙げられる。特に、有機物として、メラミン樹脂とアルキド樹脂と有機シラン縮合物の混合物からなる熱硬化型樹脂を使用することが好ましい。光学調整層は、上記の材料を用いて、グラビアコート法やバーコート法等の塗工法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成できる。
光学調整層の厚さは、10〜200nmであることが好ましく、20〜150nmであることがより好ましく、20〜130nmであることがさらに好ましい。
光学調整層は、平均粒径が1nm〜500nmのナノ微粒子を有していてもよい。ナノ微粒子を形成する無機酸化物としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ)、中空ナノシリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ等の微粒子が挙げられる。これらの中でも、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ニオブの微粒子が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。光学調整層中のナノ微粒子の含有量は0.1重量%〜90重量%であることが好ましい。
前記光学調整層等の配置は特に限定されないが、電極用透明導電層2と透明基材3との間には、ブロッキング防止層、光学調整、及びハードコート層から選択される1種以上の層を設けることが好ましい。また、ノイズシールド用透明導電層4と透明基材3との間にも、ブロッキング防止層、光学調整層、及びハードコート層から選択される1種以上の層を設けることが好ましい。
本発明で用いる透明導電性フィルム5は、長尺状の透明導電性フィルム5がロール状に巻回された透明導電性フィルム巻回体とすることができる。また、長尺状の透明導電性フィルム5の巻回体は、長尺状の透明樹脂フィルムのロール状巻回体を用い、前述の透明導電層、及び必要に応じて光学調整層等の付加的な層を、いずれもロール・トゥ・ロール法により形成することによっても形成し得る。
2.タッチパネルセンサの製造方法
本発明のタッチパネルセンサの製造方法は、図3に示すように、透明基材3の一方の面にパターン化された電極用透明導電層2’を有し、他方の面にノイズシールド用透明導電層4を有する透明導電性フィルム5’から形成されるタッチパネルセンサを提供するものである。
本発明のタッチパネルセンサの製造方法は、
本発明の積層体の電極用透明導電層上にパターン形成用マスクを形成する工程、
前記パターン形成用マスクが形成された積層体をエッチング溶液に浸漬して、電極用透明導電層をエッチングする工程、
前記パターン形成用マスクを除去する工程、及び、
前記耐エッチング性表面保護フィルムを除去する工程を含むことを特徴とする。
本発明の積層体は、前述の通りである。
パターン形成用マスクは、例えば、電極用透明導電層上にパターン状のエッチングレジスト膜を、フォトリソグラフィ法、レーザー露光法、印刷法等により形成することができる。
パターンの態様については、特に限定されず、透明導電性フィルムが適用される用途に応じて、ストライプ形状、ダイヤモンド形状等の各種のパターンを形成することができる。
前記パターン形成用マスクが形成された積層体を浸漬するエッチング溶液としては、従来から公知のものが用いられる。エッチング溶液としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸等の有機酸、及びこれらの混合物、並びにそれらの水溶液等を挙げることができる。これらの中でも、塩酸を用いることが好ましい。
積層体をエッチング溶液に浸漬する時間や温度は、特に限定されるものではなく、所望のパターン形状、マスクの種類、エッチング溶液の種類等によって適宜選択することができる。例えば、10重量%塩酸であれば、液温50℃、浸漬時間60秒の条件を採用することができる。
前記パターン形成用マスクが形成された積層体を前記エッチング溶液に浸漬することで、べた膜状であった電極用透明導電層が所望のパターン形状となる。すなわち、図1の積層体を用いた前記製造方法とすることで、図2に示すように、パターン化された電極用透明導電層2’/透明基材3/ノイズシールド用透明導電層4/粘着剤層7/支持体8からなる積層体を得ることができる。
電極用透明導電膜2がパターン化された後、パターン形成用マスクは通常の方法により剥離除去される。具体的には、パターン形成用マスクがエッチングレジスト膜の場合は、アルカリ水溶液により剥離除去することができる。剥離除去に用いられるアルカリ水溶液としては、1〜5重量%の水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等を挙げることができる。
電極用透明導電層2をパターン化した後、必要に応じて、パターン化された電極用透明導電層2’を熱処理してもよい。パターン化された電極用透明導電層2’の構成成分が結晶化されるため、透明性及び導電性を向上させることができるからである。この際の加熱温度は、例えば、100〜180℃であり、処理時間は、例えば1〜180分である。
また、前記耐エッチング性表面保護フィルムは、エッチング処理後に剥離して除去するが、実用に供されるまで保護フィルムとして積層しておいてもよい。
3.タッチパネルセンサ
本発明のタッチパネルセンサは、前記製造方法により形成され、透明基材の一方の面にパターン化された電極用透明導電層を有し、他方の面にノイズシールド用透明導電層を有する透明導電性フィルムから形成される。前記ノイズシールド用透明導電層は、パターンが形成されていない、全面塗布膜(いわゆる、べた膜)である。但し、全面塗布膜は、全面にわたって一切の膜の欠損がないものに限定されない。全面塗布膜は、ノイズシールド機能を損なわない範疇で膜の欠損を有し、基材下地が一部露出する形態であってもよい。全面塗布膜が膜欠損を有する場合、全塗布面積に対する膜欠損面積の比(膜欠損面積/全塗布面積)は0.2以下であることが好ましい。
本発明のタッチパネルセンサは、前記ノイズシールド用透明導電層が表示装置側となるように表示装置に貼り合せることで、表示装置からの電磁波の伝搬を前記ノイズシールド用透明導電層により遮断することができる。
また、本発明のタッチパネルセンサは、前述の透明基材の一方の面にパターン化された電極用透明導電層を有し、他方の面にノイズシールド用透明導電層を有する透明導電性フィルムを含むものであればよく、その他の電極部材等を含んでいてもよい。
以下、本発明に関して実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
ポリエチレン樹脂(商品名:ペトロセン251R、東ソー(株)製)を、インフレーション成形機(ダイス温度:155℃)を用いて成形した後、片面側にコロナ処理を行い、厚さ40μmの基材(1)(支持体)を得た。
冷却管、窒素導入管、温度計、及び撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸ブチル(BA)100重量部、及びアクリル酸(AA)5重量部、重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.20重量部、トルエン300重量部を入れ、60℃で7時間重合し、アクリル系ポリマー(重量平均分子量:45万)を得た。得られたアクリル系ポリマーの固形分100重量部に対して、エポキシ系架橋剤3.0重量部(商品名:TETRAD−C、三菱瓦斯化学(株)製)を添加した混合溶液を、基材(1)のコロナ処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚みが5μmとなるように塗布し、75℃、5分で乾燥し、耐エッチング性表面保護フィルムを作製した。得られた耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層に、剥離フィルム(PETフィルムにシリコーン離型処理がされた剥離フィルム)を貼合し、40℃で2日間放置した。
実施例2
冷却管、窒素導入管、温度計、及び撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)100重量部、及び4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)5重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、酢酸エチル157重量部を入れ、65℃で6時間重合し、アクリル系ポリマー(重量平均分子量:54万)を得た。得られたアクリル系ポリマーの固形分100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤4.0重量部(商品名:コロネートHX、日本ポリウレタン工業(株)製)を添加した混合溶液を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:ルミラーS−10、東レ(株)製)に、乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmとなるように塗布し、75℃、5分で乾燥し、耐エッチング性表面保護フィルムを作製した。得られた耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層に、剥離フィルム(PETフィルムにシリコーン離型処理がされた剥離フィルム)を貼合し、40℃で2日間放置した。
実施例3
冷却管、窒素導入管、温度計、及び撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸2−エチルヘキシル57部、酢酸ビニル40部、アクリル酸3部、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル0.15部、トルエン300部を入れ、60℃で7時間重合し、アクリル系ポリマー(重量平均分子量:43万)を得た。得られたアクリル系ポリマーの固形分100重量部に対して、エポキシ系架橋剤2.0重量部(商品名:TETRAD−C、三菱瓦斯化学(株)製)を添加した混合溶液を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:ルミラーS−10、東レ(株)製)に乾燥後の粘着剤層の厚みが20μmとなるように塗布し、75℃、5分で乾燥し、耐エッチング性表面保護フィルムを作製した。得られた耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層に、剥離フィルム(PETフィルムにシリコーン離型処理がされた剥離フィルム)を貼合し、40℃で2日間放置した。
実施例4
実施例1で得られたアクリル系ポリマー(重量平均分子量:45万)の固形分100重量部に対して、エポキシ系架橋剤9.0重量部(商品名:TETRAD−C、三菱瓦斯化学(株)製)を添加した混合溶液を、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:ルミラーS−10、東レ(株)製)に乾燥後の粘着剤層の厚みが20μmとなるように塗布し、75℃、5分で乾燥し、耐エッチング性表面保護フィルムを作製した。得られた耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層に、剥離フィルム(PETフィルムにシリコーン離型処理がされた剥離フィルム)を貼合し、40℃で2日間放置した。
実施例5
実施例1で得られたアクリル系ポリマーの固形分100重量部に対して、エポキシ系架橋剤0.5重量部(商品名:TETRAD−C、三菱瓦斯化学(株)製)を添加した混合溶液を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:ルミラーS−10、東レ(株)製)に乾燥後の粘着剤層の厚みが5μmとなるように塗布した以外は実施例1と同様にして、耐エッチング性表面保護フィルムを作製した。
比較例1
ポリエチレン樹脂(商品名:ペトロセン251R、東ソー(株)製)からなる基材層とポリエチレン樹脂(商品名:エクセレンFX CX402、住友化学(株)製)からなる粘着剤層をインフレーション成形機を用いて、ダイス温度160℃にて二層押出成形を行い、基材層の厚みが40μm、粘着剤層の厚みが30μmとなるように表面保護フィルムを作製した。
比較例2
ウレタン系ポリマー(商品名:サイアパイン109H、東洋インキ(株)製)100重量部に対して、イソシアネート架橋剤(商品名:コロネートHX、日本ポリウレタン工業(株)製)5重量部、添加剤としてミリスチン酸イソプロピル(商品名:エキセパールIPM、花王(株)製)30重量部、希釈溶剤としてトルエン208重量部からなる混合溶液を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:ルミラーS−10、東レ(株)製)に乾燥後の粘着剤層の厚みが5μmとなるように塗布し、75℃、5分で乾燥し、表面保護フィルムを作製した。得られた表面保護フィルムの粘着剤層に、剥離フィルム(PETフィルムにシリコーン離型処理がされた剥離フィルム)を貼合し、40℃で2日間放置した。
実施例で得られた耐エッチング性表面保護フィルム及び比較例で得られた表面保護フィルムについて、以下の評価を行った。
<(メタ)アクリル酸イオンの合計量>
実施例で得られた耐エッチング性表面保護フィルム及び比較例で得られた表面保護フィルムを、それぞれ10cm×10cmに切断し、剥離フィルムを剥離した後、温度100℃の純水(50mL)中に入れ、45分間煮沸し、煮沸抽出を行い、抽出液を得た。次いで、イオンクロマトグラフ法(イオンクロマトグラフィー)により、上記で得られた抽出液中のアクリル酸イオン及びメタクリル酸イオンの合計量(単位:ng)を測定し、試験片の粘着面(露出した粘着面)の単位面積あたりのアクリル酸イオン及びメタクリル酸イオンの合計量(単位:ng/cm)を算出した。
(イオンクロマトグラフ法の測定条件)
分析装置:DIONEX社製、DX−320
分離カラム:Ion Pac AS15(4mm×250mm)
ガードカラム:Ion Pac AG15(4mm×50mm)
除去システム:ASRS−ULTRA(エクスターナルモード、100mA)
検出器:電気伝導度検出器
溶離液:7mM KOH(0〜20分)
45mM KOH(20〜30分)
(溶離液ジェネレーターEG40を使用)
溶離液流量:1.0mL/分
試料注入量:250μL
<粘着力>
実施例で得られた耐エッチング性表面保護フィルム及び比較例で得られた表面保護フィルムを、それぞれ幅25mm、長さ80mmのサイズに切断し、剥離フィルムを剥離した後、ITOフィルム(幅:70mm、長さ:100mm、日東電工(株)製)のITO面に0.25MPaの圧力でラミネートし、評価サンプルを作製した。ラミネート後、23℃×50%R.H.の環境下に30分間放置した後、万能引張試験機(製品名:TCM−1kNB、ミネベア(株)製)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°で剥離したときの粘着力を測定した。測定は23℃×50%R.H.の環境下で行った。
<エッチング溶液の侵入>
厚みが125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名:O300E、三菱樹脂(株)製)と、酸化インジウム97重量%、酸化スズ3重量%を含む焼結体ターゲットを備えるスパッタ装置を準備した。続いて、上記スパッタ装置を用いて、フィルム基材の一方の面に厚み27nmインジウムスズ酸化物(ITO)層を形成した。前記フィルム基材の他方面にも、同様の方法で、厚み27nmのITO層を形成した。両面にITO層が形成されたフィルム基材を加熱オーブンに入れ、140℃で30分間加熱処理をし、非晶質のITO層を結晶化させて、基材の両面に結晶化ITO層を有するITOフィルム(両面ITOフィルム(1)という)を得た。得られた両面ITOフィルム(1)のITO層の表面抵抗値を4端子法で測定したところ、270Ω/□であった。また、各ITO層の屈折率は、2.1であった。
実施例で得られた耐エッチング性表面保護フィルム及び比較例で得られた表面保護フィルムを、それぞれ幅25mm、長さ80mmのサイズに切断し、剥離フィルムを剥離した後、前記両面ITOフィルム(1)(幅:70mm、長さ:100mm)の一方のITO面に0.25MPaの圧力でラミネートし、評価サンプルを作製した。得られた評価サンプルを、エッチング溶液(10重量%塩酸)に、50℃、60秒浸漬した。エッチング溶液から取り出した評価サンプルの、ITOと粘着剤層界面の様子を観察し、エッチング溶液の侵入の有無を目視で観察した。
<耐腐食性>
実施例で得られた耐エッチング性表面保護フィルム及び比較例で得られた表面保護フィルムを、それぞれ幅70mm、長さ25mmのサイズに切断し、測定サンプルとした。前記サンプルから剥離フィルムを剥離して、長さ70mm、幅25mmに切断した前記両面ITOフィルム(1)の一方のITO層面に、前記サンプルを貼り合せた。23℃の環境下で24時間放置した後、60℃、95%R.H.と80℃のそれぞれの環境下で250時間放置し、「貼付直後の抵抗値」に対する「60℃、95%R.H.、250時間放置後の抵抗値」の割合(%)[=(60℃、95%R.H.、250時間放置後の抵抗値)/(貼付直後の抵抗値)×100(%)]、及び、「貼付直後の抵抗値」に対する「80℃、250時間放置後の抵抗値」の割合(%)[=(80℃、250時間放置後の抵抗値)/(貼付直後の抵抗値)×100(%)]を、それぞれ測定した。なお、抵抗値は、4端子法で測定した。
「貼付直後の抵抗値」に対する「60℃、95%R.H.、250時間放置後の抵抗値」の割合、及び、「貼付直後の抵抗値」に対する「80℃、250時間放置後の抵抗値」の割合が共に120%未満であれば耐腐食性が「良好」、いずれか一方でも120%以上であれば耐腐食性が「不良」と判断した。なお、ブランクとして表面保護フィルムを貼付しない導電性PETフィルムのみで同様の試験を行った結果、「貼付直後の抵抗値」に対する「250時間放置後の抵抗値」の割合は、80℃の条件では110%、60℃、95%R.H.の条件では120%であった。
Figure 2016221925
1 積層体
2 電極用透明導電層
2’ パターン化された電極用透明導電層
3 透明基材
4 ノイズシールド用透明導電層
5 透明導電性フィルム
5’ パターン化された透明導電性フィルム
6 支持体
7 粘着剤層
8 耐エッチング性表面保護フィルム

Claims (6)

  1. 透明基材の一方の面に電極用透明導電層を有し、他方の面にノイズシールド用透明導電層を有する透明導電性フィルムと、支持体の一方の面に粘着剤層を有する耐エッチング性表面保護フィルムが、前記透明導電性フィルムのノイズシールド用透明導電層と、前記耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層が接するように貼り合わされており、
    前記耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層のノイズシールド用透明導電層に対する粘着力が、0.04N/25mm以上であることを特徴とする積層体。
  2. 前記耐エッチング性表面保護フィルムの粘着剤層が、(メタ)アクリル系ポリマーを含有するアクリル系粘着剤組成物から形成されたものであり、
    前記粘着剤層を、純水中において100℃、45分の条件で処理した場合に抽出されるアクリル酸イオン及びメタクリル酸イオンの合計量が、前記粘着剤層の単位面積あたり20ng/cm未満であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記粘着剤層の厚さが、2μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記支持体の粘着剤層を有さない面に、表面処理がなされていないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の積層体の電極用透明導電層上にパターン形成用マスクを形成する工程、
    前記パターン形成用マスクが形成された積層体をエッチング溶液に浸漬して、電極用透明導電層をエッチングする工程、
    前記マスクを除去する工程、及び、
    前記耐エッチング性表面保護フィルムを除去する工程を含むことを特徴とする、
    透明基材の一方の面にパターン化された電極用透明導電層を有し、他方の面にノイズシールド用透明導電層を有する透明導電性フィルムから形成されるタッチパネルセンサの製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造方法により得られた、透明基材の一方の面にパターン化された電極用透明導電層を有し、他方の面にノイズシールド用透明導電層を有する透明導電性フィルムから形成されることを特徴とするタッチパネルセンサ。
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