JP2016220856A - 歯科用シリンジ - Google Patents

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Abstract

【課題】 流量を細かく調節することができる歯科用シリンジを提供する。
【解決手段】 流路を形成するバルブ12の内壁に、内側に向けて流路に突出した突出部17を形成し、突出部17に、バルブ下面部とバルブ平坦部20との連接箇所である角部21を形成する。一方、スプール15の下端に、突出部17に向けて突状に湾曲した湾曲部18を形成し、湾曲部18に、直径が最大である流量第一制御部23と、この流量第一制御部23よりも上方に向かうにつれて直径が徐々に縮径した流量第二制御部24とを形成する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、例えば歯科治療に用いられる歯科用シリンジに関するものである。
従来、歯科治療では、患者の口腔内に水やエアーなどの流体を噴射する器具であるシリンジが用いられる。例えば、水を噴射することで口腔内を洗浄し、また、薬剤を塗布する前にエアーを噴射することで、歯を絶乾状態にする。このようなシリンジの流路の開閉は、流路に配置されたスプールを移動させることで流路を開閉する弁構造が用いられる。下記特許文献1に記載された照明装置内蔵型歯科用シリンジは、レバーを操作することで、弁棒がボール弁を押し、ボール弁とシール材との間に隙間が生じ、エアーが流体管路を経てノズルから吐出されるが、レバーの操作に比例した流量が吐出される。また、流量を調整するような弁構造は様々な分野で用いられており、例えば、下記特許文献2に記載された電磁スプール弁装置がある。
この電磁スプール弁装置は、流路に複数のポートが形成され、スプールを移動させることで各流路の連通状態を、原位置状態、第1リフト状態および第2リフト状態の三段階に切り換えるものである。すなわち、原位置状態では、第1インレットポートと第1アウトレットポートとが連通して第1アウトレットポートから流体が導出されると共に、第2インレットポートと第3アウトレットポートとが連通して第3アウトレットポートから流体が導出される。第1リフト状態では、第1インレットポートと第2アウトレットポートとが連通して第2アウトレットポートから流体が導出されると共に、第2インレットポートと第3アウトレットポートとが連通して第3アウトレットポートから流体が導出される。第2リフト状態では、第1インレットポートと第1アウトレットポートとが連通して第1アウトレットポートから圧力流体が導出されると共に、第2インレットポートと第4アウトレットポートとが連通して第4アウトレットポートから流体が導出される。
特開平7−275273号公報 特開2009−287613号公報
しかし、特許文献2に記載された電磁スプール弁装置は、上記したとおり、複数の流路に複数のポートが形成され、スプールを移動させることで各流路の連通状態を、原位置状態、第1リフト状態および第2リフト状態の三段階に切り換えるものであるため、構造が複雑であり、また、定まった三つの状態における流量以外の流量に調節することができない。
本発明は、上記の実情に鑑みて提案されたものである。すなわち、流量を細かく調節することができる歯科用シリンジの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る歯科用シリンジは、手動式操作部が操作されることで、流路を閉塞する弁部材が、前記流路に配置されたスプールに押され、前記流路が開放されて流体が前記流路の内壁と前記スプールとの空隙を流通する歯科用シリンジにおいて、前記流路の内壁に、前記流路に向けて突出した突出部が形成され、前記スプールに、前記流路の内壁に向けて突状に湾曲した湾曲部が形成され、前記突出部と前記湾曲部とから前記空隙が形成された、ことを特徴とする。
本発明に係る歯科用シリンジは、前記湾曲部に、この湾曲部における直径が最大である流量第一制御部と、この流量第一制御部よりも流体の下流側に向かうにつれて直径が徐々に縮径した流量第二制御部と、が形成された、ことを特徴とする。
本発明に係る歯科用シリンジは、前記スプールに、流体の上流側で前記流量第一制御部と同径の流量第三制御部が前記流量第一制御部に連接された、ことを特徴とする。
本発明に係る歯科用シリンジは上記した構成である。すなわち、手動式操作部が操作されることで、流路においてスプールが移動して流路が開放されると、流体が流路の内壁とスプールとの空隙を流通する。空隙は突出部と湾曲部とで形成されているため、スプールが移動して突出部と対面する湾曲部の位置が変化する毎に、空隙の形状は変化する。すなわち、空隙は、突出部に対する湾曲部の位置に応じて、湾曲部に沿って徐々に広がる。そのため、流量は、スプールの変位に比例せず、スプールの変位に対して非線形の関係で緩やかに増加する。したがって、任意の広さと形状の空隙を手動で形成することで、空隙の広さと形状に応じて流量を細かく調節することができ、スプールの変位と流量との関係を非線形にすることができる。
本発明に係る歯科用シリンジは、湾曲部に、この湾曲部における直径が最大である流量第一制御部と、この流量第一制御部よりも流体の下流側に向かうにつれて直径が徐々に縮径した流量第二制御部とが形成されている。この構成により、空隙は、突出部と流量第一制御部との間で最小となり、また、空隙は、突出部と流量第二制御部との間で、スプールの移動に応じて徐々に広がる。すなわち、空隙が流量第一制御部から流量第二制御部に沿って徐々に広がり、空隙の広さと形状に応じて、流量がスプールの変位に対して非線形の関係で緩やかに増加する。したがって、空隙の広さと形状に応じて流量を細かく調節することができ、スプールの変位と流量との関係を非線形にすることができる。
本発明に係る歯科用シリンジは、スプールに、流体の上流側で流量第一制御部と同径の流量第三制御部が流量第一制御部に連接されたている。この構成により、空隙は、流量第一制御部と同様に、突出部と流量第三制御部との間でも最小となる。すなわち、スプールにおいて、突出部との空隙を最小とする部分が、流量第一制御部のみの場合と比較して増えるため、流量がさらに緩やかに変化する。したがって、空隙の広さに応じて流量を細かく調節することができ、スプールの変位と流量との関係を非線形にすることができる。
本発明の第一実施形態に係る歯科用シリンジの外観が示された外観斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る歯科用シリンジが分解されて示された分解斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る歯科用シリンジの正面および断面が示され、(a)が正面図、(b)が上方から視した上方A−A断面図、(c)が側面から視した側面B−B断面図である。 本発明の第一実施形態に係る歯科用シリンジの断面が示され、(a)が側面から視した側面C−C拡大断面図、(b)が背面から視した背面D−D拡大断面図である。 本発明の第一実施形態に係る歯科用シリンジの流路の内壁が示された拡大断面図である。 本発明の第一実施形態に係る歯科用シリンジのスプールが示された拡大図である。 本発明の第一実施形態に係る歯科用シリンジの動作の過程が示された動作説明断面図である。 本発明の第一実施形態に係る歯科用シリンジの動作の過程が示された動作説明断面図である。 本発明の第一実施形態に係る歯科用シリンジの動作と流量との関係が示されたグラフである。 本発明の第二実施形態に係る歯科用シリンジの動作の過程が示された動作説明断面図である。 本発明の第二実施形態に係る歯科用シリンジの動作の過程が示された動作説明断面図である。 本発明の第二実施形態に係る歯科用シリンジの動作と流量との関係が示されたグラフである。
以下に、本発明の第一実施形態に係る歯科用シリンジを図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る歯科用シリンジ10の外観が示されている。なお、以下の説明では、図1において、歯科用シリンジ10の長手方向を上下方向とし、軸方向と直交する方向を側方とする。また、上下方向は、上方を流体の下流側とし、下方を流体の上流側とする。
第一実施形態に係る歯科用シリンジは、手動式操作部が操作されることで、流路を閉塞する弁部材が、流路に配置されたスプールに押され、流路が開放されて液体や気体などの流体が、流路の内壁とスプールとの空隙を流通するものである。図1に示されているとおり、歯科用シリンジ10は、長手の筒状に形成された把持部材1の下端にホース2が取り付けられ、上端にヘッド部材3が取り付けられている。ヘッド部材3は、流体が噴射するノズル4と、流体を噴射させる手動式操作部5とが取り付けられている。すなわち、手動式操作部5が操作されることで、ホース2を通って流入した流体が、把持部材1およびヘッド部材3の内側に形成された流路を通ってノズル4から噴射される。
次に、歯科用シリンジ10を図面に基づいてさらに詳説する。図2は、分解された歯科用シリンジ10が示され、図3および図4は、歯科用シリンジ10の側面と断面が示されている。
図2〜図4に示されているとおり、ヘッド部材3は上下と側方がそれぞれ貫通して内側に流路が形成されている。ヘッド部材3の下方は、把持部材1との気密性を保持するOリング44が外周に取り付けられている。
ヘッド部材3の側方は、筒状に形成された着脱部レバー6の内側に、着脱部本体7がスプリング8と共に取り付けられている。着脱部本体7は、ヘッド部材3に近い側にOリング40,41が取り付けられ、ヘッド部材3から遠い側にノズル4がOリング42,43と共に取り付けられている。ノズル4は、ボール9によって着脱部本体7に係止されている。
ヘッド部材3の流路は、ヘッド部材3の下方から取り付けられたシリンジフィッティング11と、ヘッド部材3の上方から取り付けられたバルブ12と、シリンジフィッティング11とバルブ12との間に配置された弁部材13および弁部スプリング14と、ヘッド部材3の上方から取り付けられてバルブ12の上方に配置された手動式操作部5と、この手動式操作部5とバルブ12との間に配置されたスプール15およびスプールスプリング16と、流路と各部材との間をシールするOリング45〜49とが取り付けられている。
シリンジフィッティング11は、外周にOリング45が取り付けられてヘッド部材3の下端に取り付けられている。このシリンジフィッティング11の上方は、弁部スプリング14が取り付けられ、この弁部スプリング14の上方に、球状に形成された弁部材13が取り付けられている。弁部スプリング14は、弁部材13とシリンジフィッティング11との間で、弾性力に反発して委縮した状態で配置されている。弁部材13の上方は、バルブ12が取り付けられている。
ここで、バルブ12について図面に基づいて説明する。図5は、本実施形態に係る歯科用シリンジ10のバルブ12の断面が示されている。
図5に示されているとおり、バルブ12は、ほぼ筒状であり、外周にOリング47が取り付けられて流路に配置され、内側が流路と連通している。この様に流路を形成するバルブ12の内壁は、内側に向けて流路に突出した突出部17が形成されている。突出部17は、バルブの内壁から内側に向けてほぼ垂直に連接されたバルブ下面部19と、このバルブ下面部19とほぼ直角に連接されたバルブ平坦部20と、バルブ下面部19とバルブ平坦部20との連接箇所である角部21と、バルブ平坦部20とアール状に連接されたバルブ上面部22とが形成されている。
上記のとおり形成されたバルブ12は、図2〜図4に示されているとおり、バルブ下面部19にOリング46が取り付けられ、弁部スプリング14の弾性力によって弁部材13がOリング46に押し付けられている。すなわち、突出部17において、Oリング46を介して弁部材13によって流路が閉塞されている。バルブ上面部22は、スプールスプリング16が取り付けられ、このスプールスプリング16の内側にスプール15が取り付けられている。
ここで、スプール15について図面に基づいて説明する。図6は、本実施形態に係る歯科用シリンジ10のスプール15の外観が示されている。
スプール15は、スプールスプリング16の内側に収まる大きさに形成されている。図6に示されているとおり、スプール15の下端は、バルブ12の突出部17に向けて突状に湾曲した湾曲部18が形成され、突出部17のバルブ平坦部20と対面して空隙を形成している。湾曲部18は、この湾曲部18における直径が最大である流量第一制御部23と、この流量第一制御部23よりも上方に向かうにつれて直径が徐々に縮径した流量第二制御部24とが形成されている。スプール15の中程は、湾曲部18の上方で湾曲部18よりも縮径して湾曲部18に連接された棒状の棒状部25が形成されている。棒状部25は、上方に向かうにつれて直径が徐々に拡径している。スプール15の上端は、スプールスプリング16に内接される基部26が形成されている。
図2〜図4に示されているとおり、手動式操作部5は、スプール15の上方に取り付けられたボタン28と、このボタン28の上方に取り付けられたプレート29と、このプレート29の上方に取り付けられたシリンジレバー30とから構成されている。ボタン28は外周にOリング48,49が取り付けられてヘッド部材3の上方に取り付けられている。ボタン28の下方は、スプール15およびスプールスプリング16が取り付けられている。スプールスプリング16は、スプール15の上端に形成された鍔部とバルブ12のバルブ上面部22との間に配置され、ボタン28(スプール15)とバルブ12との間で、弾性力に反発して委縮した状態で配置されている。すなわち、スプールスプリング16によってスプール15がボタン28に押さえ付けられてボタン28と共に付勢され、スプール15は、ボタン28から下方に離れないように押さえられている。一方、ボタン28の上方は、ヘッド部材3の上方から一部が露出している。シリンジレバー30が操作されることで、プレート29を介してボタン28が上下に移動し、スプールスプリング16が伸縮すると共にスプール15が上下に移動する。
上記したとおり、歯科用シリンジ10が形成されている。次に、歯科用シリンジ10の作用を図面に基づいて説明する。図7および図8は、第一実施形態に係る歯科用シリンジ10の動作の過程が示され、図9は、スプール15のストロークと流量との関係がグラフで示されている。
図7(a)に示されているとおり、シリンジレバー30が押されていない状態において、スプール15は下端の湾曲部18が、バルブ12のバルブ平坦部20に対面している。すなわち、バルブ12の突出部17において、Oリング46を介して弁部材13によって流路が閉塞されている。したがって、流体が流通していない(図9の符号60参照)。
図7(b)に示されているとおり、シリンジレバー30がわずかに押された状態において、スプール15が下方に移動して弁部材13が押され、弁部材13がOリング46から離れて流路が開放される。その際、スプール15の下端の湾曲部18は、流量第一制御部23がバルブ12の角部21に対面する。この状態で、流体が角部21と流量第一制御部23との空隙を流通する(図9の符号61参照)。シリンジレバー30が徐々に押されると、弁部材13がOリング46からさらに離れ、スプール15の下端の湾曲部18は、流量第二制御部24がバルブの角部21に対面して空隙が徐々に広がる。スプール15の移動に応じて、角部21と対面する流量第二制御部24の位置が変化し、空隙が流量第二制御部24に沿って徐々に広がり、流量は、スプール15の変位に対して非線形の関係で緩やかに増加する(図9の符号62参照)。
図8に示されているとおり、シリンジレバー30が最も押された状態において、スプール15の中程の棒状部25がバルブ12の角部21に対面して空隙が広がる。この状態で、流体が角部21と棒状部25との空隙を流通する(図9の符号63参照)。
ここで、棒状部25が角部21に対面した際の流量を100%とした場合、流量第二制御部24が角部21と対面した際の流量は、スプール15の移動に応じて空隙が流量第一制御部23から流量第二制御部24に沿って徐々に広がるにつれて、約1.7%から約96%まで変化する(図9の符号62参照)。
上記したとおり、歯科用シリンジ10が構成されている。次に、第一実施形態の効果を説明する。
上記したとおり、第一実施形態によれば、流路を形成するバルブ12の内壁は、内側に向けて流路に突出した突出部17が形成されている。突出部17は、バルブ下面部19とバルブ平坦部20との連接箇所である角部21が形成されている。一方、スプール15の下端は、突出部17に向けて突状に湾曲した湾曲部18が形成されている。湾曲部18は、この湾曲部18における直径が最大である流量第一制御部23と、この流量第一制御部23よりも上方に向かうにつれて直径が徐々に縮径した流量第二制御部24とが形成されている。空隙が、角部21(バルブ平坦部20)と湾曲部18とで形成され、角部21(バルブ平坦部20)と流量第一制御部23との間で最小となり、角部21(バルブ平坦部20)と流量第二制御部24との間で、スプール15の移動に応じて徐々に広がる。すなわち、シリンジレバー30が徐々に押されると、弁部材13がOリング46から離れ、湾曲部18は、流量第二制御部24がバルブの角部21に対面して空隙が徐々に広がる。スプール15の移動に応じて、角部21と対面する流量第二制御部24の位置が変化し、空隙が流量第二制御部24に沿って徐々に広がり、流量は、スプール15の変位に比例せず、スプール15の変位に対して非線形の関係で緩やかに増加する。したがって、空隙の広さと形状に応じて流量を細かく調節することができる。また、スプール15の変位と流量との関係を非線形にすることができる。
第一実施形態によれば、スプール15を移動させて角部21と流量第二制御部24とを対面させて形成した空隙では、スプール15の移動に応じて空隙が流量第一制御部23から流量第二制御部24に沿って徐々に広がるにつれて、流量が約1.7%から約96%まで変化する。したがって、流量を細かく調節することができる。
次に、本発明に係る第二実施形態について図面に基づいて説明する。図10および図11は、第二実施形態に係る歯科用シリンジ10の動作の過程が示され、図12は、スプール15のストロークと流量との関係がグラフで示されている。なお、以下では、第一実施形態と異なる構成のみが説明され、同じ構成については説明が省略されて図面において同一の符号が付されている。
図10(a)に示されているとおり、歯科用シリンジ10のスプール15の下端は、ほぼ円柱状に形成され、流量第一制御部23と同径の流量第三制御部27が流量第一制御部23の下方に連接されている。流量第三制御部27は、バルブ12のバルブ平坦部20と対面して平坦に形成されている。シリンジレバー30が押されていない状態において、流体は流通していない(図12の符号64参照)。
図10(b)に示されているとおり、シリンジレバー30がわずかに押された状態では、スプール15の下端は、流量第三制御部27がバルブ12の角部21に対面する。この状態で、流体が角部21と流量第三制御部27との空隙を流通する(図12の符号65参照)。
図11(a)に示されているとおり、シリンジレバー30が徐々に押されると、弁部材13はOリング46からさらに離れるが、スプール15の下端は、流量第三制御部27がバルブ12の角部21に対面し続ける(図12の符号66参照)。シリンジレバー30がさらに押されると、弁部材13がOリング46からさらに離れ、スプール15の下端は、流量第一制御部23を通過し、流量第二制御部24がバルブ12の角部21に対面して空隙が徐々に広がる。スプール15の移動に応じて、角部21と対面する流量第二制御部24の位置が変化し、空隙が流量第二制御部24に沿って徐々に広がり、流量は、スプール15の変位に対して非線形の関係で緩やかに増加する(図12の符号67参照)。
図11(b)に示されているとおり、シリンジレバー30が最も押された状態において、スプール15の中程の棒状部25がバルブ12の角部21に対面して空隙が広がる。この状態で、流体が角部21と棒状部25との空隙を流通する(図12の符号68参照)。
上記したとおり、歯科用シリンジ10が構成されている。次に、第二実施形態の効果を説明する。
上記したとおり、第二実施形態によれば、スプール15の下端は、ほぼ円柱状に形成され、流量第一制御部23と同径の流量第三制御部27が流量第一制御部23の下方に連接されている。この構成により、空隙は、流量第一制御部23と同様に、角部21と流量第三制御部27との間でも最小となる。このことにより、シリンジレバー30が徐々に押されると、弁部材13はOリング46から離れるが、スプール15の下端は、流量第三制御部27がバルブ12の角部21に対面し続ける。すなわち、スプール15において、角部21との空隙を最小とする部分が、流量第一制御部23のみの場合と比較して増えるため、流量がさらに緩やかに変化する。したがって、空隙の広さに応じて流量を細かく調節することができる。また、スプール15の変位と流量との関係を非線形にすることができる。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
1 把持部
2 ホース
3 ヘッド部材
4 ノズル
5 手動式操作部
6 着脱部レバー
7 着脱部本体
8 スプリング
9 ボール
10 歯科用シリンジ
11 シリンジフィッティング
12 バルブ
13 弁部材
14 弁部スプリング
15 スプール
16 スプールスプリング
17 突出部
18 湾曲部
19 バルブ下面部
20 バルブ平坦部
21 角部
22 バルブ上面部
23 流量第一制御部
24 流量第二制御部
25 棒状部
26 基部
27 流量第三制御部
28 ボタン
29 プレート
30 シリンジレバー
40〜49 Oリング

Claims (3)

  1. 手動式操作部が操作されることで、流路を閉塞する弁部材が、前記流路に配置されたスプールに押され、前記流路が開放されて流体が前記流路の内壁と前記スプールとの空隙を流通する歯科用シリンジにおいて、
    前記流路の内壁に、前記流路に向けて突出した突出部が形成され、
    前記スプールに、前記流路の内壁に向けて突状に湾曲した湾曲部が形成され、
    前記突出部と前記湾曲部とから前記空隙が形成された、
    ことを特徴とする歯科用シリンジ。
  2. 前記湾曲部に、
    この湾曲部における直径が最大である流量第一制御部と、
    この流量第一制御部よりも流体の下流側に向かうにつれて直径が徐々に縮径した流量第二制御部と、が形成された、
    ことを特徴とする請求項1に記載された歯科用シリンジ。
  3. 前記スプールに、流体の上流側で前記流量第一制御部と同径の流量第三制御部が前記流量第一制御部に連接された、
    ことを特徴とする請求項2に記載された歯科用シリンジ。
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