JP2016220355A - 非接触電力伝送回路及び非接触電力伝送装置 - Google Patents

非接触電力伝送回路及び非接触電力伝送装置 Download PDF

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【課題】一方側(電力を供給する側:一次側)の一方コイル部材と他方側(電力が供給される側:二次側)の他方コイル部材との距離を長くする。【解決手段】一方コイル部材2と他方コイル部材5の間に中継コイル部材21を配置したので、磁気共鳴方式において、中継コイルを介して一方コイル部材2から他方コイル部材5に向けてコイル電流を確保し、各コイル部材の間の距離のトータルにより、一方側(電力を供給する側:一次側)の一方コイル部材2と他方側(電力が供給される側:二次側)の他方コイル部材5との距離Dを確保する。【選択図】図1

Description

本発明は、一方側(電力を供給する側:一次側)から他方側(電力が供給される側:二次側)に非接触で電力を送る非接触電力伝送回路及び非接触電力伝送装置に関する。
一方側(電力を供給する側:一次側)から他方側(電力が供給される側:二次側)に非接触で電力を送る非接触充電技術としては、電磁誘導を利用した非接触充電方式と磁気共鳴を利用した非接触充電方式とが知られている。磁気共鳴方式を利用した電力伝送の技術として、特許文献1に開示する非接触給電システムが知られている。特許文献1に開示された技術は、一次側、二次側のコイルとして複数のコイルを並設し、一次側のコイルから二次側のコイルに磁気共鳴方式を利用して電力を伝送する電力伝送回路を有している。
一次側、二次側のコイルとして複数のコイルを並設したことで、一次側のコイルの間隔(一次側コイルの幅)、及び、二次側のコイルの間隔(二次側コイルの幅)をある程度大きくすることができる。このため、例えば、電気自動車に対する充電装置、電気自動車と家屋との双方向の送電装置に対し、利便性良く適用できる環境を構築することができる。
一方、一次側から二次側に非接触で電力を送る非接触充電技術の適用として、高い箇所に設置された電力消費部材への給電、例えば、送電鉄塔の航空障害灯への給電に適用することが考えられる。非接触充電技術を適用することにより、電気絶縁距離を確保しながらの給電が可能になる。これまで、送電鉄塔の航空障害灯への給電に非接触で電力を供給する技術を適用する場合、架空地線からの誘導電流や太陽光発電付蓄電池等が用いられている。しかし、架空地線からの誘導電流を用いた場合、雷撃による電圧の上昇が生じる問題があり、太陽光発電付蓄電池を用いた場合、蓄電池の保守点検のための高所作業が必要になってしまう。
電圧の上昇や高所作業を減らすため、磁気共鳴方式における一次側のコイル、二次側のコイルとして複数のコイルを並設し、非接触で高所まで電力を供給することが考えられる。この場合、一次側のコイルの幅と二次側のコイルの幅をある程度大きくすることができるが、一次側のコイルの端部と二次側コイルの端部との間隔を大きくすることはできない。即ち、一次側のコイルの端部と二次側のコイルの端部との距離を長くすることはできず、送電鉄塔の地上近傍から最上部近傍までの長い距離を非接触で電力を送ることは困難である。このため、送電鉄塔等、高い構造物で電力供給装置を地上近傍に設けざるを得ない構造物の最上部近傍までの電力供給に対して、非接触の電力伝送装置が適用されていないのが現状である。
特開2014−217117号公報
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、一方側(電力を供給する側:一次側)の一方コイル部材と他方側(電力が供給される側:二次側)の他方コイル部材との距離を長くすることができる非接触電力伝送回路を提供することを目的とする。
また、本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、一方側(電力を供給する側:一次側)の一方コイル部材と他方側(電力が供給される側:二次側)の他方コイル部材との距離を長くすることができる非接触電力伝送回路を備えた非接触電力伝送装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の非接触電力伝送回路は、一方側の一方コイルと前記一方コイルに並列に接続された一方コンデンサとで閉回路を形成して一方コイル部材とし、他方側の他方コイルと前記他方コイルに並列に接続された他方コンデンサとで閉回路を形成して他方コイル部材とする一方、中継コイルと前記中継コイルに並列に接続された中継コンデンサとで閉回路を形成して中継コイル部材とし、前記一方コイル部材と前記他方コイル部材との間に、前記中継コイル部材を少なくとも一つ配置したことを特徴とする。
請求項1に係る本発明では、磁気共鳴方式において、一方コイル部材と他方コイル部材との間に、中継コイル部材を少なくとも一つ配置したので、中継コイルを介して一方コイル部材から他方コイル部材に向けてコイル電流を確保し、各コイル部材の間の距離のトータルにより、一方側(電力を供給する側:一次側)の一方コイル部材と他方側(電力が供給される側:二次側)の他方コイル部材との距離を確保することができる。
この結果、一方側(一次側)の一方コイル部材と他方側(二次側)の他方コイル部材との距離を長くすることが可能になる。中継コイル部材の数を任意に選択することで、一方コイル部材と他方コイル部材との距離を任意の所望の距離に設定することができる。
そして、請求項2に係る本発明の非接触電力伝送回路は、請求項1に記載の非接触電力伝送回路において、前記中継コイル部材は2つ以上配置され、前記一方コイル部材と前記中継コイル部材の距離、前記中継コイル同士の距離、前記中継コイル部材と前記他方コイル部材との距離は、同じ距離に設定されていることを特徴とする。
請求項2に係る本発明では、一方コイル部材と中継コイル部材の距離、中継コイル同士の距離、中継コイル部材と他方コイル部材との距離が等しくなり、各コイルの損失(導線損失)を均等にすることができる。
また、請求項3に係る本発明の非接触電力伝送回路は、請求項1もしくは請求項2に記載の非接触電力伝送回路において、前記中継コイル部材は、少なくとも前記中継コイルが絶縁体に保持されていることを特徴とする。
請求項3に係る本発明では、中継コイルが絶縁体に保持されて中継コイル部材となっているので、一方コイル部材と他方コイル部材との間の電気絶縁を確実に確保することができる。
また、請求項4に係る本発明の非接触電力伝送回路は、請求項3に記載の非接触電力伝送回路において、前記中継コイルは、前記一方コイル、前記他方コイルに対して方向性が存在しないコイルであることを特徴とする。
請求項4に係る本発明では、絶縁体に保持された中継コイルの方向性が問われないため、絶縁体で中継コイルを保持した部材の設置方向の制約がなく扱いが容易となる。
上記目的を達成するための請求項5に係る本発明の非接触電力伝送装置は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の非接触電力伝送回路と、直流電源が接続され、前記直流電源の直流出力電圧を交流電圧に変換すると共に、変換した交流電圧が前記他方コイルに印加されるように前記一方コイルが接続されてインバータとして駆動される一方電力変換装置と、前記他方コイルに接続され、前記他方コイルを介して印加される交流電圧を直流出力電圧に変換し、直流出力電圧を直流負荷に印加するコンバータとして駆動される他方電力変換装置とを備えたことを特徴とする。
請求項5に係る本発明では、一方側(一次側)の一方コイル部材と他方側(二次側)の他方コイル部材との距離を確保した状態で、インバータおよびコンバータを介した電力伝送を行うことができる。
本発明の非接触電力伝送回路は、一方側(電力を供給する側:一次側)の一方コイル部材と他方側(電力が供給される側:二次側)の他方コイル部材との距離を長くすることが可能になる。
また、本発明の非接触電力伝送装置は、一方側(電力を供給する側:一次側)の一方コイル部材と他方側(電力が供給される側:二次側)の他方コイル部材との距離を長くすることができる非接触電力伝送回路を備えた非接触電力伝送装置とすることが可能になる。
本発明の一実施例に係る非接触電力伝送回路を備えた非接触電力伝送装置の概略系統図である。 コイルの配置説明図である。 本発明の一実施例に係る非接触電力伝送回路の等価回路図である。 比較例に係る非接触電力伝送回路の等価回路図である。 結合係数を説明する表図である。 入力インピーダンスの周波数特性を表すグラフである。 電力伝送効率を表すグラフである。 コイルの損失状況を説明するグラフである。 本発明の一実施例に係る非接触電力伝送装置の適用例の説明図である。
図1から図2に基づいて本発明の非接触電力伝送回路、及び、非接触電力伝送装置の構成を説明する。
図1には本発明の一実施例に係る非接触電力伝送回路を備えた非接触電力伝送装置の全体の概略を説明する概略系統、図2には一方コイル部材、他方コイル部材、中継コイル部材の配置の状況を示してある。
図1に示すように、非接触電力伝送装置1は、一方コイル部材2を備えた一方側(電力を供給する側:一次側)の設備(電源装置)である一次側設備3と、他方コイル部材5を備えた他方側(電力が供給される側:二次側)の設備である二次側設備6とを備えている。
二次側設備6の例としては、例えば、送電鉄塔の航空障害灯が適用される。具体的には後述するが、一次側設備3としての電源装置を送電鉄塔の下に設置することで、高い箇所である送電鉄塔の上部に設置された航空障害灯への給電を地上の電源装置から絶縁部位を介在させて実施することができる。
図2に示すように、一方コイル部材2は、一方コイル4と一方コイル4に並列に接続された一方コンデンサ8とで閉回路が形成されて構成されている。また、他方コイル部材5は、他方コイル7と他方コイル7に並列に接続された他方コンデンサ9とで閉回路が形成されて構成されている。
図1に示すように、一次側設備3には直流電源11が備えられ、直流電源11には一方電力変換装置としてのインバータ12が接続され、インバータ12には一方コイル部材2の一方コイルが接続されている。インバータ12は、直流電源11の直流出力電圧を交流電圧に変換し、一方コイル4を介して変換した交流電圧が他方コイル7に印加されるように駆動される。
二次側設備6には負荷15(直流負荷:例えば、航空障害灯)が備えられ、負荷15には他方電力変換装置としての整流器16が接続され、整流器16は他方コイル7に接続されている。整流器16は、他方コイル7を介して印加される交流電圧を直流出力電圧に変換し、直流出力電圧を負荷15に印加するコンバータとして駆動される。
図1、図2に示すように、一方コイル部材2と他方コイル部材5の間には、中継コイル部材21が2個配置されている。中継コイル部材21は、中継コイル22と中継コイル22に並列に接続された中継コンデンサ23とで閉回路が形成されて構成されている。中継コイル部材21は、少なくとも一つ配置されていればよく、3個以上配置されていてもよい。隣接するコイル部材同士(コイル同士)が共振回路を構成している。
一方コイル部材2と他方コイル部材5の間に中継コイル部材21を配置したので、磁気共鳴方式において、中継コイル22を介して一方コイル部材2から他方コイル部材5に向けてコイル電流を確保し、各コイル部材の間の距離のトータルにより、一次側(電力を供給する側)の一方コイル部材2と二次側(電力が供給される側)の他方コイル部材5との距離Dを確保することができる。
このため、一次側の一方コイル部材2と二次側の他方コイル部材5との距離Dを長くすることが可能になる。中継コイル部材21の数を任意に選択することで、一方コイル部材2と他方コイル部材5との距離Dを任意の所望の距離に設定することができる。
図2に示すように、一方コイル部材2と中継コイル部材21の間の距離S、中継コイル部材21の間の距離S、中継コイル部材21と他方コイル部材5の間の距離Sは同じ距離に設定され、一次側の一方コイル部材2と二次側の他方コイル部材5との間の距離Dは、距離Sの3倍(3S)に設定されている。
一方コイル部材2と中継コイル部材21の距離S、中継コイル部材21同士の距離S、中継コイル部材21と他方コイル部材5との距離Sを等しくしたので、各コイルの損失(導線損失)を均等にすることができる。
そして、図には省略したが、中継コイル部材21の中継コイル22、中継コンデンサ23は、絶縁体(例えば、碍子)で覆い固められた部材として構成されている。尚、絶縁体としては、コンクリート、ガラス、発泡スチロール等を適用することができる。中継コイル22が絶縁体に保持されて中継コイル部材21となっているので、一方コイル部材2と他方コイル部材5との間の電気絶縁を確実に確保することができる。
中継コイル22は、一方コイル4、他方コイル7に対して方向性が存在しないコイルで形成されている。このため、絶縁体(例えば、碍子)で保持された中継コイルの方向性が問われず、中継コイル22が覆い固められた部材の設置方向の制約がなく扱いが容易となる。
上記構成の非接触電力伝送回路を備えた非接触電力伝送装置1では、直流電源11からの直流出力電圧が、インバータ12により交流電圧に変換され、変換された交流電圧が一方コイル4を介して中継コイル22を介して他方コイル7に印加される。他方コイル7に印加された交流電圧が整流器16により直流出力電圧に変換され、直流出力電圧が負荷15に印加される。これにより、直流電源11からの電力が磁気共鳴方式によって非接触で負荷15に供給される。
上述した非接触電力伝送回路を備えた非接触電力伝送装置1は、一方コイル部材2と他方コイル部材5の間に中継コイル部材21を配置したので、間に電気絶縁を確保した状態で、直流電源11を備えた一次側の一方コイル部材2と負荷15を備えた二次側の他方コイル部材5を配置することができる。
これにより、一方コイル部材2と他方コイル部材5との距離Dを長くすることが可能になる。そして、中継コイル部材21を任意の数で配置することにより、一次側の一方コイル部材2と二次側の他方コイル部材5との距離Dを任意の所望の距離に設定することができる。
図3から図8に基づいて、中継コイル部材21を導入した際における一方コイル部材2、中継コイル部材21、他方コイル部材5のコイルの間の電気的な結合係数の状況、及び、電力の伝送効率の状況、及び、電力の伝送損失の状況を説明する。
図3には中継コイル部材21を2個備えた非接触伝送回路の等価回路の状況を示してある。比較の例として、図4(a)には中継コイル部材21を備えていない非接触伝送回路の等価回路の状況、図4(b)には中継コイル部材21を1個備えた非接触伝送回路の等価回路の状況を示してある。そして、図5には図3、図4の等価回路におけるコイルの間の結合係数を説明する表図、図6には図3、図4の等価回路における入力インピーダンスの周波数の特性、図7には図3、図4の等価回路における電力の伝送効率の状況、図8には図3、図4の等価回路におけるコイルの損失の状況を示してある。
図3、図4に示すように、直流電源11から負荷15に電力を伝送する回路において、伝送側から順に各コイル(一方コイル4、中継コイル22、他方コイル7)の自己インダクタンスをL0、1、2、(例えば、それぞれ約53.30μH)とし、各コイルの巻線抵抗をr0、1、2、(例えば、それぞれ0.08Ω)とし、共振コンデンサをC0、1、2、(例えば、それぞれ1μF)としている。また、各コイルの間の結合係数をk01、20、12、23、30、31としている。
直流電源11から見た入力インピーダンスと電力の伝送効率は、コイルにかかる電圧、コイルの流れる電流との関係に基づき与えられ、相互インダクタンスは、結合係数、及び、自己インダクタンスを用いて導き出すことができる。そして、各コイルの損失は、電流の値、及び、コイルの巻線抵抗に基づく発熱量により導き出すことができる。
図5に基づいてコイルの間の結合係数を説明する。
一方コイル4に隣接するコイルとの間の結合係数k01は、コイルなし(図4(a))の場合、1コイル(図4(b))の場合、2コイル(図3)の場合のいずれに0.23となっている。
1コイル(図4(b))の場合の一方コイル4と一つ間をあけた他方コイル7との間の結合係数k20、2コイル(図3)の場合の一方コイル4と一つ間をあけた中継コイル22との間の結合係数k20は、いずれも0.09となっている。
1コイル(図4(b))の場合の中継コイル22と他方コイル7との間の結合係数k12、2コイル(図3)の場合の中継コイル22と他方コイル7との間の結合係数k12は、いずれも0.23となっている。
また、2コイル(図3)の場合の中継コイル22と他方コイル7との間の結合係数k23は0.23となっている。2コイル(図3)の場合の一方コイル4と二つ間をあけた他方コイル7との間の結合係数k30は0.03であり、2コイル(図3)の場合の中継コイル22と一つ間をあけた他方コイル7との間の結合係数k31は0.09となっている。
上述したように、本実施例における一方コイル4と中継コイル22との間の結合係数k01は0.23、中継コイル22同士の間の結合係数k12は0.23、中継コイル22と他方コイル7との間の結合係数k23は0.23となっている。また、中継コイル22が一つの場合、一方コイル4と中継コイル22との間の結合係数k01は0.23、中継コイル22と他方コイル7との間の結合係数k12は0.23となっている。
即ち、隣接するコイルの間の結合係数が0.23となっていることがわかる。そして、一つ間をあけたコイルの間の結合係数が0.09となり、二つ間をあけたコイルの間の結合係数が0.03となっていることがわかる。
従って、非接触電力伝送装置1は、中継コイル部材21を介在させても、隣接するコイル同士の結合係数は、電力の伝送に必要な十分な値(例えば、0.23)が維持されていることがわかる。つまり、本実施例の非接触電力伝送装置1では、中継コイル部材21を介在させても、直流電源11から負荷15への電力の伝送が可能になっている。
図6に基づいて入力インピーダンスの周波数の特性を説明し、図7に基づいて、入力インピーダンスのピークに合わせてスイッチングを行った際の電力の伝送効率を説明する。
図6に点線で示すように、中継コイル22がない場合の入力インピーダンスのピークfが約19.60kHzの近傍に存在し、図6に一点鎖線で示すように、中継コイル22が一つ存在している場合の入力インピーダンスのピークfが約23.10kHzの近傍に存在し、図6に実線で示すように、中継コイル22が二つ存在している本実施例の場合の入力インピーダンスのピークfが21.30kHzの近傍に存在している。
つまり、中継コイル部材21を介在させても、14kHzから24kHzの間に入力インピーダンスのピークが存在することがわかる。
入力インピーダンスのピークに合わせてスイッチング周波数を設定し、入力電力と出力電力を測定して伝送効率を確認した。中継コイル22がない場合、図7の□印を結ぶ点線で示す結果となり、中継コイル22が一つ存在している場合、図7の×印を結ぶ一点鎖線で示す結果となり、中継コイル22が二つ存在している本実施例の場合、図7の○印を結ぶ実線で示す結果となった。
中継コイル22がない場合の効率が若干高いが、いずれの場合も、出力が約750Wまで徐々に効率が高くなり、出力が約1000Wを超えると、効率が低下することなく高い効率が維持されている。
つまり、中継コイル部材21を一つ、もしくは二つ介在させても、所定の出力を超えると高い伝送効率が維持されることが示されている。従って、中継コイル22を複数存在させても、即ち、一方コイル部材2と他方コイル部材5との距離Dを長くしても高い伝送効率を維持することが可能になる。
図8に基づいて各コイルの損失の状況を説明する。コイルの損失は、前述したように、各コイルの発熱量により導き出している。
図8に示したNo1(白抜き)は一方コイル4、No2(点)、No3(斜線)は中継コイル22、No4(黒塗り)が他方コイル7である。
中継コイル22がない場合、図8の左側に示すように、No1(白抜き)とNo4(黒塗り)の総損失のうち、No1(白抜き)の一方コイル4の損失が約8割を占めている。
中継コイル22が一つの場合、図8の中央に示すように、No1(白抜き)とNo2(点)とNo4(黒塗り)の総損失はほとんど増加せず、No2(点)の中継コイル22の損失が、No1(白抜き)の一方コイル4、No4(黒塗り)の他方コイル7よりも多くなっている。
中継コイル22が二つの本実施例の場合、図8の右側に示すように、No1(白抜き)とNo2(点)とNo3(斜線)とNo4(黒塗り)の総損失はほとんど増加せず、No1(白抜き)の一方コイル4の損失が少し多いが、No2(点)とNo3(斜線)の中継コイル22とNo4(黒塗り)の他方コイル7の損失が略同じになっている。
つまり、中継コイル部材21を一つ、もしくは二つ介在させても、一方コイル4から他方コイル7までのトータルの損失(熱損失)はほとんど増加しない。そして、一方コイル4から他方コイル7までのトータルの熱損失が複数のコイルにほぼ均等に配分される。従って、一方コイル部材2と他方コイル部材5との距離Dを長くするために、中継コイル部材21を設けても、トータルの熱損失がほとんど増加せず、一つの中継コイル22の発熱を抑制することができる。
上述したように、本実施例の非接触電力伝送装置1は、中継コイル部材21を介在させても、隣接するコイル同士の結合係数は、電力の伝送に必要な十分な値が維持され、中継コイル部材21を介在させても、直流電源11から負荷15への電力の伝送が可能になる。そして、中継コイル部材21を介在させても、高い伝送効率が維持され、一方コイル4から他方コイル7までのトータルの熱損失はほとんど増加せず、熱損失が複数のコイルにほぼ均等に配分されて、コイル一つ当たりの発熱を抑制することが可能になる。
このため、一方コイル部材2と他方コイル部材5との距離Dを長くしても高い伝送効率を維持し、複数のコイルの発熱を抑制した状態で、電力を伝送することが可能になる。従って、本実施例の非接触電力伝送装置1を用いることにより、一次側(電力を供給する側)の一方コイル部材2と二次側(電力が供給される側)の他方コイル部材5との距離を任意の長さで長くすることが可能になる。
図9に基づいて本実施例の非接触電力伝送装置1の適用例を説明する。図9には非接触電力伝送装置を送電鉄塔の航空障害灯への給電に適用した状況の概念を示してある。
送電鉄塔の最上部には航空障害灯が設けられ、航空障害灯は決められた色の光を点灯、もしくは、明滅を繰り返すものである。航空障害灯に給電を行う場合、架空地線からの誘導電流や太陽光発電付蓄電池等の利用が考えられるが、架空地線からの誘導電流を用いた場合、前述したように、雷撃による電圧の上昇が生じる問題があり、太陽光発電付蓄電池を用いた場合、蓄電池の保守点検のための高所作業が必要になってしまう。
図に示すように、送電鉄塔31の地上部位に一次側設備3を設置し、送電鉄塔31の最上部の部位に二次側設備6を設置し、二次側設備6の負荷15を航空障害灯として運用する。一次側設備3と二次側設備6の間の送電鉄塔31には、適宜の数の中継コイル部材21が設けられている。即ち、一次側設備3と二次側設備6の距離を長く確保して、電力の伝送が可能な状態になっている。
これにより、一次側設備3としての電源装置を送電鉄塔の下に設置し、一次側設備3の直流電源の電力を、送電鉄塔の上部に設置された電力消費部材である二次側設備6の負荷15(航空障害灯)に供給することができる。そして、一次側設備3と二次側設備6の間には、所定の間隔をあけて中継コイル部材21が配されているので、絶縁部位を介在させて電気絶縁距離を確保することができ、雷撃等の影響を抑制して負荷15である航空障害灯に電力を供給することができる。
つまり、送受電コイルの間に、複数個の中継コイルを等間隔に挿入することで、電気絶縁距離を確保することが可能になり、架空地線からの誘導電流や太陽光発電付蓄電池等を用いた技術に対し、雷撃による電圧の上昇の影響を抑制して送電鉄塔31の保守コストを低減することができる。
上述した非接触電力伝送装置1は、電気自動車等、電力を要する車両に対する給電に適用することができる。
例えば、給電場所の構成として、一次側設備3及び一つの中継コイル部材21が設置され、車両には二次側設備が搭載される。車両が所定位置(例えば、中継コイル部材21の直上)に移動することで、一次側設備3から中継コイル部材21を介して二次側設備6に電力が伝送される。
同じ設備で、車高が高い車両に対する給電を行う場合、中継コイル部材21を追加する。これにより、一次側設備3と二次側設備6の距離が長くなっても給電が可能な状態になるため、車高が高い車両に対して電力を伝送することができる。
尚、上述した実施例における非接触電力伝送回路は、直流電源11から負荷15に一方向で給電を行う例を挙げて説明したが、電力変換装置(インバータ12、整流器16)の回路を適宜変更することにより、双方向で電力を伝送する装置とすることができる。
本発明は、一方側(電力を供給する側:一次側)から他方側(電力が供給される側:二次側)に非接触で電力を送る非接触電力伝送回路及び非接触電力伝送装置の産業分野で利用することができる。
1 非接触電力伝送装置
2 一方コイル部材
3 一次側設備
4 一方コイル
5 他方コイル部材
6 二次側設備
7 他方コイル
8 一方コンデンサ
9 他方コンデンサ
11 直流電源
12 インバータ
15 負荷
16 整流器
21 中継コイル部材
22 中継コイル
23 中継コンデンサ
31 送電鉄塔

Claims (5)

  1. 一方側の一方コイルと前記一方コイルに並列に接続された一方コンデンサとで閉回路を形成して一方コイル部材とし、
    他方側の他方コイルと前記他方コイルに並列に接続された他方コンデンサとで閉回路を形成して他方コイル部材とする一方、
    中継コイルと前記中継コイルに並列に接続された中継コンデンサとで閉回路を形成して中継コイル部材とし、
    前記一方コイル部材と前記他方コイル部材との間に、前記中継コイル部材を少なくとも一つ配置した
    ことを特徴とする非接触電力伝送回路。
  2. 請求項1に記載の非接触電力伝送回路において、
    前記中継コイル部材は2つ以上配置され、
    前記一方コイル部材と前記中継コイル部材の距離、前記中継コイル同士の距離、前記中継コイル部材と前記他方コイル部材との距離は、同じ距離に設定されている
    ことを特徴とする非接触電力伝送回路。
  3. 請求項1もしくは請求項2に記載の非接触電力伝送回路において、
    前記中継コイル部材は、少なくとも前記中継コイルが絶縁体に保持されている
    ことを特徴とする非接触電力伝送回路。
  4. 請求項3に記載の非接触電力伝送回路において、
    前記中継コイルは、前記一方コイル、前記他方コイルに対して方向性が存在しないコイルである
    ことを特徴とする非接触電力伝送回路。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の非接触電力伝送回路と、
    直流電源が接続され、前記直流電源の直流出力電圧を交流電圧に変換すると共に、変換した交流電圧が前記他方コイルに印加されるように前記一方コイルが接続されてインバータとして駆動される一方電力変換装置と、
    前記他方コイルに接続され、前記他方コイルを介して印加される交流電圧を直流出力電圧に変換し、直流出力電圧を直流負荷に印加するコンバータとして駆動される他方電力変換装置とを備えた
    ことを特徴とする非接触電力伝送装置。
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