JP2016219742A - プラズマ処理装置用プレートおよびプラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐腐蝕性の高いプラズマ処理装置用プレートおよびこれを備えるプラズマ処理装置を提供する。【解決手段】 本発明のプラズマ処理装置用プレートは、基材がセラミックスからなり、該基材の凹部にあたる内部に第1の金属層を備え、前記基材の一方主面側が、プラズマ生成領域であり、前記第1の金属層が、前記基材の他方主面側においてガラスにより封止されているものである。また、本発明のプラズマ処理装置は、上記構成のプラズマ処理装置用プレートを備えるものである。【選択図】 図1
Description
本発明は、プラズマ処理装置用プレートおよびプラズマ処理装置に関する。
プラズマ処理装置を用いた半導体デバイスの製造工程において、プラズマを利用することによってウェハに成膜やエッチングを行なう工程がある。この工程は、チャンバ内にある試料台上にウェハを載置し、試料台に対向して位置するシャワープレートに設けられた貫通孔からチャンバ内に原料ガスや処理ガスを導入し、試料台側に設けられた下部電極とシャワープレート側に設けられた上部電極とに高周波を印加し、原料ガスや処理ガスをプラズマ化して分解させて、成膜やエッチングを行なう工程である。
このようなシャワープレートとして、特許文献1に、複数の貫通孔を有するセラミック焼結体基材と、該セラミック焼結体基材に形成された導電層とを備えたシャワープレート(半導体製造装置用ガスシャワー体)が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載されたシャワープレートの作製方法によれば、導電層を形成したセラミック焼結体と他のセラミックス焼結体とが接着剤によって一体化されている。このような作製方法によって得られたシャワープレートは、貫通孔において接着剤からなる接合層が露出しており、貫通孔にプラズマ化されたガスが入り込んだ場合、接合層から腐蝕が進み、成膜条件やエッチング条件が安定しないという問題があった。
また、特許文献1に示すような構成プレートを下部電極を有する部材として試料台側において用いた場合、プレートの側面において接着剤からなる接合層が露出することとなるため、プラズマ化したガスによって、側面の接合層から腐蝕が進むという問題が生じる。
本発明は、上記問題を解決すべく案出されたものであり、耐腐蝕性の高いプラズマ処理装置用プレートおよびこれを備えるプラズマ処理装置を提供するものである。
本発明のプラズマ処理装置用プレートは、基材がセラミックスからなり、該基材の凹部にあたる内部に第1の金属層を備えるプラズマ処理装置用プレートであって、前記基材の一方主面側が、プラズマ生成領域であり、前記第1の金属層が、前記基材の他方主面側においてガラスにより封止されていることを特徴とするものである。
本発明のプラズマ処理装置用プレートは、高い耐腐蝕性を有する。
本発明のプラズマ処理装置は、成膜条件やエッチング条件が安定しているため、品質のよい成膜およびエッチングを長期間に亘って行なうことができるため、高い信頼性を有する。
以下、本実施形態のプラズマ処理装置用プレートおよびプラズマ処理装置の一例について図面を参照しながら説明する。なお、図面において同一の部材には同じ符号を付して説明する。図1(a)は、本実施形態のプラズマ処理装置の概略断面図であり、(b)は本実施形態のプラズマ処理装置用プレートの拡大した部分断面図である。
本実施形態のプラズマ処理装置500は、図1(a)の概略断面図に示すように、シャワープレート100と、試料台200と、支持台300と、チャンバ400により構成されている。シャワープレート100は、上部電極を内蔵したプラズマ処理装置用プレート11と、原料ガスや処理ガスの供給孔と繋がり、プラズマ処理装置用プレート11を保持する保持体10を備えている。また、試料台200は、下部電極を内蔵したプラズマ処理装置用プレート21と、プラズマ処理装置用プレート21上に静電チャック20を備えている。
そして、プラズマ処理装置用プレート11は、図1(b)に示すように、基材1がセラミックスからなり、基材1の凹部2にあたる内部に、上部電極となる第1の金属層3を備え、第1の金属層3は、ガラス4により封止されている。言い換えれば、凹部2における第1の金属層3以外の領域がガラス4で満たされている。プラズマ処理装置用プレート11において、一方主面1a側が、プラズマ生成領域400Aに面し、ガラス4の表面は他方主面1b側において露出している。また、プラズマ処理装置用プレート11においては、凹部2以外の領域に、原料ガスや処理ガスの導入孔として、一方主面1aから他方主面1bを貫く貫通孔5を複数備えている。
このような構成において、ウェハWのプラズマ処理は、以下のようにして行なわれる。まず、静電チャック20上にウェハWを載置し、供給孔および貫通孔5を介して原料ガスや処理ガスをチャンバ400内に導入する。そして、プラズマ処理装置用プレート11に内蔵されている第1の金属層3(上部電極)と、プラズマ処理装置用プレート21に内蔵された下部電極(不図示)とに高周波を印加し、チャンバ400のプラズマ生成領域400Aにおいてプラズマを生成させ、原料ガスや処理ガスをプラズマ化させて、ウェハW上において成膜またはエッチングを行う。
上述したプラズマ処理においてプラズマ処理装置用プレート11は、上部電極となる第1の金属層3が、ガラス4により封止されており、ガラス4がプラズマ生成領域400Aに面していないことから、高い耐腐蝕性を有している。なお、図1(b)に示す構成のプラズマ処理装置用プレート11は、図示における上下を逆さにし、一方主面1aをプラズマ生成領域400A側、他方主面1b側を支持台300側に配置すれば、下部電極を備え
るプラズマ処理装置用プレート21として用いることができる。プラズマ処理装置用プレート21において貫通孔5は、無いものであっても構わない。
るプラズマ処理装置用プレート21として用いることができる。プラズマ処理装置用プレート21において貫通孔5は、無いものであっても構わない。
ここで、セラミックスからなる基材1としては、耐腐蝕性および耐電圧の観点から、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体のいずれかであることが好ましい。なお、酸化アルミニウム質焼結体とは、焼結体を構成する全成分の合計100質量%のうち、アルミニウム(Al)を酸化アルミニウム(Al2O3)に換算した値である含有量が90質量%以上を占める焼結体のことである。窒化アルミニウム質焼結体および窒化珪素質焼結体についても、アルミニウム(Al)を窒化アルミニウム(AlN)に、珪素(Si)を窒化珪素(Si3N4)に換算した値である含有量が90質量%以上を占める焼結体のことである。
そして、含有量は、焼結体をまずX線回折装置(XRD)を用いて同定し、次に、ICP発光分光分析装置(ICP)または蛍光X線分析装置(XRF)を用いてアルミニウム(Al)または珪素(Si)を定量し、XRDにおいて同定された化合物に合わせて、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si3N4)に換算することにより求めることができる。なお、基材1の厚みは、例えば、2mm以上25mm以下である。
次に、凹部2は、ガラス4で封止することができる形状であれば、どのような形状でも構わず、図1(b)に示すような断面形状であれば、矩形状、台形状、三角形状、半円状などが挙げられる。なお、凹部2の深さは、例えば、1mm以上20mm以下である。
また、第1の金属層3は、タングステン、モリブデン、パラジウム、白金、ニッケル、クロム、アルミニウム、銀および銅から選ばれる少なくとも1種を主成分とすることが好ましい。特に、銀および銅は、電気抵抗率が低いうえに、熱伝導率が高いので、プラズマ処理装置用プレート11の放熱性を向上することができる。なお、第1の金属層3の厚みは、例えば、50μm以上300μm以下である。なお、主成分とは第1の金属層3を構成する全成分100質量%のうち、50質量%を超える成分のことである。
第1の金属層3の成分の確認は、第1の金属層3が確認できるように試料を切断するなどの加工を行ない、走査電子顕微鏡(SEM)に付設のエネルギー分散型分析器(EDS)を用いることにより確認することができる。また、第1の金属層3のみを取りだすことができれば、ICPによる確認も可能である。
また、ガラス4は、基材1であるセラミックスに近似する熱膨張係数となるように調整されたものであることが好ましい。このように、ガラス4の熱膨張係数がセラミックスからなる基材1と近似しているときには、プラズマ処理時の温度変化に対し、基材1と同じ程度に膨張、収縮することとなることから、ガラス4と基材1との界面において、亀裂が生じることが少ないため、長期間に亘るプラズマ処理に耐えることができる高い信頼性を有するものとなる。例えば、基材1が酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体のいずれかであるときには、ガラス4の熱膨張係数が、40〜400℃の温度範囲で2.0×10−6/℃以上8.0×10−6/℃に調整されたものであることが好ましい。
次に、図2は、本実施形態のプラズマ処理装置用プレートの他の例を示す構成における部分断面図である。
図2に示す例のプラズマ処理装置用プレート12は、第1の金属層3における基材1の他方主面1b側に、第1の金属層3に接する第1のセラミック部材6を有している。この
ような構成を満たしているときには、ガラス4よりも第1のセラミック部材6の方が、熱伝導に優れているため、プラズマ処理時に第1の金属層3から生じる熱の放熱特性が高まる。なお、図2に示すように、第1のセラミック部材6が他方主面1b側において露出しているときには、ガラス4の露出する面積が減少することから、プラズマ処理装置用プレート12の耐腐蝕性がさらに向上する。
ような構成を満たしているときには、ガラス4よりも第1のセラミック部材6の方が、熱伝導に優れているため、プラズマ処理時に第1の金属層3から生じる熱の放熱特性が高まる。なお、図2に示すように、第1のセラミック部材6が他方主面1b側において露出しているときには、ガラス4の露出する面積が減少することから、プラズマ処理装置用プレート12の耐腐蝕性がさらに向上する。
また、第1のセラミック部材6は、基材1と同じ材質であることが好ましい。このようにすることで、プラズマ処理時の温度変化に対し、基材1と同じ程度に膨張、収縮することとなることから、基材1および第1のセラミック部材6と、ガラス4との界面において、亀裂等が生じるおそれを少なくすることができる。
次に、図3は、本実施形態のプラズマ処理装置用プレートのさらに他の例を示す構成における部分断面図である。
図3に示す例のプラズマ処理装置用プレート13は、内部に第2の金属層7を有している。このような構成を満たしているときには、第1の金属層3を上部電極として使用し、第2の金属層7をヒーターとして使用することができ、プラズマ処理装置用プレート13の温度調節が可能となる。
ここで、第2の金属層7は、第1の金属層3と同様に、タングステン、モリブデン、パラジウム、白金、ニッケル、クロム、アルミニウム、銀および銅から選ばれる少なくとも1種を主成分とすることが好ましい。特に、アルミニウムであるときには、ヤング率が低いので、第2の金属層7をヒーターとして使用した際に内部に熱応力が発生しにくく破損しにくくなり、プラズマ処理装置用プレート3の信頼性を向上することができる。また、低コストであるので部材コストを安く抑えることができる。なお、第2の金属層7の厚みは、例えば、50μm以上300μm以下である。
なお、図3においては、第1のセラミック部材6に接するように第2の金属層7を有している例を示しているが、第2の金属層7は、第1のセラミック部材6の内部に存在したり、第1のセラミック部材6と離間する位置にガラス4に囲まれるように存在したりしていてもよい。
次に、図4は、本実施形態のプラズマ処理装置用プレートのさらに他の例を示す構成における部分断面図である。
図4に示す例のプラズマ処理装置用プレート14は、内部に第2のセラミック部材8を有し、第2の金属層7が、第1のセラミック部材6および第2のセラミック部材8に接している。このような構成を満たしているときには、第2のセラミック部材8の存在領域がガラス4であるときによりも、第2の金属層7をヒーターとして用いたり、電圧等の印加によって熱を生じたりした際の放熱特性若しくは熱伝達特性が向上する。なお、言うまでもないが、第2のセラミック部材8は、基材1および第1のセラミック部材6と同じ材質であることが好ましい。
次に、図5は、本実施形態のプラズマ処理装置用プレートのさらに他の例を示す構成における部分断面図である。
図5に示す例のプラズマ処理装置用プレート15は、第1のセラミック部材6が座ぐり部6aを備え、座ぐり部6aに第2の金属層7を備えている。このような構成を満たしているときには、第2の金属層7と第1のセラミック部材6との接触面積が増えるため、第2の金属層7から生じた熱の放熱特性若しくは熱伝達特性が向上する。なお、座ぐり部6
aの形状はどのような形状でも構わない。
aの形状はどのような形状でも構わない。
次に、図6は、本実施形態のプラズマ処理装置用プレートのさらに他の例を示す構成における部分断面図である。
図6に示すプラズマ処理装置用プレート16は、基材1の他方主面1b側において、凹部2を覆うセラミック溶射膜9を有している。このような構成を満たしているときには、他方主面1bにおいてもガラス4が露出することが無いため、耐腐蝕性がさらに向上する。ここで、セラミック溶射膜9としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素、酸化イットリウムなどが挙げられる。また、セラミック溶射膜9の厚みは、例えば、100μm以上300μm以下である。
なお、図2〜図6に示した構成のプラズマ処理装置用プレート12〜16は、図示における上下を逆さにし、一方主面1aをプラズマ生成領域側、他方主面1b側を支持台側に配置すれば、下部電極を備えるプラズマ処理装置用プレートとして用いることができる。
次に、本実施形態のプラズマ処理装置用プレートの作製方法の一例について説明する。
まず、図1(b)に示す構成のプラズマ処理装置用プレート11を作製する方法について説明する。
まず、基材1を準備する。基材1としてアルミナ質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体や窒化珪素等を用いる場合には、それぞれの焼結体の主成分となる原料粉末、焼結助剤、バインダ、溶媒等を用いてスラリーを作製する。そして、このスラリーを噴霧乾燥して得られた顆粒を用いて冷間静水圧加圧成形(CIP)法にてブロック状の成形体を得る。次に、凹部2や貫通孔5に対応する部分をマシニング加工やドリル加工などの切削加工を施すことにより基材1となる成形体を得る。
また、他の成形体を得る方法として、積層法について説明する。まず、上記スラリーを用いてドクターブレード法でグリーンシートを作製し、このグリーンシートを金型で打ち抜く若しくはレーザー加工により、複数枚の所望形状のシート成形体を得る。または、上述したスラリーを噴霧乾燥して造粒された顆粒を得た後、この顆粒を圧延したグリーンシートを金型で打ち抜く若しくはレーザー加工により、複数枚の所望形状のシート成形体を得る。ここで得られたシート成形体は、凹部2および貫通孔5に対応する部分が、抜かれた状態となっているものである。
次に、これらのシート成形体の表面に、上述したスラリーを基にした結合材を塗布して順次積層し、加圧する。このように、凹部2および貫通孔5に対応する部分が、抜かれた状態となっているシート成形体を積層することによって、凹部2および貫通孔5となる空間を有する成形体を得ることができる。
また、このような積層法ならば、内部に中空領域を形成することができ、この中空領域を冷却媒体や熱媒体を流す流路として使用することによって、プラズマ処理装置用プレートの温度を調整することができる。
そして、成形体を所定時間乾燥、脱脂させた後、使用した原料粉末に応じた焼成雰囲気および焼成温度で焼成することにより、基材1を得ることができる。
次に、基材1に第1の金属層3を形成する。まず、金属ペーストまたは金属箔を準備する。ここで、金属ペーストとは、主成分となる金属粉末と、有機溶剤およびバインダを含
んだ有機ビヒクルと混ぜ合わせスラリー状にして作製されるものである。また、金属箔とは、主成分となる金属粉末をメカプレス法や粉末圧延法などで作製されるものであり、必要に応じて、金型による打ち抜きやレーザーによる切り抜きを行ない、形状を調整してもよい。
んだ有機ビヒクルと混ぜ合わせスラリー状にして作製されるものである。また、金属箔とは、主成分となる金属粉末をメカプレス法や粉末圧延法などで作製されるものであり、必要に応じて、金型による打ち抜きやレーザーによる切り抜きを行ない、形状を調整してもよい。
なお、金属ペーストまたは金属箔は、タングステン、モリブデン、パラジウム、白金、ニッケル、クロム、アルミニウム、銀および銅から選ばれる少なくとも1種を主成分とし、基材1の材質に合わせて、熱処理可能である主成分を選択する。
そして、熱処理後に所望の厚さになるように凹部2の底部に、金属ペーストを用いる場合には塗布し、金属箔を用いる場合には載置し、主成分および基材1の材質に合わせた熱処理温度および焼成雰囲気で、熱処理することによって基材1の凹部2に、第1の金属層3を形成することができる。
なお、必要に応じて基材1との接合強度を向上させるために、金属ペーストおよび金属箔に、珪素、アルミニウム、ビスマス、アルカリ土類金属、硼素および亜鉛などの酸化物を含むガラス成分や、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブなどの活性金属元素を添加しても構わない。
例えば、第1の金属層3となる金属ペーストまたは金属箔が、銀および銅を主成分とし、チタンを添加したものであれば、基材1がアルミナ質焼結体であるときには、熱処理によって基材1の凹部2の底部と第1の金属層3との界面に酸化チタンが生じ、基材1が窒化アルミニウム質焼結体または窒化珪素質焼結体であるときには、熱処理によって基材1の凹部2の底部と第1の金属層3との界面に窒化チタンが生じ、このような化合物が形成されることによって、接合強度を向上させることができる。
また、第1の金属層3となる金属ペーストまたは金属箔が、銅を主成分とし、ほう硅酸亜鉛系ガラスを添加したものであれば、熱処理後に基材1の凹部2の底部と第1の金属層3との界面にガラス層が形成されこのガラス層の存在により接合強度を向上させることができる。
次に、ガラス4となるガラスペーストを準備する。ガラスペーストは、ガラス4の熱膨張係数が、40〜400℃の温度範囲で2.0×10−6/℃以上8.0×10−6/℃に調整された粉末を準備することが好ましい。そして、有機溶剤およびバインダを含んだ有機ビヒクルと混ぜ合わせることにより得るガラスペーストを得ることができる。次に、ガラスペーストを凹部2における第1の金属層3上に流し込むことによって凹部2の中がガラスペーストによって満たされ、熱処理を行なうことによって、ガラスにより封止することができる。
なお、ガラス4は、化学的に安定であることが求められていることから珪酸系ガラス粉末を用いることが好ましく、ガラス4の熱膨張係数の調整には、基材1と同じ材質の粉末を添加すればよい。
また、ガラス4の軟化点は、第1の金属層3の融点以下になるように調整することが好ましい。このように調整することによって、熱処理した際に、第1の金属層3の成分がガラス4中に拡散することを防ぐことができる。なお、ガラス4の軟化点は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、低融点金属、硼素などの酸化物を添加して調整すればよい。
以上の工程を行なうことにより、図1(b)に示す構成のプラズマ処理装置用プレート11を得ることができる。このような作製方法でプラズマ処理装置用プレート11を作製
することによって、凹部2の内部がガラス4で満たされることによって、凹部2の内部に空隙が生じにくいので、空隙の存在による放電が生じにくくなり、電気的な信頼性を向上させることができる。また、上述した方法によれば、金属ペーストの流入量や金属箔の枚数等の調整により、第1の金属層3の厚みの調整を容易に行なうことができる。
することによって、凹部2の内部がガラス4で満たされることによって、凹部2の内部に空隙が生じにくいので、空隙の存在による放電が生じにくくなり、電気的な信頼性を向上させることができる。また、上述した方法によれば、金属ペーストの流入量や金属箔の枚数等の調整により、第1の金属層3の厚みの調整を容易に行なうことができる。
次に、図2に示す構成のプラズマ処理装置用プレート12を作製する方法について説明する。基材1に、第1の金属層3を形成するところまでは、図1(b)に示す構成のプラズマ処理装置用プレート11を作製する方法と同じである。
第1のセラミック部材6を準備する。成形体から焼成までの作製方法は、上述した方法と同じであり、基材1と同じ顆粒またはスラリーを用いることが好ましい。大きさとしては、凹部2に収まる大きさとなるように調整する。
そして、基材1の凹部2の内部にある第1の金属層3の上に、第1のセラミック部材6を配置した後、ガラスペーストを流し込み熱処理することによって、図2に示す構成のプラズマ処理装置用プレート12を得ることができる。
次に、図3に示す構成のプラズマ処理装置用プレート13を作製する方法について説明する。基材1に、第1の金属層3を形成するところまでは、図1(b)に示す構成のプラズマ処理装置用プレート11を作製する方法と同じである。図2に示す構成のプラズマ処理装置用プレート12を得るときに用いた第1のセラミック部材6よりは、高さの低い第1のセラミック部材6を準備する。
そして、基材1の凹部2の内部にある第1の金属層3の上に、第1のセラミック部材6を配置した後、第1のセラミック部材6上に、第2の金属層7となる金属ペーストを塗布または金属箔を載置し、熱処理する。なお、第2の金属層7となる金属ペーストまたは金属箔は、第1の金属層3の融点よりも融点が低くなるように調整する。このように、第1の金属層3の融点よりも第2の金属層7となる金属ペーストまたは金属箔の融点を低くすることにより、第2の金属層7の形成における熱処理によって、第1の金属層3に第1のセラミック部材6が食い込んだり、第1の金属層3が断線をしたりすることを防ぐことができる。
次に、ガラス4となるガラスペーストを準備する。なお、ここで用いるガラスペーストは、軟化点が第1の金属層3および第2の金属層7の融点以下になるように調整する。
そして、凹部2にガラスペーストを流し込み熱処理を行なうことによって、図3に示す構成のプラズマ処理装置用プレート13を得ることができる。
なお、第1のセラミック部材6の中に第2の金属層7を形成する場合には、第2の金属層7に対応する空間を備える第1のセラミック部材6とし、第2の金属層7となる金属ペーストを流し込んで熱処理すればよい。
次に、図4に示す構成のプラズマ処理装置用プレート14を作製する方法について説明する。第1のセラミック部材6上に、第2の金属層7を形成するところまでは、図3に示す構成のプラズマ処理装置用プレート13を作製する方法と同じである。
第2のセラミック部材8を準備する。成形体から焼成までの作製方法は、上述した方法と同じであり、基材1および第1のセラミック部材6と同じ顆粒またはスラリーを用いることが好ましい。
そして、準備した第2のセラミック部材8を第2の金属層7の上に載置し、ガラスペーストを凹部2に流し込み熱処理を行なうことによって、図4に示す構成のプラズマ処理装置用プレート14を作製することができる。
次に、図5に示す構成のプラズマ処理装置用プレート15を作製する方法について説明する。第1のセラミック部材6が座ぐり部6aを有していることす以外は、図4に示す構成のプラズマ処理装置用プレート14を作製する方法と同じ方法により、図5に示す構成のプラズマ処理装置用プレート15を得ることができる。
第1のセラミック部材6が、座ぐり部6aを有していることによって、金属ペーストの塗布や金属箔の載置が容易であり、金属ペーストや金属箔が溶融によるって第1のセラミック部材6の側面へ垂れを少なくすることができる。そして、図5に示す構成のプラズマ処理装置用部材15は、第2の金属層7と第1のセラミック部材6との接触面積が増えるため、第2の金属層7から生じた熱の放熱特性若しくは熱伝達特性が向上したものとなる。
最後に、図6に示す構成のプラズマ処理装置用プレート16を作製する方法について説明する。熱処理によってガラス4を形成するところまでは、図5に示す構成のプラズマ処理装置用プレート15を作製する方法と同じであり、その後、凹部2を覆うように、公知のセラミック溶射法で、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素、酸化イットリウムのいずれかのセラミック溶射膜9を作製することにより、図6に示す構成のプラズマ処理装置用プレート16を得ることができる。なお、説明を省略したが、第1の金属層3および第2の金属層7は、外部の電源と繋がる端子と接続されている。
このようにして作製されたプラズマ処理装置用プレートは、プラズマ生成領域や貫通孔内において、ガラスが露出していないため、高い耐腐蝕性を有する。そして、このようにして作製されたプラズマ処理装置用プレートを備えたプラズマ処理装置は、プラズマ処理装置用プレートが高い耐腐食性を有しており、成膜条件やエッチング条件が安定しているため、品質のよい成膜やエッチンングを長期間に亘って行なうことができ、高い信頼性を有する。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更や改良が可能である。
1:基材
2:凹部
3:第1の金属層
4:ガラス
5:貫通孔
6:第1のセラミック部材
7:第2の金属層
8:第2のセラミック部材
9:溶射膜
11,12,13,14,15,16:プラズマ処理装置用プレート
100:シャワープレート
200:試料台
300:支持台
400:チャンバ
500:プラズマ処理装置
2:凹部
3:第1の金属層
4:ガラス
5:貫通孔
6:第1のセラミック部材
7:第2の金属層
8:第2のセラミック部材
9:溶射膜
11,12,13,14,15,16:プラズマ処理装置用プレート
100:シャワープレート
200:試料台
300:支持台
400:チャンバ
500:プラズマ処理装置
Claims (7)
- 基材がセラミックスからなり、該基材の凹部にあたる内部に第1の金属層を備えるプラズマ処理装置用プレートであって、前記基材の一方主面側が、プラズマ生成領域であり、前記第1の金属層が、前記基材の他方主面側においてガラスにより封止されていることを特徴とするプラズマ処理装置用プレート。
- 前記第1の金属層における前記基材の他方主面側に、前記第1の金属層に接する第1のセラミック部材を有していることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置用プレート。
- 前記内部に、第2の金属層を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマ処理装置用プレート。
- 前記内部に第2のセラミック部材を有し、前記第2の金属層が、前記第1のセラミック部材および前記第2のセラミック部材に接していることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置用プレート。
- 前記第1のセラミック部材が座ぐり部を備え、該座ぐり部に前記第2の金属層を備えていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のプラズマ処理装置用プレート。
- 前記基材の他方主面側において、前記凹部を覆うセラミック溶射膜を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載プラズマ処理装置用プレート。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のプラズマ処理装置用プレートを備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
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JP2015106522A JP2016219742A (ja) | 2015-05-26 | 2015-05-26 | プラズマ処理装置用プレートおよびプラズマ処理装置 |
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