JP2016219657A - 光電変換装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工業的に優れたスループットを有する光電変換装置の製造方法及びそれにより得られる光電変換装置を提供する。【解決手段】光電変換装置の製造方法であって、(1)透光性基板の上に透光性導電層を積層する工程、(2)前記透光性導電層に溝を形成する工程、(3)前記溝に導電バス形成用組成物の塗布及び加熱により導電バスを形成する工程、(4)前記透光性導電層及び前記金属線の上に、電子輸送層形成用組成物の塗布及び加熱により電子輸送層を積層する工程、(5)前記電子輸送層の細孔内及び上に、光吸収層形成用組成物の塗布により光吸収層を形成する工程、(6)前記光吸収層の上に対向電極を積層する工程を備える、光電変換装置の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換装置及びその製造方法に関する。
自然エネルギーを電力に変換できる太陽電池は、温暖化対策、エネルギー対策として世界各国で導入促進が行われ、大量生産による大幅なコストダウンが達成された。しかしながら、既存の電力価格と比較すると依然高価であることが指摘されている。このように、太陽電池が高価であるのは、現行の太陽電池は、CVD等真空プロセスを用いて製造されているためであり、一層の低コスト化のためには塗布プロセスを多く採用した太陽電池の製造が望まれている。
太陽電池のなかでも、色素増感太陽電池は、塗布型太陽電池として注目され、Z型、モノリシック等のモジュールの検討がなされた(例えば、非特許文献1等)。このような従来のモジュールとしては、例えば、集電配線型、Z型、W型、モノリシック型のモジュール等が知られている。
集電配線型モジュールは、図1に示されるような構造を有しており、酸化チタン層形成、対極形成、フィンガー電極形成、フィンガー電極保護層形成、フィンガー電極(対極側)形成、フィンガー電極保護層(対極側)形成によって形成される。また、酸化チタン/色素層間に電極を配置するため、その間に1〜5mm程度の隙間が必要であり、そのために全体としての発電効率が低下する。また、フィンガー電極に通常使用される銀等が電解液中に通常含まれるヨウ素イオンと反応したり、電解液が太陽電池モジュール全体にしみこんだりすることを抑制するため、電極を保護(絶縁コーティング)することも必要である。さらに、それぞれの位置合わせに微細技術も必要である。
Z型モジュールは、図2に示されるような構造を有しており、酸化チタン層形成、対極形成、フィンガー電極形成、フィンガー電極保護層形成によって形成される。また、酸化チタン/色素層間に電極を配置するため、その間に1〜5mm程度の隙間が必要であり、そのために全体としての発電効率が低下する。また、フィンガー電極に通常使用される銀等が電解液中に通常含まれるヨウ素イオンと反応したり、電解液が太陽電池モジュール全体にしみこんだりすることを抑制するため、電極を保護(絶縁コーティング)することも必要である。さらに、それぞれの位置合わせに微細技術も必要であり、セルごとの透明電極の切断が必要であるとともに、電極及び保護層が対極側に接している必要もある。
W型モジュールは、図3に示されるような構造を有しており、酸化チタン層形成、対極形成、酸化チタン層形成(光入射と反対側)、対極形成(光入射と反対側)、保護(隔壁)層形成によって形成される。また、酸化チタン/色素層間に電極を配置するため、その間に1〜5mm程度の隙間が必要であり、そのために全体としての発電効率が低下する。また、電極保護材の積層も必要である。さらに、それぞれの位置合わせに微細技術も必要であり、セルごとの透明電極の切断が必要である。
モノリシック型モジュールは、図4に示されるような構造を有しており、酸化チタン層形成、セパレータ層形成、対極形成、保護(隔壁)層形成によって形成される。また、酸化チタン/色素層間に電極を配置するため、その間に1〜5mm程度の隙間が必要であり、そのために全体としての発電効率が低下する。また、電極保護材の積層も必要である。さらに、それぞれの位置合わせに微細技術も必要であり、セルごとの透明電極の切断が必要である。
このように、いずれのモジュールにおいても、酸化チタン/色素層間に電極を配置するため、その間に1〜5mm程度の隙間が必要であり、そのために全体としての発電効率が低下する。また、フィンガー電極を形成する場合は、保護層の形成(絶縁コーティング)も必要である。このため、効率的な太陽電池の製造ができているとは言えない。一方、このような問題を解決するために、全固体のシリコン系太陽電池モジュールとするには、製膜方法を真空プロセスにせざるを得ず、塗布法のような簡便な方法で製造することはできなかった。このため、スループットに優れたモジュール作製法が見出されなかった。
近年、鉛ペロブスカイトを光吸収層に用いた太陽電池が見出され、研究レベルでは20%前後の変換効率が達成されているが、工業的に優れたスループットを有する製造方法はいまだ見出されていない。
「色素増感太陽電池のモジュール化・材料開発・評価技術」編集:瀬川浩司、内田聡、技術教育出版社発行、サイエンス&テクノロジー発売、P237
本発明は、上記のような課題を解決しようとするものであり、工業的に優れたスループットを有する光電変換装置の製造方法及びそれにより得られる光電変換装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有する光電変換装置が、塗布法を主とする簡便な方法で得ることができ、工業的に優れたスループットを有することを見出した。この方法によれば、導電バスを保護(絶縁コーティング)せずとも、電解液と反応したり、電解液が太陽電池モジュール全体にしみこんだりすることがないため保護層(絶縁層)を設ける必要もない。この方法は、全ての工程を一連の設備で行うことが可能である。本発明者等は、これらの知見に基づいてさらに研究を重ね、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の態様を包含する。
項1.光電変換装置の製造方法であって、
(1)透光性基板の上に透光性導電層を積層する工程、
(2)前記透光性導電層に溝を形成する工程、
(3)前記溝に導電バス形成用組成物の塗布及び加熱により導電バスを形成する工程、
(4)前記透光性導電層及び前記金属線の上に、電子輸送層形成用組成物の塗布及び加熱により電子輸送層を積層する工程、
(5)前記電子輸送層の細孔内及び上に、光吸収層形成用組成物の塗布により光吸収層を形成する工程、
(6)前記光吸収層の上に対向電極を積層する工程
を備える、光電変換装置の製造方法。
項2.前記工程(4)が、前記透光性導電層及び前記金属線の上に、緻密電子輸送層形成用組成物の塗布及び加熱により緻密電子輸送層を積層する工程を備える、項1に記載の光電変換装置の製造方法。
項3.前記透光性基板が、ガラス又はプラスチックを含有する、項1又は2に記載の光電変換装置の製造方法。
項4.前記透光性導電層が、フッ素ドープ錫酸化物、インジウム錫酸化物、ガリウムドープ亜鉛酸化物、アルミニウムドープ亜鉛酸化物、及びニオブドープチタン酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、項1〜3のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
項5.前記導電バスが、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム合金、及びカーボンよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、項1〜4のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
項6.前記電子輸送層が、酸化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化イットリウム、及びチタン酸ストロンチウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の透光性電子輸送材料を含有する、項1〜5のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
項7.前記光吸収層が、鉛ハロゲンペロブスカイト化合物を含有する、項1〜6のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
項8.前記鉛ハロゲンペロブスカイト化合物が、一般式(1):
(HOOCRNH1−xPbX
[式中、Rは炭化水素基;AはRNH(Rは炭化水素基)、K、Rb、Cs、又はFr;Xは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子;xは0以上1未満である。]
で示される化合物である、項7に記載の光電変換装置の製造方法。
項9.前記対向電極が、カーボン電極及び金属背面電極からなり、
前記カーボン電極が前記光吸収層の上に積層され、
前記金属背面電極が前記カーボン電極の上に積層される、項1〜8のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
項10.前記カーボン電極が、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンブラック、及びカーボンナノチューブよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、項9に記載の光電変換装置の製造方法。
項11.前記金属背面電極が、アルミニウム、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、タングステン、モリブデン、タンタル、チタン、ニオビウム、インジウム、ニッケル、及びスズよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、項9又は10に記載の光電変換装置の製造方法。
本発明によれば、特定の構成を有する光電変換装置を、塗布法を主とする簡便で工業的に優れたスループットを有する製造方法で得ることができる。この製造方法によれば、導電バスを保護(絶縁コーティング)せずとも、電解液と反応することがないため保護層を設ける必要もない。この製造方法は、全ての工程を一連の設備で行うことが可能であり、ガラス製造と同等の5m/分のモジュール製造が可能である。
集電配線型モジュールの概略断面図を示す図面である。 Z型モジュールの概略断面図を示す図面である。 W型モジュールの概略断面図を示す図面である。 モノリシック型モジュールの概略断面図を示す図面である。 導電バスを形成した電極基板の鳥瞰図を示す図面である。 本発明の光電変換装置において、多孔質電子輸送層の構造を示す断面図である。
1.光電変換装置の製造方法
本発明の光電変換装置の製造方法は、
(1)透光性基板の上に透光性導電層を積層する工程、
(2)前記透光性導電層に溝を形成する工程、
(3)前記溝に導電バス形成用組成物の塗布及び加熱により導電バスを形成する工程、
(4)前記透光性導電層及び前記金属線の上に、電子輸送層形成用組成物の塗布及び加熱により電子輸送層を積層する工程、
(5)前記電子輸送層の細孔内及び上に、光吸収層形成用組成物の塗布により光吸収層を形成する工程、
(6)前記光吸収層の上に対向電極を積層する工程
を備える。
(1−1)透光性基板
本発明では、上記透光性基板は、光照射側の最表面に配置される。
透光性基板としては、特に制限されないが、例えば、ガラス、プラスチック等を含有することが好ましく、ガラス、プラスチック等からなることがより好ましい。これにより、光を光吸収層に導入するための窓層になり得る。
透光性基板の厚みは、例えば、0.1〜5.0mm程度とすることができる。
(1−2)透光性導電層
本発明では、透光性導電層は、前記透光性基板の上に積層される。
透光性導電層は、例えば、透明導電性酸化物を含有する層(特に透明導電性酸化物からなる層)等のフレキシブル透明電極とすることが好ましい。透明導電性酸化物としては、例えば、フッ素ドープ錫酸化物(FTO)、インジウム錫酸化物(ITO)、ガリウムドープ亜鉛酸化物(GZO)、アルミドープ亜鉛酸化物(AZO)、ニオブドープチタン酸化物(TNO)等を採用できる。これらの透明導電性酸化物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。これにより、透光性導電層が、光吸収層に導入するための窓層となり、且つ、光吸収層から得られた電力を効率よく取り出すことができる。
透光性導電層の厚みは、0.01〜10.0μm程度が好ましく、0.3〜1.0μm程度がより好ましい。透光性導電層の厚みを上記範囲内とすることにより、シート抵抗を低減し、結果として光電変換装置のシリーズ抵抗を低減できるため、フィルファクター特性を維持することができる。
透光性基板の上に透光性導電層を積層する方法は特に制限されない。例えば、常圧化学蒸気析出法(ACVD)、噴霧法、インクジェット法等により、上記の透明導電性酸化物を透光性基板の上に塗装することで、透光性導電層を積層することができる。
なお、インジウム錫酸化物(ITO)膜付きガラス、フッ素ドープ錫酸化物(FTO)膜付きガラス等の透明導電膜付き基板を、透光性基板及び透光性導電層とすることも可能である。
(1−3)導電バス
本発明では、導電バスは、透光性導電層の透光性基板とは反対側表面に形成される。
導電バスは、例えば、導電性材料を線状(繊維状)に成形したものであることが好ましい。
導電性材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム合金(インジウム錫酸化物等)、カーボン等が挙げられる。これらの導電性材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。これにより、集電の電気抵抗をより低減することができる。
なお、導電バスは、透光性導電層上に1個のみ形成されていてもよいが、集電の電気抵抗をより低減することができる観点から、並行に延びる複数の金属バスから構成されていることが好ましい。なお、導電バスは、途中で一部が欠損していてもよいが、透光性導電層の一方の端部から、対向する他方の端部まで形成されていることが好ましい。
導電バスの幅は、電気を通しやすいとともに、受光面を広くしやすい観点から、1〜10mmが好ましく、2〜8mmがより好ましい。
透光性導電層上に導電バスを複数有する場合、導電バスの周期(導電バスと、隣接する導電バスとの距離)は、電気を通しやすいとともに、受光面を広くしやすい観点から、5〜30cmが好ましく、7〜20cmがより好ましい。
このような導電バスは、透光性導電層上に形成されていればよいが、図5に示されるように、前記透光性導電層の前記透光性基板とは反対側表面に溝が形成されており、前記溝に形成されていることが、製造方法が簡便であるため好ましい。この場合、溝の幅は、上記導電バスの幅と同程度とすることが好ましく、溝の深さは、0.01〜1000μmが好ましく、1〜100nmがより好ましい。
このような構成の導電バスは、例えば、上記のようにして透光性基板の上に透光性導電層を積層した後、透光性導電層の表面を、レーザースクライブ、メカニカルドリル、メカニカルソー等で溝を形成した後に、この溝に前記導電性材料を含む導電バス形成用組成物(導電バス形成用ペースト組成物)を塗布及び加熱することで、溝に導電バスを形成することができる。なお、この導電バス形成用組成物は、前記導電性材料を含むことが好ましい。
塗布方法は特に制限されず、スピンコート、スクリーン印刷、ロールコート、ディップコート、スプレー、ナイフコート、バーコート、ダイコート、カーテンコート等の湿式塗布法が挙げられる。
また、加熱温度は、特に制限されず、導電性材料の種類によっても異な適宜設定することで、十分な電気伝導性を有する導電バスとすることができる。また、加熱時間も特に制限はなく、適宜設定することができる。
(1−4)電子輸送層
本発明では、電子輸送層は、上記透光性導電層及び導電バスの上に積層される。この電子輸送層は、緻密電子輸送層から構成されていてもよいし、緻密電子輸送層と多孔質電子輸送層との積層体であってもよい。電子輸送層が緻密電子輸送層と多孔質電子輸送層との積層体である場合は、上記透光性導電層及び導電バスの上に緻密電子輸送層を形成し、さらにその上に多孔質電子輸送層を形成することが好ましい。このため、上記透光性導電層及び導電バスの上には緻密電子輸送層が形成されることが好ましい。
<緻密電子輸送層>
緻密電子輸送層は、平滑構造を有するものである。
緻密電子輸送層は、透光性の電子輸送材料を含有する層(特に透光性の電子輸送材料からなる層)とすることが好ましい。透光性の電子輸送材料としては、特に制限されないが、具体的には、酸化チタン(TiO等)、酸化タングステン(WO、WO、W等)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb等)、酸化タンタル(Ta等)、酸化イットリウム(Y等)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO等)等を採用することができる。なお、半導体を使用する場合には、ドナーがドープされていてもよい。これらの透光性の電子輸送材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。これにより、後述の多孔質電子輸送層からのリークをより抑制することができる。透光性の電子輸送材料として酸化チタン(TiO等)を採用する場合には、結晶形態はアナターゼ型が好ましい。
緻密電子輸送層の厚みは、1〜100nm程度が好ましく、5〜50nm程度がより好ましい。緻密電子輸送層の厚みを上記範囲内とすることにより、より確実にリーク電流を抑制することができる。
上記説明した緻密電子輸送層は、例えば、上記のようにして形成された透光性導電層及び導電バスの上に、透光性の電子輸送材料を含有する緻密電子輸送層形成用組成物を塗布及び加熱することで、積層することができる。
塗布方法は特に制限されず、スピンコート、スクリーン印刷、ロールコート、ディップコート、スプレー、ナイフコート、バーコート、ダイコート、カーテンコート等の湿式塗布法が挙げられ、本工程ではスプレー、バーコート等の非真空プロセスにより形成すれば、より簡便に本発明の光電変換装置を製造することが可能である。また、大面積化が容易で品質が安定するという利点も有する。具体的には、チタンジイソプロポキシヂアセチルアセトナートをスプレーで塗布したり、タスファイン、チタンジイソプロポキシドアセチルアセトナート、酸化チタンナノ粒子等をバーコートで塗布したりすることにより、緻密電子輸送層を形成することができる。
また、加熱温度は、特に制限されないが、例えば、室温〜700℃程度、特に100〜500℃程度とすることが好ましい。また、加熱時間も特に制限はなく、例えば、0.1〜10時間程度、特に0.5〜2時間程度とすることができる。
<多孔質電子輸送層>
本発明では、多孔質電子輸送層を形成する場合は、多孔質電子輸送層は、上記緻密電子輸送層の上に形成されることが好ましい。
多孔質電子輸送層は、多孔質構造を有している。多孔質構造とは、特に制限されるわけではないが、粒状体、線状体(線状体:針状、チューブ状、柱状等)等が集合して、全体として多孔質な性質を有していることが好ましい。また、細孔サイズはナノスケールであることが好ましい。多孔質構造を有することにより、ナノスケールであるため、光吸収層の活性表面積を著しく増加させ、光電変換効率を向上させることができる。
多孔質電子輸送層は、透光性の多孔質電子輸送材料を含む層(透光性の多孔質電子輸送材料からなる層)とすることが好ましい。透光性の多孔質電子輸送材料としては、特に制限されないが、具体的には、酸化チタン(TiO等)、酸化タングステン(WO、WO、W等)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb等)、酸化タンタル(Ta等)、酸化イットリウム(Y等)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO等)等を採用することができる。なお、半導体を使用する場合には、ドナーがドープされていてもよい。これらの透光性の多孔質電子輸送材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。これにより、多孔質電子輸送層が、光吸収層に導入するための窓層となり、且つ、光吸収層から得られた電力をより効率よく取り出すことができる。透光性の多孔質電子輸送材料として酸化チタン(TiO等)を採用する場合には、結晶形態はアナターゼ型が好ましい。
多孔質電子輸送層の厚みは、10〜2000nm程度が好ましく、20〜1500nm程度がより好ましい。多孔質電子輸送層の厚みを上記範囲内とすることにより、より確実に且つ、光吸収層からの電子を収集することができる。
上記説明した多孔質電子輸送層は、例えば、上記のようにして形成された緻密電子輸送層の上に、透光性の多孔質電子輸送材料を含有する多孔質電子輸送層形成用組成物を塗布及び加熱することで、積層することができる。なお、この多孔質電子輸送層形成用組成物は、前記透光性の多孔質電子輸送材料を含むことが好ましい。
塗布方法は特に制限されず、スピンコート、スクリーン印刷、ロールコート、ディップコート、スプレー、ナイフコート、バーコート、ダイコート、カーテンコート等の湿式塗布法が挙げられ、本工程ではバーコート等の非真空プロセスにより形成すれば、より簡便に本発明の光電変換装置を製造することが可能である。また、大面積化が容易で品質が安定するという利点も有する。
また、加熱温度は、特に制限されないが、例えば、室温〜700℃程度、特に300〜600℃程度とすることが好ましい。また、加熱時間も特に制限はなく、例えば、0.1〜10時間程度、特に0.5〜2時間程度とすることができる。
このような方法を採用すれば、多孔質電子輸送層は、図6に示されるように、透光性の多孔質電子輸送材料同士が密接に接触し、緻密電子輸送層表面とは略垂直方向に成長した構造を採用しやすい。このため、発生した電子をよりスムーズに透光性導電層まで移動させることが可能である。
(1−5)光吸収層
本発明では、光吸収層は、上記電子輸送層の上に形成される。なお、多孔質電子輸送層を形成しない場合は、光吸収層は、緻密電子輸送層の上に形成されることが好ましく、多孔質電子輸送層を形成する場合は、多孔質電子輸送層の細孔内及び上に形成されることが好ましい。
このような光吸収層は、特に制限はないが、光電変換効率の観点から、鉛ハロゲンペロブスカイト化合物を含有すること(特に鉛ハロゲンペロブスカイト化合物からなること)が好ましく、一般式(1):
(HOOCRNH1−xPbX
[式中、Rは炭化水素基;AはRNH(Rは炭化水素基)、K、Rb、Cs、又はFr;Xは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子;xは0以上1未満である。]
で示されるペロブスカイト化合物を含有すること(特に一般式(1)で示される化合物からなること)がより好ましい。
一般式(1)において、Rで示される炭化水素基は、特に限定されないが、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基等の炭素数3〜10(特に4〜8)のアルキル基;トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の炭素数3〜10(特に4〜8)のアルキレン基(特にポリメチレン基);アリレン基、ブテニレン基、ヘキセニレン基、オクテニレン基等の炭素数3〜10(特に4〜8)のアルケニレン基;フェニレン基、ジフェニレン基等の炭素数6〜20(特に6〜14)のアリーレン基等が挙げられ、光電変換効率の観点から、アルキル基及びアルキレン基が好ましく、炭素数3〜10のアルキル基及び炭素数3〜10のアルキレン基(特にポリメチレン基)がより好ましく、炭素数4〜8のアルキル基及び炭素数4〜8のアルキレン基(特にポリメチレン基)がさらに好ましい。
一般式(1)において、Aは、RNH(Rは炭化水素基)で示される基、又は周期表第4周期以降のアルカリ金属(K、Rb、Cs、又はFr)である。Rで示される炭化水素基は、上記Rと同様のものを採用することができる。
で示される炭化水素基は、特に限定されないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜8(特に1〜6)のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜8(特に2〜6)のアルケニル基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20(特に6〜14)のアリール基等が挙げられ、光電変換効率の観点から、アルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましい。
一般式(1)において、Xで示されるハロゲン原子は、特に制限されないが、光電変換効率の観点から、ヨウ素原子、塩素原子、臭素原子等が好ましく、ヨウ素原子、臭素原子等がより好ましく、ヨウ素原子がさらに好ましい。これらのハロゲン原子は、一般式(1)で示される化合物中に1種のみが含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。
一般式(1)において、xは特に制限されないが、光電変換効率の観点から、0以上1未満が好ましく、0.01以上1未満がより好ましく、0.02〜0.9がさらに好ましく、0.03〜0.5が特に好ましく、0.05〜0.2がさらに特に好ましい。
このような条件を満たす化合物としては、具体的には、一般式(2):
(HOOC(CHNHx11−x1PbX
[式中、A及びXは前記に同じ;nは3〜10の整数;x1は0.01以上1未満である。]
で示されるペロブスカイト化合物が好ましい。
一般式(2)において、A及びXは前記と同様である。
一般式(2)において、nは、光電変換効率の観点から、3〜10の整数が好ましく、4〜8の整数がより好ましい。
一般式(2)において、x1は、光電変換効率の観点から、0.01以上1未満が好ましく、0.02〜0.9の整数がより好ましく、0.03〜0.5の整数がさらに好ましく、0.05〜0.2が特に好ましい。
このような条件を満たす一般式(1)で示される化合物としては、例えば、(CHNH)PbI、(CHCHNH)PbI、(CH(CHNH)PbI、(CH(CHNH)PbI、(HOOC(CHNHx1(CHNH1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1(CHCHNH1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1(CH(CHNH1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1(CH(CHNH1−x1PbI、(HOOC(CHNHx11−x1PbI、(HOOC(CHNHx11−x1PbI、(HOOC(CHNHx11−x1PbI、(HOOC(CHNHx11−x1PbI、(HOOC(CHNHx11−x1PbI、(HOOC(CHNHx1Rb1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1Rb1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1Rb1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1Rb1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1Rb1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1Cs1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1Cs1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1Cs1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1Cs1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1Cs1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1Fr1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1Fr1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1Fr1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1Fr1−x1PbI、(HOOC(CHNHx1Fr1−x1PbI等を採用できる(上記いずれも、x1は上記に同じである)。上記化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、光吸収層は、上記した一般式(1)で示される化合物を含有するものであるが、単層でも複層でもよい。複層の場合は、各層全てが、一般式(1)で示される化合物を含有する層(特に一般式(1)で示される化合物からなる層)であってもよいし、少なくとも1層が、一般式(1)で示される化合物を含有する層(特に一般式(1)で示される化合物からなる層)であってもよい。
光吸収層の厚みは、光電変換効率の観点から、0.5〜10000nmが好ましく、0.5〜10nmがより好ましい。光吸収層が、一般式(1)で示される化合物を含有する層を複数有する場合は、一般式(1)で示される化合物を含有する層の合計の厚みが上記範囲内であることが好ましい。
次に光吸収層の形成方法について、説明する。
一般式(1)で示される化合物を含有する光吸収層は、公知の方法で製膜することができる。
例えば、AX(A及びXは前記に同じ)で示される化合物と、HOOCRNH(R及びXは前記に同じ)で示される化合物と、PbX (Xは前記に同じ)で示される化合物とを、AとHOOCRNHとPbとのモル比が上記一般式(1)を満たすように調整した混合溶液Aを、上記電子輸送層(多孔質電子輸送層を形成しない場合は緻密電子輸送層、多孔質電子輸送層を形成する場合は多孔質電子輸送層)上に製膜(例えばバーコート等の湿式塗布法等)し、乾燥させることによって緻密電子輸送層の上、又は多孔質電子輸送層の細孔内部及び上に、一般式(1)で示される化合物からなる膜を形成することができる。このような非真空プロセスを採用して光吸収層を形成することにより、より簡便に光電変換装置を作製することができる。これらの原料化合物は、公知又は市販品を使用してもよいし、公知又は市販品から合成してもよい。例えば、HOOCRNHで示される化合物は、例えば、HOOCRNH(Rは前記に同じ)で示される化合物と、ハロゲン化水素溶液とを混合し、必要に応じて通常の方法(エバポレーター等)で溶媒を除去することで合成することができる。
混合溶液Aに使用される溶媒は、AXで示される化合物、HOOCRNHで示される化合物、及びPbX で示される化合物等を溶解することができる限り特に制限はないが、極性溶媒が好ましく、具体的には、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、イソプロパノール等が挙げられ、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
混合溶液Aを調製する際の温度及び時間は特に制限はない。例えば、温度は0〜80℃とすることができ、時間は0.01〜50時間とすることができる。
混合溶液Aを電子輸送層(多孔質電子輸送層を形成しない場合は緻密電子輸送層、多孔質電子輸送層を形成する場合は多孔質電子輸送層)上に製膜する方法は特に制限されず、スピンコート、スクリーン印刷、ロールコート、ディップコート、スプレー、ナイフコート、バーコート、ダイコート、カーテンコート等の湿式塗布法が挙げられるが、膜厚、製膜性等の観点から、バーコートが好ましい。
なお、バーコートを採用する場合の条件は、所望の膜厚に応じて、適宜設定することができる。
乾燥の条件は特に制限はないが、余分な溶媒を除去できる程度に加熱することが好ましい。
ここでは、一般式(1)で示される化合物からなる光吸収層の製造方法について一例を示したが、これに限定されることはなく、様々な組成及び条件で作製することができる。また、他の組成の一般式(1)で示される化合物を含む光吸収層についても、上記と同様に製膜することができる。
(1−6)対向電極
本発明では、光吸収層の上に、対向電極を備える。この対向電極は、特に制限されないが、カーボン電極及び金属背面電極からなり、カーボン電極が光吸収層の上に積層され、金属背面電極がカーボン電極の上に積層されることが好ましい。
カーボン電極を構成するカーボンは、導電性炭素材料であれば特に制限はないが、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等が挙げられる。これらの導電性炭素材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
カーボン電極の厚みは、特に制限されないが、光電変換効率の観点から、0.01〜1000μm程度が好ましく、0.1〜100μm程度がより好ましい。
このようなカーボン電極は、カーボンペーストを光吸収層上に塗布することにより得ることができる。カーボンペーストは、前記導電性炭素材料を含むことが好ましい。
塗布方法は特に制限されず、スピンコート、スクリーン印刷、ロールコート、ディップコート、スプレー、ナイフコート、バーコート、ダイコート、カーテンコート等の湿式塗布法が挙げられ、本工程ではスクリーン印刷等の非真空プロセスにより形成すれば、より簡便に本発明の光電変換装置を製造することが可能である。また、大面積化が容易で品質が安定するという利点も有する。
また、加熱温度は、特に制限されず、適宜設定することができる。また、加熱時間も特に制限はなく、適宜設定することができる。
金属背面電極を構成する材料としては、特に制限されないが、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、タングステン、モリブデン、タンタル、チタン、ニオビウム、インジウム、ニッケル、スズ等が好ましい。また、これらの合金等も好ましく用いられる。これらの金属材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
金属背面電極の厚みは、特に制限されないが、0.01〜2.0μm程度が好ましい。
この金属背面電極は、上記カーボン電極に対して張り合わせること等により、カーボン電極の上に積層することができる。
このように本発明の製造方法は、例えば、透光性基板の上に透光性導電層を塗装し、次いで溝を形成し、さらに、導電バス、電子輸送層(緻密電子輸送層、又は緻密電子輸送層と多孔質電子輸送層)、光吸収層、及びカーボン電極をいずれも塗布法で形成し、その後金属背面電極を張り合わせることにより製造することができる。つまり、全ての製膜プロセスを非真空プロセスである塗布法で行うことも可能である。このようにして得られる光電変換装置は全固体光電変換装置であるため、従来の太陽電池モジュールのように、導電バスが電解液と反応する虞もないことから、導電バスを保護(絶縁コーティング)する必要性がないため、より簡便な方法とすることができる。このため、全ての製膜処理を塗布で行うことができることから、透光性基板を流しながら、各工程を順次行うことが可能であり、全ての工程を連続して行うことができる。このため、5m/分というガラス製造と同等の速度でのモジュール製造も可能であり、光電変換装置の量産性を高めることができ、スループットに優れた製造方法とすることができる。このような光電変換装置は、ペロブスカイト型太陽電池、特に塗布型のペロブスカイト型太陽電池として有用である。
2.光電変換装置の用途
本発明の光電変換装置を、発電手段として用い、発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成した構成とすることで、様々な用途に適用可能である。具体的には、本発明の光電変換装置を、本発明の光電変換装置から出力された直流電流を交流電流に変換するインバータ装置、電気モーター、照明装置等の負荷等を有する構成の光電変換装置とすることができる。その用途としては、例えば、建築物の屋根、壁面等に設置される太陽電池等として使用することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
吐出ガラス(日本板硝子(株)製)を透光性基板として用いて、その上に、常圧化学蒸気析出法(ACVD)により、透光性導電層であるフッ素ドープ酸化スズからなる薄膜を製膜した。
次に、製膜したフッ素ドープ酸化スズからなる薄膜に対して、レーザースクライブにより、深さ0.1〜1000μm、幅10〜2000μmの溝を形成した。
次に、上記で形成した溝に、カーボンブラックのペーストを塗布し、400℃で加熱することで、上記溝に導電バスを形成した。
次に、上記で形成したフッ素ドープ酸化スズからなる薄膜及び導電バスの上に、チタンジイソプロポキシドアセチルアセトナートをスプレーで塗布し、400℃で加熱することで、緻密電子輸送層を積層した。
次に、上記で製膜した緻密電子輸送層の上に、酸化チタンペーストをバーコートで塗布し、400℃で加熱することで、多孔質電子輸送層を積層した。
HOOC(CH2)4NH2(東京化成工業(株)製)とヨウ化水素(HI)溶液(東京化成工業(株)製)とを混合し、原料内にある余分な溶媒をエバポレーターで除去後、冷蔵庫冷却することで、黄色沈殿を得た。得られた沈殿をジエチルエーテルで洗浄することで、白色のHOOC(CH2)4NH3I粉末を得た。
CH3NH3IとHOOC(CH2)4NH3IとPbI2とを0.9:0.1:1の混合比(モル比)でジメチルホルムアミド(DMF)に溶解後、多孔質電子輸送層上にバーコートで塗布し、加熱することで、光吸収層を製膜した。この後、エアースプレーガンで余分な溶液を除去した。
次に、この光吸収層の上に、カーボンペーストをスクリーン印刷により塗布及び加熱することでカーボン電極を製膜し、その上から金電極を張り合わせることで、実施例1の光電変換装置を得た。
実施例2
透光性導電層であるフッ素ドープ酸化スズからなる薄膜を、常圧化学蒸気析出法(ACVD)ではなく噴霧により製膜したこと以外は実施例1と同様の処理を行い、実施例2の光電変換装置を得た。
実施例3
透光性導電層であるフッ素ドープ酸化スズからなる薄膜を、常圧化学蒸気析出法(ACVD)ではなくインクジェットにより製膜したこと以外は実施例1と同様の処理を行い、実施例3の光電変換装置を得た。
実施例4
製膜したフッ素ドープ酸化スズからなる薄膜に対して、レーザースクライブではなくメカニカルドリルにより溝を形成すること以外は実施例1と同様の処理を行い、実施例4の光電変換装置を得た。
実施例5
製膜したフッ素ドープ酸化スズからなる薄膜に対して、レーザースクライブではなくメカニカルソーにより溝を形成すること以外は実施例1と同様の処理を行い、実施例5の光電変換装置を得た。
実施例6
導電バスの材質としてカーボンブラックではなく金を使用すること以外は実施例1と同様の処理を行い、実施例6の光電変換装置を得た。
実施例7
緻密電子輸送層を、スプレーではなくバーコートにより製膜したこと以外は実施例1と同様の処理を行い、実施例7の光電変換装置を得た。
実施例8
緻密電子輸送層を、チタンジイソプロポキシドアセチルアセトナートのスプレーではなくフルウチ化学(株)製のタスファインのバーコートにより製膜したこと以外は実施例1と同様の処理を行い、実施例8の光電変換装置を得た。
実施例9
緻密電子輸送層を、チタンジイソプロポキシドアセチルアセトナートのスプレーではなく酸化チタンナノ粒子のバーコートにより製膜したこと以外は実施例1と同様の処理を行い、実施例9の光電変換装置を得た。
上記のように、全ての製膜プロセスを非真空プロセスで行うというスループットの優れた製造方法により、光電変換装置を製造することができた。

Claims (11)

  1. 光電変換装置の製造方法であって、
    (1)透光性基板の上に透光性導電層を積層する工程、
    (2)前記透光性導電層に溝を形成する工程、
    (3)前記溝に導電バス形成用組成物の塗布及び加熱により導電バスを形成する工程、
    (4)前記透光性導電層及び前記金属線の上に、電子輸送層形成用組成物の塗布及び加熱により電子輸送層を積層する工程、
    (5)前記電子輸送層の細孔内及び上に、光吸収層形成用組成物の塗布により光吸収層を形成する工程、
    (6)前記光吸収層の上に対向電極を積層する工程
    を備える、光電変換装置の製造方法。
  2. 前記工程(4)が、前記透光性導電層及び前記金属線の上に、緻密電子輸送層形成用組成物の塗布及び加熱により緻密電子輸送層を積層する工程を備える、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記透光性基板が、ガラス又はプラスチックを含有する、請求項1又は2に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記透光性導電層が、フッ素ドープ錫酸化物、インジウム錫酸化物、ガリウムドープ亜鉛酸化物、アルミニウムドープ亜鉛酸化物、及びニオブドープチタン酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  5. 前記導電バスが、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム合金、及びカーボンよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  6. 前記電子輸送層が、酸化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化イットリウム、及びチタン酸ストロンチウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の透光性電子輸送材料を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  7. 前記光吸収層が、鉛ハロゲンペロブスカイト化合物を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  8. 前記鉛ハロゲンペロブスカイト化合物が、一般式(1):
    (HOOCRNH1−xPbX
    [式中、Rは炭化水素基;AはRNH(Rは炭化水素基)、K、Rb、Cs、又はFr;Xは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子;xは0以上1未満である。]
    で示される化合物である、請求項7に記載の光電変換装置の製造方法。
  9. 前記対向電極が、カーボン電極及び金属背面電極からなり、
    前記カーボン電極が前記光吸収層の上に積層され、
    前記金属背面電極が前記カーボン電極の上に積層される、請求項1〜8のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  10. 前記カーボン電極が、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンブラック、及びカーボンナノチューブよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項9に記載の光電変換装置の製造方法。
  11. 前記金属背面電極が、アルミニウム、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、タングステン、モリブデン、タンタル、チタン、ニオビウム、インジウム、ニッケル、及びスズよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項9又は10に記載の光電変換装置の製造方法。
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