JP2016219191A - 紫外光発光素子 - Google Patents

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武央 頭川
佐々木 良樹
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良樹 佐々木
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宣明 長尾
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Abstract

【課題】電力効率が高く、紫外光をより均一に放出する紫外光発光素子を提供する。
【解決手段】紫外光発光素子1は、第1の基体2と、複数の電極7と、誘電体層6と、第2の基体3と、封着材8と、発光層4とを備える。複数の電極7の各々は、第1の基体2の主面上において、第1の基体2、第2の基体3および封着材8で封じられた密閉空間の外部から、第1の基体2と封着材8とが接合される第1の接合箇所2aを貫通し、密閉空間の内部を通り、第1の基体2と封着材8とが接合される第2の接合箇所2bに至るように延在している。
【選択図】図2

Description

本発明は、紫外光発光素子に関し、特に、バリア放電を用いて紫外光を発する紫外光発光素子に関する。
紫外光(紫外線)、特に、波長が約200〜350nmである深紫外光(深紫外線)は、有機物を分解する作用を有することから、殺菌、脱臭、洗浄、浄水、リソグラフ、照明などの様々な分野で利用されている。従来、深紫外光の光源としては、水銀をグロー放電させる水銀ランプが広く使われている。しかし、環境負荷の観点から、例えば欧州のWEEE&RoHS指令のような、水銀などの環境有害物質に対する規制が厳しくなっている。このため、水銀ランプに代わる光源の開発が望まれている。また、水銀ランプは点発光であるため、大面積で均一な強度の光を必要とするリソグラフなどに利用する場合、複雑な光源設計が必要となるなどの問題もある。
水銀を用いない深紫外光の光源としては、半導体に電子を注入することで発光するDUV−LED、塩化クリプトン(KrCl)等の放電ガスをバリア放電により励起させて深紫外光を取り出すエキシマランプ、あるいは、キセノン(Xe)等の希ガスをバリア放電で励起させて発生させた真空紫外光を蛍光体に照射することで深紫外光を取り出す放電と蛍光体を組み合わせた発光素子などが挙げられる。特に、バリア放電と蛍光体とを組み合わせた深紫外光発光素子は、小さな放電領域を配列させる光源となるため、形状の自由度が高く、複雑な光源設計が不要となる優位性を持つ。
このような従来の紫外光発光素子としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。具体的には、特許文献1は、基板に複数の電極を設け、紫外光を発光する蛍光体を設けた放電空間内を電極に交流電圧を印加することで放電させ、面発光の紫外光を発する紫外光発光素子を開示している。
特表2009−505365号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来の紫外光発光素子は、電力効率が十分に高いとはいえないという問題、および、紫外光を均一に放出できないという問題がある。
そこで、本発明は、電力効率が高く、紫外光をより均一に放出する紫外光発光素子を提供する。
本発明の一形態に係る紫外光発光素子は、第1の基体と、前記第1の基体の主面上に位置する複数の電極と、前記第1の基体の前記主面上に位置し前記複数の電極を覆う誘電体層と、前記第1の基体の前記主面に対向して位置する第2の基体と、前記第1の基体と前記第2の基体との間に密閉された放電空間を設けるように、前記第1の基体と前記第2の基体とを接合し、前記第1の基体および前記第2の基体とともに前記放電空間を封じる封着材と、前記誘電体層上または、前記第2の基体の前記放電空間の側の面上に位置し、前記放電空間で発生した励起光を受けて紫外光を発光する発光層とを備え、前記複数の電極の各々は、前記第1の基体の主面上において、前記第1の基体、前記第2の基体および前記封着材で封じられた密閉空間の外部から、前記第1の基体と前記封着材とが接合される第1の接合箇所を貫通し、前記密閉空間の内部を通り、前記第1の基体と前記封着材とが接合される第2の接合箇所に至るように延在している。
また、本発明の他の一形態に係る紫外光発光素子は、第1の基体と、前記第1の基体の主面上に位置する複数の電極と、前記第1の基体の前記主面上に位置し前記複数の電極を覆う誘電体層と、前記第1の基体の前記主面に対向して位置する第2の基体と、前記第1の基体と前記第2の基体との間に密閉された放電空間を設けるように、前記第1の基体と前記第2の基体とを接合し、前記第1の基体および前記第2の基体とともに前記放電空間を封じる封着材と、前記第1の基体の前記誘電体層上に位置し、前記放電空間で発生した励起光を受けて紫外光を発光する発光層とを備え、前記複数の電極の各々は、前記第1の基体の主面上において、前記第1の基体、前記第2の基体および前記封着材で封じられた密閉空間の外部から、前記第1の基体と前記封着材とが接合される第1の接合箇所を貫通し、前記密閉空間の内部に延在しており、前記発光層は、前記密閉空間の外部から内部に延びる方向における前記複数の電極の先端部を覆う第1の端部を有し、かつ、前記第1の端部が前記第1の基体と前記封着材とが接合される第2の接合箇所に位置する。
本発明によれば、電力効率が高く、紫外光をより均一に放出する紫外光発光素子が実現される。
実施の形態1における紫外光発光素子の外観斜視図である。 図1における2−2’線を含むXZ面で紫外光発光素子を切断して得られる断面図である。 図1における3−3’線を含むYZ面で紫外光発光素子を切断して得られる断面図である。 従来の紫外光発光素子の断面図である。 実施の形態1における電極と封着材との位置関係を示す模式平面図である。 希土類の発光中心をドープした蛍光体材料と酸化マグネシウムの発光スペクトルの一例を示す図である。 実施の形態1における紫外光発光素子を製造する封着・排気用加熱炉の概要を示す模式図である。 図7に示される封着・排気用加熱炉の温度プロファイルの一例を示す図である。 図7に示される封着・排気用加熱炉による封着工程における放電空間でのガスおよびその流れを示す図である。 実施の形態2における紫外光発光素子の断面図である。 実施の形態2における電極と封着材と発光層との位置関係を示す模式平面図である。 金属イオンの電気陰性度と帯電量との関係を示すグラフである。
(本発明の基礎となった知見)
本発明者らは、上記特許文献1に開示された従来の紫外光発光素子に関し、以下の問題が生じることを見出した。
従来の紫外光発光素子において、発光素子の電力効率を向上させる方法の一つとして、放電が発生する電極の間隔距離を広くする手法がある。この手法では、真空紫外光や深紫外光が効率的に発生する領域が広くなるため、紫外光発光素子の電力効率を向上し得る。また、電極間隔が広がることで電極間に発生する無効電力を抑制できるため、紫外光発光素子の電力効率をさらに向上し得る。
しかしながら、本発明者らの検討の結果、電極間隔を広げた場合や、印加する電圧を高めた場合には、紫外光発光素子内部の放電空間中の電界が集中しやすい電極の領域から、沿面放電が発生するという課題があることが分かった。また、沿面放電は、電極の先端部で発生しやすいということもわかった。
沿面放電が発生した場合、非常に強い放電が局所的に起きるため、紫外光発光素子の電力効率の低下や深紫外光の均一性の悪化等、紫外光発光素子に悪影響を与える。また、局所的な放電により、発光層や誘電体や電極を一部分のみ変質させてしまう。このため、紫外光発光素子では、沿面放電を抑制する必要がある。
さらに、250nm以下の波長にピークを持つ酸化マグネシウム(MgO)粉体を発光層に用いた場合、この課題が顕著になることが分かった。この理由として、酸化マグネシウムは帯電性が非常に高く、発光層の表面に壁電荷を保持しやすいためと考えられる。具体的には、放電後に発光層である酸化マグネシウム粉体に電荷が蓄積され、次の電圧の印加時に蓄積された電荷に沿って沿面放電が起こるためと予想される。図12に、金属イオンの電気陰性度と帯電量との関係を示すグラフを示す。図12から、酸化マグネシウムの帯電性が極めて高いことがわかる。よって、発光層に酸化マグネシウムを用いた紫外光発光素子では、特に、沿面放電を抑制する必要がある。
以上の知見に基づいて、本発明者らは、沿面放電を抑制することによって、電力効率が高く、紫外光をより均一に放出する本発明に係る紫外光発光素子を考案した。
そのような本発明の一形態における紫外光発光素子は、第1の基体と、前記第1の基体の主面上に位置する複数の電極と、前記第1の基体の前記主面上に位置し前記複数の電極を覆う誘電体層と、前記第1の基体の前記主面に対向して位置する第2の基体と、前記第1の基体と前記第2の基体との間に密閉された放電空間を設けるように、前記第1の基体と前記第2の基体とを接合し、前記第1の基体および前記第2の基体とともに前記放電空間を封じる封着材と、前記誘電体層上または、前記第2の基体の前記放電空間の側の面上に位置し、前記放電空間で発生した励起光を受けて紫外光を発光する発光層とを備え、前記複数の電極の各々は、前記第1の基体の主面上において、前記第1の基体、前記第2の基体および前記封着材で封じられた密閉空間の外部から、前記第1の基体と前記封着材とが接合される第1の接合箇所を貫通し、前記密閉空間の内部を通り、前記第1の基体と前記封着材とが接合される第2の接合箇所に至るように延在している。
これにより、沿面放電が起こり易い電極の先端部は、第1の基体と封着材とで挟まれた空間に位置し、封着材で覆われるので、沿面放電が抑制される。その結果、電力効率が高く、紫外光が従来よりも均一に放出される紫外光発光素子が実現される。
ここで、前記封着材は、角筒構造を有し、前記第1の接合箇所は、前記封着材の第1の側面と前記第1の基体とが接合される箇所であり、前記第2の接合箇所は、前記封着材の前記第1の側面と対向する第2の側面と前記第1の基体とが接合される箇所であってもよい。
また、本発明の他の一形態における紫外光発光素子は、第1の基体と、前記第1の基体の主面上に位置する複数の電極と、前記第1の基体の前記主面上に位置し前記複数の電極を覆う誘電体層と、前記第1の基体の前記主面に対向して位置する第2の基体と、前記第1の基体と前記第2の基体との間に密閉された放電空間を設けるように、前記第1の基体と前記第2の基体とを接合し、前記第1の基体および前記第2の基体とともに前記放電空間を封じる封着材と、前記第1の基体の前記誘電体層上に位置し、前記放電空間で発生した励起光を受けて紫外光を発光する発光層とを備え、前記複数の電極の各々は、前記第1の基体の主面上において、前記第1の基体、前記第2の基体および前記封着材で封じられた密閉空間の外部から、前記第1の基体と前記封着材とが接合される第1の接合箇所を貫通し、前記密閉空間の内部に延在しており、前記発光層は、前記密閉空間の外部から内部に延びる方向における前記複数の電極の先端部を覆う第1の端部を有し、かつ、前記第1の端部が前記第1の基体と前記封着材とが接合される第2の接合箇所に位置する。
これにより、沿面放電が起こり易い箇所である、発光層が形成されていない領域(電極を覆っていない領域)が削減されるので、沿面放電が抑制される。その結果、電力効率が高く、紫外光が従来よりも均一に放出される紫外光発光素子が実現される。
ここで、前記封着材は、角筒構造を有し、前記第1の接合箇所は、前記封着材の第1の側面と前記第1の基体とが接合される箇所であり、前記第2の接合箇所は、前記封着材の第1の側面と対向する第2の側面と前記第1の基体とが接合される箇所であり、前記発光層は、さらに、第1の接合箇所に位置する第2の端部を有してもよい。
なお、前記誘電体層上に、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、および酸化ストロンチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの材料を含む薄膜から成る保護層が形成されていてもよい。
これにより、誘電体層の上に二次電子放出特性の高い保護層が設けられることになるので、放電空間での放電開始電圧が低くなり、さらに沿面放電が抑制される。
また、前記発光層は、200nm以上300nm以下の波長の光を発する酸化マグネシウムの粉体を含んでもよい。
これにより、上述した電極の構造によって沿面放電が抑制されるので、発光層として、深紫外光の発光源として好適であるが、帯電性が高いために沿面放電を生じ易いという欠点をもつ酸化マグネシウムを用いることが可能となる。
また、前記酸化マグネシウムの前記粉体は、ハロゲン原子を含んでもよい。具体的には、前記ハロゲン原子は、フッ素であってもよい。
これにより、深紫外光の発光強度が大きくなる。
また、前記放電空間に、ネオンおよびキセノンを含むガスが充填されており、前記発光層は、前記ガス中に生じる前記複数の電極間の放電によって前記励起光を発光してもよい。
これにより、放電空間に充填されたガスの放電開始電圧が下げられ、さらに沿面放電が抑制される。
以下、実施の形態における紫外光発光素子について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。また、異なる図面であっても、同一の構成要素については、同一の符号を付し、その説明の繰り返しはしない。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1における紫外光発光素子について説明する。
図1は、実施の形態1における紫外光発光素子1の外観斜視図である。なお、本図には、説明の便宜上、直交する3つの軸(X軸、Y軸、Z軸)が示されている(他の図についても同様)。図2は、図1における2−2’線を含むXZ面で紫外光発光素子1を切断して得られる断面図である。図3は、図1における3−3’線を含むYZ面で紫外光発光素子1を切断して得られる断面図である。
紫外光発光素子1は、基本的な構成として、第1の基体2と、第1の基体2の主面上に位置する複数の電極7と、第1の基体2の主面上に位置して複数の電極7を覆う誘電体層6と、第1の基体2の主面に対向して位置する第2の基体3と、第1の基体2と第2の基体3との間に密閉された放電空間10を設けるように第1の基体2と第2の基体3とを接合して第1の基体2および第2の基体3とともに放電空間10を封じる封着材8と、誘電体層6上または第2の基体3の放電空間10の側の面上(本実施の形態では、第1の基体2の誘電体層6上および第2の基体3の放電空間10の側の面上)に位置して放電空間10で発生した励起光を受けて紫外光(ここでは、深紫外光)を発光する発光層4とを備える。なお、本実施の形態では、誘電体層6上(誘電体層6と発光層4との間)に、保護層5が形成されている。
ここで特徴的な構造として、図2に示されるように、複数の電極7の各々は、第1の基体2の主面上において、第1の基体2、第2の基体3および封着材8で封じられた密閉空間の外部から、第1の基体2と封着材8とが接合される第1の接合箇所2aを貫通し、密閉空間の内部を通り、第1の基体2と封着材8とが接合される第2の接合箇所2bに至るように延在している。
ここで、封着材8は、角筒構造を有している。第1の接合箇所2aは、封着材8の第1の側面8aと第1の基体2とが接合される箇所であり、第2の接合箇所2bは、封着材8の第1の側面8aと対向する第2の側面8bと第1の基体2とが接合される箇所である。
以下、本実施の形態のおける紫外光発光素子1の各構成要素について、より詳細に説明する。まず、本実施の形態のおける紫外光発光素子1の基本構成について説明する。
紫外光発光素子1は、平面視したときに、例えば、縦が5〜10cm、横が5〜10cmの矩形形状を有し、第1の基体2と第2の基体3とを封着材8を介して接合した構成を有する。第1の基体2には、放電空間10で放電を発生させるため電圧を印加するための複数の電極7が配設され、電極7を覆うように誘電体層6が積層されている。誘電体層6上の放電空間10側には、イオン衝撃から誘電体層6を保護する保護層5と、深紫外光を発光する発光層4が形成されている。なお、保護層5は構成要素として必須ではなく、形成されていなくてもよい。
第1の基体2と第2の基体3は、封着材8などによって外周部を気密封着されている。気密封着によって形成された放電空間10には、キセノン(Xe)、塩化クリプトン(KrCl)、フッ素(F)、ネオン(Ne)、ヘリウム(He)、一酸化炭素(CO)、窒素(N)などの放電ガスが所定の圧力で封入されている。
なお、発光層4に、後述する酸化マグネシウム(MgO)の粉体を用いた場合は、放電ガスとしては、ネオン(Ne)とキセノン(Xe)の混合ガスが適している。酸化マグネシウム(MgO)の粉体はバンドギャップが広い材料であるため、波長が150nm付近の励起光で最も効率良く発光する。塩化クリプトン(KrCl)やキセノン(Xe)単体の放電ガスを用いた場合、励起光の波長は172nmよりも長い波長の割合が多くなる。一方、ネオン(Ne)とキセノン(Xe)の混合ガスにおいては、波長が147nmの励起光の割合が高いため、発光層4に酸化マグネシウム(MgO)の粉体を用いた紫外光発光素子には、放電ガスとしてネオン(Ne)とキセノン(Xe)の混合ガスを用いるのが望ましい。
第2の基体3は、発光層4で発生した深紫外光を紫外光発光素子1の外部(ここでは、Z軸方向)に取り出すため、深紫外光を透過する材料から成る。深紫外光を透過する材料としては、紫外光を透過しやすい特殊ガラス、石英ガラス(SiO)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)フッ化リチウム(LiF)、サファイアガラス(Al)、などが挙げられる。これらの材料のうち、熱膨張係数が、一般的なガラスや保護層5に用いる酸化マグネシウム(MgO)の薄膜や酸化カルシウム(CaO)の薄膜に近いサファイアが深紫外光を透過する材料として好ましい。サファイアを第2の基体3の材料として用いた場合、保護層5や封着材8での割れや亀裂を防ぐことができる。
もう一方の第1の基体2の材料としては、第2の基体3と同じ材料でもよいが、一般的な高歪点ガラスを用いてもよい。
発光層4に用いる材料は、発光効率と作製プロセスの容易さの観点から、深紫外光を発光する蛍光体が使用される。蛍光体としては、希土類の発光中心をドープしたYPO:Pr、YPO:Nd、LaPO:Pr、LaPO:Nd、YF:Ce、SrB10:Ce、YOBr:Pr、LiSrAlF:Ce、LiCaAlF:Ce、LaF:Ce、LiY(BO:Pr、BaY:Nd、YOCl:Pr、YF:Nd、LiYF:Nd、BaY:Pr、kYF:Pr、LaF:Ndや、結晶中の欠陥やバンドギャップで発光するMgO、ZnO、AlN、ダイヤモンド、BN等がある。
特に、酸化マグネシウム(MgO)の粉体は、特許文献2(特開2010―80440号公報)でも開示されているように、波長が200nmから300nmの間に発光強度のピークを有する、具体的には、波長が230nm付近にピークを持つ深紫外光を発するため、発光層4の材料として好適である。さらに、酸化マグネシウム(MgO)は二次電子放出特性が高い材料であるため、希土類の発光中心をドープした蛍光体材料を発光層4に用いることより、低い放電開始電圧を実現することができる。さらに、酸化マグネシウム(MgO)は、耐イオン衝撃が高いため、イオン衝撃による発光層4の変質も小さいと考えられる。このため、紫外光発光素子1において、発光層4に酸化マグネシウム(MgO)の粉体を用いることは非常に有効であると考えられる。
そこで、本実施の形態では、発光層4は、200nm以上300nm以下の波長の光を発する酸化マグネシウムの粉体を含む。酸化マグネシウムの粉体は、ハロゲン原子を含むのが好ましい。ハロゲン原子は、例えば、フッ素である。
なお、発光層4として粉体の膜を用いた場合には、膜の密着性が問題となる。このため、発光層4を形成する面には、発光層4の材料となる粉体の膜形状が維持し易いよう、凹凸を設けるのが好ましい。これにより、発光層4と基体(第1の基体2及び第2の基体3)との密着性を高めることができる。
また、発光層4は、電極7を覆う誘電体層6上、または誘電体層6上に形成される保護層5上に形成される。しかしながら、放電強度を高めるために、第1の基体2だけではなく、第2の基体3の放電空間10側や放電空間10とは反対側に形成してもよい。
発光層4の下層には、薄膜の酸化マグネシウム層(MgO)、酸化カルシウム層(CaO)、酸化バリウム層(BaO)、酸化ストロンチウム層(SrO)からなる群から選ばれる少なくとも一つの材料を含む薄膜から成る保護層5を設けてもよい。特に、薄膜の酸化マグネシウム(MgO)は、高い耐イオン衝撃性を持つことから、保護層5として用いることで、経時的な放電強度の低下が非常に小さい紫外光発光素子を得ることができる。
誘電体層6は、酸化鉛(PbO)または酸化ビスマス(Bi)または酸化燐(PO)を主成分とする低融点ガラスがスクリーン印刷法等により約30μmの膜厚で形成された層である。誘電体層6により、電極7は絶縁材料で被覆される構成となるため、放電の形態は誘電体バリア放電となる。誘電体バリア放電は、電極7にイオンが直接曝されないため、連続点灯による経時的な発光強度の変化が小さく、連続点灯時間の長い殺菌デバイスやリソグラフへの用途に適している。また、誘電体層6の膜厚は、放電空間10に与える電界強度に影響するため、紫外光発光素子1のサイズや求める特性に応じて変更することができる。
なお、誘電体層6を電極7上のみに形成してもよい。これにより、誘電体層6で吸収される深紫外光を抑制し、発光層4で発生した深紫外光を高効率に紫外光発光素子1の外部に放出することができる。誘電体層6を電極7上のみに形成するように誘電体層6をパターニングする方法として、電極領域のみ塗布するパターンのスクリーンマスク等を用いて低融点ガラスを主成分としたペーストを電極上にパターン塗布したのち焼成する方法が挙げられる。
電極7は、第1の基体2の主面において、帯状(長尺状)の電極を2本で1対として平行にそれぞれ複数対配置された電極の集合から構成されている。電極7に用いる材料としては、Ag厚膜、Al薄膜、Cr/Cu/Cr積層薄膜などが挙げられる。各対の電極7には、矩形波や正弦波等の交流波形が印加される。一般的には、1対の電極のそれぞれに位相が反対の電圧を印加することで、強い発光を得ることができる。また、1対の内の1本の電極7に矩形波の電圧を印加し、もう一方の電極7を接地させることでも放電が可能である。電極7は必ず2本で1対となっているのではなく、放電空間10の位置・形状の変更や放電が開始される電圧を下げるために複数本を1対として構成する場合もある。
封着材8は、BiやVを主成分としたフリットを用いる。Biを主成分とするフリットとしては、例えば、Bi−B−RO−MO系(ここでRは、Ba、Sr、Ca、Mgのいずれかであり、Mは、Cu、Sb、Feのいずれかである。)のガラス材料に、Al、SiO、コージライト等酸化物からなるフィラーを加えたものを用いる材料が挙げられる。また、Vを主成分とするフリットとしては、例えば、V−BaO−TeO−WO系のガラス材料に、Al、SiO、コージライト等酸化物からなるフィラーを加えたものを用いることができる。
チップ管9は、第1の基体2または第2の基体3(ここでは、第1の基体2のみ)に封着材8を用いて接合される管である。また、接合する基体(ここでは、第1の基体2)には放電ガスを封入できるように貫通孔11が設けられる。チップ管9は、放電空間10を排気する際と放電空間10に放電ガスを封入する際に使用され、放電ガスの封入後に放電ガスが放電空間10から漏れないよう先端を加熱して封止されている。なお、排気と封入の工程に応じてチップ管9を複数設ける場合もある。
以上のように構成された紫外光発光素子1により、電極7に電圧が印加されることで、発光層4から第2の基体3(および第1の基体2)を介して、紫外光(より特定的には深紫外光)12が発光される。つまり、電極7には、隣接する1対のそれぞれの電極に位相が相反する矩形波または正弦波の電圧が印加され、これにより、2本の電極間には非常に高い電界が生じ、放電空間10に充填された放電ガスが放電する。放電ガスに含まれるキセノン(Xe)や塩化クリプトン(KrCl)は、放電に伴う励起によって真空紫外光や深紫外光の励起光を発生させ、この励起光が発光層4に照射されることで発光層4から紫外光(より特定的には深紫外光)12が発せられる。
次に、以上のような基本構成を備える本実施の形態における紫外光発光素子1について、その特徴を説明する。
一般に、紫外光発光素子において、素子の電力効率を向上させる方法として電極の間隔を広げる方法があるが、放電電圧が上がってしまうために発光層や保護層上に沿面放電が発生し、深紫外光の発光強度が低下したりが不均一になったりする課題がある。また、本発明者らの検討の結果、電極の先端は、局所的に電界がかかる領域であるため、沿面放電が起きやすいことが分かった。
この課題の解決法として、本実施の形態における紫外光発光素子1は、図2に示すように、電極7の一方の先端部7a(第2の接合箇所2bにおける電極7の先端部7a)を、Z軸方向で(紫外光発光素子1を平面視したときに)、封着材8の形成領域に重ならせるようにした。図4は、図2に対応する従来の紫外光発光素子の断面図である。図2および図4における電極7の先端部7aの位置を比較して分かるように、本実施の形態では、複数の電極7の各々は、第1の基体2の主面上において、第1の基体2、第2の基体3および封着材8で封じられた密閉空間の外部から、第1の基体2と封着材8とが接合される第1の接合箇所2aを貫通し、密閉空間の内部を通り、第1の基体2と封着材8とが接合される第2の接合箇所2bに至るように延在している。つまり、電極7の先端部7aは、第1の基体2と封着材8とで挟まれる箇所に位置している。
なお、図2は、複数の電極7のうち、X軸の負の方向に、上記密閉空間の外部から内部に向けて先端部7aが延びる電極7に沿った切断面での断面である。これとは逆に、X軸の正の方向に、上記密閉空間の外部から内部に向けて先端部が延びる電極7については、電極7と封着材8との位置関係を示す模式平面図である図5に示されるように、第1の接合箇所2aおよび第2の接合箇所2bは、図2と左右が反転した位置関係となる。つまり、本実施の形態では、電圧が印加される各対の電極7のうちの一方の先端部が封着材8の第1の側面8aと第1の基体2との間に位置し、他方の先端部が封着材8の第2の側面8bと第1の基体2との間に位置する。
このような本実施の形態における電極7の先端部7aの位置により、局所的に電界がかかりやすい電極7の先端部7aをガラス材料等からなる封着材8で厚く覆うことで沿面放電の発生を抑制することができる。その結果、沿面放電が抑制されることで、本実施の形態における紫外光発光素子1では、電力効率が高く、紫外光が従来よりも均一に放出される。さらに、この解決法では、既存の構成材料を用いるため、コストを増やすことなく課題を解決することができる。
また、紫外光発光素子1の放電開始電圧は、電極7の直上の誘電体層6が形成される領域の二次電子放出特性の影響を強く受ける。このため、図2および図3に示すように、本実施の形態の紫外光発光素子1では、誘電体層6の上に二次電子放出特性の高い保護層5が設けられている。これにより、放電空間10での放電開始電圧を低くすることができる。その結果、さらに沿面放電を抑制することができる。
ここで、保護層5は、高い二次電子放出特性と耐イオン衝撃性を持つ材料が好ましい。これらの材料としては、薄膜の酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、これらの混相層が挙げられる。特に、薄膜の酸化マグネシウム(MgO)は、安定で高い耐イオン衝撃性を持つことから、経時的な放電強度の変化が非常に小さく、発光強度の高い紫外光発光素子を得ることができる。
図6に希土類の発光中心をドープした蛍光体材料であるYBO:Gdと波長が230nm付近に発光を持つ粉体状の酸化マグネシウム(MgO(MgO−1、MgO−2))の発光スペクトルの一例を示す。酸化マグネシウム(MgO)の粉体は、上述したように特許文献2(特開2010―80440号公報)でも開示されるように、波長が230nm付近にピークを持つ深紫外光を発するため、発光層4の材料として好適である。さらに、酸化マグネシウム(MgO)は、耐イオン衝撃が高いため、イオン衝撃による発光層4の変質も小さいと考えられる。このため、紫外光発光素子1において、発光層4に酸化マグネシウム(MgO)の粉体を用いることは非常に有効であると考えられる。
しかし、酸化マグネシウム(MgO)の粉体は、図12に示すように、帯電性が非常高い材料である。よって、酸化マグネシウム(MgO)の粉体を発光層4に用いた場合、沿面放電が発生しやすい課題も持っている。このため、酸化マグネシウム(MgO)の粉体を発光層4に用いる場合、上述した本実施の形態による沿面放電の抑制効果はさらに顕著となる。
また、特許文献2(特開2010―80440号公報)では、酸化マグネシウム(MgO)の粉体にハロゲン原子を含有させることで深紫外光の発光が強くなることが開示されている。このため、ハロゲン原子が含有した酸化マグネシウム(MgO)の粉体は深紫外光に強い発光を持つため、本実施の形態における紫外光発光素子1に適している。図6において、MgO−1はハロゲン原子を含まない酸化マグネシウム(MgO)の粉体の発光スペクトルであり、MgO−2はハロゲン原子としてフッ素が含有された酸化マグネシウム(MgO)の粉体の発光スペクトルである。図6から、酸化マグネシウム(MgO)の粉体にハロゲン原子であるフッ素が含まれることで発光強度が大きくなることがわかる。
また、特許文献3(特開2004−139920号公報)には、保護層5にフッ素を含有させることで、放電開始電圧を低下させることが開示されている。このため、酸化マグネシウム(MgO)の粉体に含有するハロゲン原子がフッ素である場合、放電のイオン衝撃によってフッ素が酸化マグネシウム(MgO)の粉体から保護層5に移動し、保護層5の二次電子放出特性を経時的に高くする作用が起こることで放電開始電圧を経時的に下げることが可能となる。このため、本実施の形態の紫外光発光素子1において、放電開始電圧を低下させることができるフッ素を含んだ酸化マグネシウム(MgO)の粉体の発光層4を使うことは、沿面放電をさらに抑制することができる。
なお、酸化マグネシウム(MgO)の粉体に含有するハロゲン原子(元素)や酸化マグネシウム(MgO)の粉体から保護層5に移動したハロゲン原子(元素)は、X線光電子分光法(XPS)や高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法によって特定することができる。
第2の基体3または第1の基体2を構成する紫外光を透過する材料は、上述したように、石英やフッ化マグネシウムなどが挙げられるが、熱膨張係数が一般的なガラスや保護層5に用いる酸化マグネシウム(MgO)の薄膜や酸化カルシウム(CaO)の薄膜に近いサファイアが深紫外光を透過する材料として好ましい。サファイアを用いた場合、保護層5や封着材8での割れや亀裂を防ぐことができる。
放電ガスとして、上述したように、キセノン(Xe)、塩化クリプトン(KrCl)、フッ素(F)、ネオン(Ne)、ヘリウム(He)、一酸化炭素(CO)、窒素(N)等が挙げられるが、ネオン(Ne)とキセノン(Xe)の混合ガスが適している。キセノン(Xe)は放電により効率良く紫外光を放出するが、キセノン(Xe)単体の放電ガスを用いた場合、放電開始電圧が高くなる問題がある。この対策として、ネオン(Ne)をキセノン(Xe)に混合させることで、ペニング効果を発生させ、放電開始電圧を下げることができる。このため、本実施の形態における紫外光発光素子1の放電ガスに低い放電開始電圧を実現できるネオン(Ne)とキセノン(Xe)との混合したガスを用いることは、沿面放電をさらに抑制することができる。
次に、以上のように構成される本実施の形態における紫外光発光素子1の製造方法を説明する。
まず、第1の基体2に電極7を形成する。電極7の形成方法としては、露光プロセス、印刷プロセスや蒸着プロセスなど公知の形成法によりパターニングして形成する。
次に、第1の基体2に形成した電極7を覆うように、第1の基体2上に誘電体ペーストをダイコート法などにより塗布して誘電体ペースト(誘電体材料)層を形成する。誘電体ペーストを塗布した後、所定の時間放置することによって、塗布された誘電体ペースト層の表面がレベリングされて平坦な表面になる。その後、誘電体ペースト層を焼成固化することにより電極7を覆う誘電体層6が形成される。なお、誘電体ペーストは、例えば、ガラス粉末などの誘電体材料、バインダ及び溶剤を含む塗料である。
次に、誘電体層6の上に発光層4を設ける。発光層4は、発光材料を含むペーストを任意の領域に塗布し、乾燥と焼成をすることで形成する。
第2の基体3には、第1の基体2で形成した発光層の膜厚よりも薄い膜厚で発光層4を形成する。形成方法は、第1の基体2の発光層4の形成方法と同じでよい。
また、必要に応じて、誘電体層6と発光層4との間に保護層5を形成する。保護層5は放電が形成される電圧(放電開始電圧)を下げる働きと、放電に伴うイオン衝撃から誘電体層6や電極7を保護する働きを持つ。一般的な保護層5は、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、及び酸化バリウム(BaO)の単独材料のペレットや、それらの材料を混合したペレットを原料とした薄膜成膜方法によって形成される。薄膜成膜方法としては、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの公知の方法を適用できる。一例として、スパッタリング法では1Pa、蒸着法の一例である電子ビーム蒸着法では0.1Paが実際上取り得る圧力の上限と考えられる。
次に、第1の基体2または第2の基体3の少なくとも一方に封着材8を塗布し、その後、封着材料の樹脂成分等を除去するために350℃程度の温度で仮焼成する。
次に、以上のようにして作製した第1の基体2と第2の基体3とを貼り合わせて封着する。
ここでの封着工程で用いる封着・排気用加熱炉について説明する。図7は、本実施の形態における紫外光発光素子1を製造する封着・排気用加熱炉100の概要を示す模式図である。
封着・排気用加熱炉100は、内部にヒータ51を有する加熱炉52を備えている。図7の加熱炉52の内部には、第2の基体3の上に仮焼成された封着材8およびチップ管9(ここでは、複数のチップ管9a、9b)を有する第1の基体2が重ね合わされている様子が示されている。
第1の基体2と第2の基体3、第1の基体2とチップ管9a、9bとはそれぞれ、例えばクリップ等の固定手段(図示せず)によって固定された状態となっている。
チップ管9aには配管53が接続され、配管53は、加熱炉52の外部に設けられた乾燥ガス供給装置71にバルブ61を介して接続されている。配管53にはガス逃がし弁62が設けられている。
チップ管9bには配管54が接続され、配管54は、加熱炉52の外部に設けられた排気装置72にバルブ63を介して接続されている。また、配管54は、加熱炉52の外部に設けられた放電ガス供給装置73にバルブ64を介して接続されている。さらに配管54は、バルブ65を介して配管53にも接続されている。加えて配管54には圧力計66が設けられている。
図8は、図7に示される封着・排気用加熱炉100の温度プロファイルの一例を示す図である。
封着工程およびそれに続く排気工程、放電ガス供給工程のプロファイルの詳細は、順を追って以下に説明するが、説明の便宜上、封着工程と、それに続く排気工程、放電ガス供給工程とを、温度の観点から次の5つの期間に分割する。
すなわち、室温から軟化点まで上昇させる期間(期間1)、軟化点から封着温度まで上昇させる期間(期間2)、封着温度以上の温度で一定時間保持した後、軟化点まで低下させる期間(期間3)(以上、封着工程)、軟化点温度付近またはそれよりやや低い温度で一定時間保持した後、室温まで低下させる期間(期間4:排気工程)、および、室温まで低下した後の期間(期間5:放電ガス供給工程)である。
ここで、軟化点とは、封着材8が軟化する温度を指す。例えば酸化ビスマス(Bi)系の封着材料の軟化点温度は、430℃程度である。
また封着温度とは、第1の基体2と第2の基体3とが封着材8により、また、第1の基体2とチップ管9とが封着材料(図示せず)により、密閉される状態となる温度を指す。本実施の形態における封着温度は、例えば490℃程度である。なお、上記の封着温度は以下のようにしてあらかじめ確認することができる。
すなわち、第1の基体2と第2の基体3とを重ね合わせ、バルブ61、64、65を閉じ、バルブ63のみを開いて、排気装置72によってチップ管9bを介して放電空間10を排気しながら、ヒータ51をオンにして加熱炉52内部の温度を上昇させる。すると、ある温度で圧力計66において確認される放電空間10の圧力がステップ状に減少し、かつバルブ63を閉じても放電空間10の圧力が大きく上昇しなくなる。このときの温度は、放電空間10が密封される封着温度である。
ここで、図9を用いて封着工程の詳細について説明する。図9の(a)〜図9の(e)は、それぞれ上述の期間1〜期間5における放電空間10のガスおよびその流れを示す図である。
まず、第1の基体2と第2の基体3とを位置決めして重ね合わせる。そして図9の(a)に示すように、バルブ61とバルブ65とを開いて、乾燥ガスを両方の貫通孔11(11aおよび11b)から放電空間10に吹き込みながら、ヒータ51をオンにして加熱炉52内部の温度を封着材8の軟化点温度まで上昇させる。
このとき、放電空間10に吹き込まれた乾燥ガスは、図示される乾燥ガス200のように、第1の基体2または第2の基体3とその上に形成された封着材8との隙間を介して放電空間10から外部へ漏れ出る状態となる。
なお、乾燥ガスとして、露点が−45℃以下の乾燥窒素ガスを用い、その流量は5L/minが一般的である(期間1)。
次に、加熱炉52内部の温度が封着用フリットの軟化点温度以上になると、図9の(b)に示すように、バルブ65を閉じるとともにバルブ61を調節して乾燥ガスの流量を期間1における流量の半分以下の2L/minにする。そしてガス逃がし弁62を開いて、放電空間10の圧力が、加熱炉52内部の圧力よりも僅かに陽圧となるようにする。そして加熱炉52内部の温度を封着温度まで上昇させる(期間2)。
次に、加熱炉52内部の温度が封着温度以上の温度に到達し、封着材8が溶融し、第1の基体2と第2の基体3との封着、および第1の基体2とチップ管9a、9bとの接合が行われると、図9の(c)に示すように、排気装置72を動作させバルブ63を調整して、放電空間10の圧力を僅かに陰圧、例えば8.0×10Paにする。このようにしてチップ管9aからは乾燥ガスを供給するとともにチップ管9bから乾燥ガスを排気することによって、放電空間10の圧力を僅かに陰圧に保ちつつ放電空間10に乾燥した窒素ガスを流し続ける。
そしてヒータ51を制御して加熱炉52内部の温度を封着温度以上の温度に約30分保持する。この間に溶融した封着材が僅かに流動し、放電空間10の圧力が僅かに陰圧に保たれていることから、第1の基体2と第2の基体3との封着、および第1の基体2とチップ管9a、9bとの接合が精度よく行われる。その後、ヒータ51をオフにして加熱炉52の温度を軟化点以下の温度まで下げる(期間3)。
(排気工程)
排気工程は、放電空間10のガスを排気する工程である。加熱炉52内部の温度が軟化点温度以下になると、図9の(d)に示すように、バルブ61を閉じ、バルブ63およびバルブ65を開いて、複数の貫通孔11(11aおよび11b)からチップ管9a、9bを通して放電空間10を排気する。そしてヒータ51を制御して加熱炉52内部の温度を所定の時間保持しながら、排気を継続して行う。その後、ヒータ51をオフにして加熱炉52内部の温度を室温まで低下させる。この間も排気を継続して行う(期間4)。
(放電ガス供給工程)
放電ガス供給工程は、真空排気された放電空間10にネオン(Ne)およびキセノン(Xe)等を主成分とする放電ガスを供給する工程である。加熱炉52内部の温度が室温まで低下した後、図9の(e)に示すように、バルブ63を閉じ、バルブ64およびバルブ65を開いて、チップ管9a、9bから複数の貫通孔11(11aおよび11b)を通して放電ガスを所定の圧力となるように供給する。その後、チップ管9a、9bの先端(それぞれ、配管53、54)との接続箇所を加熱して封止する。
以上のようにして、所定の構成部材を備えた第1の基体2と第2の基体3とを固定し、その周囲を封着材8で封着して放電空間10にキセノン(Xe)とネオン(Ne)などを含む放電ガスを封入して紫外光発光素子1が完成する。
以上のように、本実施の形態における紫外光発光素子1によれば、複数の電極7の各々は、第1の基体2の主面上において、第1の基体2、第2の基体3および封着材8で封じられた密閉空間の外部から、第1の基体2と封着材8とが接合される第1の接合箇所2aを貫通し、密閉空間の内部を通り、第1の基体2と封着材8とが接合される第2の接合箇所2bに至るように延在している。つまり、電極7の先端部7aは、第1の基体2と封着材8とで挟まれる箇所に位置している。
これにより、沿面放電が起こり易い電極の先端部は、第1の基体と封着材とで挟まれた空間に位置し、封着材で覆われるので、沿面放電が抑制される。その結果、電力効率が高く、紫外光が従来よりも均一に放出される紫外光発光素子が実現される。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2における紫外光発光素子について説明する。
図10は、実施の形態2における紫外光発光素子1aの断面図であり、実施の形態1における図2に対応する。実施の形態1と同じ構成要素については、実施の形態1と同じ符号を付し、その説明を省略する。
図10に示す紫外光発光素子1aは、基本的な構成として、第1の基体2と、第1の基体2の主面上に位置する複数の電極7と、第1の基体2の主面上に位置して複数の電極7を覆う誘電体層6と、第1の基体2の主面に対向して位置する第2の基体3と、第1の基体2と第2の基体3との間に密閉された放電空間を設けるように第1の基体2と第2の基体3とを接合して第1の基体2および第2の基体3とともに放電空間10を封じる封着材8と、誘電体層6上に位置して放電空間10で発生した励起光を受けて紫外光を発光する発光層4とを備える。なお、本実施の形態では、誘電体層6上(誘電体層6と発光層4との間)に、保護層5が形成されている。
ここで、複数の電極7の各々は、第1の基体2の主面上において、第1の基体2、第2の基体3および封着材8で封じられた密閉空間の外部から、第1の基体2と封着材8とが接合される第1の接合箇所2aを貫通し、密閉空間の内部に延在している。そして、特徴的な構造として、発光層4は、密閉空間の外部から内部に延びる方向における複数の電極7の先端部7aを覆う第1の端部4aを有し、かつ、第1の端部4aが第1の基体2と封着材8とが接合される第2の接合箇所2bに位置する。
封着材8は、角筒構造を有している。ここで、第1の接合箇所2aは、封着材8の第1の側面8aと第1の基体2とが接合される箇所であり、第2の接合箇所2bは、封着材8の第1の側面8aと対向する第2の側面8bと第1の基体2とが接合される箇所である。そして、発光層4は、さらに、第1の接合箇所2aに位置する第2の端部4bも有する。
このように、本実施の形態における紫外光発光素子1aでは、従来の形態と異なる構成として、電極7の先端部7aが並ぶ側の発光層4の2辺(第1の端部4aおよび第2の端部4b)が、Z軸方向で(紫外光発光素子1aを平面視したときに)、封着材8の形成領域に重なっている。つまり、電極7の先端部7aを覆う発光層4の端部(第1の端部4aおよび第2の端部4b)が、第1の基体2と封着材8とで挟まれる箇所に位置している。
以上のように構成された本実施の形態における紫外光発光素子1aについて、その特徴を説明する。
実施の形態1で説明したように、局所的に電界がかかる領域である電極7の先端部7aでは沿面放電が起きやすい。さらに、この沿面放電は、発光層4が形成されていない領域(電極7を覆っていない領域)で起きていることが分かった。これは、粉体の厚膜である発光層4よりも固体である保護層5や誘電体層6や基体(第1の基体2および第2の基体3)の表面の帯電性が高いためであると考えられる。
この課題の解決法として、本実施の形態における紫外光発光素子1aは、図10に示すように、電極7の先端部7aが並ぶ側の発光層4の2辺(複数の電極7の先端部7aを覆う第1の端部4aおよび第2の端部4b)を封着材8の形成領域に重ならせるようにした。つまり、電極7の先端部7aを覆う発光層4の端部(第1の端部4aおよび第2の端部4b)が、第1の基体2と封着材8とで挟まれる箇所(第1の接合箇所2aおよび第2の接合箇所2b)に位置している。図11は、電極7と封着材8と発光層4との位置関係を示す模式平面図である。電極7の先端部7aが並ぶ側の発光層4の2辺が封着材8の形成領域に重なっている。
これにより、沿面放電が起きやすい保護層5や誘電体層6や基体の表面を全て発光層4で覆うことになり、沿面放電の発生を抑制することができる。その結果、沿面放電が抑制されることで、本実施の形態における紫外光発光素子1aでは、電力効率が高く、紫外光が従来よりも均一に放出される。さらに、この解決法では、既存の構成材料を用いるため、コストを増やすことなく課題を解決することができる。
なお、その他の材料、構造の特徴および効果に関しては、実施の形態1と同様である。
次に、以上の実施の形態1および2に従って構成した紫外光発光素子と従来の構成の紫外光発光素子とを試作し、沿面放電の発生のしやすさを比較する実験を行ったので、実施例として説明する。試作した紫外光発光素子の作製方法は、前述した実施の形態1における紫外光発光素子1の作製方法に従った。
試作した紫外光発光素子の電極の基本構造については、実施の形態1および2と同様に、2対の櫛型の電極を左右から入れ違いとなるような形状で作成した。電極は、Agを抵抗加熱蒸着により作成した。電極の放電箇所の電極間隔は1mmであり、1本の電極幅は0.5mmとした。
電極を設ける第1の基体と第2の基体とには深紫外光を透過するサファイアガラスを用い、放電空間側に発光層を設けた。また、第2の基体を構成するサファイアガラスは片面のみ研磨しており、発光層を形成する放電側を未研磨面とすることで発光層の膜の密着性を向上させた。
紫外光発光素子に封入した放電ガスは、放電空間にネオン(Ne)95%とキセノン(Xe)5%の混合ガスを10kPaで封入した。
誘電体層は、電極を形成した面上の全体に、20μmの膜厚で形成した。
誘電体上の保護膜は、酸化マグネシウム(MgO)を電子ビーム真空蒸着法にて1μmの厚さで成膜した。保護層は、蒸着マスクを用いて、誘電体の形成領域のみに形成した。
紫外光発光素子の沿面放電の発生のしやすさを比較するため、電極に印加する駆動電圧を上げた際に発生する沿面放電の発生電圧で比較を行った。沿面放電の発生電圧が高いほど、沿面放電が発生しにくいと判断できる。電極に印加する電圧は、30kHzの矩形波を用いた。1対の電極には、それぞれ相反する位相の矩形波の電圧を印加した。
沿面放電の発生電圧の測定方法としては、電極に印加する矩形波の電圧を950Vまで上げ、沿面放電が発生した電圧を「沿面放電発生電圧」として測定した。
発光層の材料の種類、保護層の有無、および、封着材の形成領域に形成される部材を様々な態様に変更して得られる本実施の形態1および2に係る紫外光発光素子の試作について、構成条件と、測定で得られた沿面放電発生電圧とを以下の表1に示す。
Figure 2016219191
従来の発光素子として作製した比較例1と比較例2の素子の構成条件は、比較例1の発光層にYBO3:Gdを、比較例2の発光層に波長が200nmから300nmに発光がある酸化マグネシウム(MgO)の粉体を用いた。発光層の膜厚は、第1の基体上と第2の基体上に20μmを均一に形成した。なお、発光層に用いた酸化マグネシウム(MgO)の粉体は、粉体中にハロゲン原子であるフッ素が含まれていることをXPSにて確認している。保護層には、真空蒸着した1μmの酸化マグネシウム(MgO)の薄膜を用いた。電極の先端および発光層の電極端がある2辺は、封着材の形成領域よりも放電空間側に形成した。
実施の形態1の実施例として作製した実施例1と実施例2の構成条件は、次の通りである。つまり、実施例1の発光層にYBO3:Gdを、実施例2の発光層にMgO粉体を用いた。保護層には、真空蒸着した1μmのMgO薄膜を用いた。電極の先端は、実施の形態1示した構造と同様に、封着材の形成領域内に形成した。その他の構成は比較例1または2と同じである。
実施の形態2の実施例として作製した実施例3と実施例4の構成条件は、次の通りである。つまり、発光層に酸化マグネシウム(MgO)の粉体を用いた。実施例3では、保護層を設けず、誘電体上に酸化マグネシウム(MgO)の粉体の発光層を形成した。実施例4では、真空蒸着した1μmの酸化マグネシウム(MgO)の薄膜の保護層を形成し、その上に酸化マグネシウム(MgO)の粉体の発光層を形成した。電極の先端部が並ぶ側の発光層の2辺(第1の端部および第2の端部)は、実施の形態2で示した構造と同様に、封着材の形成領域内に形成した。その他の構成は比較例1または比較例2と同じである。
上記表1に示されるように、沿面放電は、発光層として、YBO3:Gdよりも酸化マグネシウム(MgO)の粉体を用いた場合の方が、沿面放電を生じやすいことが分かった。また、電極の先端部または発光層の辺(第1の端部および第2の端部)を封着材の形成領域の内部にすることで沿面放電を抑制できることが分かった。
なお、上記実施例において、発光層の下層に保護膜として酸化マグネシウム(MgO)を用いたが、酸化カルシウム(CaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化ストロンチウム(SrO)またはこれらの混相層のいずれかを用いても高い電子放出特性を実現することができるため、放電開始電圧の抑制効果が現れる。
また、上記実施例において、発光層の材料の一部に粉体中にハロゲン原子であるフッ素が含まれている酸化マグネシウム(MgO)の粉体を用いたが、例えば塩素(Cl)のようなフッ素以外のハロゲン原子が含まれた酸化マグネシウム(MgO)の粉体でもよい。さらに、ハロゲン原子を含まなくても酸化マグネシウム(MgO)の粉体は200nmから300nmに発光を持つ。
また、上記実施例において、第2の基体に片面研磨のサファイアガラスを用いることで発光層の形成面に凹凸を設けたが、サンドブラスト等で表面に凹凸が付くように加工してもよい。また、第2の基体だけに限らず、第1の基体上の誘電体層等に凹凸を設けてもよい。
また、上記実施例において、放電ガスにネオン(Ne)とキセノン(Xe)との混合ガスを用いたが、これに限らず、ネオン(Xe)の単体ガスやフッ素(F)等他のガスを用いてもよい。
以上、一つまたは複数の態様に係る紫外光発光素子について、実施の形態1および2に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
例えば、実施の形態1と実施の形態2の特徴を併せ持つ紫外光発光素子として、実現してもよい。具体的には、電極7の先端部7aが第1の基体2と封着材8とで挟まれた空間に位置し、かつ、電極7の先端部7aを覆う発光層4の第1の端部4aが第1の基体2と封着材8とで挟まれた空間に位置してもよい。これにより、沿面放電が大きく抑制され、より電力効率が高く、紫外光が従来よりも均一に放出される紫外光発光素子が実現され得る。
本発明は、紫外光発光素子として、特に、電力効率が高く、より均一に紫外光を発光する紫外光発光素子として、例えば、深紫外光で有機物を分解し、これによって殺菌、脱臭、洗浄、浄水、リソグラフ、照明などの用途に用いることができる深紫外光発光素子として有用である。
1、1a 紫外光発光素子
2 第1の基体
2a 第1の接合箇所
2b 第2の接合箇所
3 第2の基体
4 発光層
4a 第1の端部(発光層)
4b 第2の端部(発光層)
5 保護層
6 誘電体層
7 電極
8 封着材
8a 第1の側面(封着材)
8b 第2の側面(封着材)
9、9a、9b チップ管
10 放電空間
11、11a、11b 貫通孔
12 紫外光(より特定的には深紫外光)
51 ヒータ
52 加熱炉
53、54 配管
61、63、64、65 バルブ
62 ガス逃がし弁
66 圧力計
71 乾燥ガス供給装置
72 排気装置
73 放電ガス供給装置
100 封着・排気用加熱炉
200 乾燥ガス

Claims (9)

  1. 第1の基体と、
    前記第1の基体の主面上に位置する複数の電極と、
    前記第1の基体の前記主面上に位置し前記複数の電極を覆う誘電体層と、
    前記第1の基体の前記主面に対向して位置する第2の基体と、
    前記第1の基体と前記第2の基体との間に密閉された放電空間を設けるように、前記第1の基体と前記第2の基体とを接合し、前記第1の基体および前記第2の基体とともに前記放電空間を封じる封着材と、
    前記誘電体層上または、前記第2の基体の前記放電空間の側の面上に位置し、前記放電空間で発生した励起光を受けて紫外光を発光する発光層と、を備え、
    前記複数の電極の各々は、前記第1の基体の主面上において、前記第1の基体、前記第2の基体および前記封着材で封じられた密閉空間の外部から、前記第1の基体と前記封着材とが接合される第1の接合箇所を貫通し、前記密閉空間の内部を通り、前記第1の基体と前記封着材とが接合される第2の接合箇所に至るように延在している、紫外光発光素子。
  2. 前記封着材は、角筒構造を有し、
    前記第1の接合箇所は、前記封着材の第1の側面と前記第1の基体とが接合される箇所であり、
    前記第2の接合箇所は、前記封着材の前記第1の側面と対向する第2の側面と前記第1の基体とが接合される箇所である、請求項1記載の紫外光発光素子。
  3. 第1の基体と、
    前記第1の基体の主面上に位置する複数の電極と、
    前記第1の基体の前記主面上に位置し前記複数の電極を覆う誘電体層と、
    前記第1の基体の前記主面に対向して位置する第2の基体と、
    前記第1の基体と前記第2の基体との間に密閉された放電空間を設けるように、前記第1の基体と前記第2の基体とを接合し、前記第1の基体および前記第2の基体とともに前記放電空間を封じる封着材と、
    前記第1の基体の前記誘電体層上に位置し、前記放電空間で発生した励起光を受けて紫外光を発光する発光層と、を備え、
    前記複数の電極の各々は、前記第1の基体の主面上において、前記第1の基体、前記第2の基体および前記封着材で封じられた密閉空間の外部から、前記第1の基体と前記封着材とが接合される第1の接合箇所を貫通し、前記密閉空間の内部に延在しており、
    前記発光層は、前記密閉空間の外部から内部に延びる方向における前記複数の電極の先端部を覆う第1の端部を有し、かつ、前記第1の端部が前記第1の基体と前記封着材とが接合される第2の接合箇所に位置する、紫外光発光素子。
  4. 前記封着材は、角筒構造を有し、
    前記第1の接合箇所は、前記封着材の第1の側面と前記第1の基体とが接合される箇所であり、
    前記第2の接合箇所は、前記封着材の第1の側面と対向する第2の側面と前記第1の基体とが接合される箇所であり、
    前記発光層は、さらに、第1の接合箇所に位置する第2の端部を有する、請求項3記載の紫外光発光素子。
  5. 前記誘電体層上に、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、および酸化ストロンチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの材料を含む薄膜から成る保護層が形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の紫外光発光素子。
  6. 前記発光層は、200nm以上300nm以下の波長の光を発する酸化マグネシウムの粉体を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の紫外光発光素子。
  7. 前記酸化マグネシウムの前記粉体は、ハロゲン原子を含む、請求項6に記載の紫外光発光素子。
  8. 前記ハロゲン原子は、フッ素である、請求項7に記載の紫外光発光素子。
  9. 前記放電空間に、ネオンおよびキセノンを含むガスが充填されており、
    前記発光層は、前記ガス中に生じる前記複数の電極間の放電によって前記励起光を発光する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の紫外光発光素子。
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