JP2016219118A - 電子顕微鏡および測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子線が試料を透過する際の偏向量を高い感度で、かつ高い位置分解能で測定することができる電子顕微鏡を提供する。
【解決手段】電子顕微鏡100は、電子線EBが試料Sを透過する際の偏向量を測定するための電子顕微鏡であって、電子線EBを発生させる電子線源と、電子線EBを集束して試料Sに照射する照射レンズ系と、試料Sに入射する電子線EBの中央部EB1と外周部EB2との間を遮蔽する電子線遮蔽部を有する絞り30と、試料Sを透過した電子線EBを検出する検出面22が複数の検出領域に分割された分割型検出器20と、を含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、電子顕微鏡および測定方法に関する。
走査透過電子顕微鏡(scanning transmission electron microscope:STEM)で電磁場を可視化する手法として、微分位相コントラスト(Differential Phase Contrast:DPC)法が知られている。これは、電子線が試料を透過する際の偏向量を測定し、そこから電子線偏向の原因となる試料中の電磁場を計算する手法である(例えば特許文献1参照)。
特開2009−277618号公報
図13は、分割型検出器104を用いてDPC法で測定を行う際の、従来の電子顕微鏡101の動作を説明するための図である。図14は、分割型検出器104を模式的に示す図である。なお、図13では、電子顕微鏡101の要部のみを図示している。
図13に示すように、電子線源(図示せず)で発生した電子線EBは、照射レンズ系(図示せず)により試料S上に収束される。この際、コンデンサーレンズ絞り102により収束角が制限される。試料Sを透過した電子線EBの一部は、試料S後方に構成された分割型検出器104で検出される。
分割型検出器104は、図14に示すように、円環状の検出面103を角度方向(円周方向)に4等分した、4つの検出領域D1,D2,D3,D4を備え、各検出領域D1,D2,D3,D4に入射した電子線量を同時に検出することができる。試料Sと分割型検出器104との間の光学的な距離(カメラ長)は、結像系レンズ(図示せず)で調整することができる。
DPC法で測定を行う場合、図14に示すように、透過電子線の外周縁(エッジ)が分割型検出器104の検出面103内に位置するようにカメラ長が調整される。電子線EBが試料Sによって偏向されると検出面103上での透過電子線の位置がずれ、分割した4つの検出領域D1,D2,D3,D4の検出信号は増減する。図14に示す例では、検出面103上での透過電子線の照射領域E1が、試料Sによって偏向されて領域E2へとずれている。
この各検出領域D1,D2,D3,D4の検出信号の増減を加減算等で抽出することにより、電子線EBの偏向量がわかり、そこから試料S中の電磁場分布を求めることができる。透過電子線の外周縁が検出面103内に位置することにより、透過電子線の照射領域が移動した際の各検出領域D1,D2,D3,D4の検出信号の増減を大きくすることができる。
試料Sによる電子線EBの偏向量が小さい場合には、検出面103上での透過電子線の移動量も小さくなり、移動量の検出が難しくなる。このような場合には、図15に示すように、カメラ長を大きくして、検出面103上での電子線の移動量を大きくすることが有
効である。
しかし、照射系を変えずにカメラ長を大きくすると、透過電子線の分布(径)が拡大されるため、図15に示すように、検出面103全体に透過電子線が照射される。これにより、検出面103上での透過電子線の照射領域の移動に対する各検出領域D1,D2,D3,D4の信号量変化が小さくなり、電子線EBの偏向量を高い感度で測定することが難しくなる。
そこで、図16に示すように、照射系の絞りの孔径を小さくするなどして、試料Sへの照射角を小さくする手法が考えられる。これにより、試料Sによる電子線EBの偏向量の検出感度を上げることができるが、収束角が小さくなるため、回折によって位置分解能が低下する。
このように、従来の電子顕微鏡では、試料電磁場による電子線偏向量の検出感度を上げるためにカメラ長を大きくする場合、検出面103の大きさに応じて収束角を小さくしなければならず、位置分解能が制限されていた。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、電子線が試料を透過する際の偏向量を高い感度で、かつ高い位置分解能で測定することができる電子顕微鏡を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、電子線が試料を透過する際の偏向量を高い感度で、かつ高い位置分解能で測定することができる測定方法を提供することにある。
(1)本発明に係る電子顕微鏡は、
電子線が試料を透過する際の偏向量を測定するための電子顕微鏡であって、
前記電子線を発生させる電子線源と、
前記電子線を集束して前記試料に照射する照射レンズ系と、
前記試料に入射する前記電子線の中央部と外周部との間を遮蔽する電子線遮蔽部を有する絞りと、
前記試料を透過した電子線を検出する検出面が複数の検出領域に分割された分割型検出器と、
を含む。
このような電子顕微鏡では、試料に入射する電子線の中央部と外周部との間を遮蔽する電子線遮蔽部を有する絞りを含むことにより、収束角の小さい電子線の中央部の外周縁が分割型検出器の検出面内に位置するようにカメラ長を調整すればよいため、例えば電子線遮蔽部を有さない絞りを用いる場合と比べて、カメラ長を大きくすることができる。したがって、電子線が試料を透過する際の偏向量を高い感度で測定することができる。
さらに、このような電子顕微鏡では、収束角の小さい電子線の中央部に外周部を加えて電子線の干渉パターンを変化させることができる。これにより、例えば電子線の中央部のみを試料に照射する場合と比べて、試料面上でのプローブ径の広がりを抑えることができ、位置分解能を高めることができる。
したがって、このような電子顕微鏡では、高い位置分解能を得られる状態でも、カメラ長を大きくして試料による電子線の偏向量を高い感度で測定することができる。よって、このような電子顕微鏡によれば、電子線が試料を透過する際の偏向量を高い感度で、かつ高い位置分解能で測定することができる。
(2)本発明に係る電子顕微鏡において、
前記絞りは、
前記中央部を通過させる第1絞り孔と、
前記外周部を通過させる円環状の第2絞り孔と、
を有してもよい。
このような電子顕微鏡では、第2絞り孔の外径を大きくして高い位置分解能を得られる状態でも、第1絞り孔の径を小さくしてカメラ長を大きくすることができる。したがって、このような電子顕微鏡によれば、電子線が試料を透過する際の偏向量を高い感度で、かつ高い位置分解能で測定することができる。
(3)本発明に係る電子顕微鏡において、
前記絞りは、第1絞り部と、第2絞り部と、を有し、
前記第1絞り部は、前記電子線を通過させる第1絞り孔を有し、
前記第2絞り部は、
前記第1絞り孔を通過した前記電子線の中央部を通過させる第2絞り孔と、
前記第1絞り孔を通過した前記電子線の外周部を通過させる第3絞り孔と、
を有してもよい。
このような電子顕微鏡では、絞りが、第1絞り部と、第2絞り部と、の2段で構成されているため、例えば第1絞り部のみを用いて通常の電子顕微鏡像を取得した後に、第2絞り部を挿入して、DPC法による電子顕微鏡像を取得することができる。そのため、容易に、試料の同じ領域に対して、通常の電子顕微鏡像と、DPC法による電子顕微鏡像と、を取得することができる。
(4)本発明に係る電子顕微鏡において、
前記中央部が前記試料に入射して前記試料から放出された透過電子線の外周縁が、前記分割型検出器の前記検出面内に位置するように、カメラ長を制御するカメラ長制御レンズ系を含んでいてもよい。
(5)本発明に係る電子顕微鏡において、
前記試料と前記分割型検出器との間に配置され、前記試料を透過した電子のうち、散乱・回折した電子を検出する暗視野像検出器を含んでいてもよい。
このような電子顕微鏡では、暗視野像検出器が試料と分割型検出器との間に配置されているため、暗視野像を、DPC法による電子顕微鏡像と同時に取得することができる。
(6)本発明に係る電子顕微鏡において、
前記カメラ長制御レンズ系は、前記暗視野像検出器と前記分割型検出器との間に設けられていてもよい。
このような電子顕微鏡では、例えば暗視野像検出器と分割型検出器との間に物理的な距離がとれない場合であっても、分割型検出器に対するカメラ長を大きくすることができる。
(7)本発明に係る測定方法は、
検出面が複数の検出領域に分割された分割型検出器を備えた電子顕微鏡において、電子線が試料を透過する際の偏向量を測定する測定方法であって、
前記試料に入射する前記電子線の中央部と外周部との間を遮蔽する電子線遮蔽部を有する絞りを配置する工程と、
前記中央部が前記試料に入射することにより前記試料から放出された透過電子線の外周縁が、前記検出面内に位置するようにカメラ長を調整する工程と、
前記検出領域ごとに、電子顕微鏡像を取得する工程と、
を含む。
このような測定方法によれば、電子線の中央部が試料に入射することにより試料から放出された透過電子線の外周縁が、検出面内に位置するようにカメラ長を調整するため、電子線が試料を透過する際の偏向量を高い感度で、かつ高い位置分解能で測定することができる。
第1実施形態に係る電子顕微鏡の構成を模式的に示す図。 第1実施形態に係る電子顕微鏡の分割型検出器を模式的に示す平面図。 第1実施形態に係る電子顕微鏡のコンデンサー絞りを模式的に示す平面図。 第1実施形態に係る測定方法の一例を示すフローチャート。 第1実施形態に係る電子顕微鏡の動作を説明するための図。 第1実施形態に係る電子顕微鏡の動作を説明するための図。 第2実施形態に係る電子顕微鏡の構成を模式的に示す図。 第2実施形態に係る電子顕微鏡の動作を説明するための図。 第3実施形態に係る電子顕微鏡の構成を模式的に示す図。 第3実施形態に係る電子顕微鏡のコンデンサー絞りの第1絞り部を模式的に示す平面図。 第3実施形態に係る電子顕微鏡のコンデンサー絞りの第2絞り部を模式的に示す平面図。 第3実施形態に係る電子顕微鏡の動作を説明するための図。 分割型検出器を用いてDPC法で測定を行う際の従来の電子顕微鏡の構成を模式的に示す図。 分割型検出器を模式的に示す図。 従来の電子顕微鏡の動作を説明するための図。 従来の電子顕微鏡の動作を説明するための図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. 電子顕微鏡
まず、第1実施形態に係る電子顕微鏡について図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る電子顕微鏡100の構成を模式的に示す図である。
電子顕微鏡100では、電子線EBが試料Sを透過する際の偏向量を測定することができる。この測定結果から、電子線偏向の原因となる試料中の電磁場を計算することができる(DPC法)。
電子顕微鏡100は、図1に示すように、電子線源10と、照射レンズ系11と、偏向器12と、対物レンズ13と、試料ステージ14と、中間レンズ15と、投影レンズ16と、分割型検出器20と、コンデンサー絞り30と、電源40と、処理部50と、操作部60と、表示部62と、記憶部64と、を含む。
電子線源10は、電子線EBを発生させる。電子線源10としては、例えば熱電子放出型や、熱電界放出型、冷陰極電界放出型などの電子銃を用いることができる。
照射レンズ系11は、電子線源10で発生した電子線EBを収束させる。コンデンサー絞り30は、試料Sに入射する電子線EBの収束角(入射角)を決めるための絞りである。コンデンサー絞り30は、後述するように、電子線EBを、収束角の小さい中央部と、収束角の大きい外周部と、に分離する。コンデンサー絞り30の詳細については後述する。
偏向器12は、電子線EBを偏向させる。電源40から供給される走査信号を偏向器12に供給することにより、収束した電子線EBで試料S上を走査することができる。これにより、電子顕微鏡100を、走査透過電子顕微鏡(STEM)として機能させることができる。
対物レンズ13は、電子線EBを試料S上に収束させ、試料Sを透過した電子を結像する。
試料ステージ14は、試料Sを保持する。また、試料ステージ14は、試料Sを水平方向や鉛直方向に移動させたり試料Sを傾斜させたりすることができる。
中間レンズ15は、対物レンズ13の像面または後方焦点面(回折面)を投影レンズ16の物面に結像する。投影レンズ16は、中間レンズ15の像面を分割型検出器20の検出面22上に結像する。
分割型検出器20は、投影レンズ16の後方(電子線EBの下流側)に設けられている。図2は、分割型検出器20を模式的に示す平面図である。
分割型検出器20は、図2に示すように、検出面22が複数の検出領域D1,D2,D3,D4に分割されている。図2に示す例では、分割型検出器20は、円環状の検出面22を角度方向(円周方向)に4等分した、4つの検出領域D1,D2,D3,D4を備え、各検出領域D1,D2,D3,D4に入射した電子線量を同時に検出することができる。
なお、検出面22の分割数、すなわち検出領域の数は特に限定されず、分割型検出器20は、2つ以上の検出領域を有することができる。分割型検出器20は、図示はしないが、検出面22がその動径方向および偏角方向(円周方向)に区画されることにより、複数の検出領域を有していてもよい。例えば、分割型検出器20は、検出面22が動径方向に4つ、偏角方向に4つに分割されることにより、16個の検出領域を有してもよい。
分割型検出器20は、例えば、図示はしないが、電子線を光に変換する電子−光変換素子(シンチレーター)と、電子−光変換素子を複数の検出領域D1,D2,D3,D4として分割するとともに各検出領域D1,D2,D3,D4からの光を伝送する光伝送路(光ファイバー束)と、光伝送路から伝送された検出領域D1,D2,D3,D4ごとの光を電気信号に変換する複数の光検出器(光電子増倍管)と、を備えている。
電源40は、電子線源10や、光学系11,12,13,15,16に電圧又は電流を印加する。電源40は、制御部52からの制御信号に基づいて、電子線源10や、光学系11,12,13,15,16に電圧又は電流を印加する。
操作部60は、ユーザーによる操作に応じた操作信号を取得し、処理部50に送る処理
を行う。操作部60は、例えば、ボタン、キー、タッチパネル型ディスプレイ、マイクなどである。操作部60は、例えば、ユーザーからの観察倍率や観察領域などの入力値を受け付ける。
表示部62は、処理部50によって生成された画像を表示するものであり、その機能は、LCD、CRTなどにより実現できる。表示部62は、例えば、画像処理部54で生成された走査電子顕微鏡像(STEM像)を表示する。
記憶部64は、処理部50のワーク領域となるもので、その機能はRAMなどにより実現できる。記憶部64は、処理部50が各種の制御処理や計算処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部64は、処理部50が各種プログラムに従って実行した算出結果等を一時的に記憶するためにも使用される。
処理部50は、記憶部64に記憶されているプログラムに従って、各種の制御処理や計算処理を行う。処理部50は、記憶部64に記憶されているプログラムを実行することで、以下に説明する、制御部52、画像処理部54として機能する。処理部50の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。なお、処理部50の少なくとも一部をハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
処理部50は、制御部52と、画像処理部54と、を含む。
制御部52は、電子線源10や、電子顕微鏡100を構成する光学系11,12,13,15,16に電圧又は電流を印加するための電源40の出力電圧または出力電流を制御するための処理を行う。
画像処理部54は、分割型検出器20の出力信号を用いてSTEM像を生成する処理を行う。画像処理部54は、例えば、分割型検出器20の各検出領域D1,D2,D3,D4ごとに明視野STEM像を生成する処理や、検出領域D1,D2,D3,D4の検出信号を加減算等して画像を生成する処理を行うことができる。すなわち、画像処理部54では、分割型検出器20の検出結果から、DPC法によるSTEM像を生成することができる。
ここで、コンデンサー絞り30について説明する。コンデンサー絞り30は、試料Sの前方(電子線EBの上流側)に配置されている。コンデンサー絞り30は、電子線源10で発生した電子線EBを試料Sに照射するための照射系に組み込まれている。コンデンサー絞り30の位置は、試料Sの前方であれば特に限定されない。
図3は、コンデンサー絞り30を模式的に示す平面図である。
コンデンサー絞り30は、図3に示すように、試料Sに入射する電子線EBの中央部と外周部との間を遮蔽する電子線遮蔽部32を有する。また、コンデンサー絞り30は、電子線EBの中央部を通過させる第1絞り孔34と、電子線EBの外周部を通過させる円環状の第2絞り孔36と、を有しており、電子線遮蔽部32は第1絞り孔34と第2絞り孔36との間の領域である。第1絞り孔34の形状は、図3に示す例では、円であるがその形状は特に限定されない。第2絞り孔36の形状は、例えば、円環状である。電子線遮蔽部32は、複数の架橋部38によって支持されている。架橋部38の数および形状は、特に限定されない。
電子顕微鏡100では、試料Sに入射する電子線EBは、コンデンサー絞り30によっ
て、中央部と外周部との間が遮蔽されて、光軸A近傍の中央部と、光軸Aから離れた外周部と、に分離される。そして、分離された電子線EBは、試料S上に照射される。なお、光軸Aは、電子顕微鏡100の光学系を構成している各レンズ11,13,15,16の中心を通る軸である。
1.2. 測定方法
次に、第1実施形態に係る電子顕微鏡100を用いた、電子線EBが試料Sを透過する際の偏向量を測定する方法(DPC法)について説明する。図4は、第1実施形態に係る測定方法の一例を示すフローチャートである。図5および図6は、第1実施形態に係る電子顕微鏡100の動作を説明するための図である。
まず、図5に示すように、試料Sに入射する電子線EBの中央部EB1と外周部EB2との間を遮蔽する電子線遮蔽部32を有するコンデンサー絞り30を配置する(ステップS10)。
電子顕微鏡100では、電子線源10で発生した電子線EBは、照射レンズ系11によって収束され、対物レンズ13によって試料S上に収束される。図5に示すように、コンデンサー絞り30が配置されることにより、電子線EBは、収束角の小さい中央部EB1と、収束角の大きい外周部EB2と、に分離されて、試料S上に収束される。
次に、図5および図6に示すように、電子線EBの中央部EB1が試料Sに入射することにより試料Sから放出される透過電子線TE1の外周縁(エッジ)が、検出面22内に位置するようにカメラ長を調整する(ステップS11)。なお、図6では、透過電子線TE1の外周縁および透過電子線TE2の外周縁を破線で示している。
ここで、透過電子線とは、試料Sを透過する電子のうち、試料Sで散乱されずに透過する電子(ダイレクトビーム)をいう。透過電子線を検出することにより、明視野STEM像が得られる。
カメラ長の調整は、結像系のレンズ(例えば中間レンズ15や投影レンズ16)を調整することにより行われる。例えば、ユーザーが操作部60を介して所望のカメラ長の値を入力すると、制御部52が入力された値に基づいて電源40を制御し、結像系のレンズに所定の電流が供給されてカメラ長が設定される。
このとき、図6に示すように、透過電子線TE1の外周縁の全部が検出面22内に位置するようにカメラ長を調整することが望ましい。なお、図示はしないが、透過電子線TE1の外周縁の一部が検出面22内にあるようにカメラ長が調整されてもよい。
このように、透過電子線TE1の外周縁が分割型検出器20の検出面22内に位置するようにカメラ長を調整することで、検出面22上での透過電子線TE1の移動に対する各検出領域D1,D2,D3,D4の信号量変化を大きくすることができる。
なお、電子線EBの外周部EB2が試料Sに入射することにより試料Sから放出される透過電子線TE2は、検出面22の外に照射される。すなわち、透過電子線TE2は、分割型検出器20で検出されない。
次に、分割型検出器20の検出領域D1,D2,D3,D4ごとに明視野STEM像を取得する(ステップS12)。
具体的には、電子顕微鏡100において、電子線源10から放出された電子線EBを、
照射レンズ系11により収束し、コンデンサー絞り30により中央部EB1と外周部EB2とに分離し、対物レンズ13で試料S上に収束する。この収束された電子線EBを、偏向器12によって試料S上で走査しながら、処理部50が分割型検出器20の各検出領域D1,D2,D3,D4の検出信号を取り込む。そして、画像処理部54が試料S上の各点の検出信号の強度を画像上のピクセル強度として、検出領域D1,D2,D3,D4ごとにSTEM像(明視野STEM像)を生成する。生成された各検出領域D1,D2,D3,D4ごとのSTEM像は、記憶部64に記憶され、表示部62に表示される。
このようにして得られた各検出領域D1,D2,D3,D4ごとのSTEM像(DPC法によるSTEM像)から、電子線EBが試料Sを透過する際の偏向量の情報、すなわち試料S中の電磁場の情報を得ることができる。
以上の工程により、電子線EBが試料Sを透過する際の偏向量を測定することができる。
電子顕微鏡100は、例えば、以下の特徴を有する。
電子顕微鏡100では、コンデンサー絞り30が試料Sに入射する電子線EBの中央部と外周部との間を遮蔽する電子線遮蔽部32を有することにより、収束角の小さい電子線EBの中央部EB1の外周縁が分割型検出器20の検出面22内に位置するようにカメラ長を調整すればよいため、電子線遮蔽部32を有さない絞りを用いる場合と比べて、カメラ長を大きくすることができる。
例えば、コンデンサー絞り30が電子線遮蔽部32を有さない場合、図13に示すように、収束角の大きい電子線が試料Sに入射することにより放出された透過電子線の外周縁が分割型検出器104の検出面103内に位置するようにカメラ長を調整しなければならないため、カメラ長が小さくなる。これに対して、コンデンサー絞り30が電子線遮蔽部32を有する場合、図5に示すように、透過電子線TE1の外周縁が分割型検出器20の検出面22内に位置するようにカメラ長を調整すればよいため、カメラ長を大きくすることができる。
このように、電子顕微鏡100では、コンデンサー絞り30が電子線遮蔽部32を有することにより、カメラ長を大きくできるため、電子線EBが試料Sを透過する際の偏向量を高い感度で測定することができる。
さらに、電子顕微鏡100では、コンデンサー絞り30が電子線遮蔽部32を有することにより、収束角の小さい電子線EBの中央部EB1に外周部EB2を加えて電子線の干渉パターンを変化させることができる。これにより、電子線EBの中央部EB1のみを試料Sに照射する場合と比べて、試料S面上でのプローブ径の広がりを抑えることができ、位置分解能を高めることができる。例えば、従来の電子顕微鏡では、大きなカメラ長でDPC法による測定を行うためには、図16に示すように、収束角を小さくしなければならなかったため、回折により試料面上でのプローブ径が広がり、位置分解能を低下させていた。
したがって、電子顕微鏡100では、高い位置分解能を得られる状態でも、カメラ長を大きくして試料Sによる電子線EBの偏向量を高い感度で測定することができる。よって、電子顕微鏡100によれば、電子線EBが試料Sを透過する際の偏向量を高い感度で、かつ高い位置分解能で測定することができる。
電子顕微鏡100では、コンデンサー絞り30は、電子線EBの中央部EB1を通過さ
せる第1絞り孔34と、電子線EBの外周部EB2を通過させる円環状の第2絞り孔36と、を有している。そのため、電子顕微鏡100では、第2絞り孔36の外径を大きくして高い位置分解能を得られる状態でも、第1絞り孔34の径を小さくしてカメラ長を大きくすることができる。したがって、電子顕微鏡100によれば、電子線EBが試料Sを透過する際の偏向量を高い感度で、かつ高い位置分解能で測定することができる。
このように、電子顕微鏡100では、第1絞り孔34の径を小さくして電子線EBの中央部EB1の径を小さくすることにより、カメラ長を大きくすることができる。すなわち、第1絞り孔34の径が試料Sによる電子線EBの偏向量の感度(偏向感度)に対応する。上述したように、電子顕微鏡100では、コンデンサー絞り30によって、電子線EBが中央部EB1と外周部EB2とに分離して、外周部EB2の影響を抑えて中央部EB1の移動を検出している。そのため、電子線EBの中央部EB1の径(すなわち偏向感度)を比較的自由に選択することができる。これを利用して、観察する試料Sにあわせて最適な条件を選択することができる。
また、電子顕微鏡100では、第2絞り孔36の径を大きくして電子線EBの外周部EB2の径(外径)を大きくすることにより、回折の影響を低減させて位置分解能を向上させることができる。すなわち、第2絞り孔36の外径が位置分解能に対応する。第2絞り孔36の外径は、光学系の収差等に応じて適宜選択される。
電子顕微鏡100を用いた、電子線EBが試料Sを透過する際の偏向量を測定する測定方法では、電子線EBの中央部EB1が試料Sに入射することにより試料Sから放出される透過電子線TE1の外周縁が、分割型検出器20の検出面22内に位置するようにカメラ長を調整するため(ステップS11)、上述したように、電子線EBが試料Sを透過する際の偏向量を高い感度で、かつ高い位置分解能で測定することができる。
2. 第2実施形態
2.1. 電子顕微鏡
次に、第2実施形態に係る電子顕微鏡について、図面を参照しながら説明する。図7は、第2実施形態に係る電子顕微鏡200の構成を模式的に示す図である。以下、第2実施形態に係る電子顕微鏡200において、第1実施形態に係る電子顕微鏡100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
電子顕微鏡200は、図7に示すように、暗視野像検出器210と、カメラ長制御レンズ系220と、を備えている点で、上述した電子顕微鏡100と異なる。
暗視野像検出器210は、試料Sを透過した電子のうち、散乱・回折した電子を検出する。暗視野像検出器210は、例えば、高角度に非弾性散乱された電子を検出するADF検出器(annular dark−field detector)である。暗視野像検出器210の検出信号は、処理部50に送られる。画像処理部54は、暗視野像検出器210の検出信号から暗視野STEM像(HAADF−STEM像)を生成する。
暗視野像検出器210は、試料Sと分割型検出器20との間に配置されている。図示の例では、暗視野像検出器210は、投影レンズ16の後方(電子線の下流側)に設けられているが、暗視野像検出器210は、試料Sと分割型検出器20との間であればその位置は特に限定されない。暗視野像検出器210を試料Sと分割型検出器20との間に配置することで、暗視野像検出器210に対するカメラ長(試料Sと暗視野像検出器210との間の光学的な距離)を、分割型検出器20に対するカメラ長よりも小さくすることができる。
カメラ長制御レンズ系220は、分割型検出器20に対するカメラ長を制御するためのレンズ系である。カメラ長制御レンズ系220は、暗視野像検出器210と分割型検出器20との間に設けられている。カメラ長制御レンズ系220には、電源40から所定の電流が供給される。
2.2. 測定方法
次に、第2実施形態に係る電子顕微鏡200を用いた、電子線EBが試料Sを透過する際の偏向量を測定する方法(DPC法)について説明する。図8は、第2実施形態に係る電子顕微鏡200の動作を説明するための図である。なお、第2実施形態に係る測定方法の一例を示すフローチャートは、図4に示すフローチャートと同様であり、図示を省略する。また、第1実施形態に係る測定方法と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
上述した第1実施形態に係る測定方法では、透過電子線TE1の外周縁が分割型検出器20の検出面22内に位置するようにカメラ長を調整する工程(ステップS11、図4参照)において、結像系のレンズを制御してカメラ長を調整していた。すなわち、結像系のレンズがカメラ長制御レンズ系として機能していた。
これに対して、第2実施形態に係る測定方法では、カメラ長を調整する工程(ステップS11)において、カメラ長制御レンズ系220を制御して分割型検出器20に対するカメラ長を調整する。
カメラ長制御レンズ系220でカメラ長を制御することにより、暗視野像検出器210に対するカメラ長と、分割型検出器20に対するカメラ長と、を個別に制御することができる。したがって、図8に示すように、暗視野像検出器210に対するカメラ長を小さくし、かつ、分割型検出器20に対するカメラ長を大きくすることができる。これにより、分割型検出器20の検出領域D1,D2,D3,D4ごとに明視野STEM像を取得する工程(ステップS12)において、明視野STEM像(DPC法によるSTEM像)と暗視野STEM像(HAADF−STEM像)を同時に取得することができる。
なお、図示はしないが、カメラ長制御レンズ系220を設けずに、暗視野像検出器210と分割型検出器20との間の距離を、物理的に離してもよい。この場合にも、同様に、分割型検出器20の検出領域D1,D2,D3,D4ごとに明視野STEM像と暗視野STEM像を同時に取得することができる。
電子顕微鏡200では、試料Sと分割型検出器20との間に配置された暗視野像検出器210を含む。そのため、電子顕微鏡200によれば、暗視野像検出器210に対するカメラ長を、分割型検出器20に対するカメラ長よりも小さくすることができ、高分解能のHAADF−STEM像を、DPC法によるSTEM像と同時に取得することができる。これは、高分解能のHAADF−STEM像を得るためにはカメラ長を小さくすることが必要であるのに対して、DPC法によるSTEM像を取得するためには、上述したようにカメラ長を大きくする必要があるためである。
さらに、電子顕微鏡200では、カメラ長制御レンズ系220が暗視野像検出器210と分割型検出器20との間に設けられている。そのため、電子顕微鏡200によれば、カメラ長制御レンズ系220によって分割型検出器20に対するカメラ長を制御することができ、例えば暗視野像検出器210と分割型検出器20との間の距離を物理的に離す場合と比べて、小型化を図ることができる。
3. 第3実施形態
3.1. 電子顕微鏡
次に、第3実施形態に係る電子顕微鏡について、図面を参照しながら説明する。図9は、第3実施形態に係る電子顕微鏡300の構成を模式的に示す図である。以下、第3実施形態に係る電子顕微鏡300において、第1実施形態に係る電子顕微鏡100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
電子顕微鏡300では、図9に示すように、コンデンサー絞り30が、第1絞り部310と、第2絞り部320と、で構成されている点で、上述した電子顕微鏡100と異なる。
コンデンサー絞り30は、前方側の第1絞り部310と、後方側の第2絞り部320の2段で構成されている。
図10は、コンデンサー絞り30の第1絞り部310を模式的に示す平面図である。図11は、コンデンサー絞り30の第2絞り部320を模式的に示す平面図である。
第1絞り部310は、図10に示すように、電子線EBを通過させる第1絞り孔312を有している。
第1絞り部310の第1絞り孔312の形状は、図10に示す例では、円であるがその形状は特に限定されない。第1絞り孔312の径は、図11に示す円環状の第3絞り孔326の外径よりも小さく第3絞り孔326の内径よりも大きい。
第2絞り部320は、図11に示すように、第1絞り部310の第1絞り孔312を通過した電子線EBの中央部と外周部との間を遮蔽する電子線遮蔽部322を有している。
第2絞り部320は、第1絞り孔312を通過した電子線EBの中央部を通過させる第2絞り孔324と、電子線EBの外周部を通過させる円環状の第3絞り孔326と、を有しており、電子線遮蔽部322は第2絞り孔324と第3絞り孔326との間の領域である。第2絞り孔324の形状は、図11に示す例では、円であるがその形状は特に限定されない。第3絞り孔326の形状は、例えば、円環状である。電子線遮蔽部322は、複数の架橋部328によって支持されている。架橋部328の数および形状は、特に限定されない。
第2絞り部320の第2絞り孔324は、図3に示す第1絞り孔34に対応している。第1絞り部310の第1絞り孔312と第3絞り孔326とが、図3に示す第2絞り孔36に対応する。
図12は、電子顕微鏡300の動作を説明するための図である。
電子顕微鏡300において、試料Sに入射する電子線EBは、図12に示すように、第1絞り部310の第1絞り孔312を通過した後に、第2絞り部320の第2絞り孔324および第3絞り孔326を通過する。これにより、上述した電子顕微鏡100のコンデンサー絞り30(図3参照)と同様に、電子線EBの中央部EB1と外周部EB2との間が遮蔽されて、電子線EBは、光軸A近傍の中央部と、光軸Aから離れた外周部と、に分離されて試料Sに入射する。
3.2. 測定方法
第3実施形態に係る測定方法は、上述した図4に示す第1実施形態に係る測定方法と、コンデンサー絞り30を配置する工程(ステップS10)で2段の絞り部310,320
を配置する点を除いて同様であり、その説明を省略する。
電子顕微鏡300によれば、上述した電子顕微鏡100と同様の作用効果を奏することができる。さらに、電子顕微鏡300によれば、コンデンサー絞り30が、第1絞り部310と、第2絞り部320と、の2段で構成されているため、例えば第1絞り部310のみを用いて通常のSTEM像を取得した後に、第2絞り部320を挿入し、第1絞り部310および第2絞り部320を用いて、DPC法によるSTEM像を取得することができる。そのため、容易に、試料Sの同じ領域に対して、通常のSTEM像と、DPC法によるSTEM像と、を取得することができる。
なお、図示はしないが、図9に示す電子顕微鏡300に、図7に示す暗視野像検出器210およびカメラ長制御レンズ系220を組み込んでもよい。これにより、電子顕微鏡300においても、明視野STEM像と暗視野STEM像とを同時に取得することができる。
4. 変形例
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施形態では、検出面が複数の検出領域に分割された分割型検出器20として、電子−光変換素子と、光伝送路と、光検出器と、を含んで構成された装置を挙げて説明したが、分割型検出器は透過電子の移動を検出することができればこの構成に限定されない。例えば、本発明に係る電子顕微鏡の分割型検出器としてCCD(Charge Coupled Device)カメラを用いてもよい。
CCDカメラを分割型検出器として用いる場合、透過電子線の外周縁が検出面内に位置するようにカメラ長を調整する工程(ステップS11、図4参照)では、透過電子線の外周縁がCCDカメラの検出面(受光面)内に位置するようにカメラ長が調整される。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…電子線源、11…照射レンズ系、12…偏向器、13…対物レンズ、14…試料ステージ、15…中間レンズ、16…投影レンズ、20…分割型検出器、22…検出面、30…コンデンサー絞り、32…電子線遮蔽部、34…第1絞り孔、36…第2絞り孔、38…架橋部、40…電源、50…処理部、52…制御部、54…画像処理部、60…操作部、62…表示部、64…記憶部、100,101…電子顕微鏡、102…コンデンサーレンズ絞り、103…検出面、104…分割型検出器、200…電子顕微鏡、210…暗視野像検出器、220…カメラ長制御レンズ系、300…電子顕微鏡、310…第1絞り部、312…第1絞り孔、320…第2絞り部、322…電子線遮蔽部、324…第2絞り孔、326…第3絞り孔、328…架橋部

Claims (7)

  1. 電子線が試料を透過する際の偏向量を測定するための電子顕微鏡であって、
    前記電子線を発生させる電子線源と、
    前記電子線を集束して前記試料に照射する照射レンズ系と、
    前記試料に入射する前記電子線の中央部と外周部との間を遮蔽する電子線遮蔽部を有する絞りと、
    前記試料を透過した電子を検出する検出面が複数の検出領域に分割された分割型検出器と、
    を含む、電子顕微鏡。
  2. 請求項1において、
    前記絞りは、
    前記中央部を通過させる第1絞り孔と、
    前記外周部を通過させる円環状の第2絞り孔と、
    を有する、電子顕微鏡。
  3. 請求項1において、
    前記絞りは、第1絞り部と、第2絞り部と、を有し、
    前記第1絞り部は、前記電子線を通過させる第1絞り孔を有し、
    前記第2絞り部は、
    前記第1絞り孔を通過した前記電子線の中央部を通過させる第2絞り孔と、
    前記第1絞り孔を通過した前記電子線の外周部を通過させる第3絞り孔と、
    を有する、電子顕微鏡。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記中央部が前記試料に入射して前記試料から放出された透過電子線の外周縁が、前記分割型検出器の前記検出面内に位置するように、カメラ長を制御するカメラ長制御レンズ系を含む、電子顕微鏡。
  5. 請求項4において、
    前記試料と前記分割型検出器との間に配置され、前記試料を透過した電子のうち、散乱・回折した電子を検出する暗視野像検出器を含む、電子顕微鏡。
  6. 請求項5において、
    前記カメラ長制御レンズ系は、前記暗視野像検出器と前記分割型検出器との間に設けられている、電子顕微鏡。
  7. 検出面が複数の検出領域に分割された分割型検出器を備えた電子顕微鏡において、電子線が試料を透過する際の偏向量を測定する測定方法であって、
    前記試料に入射する前記電子線の中央部と外周部との間を遮蔽する電子線遮蔽部を有する絞りを配置する工程と、
    前記中央部が前記試料に入射することにより前記試料から放出された透過電子線の外周縁が、前記検出面内に位置するようにカメラ長を調整する工程と、
    前記検出領域ごとに、電子顕微鏡像を取得する工程と、
    を含む、測定方法。
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