JP2016217422A - 円錐式クラッチ機構 - Google Patents

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加藤 芳章
Yoshiaki Kato
芳章 加藤
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Abstract

【課題】軸方向における長さを短くする円錐式クラッチ機構を提供する。【解決手段】ピストン部40と入力部20とに摩擦係合可能な出力部30と、ピストン部40を軸方向に移動させるアクチュエータ3bとを備え、アクチュエータ3bは、ピストン部40よりも駆動軸2aの径方向外側に配置されるモータ50と、ピストン部40を回転可能に支持し、モータ50によって軸方向にピストン部40と共に移動するピストン支持部54とを備える。【選択図】 図2

Description

本発明は円錐式クラッチ機構に関するものである。
従来、特許文献1には、ピストンの後方に配置したチューブに流体を出し入れすることで、ピストンを軸方向に移動させて、ピストンと受圧部材との間に設けたトルク伝達部と、受圧部材との摩擦係合状態を変更し、締結、または解放する円錐式クラッチが開示されている。
特開2000−55081号公報
上記の技術では、ピストン、チューブ、及びピストンをチューブ側に付勢するバネが軸方向に並べて配置されている。そのため、軸方向の寸法が長くなる、といった問題点がある。
本発明はこのような問題点を解決するために発明されたもので、円錐式クラッチにおいて、軸方向の長さを短くすることを目的とする。
本発明のある態様に係る円錐式クラッチ機構は、円錐式クラッチ機構であって、駆動軸に接続し、テーパー形状の受圧部を有する入力部と、テーパー形状の押圧部を有し、駆動軸の軸方向に移動可能なピストン部と、受圧部と押圧部との間に受圧部及び押圧部に摩擦係合可能なコニカル形状の摩擦係合部を有し、非駆動部材に接続する出力部と、ピストン部を軸方向に移動させて、入力部と出力部とを締結、または解放するアクチュエータとを備え、アクチュエータは、ピストン部よりも駆動軸の径方向外側に配置されるモータと、径方向に延設され、ピストン部を回転可能に支持し、モータによって軸方向にピストン部と共に移動するピストン支持部とを備える。
この態様によると、ピストン部、及びモータが軸方向に並んで配置されないので、円錐式クラッチ機構の軸方向の長さを短くすることができる。
第1実施形態のクラッチ機構を有する車両の概略構成図である。 第1実施形態のクラッチ機構を説明する概略構成図である。 第2実施形態のクラッチ機構を説明する概略構成図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のクラッチ機構3を有する車両1の概略構成図である。車両1は、エンジン2と、クラッチ機構3と、トルクコンバータ4と、オイルポンプ5と、前後進切替機構6と、バリエータ7と、終減速機構8と、駆動輪9と、油圧回路10と、コントローラ11と、を備える。
エンジン2は駆動源であり、エンジン2の出力は、クラッチ機構3、トルクコンバータ4、前後進切替機構6、バリエータ7、終減速機構8を介して駆動輪9へと伝達される。
クラッチ機構3は、エンジン2とトルクコンバータ4との間に配置され、エンジン2とトルクコンバータ4との間の動力伝達を接続、または遮断する。クラッチ機構3について、詳しくは後述する。
トルクコンバータ4は、流体を介して動力を伝達する。トルクコンバータ4は、ロックアップクラッチ4aを有しており、ロックアップクラッチ4aを締結することで、動力伝達効率を高めることができる。トルクコンバータ4は、ダンパー4b(図2中に図示する。)を有しており、ロックアップクラッチ4aが締結した場合に、エンジン2の振動がトルクコンバータ4よりも下流側に伝達されることを抑制している。
オイルポンプ5は、スプロケット5a、5b、チェーン5cを介してトルクコンバータ4のポンプインペラー4cに接続され、ポンプインペラー4cの回転が伝達されて駆動する。
前後進切替機構6は、エンジン2とバリエータ7との間、具体的にはトルクコンバータ4とバリエータ7との間に設けられる。前後進切替機構6は、前進走行に対応する正転方向と後退走行に対応する逆転方向とで、入力される回転の回転方向を切り替える。
バリエータ7は、プライマリプーリ71とセカンダリプーリ72との間に掛け回したベルト73と、各プーリ71、72との接触半径を変更することで、変速を行うベルト式無段変速機構を構成している。
終減速機構8は、バリエータ7からの出力回転を駆動輪9に伝達する。終減速機構8は、複数の歯車列やディファレンシャルギアを有して構成される。終減速機構8は、車軸を介して駆動輪9を回転する。
油圧回路10は、オイルポンプ5から吐出される油によってライン圧を発生させ、ライン圧を元圧として、トルクコンバータ4、前後進切替機構6、プライマリプーリ71、セカンダリプーリ72に油圧を供給する。
コントローラ11は、詳しくは図示しないがアクセルペダル開度センサなどのセンサ群からの信号に基づいて油圧回路10、クラッチ機構3を制御する。
次に、クラッチ機構3について図2を用いて詳しく説明する。
クラッチ機構3は円錐式のクラッチ機構であり、クラッチ部3aと、アクチュエータ3bとを備える。
クラッチ部3aは、入力部20と、出力部30と、ピストン部40とにより構成される。
入力部20は、エンジン2の駆動軸2aに固定され、駆動軸2aと一体となって回転する。入力部20は、駆動軸2aの径方向に延設される第1ハウジング21と、第1ハウジング21の径方向外側においてボルト24により第1ハウジング21に結合される第2ハウジング22とから構成される。
第1ハウジング21は、トルクコンバータ4側の面に第1テーパー部21aが形成され、第1テーパー部21aに摩擦材21bが固定されている。このように、第1ハウジング21には、第1テーパー部21aと摩擦材21bとにより、受圧部23が形成される。
第2ハウジング22は、ボルト24が螺合され、第1ハウジング21と結合する結合部22aと、結合部22aから駆動軸2aの径方向内側に延設されるバネ支持部22bとから構成される。
ピストン部40は、アクチュエータ3bの作動状態に応じて、駆動軸2aの軸方向に移動する。ピストン部40は、後述するアクチュエータ3bのピストン支持部54に支持されて駆動軸2aの径方向に延設される延在部41と、径方向外側の延在部41からエンジン2側(入力部20側)に突出する押圧部42とから構成されている。
押圧部42は、押圧部42の一部が入力部20の第1ハウジング21と第2ハウジング22との間に位置しており、エンジン2側の面であり、第1ハウジング21の第1テーパー部21aと向かい合う位置に第2テーパー部42aが形成され、第2テーパー部42aに摩擦材42bが固定されている。押圧部42には、第2ハウジング22と向かい合う位置に凹部42cが形成される。凹部42cにはバネ25の一部が収容される。バネ25の一方の端部は凹部42cの底部42dに当接し、バネ25のもう一方の端部は第2ハウジング22に当接する。押圧部42がバネ25によりエンジン2側に付勢されることで、ピストン部40はエンジン2側に付勢される。
延在部41は、トルクコンバータ4側の面が第2ハウジング22のトルクコンバータ4側の面よりも、トルクコンバータ4側に突出しないように設けられる。
出力部30は、トルクコンバータ4のケース4dに取り付けられ、駆動軸2aの径方向に延設される取付部31と、駆動軸2aの径方向内側の取付部31から駆動軸2aの軸方向に延設される第1連結部32と、エンジン2側の第1連結部32から、延在部41と第1ハウジング21との間を駆動軸2aの径方向に延設される第2連結部33と、駆動軸2aの径方向外側の第2連結部33からエンジン2側に延設され、エンジン2側となるにつれて拡径するコニカル部34とから構成される。出力部30は、図2に示すように断面がU字状であり、トルクコンバータ4と一体となり回転する。
コニカル部34は、第1ハウジング21に形成される受圧部23と、ピストン部40に形成される押圧部42との間に設けられる。コニカル部34は、アクチュエータ3bの作動状態に応じて、押圧部42、及び受圧部23に摩擦係合し、または摩擦係合が解除される。
アクチュエータ3bは、変速機ケース12に取り付けられる。アクチュエータ3bは、モータ50と、モータ50の回転軸50aに固定された第1ギヤ51と、第1ギヤ51に噛み合う第2ギヤ52と、第2ギヤ52の回転軸52aの先端側に設けたボールねじ53と、ボールねじ53に取り付けられ、駆動軸2aに向けて延設され、ピストン部40を支持するピストン支持部54とから構成される。
モータ50、第1ギヤ51、第2ギヤ52、ボールねじ53は、クラッチ部3aよりも駆動軸2aの径方向外側に位置する。
モータ50は、コントローラ11からの信号に基づいて駆動、停止する。モータ50が駆動してモータ50の回転軸50aが回転すると、ボールねじ53、及びピストン支持部54が後退する。
ピストン支持部54は、軸受け55を介してピストン部40を回転可能に支持するとともに、ピストン支持部54に対するピストン部40の駆動軸2aの軸方向への移動を規制する。つまり、ピストン支持部54が軸方向に移動すると、ピストン部40は、ピストン支持部54と一体となって駆動軸2aの軸方向に移動する。
次に、クラッチ機構3の作用について説明する。
クラッチ機構3は、モータ50に通電されておらず、モータ50がOFFであり、アクチュエータ3bが作動していない場合には、バネ25によってピストン部40がエンジン2側に付勢され、押圧部42がコニカル部34をエンジン2側に付勢し、押圧部42と受圧部23とによってコニカル部34を挟持する。これにより、クラッチ部3aが締結される。つまりクラッチ機構3は、通常時に締結するノーマルクローズのクラッチである。
一方、モータ50に通電され、モータ50がONとなり、アクチュエータ3bが作動すると、ボールねじ53がモータ50側(トルクコンバータ4側)に移動する。これに伴い、ピストン部40がバネ25の付勢力に抗してトルクコンバータ4側に移動し、押圧部42がトルクコンバータ4側に移動することで、コニカル部34が押圧部42と受圧部23とによって挟持されなくなり、クラッチ部3aの締結が解除され、クラッチ部3aが解放される。この状態は、モータ50がONとなっている限り維持される。
モータ50がONからOFFに変更されると、バネ25の付勢力に抗してピストン部40をトルクコンバータ4側に維持するための力がなくなり、バネ25の付勢力によってピストン部40がエンジン2側に移動し、クラッチ部3aが締結される。
クラッチ部3aは、例えば車両走行中にエンジン2を停止させるコーストストップ制御時に解放される。走行中にエンジン2を停止させた場合であっても、クラッチ部3aによりエンジン2とトルクコンバータ4との間の動力伝達が遮断されることで、オイルポンプ5は、エンジン2の回転速度の低下に関係なく、ポンプインペラー4cの回転が伝達されて駆動する。従って、車両走行中にエンジン2を停止させても、オイルポンプ5から油を吐出させることができる。
本発明の第1実施形態の効果について説明する。
本実施形態では、ピストン部40を駆動軸2aの軸方向に移動させるモータ50をピストン部40よりも駆動軸2aの径方向外側に配置し、ピストン支持部54を介してピストン部40を駆動軸2aの軸方向に移動させる。本実施形態では、モータ50、ピストン部40、及びバネ25が駆動軸2aの軸方向に並べて配置されていない。つまり、モータ50が、ピストン部40、及びバネ25に対して一直線上に配置されていない。このように、モータ50を、ピストン部40、及びバネ25に対して駆動軸2aの径方向にずらして配置することで、駆動軸2aの軸方向におけるクラッチ部3aの長さを短くすることができる。これにより、車両1のパワートレインにおける、駆動軸2aの軸方向の長さを短くすることができる(請求項1に対応する効果)。
ピストン部40に凹部42cを設け、凹部42cにバネ25の一部を収容し、バネ25の一方の端部を凹部42cの底部42dに当接させ、もう一方の端部を第2ハウジング22に当接させる。これにより、ノーマルクローズのクラッチ機構3を実現するとともに、駆動軸2aの軸方向におけるクラッチ部3aの長さを短くすることができる(請求項2に対応する効果)。
ピストン部40の延在部41のトルクコンバータ4側の面が、第2ハウジング22のトルクコンバータ4側の面よりも、トルクコンバータ4側に突出しないように、延在部41を設ける。これにより、駆動軸2aの軸方向におけるクラッチ部3aの長さを短くすることができる(請求項3に対応する効果)。
アクチュエータ3bをボールねじ式とし、ピストン支持部54は軸受け55を介してピストン部40を支持する。これにより、簡易な構成でクラッチ部3aの締結、解放を切り替えることができる(請求項4に対応する効果)。
次に本発明の第2実施形態について図3を用いて説明する。
第2実施形態については第1実施形態と異なる部分を説明する。
第2実施形態のクラッチ機構3は、第2ハウジング22の外周壁、及び駆動軸2aに接続されるダンパー60を第2ハウジング22よりも駆動軸2aの径方向外側に設ける。
ダンパー60は、エンジン2の振動がクラッチ機構3よりも下流側に伝達されることを抑制する。
本発明の第2実施形態の効果について説明する。
本実施形態では、第2ハウジング22よりも駆動軸2aの径方向外側にダンパー60を設ける。これにより、第1実施形態においてトルクコンバータ4内に設けたダンパー4bを省くことができ、駆動軸2aの軸方向におけるトルクコンバータ4の長さを短くすることができ、パワートレインの長さを短くすることができる(請求項5に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
本実施形態のクラッチ機構3は、上記車両に限られず、ハイブリッド車両、減速時の運動エネルギーを蓄えるフライホイールを有する車両など車両走行中にエンジン2を停止させる車両に用いることができる。
また、上記実施形態では、ノーマルクローズのクラッチ機構について説明したが、モータによって駆動されない場合にクラッチ機構を解放するノーマリオープンのクラッチ機構であってもよい。
1 車両
2 エンジン
2a 駆動軸
3 クラッチ機構(円錐式クラッチ機構)
3b アクチュエータ
4 トルクコンバータ(非駆動部材)
4b ダンパー
5 オイルポンプ
20 入力部
21 第1ハウジング
22 第2ハウジング
25 バネ
30 出力部
33 コニカル部(摩擦係合部)
23 受圧部
40 ピストン部
41 延在部
42 押圧部
42c 凹部
50 モータ
54 ピストン支持部
55 軸受け
60 ダンパー

Claims (5)

  1. 円錐式クラッチ機構であって、
    駆動軸に接続し、テーパー形状の受圧部を有する入力部と、
    テーパー形状の押圧部を有し、前記駆動軸の軸方向に移動可能なピストン部と、
    前記受圧部と前記押圧部との間に前記受圧部及び前記押圧部に摩擦係合可能なコニカル形状の摩擦係合部を有し、非駆動部材に接続する出力部と、
    前記ピストン部を前記軸方向に移動させて、前記入力部と前記出力部とを締結、または解放するアクチュエータとを備え、
    前記アクチュエータは、
    前記ピストン部よりも前記駆動軸の径方向外側に配置されるモータと、
    前記径方向に延設され、前記ピストン部を回転可能に支持し、前記モータによって前記軸方向に前記ピストン部と共に移動するピストン支持部とを備える、
    ことを特徴とする円錐式クラッチ機構。
  2. 請求項1に記載の円錐式クラッチ機構であって、
    前記ピストン部は、前記ピストン部を前記軸方向に付勢するバネの一部を収容する凹部を備え、
    前記入力部は、
    前記受圧部が形成され、前記径方向に延設される第1ハウジングと、
    前記凹部に向かい合い、前記バネの端部が当接し、前記第1ハウジングに結合される第2ハウジングとを備える、
    ことを特徴とする円錐式クラッチ機構。
  3. 請求項2に記載の円錐式クラッチ機構であって、
    前記ピストン部は、前記ピストン支持部に支持され、前記径方向に延設される延在部を備え、
    前記延在部は、前記第2ハウジングの前記非駆動部材側の端面よりも、前記非駆動部材側に突出しない、
    ことを特徴とする円錐式クラッチ機構。
  4. 請求項3に記載の円錐式クラッチ機構であって、
    前記アクチュエータは、ボールねじ式アクチュエータであり、
    前記ピストン支持部は、軸受けを介して前記ピストン部を支持する、
    ことを特徴とする円錐式クラッチ機構。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の円錐式クラッチ機構であって、
    前記入力部よりも前記径方向外側に、前記入力部と前記駆動側の軸とを接続するダンパーを備える、
    ことを特徴とする円錐式クラッチ機構。
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