JP2016216840A - コットン繊維集合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コットン綿やコットン不織布等のコットン繊維群中のコットン繊維相互間を、コットン繊維の高吸湿性、高吸水性及び風合を損なわずに、接合する方法を提供する。
【解決手段】 脱脂されたコットンを粉砕処理してフィブリル化コットンを得る。フィブリル化コットンを水に分散させてコットンスラリーを得る。コットンスラリー中のフィブリル化コットンの濃度は1〜5質量%である。また、フィブリル化コットンの平均繊維長は0.1mm以下である。コットンスラリー中には、抗菌性無機微粒子や消臭性無機微粒子が含有されていてもよい。このコットンスラリーをコットン綿やコットン不織布等のコットン繊維群を付与する。これにより、コットン綿やコットン不織布等のコットン繊維相互間がフィブリル化コットンで接合される。
【選択図】 図2
Description
脱脂処理したコットンを約2.5mmに切断したものを、水に分散させて濃度2質量%の分散液を得た。この分散液を、石臼式粉砕機(増幸産業株式会社製の「スーパーマスコロイダーMK CA6−2J」)に投入した。石臼式粉砕機は、砥石としてMKGC6−80を用い、砥石の回転数を1800rpmとした。粉砕後の分散液を石臼式粉砕機にさらに4回の投入(合計で5回の投入)を繰り返してコットンスラリーを得た。そして、コットンスラリー中のフィブリル化コットンの濃度を1質量%に調整して、コットンスラリー1を得た。コットンスラリー1中のフィブリル化コットンの平均繊維長は125.6μmであった。なお、平均繊維長は、ベックマン.コールター社製の粒度分布測定機LS200で測定したものである。なお、図1はコットンスラリー1中のフィブリル化コットンを取り出し、日本電子株式会社製の走査型電子顕微鏡JCM−5000で観察したSEM写真である。
石臼式粉砕機に投入する回数を6回にする他は、コットンスラリー1の製造例と同一の方法でコットンスラリー2を得た。コットンスラリー2中のフィブリル化コットンの平均繊維長は22.0μmであった。
石臼式粉砕機に投入する回数を8回にする他は、コットンスラリー1の製造例と同一の方法でコットンスラリー3を得た。コットンスラリー3中のフィブリル化コットンの平均繊維長は7.4μmであった。
石臼式粉砕機に投入する回数を10回にする他は、コットンスラリー1の製造例と同一の方法でコットンスラリー4を得た。コットンスラリー4中のフィブリル化コットンの平均繊維長は4.6μmであった。
コットンスラリー4に、ZnOを主成分とする平均粒子径80nmの抗菌性微粒子(大和化学工業株式会社製の抗菌剤FZO)を、その濃度が2質量%となるように投入し、均一に分散させてコットンスラリー5を得た。
コットンスラリー4の水量を減少させて、フィブリル化コットンの濃度が5質量%となるように調整して、コットンスラリー6を得た。
コットンスラリー4の水量を減少させて、フィブリル化コットンの濃度が2質量%となるように調整して、コットンスラリー7を得た。
コットンスラリー4の水量を増加させて、フィブリル化コットンの濃度が0.5質量%となるように調整して、コットンスラリー8を得た。
コットン繊維相互間が水流によって交絡されたコットン不織布(コットン乾式不織布、大きさ:100mm×100mm、目付:27g/m2)を、二枚準備した。二枚のコットン不織布を重ね合わせ、その中央部にコットンスラリー1を4g滴下した。そして、自然乾燥させて、二枚のコットン不織布を貼合させたコットン繊維集合体を得た。その後、コットン繊維集合体中の二枚のコットン不織布を剥離させたが、比較的容易に剥離しうるものであった。
コットンスラリー1に代えて、コットンスラリー2を使用した他は、実施例1と同一の方法で二枚のコットン不織布を貼合した。その後、二枚のコットン不織布を剥離させたが、比較的剥離しにくいものであった。
コットンスラリー1に代えて、コットンスラリー3を使用した他は、実施例1と同一の方法で二枚のコットン不織布を貼合した。その後、二枚のコットン不織布を剥離させたが、剥離は困難であった。
コットンスラリー1に代えて、コットンスラリー4を使用した他は、実施例1と同一の方法で二枚のコットン不織布を貼合した。その後、二枚のコットン不織布を剥離させたが、剥離は困難であった。
コットンスラリー1に代えて、コットンスラリー6を使用した他は、実施例1と同一の方法で二枚のコットン不織布を貼合した。その後、二枚のコットン不織布を剥離させたが、剥離は困難であった。
コットンスラリー1に代えて、コットンスラリー7を使用した他は、実施例1と同一の方法で二枚のコットン不織布を貼合した。その後、二枚のコットン不織布を剥離させたが、剥離は困難であった。
コットンスラリー1に代えて、コットンスラリー8を使用した他は、実施例1と同一の方法で二枚のコットン不織布を貼合した。その後、二枚のコットン不織布を剥離させたが、比較的容易に剥離しうるものであった。
200mlのコットンスラリー4中に、実施例1で用いたコットン不織布を投入し、攪拌しながら15分間浸漬させた後、引き上げてコットン不織布を自然乾燥し、コットン繊維集合体を得た。このコットン繊維集合体を50mm×100mmの短冊片に切断した試験片を、ミネベア株式会社製の万能引張圧縮試験機TCM−50Jで引張強度を測定したところ、引張強度は38.8N/50mmであった。なお、実施例1で用いたコットン不織布の引張強度は11.4N/50mmであり、コットン不織布の引張強度が向上していることが分かる。
200mlのコットンスラリー5中に、コットン綿3gを投入し、攪拌しながら15分間浸漬した後、コットン綿を引き上げて自然乾燥し、コットン繊維集合体を得た。得られたコットン繊維集合体を、日本電子株式会社製の走査型電子顕微鏡JCM−5000で観察したところ、抗菌性微粒子及びフィブリル化コットンがコットン繊維表面に多量に付着しているのが確認できた。なお、SEM写真を図2として示しておいた。
コットンスラリー5中からフィブリル化コットンを抜いたものを使用する他は、実施例9と同一の方法により、コットン繊維集合体を得た。このコットン繊維集合体を、日本電子株式会社製の走査型電子顕微鏡JCM−5000で観察したところ、抗菌性微粒子がコットン繊維表面に少量付着しているのが確認できた。なお、SEM写真を図3として示しておいた。
脱脂処理したコットンを石臼式粉砕機で粉砕処理して、平均繊維長が5.9μmのフィブリル化コットンが1質量%の割合で水に分散しているコットンスラリーを得た。200mlのコットンスラリー中に、コットン綿3gを投入し、攪拌しながら15分間浸漬した後、コットン綿を引き上げて自然乾燥し、コットン繊維集合体を得た。得られたコットン繊維集合体を、日本電子株式会社製の走査型電子顕微鏡JCM−5000で観察したところ、コットン繊維相互間がフィブリル化コットンで接合されてなる状態を確認することができた。なお、SEM写真を図4として示しておいた。
Claims (6)
- コットンを粉砕処理して得られたフィブリル化コットンが水に分散しているコットンスラリーを、コットン繊維群に付与して、該コットン繊維群中の各コットン繊維相互間を該フィブリル化コットンで接合することを特徴とするコットン繊維集合体の製造方法。
- コットン繊維群がコットン繊維よりなるコットン乾式不織布又はコットン湿式不織布である請求項1記載のコットン繊維集合体の製造方法。
- コットンスラリー中に機能性微粒子が含有されている請求項1記載のコットン繊維集合体の製造方法。
- フィブリル化コットンの平均繊維長が0.1mm以下である請求項1記載のコットン繊維集合体の製造方法。
- コットンスラリー中のフィブリル化コットンの濃度が1〜5質量%である請求項1記載のコットン繊維集合体の製造方法。
- 脱脂されたコットンを粉砕処理してフィブリル化コットンを得る請求項1記載のコットン繊維集合体の製造方法。
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