JP2016216465A - 薬剤の組み合わせの送達 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】腫瘍の治療において有用性を有する、有用な組み合わせは、ドキソルビシンとラパマイシン、イリノテカンとイブプロフェン、イブプロフェンとドキソルビシン、及びイリノテカンとドキソルビシンである。ポリマーマトリックスは、好ましくは架橋ポリビニルアルコールである。薬剤を同一の微小球に含めてもよいし、それぞれ個別の薬剤を有する微小球を一緒に混合してもよい。微小球は、好ましくは腫瘍の化学塞栓形成に使用される。
【選択図】図2
Description
fa/fu=(D/Dm)m 方程式1。
式中、
D:薬剤の用量である。
Dm:効力を示す半有効用量である。半有効用プロットの×切片から決定する。
fa:用量により影響を受けた画分である。
fu:影響を受けなかった画分であり、fu=1−faである。
m:用量効果曲線のS字(形状)を示すべき指数である。半有効プロットのスロープから決定する。
fa=1/〔1+(Dm/D)m〕 方程式2。
D=Dm〔fa/(1−fa)〕1/m 方程式3。
log(fa/fu)=mlog(D)−mlog(Dm) 方程式4
古典的:同一又は同様の作用様式を有する相互排他的薬剤;
CI=(D)1/(Dx)1+(D)2/(Dx)2 方程式5
保守的:完全に独立した作用様式を有する相互非排他的薬剤:
CI=(D)1/(Dx)1+(D)2/(Dx)2+(D)1(D)2/(Dx)1(Dx)2 方程式6
Aは、C(O)O又はCH2であり、そして
Rは、NR2R3であり、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ水素原子、置換若しくは非置換C1-4アルキル基又は置換若しくは非置換の炭素環式若しくは複素環式基を表すか、或いはR2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、−O−、−S−若しくは>NR4で中断されていてもよい、場合により置換されている複素環を形成し、R4は、水素原子、置換若しくは非置換C1-4アルキル基又は置換若しくは非置換フェニル基であり;
ここで基−A−Rは、カンプトテシン化合物のA環の9、10又は11位のいずれかに位置する炭素原子と結合しており、R1は、A又はB環で置換されている〕
で示される化合物、又はその塩である。
Rは、NR2R3であり、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ水素原子、置換若しくは非置換C1-4アルキル基又は置換若しくは非置換の炭素環式若しくは複素環式基を表すか、或いはR2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、−O−、−S−若しくは>NR4で中断されていてもよい、場合により置換されている複素環を形成し、R4は、水素原子、置換若しくは非置換C1-4アルキル基又は置換若しくは非置換フェニル基であり;
ここで基−O−CO−Rは、カンプトテシン化合物のA環の9、10又は11位のいずれかに位置する炭素原子と結合している〕
を有するか、又はその塩である。
Qは、OCO又は−COO−であり、そしてAは、C2-4アルカンジイルである。
R21及びR22のうちの一方はHであり、他方はCH2NR24R25であり、ここで、R23及びR24は、同一又は異なって、それぞれ水素原子、置換若しくは非置換C1-4アルキル基又は置換若しくは非置換の炭素環式若しくは複素環式基を表すか、或いはR23及びR24は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、−O−、−S−若しくは>NR4で中断されていてもよい、場合により置換されている複素環を形成し、R4は、水素原子、置換若しくは非置換C1-4アルキル基又は置換若しくは非置換フェニル基である〕
を有し、その塩及び第四級誘導体も含まれる。この請求に適した化合物の一つの例は、トポテカンであり、この場合、R20はヒドロキシであり、R22及びR23は水素であり、R21はCH2NR24R25であり、そしてR24及びR25は両方ともメチルである。
Y1BQ1 II
〔式中、Y1は、
ここで、
R10は、水素又はC1〜C4アルキル基であり;
R11は、水素又はC1〜C4アルキル基であり;
R12は、水素又はC1-4アルキル基、又はBQ1であり、ここでB及びQ1は、下記に定義されているとおりであり;
A1は、−O−又は−NR11−であり;
K1は、基−(CH2)rOC(O)−、−(CH2)rC(O)O−、−(CH2)rOC(O)O−、−(CH2)rNR13−、−(CH2)rNR13C(O)−、−(CH2)rC(O)NR13−、−(CH2)rNR13C(O)O−、−(CH2)rOC(O)NR13−、−(CH2)rNR13C(O)NR13−(ここで基R13は同一又は異なっている)、−(CH2)rO−、−(CH2)rSO3−、又は、場合によりBと組み合わせて、原子価結合であり、rは、1〜12であり、R13は、水素又はC1〜C4アルキル基であり;
Bは、場合により、ペルフルオロ化鎖までを含む1個以上のフッ素原子を含有する、直鎖若しくは分岐鎖のアルカンジイル、オキサアルキレン、アルカンジイルオキサアルカンジイル若しくはアルカンジイルオリゴ(オキサアルカンジイル)鎖であるか、又はQ1若しくはY1が、Bに結合している末端炭素原子を含有する場合、原子価結合であり;そして
Q1は、アニオン性基である〕
を有する。
実質的に乾燥形態の水不溶性で水膨張性のアニオン性荷電架橋ポリマーのマトリックスを含む微小球を、第1有機溶媒中の室温で10g/l未満の水溶性を有する薬剤の溶液と接触させ、それにより溶媒中の薬剤の溶液が微小球に含浸される工程;
微小球に含浸されなかった薬剤溶液を分離する工程;
含浸微小球を水性液体と接触させ、それにより薬剤を微小球のコア内に沈殿させる工程;
沈殿した薬剤を含有する微小球を、ポリマーと反対の電荷を有するイオン性薬剤の水溶液と接触させて、装填のイオン交換を可能にする工程;及び
二重装填微小球を回収する工程、を含み、
薬剤は、本発明の第1又は更なる態様において選択されたものである。
ポリマー+水に対し40〜99重量%の範囲の平衡含水量に至るまで室温で水の中で膨張しうる、水不溶性で水膨張性のイオン性荷電ポリマーを含む、薬剤送達マトリックスを、室温で10g/l未満の水溶性を有する薬剤の、ポリマーを膨張することができる有機溶媒中の溶液と接触させ、それにより、溶液がマトリックスに含浸され;
ポリマーマトリックスに含浸されなかったあらゆる薬剤溶液を分離し;
含浸マトリックスを水と接触させ、それにより薬剤がマトリックス内で沈殿し;
沈殿した水不溶性薬剤を有するマトリックスを、イオン性荷電薬剤の水溶液と接触させ、それによりマトリックスを膨張させ、ポリマーと結合する対イオンとのイオン交換が生じ、荷電薬剤がポリマーマトリックスと静電気的に結合する。
微小球を、低AMPS及び高AMPS製剤の製造のため、WO2006027567の参照実施例に記載されているように合成する。
実施例1の高AMPSビーズ500〜700μmの5つの試料に、異なる手法に従ってドキソルビシン及びイリノテカンを装填した。
試料1:3.5mLのイリノテカン溶液(Campto, Pfizer、20mg.mL-1=70mg)を、1mLのビーズに48時間装填して、全てのスルホネート基を飽和した。次に、枯渇溶液を除去し、装填ビーズを既知の容量の脱イオン水で洗浄して、非結合薬剤を除去した。ビーズに装填されたイリノテカンの量を枯渇法により計算したが、この枯渇は、UVにより369nmの波長で測定した枯渇溶液及び全ての洗浄液における初期量及び最終量の差とした。その後、1mLのドキソルビシン(Dabur Oncology、25mg.mL-1)を同じビーズに添加し、装填プロフィールを決定した。
試料2:試料1と同様であるが、第1工程においてイリノテカン溶液の代わりに2.8mLのドキソルビシン溶液(25mg.ml-1=70mg)をビーズに添加し、全てのスルホネート基を飽和した。全ての溶液をUVにより483nmの波長で測定し、ビーズへの薬剤送達の量を枯渇により決定した。ビーズを装填し、脱イオン水で洗浄したあと、第2工程において、1.25mlのイリノテカン溶液(20mg.mL-1=25mg)を同じビーズに添加し、装填プロフィールを決定した。
試料3:1.25mLのイリノテカン溶液(20mg.ml-1=25mg)を1mlのビーズに装填し、1時間後、1mlのドキソルビシン(25mg.ml-1)を同じビーズに添加した。合間の洗浄は、この試料又は以下の試料に対しては実施しなかった。
試料4:1mlのドキソルビシン(25mg.ml-1)を1mlのビーズに装填し、1時間後、1.25mLのイリノテカン溶液(20mg.ml-1=25mg)を同じビーズに添加した。
試料5:1.25mlのイリノテカン溶液(20mg.ml-1=25mg)を1mlのドキソルビシン(25mg.ml-1)と混合し、次に1mlのビーズに添加した。
両方の薬剤の同じビーズへの装填及びそれからの溶出を計算するために、以下の前提を設けた:
483nmでの吸光度=483nmでのドキソルビシンの吸光度。
369nmでの吸光度=369nmでのドキソルビシンの吸光度+369nmでのイリノテカンの吸光度。
これらの実験の目的は、ビーズとの相互作用の機構を決定し、薬剤間の可能な相互作用を評価するために、ドキソルビシンとイリノテカンの異なる組み合わせの装填及び溶出挙動を評価し、比較することであった。両方の薬剤が同じビーズに成功裏に組み込まれた場合、必要であれば、両方の抗腫瘍剤の同時局所送達を達成することは簡単である。
異なる手法により両方の薬剤が装填されたビーズの間には顕著な差は検出されなかった(図3)。
図4は、全ての試料が同様の溶出傾向を示し、200mlのPBSに溶出されたとき、ドキソルビシンは、イリノテカン(<4時間に>99%のmg)と比較して非常にゆっくりと(24時間で<25%)放出される。
イブプロフェン及びドキソルビシン溶液を、低AMPSビーズに同時に装填した。これを達成するために、1mlの500〜700μmのビーズの1つの試料にイブプロフェンを(WO2004073688の実施例に従って)装填した。過剰な包装溶液をパスツールピペットの使用により除去し、2mlのドキソルビシン溶液(5mg.ml-1)を添加した。24時間後、50μlのアリコートを枯渇溶液から取り出し、UVにより263nm及び483nmで測定した。ビーズへのドキソルビシン装填量を、枯渇溶液における初期及び最終量の差とした枯渇により計算した(計算は下記に説明する)。
両方の薬剤の同じビーズへの装填及びそれからの溶出を計算するために、以下の前提を設けた:
483nmでの吸光度=483nmでのドキソルビシンの吸光度。
263nmでの吸光度=263nmでのドキソルビシンの吸光度+263nmでのイブプロフェンの吸光度。
実験の第1セットにおいて、ドキソルビシン及びイブプロフェンを同じビーズにおいて組み合わせ、これらの放出挙動を評価した。
装填方法:図6に示されているように、2つの装填方法を試験した。
<方法1>
1mlの未装填高AMPSビーズスラリーに、ドキソルビシン溶液(10.07mg/mlを5ml、目標装填50mg/mlビーズ)を一晩装填した。ドキソルビシン装填ビーズを1mlのDMSOで5回洗浄して、過剰な水を除去し、1mlの60mg/mlラパマイシンDMSO溶液をドキソルビシンビーズと約30分間混合した。続いて、過剰なラパマイシンDMSO溶液を除去した後、ビーズを5mlの食塩水により、白色の薬剤粒子が観察されなくなるまで洗浄した。
1mlのビーズスラリーを1mLのDMSOで5回洗浄し、1mlの60mg/mlラパマイシンDMSO溶液と30分間混合した。次に装填ビーズを5mlの食塩水により、白色の薬剤粒子がもはや観察されなくなるまで洗浄した。0.5mlのラパマイシン装填ビーズスラリーを、2.5mlの10.07mg/mlドキソルビシン溶液と一晩ローラー混合した。目標ドキソルビシン装填は50mg/mlである。
ドキソルビシンの吸光度を差し引いた後のラパマイシンの濃度は、279nmで下記に提示されている関係により決定することができる:
吸光度=56.18×濃度(mg/ml)〔DMSO中〕
吸光度=44.64×濃度(mg/ml)〔水中〕
方法1の第1工程において、ラパマイシンを28.48mg/mlで装填したところ、装填効率は約47.5%であった(表1)。方法2の第2工程におけるラパマイシン装填と比較すると、ここでは37.22mg/mlのラパマイシンが装填され、装填効率は62.0%であった。この有意に高い装填効率は、ドキソルビシン装填ビーズがより大きく膨張し、大部分のラパマイシン装填溶液がビーズに吸い込まれたという観察と一致した。機構の観点からは、ドキソルビシン装填ビーズは、より小さいサイズを有し、ドキソルビシン装填溶液又は食塩水の場合に観察されたものよりは塩効果が低いために、水及びDMSOのような極性溶媒においてより大きく膨張する傾向がある。
a表に示されたデータは、2つの重複試験の平均値である。
b全ての薬剤装填データは、薬剤装填のないビーズの容量に標準化した。
cドキソルビシン装填の際にラパマイシンの損失は観察されなかったので、第1工程と同じデータを使用した。
dラパマイシンを装填する前のDMSO洗浄によるドキソルビシンの損失は、6.71mg/mlであった。ラパマイシン装填による更なるドキソルビシンの損失は無視した。
方法1によるラパマイシン及びラパマイシン−ドキソルビシン装填の後、写真を撮った。これらのビーズは、薬剤装填の後でも平滑表面及び球状を十分に保持しているように見える。幾つかの小さなラパマイシンの粒子が観察されたが、これらは第1工程の残留物である。ドキソルビシン装填ビーズは、僅かな球状の損失を被った。ラパマイシンの追加的な添加の後には、形状は十分に回復し、表面は平滑であった。方法1の最終ビーズと比較すると、方法2のビーズは浅赤色を有し、これは、DMSO洗浄の後のドキソルビシンに起因するのか又は後に装填されたラパマイシンの遮蔽に起因するのかもしれない。
図8は、装填ビーズからPBSへのドキソルビシン及びラパマイシンの溶出データを示す。この実験では、溶出媒質を一定時間後に交換して、シンク条件を模倣した。図8(B)及び(D)では、異なる方法により作製されたビーズからの薬剤溶出プロフィールは、非常に類似している:ラパマイシンは、30時間の溶出の後、約33%放出し、ドキソルビシンは約41〜46%放出した。
薬剤装填:薬剤装填手順を図9に示し、ここで未装填高AMPSビーズをDMSOで洗浄して、ヒドロゲル内に捕捉されている水を除去した。DMSOに可溶化したイブプロフェンと結晶化阻害剤としてのヒマシ油との混合物を、続いてビーズスラリーと混合し、約10分間保持した。装填溶液を除去した後、食塩水を使用して、薬剤粒子も大きな油滴も観察されなくなるまで、装填ビーズを洗浄した。イリノテカン装填は、イブプロフェン装填ビーズをイリノテカン溶液(10mg/mL)とローラー混合により一晩混合するだけで達成した。最終装填ビーズを製品として水溶液に保持した。
1)イブプロフェン。装填イブプロフェンの含有量をHPLC法により決定した。既知の容量の薬剤装填ビーズのスラリーをDMSO(1ml)で5〜6回抽出した。収集したDMSO溶液を10mlのメスフラスコの最上部の標線まで入れ、イブプロフェンの濃度をHPLCにより測定した。
2)イリノテカン。装填ビーズにおけるイリノテカンの含有量を枯渇法により測定した。1〜1.1mlのイブプロフェン装填ビーズを、40mg/mlビーズでの装填を目標にして、4mLの10mg/mlイリノテカン溶液と一晩ローラー混合した。装填溶液を水で希釈し、UVにより369nmで測定した。標準曲線と比較することによって、装填溶液に残ったイリノテカンの濃度を計算することができる。
イブプロフェン−イリノテカン装填ビーズの溶出は、0.24mlのビーズを200mlのPBS(Inverclyde, Bellshill, UK)と混合し、ローラーミキサーでローラー混合することにより実施した。特定の時点で、溶液(5ml)を、UVによる濃度決定のために取り出し、同じ容量の新たなPBSを加えてシンク条件を保持した。
装填ビーズを、Olympus顕微鏡に設置し、ソフトウエア(AnalySIS 5.0 Soft Image System GmbH)によるサイズ分布のために約200個のビーズを数え、形態研究のために異なる光/コントラストの背景で写真を撮った。
組み合わせた薬剤溶液におけるそれぞれの構成成分の濃度を決定するため、予め決定された濃度のイブプロフェン及びイリノテカン水溶液の263、272及び369nmでの吸光度の標準曲線を測定した。原則は、最初に、イブプロフェンが吸光度を有さない369nmでの吸光度のイリノテカンの濃度を決定することである。次に、イブプロフェンの濃度を、薬剤混合物のスペクトルから272nmでのイリノテカン吸光度を差し引くことによって計算することができる。一般的に使用される263nmの代わりに272nmを使用するのは、薬剤装填に存在するDMSOより起こりうる干渉を低減するためである。しかし、イブプロフェン吸光度は、イブプロフェンの低い水溶性に起因して、イリノテカンと比較してかなり低いことが見出され、イブプロフェンのピークは、イリノテカンにより完全に覆われていた。したがって、イブプロフェン−イリノテカン混合物のイブプロフェン濃度を決定するためのUVの使用は的確ではない。この研究では、イリノテカン濃度をUVにより測定し、イブプロフェン濃度をHPLCにより測定した。
第1工程でイブプロフェンを装填した全ての試料は、その球状を保持し、イブプロフェン結晶の形成は見られなかった。イリノテカン装填の後、高イブプロフェン装填の実施例5−1では、大量のイブプロフェン結晶がビーズ表面に現れた。比較すると、同じ量のイブプロフェンを有する実施例5−4では結晶が観察されず、これはビーズ内に存在する高い含有量のヒマシ油結晶化阻害剤の効果に起因する。したがって、ヒマシ油は、結晶形成を阻害することによってイブプロフェン結晶の形成を防止する賦形剤として作用する。
*データは、処理したDMSO及びヒマシ油の総容量を約10mlとして推定した。
**ビーズ表面のイブプロフェン結晶を含む。
薬剤装填ビーズのサイズ分布を図10に示す。対応するパラメーターを表5に提示する。イブプロフェン装填ビーズは、薬剤装填のないDCビーズとほぼ同じサイズを保持し、500〜700μmの範囲である。しかし、薬剤装填ビーズの疎水性に起因して、イリノテカン装填によりサイズは有意に減少し、平均サイズ減少は、約140〜150μmである。多様なイブプロフェン装填を有するビーズがいずれもほぼ同じ平均サイズ及びサイズ分布を有することが注目される。
*IBU:イブプロフェン
**IRI:イリノテカン
実施例5.1のイブプロフェン装填ビーズの顕微鏡写真は、装填ビーズの構造が、イブプロフェン及びヒマシ油を含む大きいコア領域と、薬剤及び油を含まないビーズ表面の層とから構成されることを示している。ビーズの内部に捕捉されているヒマシ油は、イブプロフェンを保持してイブプロフェン結晶の形成を防止する疎水性相を提供する。最初の装填工程でイブプロフェンを有する他の実施例5−2、5−3及び5−4は、それと同じ構造を示す。加えて、幾つかの小さい油滴がビーズの周りに観察され、これらは溶液中のヒマシ油とイブプロフェンの混合物の残留物であった。
図11及び12は、25℃でのビーズからPBSへのイリノテカン及びイブプロフェンの溶出プロフィールを示す。図11では、異なるヒマシ油含有量及びイブプロフェン装填での溶出速度はいずれもほぼ同じである。イリノテカン溶出速度も、イリノテカン単独と同程度であり、ほぼ100%の薬剤が5時間後に溶出した。これは、ヒマシ油及びイブプロフェン装填がイリノテカン溶出に何も影響を与えず、イブプロフェンとイリノテカンとの間に相互作用がないことを示している。図12では、イブプロフェン溶出は、PBSにおいて1〜2時間後に完了している。単一薬剤装填ビーズからのイブプロフェン溶出と比較して、溶出はここでも類似しており、薬剤−薬剤相互作用が起こっていないことを示している。
ドキソルビシンビーズ(500〜700μm)を、WO04071495の実施例2に概説されている方法に従って調製した。ヒト肝細胞癌(HepG2)細胞株を含む細胞培地におけるドキソルビシン装填ビーズの溶出をモニタリングした。Promegaの乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)アッセイを使用して、HepG2細胞株への細胞毒性効果を24、48及び72時間の時点で評価した。
無菌条件を使用して、滅菌平底96ウエルプレート(Cellstar(登録商標)、655180)に、200μlの培地中の20,000個のHepG2細胞を接種し、インキュベータ(37℃、5%CO2)の中に20時間放置した。インキュベート後、培地を全てのウエルから注意深く吸引し、200μlのPRF培地をウエルに加えた。1、3及び10個の装填済ドキソルビシンビーズ(ビーズ1mlあたり37.5mg)を無菌条件下で数え、96ウエルプレートの200μlのフェノールレッド無含有細胞培地に入れた。
プレートを37℃、5%CO2でインキュベートした。24、48及び72時間の時点で、100μlの各ウエルを490nm(Biotek, ELX800)で走査した。吸光度を標準較正曲線と比較して、溶出を計算した。
このアッセイは、死亡細胞片を洗い流した後、残った生存細胞から放出されるLDHの量を測定する。LDHは、細胞を凍結乾燥することにより生存細胞膜を損なった後に放出される。
LDHアッセイを使用して、異なるラパマイシン/ドキソルビシンビーズ組み合わせによる24、48及び72時間の時点でのHepG2細胞株への細胞毒性効果を評価した。
ラパマイシンビーズ(500〜700μm)を装填し、PCT/EP2007/50690に記載されているように分析した。得られた装填は、21.4mg/mlであった。
無菌条件を使用して、滅菌平底96ウエルプレート(Cellstar(登録商標)、655180)に、200μlの培地中の20,000個のHepG2細胞を接種し、インキュベータ(37℃、5%CO2)の中に20時間放置した。
異なる比率のラパマイシンビーズ及びドキソルビシンビーズによる細胞生存実験は、薬剤相乗作用があればその確立を可能にする。1個のラパマイシンビーズ及び1個のドキソルビシンビーズを1つのウエルに一緒にした場合、1種類の薬剤のビーズを2個いれば場合よりも少ない細胞しか生存しなかった。この傾向は、ビーズ組み合わせ試験の全体を通して見られる(図15及び16)。同様の傾向がMTSアッセイにおいて注目される(図17及び18)。
<表7:組み合わせ指数値及び摘要>
薬剤のうちの1つを装填したビーズをより幅広い数で用いて、実質的に実施例7を記載されたように繰り返した。6つの試料の平均として結論付けたMTSアッセイの結果、すなわち72時間の暴露後のHepG2細胞の細胞生存率(対数尺度)を示す結果を、図19に示す。
個別に溶出したとき、ドキソルビシンは、ラパマイシンよりも細胞に対して細胞毒性があった(図1)。しかし、組み合わせて使用したとき、細胞生存に更なる低減が観察される。全てのビーズ組み合わせの組み合わせ指数は、<0.1であり、このことは2つの溶出薬剤の間の強力な正の相乗作用を示している。
MTSアッセイを使用して、HepG2及びPSN1細胞に対する二重装填ビーズの相乗的細胞毒性効果を評価した。ラパマイシン装填ビーズ及びドキソルビシン装填ビーズは、実施例7に記載されたものと同一であった。二重装填ドキソルビシン及びラパマイシン装填ビーズを、1mlの60mg/mlラパマイシン溶液及び1mlの37.5mg/mlドキソルビシン溶液を使用して、実施例4、方法2に記載されたように装填し、分析した。二重装填ビーズで得られた装填は、ラパマイシンが21.4mg/ml及びドキソルビシンが35.5mg/mlであった。
アッセイは、分析のためにHepG2細胞及び追加的なPSN1細胞のプレートを使用し、実施例7に記載されたように準備した。
装填済ドキソルビシンビーズ、装填済ラパマイシンビーズ及び二重ラパマイシン及びドキソルビシン装填済ビーズを数え(1、2又は3個)、細胞培地中で調製した20,000個のPSN1又はHepG2細胞に加え、インキュベーター(37℃、5%CO2)に入れた。
MTSアッセイを使用して、2個の単一装填ビーズ(ドキソルビシン装填を1個及びラパマイシン装填を1個)の場合と比較して、1個のドキソルビシン及びラパマイシン二重装填ビーズの細胞毒性効果に差が無かったことを実証した。
Claims (51)
- 微小球の集団を含む組成物であって、それぞれの微小球が、ポリマーマトリックスと、一緒にマトリックスに組み込まれている第1及び第2の薬学的に活性な化合物とを有し、ポリマーが、水不溶性で水膨張性のアニオン性荷電ポリマーであり、前記第1活性化合物がカチオン性に荷電され、一方の活性化合物が細胞毒性化合物であり、他方の活性化合物が、腫瘍治療において前記細胞毒性化合物に相補的な活性を有する、組成物。
- 第1のカチオン性荷電化合物が細胞毒性剤である、請求項1記載の組成物。
- 第2活性化合物がカチオン性に荷電されている、請求項1又は請求項2記載の組成物。
- 第2活性化合物が静電気的に中性である、請求項1又は請求項2記載の組成物。
- 第2活性化合物が室温で10g/l未満の水溶性を有する、請求項4記載の組成物。
- 2つの活性化合物が、0.9未満の組み合わせ指数を有し、好ましくは0.1未満の組み合わせ指数を有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
- 第1ポリマーマトリックス及び第1治療活性剤を含む微小球の第1集団と、第2ポリマーマトリックス及び第2治療活性薬剤を含む微小球の第2集団とを含む医薬製品であって、前記第1及び/又は第2ポリマーマトリックスが架橋された水膨張性ポリマーであり、第1治療活性薬剤及び第2治療活性薬剤が微小球に組み込まれており、各集団が、製品の単位用量当たり、組み合わせ指数が0.1未満であるような量で存在する、医薬製品。
- 両方の薬剤が同一の微小球に共に装填されている、請求項7記載の医薬組成物。
- 第1活性化合物が細胞毒性剤である、請求項7又は請求項8記載の医薬組成物。
- ポリマーマトリックスがアニオン性に荷電され、活性化合物のうちの1つがカチオン性に荷電されている、請求項7〜9のいずれか1項記載の組成物。
- 細胞毒性剤が、ミトキサントロン、または、一般式IV:
- アントラサイクリンがドキソルビシンである、請求項11記載の組成物。
- カチオン性活性化合物が、一般式I:
Aは、C(O)O又はCH2であり、そして
Rは、NR2R3であり、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ水素原子、置換若しくは非置換C1-4アルキル基又は置換若しくは非置換の炭素環式若しくは複素環式基を表すか、或いはR2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、−O−、−S−若しくは>NR4で中断されていてもよい、場合により置換されている複素環を形成し、R4は、水素原子、置換若しくは非置換C1-4アルキル基又は置換若しくは非置換フェニル基であり;
ここで基−A−Rは、カンプトテシン化合物のA環の9、10又は11位のいずれかに位置する炭素原子と結合しており、R1は、A又はB環で置換されている〕
で示される化合物、又はその塩である、
請求項1〜6のいずれか1項又は10記載の組成物。 - カチオン性活性化合物がイリノテカンである、請求項13記載の組成物。
- 第2活性剤が、室温で10g/l未満の水溶性を有する化合物である、請求項7〜9のいずれか1項記載の医薬組成物。
- 低水溶性化合物が、ラパマイシン又はラパマイシン類似体、好ましくはラパマイシンである、請求項15又は5記載の化合物。
- 第2活性剤が、COXインヒビター、好ましくはイブプロフェンである、請求項1〜14のいずれか1項記載の医薬組成物。
- 第1ポリマーマトリックス及び第1治療活性化合物を含む微小球の第1集団と、第2ポリマーマトリックス及び第2治療活性化合物を含む微小球の第2集団とを含む医薬組成物であって、前記第1及び第2ポリマーマトリックスが、架橋された水不溶性で水膨張性のポリマーであり、第1活性化合物が、アミン置換基を有するアントラサイクリンであり、第2活性化合物が、ラパマイシン又はその類似体である、医薬組成物。
- 第1活性化合物が、請求項11に定義された化合物であって、好ましくはドキソルビシンである、請求項18記載の医薬組成物。
- 第1ポリマーマトリックス及び第1治療活性化合物を含む微小球の第1集団と、第2ポリマーマトリックス及び第2治療活性化合物を含む微小球の第2集団とを含む医薬組成物であって、前記第1及び第2ポリマーマトリックスが、架橋された水不溶性で水膨張性のポリマーであり、
第1活性化合物が、一般式I:
Aは、C(O)O又はCH2であり、そして
Rは、NR2R3であり、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ水素原子、置換若しくは非置換C1-4アルキル基又は置換若しくは非置換の炭素環式若しくは複素環式基を表すか、或いはR2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、−O−、−S−若しくは>NR4で中断されていてもよい、場合により置換されている複素環を形成し、R4は、水素原子、置換若しくは非置換C1-4アルキル基又は置換若しくは非置換フェニル基であり;
ここで基−A−Rは、カンプトテシン化合物のA環の9、10又は11位のいずれかに位置する炭素原子と結合しており、R1は、A又はB環で置換されている〕
で示される化合物、又はその塩である、
医薬組成物。 - 第2活性化合物が、ラパマイシン又はラパマイシン類似体である、請求項18〜20のいずれか1項記載の医薬組成物。
- 第1ポリマーマトリックス及び第1治療活性化合物を含む微小球の第1集団と、第2ポリマーマトリックス及び第2治療活性化合物を含む微小球の第2集団とを含む医薬組成物であって、前記第1及び第2ポリマーマトリックスが、架橋された水不溶性で水膨張性のポリマーであり、
第1活性化合物が、一般式I:
Aは、C(O)O又はCH2であり、そして
Rは、NR2R3であり、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ水素原子、置換若しくは非置換C1-4アルキル基又は置換若しくは非置換の炭素環式若しくは複素環式基を表すか、或いはR2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、−O−、−S−若しくは>NR4で中断されていてもよい、場合により置換されている複素環を形成し、R4は、水素原子、置換若しくは非置換C1-4アルキル基又は置換若しくは非置換フェニル基であり;
ここで基−A−Rは、カンプトテシン化合物のA環の9、10又は11位のいずれかに位置する炭素原子と結合しており、R1は、A又はB環で置換されている〕
で示される化合物、又はその塩であるか、或いは
アミン置換基を有するアントラサイクリンであり、
第2化合物が、COXインヒビターである
医薬組成物。 - 一般式Iの化合物がイリノテカンである、請求項20又は請求項22記載の医薬組成物。
- COXインヒビターがイブプロフェンである、請求項22記載の医薬組成物。
- 各ポリマーが非生分解性である、請求項1〜24のいずれか1項記載の組成物。
- 各ポリマーが、37℃で水により膨張したとき、40〜99重量%、好ましくは75〜95重量%の範囲の平衡含水量で水膨張性である、請求項1〜25のいずれか1項記載の組成物。
- 各ポリマーが全体として合成ポリマーである、請求項1〜26のいずれか1項記載の組成物。
- 各ポリマーが架橋ポリビニルアルコールである、請求項27記載の組成物。
- ポリマーマトリックスが、エチレン性基のラジカル重合により、分子1つあたり2個以上のエチレン性不飽和側基を有するポリビニルアルコールマクロモノマーから形成される、請求項28記載の組成物。
- マクロマーが、例えば、非イオン性モノマー及び/又はアニオン性モノマーを含むイオン性モノマーを含む、エチレン性不飽和モノマーと共重合される、請求項29記載の組成物。
- エチレン性不飽和モノマーが、一般式III:
Y1BQ1 III
〔式中、Y1は、
ここで、
R10は、水素又はC1〜C4アルキル基であり;
R11は、水素又はC1〜C4アルキル基であり;
R12は、水素又はC1-4アルキル基、又はBQ1であり、ここでB及びQ1は、下記に定義されているとおりであり;
A1は、−O−又は−NR11−であり;
K1は、基−(CH2)rOC(O)−、−(CH2)rC(O)O−、−(CH2)rOC(O)O−、−(CH2)rNR13−、−(CH2)rNR13C(O)−、−(CH2)rC(O)NR13−、−(CH2)rNR13C(O)O−、−(CH2)rOC(O)NR13−、−(CH2)rNR13C(O)NR13−(ここで基R13は同一又は異なっている)、−(CH2)rO−、−(CH2)rSO3−、又は、場合によりBと組み合わせて、原子価結合であり、rは、1〜12であり、R13は、水素又はC1〜C4アルキル基であり;
Bは、場合により、ペルフルオロ化鎖までを含む1個以上のフッ素原子を含有する、直鎖若しくは分岐鎖のアルカンジイル、オキサアルキレン、アルカンジイルオキサアルカンジイル若しくはアルカンジイルオリゴ(オキサアルカンジイル)鎖であるか、又はQ1若しくはY1が、Bに結合している末端炭素原子を含有する場合、原子価結合であり;そして
Q1は、イオン性基である〕
を有するイオン性モノマーを含む、請求項30記載の組成物。 - Q1が、アニオン性基であって、好ましくはカルボン酸塩、炭酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、ホスホン酸塩又はリン酸塩基である、請求項31記載の組成物。
- Q1が、カチオン性基であって、好ましくは基N+R14 3、P+R15 3又はS+R15 2であり、ここで、複数の基R14が、同一又は異なって、それぞれ水素、C1-4アルキル又はアリール(好ましくはフェニル)であるか、或いは複数の基R14のうちの2つが、それらが結合しているヘテロ原子と一緒になって、5〜7個の原子を含有する飽和又は不飽和複素環を形成し、基R15が、それぞれOR14又はR14である、請求項31記載の組成物。
- 請求項3記載の組成物を作製する方法であって、それぞれの活性化合物の水溶液を、順次又は同時に、ポリマーマトリックスの微小球と接触させ、それにより2つの活性化合物がイオン交換してポリマーマトリックスに静電気的に結合することを含む、方法。
- 2つの活性化合物を共に微小球に装填する方法であって、
実質的に乾燥形態の水不溶性で水膨張性のアニオン性荷電架橋ポリマーのマトリックスを含む微小球を、第1有機溶媒中の室温で10g/l未満の水溶性を有する薬剤の溶液と接触させ、それにより溶媒中の薬剤の溶液が微小球に含浸される工程;
微小球に含浸されなかった薬剤溶液を分離する工程;
含浸微小球を水性液体と接触させ、それにより薬剤を微小球のコア内に沈殿させる工程;
沈殿した薬剤を含有する微小球を、ポリマーと反対の電荷を有するイオン性薬剤の水溶液と接触させて、装填のイオン交換を可能にする工程;及び
二重装填微小球を回収する工程、を含み、
各薬剤が、請求項1〜25のいずれか1項記載のものから選択される
方法。 - 2つの薬学的活性化合物を共に薬剤送達マトリックスに装填する方法であって、
ポリマー+水に対し40〜99重量%の範囲の平衡含水量に至るまで室温で水の中で膨張しうる、水不溶性で水膨張性のイオン性荷電ポリマーを含む、薬剤送達マトリックスを、室温で10g/l未満の水溶性を有する薬剤の、ポリマーを膨張することができる有機溶媒中の溶液と接触させ、それにより、溶液がマトリックスに含浸される工程;
ポリマーマトリックスに含浸されなかったあらゆる薬剤溶液を分離する工程;
含浸マトリックスを水と接触させ、それにより薬剤がマトリックス内で沈殿する工程;
沈殿した低水溶性薬剤を有するマトリックスを、イオン性荷電薬剤の水溶液と接触させ、それによりマトリックスが膨張し、ポリマーと結合する対イオンとのイオン交換が生じ、荷電薬剤がポリマーマトリックスと静電気的に結合する工程
を含む方法。 - 10g/l未満の水溶性を有する活性化合物が、ラパマイシン又はその類似体である、請求項35又は36記載の方法。
- 水不溶性で水膨張性の、架橋されたイオン性荷電ポリマーのマトリックスを含む微小球に2つの薬学的活性化合物を共に装填する方法であって、第1活性化合物がポリマーと反対の電荷により静電気的に荷電されており、第2活性化合物が、結晶性薬剤であり、
マトリックスを、マトリックスを膨張させることができる揮発性有機溶媒中の結晶性薬剤の溶液と接触させる工程であって、該溶液は薬剤の結晶化を阻害することができる結晶改質剤を更に含有する工程と、
マトリックスを乾燥して揮発性溶媒を除去する工程と、
結晶性薬剤及び結晶改質剤が装填されているマトリックスをイオン性薬剤の水溶液と接触させ、それによりマトリックスが膨張し、ポリマーと結合する対イオンとのイオン交換を生じ、薬剤をポリマーマトリックスに静電気的に結合する工程
を含む、方法。 - 第2薬剤が、COXインヒビター、好ましくはイブプロフェンである、請求項38記載の方法。
- 結晶改質剤が、結晶化インヒビターであり、好ましくは油である、請求項38又は39記載の方法。
- イオン性荷電活性化合物が、一般式I:
Aは、C(O)O又はCH2であり、そして
Rは、NR2R3であり、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ水素原子、置換若しくは非置換C1-4アルキル基又は置換若しくは非置換の炭素環式若しくは複素環式基を表すか、或いはR2及びR3は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、−O−、−S−若しくは>NR4で中断されていてもよい、場合により置換されている複素環を形成し、R4は、水素原子、置換若しくは非置換C1-4アルキル基又は置換若しくは非置換フェニル基であり;
ここで基−A−Rは、カンプトテシン化合物のA環の9、10又は11位のいずれかに位置する炭素原子と結合しており、R1は、A又はB環で置換されている〕
で示される化合物、又はその塩である、
請求項36〜40のいずれか1項記載の方法。 - 一般式Iの化合物がイリノテカンである、請求項41記載の方法。
- イオン性荷電活性化合物が、ミトキサントロン、又は、アミン基を有するアントラサイクリン化合物である、請求項36〜40のいずれか1項記載の方法。
- アントラサイクリンが、請求項11に定義された化合物であって、好ましくはドキソルビシンである、請求項43記載の方法。
- 2つの活性化合物が、0.9未満の組み合わせ指数を有し、好ましくは0.1未満の組み合わせ指数を有する、請求項34〜44のいずれか1項記載の方法。
- ポリマーが、請求項27〜37のいずれか1項に定義されたものである、請求項34〜45のいずれか1項記載の方法。
- 請求項1〜33のいずれか1項記載の組成物を、第1及び第2活性化合物がそれぞれ標的腫瘍に送達されるような方法で、腫瘍に罹患している動物に投与する、固形腫瘍を治療する方法。
- 組成物が腫瘍内に注入することにより投与される、請求項47記載の方法。
- 組成物を、外科手術による腫瘍の除去後に切除周辺部に注入する、請求項47記載の方法。
- マトリックスが、腫瘍に供給する血管の塞栓形成において、37℃で蒸留水中で膨張したとき、100〜1500μmの範囲の直径を有する微小球の形態を有する、請求項47記載の方法。
- 腫瘍が肝腫瘍である、請求項46〜50のいずれか1項記載の方法。
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