JP2016216377A - 肺線維症の1日1回の治療 - Google Patents

肺線維症の1日1回の治療 Download PDF

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Abstract

【課題】肺線維症の治療に関して、安全であり且つ良好な忍容性を有する化合物、該化合物を含有する医薬組成物、及び該組成物の投与法の提供。
【解決手段】ヒトの肺線維症の治療のための方法において使用するための、下式で示される化合物、該化合物を含有する医薬組成物、及び該組成物の投与を乾燥粉体吸入器によって行う投与法。該化合物は、ヒトの肺組織の最も狭い部分、特に細気管支及び肺胞に、1日1回投与するものであり、1日1回量は、0.15〜50mgであることが好ましい。
Figure 2016216377

【選択図】なし

Description

37 C.F.R §1.77(b)(6)に基づく、共同発明者による事前開示に関する声明
Phase Iaデータの概要がGalecto Biotech ABによるBioCentury,on−line Review,week of March,p.16,BioCenturyにおいて示された。関連のあるPhase Iaデータの概要の写しを、78 Fed.Reg.11076に従って、情報開示陳述書において提出する(2013年2月14日)。
本発明は、特発性肺線維症等のヒトの肺線維症の治療のための方法において使用するための式(I)の化合物に関する。本発明はまた、ヒトの肺線維症の治療のための方法において使用するための式(I)の化合物を含む薬学的組成物にも関する。本発明は更にヒトの肺線維症の治療のための方法に関する。更に、本発明は、式(I)の化合物をヒトの肺組織の最も狭い部分に1日1回投与するための乾燥粉体吸入器デバイスに関する。
特発性肺線維症(Idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)は、全世界規模で健康に対する多大な負荷となっている。これは原因不明の慢性病状であり、急性肺損傷が繰り返されることで漸進的な線維症が引き起こされ、その結果肺の構造の破壊、肺機能の低下が起こり、これは呼吸不全及び死亡を伴う。特発性肺線維症(IPF)は肺線維症の典型的かつ最も一般的な原因であり、多数の呼吸器疾患が肺線維症から進行し得、肺線維症の予後は通常、比較的悪い。診断から死亡までの時間の中央値は2.5年であり、IPFの発生率及び有病率は上昇し続ける。これは、効果的な治療法が存在せず、かつ疾患の進行を予測する信頼できるバイオマーカも存在しないいくつかの呼吸器病状の1つであり続けている。肺線維症において発生する機序は不明であるが、今のところ原因が不明の反復性上皮損傷の結果としての異常な創傷治癒に集中している。IPFは、形質転換増殖因子−β1(TGF−β1)等の線維形成サイトカインに対して高い活性化応答を示す、線維芽細胞/筋線維芽細胞を含む線維芽細胞の増殖巣を特徴とする。特発性肺線維症の治療のための薬剤に対する需要は大きく、未だ達成されていない。
式(I)の化合物は、IPFの治療のための新規の乾燥粉体吸入療法である。単回投与用量漸増によるファースト・イン・ヒューマン試験の結果に基づいて、式(I)の化合物は人間において安全でありかつ良好な忍容性を有し、かつ有利なPKパラメータは特定の容量範囲において1日1回の投与を支持すると結論付けられた。
第1の態様では、本発明は、ヒトの肺線維症の治療のための方法において使用するための式(I)
Figure 2016216377
の化合物に関し、上記方法は、上記肺線維症を治療するのに有効な量の式(I)の化合物をヒトの肺組織の最も狭い部分に1日1回投与することを含む。
更なる態様では、本発明は、ヒトの肺線維症の治療のための方法において使用するための式(I)
Figure 2016216377
の化合物を含む薬学的組成物に関し、上記方法は、上記肺線維症を治療するのに有効な量の式(I)を含む上記組成物をヒトの肺組織の最も狭い部分に1日1回投与することを含む。
また更なる態様では、本発明は、ヒトの肺線維症の治療のための方法に関し、上記方法は、上記肺線維症を治療するのに有効な量の式(I)
Figure 2016216377
の化合物をヒトの肺組織の最も狭い部分に1日1回投与することを含む。
更なる態様では、本発明は、式(I)
Figure 2016216377
の化合物を備える乾燥粉体吸入器デバイスに関し、上記乾燥粉体吸入器デバイスは、肺線維症を治療するのに有効な量の式(I)の化合物をヒトの肺組織の最も狭い部分に1日1回投与するためのものである。
式(I)の化合物は、ビス(3−デオキシ−3−(3−フルオロフェニル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−β−D−ガラクトピラノシル)−スルファンという化学名(IUPAC)を有し、本出願で使用される場合、固体若しくは液体、塩、溶媒和物又は遊離形態等のいずれの可能な形態の式(I)の化合物を包含することを意図したものである。式(I)の化合物は、米国特許出願公開第2014/0121179号又は国際公開第2014/067896号に記載されているように調製してよい。
ある実施形態では、式(I)の化合物は、遊離形態としてのビス(3−デオキシ−3−(3−フルオロフェニル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−β−D−ガラクトピラノシル)−スルファンである。
更なる実施形態では、肺線維症は特発性肺線維症(IPF)である。
更なる実施形態では、投与は乾燥粉体吸入器によって行われる。典型的には、単回又は複数回投与用DPI吸入器が使用される。ある特定の実施形態では、乾燥粉体吸入器は、RS01 Monodose Dry Powder Inhaler(Plastiape)である。
式(I)の化合物が乾燥粉体として処方される場合、これは、空力学的直径(MMAD)の質量平均が0.1〜20μmである、例えばMMADが0.50〜10μm、1〜5μm、典型的には2〜3μmである粒子から選択される好適な粒径で存在してよい。以下の実験の節において説明する試験において、MMADは2.5μmまで測定された。上記選択される範囲は、これらの範囲外の粒径の存在を排除するものではないが、上記選択される範囲は、本明細書で説明するような所望の効果を提供する範囲である。
また更なる実施形態では、肺組織の最も狭い部分は、細気管支及び肺胞である。
更なる実施形態では、1日1回量は0.15〜50mg、例えば0.15〜1.5mg、1.5〜3mg、3〜5mg、5〜7mg、7〜8mg、8〜10mg、10〜20mg、20〜50mgである。特に、1.5〜2.0mgの1日1回量は、1nM〜100μMのBAL液又はマクロファージ又はその両方における、式(I)の活性化合物の濃度につながる。好ましくは10nM〜10μM、又はより好ましくは100nM〜1μMである濃度は、3〜10mgの1日1回量により提供できる。本明細書における結果及び試験に基づいて、例えば2〜7mgである1.5〜10mg1日1回量が、ガレクチン−3を抑制し、肺線維症の安全かつ効果的な治療を提供するのに十分である、ヒトの肺における式(I)の化合物の局所的な濃度を提供すると予測される。
また更なる実施形態では、治療は長期にわたる治療である。
本明細書で使用される用語「治療(treatment)」及び「治療すること(treating)」は、疾患又は障害等の状態に対抗する目的での患者の管理及び保護を意味する。この用語は、症状若しくは合併症を緩和するため、疾患、障害若しくは状態の進行を遅延させるため、症状若しくは合併症を緩和若しくは軽減するため、並びに/又は疾患、障害若しくは状態を治癒若しくは排除するため、並びにこのような状態を予防するための、活性化合物の投与といった、患者が患っている所定の状態に対するあらゆる方面の治療を含むことを意図しており、予防(prevention)は、疾患、状態又は障害に対抗する目的での患者の管理及び保護として理解されるべきものであり、また症状又は合併症の発生を予防するための活性化合物の投与を含む。治療は長期的な方法で実施する。治療対象の患者は、肺線維症又は他の種類の肺線維症と診断されたヒト被験者である。
本明細書で使用される用語、本発明の式(I)の化合物の「肺線維症を治療するのに有効な量(an amount effective to treat pulmonary fibrosis)」は、肺線維症及びその合併症の臨床的兆候を治癒、緩和又は部分的に阻止するために十分な量を意味する。各目的のために有効な量は、疾患又は創傷の重篤度並びに被験者の体重及び一般的状態に左右されることになる。適切な用量の決定は、複数の値のマトリクスを構成し、このマトリクス内の様々な点を試験することにより、慣用の実験法を用いて達成でき、これらは全て、熟達した医師又は獣医師の通常の技術の範囲内である。
また更なる態様では、本発明は、式(I)の化合物と、任意に担体又は賦形剤といった薬学的に許容可能な添加剤とを含む、薬学的組成物に関する。
本明細書で使用される「薬学的に許容可能な添加剤(pharmaceutically acceptable additive)」は、以下に限定されるものではないが、薬学的組成物を作製するために本発明の化合物を処方する際に当業者が使用を考える担体、賦形剤、希釈剤、補助剤、着色料、香料、保存料等を含むことを意図している。
本発明の組成物中に使用され得る補助剤、希釈剤、賦形剤及び/又は担体は、式(I)の化合物及び薬学的組成物のその他の成分に対して適合性を有するという意味で薬学的に許容可能なものでなければならず、また受容者にとって有害でないものでなければならない。本組成物は、アレルギ反応等の不利な反応を引き起こし得るいずれの材料を含有しないものとするのが好ましい。本発明の組成物中に使用され得る補助剤、希釈剤、賦形剤及び/又は担体は、当業者に公知のものである。
上述のように、本明細書で開示される組成物及び特に薬学的組成物は、本明細書で開示される化合物に加えて、少なくとも1つの薬学的に許容可能な補助剤、希釈剤、賦形剤及び/又は担体を更に含んでよい。ある実施形態では、薬学的組成物は式(I)の正味の化合物を含有する。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、上記少なくとも1つの薬学的に許容可能な補助剤、希釈剤、賦形剤及び/又は担体を1〜99重量%、並びに本明細書で開示される化合物を1〜99重量%含む。活性成分と薬学的に許容可能な補助剤、希釈剤、賦形剤及び/又は担体との合計量は、組成物、特に薬学的組成物の100重量%(100%w/w)超を構成し得ない。本発明によると、薬学的組成物は、式(I)の正味の化合物(即ち100%w/wの式(I)の化合物)からなってよいか、又は例えば式(I)の化合物の3%w/w混合物である2〜20%w/w等の、式(I)の化合物の1〜90%w/w混合物を含有してよい。典型的には、3%w/w混合物は、式(I)の化合物を3%w/w及びラクトース担体を97%w/w含有する薬学的組成物である。臨床試験のために、10%w/w混合物が使用され、これは式(I)の化合物を10%w/w及びラクトース担体を90%w/w含有する薬学的組成物からなる。
空力学的直径の質量平均(MMAD)が0.1〜20μm(マイクロメートル)である粒子は、気管支及び肺胞の末端領域に堆積する見込みが高まることは、当業者にとって公知である。この粒径範囲は、材料の一部が気道の上部にも同様に堆積する(Controlled Pulmonary Drug Delivery、Smith及びHickey編、Springer、2011年、第13章参照)ため、肺薬剤送達における多くの要求にとって理想的である。
当業者は、Controlled Pulmonary Drug Delivery、Smith及びHickey編、Springer、2011年の特に第13、14、15章に従って、肺薬剤送達のための式(I)の化合物等の化合物を処方する方法を得ることができる。
定量吸入器等の乾燥粉体吸入器(dry powder inhaler:DPI)は、患者の肺に薬剤を分配するために公知である。いくつかの従来の吸入器は、加圧エアロゾル分配コンテナを備えており、エアロゾルは、粉末状薬剤が懸濁されたガス推進剤を含む。吸入器を作動させると、計量弁を通して患者の肺へとエアロゾルの含有物が排出される。本発明において使用するのに好ましいDIPは、Plastiape(本社、オズナーゴ、イタリア)製のモノドーズ乾燥粉体吸入器、特にRS01 Monodose Dry Powder Inhalerである。
現行の設計は、事前計量DPI又はデバイス計量DPIを含み、これらは共に、患者の吸気のみによって、又は何らかの種類のパワーアシストを用いて駆動できる。事前計量DPIは、事前に計量された用量又は用量の一部を、後に製造中又は使用前に患者によってデバイスに挿入される何らかの種類の単位(例えばブリスタ、カプセル又はその他のキャビティ内の単一又は複数の形態)で含有する。従って、用量を事前計量単位から直接吸入できるか、又は患者が吸入するまでにチャンバから用量を移送できる。デバイス計量DPIは、患者によって作動される間にデバイス自体が計量する複数の用量に十分な処方を含有する内部リザーバを有する。多様なDPIの設計は、その多くが各設計に独自の特徴を有し、これは、ある用途をサポートする情報を開発することに課題を示すことになる。DPIの設計にかかわらず、最も重要な属性は、用量及び粒径分布の再現性である。使用有効期間全体に亘って上記品質を維持し、患者に使用されている条件下においてデバイスの寿命全体を通してデバイスの機能を保証することは恐らく、最も解決困難な課題を示すことになる。
加圧定量吸入器(pressurized Metered−Dose Inhaler:pMDI)もまた、式(I)の本発明の化合物のための好適な送達デバイスとなり得、Controlled Pulmonary Drug Delivery、Smith及びHickey編、Springer、2011年の第8章に記載されている。
従って、いくつかのタイプの非エアロゾル性の呼吸作動式乾燥粉体吸入器が提供されている。例えばBaconによる米国特許第5503144号は、呼吸作動式乾燥粉体吸入器を示している。このデバイスは、乾燥粉末化された薬剤を含有する乾燥粉体リザーバと、粉末化された薬剤を別個の分量でリザーバから取り出すための計量チャンバと、取り出した粉末化された薬剤を、マウスピースを通して患者の吸入に含ませるための空気流入口とを含む。
米国特許第5458135号は、後続の患者の吸入のためにエアロゾル化された1用量の薬剤を生成するための方法及び装置を開示している。この方法はまず、通常は空気である所定の体積のガスに、事前に選択された量の薬剤を分散させることを含む。この分散は液体又は乾燥粉体から形成してよい。この方法は、最初は空気で充填され、マウスピースを通して周囲へと開いているチャンバ内に、エアロゾル化された用量の略全てが流入することによって実現される。エアロゾル化された薬剤がチャンバ内に移送された後、患者は全用量を1回の呼吸で吸入することになる。
米国特許第6065472号は、薬理学的活性化合物を含有するハウジングと、ハウジング内へと延在する流出口を有する導管(この流出口を通してユーザは吸気でき、この導管を通る空気流を生成できる)と、1用量の化合物を導管に送達するための用量分割ユニットと、上記空気流に含まれた粉体の凝集物の崩壊を支援する、上記導管内に配設されたバッフルとを備える、粉体吸入デバイスを開示している。
エアロゾル吸入器を使用するか非エアロゾル吸入器を使用するかに関わらず最も重要なのは、分配された乾燥粉体薬剤の粒子が、吸入中に患者の肺の気管支領域中に十分な量の薬剤が確実に入り込めるよう、十分に小さいことである。しかしながら、乾燥粉体薬剤は極めて小さい粒子からなり、場合によってはラクトース等の担体を含む組成物として提供されるため、分配前に、定義されていない薬剤の凝集物又は集合体がランダムに形成される。従って、薬剤の吸入前に薬剤の又は薬剤及び担体の凝集物を崩壊させるための手段を呼吸作動式乾燥粉体吸入器に設けることが好ましいことが分かっている。
プロセスの更なる実施形態を、本明細書の実験に関する節において説明し、個々のプロセスそれぞれ及び各開始材料は実施形態を構成し、これら実施形態は、実施形態の一部を形成し得る。
上述の実施形態は、ある実施形態が本発明の1つ又は複数の特定の態様に関するものであることが明記されていない場合は、本明細書で説明する複数の態様(「治療のための方法」、「薬学的組成物」、「薬剤として使用するための化合物」又は「ある方法において使用するための化合物」)のいずれか1つ、及び本明細書で説明する複数の実施形態のいずれか1つを指すものとして理解されたい。
公刊物、特許出願及び特許を含む、本明細書で引用される全ての引用文献は、各引用文献が参照によって本明細書に個別にかつ具体的に援用されており、なおかつ本明細書にその全体が記載されている場合と同程度に、参照によって本明細書に援用されるものとする。
本明細書において、全ての見出し及び副題は単に利便性のために使用されており、本発明をいかなる様式で限定するものとして解釈してはならない。
上述の要素のいずれの可能な変形例におけるいずれの組み合わせは、本明細書にそうでないことが示されていない限り、又は文脈からそうでないことが明らかでない限り、本明細書に包含される。
本発明を説明する文脈で使用される用語「ある(a、an)」、「その、上記(the)」及び同等の指示物は、本明細書にそうでないことが示されていない限り、又は文脈からそうでないことが明らかでない限り、単数と複数の両方を包含するものと解釈されたい。
本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書にそうでないことが示されていない限り、その範囲内にある別個の値それぞれに独立して言及するのを省略した方法として用いられており、上記別個の値それぞれは、独立して本命細書中に列挙されているかのように、本明細書に援用される。本明細書で提供される全ての正確な値は、本明細書にそうでないことが示されていない限り、対応する近似値を代表するものである(例えば、特定の因子又は測定に対して与えられた全ての正確な例示的値は、必要に応じて、「約(about)」で修飾された対応する近似値も提供するものと見做すことができる)。
本明細書で説明する全ての方法は、本明細書にそうでないことが示されていない限り、又は文脈からそうでないことが明らかでない限り、いずれの好適な順序で実施できる。
あらゆる全ての例の使用、又は本明細書で使用される例示を意味する語句(例えば「…等(such as)」は、単に本発明をより明瞭にすることを意図したものであり、本明細書にそうでないことが示されていない限り、本発明の範囲を限定するものではない。明細書中のいずれの語句も、それが明記されている場合を除いて、本発明の実施にあたっていずれの要素が必須であることを示すものとして解釈されたい。
本明細書における特許文献の引用及び援用は、単に利便性のために行われており、これら特許文献の有効性、特許性及び/又は執行力に関するいずれの意見も反映していない。
1つ又は複数の要素に関して「備える、含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」又は「含有する(containing)」等の用語を使用する、本発明のいずれの態様又は実施形態に関する本明細書における説明は、本明細書にそうでないことが示されていない限り、又は文脈からそうでないことが明らかでない限り、上記1つ又は複数の要素「からなる(consists of)」、「から本質的になる(consists essentially of)」又は「実質的に備える(substantially comprises)」発明の同様の態様又は実施形態のための土台を提供することを意図したものである(例えば、特定の要素を含むものとして本明細書において説明されている組成物は、本明細書にそうでないことが示されていない限り、又は文脈からそうでないことが明らかでない限り、上記要素からなる組成物も説明しているものとして理解されるものとする)。
本発明は、本明細書に提示された態様又は請求項に列挙された主題の全ての修正例及び均等物を、準拠法が許容する限り含む。
以下の実施例によって本発明を更に実証するが、これら実施例は保護範囲を制限するものとして解釈されるべきものではない。ここまでの説明で開示された特徴及び以下の実施例で開示される特徴は、別個に及びいずれの組み合わせで、本発明を多様な形態で実現するための素材となり得る。
実験
式(I)の化合物は、IPFの治療のために開発された、新規の、吸入、乾燥粉体、抗ガレクチン3小分子薬剤療法である。健康な男性志願者におけるファースト・イン・ヒューマン(First in Human:FIH)試験の結果をここに記載する。
方法
この試験は、36人の健康な男性志願者(HV)において、式(I)の化合物の安全性、忍容性、PK(薬物動態)、PD(薬力学)を評価するための、ランダム化、二重盲検、単施設実施、プラセボ対照、単回投与用量漸増(SAD)、phase I試験であった。6人の被験者の6つの投与コホートを4:2の比(アクティブ:プラセボ)を用いて評価した。式(I)の化合物は、RS01 Monodose Dry Powder Inhaler(Plastiape)を用いて以下の6つの投与量:0.15mg、1.5mg、3mg、10mg、20mg、50mgでHVの肺に送達された。投与量が0.15mg、1.5mg、3mgのものは3%w/wラクトース混合物であり、投与量が10mg、20mg、50mgのものは正味の材料として処方されたものであった。特定のカプセル充填重量は、投与量0.15mgに対して5mg、投与量1.5mgに対して50mg、投与量10mgに対して5mg、投与量50mgに対して50mgであった。HVは一晩収容され、バイタルサイン、EKG、身体検査、尿分析、臨床血液検査を14日間続けた。投与する前に、そしてその後投与後48時間に至るまで周期的にPK採血を行った。薬剤濃度測定のための血漿試料は、Simbec(英国)のBioanalytical Unitによって分析された。PK変数は、プリンストン、ニュージャージー州08540に拠点を置くCertara(www.certara.com)製のソフトウェアWinNONLIN6.3のノンコンパートメント解析オプションを用いて決定された。
結果
式(I)の化合物の投与は、6つの全ての投与量において極めて良好な忍容性を示した。有害事象は本質的に穏やかなものにすぎず、頭痛、咳及び用量に関連する錯味症(正味の混合物のみ)が含まれていたが、これらは全て自己限定性のものであった。以下のパラメータ:EKG、バイタルサイン、投与後2週間までの血液及び尿分析のいずれにおいてベースラインからの有意な変化はなかった。式(I)の化合物は速やかに吸収され、平均tmax値は投与量に関係なく0.8〜3時間であった。薬剤濃度は、Cmax及びAUCに基づいて投与量の増加と共に増大し、用量比例性を示した。t1/2は12時間である。クリアランス(CL/F)は高く(〜50000mL/hr又は900mL/min)、即ち腎臓濾過よりも数倍高い。これらの知見、及びGLPトキシコキネティクス試験と矛盾しない知見(マウス静脈内投与後の式(I)の化合物の〜90%は排泄物において発見されている)を考慮すると、肝臓(胆汁排泄を介する)は人間における排出の主要な経路であると考えられる。人間において使用される吸入濃度における3mgの投与からのCmaxデータと併せて、マウスにおける式(I)の化合物の肺沈着のラジオアイソトープ試験(式(I)の化合物の濃度は肺において循環器中よりも50倍高い)をもとにすると、人間の肺における式(I)の化合物の局所的濃度は、ヒト由来マクロファージにおけるガレクチン‐3の抑制のex−vivoデータに基づいた、肺標的細胞中のガレクチン−3を抑制するのに必要な局所的濃度の2倍超である。
結論
式(I)の化合物は、IPFの治療のための新規の乾燥粉体吸入療法である。このFIH−SAD試験の結果は、式(I)の化合物が、人体において安全でありかつ良好な忍容性を有し、有利なPKパラメータが1日1回の投与を支持する。この試験の第2部が進行中であり、これは、IPFを有する24人の患者に1日1回の漸増用量(0.15mg、1.5mg、3mg、10mg、20mg、50mg)を、式(I)の化合物の吸入によって2週間にわたり継続的に投与するものである。これらのデータに基づいて、式(I)の化合物は将来、IPFを有する患者のための、有用で安全な治療オプションを提供できるだろう。

Claims (23)

  1. ヒトの肺線維症の治療のための方法において使用するための、式(I)
    Figure 2016216377
    の化合物であって、
    前記方法は、前記肺線維症を治療するのに有効な量の前記式(I)の化合物をヒトの肺組織の最も狭い部分に1日1回投与することを含む、化合物。
  2. 前記式(I)の化合物は、遊離形態としてのビス(3−デオキシ−3−(3−フルオロフェニル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−β−D−ガラクトピラノシル)スルファンである、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記肺線維症は特発性肺線維症(IPF)である、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 前記投与は乾燥粉体吸入器によって行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 前記投与は、RS01 Monodose Dry Powder Inhaler(Plastiape)等の単回投与用乾燥粉体吸入器よって行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 前記肺組織の最も狭い部分は細気管支及び肺胞である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 前記1日1回量は0.15〜50mg、例えば0.15〜1.5mg、1.5〜3mg、3〜5mg、5〜7mg、7〜8mg、8〜10mg、10〜20mg、20〜50mgである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 前記1日1回量は1.5〜10mg、例えば3〜7mgである、請求項7に記載の化合物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の式(I)の化合物と、任意に薬学的に許容可能な添加剤とを含む、薬学的組成物。
  10. ヒトの肺線維症の治療のための方法であって、
    前記方法は、前記肺線維症を治療するのに有効な量の式(I)
    Figure 2016216377
    の化合物を、ヒトの肺組織の最も狭い部分に1日1回投与することを含む、方法。
  11. 前記式(I)の化合物は、遊離形態としてのビス(3−デオキシ−3−(3−フルオロフェニル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−β−D−ガラクトピラノシル)−スルファンである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記肺線維症は特発性肺線維症(IPF)である、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記投与は乾燥粉体吸入器によって行われる、請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記投与は、RS01 Monodose Dry Powder Inhaler(Plastiape)等の単回投与用乾燥粉体吸入器よって行われる、請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記肺組織の最も狭い部分は細気管支及び肺胞である、請求項10〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記1日1回量は0.15〜50mg、例えば0.15〜1.5mg、1.5〜3mg、3〜5mg、5〜7mg、7〜8mg、8〜10mg、10〜20mg、20〜50mgである、請求項10〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 式(I)
    Figure 2016216377
    の化合物を備える乾燥粉体吸入器デバイスに関し、
    前記乾燥粉体吸入器デバイスは、肺線維症を治療するのに有効な量の前記式(I)の化合物をヒトの肺組織の最も狭い部分に1日1回投与するためのものである、乾燥粉体吸入器デバイス。
  18. 前記式(I)の化合物は、遊離形態としてのビス(3−デオキシ−3−(3−フルオロフェニル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−β−D−ガラクトピラノシル)スルファンである、請求項17に記載の乾燥粉体吸入器デバイス。
  19. 前記肺線維症は特発性肺線維症(IPF)である、請求項17又は18に記載の乾燥粉体吸入器デバイス。
  20. 前記デバイスは、RS01 Monodose Dry Powder Inhaler(Plastiape)等の単回投与用乾燥粉体吸入器である、請求項17〜19のいずれか1項に記載の乾燥粉体吸入器デバイス。
  21. 前記1日1回量は0.15〜50mg、例えば0.15〜1.5mg、1.5〜3mg、3〜5mg、5〜7mg、7〜8mg、8〜10mg、10〜20mg、20〜50mgである、請求項17〜20のいずれか1項に記載の乾燥粉体吸入器デバイス。
  22. 前記1日1回量は1.5〜10mg、例えば3〜7mgである、請求項21に記載の乾燥粉体吸入器デバイス。
  23. 前記肺組織の最も狭い部分は細気管支及び肺胞である、請求項17〜22のいずれか1項に記載の乾燥粉体吸入器デバイス。
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