JP2016216184A - ベルトクリーナ - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルトクリーナの掻き取り部が、取り付け時に、戻り側ベルトの形状に合わせて調整可能で、戻り側ベルトの突起物での撓みから、通常位置に復帰できるベルトクリーナを提供する。【解決手段】戻り側ベルトの形状に合わせて、チップを当接させるために、四角形棒状ゴム製弾性体20を列設している架台40の溝底40aに、複数の高さ調整ボルトを回転自在に取り付け、該高さ調整ボルト21で前記四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面を押し上げて、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整する。又、四角形棒状ゴム製弾性体20の間にスペーサを設け、四角形棒状ゴム製弾性体20が擦れ合わないようにした。【選択図】図1

Description

本発明は原材料の輸送に用いるベルトコンベアの戻り側ベルト表面に付着した付着物を掻き取るベルトクリーナに関する。
一般にベルトコンベアは駆動プーリと従動プーリとの間に所定幅のゴム製ベルトをエンドレスに巻き付け、駆動プーリを回転させることによりベルトを両プーリ間で周回運動させるものである。通常搬送物はキャリアベルト(搬送側ベルト)に載せて搬送され、駆動プーリ側で払い出されリターンベルト(戻り側ベルト)となり従動プーリへ戻るが、戻り側ベルト表面に付着した搬送物(ベルトへの付着物)が途中で落下し、戻り側ベルト下に堆積する問題があった。又、付着物はリターンローラやスナッププーリを摩耗させたり、これらのローラに付着し戻り側ベルトを蛇行させたりする問題があった。
戻り側ベルト下に落下した搬送材の堆積物は、低床コンベアにおいては、リターンローラや戻り側ベルトの高さ位置まで成長しこれらと接触し摩耗させる。又、落下物の放置は作業環境の悪化や資源の損失となるため、定期的に落下物の回収作業を実施しているが、戻り側ベルトの全長に渡り落下しているので多大の労力と費用がかかっている。又、落鉱回収作業は機械化が困難で、人力に頼る必要があり3K作業の繰り返しとなっている。落下した落下物は回収して再利用する場合もあるが、土砂や小石などとの篩分けが必要となりコスト高となるため、廃棄処分する場合が多く資源の無駄遣いとなっている。通常、戻り側ベルトの付着物を効率的に掻き落として回収するために、戻り側ベルトの最先端にベルトクリーナを設置している。ベルトクリーナには、固定された掻き板を戻り側ベルトに押し付けることにより付着物を掻き板で掻き取るスクレーパ式、ブラシを戻り側ベルトに接触させるブラシ方式、高圧の流体を吹き付ける洗浄方式などがあるが、構造が簡単で取り換えの容易なスクレーパ方式が多用されている。
コンベアベルトは使用するにつれ徐々に摩耗するが、均一に摩耗するのではなく中央部が選択的に大きく摩耗する。従ってベルトが古くなるとベルト中央部と端部では数mmの厚み差が生じる。又、100m以上の機長の長いベルトになると、コストや作業時間の制約の点からベルトの取り換えを全長に渡り一括してやらない場合もあり、中央部が大きく摩耗している古いベルトと摩耗していない新しいベルトが混在することもある。摩耗状態が不均一なベルトに対するベルトクリーナの押圧調整は、摩耗の一番大きな中央部分に合わせるが、押圧力はベルトの幅方向で不均一になってしまう。又、ベルトのエンドレス部(繋ぎ部)は経年的に剥離してエンドレス端部が剥がれてくる。この剥がれ部は戻り側ベルト表面から突出するのでベルトクリーナの撓み限界を超えるとベルトクリーナを破損する。又、ベルトクリーナの押圧力が大きいとエンドレスの剥がれを助長したりしてベルト損傷の要因となる。従って、ベルトクリーナはベルト表面の付着物を掻き取るために不可欠であるが、適切な取り付けや使用方法を間違うとベルトを破損させ生産障害を起こす場合がある。又、ベルトクリーナの掻き取り性能を適正に維持するためには、ベルト稼動中に掻き取り状況を見ながらベルトクリーナとベルトとの接触圧の調整を行うのが最良であるが、安全上の問題で困難であった。このようにベルトクリーナがクリアするべき課題はたくさんあり最大公約数的に全ての課題に対応するのは極めて困難である。今まで様々な形状、機能のベルトクリーナが提案されているが未だメンテナンスフリーで掻き取り効率に優れたベルトクリーナは具現化されていない。
スクレーパ式のベルトクリーナに必要な要件は以下である。(1)ベルトクリーナを実機取り付けの際に、掻き取り部を戻り側ベルトの凸円弧状の形状に当接するように調整できる。(2)戻り側ベルトの強固な付着物やエンドレス部(接続部)の剥離に対して、チップが戻り側ベルトの走行方向に大きく撓んで、障害物を瞬時にやり過ごしてベルトクリーナの破損を回避する同時に、正常な掻き取り状態に瞬時に復帰できる。(3)長時間にわたり確実に付着物を掻き取ることができる。(4)チップの寿命が長く、交換が容易である。(5)ベルトクリーナの調整周期や取り換え周期が長く、調整や取付け取り外しが容易である。(6)ベルトクリーナ本体に付着物が付着しない、もしくは付着物の量が極めて少ない。以上の特性を満足しようとして従来多種多様のベルトクリーナが提案されているが、満足できる方法は具現化されていない。
特開2013−252976号広報において、スクレーパ式のクリーナの問題点を解決するために四角形棒状ゴム製弾性体の先端にチップを取り付けたクリーナが開示されている。この方法においては、実機取り付けの際に、戻り側ベルトの上側に凸円弧状の形状に追随するためのチップの高さ調整が困難であった。又、戻り側ベルトの異常な突起物で大きく撓んだ際に、正常な掻き取り状態に復帰しない場合があった。
特開2015−036327号広報において、四角形棒状ゴム製弾性体のスラスト方向への倒れを防止するために、チップスティック(四角形棒状ゴム製弾性体)の固定部に、戻り側ベルトベルトの幅方向に貫通孔を設けて、複数の四角形棒状ゴム製弾性体を串に固定して一体化し固定する方法が提案されている。この方法においては、四角形棒状ゴム製弾性体に串を通しているため、チップの高さ調整ができず、戻り側ベルトへの押圧力が戻り側ベルトの幅方向で不均一になっていた。又、実機に取り付けの際に、戻り側ベルトの凸円弧状の形状に合わせて四角形棒状ゴム製弾性体の高さ調整が困難であった。又、戻り側ベルトの突起物で大きく撓んだ際に、正常な掻き取り状態に復帰しない場合があった。。
特開2013−252976号広報 特開2015−036327号広報
本発明は以下の課題を解決するものである。(1)ベルトクリーナの掻き取り部である四角形棒状ゴム製弾性体の高さを、実機取り付けの際に、戻り側ベルトの形状に合わせて調整可能にする。(2)四角形棒状ゴム製弾性体が戻り側ベルトの突起物により大きく撓んだ際にきちんと通常の掻き取り位置に復帰できるようにする。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、複数の四角形棒状ゴム製弾性体を、戻り側ベルトの幅方向に配設された架台の溝に列設し、該溝の溝底に複数の高さ調整ボルトを回転自在に取り付け、該高さ調整ボルトで前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面を押し上げて、前記四角形棒状ゴム製弾性体の高さを調整することを特徴とするベルトクリーナである。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記溝底に可撓性のある薄板を敷設し、前記高さ調整ボルトで前記薄板を押し上げることにより、前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面を押し上げて、前記四角形棒状ゴム製弾性体の高さを調整することを特徴とするベルトクリーナである。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、 前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの幅方向に貫通孔を設け、該貫通孔に可撓性のある連結棒を貫通せしめて、前記四角形棒状ゴム製弾性体を連結し、前記高さ調整ボルトで前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面を押し上げて、前記連結棒を円弧状に撓ませることにより前記四角形棒状ゴム製弾性体の高さを調整することを特徴とするベルトクリーナである。
第4の解決手段は特許請求項4に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの幅方向に貫通孔を設け、該貫通孔に可撓性のある連結棒を貫通せしめて、前記四角形棒状ゴム製弾性体を連結し、前記溝底に可撓性のある薄板を敷設し、前記高さ調整ボルトで前記薄板を押し上げることにより、前記薄板と前記連結棒を円弧状に撓ませて、前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面を押し上げて、前記四角形棒状ゴム製弾性体の高さを調整することを特徴とするベルトクリーナである。
第5の解決手段は特許請求項5に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの進行方向に対向する自由側端末前面に耐磨耗材からなるチップを取り付けていることを特徴とするベルトクリーナである。
第6の解決手段は特許請求項6に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体の幅W1は前記チップの幅W1よりも小さくし、隣り合う前記四角形棒状ゴム製弾性体の間に厚みt(t=W1−W1)のスペーサを挿入していることを特徴とするベルトクリーナである。
第7の解決手段は特許請求項7に示すように、前記スペーサは、短冊状薄板であり、該スペーサの固定端部は前記連結棒により貫通固定され、該スペーサの自由端部は前記架台の押え板の上面よりも上方に突き出していることを特徴とするベルトクリーナである。
第8の解決手段は特許請求項8に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記自由側端末に短冊状薄板の固定端末をネジ止めし、該短冊状薄板の前記戻り側ベルトの進行方向に対向する自由端末前面に耐磨耗材からなるチップを取り付けていることを特徴とするベルトクリーナである。
第1の解決手段による効果は以下である。戻り側ベルトはトラフ癖がついており、通常上側に凸の円弧状になっている。又、戻り側ベルトの中央近辺は端部近辺に比べて摩耗が大きいのでさらに大きな凸の円弧を形成する。このような戻り側ベルトの形状はベルト毎に異なっており、それぞれのベルトに合わせてベルトクリーナの高さ調整が必要となる。本発明では、四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末を戻り側ベルトに精度よく当接させるために、実際の戻り側ベルトの形状に合わせて、四角形棒状ゴム製弾性体の高さを調整する方法を提供するものであり、ベルトクリーナを現地に取り付ける際に、高さ調整ボルトでそれぞれの四角形棒状ゴム製弾性体の高さを任意に調整することにより、四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末を正確に戻り側ベルトに当接せしめることができる。
第2の解決手段による効果は以下である。溝底に可撓性のある薄板を敷設し、高さ調整ボルトで薄板を押し上げることにより、薄板は円弧状に撓み、複数の前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面を押し上げるので、少数の高さ調整ボルトで複数の四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末を滑らかな円弧状に形成できる。
第3解決手段による効果は以下である。四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの幅方向に貫通孔を設け、該貫通孔に可撓性のある連結棒を貫通せしめて、四角形棒状ゴム製弾性体を連結しているので、少数の高さ調整ボルトで四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面を押し上げると、連結棒が撓むので複数の四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末を円弧状に押し上げることができる。
第4解決手段による効果は以下である。四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの幅方向に貫通孔を設け、該貫通孔に可撓性のある連結棒を貫通せしめて、四角形棒状ゴム製弾性体を連結するとともに、溝底に可撓性のある薄板を敷設し、高さ調整ボルトで薄板を押し上げることにより、薄板と連結棒が同時に円弧状に撓み、複数の前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面を押し上げるので、少数の高さ調整ボルトで複数の四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末を滑らかな円弧状に形成できる。
第5解決手段による効果は以下である。四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末前面に耐磨耗材からなるチップを取り付けているので、戻り側ベルトの付着物を強力に掻き取ることができる。又、チップの寿命を延長できる。
第6の解決手段による効果は以下である。四角形棒状ゴム製弾性体の幅W1をチップの幅W1よりも小さくしているので、隣り合う前記四角形棒状ゴム製弾性体同士が競り合うことが無く、円滑な搖動運動をするので、四角形棒状ゴム製弾性体が大きく撓んだ場合でも瞬時に通常の掻き取り状態に復帰できる。又、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体の間にスペーサを入れているので、四角形棒状ゴム製弾性体が互いに競り合うことが無いことから、高さ調整ボルトによる四角形棒状ゴム製弾性体の高さ調整が容易となる。
第7の解決手段による効果は以下である。四角形棒状ゴム製弾性体が戻り側ベルトの進行方向に搖動運動する際に、四角形棒状ゴム製弾性体は戻り側ベルトの幅方向の摩擦力(スラスト力)も同時に受けており、スラスト方向に倒れる力も作用している。短冊状薄板スペーサは、四角形棒状ゴム製弾性体の側面の倒れを受け止めて、摺動させることにより、スラスト方向の倒れを防止する効果がある。
第8の解決手段による効果は以下である。四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末に短冊状薄板の固定端末をネジ止めしているので、隣り合う短冊状薄板バネがお互いに干渉することがなく、円滑な搖動運動をすることができる。短冊状薄板の戻り側ベルトの進行方向に対向する自由端末前面に耐磨耗材からなるチップを取り付けているので、戻り側ベルトの付着物を強力に掻き落とすとともにチップの寿命を延長できる。
は四角形棒状ゴム製弾性体を連結棒で連結し、四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面と架台の溝底の間に薄板を敷設し、薄板を高さ調整ボルトで押し上げて、四角形棒状ゴム製弾性体の高さ調整するベルトクリーナの部分断面した斜視図。 は溝底に高さ調整ボルトを取り付けたベルトクリーナの部分断面斜視図。 は溝底に高さ調整ボルトを取り付けたベルトクリーナの部分断面正面図。 は溝底に薄板を敷設し、高さ調整ボルトを取り付けたベルトクリーナの部分断面正面図。 は四角形棒状ゴム製弾性体を連結棒で連結し、高さ調整ボルトを取り付けたベルトクリーナの部分断面正面図。 は四角形棒状ゴム製弾性体にチップを取り付け、高さ調整ボルトを取り付けたベルトクリーナの部分斜視図。 はチップを取り付けた四角形棒状ゴム製弾性体を連結棒で連結し、四角形棒状ゴム製弾性体の間にスペーサを挿入し、高さ調整ボルトを取り付けたベルトクリーナの部分断面正面図。 はチップを取り付けた四角形棒状ゴム製弾性体を連結棒で連結するとともに、薄板を敷設し、四角形棒状ゴム製弾性体の間にスペーサを挿入し、高さ調整ボルトを取り付けたベルトクリーナの部分断面正面図。 はスペーサの斜視図で、(a)は丸型のスペーサ、(b)は短冊状薄板スペーサである。 は短冊状薄板スペーサで、四角形棒状ゴム製弾性体との位置関係を示す。 は短冊状薄板スペーサを取り付けたベルトクリーナの正面図。 は四角形棒状ゴム製弾性体に、チップ付き短冊状薄板を取り付けたベルトクリーナの部分斜視図。 は連結棒で連結し、薄板を敷設した四角形棒状ゴム製弾性体にチップ付き短冊状薄板を取り付けたベルトクリーナの部分断面正面図。 は四角形棒状ゴム製弾性体がベルトの押圧力で撓んだ状態を示す部分斜視図。
本発明の実施形態を請求項1〜請求項8及び図1〜図14に基づいて説明する。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を、戻り側ベルト31の幅方向に配設された架台40の溝40aに列設し、該溝40aの溝底40bに複数の高さ調整ボルト21を回転自在に取り付け、該高さ調整ボルト21で前記四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを押し上げて、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整することを特徴とするベルトクリーナ10である。
図2は四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを高さ調整ボルト21で押し上げて、四角形棒状ゴム製弾性体の高さを調整するようにしたベルトクリーナ10の部分斜視図である。図3は四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを高さ調整ボルト21で押し上げて、四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整するようにしたベルトクリーナ10を部分断面した正面図である。図3に示すように、戻り側ベルトはキャリアローラによるトラフ癖がついており、通常上方に凸になる凸円弧状の形状をしている。
四角形棒状ゴム製弾性体20は自由側端末20aを戻り側ベルト31に押圧するための押圧力が必要であるとともに戻り側ベルト31の微妙な凹凸に柔軟に追随する必要がある。そのため、四角形棒状ゴム製弾性体20はゴムを使用する。ゴムには例えば天然ゴムや合成天然ゴム、スチレン、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが使用できる。
四角形棒状ゴム製弾性体20の横断面は、図2に拡大して示すように四角形である。四角形棒状ゴム製弾性体20の幅W1と厚みBは略同一が望ましい。四角形棒状ゴム製弾性体20の幅W1と厚みBを同一にした場合、W1=B=10〜30mmがよい。10mm以下であると剛性が弱く掻き取り能力が小さくなる。30mmより大きくなると剛性が大きすぎて撓みが小さくなり戻り側ベルト31の小さな凹凸に柔軟に追随しなくなる。四角形棒状ゴム製弾性体20の長さLは50〜300mmよい。図2に示すように、長さLは押え板上面44aから四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eまでの長さである。50mmより短いと撓みが小さすぎて戻り側ベルト31への追随性が低下する。300mmより長いと撓み量が大きすぎて掻き取り力が低下する。四角形棒状ゴム製弾性体20の弾性力をアップする場合は、厚みBを幅W1よりも若干大きくするのがよい。幅W1を大きくすると戻り側ベルト31への当接性が悪くなり掻き取り性能が低下する。
戻り側ベルト31の表面状態は戻り側ベルト31の幅方向に対して均一ではなく一般的には中央部の摩耗が最大になるため、中央部が凸円弧状に凹んでいる。又、線状の掻き疵や材料の落下疵あるいは高温材料による焼き疵などにより部分的なくぼみが生じている。戻り側ベルト31の中央近辺は搬送物の積載圧力が大きくなるので摩耗が大きく無数の微細疵が生じており、付着物が強固に付着しやすい傾向がある。又、ベルト30は原材料を搬送する際にトラフ角を形成するためトラフ癖がつく。このため、図3に示すように、戻り側ベルト31は中央部が凸円弧状(上側に凸)に変形する。従って、四角形棒状ゴム製弾性体20の幅W1が大きすぎると四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末22aが戻り側ベルト31表面に精密に当接できなくなり、自由側端末22a全体の押圧力が不均一になり掻き取り斑が生じる。従来のベルトクリーナ10は、幅100〜500mm程度のゴム弾性板もしくは金属板にチップ24を取り付けた掻き板が主流であり、掻き板の幅が広すぎるため、チップ全面が戻り側ベルト31表面に均一当接することは不可能であり、掻き取り残しが生じていた。又、掻き取り残しを解消するために掻き板を戻り側ベルト31に無理に接触させようとすると押圧力が大きくなるので、戻り側ベルト31を摩耗させたり、エンドレス部の剥がれ(突起物)を助長したりしてベルトを損傷させていた。この問題を解決するには、四角形棒状ゴム製弾性体20の幅W1をできるだけ小さくして、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末22aが均一に戻り側ベルト31表面を押圧するとともに、ベルト30の突起物に対しては瞬時に回避し、回避後は瞬時に通常位置に復帰できることが不可欠である。
戻り側ベルト31の形状や表面状況はベルト30毎に異なるため、従来のベルトクリーナ10のように、幅広の掻き板にチップ24を取り付けたタイプでは、戻り側ベルト31の表面に正確に当接できないため大量の掻き取り残しがあり、戻り側ベルト31の下には途中で落下した付着物の山が形成されていた。本発明によるベルトクリーナ10は、それぞれの四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fに対応して、それぞれの高さ調整ボルト21を溝底40bに取り付けている。高さ調整ボルト21で四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを押し上げて、凸円弧状の戻り側ベルト31の形状に合わせて、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eの高さを調整できる。このため、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eを戻り側ベルト31に精密に当接できるので掻き取り残しが発生しない。高さ調整ボルト21は架台40の溝底40bに貫通孔40cを設け回転自在に取り付けている。ベルト30を交換した際や経年的にベルト30が摩耗して表面形状や凹凸状態が変化した場合は、四角形棒状ゴム製弾性体20を取り外すことなく、高さ調整ボルト21を調整することで容易に四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eの高さを調整して、戻り側ベルト31の凸円弧の形状に合わせることができる。
四角形棒状ゴム製弾性体20は、例えば図1、図2に示すように架台40に設けた溝40aに挿入されている。溝40aは押し側板41と受け側板42及び底板43で構成されている。押し側板41にはナット46が取り付けられ、押し付けボルト45が転動自在に取り付けてあり、押え板44を押し付けることにより、四角形棒状ゴム製弾性体20を受け側板42に押し付けて固定している。架台40の両側にはフランジ47が取り付けられ、フランジ47に丸型支持軸48が取り付けられている。前記丸型支持軸48には角型パイプ49が嵌装されており、角型パイプ49は溝型受け具50に載置されている。溝型受け具50はコンベアフレーム(図示せず)に取り付けられたベルトクリーナ取付架台51に取り付けられている。四角形棒状ゴム製弾性体20の戻り側ベルト31への当接角度を決定後、角度設定ボルト52で丸型支持軸48の回転を固定する。次に、押し付け設定ボルト53で角型パイプ49の高さを調整することにより四角形棒状ゴム製弾性体20の押圧力を設定する。次に、固定ボルト54で角型パイプ49を溝型受け具50に固定する。
四角形棒状ゴム製弾性体20のセッティング方法を説明する。1)最初押し付けボルト45は若干緩めにして、四角形棒状ゴム製弾性体20の動きを拘束しない程度に押し付ける。両端の四角形棒状ゴム製弾性体20を戻り側ベルト31に当接させる。2)この状態で、ベルトクリーナ取付架台51に溝型受け具50を固定する。3)それぞれの高さ調整ボルト21にて、それぞれの四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを押し上げて、自由側端末端面20eを戻り側ベルト31に当接させる。4)押し付けボルトを締めて、押え板を四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末に押し付けて、四角形棒状ゴム製弾性体を溝40aにしっかり固定する。5)押し付け設定ボルト53にて、角パイプ49を数ミリ押し上げて、四角形棒状ゴム製弾性体20全体を戻り側ベルトに押し付ける。
四角形棒状ゴム製弾性体20を戻り側ベルト31に数ミリ過剰に押し付けることにより、戻り側ベルト31の摩擦力(図11に示す水平力F1とスラスト力F2)により、四角形棒状ゴム製弾性体20が戻り側ベルト31の進行方向に倒れる。四角形棒状ゴム製弾性体20が倒れることにより、戻り側ベルト31に適度な押圧力が加わり、付着物を掻き取ることができる。
図3に示すように、戻り側ベルト31の凸円弧状の玄の高さSは最大40mm程度になる。そのため、調整ボルト21による調整代は最大40mm程度まで必要である。高さ調整ボルト21はM5〜M10程度がよい。高さ調整ボルト21の径がM11より大きいと架台40の溝底40bに径の大きな貫通孔40cが必要であり、架台40の断面係数が低下し、架台40の撓みが大きくなる。高さ調整ボルト21の材質はステンレスにすると、ベルト30を交換した際の戻り側ベルトの凸円弧の形状に四角形棒状ゴム製弾性体20の形状を容易に合わせることができる。図2、図3に示すように、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20の高さの差Hは0.1〜3.0mm程度がよい。高さのHは、戻り側ベルト31が凸円弧形状のため、中央部付近では小さくとエッジ付近では大きくなる。隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20の高さの差Hが3mm以上になると、四角形棒状ゴム製弾性体20の押圧力に大きな差が生じて局部的にベルト30表面を傷める恐れがある。
図14に示すように、四角形棒状ゴム製弾性体20は、戻り側ベルト31の進行方向(水平方向)の摩擦力による水平力F1を受ける。又、戻り側ベルトが左右に蛇行することにより、戻り側ベルトの幅方向(スラスト方向)の摩擦力によるスラスト力F2を受けている。四角形棒状ゴム製弾性体20は、水平力F1とスラスト力F2により戻り側ベルト31の進行方向に撓んだ状態になる。同時に、四角形棒状ゴム製弾性体20は弾性力による反発力で戻り側ベルト31を押し上げるように押圧し、付着物を強力に掻き取ることができる。四角形棒状ゴム製弾性体20は、ゴムによる弾性力で常に戻り側ベルト31を押し上げており、戻り側ベルト31の小さな凹凸や上下振動に瞬時に反応しながら、戻り側ベルト31表面に精密に当接しているので掻き取り残しが発生しない。又、戻り側ベルト31のエンドレス部(ベルトの繋ぎ目)の剥がれや強固に付着した付着物などの障害物に対しては、四角形棒状ゴム製弾性体20が瞬時に大きく撓むことにより障害物を回避できる。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記溝底40bに可撓性のある薄板22を敷設し、前記高さ調整ボルト21で前記薄板22を押し上げることにより、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを押し上げて、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整することを特徴とするベルトクリーナ10である。
薄板22の材質は、ウレタン、フッ素、ゴム、プラスチックなどの樹脂薄板やSUS、銅、チタン、炭素鋼などの金属薄板やカーボンファイバーなどを使用できる。高さ調整ボルト21で押し上げた際に柔軟に撓める可撓性があり、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を同時に押し上げることのできる強度があればよい。
薄板22の厚みは、樹脂の場合0.5〜2mmがよい。0.5mm以下では、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を押し上げることができない。又、2mm以上になると適正な玄Sを有する円弧を形成できず直線的な形状になる。金属薄板22の場合は、0.1〜1mmがよい。0.1mm以下では複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を押し上げることができない。1mm以上では適正な玄Sを有する円弧を形成できず直線的な形状になる。
図4に示すように、可撓性のある薄板22を高さ調整ボルト21で押し上げると、薄板22は自動的に凸円弧形状に撓むので、薄板22の形状に合わせて、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fも上昇することから、少数の高さ調整ボルト21で、四角形棒状ゴム製弾性体20の高さ調整ができる。又、可撓性があり強度を有する薄板22は、滑らかな凸円弧状に湾曲するので、列設した四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eの形状を、戻り側ベルト31の形状に沿った階段状の滑らかな凸円弧状に形成できる。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の前記戻り側ベルト31の幅方向に貫通孔23aを設け、該貫通孔23aに可撓性のある連結棒23を貫通せしめて、前記四角形棒状ゴム製弾性体20を連結し、前記高さ調整ボルト21で前記四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを押し上げて、前記連結棒23を円弧状に撓ませることにより前記四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整することを特徴とするベルトクリーナ10である。
連結棒23の材質は、ウレタン、フッ素、ゴムなどの樹脂棒やSUS、銅、炭素鋼などの金属棒を使用できる。高さ調整ボルト21で押し上げた際に柔軟に撓める可撓性があり、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を押し上げることのできる強度があればよい。
連結棒23の径は、樹脂棒23の場合3.0〜6.0mmがよい。3.0mm以下では、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を同時に押し上げることができない。又、6.0mm以上になると適正な玄Sを有する円弧を形成できず直線的な形状になるので望ましくない。金属棒23の場合は、1.0〜3.0mmがよい。1.0mm以下では複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を押し上げることができない。3mm以上では適正な玄Sを有する凸円弧を形成できず直線的な形状になるので望ましくない。
図5に示すように、可撓性のある連結棒23で四角形棒状ゴム製弾性体20を連結し、溝底40bに回転自在に取り付けた高さ調整ボルト21で、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを押し上げることにより、少数の高さ調整ボルト21で四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eの高さ調整ができる。連結棒23は高さ調整ボルト21で押し上げられた部分を中心に円弧状に撓むので、全ての四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを高さ調整ボルト21で押し上げる必要はない。又、可撓性があり強度を有する連結棒23により、連結された四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20fが連続的な階段状の滑らかな凸円弧を形成できる。
図1に示すように、可撓性のある連結棒23と可撓性のある薄板22を組み合わせてもよい。図1は、四角形棒状ゴム製弾性体20を連結棒23で連結し、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fと架台40の溝底40bの間に薄板22を敷設し、薄板22を高さ調整ボルト21で押し上げて、四角形棒状ゴム製弾性体20の高さ調整するベルトクリーナ10の部分断面した斜視図である。連結棒23で四角形棒状ゴム製弾性体20を連結し、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fと溝底40bの間に可撓性のある薄板22を敷設する。薄板22を高さ調整ボルト21で押し上げることにより、薄板22が滑らかな凸円弧に変形するとともに、連結棒23も滑らかな凸円弧状に変形するので、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eを連結した滑らかな凸円弧状に形成することができる。
四角形棒状ゴム製弾性体20の貫通孔23aの径は、連結棒23に対して0.1mm以上大きくするのがよい。連結棒23が大きく撓んだ際に、貫通孔23aと連結棒23の間に隙間が無い場合は連結棒23が撓みにくくなる。
連結棒23は四角形棒状ゴム製弾性体20を連結するので、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を簡単に架台40の溝40aに列設できる。
第4の解決手段は特許請求項4に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の前記戻り側ベルト31の幅方向に貫通孔23aを設け、該貫通孔23aに可撓性のある連結棒23を貫通せしめて、前記四角形棒状ゴム製弾性体20を連結し、前記溝底40bに可撓性のある薄板22を敷設し、前記高さ調整ボルト21で前記薄板22を押し上げることにより、前記薄板22と前記連結棒23を円弧状に撓ませて、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを押し上げて、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整することを特徴とするベルトクリーナ10である。
図8は、四角形棒状ゴム製弾性体の間に丸型のスペーサ70、71を挿入している。図11は、四角形棒状ゴム製弾性体の間に短冊状薄板のスペーサ70、72を挿入している。四角形棒状ゴム製弾性体20を連結棒23で連結し、溝底40bに薄板22を敷設している。高さ調整ボルト21で薄板22を押し上げると、薄板22は上方に凸円弧状に滑らかに撓み、薄板22の撓みに従って四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fが押し上げられるので、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eは滑らかな凸円弧状を形成し、戻り側ベルト31の表面に精密に当接する。
第5の解決手段は特許請求項5に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の前記戻り側ベルト31の進行方向に対向する自由側端末前面20bに耐磨耗材からなるチップ24を取り付けていることを特徴とするベルトクリーナ10である。
チップ24の材質はセラミックスや超硬合金やサーメットを使用できる。セラミックスには、例えばアルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素などを使用できる。超硬合金には、例えばWC−Co系合金、WC−TiC−Co系合金、WC−TaC−TaC−Co系合金などを使用できる。サーメットはTiCやTiN、NbCを主成分とし、Co、Ni、Mo等の金属との複合材料の焼結品が使用できる。チップ24の幅W2は10〜30mmがよい。10mmより小さいと四角形棒状ゴム製弾性体20の剛性が小さくなり掻き取り性能が低下する。30mmより大きいと戻り側ベルト31の凹凸に追随できない。
図6に示すように、チップ24はネジ25にて四角形棒状ゴム製弾性体20に取り付ける。ネジ25の材質は炭素鋼、SUS、チタンなどの金属を使用できる。更に、ネジ25の摩耗を防止するためにはセラミックス、超硬、サーメットなどが使用できる。四角形棒状ゴム製弾性体20は厚みを厚くできるので強固にネジ25止めできる。チップ24はネジ25止めしてさらに接着剤で接合することにより接合強度がアップすると同時にネジ25に水分の浸入を防止できる。ネジ25はチップ24の回転を防止するために2本以上で固定するのがよい。
チップ24の幅W2が大きすぎるとチップ24が戻り側ベルト31表面に精密に当接できなくなり、チップ24全体の押圧力が不均一になり掻き取り斑が生じる。従来のベルトクリーナの構造は、幅100〜500mm程度のゴム弾性板もしくは金属板にチップを取り付けた掻き板を戻り側ベルトの幅方向に並べたものであり、掻き板の幅が広すぎるため、チップ全面が戻り側ベルト表面に均一に当接することは不可能であり、掻き取り残しが生じていた。又、掻き取り残しを解消するためにベルトクリーナを戻り側ベルトに無理に接触させようとすると押圧力が大きくなるので、戻り側ベルトを摩耗させたり、エンドレス部の剥がれを助長したりしてベルトを損傷させていた。この問題を解決するにはチップ24の幅W2をできるだけ小さくしてチップ24が均一に戻り側ベルト31表面を押圧することである。
本発明では、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末前面20aにチップ24を取り付けているので、四角形棒状ゴム製弾性体20の幅W1が小さくなっても厚みBを確保できることから、四角形棒状ゴム製弾性体20の剛性が大きく、戻り側ベルトに大きな押圧力を付加することができる。四角形棒状ゴム製弾性体20の断面係数はZ=(W1×B)/6=B/6(W1とBが略等しい場合)である。即ち、弾性体形状を四角形棒状とすることでチップ24の幅W2(W1はW2と同等もしくは小さい)を小さくして、剛性と柔軟性を併せ持つ構造を実現できたことから、戻り側ベルト31の表面状況に応じて精密に当接可能にすることを具現化した。そのためのチップ24の幅W2は特開2013−252976号広報に示すように、30mm以下でなければならない。30mmより大きいと戻り側ベルト31幅方向の摩耗や付着物の状況変化に追随できず掻き取り残しが生じる。戻り側ベルト31の窪みや線状疵の幅は通常30mm以下であることから、チップ24の幅W2は30mm以下でなければならない。チップ24の幅W2が30mm以下であれば戻り側ベルト31の変化に柔軟に追随可能である。又、前述したように、四角形棒状ゴム製弾性体20の撓みはW1の4乗に反比例するので、幅W1が30mm以上になると撓み量が指数関数的に小さくなり、戻り側ベルト31の微小な振動に追随できなくなり掻き取り性能が低下する。
高速で衝突する強固な付着物やエンドレス部のめくれなどの障害物は衝突の瞬間にチップ24に大きな衝撃を与えるので、チップ24を破損したり、逆にエンドレス部のめくれや疵を大きくしたりして戻り側ベルト31を損傷する危険性がある。この対策として、チップ24や四角形棒状ゴム製弾性体20の慣性モーメントをできるだけ小さくして、障害物が衝突した瞬間に大きく撓んで衝撃力を回避することが重要である。従来のベルトクリーナにおいては、チップやチップを取り付けている掻き板の慣性モーメントを小さくして衝突時の衝撃を瞬時に回避することはできなかった。このため、度々重大なベルト損傷事故を発生し生産障害となっていた。
通常の場合、チップ24は四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末前面20bに取り付けるが、正逆運転するベルト30の場合は、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末後面20cにも取り付けることができる。四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末前面20bと自由側端末後面20cの両面にチップ24を取り付けることにより、ベルト30の進行方向が反転しても掻き取り機能を持たせることができる。
第6の解決手段は特許請求項6に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の幅W1は前記チップ24の幅W2よりも小さくし、隣り合う前記四角形棒状ゴム製弾性体20の間に厚みt(t=W2−W1)のスペーサ70を挿入していることを特徴とするベルトクリーナ10である。
スペーサ70の材質は、ウレタン、フッ素、プラスチックなどの樹脂からなる薄板やSUS、銅、チタン、炭素鋼などからなる金属薄板などを使用できる。四角形棒状ゴム製弾性体の側面とスペーサ70が摺動することから、フッ素樹脂薄板が望ましい。
図7や図8に示すように、四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20dに隙間を形成して、四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20d同士が接触しないようする。側面20d同士が接触すると四角形棒状ゴム製弾性体20の円滑な搖動運動ができなくなる。四角形棒状ゴム製弾性体20の隣り合う隙間(W2−W1)は0.5〜4.0mmがよい。0.5mm以下になると、四角形棒状ゴム製弾性体に戻り側ベルトのスラスト力F2が作用した際に、四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20dが接触し、四角形棒状ゴム製弾性体20が元の形状に復帰できなくなる。4.0mm以上になると、四角形棒状ゴム製弾性体20の断面係数が低下し弾性力が小さくなることから、戻り側ベルト31に対する押圧力が低下するので掻き取り性能が低下する。四角形棒状ゴム製弾性体20の隣り合う隙間を確実に保持するために、四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20d間にスペーサ70を挿入する。スペーサ70の厚みt(W2−W1)は0.5〜4.0mmがよい。図9(a)に示すように、スペーサ70、71の形状は丸型でもよい。スペーサ70、71は中央に貫通孔71aを設けて、連結棒23に挿入するのがよい。隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20の隙間には粘度の高いグリースを充填することでダストの浸入やダストの固着を防止できる。
図7は連結棒23とスペーサ70、71を組み合わせたベルトクリーナ10の例を示している。チップ24を取り付けた四角形棒状ゴム製弾性体20を連結棒23で連結し、連結棒23にスペーサ70、71を挿入し、高さ調整ボルト21で四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを押し上げて、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eの高さを調整するようにしたベルトクリーナ10である。連結棒23で四角形棒状ゴム製弾性体20を連結しているので、少数の高さ調整ボルト21で四角形棒状ゴム製弾性体20を滑らかな階段状の凸円弧状に形成することができる。
図8は連結棒23と薄板22とスペーサ70、71を組み合わせたベルトクリーナ10の例を示している。チップ24を取り付けた四角形棒状ゴム製弾性体20を連結棒23で連結し、連結棒23にスペーサ70、71を挿入し、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fと溝底40bの間に薄板22を敷設し、高さ調整ボルト21で薄板22を押し上げて四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整するようにしたベルトクリーナ10である。連結棒23で四角形棒状ゴム製弾性体20を連結し、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fと溝底40bの間に薄板22を敷設しているので、少数の高さ調整ボルト21で四角形棒状ゴム製弾性体20を滑らかな階段状の凸円弧状に形成することができる。
第7の解決手段は特許請求項7に示すように、前記スペーサ70、72は、短冊状薄板であり、該スペーサ70、72の固定端部72aは前記連結棒23により貫通固定され、該スペーサ70、72の自由端部72bは前記架台40の押え板44の上面44aよりも上方に突き出していることを特徴とするベルトクリーナ10である。
図9(b)及び(c)に示すように、スペーサ70、72は短冊状薄板型である。図10に示すように、スペーサ70、72の固定端部72aは架台40の溝40aに挿入するため長方形であり、連結軸23を貫通させるための貫通孔72cを設けている。スペーサ70、72は架台40の押え板44の上面44aよりも上方に突き出して、四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20dとの接触面積を広くするのがよい。図9(b)はスペーサ70、72の固定端部72aと自由端部72bの幅を同等にしているが、図9(c)は四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20dとの接触面積を拡大するためにスペーサ70、72の自由端部72bを固定端部72aに比べて幅広にした例を示している。四角形棒状ゴム製弾性体20は戻り側ベルト31の水平力F1で、戻り側ベルト31の進行方向に撓んで、微振動しながら搖動運動する。同時にベルトの蛇行による摩擦力(スラスト力)によりスラスト方向に倒れようとする。スペーサ70、72は四角形棒状ゴム製弾性体の側面20dを摺動させるとともに、スラスト方向への倒れを防止するためのガイドの役割を果たす。
図11は、連結棒23と薄板22とスペーサ70、72を組み合わせたベルトクリーナ10の例を示している。チップ24を取り付けた四角形棒状ゴム製弾性体20を連結棒23で連結し、連結棒23に短冊状薄板のスペーサ70、72を挿入し、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fと溝底40bの間に薄板22を敷設し、高さ調整ボルト21で薄板22を押し上げて四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整するようにしたベルトクリーナ10である。連結棒23で四角形棒状ゴム製弾性体20を連結し、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fと溝底40bの間に薄板22を敷設しているので、少数の高さ調整ボルト21で四角形棒状ゴム製弾性体20を滑らかな階段状の凸円弧状に形成することができる。
第8の解決手段は特許請求項8に示すように、 前記四角形棒状ゴム製弾性体20の前記自由側端末20aに短冊状薄板60の固定側端末60bをネジ25止めし、該短冊状薄板60の前記戻り側ベルト31の進行方向に対向する自由側端末前面60aに前記チップ24を取り付けていることを特徴とするベルトクリーナ10である。
短冊状薄板60は、ウレタン、フッ素などの樹脂、プラスチックなどの薄板や銅、鉄、アルミニウム、チタンなどの金属薄板やカーボンファイバー薄板などを使用できる。
図12は、短冊状薄板60の、戻り側ベルト31の進行方向に対向する自由側端末前面60aにチップ24を取り付け、固定側端末60bを四角形棒状ゴム製弾性体20にネジ25で固定したベルトクリーナ10を示している。短冊状薄板60の高さ調整は、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20を高さ調整ボルト21で押し上げる。短冊状薄板60の厚みTは樹脂やプラスチックからなる短冊状薄板60の場合、2.0〜5.0mmがよい。金属からなる短冊状薄板60の場合、0.5〜3.0mmがよい。四角形棒状ゴム製弾性体20の長さL1は20〜50mmがよい。L1は押え板44の上面44aから自由側端末端面20eまでの長さである。短冊状薄板60の長さL2は30〜200mmがよい。30mmより短いと剛性が大きすぎて短冊状薄板60の撓みが小さくなる。200より長いと剛性が低下し撓みが大きくなり掻き取り性能が低下する。L2は四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eから短冊状薄板60の自由側端末端面60dまでの長さである。
通常の場合、チップ24は短冊状薄板60の自由側端末前面60aに取り付けるが、正逆運転するベルト30の場合は、短冊状薄板60の自由側端末後面60cにも取り付けることができる。短冊状薄板60の自由側端末前面60aと自由側端末後面60cの両面にチップ24を取り付けることにより、ベルト30の進行方向が反転しても掻き取り機能を持たせることができる。
短冊状薄板の幅W3は、四角形棒状ゴム製弾性体の幅W1やチップの幅W2と同等か小さくする。戻り側ベルトのスラスト力F2を受けた際に、隣り合う短冊状薄板が互いに干渉し、円滑な搖動運動ができなくなるからである。四角形棒状ゴム製弾性体20に短冊状薄板60を取り付けることにより、四角形棒状ゴム製弾性体20がスペーサ70の機能も果たすので、短冊状薄板60がスラスト力F2によりスラスト方向に押されることによりお互いに擦れ合うのを防止できる。
図13に具体例を示す。貫通孔23aを設け、連結棒23で連結した四角形棒状ゴム製弾性体20に、自由側端末前面60aにチップ24を取り付けた短冊状薄板60を固定し、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fと溝底40の間に薄板22を敷設し、溝底40bに取り付けた高さ調整ボルト21で薄板22を押し上げることにより、四角形棒状ゴム製弾性体を押し上げ、短冊状薄板60の高さ調節をできるようにしている。
10:ベルトクリーナ
20:四角形棒状ゴム製弾性体
20a:(四角形棒状ゴム製弾性体の)自由側端末
20b:(四角形棒状ゴム製弾性体の)自由側端末前面
20c:(四角形棒状ゴム製弾性体の)自由側端末後面
20d:(四角形棒状ゴム製弾性体の)側面
20e:(四角形棒状ゴム製弾性体の)自由側端末端面
20f:(四角形棒状ゴム製弾性体の)固定側端末端面
21:高さ調整ボルト
22:薄板
23:連結棒
23a:貫通孔
24:チップ
25:ネジ
30:ベルト
31:戻り側ベルト
40:架台
40a:溝
40b:溝底
40c:貫通孔
41:押し側板
42:受け側板
43:底板
44:押え板
44a:押え板上面
45:押し付けボルト
46:ナット
47:フランジ
48:丸型支持軸
49:角型パイプ
50:溝型受け具
51:ベルトクリーナ取付け架台
52:角度設定ボルト
53:押し付け設定ボルト
54:固定ボルト
60:短冊状薄板
60a:(短冊状薄板の)自由側端末前面
60b:(短冊状薄板の)固定側端末
60c:(短冊状薄板の)自由側端末後面
60d:(短冊状薄板の)自由側端末端面
70:スペーサ
71:丸型スペーサ
71a:貫通孔
72:短冊状薄板スペーサ
72a:(短冊状薄板スペーサの)固定端部
72b:(短冊状薄板スペーサの)自由端部
72c:貫通孔
S:戻り側ベルトの凸円弧の玄の高さ
H:隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体の高さの差
L:四角形棒状ゴム製弾性体の長さ
L1:四角形棒状ゴム製弾性体の長さ
L2:短冊状薄板の長さ
W1:四角形棒状ゴム製弾性体の幅
W2:チップの幅
W3:短冊状薄板の幅
B:四角形棒状ゴム製弾性体の厚み
D1:(短冊状薄板スペーサの)幅
D2:(短冊状薄板スペーサの固定側端末の)幅
δ:(四角形棒状ゴム製弾性体の)撓み
F1:戻り側ベルトの進行方向(水平方向)の摩擦力、水平力
F2:戻り側ベルトの幅方向(スラスト方向)の摩擦力、スラスト力
本発明は原材料の輸送に用いるベルトコンベアの戻り側ベルト表面に付着した付着物を掻き取るベルトクリーナに関する。
一般にベルトコンベアは駆動プーリと従動プーリとの間に所定幅のゴム製ベルトをエンドレスに巻き付け、駆動プーリを回転させることによりベルトを両プーリ間で周回運動させるものである。通常搬送物はキャリアベルト(搬送側ベルト)に載せて搬送され、駆動プーリ側で払い出されリターンベルト(戻り側ベルト)となり従動プーリへ戻るが、戻り側ベルト表面に付着した搬送物(ベルトへの付着物)が途中で落下し、戻り側ベルト下に堆積する問題があった。又、付着物はリターンローラやスナッププーリを摩耗させたり、これらのローラに付着し戻り側ベルトを蛇行させたりする問題があった。
戻り側ベルト下に落下した搬送材の堆積物は、低床コンベアにおいては、リターンローラや戻り側ベルトの高さ位置まで成長しこれらと接触し摩耗させる。又、落下物の放置は作業環境の悪化や資源の損失となるため、定期的に落下物の回収作業を実施しているが、戻り側ベルトの全長に渡り落下しているので多大の労力と費用がかかっている。又、落鉱回収作業は機械化が困難で、人力に頼る必要があり3K作業の繰り返しとなっている。落下した落下物は回収して再利用する場合もあるが、土砂や小石などとの篩分けが必要となりコスト高となるため、廃棄処分する場合が多く資源の無駄遣いとなっている。通常、戻り側ベルトの付着物を効率的に掻き落として回収するために、戻り側ベルトの最先端にベルトクリーナを設置している。ベルトクリーナには、固定された掻き板を戻り側ベルトに押し付けることにより付着物を掻き板で掻き取るスクレーパ式、ブラシを戻り側ベルトに接触させるブラシ方式、高圧の流体を吹き付ける洗浄方式などがあるが、構造が簡単で取り換えの容易なスクレーパ方式が多用されている。
コンベアベルトは使用するにつれ徐々に摩耗するが、均一に摩耗するのではなく中央部が選択的に大きく摩耗する。従ってベルトが古くなるとベルト中央部と端部では数mmの厚み差が生じる。又、100m以上の機長の長いベルトになると、コストや作業時間の制約の点からベルトの取り換えを全長に渡り一括してやらない場合もあり、中央部が大きく摩耗している古いベルトと摩耗していない新しいベルトが混在することもある。摩耗状態が不均一なベルトに対するベルトクリーナの押圧調整は、摩耗の一番大きな中央部分に合わせるが、押圧力はベルトの幅方向で不均一になってしまう。又、ベルトのエンドレス部(繋ぎ部)は経年的に剥離してエンドレス端部が剥がれてくる。この剥がれ部は戻り側ベルト表面から突出するのでベルトクリーナの撓み限界を超えるとベルトクリーナを破損する。又、ベルトクリーナの押圧力が大きいとエンドレスの剥がれを助長したりしてベルト損傷の要因となる。従って、ベルトクリーナはベルト表面の付着物を掻き取るために不可欠であるが、適切な取り付けや使用方法を間違うとベルトを破損させ生産障害を起こす場合がある。又、ベルトクリーナの掻き取り性能を適正に維持するためには、ベルト稼動中に掻き取り状況を見ながらベルトクリーナとベルトとの接触圧の調整を行うのが最良であるが、安全上の問題で困難であった。このようにベルトクリーナがクリアするべき課題はたくさんあり最大公約数的に全ての課題に対応するのは極めて困難である。今まで様々な形状、機能のベルトクリーナが提案されているが未だメンテナンスフリーで掻き取り効率に優れたベルトクリーナは具現化されていない。
スクレーパ式のベルトクリーナに必要な要件は以下である。(1)ベルトクリーナを実機取り付けの際に、掻き取り部を戻り側ベルトの凸円弧状の形状に当接するように調整できる。(2)戻り側ベルトの強固な付着物やエンドレス部(接続部)の剥離に対して、チップが戻り側ベルトの走行方向に大きく撓んで、障害物を瞬時にやり過ごしてベルトクリーナの破損を回避する同時に、正常な掻き取り状態に瞬時に復帰できる。(3)長時間にわたり確実に付着物を掻き取ることができる。(4)チップの寿命が長く、交換が容易である。(5)ベルトクリーナの調整周期や取り換え周期が長く、調整や取付け取り外しが容易である。(6)ベルトクリーナ本体に付着物が付着しない、もしくは付着物の量が極めて少ない。以上の特性を満足しようとして従来多種多様のベルトクリーナが提案されているが、満足できる方法は具現化されていない。
特開2013−252976号広報において、スクレーパ式のクリーナの問題点を解決するために四角形棒状ゴム製弾性体の先端にチップを取り付けたクリーナが開示されている。この方法においては、実機取り付けの際に、戻り側ベルトの上側に凸円弧状の形状に追随するためのチップの高さ調整が困難であった。又、戻り側ベルトの異常な突起物で大きく撓んだ際に、正常な掻き取り状態に復帰しない場合があった。
特開2015−036327号広報において、四角形棒状ゴム製弾性体のスラスト方向への倒れを防止するために、チップスティック(四角形棒状ゴム製弾性体)の固定部に、戻り側ベルトベルトの幅方向に貫通孔を設けて、複数の四角形棒状ゴム製弾性体を串に固定して一体化し固定する方法が提案されている。この方法においては、四角形棒状ゴム製弾性体に串を通しているため、チップの高さ調整ができず、戻り側ベルトへの押圧力が戻り側ベルトの幅方向で不均一になっていた。又、実機に取り付けの際に、戻り側ベルトの凸円弧状の形状に合わせて四角形棒状ゴム製弾性体の高さ調整が困難であった。又、戻り側ベルトの突起物で大きく撓んだ際に、正常な掻き取り状態に復帰しない場合があった。。
特開2013−252976号広報 特開2015−036327号広報
本発明は以下の課題を解決するものである。(1)ベルトクリーナの掻き取り部である四角形棒状ゴム製弾性体の高さを、実機取り付けの際に、戻り側ベルトの形状に合わせて調整可能にする。(2)四角形棒状ゴム製弾性体が戻り側ベルトの突起物により大きく撓んだ際にきちんと通常の掻き取り位置に復帰できるようにする。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、複数の四角形棒状ゴム製弾性体が、戻り側ベルトの幅方向に配設された架台の溝に列設されたベルトクリーナにおいて、前記溝の溝底に、前記四角形棒状ゴム製弾性体の数よりも少数の高さ調整ボルトが回転自在に取り付けられ、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの幅方向に貫通孔が設けられ、該貫通孔に可撓性のある連結棒が貫通され、前記四角形棒状ゴム製弾性体が前記連結棒により連結され、前記高さ調整ボルトで前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面押し上げられ、前記連結棒円弧状に撓ことにより前記四角形棒状ゴム製弾性体の高さ調整されることを特徴とするベルトクリーナである。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末に、チップを具備したことを特徴とするベルトクリーナである。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの幅方向に前記貫通孔設けられ、該貫通孔に可撓性のある前記連結棒貫通され、前記四角形棒状ゴム製弾性体が前記連結棒により連結され、前記溝底に可撓性のある薄板敷設され、前記高さ調整ボルトで前記薄板押し上げられることにより、前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面が押し上げられ、前記薄板と前記連結棒円弧状に撓、前記四角形棒状ゴム製弾性体の高さ調整されることを特徴とするベルトクリーナである。
第4の解決手段は特許請求項4に示すように、前記自由側端末にチップを取り付けた四角形棒状ゴム製弾性体おいて、前記四角形棒状ゴム製弾性体の幅W1は前記チップの幅W2よりも小さくなっており、隣り合う前記四角形棒状ゴム製弾性体の間に厚みtで、次式t=W2−W1を満たすスペーサ挿入されていることを特徴とするベルトクリーナである。
第5の解決手段は特許請求項5に示すように、前記スペーサは、短冊状薄板であり、該スペーサの固定端部は前記連結棒により貫通固定され、該スペーサの自由端部は前記架台の押え板の上面よりも上方に突き出していることを特徴とするベルトクリーナである。
第1の解決手段による効果は以下である。四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの幅方向に貫通孔を設け、該貫通孔に可撓性のある連結棒を貫通せしめて、四角形棒状ゴム製弾性体を連結しているので、少数の高さ調整ボルトで四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面を押し上げると、連結棒が撓むので複数の四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末を円弧状に押し上げることができる。
第2の解決手段による効果は以下である。四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末前面に耐磨耗材からなるチップを取り付けているので、戻り側ベルトの付着物を強力に掻き取ることができる。又、チップの寿命を延長できる。
第3解決手段による効果は以下である。四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの幅方向に貫通孔を設け、該貫通孔に可撓性のある連結棒を貫通せしめて、四角形棒状ゴム製弾性体を連結するとともに、溝底に可撓性のある薄板を敷設し、高さ調整ボルトで薄板を押し上げることにより、薄板と連結棒が同時に円弧状に撓み、複数の前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面を押し上げるので、少数の高さ調整ボルトで複数の四角形棒状ゴム製弾性体の自由側端末を滑らかな円弧状に形成できる
第4解決手段による効果は以下である。四角形棒状ゴム製弾性体の幅W1をチップの幅W1よりも小さくしているので、隣り合う前記四角形棒状ゴム製弾性体同士が競り合うことが無く、円滑な搖動運動をするので、四角形棒状ゴム製弾性体が大きく撓んだ場合でも瞬時に通常の掻き取り状態に復帰できる。又、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体の間にスペーサを入れているので、四角形棒状ゴム製弾性体が互いに競り合うことが無いことから、高さ調整ボルトによる四角形棒状ゴム製弾性体の高さ調整が容易となる。
第5解決手段による効果は以下である。四角形棒状ゴム製弾性体が戻り側ベルトの進行方向に搖動運動する際に、四角形棒状ゴム製弾性体は戻り側ベルトの幅方向の摩擦力(スラスト力)も同時に受けており、スラスト方向に倒れる力も作用している。短冊状薄板スペーサは、四角形棒状ゴム製弾性体の側面の倒れを受け止めて、摺動させることにより、スラスト方向の倒れを防止する効果がある。
は四角形棒状ゴム製弾性体を連結棒で連結し、四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面と架台の溝底の間に薄板を敷設し、薄板を高さ調整ボルトで押し上げて、四角形棒状ゴム製弾性体の高さ調整するベルトクリーナの部分断面した斜視図。 は溝底に高さ調整ボルトを取り付けたベルトクリーナの部分断面斜視図。 は溝底に高さ調整ボルトを取り付けたベルトクリーナの部分断面正面図。 は溝底に薄板を敷設し、高さ調整ボルトを取り付けたベルトクリーナの部分断面正面図。 は四角形棒状ゴム製弾性体を連結棒で連結し、高さ調整ボルトを取り付けたベルトクリーナの部分断面正面図。 は四角形棒状ゴム製弾性体にチップを取り付け、高さ調整ボルトを取り付けたベルトクリーナの部分斜視図。 はチップを取り付けた四角形棒状ゴム製弾性体を連結棒で連結し、四角形棒状ゴム製弾性体の間にスペーサを挿入し、高さ調整ボルトを取り付けたベルトクリーナの部分断面正面図。 はチップを取り付けた四角形棒状ゴム製弾性体を連結棒で連結するとともに、薄板を敷設し、四角形棒状ゴム製弾性体の間にスペーサを挿入し、高さ調整ボルトを取り付けたベルトクリーナの部分断面正面図。 はスペーサの斜視図で、(a)は丸型のスペーサ、(b)は短冊状薄板スペーサである。 は短冊状薄板スペーサで、四角形棒状ゴム製弾性体との位置関係を示す。 は短冊状薄板スペーサを取り付けたベルトクリーナの正面図。 は四角形棒状ゴム製弾性体に、チップ付き短冊状薄板を取り付けたベルトクリーナの部分斜視図。 は連結棒で連結し、薄板を敷設した四角形棒状ゴム製弾性体にチップ付き短冊状薄板を取り付けたベルトクリーナの部分断面正面図。 は四角形棒状ゴム製弾性体がベルトの押圧力で撓んだ状態を示す部分斜視図。
本発明の実施形態を請求項1〜請求項5及び図1〜図14に基づいて説明する。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20が、戻り側ベルト31の幅方向に配設された架台40の溝40aに列設されたベルトクリーナ10において、前記溝40aの溝底40bに、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の数よりも少数の高さ調整ボルト21が回転自在に取り付けられ、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の前記戻り側ベルト31の幅方向に貫通孔23aが設けられ、該貫通孔23aに可撓性のある連結棒23が貫通され、前記四角形棒状ゴム製弾性体20が前記連結棒23により連結され、前記高さ調整ボルト21で前記四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20f押し上げられ、前記連結棒23円弧状に撓ことにより前記四角形棒状ゴム製弾性体20の高さ調整されることを特徴とするベルトクリーナ10である。
図2は四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを高さ調整ボルト21で押し上げて、四角形棒状ゴム製弾性体の高さを調整するようにしたベルトクリーナ10の部分斜視図である。図3は四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを高さ調整ボルト21で押し上げて、四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整するようにしたベルトクリーナ10を部分断面した正面図である。図3に示すように、戻り側ベルトはキャリアローラによるトラフ癖がついており、通常上方に凸になる凸円弧状の形状をしている。
四角形棒状ゴム製弾性体20は自由側端末20aを戻り側ベルト31に押圧するための押圧力が必要であるとともに戻り側ベルト31の微妙な凹凸に柔軟に追随する必要がある。そのため、四角形棒状ゴム製弾性体20はゴムを使用する。ゴムには例えば天然ゴムや合成天然ゴム、スチレン、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが使用できる。
四角形棒状ゴム製弾性体20の横断面は、図2に拡大して示すように四角形である。四角形棒状ゴム製弾性体20の幅W1と厚みBは略同一が望ましい。四角形棒状ゴム製弾性体20の幅W1と厚みBを同一にした場合、W1=B=10〜30mmがよい。10mm以下であると剛性が弱く掻き取り能力が小さくなる。30mmより大きくなると剛性が大きすぎて撓みが小さくなり戻り側ベルト31の小さな凹凸に柔軟に追随しなくなる。四角形棒状ゴム製弾性体20の長さLは50〜300mmよい。図2に示すように、長さLは押え板上面44aから四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eまでの長さである。50mmより短いと撓みが小さすぎて戻り側ベルト31への追随性が低下する。300mmより長いと撓み量が大きすぎて掻き取り力が低下する。四角形棒状ゴム製弾性体20の弾性力をアップする場合は、厚みBを幅W1よりも若干大きくするのがよい。幅W1を大きくすると戻り側ベルト31への当接性が悪くなり掻き取り性能が低下する。
戻り側ベルト31の表面状態は戻り側ベルト31の幅方向に対して均一ではなく一般的には中央部の摩耗が最大になるため、中央部が凸円弧状に凹んでいる。又、線状の掻き疵や材料の落下疵あるいは高温材料による焼き疵などにより部分的なくぼみが生じている。戻り側ベルト31の中央近辺は搬送物の積載圧力が大きくなるので摩耗が大きく無数の微細疵が生じており、付着物が強固に付着しやすい傾向がある。又、ベルト30は原材料を搬送する際にトラフ角を形成するためトラフ癖がつく。このため、図3に示すように、戻り側ベルト31は中央部が凸円弧状(上側に凸)に変形する。従って、四角形棒状ゴム製弾性体20の幅W1が大きすぎると四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末22aが戻り側ベルト31表面に精密に当接できなくなり、自由側端末22a全体の押圧力が不均一になり掻き取り斑が生じる。従来のベルトクリーナ10は、幅100〜500mm程度のゴム弾性板もしくは金属板にチップ24を取り付けた掻き板が主流であり、掻き板の幅が広すぎるため、チップ全面が戻り側ベルト31表面に均一当接することは不可能であり、掻き取り残しが生じていた。又、掻き取り残しを解消するために掻き板を戻り側ベルト31に無理に接触させようとすると押圧力が大きくなるので、戻り側ベルト31を摩耗させたり、エンドレス部の剥がれ(突起物)を助長したりしてベルトを損傷させていた。この問題を解決するには、四角形棒状ゴム製弾性体20の幅W1をできるだけ小さくして、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末22aが均一に戻り側ベルト31表面を押圧するとともに、ベルト30の突起物に対しては瞬時に回避し、回避後は瞬時に通常位置に復帰できることが不可欠である。
戻り側ベルト31の形状や表面状況はベルト30毎に異なるため、従来のベルトクリーナ10のように、幅広の掻き板にチップ24を取り付けたタイプでは、戻り側ベルト31の表面に正確に当接できないため大量の掻き取り残しがあり、戻り側ベルト31の下には途中で落下した付着物の山が形成されていた。本発明によるベルトクリーナ10は、それぞれの四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fに対応して、それぞれの高さ調整ボルト21を溝底40bに取り付けている。高さ調整ボルト21で四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを押し上げて、凸円弧状の戻り側ベルト31の形状に合わせて、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eの高さを調整できる。このため、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eを戻り側ベルト31に精密に当接できるので掻き取り残しが発生しない。高さ調整ボルト21は架台40の溝底40bに貫通孔40cを設け回転自在に取り付けている。ベルト30を交換した際や経年的にベルト30が摩耗して表面形状や凹凸状態が変化した場合は、四角形棒状ゴム製弾性体20を取り外すことなく、高さ調整ボルト21を調整することで容易に四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eの高さを調整して、戻り側ベルト31の凸円弧の形状に合わせることができる。
四角形棒状ゴム製弾性体20は、例えば図1、図2に示すように架台40に設けた溝40aに挿入されている。溝40aは押し側板41と受け側板42及び底板43で構成されている。押し側板41にはナット46が取り付けられ、押し付けボルト45が転動自在に取り付けてあり、押え板44を押し付けることにより、四角形棒状ゴム製弾性体20を受け側板42に押し付けて固定している。架台40の両側にはフランジ47が取り付けられ、フランジ47に丸型支持軸48が取り付けられている。前記丸型支持軸48には角型パイプ49が嵌装されており、角型パイプ49は溝型受け具50に載置されている。溝型受け具50はコンベアフレーム(図示せず)に取り付けられたベルトクリーナ取付架台51に取り付けられている。四角形棒状ゴム製弾性体20の戻り側ベルト31への当接角度を決定後、角度設定ボルト52で丸型支持軸48の回転を固定する。次に、押し付け設定ボルト53で角型パイプ49の高さを調整することにより四角形棒状ゴム製弾性体20の押圧力を設定する。次に、固定ボルト54で角型パイプ49を溝型受け具50に固定する。
四角形棒状ゴム製弾性体20のセッティング方法を説明する。1)最初押し付けボルト45は若干緩めにして、四角形棒状ゴム製弾性体20の動きを拘束しない程度に押し付ける。両端の四角形棒状ゴム製弾性体20を戻り側ベルト31に当接させる。2)この状態で、ベルトクリーナ取付架台51に溝型受け具50を固定する。3)それぞれの高さ調整ボルト21にて、それぞれの四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを押し上げて、自由側端末端面20eを戻り側ベルト31に当接させる。4)押し付けボルトを締めて、押え板を四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末に押し付けて、四角形棒状ゴム製弾性体を溝40aにしっかり固定する。5)押し付け設定ボルト53にて、角パイプ49を数ミリ押し上げて、四角形棒状ゴム製弾性体20全体を戻り側ベルトに押し付ける。
四角形棒状ゴム製弾性体20を戻り側ベルト31に数ミリ過剰に押し付けることにより、戻り側ベルト31の摩擦力(図11に示す水平力F1とスラスト力F2)により、四角形棒状ゴム製弾性体20が戻り側ベルト31の進行方向に倒れる。四角形棒状ゴム製弾性体20が倒れることにより、戻り側ベルト31に適度な押圧力が加わり、付着物を掻き取ることができる。
図3に示すように、戻り側ベルト31の凸円弧状の玄の高さSは最大40mm程度になる。そのため、調整ボルト21による調整代は最大40mm程度まで必要である。高さ調整ボルト21はM5〜M10程度がよい。高さ調整ボルト21の径がM11より大きいと架台40の溝底40bに径の大きな貫通孔40cが必要であり、架台40の断面係数が低下し、架台40の撓みが大きくなる。高さ調整ボルト21の材質はステンレスにすると、ベルト30を交換した際の戻り側ベルトの凸円弧の形状に四角形棒状ゴム製弾性体20の形状を容易に合わせることができる。図2、図3に示すように、隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20の高さの差Hは0.1〜3.0mm程度がよい。高さのHは、戻り側ベルト31が凸円弧形状のため、中央部付近では小さくとエッジ付近では大きくなる。隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20の高さの差Hが3mm以上になると、四角形棒状ゴム製弾性体20の押圧力に大きな差が生じて局部的にベルト30表面を傷める恐れがある。
図14に示すように、四角形棒状ゴム製弾性体20は、戻り側ベルト31の進行方向(水平方向)の摩擦力による水平力F1を受ける。又、戻り側ベルトが左右に蛇行することにより、戻り側ベルトの幅方向(スラスト方向)の摩擦力によるスラスト力F2を受けている。四角形棒状ゴム製弾性体20は、水平力F1とスラスト力F2により戻り側ベルト31の進行方向に撓んだ状態になる。同時に、四角形棒状ゴム製弾性体20は弾性力による反発力で戻り側ベルト31を押し上げるように押圧し、付着物を強力に掻き取ることができる。四角形棒状ゴム製弾性体20は、ゴムによる弾性力で常に戻り側ベルト31を押し上げており、戻り側ベルト31の小さな凹凸や上下振動に瞬時に反応しながら、戻り側ベルト31表面に精密に当接しているので掻き取り残しが発生しない。又、戻り側ベルト31のエンドレス部(ベルトの繋ぎ目)の剥がれや強固に付着した付着物などの障害物に対しては、四角形棒状ゴム製弾性体20が瞬時に大きく撓むことにより障害物を回避できる。
連結棒23の材質は、ウレタン、フッ素、ゴムなどの樹脂棒やSUS、銅、炭素鋼などの金属棒を使用できる。高さ調整ボルト21で押し上げた際に柔軟に撓める可撓性があり、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を押し上げることのできる強度があればよい。
連結棒23の径は、樹脂棒23の場合3.0〜6.0mmがよい。3.0mm以下では、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を同時に押し上げることができない。又、6.0mm以上になると適正な玄Sを有する円弧を形成できず直線的な形状になるので望ましくない。金属棒23の場合は、1.0〜3.0mmがよい。1.0mm以下では複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を押し上げることができない。3mm以上では適正な玄Sを有する凸円弧を形成できず直線的な形状になるので望ましくない。
図5に示すように、可撓性のある連結棒23で四角形棒状ゴム製弾性体20を連結し、溝底40bに回転自在に取り付けた高さ調整ボルト21で、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを押し上げることにより、少数の高さ調整ボルト21で四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eの高さ調整ができる。連結棒23は高さ調整ボルト21で押し上げられた部分を中心に円弧状に撓むので、全ての四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを高さ調整ボルト21で押し上げる必要はない。又、可撓性があり強度を有する連結棒23により、連結された四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20fが連続的な階段状の滑らかな凸円弧を形成できる。
図1に示すように、可撓性のある連結棒23と可撓性のある薄板22を組み合わせてもよい。図1は、四角形棒状ゴム製弾性体20を連結棒23で連結し、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fと架台40の溝底40bの間に薄板22を敷設し、薄板22を高さ調整ボルト21で押し上げて、四角形棒状ゴム製弾性体20の高さ調整するベルトクリーナ10の部分断面した斜視図である。連結棒23で四角形棒状ゴム製弾性体20を連結し、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fと溝底40bの間に可撓性のある薄板22を敷設する。薄板22を高さ調整ボルト21で押し上げることにより、薄板22が滑らかな凸円弧に変形するとともに、連結棒23も滑らかな凸円弧状に変形するので、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eを連結した滑らかな凸円弧状に形成することができる。
四角形棒状ゴム製弾性体20の貫通孔23aの径は、連結棒23に対して0.1mm以上大きくするのがよい。連結棒23が大きく撓んだ際に、貫通孔23aと連結棒23の間に隙間が無い場合は連結棒23が撓みにくくなる。
連結棒23は四角形棒状ゴム製弾性体20を連結するので、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を簡単に架台40の溝40aに列設できる。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末20aに、チップ24を具備したことを特徴とする請求項1記載のベルトクリーナ10である。
チップ24の材質はセラミックスや超硬合金やサーメットを使用できる。セラミックスには、例えばアルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素などを使用できる。超硬合金には、例えばWC−Co系合金、WC−TiC−Co系合金、WC−TaC−TaC−Co系合金などを使用できる。サーメットはTiCやTiN、NbCを主成分とし、Co、Ni、Mo等の金属との複合材料の焼結品が使用できる。チップ24の幅W2は10〜30mmがよい。10mmより小さいと四角形棒状ゴム製弾性体20の剛性が小さくなり掻き取り性能が低下する。30mmより大きいと戻り側ベルト31の凹凸に追随できない。
図6に示すように、チップ24はネジ25にて四角形棒状ゴム製弾性体20に取り付ける。ネジ25の材質は炭素鋼、SUS、チタンなどの金属を使用できる。更に、ネジ25の摩耗を防止するためにはセラミックス、超硬、サーメットなどが使用できる。四角形棒状ゴム製弾性体20は厚みを厚くできるので強固にネジ25止めできる。チップ24はネジ25止めしてさらに接着剤で接合することにより接合強度がアップすると同時にネジ25に水分の浸入を防止できる。ネジ25はチップ24の回転を防止するために2本以上で固定するのがよい。
チップ24の幅W2が大きすぎるとチップ24が戻り側ベルト31表面に精密に当接できなくなり、チップ24全体の押圧力が不均一になり掻き取り斑が生じる。従来のベルトクリーナの構造は、幅100〜500mm程度のゴム弾性板もしくは金属板にチップを取り付けた掻き板を戻り側ベルトの幅方向に並べたものであり、掻き板の幅が広すぎるため、チップ全面が戻り側ベルト表面に均一に当接することは不可能であり、掻き取り残しが生じていた。又、掻き取り残しを解消するためにベルトクリーナを戻り側ベルトに無理に接触させようとすると押圧力が大きくなるので、戻り側ベルトを摩耗させたり、エンドレス部の剥がれを助長したりしてベルトを損傷させていた。この問題を解決するにはチップ24の幅W2をできるだけ小さくしてチップ24が均一に戻り側ベルト31表面を押圧することである。
本発明では、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末前面20aにチップ24を取り付けているので、四角形棒状ゴム製弾性体20の幅W1が小さくなっても厚みBを確保できることから、四角形棒状ゴム製弾性体20の剛性が大きく、戻り側ベルトに大きな押圧力を付加することができる。四角形棒状ゴム製弾性体20の断面係数はZ=(W1×B)/6=B/6(W1とBが略等しい場合)である。即ち、弾性体形状を四角形棒状とすることでチップ24の幅W2(W1はW2と同等もしくは小さい)を小さくして、剛性と柔軟性を併せ持つ構造を実現できたことから、戻り側ベルト31の表面状況に応じて精密に当接可能にすることを具現化した。そのためのチップ24の幅W2は特開2013−252976号広報に示すように、30mm以下でなければならない。30mmより大きいと戻り側ベルト31幅方向の摩耗や付着物の状況変化に追随できず掻き取り残しが生じる。戻り側ベルト31の窪みや線状疵の幅は通常30mm以下であることから、チップ24の幅W2は30mm以下でなければならない。チップ24の幅W2が30mm以下であれば戻り側ベルト31の変化に柔軟に追随可能である。又、前述したように、四角形棒状ゴム製弾性体20の撓みはW1の4乗に反比例するので、幅W1が30mm以上になると撓み量が指数関数的に小さくなり、戻り側ベルト31の微小な振動に追随できなくなり掻き取り性能が低下する。
高速で衝突する強固な付着物やエンドレス部のめくれなどの障害物は衝突の瞬間にチップ24に大きな衝撃を与えるので、チップ24を破損したり、逆にエンドレス部のめくれや疵を大きくしたりして戻り側ベルト31を損傷する危険性がある。この対策として、チップ24や四角形棒状ゴム製弾性体20の慣性モーメントをできるだけ小さくして、障害物が衝突した瞬間に大きく撓んで衝撃力を回避することが重要である。従来のベルトクリーナにおいては、チップやチップを取り付けている掻き板の慣性モーメントを小さくして衝突時の衝撃を瞬時に回避することはできなかった。このため、度々重大なベルト損傷事故を発生し生産障害となっていた。
通常の場合、チップ24は四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末前面20bに取り付けるが、正逆運転するベルト30の場合は、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末後面20cにも取り付けることができる。四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末前面20bと自由側端末後面20cの両面にチップ24を取り付けることにより、ベルト30の進行方向が反転しても掻き取り機能を持たせることができる。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の前記戻り側ベルト31の幅方向に前記貫通孔23a設けられ、該貫通孔23aに可撓性のある前記連結棒23貫通され、前記四角形棒状ゴム製弾性体20が前記連結棒23により連結され、前記溝底40bに可撓性のある薄板22敷設され、前記高さ調整ボルト21で前記薄板22押し上げられることにより、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fが押し上げられ、前記薄板22と前記連結棒23円弧状に撓、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の高さ調整されることを特徴とするべルトクリーナ10である。
薄板22の材質は、ウレタン、フッ素、ゴム、プラスチックなどの樹脂薄板やSUS、銅、チタン、炭素鋼などの金属薄板やカーボンファイバーなどを使用できる。高さ調整ボルト21で押し上げた際に柔軟に撓める可撓性があり、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を同時に押し上げることのできる強度があればよい。
薄板22の厚みは、樹脂の場合0.5〜2mmがよい。0.5mm以下では、複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を押し上げることができない。又、2mm以上になると適正な玄Sを有する円弧を形成できず直線的な形状になる。金属薄板22の場合は、0.1〜1mmがよい。0.1mm以下では複数の四角形棒状ゴム製弾性体20を押し上げることができない。1mm以上では適正な玄Sを有する円弧を形成できず直線的な形状になる。
図4に示すように、可撓性のある薄板22を高さ調整ボルト21で押し上げると、薄板22は自動的に凸円弧形状に撓むので、薄板22の形状に合わせて、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fも上昇することから、少数の高さ調整ボルト21で、四角形棒状ゴム製弾性体20の高さ調整ができる。又、可撓性があり強度を有する薄板22は、滑らかな凸円弧状に湾曲するので、列設した四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eの形状を、戻り側ベルト31の形状に沿った階段状の滑らかな凸円弧状に形成できる。
図8は、四角形棒状ゴム製弾性体の間に丸型のスペーサ70、71を挿入している。図11は、四角形棒状ゴム製 弾性体の間に短冊状薄板のスペーサ70、72を挿入している。四角形棒状ゴム製弾性体20を連結棒23で連結し、溝底40bに薄板22を敷設している。高さ調整ボルト21で薄板22を押し上げると、薄板22は上方に凸円弧状に滑らかに撓み、薄板22の撓みに従って四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fが押し上げられるので、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eは滑らかな凸円弧状を形成し、戻り側ベルト31の表面に精密に当接する。
第4の解決手段は特許請求項4に示すように、前記自由側端末20aにチップ24を取り付けた四角形棒状ゴム製弾性体20おいて、前記四角形棒状ゴム製弾性体20の幅W1は前記チップ24の幅W2よりも小さくなっており、隣り合う前記四角形棒状ゴム製弾性体20の間に厚みtで、次式t=W2−W1を満たすスペーサ70挿入されていることを特徴とするベルトクリーナ10である。
スペーサ70の材質は、ウレタン、フッ素、プラスチックなどの樹脂からなる薄板やSUS、銅、チタン、炭素鋼などからなる金属薄板などを使用できる。四角形棒状ゴム製弾性体の側面とスペーサ70が摺動することから、フッ素樹脂薄板が望ましい。
図7や図8に示すように、四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20dに隙間を形成して、四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20d同士が接触しないようする。側面20d同士が接触すると四角形棒状ゴム製弾性体20の円滑な搖動運動ができなくなる。四角形棒状ゴム製弾性体20の隣り合う隙間(W2−W1)は0.5〜4.0mmがよい。0.5mm以下になると、四角形棒状ゴム製弾性体に戻り側ベルトのスラスト力F2が作用した際に、四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20dが接触し、四角形棒状ゴム製弾性体20が元の形状に復帰できなくなる。4.0mm以上になると、四角形棒状ゴム製弾性体20の断面係数が低下し弾性力が小さくなることから、戻り側ベルト31に対する押圧力が低下するので掻き取り性能が低下する。四角形棒状ゴム製弾性体20の隣り合う隙間を確実に保持するために、四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20d間にスペーサ70を挿入する。スペーサ70の厚みt(W2−W1)は0.5〜4.0mmがよい。図9(a)に示すように、スペーサ70、71の形状は丸型でもよい。スペーサ70、71は中央に貫通孔71aを設けて、連結棒23に挿入するのがよい。隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体20の隙間には粘度の高いグリースを充填することでダストの浸入やダストの固着を防止できる。
図7は連結棒23とスペーサ70、71を組み合わせたベルトクリーナ10の例を示している。チップ24を取り付けた四角形棒状ゴム製弾性体20を連結棒23で連結し、連結棒23にスペーサ70、71を挿入し、高さ調整ボルト21で四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fを押し上げて、四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eの高さを調整するようにしたベルトクリーナ10である。連結棒23で四角形棒状ゴム製弾性体20を連結しているので、少数の高さ調整ボルト21で四角形棒状ゴム製弾性体20を滑らかな階段状の凸円弧状に形成することができる。
図8は連結棒23と薄板22とスペーサ70、71を組み合わせたベルトクリーナ10の例を示している。チップ24を取り付けた四角形棒状ゴム製弾性体20を連結棒23で連結し、連結棒23にスペーサ70、71を挿入し、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fと溝底40bの間に薄板22を敷設し、高さ調整ボルト21で薄板22を押し上げて四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整するようにしたベルトクリーナ10である。連結棒23で四角形棒状ゴム製弾性体20を連結し、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fと溝底40bの間に薄板22を敷設しているので、少数の高さ調整ボルト21で四角形棒状ゴム製弾性体20を滑らかな階段状の凸円弧状に形成することができる。
第5の解決手段は特許請求項5に示すように、前記スペーサ70、72は、短冊状薄板であり、該スペーサ70、72の固定端部72aは前記連結棒23により貫通固定され、該スペーサ70、72の自由端部72bは前記架台40の押え板44の上面44aよりも上方に突き出していることを特徴とするベルトクリーナ10である。
図9(b)及び(c)に示すように、スペーサ70、72は短冊状薄板型である。図10に示すように、スペーサ70、72の固定端部72aは架台40の溝40aに挿入するため長方形であり、連結軸23を貫通させるための貫通孔72cを設けている。スペーサ70、72は架台40の押え板44の上面44aよりも上方に突き出して、四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20dとの接触面積を広くするのがよい。図9(b)はスペーサ70、72の固定端部72aと自由端部72bの幅を同等にしているが、図9(c)は四角形棒状ゴム製弾性体20の側面20dとの接触面積を拡大するためにスペーサ70、72の自由端部72bを固定端部72aに比べて幅広にした例を示している。四角形棒状ゴム製弾性体20は戻り側ベルト31の水平力F1で、戻り側ベルト31の進行方向に撓んで、微振動しながら搖動運動する。同時にベルトの蛇行による摩擦力(スラスト力)によりスラスト方向に倒れようとする。スペーサ70、72は四角形棒状ゴム製弾性体の側面20dを摺動させるとともに、スラスト方向への倒れを防止するためのガイドの役割を果たす。
図11は、連結棒23と薄板22とスペーサ70、72を組み合わせたベルトクリーナ10の例を示している。チップ24を取り付けた四角形棒状ゴム製弾性体20を連結棒23で連結し、連結棒23に短冊状薄板のスペーサ70、72を挿入し、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fと溝底40bの間に薄板22を敷設し、高さ調整ボルト21で薄板22を押し上げて四角形棒状ゴム製弾性体20の高さを調整するようにしたベルトクリーナ10である。連結棒23で四角形棒状ゴム製弾性体20を連結し、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fと溝底40bの間に薄板22を敷設しているので、少数の高さ調整ボルト21で四角形棒状ゴム製弾性体20を滑らかな階段状の凸円弧状に形成することができる。
図12は、短冊状薄板60の、戻り側ベルト31の進行方向に対向する自由側端末前面60aにチップ24を取り付け、固定側端末60bを四角形棒状ゴム製弾性体20にネジ25で固定したベルトクリーナ10を示している。短冊状薄板60の高さ調整は、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20を高さ調整ボルト21で押し上げる。短冊状薄板60の厚みTは樹脂やプラスチックからなる短冊状薄板60の場合、2.0〜5.0mmがよい。金属からなる短冊状薄板60の場合、0.5〜3.0mmがよい。四角形棒状ゴム製弾性体20の長さL1は20〜50mmがよい。L1は押え板44の上面44aから自由側端末端面20eまでの長さである。短冊状薄板60の長さL2は30〜200mmがよい。30mmより短いと剛性が大きすぎて短冊状薄板60の撓みが小さくなる。200より長いと剛性が低下し撓みが大きくなり掻き取り性能が低下する。L2は四角形棒状ゴム製弾性体20の自由側端末端面20eから短冊状薄板60の自由側端末端面60dまでの長さである。
通常の場合、チップ24は短冊状薄板60の自由側端末前面60aに取り付けるが、正逆運転するベルト30の場合は、短冊状薄板60の自由側端末後面60cにも取り付けることができる。短冊状薄板60の自由側端末前面60aと自由側端末後面60cの両面にチップ24を取り付けることにより、ベルト30の進行方向が反転しても掻き取り機能を持たせることができる。
短冊状薄板の幅W3は、四角形棒状ゴム製弾性体の幅W1やチップの幅W2と同等か小さくする。戻り側ベルトのスラスト力F2を受けた際に、隣り合う短冊状薄板が互いに干渉し、円滑な搖動運動ができなくなるからである。四角形棒状ゴム製弾性体20に短冊状薄板60を取り付けることにより、四角形棒状ゴム製弾性体20がスペーサ70の機能も果たすので、短冊状薄板60がスラスト力F2によりスラスト方向に押されることによりお互いに擦れ合うのを防止できる。
図13に具体例を示す。貫通孔23aを設け、連結棒23で連結した四角形棒状ゴム製弾性体20に、自由側端末前面60aにチップ24を取り付けた短冊状薄板60を固定し、四角形棒状ゴム製弾性体20の固定側端末端面20fと溝底40の間に薄板22を敷設し、溝底40bに取り付けた高さ調整ボルト21で薄板22を押し上げることにより、四角形棒状ゴム製弾性体を押し上げ、短冊状薄板60の高さ調節をできるようにしている。
10:ベルトクリーナ
20:四角形棒状ゴム製弾性体
20a:(四角形棒状ゴム製弾性体の)自由側端末
20b:(四角形棒状ゴム製弾性体の)自由側端末前面
20c:(四角形棒状ゴム製弾性体の)自由側端末後面
20d:(四角形棒状ゴム製弾性体の)側面
20e:(四角形棒状ゴム製弾性体の)自由側端末端面
20f:(四角形棒状ゴム製弾性体の)固定側端末端面
21:高さ調整ボルト
22:薄板
23:連結棒
23a:貫通孔
24:チップ
25:ネジ
30:ベルト
31:戻り側ベルト
40:架台
40a:溝
40b:溝底
40c:貫通孔
41:押し側板
42:受け側板
43:底板
44:押え板
44a:押え板上面
45:押し付けボルト
46:ナット
47:フランジ
48:丸型支持軸
49:角型パイプ
50:溝型受け具
51:ベルトクリーナ取付け架台
52:角度設定ボルト
53:押し付け設定ボルト
54:固定ボルト
60:短冊状薄板
60a:(短冊状薄板の)自由側端末前面
60b:(短冊状薄板の)固定側端末
60c:(短冊状薄板の)自由側端末後面
60d:(短冊状薄板の)自由側端末端面
70:スペーサ
71:丸型スペーサ
71a:貫通孔
72:短冊状薄板スペーサ
72a:(短冊状薄板スペーサの)固定端部
72b:(短冊状薄板スペーサの)自由端部
72c:貫通孔
S:戻り側ベルトの凸円弧の玄の高さ
H:隣り合う四角形棒状ゴム製弾性体の高さの差
L:四角形棒状ゴム製弾性体の長さ
L1:四角形棒状ゴム製弾性体の長さ
L2:短冊状薄板の長さ
W1:四角形棒状ゴム製弾性体の幅
W2:チップの幅
W3:短冊状薄板の幅
B:四角形棒状ゴム製弾性体の厚み
D1:(短冊状薄板スペーサの)幅
D2:(短冊状薄板スペーサの固定側端末の)幅
δ:(四角形棒状ゴム製弾性体の)撓み
F1:戻り側ベルトの進行方向(水平方向)の摩擦力、水平力
F2:戻り側ベルトの幅方向(スラスト方向)の摩擦力、スラスト力

Claims (8)

  1. 複数の四角形棒状ゴム製弾性体を、戻り側ベルトの幅方向に配設された架台の溝に列設し、該溝の溝底に複数の高さ調整ボルトを回転自在に取り付け、該高さ調整ボルトで前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面を押し上げて、前記四角形棒状ゴム製弾性体の高さを調整することを特徴とするベルトクリーナ。
  2. 前記溝底に可撓性のある薄板を敷設し、前記高さ調整ボルトで前記薄板を押し上げて、該薄板を円弧状に撓ませて、前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面を押し上げて、前記四角形棒状ゴム製弾性体の高さを調整することを特徴とする請求項1記載のべルトクリーナ。
  3. 前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの幅方向に貫通孔を設け、該貫通孔に可撓性のある連結棒を貫通せしめて、前記四角形棒状ゴム製弾性体を連結し、前記高さ調整ボルトで前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面を押し上げて、前記連結棒を円弧状に撓ませることにより前記四角形棒状ゴム製弾性体の高さを調整することを特徴とする請求項1記載のベルトクリーナ。
  4. 前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの幅方向に貫通孔を設け、該貫通孔に可撓性のある連結棒を貫通せしめて、前記四角形棒状ゴム製弾性体を連結し、前記溝底に可撓性のある薄板を敷設し、前記高さ調整ボルトで前記薄板を押し上げることにより、前記薄板と前記連結棒を円弧状に撓ませて、前記四角形棒状ゴム製弾性体の固定側端末端面を押し上げて、前記四角形棒状ゴム製弾性体の高さを調整することを特徴とする請求項1記載のべルトクリーナ。
  5. 前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記戻り側ベルトの進行方向に対向する自由側端末前面に耐磨耗材からなるチップを取り付けていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載のベルトクリーナ。
  6. 前記四角形棒状ゴム製弾性体の幅W1は前記チップの幅W2よりも小さくし、隣り合う前記四角形棒状ゴム製弾性体の間に厚みt(t=W2−W1)のスペーサを挿入していることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5記載のベルトクリーナ。
  7. 前記スペーサは、短冊状薄板であり、該スペーサの固定端部は前記連結棒により貫通固定され、該スペーサの自由端部は前記架台の押え板の上面よりも上方に突き出していることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6記載のベルトクリーナ。
  8. 前記四角形棒状ゴム製弾性体の前記自由側端末に短冊状薄板の固定端末をネジ止めし、該短冊状薄板の前記戻り側ベルトの進行方向に対向する自由端末前面に前記チップを取り付けていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7記載のベルトクリーナ。
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