JP2016215513A - グリーンタイヤ載置台 - Google Patents

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Abstract

【課題】重量の大きなタイヤを載置させる場合であっても、グリーンタイヤの変形を生じさせずに、グリーンタイヤとフレームとの粘着を適切に抑制することができるグリーンタイヤ載置台を提供する。
【解決手段】グリーンタイヤのサイド部から肩部までの部分をリング状のフレームにより支持して、グリーンタイヤを横置きの状態で載置させるグリーンタイヤ載置台であって、フレームが、周方向に4個以上の分割フレームに分割されていると共に、4個以上の分割フレームにより、少なくとも2個の分割フレームから構成される分割フレーム群が複数形成されており、さらに、複数の分割フレーム群のうち少なくとも1つの分割フレーム群を、他の分割フレーム群よりも上方に位置させて、上方の分割フレーム群によりグリーンタイヤが横置きの状態で支持されるように分割フレーム群を昇降させる制御装置を備えているグリーンタイヤ載置台。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ加硫機に供給される前のグリーンタイヤを載置して待機させておくグリーンタイヤ載置台に関する。
空気入りタイヤの製造ラインには、タイヤ加硫装置の近傍に加硫成形前のグリーンタイヤを待機させておくためのグリーンタイヤ載置台が設けられている。このグリーンタイヤ載置台には、搬送装置(ローダー)がグリーンタイヤを水平にかつセンターを出した状態で掴み取ってタイヤ加硫装置に搬送できるようにグリーンタイヤが横置きの状態で載置されている(特許文献1)。
図6は従来のグリーンタイヤ載置台を模式的に示す正面図である。図6(a)に示すように、従来のグリーンタイヤ載置台100において、グリーンタイヤTはフレーム支持部材102上に設けられたリング状のフレーム101によってサイド部から肩部までの部分が支持されて横置きの状態で載置されている。
しかし、このグリーンタイヤ載置台100では、載置している間にグリーンタイヤTとフレーム101とが強く粘着することがあり、図6(b)に示すように、ローダー103がグリーンタイヤTを水平にかつセンターを出した状態で掴んで上昇する際に、グリーンタイヤTがローダー103から外れて掴み不良やグリーンタイヤTの落下が生じる恐れがある。また、ローダー103に掴まれたグリーンタイヤTの内面やフレーム101に強く粘着したグリーンタイヤTの肩部がめくれる恐れがある。
そこで、従来より、フレームとグリーンタイヤとが強く粘着することを抑制する技術として、フレーム表面に微細な凹凸加工などの粘着防止用の表面処理を施して粘着を抑制する技術や、図7(a)、(b)に示すように、グリーンタイヤTの下側ビード部105を支持する支持盤104を一定時間毎に上昇させることによりフレーム101とグリーンタイヤTとを剥がして粘着を抑制する技術などが提案されている。
特開平2−233235号公報
しかしながら、上記したような粘着抑制技術は、比較的軽量な乗用車用タイヤの場合には有効であるが、トラック・バス用タイヤ、小型トラック用タイヤ、およびSUVに使用する一部の乗用車用タイヤ等の重量の大きなタイヤの場合には、未だ十分とは言えず、さらなる改善が望まれている。
具体的には、フレーム表面に粘着防止用の表面処理を施す技術の場合には、タイヤの自重により依然としてフレームとグリーンタイヤとが強く粘着する恐れがあり、支持盤を一定時間毎に上昇させる技術の場合には、フレームとグリーンタイヤとを剥がして粘着を抑制することはできるが、グリーンタイヤの変形が生じる恐れがあった。
そこで、本発明は、重量の大きなタイヤを載置させる場合であっても、グリーンタイヤの変形を生じさせずに、グリーンタイヤとフレームとの粘着を適切に抑制することができるグリーンタイヤ載置台を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題の解決について鋭意検討を行い、以下に記載する発明により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
請求項1に記載の発明は、
グリーンタイヤのサイド部から肩部までの部分をリング状のフレームにより支持して、前記グリーンタイヤを横置きの状態で載置させるグリーンタイヤ載置台であって、
前記フレームが、周方向に4個以上の分割フレームに分割されていると共に、
前記4個以上の分割フレームにより、少なくとも2個の前記分割フレームから構成される分割フレーム群が複数形成されており、
さらに、複数の前記分割フレーム群のうち少なくとも1つの分割フレーム群を、他の分割フレーム群よりも上方に位置させて、上方に位置させた前記分割フレーム群により前記グリーンタイヤが横置きの状態で支持されるように、少なくとも1つの分割フレーム群を昇降させる制御装置を備えていることを特徴とするグリーンタイヤ載置台である。
請求項2に記載の発明は、
前記分割フレームが、前記フレームを周方向に等分割して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のグリーンタイヤ載置台である。
請求項3に記載の発明は、
前記分割フレームの個数が偶数個であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のグリーンタイヤ載置台である。
請求項4に記載の発明は、
前記分割フレームの個数が4〜8個であることを特徴とする請求項3に記載のグリーンタイヤ載置台である。
請求項5に記載の発明は、
前記分割フレームの前記グリーンタイヤと接する面が、平面若しくは曲面であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のグリーンタイヤ載置台である。
請求項6に記載の発明は、
前記分割フレームの断面形状が略円形もしくは略台形であることを特徴とする請求項5に記載のグリーンタイヤ載置台である。
請求項7に記載の発明は、
待機位置にある前記分割フレーム上に前記グリーンタイヤが載置されたことを検知するセンサと、
前記センサによる前記グリーンタイヤの載置の検知に伴って、前記分割フレームの昇降動作を開始させる制御手段とを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のグリーンタイヤ載置台である。
請求項8に記載の発明は、
前記分割フレームの昇降動作における上昇と下降の切り替え間隔が、1〜3分に設定されていることを特徴とする請求項7に記載のグリーンタイヤ載置台である。
請求項9に記載の発明は、
トラック・バス用タイヤ、小型トラック用タイヤ、若しくは、スポーツ用タイヤのグリーンタイヤに用いられることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のグリーンタイヤ載置台である。
本発明によれば、重量の大きなタイヤを載置させる場合であっても、グリーンタイヤの変形を生じさせずに、グリーンタイヤとフレームとの粘着を適切に抑制することができるグリーンタイヤ載置台を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係るグリーンタイヤ載置台を模式的に示す正面図である。 図1のグリーンタイヤ載置台のフレームを模式的に示す平面図である。 図1のグリーンタイヤ載置台の動作を説明する正面図である。 図1のフレームの断面構造の一例を模式的に示す図である。 フレームの断面構造の他の例を模式的に示す図である。 従来の粘着抑制技術を用いたグリーンタイヤ載置台を模式的に示す正面図であり、(a)はグリーンタイヤをフレーム上に載置させた状態を示す図であり、(b)はグリーンタイヤの掴み不良が生じた状態を示す図である。 従来のグリーンタイヤ載置台を模式的に示す正面図であり、(a)はグリーンタイヤをフレーム上に載置させた状態を示す図であり、(b)は支持盤が下側ビード部を支持して上昇する状態を示す図である。 従来の粘着抑制技術を用いたグリーンタイヤ載置台の問題点を説明する正面図であり、(a)はタイヤサイド部が自重により変形した図であり、(b)は粘着した部分の下方のタイヤサイド部が変形した図である。
1.従来技術の問題点の詳細
本発明の実施の形態を説明するに先立って、上記した従来のグリーンタイヤ載置台において提案された粘着抑制技術を、重量の大きなタイヤに使用した場合に生じる問題について具体的に説明する。
フレーム表面に粘着防止用の表面処理を施す技術の場合、重量の大きなグリーンタイヤを載置させると、自重によりグリーンタイヤがフレームに強く圧着されるため、十分に粘着を抑制することができない恐れがある。
一方、図7に示した下側ビード部105を支持する支持盤104を上昇させて、粘着したフレーム101とグリーンタイヤTとを間欠的に剥がす技術の場合、重量の大きなグリーンタイヤTを載置させると、図8(a)に示すように支持盤104を上昇させた際にグリーンタイヤTのタイヤサイド部106が自重により変形する恐れがある。
また、グリーンタイヤTとフレーム101とが部分的に強く粘着している状態で下側ビード部105を上昇させると、図8(b)に示すように、強く粘着した部分がフレーム101から剥がれずに、粘着した部分の下方のタイヤサイド部106が変形する恐れがある。
そして、このような変形したグリーンタイヤをそのまま加硫成形すると、加硫後のタイヤ内面にクリースなどの加硫不良が発生する恐れがある。
本発明者は、これらの問題を生じさせないように、上記した技術に代わる粘着抑制方法について検討を重ねた結果、図7に示す載置台のように下側ビード部でグリーンタイヤTを支持するのではなく、従来の載置台と同様にフレームによりサイド部から肩部までの部分でグリーンタイヤTを支持する方法を採用し、その際のフレームとして複数に分割されたフレーム(分割フレーム)を用い、この分割フレームにより交互にグリーンタイヤを支持するようにすれば、重量の大きなグリーンタイヤを載置させた場合でも、グリーンタイヤとフレームとの粘着が大きくならず、かつ、グリーンタイヤの変形を抑制できると考え、実験を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
2.本実施の形態に係るグリーンタイヤ載置台
以下、本発明のグリーンタイヤ載置台を実施の形態に基づいて図面を参照しながら説明する。
(1)グリーンタイヤ載置台の構成
図1は本実施の形態に係るグリーンタイヤ載置台を模式的に示す正面図であり、待機位置にあるフレーム上にグリーンタイヤが載置されている状態を示している。そして、図2は図1のグリーンタイヤ載置台のフレームを模式的に示す平面図である。また、図3は図1のグリーンタイヤ載置台の動作を説明する正面図であり、(a)は上昇した分割フレームによりグリーンタイヤが支持されている状態、(b)は下降した分割フレームによりグリーンタイヤが他の分割フレームにより支持されている状態を示している。
図1に示すように、本実施の形態に係るグリーンタイヤ載置台1においても、グリーンタイヤTのサイド部から肩部までの部分をフレーム20により支持して載置している点では従来のグリーンタイヤ載置台と同様である。なお、図1中の符号3はセンタリング用支持盤である。
一方、本実施の形態に係るグリーンタイヤ載置台1では、フレーム20が周方向に等分割された4個の分割フレーム21a〜21d(図2参照)から構成されており、分割された4個の分割フレーム21a〜21dのうち、対向して配置されている分割フレーム21aと分割フレーム21cから第1の分割フレーム群Aが構成されており、分割フレーム21bと分割フレーム21dから第2の分割フレーム群Bが構成されている。
そして、一方の分割フレーム群を上方に位置させて、上方に位置させた分割フレーム群によりグリーンタイヤが横置きの状態で支持されるように、第1の分割フレーム群Aを昇降させる制御部を備えている点において従来と異なる。
このように、本実施の形態においては、図7に示すグリーンタイヤ載置台のように下側ビード部でグリーンタイヤを支持するのではなく、グリーンタイヤTのサイド部から肩部までの部分を分割フレームで支持すると共に、支持する分割フレームを適宜切り替えることにより、グリーンタイヤの変形を生じさせることなく、グリーンタイヤとフレームの粘着を適切に抑制して、ローダーによる搬送時のグリーンタイヤの落下やグリーンタイヤの内面や肩部がめくれることを防止することができる。
以下、本実施の形態に係るグリーンタイヤ載置台1を具体的に説明する。
第1の分割フレーム群Aを構成する分割フレーム21aと分割フレーム21cは、連結部材22で連結されており、連結部材22の下面にアクチュエータ6が取り付けられている。このアクチュエータ6が稼働することにより連結部材22を介して分割フレーム21aと分割フレーム21cが同時に昇降する。このとき、分割フレーム21a、21cを昇降させる高さは、待機位置を基準としてそれぞれ10mm以上であることが好ましい。
一方、図1に示すように、第2の分割フレーム群Bを構成する分割フレーム21bと分割フレーム21dは、フレーム支持部材23に取り付けられている。なお、第2の分割フレーム群Bは、アクチュエータが取り付けられていないため昇降しない。
本実施の形態に係るグリーンタイヤ載置台1においては、図3に示すように、上記した第1の分割フレーム群Aを昇降させることにより、グリーンタイヤTを支持する分割フレームを切り替えることができる。
即ち、図3(a)に示すように、第1の分割フレーム群A(分割フレーム21a、21c)を上昇させることにより第1の分割フレーム群AでグリーンタイヤTを支持することができる。一方で、図3(b)に示すように第1の分割フレーム群Aを、第2の分割フレーム群Bよりも下方に位置するように下降させることにより、グリーンタイヤTを支持するフレームを第1の分割フレーム群Aから第2の分割フレーム群B(分割フレーム21b、分割フレーム21d)に切り替えることができる。
このようにグリーンタイヤを支持する分割フレームを交互に切り替えることにより、フレームとグリーンタイヤとが粘着することを抑制しながらグリーンタイヤを載置させることができる。
また、本実施の形態においては、図1に示すように、待機位置にある分割フレーム上にグリーンタイヤTが載置されたことを検知するグリーンタイヤ検出用のセンサ5がセンタリング用支持盤3の上に設けられている。センサ5は制御装置7に接続されており、グリーンタイヤTが載置されたことを検出すると信号を制御装置7に送信する。
制御装置7はセンサ5からの信号を受信すると、第1の分割フレーム群Aの昇降動作が開始されるようにアクチュエータ6を制御する。また、本実施の形態においては、制御装置7に第1の分割フレーム群Aの昇降動作のタイミングを管理するための交互動作タイマーが設定されている。
(2)グリーンタイヤの粘着抑制方法
次に、上記したグリーンタイヤ載置台1に載置されたグリーンタイヤTの粘着を抑制する際の具体的な制御方法について説明する。
本実施の形態においては、グリーンタイヤTの載置に先立って、全ての分割フレーム21a〜21dを同じ高さの位置(待機位置)に配置しておく。
この状態のフレーム20上にグリーンタイヤTが載置されると、センサ5がグリーンタイヤTの載置を検知して制御装置7に信号を送信する。制御装置7は、この信号に基づいて第1の分割フレーム群Aの昇降動作の制御を開始する。
具体的には、制御装置7は、センサ5から信号を受信するとフレーム交互動作タイマーをスタートさせる。そして、所定時間が経過してタイマーが終了すると、制御装置7がアクチュエータ6を作動させて第1の分割フレーム群Aを上昇させる(図3(a)参照)。これにより、分割フレーム21a、21cがグリーンタイヤTを持ち上げて、そのまま支持する。
次に、制御装置7はタイマーをリセットして、タイマーのカウントを再スタートさせる。そして、所定時間が経過してタイマーが終了すると、制御装置7がアクチュエータ6を逆方向に作動させて、第1の分割フレーム群Aを第2の分割フレーム群Bよりも下方の位置まで下降させる(図3(b)参照)。これにより、グリーンタイヤTを支持する分割フレームが、分割フレーム21a、21cから分割フレーム21b、21dに切り替えられる。
本実施の形態に係るグリーンタイヤ載置台1は、上記した一連の動作を、グリーンタイヤTをタイヤ加硫装置の近傍に待機させている間繰り返し行う。そして、ローダー(図示省略)がグリーンタイヤTを搬送する動作を開始する信号を制御装置7が受信した際に、全ての分割フレーム21a〜21dを待機位置に戻してローダーによる搬送を開始する。
このように、本実施の形態によれば、各分割フレームの昇降を制御して、グリーンタイヤTを横置きの状態で支持する分割フレーム群を切り替えることによって、重量が大きなタイヤを載置させた場合でもフレーム20にグリーンタイヤTが粘着することを抑制することができる。この結果、ローダーの掴み不良やグリーンタイヤの落下、グリーンタイヤの内面や肩部がめくれるなどの不具合の発生を防止して、製造工程における不良品の発生率を低減させることができる。
また、図7に示すような上昇する支持盤により下側ビード部を支持する粘着抑制技術と異なり、分割フレーム21a〜21dの何れかでグリーンタイヤTのサイド部から肩部までの部分を支持しているため、グリーンタイヤとフレームとの粘着を剥がす際にグリーンタイヤのサイド部が変形することがない。
なお、本実施の形態においては、第1の分割フレーム群Aの分割フレーム21a、21cが連結部材22により連結されているため、1つのアクチュエータ6で分割フレーム21a、21cを同時に昇降させて昇降動作の制御を容易にすることができるが、これに限定されず、分割フレーム21a、21cのそれぞれにアクチュエータを取り付けてもよい。
また、本実施の形態では、第1の分割フレーム群Aの昇降動作のみでグリーンタイヤTを支持する分割フレームを切り替えているが、第1の分割フレーム群Aと第2の分割フレーム群Bとが相対的に昇降するものであればよく、例えば、第1の分割フレーム群Aと第2の分割フレーム群Bの両方が互いに昇降できるように構成されていてもよい。
そして、載置されたグリーンタイヤTが接する分割フレーム21a〜21dの表面は、グリーンタイヤが傷付くことを防止するという観点から、エッジのない平面や曲面であることが好ましい。このような分割フレーム21a〜21dとしては、図4に示すような断面形状が略円形の分割フレームや、図5に示すような断面台形が略台形の底面でグリーンタイヤに接触する分割フレームなどを挙げることができる。
制御装置7に設定されるフレーム交互動作タイマーは1〜3分であることが好ましい。3分を超えると分割フレームとグリーンタイヤとが粘着する恐れがある一方で、1分未満に設定しても粘着抑制効果が変わらず、昇降動作の頻度が増加することにより機械動作が増えて制御が困難になる恐れがある。
また、上記した実施の形態では、フレーム20が4個の分割フレーム21a〜21dに等分割されたグリーンタイヤ載置台について説明したが、グリーンタイヤを分割フレーム上に横置きの状態で支持することができれば、分割フレームの数は特に限定されない。
そして、分割フレームは等分割でなくてもよいが、グリーンタイヤを均等に支持するという観点から等分割されていることが好ましい。そして、分割フレームは偶数個に分割されていることが好ましい。さらに、グリーンタイヤを確実に支持することを考慮すると、分割フレームは8個以下に分割されていることが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。
1.実施例および比較例
(1)実施例
上記したような複数の分割フレームが昇降することにより、グリーンタイヤを支持する分割フレームが切り替わるように構成されたグリーンタイヤ載置台に、重量20.0kgの乗用車用タイヤ(タイヤサイズ7.50R16)のグリーンタイヤTを載置した後、表1に示す各昇降頻度で分割フレームを昇降させて、表1に示す本数のグリーンタイヤを各々15分間支持した(実施例1〜6)。
このとき、実施例1〜実施例5では4個に等分割された分割フレームによりリング状のフレームを構成させたグリーンタイヤ載置台を用い、実施例6では8個に等分割された分割フレームによりリング状のフレームを構成させたグリーンタイヤ載置台を用いた。なお、実施例5の分割フレームの表面には粘着防止用の表面処理としてケイ素系コーティングを施した。
(2)比較例
比較例として、分割されていないリング状のフレームを備えたグリーンタイヤ載置台に、重量13.0kgのPCタイヤ(タイヤサイズ195/80R15)のグリーンタイヤ(比較例1)、実施例と同じグリーンタイヤ(比較例2〜4)をそれぞれ載置した後、表2に示す本数のグリーンタイヤを各々15分間支持した。
このとき、比較例1、2では従来型のグリーンタイヤ載置台を用い、比較例3、4では図7に示すような支持盤が上昇する支持盤上昇型のグリーンタイヤ載置台を用いた。なお、比較例3を除くすべてのリング状のフレームの表面には粘着防止用の表面処理としてケイ素系コーティングを施した。
2.評価
それぞれの実施例および比較例について、待機させた後のグリーンタイヤを加硫成形し、フレームとグリーンタイヤとの粘着若しくはグリーンタイヤの変形に起因して発生したタイヤ不良品の数をカウントして不良率を算出した。結果を表1および表2に示す。
Figure 2016215513
Figure 2016215513
表2より、従来の粘着抑制技術は、比較的に軽量なPCタイヤ(比較例1)では粘着を抑制してタイヤ不良の発生を抑制することができるが、重量の大きなTBタイヤでは、比較例2のように粘着防止用の表面処理を施しても、粘着を抑制することが困難であることが確認できた。
また、支持盤上昇型を用いた比較例3、4においては、フレームとグリーンタイヤとの粘着に起因するタイヤ不良の発生を比較例2よりは抑制することができたが、自重によるグリーンタイヤの変形が発生して、PCタイヤを対象とした比較例1のようにはタイヤ不良率を十分に低減させることができていないことが確認できた。
そして、このような重量の大きなTBタイヤの場合、表1および表2より、複数の分割フレームを設けて、グリーンタイヤを支持する分割フレームを切り替えることにより(実施例1〜6)、グリーンタイヤとフレームとの粘着を抑制して、比較例2〜4と異なり、TBタイヤのような重量が大きなタイヤであっても、タイヤの不良の発生を十分に抑制できることが確認できた。
また、実施例1〜4の結果より、フレームの昇降頻度は3分に1回以下が好ましいことが確認できた。また、実施例1、5の結果より、ケイ素系コーティングを施すことによりさらにタイヤの不良の発生を抑制できることが確認できた。さらに、実施例1、6の結果より、フレームの分割数が4〜8の範囲内であれば、タイヤの不良の抑制においては殆ど影響しないことが確認できた。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
1、100 グリーンタイヤ載置台
3 センタリング用支持盤
5 センサ
6 アクチュエータ
7 制御装置
20、101 フレーム
21a〜21d 分割フレーム
22 連結部材
23、102 フレーム支持部材
103 ローダー
104 支持盤
105 下側ビード部
106 タイヤサイド部
A 第1の分割フレーム群
B 第2の分割フレーム群
T グリーンタイヤ

Claims (9)

  1. グリーンタイヤのサイド部から肩部までの部分をリング状のフレームにより支持して、前記グリーンタイヤを横置きの状態で載置させるグリーンタイヤ載置台であって、
    前記フレームが、周方向に4個以上の分割フレームに分割されていると共に、
    前記4個以上の分割フレームにより、少なくとも2個の前記分割フレームから構成される分割フレーム群が複数形成されており、
    さらに、複数の前記分割フレーム群のうち少なくとも1つの分割フレーム群を、他の分割フレーム群よりも上方に位置させて、上方に位置させた前記分割フレーム群により前記グリーンタイヤが横置きの状態で支持されるように、少なくとも1つの分割フレーム群を昇降させる制御装置を備えていることを特徴とするグリーンタイヤ載置台。
  2. 前記分割フレームが、前記フレームを周方向に等分割して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のグリーンタイヤ載置台。
  3. 前記分割フレームの個数が偶数個であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のグリーンタイヤ載置台。
  4. 前記分割フレームの個数が4〜8個であることを特徴とする請求項3に記載のグリーンタイヤ載置台。
  5. 前記分割フレームの前記グリーンタイヤと接する面が、平面若しくは曲面であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のグリーンタイヤ載置台。
  6. 前記分割フレームの断面形状が略円形もしくは略台形であることを特徴とする請求項5に記載のグリーンタイヤ載置台。
  7. 待機位置にある前記分割フレーム上に前記グリーンタイヤが載置されたことを検知するセンサと、
    前記センサによる前記グリーンタイヤの載置の検知に伴って、前記分割フレームの昇降動作を開始させる制御手段とを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のグリーンタイヤ載置台。
  8. 前記分割フレームの昇降動作における上昇と下降の切り替え間隔が、1〜3分に設定されていることを特徴とする請求項7に記載のグリーンタイヤ載置台。
  9. トラック・バス用タイヤ、小型トラック用タイヤ、若しくは、スポーツ用タイヤのグリーンタイヤに用いられることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のグリーンタイヤ載置台。
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