JP2016215156A - 水処理用安全フィルター - Google Patents

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直行 岩知道
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康紘 加藤
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義公 渡辺
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寛 山村
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Abstract

【課題】原水の膜ろ過による水処理において、夾雑物を取り除くとともに、膜ファウリングを生じる原因物質を吸着し、膜ファウリング抑制材としても機能する水処理用の安全フィルターを提供すること。
【解決手段】水処理用の安全フィルターであって、繰り返し単位中にアミノ基または4級アンモニウム基を有するアミン系ポリマー(A)10〜40質量%と、繰り返し単位中にアミノ基および4級アンモニウム基を有しない親水性ポリマー(B)60〜90質量%とを含む架橋ポリマー組成物を含む安全フィルター。
【選択図】なし

Description

本発明は、原水の膜ろ過による水処理において、夾雑物を取り除くとともに、膜ファウリングを生じる原因物質を吸着し、膜ファウリング抑制材としても機能する水処理用の安全フィルター、およびそれを用いた水処理方法に関する。
近年、自然環境下または人工環境下から得られる原水に対する水処理の分野では、限外ろ過(UF)膜、精密ろ過(MF)膜、ナノろ過(NF)膜および逆浸透(RO)膜等の種々の膜を使用した膜ろ過により高度な水処理が行われている。これらの膜ろ過による水処理においては、水処理に用いられる膜に運転時間の経過とともに膜ファウリングが生じ、膜洗浄頻度の増加、膜劣化による膜寿命の低下に伴う膜交換頻度の増加やポンプエネルギーの増大によるランニングコストの増加といった問題がしばしば生じている。
膜ファウリングを生じる原因物質の1つとしては有機体炭素がある。中でも、比較的親水性の高い有機体炭素である多糖類やタンパク質などのバイオポリマーは、膜面上に付着して膜の透過性や分離機能を低下させる原因となる。このため、膜ろ過による水処理においては、特にバイオポリマーを原因とする膜ファウリングを防止するために被処理水を滅菌するための前処理工程が必要となっている。被処理水の前処理工程としては、滅菌効果を有する薬剤の添加等が一般的である。例えば、特許文献1には、海水の逆浸透処理において、海水の滅菌にオゾンを用い、供給すべきオゾン全量を複数の部分に分割し、分割オゾンのうち少なくとも一部を海水取水口付近で、他の一部をろ過器の後流でそれぞれ海水に添加し、逆浸透装置の前流で海水に還元剤を添加する海水の淡水化方法が開示されている。特許文献2には、保安フィルターによる二次ろ過処理の前段において原水を鉱酸により滅菌処理する、逆浸透膜処理装置に供給する原水の前処理方法が開示されている。また、特許文献3には、逆浸透膜ろ過プラントにおいて、定期的にバイオフィルム量を評価し、逆浸透膜ろ過プラントの運転条件を制御する、殺菌剤の添加や薬品洗浄、前処理等の運転操作を含む逆浸透膜ろ過プラントの運転方法が開示されている。
特開平08−071556号明細書 特開2000−279957号明細書 国際公開第2008/038575号パンフレット
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、従来のオゾン処理における臭素酸などの有害な副生成物の発生の問題が依然として存在する。また、特許文献2および3に開示された前処理方法はいずれも薬剤による滅菌処理を含むものであり、薬品を含む洗液の廃棄問題が生じる。さらに、これらの前処理工程では被処理水に含まれる比較的大きなサイズの異物等の夾雑物を取り除くことはできず、夾雑物を取り除くための安全フィルター(保安フィルター)を別段階で設けなければならず、より多くの段階を含む複雑な水処理工程が必要となる。
本発明は、従来技術において行われていた薬剤等による被処理水の複雑な前処理工程を必要とせず、膜ファウリングの原因物質、特に親水性の高い多糖類やタンパク質などのバイオポリマーを効率的に吸着し、膜ファウリング抑制材として機能するとともに、従来の安全フィルターにより行われていた夾雑物の除去を同時に行うことのできる安全フィルターを提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った結果、架橋ポリマーを含む安全フィルターを用いることで、耐水性などの耐久性を付与するとともに、親水性の比較的高いバイオポリマーに対して高い吸着性を示し、効率的にバイオポリマーを除去できることを見出した。すなわち、本発明は、以下の態様[1]および好適な態様[2]〜[12]を提供するものである。
[1]水処理用の安全フィルターであって、繰り返し単位中にアミノ基または4級アンモニウム基を有するアミン系ポリマー(A)10〜40質量%と、繰り返し単位中にアミノ基および4級アンモニウム基を有しない親水性ポリマー(B)60〜90質量%とを含む架橋ポリマー組成物を含む安全フィルター。
[2]前記フィルターが粒子状ポリマーを含む、前記[1]に記載の安全フィルター。
[3]前記粒子状ポリマーおよびバインダーを含む内層と不織布から構成される外層とを含む、前記[2]に記載の安全フィルター。
[4]前記フィルターが繊維状ポリマーを含む、前記[1]に記載の安全フィルター。
[5]前記フィルターが糸巻状の繊維状ポリマーから構成される、前記[4]に記載の安全フィルター。
[6]前記フィルターが不織布状の繊維状ポリマーから構成される、前記[4]に記載の安全フィルター。
[7]前記親水性ポリマー(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体である、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の安全フィルター。
[8]前記アミン系ポリマー(A)がポリエチレンイミンまたはポリアリルアミンである、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の安全フィルター。
[9]前記架橋ポリマー組成物を架橋する架橋剤が、エポキシ基、イソシアネート基およびビニル基からなる群から選択される1種または2種以上の官能基を少なくとも2個含む化合物である前記[1]〜[8]のいずれかに記載の安全フィルター。
[10]前記架橋ポリマー組成物の25℃水中における膨潤度が20〜500%である、前記[1]〜[9]のいずれかに記載の安全フィルター。
[11]バイオポリマー吸着性である、前記[1]〜[10]のいずれかに記載の安全フィルター。
[12]前記[1]〜[11]のいずれかに記載の安全フィルターをポンプの前段に設置して用いる水処理方法。
本発明の水処理用安全フィルターによれば、被処理水中に含まれる夾雑物を取り除くとともに、膜ファウリングの原因物質、特に親水性が高いバイオポリマーを効率的に吸着することができ、膜ろ過における膜ファウリングを抑制し、効率的に水処理を行うことができる。
図1は、一般的な逆浸透膜ろ過による海水淡水化の流れを示す。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の安全フィルターは、繰り返し単位中にアミノ基または4級アンモニウム基を有するアミン系ポリマー(A)10〜40質量%と、繰り返し単位中にアミノ基および4級アンモニウム基を有しない親水性ポリマー(B)60〜90質量%とを含む架橋ポリマー組成物を含む。本発明の安全フィルターは、前記架橋ポリマー組成物を含むことにより、耐水性などの耐久性を付与するとともに、親水性の比較的高いバイオポリマーに対して高い吸着性を示し、効率的にバイオポリマーを除去することを可能にし、膜ファウリング抑制材として機能する。
(アミン系ポリマー)
本発明において、架橋ポリマー組成物に含まれるアミン系ポリマー(A)は、バイオポリマーに対して水素結合、イオン結合、およびキレート結合からなる群から選択された少なくとも一種の結合の形成能を有している。アミン系ポリマー(A)は、繰り返し単位中にアミノ基または4級アンモニウム基を有する。アミン系ポリマー(A)がアミノ基を有する場合、アミノ基は、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基のいずれであってもよく、1級アミノ基または2級アミノ基であることが好ましい。アミノ基を有する繰り返し単位は1種であっても、2種以上であってもよく、アミン系ポリマー(A)は、アミノ基または4級アンモニウム基を有する2種以上の繰り返し単位が、ランダム、ブロック、交互またはグラフト共重合したポリマーであってよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、アミノ基または4級アンモニウム基を有しない繰り返し単位を有していてもよい。
アミン系ポリマー(A)としては、例えば、ポリビニルアミン、ポリビニルアルキルアミン、ポリアルキレンイミン、4級アンモニウム含有ポリマー、ポリアニリン、ポリヌクレオチド、ポリアリルアミン、ポリアルキレンアミン、ポリジアリル4級アンモニウムおよびそれらの塩が挙げられる。また、前記ポリマーの繰り返し単位が2種以上共重合した共重合体であってもよい。中でも、バイオポリマーの吸着性の観点からポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリアルキレンアミン、ポリジアリル4級アンモニウム、およびこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、膨潤性の観点からポリエチレンイミンまたはポリアリルアミンであることが特に好ましい。
被吸着物質への吸着点の密度の観点から、アミン系ポリマー(A)は、数平均分子量1000あたりアミノ基または4級アンモニウム基を10〜35個有することが好ましい。なお、アミン系ポリマー(A)の数平均分子量は、例えば、アミン系ポリマーが溶解可能な溶媒に溶かしゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて求めることができる。
アミン系ポリマー(A)の重量平均分子量は、5000〜100000であることが好ましく、10000〜70000であることがさらに好ましい。アミン系ポリマー(A)の重量平均分子量が前記範囲にあると、架橋ポリマー組成物と安全フィルターからのポリマーの溶出が抑制され、良好なバイオポリマーの吸着性と膜ファウリング抑制を示す。なお、アミン系ポリマー(A)の重量平均分子量は、例えばゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて求めることができる。
(親水性ポリマー)
架橋ポリマー組成物に含まれる親水性ポリマー(B)は、架橋ポリマー組成物および安全フィルターの成形性を良好にし、耐久性を与える。親水性ポリマー(B)は、その繰り返し単位中にアミノ基および4級アンモニウム基を含まず、例えば、繰り返し単位中に水酸基、エーテル基、カルボキシル基、アミド基等の親水性基を有する。親水性ポリマー(B)としては、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルキルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアミド、およびポリアミノ酸等が挙げられる。これらのポリマーは、他のコモノマー単位(例えば、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸等の不飽和カルボン酸単位、シラノール基、アルデヒド基、またはスルホン酸基を有するモノマー単位など)を有していてもよい。このようなコモノマー単位を含む場合、その含有量は、全モノマー単位中10モル%以下であることが好ましく、5%モル以下であることがより好ましい。
本発明において、親水性ポリマー(B)としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、およびポリアミドが好ましく、親水性と成形性の観点から、エチレン−ビニルアルコール共重合体がさらに好ましい。このとき、エチレン単位の含量が全モノマー単位中20〜50モル%であることが好ましく、27〜48モル%であることがより好ましい。エチレン含量が前記範囲内であると、親水性、成形性と耐久性が両立できる。
親水性ポリマー(B)の重量平均分子量は、1万〜50万であることが好ましく、2万〜40万であることがより好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると親水性ポリマー(B)からのポリマー溶出が抑制でき、成形性も良好となる。なお、親水性ポリマー(B)の重量平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて求めることができる。
(架橋ポリマー組成物)
本発明の安全フィルターに含まれる架橋ポリマー組成物は、前記アミン系ポリマー(A)および親水性ポリマー(B)に対して架橋剤を用いて架橋結合を導入することにより得られる。本発明において、架橋ポリマー組成物を構成するアミン系ポリマー(A)と親水性ポリマー(B)の好適な組み合わせは、例えばポリエチレンイミンとエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンイミンとポリアミド、ポリアリルアミンとエチレン−ビニルアルコール共重合体、およびポリエチレンイミンとポリアリルアミンとエチレン−ビニルアルコール共重合体等である。これらの組み合わせは、バイオポリマーの吸着性と溶離性(再生)の観点から好適である。
架橋ポリマー組成物に含まれるアミン系ポリマー(A)の含有量は、アミン系ポリマー(A)と親水性ポリマー(B)の合計に対して10〜40質量%である。アミン系ポリマー(A)の含有量が、10質量%未満であるとバイオポリマーの吸着性が低下して膜ファウリングが抑制できないおそれがある。一方、40質量%より多いと、親水性ポリマー(B)との混合性が悪くなり、樹脂成形や糸状形成ができないおそれがある。アミン系ポリマー(A)の含有量は、好ましくは15〜35質量%であり、より好ましくは20〜35質量%であり、特に好ましくは20〜30質量%である。
架橋ポリマー組成物に含まれる親水性ポリマー(B)の含有量は、アミン系ポリマー(A)と親水性ポリマー(B)の合計に対して60〜90質量%である。親水性ポリマー(B)の含有量が、60質量%未満であるとアミン系ポリマー(A)との混合性が悪くなり、樹脂成形や糸状形成ができなかったり、膨潤特性が悪くなったりするおそれがある。一方、90質量%より多いと、バイオポリマーの吸着性が低下して膜ファウリングが抑制できないおそれがある。親水性ポリマー(B)の含有量は、好ましくは65〜85質量%であり、より好ましくは65〜80質量%であり、特に好ましくは70〜80質量%である。
本発明において架橋ポリマー組成物は、前記アミン系ポリマー(A)および親水性ポリマー(B)以外のポリマーを含んでいてもよい。この場合、アミン系ポリマー(A)および親水性ポリマー(B)以外のポリマーの含有量は、本発明の効果を阻害しない範囲であり、通常10質量%以下であることが好ましい。
(架橋剤)
本発明の架橋ポリマー組成物は、アミン系ポリマー(A)および親水性ポリマー(B)に対して架橋剤を用いて架橋することにより得られる。本発明に用いられる架橋剤としては、アミン系ポリマー(A)が有するアミノ基等の官能基および/または親水性ポリマー(B)が有する親水性基と反応して、アミン系ポリマー(A)と親水性ポリマー(B)の間に、アミン系ポリマー(A)とアミン系ポリマー(A)の間に、および/または親水性ポリマー(B)と親水性ポリマー(B)の間に架橋結合を生じ得る化合物であれば特に制限されることなく公知の架橋剤を用いることができる。
本発明において、架橋剤としては、エポキシ基、イソシアネート基およびビニル基からなる群から選択される1種または2種以上の官能基を少なくとも2個含む化合物であることが好ましい。このような化合物を架橋剤として用いる場合、バイオポリマーの吸着性を阻害せず、架橋ポリマー組成物や安全フィルターの溶出を抑制できる点で好ましい。本発明においては、エポキシ基を含み、2〜5個の官能基を含む多価エポキシ系化合物である架橋剤がさらに好ましい。
使用し得る架橋剤として、具体的には以下の化合物または製品が挙げられる。
エポキシ基を有する架橋剤:例えば、ナガセケムテックス株式会社製「デナコール」(EX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−201、EX−211、EX−212、EX−252、EX−810、EX−811、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−861、EX−911、EX−941、EX−920、EX−931、EX−721、EX−203、EX−711、EX−221等)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジβメチルグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラヒドロキシフェニルメタンテトラグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ブロム化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、クロル化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、エポキシウレタン樹脂等のグリシジルエーテル型;p−オキシ安息香酸グリシジルエーテル・エステル等のグリシジルエーテル・エステル型;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、アクリル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル型;グリシジルアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルアミノフェノール等のグリシジルアミン型;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等の線状脂肪族エポキシ樹脂;3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロペンタジエンオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、リモネンジオキサイド等の脂環族エポキシ樹脂等。
イソシアネート基を有する架橋剤:例えば、旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラネート」(WB40−100、WB40−80D、WE50−100、WT30−100、WT20−100等);トリレンジイソシアネート(TDI);水素化TDI;トリメチロールプロパン−TDIアダクト(例えばバイエル社製、「DesmodurL」);トリフェニルメタントリイソシアネート;メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI);水素化MDI;重合MDI;ヘキサメチレンジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート等。乳化剤を用いて水に分散させたイソシアネートも使用できる。
ビニル基を有する架橋剤:例えば、ジビニルスルフォン、新中村化学株式会社製「NKエステル」(1G、2G、3G、4G、9G、14G、23G、BPE―80N、BPE―100、BPE―200、BPE―500、BPE―900、BPE―1300、DCP、DОD−N、HD−N、NОD−N、NPG、1206PE、701、PG、TMPT)等の多価メタクリレート化合物。
本発明において架橋剤の量は架橋ポリマー組成物を構成するアミン系ポリマー(A)や親水性ポリマー(B)の種類や組み合わせ等に応じて適宜選択すればよいが、例えば、アミン系ポリマー(A)および親水性ポリマー(B)の合計100質量部に対して、好ましくは0.5〜10質量部であり、より好ましくは1〜5質量部である。
架橋ポリマー組成物において、アミン系ポリマー(A)が親水性ポリマー(B)の中に平均分散径10000nm以下で分散していることが好ましく、50〜1000nmで分散していることがより好ましい。平均分散径が前記範囲内である場合、水中に存在するバイオポリマーを効率よく吸着することができる。なお、平均分散径は、後述する実施例に記載された方法により測定することができる。
本発明において架橋ポリマー組成物は、25℃の水中における膨潤度が20〜500%であることが好ましく、30〜200%であることがより好ましい。架橋ポリマー組成物の膨潤度が前記範囲内である場合、有機炭素、特に物理的に不可逆的な膜ファウリングを生じる原因物質を含有するよう液との接触が十分行なわれ吸着性が良好である。また、有機炭素、特に物理的に不可逆的な膜ファウリングを生じる原因物質を含有するよう液の通液性も良好である。ここで、膨潤度は、25℃の水中で架橋ポリマー組成物1gを25℃の水に12時間浸漬させた後、架橋ポリマー組成物を遠心脱水して秤量した後、105℃で4時間乾燥して秤量した値を用いて算出される。詳細には、例えば、後述する実施例中の測定方法により測定することができる。
架橋ポリマー組成物の膨潤度は、用いるアミン系ポリマー(A)および親水性ポリマー(B)の種類、組み合わせ、含有量、ならびに架橋剤の種類や量等により適宜制御することが可能である。
本発明において架橋ポリマー組成物は、アミン系ポリマー(A)が親水性ポリマー(B)の中に所定の範囲の平均分散径で存在するよう、公知の方法に従って、アミン系ポリマー(A)、親水性ポリマー(B)、架橋剤、および必要に応じて架橋ポリマー組成物を構成する他の成分(例えば、酸化防止剤、安定剤、滑剤、加工助剤、帯電防止剤、着色剤、消泡剤および分散剤等の添加剤)を混合することによって製造することができる。
好ましい製造方法としては、例えば、二軸型の混練機を用いて溶融混練する方法(溶融混練法)が挙げられる。この方法によれば、各成分が均一に分散した粒子状の組成物を得ることが容易にできるという利点を有する。具体的には、例えば、親水性ポリマー(B)を二軸押出機により溶融混練し、そこへアミン系ポリマー(A)をサイドフィダーから所定量添加して、これらを混合する。溶融混練物を押出成形して各種形状の成形体とすることができ、その後架橋剤を含む溶液にこれを浸漬させ架橋処理を施すことができる。また、混練時に架橋剤を加えて、ポリマーを溶融混練するとともに架橋結合の導入を行うこともできる。さらに、成形体を粉砕して粒子状の架橋ポリマー組成物とすることができる。
また、例えば、アミン系ポリマー(A)、親水性ポリマー(B)、必要に応じて任意成分の混合液を調製する。溶媒は通常、水を使用するが、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒であっても差し支えない。双方のポリマーを溶媒に添加して攪拌しながら昇温することで良好な性状の溶液を得ることができる。アミン系ポリマー(A)および親水性ポリマー(B)の混合液を湿式または乾・湿式法で紡糸ノズルを通じて押し出し凝固浴で凝固させるか、乾式紡糸で空気浴中に押し出す。その後、定法に従って湿延伸・乾燥・乾熱延伸を行い結晶化させ繊維状の成形体とし、さらに、架橋剤を含む溶液に浸漬させ架橋処理を施すことができる。
本発明の安全フィルターに含まれる架橋ポリマー組成物は、用途に応じて、粒子状、フレーク状、繊維状、シート状、布帛状、3次元形状などの各種形状に成形して架橋ポリマー組成物の単体とすることができる。中でも、バイオポリマーの吸着性や水処理時の通液性の観点から、架橋ポリマー組成物の単体は粒子状または繊維状であることが好ましい。
架橋ポリマー組成物の単体が粒子状ポリマーである場合、その粒子径は特に限定されるものではないが、0.05〜1.0mmであることが好ましく、0.1〜0.5mmであることがさらに好ましい。粒子径が前記範囲内である場合、バイオポリマーの吸着性や安全フィルターの成形性が良好である。なお、粒子径は、例えば、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用い、粒子群にレーザ光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布を求めることにより算出することができる。また、粒子径が大きい場合は所定の篩による分級で求めてもよい。
架橋ポリマー組成物の単体が繊維状ポリマーである場合、その繊維径は特に限定されるものではないが、10〜1000μmであることが好ましく、10〜500μmであることがさらに好ましい。繊維径が前記範囲内である場合、バイオポリマー等の膜ファウリング原因物質に対する吸着性と吸着速度が高くなり良好である。なお、繊維径は、例えば、短繊維を無作為にサンプリングし、繊維の断面を電子顕微鏡で観察し繊維径を測定して求めることができる。
(安全フィルター)
本発明の安全フィルターは、例えば、前記架橋ポリマー組成物から構成される複数の単体と、前記単体同士を接着するためのバインダーとを含み、前記架橋ポリマー組成物の複数の単体をバインダーにより所定のフィルター形状に保持、成形することにより形成することができる。
本発明の安全フィルターに使用し得るバインダーの種類や形状は、架橋ポリマー組成物の単体を保持してフィルター形状を保てる限り特に限定されるものではなく、例えば、繊維状バインダー、粉末状バインダーが挙げられる。フィルターとしての通気性または通液性に優れ、架橋ポリマー組成物の保持性も高くなるため、好ましくは繊維状バインダーであり、より好ましくはフィブリル化(小繊維化)された繊維状バインダーである。繊維状バインダーは、合成品、天然品を問わず幅広く使用可能であり、その例としては、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維などが挙げられる。これらの繊維状バインダーは、叩解等の公知方法によりフィブリル化することができ、フィブリル化された繊維状バインダーは、市販品としても入手可能である。繊維状バインダーの繊維長は4mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。
架橋ポリマー組成物の単体がバインダーにより保持される形態には特に制限はないが、例えば、バインダーがフィブリル化された繊維状バインダーである場合には、架橋ポリマー組成物の単体が、フィブリル化された繊維状バインダーが形成する網目構造に捕捉されて固着し、繊維状バインダーに担持される。バインダーが熱融着性繊維状バインダー(例、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維等)である場合には、架橋ポリマー組成物の単体同士が一旦溶融した繊維状バインダーによって接着されて、架橋ポリマー組成物がバインダーにより保持される。その他、バインダーが、熱融着樹脂粉末バインダー(例、ポリエチレン粉末、ポリプロピレン粉末、ポリスチレン粉末、ポリエチレンテレフタレート粉末、エポキシ樹脂粉末、フェノール樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末等)である場合には、架橋ポリマー組成物の単体同士が一旦溶融した粉末状バインダーによって接着され保持されつつ、溶融したバインダーにより所定の形状を形成することができる。
バインダーの含有量は、架橋ポリマー組成物100質量部に対して3〜10質量部であることが好ましく、3〜8質量部であることがより好ましく、5〜8質量部であることが特に好ましい。バインダーの含有量が前記範囲であると、安全フィルターを製造する際のフィルター加工性(成形性)に優れ、また、バイオポリマー等の膜ファウリング原因物質に対する吸着性にも優れる。バインダーの含有量が少な過ぎる場合には成形性が悪くなるおそれがあり、一方、バインダーの含有量が多過ぎる場合には膜ファウリング原因物質に対する吸着性や膜ろ過における透水性に劣るおそれがある。
本発明の安全フィルターは、架橋ポリマー組成物が粒子状の場合は架橋ポリマー組成物が単体レベルでバインダーにより保持または担持されることにより形成された架橋ポリマー組成物の単体の集合体であることが好ましい。本発明の安全フィルターは、架橋ポリマー組成物がバインダーにより保持または担持されていることにより、優れた吸着性能を有するだけでなく、その取扱い性を向上させることができる。繊維状である場合は繊維を架橋して糸巻き状や不織布状に成形することで保持されていることにより、優れた吸着性能を有するだけでなく、その取扱い性を向上させることができる。
本発明の安全フィルターは、例えば、上記の粒子状または繊維状の架橋ポリマー組成物をバインダーにより接着して、直接各種形状のフィルターとして形成されてもよく、また、シート状に成形した後、前記シートを積層または巻回して各種形状のフィルターとして形成されてもよい。安全フィルターは、用途に応じて二次元状(フィルム状、シート状等)であってもよいし、三次元状(ハニカム状、筒状、プリーツ状等)であってもよい。フィルターの型式、形状は特に限定されるものではなく、例えば、円柱型、多角柱型(四角柱、六角柱等)、星状柱型、中空円筒型、中空多角柱型、中空星状柱型等が挙げられる。好ましくは中空円筒型である。
吸着性を良好にする観点からは、架橋ポリマー組成物の少なくとも一部の表面が露出していることが好ましい。
本発明の安全フィルターの製造方法は特に限定されるものではなく、公知の成形方法を用いることができる。例えば、バインダーが熱融着性バインダーである場合は、バインダーと架橋ポリマー組成物を含む混合物を所定の温度で加熱することによってバインダーを溶融させ、バインダーを介して架橋ポリマー組成物の単体同士を接着し、所定の形状に成形することができる。成形は、架橋ポリマー組成物の単体が混和した状態のバインダー溶融物を金型などの成形型内に流し込み、その後冷却し、所定形状に成形してもよく、または、溶融前の混合物をあらかじめ金型などの成形型内に流し込み、型内において加熱することにより、バインダーを溶融させ、その後冷却することにより所定形状に成形してもよい。
バインダーがフィブリル化された繊維状バインダーである場合には、架橋ポリマー組成物とバインダーとを含むスラリーを作製し、このスラリーから公知の方法により所定形状に成形することができる。例えば、前記スラリーを成形型内に流し込み、その後スラリーの圧縮、吸引および/または乾燥により所定形状に成形することができる。
特に、効率よく製造できる点で、スラリー吸引方法が好ましい。スラリー吸引方法では、例えば、それぞれ多数の吸引用小孔を有する内管および外管を備える二重管状容器を準備し、内管と外管との間に、本発明の架橋ポリマー組成物およびバインダーを含むスラリーを流し込み、中心部(内管側)からスラリーを吸引することによって、中空型筒状に成形されたフィルターを得ることができる。フィルターの成形後、必要に応じて成形物を乾燥させることができる。乾燥させる場合、圧縮を伴わないことが好ましい。
スラリーは、効率よく製造できることから、架橋ポリマー組成物およびバインダーを固形分濃度が5〜15質量%となるように水中に分散させることにより調製するとよい。
(膜ファウリング原因物質)
原水中には、各種膜ファウリング原因物質が存在している。本発明の安全フィルターでは従来吸着が困難であった膜ファウリング原因物質を吸着除去することができる。特に、本発明の安全フィルターは、粒子径0.45μm以下の有機物(例えば、フミン酸やフルボ酸などの芳香族含有有機物、界面活性剤等の合成化学物質、バイオポリマーなど)を効率よく吸着することが可能である。このため、本発明の安全フィルターは膜ファウリング抑制材として好適に使用することができる。
本明細書において、膜ファウリング原因物質とは、ファウリングを生じさせる原因となる物質を意味する。膜ファウリング原因物質は、例えば、有機体炭素、各種菌、無機粒子等を含む。なお、本発明の安全フィルターで吸着除去できる膜ファウリング原因物質としては、無機粒子を除いてもよい。
また、本明細書において、有機体炭素とは、水中に存在する有機物を構成する炭素[例えば、溶存有機炭素(DOC:Dissolved Organic carbon);TEPなどの粒子性有機体炭素(POC)]を意味する。有機体炭素は、例えば、多糖やタンパク質などのバイオポリマー、フミン、フルボ酸、ウロン酸、クツロン酸、臭気成分(ゲオスミン、2−メチルイソボルネオ−ル)などを含む。なお、本発明の安全フィルターで吸着除去できる有機体炭素としては、臭気成分を除いてもよい。
さらに、膜ファウリング原因物質は、膜ろ過を行う際に、物理的な逆洗などの手段により取り除くことが困難である物質であってもよい。具体的な原因物質については未だ研究中ではあるが、本発明の安全フィルターを用いて被処理水中の膜ファウリング原因物質を吸着させる吸着工程を経た処理水を膜処理工程へ供する場合、吸着工程を経ることなく被処理水を膜処理工程へ供する場合と比較して、膜処理工程における膜の寿命を向上させることが可能である。
したがって、全ての原因物質が具体的に特定されていなくとも、吸着工程によって、物理的に不可逆的な膜ファウリングを生じる原因物質の量が低減できていることを確認することが可能である。
本発明の安全フィルターは、膜ファウリング原因物質の中でも、特に、親水性が高いバイオポリマーの除去に優れている。バイオポリマーは、各種原水中に存在する有機体炭素の一種であり、一般的には、みかけ分子量が10万Da以上の多糖類およびタンパク質とされている。
本発明では、他の有機体炭素とバイオポリマーとを区別する指標として、例えば、高速液体クロマトグラフィーに湿式全有機炭素計測器を接続したLC−OCDにおいて、フミン質の信号ピークが現れる保留時間より短い保留時間において信号ピークを示す物質と定義することができる。
より詳細には、バイオポリマーは、Stefan A. Huber等によるWater Research 45(2011)第879−885頁に記載された方法により測定したAフラクション、例えばLC−OCDによる保留時間が、25分以上38分以下の成分であってよい。また、フミン質は、同じ条件下での測定におけるBフラクション、例えば保留時間が38分を超えて50分以下の成分であってよい。
バイオポリマーは、ベンゼン環などの疎水性構造が少なく、主に親水性の高い有機物で構成されており、例えば、SUVA値が1.0[L/(m・mg)]以下を示す有機物で構成されていてもよい。一方、フミン質は、ベンゼン環などが含まれているため、UV吸収性を有する構造するだけでなく、疎水性が高く、例えば、SUVA値が2.0[L/(m・mg)]以上を示す有機物で構成されていてもよい。
なお、SUVA値は、以下の式で求められる。
SUVA(L/mg−C・m)=UV(m−1)/DOC(mg−C/L)
ここで、SUVA値を算出するための各パラメータはStefan A. Huber等によるWater Research 45(2011)第879−885頁に記載された方法により測定されたものであり「面積値」とは、LC−OCDにより得られる面積値を表し、「UV」とは、波長254nmでの吸光度、「DOC」とは供試サンプル中のDOC濃度(mg−C/L)を示している。
UV値算出方法
(i)バイオポリマーのUV=供試サンプル全体のUV×スペクトル中のバイオポリマー(保留時間tb:25分≦tb≦38分)の面積値/スペクトル全体の面積値
(ii)フミン質のUV=供試サンプル全体のUV×スペクトル中のフミン質(保留時間th:38分<th≦50分)の面積値/スペクトル全体の面積値
DOC値算出方法
(i)バイオポリマーのDOC=供試サンプル全体のDOC×スペクトル中のバイオポリマー(保留時間tb:25分≦tb≦38分)の面積値/スペクトル全体の面積値
(ii)フミン質のDOC=供試サンプル全体のDOC×スペクトル中のフミン質(保留時間th:38分<th≦50分)の面積値/スペクトル全体の面積値
本発明の安全フィルターは、例えば、被処理水からのバイオポリマーの除去率(または吸着率)が、例えば15%以上であってよく、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上であってもよい。なお、除去率は、後述する実施例に記載された方法により測定された値を示す。
また、本発明の安全フィルターは、25℃のバイオポリマーモデル水(アルギン酸ナトリウム濃度:4.3mg―C/Lのアルギン酸ナトリウム水溶液)において、アルギン酸ナトリウムの吸着率(A)が、例えば、30%以上(例えば30〜100%)であってよく、好ましくは35%以上であってもよく、より好ましくは45%以上、さらに好ましくは60%以上、特に好ましくは80%以上であってもよい。吸着率については、後述する実施例に記載された方法により測定された値を示す。
本発明の安全フィルターは、膜ファウリング抑制材としての機能を果たすと同時に、被処理水中の比較的大きなサイズの異物等の夾雑物を除去するために用いられる従来の安全フィルターとしての機能も果たす。安全フィルターとして設置することにより夾雑物および膜ファウリング原因物質を同時に除去することができるため、鉄粒などの異物の管路への流入を防止し、ポンプやろ過膜の膜面を保護するとともに、膜ファウリングを防止するために従来必要であった被処理水の薬剤等による前処理行程を不要とし、水処理プラントの運転条件の管理をより簡便なものとすることができる。
前記架橋ポリマー組成物が粒子状ポリマーである場合、本発明の安全フィルターは、上述したように粒子状ポリマーをバインダーにより接着し、各種形状に成形された内層と、不織布から構成される外層とを有するものであることが好ましい。外層を構成する不織布により、被処理水に含まれる夾雑物(例えば鉄粒等の異物)を除去するろ過機能を確保することができる。夾雑物を除去する従来の安全フィルターとしての役割を付与するために、例えば不織布の目付を調整することにより孔径2〜20μm程度のろ過機能を付与することが好ましい。
一方、架橋ポリマー組成物が繊維状である場合には、繊維状ポリマーが糸巻状または不織布状で安全フィルターを形成していることが好ましい。例えば、繊維状ポリマーから直接糸巻状フィルターを成形してもよく、または不織布状に成形した後プリーツフィルター等に加工することができる。繊維の巻き方や不織布の目付を制御することにより、被処理水に含まれる夾雑物を除去することができる。また、架橋ポリマー組成物が繊維状である場合には、繊維そのものが膜ファウリング原因物質に対する吸着性能を有するため、従来の安全フィルターの役割である夾雑物の除去機能と膜ファウリング抑制材との両者の機能を両立させることができる。
本発明の安全フィルターは、従来公知の水処理プラントにおける膜ろ過工程の上流に位置するポンプの前段に設置して用いることができる。例えば、図1に示されるような一般的な逆浸透膜(RO膜)処理プラントにより海水を淡水化する際に本発明の安全フィルターを使用することができる。一般的に、海水は取水ポンプ(1)により汲み上げられ、砂ろ過などの前処理を行う複層式ろ過処理装置(2)を経てろ過水タンク(3)に一時的に貯められる。このろ過処理水を、ろ過水ポンプ(4)により汲み上げた後、高圧ポンプ(5)で逆浸透膜モジュール(6)へ送水する際、ろ過処理水に含まれる比較的大きなサイズの異物が管路に流入して高圧ポンプを損傷することを防止するために安全フィルター(7)が用いられる。本発明の安全フィルターは、前記のような従来の安全フィルターに代えて使用し得るものであり、逆浸透膜モジュール(6)へ送水するための高圧ポンプ(5)の前段階に設置して使用することができる。
本発明の安全フィルターは、水処理の目的に応じて、精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)、ナノろ過膜(NF膜)、逆浸透膜(RO膜)などを適宜用いた種々の膜ろ過工程の上流で用いることができる。
膜ろ過工程前に被処理水から膜ファウリング原因物質、特にバイオポリマーおよび夾雑物を一度に除去することができ、水処理工程を簡便化することができるとともに、安全フィルターの下流に位置するろ過膜に膜ファウリングが発生するのを抑制することができる。これにより、ろ過膜の目詰まりによる透水性の低下を抑制することができ、ろ過膜の洗浄頻度や洗浄薬剤使用量を低減し、膜寿命を延ばすことができる。
(水処理方法)
本発明は、一実施態様として、上述した安全フィルターを用いる水処理方法も包含する。本発明の水処理方法は、前記安全フィルターを膜ろ過工程の上流に位置するポンプの前段に設置して用いる。これにより、本発明の水処理方法は、膜ファウリング原因物質を含有する被処理水と安全フィルターに含まれる架橋ポリマー組成物とを接触させ、安全フィルターに膜ファウリング原因物質を吸着させるとともに、被処理水中の夾雑物を除去する工程を備える。
本発明の水処理方法は、自然環境下、人工環境下で得られる様々な原水に対して利用することができ、例えば、海水、一般の河川水、湖沼水、汽水、土壌溶出水、用水、生物処理水、下水処理やし尿処理施設での生物処理水や三次処理などの高度処理水、各種工場排水等に対して利用することができる。
被処理水中の膜ファウリング原因物質と安全フィルター中の架橋ポリマー組成物との接触および吸着処理(以下、「吸着処理工程」と記載する場合がある。)は、被処理水を安全フィルターに通液させることにより行うことができ、これと同時に夾雑物も除去される。この吸着処理工程は、一段階であってもよいし、多段階であってもよい。本発明の水処理方法では、吸着処理工程において、安全フィルターに含まれる架橋ポリマー組成物が、膜ファウリング原因物質の一つとしてバイオポリマーを吸着することが好ましい。
また、本発明の水処理方法は、吸着処理工程を経て得られた吸着処理水を膜ろ過する工程(以下、「膜ろ過工程」と記載する場合がある。)を備えることができる。
膜ろ過工程では、水処理の目的に応じて、精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)、ナノろ過膜(NF膜)、逆浸透膜(RO膜)などを適宜用いることができる。これらのろ過膜はモジュール化されていてよく、例えば、平膜状の場合は、スパイラル型、プリーツ型、プレート・アンド・フレーム型、円盤状のディスクを積み重ねたディスク型であってもよく、中空糸膜の場合は、中空糸をU字状やI字状に束ねて容器に収納した中空糸膜型であってもよい。
本発明の水処理方法では、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて既存の水処理方法と組み合わせて用いることができる。既存の水処理方法としては、例えば、砂ろ過処理、凝集沈殿処理、オゾン処理、既存の吸着材や活性炭などを用いた吸着処理、生物処理等が挙げられる。これらの処理は、単独でまたは二種以上を組み合わせて行うことができる。
さらに、本発明の水処理方法は、膜ファウリング原因物質を吸着した架橋ポリマー組成物を水性媒体と接触させることにより架橋ポリマー組成物を再生する再生工程(以下、「再生工程」と記載する場合がある。)を備えることもできる。水性媒体としては、例えば、水、または金属イオン含有水溶液が挙げられる。再生工程は一段階または多段階であってよく、多段階である場合には複数の種類の水性媒体を別々に用いることもできる。
金属イオン含有水溶液に含まれる金属イオンとしては、膜ファウリング原因物質の離脱をすることが可能である限り特に制限されないが、典型的にはアルカリ金属イオンが挙げられる。より具体的には、塩化ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液、塩化リチウム水溶液、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどが挙げられる。水性媒体は、被処理水に存在する塩類と同種の金属イオンを含む金属イオン含有水溶液であってもよい。金属イオン含有水溶液の濃度は、水に対する溶質の割合として、例えば0.1〜50質量%の範囲から選択することができる。
再生工程で用いられる水性媒体の温度は、吸着処理工程における被処理液の温度よりも高温であることが好ましい。安全フィルターに含まれる架橋ポリマー組成物が接触する液体の温度条件を吸着処理工程と再生工程との間で変化させることにより、架橋ポリマー組成物に吸着した物質が再生工程においてより効率的に架橋ポリマー組成物から脱離することが可能となる。
再生工程における再生処理方法は、水性媒体と安全フィルターに含まれる架橋ポリマー組成物とを接触させることができる限り特に限定されず、例えば、安全フィルターに対して水性媒体を通液させることにより行うことができる。
再生工程により再生された安全フィルターは、再度吸着処理工程において使用することが可能となる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「%」および「部」は特に断りのない限り、それぞれ「質量%」および「質量部」を表す。
表1に示す組成に従って調製した架橋ポリマー組成物を用いて、表2に示す安全フィルターを調製した。実施例および比較例における物性および特性の分析を下記方法に従い行った。
(膨潤度の評価)
架橋ポリマー組成物1gを25℃の水に12時間浸漬させた後、遠心脱水して秤量(A)した後、105℃で4時間乾燥して秤量(B)する。以下の式より、膨潤度を求めた。
膨潤度=[(A−B)/(B)]×100 (%)
(樹脂成形性の評価)
架橋ポリマー組成物が粒子状である場合、樹脂成形性を以下の基準に従い評価した。
○:ストランドは安定しており、樹脂が得られた。
△:ストランドがやや不安定であったが、樹脂は得られた。
×:ストランドが固化せず、樹脂が得られなかった。
(繊維紡糸性の評価)
架橋ポリマー組成物が繊維状である場合、繊維紡糸性を以下の基準に従い評価した。なお、繊維紡糸性は公知の芯鞘型複合繊維の製造装置を使用して形成したときの糸状形成性や繊維の断糸性を評価基準として表す。
○:紡糸調子は良好で安定しており、繊維が得られた。
△:紡糸調子がやや不安定であったが、繊維は得られた。
×:糸状形成できず、繊維が得られなかった。
(バイオポリマーの吸着率1:アルギン酸ナトリウム吸着率)
バイオポリマーのモデル物質としてアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製、型番:199−09961)の吸着評価を実施した。各実施例と比較例で得られた安全フィルターを1.5L容量のハウジングに装填して、モデル液(アルギン酸ナトリウム濃度:4.3mg−C/L水溶液)の25℃の水溶液50Lを、流速15L/時間で3時間循環する。その後、循環前後の上澄み液40mlを全有機炭素計によって評価し、該安全フィルターによるバイオポリマーの吸着率を以下のように評価した。
バイオポリマーの吸着率=(吸着評価前のアルギン酸ナトリウム濃度−吸着評価後のアルギン酸ナトリウム濃度)/吸着評価前のアルギン酸ナトリウム濃度×100(%)
(バイオポリマーの吸着率2:原水吸着率)
児島湖(岡山県)から採取した表流水(有機体炭素濃度=3.0mg−C/L、pH=8.1)を、まず、排除径10μmのステンレスメッシュカートリッジフィルター(TMP−2、Advantech社製)でろ過することにより不溶物を取り除いた。得られた液の吸着評価を実施した。各実施例と比較例で得られた安全フィルターを1.5L容量のハウジングに装填して、25℃の実原水50Lを、流速15L/時間で3時間循環する。その後、循環前後の上澄み液40mlをLC−OCD計によって評価し、該安全フィルターによるバイオポリマーの吸着率を以下のように評価した。
バイオポリマーの吸着率=(吸着評価前のバイオポリマー濃度−吸着評価後のバイオポリマー濃度)/吸着評価前のバイオポリマー濃度×100(%)
(ろ過膜の透水性評価)
児島湖(岡山県)から採取した表流水(有機体炭素濃度=3.0mg−C/L、pH=8.1)を、まず、排除径10μmのステンレスメッシュカートリッジフィルター(TMP−2、Advantech社製)でろ過することにより不溶物を取り除いた。各実施例と比較例で得られた安全フィルターを1.5L容量のハウジングに装填して、25℃の実原水50Lを、流速15L/時間で3時間循環する。
得られた吸着処理液を用いて、ポリアクリロニトリル(PAN)製UF膜(旭化成(株)製、分画分子量100kDa)の透水性評価をFlux2.0(m/m/日)でろ過膜に対して通液するとともに、30分に1回Flux3.0m/m/日)の純水で逆洗浄を実施し、膜を通液する際の圧力変化を評価し、60kPaに到達するまでの時間(分)を求め、以下の基準にて、長期の透水性を評価した。
A:900分以上
B:600分以上900分未満
C:600分未満
〔架橋ポリマー組成物の調製〕
調製例1
安全フィルターの親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押し出し機により200℃で溶融混練、そこへポリエチレンイミンをサイドフィダーから所定量添加し、双方のポリマーを溶融混練して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量%となるように2種のポリマーを所定時間混合して押し出しストランド成形をした後カットし2〜3mmのペレットを得た。得られたペレットは粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径200〜500μmの粒子を得た。引き続いてこの粒子をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX−810(商品名))2質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理をして表1に示す架橋ポリマー組成物を得た。
調製例2
安全フィルターの親水性ポリマー(B)として、ナイロン6(宇部興産(株)製、UBEナイロン5033B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。ナイロン6を2軸押し出し機により200℃で溶融混練、そこへポリエチレンイミンをサイドフィダーから所定量添加し、双方のポリマーを溶融混練して、ポリエチレンイミンの含有量が35質量%、ナイロン6の含有量が65質量%となるように2種のポリマーを所定時間混合して押し出しストランド成形をした後カットし2〜3mmのペレットを得た。得られたペレットは粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径200〜500μmの粒子を得た。引き続いてこの粒子をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX−810(商品名))2質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理をして表1に示す架橋ポリマー組成物を得た。
調製例3
安全フィルターの親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押し出し機により200℃で溶融混練、そこへポリエチレンイミンをサイドフィダーから所定量添加し、双方のポリマーを溶融混練して、ポリエチレンイミンの含有量が10質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が90質量%となるように2種のポリマーを所定時間混合して押し出しストランド成形をした後カットし2〜3mmのペレットを得た。得られたペレットは粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径200〜500μmの粒子を得た。引き続いてこの粒子をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX−810(商品名))2質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理をして表1に示す架橋ポリマー組成物を得た。
調製例4
安全フィルターの親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押し出し機により200℃で溶融混練、そこへポリエチレンイミンをサイドフィダーから所定量添加し、双方のポリマーを溶融混練して、ポリエチレンイミンの含有量が40質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が60質量%となるように2種のポリマーを所定時間混合して押し出しストランド成形をした後カットし2〜3mmのペレットを得た。得られたペレットは粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径200〜500μmの粒子を得た。引き続いてこの粒子をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX−810(商品名))5質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理をして表1に示す架橋ポリマー組成物を得た。
調製例5
安全フィルターの親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押し出し機により200℃で溶融混練、そこへポリアリルアミンをサイドフィダーから所定量添加し、双方のポリマーを溶融混練して、ポリアリルアミンの含有量が20質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が80質量%となるように2種のポリマーを所定時間混合して押し出しストランド成形をした後カットし2〜3mmのペレットを得た。得られたペレットは粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径200〜500μmの粒子を得た。引き続いてこの粒子をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX−810(商品名))2質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理をして表1に示す架橋ポリマー組成物を得た。
調製例6
安全フィルターの親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))及び重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押し出し機により200℃で溶融混練、そこへポリエチレンイミン、ポリアリルアミンを所定量添加して、ポリエチレンイミンとポリアリルアミンの合計含有量が30質量%(ポリエチレンイミンとポリアリルアミンの合計に対するポリエチレンイミンの質量比が50%)、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が70質量%となるように3種のポリマーを所定時間混合して押し出しストランド成形をした後カットし2〜3mmのペレットを得た。得られたペレットは粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径200〜500μmの粒子を得た。引き続いてこの粒子をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX−810(商品名))2質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理をして表1に示す架橋ポリマー組成物を得た。
調製例7
安全フィルターの親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。芯鞘繊維芯部としてポリエチレンを用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押し出し機により240℃で溶融混練、そこへポリエチレンイミンをサイドフィダーから所定量添加し、双方のポリマーを溶融混練して、ポリエチレンイミンの含有量が25質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が75質量%となるように2種のポリマーを混合し、さらにポリエチレンをサイドフィダーから親水性ポリマー(B)とアミン系ポリマー(A)100質量部に対してポリエチレンを100質量部添加して、複合紡糸部品を用い、紡糸温度240℃、紡糸速度2000m/分で紡出した後、巻き取り芯鞘繊維を得た。引き続いてこの芯鞘繊維をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX−810(商品名))2質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理をして表1に示す架橋ポリマー組成物を含む芯鞘繊維を得た。
調製例8
安全フィルターの親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として重量平均分子量15000のポリアリルアミン((株)日東紡製、PAA−15C(商品名))を用いた。芯鞘繊維芯部としてポリエチレンを用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押し出し機により240℃で溶融混練、そこへポリアリルアミンをサイドフィダーから所定量添加し、双方のポリマーを溶融混練して、ポリアリルアミンの含有量が20質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が80質量%となるように2種のポリマーを混合し、さらにポリエチレンをサイドフィダーから親水性ポリマー(B)とアミン系ポリマー(A)100質量部に対してポリエチレンを400質量部添加して、複合紡糸部品を用い、紡糸温度240℃、紡糸速度2000m/分で紡出した後、巻き取り芯鞘繊維を得た。引き続いてこの芯鞘繊維をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX−810(商品名))5質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理をして表1に示す架橋ポリマー組成物を含む芯鞘繊維を得た。
比較調製例1
安全フィルターの親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押し出し機により200℃で溶融混練、そこへポリエチレンイミンをサイドフィダーから所定量添加し、双方のポリマーを溶融混練して、ポリエチレンイミンの含有量が5質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が95質量%となるように2種のポリマーを所定時間混合して押し出しストランド成形をした後カットし2〜3mmのペレットを得た。得られたペレットは粉砕機による粉砕処理を施し、粒子径200〜500μmの粒子を得た。引き続いてこの粒子をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX−810(商品名))2質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理をして表1に示す架橋ポリマー組成物を得た。
比較調製例2
安全フィルターの親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押し出し機により200℃で溶融混練、そこへポリエチレンイミンをサイドフィダーから所定量添加し、双方のポリマーを溶融混練して、ポリエチレンイミンの含有量が50質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が50質量%となるように2種のポリマーを所定時間混合して押し出したが、ストランド成形できず、ペレットは得られなかった。
比較調製例3
安全フィルターの親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。芯鞘繊維芯部としてポリエチレンを用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押し出し機により240℃で溶融混練、そこへポリエチレンイミンをサイドフィダーから所定量添加し、双方のポリマーを溶融混練して、ポリエチレンイミンの含有量が5質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が95質量%となるように2種のポリマーを混合し、さらにポリエチレンをサイドフィダーから親水性ポリマー(B)とアミン系ポリマー(A)100質量部に対してポリエチレンを100質量部添加して、複合紡糸部品を用い、紡糸温度240℃、紡糸速度2000m/分で紡出した後、巻き取り芯鞘繊維を得た。引き続いてこの芯鞘繊維をエポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX−810(商品名))2質量%濃度の25℃の水溶液中で架橋処理をして表1に示す架橋ポリマー組成物を含む芯鞘繊維を得た。
比較調製例4
安全フィルターの親水性ポリマー(B)として、エチレン含量44モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体((株)クラレ製、エバール E−105B(商品名))、及びアミン系ポリマー(A)として重量平均分子量10000のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、エポミンSP−200(商品名))を用いた。芯鞘繊維芯部としてポリエチレンを用いた。エチレン−ビニルアルコール共重合体を2軸押し出し機により240℃で溶融混練、そこへポリエチレンイミンをサイドフィダーから所定量添加し、双方のポリマーを溶融混練して、ポリエチレンイミンの含有量が50質量%、エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が50質量%となるように2種のポリマーを混合し、さらにポリエチレンをサイドフィダーから親水性ポリマー(B)とアミン系ポリマー(A)100質量部に対してポリエチレンを100質量部添加して、複合紡糸部品を用い、紡糸温度240℃、紡糸速度2000m/分で紡出したが、糸状形成できなく芯鞘繊維を得られなかった。
Figure 2016215156
表1から明らかなように、繰り返し単位中にアミノ基を有するアミン系ポリマー(A)10〜40質量%と、繰り返し単位中にアミノ基を有しない親水性ポリマー(B)60〜90質量%とを含有する架橋ポリマー組成物は、溶融混練時の成形性または紡糸性に優れていた(調製例1〜8)。特に、前記アミン系ポリマー(A)20〜30質量%と、前記親水性ポリマー(B)70〜80質量%を含有する架橋ポリマー組成物は、より溶融混練時の樹脂成形性および紡糸性に優れていた(調製例1、3および5〜8)。一方、40質量%を超えるアミン系ポリマー(A)および60質量%未満の親水性ポリマー(B)から構成される架橋ポリマー組成物では、樹脂成形性および紡糸性に劣っていた(比較調製例2および4)。
〔安全フィルターの調製〕
実施例1
架橋ポリマー組成物として調製例1で得た成分100質量部に対して繊維状バインダーとしてフィブリル化アクリル繊維ビィパル(東洋紡績株式会社製)を5質量部の割合で水中に分散させてスラリーを調製した。次いで、得られたスラリーを、直径3mmの多数の細孔を有する外径75mm、内径29mm及び高さ255mmの二重管容器に入れて、350mmHgで吸引後、圧縮することなく、120℃で24時間乾燥させ、外径65mm、内径30mm及び高さ250mmの中空型円筒状の架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを得た。前記安全フィルターにおいて架橋ポリマー組成物の保形性は良好であり、形状の良好な中空型円筒状のフィルターが得られた。この架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを全幅200mm、全高340mmのプラスチック製ハウジング(アドバンテック東洋株式会社製、1PP−1−FV)に装填し、前記評価方法に従ってバイオポリマー吸着率およびろ過膜の透水性評価を行った。結果を表2に示す。
実施例2
架橋ポリマー組成物として調製例2で得た成分100質量部に対して繊維状バインダーとしてフィブリル化アクリル繊維ビィパル(東洋紡績株式会社製)を5質量部の割合で水中に分散させてスラリーを調製した。次いで、得られたスラリーを、直径3mmの多数の細孔を有する外径75mm、内径29mm及び高さ255mmの二重管容器に入れて、350mmHgで吸引後、圧縮することなく、120℃で24時間乾燥させ、外径65mm、内径30mm及び高さ250mmの中空型円筒状の架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを得た。前記安全フィルターにおいて架橋ポリマー組成物の保形性は良好であり、形状の良好な中空型円筒状のフィルターが得られた。この架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを全幅200mm、全高340mmのプラスチック製ハウジング(アドバンテック東洋株式会社製、1PP−1−FV)に装填し、前記評価方法に従ってバイオポリマー吸着率およびろ過膜の透水性評価を行った。結果を表2に示す。
実施例3
架橋ポリマー組成物として調製例3で得た成分100質量部に対して繊維状バインダーとしてフィブリル化アクリル繊維ビィパル(東洋紡績株式会社製)を3質量部の割合で水中に分散させてスラリーを調製した。次いで、得られたスラリーを、直径3mmの多数の細孔を有する外径75mm、内径29mm及び高さ255mmの二重管容器に入れて、350mmHgで吸引後、圧縮することなく、120℃で24時間乾燥させ、外径65mm、内径30mm及び高さ250mmの中空型円筒状の架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを得た。前記安全フィルターにおいて架橋ポリマー組成物の保形性はやや低かったが、中空型円筒状のフィルターが得られた。この架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを全幅200mm、全高340mmのプラスチック製ハウジング(アドバンテック東洋株式会社製、1PP−1−FV)に装填し、前記評価方法に従ってバイオポリマー吸着率およびろ過膜の透水性評価を行った。結果を表2に示す。
実施例4
架橋ポリマー組成物として調製例4で得た成分100質量部に対して繊維状バインダーとしてフィブリル化アクリル繊維ビィパル(東洋紡績株式会社製)を5質量部の割合で水中に分散させてスラリーを調製した。次いで、得られたスラリーを、直径3mmの多数の細孔を有する外径75mm、内径29mm及び高さ255mmの二重管容器に入れて、350mmHgで吸引後、圧縮することなく、120℃で24時間乾燥させ、外径65mm、内径30mm及び高さ250mmの中空型円筒状の架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを得た。前記安全フィルターにおいて、架橋ポリマー組成物の保形性は良好であり、形状の良好な中空型円筒状のフィルターが得られた。この架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを全幅200mm、全高340mmのプラスチック製ハウジング(アドバンテック東洋株式会社製、1PP−1−FV)に装填し、前記評価方法に従ってバイオポリマー吸着率およびろ過膜の透水性評価を行った。結果を表2に示す。
実施例5
架橋ポリマー組成物として調製例5で得た成分100質量部に対して繊維状バインダーとしてフィブリル化アクリル繊維ビィパル(東洋紡績株式会社製)を8質量部の割合で水中に分散させてスラリーを調製した。次いで、得られたスラリーを、直径3mmの多数の細孔を有する外径75mm、内径29mm及び高さ255mmの二重管容器に入れて、350mmHgで吸引後、圧縮することなく、120℃で24時間乾燥させ、外径65mm、内径30mm及び高さ250mmの中空型円筒状の架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを得た。前記安全フィルターにおいて架橋ポリマー組成物の保形性は良好であり、形状の良好な中空型円筒状のフィルターが得られた。この架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを全幅200mm、全高340mmのプラスチック製ハウジング(アドバンテック東洋株式会社製、1PP−1−FV)に装填し、前記評価方法に従ってバイオポリマー吸着率およびろ過膜の透水性評価を行った。結果を表2に示す。
実施例6
架橋ポリマー組成物として調製例6で得た成分100質量部に対して繊維状バインダーとしてフィブリル化アクリル繊維ビィパル(東洋紡績株式会社製)を10質量部の割合で水中に分散させてスラリーを調製した。次いで、得られたスラリーを、直径3mmの多数の細孔を有する外径75mm、内径29mm及び高さ255mmの二重管容器に入れて、350mmHgで吸引後、圧縮することなく、120℃で24時間乾燥させ、外径65mm、内径30mm及び高さ250mmの中空型円筒状の架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを得た。前記安全フィルターにおいて架橋ポリマー組成物の保形性は良好であり、形状の良好な中空型円筒状のフィルターが得られた。この架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを全幅200mm、全高340mmのプラスチック製ハウジング(アドバンテック東洋株式会社製、1PP−1−FV)に装填し、前記評価方法に従ってバイオポリマー吸着率およびろ過膜の透水性評価を行った。結果を表2に示す。
実施例7
架橋ポリマー組成物として調製例7で得た繊維のマルチフィラメントを2mm径に撚り合わせコア芯から巻き始め、均一な巻き目となるよう綾角20度として、外径65mm、内径30mm及び高さ250mmの中空型円筒状糸巻きフィルターの架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを得た。前記安全フィルターにおいて架橋ポリマー組成物の保形性は良好であり、形状の良好な中空型円筒状のフィルターが得られた。この架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを全幅200mm、全高340mmのプラスチック製ハウジング(アドバンテック東洋株式会社製、1PP−1−FV)に装填し、前記評価方法に従ってバイオポリマー吸着率およびろ過膜の透水性評価を行った。結果を表2に示す。
実施例8
架橋ポリマー組成物として調製例8で得た繊維のマルチフィラメントを2mm径に撚り合わせコア芯から巻き始め、均一な巻き目となるよう綾角20度として、外径65mm、内径30mm及び高さ250mmの中空型円筒状糸巻きフィルターの架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを得た。前記安全フィルターにおいて架橋ポリマー組成物の保形性は良好であり、形状の良好な中空型円筒状のフィルターが得られた。この架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを全幅200mm、全高340mmのプラスチック製ハウジング(アドバンテック東洋株式会社製、1PP−1−FV)に装填し、前記評価方法に従ってバイオポリマー吸着率およびろ過膜の透水性評価を行った。結果を表2に示す。
比較例1
架橋ポリマー組成物として比較調製例1で得た成分100質量部に対して繊維状バインダーとしてフィブリル化アクリル繊維ビィパル(東洋紡績株式会社製)を8質量部の割合で水中に分散させてスラリーを調製した。次いで、得られたスラリーを、直径3mmの多数の細孔を有する外径75mm、内径29mm及び高さ255mmの二重管容器に入れて、350mmHgで吸引後、圧縮することなく、120℃で24時間乾燥させ、外径65mm、内径30mm及び高さ250mmの中空型円筒状の架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを得た。前記安全フィルターにおいて架橋ポリマー組成物の保形性は良好であり、形状の良好な中空型円筒状のフィルターが得られた。この架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを全幅200mm、全高340mmのプラスチック製ハウジング(アドバンテック東洋株式会社製、1PP−1−FV)に装填し、前記評価方法に従ってバイオポリマー吸着率およびろ過膜の透水性評価を行った。結果を表2に示す。
比較例2
架橋ポリマー組成物として比較調製例3で得た繊維のマルチフィラメントを2mm径に撚り合わせコア芯から巻き始め、均一な巻き目となるよう綾角20度として、外径65mm、内径30mm及び高さ250mmの中空型円筒状糸巻きフィルターの架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを得た。前記安全フィルターにおいて架橋ポリマー組成物の保形性は良好であり、形状の良好な中空型円筒状のフィルターが得られた。この架橋ポリマー組成物を含む安全フィルターを全幅200mm、全高340mmのプラスチック製ハウジング(アドバンテック東洋株式会社製、1PP−1−FV)に装填し、前記評価方法に従ってバイオポリマー吸着率およびろ過膜の透水性評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2016215156
表2から明らかなように、繰り返し単位中にアミノ基を有するアミン系ポリマー(A)の配合量が10〜40質量%であり、かつ、繰り返し単位中にアミノ基を有しない親水性ポリマー(B)の配合量が60〜90質量%である場合は、バイオポリマーの吸着性に優れていた(実施例1〜8)。特に、アミン系ポリマー(A)と親水性ポリマー(B)の組み合わせがポリエチレンイミンとエチレン−ビニルアルコール共重合体またはポリアミドであり、その配合量がアミン系ポリマー(A)20〜35質量%、親水性ポリマー(B)65〜80質量%である場合には、高いバイオポリマー吸着性とともに膜ろ過の優れた透水性が確認された(実施例1、2、4、6および7)。一方、繰り返し単位中にアミノ基を有するアミン系ポリマー(A)の配合量が10〜40質量%を満たさず、かつ、繰り返し単位中にアミノ基を有しない親水性ポリマー(B)の配合量が60〜90質量%を満たさない場合は、バイオポリマーの吸着性と膜ろ過の透水性に特に劣っていた(比較例1および2)。
本発明の水処理用安全フィルターによれば、被処理水中に含まれる夾雑物を取り除くとともに、膜ファウリングの原因物質、特に親水性が高いバイオポリマーを効率的に吸着することができ、膜ろ過における膜ファウリングを抑制することができる。そのため、効率的な水処理を行うために本発明の安全フィルターを用いることができる。
1:取水ポンプ
2:複層式ろ過処理装置
3:ろ過水タンク
4:ろ過水ポンプ
5:高圧ポンプ
6:逆浸透膜モジュール
7:安全フィルター
8:製造水タンク

Claims (12)

  1. 水処理用の安全フィルターであって、繰り返し単位中にアミノ基または4級アンモニウム基を有するアミン系ポリマー(A)10〜40質量%と、繰り返し単位中にアミノ基および4級アンモニウム基を有しない親水性ポリマー(B)60〜90質量%とを含む架橋ポリマー組成物を含む安全フィルター。
  2. 前記フィルターが粒子状ポリマーを含む、請求項1に記載の安全フィルター。
  3. 前記粒子状ポリマーおよびバインダーを含む内層と不織布から構成される外層とを含む、請求項2に記載の安全フィルター。
  4. 前記フィルターが繊維状ポリマーを含む、請求項1に記載の安全フィルター。
  5. 前記フィルターが糸巻状の繊維状ポリマーから構成される、請求項4に記載の安全フィルター。
  6. 前記フィルターが不織布状の繊維状ポリマーから構成される、請求項4に記載の安全フィルター。
  7. 前記親水性ポリマー(B)がエチレン−ビニルアルコール共重合体である、請求項1〜6のいずれかに記載の安全フィルター。
  8. 前記アミン系ポリマー(A)がポリエチレンイミンまたはポリアリルアミンである、請求項1〜7のいずれかに記載の安全フィルター。
  9. 前記架橋ポリマー組成物を架橋する架橋剤が、エポキシ基、イソシアネート基およびビニル基からなる群から選択される1種または2種以上の官能基を少なくとも2個含む化合物である請求項1〜8のいずれかに記載の安全フィルター。
  10. 前記架橋ポリマー組成物の25℃水中における膨潤度が20〜500%である、請求項1〜9のいずれかに記載の安全フィルター。
  11. バイオポリマー吸着性である、請求項1〜10のいずれかに記載の安全フィルター。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の安全フィルターをポンプの前段に設置して用いる水処理方法。
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