JP2016215137A - 中空糸膜モジュールの製造方法 - Google Patents

中空糸膜モジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポッティング材の硬化に伴う樹脂硬度上昇によるポッティング部切断負荷増大を緩和し容易に開口端面を得る方法を用いて剥離リークのない中空糸膜モジュールを製造することを目的とする。【解決手段】 下記工程(a)〜(c)を含む中空糸膜モジュールの製造方法、下記電磁波がマイクロ波である中空糸膜モジュールの製造方法。(a)熱硬化性樹脂を用いて中空糸膜の端部を集束固定する、ポッティング工程(b)前記工程(a)で得られた中空糸膜モジュールを電磁波で加熱する、熱処理工程(c)前記工程(c)で得られた中空糸膜モジュールを切断する、切断工程【選択図】 なし

Description

本発明は、中空糸膜モジュールの製造方法に関する。
近年、膜モジュールは、医療分野、食品分野及び水処理分野等において、液体や気体の濾過又は分離に多用され、さらにその他の分野へも利用範囲が広がっている。そのため、その用途の広まりと共に、膜モジュールは、耐熱性及び/又は耐薬品性が求められている。
また、膜モジュールの形態としては、膜モジュール容積当たりの膜面積が平膜よりも大きな中空糸膜を用いた中空糸膜モジュールが用いられるようになってきている。さらに、処理能力向上などの観点から高流量タイプの中空糸膜モジュールが求められ、モジュールサイズは大きくなっている傾向がある。
一般に、中空糸膜モジュールは、中空糸膜、モジュールケース及びポッティング材にて構成されるが、高耐薬品性の中空糸膜モジュールとするには、これら構成部材をそれぞれ耐薬品性のあるものにする必要がある。ここで、耐熱性や耐薬品性に優れるポッティング材としては、オレフィン系樹脂やフッ素樹脂のような熱可塑性樹脂で構成されたものが挙げられるが、実際に入手できるモジュールは少なく、また高価である。そこで、一般的には、熱硬化性樹脂を用いたポッティング材が主流となっており、これに耐薬品性を備えたものが多い。しかしながら、耐薬品性の高い熱硬化性樹脂は、硬化後の硬度が大きく、加工性に劣るという課題がある。その為、ポッティング部切断時の負荷増大を招き、切断が困難となる。
一般に、中空糸膜をモジュール化する場合、各中空糸膜の端部を目止めし、ポッティング用樹脂を中空糸膜の固定部に流し込み、樹脂硬化後、端部を切断して中空糸膜開口部を得る方法が用いられる。この時、ポッティング部端部の切断は、刃で押し切ってスライスし所定の開口端面を形成する方法や、チップソーや鋸刃を用いて削りながら端部を切断して開口部を形成する方法等がある。
ポッティング材に熱硬化性樹脂を使用する場合、熱硬化性樹脂は硬化が完了した時点で相当の硬さになっており、刃で押し切って端部を切断する方法では切断する際に相当量のせん断応力が加わる。そのため、モジュールケース内で熱硬化性樹脂との接着部分に剥離が生じ、膜モジュールとしての機能を損なう懸念や、硬い熱硬化性樹脂を切断することで刃の先端がこぼれやすくなり、刃の交換頻度が高くなるという問題がある。
また、チップソーや鋸刃を用いて削りながら切断する方法では、硬い樹脂でも容易に切断はできるものの、削りくず等が中空糸膜の開口部に詰まり、中空糸膜を閉塞させてしまう懸念や、削られる時の衝撃で中空糸膜とポッティング用樹脂の界面で剥離が生じ易いという問題もあった。
例えば、特開平3−278819号公報には、ポッティング部の切断に、フライス用エンドミル回転刃を用いる方法、特開平4−150925号公報には、研磨剤微粉末を含有する高圧ジェット水を用いて切断する方法が提案されている。しかしながら、どちらも硬い樹脂を切断する際に削りくずによる膜の閉塞や衝撃による中空糸膜開口部のつぶれを生じる恐れがあった。
さらに、特開平6−63368号公報には、中空糸膜端部を開口させるために切断するポッティング部分に、切断容易な材料を用いる方法が提案されている。しかしながら、この方法では、2種類の樹脂を別々に注入しなければならず、生産性において問題があった。
したがって、高耐薬品性を備えた大容量モジュールを製造する為には、樹脂硬度の大きい熱硬化性樹脂を容易に切断し効率的に開口端面を得る工夫が必要である。
特開平3−278819号公報 特開平4−150925号公報 特開平6−63368号公報
本発明は、ポッティング材を電磁波(例えば、マイクロ波)で熱処理することで、短時間で、かつ、均一にポッティング材を加温することで、ポッティング材の硬度が下がり切断負荷を軽減することができる。その結果、モジュールケースとポッティング材の剥離や中空糸膜とポッティング材の剥離がなく、リークのない中空糸膜モジュールを効率的に(歩留まりよく)製造する方法を提供することにある。
本発明は、下記態様を有する。
[1] 下記工程(a)〜(c)を含む、中空糸膜モジュールの製造方法。
(a)熱硬化性樹脂を用いて中空糸膜の端部を集束固定する、ポッティング工程
(b)前記工程(a)で得られた中空糸膜モジュールを電磁波で加熱する、熱処理工程
(c)前記工程(c)で得られた中空糸膜モジュールを切断する、切断工程
[2] 前記電磁波がマイクロ波である、[1]記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
[3] 前記熱硬化性樹脂の前記工程(b)前の硬度がASTM Shore D50以上100以下である、[1]又は[2]記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
[4] 前記工程(b)により、前記熱硬化性樹脂の硬度をASTM Shore D10以上50未満に調整する、[1]〜[3]の何れか一項に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
[5] 前記中空糸膜モジュールのサイズが内径20mm以上である、[1]〜[4]の何れか一項記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
本発明の製造方法によれば、中空糸膜モジュール製造における中空糸膜端部の開口部を形成するための切断工程において、ポッティング材の硬化に伴うポッティング部切断負荷を緩和し、中空糸膜モジュールの機能を損なわずに効率的に開口端面を形成することが可能となる。
本発明は、中空糸膜の片端又は両端を熱硬化性樹脂で集束固定し、そのポッティング部を切断して中空糸膜端部を開口する中空糸膜モジュールの製造方法であるが、ポッティング部の熱処理工程に電磁波を用いること以外は、既知の方法を用いることができる。
本発明において、「電磁波」とは、電気が流れるときに発生する「電場」と「磁場」がお互いに絡み合いながら波を描いて進む電気の流れのことを示し、ラジオ、テレビ、X線レントゲン、自然界に存在する赤外線や紫外線など電気の波の総称をいう。電磁波は、波の大きさ(高さ)、波の長さ(波長)によってその作用が大きく変わり「周波数」によって区別される。この時、周波数とは一秒間に振動する回数で単位はHz(ヘルツ)で表す。
電磁波を利用した加熱方法として、誘電加熱がある。誘電加熱とは、高周波交流電界中に被加熱物を置き、高周波(電磁波)の作用による被加熱物自体の発熱によって昇温する加熱方式のことである。誘電加熱は、プラスチック・木材・繊維・紙・食品・セラミックスなど私たちの生活に欠かせない様々な製品の加工分野で広く利用されている。本発明において、使用する電磁波の周波数が、1MHz〜300MHz程度のものを「高周波誘電加熱」、UHF帯などを使用するものを「マイクロ波(μWAVE)加熱」と定義する。この時、UHF帯とはマイクロ波の一部で0.3〜3GHzを指し、マイクロ波とは0.3〜300GHzを指す。
以下、本発明を詳細に説明する。
<中空糸膜モジュール>
一般に、中空糸膜モジュールは、中空糸膜、モジュールケース及びポッティング材にて構成される。
(中空糸膜)
膜モジュールの備える分離膜としては、例えば、中空糸膜、平膜、チューブラー膜、スパイラル膜等が挙げられる。脱気性能の観点から、中空糸膜が好ましい。
本発明の中空糸膜モジュールを構成する中空糸膜の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)等のポリオレフィン、ポリスルホン、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド等が挙げられる。中空糸膜は、多孔質膜であっても非多孔質膜であってもよく、用途によって任意に選択できる。
(モジュールケース)
本発明で使用するモジュールケースは、用途によって任意に選択できるが、耐熱性や耐溶剤性を有するものが好ましく、また加工性や価格の面から、樹脂製であることが好ましい。耐熱性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアセタール樹脂などが挙げられる。
また、モジュールケースの形状は、円筒状に限定されず、用途によって任意に選択できる。
(ポッティング材)
本発明の膜モジュール用ポッティング材(以下、単に「ポッティング材」という場合ある。)は、既知の熱硬化性樹脂による接着剤を用いることができる。例えば、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂は単独で、又は、混合して用いることができる。また、これら樹脂は中空糸膜やモジュールケースとの接着性や、耐熱性、耐薬品性を考慮して選択できるが、中でも硬化反応条件を幅広く選択できるポリウレタン樹脂やエポキシ樹脂が好ましく用いられる。
中空糸膜モジュールのポッティング部においては、ケースの中に熱硬化性樹脂が接着固定されていても、熱硬化性樹脂がむき出しになっていてもよい。
<中空糸膜モジュールの製造方法>
本発明は、下記工程(a)〜(c)を含む。
(a)熱硬化性樹脂を用いて中空糸膜の端部を集束固定する、ポッティング工程
(b)前記工程(a)で得られた中空糸膜モジュールを電磁波で加熱する、熱処理工程
(c)前記工程(c)で得られた中空糸膜モジュールを切断する、切断工程
以下、中空糸膜モジュールの製造方法について説明する。
<(a)ポッティング工程>
本発明における、ポッティング工程は既知の方法を用いることができる。
ポッティング工程において、中空糸膜端部を樹脂固定するときの樹脂注入方法は、中空糸膜とポッティング部をセットしたものを回転させ遠心力によって樹脂を注入する方法や、樹脂を落差による重力で注入する方法、シリンジ等を用いて圧入する方法等が挙げられるが、任意の樹脂注入法を用いることができる。
熱硬化性樹脂の注入に際して、ポッティングされる中空糸膜の先端部は何らかの方法で目止めして塞がれていることが必要であるが、この目止めの方法も任意の方法が用いられる。中空糸膜のそれぞれの開口部の先端を樹脂などで封止してもよいし、熱融着等の方法で先端部をつぶす方法や、中空糸膜をU字状に折り返す方法等により、熱硬化性樹脂の中空糸膜内部への侵入を防ぐことができる。
<(b)熱処理工程>
本発明において、熱処理工程は、電磁波(例えば、マイクロ波)で実施する。電磁波(例えば、マイクロ波)を利用した加熱は、コンロなどによる加熱に比べ、容器に入ったものであっても内部から、均一に急速加熱することができる。これは、電磁波が、被加熱物の水分子を振動・回転させることで、被加熱部を昇温させることができるためと考えられる。したがって、切断前にポッティング材を電磁波で熱処理することにより、短時間かつ均一に加温することが可能となる。それにより、ポッティング材の硬度が下がり、切断後の開口端面を効率的に形成させることができる。
つまり、熱処理工程に電磁波を用いると、短時間で均一に加温できる為、作業性も良く硬度が下がった状態で切断時の負荷を小さくすることが可能である。その結果、中空糸膜の開口端部も滑らかに切断できるとともに、剥離、リークのない中空糸膜モジュールを生産性良く製造できる。
従来の技術では、特に、モジュールのサイズが大きく、ポッティング材が硬い場合(特に、硬度がASTM Shore D50以上の場合)、切断が非常に困難であった。また、ポッティング材が硬い状態で強制的に切断すると、脆性破壊し開口端面がガラス状になることがあり、この開口端面状態のモジュールを製品とした場合、ガラス状の小さな欠片が製品に混入してしまう可能性があった。これに加えて、切断時の負荷が大きくなり剥離リークに繋がる可能性もあった。さらに、内部潅流型モジュールの場合は、中空糸膜内に欠片が入り込み膜を傷つけてリークに繋がる可能性もあった。
したがって、開口端面がガラス状になることを防ぎ、ポッティング材を効率的に切断するためには、切断時の硬度を下げて切断負荷を抑える必要がある。
ポッティング材(例えば、熱硬化性樹脂)の切断時(熱処理工程後)硬度は、ポッティング材への衝撃による剥離を抑制するという観点から、ASTM Shore D10以上50未満が好ましく、15以上40以下がより好ましく、20以上30以下であることがさらに好ましい。
また、ポッティング材(例えば、熱硬化性樹脂)とモジュールケースとの接着性を向上させるために、モジュールケースの内側が表面処理されていてもよく、例えば、ポリプロピレン製モジュールケースであれば、プラズマ放電処理、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、クロム混酸処理、n−ヘキサン処理、プライマー処理、粗面化処理等を単独で、あるいはこれらを組み合わせて実施することもできる。
<(c)切断工程>
前記方法により中空糸膜端部を目止めし、集束固定した後ポッティングする個所に所定量の熱硬化性樹脂を注入すると、次第に硬化反応が進み、流動性がなくなり、熱硬化性樹脂は硬化物となって、膜を介した一次側と二次側を密に仕切る部材として機能する。その後、この熱硬化性樹脂は、中空糸膜の開口端面を形成するために中空糸膜とともに切断する。
切断は、少なくとも樹脂の流動性が無くなってから、すなわちゲル化した段階以降で行うことが好ましい。通常の熱硬化性樹脂の場合には、ゲル化後もさらに硬化反応が進行し、完全に樹脂の硬化反応が終了した時点では、樹脂の硬度が大きいため切断時の衝撃でケースから熱硬化性樹脂が剥離したり、刃がこぼれたりする可能性がある。そのため、切断前のポッティング材を加温により、硬度を下げる熱処理工程が必要となる。
本発明は、切断工程の前に、後述する電磁波による熱処理工程を有することを特徴とする。
従来、ポッティング部の加温方法として、乾燥機等を利用する方法(熱風加熱)が用いられてきた。しかしながら、熱風乾燥による熱処理では、被加熱物は外側から温まり始め内部まで温まるには時間がかかる。特に、高流量化要求を満たす大容量タイプの中空糸膜モジュールでは、径が大きくなり加温時間がより長期化する。そのため、作業効率の観点からマイナス要素となる。また、加温時間が長期化すると硬化も進み、加温により一度下がった硬度が、上昇し、切断時の負荷は加温しない場合よりも大きくなってしまう場合もあった。同様に、加温時間を短くし、外部と内部に温度斑がある状態で強制的に切断した場合も、温まっていない熱硬化性樹脂の硬い部分を切断することで負荷が大きくなり剥離が発生したり、中空糸膜の開口端面が滑らかにならず膜がつぶれたりする問題があった。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
(硬度測定方法)
ポッティング材の熱処理工程前の硬度は、以下の方法で実施した。
まず、エポキシ樹脂成分(a)として、p−アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「jER630」)、エポキシ樹脂成分(b)として、ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(東レ・ファインケミカル(株)製「フレップ60」)、エポキシ樹脂成分(c)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「jER828」)、硬化剤として、芳香族ポリアミン系硬化剤(エアープロダクスジャパン(株)製「アンカミンLVS」)を表1に示す配合で混合、脱泡し、ポッティング材用のエポキシ樹脂組成物を調製した。次いで、該エポキシ樹脂組成物を2mm厚のスペーサを液密に挟んだ一対のガラス板間に注入して、エポキシ樹脂組成物からなる未硬化の樹脂板を作製し、これを40℃で4時間加温して硬化させた。その後、室温で一晩放置し、硬化した樹脂板を50mm×10mm×2mmにカットし、試験片とした。この試験片に硬度計を刺し、樹脂の硬度(ASTM Shore D)を測定した。
また、ポッティング材の熱処理工程後の硬度は、前記工程で得た試験片を熱処理(マイクロ波で、2450MHz×60秒処理)した後、前記同様に測定した。
<実施例1>
下記仕様にて中空糸膜モジュールを作製した。
中空糸膜:三層複合膜(気体透過性の均質層と、該均質層を挟み込む多孔質支持層とか
らなる三菱レイヨン製の気体透過性複合膜)
モジュールケース:内径φ63mm、長さ212mm
モジュールケース材質:ポリエチレン
ポッティング材:エポキシ樹脂 樹脂注入量78mL/片端
(表1記載の配合比で調製したエポキシ樹脂組成物を使用)
樹脂硬度:マイクロ波加熱前 ASTM Shore D72
ポッティング部切断前 ASTM Shore D28
(中空糸膜モジュール製造)
三層膜構造の中空糸膜(三菱レイヨン製MHF200SD)を用いて中空糸膜束を集束固定し、モジュールケース内に挿入した。そして、遠心型のポッティング注入装置にてエポキシ樹脂をモジュールケース端部に注入し硬化させ、片端ずつポッティング部を得た。ポッティング後、室温で一日間静置し、樹脂を硬化させた。その後、マイクロ波で2450MHz×60秒加温し、ポッティング部のエポキシ樹脂を熱処理した。
その後、ギロチン刃を用いて、ポッティング端部を切断し、中空糸膜の開口端面を形成した(切断時ASTM Shore D28)。この時、切断時に温度センサーでポッティング部の表面温度を測定したところ、中心部まで温度斑なく、加温されていた。
これにより得られた中空糸膜モジュールの開口端面は、中空糸膜が潰れることなく切断されており、また、ポッティング材とモジュールケース内面の剥離も確認できなかった。
<比較例1>
熱処理工程しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で中空糸膜モジュールを作成した。
しかし、ポッティング工程後、ポッティング部をギロチン刃で切断しようとしたところ、ポッティング部の硬度が大きく切断できなかった(切断時ASTM Shore D72)。
<比較例2>
マイクロ波による熱処理の代わりに、熱風乾燥(80℃の乾燥機へ60分投入)したこと以外は、実施例1と同様の方法で中空糸膜モジュールを作成した。
しかし、ポッティング工程後、ポッティング部をギロチン刃で切断したところ、開口端面がガラス状(脆性破壊)になっていた(切断時ASTM Shore D49)。
熱処理工程に電磁波を用いた実施例1は、ポッティング材が、短時間、かつ、均一に加温されているため、開口端面に中空糸膜の潰れや、ポッティング材とモジュールケース内面の剥離も確認できず、良好に中空糸膜モジュールを切断することができた。一方、熱処理工程を行わなかった比較例1は、切断不可能であり、また、従来技術の熱風乾燥方法を用いた比較例2は、開口端面がガラス状(脆性破壊)になっていた。
以上より、本発明を用いることで、中空糸膜の潰れや、ポッティング材とモジュールケース内面の剥離を抑制し、リークのない中空糸膜モジュールを効率的に(歩留まりよく)製造することができた。

Claims (5)

  1. 下記工程(a)〜(c)を含む、中空糸膜モジュールの製造方法。
    (a)熱硬化性樹脂を用いて中空糸膜の端部を集束固定する、ポッティング工程
    (b)前記工程(a)で得られた中空糸膜モジュールを電磁波で加熱する、熱処理工程
    (c)前記工程(c)で得られた中空糸膜モジュールを切断する、切断工程
  2. 前記電磁波がマイクロ波である、請求項1記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  3. 前記熱硬化性樹脂の前記工程(b)前の硬度がASTM Shore D50以上100以下である、請求項1又は2記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  4. 前記工程(b)により、前記熱硬化性樹脂の硬度をASTM Shore D10以上50未満に調整する、請求項1〜3の何れか一項に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  5. 前記中空糸膜モジュールのサイズが内径20mm以上である、請求項1〜4の何れか一項記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
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