JP2016211352A - 建築物構造、及び排水構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数階からなる建築物の最下階において、水廻り器具を所望の位置に配置可能なフリープランを実現可能とする建築物構造を提供すること。【解決手段】最下階である1階住戸16の室内に、後から設置される水廻り器具74からの排水を水平方向に流し、1階住戸16のスラブ22の上部に設置される横引き管76Aに連通されて、横引き管76Aからの排水を下方に落下させて排出する竪管76Bを貫通可能とする孔78を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、建築物構造、及び排水構造に関する。
近年、従来の勾配排水システムに代わるものとして、所謂サイホン排水システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。サイホン排水システムは、特許文献1に記載されるように、水廻り器具にサイホン排水管を接続し、サイホン排水管の垂下部をなす竪管にて発生するサイホン力(負圧力)を利用して、水廻り器具からの排水効率を向上させるシステムである。
このサイホン排水システムにおいては、水廻り器具から排出された排水はサイホン排水管に流入し、サイホン排水管の水平部をなす横引き管及びサイホン排水管の垂下部をなす竪管を満たす。サイホン排水管の竪管が排水で満たされると、竪管内の排水は重力により落下し、竪管の内部に竪管における水頭差に対応する吸引力、即ちサイホン力が発生する。横引き管内の排水は、前記サイホン力によって竪管に向かって吸引され、サイホン排水管内が排水で満たされる所謂満流流れとなってサイホン排水管内を流下する。
複数階の集合住宅においては、水廻り器具が居住階の専有スペースに設置されている。集合住宅におけるサイホン排水システムでは、水廻り器具からの排水は、例えば、専有スペースの下側のスラブ上に配設された横引き管を通過した後、室外の共有スペースであるパイプスペースのスラブに形成された貫通孔から下階のスラブ付近まで垂下された竪管を通過して立て管に排出される。
特開2008−63763号公報
サイホン排水システムでは、竪管における水頭差に相当する竪管の長さ、及び横引き管の長さによって、一定時間当たりの流量が決まる。竪管の長さが長くなればサイホン力が大きくなるので一定時間当たりの流量は大きくなり、横引き管の長さが長くなると抵抗が大きくなって一定時間当たりの流量が低下する。仮に、竪管の長さを上下階のスラブの間隔と同等に設定すれば、一般的な集合住宅においては、水廻り器具が部屋のどの位置にあっても、一定時間当たりの流量は確保可能である。また、竪管の配置される箇所は、パイプスペースであるため、竪管を更に長くすることも可能である。このため、2階以上の居住階においては、新築時において、水廻り器具を室内の所望の位置に配置できるフリープランが可能であり、リニューアル時においても、フリープランが可能である。
一方、複数階の集合住宅においては、1階等の最下居住階の下側に、地下ピットが設けられている。地下ピットは、上下方向の寸法が居住階に比較して低いため、2階以上の居住階の様に十分な長さの竪管を用いることができない。このため、従来では、最下居住階においては、サイホン排水システムを用いず、従来一般の集合住宅と同様に、スラブ上に勾配配管に配設し、勾配配管に水廻り器具からの排水を流す勾配排水システムを適用することが考えられており、フリープランが可能であった。
このため、最下居住階を勾配排水システム、その上階をサイホン排水システムとした集合住宅は、新築時においては、全てのフロアでフリープランの対応が可能であった。
ところで、全フロアにサイホン排水システムを適用しようとすると、前述した様に、最下居住階においては、スラブの下側が地下ピットとなっているため、竪管の長さが2階以上の居住階の様に長くすることができない。サイホン排水システムでは、竪管の長さによって一定時間当たりの流量が決まるため、例えば、竪管の長さを上階の様に十分に確保できない場合、上階の竪管を用いた場合と同様の一定時間当たりの流量を確保するには、排水時の抵抗を少なくするために、横引き管の長さを上階のものに比較して短くする必要がある。
このため、新築時では、例えば、室外のパイプスペースやメーターボックス等に配置された竪管からの距離が短い範囲内では、所望の一定時間当たりの流量、即ち、2階以上の階と同等の一定時間当たりの流量を確保しつつ、水廻り器具の自由なレイアウト、即ちフリープランは有る程度は可能であった。なお、竪管は、建物の中に配置される場合以外に、建物の外側、例えば外壁に沿って配置される場合もある。
しかしながら、全フロアにサイホン排水システムを導入した集合住宅において、最下居住階をリニューアルして室外のパイプスペースに配置された竪管から遠く離れた位置に水廻り器具を配置しようとすると、竪管が短く、かつ横引き管が長くなってしまうので一定時間当たりの流量が不足する問題が生じる。したがって、最下居住階をリニューアルする場合、水廻り器具の配置に制限があり、フリープランが実現できなかった。
本発明は上記事実を考慮し、複数階からなる建築物の最下階において、水廻り器具を所望の位置に配置可能なフリープランを実現可能とする建築物構造、及び排水構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の建築物構造は、複数階からなる建築物の最下階の上方に位置する上階の室内に設置される水廻り器具からの排水を水平方向に排水し、前記上階の下部を構成する第1のスラブの上部に設置される第1の横引き管と、前記上階の室外に配置され、前記第1の横引き管に連通されて前記第1の横引き管からの前記排水を下方に落下させて排水する第1の竪管と、前記最下階の室内に設置される水廻り器具からの排水を水平方向に流す第2の横引き管に連通されて前記第2の横引き管からの前記排水を下方に落下させて排出し、かつ前記第1の竪管よりも短く設定された第2の竪管を貫通可能とする貫通可能部が設けられ、前記最下階の下部を構成する第2のスラブと、を備えている。
請求項1に記載の建築物構造では、最下階の下部を構成する第2のスラブに貫通可能部が設けられている。このため、この貫通可能部に、第2のスラブの上部に設置される第2の横引き管に連通されて、第2の横引き管からの排水を下方に落下させて排出する第2の竪管を貫通させることができる。
最下階の上方に位置する上階においては、上階の下部を構成する第1のスラブの上部に、上階の室内に設置される水廻り器具からの排水を水平方向に排水する第1の横引き管が設置されており、上階の室外には、第1の横引き管に連通されて第1の横引き管からの排水を下方に落下させて排水する第1の竪管が配置されている。
上階の室内に設置される水廻り器具からの排水は、第1の横引き管、及び第1の竪管を流れる。ここで、第1の竪管が排水で満たされると、第1の竪管内の排水は重力により落下し、第1の竪管の内部に第1の竪管における水頭差に対応する吸引力、即ちサイホン力が発生する。サイホン力が発生すると、第1の横引き管内の排水は、サイホン力によって第1の竪管に向かって吸引され、第1の横引き管、及び第1の竪管内が排水で満たされる所謂満流となって第1の横引き管、及び第1の竪管内を流下する。また、第1の横引き管、及び第1の竪管の一定時間当たりの流量は、第1の竪管の長さ、及び第1横引き管の長さ、即ち、第1の竪管で得られるサイホン力と、第1の横引き管の流路の抵抗とで決めることができる。
ここで、第1の竪管の長さを、第1の竪管の配置されている位置から、第1の横引き管の配置されている上階における最も遠い部分に配置される水廻り器具の排水を効率的に排出可能な長さに設定することで、第1の横引き管の配置されている上階においては、水廻り器具を上階のどの位置に配置しても効率的な排水を行うことができ、水廻り器具の配置位置に制限が無くなる。即ち、最下階の上方に位置する上階においては、水廻り器具の配置位置が自由となるフリープランが可能となる。
上階の水廻り器具からの排水を流す第1の竪管は、室外に設けられているため、所望のサイホン力を発生させるために必要とされる長さを最下階に関係なく確保することができる。しかしながら、最下階の下方、即ち、第2のスラブの下方、及び室外の下方に、上階の第1の竪管の長さと同様な上下方向の長さ、即ち、高さを有するスペースを設けることが困難であるため、上階と比較して第2の竪管の長さが短くなり、サイホン力が弱くなる。したがって、最下階において上階と同様な一定時間当たりの流量を得るには、第2の横引き管の長さを上階の第1の横引き管に比較して短くして抵抗を小さくせざるを得ない。第2の横引き管の長さを上階の第1の横引き管に比較して短くすると、水廻り器具の配置が自由に出来なくなる。
請求項1に記載の建築物構造では、第2の竪管によるサイホン力が上階の第1の竪管によるサイホン力よりも弱くても、最下階の第2のスラブに第2の竪管を貫通する貫通可能部を設けているため、貫通可能部に第2の竪管を貫通し、最下階の所望の位置に配置した水廻り器具とを上階の第1の横引き管よりも短くて第1の横引き管よりも抵抗の小さな第2の横引き管で連結することができ、第2の竪管と第2の横引き管とで上階と同様な一定時間当たりの流量を得ることが可能となる。したがって、最下階においても、水廻り器具の配置位置が自由となるフリープランが可能となる。
請求項2に記載の排水構造は、請求項1に記載の建築物構造と、前記第2の横引き管と、室外、及び前記貫通可能部の少なくとも一方に配置されている前記第2の竪管と、を備えている。
第2の竪管が、室外に配置されている場合には、水廻り器具からの排水は、第2の横引き管、及び室外に設けられた第2の竪管を介して、例えば、室外の排水管等に排出することができる。
一方、第2の竪管が、貫通可能部に配置されている場合には、水廻り器具からの排水は、第2の横引き管、及貫通可能部を貫通した第2の竪管を介して、例えば、第2のスラブの下方に設置された排水管等に排出することができる。
なお、請求項2に記載の排水構造は、室外に配置された第2の竪管と、貫通可能部を貫通させた第2の竪管の両方を備えていても良い。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の排水構造において、前記第2の竪管と前記第2の横引き管との間に、前記第2の横引き管の水平方向の向きを変更可能とする向き変更部が設けられている。
請求項3に記載の排水構造では、第2の竪管と第2の横引き管との間に、第2の横引き管の水平方向の向きを変更可能とする向き変更部が設けられているため、第2の横引き管を曲げることなく、第2の横引き管の水平方向の向きを自由に変更することができる。
以上説明したように本発明の建築物構造、及び排水構造によれば、複数階からなる建築物の最下階において、水廻り器具を所望の位置に配置可能なフリープランを実現可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る建築物構造が適用された集合住宅を示す断面図である。 1階住戸を示す平面図である。 他の実施形態に係る1階住戸を示す平面図である。 閉塞された孔を示すスラブの断面図である。 第2の実施形態に係る建築物構造の要部を示す断面図である。 第3の実施形態に係る建築物構造の要部を示す断面図である。 第3の実施形態に係る建築構造物の1階住戸を示す平面図である。 他の実施形態に係る建築物構造が適用された集合住宅を示す断面図である。
[第1の実施形態]
図1、及び図2を用いて、本発明の第1の実施形態に係る建築物構造について説明する。図1には、コンクリート等で形成された躯体10を有する複数階からなる集合住宅12の共有スペースとしての地下ピット14、1階の専有スペースとしての1階住戸16、及び2階の専有スペースとしての2階住戸18の一部、及び共有スペースとしてのパイプスペース(PS)20が断面図にて示されている。この集合住宅12には、各階の排水を行う排水構造11が適用されている。
なお、集合住宅では、一般的に専有スペースと共用スペースとがある。一例として、専有スペースとは、集合住宅の一般的な区分所有の考えによる個々の住戸の居住者によって専有されるスペースのことであり、共用スペースとは、個々の住戸の居住者によって共用されるスペースのことである。
パイプスペース20には、各階のパイプスペース20のスラブ22を貫通するように排水立て管24が配設されている。排水立て管24の中間部分には、パイプスペース20のスラブ22の上面付近に合流継手26が設けられている。本実施形態では、合流継手26の下端部分が、スラブ22の孔28に挿入されるように配置されている。なお、パイプスペース20は、各住戸の室外となる。
地下ピット14では、排水立て管24の下端が、合流継手30、継手32を介して下水(図示せず)に繋がる排水横主管34の端部に接続されている。また、地下ピット14には、1階住戸16の下側に排水管36が新築時に予め配設されており、排水管36の1階住戸16側の端部には、継手38が取り付けられている。本実施形態においては、継手38の上端部が図示しないキャップで閉塞されている。一方、排水管36のパイプスペース20側の端部は、継手40、継手42等を介して排水横主管34の中間部に接続されている。
1階住戸16のスラブ22の上には、間隔をあけて床パネル44が配置されている。なお、1階住戸16においては、床パネル44の上側に壁パネル46、及び天井パネル48等が配置されている。なお、2階住戸18、及び3階以上の住戸においても、1階住戸16と同様の構成となっている。本実施形態では、1階住戸16のスラブ22に、後述するサイホン排水管76の竪管76Bを挿通させるための孔78が新築時に予め形成されている。
本実施形態では、1階住戸16において、パイプスペース20寄りの床パネル44又はスラブ22の上に、水廻り器具50が設置されている。水廻り器具50は、排水を行う器具のことであり、例えば、台所流し、洗面台、洗濯機、ユニットバス等の風呂、トイレ等を挙げることができるが、他のものであっても良い。水廻り器具50には、サイホン排水管52の横引き管52Aが接続されている。この横引き管52Aは、1階住戸16のパイプスペース20側の間のコンクリート壁56に形成された横孔58を挿通してパイプスペース20に到達している。サイホン排水管52の竪管52Bは、パイプスペース20のスラブ22に形成された縦孔60を介して垂下され、地下ピット14に配置された継手62を介して排水立て管24の下端に接続された合流継手30に連結されている。なお、本実施形態では、1階住戸16のサイホン排水管52の横引き管52Aの長さがL、竪管52Bの長さがHとされている。
また、2階住戸18においては、床パネル44の上に、水廻り器具64が設置されている。水廻り器具64には、サイホン排水管66の横引き管66Aが接続されている。この横引き管66Aは、2階住戸18のパイプスペース20側の間のコンクリート壁56に形成された横孔68を挿通してパイプスペース20に到達している。サイホン排水管66の竪管66Bは、2階のパイプスペース20のスラブ22に形成された縦孔70を介して垂下され、1階のパイプスペース20に配置された継手72を介して排水立て管24に接続された合流継手26に連結されている。なお、本実施形態では、2階住戸18(及び3階以上の住戸)のサイホン排水管66の横引き管66Aの長さがL、竪管66Bの長さがHとされている。
2階住戸18では、竪管66Bの配置されている位置(縦孔70の位置)から、2階住戸18の室内の最も遠い位置に配置した水廻り器具64に向けて横引き管66Aを配置した場合でも、該水廻り器具64の排水を、予め設定した一定時間当たりの最低の流量(下限値)を上回り、効率的に排出が可能なように、竪管66Bの長さH(竪管66Bの水頭差に相当)が設定されている。
ここで、1階住戸16のサイホン排水管52の横引き管52Aの長さL、竪管52Bの長さH、2階住戸18のサイホン排水管66の横引き管66Aの長さL、竪管66Bの長さHの関係は、H<H、L とされている。なお、1階住戸16のサイホン排水管52の一定時間当たりの流量が、2階住戸18のサイホン排水管66の予め設定した一定時間当たりの最低の流量(下限値)を上回るように(即ち、必要最低限の一定時間当たりの流量は得られるように)、横引き管52Aの長さL、及び竪管52Bの長さHが設定されている。なお、竪管52Bの長さHは、地下ピット14の高さ、及びスラブ22の厚さに制限を受けるが、可能な限り長くとることが好ましい。
(作用、効果)
2階住戸18の室内に設置される水廻り器具64からの排水が、サイホン排水管66の横引き管66A、及び竪管66Bを流れ、竪管66Bの一部が排水で満たされ所謂満流となると、竪管66B内の排水は重力により落下し、竪管66Bの内部に竪管66Bにおける水頭差(竪管66Bの長さHに相当)に対応するサイホン力が発生する。
横引き管66A内の排水は、サイホン力によって竪管66Bに向かって吸引され、横引き管66A、及び竪管66B内が排水で満たされる満流流れとなって横引き管66A、及び竪管66Bを流下し、水廻り器具64からの排水が、排水立て管24へ排出される。
2階住戸18では、2階住戸18の室内の最も遠い位置に配置した水廻り器具64に向けて横引き管66Aを配置した場合でも、該水廻り器具64からの排水の流量、即ち、2階住戸18のサイホン排水管66の予め設定した一定時間当たりの最低の流量(下限値)を上回るように、竪管66Bの長さH(竪管66Bの水頭差に相当)が設定されているため、新築時、及びリニューアル時の何れの場合でも、水廻り器具64を室内のどの位置にも配置することできる。即ち、2階住戸18では、新築時、及びリニューアル時の何れの場合でもフリープランが実現できる。
一方、1階住戸16において、室内に設置される水廻り器具50からの排水がサイホン排水管52の横引き管52A、及び竪管52Bを流れ、竪管52Bが排水で満たされると、竪管52B内の排水は重力により落下し、横引き管52Aの内部に竪管52Bにおける水頭差(竪管52Bの長さHに相当)に対応するサイホン力が発生する。
横引き管52A内の排水は、サイホン力によって竪管52Bに向かって吸引され、横引き管52A、及び竪管52B内が排水で満たされる満流流れとなって横引き管52A、及び竪管52Bを流下し、水廻り器具50からの排水が、排水立て管24へ排出される。
1階住戸16の竪管52Bの長さHは、2階住戸18の竪管66Bの長さHよりも短いが、2階住戸18の予め設定した一定時間当たりの最低の流量(下限値)を上回るように、横引き管52Aの長さLが竪管52Bの長さHに応じて設定されているので、1階住戸16も2階住戸18と同様に効率的な排水が行われる。
ここで、1階住戸16をリニューアルする際、新たな水廻り器具74を、リニューアル前の水廻り器具50とは異なる位置に配置することが考えられる(なお、リニューアル前の水廻り器具50を用いて、位置を変更する場合も考えられる。)。図1の2点鎖線で示すように、新たな水廻り器具74をパイプスペース20から離れた位置に設置しようとした場合、横引き管52Aの長さLを長くすれば設置自体は可能であるが、横引き管52Aの長さLを長くすると横引き管52Aの抵抗が増え、1階住戸16の一定時間当たりの流量が、2階住戸18の予め設定した一定時間当たりの最低の流量(下限値)よりも低下してしまう。
このような場合には、新たなサイホン排水管76を床下に設置し、新たなサイホン排水管76の竪管76Bを、新築時の1階住戸16のスラブ22に予め形成しておいた孔78に通し、竪管76Bの下端を新築時に予め配設しておいた排水管36の継手38に接続する。なお、竪管76Bの長さHは、地下ピット14の高さに制限を受けるため、竪管52Bの長さHと同等に設定されている。また、サイホン排水管76の横引き管76Aの長さLは、リニューアル前のサイホン排水管52と同様に、予め設定した一定時間当たりの最低の流量(下限値)は上回るように設定される。
本実施形態では、1階住戸16の室内の何れの位置にも新たな水廻り器具74を設置できるように、図2に示すように、長さLの横引き管52A(図2では図示せず)が届かない範囲A(右上がり斜線部分)を、長さLの横引き管76A(図2では図示せず)がカバーできるように、竪管76Bを通す孔78の位置が室内の略中央部に形成されている。
このように、本実施形態の排水構造11では、1階住戸16のスラブ22に、後から配置するサイホン排水管76の竪管76Bを通す孔78が形成されているので、リニューアル時において、新たにサイホン排水管76を設置すれば、新たな水廻り器具74を室内の自由な位置に配置すること、即ち、フリープランが実現可能となる。因みに、孔78から半径Lの円内であれば、新たな水廻り器具74を設置できる。
ところで、建築後のスラブ22に、後加工で孔を形成することは、スラブの強度低下等を招く虞があるため好ましくない。本実施形態では、新築時のスラブ22に予め孔78を形成しているので、スラブ22の強度が確保される。
なお、孔78の位置は、図2に示すように、1階住戸16の略中央部に形成することに限らず、例えば、図3に示すように、中央部から外れた位置に形成しても良い。図3に示す例においても、リニューアル時において、新たにサイホン排水管76を設置すれば、新たな水廻り器具74を室内の自由な位置に配置すること、即ち、フリープランが実現可能となる。因みに、図3に示す例においても、孔78から半径Lの円内であれば、新たな水廻り器具74を設置できる。
本実施形態では、予め形成しておいた孔78が地下ピット14の空間と1階住戸16の床下の空間とを連通している状態であったが、後から簡単に竪管76Bを挿通できれば良く、孔78を取り外し可能な蓋、薄いコンクリート等で塞いでも良い。例えば、図4に示すように、孔78の上端側、及び下端側を薄いモルタル80で塞ぎ、中間部に砂等の耐火材82を充填する構造としても良い。竪管76Bを挿通する際、薄いモルタル80の破壊は容易であり、簡単に孔78を貫通させることができる。
[第2の実施形態]
次に、図5を用いて、本発明の第2の実施形態に係る建築物構造11について説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。図5に示すように、本実施形態では、竪管76Bの上端に、回転継手84が設けられている。回転継手84は、下方に延びる第1の接続部86と、水平方向に延びる第2の接続部88とを備え、第1の接続部86に竪管76Bが接続され、第2の接続部88に横引き管76Aが接続される。また、第2の接続部88は、第1の接続部86の軸心86C周りに360度回転可能となっている。本実施形態では、竪管76Bと孔78との間に充填材92が詰められており、竪管76Bがスラブ22に固定されている。
本実施形態では、サイホン排水管76の横引き管76Aが回転継手84を介して竪管76Bに接続しているため、横引き管76Aを曲げることなく、横引き管76Aの水平方向の向きを自由かつ、容易に変更できる。
また、本実施形態では、横引き管76Aの向きを変えるために横引き管76Aを曲げる必要が無くなるので、新たな水廻り器具74と竪管76Bとを直線状の横引き管76Aで最短距離で連結することができる。このため、横引き管76Aの抵抗を無用に増やすことがない。
本実施形態では、横引き管76Aと竪管76Bとを回転継手84を介して接続したが、曲げが容易なフレキシブル管を介して横引き管76Aと竪管76Bとを接続しても良い。フレキシブル管(図示省略)を曲げることで、横引き管76Aを曲げることなく、横引き管76Aの水平方向の向きを自由かつ、容易に変更できる。
[第3の実施形態]
次に、図6、及び図7を用いて、本発明の第3の実施形態に係る建築物構造11について説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
本実施形態に係る建築物構造では、図6、及び図7に示すように、スラブ22に形成された孔78に、サイホン排水管94、及びサイホン排水管96が挿通されている。本実施形態では、孔78が、1階住戸16の中央部に形成されている。なお、サイホン排水管94の外周面、及びサイホン排水管96の外周面と孔78の内周面との間の隙間は、モルタル80等が充填されている。
サイホン排水管94は、竪管94Bが排水管36の継手38に接続されており、横引き管94Aが水廻り器具50に接続されている。
一方、サイホン排水管96は、リニューアル時等に用いる予備のサイホン排水管であり、気流や、臭気等の通過を防止する目的に、上流側端部、及び下流側端部の少なくとも一方は、図示しないキャップで閉塞されるのが望ましい。
サイホン排水管94は、横引き管94Aが竪管94Bの上端から図面左側へ向いており、横引き管94Aの長さが、竪管94Bから1階住戸16の図面左側の隅までの距離よりも大とされたLとされている。図7の2点鎖線で示すように、横引き管94Aを所定の曲げで敷設した場合、横引き管94Aの上流側端部は、図7の右上がりの斜線が記載された1階住戸16の略左半分の領域Aに到達可能となっている。新築時において、サイホン排水管94に接続される水廻り器具50が領域A内に配置されるため、横引き管94Aが竪管94Bの上端から図面左側へ向いている。
一方、予備のサイホン排水管96は、横引き管96Aが竪管96Bの上端から図面右側に向いており、横引き管96Aの長さが、竪管96Bから1階住戸16の図面右側の隅までの距離よりも大とされたLとされている。横引き管96Aはスラブ22上である程度湾曲可能であり、横引き管96Aの上流側端部は、図7の左上がりの斜線が記載された1階住戸16の略右半分の領域Bにも到達可能となっている。
なお、本実施形態では、横引き管96Aの長さが、予め、竪管96Bから1階住戸16の図面右側の隅までの距離よりも大とされたLとしたが、本発明はこれに限らず、新築時に予備のサイホン排水管96が予めスラブ22に形成された孔78に挿通されていれば良く、図6に示すように、横引き管96Aは、端部96AEまでの長さがLよりも短いLであってもよい。なお、横引き管96Aの長さLは特に制限は無く任意である。リニューアル時に予備のサイホン排水管96を用いる場合であって、新たに配置する水廻り器具まで予備のサイホン排水管96が到達しない場合には、長さLとした横引き管96Aに新たな排水管を接続して延長すれば良い。
このように、本実施形態の排水構造11では、1階住戸16のスラブ22の孔78に、新築時に用いるサイホン排水管94、及びリニューアル時等に用いることのできる予備のサイホン排水管96が挿通されているので、サイホン排水管94が届かない位置に水廻り器具50、または新たな水廻り器具を配置する場合には、予備のサイホン排水管96の竪管96Bを排水管36の継手38に接続し、予備のサイホン排水管96の横引き管96Aを水廻り器具50、または新たな水廻り器具に接続することで、水廻り器具50、または新たな水廻り器具を1階住戸16の室内の自由な位置に配置すること、即ち、フリープランが実現可能となる。
なお、本実施形態では、新築時に、コンクリート壁56に形成された横孔58を貫通したサイホン排水管52を用いなかったが、横孔58を貫通したサイホン排水管52を用いても良い。また、本実施形態ではスラブ22の孔78に、2本のサイホン排水管を挿通しておいたが、3本以上のサイホン排水管を挿通させておいても良い。
[その他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
上記実施形態では、本発明の建築物構造を集合住宅に適用した例を説明したが、本発明はこれに限らず、本発明の建築物構造は、商業施設等、集合住宅以外の建築物に適用することもできる。
例えば、水廻り器具64が台所シンクである場合、水廻り器具64にディスポーザが取り付けられていても良い。上記実施形態の排水構造11では、1階、2階に関わらず、十分な一定時間当たりの流量を有しているので、ディスポーザから排出される粉砕物を排水と共に確実に排水立て管24に排出することができる。
上記実施形態では、リニューアル前の1階住戸16においては、スラブ22の孔78を使用せず、コンクリート壁56に形成された横孔58を挿通させたサイホン排水管52を用いてパイプスペース20の近傍に配置された水廻り器具50の排水を行ったが、図8に示すように、新築時に、横孔58を図示しない蓋等で塞いでおき、スラブ22の孔78を挿通させたサイホン排水管52を用いて水廻り器具50の排水を行う事もできる。
上記実施形態では、1階住戸16のスラブ22に形成される孔78の数が1個であったが、必要に応じて複数個設けることもできる。孔78を予め複数形成しておくことで、1階住戸16が広い面積を有していても十分に対応することができる。
上記実施形態では、1階住戸16が最下居住階であったが、最下居住階は1階以外の場合もある。
なお、地下ピット14は居住空間ではないため、例えば、1m程度の高さ等、高さは必要最小限あれば良い。
上記実施形態では、最下居住階である1階住戸16の下側のスペースが地下ピット14であったが、最下居住階の下側のスペースは、駐車場、物置等、地下ピット14以外の場合もある。
10…躯体、22…スラブ(第1のスラブ、第2のスラブ)、64…水廻り器具、66A…(横引き管)第1の横引き管、66B…竪管(第1の竪管)、76A…横引き管(第2の横引き管)、76B…竪管(第2の竪管)、78…孔(貫通可能部)、84…回転継手(向き変更可能部)、

Claims (3)

  1. 複数階からなる建築物の最下階の上方に位置する上階の室内に設置される水廻り器具からの排水を水平方向に排水し、前記上階の下部を構成する第1のスラブの上部に設置される第1の横引き管と、
    前記上階の室外に配置され、前記第1の横引き管に連通されて前記第1の横引き管からの前記排水を下方に落下させて排水する第1の竪管と、
    前記最下階の室内に設置される水廻り器具からの排水を水平方向に流す第2の横引き管に連通されて前記第2の横引き管からの前記排水を下方に落下させて排出し、かつ前記第1の竪管よりも短く設定された第2の竪管を貫通可能とする貫通可能部が設けられ、前記最下階の下部を構成する第2のスラブと、
    を備えた建築物構造。
  2. 請求項1に記載の建築物構造と、
    前記第2の横引き管と、
    室外、及び前記貫通可能部の少なくとも一方に配置されている前記第2の竪管と、
    を備えた排水構造。
  3. 前記第2の竪管と前記第2の横引き管との間に、前記第2の横引き管の水平方向の向きを変更可能とする向き変更部が設けられている、請求項2に記載の排水構造。
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