JP2016211000A - 水性加工液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ワイヤーソーによる脆性材料切断時に用いる水性加工液であって、水溶性高分子を配合してなり、前記水溶性高分子の質量平均分子量が3×103以上、6×105以下であり、当該水性加工液の25℃における粘度が1.5mPa・s以上、15Pa・s以下であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
遊離砥粒方式に用いられる加工液としては、例えば、摩擦係数低下剤および防錆力補助剤などが含まれる水溶性の加工液がある。この加工液に含まれる摩擦係数低下剤としては、不飽和脂肪酸が用いられ、防錆力補助剤としては、ベンゾトリアゾールが用いられる(特許文献1参照)。このような遊離砥粒方式では、ワイヤーが太い場合、切代が大きくなるため、切粉が多く生じシリコンインゴットの切断における歩留まりが悪化する。また、ワイヤーは、使用するにつれて削れていくため、ワイヤー自体を細くするには限界がある。従って、今後大幅な増産が期待される太陽電池用などのシリコンウェハの製造においては、遊離砥粒方式では生産性に問題がある。
一方、固定砥粒方式に用いられる加工液としては、例えば、グリコール類を含有させた水溶性加工液が知られている(特許文献2、3参照)。このような固定砥粒方式によれば、あらかじめワイヤーに砥粒を固定するため、ワイヤーを細くすることができ、切粉を少なくできるので生産性に優れる。
(1)ワイヤーソーによる脆性材料切断時に用いる水性加工液であって、水溶性高分子を配合してなり、前記水溶性高分子の質量平均分子量が3×103以上、6×105以下であり、当該水性加工液の25℃における粘度が1.5mPa・s以上、15Pa・s以下であることを特徴とする水性加工液。
(2)上述の(1)に記載の水性加工液において、前記ワイヤーソーが固定砥粒ワイヤーソーであることを特徴とする水性加工液。
(3)上述の(2)に記載の水性加工液において、前記固定砥粒ワイヤーソーにおけるワイヤー線径がφ0.2mm以下であることを特徴とする水性加工液。
(4)上述の(1)から(3)までのいずれか1つに記載の水性加工液において、前記水溶性高分子の配合量が当該加工液全量基準で0.5質量%以上、40質量%以下である
ことを特徴とする水性加工液。
(5)上述の(1)から(4)までのいずれか1つに記載の水性加工液において、さらに、防錆剤、摩擦調整剤、消泡剤、金属不活性化剤、殺菌剤(防腐剤)、およびpH調整剤のうち少なくともいずれか1種を配合してなることを特徴とする水性加工液。
(6)上述の(1)から(5)までのいずれか1つに記載の水性加工液において、前記脆性材料がシリコンインゴットであることを特徴とする水性加工液。
従って、本加工液の主成分は水である。水としては、特に制限なく使用することができるが、好ましくは精製水が用いられ、特に脱イオン水が好ましい。水の配合量は、本加工液全量を基準として50質量%以上、99質量%以下であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、95質量%以下である。50質量%以上であることで、引火性が下がるため安全性が向上するとともに省資源化および環境面からも好ましい。上限については、他の成分の配合量との関係で99質量%以下とすることが好ましい。
なお、本加工液は、水溶性高分子等の成分を最初から必要な濃度で配合して調製してもよいが、いったん濃縮液(原液)を調製しておいて、使用時に希釈して使用してもよい。このような濃縮液としては、ハンドリング性の観点より体積倍率で2倍以上、160倍以下程度のものが好ましい。
この質量平均分子量が3×103以上であると増粘効果が向上するため、本加工液がワイヤーに付着しやすくなって加工間隙へ浸透し、砥粒の剥離を効果的に抑制できるようになるため切断速度をより速くできる。ただし、この質量平均分子量が6×105を超えると、せん断により分子鎖が切れやすくなり粘度低下が大きくなるおそれがある。それ故、このような高い分子量の水溶性高分子を配合した場合、適度な分子量の水溶性高分子を配合した場合にくらべて、たとえ同粘度の加工液であってもワイヤーによる切断精度が劣るようになる。
このような水溶性高分子としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸の金属塩(Na、K等)、(メタ)アクリル酸/マレイン酸共重合体あるいはその金属塩(Na、K等)、(メタ)アクリル酸/スルホン酸共重合体あるいはその金属塩(Na、K等)、ポリオキシエチレングリコールやポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、エチレン性不飽和モノマ−と酢酸ビニルとの共重合体をケン化したもの、および変性澱粉などが挙げられる。
防錆剤としては、アルキルベンゼンスルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。配合量としては、加工液全量基準で0.01質量%以上5質量%以下程度が好ましい。
摩擦調整剤は、砥粒の摩耗を抑制するために用いられる。摩擦調整剤としては、各種の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤としては、グリコール類などの非イオン界面活性剤が好適に挙げられる。配合量としては、加工液全量基準で0.01質量%以上5質量%以下程度が好ましい。
金属不活性化剤としては、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、チアジアゾール、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。配合量としては、加工液全量基準で0.01質量%以上5質量%以下程度が好ましい。
pH調整剤は、加工液のpHを3以上9以下の範囲に調整するために用いられる。pHが3未満であると、防錆性が悪化するおそれがあり、pHが9より高いとシリコンが腐食するおそれがある。このようなpH調整剤としては、酢酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸やその塩、リン酸などとその塩が挙げられる。
表1に示す配合組成の水性加工液(供試液)を調製し、以下に示す切断加工と評価を行った。評価結果も併せて表1に示す。
※2 質量平均分子量20,000のポリエチレングリコール
※3 質量平均分子量798,000のポリアクリル酸
固定砥粒ワイヤーソーに供試液を掛け流しながらシリコンインゴットを切断してシリコンウェハを得た。具体的な条件は、以下の通りである。
切断機:WSD−K2(タカトリ製)
ワイヤー:電着ダイヤモンドワイヤー(φ0.08mm 粒度8−16μm)
ワーク(インゴット):多結晶シリコン□125mm
張力:10N
線速:700m/min
新線供給量:0.2m/min
ワイヤー一定速時間:10s
ワイヤー加減速時間:3s
切断距離:133mm
上述の切断加工により得られたウェハの平坦度(TTV:Total Thickness Variation)および反り量(SORI)を測定した。
平坦度(TTV)とは、得られたウェハの厚みをダイヤルゲージで測定し、最大厚みと最小厚みの差であらわしたものである。本実施例では、ダイヤルゲージとしてミツトヨ製DIGIMATIC INDICATOR ID-C112CXを用いた。
反り量(SORI)とは、日本水晶デバイス工業会により制定された技術標準QIAJ−B−007(2000年2月10日制定)に規定された方法で測定されたパラメータであり、クランプされない状態のウェハのうねりを示し、ウェハの裏面に接する平面を基準平面として、その平面からのずれの最大値であらわしたものである。本実施例では、黒田精工製ナノメトロ440Fを用いて測定した。
また、加工液の粘度は、B型回転粘度計TVB−10(東機産業製)を用いて測定した。
実施例1〜6の供試液は、本発明所定の水溶性高分子を含み、供試液の粘度も所定の範囲であるので、切り出されたシリコンウェハの精度(TTVおよびSORI)に優れていた。また、ワイヤーの線径がφ0.08mmと極めて細いにもかかわらず、切断加工中の撓みが大幅に減少した。
一方、水溶性高分子が全く配合されていないイオン交換水100質量%を供試液とした比較例1では、切断途中でワイヤーが断線してしまった。比較例2は、供試液の粘度が高すぎるため、シリコンウェハの精度(TTVおよびSORI)が非常に悪い。また、比較例3は、供試液の粘度は所定の範囲であるが、配合された水溶性高分子の質量平均分子量が高すぎるため、やはりシリコンウェハの精度(TTVおよびSORI)が劣る。
Claims (6)
- ワイヤーソーによる脆性材料切断時に用いる水性加工液であって、
水溶性高分子を配合してなり、
前記水溶性高分子の質量平均分子量が3×103以上、6×105以下であり、
当該水性加工液の25℃における粘度が1.5mPa・s以上、15Pa・s以下である
ことを特徴とする水性加工液。 - 請求項1に記載の水性加工液において、
前記ワイヤーソーが固定砥粒ワイヤーソーである
ことを特徴とする水性加工液。 - 請求項2に記載の水性加工液において、
前記固定砥粒ワイヤーソーにおけるワイヤー線径がφ0.2mm以下である
ことを特徴とする水性加工液。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の水性加工液において、
前記水溶性高分子の配合量が当該加工液全量基準で0.5質量%以上、40質量%以下である
ことを特徴とする水性加工液。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の水性加工液において、
さらに、防錆剤、摩擦調整剤、消泡剤、金属不活性化剤、殺菌剤(防腐剤)、およびpH調整剤のうち少なくともいずれか1種を配合してなる
ことを特徴とする水性加工液。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の水性加工液において、
前記脆性材料がシリコンインゴットである
ことを特徴とする水性加工液。
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