JP2016210936A - 熱伝導性感圧接着性積層シート(f)、熱伝導性感圧接着性積層シート(f)の製造方法、及び、電子機器 - Google Patents

熱伝導性感圧接着性積層シート(f)、熱伝導性感圧接着性積層シート(f)の製造方法、及び、電子機器 Download PDF

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秀和 田中
拓朗 熊本
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拓朗 熊本
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【課題】低硬度かつ低圧縮応力で柔軟性及び形状追従性に優れ、さらにリワーク性にも優れる熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を提供する。【解決手段】(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)、及び、重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)0.2質量%以上3質量%以下、を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部と、シリコーン(S)を3質量部以上25質量部以下と、可塑剤(C)を30質量部以上100質量部以下と、熱伝導性フィラー(E)を300質量部以上700質量部以下と、を含む混合組成物をシート状に成形した後又はシート状に成形しながら、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び多官能性単量体(α2)の重合反応が行われてなる熱伝導性感圧接着層と、粘着性を有さない非粘着層と、を備えた熱伝導性感圧接着性積層シート(F)とする。【選択図】図1

Description

本発明は、熱伝導性感圧接着性積層シートとその製造方法、及び、該熱伝導性感圧接着性積層シートを備えた電子機器に関する。
近年、プラズマディスプレイパネル(PDP)、集積回路(IC)チップ等のような電子部品は、その高性能化に伴って発熱量が増大している。その結果、温度上昇による機能障害対策を講じる必要が生じている。一般的には、金属製のヒートシンク、放熱板、放熱フィン等の放熱体を電子部品等に備えられる発熱体に取り付けることによって放熱させる方法が採られている。発熱体から放熱体への熱伝導を効率よく行うためには、熱伝導性が高い、シート状の部材(熱伝導性シート)を発熱体と放熱体との間に挟むことが行われている。
上記のような熱伝導性シートの多くは、グラファイト、アルミニウム、熱伝導性フィラーを充填したシリコーン樹脂等の熱伝導材料(Thermal Interface Material;いわゆる「TIM」)から構成されている。TIMから構成される熱伝導性シートは、その材質上、表面が硬く、また、発熱体と放熱体との間に挟まれた際に生じる圧縮応力が高いことから、柔軟性及び形状追従性に劣り、発熱体又は放熱体に対する密着性が悪かった。そのため、発熱体と放熱体との間に挟んだときにシートにクラックが生じる場合や、本来期待されているほどの熱伝導性が得られない場合があった。
そこで、熱伝導性シート表面の硬度及び圧縮応力を低くし、柔軟性及び形状追従性を向上させることを目的として、熱伝導シートにリン酸エステル等の可塑剤を添加することが行われる。例えば特許文献1には、(メタ)アクリル系重合体(A)と、重合性単量体(B)と、可塑剤(C)を必須成分とする液状樹脂を含有する放熱材料用樹脂組成物であって、該液状樹脂の硬化物の硬度が5〜70であることを特徴とする放熱材料用樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、アクリル系エラストマーからなるバインダー樹脂に高熱伝導性化合物と金属水酸化物系難燃剤とリン酸エステル系可塑剤と架橋剤を配合してなる組成物を用いて熱成形するとともに上記バインダー樹脂を架橋することにより得られる難燃性放熱シートが開示されている。
特開2005−048124号公報 特開2006−176640号公報
しかしながら、特許文献1に記載の放熱材料用樹脂組成物を用いて作製した熱伝導性シート、及び、特許文献2に記載の熱伝導性シートにおいても、依然としてシート表面の硬度及び圧縮応力は高く、さらなる柔軟性及び形状追従性の向上が求められていた。
また、特許文献1及び2において、さらに可塑剤の量を増やすなどして単に硬度及び圧縮応力を低くした場合には、熱伝導性シートが使用時に千切れ易くなるという問題が生じる。熱伝導性シートには、固定ミス等が生じた場合でも貼り直しができる性質(以下、「リワーク性」という。)が要求されるが、上記柔軟性及び形状追従性とリワーク性とを両立させることは従来困難であった。
そこで本発明は、低硬度かつ低圧縮応力で柔軟性及び形状追従性に優れ、さらにリワーク性にも優れる熱伝導性感圧接着性積層シート(F)、並びに、その製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、粘着性を有さない基材上に、所定のアクリル樹脂、シリコーン、可塑剤、及び、熱伝導性フィラーを含む熱伝導性感圧接着層を積層した積層シートが、上記の要求特性を満足させ得ることを見出した。
すなわち、本発明の第1の態様は、熱伝導性及び感圧接着性を有する熱伝導性感圧接着層と、粘着性を有さない非粘着層と、を備えた熱伝導性感圧接着性積層シート(F)であって、熱伝導性感圧接着層が、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)、及び、重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)0.2質量%以上3質量%以下、を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部と、シリコーン(S)を3質量部以上25質量部以下と、可塑剤(C)を30質量部以上100質量部以下と、熱伝導性フィラー(E)を300質量部以上700質量部以下と、を含む混合組成物をシート状に成形した後、又はシート状に成形しながら、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)の重合反応が行われてなる層である、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)である。
本明細書中において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル、及び/又は、メタクリル」を意味する。また、「(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)の重合反応」とは、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)由来の構造単位をそれぞれ含む重合体を得る重合反応を意味する。
また、本明細書中において「熱伝導性フィラー」とは、添加することによって熱伝導性感圧接着層の熱伝導性を向上させることができ、自身の熱伝導率が0.3W/m・K以上であるフィラーを意味する。
本発明の第2の態様は、熱伝導性及び感圧接着性を有する熱伝導性感圧接着層と、粘着性を有さない非粘着層と、を備えた熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の製造方法であって、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)、及び、重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)0.2質量%以上3質量%以下、を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部と、シリコーン(S)を3質量部以上25質量部以下と、可塑剤(C)を30質量部以上100質量部以下と、熱伝導性フィラー(E)を300質量部以上700質量部以下と、を含む混合組成物を作製する混合組成物作製工程と、非粘着層上において、混合組成物をシート状に成形した後、又はシート状に成形しながら、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)の重合反応を行うことによって、非粘着層の上に、熱伝導性感圧接着層を積層する熱伝導性感圧接着層積層工程と、を有する、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の製造方法である。
本発明の第3の態様は、上記本発明の第1の態様に係る熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を備えた電子機器である。
本発明の第1及び第2の態様において、シリコーン(S)が、シリコーンオイル、又は、2液反応型シリコーンの主剤と硬化剤との混合物であることが好ましい。
本発明の第1及び第2の態様において、可塑剤がリン酸エステル又はトリメリット酸エステルであることが好ましい。
本発明の第1の態様において、非粘着層の熱伝導性感圧接着層側の面にコロナ処理が施されていることが好ましい。
本発明の第2の態様において、熱伝導性感圧接着層積層工程よりも前に、非粘着層にコロナ処理を施すコロナ処理工程を有し、熱伝導性感圧接着層積層工程において、非粘着層のコロナ処理が施された面上に混合組成物を配置することが好ましい。
本発明によれば、低硬度かつ低圧縮応力で柔軟性及び形状追従性に優れ、さらにリワーク性にも優れる熱伝導性感圧接着性積層シート(F)、並びに、その製造方法を提供することができる。
熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の使用例を概略的に示した図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。
1.熱伝導性感圧接着性積層シート(F)
本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)は、熱伝導性及び感圧接着性を有する熱伝導性感圧接着層と、粘着性を有さない非粘着層と、を備えている。以下、これらの層について詳細に説明する。
1.1.熱伝導性感圧接着層
熱伝導性感圧接着層は熱伝導性及び感圧接着性を有する層である。
熱伝導性感圧接着層は(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)、及び、重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)0.2質量%以上3質量%以下、を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部と、シリコーン(S)を3質量部以上25質量部以下と、可塑剤(C)を30質量部以上100質量部以下と、熱伝導性フィラー(E)を300質量部以上700質量部以下と、を含む混合組成物をシート状に成形した後、又はシート状に成形しながら、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)の重合反応が行われてなる。
このような熱伝導性感圧接着層を構成する物質について以下に説明する。
<(メタ)アクリル樹脂組成物(A)>
本発明に用いる(メタ)アクリル樹脂組成物(A)は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)、及び、重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)(以下、単に「多官能性単量体(α2)」ということがある。)を含んでいる。なお、熱伝導性感圧接着層を得る際には、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の及び重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)の重合反応が行われる。当該重合反応を行うことによって(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)由来の構造単位を含む重合体は(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)の成分と混合及び/又は一部結合する。
本発明において、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の使用割合は、(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量%として、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)が10質量%以上60質量%以下、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)が40質量%以上90質量%以下であることが好ましく、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)が20質量%以上50質量%以下、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)が50質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)を上記範囲とすることによって、低硬度の熱伝導性感圧接着層及び熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を作製し易くなる。
((メタ)アクリル酸エステル重合体(A1))
本発明に用いることができる(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)は特に限定されないが、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体の単位(a1)を含有することが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステル単量体の単位(a1)を与える(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)は特に限定されないが、例えば、アクリル酸エチル(単独重合体のガラス転移温度は、−24℃)、アクリル酸n−プロピル(同−37℃)、アクリル酸n−ブチル(同−54℃)、アクリル酸sec−ブチル(同−22℃)、アクリル酸n−ヘプチル(同−60℃)、アクリル酸n−ヘキシル(同−61℃)、アクリル酸n−オクチル(同−65℃)、アクリル酸2−エチルヘキシル(同−50℃)、メタクリル酸n−オクチル(同−25℃)、メタクリル酸n−デシル(同−49℃)などの、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸2−メトキシエチル(同−50℃)、アクリル酸3−メトキシプロピル(同−75℃)、アクリル酸3−メトキシブチル(同−56℃)、アクリル酸エトキシメチル(同−50℃などの、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;などを挙げることができる。中でも、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルが好ましく、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましく、アクリル酸2−エチルヘキシルがさらに好ましい。
これらの(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよいが、一種を単独で使用することが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)は、それから導かれる単量体単位(a1)が、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)中、好ましくは80質量%以上100質量%以下、より好ましくは85質量%以上100質量%以下となるような量で重合に供する。(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)の使用量が上記範囲内であると、重合時の重合系の粘度を適正な範囲に保つことが容易になるとともに、柔軟性に優れた熱伝導性感圧接着層及び熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を得ることができる。
また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)は、有機酸基を有する単量体単位(a2)を含有していてもよい。有機酸基を有する単量体単位(a2)を与える単量体(a2m)は特に限定されないが、その代表的なものとして、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基などの有機酸基を有する単量体を挙げることができる。また、これらのほか、スルフェン酸基、スルフィン酸基、燐酸基などを含有する単量体も使用することができる。
カルボキシル基を有する単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸や、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸の他、イタコン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノプロピルなどのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸部分エステルなどを挙げることができる。また、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの、加水分解などによりカルボキシル基に誘導することができる基を有するものも同様に使用することができる。
スルホン酸基を有する単量体の具体例としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのα,β−不飽和スルホン酸、及び、これらの塩を挙げることができる。
単量体(a2m)としては、上に例示した有機酸基を有する単量体のうち、カルボキシル基を有する単量体がより好ましく、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸がさらに好ましく、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。これらの単量体は工業的に安価で容易に入手することができ、他の単量体成分との共重合性も良く、生産性の点でも好ましい。なお、単量体(a2m)は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
有機酸基を有する単量体(a2m)は、それから導かれる単量体単位(a2)が(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)中、好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上15質量%以下となるような量で重合に供する。有機酸基を有する単量体(a2m)の使用量が上記範囲内であると、重合時の重合系の粘度を適正な範囲に保つことが容易になる。
なお、有機酸基を有する単量体単位(a2)は、前述のように、有機酸基を有する単量体(a2m)の重合によって、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)中に導入するのが簡便であり好ましいが、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)生成後に、公知の高分子反応により、有機酸基を導入してもよい。
また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)は、有機酸基以外の官能基を有する単量体(a3m)から誘導される単量体単位(a3)を含有していてもよい。上記有機酸基以外の官能基としては、水酸基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、メルカプト基などを挙げることができる。
水酸基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルなどを挙げることができる。
アミノ基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アミノスチレンなどを挙げることができる。
アミド基を有する単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体などを挙げることができる。
エポキシ基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
有機酸基以外の官能基を有する単量体(a3m)は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
これらの有機酸基以外の官能基を有する単量体(a3m)は、それから導かれる単量体単位(a3)が、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)中、10質量%以下となるような量で重合に使用することが好ましい。10質量%以下の単量体(a3m)を使用することにより、重合時の重合系の粘度を適正な範囲に保つことが容易になる。
また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)は、上述したガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(a1)、有機酸基を有する単量体単位(a2)、及び、有機酸基以外の官能基を有する単量体単位(a3)以外に、上述した単量体と共重合可能な単量体(a4m)から誘導される単量体単位(a4)を含有していてもよい。
単量体(a4m)は、特に限定されないが、その具体例として、上記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)以外の(メタ)アクリル酸エステル単量体、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステル、アルケニル芳香族単量体、シアン化ビニル単量体、カルボン酸不飽和アルコールエステル、オレフィン系単量体などを挙げることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)以外の(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、アクリル酸メチル(単独重合体のガラス転移温度は、10℃)、メタクリル酸メチル(同105℃)、メタクリル酸エチル(同63℃)、メタクリル酸n−プロピル(同25℃)、メタクリル酸n−ブチル(同20℃)などを挙げることができる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステルの具体例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、イタコン酸ジメチルなどを挙げることができる。
アルケニル芳香族単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、ビニルトルエンなどを挙げることができる。
シアン化ビニル単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどを挙げることができる。
カルボン酸不飽和アルコールエステル単量体の具体例としては、酢酸ビニルなどを挙げることができる。
オレフィン系単量体の具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテンなどを挙げることができる。
単量体(a4m)は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
単量体(a4m)は、それから導かれる単量体単位(a4)の量が、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)中、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下となるような量で重合に供する。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)は、上述した、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)を単独重合させることによって特に好適に得ることができ、必要に応じて、上述した有機酸基を有する単量体(a2m)、有機酸基以外の官能基を含有する単量体(a3m)、及び、単量体(a1m)〜(a3m)と共重合可能な単量体(a4m)から選ばれる少なくとも1種を共重合させてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)を得る際の重合方法は特に限定されず、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合などのいずれであってもよく、これら以外の方法でもよい。ただしこれらの重合方法の中で溶液重合が好ましく、中でも重合溶媒として、酢酸エチル、乳酸エチルなどのカルボン酸エステルやベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族溶媒を用いた溶液重合がより好ましい。重合に際して、単量体は、重合反応容器に分割添加してもよいが、全量を一括添加するのが好ましい。重合開始の方法は、特に限定されないが、重合開始剤として熱重合開始剤を用いるのが好ましい。当該熱重合開始剤は特に限定されず、例えば過酸化物重合開始剤やアゾ化合物重合開始剤を用いることができる。
過酸化物重合開始剤としては、t−ブチルヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシドや、ベンゾイルペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシドのようなペルオキシドの他、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩などを挙げることができる。これらの過酸化物は、還元剤と適宜組み合わせて、レドックス系触媒として使用することもできる。
アゾ化合物重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などを挙げることができる。
重合開始剤の使用量は特に限定されないが、単量体100質量部に対して0.01質量部以上50質量部以下の範囲であることが好ましい。
これらの単量体のその他の重合条件(重合温度、圧力、撹拌条件など)は、特に制限がない。
重合反応終了後、必要により、得られた重合体を重合媒体から分離する。分離の方法は特に限定されない。例えば、溶液重合の場合、重合溶液を減圧下に置き、重合溶媒を留去することによって、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)を得ることができる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC法)で測定して、標準ポリスチレン換算で1000以上100万以下の範囲にあることが好ましく、10万以上50万以下の範囲にあることが、より好ましい。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)の重量平均分子量は、重合の際に使用する重合開始剤の量や、連鎖移動剤の量を適宜調整することによって制御することができる。
((メタ)アクリル酸エステル単量体(α1))
(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体を含有するものであれば特に限定されないが、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)を含有するものであることが好ましい。
ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)の例としては、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)の合成に用いる(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)と同様の(メタ)アクリル酸エステル単量体を挙げることができる。(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)における(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)の比率は、好ましくは50質量%以上100質量%以下、より好ましくは75質量%以上100質量%以下である。(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)における(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)の比率を上記範囲とすることによって、感圧接着性や柔軟性に優れた熱伝導性感圧接着層及び熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を得やすくなる。
また、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)は、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)、及び、これらと共重合可能な有機酸基を有する単量体(a6m)の混合物としてもよい。
上記単量体(a6m)の例としては、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)の合成に用いてもよい単量体(a2m)として例示したものと同様の有機酸基を有する単量体を挙げることができる。単量体(a6m)は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)における単量体(a6m)の比率は、30質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下である。(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)における単量体(a6m)の比率を上記範囲とすることによって、感圧接着性や柔軟性に優れた熱伝導性感圧接着層及び熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を得やすくなる。
(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)及び所望により共重合させることができる有機酸基を有する単量体(a6m)の他に、これらと共重合可能な単量体(a7m)も含む混合物としてもよい。
上記単量体(a7m)の例としては、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)の合成に用いてもよい単量体(a3m)及び単量体(a4m)として例示したものと同様の単量体を挙げることができる。単量体(a7m)は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)における単量体(a7m)の比率は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。
低硬度の熱伝導性感圧接着層及び熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を作製し易くする観点から、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)は、水素末端極性官能基を有する単量体単位を含有しないことが好ましい。一方、熱伝導性感圧接着層の凝集力を高める観点から、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)が水素末端極性官能基を有する単量体単位を含有していてもよい。
水素末端極性官能基を有する単量体単位としては、例えば、上述した有機酸基を有する単量体単位(a2)、及び、上述した有機酸基以外の官能基を有する単量体(a3m)から誘導される単量体単位(a3)等が挙げられる。
(多官能性単量体(α2))
本発明において、(メタ)アクリル樹脂組成物(A)は多官能性単量体(α2)を必須の成分として含む。通常、ラジカル熱重合などの重合時には、多官能性単量体を用いずともある程度の架橋反応は進行する。しかしながら、より確実にしかも所望の量の架橋構造を形成させるためには多官能性単量体を用いることを要する。
本発明に用いる多官能性単量体(α2)としては、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)に含まれる単量体と共重合可能なものを用いる。また、当該多官能性単量体は重合性不飽和結合を複数有しており、該不飽和結合を末端に有することが好ましい。このような多官能性単量体を用いることによって、共重合体に分子内及び/又は分子間架橋を導入して、熱伝導性感圧接着層の凝集力を高めることができる。
多官能性単量体(α2)としては、例えば1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレートや、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチレン−5−トリアジンなどの置換トリアジンの他、4−アクリルオキシベンゾフェノンのようなモノエチレン系不飽和芳香族ケトンなどを用いることができる。中でも、多官能性(メタ)アクリレートが好ましく、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートがより好ましい。多官能性単量体(α2)は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
多官能性単量体(α2)の使用量は、(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量%として、0.2質量%以上3質量%以下であることが好ましく、0.4質量%以上2質量%以下であることがより好ましい。多官能性単量体(α2)の使用量を上記範囲とすることによって、熱伝導性感圧接着層及び熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の硬度を低く抑えつつ、熱伝導性感圧接着層に適正な凝集力を付与し易くなる。
<シリコーン(S)>
次に、シリコーン(S)について説明する。熱伝導性感圧接着層の前駆体である混合組成物にシリコーン(S)を添加することによって、低硬度かつ低圧縮応力で柔軟性及び形状追従性に優れ、さらに、従来、柔軟性及び形状追従性との両立が困難であったリワーク性にも優れる熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を作製することができる。
シリコーン(S)は、オルガノポリシロキサン構造を主鎖とするものであれば特に限定さないが、リワーク性向上の観点から、シリコーンオイル、又は、2液反応型シリコーンの主剤と硬化剤との混合物であることが好ましく、低圧縮応力の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を作製し易い観点から、2液反応型シリコーンの主剤と硬化剤との混合物であることがより好ましい。
(シリコーンオイル)
本発明に用いることのできるシリコーンオイルは特に限定されず、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のストレートシリコーンオイル;アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸アミド変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルを用いることができる。これらは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
これらのうち、柔軟性付与の観点から、変性シリコーンオイルを用いることが好ましく、中でも、ブリード抑制の観点から、カルビノール変性シリコーンオイルを用いることがより好ましく、両末端カルビノール変性シリコーンオイルを用いることが特に好ましい。
シリコーンオイルの粘度は、25℃において50〜200mPa・sであることが好ましく、100〜150mPa・sであることがより好ましい。シリコーンオイルの粘度が上記範囲内であることにより、撹拌による熱伝導性フィラー(E)の分散性が良好となる。シリコーンオイルの粘度は、例えば、下述するリン酸エステルの粘度測定方法に準じて、B型粘度計により測定することができる。
シリコーンオイルには、市販品を使用してもよい。シリコーンオイルの市販品としては、例えば、チッソ株式会社製の「FM−4411」「FM−4421」「FM−4425」などが挙げられる。
(2液反応型シリコーン)
シリコーン(S)には2液反応型シリコーンの主剤と硬化剤との混合物を用いることが好ましい。2液反応型シリコーンには、2液縮合反応型シリコーン又は2液付加反応型シリコーンのうちいずれを用いてもよいが、反応副生成物(アウトガス)が発生しない観点から、2液付加反応型シリコーンを用いることが好ましい。
2液付加反応型シリコーンでは、通常、アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンを主剤とし、架橋基としてSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを硬化剤とする。これら2液を混合し、白金等の金属触媒下で付加反応(ヒドロシリル化反応)を行うことにより、主剤と硬化剤との反応物である、通常ゲル状のシリコーン(シリコーンゲル)を得ることができる。金属触媒は、主剤又は硬化剤に含まれていてもよく、主剤及び硬化剤とは別に添加されるものであってもよい。
主剤となるオルガノポリシロキサンは、分子中にアルケニル基を有するものであれば特に限定されない。オルガノポリシロキサンが有するアルケニル基としては、例えば、ビニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等を挙げることができる。中でもビニル基を有すること好ましい。オルガノポリシロキサンの構造は、通常、ジオルガノシロキサン単位の繰り返しを主鎖とする直鎖状であるが、一部が分岐していてもよい。
また、主剤となるオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合するアルケニル基以外の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等を挙げることができる。中でも、メチル基を有することが好ましい。メチル基を有するポリオルガノシロキサンとして、入手が容易なものとして、例えば、ジメチルポリシロキサンが挙げられる。
硬化剤となるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中にSiH基を有するものであれば特に限定されない。オルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造は、例えば、直鎖状、分岐状、又は、環状であってもよい。また、硬化剤となるオルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子に結合する有機基としては、上記主剤となるオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する有機基として例示したものと同じものが挙げられる。
2液反応型シリコーンには、市販品を使用してもよい。2液反応型シリコーンの市販品としては、例えば、2液付加反応型シリコーンとして、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の「TSE 3062(A)」(主剤)及び同社製「TSE 3062(B)」(硬化剤)が挙げられる。
2液縮合反応型シリコーンは、通常、室温で硬化する常温硬化型(Room Temperature Vulcanizable:RTV)である。一方、2液付加反応型シリコーンには、常温硬化型(RTV)と、50〜130℃に加熱することにより硬化する加熱硬化型(Low Temperature Vulcanizable:LTV)が存在するが、いずれのタイプを用いてもよい。
熱伝導性感圧接着層に用いる2液反応型シリコーンの主剤及び硬化剤の粘度はいずれも、25℃において500〜1500mPa・sであることが好ましく、750〜1250mPa・sであることがより好ましい。主剤及び硬化剤の粘度が上記範囲内であることにより、撹拌による熱伝導性フィラー(E)の分散性が良好となる。主剤及び硬化剤の粘度は、例えば、下述するリン酸エステルの粘度測定方法に準じて、B型粘度計により測定することができる。
また、2液反応型シリコーンの主剤と硬化剤とを反応させることにより得られるシリコーンゲルの粘度は、25℃において500〜1500mPa・sであることが好ましく、750〜1250mPa・sであることがより好ましい。シリコーンゲルの粘度が上記範囲内であることにより、撹拌による熱伝導性フィラー(E)の分散性が良好となる。シリコーンゲルの粘度は、例えば、下述するリン酸エステルの粘度測定方法に準じて、B型粘度計により測定することができる。
熱伝導性感圧接着層に用いるシリコーン(S)の使用量は、(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部として、3質量部以上25質量部以下であり、4質量部以上20質量部以下であることが好ましく、5質量部以上15質量部以下であることがより好ましい。なお、シリコーン(S)として2液付加反応型シリコーンを用いる場合の上記使用量は、主剤と硬化剤との総量とする。シリコーン(S)の使用量が上記下限よりも少ないと、熱伝導性感圧接着層の粘着力が強くなりすぎて、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を被着体又は後述する基材から剥離することが困難になる虞がある。一方、シリコーン(S)の使用量が上記上限よりも多いと、シリコーン(S)がブリードし易くなり、非粘着層と熱伝導性感圧接着層との接着性が損なわれるため、非粘着層と熱伝導性感圧接着層とが界面剥離する虞がある。すなわち、シリコーン(S)の使用量を上記範囲内とすることによって、リワーク性に優れた熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を作製し易くなる。
<可塑剤(C)>
次に、可塑剤(C)について説明する。熱伝導性感圧接着層の前駆体である混合組成物に可塑剤(C)を添加することによって、熱伝導性感圧接着層及び熱伝導性感圧接着性積層シート(F)に柔軟性及び形状追従性を付与し易くなる。本発明に用いる可塑剤としては、特に限定されないが、柔軟性付与の観点からリン酸エステル又はトリメリット酸エステルを用いることが好ましい。
(リン酸エステル)
本発明に用いるリン酸エステルは、25℃における粘度が3000mPa・s以上であることが好ましい。リン酸エステルの粘度を上記範囲とすることで、熱伝導性感圧接着層の成形性が悪くなることを防止し易くなる。なお、本発明においてリン酸エステルの「粘度」とは、以下に説明する方法によって測定した粘度を意味する。
(リン酸エステルの粘度測定方法)
リン酸エステルの粘度測定には、B型粘度計(東京計器株式会社製)を用いて、以下に示す手順で行う。
(1)常温の環境でリン酸エステルを300ml計量し、500mlの容器に入れる。
(2)攪拌用ロータNo.1、2、3、4、5、6、7から、いずれかを選択し、粘度計に取り付ける。
(3)リン酸エステルが入った容器を粘度計の上に置き、ロータを該容器内の縮合リン酸エステルに沈める。このとき、ロータの目印となる凹みが丁度、リン酸エステルの液状界面にくるように沈める。
(4)回転数を20、10、4、2の中から選択する。
(5)攪拌スイッチを入れ、1分後の数値を読み取る。
(6)読み取った数値に、係数Aを掛け算した値が粘度[mPa・s]となる。
なお、係数Aは、下記表1に示すように、選択したロータNo.と回転数とから決まる。
Figure 2016210936
本発明には、リン酸エステルとして、縮合リン酸エステルも非縮合リン酸エステルも用いることができる。ここでいう「縮合リン酸エステル」とは、1分子内にリン酸エステル部位が複数存在するものを意味し、「非縮合リン酸エステル」とは、1分子内にリン酸エステル部位が1つだけ存在するものを意味する。これまでに説明した条件を満たすリン酸エステルの具体例を以下に列記する。
縮合リン酸エステルの具体例としては、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)などの芳香族縮合リン酸エステル;ポリオキシアルキレンビスジクロロアルキルホスフェートなどの含ハロゲン系縮合リン酸エステル;非芳香族非ハロゲン系縮合リン酸エステル;などが挙げられる。これらの中でも、比重が比較的小さく、有害物質(ハロゲンなど)の放出の危険がなく、入手も容易であることなどから、芳香族縮合リン酸エステルが好ましく、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)がより好ましい。
非縮合リン酸エステルの具体例としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル−2,6−キシレニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェートなどの芳香族リン酸エステル;トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル;などが挙げられる。この中でも、有害物質(ハロゲンなど)が発生しないことなどから、芳香族リン酸エステルが好ましい。
リン酸エステルは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
(トリメリット酸エステル)
本発明に用いるトリメリット酸エステルは、特に限定されないが、下記式(1)で表されるトリメリット酸エステルを用いることが好ましい。トリメリット酸エステルは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
Figure 2016210936
式(1)中、R〜Rは互いに同一であっても異なっていてもよいが、入手容易性の観点からは互いに同一であることが好ましい。
式(1)中、R〜Rは、炭素数6〜14のアルキル基であることが好ましく、炭素数7〜12のアルキル基であることがより好ましく、炭素数8〜10のアルキル基であることがさらに好ましく、R〜Rは、直鎖又は分岐のいずれの形態を有していてもよい。
〜Rの具体例としては、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基等の直鎖のアルキル基;イソヘキシル基、イソヘプチル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、イソウンデシル基、イソドデシル基、イソトリデシル基、イソテトラデシル基、t−ヘキシル基、t−ヘプチル基、t−オクチル基、t−ノニル基、t−デシル基、t−ウンデシル基、t−ドデシル基、t−トリデシル基、t−テトラデシル基、2−エチルヘキシル基等の分岐のアルキル基が挙げられる。
上記好ましい条件を満たすトリメリット酸エステルの具体例としては、トリメリット酸トリ−n−ヘキシル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、トリメリット酸トリ−n−ノニル、トリメリット酸トリ−n−デシル、トリメリット酸トリイソオクチル、メリット酸トリイソノニル、トリメリット酸トリイソデシル、トリトリメリット酸ジ−n−オクチル−n−デシル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
中でも、樹脂との相溶性及び可塑化効果の観点から、トリメリット酸トリ−n−オクチルとトリメリット酸トリ−n−デシルとの混合物が特に好ましい。
可塑剤(C)として、トリメリット酸トリ−n−オクチルとトリメリット酸トリ−n−デシルとの混合物を用いる場合、該混合物はトリメリット酸トリ−n−オクチル70質量%以上90質量%以下とトリメリット酸トリ−n−デシル10質量%以上30質量%以下と、からなることが好ましく、トリメリット酸トリ−n−オクチル80質量%以上90質量%以下とトリメリット酸トリ−n−デシル20質量%以上30質量%以下とからなることがより好ましい。このような混合割合でトリメリット酸トリ−n−オクチルとトリメリット酸トリ−n−デシルとを混合することにより、樹脂への相溶性及び可塑化効果の程度を調整することができる。
本発明に用いる可塑剤(C)は、大気圧下での15℃以上100℃以下の温度領域において常に液体であることが好ましい。可塑剤(C)は、混合する際に液体であれば、作業性が良く、熱伝導性感圧接着層を成形することが容易になる。可塑剤(C)を含んだ熱伝導性感圧接着層を成形する際、15℃以上100℃以下の環境で、熱伝導性感圧接着層を構成する各物質を混合することが好ましい。混合時の温度を上記範囲とすることによって、(メタ)アクリル樹脂組成物(A)のガラス転移温度以上とし、(メタ)アクリル樹脂組成物(A)に含まれる単量体等の揮発あるいは重合反応が始まってしまうことを防止し易くなるため、安全性及び作業性を良くすることができる。
本発明の熱伝導性感圧接着層に使用する可塑剤(C)の量は、(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部として、30質量部以上100質量部以下であり、40質量部以上90質量部以下であることが好ましく、50質量部以上80質量部以下であることがより好ましい。可塑剤(C)の含有量を上記範囲とすることによって、粘着性を損なうことなく、低硬度かつ低圧縮応力で柔軟性及び形状追従性に優れ、さらにリワーク性にも優れる熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を作製し易くなる。
<熱伝導性フィラー(E)>
本発明において、熱伝導性感圧接着層の前駆体である混合組成物は、熱伝導性フィラー(E)を含む。本発明に用いる熱伝導性フィラー(E)は、添加することによって熱伝導性を向上させることができる無機化合物である。熱伝導性フィラー(E)の熱伝導率は0.3W/m・K以上であり、0.5W/m・K以上であることが好ましい。
熱伝導性フィラー(E)の具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化ガリウム、水酸化インジウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどの金属水酸化物;酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛(後述する酸化亜鉛(Z)を除く)などの金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸アルミニウムなどの金属炭酸塩;窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物;ホウ酸亜鉛水和物;カオリンクレー;アルミン酸カルシウム水和物;ドーソナイト;シリカ;膨張化黒鉛粉、人造黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維などの、炭素含有導電性フィラー;等を挙げることができる。中でも金属水酸化物及び金属酸化物が好ましく、金属水酸化物がより好ましく、水酸化アルミニウム及び酸化アルミニウム(アルミナ)がより好ましく、水酸化アルミニウムがさらに好ましい。熱伝導性フィラー(E)は一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
本発明の熱伝導性感圧接着層に使用する熱伝導性フィラー(E)の量は、(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部に対して、300質量部以上700質量部以下であり、400質量部以上600質量部以下であることが好ましく、450質量部以上550質量部以下であることがより好ましい。熱伝導性フィラー(E)の含有量を上記下限以上とすることによって、熱伝導性を向上させる効果を発揮しやすくなる。一方、熱伝導性フィラー(E)の含有量を上記上限以下とすることによって、熱伝導性感圧接着層及び熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の硬度が上昇することを防止することができる。
熱伝導性フィラー(E)の平均粒径は、0.5μm以上25μm以下であることが好ましく、5μm以上20μm以下であることがより好ましい。また、熱伝導性フィラー(E)のBET比表面積は、0.3m/g以上10m/g以下であることが好ましく、0.5m/g以上2m/g以下であることがより好ましい。熱伝導性フィラー(E)の平均粒径及びBET比表面積を上記範囲内とすることによって、熱伝導性フィラー(E)の含有量を増やしても、熱伝導性感圧接着層が脆くなりにくくすることができ、作業性に優れる。
なお、本発明において「BET比表面積」とは、以下の方法で計測したものを意味する。まず、窒素及びヘリウムの混合ガスをBET比表面積測定装置内に導入し、試料(BET比表面積の測定対象物)を入れた試料セルを液体窒素に浸して、窒素ガスを試料表面に吸着させる。吸着平衡に達した後、試料セルを水浴に入れ常温まで温め、試料に付着していた窒素を脱着させる。窒素ガスの吸着、脱着時に試料セルを通過する前後のガスの混合比は変化するので、この変化を窒素及びヘリウムの混合比が一定のガスを対照として熱伝導度検出器(TCD)で検知し、窒素ガスの吸着量及び脱着量を求める。測定前に単位量の窒素ガスを装置内に導入してキャリブレーションを行い、TCDで検出した値に対応する表面績の値を求めておくことにより、その試料の表面積を求める。そして、求めた表面積をその試料の質量で除すことにより、BET比表面積を求めることができる。
熱伝導性フィラー(E)はチタネート処理されていることが好ましい。チタネート処理の方法は特に限定されず、公知のチタネート系カップリング剤を用いて行うことができる。
チタネート系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、及びジイソステアロイルエチレンチタネート等が挙げられる。
熱伝導性フィラー(E)にチタネート処理を施す場合、熱伝導性フィラー(E)としては以下のものが挙げられる。水酸化アルミニウム、水酸化ガリウム、水酸化インジウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどの金属水酸化物;酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛(後述する酸化亜鉛(Z)を除く)などの金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸アルミニウムなどの金属炭酸塩;窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物;ホウ酸亜鉛水和物;カオリンクレー;アルミン酸カルシウム水和物;ドーソナイト;シリカ;等を挙げることができる。この中でも、金属水酸化物、金属酸化物及び金属炭酸塩が好ましく、金属水酸化物がより好ましく、水酸化アルミニウムが特に好ましい。これらのうち、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
なお、チタネート処理された熱伝導性フィラーとチタネート処理されていない熱伝導性フィラーとを併用してもよい。
チタネート処理された熱伝導性フィラーを用いる場合、チタネート処理された熱伝導性フィラーの平均粒径は、1μm以上80μm以下であることが好ましく、3μm以上50μm以下であることがより好ましく、5μm以上20μm以下であることがさらに好ましい。
<重合開始剤(P)>
熱伝導性感圧接着層を得る際、上述したように(メタ)アクリル樹脂組成物(A)に含まれる成分が重合する。当該重合反応を促進するため、重合開始剤(P)を用いることが好ましい。当該重合開始剤(P)としては、光重合開始剤、アゾ系熱重合開始剤、有機過酸化物熱重合開始剤などが挙げられる。ただし、得られる熱伝導性感圧接着層に強い接着力を付与する等の観点からは、有機過酸化物熱重合開始剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、公知の各種光重合開始剤を用いることができる。その中でも、アシルホスフィンオキサイド系化合物が好ましい。好ましい光重合開始剤であるアシルホスフィンオキサイド系化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。
アゾ系熱重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などが挙げられる。
有機過酸化物熱重合開始剤としては、t−ブチルヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシドや、ベンゾイルペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、1,6−ビス(t−ブチルペルオキシカルボニルオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンのようなペルオキシドなどを挙げることができる。ただし、熱分解時に臭気の原因となる揮発性物質を放出しないものが好ましい。また、有機過酸化物熱重合開始剤の中でも、1分間半減期温度が100℃以上かつ170℃以下のものが好ましい。
上記重合開始剤(P)の使用量は、(メタ)アクリル樹脂組成物(A)100質量部に対して0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下であることがより好ましく、0.3質量部以上2質量部以下であることがさらに好ましい。
重合開始剤(P)の使用量を上記範囲とすることによって、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合転化率を適正な範囲にし易くなり、熱伝導性感圧接着層に単量体臭が残ることを防止し易くなる。
なお、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合転化率は、95質量%以上であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合転化率が95質量%以上であれば、熱伝導性感圧接着層に単量体臭が残ることを防止し易くなる。
また、重合開始剤(P)の使用量を上記範囲とすることによって、重合反応が過度に進行して熱伝導性感圧接着層が平滑なシート状にならずに表面に凹凸やピンホールが発生するという事態を防止し易くなる。
<酸化亜鉛(Z)>
本発明の熱伝導性感圧接着層には酸化亜鉛(Z)を用いてもよい。本発明に用いる酸化亜鉛(Z)は、嵩比重が0.1g/mL以上0.3g/mL以下であり、0.11g/mL以上0.25g/mL以下であることが好ましく、0.13g/mL以上0.2g/mL以下であることがより好ましい。酸化亜鉛(Z)の嵩比重を上記範囲とすることによって、貼付直後にはリワーク可能であり、所定の時間を経過した後には強い粘着力を発揮することができる熱伝導性感圧接着性積層シート(F)とすることができる。
樹脂組成物にフィラーを添加する場合、通常、混合し易くするためにシランカップリング剤等によって表面処理されたものを用いることが多い。しかしながら、本発明では酸化亜鉛(Z)の嵩比重を上記範囲とするため、酸化亜鉛(Z)としては表面処理されてない酸化亜鉛を用いることが好ましい。
また、酸化亜鉛(Z)は針状部を有していることが好ましい。酸化亜鉛(Z)は、核となる部分の周囲に1又は複数の針状部が備えられていてもよく、針状部のみで構成されていてもよい。ただし、後述するように、熱伝導性感圧接着層内に充填された或る熱伝導性フィラー(E)と他の熱伝導性フィラー(E)との間を酸化亜鉛(Z)によって繋ぎ易くする観点からは、核となる部分の周囲に複数の針状部がそれぞれ異なる方向に伸びて備えられている形状が好ましい。より好ましい形状は、核となる部分の周囲に3つ以上の針状部があり、該針状部のうちの少なくとも1つは他の針状部と同一平面上にない形状である。なお、1つの核の周囲に存在する針状部の数は、3〜6個が好ましい。この範囲の数であると針状部の配向が3次元的になり、かつ、他のフィラーとの結びつきが良いものとなる。核となる部分の周囲に複数の針状部が備えられている酸化亜鉛の市販品としては、例えば、株式会社アムテック製の「パナテトラ(登録商標)」を挙げることができる。
酸化亜鉛(Z)に備えられる針状部の長さは、2μm以上50μm以下であることが好ましい。なお、酸化亜鉛(Z)の針状部の長さは、例えば、走査電子顕微鏡で観察して測定することができる。酸化亜鉛(Z)の針状部の長さを上記範囲とすることによって、後に説明するようにして熱伝導性フィラー(E)との組み合わせで熱伝導性感圧接着層及び熱伝導性感圧接着性積層シート(F)に高い熱伝導性を備えさせ易くなる。
本発明によれば、熱伝導性フィラー(E)及び酸化亜鉛(Z)を組み合わせて用いることによって熱伝導性感圧接着層及び熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の熱伝導性を向上させ易くなる。これには以下の理由が考えられる。酸化亜鉛(Z)は針状部を有していることによって、熱伝導性感圧接着層内に充填された或る熱伝導性フィラー(E)と他の熱伝導性フィラー(E)との間を該針状部によって繋ぐことができる。このように或る熱伝導性フィラー(E)と他の熱伝導性フィラー(E)とが酸化亜鉛(Z)によって繋がれることにより、熱伝導性感圧接着層内で熱の伝達経路が形成され、熱伝導性が向上すると推察される。
熱伝導性感圧接着層に使用する酸化亜鉛(Z)の量は、(メタ)アクリル樹脂組成物(A)100質量部に対して0.3質量部以上4質量部以下であることが好ましく、0.8質量部以上3.8質量部以下であることがより好ましく、1.5質量部以上3.5質量部以下であることがさらに好ましい。酸化亜鉛(Z)の含有量を上記範囲とすることによって、熱伝導性感圧接着層に適度な粘着性を付与することができる。すなわち、貼付直後にはリワーク可能であり、貼付後、時間の経過とともに強い粘着力を発揮することができる熱伝導性感圧接着性積層シート(F)とすることができる。一方、酸化亜鉛(Z)の含有量が上記範囲を超えると、熱伝導性感圧接着層の素となる混合組成物の粘度が増し、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の生産性が低下する傾向にある。また、酸化亜鉛(Z)の含有量が上記範囲未満であると、酸化亜鉛(Z)によって拘束される樹脂成分が少なくなることによって、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)は貼付直後から粘着力が強くなり、リワークが困難になる傾向にある。
<その他の添加剤>
熱伝導性感圧接着層の前駆体である混合組成物には、これまでに説明した物質以外にも、本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の性能を満足できる範囲で、公知の各種添加剤を添加することができる。
公知の添加剤としては、発泡剤(発泡助剤を含む。);上述した熱伝導性フィラー(E)を除いた金属の水酸化物や金属塩水和物などの難燃性熱伝導無機化合物;ガラス繊維;PITCH系炭素繊維などの、上述した熱伝導性フィラー(E)を除いた熱伝導性無機化合物;外部架橋剤;顔料;二酸化チタンなどのフィラー;フラーレン、カーボンナノチューブなどのナノ粒子;ポリフェノール系、ハイドロキノン系、ヒンダードアミン系などの酸化防止剤;アクリル系ポリマー粒子、微粒シリカ、酸化マグネシウムなどの増粘剤;などを挙げることができる。
熱伝導性感圧接着層の厚さは特に限定されないが、熱伝導性感圧接着層を薄く形成することによって、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の厚み方向の熱抵抗を低くすることができる。一方、熱伝導性感圧接着層にある程度の厚さをもたせることによって、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の取り扱いが容易になる。これらの観点から、熱伝導性感圧接着層の厚さは0.05mm以上5mm以下にすることが好ましく、0.1mm以上4.5mm以下であることがより好ましく、0.1mm以上3mm以下であることがさらに好ましい。
1.2.非粘着層
本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)は非粘着層を備える。非粘着層は、粘着性を有さない層であり、上記熱伝導性感圧接着層に積層されて熱伝導性感圧接着性積層シート(F)のちぎれを防止し、リワーク性を高めることが可能な強度を付与する層である。また、非粘着層を備えることにより、熱伝導性感圧接着層の積層時に、熱伝導性感圧接着層の凝集力が多少不足した場合でも、シート形状を保つことができる。熱伝導性感圧接着層と非粘着層の間には、本発明が意図する効果を妨げない範囲で他の層を介在させてもよい。
非粘着層は、熱伝導性感圧接着層に追従して変形する必要があるため、可撓性を有することが好ましい。また、熱伝導性感圧接着層を補強してリワーク性を高める観点から、非粘着層の引張強度は熱伝導性感圧接着層よりも大きいことが好ましい。
また、非粘着層の熱伝導性感圧接着層側の面には、コロナ処理が施されていることが好ましい。非粘着層の熱伝導性感圧接着層側の面にコロナ処理が施されていることによって、非粘着層と熱伝導性感圧接着層との接着性が高まり、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を貼り直す際に非粘着層と熱伝導性感圧接着層とが剥離しにくくなるため、リワーク性を高めることができる。かかる観点から、非粘着層は表面改質が容易な材質から構成されることが好ましい。非粘着層にコロナ処理を施す方法については、後述する。
上記条件を満たす非粘着層を構成する材料としては、紙;布;金属製の箔;ポリイミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂;ポリエーテルケトン;ポリエーテルスルホン;ポリメチルペンテン;ポリエーテルイミド;ポリスルホン;ポリフェニレンスルフィド;ポリアミドイミド;ポリエステルイミド;ポリアミド;などを挙げることができる。これらの中でも安価で入手できるなどの観点からは、ポリエステル及びポリイミドが好ましく、ポリエチレンテレフタレート及びポリイミドがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートがさらに好ましい。なお、非粘着層は一種の材料で構成されていてもよく複数種の材料を組み合わせて構成されていてもよい。
非粘着層は、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の熱伝導性を高くする観点、及び、使用時の折れしわを防止する観点から、薄い方が好ましい。ただし、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)のリワーク性を高める観点からは、非粘着層がある程度の厚さを有することが好ましい。よって、非粘着層の厚さは、1μm以上40μm以下が好ましく、2μm以上30μm以下がより好ましく、3μm以上20μm以下が更に好ましい。
非粘着層は、粘着性を有さない材料によって構成されている。そのため、非粘着層に接するように配置された発熱体または放熱体などを取り外す際、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の表面が放熱体または発熱体に固着することを防止できるため、放熱体または発熱体などを固定しなおす場合でも熱伝導性感圧接着性積層シート(F)をそのまま再利用することが可能となる。ただし、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を放熱体や発熱体などに固定する際には、ネジなどの固定部材を用いることが好ましい。
また、非粘着層が電気的絶縁性を有する材料によって構成されている場合には、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)に絶縁性を備えさせることができる。
<硬度>
本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)は、低硬度であることにより、柔軟性に優れ、放熱体又は発熱体への形状追従性や密着性に優れる。形状追従性や密着性を高める観点から、日本ゴム協会標準規格(SRIS)アスカーC法に基づいて測定した硬度が10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、1以下であることがさらに好ましい。
<圧縮応力>
本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)は、低圧縮応力であることにより、柔軟性に優れ、放熱体又は発熱体への形状追従性や密着性に優れる。形状追従性や密着性を高める観点から、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を厚み方向に圧縮し、以下の式(1)で算出される圧縮ひずみが30%に達した際に、以下の式(2)で算出される圧縮応力(30%時圧縮応力)が、1MPa以下であることが好ましく、0.8MPa以下であることがより好ましく、0.7MPa以下であることがさらに好ましい。
圧縮ひずみ(%)={(初期厚み(mm)−変形量(mm))/初期厚み(mm)}×100・・・(1)
圧縮応力(MPa)=印加荷重(N)/断面積(mm)・・・(2)
2.製造方法
次に、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の製造方法について説明する。
本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)は、これまでに説明した各物質を混合して混合組成物を作製した後、上記非粘着層上において、該混合組成物をシート状に成形した後、又は該混合組成物をシート状に成形しながら、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)の重合反応を行うことにより得ることができる。
すなわち、本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の製造方法は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)、及び、重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)0.2質量%以上3質量%以下、を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部と、シリコーン(S)を3質量部以上25質量部以下と、可塑剤(C)を30質量部以上100質量部以下と、熱伝導性フィラー(E)を300質量部以上700質量部以下と、を含む混合組成物を作製する混合組成物作製工程と、非粘着層上において、混合組成物をシート状に成形した後、又はシート状に成形しながら、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)の重合反応を行うことによって、非粘着層の上に、熱伝導性感圧接着層を積層する熱伝導性感圧接着層積層工程と、を有する。なお、その他に使用できる物質や、各物質の好ましい含有比率等は上述した通りであり、ここでは詳細な説明を省略する。
また、本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の製造方法において、上記熱伝導性感圧接着層積層工程よりも前に、非粘着層にコロナ処理を施すコロナ処理工程を有し、上記熱伝導性感圧接着層積層工程において、非粘着層のコロナ処理が施された面上に混合組成物を配置することが好ましい。
以下、本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の製造方法が有する各工程について説明する。
2.1.コロナ処理工程
コロナ処理工程は、非粘着層にコロナ処理を施す工程である。コロナ処理工程は、後述する熱伝導性感圧接着層積層工程よりも前に行うことを要し、後述する混合組成物作製工程よりも前に行っても後に行ってもよい。
コロナ処理の条件は特に限定されない。例えば、バッチコロナ処理機(例えば、春日電機(株)製CORONA GENERATOR CT−0212)を用いて、出力が0kWより大きく2.0kW以下、搬送速度が0m/分以上6.0m/分以下、放電隙間が0.5mm以上20mm以下の条件で行うことができる。出力は、好ましくは0.15kW以上2.0kW以下である。搬送速度は、好ましくは0.5m/分以上6.0m/分以下である。放電隙間は、好ましくは2mm以上20mm以下である。
2.2.混合組成物作製工程
混合組成物作製工程は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)、及び、重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)0.2質量%以上3質量%以下、を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部と、シリコーン(S)を3質量部以上25質量部以下と、可塑剤(C)を30質量部以上100質量部以下と、熱伝導性フィラー(E)を300質量部以上700質量部以下と、を含む混合組成物を作製する工程である。
混合組成物を作製する方法は特に限定されず、例えば、恒温槽等の任意の容器に上記各成分を添加し、ホバートミキサー等で撹拌することにより、容易に混合組成物を作製することができる。なお、シリコーン(S)として、2液反応型シリコーンを用いる場合には、2液反応型シリコーンの主剤と硬化剤とを別々に添加してもよく、事前に主剤と硬化剤とを混合、反応させた反応物を添加してもよいが、2液反応型シリコーンの主剤と硬化剤とを別々に添加することが好ましい。
2.3.熱伝導性感圧接着層積層工程
熱伝導性感圧接着層積層工程は、非粘着層上において、上記混合組成物をシート状に成形した後、又はシート状に成形しながら、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)の重合反応を行うことによって、非粘着層の上に、熱伝導性感圧接着層を積層する工程である。
ここで「非粘着層上」とは、非粘着層の面に接していれば、非粘着層の鉛直方向上方に限定されるものではなく、混合組成物(又は熱伝導性感圧接着層)が非粘着層の鉛直方向下方に位置する形態をも含むものとする。
熱伝導性感圧接着層積層工程において、上記混合組成物をシート状に成形する方法は特に限定されない。好適な方法としては、非粘着層の上に上記混合組成物を塗布してシートを成形する方法、非粘着層と離型処理(シリコン処理)された基材との間に上記混合組成物を挟んでロールの間を通して押圧することでシートを成形する方法、及び、押出機を用いて上記混合組成物を押出し、その際にダイスを通して厚さを制御することでシートを成形する方法などが挙げられる。上記基材は特に限定されないが、例えば、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムや離型処理されたポリエチレンナフタレートフィルムなどを用いることができる。中でも、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
このような基材を用いて作製した熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の熱伝導性感圧接着層側の面は基材に覆われ、基材は熱伝導性感圧接着層の保護層として機能する。使用に際しては、基材を取り除き、熱伝導性感圧接着層を露出させて使用することができる。
熱伝導性感圧接着層積層工程において、上記重合反応を行う際には、加熱することが好ましい。当該加熱には、例えば、熱風、電気ヒーター、赤外線などを用いることができる。このときの加熱温度は、重合開始剤が効率良く分解し、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)の重合が進行する温度が好ましい。温度範囲は、用いる重合開始剤の種類等により異なるが、100℃以上200℃以下が好ましく、120℃以上180℃以下がより好ましい。なお、2液反応型シリコーンとして、加熱硬化型(LTV)を用いた場合には、上記温度範囲で、主剤と硬化剤との反応を進行させることが可能である。
なお、熱伝導性感圧接着層積層工程よりも前にコロナ処理工程を行っている場合には、非粘着層のコロナ処理が施された面上に混合組成物を配置することが好ましい。これにより、上述したように非粘着層と熱伝導性感圧接着層との接着性が高く、リワーク性に優れた本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を作製することができる。
3.使用例
本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)は、熱伝導性感圧接着層の熱伝導性が高く、且つ熱伝導性感圧接着層が感圧接着性を有しているため、発熱体と放熱体との間に介在させて、発熱体から放熱体への熱伝導を効率よく行うなどの用途に使用できる。また、本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)は、電子機器に備えられる発熱体である電子部品に取り付け、該電子部品の一部として用いることができる。本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の使用例について、図1を参照しつつ説明する。図1は、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の使用例を説明する図である。
図1(A)は、パーソナルコンピュータ等の電子機器の一部を概略的に示す斜視図である。図1(A)には、基板1、基板1上に設置した発熱体である電子部品2、放熱体であるヒートシンク3、及び電子部品2とヒートシンク3との間に配置した熱伝導性感圧接着性積層シート(F)4と、を示している。
図1(A)に示したように、電子部品2とヒートシンク3とで熱伝導性感圧接着性積層シート(F)4を挟んでビスなどの任意の固定手段により固定することによって、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)4(熱伝導性感圧接着層)は高い熱伝導性を有しているので、電子部品2で発した熱は熱伝導性感圧接着性積層シート(F)4を介してヒートシンク3へと効率よく伝えられ、ヒートシンク3から放熱される。
図1(B)は、放熱体であるヒートシンク13に熱伝導性感圧接着性積層シート(F)14、14を介して発熱体であるNPNトランジスタ12a及びPNPトランジスタ12bを取り付けた様子を概略的に示す斜視図である。
図1(B)に示したように、1つのヒートシンク13に熱伝導性感圧接着性積層シート(F)14、14を介してNPNトランジスタ12a及びPNPトランジスタ12bを任意の固定手段により取り付けることによって、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)14(熱伝導性感圧接着層)は高い熱伝導性を有しているので、NPNトランジスタ12a及びPNPトランジスタ12bで発した熱は熱伝導性感圧接着性積層シート(F)14、14を介してヒートシンク13へと効率よく伝えられ、ヒートシンク13から放熱される。このとき、NPNトランジスタ12a及びPNPトランジスタ12bが、共に、高い熱伝導性を有する熱伝導性感圧接着性積層シート(F)14、14を介して一つのヒートシンク13に取り付けられていることによって、NPNトランジスタ12aとPNPトランジスタ12bとで温度差が生じることを抑制できる。
図1(C)は、発熱体である2つのトランジスタ22、22が熱伝導性感圧接着性積層シート(F)24を介して任意の固定手段により固定された様子を概略的に示す断面図である。
図1(C)に示したように、2つの発熱体22、22が熱伝導性感圧接着性積層シート(F)24を介して固定されることによって、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)24(熱伝導性感圧接着層)は高い熱伝導性を有しているので、2つの発熱体22、22の一方の温度が他方に比べて高くなれば、一方から他方へと速やかに熱を伝えられるので、2つの発熱体22、22の間で温度差が生じることを抑制できる。
なお、上記例では放熱体としてヒートシンクを用いたが、電子部品の筐体などを放熱体とすることもできる。以下、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の他の使用例について説明する。
本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)は、電子機器に備えられる電子部品の一部として用いることができる。当該電子機器及び電子部品の具体例としては、エレクトロルミネッセンス(EL)、発光ダイオード(LED)光源を有する機器における発熱部周囲の部品、自動車等のパワーデバイス周囲の部品、燃料電池、太陽電池、バッテリー、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ノートパソコン、液晶パネル、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、又は集積回路(IC)などの発熱部を有する機器や部品を挙げることができる。
なお、本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の電子機器への使用方法の一例としては、LED光源を例にすると下記に記述するような使用方法を挙げることができる。すなわちLED光源に直接貼り付ける;LED光源と放熱材料(ヒートシンク、ファン、ペルチェ素子、ヒートパイプ、グラファイトシート等)との間に挟みこむ;LED光源に接続された放熱材料(ヒートシンク、ファン、ペルチェ素子、ヒートパイプ、グラファイトシート等)に貼り付ける;LED光源を取り囲む筐体として使用する;LED光源を取り囲む筐体に貼り付ける;LED光源と筐体との隙間を埋める;等の方法である。LED光源の用途例としては、透過型の液晶パネルを有する表示装置のバックライト装置(テレビ、携帯、PC、ノートPC、PDA等);車両用灯具;工業用照明;商業用照明;一般住宅用照明;等が挙げられる。
また、LED光源以外の具体例としては、以下のものが挙げられる。すなわち、PDPパネル;IC発熱部;冷陰極管(CCFL);有機EL光源;無機EL光源;高輝度発光LED光源;高輝度発光有機EL光源;高輝度発光無機EL光源;CPU;MPU;半導体素子;等である。
更に本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の使用方法としては、装置の筐体に貼り付けること等を挙げることができる。例えば、自動車等に備えられる装置に使用する場合、自動車に備えられる筐体の内部に貼り付ける;自動車に備えられる筐体の外側に貼り付ける;自動車に備えられる筐体の内部にある発熱部(カーナビ/燃料電池/熱交換器)と該筐体とを接続する;自動車に備えられる筐体の内部にある発熱部(カーナビ/燃料電池/熱交換器)に接続した放熱板に貼り付ける;こと等が挙げられる。
なお、自動車以外にも、同様の方法で本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を使用することができる。その対象としては、例えばパソコン;住宅;テレビ;携帯電話機;自動販売機;冷蔵庫;太陽電池;表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED);有機ELディスプレイ;無機ELディスプレイ;有機EL照明;無機EL照明;有機ELディスプレイ;ノートパソコン;PDA;燃料電池;半導体装置;炊飯器;洗濯機;洗濯乾燥機;光半導体素子と蛍光体とを組み合わせた光半導体装置;各種パワーデバイス;ゲーム機;キャパシタ;等が挙げられる。
更に、本発明の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)は上記の使用方法に留まらず、用途に応じて他の方法で使用することも可能である。例えば、カーペットや温暖マット等の熱の均一化のために使用する;LED光源/熱源の封止剤として使用する;太陽電池セルの封止剤として使用する;太陽電池のバックシ−トとして使用する;太陽電池のバックシ−トと屋根との間に使用する;自動販売機内部の断熱層の内側に使用する;有機EL照明の筐体内部に、乾燥剤や吸湿剤と共に使用する;有機EL照明の筐体内部の熱伝導層及びその上に、乾燥剤や吸湿剤と共に使用する;有機EL照明の筐体内部の熱伝導層、放熱層、及びその上に、乾燥剤や吸湿剤と共に使用する;有機EL照明の筐体内部の熱伝導層、エポキシ系の放熱層、及びその上に、乾燥剤や吸湿剤と共に使用する;人や動物を冷やすための装置、衣類、タオル、シート等の冷却部材に対し、身体と反対の面に使用する;電子写真複写機、電子写真プリンタ等の画像成形装置に搭載する定着装置の加圧部材に使用する;電子写真複写機、電子写真プリンタ等の画像成形装置に搭載する定着装置の加圧部材そのものとして使用する;制膜装置の処理対象体を載せる熱流制御用伝熱部として使用する;制膜装置の処理対象体を載せる熱流制御用伝熱部に使用する;放射性物質格納容器の外層と内装の間に使用する;太陽光線を吸収するソーラパネルを設置したボックス体の中に使用する;CCFLバックライトの反射シートとアルミシャーシの間に使用する;こと等を挙げることができる。
以下に、実施例にて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、ここで用いる「部」や「%」は、特に断らない限り、質量基準である。
<リワーク性>
後に説明するようにして、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)とシリコン処理(離型処理)を施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、単に「シリコン処理PET」という。)である基材との積層体を作製した。この積層体を基材が下側となるように水平面上に載置し、非粘着層にセロハンテープを貼り、500gの錘を30秒間載置した。その後、セロハンテープを剥がした。このとき、基材からの剥離が可能である場合を「○」、不可能である場合を「×」として、「基材からの剥離性」を評価した。また、熱伝導性感圧接着層と非粘着層との間に界面剥離が生じなかった場合を「○」、界面剥離が生じた場合を「×」として「熱伝導性感圧接着層と非粘着層との接着性」を評価した。結果を表2に示す。
本評価がいずれも「○」である熱伝導性感圧接着性積層シート(F)はリワーク性に優れるといえる。なお、本評価のうち、どちらか一方が「×」である場合には、以降の評価は行わなかった。
<硬度>
後に説明するようにして熱伝導性感圧接着性積層シート(F)と基材との積層体を作製し、積層体から基材を剥離して取り除き、熱伝導性感圧接触層表面の硬度を、高分子計器社製「アスカーゴム硬度計C型」を用いて測定した。硬度は、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)とダンパーとが衝突してから60秒後の測定値を採用し、測定値が0.5未満のときの硬度を0とした。本測定値が小さい値であるほど、柔軟性及び形状追従性に優れているといえる。
<圧縮応力>
後に説明するようにして熱伝導性感圧接着性積層シート(F)と基材との積層体を作製し、これを10mm×10mmのサイズに切り出した試験片を用意した。試験片から基材を剥離した後、上下からポリエチレンテレフタレートフィルムで挟みこみ、万能型引っ張り試験機(島津製作所社製 AG−IS20KN)に取り付けた圧縮試験専用治具にセットした。サンプルに0.002MPaの荷重が印加されるまで上下間を接近させ、測定を開始した。試験速度は1.0mm/minとした。
測定開始後、以下の式(1)及び(2)より、圧縮ひずみ(%)及び圧縮応力(MPa)を算出し、圧縮ひずみが30%に達した際の圧縮応力(30%時圧縮応力)を測定値として記録した。結果を表2に示す。本測定値が小さい値であるほど、柔軟性及び形状追従性に優れているといえる。
圧縮ひずみ(%)={(初期サンプル厚み(mm)−変形量(mm))/初期サンプル厚み(mm)}×100・・・(1)
圧縮応力(MPa)=印加荷重(N)/断面積(mm)・・・(2)
<XY熱伝導率>
後に説明するようにして熱伝導性感圧接着性積層シート(F)と基材との積層体を作製し、それを50mm×110mmの大きさに裁断した試験片を用意した。その後、試験片から基材を剥離した。この試験片の粘着面(熱伝導性感圧接着層面)を後述のリファレンスプレートに接するようにセットし、以下の方法で熱伝導率を測定した。熱伝導率[W/m・K]の測定は、迅速熱伝導率計(京都電子工業株式会社製、QTM−500)を用いて、非定常熱線比較法により行った。なお、リファレンスプレートには、シリコーンゴム(電流値:2A)、石英(電流値:4A)、及び、ジルコニア(電流値:6A)をこの順で使用した。測定は23℃雰囲気下で行った。
その結果を表2に示した。この評価による結果が0.5W/m・K以上であれば、熱伝導性に優れていると言える。
<熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の作製>
(実施例1)
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面にコロナ処理を施した。コロナ処理の条件は、コロナ処理装置(高周波電源;春日電機(株)製 CT−0212、発信機本体;春日電機(株)製 CT−0212、高圧トランス;春日電機(株)製 CT−T022)を用い、PETフィルム表面とコロナ処理装置の電極との距離が2mmとなるように調整し、出力0.15kW、ラインスピード0.5m/min、周囲温度23℃、周囲相対湿度55%RHの条件で、PETフィルム表面を1回コロナ処理することにより行った。
反応器に、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)単量体100部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.03部及び酢酸エチル700部を入れて均一に溶解し、窒素置換後、80℃で6時間重合反応を行った。重合転化率は97%であった。得られた重合体を減圧乾燥して酢酸エチルを蒸発させ、さらにアクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)単量体を加えて粘性のある固体状の(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)と2EHAとの質量比7:3の混合物を得た。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)の重量平均分子量(Mw)は250,000であった。重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準ポリスチレン換算で求めた。
次に、上記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)と2EHAとの質量比7:3の混合物45部と、2EHA55部と、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート及びペンタエリスリトールジアクリレートを60:35:5の割合で混合した、架橋剤である多官能性単量体(共栄社化学株式会社製、商品名「ライトアクリレートPE−3A」)0.6部と、有機過酸化物熱重合開始剤(1,6−ビス(t−ブチルペルオキシカルボニルオキシ)ヘキサン(1分間半減期温度は150℃である。))1.2部と、シリコーン(S)として2液反応型シリコーンの主剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名「TSE 3062(A)」)及び硬化剤(同社製、商品名「TSE 3062(B)」)をそれぞれ3部ずつと、可塑剤(C)としてのリン酸エステル(味の素ファインテクノ株式会社製、商品名「レオフォス65」、化合物名「リン酸トリアリールイソプロピル化物」)75部と、熱伝導性フィラー(E)としてのチタネート処理された水酸化アルミニウム(日本軽金属株式会社製、商品名「B303T」、平均粒径:15μm)500部と、を電子天秤で計量し、これらを混合した。混合には、恒温槽(東機産業株式会社製、商品名「ビスコメイト 150III」)及びホバートミキサー(株式会社小平製作所製、商品名「ACM−5LVT型」、容量:5L)を用いた。ホバート容器の温調は23℃に設定し、真空(−0.1MPaG)にして、回転数目盛を3にして30分間攪拌し、混合組成物を得た。
次に、上記混合組成物を、厚さ75μmの離型処理(シリコン処理)を施したPETフィルム(以下、単に「シリコン処理PET」という。)のシリコン処理が施された面に垂らし、当該混合組成物上に、非粘着層としてのコロナ処理を施したPETフィルム(以下、単に「コロナ処理PET」という。)を、該コロナ処理PETのコロナ処理を施した面と混合組成物とが接するように被せた。このようにして得た、混合組成物がシリコン処理PETとコロナ処理PETとに挟持されてなるものを、混合組成物(熱伝導性感圧接着層)の厚さが300μmとなるように間隔を調整した2つのロールの間に通し、混合組成物をシート状に成形した。その後、当該積層体をオーブンに投入し、120℃で8分間加熱し、引き続き、140℃で17分間加熱した。この加熱工程によって、混合組成物中において少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び多官能性単量体(α2)を重合させ、コロナ処理PETフィルムである非粘着層と熱伝導性感圧接着層とを備えた熱伝導性感圧接着性積層シート(以下、単に「シート」と表記する。)を得た。なお、シート中の残存単量体量から、全単量体の重合転化率を計算したところ、99.9%であった。
なお、表2には、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)、及び、多官能性単量体(α2)の合計100.6部を、100部に読み替えたときの各成分の配合量(小数点第2位を四捨五入)を示す。
(実施例2)
シリコーン(S)として用いた2液反応型シリコーンの主剤及び硬化剤の使用量を、それぞれ10部ずつに変更した以外は実施例1と同様にして実施例2に係るシートを作製した。
(実施例3)
シリコーン(S)として用いた2液反応型シリコーンに代えて、シリコーンオイル(チッソ株式会社製、商品名「FM−4425」)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例3に係るシートを作製した。
(実施例4)
可塑剤(C)として用いたリン酸エステルに代えて、トリメリット酸エステル(花王株式会社製、商品名「トリメックスN−08」)75部を用いた以外は実施例1と同様にして実施例4に係るシートを作製した。
(比較例1)
シリコーン(S)として用いた2液反応型シリコーンの主剤及び硬化剤の使用量を、それぞれ0.5部ずつに変更した以外は実施例1と同様にして比較例1に係るシートを作製した。
(比較例2)
シリコーン(S)として用いた2液反応型シリコーンの主剤及び硬化剤の使用量を、それぞれ15部ずつに変更した以外は実施例1と同様にして比較例2に係るシートを作製した。
Figure 2016210936
表2に示したように、実施例1〜4に係るシートはいずれもリワーク性に優れ、低硬度かつ低圧縮応力であることから柔軟性及び形状追従性に優れ、熱伝導性にも優れていた。一方、シリコーンの含有量が本発明の規定よりも少ない比較例1に係るシートは、基材と熱伝導性感圧接着層との接着性が高まり、シートを基材から剥離することができず、リワーク性に劣っていた。また、シリコーンの含有量が本発明の規定よりも多い比較例2に係るシートは、シートを基材から剥離することは可能であったが、同時に熱伝導性感圧接着層と非粘着層との間に界面剥離が生じ、リワーク性に劣っていた。
1 基板
2、12a、12b、22 発熱体
3、13 放熱体
4、14、24 熱伝導性感圧接着性積層シート(F)

Claims (9)

  1. 熱伝導性及び感圧接着性を有する熱伝導性感圧接着層と、粘着性を有さない非粘着層と、を備えた熱伝導性感圧接着性積層シート(F)であって、
    前記熱伝導性感圧接着層が、
    (メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)、及び、重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)0.2質量%以上3質量%以下、を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部と、
    シリコーン(S)を3質量部以上25質量部以下と、
    可塑剤(C)を30質量部以上100質量部以下と、
    熱伝導性フィラー(E)を300質量部以上700質量部以下と、
    を含む混合組成物をシート状に成形した後、又はシート状に成形しながら、少なくとも前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び前記重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)の重合反応が行われてなる層である、
    熱伝導性感圧接着性積層シート(F)。
  2. 前記シリコーン(S)が、シリコーンオイル、又は、2液反応型シリコーンの主剤と硬化剤との混合物である、請求項1に記載の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)。
  3. 前記可塑剤がリン酸エステル又はトリメリット酸エステルである、請求項1又は2に記載の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)。
  4. 前記非粘着層の前記熱伝導性感圧接着層側の面にコロナ処理が施されている、請求項1〜3のいずれかに記載の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)。
  5. 熱伝導性及び感圧接着性を有する熱伝導性感圧接着層と、粘着性を有さない非粘着層と、を備えた熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の製造方法であって、
    (メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)、及び、重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)0.2質量%以上3質量%以下、を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部と、
    シリコーン(S)を3質量部以上25質量部以下と、
    可塑剤(C)を30質量部以上100質量部以下と、
    熱伝導性フィラー(E)を300質量部以上700質量部以下と、
    を含む混合組成物を作製する混合組成物作製工程と、
    前記非粘着層上において、前記混合組成物をシート状に成形した後、又はシート状に成形しながら、少なくとも前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び前記重合性不飽和結合を複数有する多官能性単量体(α2)の重合反応を行うことによって、前記非粘着層の上に、前記熱伝導性感圧接着層を積層する熱伝導性感圧接着層積層工程と、
    を有する、熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の製造方法。
  6. 前記シリコーン(S)が、シリコーンオイル、又は、2液反応型シリコーンの主剤と硬化剤との混合物である、請求項5に記載の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の製造方法。
  7. 前記可塑剤がリン酸エステル又はトリメリット酸エステルである、請求項5又は6に記載の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の製造方法。
  8. 前記熱伝導性感圧接着層積層工程よりも前に、前記非粘着層にコロナ処理を施すコロナ処理工程を有し、
    前記熱伝導性感圧接着層積層工程において、前記非粘着層の前記コロナ処理が施された面上に前記混合組成物を配置する、請求項5〜7のいずれかに記載の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)の製造方法。
  9. 請求項1〜4に記載の熱伝導性感圧接着性積層シート(F)を備えた電子機器。
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