JP2016209327A - 睡眠深度推定装置、睡眠深度推定方法、およびプログラム - Google Patents
睡眠深度推定装置、睡眠深度推定方法、およびプログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016209327A JP2016209327A JP2015096326A JP2015096326A JP2016209327A JP 2016209327 A JP2016209327 A JP 2016209327A JP 2015096326 A JP2015096326 A JP 2015096326A JP 2015096326 A JP2015096326 A JP 2015096326A JP 2016209327 A JP2016209327 A JP 2016209327A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- signal
- sleep depth
- frequency
- sleep
- unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
Abstract
Description
図1は、本発明の一実施形態に係る睡眠深度推定システム1の概要を示す図である。図1を参照すると、睡眠深度推定システム1は、ドップラーセンサ2、および睡眠深度推定装置10を有する。
図2は、本発明の一実施形態に係る睡眠深度推定装置10の構成例を示すブロック図である。図2を参照すると、睡眠深度推定装置10は、呼吸推定部100、体動推定部200、および睡眠深度推定部300を含む。図示された睡眠深度推定装置10は、微細な揺らぎを伴う被験者の呼吸の振動情報、および被験者の体動の振動情報を推定し、推定された各振動情報に基づいて被験者の睡眠深度を推定することができる。以下、各構成の機能について説明する。
呼吸推定部100は、ビート信号取得部110、フィルタ部120、信号変換部130、周波数推定部140、基準時刻推定部150、および振動情報特定部160を含む。呼吸推定部100は、取得したビート信号を一次元信号に変換し、変換した一次元信号の周波数を推定し、推定された周波数からビート信号の周期を算出するための一次元信号における基準位置を推定する。そして、呼吸推定部100は、推定された基準位置を用いて、呼吸の振動の周期、または振幅を含む振動情報を特定する。特定された振動情報は、睡眠深度推定部300へ出力される。以下、呼吸推定部100に含まれる各機能の構成について説明する。
ビート信号取得部110は、ドップラーセンサ2から出力されるビート信号D(t)を取得する。ドップラーセンサ2から出力されるビート信号D(t)はI成分とQ成分の2波の成分を有し、振幅をA(t)、波長をλ、時刻tにおけるドップラーセンサ2と対象物体(例えば図1に示された人物P)との距離をd(t)、初期位相をφ0、直流成分をO、ノイズ成分をwとすると、ビート信号D(t)は、下記の数式1のように表現される。
フィルタ部120は、ビート信号取得部110が取得したビート信号D(t)に含まれる直流成分Oなどの低周波成分や、ノイズ成分wなどの高周波成分を減少または除去するフィルタ処理を実施し、フィルタ処理されたビート信号D(t)を信号変換部130に出力する。例えば、フィルタ部120は、ビート信号D(t)に含まれる直流成分Oを減少または除去するハイパスフィルタを備えてもよい。ビート信号D(t)の振幅が微弱である場合において、ビート信号D(t)に直流成分Oが含まれたまま不図示の増幅器等により増幅させると、直流成分Oも増幅される。そうすると、ビート信号D(t)のうち呼吸の振動に寄与する特徴を示す信号の波形のみを抽出することが困難である。そこで、ハイパスフィルタによって直流成分Oを減少または除去することにより、ビート信号D(t)のうち、呼吸の振動に寄与する特徴を示す信号の波形を適切に増幅させることが可能となる。上記のようなハイパスフィルタは、例えば睡眠深度推定装置10に備えられるフィルタ回路等のアナログフィルタによって実現されてもよいし、IIR(Infinite Impulse Response:無限インパルス応答)フィルタ等のデジタルフィルタによって実現されてもよい。また、フィルタ部120は、直流成分Oを特定して除去するように減算回路を配置するフィルタ回路によって直流成分Oを減少または除去してもよい。
信号変換部130は、フィルタ部120から出力されたビート信号D(t)を一次元信号r(t)に変換する。例えば、信号変換部130は、ビート信号D(t)のIQ平面における分布に基づいてビート信号D(t)を一次元の第1候補信号R1(t)に変換する、第1変換部を有してもよい。また、信号変換部130は、ビート信号D(t)のIQ平面における位置の時間変化に基づいてビート信号D(t)を一次元の第2候補信号R2(t)に変換する、第2変換部を有してもよい。さらに、信号変換部130は、上記の2つの変換部を有する場合、第1候補信号R1(t)と第2候補信号R2(t)の少なくともいずれかを用いることにより1次元信号r(t)を決定する信号決定部を有してもよい。以下、上述した各機能部について説明する。
第1変換部は、例えば、ビート信号D(t)を表現する二次元ベクトルと、ビート信号D(t)の共分散行列の最大固有値に対応する固有ベクトルとの内積を算出することにより、ビート信号D(t)を第1候補信号R1(t)に変換してもよい。つまり、第1変換部は、ビート信号D(t)を最大固有値に対応する主成分方向に射影した第1候補信号R1(t)を得ることができる。具体的には、第1候補信号R1(t)は、下記の数式2により算出されてもよい。
第2変換部は、例えば、ビート信号D(t)のIQ平面における分布に基づいて推定される分布の中心からのビート信号D(t)の位置までの距離(振幅に相当)と、分布の中心を基準とするビート信号D(t)の回転角度の変化量との積を算出することにより、ビート信号D(t)を第2候補信号R2(t)に変換してもよい。例えば、R2(t)は、下記の数式3における連続関数(本実施形態においては、シグモイド関数)を利用した関数を用いて算出されてもよい。
信号決定部は、例えば、第1候補信号R1(t)または第2候補信号R2(t)の一方を一次元信号r(t)と決定してもよい。また、信号決定部は、第1候補信号R1(t)と第2候補信号R2(t)とを統合させた信号を一次元信号r(t)と決定してもよい。
周波数推定部140は、信号変換部130から出力された一次元信号r(t)の有する周波数を推定する。例えば、周波数推定部140は、呼吸周期の大きな揺らぎに合わせるために、一次元信号r(t)と参照信号との位相差、および位相差の時間変化に基づいて一次元信号r(t)の周波数を推定する、第1周波数推定部を有してもよい。また、周波数推定部140は、第1周波数推定部により推定された推定周波数に対応する周期に相当する区間長を有する比較信号を一次元信号r(t)から切り出し、比較信号と上記の区間長を有する一次元信号r(t)との相関係数を算出することにより一次元信号r(t)の周波数を推定する、第2周波数推定部を有してもよい。以下、第1周波数推定部により推定された一次元信号r(t)の周波数を第1推定周波数と、また、第2周波数推定部により推定された一次元信号r(t)の周波数を第2推定周波数と呼称する。
第1の周波数推定部は、例えば、時刻tkにおける一次元信号r(tk)と、参照信号とを積算し、積算された信号の低周波成分を、ローパスフィルタ等を用いて抽出することにより、一次元信号r(tk)と参照信号との位相差ψ(tk)を算出する。ここでは参照信号として、位相変化による周期推定を容易とするため、位相とその時間変化をパラメータにもつ正弦波、または余弦波が用いられる。その場合、参照信号は、時刻tk−1に推定された周波数fA(tk−1)を有する正弦波、あるいは余弦波の信号である。そして、第1の周波数推定部は、位相差ψ(tk)と、時刻tk−1に算出された位相差ψ(tk−1)との変化分を算出する。位相差の時間変化分ψ(tk)−ψ(tk−1)は、一次元信号r(t)の周波数の変化によって生じたものと仮定して、第1周波数推定部は、参照信号の周波数fA(tk−1)に、位相差の時間変化分ψ(tk)−ψ(tk−1)に相当する周波数を加算して、第1推定周波数fA(tk)を出力する。
第2の周波数推定部は、入力された一次元信号r(t)の相関分析を行うことにより、第1の周波数推定部により得られた第1推定周波数fA(tk)より局所的な変化に対して精度の高い第2推定周波数fB(tk)を推定する。まず、第2周波数推定部は、一次元信号r(t)から、時刻tk−TAから時刻tkまでの区間を切り出し、これを比較信号として扱う。TAは、先に推定された第1の周波数fA(tk−1)に対応する周期である。次に、第2周波数推定部は、切り出された比較信号を用いて、相関係数を算出する。相関係数の算出範囲は、tk−2TAからtk−TAの範囲を含むことが好ましい。そして第2周波数推定部は、上記の算出範囲において、区間長TAを有する一次元信号r(t)と、比較信号との相関係数R(τ)が最大となるタイムラグτmaxを算出する。このとき、第2周波数推定部は、τ=τmaxのときの相関係数R(τmax)を不図示の記憶部に記憶してもよい。第2周波数推定部は、相関係数算出範囲において算出される相関係数が最大となるときのタイムラグτmaxから、第2推定周波数fB(tk)を算出する。例えば、第2推定周波数fB(tk)は、タイムラグτmaxの逆数であってもよい。
周波数推定部140は、上述した2つの推定された周波数について、いずれの周波数を用いるかを判定する判定部を有してもよい。例えば、判定部は、2つの推定された周波数の差が所定の閾値以内であるかに基づいて、いずれの周波数を推定周波数fE(t)として用いるかを判定してもよい。また、第2周波数推定部で算出されたタイムラグτmaxの値に基づいて、第1推定周波数fA(tk)と第2推定周波数fB(tk)のいずれの周波数を用いるかを判定してもよい。
基準時刻推定部150は、推定周波数fE(t)に基づいて一次元信号r(t)の基準時刻を推定し、推定した基準時刻を、ビート信号D(t)または一次元信号r(t)の少なくともいずれかとともに振動情報特定部160に出力する。具体的には、基準時刻推定部150は、推定周波数fE(t)に対応する周期に相当する区間長を有する基準信号を一次元信号r(t)から切り出し、基準信号と推定周波数fE(t)を有する正弦波との相関係数を算出することにより、一次元信号r(t)の基準時刻を推定する。ここで基準時刻とは、本明細書においては、一次元信号r(t)の一周期ごとの波形について、各波形の類似する波形のうち、波形のピークを示す時刻などの共通する特徴を持った時刻を意味する。また、基準時刻は、例えば波形の極小値を示す位置に相当する時刻でもよいし、r(t)=0となるときの時刻でもよい。
振動情報特定部160は、推定された基準時刻を用いてビート信号D(t)(または一次元信号r(t))の振動情報を特定する。ここで、本明細書において振動情報は、例えば、ビート信号D(t)の周期や振幅を含む。
体動推定部200は、ドップラーセンサ2から出力されたビート信号D(t)から被験者の体動に係る振動情報を推定し、推定した振動情報を睡眠深度推定部300へ出力する。ここで、体動とは、例えば被験者の寝返りや手足の動きなどを意味する。また、体動に係る振動情報は、例えば、体動の振幅量を含む。
睡眠深度推定部300は、特徴量算出部310、モデル選択部320、および深度判別部330を含む。睡眠深度推定部300は、呼吸推定部100から取得した被験者の呼吸の振動情報、または体動推定部200から取得した被験者の体動の振動情報の少なくともいずれかを用いて、被験者の睡眠深度を推定する。この場合、睡眠深度は所定の区間ごとに推定され、上記の所定の区間の大きさは、特に限定されないが、本実施形態においては、Rechtschaffen, A. and Kales, A.“A Manual of Standardized Terminology, Techniques and Scoring System for Sleep Stage of Human Subjects, Washington Public Health Service U.S. Government Printing Office, Washington, D.C.(1968)に記載された、国際的な睡眠深度判定基準である「R&K法」にのっとり、30秒とする。この30秒の区間をエポックと呼称する。
まず、睡眠深度推定部300が推定する睡眠深度について説明する。睡眠深度とは、生体の睡眠の状態により分別される睡眠の深さを意味する。睡眠段階は、例えば、上述したR&K法によれば、覚醒、レム睡眠、およびノンレム睡眠の状態に区別可能である。さらに、ノンレム睡眠の状態については、例えば、軽睡眠および深睡眠の状態に区別可能である。本実施形態においては、睡眠深度は4段階に分けて推定するが、他の実施形態においては睡眠深度の段階数について特に限定されない。例えば、他の実施形態において睡眠深度は、覚醒と睡眠の2段階であってもよいし、ノンレム睡眠をさらに細分化したものであってもよい。これらの睡眠深度に応じて、睡眠中の被験者の脳の活動状態や自律神経の活性度、および骨格筋の緊張状態もしくは弛緩状態が変化する。これらの変化は、例えば、被験者の体動の大きさ、呼吸の周期の速さや揺らぎ、または呼吸の振幅の揺らぎ等の特徴に現れる。そのため、睡眠深度推定部300は、上記の特徴について解析を行うことにより、被験者の睡眠深度を推定することができる。以下、睡眠深度推定部300に含まれる各機能の構成について説明する。
特徴量算出部310は、被験者の睡眠深度を推定するために用いる特徴量を算出する。ここで、特徴量とは例えば以下の特徴量を含み得る。
体動に関する特徴量bmは、被験者の寝返りなどの体動の大きさを示す特徴量である。bmは、睡眠または覚醒の状態、および、レム睡眠またはノンレム睡眠の状態を判別するために用いられる。例えば、bmの値が低い場合は、体動が小さいので、被験者は睡眠状態であると考えられる。特徴量算出部310は、1秒ごとに1つ得られる体動の振動情報に含まれる振幅量から、bmを算出する。具体的には、特徴量算出部310は、1エポックに含まれる30個の振幅量の平均値を当該エポックにおけるbmとして算出してもよい。
呼吸の振幅に関する特徴量cvは、呼吸における吸い込みや吐き出しの大きさの揺らぎを示す特徴量である。cvは、睡眠または覚醒の状態、および、軽睡眠または深睡眠の状態を判別するために用いられる。例えば、cvの値が低い場合は、呼吸が安定であるので、被験者は睡眠状態であると考えられる。特徴量算出部310は、1秒ごとに1つ得られる呼吸の振動情報に含まれる振幅から、cvを算出する。具体的には、特徴量算出部310は、1エポックに含まれる30個の振幅の平均値及び標準偏差を算出し、標準偏差を平均値で割ることにより得られる値をcvとして算出してもよい。
呼吸の周期の長さに関する特徴量respは、呼吸の周期の長短を示す特徴量である。respは、軽睡眠または深睡眠の状態を判別するために用いられる。例えば、respの値が低い場合は、呼吸の周期が短いので、被験者はノンレム睡眠のうち睡眠が浅いとされる軽睡眠であると考えられる。特徴量算出部310は、1秒ごとに1つ得られる呼吸の振動情報に含まれる周期から、respを算出する。具体的には、特徴量算出部310は、1エポックに含まれる30個の周期の平均値を算出し、平均値を係数αで割ることにより得られる値をrespとして算出してもよい。ここで、係数αは、被験者の呼吸の周期に合わせて変動する値でもよいし、固定値であってもよい。例えば、係数αは、被験者の睡眠時における呼吸の周波数の平均値であってもよい。これにより、個人差によるrespの値のばらつきを抑制することが可能である。また、係数αを固定値として用いる場合、係数αは、0.2〜0.5程度の値としてもよい。
呼吸の周期の揺らぎに関する特徴量resp_aveは、呼吸の周期の揺らぎの大きさを示す特徴量である。resp_aveは、レム睡眠またはノンレム睡眠の状態を判別するために用いられる。例えば、resp_aveの値が低い場合は、呼吸の周期の揺らぎが小さいので、被験者はノンレム睡眠の状態であると考えられる。特徴量算出部310は、あるエポックにおいて算出されたrespと1エポック前において算出されたrespとを比較することにより算出する。具体的には、まず、特徴量算出部310は、あるエポックにおいて算出されたrespと1エポック前において算出されたrespとの差分の二乗を算出し、連続する所定数のエポックにおいて算出された上記の差分の二乗の平均値をresp_aveとして算出してもよい。上記の所定数は、過去数分程度の呼吸の周期の揺らぎを捉えるために、例えば10であってもよい。
睡眠継続時間slp_etは、過去の所定期間において、被験者の睡眠状態の継続時間を示す特徴量である。slp_etは、覚醒状態(または被験者の睡眠深度を推定していない状態)から睡眠状態であると推定された時点を起点とする、睡眠状態が継続している時間を指す。なお、所定期間とは、被験者の睡眠状態に基づいて決定してもよいし、固定値であってもよい。例えば、所定期間は、4時間=14400秒であってもよい。ここで、例えば睡眠状態が途切れて覚醒状態に変化した場合、slp_etは、上記起点から覚醒状態に変化した時刻までの時間としてもよい。また、覚醒状態に変化した後に第1の所定時間以内に再び睡眠状態に変化した場合、覚醒状態であった時間は、睡眠継続時間としてslp_etに加算されてもよい。第1の所定時間は特に限定されないが、覚醒状態が直後の睡眠状態に影響を及ぼさない程度の時間であることが好ましく、例えば、1時間であってもよい。また、覚醒状態から睡眠状態に変化した後に第2の所定時間以内に再び覚醒状態に変化した場合、slp_etの値は0にリセットされてもよい。第2の所定時間は特に限定されないが、一時的な眠気による睡眠状態と判別するのに必要な時間であることが望ましく、例えば、10分であってもよい。第1の所定時間および第2の所定時間は、被験者の睡眠の特性や被験者の健康状態等に応じて、自由に変更可能である。
睡眠深度積算時間sum_rem、sum_light、およびsum_deep(以下、3つの睡眠深度積算時間を総称する場合は、sumsと呼称する)は、過去の所定期間において発生した、被験者のレム睡眠、軽睡眠、および深睡眠の状態の各々の積算時間を示す特徴量である。sumsの各々の値は、1エポック単位で判定される各睡眠状態に基づいて決定されてもよい。例えば、あるエポックにおいてレム睡眠であると推定された場合、sum_remに30秒が加算される。
モデル選択部320は、被験者の睡眠の継続時間や各睡眠深度における積算時間に応じて、睡眠深度の推定条件を変更する。例えば、モデル選択部320は、深度判別部330による睡眠深度の特定処理に用いられる判別モデルを、slp_etまたはsumsの少なくともいずれかに基づいて決定してもよい。判別モデルは、bm、cv、resp、およびresp_aveを独立変数として入力し、各段階の睡眠深度を推定するための目的変数を得るのに用いられる判別行列Mおよび補正ベクトルbを有する。判別行列Mおよび補正ベクトルbのパラメータは、例えば、上述したPSGなどの他の睡眠深度測定手法により得られる睡眠深度の正解値を教師データとする教師付学習や半教師付学習等の手法を用いて決定されてもよい。また、判別行列Mおよび補正ベクトルbのパラメータは、教師なし学習に基づくクラス分けが実施された後に、教師付学習により最適化されてもよい。各パラメータの最適化に用いられる教師付学習のアルゴリズムは、公知のアルゴリズムであってもよい。
深度判別部330は、特徴量算出部310から出力された特徴量、およびモデル選択部320により選択された判別モデルを用いて、被験者の睡眠深度を判別する。例えば、深度判別部330は、bm、cv、resp、およびresp_aveの各特徴量を独立変数として、判別モデルに含まれる判別行列Mおよび補正ベクトルbを用いて、線形判別分析を行うことにより、被験者の睡眠深度を判別してもよい。
次に、本発明の一実施形態に係る睡眠深度推定装置10の動作例について説明する。図10は、本発明の一実施形態に係る睡眠深度推定装置10の動作例を示すフローチャートである。
以上、本発明の一実施形態に係る睡眠深度推定装置10の動作例について説明した。上述した睡眠深度推定装置10の情報処理は、ソフトウェアと、睡眠深度推定装置10との協働により実現される。以下では、本発明の実施形態に係る睡眠深度推定装置10のハードウェア構成を説明する。
ここまで、図1〜図11を用いて、本発明の一実施形態について説明した。本発明の一実施形態によれば、睡眠深度推定装置10は、取得したビート信号から被験者の呼吸の振動情報、および体動の振動情報を推定し、推定された各々の振動情報を用いて被験者の睡眠深度を推定する。特に、睡眠深度推定装置10は、被験者の呼吸に含まれる微細な揺らぎを伴う振動について、正弦波との相関を算出することにより、呼吸の振動の周期を精度高く推定することが可能である。これにより、睡眠深度推定装置10は、呼吸の周期の乱れを生じさせるレム睡眠など、呼吸の振動について異なる特徴を有する各段階の睡眠深度を推定することが可能となる。
2 ドップラーセンサ
10 睡眠深度推定装置
100 呼吸推定部
110 ビート信号取得部
120 フィルタ部
130 信号変換部
140 周波数推定部
150 基準時刻推定部
160 振動情報特定部
200 体動推定部
300 睡眠深度推定部
310 特徴量算出部
320 モデル選択部
330 深度判別部
Claims (13)
- 生体の振動に応じてドップラーセンサにより検出されたビート信号を一次元信号に変換する信号変換部と、
前記一次元信号の周波数を推定する周波数推定部と、
推定された前記一次元信号の周波数に対応する周期に相当する区間長を有する基準信号を前記一次元信号から切り出し、前記基準信号と前記周波数を有する正弦波との相関係数を算出することにより、前記一次元信号の基準時刻を推定する基準時刻推定部と、
前記基準時刻を用いて前記ビート信号の振動情報を特定する振動情報特定部と、
特定された前記振動情報に基づいて前記生体の睡眠深度を推定する睡眠深度推定部と、
を備える、睡眠深度推定装置。 - 前記基準時刻推定部は、前記基準信号と前記正弦波との相関係数が最大となるときの前記正弦波の位相に基づいて前記基準時刻を推定する、請求項1に記載の睡眠深度推定装置。
- 前記基準時刻推定部は、前記基準時刻を推定する際に用いる前記基準信号の区間において過去に推定された複数の基準時刻を抽出し、抽出された前記複数の基準時刻の分布に基づいて前記基準時刻を特定する、請求項1または2に記載の睡眠深度推定装置。
- 前記振動情報特定部は、前記基準時刻における二次元ベクトルで表現された前記ビート信号のスカラー量を、前記ビート信号の振幅として特定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の睡眠深度推定装置。
- 前記振動情報特定部は、前記基準時刻における前記一次元信号の振幅を、前記ビート信号の振幅として特定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の睡眠深度推定装置。
- 前記振動情報特定部は、連続する2つの前記基準時刻の間隔を、前記ビート信号の周期として特定する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の睡眠深度推定装置。
- 前記睡眠深度推定部は、前記生体の体動の振動情報に基づいて前記生体の睡眠深度を推定する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の睡眠深度推定装置。
- 前記睡眠深度推定部は、前記生体の睡眠の継続時間に応じて前記生体の睡眠深度の推定条件を変更する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の睡眠深度推定装置。
- 前記ビート信号からカットオフ周波数より大きい周波数の成分を減少させるフィルタ処理を行うフィルタ部をさらに備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載の睡眠深度推定装置。
- 前記フィルタ部の前記カットオフ周波数は1.5Hz以上である、請求項9に記載の睡眠深度推定装置。
- 前記生体の振動は、前記生体の呼吸による振動を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の睡眠深度推定装置。
- 生体の振動に応じてドップラーセンサにより検出されたビート信号を一次元信号に変換するステップと、
前記一次元信号の周波数を推定するステップと、
推定された前記一次元信号の周波数に対応する周期に相当する区間長を有する基準信号を前記一次元信号から切り出し、前記基準信号と前記周波数を有する正弦波との相関係数を算出することにより、前記基準信号の基準時刻を推定するステップと、
前記基準時刻を用いて前記ビート信号の振幅および周期を含む振動情報を特定するステップと、
特定された前記振動情報に基づいて前記生体の睡眠深度を推定するステップと、
を含む、睡眠深度推定方法。 - コンピュータを、
生体の振動に応じてドップラーセンサにより検出されたビート信号を一次元信号に変換する信号変換部と、
前記一次元信号の周波数を推定する周波数推定部と、
推定された前記一次元信号の周波数に対応する周期に相当する区間長を有する基準信号を前記一次元信号から切り出し、前記基準信号と前記周波数を有する正弦波との相関係数を算出することにより、前記基準信号の基準時刻を推定する基準時刻推定部と、
前記基準時刻を用いて前記ビート信号の振幅および周期を含む振動情報を特定する振動情報特定部と、
特定された前記振動情報に基づいて前記生体の睡眠深度を推定する睡眠深度推定部と、
として機能させるための、プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015096326A JP6515670B2 (ja) | 2015-05-11 | 2015-05-11 | 睡眠深度推定装置、睡眠深度推定方法、およびプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015096326A JP6515670B2 (ja) | 2015-05-11 | 2015-05-11 | 睡眠深度推定装置、睡眠深度推定方法、およびプログラム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016209327A true JP2016209327A (ja) | 2016-12-15 |
JP6515670B2 JP6515670B2 (ja) | 2019-05-22 |
Family
ID=57549099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015096326A Active JP6515670B2 (ja) | 2015-05-11 | 2015-05-11 | 睡眠深度推定装置、睡眠深度推定方法、およびプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6515670B2 (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018216362A1 (ja) * | 2017-05-25 | 2018-11-29 | コニカミノルタ株式会社 | ケアサポートシステム |
WO2019039261A1 (ja) * | 2017-08-22 | 2019-02-28 | 国立大学法人大阪大学 | 睡眠の質判定システム、睡眠の質モデル作成プログラム、および、睡眠の質判定プログラム |
JP2019069101A (ja) * | 2017-10-11 | 2019-05-09 | 株式会社Z−Works | 情報処理システム、情報処理装置、情報処理サーバ、情報処理方法及び情報処理プログラム |
JP2020515313A (ja) * | 2017-03-26 | 2020-05-28 | マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー | 無線信号からの睡眠段階の学習 |
JP2021508518A (ja) * | 2017-12-20 | 2021-03-11 | 株式会社村田製作所 | ユーザの精神/感情状態をモデリングする方法およびシステム |
JP2021037219A (ja) * | 2019-09-05 | 2021-03-11 | 住友理工株式会社 | 睡眠状態推定方法および睡眠状態推定装置 |
CN112806967A (zh) * | 2021-02-03 | 2021-05-18 | 深圳联达技术实业有限公司 | 青少年睡眠质量监控方法、装置、计算机设备及存储介质 |
CN112842266A (zh) * | 2020-12-31 | 2021-05-28 | 湖南东晟南祥智能科技有限公司 | 一种基于人体监测睡眠数据的睡眠分期阶段识别方法 |
EP3766418A4 (en) * | 2018-03-14 | 2021-11-17 | Minebea Mitsumi Inc. | SYSTEM FOR DETERMINING BODY MOVEMENT |
CN114159024A (zh) * | 2021-11-17 | 2022-03-11 | 青岛海信日立空调系统有限公司 | 一种睡眠分期方法及装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011015887A (ja) * | 2009-07-10 | 2011-01-27 | Mitsubishi Electric Corp | 生体状態取得装置、生体状態取得プログラム、生体状態取得装置を備えた機器及び空気調和機 |
JP2012211847A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-01 | Oki Electric Ind Co Ltd | 微細振動特徴量算出装置、微細振動特徴量算出方法及びプログラム |
-
2015
- 2015-05-11 JP JP2015096326A patent/JP6515670B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011015887A (ja) * | 2009-07-10 | 2011-01-27 | Mitsubishi Electric Corp | 生体状態取得装置、生体状態取得プログラム、生体状態取得装置を備えた機器及び空気調和機 |
JP2012211847A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-01 | Oki Electric Ind Co Ltd | 微細振動特徴量算出装置、微細振動特徴量算出方法及びプログラム |
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020515313A (ja) * | 2017-03-26 | 2020-05-28 | マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー | 無線信号からの睡眠段階の学習 |
WO2018216362A1 (ja) * | 2017-05-25 | 2018-11-29 | コニカミノルタ株式会社 | ケアサポートシステム |
WO2019039261A1 (ja) * | 2017-08-22 | 2019-02-28 | 国立大学法人大阪大学 | 睡眠の質判定システム、睡眠の質モデル作成プログラム、および、睡眠の質判定プログラム |
JP2019069101A (ja) * | 2017-10-11 | 2019-05-09 | 株式会社Z−Works | 情報処理システム、情報処理装置、情報処理サーバ、情報処理方法及び情報処理プログラム |
JP2021508518A (ja) * | 2017-12-20 | 2021-03-11 | 株式会社村田製作所 | ユーザの精神/感情状態をモデリングする方法およびシステム |
EP3766418A4 (en) * | 2018-03-14 | 2021-11-17 | Minebea Mitsumi Inc. | SYSTEM FOR DETERMINING BODY MOVEMENT |
JP7301681B2 (ja) | 2019-09-05 | 2023-07-03 | 住友理工株式会社 | 睡眠状態推定方法および睡眠状態推定装置 |
JP2021037219A (ja) * | 2019-09-05 | 2021-03-11 | 住友理工株式会社 | 睡眠状態推定方法および睡眠状態推定装置 |
CN112842266A (zh) * | 2020-12-31 | 2021-05-28 | 湖南东晟南祥智能科技有限公司 | 一种基于人体监测睡眠数据的睡眠分期阶段识别方法 |
CN112842266B (zh) * | 2020-12-31 | 2024-05-14 | 湖南正申科技有限公司 | 一种基于人体监测睡眠数据的睡眠分期阶段识别方法 |
CN112806967A (zh) * | 2021-02-03 | 2021-05-18 | 深圳联达技术实业有限公司 | 青少年睡眠质量监控方法、装置、计算机设备及存储介质 |
CN112806967B (zh) * | 2021-02-03 | 2023-10-27 | 深圳联达技术实业有限公司 | 青少年睡眠质量监控方法、装置、计算机设备及存储介质 |
CN114159024B (zh) * | 2021-11-17 | 2023-10-31 | 青岛海信日立空调系统有限公司 | 一种睡眠分期方法及装置 |
CN114159024A (zh) * | 2021-11-17 | 2022-03-11 | 青岛海信日立空调系统有限公司 | 一种睡眠分期方法及装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6515670B2 (ja) | 2019-05-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6515670B2 (ja) | 睡眠深度推定装置、睡眠深度推定方法、およびプログラム | |
Schmidt et al. | Acoustic features for the identification of coronary artery disease | |
JP6077138B2 (ja) | 呼吸信号を用いた睡眠時無呼吸の検出 | |
KR102008196B1 (ko) | 심전도 데이터를 이용한 혈중 칼륨농도 예측모델 생성장치 및 그 방법 | |
JP6477199B2 (ja) | 振動状態推定装置、振動状態推定方法、およびプログラム | |
JP5210872B2 (ja) | 準周期信号を高分解能で抽出する方法及びシステム | |
EP3479758B1 (en) | System and method for breathing pattern extraction from ppg signals | |
JP5929020B2 (ja) | 意識状態推定装置及びプログラム | |
JP6310401B2 (ja) | 生理的リズムを表す信号を処理する方法、システム及びコンピュータプログラム | |
CN102469958A (zh) | 用于分析心冲击图信号的方法和装置 | |
US20220007964A1 (en) | Apparatus and method for detection of breathing abnormalities | |
Tabei et al. | A novel personalized motion and noise artifact (MNA) detection method for smartphone photoplethysmograph (PPG) signals | |
CN110706816A (zh) | 一种基于人工智能进行睡眠环境调控的方法及设备 | |
US20210127983A1 (en) | System and A Method for Myocardial Performance Determination | |
JP2020515313A (ja) | 無線信号からの睡眠段階の学習 | |
CN114027853B (zh) | 基于特征模板匹配的qrs波群检测方法、装置、介质及设备 | |
JP6845404B2 (ja) | 睡眠段階判定方法、睡眠段階判定装置、及び睡眠段階判定プログラム | |
EP3203900A1 (en) | Weaning readiness indicator, sleeping status recording device, and air providing system applying nonlinear time-frequency analysis | |
JP6957011B2 (ja) | 睡眠段階判定装置、睡眠段階判定方法及びプログラム | |
JP6435176B2 (ja) | 身体情報取得装置、身体情報取得方法、およびプログラム | |
JP2022063926A (ja) | 睡眠状態推定システム | |
JP2016047305A (ja) | 意識状態推定装置及びプログラム | |
JP6925056B2 (ja) | 睡眠段階判定方法、睡眠段階判定装置、及び睡眠段階判定プログラム | |
JP6557489B2 (ja) | 生体状態推定装置及びコンピュータプログラム | |
JP6932351B2 (ja) | 睡眠段階判定装置、睡眠段階判定方法及びプログラム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180510 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20180510 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20180510 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180517 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190215 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190305 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190401 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6515670 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |