JP2016209260A - 膝部被覆装具 - Google Patents

膝部被覆装具 Download PDF

Info

Publication number
JP2016209260A
JP2016209260A JP2015095234A JP2015095234A JP2016209260A JP 2016209260 A JP2016209260 A JP 2016209260A JP 2015095234 A JP2015095234 A JP 2015095234A JP 2015095234 A JP2015095234 A JP 2015095234A JP 2016209260 A JP2016209260 A JP 2016209260A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
knee
extension
force
covering
wearer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015095234A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6439199B2 (ja
Inventor
丈晴 福島
Takeharu Fukushima
丈晴 福島
彩子 大野
Ayako Ono
彩子 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alcare Co Ltd
Original Assignee
Alcare Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alcare Co Ltd filed Critical Alcare Co Ltd
Priority to JP2015095234A priority Critical patent/JP6439199B2/ja
Publication of JP2016209260A publication Critical patent/JP2016209260A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6439199B2 publication Critical patent/JP6439199B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)

Abstract

【課題】
ラテラルスラストの発生を抑制することができる膝部被覆装具を提供する。
【解決手段】
伸縮性素材と非伸縮性素材又は伸縮性素材からなる本体部と、外側側副靭帯およびその近傍の少なくとも一部に対面し、前記本体部よりも高い伸長力を有する第一伸長部と、膝関節外側から大腿部内側に掛けて傾斜し、前記本体部よりも高い伸長力及び/又は緊締力を有する第二伸長部と、膝関節外側から下腿部内側に掛けて傾斜し、前記本体部よりも高い伸長力及び/又は緊締力を有する第三伸長部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、膝部に被覆して用いる装具に関する。特に、ラテラルスラストの発生を抑制する機能などを付与した膝部被覆装具に関する。
例えば、加齢による膝を支える筋肉や靭帯の衰え、スポーツによる膝の損傷など、膝に関する疾患は多く、このような疾患の発生予防や、手術後の回復補助を目的とした種々の膝部被覆装具が開発されている。
このような膝部被覆装具としては、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この特許文献1に開示された膝部被覆装具は、膝蓋骨と略同一巾に穿設された円孔を膝蓋骨部上に位置させて押圧体の湾曲凹部を膝蓋骨の外側縁部に密着せしめ、伸縮バンドを引っ張り伸縮無端帯の背面側へ巻回固定して、押圧片により押圧体を内方側へ押圧し、膝蓋骨の外側への移動変位を防止するものである。
また、他の膝部被覆装具としては、特許文献2に開示されたものも知られている。この特許文献2に開示された膝部被覆装具では、膝蓋骨周囲を被覆する部位に、異なる伸長性を有する複数の領域が編み分け編成されて設けられ、前記部位の少なくとも一部が、該部位以外の領域に比べて低い伸長性を有する低伸長性領域とされている。このように、膝部被覆装具において、編み分け編成によりその一部を低伸長性領域とすることで、装着操作が容易で、痛みに応じて適切な箇所を重点的に圧迫、固定、保温等することができる。
実開昭62−12316号公報 特開2011−130784号公報
このように、膝部を被覆する装具は多種多様に開発されている。
ここで、膝関節の疾患を患っている者の歩行特徴として、歩き始めや立脚期において、通常の膝関節中心から外側へと膝関節が瞬間的に移動変位してしまう、いわゆる「ラテラルスラスト」と呼ばれる事象がある。
このラテラルスラストは、人体において体重が付加される関節(膝関節や股関節など)に作用する現象であり、その原因としては、膝周辺における筋力バランスの異常などが考えられており、このラテラルスラストの発生により膝関節が内反し、膝関節内側関節面(大腿骨内側顆、脛骨内顆)で変形が起こってしまうといった問題がある。
このような問題から、ラテラルスラストの発生を抑制する膝部被覆装具の案出が要求されている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、伸縮性素材と非伸縮性素材又は伸縮性素材からなる本体部と、外側側副靭帯およびその近傍の少なくとも一部に対面し、前記本体部よりも高い伸長力を有する第一伸長部と、膝関節外側から大腿部内側に掛けて傾斜し、前記本体部よりも高い伸長力及び/又は緊締力を有する第二伸長部と、膝関節外側から下腿部内側に掛けて傾斜し、前記本体部よりも高い伸長力及び/又は緊締力を有する第三伸長部と、を備える膝部被覆装具に関する。
本発明の膝部被覆装具は、前記第一伸長部、前記第二伸長部及び第三伸長部を備え、膝関節の外側への移動変位(ラテラルスラスト)を抑制することができるものと考えられる。
本発明を適用可能な第一の実施形態に係る膝部被覆装具の正面図である。 図1に示す膝部被覆装具を装着者の膝関節外側から観察した側面図である。 図1に示す膝部被覆装具の背面図である。 図1に示す膝部被覆装具を装着者の膝関節内側から観察した側面図である。 図1に示す膝部被覆装具が展開された状態を当該膝部被覆装具の表面から観察した図である。 図1に示す膝部被覆装具が展開された状態を当該膝部被覆装具の裏面から観察した図である。 本発明を適用した第二の実施形態に係る膝部被覆装具の正面図である。 図7に示す膝部被覆装具を装着者の膝関節外側から観察した側面図である。 図7に示す膝部被覆装具の背面図である。 図7に示す膝部被覆装具を装着者の膝関節内側から観察した側面図である。 本発明を適用した第三の実施形態に係る膝部被覆装具の正面図である。 図11に示す膝部被覆装具を装着者の膝関節外側から観察した側面図である。 図11に示す膝部被覆装具の背面図である。 図11に示す膝部被覆装具を装着者の膝関節内側から観察した側面図である。
以下、本発明を適用可能な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<第一の実施形態>
先ず、図1〜6を用いて、本発明を適用可能な第一の実施形態に係る膝部被覆装具を説明する。この第一実施形態に係る膝部被覆装具1は、大別して、装着者の膝関節周辺を覆う本体部10と、当該本体部10と一体に形成され、装着者の外側側副靭帯等に対面する第一伸長部20と、装着者の膝関節外側から大腿部内側に掛けて傾斜する第二伸長部30と、装着者の膝関節外側から下腿部内側に掛けて傾斜する第三伸長部40と、を備える。また、第一実施形態に係る膝部被覆装具1は、必須の構成ではないが、装着者の膝蓋骨を被覆する皿部50、及び装着者の皮膚に接する保持部11を備えていてもよい。以下に、各部について詳細に説明する。
尚、図1〜6では、隣接する各部同士の境界面を容易に判別することができるよう、当該境界面を実線にて表しているが、各部の大きさ等は各部の効果を奏する範囲で、適宜、変更することができる。
また、図1〜図4では、第一実施形態に係る膝部被覆装具1が装着者の左脚に装着される状態を示しているが、本発明を適用可能な膝部被覆装具は、装着者の左右の脚どちらにも装着することができる。ここで、第一実施形態に係る膝部被覆装具1を装着者の右脚に装着される場合には、膝部被覆装具1の長手方向に沿った軸線を中心に180度反転させて、前記第一伸長部20が装着者の膝関節外側に配されるように装着される。
これらの点は、図7〜10で示される第二実施形態に係る膝部被覆装具、図11〜14に示される第三実施形態に係る膝部被覆装具においても同様である。
前記本体部10は、装着者の体軸方向に関し、当該装着者の大腿下部から膝関節を通って下腿部上部に密着する略円筒状に形成されている。当該本体部10は、装着者の体軸方向に沿った長さが、10〜80cmであり、より好ましくは15〜70cmであり、さらに好ましくは20〜60cmである。また、前記本体部10の内径は、20〜100cmであり、より好ましくは25〜90cmであり、さらに好ましくは30〜80cmである。
更に、この本体部10は、伸縮性素材と非伸縮性素材又は伸縮性素材からなり、糸素材を編成した編物として形成することができる。前記伸縮性素材としては、特に限定されないが、人体の表面構造に密着できる伸びを有する素材であればよい。更に、本体部10の伸長力は、膝関節の屈伸運動に伴う周径変化に可及的に対応することができるよう、更には脱着の容易化の観点から、1.0〜8.0Nであることが好ましい。
ここで、前記伸長力とは、本体部10の側面(第一伸長部20と逆側)を垂直方向(本体部10の周径方向と直行する方向)にカットして試験片とし、試験片を周径方向もしくは斜め方向に引っ張る。つかみ長さ25mm、つかみ間隔を100mmとして定速伸長形引張試験機(島津製作所製“オートグラフ(登録商標)”AG−20KNI、1kNロードセル)に試験片を取り付け、当該試験片を伸度100%/分で伸度100%まで伸ばす時、斯かる試験片が伸度30%の状態に達した時に当該試験片に作用する応力のことを指し、公知の方法により測定することができる。公知の方法としては、例えば、「JIS L 1096 織物及び編物の生地試験方法」に示されたグラブ法(B法)を用いることができる。
前記「伸度」とは、前記試験片を伸ばした状態で伸び方向の当該試験片の長さをd、伸ばす前の試験片の元の長さ(すなわちつかみ間隔)をeとした場合、[(d−e)/e]×100で表される数値をいう。
そして、前記本体部10の伸長力が前記範囲外である場合、膝関節の屈伸運動に伴う周径変化に可及的に対応するができず、もって装着感の劣化を招くことになる。
更に、第一実施形態に係る膝部被覆装具1では、過度な締め付け力が排除され、且つ、適度な装着感が備えている必要があるため、前記本体部10は所定の緊締力を備えている必要がある。
ここで、緊締力とは、本体部10の側面(第一伸長部20と逆側)を垂直方向(本体部10の周径方向と直行する方向)にカットして試験片とし、試験片を周径方向もしくは斜め方向に引っ張る。つかみ長さ25mm、つかみ間隔を100mmとして定速伸長形引張試験機(島津製作所製“オートグラフ(登録商標)”AG−20KNI、1kNロードセル)に試験片を取り付け、当該試験片を伸度100%/分の速度で伸度100%まで伸ばして5秒間保持した後、伸度100%/分で試験片にかかる応力を取り去り、前記試験片が伸度30%まで復元した時の該試験片に作用する応力を指す。
そして、前記本体部10の緊締力は、膝関節の屈伸運動に伴う周径変化に可及的に対応することができるよう、更には脱着の容易化の観点から、0.1〜4.0Nの範囲であることが好ましい。
前記本体部10の緊締力が前記範囲外である場合には、伸長力と同様、膝関節の屈伸運動に伴う周径変化に可及的に対応するができず、もって装着感の劣化を招くことになる。
また、本体部10を構成する糸素材としては、天然繊維、化学繊維のいずれでもよく、例えば、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、セルロース系繊維(綿、レーヨン、ポリノジック、リヨセル等)、ポリウレタン系繊維、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン,ポリプロピレン等)、アセテート系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、毛(羊毛、獣毛等)などを単独で用いた糸、又はこれら繊維を混用した糸を用いることができる。糸の種類としては、モノフィラメント、マルチフィラメント、撚糸、カバードヤーン、コアヤーン等が利用でき、伸縮加工や嵩高加工等を施したものを利用してもよい。
また、前記本体部10の編成としては、経編又は緯編の各種編組織が利用でき、例えば、平編生地、ゴム編(リブ編)生地、パール編生地、タック編生地、丸編生地、横編生地、トリコット生地、ラッシェル生地、パイル編生地、添え糸編生地等が利用できる。伸長性や伸縮性は、これらの編組織を構成する糸にポリウレタン系繊維のカバードヤーンやゴム糸等の弾性糸を挿入したり、これらの弾性糸の挿入本数を調節したりすることで、調節することが可能である。ポリアミド系糸等の地糸にポリウレタン糸やゴム糸等の弾性糸を挿入した筒状のゴム編物(リブ編物)として、丸編み機や靴下編み機により好適に編成され得る。
更に、前記本体部10は一対の保持部11を備える。一対の保持部11は前記本体部10の装着者の体軸方向両端に設けられ、装着者の大腿部Fを周回する保持部11aと、装着者の下腿部Cを周回する保持部11bと、からなる。各保持部11a,11bは、装着時において、膝部被覆装具1が装着位置からずれることを抑止している。
そして、各保持部11a,11bの伸長力は、過度な締め付けが無く、装着者の大腿部F及び下腿部Cに対して密着する程度であることがよく、具体的には、1.0〜8.0Nの範囲であることが好ましい。また、各保持部11a,11bの緊締力は、伸長力と同様、過度な締め付けが無く、装着者の大腿部F及び下腿部Cに対して密着できる程度がよく、0.1〜8.0Nの範囲であることが好ましい。
各保持部11a,11bの伸長力及び緊締力が前記範囲外であると、装着者の大腿部F及び下腿部Cを過度に締め付け、装着感の劣化を招き、更には脱着を容易に行うことが困難となる。
また、装着者の皮膚に接する各保持部11a,11bの内側面には、図6に示されるように、滑止部材12a,12bが設けられている。各滑止部材12a,12bは、装着者の皮膚に接することで摩擦力を発生させ、膝部被覆装具1がずれるのを防止している。各滑止部材12a,12bの材質は特に限定されないが、滑り止めとして確実に機能するためには、ナノファイバー、ゴム糸(ウレタン糸、天然ゴム)、生地に塗布(熱可塑性エラストマー、シリコン樹脂)を用いることが好ましい。
尚、前記滑止部材12は本発明において必須の構成ではなく、例えば各保持部11a,11bの内側面に凸状部を設け、滑り止めとして機能させても差し支えない。
次に、前記皿部50について説明する。
この皿部50は略楕円形状に形成され、第一実施形態に係る膝部被覆装具1全体で二つ設けられている。各皿部50は前記本体部10と同様、伸縮性素材から成形されている。そして、一方の皿部50aは装着時装着者の膝蓋骨前面に対面している。他方の皿部50bは装着時装着者の膝関節裏側に位置しており、一方の皿部50aと他方の皿部50bは装着時に装着者の膝関節を挟持するように配置される。
各皿部50a,50bは、装着者の膝蓋骨を保護する機能を備え、低い伸長力を備えていることが好ましい。このため、各皿部50a,50bの伸長力は、前記本体部10の伸長力よりも低いほうが良く、具体的には、つかみ間隔を40mmとして定速伸長形引張試験機(島津製作所製“オートグラフ(登録商標)”AG−20KNI、1kNロードセル)に供して測定した際、1.0〜8.0Nの範囲であることが好ましい。更に、各皿部50a,50bの緊締力は、つかみ間隔を40mmとして定速伸長形引張試験機(島津製作所製“オートグラフ(登録商標)”AG−20KNI、1kNロードセル)に供して測定した際、0.1〜3.0Nの範囲であることが好ましい。
前述の如く、本実施形態に係る膝部被覆装具1は、装着者の左右の脚どちらにも装着することができるため、本実施形態に係る膝部被覆装具1が装着者の右脚に装着された状態では、前記皿部50bは装着時装着者の膝蓋骨前面に対面し、前記皿部50aは膝関節裏側に位置することとなる。ここで、前記皿部50は低い伸長力を有しており、当該皿部50を構成する糸素材の本数が少ない。このため、当該皿部50が膝関節裏に配置されることで膝関節裏側の通気性を向上させる効果もある。
この第一実施形態に係る膝部被覆装具1の編成では、前記構成からなる皿部50の周囲に、異なる編組み物である前記第一伸長部20、第二伸長部30、第三伸長部40が編み分けられている。更に、前記第一伸長部20、第二伸長部30、第三伸長部40は相互にも編み分けられている。前記第一伸長部20、第二伸長部30、第三伸長部40の編み分けは、編組織の変化、編密度の調整、ループ長の調整、編み糸種類の変更等によって行うことができる。異なる編組織を編成することによって、膝部被覆装具1の所定の部位に所定の伸長性を付与できる。尚、前記第一伸長部20、第二伸長部30及び第三伸長部40の編成は、前記本体部10における編成と同様であるため、ここではその説明を割愛する。
前記編み分けは、例えば、地糸(表糸と裏糸)に別の糸(添え糸)を編み込んで編成を行いながら、編み込む添え糸の本数や種類を部分的に変化させるカットボス加工によって行うことが好ましい。具体的には、表糸と裏糸を供給して丸編機で編む際に、低い伸長性を付与したい部位に添え糸(中糸)を表糸と裏糸の間に挿入して、表糸と添え糸と裏糸をそろえて供給して丸編機で編み込む。次に、伸長性を高くしたい部位は、添え糸が表糸と裏糸の間に挿入されないように添え糸を裏側に浮かせて、表糸と裏糸のみで編む。そして、裏側に浮かされた添え糸をカットすることにより、添え糸が挿入された伸長し難い低伸長性領域と、表糸と裏糸のみで編まれた伸長し易い高伸長性領域を編み分ける。また、添え糸として用いる糸の本数や種類を順次変化させながら編組織を編成していくことによっても伸長性の高低を調整でき、添え糸を挿入した領域又は添え糸の数が相対的に多い領域を伸長し難い低伸長性領域として編み分け、添え糸を挿入しない領域又は添え糸の数が相対的に少ない領域を伸長し易い高伸長性領域として編み分けることができる。このように、カットボス加工を用いることで、簡単な製造工程で、異なる伸長性を有する複数の領域を簡単に編み分け編成することが可能となる。
カットボス加工の際に挿入する添え糸としては、編成の地糸の色とは異なる色の糸を使用することが好ましく、編成の地糸の色とは異なる色であってかつ地糸と同系色の糸を使用することがさらに好ましい。
また、添え糸に地糸と同系色の糸を用いることで、長期間の使用や外部との摩擦により添え糸が地糸の編目から抜けたり、本来は生地表側に現れるはずの添え糸が製造工程で生地表側から一部抜けてしまったりした場合でも、同系色であれば目立たず、糸の解れやまだら模様の発生によるデザイン性の低下を防ぐことが可能となる。なお、ここで、同系色とは、同一又は類似する色相をもつ色同士を意味するものとする。
なお、添え糸の地糸の編目からの抜け落ちは、地糸に編みこむ添え糸の長さを長くしたり、伸縮し難い糸を添え糸に用いたり、地糸に対する摩擦抵抗の高い糸(紡績糸、撚糸、ダル糸等の滑り難い糸)を添え糸に用いたりすることによって、防止することができる。
カットボス加工を用いて第一伸長部20、第二伸長部30及び第三伸長部40を編成する場合、膝部被覆装具1の裏側(皮膚接触面となる膝部被覆装具1の内側)に、挿入した添え糸の集合により形成される凸状部を設けることが好ましく、カットした添え糸端部の集合により形成される凸状部を設けることがさらに好ましい。このカットボス加工の添え糸からなる凸状部は、各部の外縁に沿って線状の凸状部として設けることが特に好ましい。カットボス加工を用いることで、膝部被覆装具1の皮膚接触面側に、添え糸のカット端による凸状部を簡便に形成することができる。そして、この凸状部により、膝蓋骨周囲に効果的に圧迫を付与することが可能となる。
図2に示されるように、前記第一伸長部20は略円形状に形成され、一対の皿部50a,50bに連結されている。更に、この第一伸長部20は、少なくとも、前記ラテラルスラストの発生により、膝関節が外側へと移動変位した場合に力が付加され外側側副靭帯を支持する。
具体的には、第一伸長部20は、装着者の前後方向への幅が装着者の外側側副靭帯の幅よりも大きく形成され、且つ、装着者の体軸方向に沿った長さは前記外側側副靭帯よりも短く形成されている。すなわち、前記第一伸長部20は、装着時、少なくとも外側側副靭帯の一部に対面している。また、第一伸長部20は外側側副靭帯の一部だけでなく、外側側副靭帯近傍に配される外側半月板の一部や、大腿骨下端及び脛骨上端の一部に対面している。
尚、第一伸長部20は上記構成に限定されず、前記ラテラルスラストを抑制することができれば他の構成を採用していてもよい。かかる場合、第一伸長部20の構成としては略円形状でなく、装着者の前後方向に沿った帯状の形状などが挙げられる。
この第一伸長部20は伸縮性素材からなり、その伸長力は、前記ラテラルスラストの発生を抑制することができる範囲であることが好ましく、具体的には、5.0〜23.5Nの範囲がよく、より好ましくは7.0〜20.0Nの範囲であり、更に好ましくは9.0〜15.0Nの範囲である。更に、この第一伸長部20の伸長力はラテラルスラストの発生抑制に着目して設定され、前記本体部10の伸長力は装着感の向上に着目して設定されるため、前記第一伸長部20の伸長力は本体部10の伸長力よりも大きく設定されている。当該第一伸長部20の伸長力が5.0Nよりも低いと装着者の膝関節外側に作用する力が発生せず、ラテラルスラストを抑制することが困難となる。一方、第一伸長部20の伸長力が23.5Nよりも高いと装着時の装着感を低下させることがある。
尚、第一伸長部20の伸長力は、当該第一伸長部20の一部を用いて前記本体部10と同一方法により測定される。
前述の如く、前記第一伸長部20は、前記ラテラルスラストの発生を抑制する必要がある。このため、第一伸長部20は所定の緊締力を備えている事が望ましい。当該第一伸長部20の緊締力は、0.1〜23.5の範囲であり、より好ましくは0.2〜15.0の範囲であり、さらに好ましくは0.5〜10.0の範囲である。当該第一伸長部20の緊締力が0.1Nよりも低いと装着者の膝関節外側に作用する力が発生せず、ラテラルスラストを抑制することが困難となる。一方、第一伸長部20の緊締力が23.5Nよりも高いと装着時の装着感を低下させることがある。
ここで、第一伸長部20において、前記伸長力及び緊締力はいずれも備えている必要はなく、ラテラルスラストの発生を抑制することができる構成であることの指標としていずれか一方を測定可能な構成であればよい。
尚、第一伸長部20の緊締力は、当該第一伸長部20の一部を用いて前記本体部10と同一方法により測定される。
次に、前記第二伸長部30について説明する。
この第二伸長部30は略帯状に形成され、前記第一伸長部20と協働し、前記ラテラルスラストを抑制する。このため、当該第二伸長部30の伸長力は5.0〜23.5Nの範囲がよく、より好ましくは7.0〜20.0Nの範囲であり、更に好ましくは9.0〜15.0Nの範囲である。当該第二伸長部30の伸長力が5.0Nよりも低いと装着者の膝関節外側に作用する力が発生せず、ラテラルスラストを抑制することが困難となる。一方、第二伸長部30の伸長力が23.5Nよりも高いと装着時の装着感を低下させることがある。
また、この第二伸長部30は、前記ラテラルスラストに抗する機能を備えるため、所定の緊締力を備えている必要がある。具体的には、0.1〜23.5の範囲であり、より好ましくは0.2〜15.0の範囲であり、さらに好ましくは0.5〜10.0の範囲である。当該第二伸長部30の緊締力が0.1Nよりも低いと装着者の膝関節外側に作用する力が発生せず、ラテラルスラストを抑制することが困難となる。一方、第二伸長部30の緊締力が23.5Nよりも高いと装着時の装着感を低下させることがある。
前記第二伸長部30は、第一伸長部20と協働してラテラルスラストの発生抑制に寄与するため、当該第一伸長部20と同様、その伸長力は前記本体部10の伸長力よりも大きく設定されている。
ここで、第二伸長部30において、前記伸長力及び緊締力はいずれも備えている必要はなく、ラテラルスラストの発生を抑制することができる構成であることの指標としていずれか一方を測定可能な構成であればよい。
尚、第二伸長部30の伸長力及び緊締力は、当該第二伸長部30の一部を用いて前記本体部10と同一方法により測定される。
そして、前記第二伸長部30は膝部被覆装具1全体で二つ設けられ、膝部被覆装具1が装着された状態において、当該膝部被覆装具1の前面側、すなわち装着者の正面側に配される膝前上側伸長部30aと、前記膝部被覆装具1の後面側、すなわち装着者の背面側に配される膝裏上側伸長部30bと、を備える。
前記膝前上側伸長部30aは前記第一伸長部20から装着者の大腿部F内側に向けて延設されて略帯状をなし、一端は前記第一伸長部20に連結される一方、他端は前記保持部11aに連結されている。また、この膝前上側伸長部30aは、略楕円形状に形成された皿部50aと連結され、当該皿部50aの上縁に沿うようにして湾曲している。
尚、第一実施形態に係る膝部被覆装具1では、前記膝前上側伸長部30aが第一伸長部20に連結されているが、前記ラテラルスラストを抑制することができれば、相互に離間していても差し支えない。
このように構成された膝前上側伸長部30aは、図1及び図4から把握されるように、装着時、装着者の膝関節内側一部及び膝蓋骨の上縁上を覆い、少なくとも装着者の大腿四頭筋の一部と対面(交差)し、最終的には装着者の大腿部Fの外周に沿いながら当該大腿部Fの内側に向けて傾斜している。
一方、前記膝裏上側伸長部30bは、前記膝前上側伸長部30aと同一の形状をなし、略帯状に形成され、一端は前記第一伸長部20に連結されている。更に、当該膝裏上側伸長部30bの他端は前記保持部11a及び前記膝前上側伸長部30aの一端と連結され、膝部被覆装具1を背面側から観察した場合に前記膝前上側伸長部30aと相まってV字形状をなしている(図4参照)。
前述の如く、前記膝裏上側伸長部30bは、略楕円形状に形成された皿部50bと連結され、当該皿部50bの上縁に沿うようにして湾曲している(図3参照)。
尚、前記膝裏上側伸長部30bは、第一伸長部20及び膝前上側伸長部30aに連結されているが、前記ラテラルスラストを抑制することができれば、相互に離間していても差し支えない。
このように構成された膝裏上側伸長部30bは、装着時、装着者の前後方向において装着者の大腿部Fを介して前記膝前上側伸長部30aと対称な位置に配置されている。そして、当該膝裏上側伸長部30bは、装着時、少なくとも装着者の大腿二頭筋、大腿二頭筋腱、半腱様筋、半膜様筋及び腸脛靭帯の一部と対面(交差)し、最終的には装着者の大腿部Fの外周に沿いながら当該大腿部Fの内側に向けて傾斜している。
尚、本発明を適用可能な膝部被覆装具は、装着者の左右の脚どちらにも装着することができるため、第一実施形態に係る膝部被覆装具1が装着者の右脚に装着された状態では、前記膝裏上側伸長部30bが前記膝前上側伸長部30aとして機能し、前記膝前上側伸長部30aが前記膝裏上側伸長部30bとして機能する。
第一実施形態に係る膝部被覆装具1では、前記第三伸長部40が前記第一伸長部20及び第二伸長部30と協働して前記ラテラルスラストの発生を抑制している。このため、当該第三伸長部40は、第二伸長部30と同様、所定の伸長力及び緊締力を備えている必要がある。
すなわち、前記第三伸長部40の伸長力は5.0〜23.5Nの範囲がよく、より好ましくは7.0〜20.0Nの範囲であり、更に好ましくは9.0〜15.0Nの範囲である。当該第三伸長部40の伸長力が5.0Nよりも低いと装着者の膝関節外側に作用する力が発生せず、ラテラルスラストを抑制することが困難となる一方、第三伸長部40の伸長力が23.5Nよりも高いと装着時の装着感を低下させることがある。 ここで、前記第三伸長部40は、第二伸長部30と協働してラテラルスラストの発生抑制に寄与するため、当該第二伸長部30と同様、その伸長力は前記本体部10の伸長力よりも大きく設定されている。
また、この第三伸長部40の緊締力は、0.1〜23.5の範囲であり、より好ましくは0.2〜15.0の範囲であり、さらに好ましくは0.5〜10.0の範囲である。当該第三伸長部40の緊締力が0.1Nよりも低いと装着者の膝関節外側に作用する力が発生せず、ラテラルスラストを抑制することが困難となる一方、第三伸長部40の緊締力が23.5Nよりも高いと装着時の装着感を低下させることがある。
尚、第三伸長部40の伸長力及び緊締力は、当該第三伸長部40の一部を用いて前記本体部10と同一方法により測定される。
そして、前記第三伸長部40は膝部被覆装具1全体で二つ設けられ、膝部被覆装具1が装着された状態において、装着者の正面側に配される膝前下側伸長部40aと、装着者の背面側に配される膝裏下側伸長部40bと、を備える。
前記膝前下側伸長部40aは前記第一伸長部20から装着者の下腿部内側に向けて延設されて略帯状をなし、一端は前記第一伸長部20に連結される一方、他端は前記保持部11bに連結されている。また、この膝前下側伸長部40aは、略楕円形状に形成された皿部50aと連結され、当該皿部50aの下縁に沿うようにして湾曲している。
尚、前記膝前下側伸長部40aは、第一伸長部20に連結されているが、前記ラテラルスラストを抑制することができれば、相互に離間していても差し支えない。
このように構成された膝前下側伸長部40aは、図1及び図4から把握されるように、装着時、少なくとも装着者の膝関節内側一部及び膝蓋骨の下縁上を覆い、少なくとも装着者の膝蓋骨靭帯、前脛骨筋及び腓腹筋の一部と対面(交差)し、最終的には装着者の下腿部Cの外周に沿いながら当該下腿部Cの内側に向けて傾斜している。
一方、前記膝裏下側伸長部40bは、前記膝前下側伸長部40aと同一の形状をなし、略帯状に形成され、一端は前記第一伸長部20に連結されている。更に、当該膝裏下側伸長部40bの他端は前記保持部11b及び前記膝前下側伸長部40aの一端と連結され、膝部被覆装具1を背面側から観察した場合に前記膝前下側伸長部40aと相まってV字形状をなしている(図4参照)。
また、前記膝裏下側伸長部40bは、略楕円形状に形成された皿部50bと連結され、当該皿部50bの下縁に沿うようにして湾曲している。
尚、前記膝裏下側伸長部40bは、第一伸長部20及び膝前下側伸長部40aに連結されているが、前記ラテラルスラストを抑制することができれば、相互に離間していても差し支えない。
このように構成された膝裏下側伸長部40bは、装着時、装着者の前後方向において装着者の大腿部Fを介して前記膝前下側伸長部40aと対称な位置に配置されている。そして、当該膝裏下側伸長部40bは、装着時、少なくとも装着者の腓腹筋、腸腓骨筋の一部と対面(交差)し、最終的には装着者の下腿部Cの外周に沿いながら当該下腿部Cの内側に向けて傾斜している。
尚、本発明を適用可能な膝部被覆装具は、装着者の左右の脚どちらにも装着することができるため、第一実施形態に係る膝部被覆装具1が装着者の右脚に装着された状態では、前記膝裏下側伸長部40bが前記膝前下側伸長部40aとして機能し、前記膝前下側伸長部40aが前記膝裏下側伸長部40bとして機能する。
図5は第一実施形態に係る膝部被覆装具1を当該膝部被覆装具1の長手方向に沿って裁断した状態を示すものであり、且つ、膝部被覆装具1の表面を示している。
前述の如く、装着時、前記膝裏上側伸長部30bは前記膝前上側伸長部30aと対称な位置に配置され、前記膝裏下側伸長部40bは前記膝前下側伸長部40aと対称な位置に配置されている。
このため、図5に示された状態にあっては、膝装着者の体軸に沿った膝部被覆装具1の中心線を軸として線対称となるように、一対の皿部50a,50b、膝前上側伸長部30a、膝裏上側伸長部30b、膝前下側伸長部40a、膝裏下側伸長部40bが配置されている。
以上のように構成された第一実施形態に係る膝部被覆装具1では、前記本体部10よりも高い伸長力を備えた第一伸長部20が装着時、装着者の外側側副靭帯及びその近傍の少なくとも一部に対面して配置され、更に、前記第二伸長部30及び第三伸長部40が本体部10よりも高い伸長力を有し、且つ、所定の緊締力を有している。
これにより、第一実施形態に係る膝部被覆装具1は、歩き始めや歩行周期の立脚時において、装着者の膝関節が外側へと移動変位することを抑制する圧迫性を備えているため、ラテラルスラストの発生を抑制することができる。
更に、前記圧迫性を備えているため、歩き始めや立脚時に膝関節の疼痛を抑えることができる。
また、歩き始めや立脚時に疼痛が現れるため、膝部被覆装具は日常生活において常に装着する必要があるところ、第一実施形態に係る膝部被覆装具1によれば、前記本体部10が所定の伸長力を具備し、更に前記保持部11も所定の伸長力を備えている。このため、第一実施形態に係る膝部被覆装具1によれば、装着を簡便に行うことができる。
更に、第一実施形態に係る膝部被覆装具1では、前記膝裏上側伸長部30bが前記膝前上側伸長部30aと対称な位置に配置され、前記膝裏下側伸長部40bが前記膝前下側伸長部40aと対称な位置に配置されている。更に、装着者の膝蓋骨を覆う皿部50を一対備えている。
このため、当該膝部被覆装具1は、装着者の左右の脚どちらにも装着することができる。換言すると、装着者はいずれの脚に装着するか否かを考える必要がなく、簡便に当該膝部被覆装具1を装着することができる。
また更に、第一実施形態に係る膝部被覆装具1では、各保持部11a,11bに対して滑止部材12a,12bが設けられている。更に、前記皿部50は膝関節を屈伸させる上で起点となる膝蓋骨を覆う構成となっている。
このため、前記膝部被覆装具1は装着時、装着位置からずれることを可及的に防止することができる。すなわち、第一実施形態に係る膝部被覆装具1によれば、装着性の向上を達成することができる。
<第二の実施形態>
次に、図7〜10を用いて、本発明を適用可能な第二実施形態に係る膝部被覆装具について説明する。この第二実施形態に係る膝部被覆装具101は、前記第二伸長部及び第三伸長部の構成が第一実施形態に係る膝部被覆装具1と異なる。その他の構成については、第一実施形態に係る膝部被覆装具1と同一である。このため、第一実施形態に係る膝部被覆装具1と共通する構成については同一の符号を付し、その説明は割愛する。
この第二実施形態に係る膝部被覆装具101では、第一実施形態に係る膝部被覆装具1が備える第二伸長部30と第三伸長部40が一体に成形され、単一の伸長部130を構成している。
この伸長部130は、前記第二伸長部30と同様、装着時、少なくとも装着者の大腿四頭筋の一部と対面(交差)するように構成されている。更に、当該伸長部130は、第三伸長部40と同様、装着時、少なくとも装着者の大腿二頭筋、大腿二頭筋腱、半腱様筋、半膜様筋及び腸脛靭帯の一部と対面(交差)するように構成されている。
更に、当該伸長部130は、第一実施形態に係る膝部被覆装具1の第二伸長部30及び第三伸長部40のように、皿部50の上縁及び下縁にのみ連結されているわけではなく、第一伸長部20と共に皿部50の外周縁全てに連結された構成となっている。また、この伸長部130は、図10に示されるように、装着時に装着者の膝関節内側全体、及び大腿部F内側の下部及び下腿部C内側の上部を覆うように構成されている。
前記伸長部130を備える第二実施形態に係る膝部被覆装具101は、前記第一伸長部20を備え、更に、第一実施形態に係る膝部被覆装具1が備える第二伸長部30及び第三伸長部40と同一の効果を奏する伸長部130を備える。このため、第二実施形態に係る膝部被覆装具101は、第一実施形態に係る膝部被覆装具1と同一の効果を奏することができる。
尚、第二実施形態に係る膝部被覆装具101では、第一伸長部20と伸長部130が皿部50の外周縁全てに連結されているが、ラテラルスラストの発生を抑制することができる構成であれば、例えば、前記第一伸長部20及び伸長部130は皿部50の外縁から離間している構成であっても差し支えない。
<第三の実施形態>
次に、図11〜14を用いて、本発明を適用可能な第三実施形態に係る膝部被覆装具について説明する。この第三実施形態に係る膝部被覆装具201は、前記第二伸長部及び第三伸長部の構成が第一実施形態に係る膝部被覆装具1と異なる。その他の構成については、第一実施形態に係る膝部被覆装具1と同一である。このため、第一実施形態に係る膝部被覆装具1と共通する構成については同一の符号を付し、その説明は割愛する。
第一実施形態に係る膝部被覆装具1では、前記第一伸長部20、前記第二伸長部30及び第三伸長部40が前記皿部50に連結された構成となっているが、この第三実施形態に係る膝部被覆装具201では、前記第一伸長部20、前記第二伸長部30及び第三伸長部40が各皿部50a,50bから離間した位置に配置されている。
具体的には、第二伸長部230を構成する膝前上側伸長部230a及び膝裏上側伸長部230bは皿部50bの上縁から離間しており、第三伸長部240を構成する膝前下側伸長部240a及び膝裏下側伸長部240bは皿部50aの下縁から離間している。
その一方で、前記膝前上側伸長部230aは第一実施形態に係る膝前上側伸長部30aと同様、装着者の膝関節内側一部及び膝蓋骨の上縁上を覆い、少なくとも装着者の大腿四頭筋の一部と対面(交差)し、最終的には装着者の大腿部Fの外周に沿いながら当該大腿部Fの内側に向けて傾斜している。
また、前記膝裏上側伸長部230bは、第一実施形態に係る膝裏上側伸長部30bと同様、装着時、少なくとも装着者の大腿二頭筋、大腿二頭筋腱、半腱様筋、半膜様筋及び腸脛靭帯の一部と対面(交差)し、最終的には装着者の大腿部Fの外周に沿いながら当該大腿部Fの内側に向けて傾斜している。
このため、これら膝前上側伸長部230a及び膝裏上側伸長部230bは、前記ラテラルスラストの発生抑制を図っている。
また、前記膝前下側伸長部240aは、装着時、装着者の膝関節内側一部及び膝蓋骨の下縁上を覆い、少なくとも装着者の膝蓋骨靭帯、前脛骨筋及び腓腹筋の一部と交差し、最終的には装着者の下腿部の外周に沿いながら当該下腿部の内側に向けて傾斜している。
更に、前記膝裏下側伸長部240bは、装着時、少なくとも装着者の腓腹筋、腸腓骨筋の一部と対面(交差)し、最終的には装着者の下腿部Cの外周に沿いながら当該下腿部Cの内側に向けて傾斜している。
このため、これら膝前下側伸長部240a及び膝裏下側伸長部240bは、前記第二伸長部230と同様、ラテラルスラストの発生抑制を図っている。
このように構成された第三実施形態に係る膝部被覆装具201は、前記第一伸長部20を備え、更に、第一実施形態に係る膝部被覆装具1が備える第二伸長部30及び第三伸長部40と同一の効果を奏する第二伸長部230及び第三伸長部240を備える。このため、第三実施形態に係る膝部被覆装具101によれば、第一実施形態に係る膝部被覆装具1と同一の効果を奏することができる。
(着用客観評価)
ここで、本発明者らは、図1に示す第一実施形態に係る膝部被覆装具1を製作し、側方制動力評価を行った。この評価では、第一実施形態に係る膝部被覆装具1と従来の膝軟性装具との対比評価を行った。
第一実施形態に係る膝部被覆装具1に対して対比を行った従来品は、本出願人の商品であって、前記第一伸長部20、第二伸長部30及び第三伸長部40に相当する構成が前記本体部10と編み分けされた領域ではなく、外部部品である外付けベルトにより構成されている。
本評価では、第一実施形態に係る膝部被覆装具1と従来品とを膝モデルに試着させ、膝の内側から外側に向け1000mm/分の速度で力を加え、膝が外側に40mm変位する力の大きさ(側方制動力)を測定した。
この評価結果によれば、従来品を試着した場合と第一実施形態に係る膝部被覆装具1を試着した場合において同じ側方制動力92.5Nとなり、所定の位置に第一伸長部20、第二伸長部30及び第三伸長部40を設け、更に従来品と異なる構成、すなわち編み分け構成とすることで同じ側方制動力を得ることを確認した。
(着用主観評価)
更に、本発明者らは、図1に示す第一実施形態に係る膝部被覆装具1を製作し、着用評価を行った。
被験者数名に、第一実施形態に係る膝部被覆装具1を着用してもらい、評価を求めた。
その結果、「簡便にはける」、「服の下に着やすい」、「膝にフィットする」という回答が得られた。
これにより、第一実施形態に係る膝部被覆装具1は、簡便に装着でき、装着を継続できる快適性を有することを確認できた。
1、101、201 膝部被覆装具
10 本体部
11、11a、11b 保持部
12、12a、12b 滑止部材
20 第一伸長部
30、230 第二伸長部
30a、230a 膝前上側伸長部
30b、230b 膝裏上側伸長部
40、240 第三伸長部
40a、240a 膝前下側伸長部
40b、240b 膝裏下側伸長部
50、50a、50b 皿部
130 伸長部
F 大腿部
C 下腿部

Claims (9)

  1. 伸縮性素材と非伸縮性素材又は伸縮性素材からなる本体部と、
    外側側副靭帯およびその近傍の少なくとも一部に対面し、前記本体部よりも高い伸長力を有する第一伸長部と、
    膝関節外側から大腿部内側に掛けて傾斜し、前記本体部よりも高い伸長力及び/又は緊締力を有する第二伸長部と、
    膝関節外側から下腿部内側に掛けて傾斜し、前記本体部よりも高い伸長力及び/又は緊締力を有する第三伸長部と、
    を備える膝部被覆装具。
  2. 前記第二伸長部は、膝蓋骨上縁外側から大腿部内側に掛けて傾斜する膝前上側伸長部を有し、
    前記第三伸長部は、膝蓋骨下縁外側から下腿部内側に掛けて傾斜する膝前下側伸長部を有する、請求項1に記載の膝部被覆装具。
  3. 前記膝前上側伸長部は、膝蓋骨上縁に重なることなく離間した位置に、前記膝前下側伸長部は、膝蓋骨下縁に重なることなく離間した位置に配される、請求項2に記載の膝部被覆装具。
  4. 前記第二伸長部は、膝関節外側から大腿二頭筋及び/又は大腿二頭筋腱上を通って大腿部内側に向けて傾斜する膝裏上側伸長部を有し、
    前記第三伸長部は、膝関節外側から下腿三頭筋上を通って大腿部内側に向けて傾斜する膝裏下側伸長部を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の膝部被覆装具。
  5. 更に、少なくとも膝蓋骨に対面し前記本体部より低い伸長力を有する皿部と、を備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の膝部被覆装具。
  6. 更に、大腿部及び下腿部を周回し前記本体部の辺縁に設けられ、装着位置から前記膝部被覆装具がずれることを防止する一対の保持部と、を備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の膝部被覆装具。
  7. 前記第一伸長部の伸長力は5.0〜23.5Nである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の膝部被覆装具。
  8. 前記第二伸長部及び第三伸長部の伸長力は5.0〜23.5Nである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の膝部被覆装具。
  9. 前記第二伸長部及び第三伸長部の緊締力は0.1〜23.5Nである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の膝部被覆装具。
JP2015095234A 2015-05-07 2015-05-07 膝部被覆装具 Active JP6439199B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015095234A JP6439199B2 (ja) 2015-05-07 2015-05-07 膝部被覆装具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015095234A JP6439199B2 (ja) 2015-05-07 2015-05-07 膝部被覆装具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016209260A true JP2016209260A (ja) 2016-12-15
JP6439199B2 JP6439199B2 (ja) 2018-12-19

Family

ID=57550344

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015095234A Active JP6439199B2 (ja) 2015-05-07 2015-05-07 膝部被覆装具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6439199B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018015434A (ja) * 2016-07-29 2018-02-01 ゼリア新薬工業株式会社 関節用サポーター
KR20230060264A (ko) * 2021-10-27 2023-05-04 김자선 기능성 레그워머

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0370558A (ja) * 1989-08-10 1991-03-26 Tokyo Eizai Kenkyusho:Kk 被覆装具とその製造方法
JP2016179140A (ja) * 2015-03-25 2016-10-13 株式会社ワコール 膝部を覆う着用物品

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0370558A (ja) * 1989-08-10 1991-03-26 Tokyo Eizai Kenkyusho:Kk 被覆装具とその製造方法
JP2016179140A (ja) * 2015-03-25 2016-10-13 株式会社ワコール 膝部を覆う着用物品

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018015434A (ja) * 2016-07-29 2018-02-01 ゼリア新薬工業株式会社 関節用サポーター
KR20230060264A (ko) * 2021-10-27 2023-05-04 김자선 기능성 레그워머
KR102711718B1 (ko) 2021-10-27 2024-09-27 김자선 기능성 레그워머

Also Published As

Publication number Publication date
JP6439199B2 (ja) 2018-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9526651B2 (en) Lower leg supporter
US10912341B2 (en) Knee supporter and garment
US10751224B2 (en) Ankle joint bandage
EA032887B1 (ru) Устройство поддержки колена
US20100100024A1 (en) Anti-slip Mechanism, Garment, and Methods
JP6439199B2 (ja) 膝部被覆装具
JP6222076B2 (ja) 吸収性物品用のホルダーパンツ
JP6600147B2 (ja) 運動用衣服
JP7051860B2 (ja) 長時間の座位に適した膝支持装具
TWI563928B (zh) 衣物
JP5428095B2 (ja) 膝サポーター
CA3071372C (en) Toeless garment
EP3972547B1 (en) Wearable tubular textile article
JP2018166944A (ja) 関節用サポータ
JP2019081986A (ja) 衣服
JP2017089045A (ja) タイツ
JP5896180B2 (ja) 吸収性物品用のホルダーパンツ
JP2018150653A (ja) 脹脛用サポーター
JP2023077783A (ja) インナーウェア
JP2019108632A (ja) 関節用サポータ及び衣類
JP2019108635A (ja) 関節用サポータ
JP2018154951A (ja) 肘用サポーター及び衣類
JP2003041463A (ja) 靴下の編組織
JP2018024952A (ja) スパッツ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181012

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181030

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6439199

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250