JP2016208764A - 太陽光発電システム - Google Patents
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Abstract
Description
一方、農地等の上に複数の太陽光パネルを間隔を有して並べることで、適度に太陽光を地面に供給し、農産物を生産しながら太陽光発電を行う、いわゆるソーラーシェアリングが提案されている(特許文献1参照)。
このような取組みは国によっても推奨されており、農林水産省は「支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての農地転用許可制度上の取扱いについて」という通知を出している(非特許文献1参照)。
また、ソーラーシェアリングに関し、ソーラーシェアリング特有の課題を解決する提案が、すでにいくつかなされている(特許文献2乃至9参照)。
く組んだ太陽光パネルでは、ソーラーシェアリングは行われていない。
本発明はこのようなソーラーシェアリングでの課題を解決するものである。
架台設置面と太陽電池モジュールとの間に、農産物を育成するための養液を保持する水耕栽培容器が備えられる、太陽光発電システムである。
また、前記水耕栽培容器が、上部が開口しているトレーであることが好ましい。
また、前記パイプ又はトレーの延伸方向が、前記太陽電池モジュールの長手方向と略同一である形態が好ましい。
また、前記架台は、太陽の高度変化に応じて太陽電池モジュール受光面の向きを変化させることができる可動機構を有する形態が好ましい。
また、前記太陽電池モジュールの最下点が課題設置面から3m未満の地点である形態が好ましい。
また、前記太陽電池モジュールは、太陽電池モジュールの架台設置面に対向する面に反射板を備える形態が好ましい。
また、好ましい実施形態では、水耕栽培容器が開口部を有するパイプ、又は上部が開口しているトレーであり、開口部が太陽電池モジュールの真下に位置することで、防雨効果が向上する。また、パイプ又はトレーの延伸方向が、前記太陽電池モジュールの長手方向と略同一であることでも、防雨効果が向上する。
また、前記架台が太陽電池モジュール受光面の向きを変化させることができる可動機構を有することで、太陽電池モジュールの受光量が増加し、発電量が向上する。また、太陽電池モジュールの最下点が架台設置面から3m未満とすることで、より好ましくは1m以下とすることで、太陽光発電システムの設置コストが低減され、また、強度が向上し、更に太陽電池モジュールのメンテナンス作業も容易となる。
また、太陽電池モジュールの架台設置面に対向する面に反射板を備えることで、農産物への日射量を増加することができ、好ましい。
また、説明に用いる図面は、いずれも本発明による水耕栽培用具を模式的に示すものであって、理解を深めるべく部分的な強調、拡大、縮小、又は省略等を行っており、各構成部材の縮尺や形状等を正確に表すものとはなっていない場合がある。更に、図面を用いた説明に用いる様々な数値は、いずれも一例を示すものであり、必要に応じて様々に変更することができる。
ソーラーシェアリングに用いる太陽光発電システム10は、架台12上に、複数枚の太陽電池モジュール11が配置される。太陽電池モジュール11は架台12上に配置されるため、地面と太陽電池モジュール11との間にスペース14が生じ、当該スペース14を利用して、農産物の耕作が行われる。耕作において耕具を用いる必要があるため、太陽電池モジュール11の設置位置は通常地面から3m以上の位置である。これ以下であると、耕具を使用する際、例えば鍬を振り上げた際に、振り上げた鍬と太陽電池モジュール11や架台12とが接触する可能性がある。
また、複数の太陽電池モジュール11は、全体が電気的に接続されていてもよく、一方向にのみ電気的に接続されていてもよく、個々独立であってもよく、その接続は電気取出し配線の準備との関係で決定すればよい。
また、太陽電池モジュールが有する太陽電池セルの種類は特段限定されず、シリコン単結晶型、シリコン多結晶型、薄膜型等いずれを用いてもよい。また、太陽光の照射量を増やすために、シースルータイプの太陽電池セルを用いてもよい。
が、太陽光の受光量を増やし、発電量を向上させる観点から好ましい。可動機構は公知のものを適用すればよく、例えば太陽電池モジュールの裏面の、幅手方向中心線上に回転軸を配置し、該回転軸を中心に太陽電池モジュールが回転できる機構を設け、太陽高度に応じて回転角を制御する方法があげられる。
太陽光発電システム20は、太陽電池モジュールと地面との間に栽培槽(プール)25を有する。栽培槽25は、農産物を栽培するための養液を保持する。養液は、育成する農産物の栽培に適した養液を適宜調整すればよい。栽培槽25の深さ・大きさは当業者が適宜設定できる。
なお図示しないが、栽培槽26は、養液を交換・補充するための養液供給ポンプと、養液排出ポンプを備えていることが好ましい。
ベビーリーフ27が栽培される鉢は発泡スチロール26に設けられた穴に配置され、養液上に浮かべられる。ここで発泡スチロール26は、太陽電池モジュール21の真下に配置される。このように配置することで、太陽電池モジュールが、ダイレクトに雨水が農産物に当たることを防ぎ、物理的衝撃による農産物のストレスを緩和し、農産物の生育が促進される。
さらに、傾斜した太陽電池モジュール21の最下点の真下に樋28を設けることで、養液への雨水の混入を大幅に低減することが可能となり、養液の補充等のメンテナンスが軽減される。
本発明の栽培槽に発泡スチロールを浮かべる実施形態においては、農産物の生育に必要な作業は発泡スチロールの取り換え作業のみであり、地面から太陽電池モジュールの最下
点までの高さが3m未満であってもよく、2.5m以下であってもよく、2m以下であってもよく、1.5m以下であってもよく、1m以下であってもよい。
太陽光発電システム30は、太陽電池モジュールと地面との間に、水耕栽培容器としての塩化ビニルパイプ35を、幅手方向に複数並列する。塩化ビニルパイプは複数の開口部を有し、該開口部にベビーリーフ37が格納された鉢が配置される。そして、該ビニルパイプの一端からは、図示しないノズルにより養液が供給され、他端からは図示しない養液排出機構から養液を排出することができる。
このように開口部を有するパイプを水耕栽培容器として用い、該開口部を太陽電池モジュールの真下に位置させることで、雨水が養液に混有することを防ぐことが可能となり、養液の量、濃度等を調整する労力を大幅に低減することができる。
塩化ビニルパイプ35は、地面に直接載置するのみでもよく、固定部材で地面または架台の支柱に固定してもよい。
水耕栽培容器としてパイプを用いた本実施形態では、水耕栽培の設備が非常に小型化されるため、太陽電池モジュールの配置位置を相当低くすることが可能となり、場合によっては75cm以下であってもよく、50cm以下であってもよい。
図6(a)に、塩化ビニルパイプに配置された農産物の上面模式を示し、図中C−C´鎖線の断面図を図6(b)に示す。
図6(a)において、水耕栽培容器である塩化ビニルパイプ45は、複数の開口部を有し、該開口部には鉢が備えられ、鉢の中には農産物である花卉47が格納される。
また、井戸水を利用する場合には、井戸水の温度は略一定であることから、温度管理をする必要はなく、また水道水を利用する場合であっても、温度調整に井戸水を適宜添加してもよい。このような場合、パイプ中を流れる養液の温度を測定する温度計を備え、当該温度が低くなり過ぎた場合、又は高くなり過ぎた場合に、略一定温度である井戸水を必要に応じ添加することで、大掛かりな設備を準備することなく、容易に養液の温度調整が可能となる。
このように温度調整に井戸水を利用する発明は、以下のようにも表される。
複数の太陽電池モジュール、及び該太陽電池モジュールを支持する架台を有し、架台に支持される複数の太陽電池モジュールは、架台設置面に太陽光が照射されるように間隔を有して配置される太陽光発電システムにより農産物を生産する方法であって、
前記太陽光発電システムは、架台設置面と太陽電池モジュールとの間に、農産物を育成するための養液を保持する複数の開口部を有するパイプ、又は上部が開口しているトレーが備えられ、
養液の温度を測定する温度測定機構、及び井戸水をくみ上げてパイプ、又はトレーに供給し得る井戸水供給機構、を有し、
前記温度測定機構により測定された温度が、予め設定された閾値を上回る場合には、井戸水供給機構により井戸水がパイプ又はトレーに供給されるステップ、を含む、方法。
この場合の閾値は、例えば30℃であってよく、35℃であってよく、40℃であってもよい。
温度測定機構としては温度計が例示され、井戸水供給機構としてはポンプが例示される。
上記供給ステップは、実際に人が監視し、必要に応じてポンプを動かしてもよく、既知の制御機構を用いて、必要に応じて自動的にポンプが動くようにしてもよい。
反射板を備えることで、地面等に照射された太陽光のうち、地面等によって反射された太陽光を再度農産物に照射することができる。このような形態により、農産物の生育を促進することができる。
加えて、太陽光発電システムにおいて、架台設置面のうち水耕栽培容器が存在しない部分(非生産部分)に上記反射板を設置することも、農産物への日射量を増やす観点から好ましい。
加えて、太陽光発電システムの外側に、太陽電池モジュールの架台設置面に対向する面に向かって太陽光を導光する導光板を備えることも好ましい。導光板の設置個所は、太陽電池モジュールの架台設置面に対向する面に太陽光を導光できれば特段限定されない。例えば、太陽光発電システムが並設される場合、隣り合う太陽光発電の設置面の隙間に導光板を設置してもよい。導光板は例えば太陽光を反射できる金属板などを用いることができる。
よって、第二の発明としては、太陽光発電システムの製造方法であって、既設の太陽光発電システムに水耕栽培容器を取り付けるステップ、を含み、
前記水耕栽培容器は、複数の開口部を有するパイプ及び/又は上部が開口しているトレーである、太陽光発電システムの製造方法である。
第二の発明は、ソーラーシェアリングを目的として新たに設置する太陽光発電システムではなく、既設の太陽光発電システムを、ソーラーシェアリング可能な太陽光発電システムとする方法である。特に、太陽電池モジュールの最下点が設置面に非常に近く設置されているメガソーラーなどにおいて、本第二の発明を適用することが好ましい。
図8の太陽光発電システム60は、屋上に設けられた既設の太陽光発電システムである。太陽光発電システム60は架台62が非常に低く組まれていることから、太陽電池モジュール61の最下点が、架台設置面から0.2mの高さである。0.5mの高さであってもよい。一方で太陽電池モジュール61は太陽光採光の観点から通常傾斜して設置され、太陽電池モジュール61の最上点は、架台設置面から2mである。そのため、太陽電池モジュール61の最上点と架台設置面との間には、パイプ及び/又はトレーを用いた水耕栽培を行う十分なスペースがあり、場合によっては多段式の水耕栽培を行うことも可能である。多段式とすることで生産効率が向上する。
トレー65は、太陽電池モジュール61の真下に配置されることで、降雨時に雨が直接花卉67に当たることで花卉67がストレスを受け、生育に悪影響を及ぼすことを防ぐことができる。なお、太陽電池モジュール61の真下に配置されない場合には、雨除け等を設けてもよい。
なお、ここで用いるパイプやトレーは、上記太陽光発電システムに係る発明の説明を援用できる。
11、21、31、61 太陽電池モジュール
12、22、32、62 架台
13 間隙
14 スペース
25 栽培槽(プール)
35、45 パイプ
55、65 トレー
26 発泡スチロール
27、37 ベビーリーフ
47、57、67 花卉
28 樋
49、59、69 ウレタンスポンジ
100 被覆肥料
Claims (8)
- 複数の太陽電池モジュール、及び該太陽電池モジュールを支持する架台を有し、架台に支持される複数の太陽電池モジュールは、架台設置面に太陽光が照射されるように間隔を有して配置される太陽光発電システムであって、
架台設置面と太陽電池モジュールとの間に、農産物を育成するための養液を保持する水耕栽培容器が備えられる、太陽光発電システム。 - 前記水耕栽培容器が複数の開口部を有するパイプであり、該開口部が前記太陽電池モジュールの真下に位置する、請求項1に記載の太陽光発電システム。
- 前記水耕栽培容器が、上部が開口しているトレーである、請求項1に記載の太陽光発電システム。
- 前記パイプ又はトレーの延伸方向が、前記太陽電池モジュールの長手方向と略同一である、請求項2又は3に記載の太陽光発電システム。
- 前記架台は、太陽の高度変化に応じて太陽電池モジュール受光面の向きを変化させることができる可動機構を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
- 前記太陽電池モジュールの最下点が架台設置面から3m未満の地点である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
- 前記太陽電池モジュールの最下点が架台設置面から1m以下の地点である、請求項6に記載の太陽光発電システム。
- 前記太陽電池モジュールは、太陽電池モジュールの架台設置面に対向する面に反射板を備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
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