JP2017507654A - 回転可能なラックシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】【解決手段】 植物を栽培するための回転可能なラックシステムが開示される。ラックシステムは、フレームと、複数の可動トレイであって、フレームの周りに配置され各々の可動トレイは少なくとも1つの植物を含む複数の可動トレイと、前記複数の可動トレイを合わせて連結するチェーンであって、チェーンを駆動するように構成される駆動機構とフレームとによって支持されるチェーンと、を備え、フレームは、複数の可動トレイを支持し、包囲された空間を取り囲むように構成される。同様にエネルギー効率が良いフレームの数個の構成も、システムを用いて植物を栽培する方法とともに開示される。【選択図】 図1

Description

本発明は、回転可能なラックに関する。より詳しくは、回転可能なラックは、(限定されないが)野菜の栽培に使用することができ、そのような文脈で説明される。
本発明の背景についての以下の説明は、本発明の理解を容易にすることだけを意図している。本説明は、言及した構成要素の何れかが、発明の優先日における権限内で公表され、知られ、又は当業者の共通の一般知識の一部であることの承認又は了解にはならないことを認識されたい。
垂直農法は、必要とされる土地の量を節約するために、植物及び野菜の栽培を含む多数のものを棚の中で垂直に積み重ねることによる新しい概念である。都市がより都会化されると敷地がより不足するので、これは特に重要である。さらに、農場の間の距離及びステップ数を減少することによって、消費者は、廃棄物をより少なくしかも二酸化炭素排出量をより少なくしながら、より新鮮でしかもより高品質の生産物を購入することができる。
垂直農法の1つの解決策は、植物及び野菜を、ラック、好ましくは囲われた空間の温室タイプの環境に置くことである。しかしながら、これにより植物を収穫し及び栽培するために多くの作動力及び機器が必要となり、また植物は成長するために光を必要とするので、人工光が供給される必要があり、そうするために大量のエネルギーを要する。
別の解決策は、ラックを、観覧車のような回転カルーセルに置くことであり、それにより植物及び野菜へのアクセスが容易になり得る。しかしながら、今までの従来の解決策は、依然として、カルーセルを稼働するための機械類及び動力が必要であり、しかも植物に潅漑して十分な栄養素を保証するための機器が必要である。
本発明は、上述した欠点を少なくとも部分的に軽減する装置、システム及び栽培方法を提供するものである。
この書類を通じて、反対であることが示されない限り、「備える(comprising)」、「成る(consisting of)」などの用語は、包括的でない、又は換言すれば「含むが限定されない」ことを意味すると解釈される。
上記問題及び他の問題が解決され、本発明に従うシステムによって技術的な改善がなされる。
この本発明に従う装置の第1の利点は、この装置によればより狭い土地面積にてより多くの植物の栽培が可能になることである。これは、土地が不足する領域及び国々において、並びに農場を建物の上にも置くことによる将来の都市での農場要求においても特に重要である。この本発明に従う装置の第2の利点は、植物を栽培するためのエネルギー必要量が少ないことである。システムを比較的自給自足的かつ自律的とすることによって、必要な作動力が大幅に減少し、植物及び野菜は効率的に成長する。この本発明に従う装置の第3の利点は、栽培した植物の品質が高くしかも収穫量が多いことである。正確な量の太陽光、水及び栄養素を与えれば、本装置によって栽培した植物は、より健康によく、より豊かであることが分かった。
本発明のある態様によれば、植物を栽培するための回転可能なラックシステムが提供され、このラックシステムは、フレームと、フレームの周りに配置される複数の可動トレイであって各々の可動トレイは少なくとも1つの植物を保持するのに用いられる複数の可動トレイと、複数の可動トレイを合わせて連結するチェーンと、チェーンを駆動するように構成される駆動機構と、を備え、フレームは、包囲された空間を取り囲んで複数の可動トレイを支持するように構成される。
代替的な実施形態では、フレームは、第1の側及び第2の側を備え、その結果第1の側の勾配は第2の側の勾配とは異なり、その結果第1の側のトレイは、第2の側の可動トレイよりもチェーンを駆動するために必要な作動力がより小さい。別の実施形態では、回転可能なラックシステムに給水するための潅漑システムも含まれる。潅漑システムは水車を駆動源とする駆動機構にも給水する。潅漑システムは、可動トレイが少なくとも部分的に浸される水槽トレイも含むことができる。潅漑システムは、水槽トレイに流体接続される水タンクも含むことができる。
さらに別の実施形態では、水車は、チェーンの移動速度に影響する水車の回転速度を制御するための機器を含む。この水車は、水車を手動で回転させ得る外部クランク用のポートも含むことができる。
別の実施形態では、チェーンを案内するチェーンガイドを含むことができ、チェーンガイドは、チェーンが破損した場合、トレイを適所にロックすることもできる。別の実施形態では、可動トレイの各々は、チェーンに少なくとも1つの留め具を介して取り付けられ、留め具は、可動トレイが回転して実質的に水平な位置を維持し得るように構成される。留め具は枢軸点を有し、この枢軸点は、可動トレイが枢軸点の周りに自由に旋回できるようにする。可動トレイは、延長アームによって枢軸点から離れた末端に取り付けることもできる。留め具は、可動トレイが自由に旋回できるように少なくとも1つの玉軸受を含むことができる。
別の実施形態では、駆動機構は、少なくとも1個の電磁石を動力源とすることができる。さらに別の実施形態では、駆動機構は、水力、風力、太陽光及び電力の1つ又は組合せを動力源とすることができる。駆動機構は、包囲された空間内に位置決めすることができる。
別の実施形態では、フレームは円形状とすることができる。さらに別の実施形態では、フレームは六角形状とすることができる。
包囲された空間は、少なくとも1台の車両を駐車するに十分なほど大きくすることができる。
本発明の一実施形態によれば、植物を栽培するための方法が提供され、この植物栽培方法は、栽培する植物用の複数の可動トレイを準備する工程と、可動トレイを駆動機構によってフレームに沿って回転させる工程と、少なくとも1つの可動トレイを潅漑システムによって潅漑する工程と、を備え、潅漑システムは、水車を介して駆動機構へも動力を供給する。
別の実施形態では、フレームは、第1の側及び第2の側を含むことができ、第1の側の勾配は第2の側の勾配とは異なり、その結果フレームの第1の側の可動トレイは、フレームの第2の側の可動トレイよりも移動させるのに必要な作動力がより小さい。
別の実施形態は、水車をこの水車に差し込んだ外部機器によって手動で回転させる工程をさらに含むことができる。
さらに別の実施形態では、水車は電磁気モータと置き換えることができる。さらに別の実施形態では、駆動機構は、水力、風力、太陽光及び電力の1つ又は組合せを動力源とすることができる。
本発明の別の態様は、植物を栽培するシステムを提供し、この植物栽培システムは、複数の回転可能なラックシステムを備え、各々の回転可能なラックシステムは、フレームと、フレームの周りに配置される複数の可動トレイであって各々の可動トレイは少なくとも1つの植物を有する複数の可動トレイと、複数の可動トレイを合わせて連結するチェーンと、チェーンを駆動するように構成される駆動機構と、を備え、フレームは、包囲された空間を取り囲んで複数の可動トレイを支持するように構成され、またこの植物栽培システムは、少なくとも1つの回転可能なラックシステムに給水するための潅漑システムを備え、この潅漑システムは、潅漑システムに配管系統を介して流体接続される貯水タンクを備え、配管系統は、複数の回転可能なラックシステムに実質的に一定の水圧を供給する。
代替的な実施形態では、潅漑システムは、回転可能なラックシステムの少なくとも1つの駆動機構に給水し、駆動機構は水車を含む。
別の実施形態は、チェーンがフレーム上を移動する間チェーンを案内するチェーンガイドも含むことができ、チェーンガイドは、チェーンが破損した場合、トレイを適所にロックすることもできる。可動トレイは、チェーンに少なくとも1つの留め具によって取り付けることができ、留め具は、可動トレイが回転して実質的に水平位置を維持し得るように構成される。留め具は枢軸点を有することができ、この枢軸点は、可動トレイが枢軸点の周りに自由に旋回できるようにする。可動トレイは、延長アームによって枢軸点から離れた末端に取り付けることができる。
別の実施形態では、留め具は、可動トレイが自由に旋回できるように少なくとも1つの玉軸受を含むことができる。
代替的な実施形態では、駆動機構は、少なくとも1個の電磁石を動力源とすることができる。別の実施形態では、駆動機構は、水力、風力、太陽光及び電力の1つ又は組合せを動力源とすることができる。さらに、駆動機構は、包囲された空間内に位置決めすることができる。
別の実施形態では、フレームは円形状とすることができる。別の実施形態では、フレームは六角形状とすることができる。
さらに別の実施形態では、包囲された空間は、少なくとも1台の車両を駐車するに十分なほど大きい。代替的な実施形態では、複数の回転可能なラックシステムは、少なくとも部分的に換気される温室に置かれる。別の実施形態では、複数の回転可能なラックシステムは、少なくとも1台の車両を駐車するに十分なほど大きな空間を包囲する。
以下、本発明が、添付図面を参照して単に一例として説明される。
フレーム、可動トレイ及び駆動機構を示す、本発明の実施形態の側面図である。 図1にてXの方向から見た、本発明の実施形態の図である。 円形状とされたフレームを備える、本発明の代替的な実施形態を示す図である。 図3に示した代替的な実施形態の斜視図である。 六角形状とされたフレームを備える、本発明の別の代替的な実施形態を示す図である。 図5に示した代替的な実施形態の斜視図である。 図5の六角形状とされたフレームに基づくが、拡張フレームを有する、本発明の別の実施形態を示す図である。 図7に示した別の実施形態の斜視図である。 多数のフレームを用いた、本発明の実施形態を示す図である。 図9に示した実施形態の斜視図である。 車両駐車シェルタとして使用される、本発明の実施形態を示す図である。
本発明の他の配置が可能であるので、添付図面は、本発明の上記説明の一般性に取って代わると理解すべきでない。
以下、本発明の特定の実施形態が添付図面を参照して説明される。本明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明する目的のためだけであり、本発明の範囲を限定することは意図しない。加えて、他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的な用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本発明の実施形態は、植物の栽培のための空間及びエネルギー資源の両方で効率的に使用し得る、回転可能な垂直ラッキングシステム及び方法を提供する。従って、以下でより詳細に説明するように、システム及び方法の好ましい実施形態は、あらゆる観点で「環境に優しい」と考えることができる。
説明において、「ラック」及び「トレイ」という用語は区別なく使用できる。
図1は、本発明の1つの実施形態によって植物を栽培するために回転可能なラックシステム100の側面図であり、図2は、図1にてXの方向から見た図である。システム100は、並んだトレイ120を有するフレーム110を含む。各トレイは、植物を栽培するための土壌を有するポット121を保持するように配置される。代替的に、植物は水耕法によって栽培することができ、土壌は水中での無機栄養素溶液にかえることができる。各側のフレーム110の形状及び可動トレイ120の数は、フレーム110の両側の重量の平衡を保ち、同時に、トレイ120を移動させるために駆動機構に必要な総計の作動力を減らすように設計される。フレーム110は、可動トレイ120の一側の重量が他側よりも重くなるように設計することもでき、これにより駆動機構がトレイ120を移動させるのに必要な作動力の総計をさらに減らすことができる(これは以下でさらに詳しく説明する)。可動トレイ120同士は、フレームに載ったチェーン130によって連結されている。明細書の全体を通じて用いる「チェーン」という用語は、可動トレイ120同士を連結するのに適切な全てのものを指し、ベルト及びロープを含むが、これらに限定されない。チェーンを駆動するために駆動機構が使用され、それにより可動トレイ120がフレーム110の周りに回転され、示した実施形態では、駆動機構は水車140を含む。チェーン130は、一連のスプロケット160、161、162、163を通り過ぎ、これによりチェーン(及び可動トレイ120)は、フレーム110の縁の上方を滑らかに移動することができる。示した駆動機構は、レデューサ171の回転速度を制御するために動作可能な機械式水車速度制御器170も含む。この機械式水車速度制御器170は、取外可能であり、必要に応じて、別の回転可能なラックシステム上で使用することができる。速度制御器170は、水車又は補足速度を与える外部ツールを動力源とすることができる。この実施形態は、別個のチェーン172によって機械的式ホイール速度制御器170に接続されるレデューサ171も示し、これにより速度制御器170がレデューサの速度を制御することが可能になる。レデューサ171は、チェーンの滑らかな移動を確保するスプロケット162に接続される。さらに、フレームの両端のスプロケット162は、棒材を介して接続することができ、これによりスプロケット162が一貫した速さで回転することが確保され、しかも可動トレイの両端が同じ速度で移動することが確保される。
水車140は、木材、プラスチック、金属複合材、アルミニウム又は軟鋼を含む様々な材料から作製することができ、水車は直径が約2メートルであるが、これは、成長作用の大きさに応じてサイズ変更することができる。速度とトルクの所望の組合せを実現するために水車の枢軸を移す場合、水車をさらに変形することが可能である。水車140は、外部クランク又はモータが水車と機械的に接続されるように適切なポートを組み込むこともでき、これにより水車が手動回転することができ(例えば水源が存在しないとき)、それによって移動ラック120をフレーム110の周りに手動回転させる。
この実施形態の駆動機構は水を使用するが、システム100は、水力を供給する風力タービン/ポンプ組立品を動力源とすることもできる。代替的に、太陽光を動力源とするポンプを使用することができる。これらの実施形態では、システム100は、このように完全に自給自足であり、いかなる外部エネルギー源も必要としない。システム100を駆動するために、電磁石のシステムも使用することができる。他の代替的な実施形態では、システム100は、電気を、又は水力、風力、太陽光及び電力の任意の組合せを動力源とすることができる。
一定期間内にシステム100の回転数を実現するために、様々な範囲が使用できることを理解されたい。例として、これに限定されないが、システム100は、可動トレイ120を24時間に0.5〜20回転の間のどこかで数を満たすように構成することができ、そのために可動トレイ120の重量及び間隔、システム100の様々な寸法、利用可能な太陽光の総計量、駆動機構、この実施形態の中では水の流速など、を調整する。
示した実施形態は、例えばC形の断面を有する部分を備えるチェーンガイド180も特徴とし、それは、チェーンがフレームに沿って移動するときチェーンを案内する。チェーンガイド180は、チェーンが破損した場合、可動トレイ120を適所にロックする際に安全装置としても作用する。これにより、チェーンに破損があるとき、可動トレイが自由落下するのが防止される。具体的に、チェーン130の一部が破損しているとき、チェーン130の破損した一部がチェーンガイド180内でつぶれ、つぶれた破損チェーン部分がチェーンガイド180のストッパを形成し、それによりチェーン(及びトレイ120)は、重力の影響により自由落下するのが防止される。
フレーム110は、回転可能なラックシステムの全体構造に支持体を与え、示した実施形態では、可動トレイ120は、一側150にて上昇し、他側155にて下降するように示される。側150は、側155に対して、傾き又は勾配のレベルが異なるように設計され、その結果、各可動トレイ120を吊り上げてフレーム110の頂部を乗り越えるのに必要な作動力がより小さくなる。当業者であれば、両方の側150及び155は、実質的に垂直、即ちフレーム110が設置される地面に対して垂直にできることも理解するだろう。底部棒材151及び頂部棒材152が、側150と側155とを接続する。側155及び底部棒材151には実質的により重い荷重が加わり、その理由は、側150の可動トレイ120は水槽トレイ195を通過した後に水を受けるが、側155などには、側150と比較してより多くの可動トレイ120があるためである。頂部棒材152は比較的短いので、可動トレイ120は、一般に、そこに位置決めされない。側155及び底部棒材151に加わる荷重がより重いことにより、正味の下向き力が働き、可動トレイ120を側150の上方へ引っ張る。こうして、トレイ120を移動させるのに必要な作動力がより小さくなるので、省エネルギーが実現される。側155及び底部棒材151に加わる荷重と側150に加わる荷重とを等しくして平衡させ、結果としてフレーム110の周りに可動トレイ120を移動させる際に駆動機構に必要とされる作動力を最小にすることも考えられる。側同士を接続する棒材151及び152は、水平とし、又は図1に示すように所定角度で傾斜することができ、これにより駆動機構をこれがチェーン及び可動トレイを駆動する際にさらに援助することができる。こうすれば、より大きくできるフレームの一側に加わる荷重が、フレームの他側の荷重を引っ張ることもでき、それによって省エネルギーを実現し、可動トレイを駆動する作動力がより小さくなる。
この実施形態では、フレーム110で取り囲まれた包囲された空間は、フレーム110の二酸化炭素排出量を減らす目的のための駆動機構を含んで示される。フレーム内にあるこの包囲体の用途の別の実施形態が、図3〜図10に示され、明細書にて後述される。
可動トレイの大きさ及び駆動機構140の数に応じて、フレーム110の様々な構成が使用できることを理解されたい。示した実施形態では、可動トレイ120は、約300mm×約30mm×約75mmとすることができ、フレーム110は、底部の幅が約1625mmであり、頂部の幅が約574mmである。寸法は、要求を考慮して変更することができ、フレームの高さは、3m、6mとし又は9mとすることもでき、トレイ同士間の距離及びトレイの数は、植物の栽培及び必要なトレイの高さに基づいてカスタマイズすることができる。示した各寸法により、両方の側に異なる傾斜、この場合は2度の傾斜も生じるが、当業者であれば、傾斜を変えて同じ結果を実現することもでき、同じ結果とは、重力の助けのおかげで必要とされる力が小さいので、フレームの周りにチェーンを駆動するのに必要な作動力がより小さくなり、チェーンに加わる荷重及びトレイを移動させるために必要な力が低下することである。この違いは、例えば、フレームの2つの側の間の荷重を平衡させる上で助けにもなり、例えば、より長い側は他の側よりも多くのトレイを支持し、また一側の可動トレイがちょうど水槽トレイ195を通過すれば、可動トレイは、重くなって他の側の可動トレイと釣り合う。
フレーム110は、様々の支持要素から成る支持構造物190によって支持され、様々な支持要素は、限定されない一例として、各種機械式ファスナ、ブラケット、溶接、ろう付けなどを用いて、一緒に結合することができる。フレーム110は、回転可能なラックシステムの重量を支持することができる任意の材料、例えば金属、硬質プラスチック、複合材料、木材などから作製することができる。システム全体は、最適な環境が得られることを保証するために、温室内に取り囲むことができる。温室は、植物の栽培のための正確な環境を維持しながら、植物を栽培するために太陽光が入ることができるように設計される。
可動トレイ120は、駆動機構がチェーン130を駆動することによって各トレイを移動させ及び回転させるにつれて、フレームの周りに移動可能なトレイである。個々の可動トレイは、フレーム110へのその留め具の周りに自由に旋回することもでき、これによりトレイがフレームの周りを回転している間、トレイを実質的に水平に維持することができる。可動トレイ120の各々は、植物を収容するように構成される1つ又は複数の区画又はプラスチック製ポット121を有することができ、植物は、通常はポリスチレンで作製するが他の材料も使用可能なトレイ内に収容することができる。可動トレイの各々は、植物の栽培、利用可能な空間など、及びフレーム110のタイプに応じて、個々の植物を保持するための多数の区画を含むことができ、可動トレイ120及びプラスチック製ポット121は、両方とも、示した実施形態の寸法又は構成よりもより大きい又はより小さい、任意の所望の寸法又は構成を有することができる。トレイ同士間の距離、及びフレーム上のトレイの数は、植物の高さ及び大きさによって規定されるので、別途考慮する。より高い又はより重い植物を栽培するためには、フレーム上でより少ないトレイを使用し、それに応じて離間させれば良い。荷重をよりうまく釣り合わせるためには、トレイを均等に離間させて、トレイの間に一定距離を維持すれば良い。
トレイ間の高さの差は、植物/作物/野菜の違いに適応するように調整することができる。可動トレイの深さは、より深い又はより広い間隔が必要となる他の野菜向けに容易にカスタマイズすることもできる。植物への給水は、最適な栽培パターンを保証するように制御することもできる。天候の予期しない変化を埋め合わせるために、例えば自然の太陽光が不足する曇り又は雨の日に、人工照明を使用することができる。同様に、フレーム110の大きさは、具体的な用途に応じて調整することができる。例えば、商業的用途には非常に大きなフレーム(高さが10メートル又はそれ以上)を使用することができ、その一方、家庭用環境には1メートルのフレームを設ける、例えば居住用住居のバルコニーに位置決めすることができる。
本発明の実施形態は潅漑システムも開示し、それは、可動トレイ120の移動を活用して、水槽トレイ195によって植物に水及び栄養素を供給する。この水槽トレイ195は、水車を駆動した水を受けるために、水車140に流体的に接続することができる。植物は、可動トレイ120を水槽トレイ195に漬けることにより潅漑される。これを助けるために、1つ以上の可動トレイ120は、植物又は土壌が水にアクセスできるように、その基部に孔を有することができる。水槽トレイ195内の水位を制御することによって、植物が受け取る水量も制御可能であり、余分に水を受けないことが保証される。水槽トレイ195は、その内部の水位を変えるために、異なる高さにある1つよりも多い出口を有することができる。この開放型潅漑システムは、温室が植物の栽培に必要な最適な環境を維持するのも助ける。代替的に、植物はシャワーシステムによって潅漑することができ、このシステムでは、水車140を駆動するために使用する水が集められ、植物上に注がれる。潅漑システムは、貯水タンク(図示しない)から水を汲み上げて水車に供給し、これにより可動トレイがフレームの周りに駆動されるとともに植物が潅漑される。さらに、植物がよりよく成長するように、貯蔵タンクを介して水に栄養素を追加することができる。この貯蔵タンクは、他の回転可能なラックシステムと共有することができ、これは本明細書にて後述する。
別の実施形態では、可動トレイは、それが枢動可能な場所に点を有する、適切な留め具を介してチェーンに取り付けることができる。可動トレイは、より良く安定させるために、留め具から延びる延長アームを介してチェーンの末端に取り付けることもでき、それにより重心を下げるとともに、可動トレイが不必要に揺れるのを防ぐ(これは図3に詳しく示す)。可動トレイが枢動する場所にある留め具及び/又は点は、可動トレイが自由に回転又は旋回するように玉軸受を含むことができる。
図3には、示した温室205を有する代替的な実施形態が同じ視界から示される。図示には同じ参照数字を使用し、フレーム210は、ここでは円形状にて示され、それにより可動トレイ220の移動を援助する。明瞭性のために駆動機構は示さない。例として、人体230を、尺度及び用途の意味で図示するが、その理由は、この実施形態では、既存の屋根付き通路を、この実施形態を使用する一連のシステムを用いて置き換えることによって、人の通行が多い領域に置き得ることが予測されるからであり、こうして影を設けながら、植物又は農産物を提供する。システムは自給自足とすることができるので、維持し及び稼働するのに必要な労働力が最小になる。さらに、この実施形態の単一のシステムは、駐車した車両に影を提供する規模にすることができる。図4には、同じ代替的な実施形態が斜視図で示される。
図5には本システムの別の代替的な実施形態が示され、具体的にはフレーム410は六角形状で示され、それにより可動トレイ420の移動が援助される。ここでも、駆動機構は明瞭性のために示さない。先の実施形態と同様に、この実施形態では、影を設けつつ維持及び稼働するのに必要な労働力を最小にしながら、既存の屋根付き通路を、この実施形態を使用する一連のシステムを用いて置き換えることによって、人の通行が多い領域に置くことができる。さらに、この実施形態の単一のシステムは、駐車した車両に影を提供する規模にすることができる。図6には、同じ代替的な実施形態が斜視図で示される。図7には、本システムの別の実施形態が示され、それは、フレームの高さの拡張によるフレーム610の変更例を示す。この形状により、より多くの可動トレイ620を設置することが可能となって多くの植物が提供され、その一方、可動トレイ620は依然として十分に回転することができ、しかも維持及び稼働するために必要な労働力は最小である。図8には、同じ代替的な実施形態が斜視図で示される。
図9には、影及び植物寿命が効率的な仕方で得られるように、多数のフレームを使用する本システムの実施形態が示される。この具体的な実施形態は、容易に変更して、一台の車両又は駐車場中において、一台の車両用の又はさらに多数台の車両用の独立型シェルタを作り出すことができる。図10には、同じ代替的な実施形態が斜視図で示される。
図11には、車両の駐車に用いる、システム1010から成る多数の実施形態が示される。図示した各形状では、フレームは、空間を節約する目的のために実質的に垂直に示され、フレームが傾斜している場合は、さらに変形することができる。示した実施形態は、本システム間の空間に設置される水耕用ラック1050(又は箱)も有するが、この空間内に回転可能なラックシステムの別の変形例を設置し得ることを認識されたい。具体的な実施形態は、屋根に設置される風力動力1060によって駆動機構が駆動されるように変形することもできる。
多数の回転可能なラックシステムを単一の温室内に収納して、規模の経済性を利用することが予測される。回転可能なラックシステム同士は、単一の貯蔵タンクを共有することができ、この貯蔵タンクから個々の回転可能なラックシステムに水がポンプ送りされ、駆動機構に動力を供給するとともに植物を潅漑する。各々の回転可能なラックシステムにて実質的に等しい水圧を実現するためには、単一のポンプで十分であることを確保するため、配管システムを設置することもできる。これらのシステムを収容する温室の環境を制御することはより容易であり、それにより植物の最適な栽培シナリオを実現する。
本発明による、回転可能なラックシステムの様々な実施形態につき上述した。当業者であれば、以下の請求項に記述された本発明の範囲から逸脱することなく、代替的な実施形態を設計し得ることが予測される。
さらに、当業者であれば、上記各実施形態にて説明した各特徴及び各変更は、明示的に示されない限り代替物又は置換物ではなく、組み合わせることができ、それにより説明した本発明の範囲に属するさらに別の実施形態を形成することも理解されたい。

Claims (39)

  1. 植物を栽培するための回転可能なラックシステムであって、
    フレームと、
    前記フレームの周りに配置される複数の可動トレイであって、各々の可動トレイは少なくとも1つの植物を保持するのに用いられる、複数の可動トレイと、
    前記複数の可動トレイを合わせて連結するチェーンと、
    前記チェーンを駆動するように構成される駆動機構と、を備え、
    前記フレームは、包囲された空間を取り囲んで前記複数の可動トレイを支持するように構成される、回転可能なラックシステム。
  2. 前記フレームは、第1の側及び第2の側を備え、前記第1の側の勾配は前記第2の側の勾配とは異なり、前記第1の側の前記トレイは、前記第2の側の前記可動トレイよりも前記チェーンを駆動するために必要な作動力がより小さい、請求項1に記載の回転可能なラックシステム。
  3. 前記回転可能なラックシステムに給水するための潅漑システムをさらに備える、請求項1に記載の回転可能なラックシステム。
  4. 前記潅漑システムは前記駆動機構に給水し、前記駆動機構は水車を備える、請求項3に記載の回転可能なラックシステム。
  5. 前記潅漑システムは、前記可動トレイが少なくとも部分的に浸される水槽を備える、請求項4に記載の回転可能なラックシステム。
  6. 前記潅漑システムは、前記水槽に流体接続される水タンクを備える、請求項5に記載の回転可能なラックシステム。
  7. 前記水車は、前記チェーンの移動速度に影響する前記水車の回転速度を調整するための制御器を備える、請求項4に記載の回転可能なラックシステム。
  8. 前記水車は、該水車を手動で回転させ得る外部クランク用のポートを備える、請求項4に記載の回転可能なラックシステム。
  9. 前記チェーンを案内するチェーンガイドをさらに備え、前記チェーンガイドは、前記チェーンが破損した場合、前記トレイを適所にロック可能である、請求項1に記載の回転可能なラックシステム。
  10. 前記可動トレイの各々は、前記チェーンに少なくとも1つの留め具を介して取り付けられ、前記留め具は、前記可動トレイが回転して実質的に水平な位置を維持できるように構成される、請求項9に記載の回転可能なラックシステム。
  11. 前記留め具は枢軸を有し、該枢軸は、前記可動トレイが枢軸点の周りに自由に旋回できるようにする、請求項10に記載の回転可能なラックシステム。
  12. 前記可動トレイは、延長アームによって前記枢軸点から離れた末端に取り付けられる、請求項11に記載の回転可能なラック。
  13. 前記留め具は、前記可動トレイが自由に旋回できるように少なくとも1つの玉軸受を備える、請求項10に記載の回転可能なラック。
  14. 前記駆動機構は、少なくとも1個の電磁石を動力源とする、請求項1に記載の回転可能なラック。
  15. 前記駆動機構は、水力、風力、太陽光及び電力の1つ又は組合せを動力源とする、請求項1に記載の回転可能なラック。
  16. 前記駆動機構は、前記包囲された空間内に位置決めされる、請求項1に記載の回転可能なラック。
  17. 前記フレームは円形状である、請求項1に記載の回転可能なラック。
  18. 前記フレームは六角形状である、請求項1に記載の回転可能なラック。
  19. 前記包囲された空間は、少なくとも1台の車両を駐車するに十分なほど大きい、請求項1に記載の回転可能なラック。
  20. 植物栽培方法であって、
    栽培する植物用の複数の可動トレイを準備する工程と、
    前記可動トレイを駆動機構によってフレームに沿って回転させる工程と、
    少なくとも1つの前記可動トレイを潅漑システムによって潅漑する工程と、を備え、
    前記潅漑システムは、同時に、水車を介して前記駆動機構に動力を供給するように動作可能である、植物栽培方法。
  21. 前記フレームは、第1の側及び第2の側を備え、前記第1の側の勾配は前記第2の側の勾配とは異なり、前記フレームの前記第1の側の前記可動トレイは、前記フレームの前記第2の側の前記可動トレイよりも移動させるのに必要な作動力がより小さい、請求項20に記載の植物栽培方法。
  22. 前記水車を該水車に差し込んだ外部機器によって手動で回転させる工程をさらに備える、請求項20に記載の植物栽培方法。
  23. 前記水車は電磁気モータと置き換えられる、請求項20に記載の植物栽培方法。
  24. 前記駆動機構は、水力、風力、太陽光及び電力の1つ又は組合せを動力源とする、請求項20に記載の植物栽培方法。
  25. 植物栽培システムであって、
    該植物栽培システムは、複数の回転可能なラックシステムを備え、各々の回転可能なラックシステムは、
    フレームと、
    前記フレームの周りに配置される複数の可動トレイであって、各々の可動トレイは少なくとも1つの植物を有する、複数の可動トレイと、
    前記複数の可動トレイを合わせて連結するチェーンと、
    前記チェーンを駆動するように構成される駆動機構と、を備え、
    前記フレームは、包囲された空間を取り囲んで前記複数の可動トレイを支持するように構成され、
    前記植物栽培システムは、少なくとも1つの回転可能なラックシステムに給水するための潅漑システムを備え、該潅漑システムは、
    前記潅漑システムに配管系統を介して流体接続される貯水タンクを備え、
    前記配管系統は、前記複数の回転可能なラックシステムに実質的に等しい水圧を供給する、植物栽培システム。
  26. 前記潅漑システムは、前記回転可能なラックシステムの少なくとも1つの駆動機構に給水し、前記駆動機構は水車を含む、請求項25に記載の植物栽培システム。
  27. 前記回転可能なラックシステムは、前記チェーンが前記フレーム上を移動する間前記チェーンを案内するチェーンガイドをさらに備え、前記チェーンガイドは、前記チェーンが破損した場合、前記可動トレイを適所にロック可能である、請求項25に記載の植物栽培システム。
  28. 各々の前記可動トレイは、前記チェーンに留め具によって取り付けられ、前記留め具は、前記可動トレイが回転して実質的に水平位置を維持できるように構成される、請求項27に記載の植物栽培システム。
  29. 前記留め具は枢軸点を有し、該枢軸点は、前記可動トレイが前記枢軸の周りに自由に旋回できるようにする、請求項28に記載の植物栽培システム。
  30. 前記可動トレイは、延長アームによって前記枢軸点から離れた末端に取り付けられる、請求項29に記載の植物栽培システム。
  31. 前記留め具は、前記可動トレイが自由に旋回できるように少なくとも1つの玉軸受を備える、請求項30に記載の植物栽培システム。
  32. 前記駆動機構は、少なくとも1個の電磁石を動力源とする、請求項25に記載の植物栽培システム。
  33. 前記駆動機構は、水力、風力、太陽光及び電力の1つ又は組合せを動力源とする、請求項25に記載の植物栽培システム。
  34. 前記駆動機構は、前記包囲された空間内に位置決めされる、請求項25に記載の植物栽培システム。
  35. 前記フレームは円形状である、請求項25に記載の植物栽培システム。
  36. 前記フレームは六角形状である、請求項25に記載の植物栽培システム。
  37. 前記包囲された空間は、少なくとも1台の車両を駐車するに十分なほど大きい、請求項25に記載の植物栽培システム。
  38. 前記複数の回転可能なラックシステムは、少なくとも部分的に換気される温室に置かれる、請求項25に記載の植物栽培システム。
  39. 前記複数の回転可能なラックシステムは、少なくとも1台の車両を駐車するに十分なほど大きな空間を包囲する、請求項25に記載の植物栽培システム。
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