JP2016208761A - 蓄電装置を備えた駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回生電力を、共通の電力線を介して他の力行動作を行う搬送機で有効利用し、他に力行動作を行う搬送機が存在しない場合には地上側の蓄電装置に効率よく蓄電し、蓄電した電力を同一ライン内に存在する搬送機で再利用する。
【解決手段】地上側制御盤Aに、電源Pから供給された交流電圧の整流回路1、整流回路1の出力側の直流電力線1A、電力線1Aを介して整流回路1と並列接続された蓄電装置2を備え、機上側制御盤Bに、電力線1Aを介して整流回路1と並列接続された、電動機を駆動するインバータINV1,INV2、電力線1A及び前記インバータの入力側の間に直列接続された接続スイッチSW5,SW6、前記接続スイッチと並列に、電力線1A側がアノードとなるように接続された回生ブロックダイオードD1,D2を備え、前記インバータにおける全ての回生トランジスタのオン電圧よりも低い所定電圧値で前記接続スイッチをオフにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、インバータ制御されて回生電力を発生する電動機を有する搬送機を複数備えた搬送設備に用いられる、蓄電装置を備えた駆動制御装置に関する。
インバータ制御されて回生電力を発生する電動機を有する搬送機を複数備えた搬送設備に用いられる駆動制御装置に関連する従来技術として、生産ライン等における搬送設備に用いられるものではないが、電気鉄道における複数の直流電気車(以下、「車両」という。)に対して直流架線から電力を供給し、自車両のブレーキ抵抗に回生電力を流して熱放散する回生ブレーキと、架線を介して他車両の力行電力として回生電力を消費することで制動トルクを発生させる発電ブレーキとを併用する直流電気車の駆動制御装置がある(例えば、特許文献1参照)。
ここで、特許文献1の図2の直流電気車の駆動制御装置では、複数台の車両の駆動制御回路は架線とレールを介して並列に接続されているので、1台の車両が架線と接続したまま発電ブレーキ抵抗を投入すると、発電ブレーキ抵抗による回生負荷が自車両のみの回生負荷とならずに他の回生車両の負荷にもなる。
よって、発電ブレーキ抵抗に直流電源側から電力が流入するため、自車両で発電するエネルギを吸収できなくなって制動トルクが不足する場合がある。
このような制動トルクの不足を無くすために、特許文献1の図1の直流電気車の駆動制御装置の構成では、フィルタコンデンサ7の初期充電回路と直列にインバータ開放用の断流器5を直列接続してなる回路において、この断流器5と並列に、ダイオード17のカソード側を電源側にアノード側をインバータ装置8側にして接続している。
インバータ装置8にブレーキ指令が与えられると、インバータ装置8は電動機(M)91〜94を励磁するための電圧(直流)を発生する。その後、車両の持つ運動エネルギを電動機91〜94を介してインバータ装置8が発電制御することにより、電気ブレーキを動作させる。直流電源に電気ブレーキによって発生する回生エネルギを吸収する負荷がない場合は、電源電圧は変電所の送り出す電圧以上に上昇し、これによってフィルタコンデンサ電圧が上昇する。その際、フィルタコンデンサ電圧が所定の電圧値以上に上昇しても電気ブレーキを継続して動作させるために、半導体スイッチ10をオンにして、発電ブレーキ抵抗11をインバータ装置8の負荷として接続する。
そして、発電ブレーキ制御を開始した時点で断流器5を開放することにより、直流電源に直列にダイオード17を接続する。これにより、直流電源側からのパワーの流入を防止しながら、発電ブレーキが動作可能となり、発電ブレーキ中に回生負荷が増加した場合でも、ダイオード17を介して回生することが可能となる。更に、他車両からの回生による影響も無くなる。
よって、発電ブレーキ制御時における架線からの電力の流入を防止し、発電ブレーキ抵抗値を大きくすることなく安定したブレーキ制御が可能になる。
特開平9−308003号公報
特許文献1の図1の直流電気車の駆動制御装置の構成を、インバータ制御されて回生電力を発生する電動機を有する搬送機を複数備えた、生産ライン等における搬送設備に用いられる駆動制御装置として用いた場合、ダイオード17が、カソード側を電源側に、アノード側をインバータ装置8側にして接続されているため、回生運転に入った搬送機(自搬送機)が断流器5をオフにして発電ブレーキ制御(抵抗回路を生かす)に移行したとしても、直流母線(フィルタコンデンサ7両端)の電圧はダイオード17を経由して架線を介して他の搬送機(他搬送機)の直流母線電圧も吊り上げる場合がある。それは、他搬送機が力行運転を開始している場合であって、インバータに電力を供給するために他搬送機の断流器5がオンとなっている場合である。
このような場合、自搬送機の発電ブレーキが作動中であるのに半導体スイッチのオン電圧が後述の理由で他搬送機のほうが低ければ、先に他搬送機の発電ブレーキ回路が作動する事態が起きることも考えられる。
特に、複数の搬送機が同時に回生運転している場合等は全ての搬送機の回生エネルギを一台の力行運転する搬送機で消費することで直流母線の電圧を低下させるには時間を要すると考えられるためである。
その上、搬送機においては容量の異なった電動機が混在する場合があるので、自搬送機の電動機が回生運転を行った際に他搬送機のブレーキ回路が作動してしまうことにより、電動機の制動トルクが影響を受けて減速距離(停止精度)に悪影響を来すという問題や、インバータ内部の回路素子(帰還ダイオード)の定格を超えてしまうという問題が発生する。
次に、インバータ制御されて回生電力を発生する電動機を有する搬送機を複数備えた搬送設備に用いられる、蓄電装置を備えた駆動制御装置として、図8のブロック図に示す複数の自走式搬送機の駆動制御装置について検討する。この駆動制御装置は、地上側に配置された蓄電装置であるキャパシタ2への蓄電時及びキャパシタ2から放電する再利用時に、電力変換装置(双方向DC/DCコンバータ)を利用しないようにすることにより、電力変換時のロス(熱損失)が発生しないため、回生電力を効率よく再利用できるようにしたものである。
図8の駆動制御装置において、交流1次電源Pの電圧が200Vであったとすると、電源投入後の直流電力線1Aの電圧はルート2倍の282V近辺の電圧となっている。例えば、昇降用電動機M1が下降動作を実施した際に、何らかの原因で回生電力をキャパシタ2に蓄電できない事態が発生した場合、回生電力は第1インバータINV1内部の平滑コンデンサC1に流入して内部の直流母線の線間電圧を吊り上げてしまう。
このようにして吊り上げられた直流母線の線間電圧が第1インバータ1NV1に内蔵された回生トランジスタTR1のオン電圧を超えた場合、回生トランジスタTR1が作動して回生抵抗器R4に回生電流を流すことにより熱エネルギとして放散するように動作できれば理想的である。
しかしながら、インバータ内蔵の回生トランジスタのオン電圧はインバータによってバラツキがある。このようなオン電圧のバラツキには、市販のインバータを使う場合に、インバータの容量や回生ブレーキユニットのタイプ(インバータ内蔵タイプ又は外付けタイプ)によるものや、半導体の製造誤差等によるものがある。
仮に、回生トランジスタTR1のオン電圧が380Vであり、回生トランジスタTR2のオン電圧が376Vであったとすると、第1インバータ1NV1及び第2インバータINV2の直流母線は並列接続となっているので、回生トランジスタTR1が作動する前に回生トランジスタTR2が先に作動し、昇降用電動機M1の回生電力は走行用電動機M2側の回生抵抗器R5に流入してくる。
昇降用電動機M1の電動機容量が7.5kW、走行用電動機M2の電動機容量が1.5kWであったとすると、インバータ及び回生抵抗器は電動機容量に見合ったものが選定されており、昇降用電動機M1の回生電力は走行用電動機M2用の1.5kWの回生抵抗器R5では処理(熱変換)しきれず、直流母線電圧が更に吊り上がり、回生トランジスタTR1も遅れて作動することになってしまう。
このように、回生トランジスタのオン電圧のバラツキによってインバータ付属の回生抵抗回路が誤作動すると、電動機の制動トルクが影響を受けて減速距離(停止精度)に悪影響を来すという問題が生じる。
次に逆のケースを想定し、回生トランジスタTR1のオン電圧が376Vであり、回生トランジスタTR2のオン電圧が380Vであったとすると、走行用電動機M2から回生電力が発生した場合は第2インバータINV2の回生トランジスタTR2が作動する前に回生トランジスタTR1が誤作動してしまう。
一般的な回生抵抗器の選定基準(200V系)から必要な制動トルク(回生電流)を得るための抵抗器は、電動機容量が大きくなると抵抗値は小さくなり、ワット数は大きくなる。その理由は、大きな制動トルクを得るためには大きな回生電流を流す必要があるので抵抗値を小さくしている。その結果、回生トランジスタのオン電圧は一定であるので回生電流が大きくなり、熱変換される電力(I・R)が大きくなるため熱容量(ワット数)の大きな抵抗器となるのである。
仮に、R4=20Ω、R5=60Ωであったとすると、走行用の第2インバータINV2のチョッパ回路7Bに内蔵された帰還ダイオードに流れる回生電流値は、瞬間的に本来流れる電流値(i=380V/60Ω=6.3A)の3倍の電流値(i=380V/20Ω=19A)が流れて、チョッパ回路7Bの帰還ダイオードが定格電流オーバーで破損する可能性がある。
このような問題を解決しない限り、異なった容量の電動機を有する搬送機用インバータを同一の直流電力線に接続したり、複数の搬送機用インバータを直流電力線に接続することができない。
上記のような事情に鑑み、本発明の目的は、インバータ制御されて回生電力を発生する電動機を有する搬送機を複数備えた搬送設備に用いられる、蓄電装置を備えた駆動制御装置において、発生した回生電力を共通の電力線を介して他の力行動作を行う搬送機の力行電力として直接(蓄電すること無く)有効利用できるようにし、回生電力発生時に他に力行動作を行う搬送機が存在しない場合には地上側に設置した蓄電装置に電力変換装置(双方向DC/DCコンバータ)を経由せずに効率よく回生電力を蓄電し、同一ライン内に存在するどの搬送機においても蓄電した電力を再利用できるようにすることである。
本発明に係る蓄電装置を備えた駆動制御装置は、前記課題解決のために、インバータ制御されて回生電力を発生する電動機を有する搬送機を複数備えた搬送設備に用いられる、蓄電装置を備えた駆動制御装置であって、地上に設置された地上側制御盤に、交流1次電源から供給された交流電圧を直流電圧に変換する整流回路、前記整流回路の出力側に接続された直流電力線、及び、前記直流電力線を介して前記整流回路と並列に接続された蓄電装置を備えるとともに、前記複数の搬送機の機上側制御盤に、前記直流電力線を介して前記整流回路と並列に接続された、前記電動機を駆動するインバータ、前記直流電力線及び前記インバータの入力側の間に直列に接続され、前記直流電力線及び前記インバータの入力側間をオン/オフ操作する接続スイッチ、並びに、前記接続スイッチと並列に、前記直流電力線側がアノード、前記インバータ側がカソードとなるように接続された回生ブロックダイオードを備え、前記地上側制御盤又は前記機上側制御盤の何れかに、前記直流電力線の線間電圧を測定する電圧測定手段を設け、前記複数の搬送機の前記インバータにおける全ての回生トランジスタのオン電圧よりも低い所定電圧値で前記接続スイッチをオフにして前記回生ブロックダイオードを有効にすることにより、前記電動機が発生する回生電力を前記インバータの回生抵抗器によって熱エネルギに変換して放散することを特徴とする。
このような構成によれば、整流回路の出力側の直流電力線に蓄電装置を直接接続しているので、電動機が発生した回生電力は電力変換装置を介さずに蓄電装置に直接蓄電されるとともに、蓄電装置に蓄電した電力は電力変換装置を介さずに利用される。よって、電力変換装置の変換ロスが無いことから回生電力を有効利用できるので、省エネ効果が大きくなる。
その上、接続スイッチがオンの場合には、電動機に発生した回生電力は、同じタイミングで力行運転を行う他の電動機が有れば、直流電力線を介して力行運転を行う電動機の電力として直接有効利用される。他に力行運転を行う電動機が無ければ、前記回生電力は、接続スイッチがオンであるので一旦地上の蓄電装置に蓄電される。回生電力が蓄電装置に蓄電されると、蓄電装置の電位は1次電源から整流回路を経由した出力側の電圧値よりも高くなることから、力行動作を行う電動機が現われると、1次電源よりも蓄電装置に蓄電された電力が優先的に使用されることになるため、1次電源の消費電力を削減できる。
その上さらに、複数の搬送機のインバータにおける全ての回生トランジスタのオン電圧よりも低い所定電圧値で接続スイッチをオフにして回生ブロックダイオードを有効にするので、電動機が発生する回生電力は、回生ブロックダイオードにより蓄電装置側に流れ出て行かないようにブロックされる。ブロックされた回生電力はインバータ内部の直流母線の電圧を吊り上げるので、回生トランジスタがオンになる。したがって、前記回生電力は、回生運転中の電動機用インバータにおける回生抵抗器によって熱エネルギに変換されて放散される。よって、回生トランジスタのオン電圧のバラツキにより回生トランジスタが誤作動する回生抵抗回路の不安定動作やインバータ回路素子の破損と言った事故を未然に防ぐことが可能となる。
その上、搬送機の台数を増やしても、他のインバータ付属の回生抵抗回路が誤作動することが無くなり、電動機の制動トルクが変動したり、インバータの回路素子に悪影響を及ぼしたりすることが無くなって、搬送機は安定した動作を行うことができる。
ここで、前記地上側制御盤に前記電圧測定手段を設け、前記電圧測定手段によって測定された電圧値が前記所定電圧値を超えた際に、前記地上側制御盤の地上側制御回路から前記機上側制御盤の機上側制御回路へ前記接続スイッチをオフする指令を送信することにより、前記機上側制御回路が前記接続スイッチをオフにして前記回生ブロックダイオードを有効にするのが好ましい。
このような構成によれば、地上側制御盤の電圧測定手段により測定した直流電力線の線間電圧の測定値が前記所定電圧値を超えた際に、接続スイッチをオフにする指令が、地上側制御回路から複数の全ての機上側制御回路へ送信される。そして、接続スイッチをオフにする指令を受信した機上側制御回路によって全ての接続スイッチがオフにされる。よって、複数の搬送機のインバータにおける全ての回生トランジスタのオン電圧よりも低い所定電圧値で接続スイッチをオフにして回生ブロックダイオードを有効にする操作を、地上側制御盤から一括して確実に行うことができる。
また、前記地上側制御盤に、前記整流回路及び前記蓄電装置間に設けられた前記蓄電装置を切り離すための切離しスイッチを設け、前記切離しスイッチをオフにした際に、前記地上側制御盤の地上側制御回路から前記機上側制御盤の機上側制御回路へ前記接続スイッチをオフする指令を送信することにより、前記機上側制御回路が前記接続スイッチをオフにして前記回生ブロックダイオードを有効にするのがより好ましい。
このような構成によれば、切離しスイッチをオフにして蓄電装置を切り離した際には、接続スイッチをオフにする指令が、地上側制御回路から複数の全ての機上側制御回路へ送信され、前記指令を受信した機上側制御回路によって全ての接続スイッチがオフにされて回生ブロックダイオードが有効になる。よって、ブロックダイオードによって回生電力が直流電力線側へ流出しないことから、直流電力線を介して回生電力が流入することによるインバータの回生トランジスタの誤作動を抑制できるので、蓄電装置のメンテナンス等のために蓄電装置を切離した場合であっても複数の搬送機の運転を継続できる。
さらに、前記蓄電装置がキャパシタであり、前記キャパシタは、前記搬送機の全ての電動機の動作パターンを考慮して、回生電力が発生する動作時間内において、回生電力を前記キャパシタに充電する際に流れる充電電流が前記電動機の速度制御に必要とされる制動トルクを発生させ、且つ、前記電動機が回生電力を発生している時間よりも短い時間でその回生電力を充電できる、静電容量と直流内部抵抗を有しているのが好適なものである。
このような構成によれば、蓄電装置として前記条件を満たす静電容量と直流内部抵抗を有しているキャパシタを用いるので、搬送機を予め決められた速度曲線に沿って目標通りに速度制御することができる。
以上のように、本発明に係る蓄電装置を備えた駆動制御装置によれば、
(1)回生電力の蓄電装置への蓄電、及び蓄電装置に蓄電した電力を利用する際に、電力変換装置を介さないことから変換ロスが無く、回生電力を有効利用できるので、省エネ効果が大きくなること、
(2)接続スイッチがオンの場合に、電動機に発生した回生電力は、同じタイミングで力行運転を行う他の電動機が有れば、直流電力線を介して力行運転を行う電動機の電力として直接有効利用されること、
(3)接続スイッチがオンの場合に、他に力行運転を行う電動機が無ければ、電動機に発生した回生電力は、一旦地上の蓄電装置に蓄電され、力行動作を行う電動機が現われると、1次電源よりも蓄電装置に蓄電された電力が優先的に使用されるので、1次電源の消費電力を削減できること、
(4)複数の搬送機のインバータにおける全ての回生トランジスタのオン電圧よりも低い所定電圧値で接続スイッチがオフにされ、回生ブロックダイオードが有効になると、電動機に発生した回生電力がインバータ内部の直流母線の電圧を吊り上げて回生トランジスタがオンになることから、前記回生電力は、回生運転中の電動機用インバータにおける回生抵抗器によって熱エネルギに変換されて放散されるので、回生トランジスタのオン電圧のバラツキにより回生トランジスタが誤作動する回生抵抗回路の不安定動作やインバータ回路素子の破損と言った事故を未然に防ぐことができること、
(5)搬送機の台数を増やしても、他のインバータ付属の回生抵抗回路が誤作動することが無くなり、電動機の制動トルクが変動したり、インバータの回路素子に悪影響を及ぼしたりすることが無くなって、搬送機は安定した動作を行うことができること、
等の顕著な効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る蓄電装置を備えた駆動制御装置の構成を示すブロック図である。 (a)は地上側制御回路のブロック図、(b)は第1インバータのブロック図である。 前記駆動制御装置を用いた搬送設備の例を示す平面図である。 同じく正面図である。 蓄電装置を備えた駆動制御装置の変形例を示すブロック図である。 直流電力線の線間電圧を測定する電圧測定手段を機上側制御盤に設けた例を示すブロック図である。 (a)はキャパシタ充電の等価回路を示す図、(b)は時間による充電電流の変化を示す図である。 蓄電装置への蓄電時及び蓄電装置からの放電時に電力変換装置を利用しない構成の蓄電装置を備えた駆動制御装置の例を示すブロック図である。
本発明の蓄電装置を備えた駆動制御装置は、インバータ制御されて回生電力を発生する電動機を有する搬送機を複数備えた搬送設備に用いられる。
本発明における蓄電装置は、電気二重層キャパシタ及びリチウムイオンキャパシタ等のキャパシタの他、ニッケル水素電池等の急速充放電が可能な特性を持った2次電池も含む。
本発明における搬送機は、インバータ制御されて回生電力を発生する単又は複数の電動機を有するものであり、走行用電動機が回生電力を発生する場合は、電動機が走行用電動機1個のみである構成も含まれる。
以下においては、インバータ制御されて回生電力を発生する、容量の異なる昇降用電動機及び走行用電動機を有する搬送機を複数備えた構成について説明する。
図1及び図2のブロック図に示す本発明の実施の形態に係る蓄電装置を備えた駆動制御装置は、例えば図3の平面図及び図4の正面図のような搬送設備に用いられるものであり、複数の自走式搬送機を備える。なお、図3及び図4の搬送設備は、2台の自走式搬送機T1,T2を備えた例を示している。
本発明の実施の形態に係る蓄電装置を備えた駆動制御装置において、地上側制御盤Aが地上に設置され、機上側制御盤Bが自走式搬送機T1,T2,…に取り付けられる。機上側制御盤Bへの電源供給は、地上側に設置された地上側制御盤Aから、直流電力線1A(バスバー1Bを含む)、及び集電子8,9(図1参照)を経由して行う。
図3及び図4において、搬送機T1,T2は、走行レール10に沿って走行する走行フレーム11を有する自走式搬送機であって、走行フレーム11の下方に、被搬送物Wを支持しながら昇降する昇降ハンガー12を有するとともに、インバータ駆動される昇降用電動機M1及び走行用電動機M2を備える。
<地上側制御盤>
図1の蓄電装置を備えた駆動制御装置において、全体を統括する地上側制御盤Aは、交流1次電源Pから供給された交流電圧を直流電圧に変換する整流回路1、整流回路1の出力側に接続された直流電力線1A、直流電力線1Aを介して整流回路1と並列に接続された、搬送機T1,T2の電動機M1,M2が発生する回生電力を蓄電する蓄電装置であるキャパシタ2、キャパシタ2の1次側に接続された、並列に接続した抵抗器R1及びスイッチSW1からなる突入電流抑制回路3、整流回路1及びキャパシタ2間に設けられたキャパシタ2を切り離すための切離しスイッチSW2、並びに搬送機T1,T2の機上側制御盤Bの機上側制御回路CBと必要な信号授受等を行うための地上側制御回路CAを備える。
ここで、キャパシタ2は、直流電力線1Aに接続された複数の電動機が同時に回生動作を実施した時に発生する最大の回生電力を蓄電可能な容量を有するとともに、この最大の回生電力を蓄電した時もキャパシタ2の端子電圧、即ち直流電力線1Aの線間電圧は予め設定された、後述する閾値(回生電力をキャパシタ2に充電した後の電圧V)を超えないだけの容量を有するものが選定される。
キャパシタ2を直流電力線1Aに直接接続しているので、電動機M1,M2,…が発生する回生電力は電力変換装置(双方向DC/DCコンバータ)を介さずキャパシタ2に直接蓄電できるとともに、キャパシタ2に蓄電した電力は電力変換装置を介さずに利用できる。よって、電力変換装置の変換ロスが無いことから回生電力を有効利用できるので、省エネ効果が大きくなる。
また、図2(a)のブロック図に示すように、地上側制御回路CAは、直流電力線1Aの線間電圧を測定する電圧測定手段4A、及び電圧測定手段4Aによる測定値と電圧設定値4Bとを比較する比較器13Aを備える。そして、前記測定値が前記設定値を超えた場合には、地上側制御回路CAから、機上側制御盤Bの後述する接続スイッチをオフにする「接続スイッチオフ信号」が、図1に示す信号伝達手段Sによって機上側制御回路CBに送信される。
ここで、電圧設定値4Bは、複数の搬送機T1,T2,…のインバータ1NV1,INV2,…における全ての回生トランジスタTR1,TR2,…のオン電圧よりも低い電圧値が設定される。
<機上側制御盤>
図1の蓄電装置を備えた駆動制御装置において、搬送機T1,T2に取り付けられた機上側制御盤Bは、直流電力線1Aを介して整流回路1と並列に接続された、昇降用電動機M1を駆動する第1インバータINV1、直流電力線1A及び第1インバータINV1の入力側の間に直列に接続され、直流電力線1A及び第1インバータINV1の入力側間をオン/オフ操作し、オン状態で回生電力を直流電力線1Aを経由して地上のキャパシタ2に帰還させるための接続スイッチSW5、並びに、接続スイッチSW5と並列に、直流電力線1A側がアノード、第1インバータINV1側がカソードとなるように接続された回生ブロックダイオードD1を備える。
また、機上側制御盤Bは、直流電力線1Aを介して整流回路1と並列に接続された、走行用電動機M2を駆動する第2インバータINV2、直流電力線1A及び第2インバータINV2の入力側の間に直列に接続され、直流電力線1A及び第2インバータINV2の入力側間をオン/オフ操作し、オン状態で回生電力を直流電力線1Aを経由して地上のキャパシタ2に帰還させるための接続スイッチSW6、並びに、接続スイッチSW6と並列に、直流電力線1A側がアノード、第2インバータINV2側がカソードとなるように接続された回生ブロックダイオードD2を備える。
さらに、機上側制御盤Bは、地上側制御盤Aと信号授受を行いながら搬送機本体を制御する機上側制御回路CBを有する。
第1インバータINV1は、直流電圧を平滑化する平滑コンデンサC1、平滑コンデンサC1の1次側に接続された、並列に接続した抵抗器R2及びスイッチSW3からなる突入電流抑制回路5A、平滑コンデンサC1により平滑化された直流電圧を可変電圧可変周波数の交流電圧に変換して昇降用電動機M1へ出力するチョッパ回路7A、並びに、平滑コンデンサC1に並列に接続された、回生トランジクタTR1及び回生抵抗器R4等からなる回生抵抗回路6A等により構成される。
また、第2インバータINV2は、直流電圧を平滑化する平滑コンデンサC2、平滑コンデンサC2の1次側に接続された、並列に接続した抵抗器R3及びスイッチSW4からなる突入電流抑制回路5B、平滑コンデンサC2により平滑化された直流電圧を可変電圧可変周波数の交流電圧に変換して走行用電動機M2へ出力するチョッパ回路7B、並びに、平滑コンデンサC2に並列に接続された、回生トランジクタTR2及び回生抵抗器R5等からなる回生抵抗回路6B等により構成される。
ここで、電動機を駆動する全てのインバータには、図2(b)の第1インバータINV1のブロック図に示すインバータ制御回路ICと同様のインバータ制御回路を備える。
図2(b)に示すインバータ制御回路ICは、自己の直流母線電圧を測定する電圧測定手段14A、及び電圧測定手段14Aによる測定値と回生トランジクタTR1のオン電圧設定値14Bとを比較する比較器13Aを備えており、前記測定値が前記設定値を超えた場合に回生トランジクタTR1をオンにする。
<回路全体の動作>
次に、図1に示す蓄電装置を備えた駆動制御装置の回路全体の動作について説明する。
(図2(a)における測定値≦設定値の場合)
図2(a)に示す電圧測定手段4Aによる直流電力線1Aの線間電圧の測定値が電圧設定値4B(例えば、375V)以下で、かつ、切離しスイッチSW2がオフになっていない場合(「切離しスイッチオフ信号」が入力されない場合)には、地上側制御回路CAから「接続スイッチオフ指令」が送信されない。
このような場合において、搬送機T1の昇降ハンガー12を操作して被搬送物Wを下降させる動作を行ったとすると、昇降用電動機M1に回生電力が発生する。
その際に、接続スイッチSW5がオンであるので、同じタイミングで力行運転(上昇又は走行動作)を行う他の電動機が有れば、回生電力は直流電力線を介して力行運転を行う電動機の電力として直接有効利用される。
他に力行運転を行う電動機が無ければ、前記回生電力は、接続スイッチSW5がオンであるので一旦地上のキャパシタ2に蓄電される。回生電力がキャパシタ2に蓄電されると、キャパシタ2の電位は1次電源Pから整流回路1を経由した出力側の電圧値(例えば282V)よりも高くなる。そのため、力行動作を行う電動機が現われると、1次電源Pよりもキャパシタ2に蓄電された電力が優先的に使用されることになる。よって、蓄電された回生電力が優先的に再利用されるので、1次消費電力を削減できる。
(図2(a)における測定値>設定値の場合)
前記のとおり、図2(a)に示す地上側制御回路CAの電圧設定値4Bには、複数の搬送機T1,T2,…のインバータ1NV1,INV2,…における全ての回生トランジスタTR1,TR2,…のオン電圧よりも低い電圧値(例えば、375V)が設定されている。そして、電圧測定手段4Aによる直流電力線1Aの線間電圧の測定値が電圧設定値4B(例えば、375V)を超えた場合には、地上側制御回路CAが「接続スイッチオフ指令」を機上側制御回路CB,CB,…に送信する。
したがって、機上側制御回路CB,CB,…が、インバータINV1,INV2,…における全ての回生トランジスタTR1,TR2,…のオン電圧よりも低い所定電圧値(例えば、375V)で接続スイッチSW5,SW6,…をオフにする。
このような構成によれば、複数の搬送機T1,T2,…のインバータINV1,INV2,…における全ての回生トランジスタTR1,TR2,…のオン電圧よりも低い所定電圧値で接続スイッチSW5,SW6,…をオフにする操作を、地上側制御盤Aから一括して確実に行うことができる。
接続スイッチSW5,SW6,…がオフになると、回生ブロックダイオードD1,D2,…が有効になるので、電動機M1,M2,…が発生する回生電力は、回生ブロックダイオードD1,D2,…によりキャパシタ2側に流れ出て行かないようにブロックされる。
ブロックされた回生電力はインバータINV1,INV2,…内部の直流母線の電圧を吊り上げるので、回生トランジスタTR1,TR2,…がオンになる。
したがって、前記回生電力は、回生運転中の電動機用インバータINV1,INV2,…における回生抵抗回路6A,6B,…の回生抵抗器R4,R5,…によって熱エネルギに変換されて放散される。よって、回生トランジスタTR1,TR2,…のオン電圧のバラツキにより回生トランジスタTR1,TR2,…が誤作動する回生抵抗回路6A,6B,…の不安定動作やインバータ回路素子の破損と言った事故を未然に防ぐことが可能となる。
(図2(a)の「切離しスイッチオフ信号」が入力された場合)
図1における地上制御盤Aの切離しスイッチSW2が操作されて、地上側制御回路CAに「切離しスイッチオフ信号」が入力された場合には、地上側制御回路CAが「接続スイッチオフ指令」を機上側制御回路CB,CB,…に送信する。
「接続スイッチオフ指令」を受信した機上側制御回路CB,CB,…は、接続スイッチSW5,SW6,…をオフにするので、ブロックダイオードD1,D2,…によって回生電力が直流電力線1A側へ流出しない。よって、直流電力線1Aを介して回生電力が流入することによるインバータの回生トランジスタの誤作動を抑制できる。
このように地上側制御盤Aに切離しスイッチSW2を設けることにより、切離しスイッチSW2が操作されて地上側制御回路CAに「切離しスイッチオフ信号」が入力され、機上側制御回路CBが「接続スイッチオフ指令」を受信した際には回生電力の有効利用はできなくなるが、蓄電装置のメンテナンス等のために蓄電装置を切離した場合であっても複数の搬送機の運転を継続できる。
本発明の蓄電装置を備えた駆動制御装置における地上側制御盤Aから機上側制御盤Bへの電源供給は、図1のブロック図のような整流回路1の出力側に接続された直流電力線1A(バスバー1Bを含む)、及び集電子8,9を経由して行う構成に限定されるものではなく、図5のブロック図に示す変形例のように、バスバー1Bや集電子8,9を用いない構成であってもよい。
また、本発明の蓄電装置を備えた駆動制御装置における直流電力線の線間電圧を測定する電圧測定手段は、図1及び図2(a)のブロック図の電圧測定手段4Aのように地上側制御盤Aに設けてもよいし、図6(a)及び(b)のブロック図の電圧測定手段15Aのように機上側制御盤Bに設けてもよい。電圧測定手段15Aを機上側に設けた場合、機上側制御盤Bの機上側制御回路CBは、電圧測定手段15Aの他、電圧測定手段15Aによる測定値と電圧設定値15Bとを比較する比較器13Cを備える。そして、前記測定値が前記設定値を超えた場合には、機上側制御回路CBの接続スイッチオフ指令により接続スイッチSW5,SW6がオフになる。
<キャパシタに必要とされる性能>
次に、蓄電装置であるキャパシタに必要とされる性能について説明する。
キャパシタに要求される性能としては、先ず、電動機が発生する回生電力を蓄電できるだけの容量を備えていること、及び接続する回路電圧と回生蓄電電力による電圧上昇の合計電圧に耐えるだけの定格電圧を有することが必要となる。
また、例えば搬送機T1の昇降用電動機M1が回生運転を実施した時に、回生電力が発生する動作時間内において、電動機M1が発生する回生電力をキャパシタ2に充電する際に流れる充電電流は、電動機M1の速度制御に必要とされる制動トルクを発生させることができなければならない。
さらに、使用するキャパシタ2には、電動機M1が回生電力を発生している時間よりも短い時間でその回生電力を充電できる能力が必要となる。
このようなキャパシタに必要な性能の検証は、短い時間でより多くの回生エネルギ(回生電力量)が発生する動作において確認することが望ましい。
今仮に、搬送機T1の昇降用電動機M1が「高速下降から低速下降に切り替るまでの2.7秒間に5,244Jの回生エネルギが発生する」と仮定し、その時の回生エネルギのキャパシタ充電電流が何アンペアであって、その充電電流値で必要な制動トルクが得られ、限られた時間内に電動機が発生する回生電力をキャパシタに充電できるか否かを確認してみる。
これは、搬送機T1の昇降ハンガー12が、予め決められた速度曲線に沿って、目標通りに制御できるか否かを判断する材料となる。
(回生エネルギによるキャパシタ充電電流値)
前記回生エネルギ(5,244J)が下記仕様のキャパシタに蓄電される場合、充電中のキャパシタ充電電流及び充電後のキャパシタ電圧上昇がいくらになるかを計算で求める。
但し、キャパシタは予め300Vまで充電されているものとする。
(キャパシタの仕様)
タイプ:電気二重層キャパシタ
定格電圧:DC378V
最大ピーク電圧:DC406V
静電容量(C):1.5F
直流内部抵抗(R):206mΩ
300V(V2)にチャージされたキャパシタに2.7秒間で5,244Jのエネルギが蓄電されるので、充電後のキャパシタ電圧Vは以下のように計算できる。
先ず、回生エネルギURG(J)、静電容量C(F)、充電前の電圧V2(V)、充電後の電圧V(V)の間には、次式(1)が成立する。
RG=(1/2)・C・(V 2−V2 2) (1)
式(1)より充電後の電圧Vを求める。
=√〔(2・URG/C)+V2 2〕=√〔(2×5,244/1.5)+300
=311.4(V) (2)
即ち、キャパシタ電圧は300Vから311.4Vへ11.4V上昇する。
次に、次式(3)により2.7秒間における、キャパシタの充電に必要な平均充電電流IRGを求める。
RG=C・ΔV/T
=1.5×(311.4−300)/2.7=6.33(A) (3)
まとめると、2.7秒間の回生運転において、キャパシタに対し、6.33Aの平均充電電流を流すと、5,244Jの回生エネルギが蓄電できる。
その結果、当初300Vだったキャパシタ電位は11.4V上昇し、311.4Vとなる。
(キャパシタ充電電流値の判定)
次に、平均充電電流IRGによって必要な制動トルクが得られるか否かを判断する目的から、昇降用電動機M1の回生抵抗器回路(回生トランジスタTR1と回生抵抗器R4の直列回路)に流れる回生電流値と比較してみる。但し、回生トランジスタTR1のオン電圧は379V、回生抵抗器R4は20Ωとする。
回生トランジスタTR1がオンになった時に回生抵抗器R4に流れる最大電流Imaxを計算する。
Imax=379V÷20Ω=18.95(A) (4)
通常、回生トランジスタTR1はインバータ内部の平滑コンデンサC1の電圧変動によってオンとオフを繰り返すことになるので、回生電流値は前記最大電流Imaxよりも低くなる。
このオンとオフのデューティーサイクルを式(4)で求めた最大電流Imaxに掛けると、平均回生電流IAVEが求まる。今回、デューティーサイクルは実測で求めた数値27%を使う。
AVE=Imax×Duty=18.95×0.27=5.1(A) (5)
式(3)で計算したキャパシタの平均充電電流IRGは、回生エネルギを熱エネルギに変換するための回生抵抗器回路を流れる、式(5)で計算した平均回生電流IAVEよりも大きな電流値であるので、回生エネルギをキャパシタに充電する時の充電電流によって必要な制動トルクが得られることがわかる。
(キャパシタの充電速度)
続いて、キャパシタの性能に関し、直流内部抵抗と回生エネルギの充電時間について検討する。
仮に、5,244Jの回生エネルギが2.7秒間に発生するのではなく、瞬時に発生したとして、そのエネルギをどの程度の時間でキャパシタ2が吸収(充電)できるか検討する。
蓄電による電圧上昇は11.4V(ΔV)であり、キャパシタ2の直流内部抵抗Rは0.206Ωであるから、蓄電による電圧上昇ΔVをVとして表した図7(a)に示すキャパシタ2の充電回路と等価である。
この等価回路の時定数Tは、T=CR=(1.5)・(0.206)=0.31sであり、充電電流iの変化の速さは直流内部抵抗Rが小さいほど速いことがわかる。静電容量Cについても同様の傾向であるが、静電容量Cは蓄電容量に関係するので配慮が必要である。
また、図7(a)の等価回路における時間tによる充電電流iの変化を示した図7(b)から、電圧上昇値(ΔV=V)をキャパシタ2の直流内部抵抗Rで除して求まる電流値Iが、2秒経過後には略零(I20=0.09A)になり、5,244Jの回生エネルギは、約2秒でほとんど(99.84%)がキャパシタ2に充電されることがわかる。
よって、電流値Iの残留率が略零(0.16%)になる時間(約2秒)が、回生エネルギの発生時間(動作時間)である2.7秒よりも十分に短いので、キャパシタ2の充電速度は問題ない。
以上の検討のとおり、本発明の蓄電装置を備えた駆動制御装置に使用する、直流電力線に直接接続される蓄電用キャパシタとして、複数の搬送機の全ての電動機の動作パターンを考慮して、回生電力が発生する動作時間内において、回生電力をキャパシタに充電する際に流れる充電電流が、電動機の速度制御に必要とされる制動トルクを発生させること、及び電動機が回生電力を発生している時間よりも短い時間でその回生電力を充電できる能力を有すること、という二つの性能を満足する静電容量(C)と直流内部抵抗(R)を有するものが選定される。
ここで、前記二つの性能を有していなければ、計画した速度曲線に従って動作しないことや、キャパシタへの充電遅れによって行き場を失った回生エネルギがインバータ内部の平滑コンデンサに流入して直流母線の電圧を吊り上げて回生トランジスタがオンとなってしまい、キャパシタには余剰蓄電スペースがあるにもかかわらず、回生エネルギが回生抵抗器によって熱として放散されてしまうことが生じる。
A 地上側制御盤
B 機上側制御盤
C キャパシタの静電容量
CA 地上側制御回路
CB 機上側制御回路
C1,C2 平滑コンデンサ
D1,D2 回生ブロックダイオード
INV1 第1インバータ
INV2 第2インバータ
IC インバータ制御回路
M1 昇降用電動機
M2 走行用電動機
P 交流1次電源
R キャパシタの直流内部抵抗
R1,R2,R3 抵抗器
R4,R5 回生抵抗器
S 信号伝達手段
SW1,SW3,SW4 スイッチ
SW2 切離しスイッチ
SW5,SW6 接続スイッチ
T1,T2,Tn 搬送機
TR1,TR2 回生トタンジスタ
W 被搬送物
1 整流回路
1A 直流電力線
1B バスバー
2 キャパシタ(蓄電装置)
3 突入電流抑制回路
4A 電圧測定手段
4B 電圧設定値
5A,5B 突入電流抑制回路
6A,6B 回生抵抗回路
7A,7B チョッパ回路
8,9 集電子
10 走行レール
11 走行フレーム
12 昇降ハンガー
13A,13B,13C 比較器
14A 電圧測定手段
14B オン電圧設定値
15A 電圧測定手段
15B 電圧設定値

Claims (4)

  1. インバータ制御されて回生電力を発生する電動機を有する搬送機を複数備えた搬送設備に用いられる、蓄電装置を備えた駆動制御装置であって、
    地上に設置された地上側制御盤に、
    交流1次電源から供給された交流電圧を直流電圧に変換する整流回路、
    前記整流回路の出力側に接続された直流電力線、
    及び、前記直流電力線を介して前記整流回路と並列に接続された蓄電装置を備えるとともに、
    前記複数の搬送機の機上側制御盤に、
    前記直流電力線を介して前記整流回路と並列に接続された、前記電動機を駆動するインバータ、
    前記直流電力線及び前記インバータの入力側の間に直列に接続され、前記直流電力線及び前記インバータの入力側間をオン/オフ操作する接続スイッチ、
    並びに、前記接続スイッチと並列に、前記直流電力線側がアノード、前記インバータ側がカソードとなるように接続された回生ブロックダイオードを備え、
    前記地上側制御盤又は前記機上側制御盤の何れかに、前記直流電力線の線間電圧を測定する電圧測定手段を設け、
    前記複数の搬送機の前記インバータにおける全ての回生トランジスタのオン電圧よりも低い所定電圧値で前記接続スイッチをオフにして前記回生ブロックダイオードを有効にすることにより、前記電動機が発生する回生電力を前記インバータの回生抵抗器によって熱エネルギに変換して放散することを特徴とする蓄電装置を備えた駆動制御装置。
  2. 前記地上側制御盤に前記電圧測定手段を設け、前記電圧測定手段によって測定された電圧値が前記所定電圧値を超えた際に、前記地上側制御盤の地上側制御回路から前記機上側制御盤の機上側制御回路へ前記接続スイッチをオフする指令を送信することにより、前記機上側制御回路が前記接続スイッチをオフにして前記回生ブロックダイオードを有効にする請求項1記載の蓄電装置を備えた駆動制御装置。
  3. 前記地上側制御盤に、前記整流回路及び前記蓄電装置間に設けられた前記蓄電装置を切り離すための切離しスイッチを設け、前記切離しスイッチをオフにした際に、前記地上側制御盤の地上側制御回路から前記機上側制御盤の機上側制御回路へ前記接続スイッチをオフする指令を送信することにより、前記機上側制御回路が前記接続スイッチをオフにして前記回生ブロックダイオードを有効にする請求項1又は2記載の蓄電装置を備えた駆動制御装置。
  4. 前記蓄電装置がキャパシタであり、前記キャパシタは、前記搬送機の全ての電動機の動作パターンを考慮して、回生電力が発生する動作時間内において、回生電力を前記キャパシタに充電する際に流れる充電電流が前記電動機の速度制御に必要とされる制動トルクを発生させ、且つ、前記電動機が回生電力を発生している時間よりも短い時間でその回生電力を充電できる、静電容量と直流内部抵抗を有している請求項1〜3の何れか1項に記載の蓄電装置を備えた駆動制御装置。
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