JP2016208214A - 搬送設備の現場操作システム及び現場操作方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】搬送設備における各構成機器の個別操作を簡便に且つ低コストで実行し得る搬送設備の現場操作システム及び現場操作方法を提供する。
【解決手段】搬送設備を構成する操作対象機器1に対して運転指令2aを発して操作対象機器1を操作する制御装置2と、該制御装置2と無線で通信を行う機能を有する携帯端末装置3とを備え、操作対象機器1の現場操作にあたり、携帯端末装置3に操作対象機器1の識別情報1aを入力し、携帯端末装置3は入力された識別情報1aを制御装置2に送信し、該制御装置2は、識別情報1aを送信した携帯端末装置3から入力される指令信号3aに従い、識別情報1aに対応する操作対象機器1を操作するよう構成する。
【選択図】図2
【解決手段】搬送設備を構成する操作対象機器1に対して運転指令2aを発して操作対象機器1を操作する制御装置2と、該制御装置2と無線で通信を行う機能を有する携帯端末装置3とを備え、操作対象機器1の現場操作にあたり、携帯端末装置3に操作対象機器1の識別情報1aを入力し、携帯端末装置3は入力された識別情報1aを制御装置2に送信し、該制御装置2は、識別情報1aを送信した携帯端末装置3から入力される指令信号3aに従い、識別情報1aに対応する操作対象機器1を操作するよう構成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、搬送設備において、搬送設備を構成する機器の操作を各操作対象機器毎に個別に行うための現場操作システム及び現場操作方法に関する。
クレーンやアンローダ、コンベヤ等、港湾や発電所等で使用される大型の搬送設備は、個別の動力や機構を各々備えた複数の機器により構成されている。例えば、クレーンであればジブの俯仰やワイヤロープの繰り出しを行うための巻上機や巻上モータを各ワイヤロープや各動作毎に備え、さらに旋回のためのターンテーブルや、旋回の動力としてのモータやその減速機等も設置される。ニューマチックアンローダであれば先端ノズルやその動作を行うためのアクチュエータやモータ、吸引を行う真空ブロア等の機器が搭載されているし、コンベヤであればベルトやモータからなる搬送のための機構が複数連なって構成されるのが通常である。
こうした搬送設備は、運転時には各部の構成機器類が連動し、運転室に設置された中央制御盤からの指令に従って全体としてまとまった動作を行うようになっていることは勿論であるが、そういった全体としての動作ではなく、設備の構成要素である各機器毎の個別の動作が必要とされる場合もある。例えば、点検や保守等のメンテナンス作業においては、各モータ毎に動作状態を確認したり、コンベヤのベルトを交換するためにそのベルトを含む部分のモータだけを動作させるといったことが行われる。
そして、上記したような大型の搬送設備においては、各構成機器と中央制御盤との間が距離的に離れていることも多く、中央制御盤から各機器を個別に動作させて点検作業や保守作業を行うことが困難である。そこで、各機器の近傍に、それらを直接監視しながら操作するための現場操作盤(Local Operation Box)を設置することが一般的に行われている。
こうした現場操作盤は、操作対象である各機器とケーブルで物理的に接続され、且つ各操作対象機器毎に動作を指示するためのボタンやキーが設置された大掛かりなものである。そして、通常運転時に使用するものではないにもかかわらず、搬送設備の要所毎に設置しなければならず、使用頻度の割には非常にコストがかかり、大きな設置スペースも必要となる。また、各現場操作盤は操作対象機器の近傍に設置されているとしても、該操作対象機器や、その点検保守作業の対象となる部位との位置関係によっては、操作対象機器を直接監視しながら操作することが難しい場合もある。そのため、例えば、現場操作盤の前に位置した一人の作業者が現場操作盤を操作しながら、操作対象機器の付近で該操作対象機器を監視するもう一人の作業者と声を掛け合って点検や保守の作業を行うといったことが場合によっては必要となり、作業が面倒で人件費も嵩む。
こうした現場操作盤のコストやスペースの問題を低減するためには、例えば、下記特許文献1のような無線制御装置(無線コントローラ)を現場操作盤の代わりに使用するといった方法が考えられる。
しかしながら、上述のように現場操作盤の代わりに無線コントローラを使用すると言っても、該無線コントローラによって特定の操作対象機器のみを操作するよう構成しようとすれば、結局、ほぼ各機器毎に、無線コントローラを一台ずつ用意せざるを得ない。各操作対象機器毎に操作を行おうとすれば、該各操作対象機器毎にそれぞれ操作用のボタンやキーを割り当てることになるが、一台の無線コントローラに配置できるボタンやキーの数には限界があるからである。このため、無線コントローラによる現場操作システムを導入するとしても、結果的に導入し得るのは搬送設備のうち一部の構成機器においてのみということになってしまい、大幅なコストダウンには必ずしも繋がらなかった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、搬送設備における各構成機器の個別操作を簡便に且つ低コストで実行し得る搬送設備の現場操作システム及び現場操作方法を提供しようとするものである。
本発明は、搬送設備を構成する操作対象機器に対して運転指令を発して前記操作対象機器を操作する制御装置と、該制御装置と無線で通信を行う機能を有する携帯端末装置とを備え、前記操作対象機器の現場操作にあたり、前記携帯端末装置に前記操作対象機器の識別情報を入力し、前記携帯端末装置は入力された前記識別情報を前記制御装置に送信し、該制御装置は、前記識別情報を送信した前記携帯端末装置から入力される指令信号に従い、前記識別情報に対応する前記操作対象機器を操作するよう構成されていることを特徴とする搬送設備の現場操作システムにかかるものである。
而して、このようにすれば、現場操作のたびに操作対象機器に関する操作権限を携帯端末装置に一時的に付与することで、最低一台の前記携帯端末装置をその都度操作対象機器の現場操作用無線コントローラとして使用することができる。これにより、前記操作対象機器を監視しながら操作することができるので、点検や保守の作業における利便性を向上すると同時に、現場操作盤を廃してコストダウンと省スペースを実現することができる。
本発明の搬送設備の現場操作システムにおいては、前記携帯端末装置は作業者からの音声を入力する音声入力部を備え、前記指令信号は、作業者からの音声入力に従って前記制御装置に対し入力されるよう構成されていることが好ましく、このようにすれば、両手が開放された状態で操作対象機器を操作することができ、点検や保守の作業における利便性をさらに向上すると同時に作業者の安全性も向上し得る。
本発明の搬送設備の現場操作システムにおいては、識別子から識別情報を取得して前記携帯端末装置に入力する読取部又は読取装置の少なくとも一方を備えて構成することができ、このようにすれば、現場操作にかかる作業をより短時間で且つ簡便に行うことができる。
また、本発明は、搬送設備を構成する操作対象機器の識別情報を、前記操作対象機器を操作する制御装置と無線で通信を行う機能を有する携帯端末装置に入力するステップと、入力された前記識別情報が前記携帯端末装置から前記制御装置に送信されるステップと、前記識別情報を送信された前記制御装置が前記携帯端末装置に対して前記操作対象機器に関する操作権限を付与するステップと、操作権限を付与された前記携帯端末装置から、前記操作対象機器を前記制御装置を介して個別に操作するステップとを有することを特徴とする搬送設備の現場操作方法にかかるものである。
本発明の搬送設備の現場操作方法において、前記携帯端末装置は作業者からの音声を入力する音声入力部を備え、前記携帯端末装置から前記操作対象機器を前記制御装置を介して個別に操作するステップにおいて、前記制御装置は、作業者から前記携帯端末装置に音声入力される操作命令に従って前記操作対象機器を操作することが好ましい。
本発明の搬送設備の現場操作方法において、前記識別情報は、識別子から識別情報を取得する読取部又は読取装置の少なくとも一方から前記携帯端末装置に対して入力されるようにすることができる。
本発明の搬送設備の現場操作システム及び現場操作方法によれば、搬送設備における各構成機器の個別操作を簡便に且つ低コストで実行し得るという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1〜図3はそれぞれ、本発明の実施による搬送設備の現場操作システムの形態の一例(第一〜第三実施例)を示すものである。
図1に示す第一実施例の現場操作システムは、モータや減速機等の各種の操作対象機器1に対して運転指令2aを発する制御装置2と、作業者が現場に携行可能な携帯端末装置3を備えてなる。
制御装置2は操作対象機器1の操作権限を有し、操作対象機器1の動作を制御するPCサーバやプログラマブルロジックコントローラ(PLC:Programmable Logic Controller)等の装置である。通常は、この制御装置2から運転者の入力する操作に従い、操作対象機器1を含む搬送設備の各構成機器に対して運転指令2aを発し、各構成機器を連動して運転するようになっている。制御装置2は、例えば一台の制御装置2で搬送設備を構成する多数の操作対象機器1を運転するようになっていても良いし、また例えば、一台の中央制御装置と複数のローカルの制御装置を備えた分散制御システムの一部として構成されていても良い。その他、制御装置2としては、搬送設備の規模や種類その他の事情によって適切な構成のものを採用し得る。
携帯端末装置3は、現場において操作対象機器1のコントローラとして使用されるものである。例えば、片手で持ち運び可能な大きさのタッチパネル式のタブレット端末であっても良いし、作業者の腕部等に装着するウェアラブル端末であっても良い。その他、携帯端末装置3は現場において操作対象機器1を監視しながら操作し得るようなものであれば良く、ここに挙げた以外にも種々の型式のものを用い得る。
携帯端末装置3は、図1に示す如く、制御装置2と無線通信装置4を介してデータ通信を行う外部通信部5、各種の情報処理を行う情報処理部6、操作対象機器1に付されたタグやバーコード等の識別子7から操作対象機器1に対応した識別情報1aの読み取りを行う読取部8、作業者が携帯端末装置3の操作を行うための操作部9、作業者に対し文字情報や画像等を表示する表示部10、スピーカ等の外部機器に音声信号を出力する音声出力部11、マイクロフォン等の外部機器からの音声信号が入力される音声入力部12、該音声入力部12に入力された音声信号を情報処理可能なデータに変換する音声認識部13を備えてなる。読取部8は、RFタグ等のICタグと通信して識別情報1aを取得する通信装置として構成されていても良いし、バーコードを読み取るバーコードスキャナや、二次元コードを読み取り可能なカメラ装置として構成されていても良い。その他、識別子7の種類に合わせた各種の型式のものを使用し得る。操作部9と表示部10は、本第一実施例の場合、携帯端末装置3の表面部に備えたタッチパネル14として一体的に構成されている。
また、携帯端末装置3には、作業者と携帯端末装置3との間で音声によるやりとりを行うための音声入出力装置15が接続される。音声入出力装置15は、例えば、音声出力部11からの音声信号を音声として出力する音声出力装置(スピーカ)16と、作業者の音声を入力する音声入力装置(マイクロフォン)17を備えたヘッドセットとして構成される。ヘッドセット(音声入出力装置)15と携帯端末装置3との間における信号のやりとりは、無線通信により行っても良いし、有線で接続しても良い。また、音声入出力装置15の構成はこれに限らず、例えば、作業者の腰部にスピーカ16を備え、胸部にマイクロフォン17を備えた装置として構成することもできるし、携帯端末装置3本体にスピーカ16とマイクロフォン17を一体に内蔵しても良い。
図2は本発明の実施による搬送設備の現場操作システムの形態の別の一例(第二実施例)を示すもので、基本的な構成は図1に示した上記第一実施例と同様である。第一実施例との違いは、識別子7から識別情報1aの読み取りを行う機能を携帯端末装置3に備えた読取部8(図1参照)ではなく、携帯端末装置3の外部に接続した読取装置18として備えた点と、携帯端末装置3の外部機器として画像表示装置19を備え、該画像表示装置19を作業者の頭部に装着して必要な文字情報や画像を表示するヘッドマウントディスプレイとして構成した点である。読取装置18は、上記第一実施例の読取部8(図1参照)と同様、識別子7の種類に合わせて各種の型式のものを使用し得る。ヘッドマウントディスプレイ19は、情報処理部6からの画像信号が画像出力部20を介して画像として表示されるようになっており、音声入出力装置15がヘッドセットとして構成されている場合には、該ヘッドセットと一体として構成することもできる。また、携帯端末装置3に備えた操作部9を含むタッチパネル14が、ヘッドマウントディスプレイ19のコントローラとしても機能するようになっている。
図3は本発明の実施による搬送設備の現場操作システムの形態のさらに別の一例(第三実施例)を示すもので、基本的な構成は図1、図2に示した上記第一、第二実施例と同様である。本第三実施例では、携帯端末装置3本体を作業者の頭部に装着可能なヘッドマウント型端末として構成している。言い換えれば、表示部10がヘッドマウントディスプレイ19として、携帯端末装置3全体が音声入出力装置(ヘッドセット)15として機能するようになっている。これに伴い、本第三実施例では読取部8(図1参照)あるいは読取装置18(図2参照)を廃し、操作対象機器1の識別情報1aは操作部9を介して作業者が手入力で入力するか、マイクロフォン17から音声入力部12を介して音声により入力するようにしている。ただし、例えば図2に示す第二実施例のように、外部に読取装置18を接続して識別子7から識別情報1aを読み取るようにしても勿論良い。
図4は上記したような携帯端末装置3及び音声入出力装置(ヘッドセット)15、読取装置18を備えてなるマン−マシン・インターフェイスの外観を示したもので、ここでは一例として、図2に示した第二実施例の装置構成を図示している。作業者は、頭部にスピーカ16とマイクロフォン17及びヘッドマウントディスプレイ19を備えたヘッドセット15を装着する。タッチパネル式のタブレット型の携帯端末装置3は、腰部のベルト21に収納できるようになっている。ヘッドセット15と携帯端末装置3との間は、無線通信により信号をやりとりするようになっているが、有線で接続しても良い。また、携帯端末装置3は、二点鎖線で示す如く、例えば腕に装着するウェアラブル端末として構成されていても良い。
作業者の腰部のベルト21には、さらに読取装置18が収納できるようになっている。読取装置18はケーブル22を介して携帯端末装置3と接続され、このケーブル22は巻取装置23により作業者の腰部に伸縮自在に収納される。尚、ケーブル22及び巻取装置23は必須ではなく、読取装置18と携帯端末装置3との間は無線で通信を行うようにしても良い。
尚、図4に示したシステム構成の外観はあくまで一例に過ぎない。例えば、携帯端末装置3が上記第三実施例(図3参照)のようにヘッドマウント型端末として構成されている場合には、ヘッドセット15が携帯端末装置3の機能を兼ね備えた形となるので、腰部又は腕部の携帯端末装置3と読取装置18は不要である。
次に、上記した本実施例の作動を説明する。
図5、図6は本発明の現場操作システムによる現場操作の工程を示したフローチャートである。現場操作の手順は上記第一実施例〜第三実施例のいずれに関してもほぼ同様であるので、ここでは共通のものとしてまとめて説明する。
まず、ステップS1として、(図5参照)、メンテナンス作業の対象となる搬送設備の機種を指定する。機種の指定は、例えば、表示部10やヘッドマウントディスプレイ19に選択肢として表示された機種の中から、作業者が対象機種を選択することによって行う。あるいは、機種の品番などの指定情報を操作部9から手入力することもできるし、作業者が指定情報を読み上げることでマイクロフォン17から音声入力部12を介して携帯端末装置3に入力することもできる。また、識別子7(図1、図2参照)を読み取り可能な読取部8(図1参照)又は読取装置18(図2参照)を備えている場合には、メンテナンス作業の対象となる搬送設備の所定位置、あるいは搬送設備の一覧表等に付されたバーコードや二次元コード、ICタグ等から、対象機種の指定情報を取得して携帯端末装置3に入力するようにしても良い。尚、後述するステップS3で入力される識別情報1aによって操作対象機器1を確実に特定できる場合には、このステップS1は省略しても良い。
指定情報を入力したら、ステップS2として、作業者が搬送設備の構成機器である操作対象機器1の元に出向く。続いて、ステップS3として、各操作対象機器1に割り振られた識別情報1aを携帯端末装置3に入力する。識別情報1aは、例えば、作業者が目視で判別できるよう番号や文字列が操作対象機器1に掲示された形でも良いし、バーコードや二次元コード、ICタグ等の識別子7の形で操作対象機器1に取り付けられていても良い。また、バーコードやICタグの近傍に作業者に目視できるよう番号や文字列を表示するなど、複数の方式を併用しても良い。
操作対象機器1の識別情報1aが番号や文字列として掲示されている場合には、作業者はその識別情報1aを携帯端末装置3の操作部9に手入力するか、マイクロフォン17から音声入力部12を介し音声入力すれば良い。識別情報1aがバーコードや二次元コード、ICタグ等の識別子7の形で備えられている場合には、識別子7の種類に対応した読取部8(図1参照)又は読取装置18(図2参照)で識別情報1aを読み取る。このようにICタグ等の識別子7を用いた場合には、識別情報1aの入力を短時間で極めて簡便に効率良く行うことができる。また、読取部8や読取装置18に対応したバーコードや二次元コードやICタグ等の識別子7と、作業者が目視可能な番号や文字列が併用されている場合には、例えば、読取部8や読取装置18による識別情報1aの読み取りが上手く行かない時に限り、作業者が手入力や音声入力で識別情報1aを携帯端末装置3に入力するといったことも可能である。
識別情報1aが入力されたら、次にステップS4として、その識別情報1aに対応する操作対象機器1の名称やその他の情報が、文字や画像による視覚情報として表示部10又はヘッドマウントディスプレイ19に表示される。同時に、スピーカ16からは同じ操作対象機器1の名称が音声情報として出力される。尚、ここでは、操作対象機器1の名称と同時に、その操作対象機器1の操作にかかる作業に必要な手順等を、携帯端末装置3の表示部10やヘッドマウントディスプレイ19、スピーカ16から視覚情報又は音声情報として出力するようにしても良い。
操作対象機器1の名称等の情報が出力されたら、次にステップS5として、操作対象機器1の操作権限の取得を確認するガイダンスメッセージが表示部10又はヘッドマウントディスプレイ19に表示され、同時にスピーカ16から音声として出力される。ここでは、操作対象機器1の操作権限の取得を実行するか否かの選択肢がYES/NOの形で提示される。
作業者は、ガイダンスに従い、ステップS6(図6参照)として、操作権限の取得の指令を入力する。指令は、例えば表示部10又はヘッドマウントディスプレイ19に表示されたYES/NOの選択肢のうちいずれか一方を、操作部9を介した手入力により選択しても良いし、マイクロフォン17から音声入力部12を介して入力しても良い。
ここで、作業者がNOを選択した場合には、操作権限の取得は行われず、フローは終了する。作業者がYESを選択した場合には、ステップS7に進み、ここで操作権限解除条件成立の判定を行う。後述する操作権限解除条件が不成立の場合に限り、さらにステップS8に進み、操作対象機器1に関する操作権限の取得が実行される。具体的には、上記ステップS3(図5参照)において携帯端末装置3に入力された識別情報1aが、外部通信部5を介して制御装置2の無線通信装置4に送信される。
上記したように、操作対象機器1の操作権限は制御装置2が有しており、通常、操作対象機器1の動作は制御装置2からの運転指令2aによって制御されている。制御装置2は、携帯端末装置3から無線通信装置4を介して識別情報1aが入力されると、ステップS9として、入力された識別情報1aに対応する操作対象機器1に関し、その識別情報1aの送信元である携帯端末装置3に操作権限を付与し、携帯端末装置3からの操作を受け付ける状態となる。すなわち、携帯端末装置3から入力される指令信号3aに従って制御装置2が操作対象機器1に運転指令2aを入力する状態となり、作業者にとっては、携帯端末装置3の操作部9や音声入力部12を介して操作対象機器1を操作することができるようになる。つまり、操作対象機器1が操作受付状態となり、携帯端末装置3を操作対象機器1の無線コントローラとして使用できるようになる。同時に、作業者に対しては、操作対象機器1が操作受付状態となったことが表示部10やヘッドマウントディスプレイ19、スピーカ16からの音声情報や視覚情報によって通知される。
作業者は、操作対象機器1が操作受付状態となったことを受けてステップS10に進み、携帯端末装置3を介して操作対象機器1を操作する。例えば、操作対象機器1を動作させたり、停止させたりしながら、点検作業や、部品の交換などの保守作業を行う。
このとき、作業者は、操作対象機器1の無線コントローラである携帯端末装置を手に持った状態で、又は身につけた状態で、操作対象機器1の近傍を自由に移動することができる。現場操作盤の前など、決まった立ち位置から操作対象機器1の操作を行う必要がないので、作業者が一人であっても、確実に操作対象機器1を監視しながら操作することができる。このため、例えば上記した従来例の場合のように、一人の作業者が操作要員として現場操作盤の前に位置し、点検保守要員として操作対象機器1の付近に位置したもう一人の作業者と声を掛け合って連携しながら点検保守作業を行うといった手間が必要ない。
ここで、操作対象機器1を操作するための携帯端末装置3への操作命令の入力は、操作部9を介して手入力により行っても良いし、マイクロフォン17から音声入力部12を介した音声入力により行っても良い。音声入力によって操作命令を入力するようにすれば、両手が解放されたフリーハンドの状態で操作対象機器1を操作することができるので、点検保守作業をより簡便に、効率よく実施することができる。また、搬送設備の構成によっては、その構成機器の一部が高所や狭小地などに設置されている場合がある。そうした場所に作業者が出向いて点検や保守の作業を行う場合、両手が塞がれていると、不測の事態に咄嗟に対応できないなど、危険な事態も生じ得る。そこで、そうした場所における作業においては、音声入力によって操作対象機器1を操作できるよう構成されていることにより、フリーハンドでの操作を可能にして作業者の安全性を向上させることができる。
携帯端末装置3に操作権限が付与されている間、情報処理部6は、ステップS11の操作権限解除条件の成立判定を繰り返す。所定の操作権限解除条件が成立しない限り、操作対象機器1の操作受付状態は維持される。
上記所定の操作権限解除条件としては、例えば(1)作業者からの操作権限解除命令の入力、(2)携帯端末装置3と制御装置2との間の通信の遮断、(3)操作対象機器1又は制御装置2又は携帯端末装置3の電源の切断、(4)操作対象機器1に対する非常停止信号の入力、(5)ステップS10において最後に操作部9又は音声入力部12からの入力があった時からの一定時間の経過、等を挙げることができるが、搬送設備や携帯端末装置3の構成その他の条件によって様々に設定し得る。尚、条件(1)の操作権限解除命令は、例えば、操作部9を介して手入力により行っても良いし、マイクロフォン17から音声入力部12を介した音声入力により行っても良い。条件(4)の非常停止信号は、何らかの非常事態が発生した場合、制御系統に強制的に割り込んで搬送設備の全体を停止させる信号である。
上記条件のうち、少なくとも1つが満たされると、例えば点検保守作業を終了した作業者から操作権限解除命令が入力されると、操作権限解除条件が成立したと判定され、ステップS12に進む。ステップS12では操作対象機器1の操作受付状態が解除され、携帯端末装置3からは操作対象機器1が操作できなくなる。これにより、現場操作のフローは終了する。
上記ステップS7においても、操作権限の取得(ステップS8)に先立ってステップS11と同様の操作権限解除条件が判定される。ここでは、操作権限解除条件が不成立の場合には上記したようにステップS8に進むが、操作権限解除条件が成立した場合には操作権限が取得されないまま現場操作のフローは終了する。
このように、上記第一〜第三実施例の現場操作システムによれば、一回の現場操作ごとに、操作対象機器1に割り振られた識別情報1aに基づいて携帯端末装置3に操作権限が一時的に付与され、現場操作の終了と共に解除される。そして、次に別の操作対象機器1について点検や保守を行う際には、その別の操作対象機器1に割り振られた識別情報1aに基づいて、携帯端末装置3にその別の操作対象機器1に関する操作権限が新たに付与される。すなわち、別々の操作対象機器1ごとに現場操作盤や無線コントローラを用意しなくても、最低一台の携帯端末装置3があれば全ての操作対象機器1の現場操作を個別に行える。このため、搬送設備の各所に配置される現場操作盤を廃することができ、大幅なコストダウンを見込める。しかも、コンパクトな携帯端末装置3で無線により現場操作を行うために配線のためのケーブルが必要なく、省スペースである。
以上のように、上記各実施例においては、搬送設備を構成する操作対象機器1に対して運転指令2aを発して操作対象機器1を操作する制御装置2と、該制御装置2と無線で通信を行う機能を有する携帯端末装置3とを備え、操作対象機器1の現場操作にあたり、携帯端末装置3に操作対象機器1の識別情報1aを入力し、携帯端末装置3は入力された識別情報1aを制御装置2に送信し、該制御装置2は、識別情報1aを送信した携帯端末装置3から入力される指令信号3aに従い、識別情報1aに対応する操作対象機器1を操作するよう構成されているので、現場操作のたびに操作対象機器1に関する操作権限を携帯端末装置3に一時的に付与することで、最低一台の携帯端末装置3をその都度操作対象機器1の現場操作用無線コントローラとして使用することができる。これにより、操作対象機器1を監視しながら操作することができるので、点検や保守の作業における利便性を向上すると同時に、現場操作盤を廃してコストダウンと省スペースを実現することができる。
また、上記各実施例においては、携帯端末装置3は作業者からの音声を入力する音声入力部12を備え、指令信号3aは、作業者からの音声入力に従って制御装置2に対し入力されるよう構成されているので、両手が開放された状態で操作対象機器1を操作することができ、点検や保守の作業における利便性をさらに向上すると同時に作業者の安全性も向上し得る。
また、上記第一及び第二実施例においては、識別子7から識別情報1aを取得して携帯端末装置3に入力する読取部8又は読取装置18の少なくとも一方を備えているので、現場操作にかかる作業をより短時間で且つ簡便に行うことができる。
したがって、上記本実施例によれば、搬送設備における各構成機器の個別操作を簡便に且つ低コストで実行し得る。
尚、本発明の搬送設備の現場操作システム及び現場操作方法は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 操作対象機器
1a 識別情報
2 制御装置
2a 運転指令
3 携帯端末装置
3a 指令信号
7 識別子
8 読取部
12 音声入力部
18 読取装置
1a 識別情報
2 制御装置
2a 運転指令
3 携帯端末装置
3a 指令信号
7 識別子
8 読取部
12 音声入力部
18 読取装置
Claims (6)
- 搬送設備を構成する操作対象機器に対して運転指令を発して前記操作対象機器を操作する制御装置と、
該制御装置と無線で通信を行う機能を有する携帯端末装置とを備え、
前記操作対象機器の現場操作にあたり、前記携帯端末装置に前記操作対象機器の識別情報を入力し、
前記携帯端末装置は入力された前記識別情報を前記制御装置に送信し、
該制御装置は、前記識別情報を送信した前記携帯端末装置から入力される指令信号に従い、前記識別情報に対応する前記操作対象機器を操作するよう構成されていること
を特徴とする搬送設備の現場操作システム。 - 前記携帯端末装置は作業者からの音声を入力する音声入力部を備え、前記指令信号は、作業者からの音声入力に従って前記制御装置に対し入力されるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送設備の現場操作システム。
- 識別子から識別情報を取得して前記携帯端末装置に入力する読取部又は読取装置の少なくとも一方を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送設備の現場操作システム。
- 搬送設備を構成する操作対象機器の識別情報を、前記操作対象機器を操作する制御装置と無線で通信を行う機能を有する携帯端末装置に入力するステップと、
入力された前記識別情報が前記携帯端末装置から前記制御装置に送信されるステップと、
前記識別情報を送信された前記制御装置が前記携帯端末装置に対して前記操作対象機器に関する操作権限を付与するステップと、
操作権限を付与された前記携帯端末装置から、前記操作対象機器を前記制御装置を介して個別に操作するステップと
を有することを特徴とする搬送設備の現場操作方法。 - 前記携帯端末装置は作業者からの音声を入力する音声入力部を備え、
前記携帯端末装置から前記操作対象機器を前記制御装置を介して個別に操作するステップにおいて、前記制御装置は、作業者から前記携帯端末装置に音声入力される操作命令に従って前記操作対象機器を操作することを特徴とする請求項4記載の搬送設備の現場操作方法。 - 前記識別情報は、識別子から識別情報を取得する読取部又は読取装置の少なくとも一方から前記携帯端末装置に対して入力されることを特徴とする請求項4又は5に記載の搬送設備の現場操作方法。
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