JP2016207901A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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威史 濱
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Abstract

【課題】スネイルトレイルの発生が抑制され、裏面側封止材と裏面保護材との密着性に優れた太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】表面保護材1と、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cm2の紫外線が80時間照射された前後の、温度85℃、相対湿度70%の環境下で測定された表面抵抗の対数値の差の絶対値が0.5未満であり、かつ、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cm2の紫外線が80時間照射された前後の、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定された膜面pHの差の絶対値が1.0未満である受光面側封止材2と、太陽電池素子3と、裏面側封止材4と、裏面保護材5と、を有し、前記表面保護材及び前記裏面保護材の少なくとも一方が樹脂を含む太陽電池モジュール。前記表面抵抗の単位はΩ/squareである。【選択図】図1

Description

本発明は太陽電池モジュールに関する。
結晶シリコン又はアモルファスシリコン等を太陽電池素子とする太陽電池モジュールは、一般に、太陽光が入射する透明性の表面保護材、光起電力素子としての太陽電池素子が受光面側封止材と裏面側封止材とで封止された電池側基板、及び裏面保護材を順に積層し、真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等を利用して製造されている。
太陽電池モジュールは、太陽光及び風雨に曝される環境(例えば屋根の上など)に長期間置かれることから、太陽電池モジュールには湿熱環境下での耐久性などの種々の性能が求められる。
例えば、受光面側保護部材、受光面側封止材、太陽電池素子と配線、裏面側封止材の順に積層され、裏面保護シートを用いない太陽電池モジュールであって、受光面側封止材は、A硬度が50以上95以下、体積抵抗率が1×1015Ω・cm以上、厚さ0.5mmのシートを用いて測定した絶縁破壊電圧が20kV以上、厚さ0.5mmのシートを用いて測定した水蒸気透過率が10g/m・day以下、厚さ0.5mmのシートを用いて測定した全光線透過率が80%以上の透明性を有する、軟質炭化水素系樹脂から構成される太陽電池モジュールが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この太陽電池モジュールは高い耐久性を示すとされている。
また、太陽電池モジュールに用いる封止材として、種々の封止材組成物が提案されている。
密度0.900g/cm以下の直鎖低密度ポリエチレンと、組成物全体中の全樹脂成分の合計100質量部に対して0.02質量部以上2.0質量部以下含有する架橋剤と、を含有し、赤外吸収スペクトル法による2000炭素当たりの全二重結合数が1.8個以上3.3個以下である封止材組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
a1)ショアA硬度が60〜85及びa2)190℃、2.16kg荷重の条件で測定されたメルトフローレート(MFR)が10〜50g/10分の要件を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体100質量部に対し、特定構造の低分子量ヒンダードアミン型光安定剤0.01〜1.0質量部と、高分子量ヒンダードアミン型光安定剤0.01〜1.0質量部を含む太陽電池封止材が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
a1)ショアA硬度が60〜85及びa2)190℃、2.16kg荷重の条件で測定されたMFRが10〜50g/10分の要件を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体100質量部に対し、特定構造のベンゾエート化合物を0.01〜1.0質量部含む太陽電池封止材が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
密度が0.860〜0.920g/cm、分子内に特定構造の環状アミノビニル化合物に由来する分子構造を有するエチレン・α−オレフィン共重合体、有機過酸化物、シランカップリング剤を含有する太陽電池封止材用樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
ところで、近年、太陽電池モジュールを受光面(オモテ面)側から観察した際に、太陽電池素子に「カタツムリが這った跡」のような変色部分が発生する現象、いわゆる「スネイルトレイル」の発生が問題となっている。
スネイルトレイルの発生原因には不明確な点が多く存在し、その詳細な発生メカニズムが解明されているわけではないが、太陽電池素子にクラック等がある場合に、湿熱環境下で、紫外線が照射されることで発生し易いとされている。
最近の報告では、太陽電池素子上の銀配線と、太陽電池裏面保護材から浸入した水分並びに酸素及び二酸化炭素等の気体と、が反応することで生成する化合物がスネイルトレイルの原因であると考えられている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2014−127544号公報 特開2013−041971号公報 特許第5631255号公報 特許第5631254号公報 特許第5519428号公報
Peng Peng et al.,RSC Advances,2012,2,pp.11359−11365
上記のように、スネイルトレイルの発生メカニズムには、不明確な点が多く存在し、スネイルトレイルの発生に対して十分な対策が採られていないのが実情である。
また、スネイルトレイルは、上記のように大気中の水蒸気(水分)もその発生に寄与していると考えられおり、スネイルトレイルの発生を低減する対策としては、太陽電池モジュール内への水蒸気浸入を抑制するために裏面保護材を厚くすることが想定される。
しかしながら、裏面保護材を厚くすると裏面保護材の剛性が高くなるため、裏面側封止材と裏面保護材との密着性が低下する傾向にある。
そのため、スネイルトレイルの発生の抑制と、裏面側封止材と裏面保護材との密着性と、を両立する太陽電池モジュールは実現するに至っていないのが実情である。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、スネイルトレイルの発生が抑制され、裏面側封止材と裏面保護材との密着性に優れた太陽電池モジュールを提供することを目的とし、この目的を達成することを課題とする。
上記の課題を解決するための具体的態様には、以下の態様が含まれる。
<1> 表面保護材と、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度85℃、相対湿度70%の環境下で測定された表面抵抗の対数値の差の絶対値が0.5未満であり、かつ、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定された膜面pHの差の絶対値が1.0未満である受光面側封止材と、太陽電池素子と、裏面側封止材と、裏面保護材と、を有し、表面保護材及び裏面保護材の少なくとも一方が樹脂を含む太陽電池モジュール。表面抵抗の単位はΩ/squareである。
<2> 表面抵抗の対数値の差の絶対値が0.4以下であり、膜面pHの差の絶対値が0.8以下である<1>に記載の太陽電池モジュール。
<3> 受光面側封止材及び裏面側封止材の少なくとも一方が、エチレン・ビニルアセテート共重合体及びオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む<1>又は<2>に記載の太陽電池モジュール。
<4> 裏面保護材の水蒸気透過率が、3.0g/m・day以上である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の太陽電池モジュール。
<5> 裏面保護材の厚みが、100μm以上である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の太陽電池モジュール。
<6> 裏面保護材の厚みが、100μm以上310μm以下である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の太陽電池モジュール。
<7> 裏面側封止材は、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度85℃、相対湿度70%の環境下で測定された表面抵抗の対数値の差の絶対値が0.5未満であり、かつ、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定された膜面pHの差の絶対値が1.0未満である<1>〜<6>のいずれか1つに記載の太陽電池モジュール。
本発明によれば、スネイルトレイルの発生が抑制され、裏面側封止材と裏面保護材との密着性に優れた太陽電池モジュールが提供される。
本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールを模式化して示す概略断面図である。 実施例における裏面保護材を模式化して示す概略断面図である。
<太陽電池モジュール>
本発明の太陽電池モジュールは、表面保護材と、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度85℃、相対湿度70%の環境下で測定された表面抵抗の対数値(Log(Ω/square))の差の絶対値が0.5未満であり、かつ、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定された膜面pHの差の絶対値が1.0未満である受光面側封止材と、太陽電池素子と、裏面側封止材と、裏面保護材と、を有し、表面保護材及び裏面保護材の少なくとも一方が樹脂を含む。
本発明の作用は明確ではないが、本発明者らは、以下のように推定している。
従来、太陽電池モジュールの耐久性を向上させるため種々の検討がなされているが、スネイルトレイルの発生については、その発生メカニズムに不明確な点が多く存在し、効果的な対策は採られていない傾向にあった。
これに対して本発明の太陽電池モジュールは、受光面側封止材が特定の物性(上記紫外線照射前後における表面抵抗の対数値の差の絶対値及び膜面pHの差の絶対値が特定値未満)を有することで、紫外線や水分に起因する受光面側封止材の分解が抑制されると考えられる。そのため、受光面側封止材の分解により発生する分解成分(例えば、酸成分)を抑制することができ、分解成分に起因する太陽電池素子の銀配線の溶出も抑制され、溶出した銀配線の銀イオンと太陽電池モジュール外から内部に浸入した酸素や二酸化炭素等の汚染物質との反応物の析出が抑制されると考えられる。その結果、スネイルトレイルの発生が抑制されると考えられる。
また、上記のようにスネイルトレイルの発生に水分の浸入が関わるとすれば、裏面保護材を厚くし、水蒸気透過率を下げることが一般的であるが、本発明の太陽電池モジュールは、受光面側封止材が特定の物性を有することで、薄い裏面保護材を用い、裏面保護材の水蒸気透過率が高くとも、スネイルトレイルの発生が抑制されると考えられる。
つまり、本発明の太陽電池モジュールには、水蒸気透過率が高く、薄い裏面保護材でも使用することができる。そのため、水蒸気透過率が高く、裏面側封止材と裏面保護材との密着性が高い場合に、裏面側封止材と裏面保護材との密着性を高く維持しつつ、スネイルトレイルの発生を飛躍的に抑制できると考えられる。
以下、本発明の太陽電池モジュールの各構成について説明する。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
[受光面側封止材]
太陽電池モジュールは、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線を80時間照射された前後の、温度85℃、相対湿度70%の環境下で測定した表面抵抗の対数値(Log(Ω/square))の差の絶対値が0.5未満であり、かつ、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定された膜面pHの差の絶対値が1.0未満である受光面側封止材を有する。
(表面抵抗の対数値)
受光面側封止材の、前述の表面抵抗の対数値の差の絶対値が0.5未満であることで、スネイルトレイルの発生が抑制される。受光面側封止材における表面抵抗は、受光面側封止材が紫外線や水分に曝されることで分解し、分解成分(例えば、酸成分などのイオン性物質)が増加することで変化すると考えられる。つまり、前述の表面抵抗の対数値の差の絶対値が小さいほど受光面側封止材が分解されにくく、紫外線に対して耐性が高い封止材であることを示す。
同様の観点から、前述の表面抵抗の対数値の差の絶対値は、0.4以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましく、0.1以下であることがさらに好ましい。
表面抵抗の対数値の差の絶対値は、受光面側封止材の紫外線照射前の表面抵抗の対数値、及び受光面側封止材に、岩崎電気社製アイ スーパーUVテスター SUV−W161を用いて、温度85℃、相対湿度70%の環境下で、100mW/cmの照度で紫外線を80時間照射した後の表面抵抗の対数値から算出することができる。
表面抵抗は、温度85℃、相対湿度70%の環境下で、三菱化学アナリテック社製ハイレスターUX MCP−HT800を用いて測定することができる。なお、表面抵抗の単位は、Ω/squareである。
受光面側封止材の、前述の表面抵抗の対数値の差の絶対値は、受光面側封止材の重合成分等を調整することで上記範囲に調整することができる。例えば、受光面側封止材としてエチレン・ビニルアセテート共重合体を用いる場合、エチレンに由来の構成単位及びビニルアセテートに由来の構成単位の含有量、光安定化剤、熱安定化剤、酸化防止剤などの添加によって、前述の表面抵抗の対数値の差の絶対値を調整することができる。
(膜面pH)
受光面側封止材の、前述の膜面pHの差の絶対値が1.0未満であることで、スネイルトレイルの発生が抑制される。受光面側封止材における膜面pHは、受光面側封止材が紫外線や水分に曝されることで分解し、酸成分(例えば、エチレン・ビニルアセテート共重合体の封止材を用いた場合は酢酸など)が増加することで変化すると考えられる。つまり、前述の膜面pHの差の絶対値が小さいほど受光面側封止材が分解されにくく、紫外線に対して耐性が高い封止材であることを示す。
同様の観点から、前述の膜面pHの差の絶対値は、0.8以下であることが好ましく、0.4以下であることがより好ましく、0.1以下であることがさらに好ましい。
膜面pHの差の絶対値は、受光面側封止材の紫外線照射前の膜面pH、及び受光面側封止材に、岩崎電気社製アイ スーパーUVテスター SUV−W161を用いて、温度85℃、相対湿度70%の環境下で、100mW/cmの照度で紫外線を80時間照射した後の膜面pHから算出することができる。
膜面pHは、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、受光面側封止材に、イオン交換水0.5mlを滴下して、滴下30秒後の25℃におけるpH値を、堀場製作所製LAQUA F72FフラットISFET pH電極を用いて測定することで得ることができる。
受光面側封止材の、前述の膜面pHの差の絶対値は、前述の表面抵抗の対数値の差の絶対値と同様、受光面側封止材の重合成分等を調整することで上記範囲に調整することができる。
(受光面側封止材の材質)
受光面封止材は、前述の表面抵抗の対数値の差の絶対値及び前述の膜面pHの差の絶対値を満たす材質から適宜選択できる。
受光面封止材としては、例えば、エチレン・ビニルアセテート共重合体(EVA)、オレフィン樹脂、ポリブチラール(PVB)、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
中でも、表面抵抗の対数値の差の絶対値と膜面pHの差の絶対値とを前述の範囲に容易に調整できる点、並びに後述する保護材との密着性の点から、エチレン・ビニルアセテート共重合体及びオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
−エチレン・ビニルアセテート共重合体−
エチレン・ビニルアセテート共重合体は、少なくともエチレン及びビニルアセテートを共重合して得られる共重合体であり、エチレン及びビニルアセテートに加えて、他の共重合成分を含んでいてもよい。
他の共重合成分としては、例えば、ギ酸ビニル、グリコール酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸などの不飽和カルボン酸類またはその塩;アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルなどの不飽和エステルなどが挙げられる。
エチレン・ビニルアセテート共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
エチレン・ビニルアセテート共重合体は、2種以上のエチレン・ビニルアセテート共重合体の混合物であってもよい。例えば、ビニルアセテートに由来の構成単位の含有量が異なっていたり、メルトフローレートが異なる2種以上のエチレン・ビニルアセテート共重合体を混合してもよい。
エチレン・ビニルアセテート共重合体は、スネイルトレイルの発生を抑制する観点から、ビニルアセテートに由来の構成単位の含有量が共重合体の全質量に対して15質量%以上40質量%以下が好ましく、20質量%以上35質量%がより好ましい。
エチレン・ビニルアセテート共重合体の重量平均分子量は、10000以上が好ましく、10000以上300000以下がより好ましく、30000以上250000以下が更に好ましい。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定できる。GPCによる測定は、測定装置として、HLC(登録商標)−8020GPC(東ソー(株))を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)Super Multipore HZ−H(4.6mmID×15cm、東ソー(株))を3本用い、溶離液として、THF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、測定条件としては、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、及び測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行うことができる。
検量線は、東ソー(株)の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、及び「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製できる。
−オレフィン樹脂−
オレフィン樹脂としては、エチレン重合体、シラン変性エチレン重合体、アイオノマーなどが挙げられる。
エチレン重合体としては、例えば、エチレン・α-オレフィン共重合体、エチレン・環状オレフィン共重合体、エチレン単独重合体などが挙げられる。
エチレン・α−オレフィン共重合体は、少なくともエチレン及びα−オレフィンを共重合して得られる共重合体であり、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合して得られる共重合体が好ましい。
α−オレフィンとしては、通常、炭素数3〜20のα−オレフィンを1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。中でも、炭素数が10以下であるα−オレフィンが好ましく、炭素数が3〜8のα−オレフィンがより好ましい。
このようなα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。中でも、入手の容易さからプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、及び4−メチル−1−ペンテンが好ましい。 なお、エチレン・α−オレフィン共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、柔軟性の観点からランダム共重合体が好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を用いることも可能である。α−オレフィンとしては、エチレン・α−オレフィン共重合体と同様に、通常、炭素数3〜20のα−オレフィンを1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
非共役ポリエンとしては、非共役不飽和結合を2個以上有する化合物を制限なく使用することができる。
具体的には、非共役ポリエンとして、非共役環状ポリエン、非共役鎖状ポリエンのいずれも用いることができ、非共役環状ポリエンと非共役鎖状ポリエンを2種以上組み合わせて用いることもできる。また、非共役ポリエンとしては、炭素・炭素二重結合のうち、触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエンと、炭素・炭素二重結合のうち触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が1分子内に2個存在する非共役ポリエンのいずれを用いてもよい。このうち、重合可能な炭素・炭素二重結合が1分子中に1個のみ存在する非共役ポリエンには、両末端がビニル基(CH=CH−)である鎖状ポリエンは含まれない。このような非共役ポリエンにおいて2個以上の炭素・炭素二重結合が存在する場合には、1個の炭素・炭素二重結合のみが、分子末端にビニル基として存在し、他の炭素・炭素二重結合(C=C)は、分子鎖(主鎖及び側鎖を含む)中に内部オレフィン構造の形で存在していることが好ましい。
なお、非共役環状ポリエン、非共役鎖状ポリエンの概念には、上述した重合可能な炭素・炭素二重結合が1分子中に1個のみ存在する非共役ポリエン、及び炭素・炭素二重結合のうち触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が1分子内に2個存在する非共役ポリエンも含まれる。また、共役鎖状ポリエンとしては、共役トリエン又はテトラエンも含まれる。
非共役ポリエンの具体例としては、国際公開第2005/105867号の段落0061〜0084、及び特開2008−308696号公報の段落0026〜0035に記載の化合物を挙げることができる。
重合可能な炭素・炭素二重結合が1分子中に1個のみ存在する非共役ポリエンとしては、炭素・炭素二重結合(不飽和結合)を1個有する脂環部分と、アルキリデン基等のメタロセン触媒で重合しない又は重合性が劣る内部オレフィン結合(炭素・炭素二重結合)を有する鎖状部分と、から形成されるポリエンを挙げることができる。具体的には、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−プロピリデン−2−ノルボルネン、及び5−ブチリデン−2−ノルボルネン等を挙げることができる。その他の重合可能な炭素・炭素二重結合が1分子中に1個のみ存在する非共役ポリエンとしては、例えば、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエン等を挙げることができる。これらの重合可能な炭素・炭素二重結合が1分子中に1個のみ存在する非共役ポリエンは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
炭素・炭素二重結合のうち、重合可能な炭素・炭素二重結合が1分子内に2個存在する非共役ポリエンの具体例としては、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5−アリル−2−ノルボルネン等の5−アルケニル−2−ノルボルネン;2,5−ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]デカ−3,8−ジエン等の脂環族ポリエン;1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン等のα,ω−ジエン等を挙げることができる。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体の具体例としては、エチレン・プロピレン・4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMDT)共重合体、エチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)共重合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMDT)・5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)四元共重合体、エチレン・プロピレン・5−ブチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)四元共重合体、及びエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)・5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)四元共重合体等を挙げることができる。なお、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、柔軟性の観点からはランダム共重合体が好ましい。
エチレン・環状オレフィン共重合体は、エチレン及び環状オレフィンを共重合して得られる共重合体である。
環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン誘導体、トリシクロ-3-デセン誘導体、トリシクロ-3-ウンデセン誘導体、テトラシクロ-3-ドデセン誘導体、ペンタシクロ-4-ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、ペンタシクロ-3-ペンタデセン誘導体、ペンタシクロ-4-ヘキサデセン誘導体、ペンタシクロ-3-ヘキサデセン誘導体、ヘキサシクロ-4-ヘプタデセン誘導体、ヘプタシクロ-5-エイコセン誘導体、ヘプタシクロ-4-エイコセン誘導体、ヘプタシクロ-5-ヘンエイコセン誘導体、オクタシクロ-5-ドコセン誘導体、ノナシクロ-5-ペンタコセン誘導体、ノナシクロ-6-ヘキサコセン誘導体、シクロペンタジエン-アセナフチレン付加物、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒドロアントラセン誘導体、炭素数3〜20のシクロアルキレン誘導体などが挙げられる。
これらの環状オレフィンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、エチレン・環状オレフィン共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、柔軟性の観点からランダム共重合体が好ましい。
また、エチレンとα−オレフィンと環状オレフィンとを共重合させた共重合体としてもよい。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体としては、直鎖低密度ポリエチレンも挙げられる。直鎖低密度ポリエチレンは、密度が0.900/cm以下の直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましく、0.890g/cm以下がより好ましく、0.870g/cm〜0.885g/cmがさらに好ましい。
LLDPEとしては、メタロセン系直鎖低密度ポリエチレンを好ましく用いることができる。メタロセン系直鎖低密度ポリエチレンは、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて合成されるものである。このようなポリエチレンは、側鎖の分岐が少なく、コモノマーの分布が均一である。このため、分子量分布が狭く、超低密度にすることが可能であり封止材に柔軟性を付与できる。封止材に柔軟性が付与される結果、封止材と隣接層との密着性が高まる。
また、LLDPEは、結晶性分布が狭く、結晶サイズが揃っているため、シート状に加工した際の透明性に優れる。
直鎖低密度ポリエチレンのα−オレフィンとしては、分枝を有しないα−オレフィンが好ましく、中でも、炭素数が6以上8以下のα−オレフィンである1−ヘキセン、1−ヘプテン又は1−オクテンがより好ましい。α−オレフィンの炭素数が6以上8以下であることで、封止材に良好な柔軟性を付与することができるとともに、良好な強度を付与することができる。その結果、封止材と隣接層との密着性が更に高まる。
シラン変性エチレン重合体は、エチレン重合体をエチレン性不飽和シラン化合物で変性させた変性物である。
エチレン性不飽和シラン化合物としては、公知のものが使用でき、特に制限はない。
具体的には、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシ−エトキシシラン)、γ-グリシドキシプロピル−トリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクロキシプロピルメチルジメメトキシシラン、3-メタクロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクロキシプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
エチレン性不飽和シラン化合物としては、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、及び3-アクロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
これらのエチレン性不飽和シラン化合物でエチレン重合体を変性することは、封止材と隣接層との密着性を向上させる点で有利である。
シラン変性エチレン重合体は、例えば、特開2003−46105号公報に記載されている方法で製造でき、樹脂を太陽電池モジュールの封止材の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、且つ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、太陽電池モジュールを製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュールを製造し得る。
アイオノマーは、例えば、α−オレフィンと、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸と、場合によりα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステルなどの他の1つ又は複数のモノマーと、が共重合した共重合体の一部的又は全部が金属イオンにより中和された共重合体である。
より具体的には、アイオノマーは、金属イオンカルボキシレート類、例えば、アルカリ金属カルボキシレート類、アルカリ土類金属カルボキシレート類、遷移金属カルボキシレート類、及びこれらのカルボキシレート類の混合物であるイオン基を含むものが挙げられる。
アイオノマーは、例えば、塩基との反応によってα,β−エチレン性不飽和カルボン酸に由来の構成単位を含む前駆体又は親ポリマーのカルボン酸基を部分的に又は完全に中和することによって得られる。
アイオノマーの共重合成分としてのα−オレフィンとしては、炭素数が2以上10以下のα−オレフィンが好ましく、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、3メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。
アイオノマーの共重合成分としてのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸としては、炭素数が3以上8以下のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸が好ましく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、フマル酸、モノメチルマレイン酸などが挙げられる。
アイオノマーの共重合成分としての他のモノマーとしては、例えば、炭素数が2以上10以下(好ましくは炭素数が3以上8以下)の不飽和カルボン酸の無水物、不飽和カルボン酸アミド、不飽和カルボン酸エステルなどが挙げられる。
不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)4−ノニルフェニルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)4−ノニルフェニルエーテルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテルメタクリレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジブチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジブチルフマレート、ジメチルフマレート、ビニルアセテート、ビニルプロピオネートなどが挙げられる。
アイオノマーにおける金属イオンの中和率は、アイオノマー中のカルボン酸基の水素原子の5%〜90%が好ましく、加工性及び柔軟性の観点から、5%〜60%がより好ましく、5%〜55%がさらに好ましく、5%〜30%が特に好ましい。
金属イオンとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、銀、水銀、銅などの一価の金属イオン、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、銅、カドミウム、水銀、錫、鉛、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛などの二価の金属イオン、アルミニウム、スカンジニウム、鉄、イットリウムなどの三価の金属イオン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、タンタル、タングスチン、クロム、セリウム、鉄などの多価の金属イオンが挙げられる。
中でも、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛、カリウムが好ましく、ナトリウム、亜鉛がより好ましい。
アイオノマーは、α−オレフィンに由来の構成単位の含有量が共重合体の全質量に対して50質量%以上99質量%以下が好ましく、80質量%以上99質量%以下がより好ましい。また、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸に由来の構成単位の含有量が共重合体の全質量に対して0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
アイオノマーの重量平均分子量は、10000以上が好ましく、10000以上300000以下がより好ましく、30000以上250000以下が更に好ましい。
重量平均分子量は、既述の方法で測定できる。
受光面側封止材は、本発明の効果を奏する範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、架橋剤、架橋助剤、密着性向上剤、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤、酸化防止剤等が挙げられる。
これらの添加剤としては、特開2012−214555号公報の段落〔0096〕〜〔0104〕、及び特開2013−41971号公報の段落〔0036〕〜〔0046〕等に記載の添加剤が挙げられる。
受光面側封止材としては、上市されている市販品を用いてもよい。具体的には、Hangzhou first PV material社製のF806P、F806PS、TF8、デュポン社製のPV5400、Shezhen Sveck Technology社製のSVK−15297などが挙げられる。
[裏面側封止材]
太陽電池モジュールは、裏面側封止材を有する。
裏面側封止材を有することで、太陽電池素子を封止し、太陽電池素子と裏面保護材とを密着させ、太陽電池モジュールを形成することができる。
裏面側封止材は、スネイルトレイルの発生を抑制する観点から、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度85℃、相対湿度70%の環境下で測定された表面抵抗の対数値の差の絶対値が0.5未満であり、かつ、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定された膜面pHの差の絶対値が1.0未満であることが好ましい。
同様の観点から、前述の表面抵抗の対数値の差の絶対値は、0.4以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましく、0.1以下であることがさらに好ましい。
同様の観点から、前述の膜面pHの差の絶対値は、0.8以下であることが好ましく、0.4以下であることがより好ましく、0.1以下であることがさらに好ましい。
なお、表面抵抗の対数値の差の絶対値及び膜面pHの差の絶対値は、前述の方法で算出できる。
すなわち、太陽電池モジュールは、前述の受光面側封止材が温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度85℃、相対湿度70%の環境下で測定された表面抵抗の対数値の差の絶対値が0.5未満であり、かつ、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定された膜面pHの差の絶対値が1.0未満であり、裏面側封止材が、スネイルトレイルの発生を抑制する観点から、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度85℃、相対湿度70%の環境下で測定された表面抵抗の対数値の差の絶対値が0.5未満であり、かつ、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定された膜面pHの差の絶対値が1.0未満であることが好ましい。
さらには、太陽電池モジュールは、前述の受光面側封止材が温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度85℃、相対湿度70%の環境下で測定された表面抵抗の対数値の差の絶対値が0.4以下であり、かつ、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定された膜面pHの差の絶対値が0.8以下であり、裏面側封止材が、スネイルトレイルの発生を抑制する観点から、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度85℃、相対湿度70%の環境下で測定された表面抵抗の対数値の差の絶対値が0.4以下であり、かつ、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定された膜面pHの差の絶対値が0.8以下であることがより好ましい。
さらには、太陽電池モジュールは、前述の受光面側封止材が温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度85℃、相対湿度70%の環境下で測定された表面抵抗の対数値の差の絶対値が0.3以下であり、かつ、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定された膜面pHの差の絶対値が0.4以下であり、裏面側封止材が、スネイルトレイルの発生を抑制する観点から、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度85℃、相対湿度70%の環境下で測定された表面抵抗の対数値の差の絶対値が0.3以下であり、かつ、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定された膜面pHの差の絶対値が0.4以下であることが特に好ましい。
裏面側封止材としては、例えば、エチレン・ビニルアセテート共重合体(EVA)、オレフィン樹脂、ポリブチラール(PVB)、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
中でも、表面抵抗の対数値の差の絶対値と膜面pHの差の絶対値とを前述の範囲に容易に調整できる点、並びに後述する保護材との密着性の点から、エチレン・ビニルアセテート共重合体及びオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
エチレン・ビニルアセテート共重合体及びオレフィン樹脂は、特に制限されないが、前述の受光面側封止材で挙げたエチレン・ビニルアセテート共重合体及びオレフィン樹脂と同じものを用いることが好ましい。
裏面側封止材としては、上市されている市販品を用いてもよい。具体的には、Hangzhou first PV material社製のF806、F806P、F806PS、TF8、デュポン社製のPV5400、CI化成社製のFLCE−51、三井ファブロ社製のSC50B、RC02B、Shezhen Sveck Technology社製のSVK−15297などが挙げられる。
中でも、85℃、70%の環境下において100mW/cmの紫外線を80時間照射する前後の、85℃、70%において測定した表面抵抗の対数値の差の絶対値が0.5未満であり、かつ、85℃、70%の環境下において100mW/cmの紫外線を80時間照射する前後の、25℃、50%におけて測定した膜面pHの差の絶対値が1.0未満であるHangzhou first PV material社製のF806P、F806PS、TF8、デュポン社製のPV5400、Shezhen Sveck Technology社製のSVK−15297が好ましい。
[裏面保護材]
太陽電池モジュールは、裏面保護材を有する。太陽電池モジュールにおける裏面保護材及び後述の表面保護材の少なくとも一方は樹脂を含む。
裏面保護材は、太陽電池モジュールの裏面(受光面側とは反対の面)を保護することができれば、層構成、材質などは特に制限されない。
裏面保護材としては、耐久性の観点から、基材フィルムと、下塗り層と、下塗り層の上に配置された易接着層(例えば、中間着色層、オレフィン樹脂層など)と、基材フィルムの下塗り層とは反対側の面に配置された耐候性層と、を有していることが好ましい。また、裏面保護材は、必要に応じて、更に、紫外線吸収層などの公知の機能層を有していてもよい。
太陽電池モジュールが、裏面保護材を有することで太陽電池モジュールの耐候性及び耐傷性が向上し、長期に亘り耐久性に優れるものとなる。
(基材フィルム)
基材フィルムとしては、公知の材質を適宜選択することができるが、隣接する層との密着性をより高める観点から、基材フィルムの材質は樹脂が好ましい。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン樹脂、又はポリフッ化ビニルなどのフッ素樹脂等が挙げられる。中でも、コスト、機械強度及び光透過性の点から、ポリエステルが好ましい。
−ポリエステル−
ポリエステルとしては、例えば、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルが挙げられる。線状飽和ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。このうち、力学的物性やコストのバランスの点で、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)が特に好ましい。
ポリエステルは、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。更に、ポリエステルに他の種類の樹脂、例えばポリイミド等を少量ブレンドしたものであってもよい。
ポリエステルの種類は、上記に限られるものではなく、公知のポリエステルを使用してもよい。公知のポリエステルとしては、ジカルボン酸成分と、ジオール成分とを用いて合成してもよいし、市販のポリエステルを用いてもよい。
ポリエステルを合成する場合は、例えば、(a)ジカルボン酸成分と、(b)ジオール成分と、を周知の方法でエステル化反応及びエステル交換反応の少なくとも一方により反応させることによって得ることができる。
(a)ジカルボン酸成分としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸類;アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルインダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸等の芳香族ジカルボン酸;などのジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体が挙げられる。
(b)ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビドなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールA、1,3―ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの芳香族ジオール類;等のジオール化合物が挙げられる。
−カルボジイミド化合物、ケテンイミン化合物−
原料樹脂がポリエステルである基材フィルムは、カルボジイミド化合物及びケテンイミン化合物の少なくとも一方を含有してもよい。カルボジイミド化合物及びケテンイミン化合物は、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これにより、サーモ後のポリエステルの劣化を抑え、湿熱環境下においても良好な絶縁性を維持するのに有効である。
カルボジイミド化合物又はケテンイミン化合物は、ポリエステルに対して、0.1質量%〜10質量%含有されていることが好ましく、0.1質量%〜4質量%含有されていることがより好ましく、0.1質量%〜2質量%含有されていることがさらに好ましい。カルボジイミド化合物又はケテンイミン化合物の含有量を上記範囲内とすることにより、支持体と隣接する層との間の密着性をより高めることができる。また、基材フィルムの耐熱性を高めることができる。
なお、カルボジイミド化合物とケテンイミン化合物が併用される場合は、2種類の化合物の含有量の合計が、上記範囲内であることが好ましい。
−白色顔料−
基材フィルムの製造にあたっては、原料樹脂とともに白色顔料を混合して押出機等で混練して製膜することによって、白色顔料が練り込まれた白色基材フィルムを製造することが可能である。
このように、基材フィルムに白色顔料を含めることにより、易接着層等に含有される顔料量が減ることで層間密着が改善することができる。
白色顔料としては、後述する耐候性層で使用可能な散乱粒子で挙げられている粒子と同様のものを適用することができる。具体的には、二酸化チタン(TiO)、硫酸バリウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、コロイダルシリカ等の無機顔料を好適に挙げることができ、二酸化チタンが好ましい。
基材フィルムに白色顔料を含める場合、上記と同様の理由から、白色顔料の量は、基材フィルムの全固形分に対して、0.5質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜10質量%がより好ましく、1.5質量%〜4.5質量%がより好ましい。
基材フィルムの厚みは、裏面保護材としたと際の剛性の観点から、80μm以上が好ましく、80μm以上290μm以下がより好ましく、120μm以上250μm以下がさらに好ましい。
(下塗り層)
裏面保護材が易接着層を有する場合、裏面保護材は、基材フィルムと易接着層との間に下塗り層を有していてもよい。下塗り層を有することで、基材フィルムと隣接する層との層間の密着性がより向上する。
下塗り層は、塗布により形成されてもよく、後述のインラインコート法により形成されてもよい。
下塗り層は、樹脂成分としてアクリル樹脂を含有することが好ましく、さらに他の樹脂が含有されていてもよい。また、下塗り層には、必要に応じて、更に種々の添加剤が含有されてもよい。
アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート等を含有する樹脂等が好ましい。アクリル樹脂としては上市されている市販品を用いてもよく、例えば、AS−563A(ダイセルファインケム(株)製)、ジュリマー(登録商標)ET−410、同SEK−301(ともに日本純薬工業(株)製)が挙げられる。
他の樹脂としては、オレフィン樹脂、ポリエステル、ウレタン樹脂から選ばれる1種類以上の樹脂が挙げられる。
オレフィン樹脂としては、例えば、変性オレフィン樹脂共重合体が好ましい。オレフィン樹脂としては、上市されている市販品を用いてもよく、例えば、アローベース(登録商標)SE−1013N、SD−1010、TC−4010、TD−4010(ともにユニチカ(株)製)、ハイテックS3148、S3121、S8512(ともに東邦化学(株)製)、ケミパール(登録商標)S−120、S−75N、V100、EV210H(ともに三井化学(株)製)などを挙げることができる。その中でも、低密度ポリエチレン、アクリル酸エステル、無水マレイン酸の三元共重合体である、アローベース(登録商標)SE−1013N、ユニチカ(株)製を用いることが密着性を向上させる点で好ましい。
オレフィン樹脂は、単独で用いても2種以上併用して用いてもよい。2種以上を併用する場合は、アクリル樹脂とオレフィン樹脂の組み合わせ、ポリエステルとオレフィン樹脂の組み合わせ、ウレタン樹脂とオレフィン樹脂の組み合わせが好ましく、アクリル樹脂とオレフィン樹脂の組み合わせがより好ましい。
アクリル樹脂とオレフィン樹脂を組み合わせて用いる場合、下塗り層中のオレフィン樹脂とアクリル樹脂との合計に対するアクリル樹脂の含有量は、25質量%〜100質量%が好ましく、50質量%〜100質量%がより好ましく、75質量%〜100質量%が特に好ましい。
オレフィン樹脂に、ポリエステル(例えば、バイロナール(登録商標)MD−1245(東洋紡(株)製)を好ましく組み合わせて用いることができる。また、オレフィン樹脂にウレタン樹脂を加えることも好ましく、例えば、カーボネート系ウレタン樹脂が好ましく、例えば、スーパーフレックス(登録商標)460(第一工業製薬(株)製)を好ましく用いることができる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等が好ましい。ポリエステルとしては、上市されている市販品を用いてもよく、例えば、バイロナール(登録商標)MD−1245(東洋紡(株)製)を好ましく用いることができる。
ウレタン樹脂としては、例えば、カーボネート系ウレタン樹脂が好ましく、例えば、スーパーフレックス(登録商標)460(第一工業製薬(株)製)を好ましく用いることができる。
下塗り層が含み得る架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤等の架橋剤を挙げることができる。中でも、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤およびイソシアネート系架橋剤から選ばれる少なくとも1種以上の架橋剤であることが好ましい。
架橋剤としては、後述の耐候性層に使用可能なものを好適に用いることができる。
下塗り層の厚みとしては、特に制限はなく、10nm〜300nmの範囲が好ましく、30nm〜100nmの範囲がより好ましい。
(易接着層)
裏面保護材は、易接着層を有することが好ましく、易接着層は、基材フィルムの前述の下塗り層の上に配置されることが好ましい。
易接着層は、裏面保護材と裏面側封止材とを強固に接着させるための層である。
易接着層は、1層でもよく、2層以上でもよい。易接着層が2層以上である場合、前述の白色顔料を含む中間着色層及びオレフィン樹脂層を含むことが好ましい。
易接着層は、例えば、樹脂成分、白色顔料及び無機粒子を含む組成物を用いて形成することができ、必要に応じて、さらに添加剤などの他の成分を含んでいてもよい。
易接着層は、裏面側封止材に対して、10N/cm以上(好ましくは20N/cm以上)の密着力を有することが好ましい。密着力が10N/cm以上であると、密着性を維持し得る湿熱耐性が得られやすい。
なお、裏面保護材と裏面側封止材との密着力は、易接着層中の樹脂成分及び無機粒子の量を調節する方法、裏面保護材の裏面側封止材と接する面にコロナ処理等の表面処理を施す方法などにより調整が可能である。
易接着層は、樹脂成分の少なくとも一種を含有することが好ましい。易接着層に好適な樹脂成分としては、例えば、ポリエステル、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂等が挙げられ、中でも耐久性の観点から、アクリル樹脂、オレフィン樹脂が好ましい。また、アクリル樹脂として、アクリル樹脂とシリコーン樹脂とが複合化したアクリル・シリコーン複合樹脂も好ましい。
易接着層を形成するための好ましい樹脂成分の例としては、オレフィン樹脂の具体例としてケミパール(登録商標)S−120、S−75N(ともに三井化学社製)、アクリル樹脂の具体例としてジュリマー(登録商標)ET−410、SEK−301(ともに日本純薬社製)、アクリル・シリコーン複合樹脂の具体例としてセラネート(登録商標)WSA1060、WSA1070(ともにDIC社製)、H7620、H7630、H7650(ともに旭化成ケミカルズ社製)などが挙げられる。
易接着層中における樹脂成分の含有量は、0.05g/m〜5g/mの範囲が好ましく、0.08g/m〜3g/mの範囲がより好ましい。樹脂成分の含有量は、0.05g/m以上であると裏面側封止材との十分な密着力が得られやすく、5g/m以下であるとより良好な面状が得られる。
易接着層は、白色顔料及び無機粒子の少なくとも一種を含有することができる。
白色顔料としては、後述する耐候性層で使用可能な散乱粒子で挙げられている粒子と同様のものを適用することができる。具体的には、二酸化チタン(TiO)、硫酸バリウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、コロイダルシリカ等の無機顔料を好適に挙げることができ、二酸化チタンが好ましい。
無機粒子としては、例えば、炭酸マグネシウム、酸化錫等が挙げられる。中でも、湿熱雰囲気に曝されたときの層間の密着性の低下が小さい点で、酸化錫の粒子が好ましい。
白色顔料及び無機粒子の粒径は、体積平均粒径で10nm〜700nm程度が好ましく、より好ましくは20nm〜300nmである。易接着層に含まれる無機粒子の体積平均粒径が10nm〜700nmの範囲内であると、より良好な密着性を得ることができる。体積平均粒径は、ハネウェル社製のマイクロトラックFRAを用いて測定できる。
白色顔料及び無機粒子の形状には、特に制限はなく、球形、不定形、針状形等のいずれの粒子を用いることができる。
白色顔料及び無機粒子の含有量は、易接着層中の樹脂成分に対して、5質量%〜400質量%の範囲とすることが好ましく、50質量%〜300質量%がより好ましい。無機粒子の含有量が5質量%以上であれば湿熱雰囲気に曝されたときでも良好な密着性が保持され、400質量%以下であるとより良好な面状が得られる。
易接着層は、架橋剤の少なくとも一種を含有することができる。
易接着層に好適な架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤等の架橋剤を挙げることができる。中でも、湿熱経時後の密着性を確保する観点から、オキサゾリン系架橋剤が特に好ましい。
オキサゾリン系架橋剤として具体的には、後述の耐候性層に使用可能なものを好適に用いることができる。
易接着層における架橋剤の添加量としては、易接着層中の樹脂成分に対して、5質量%〜50質量%が好ましく、中でもより好ましくは20質量%〜40質量%である。易接着層中の架橋剤の添加量が5質量%以上であると、良好な架橋効果が得られ、易接着層の強度や隣接層との密着性を保持することができ、50質量%以下であると、易接着層を形成するための塗布液のポットライフを長く保つことができる。
易接着層には、必要に応じて、更に、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリカ等の公知のマット剤、アニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤などの公知の界面活性剤などを添加してもよい。
(耐候性層)
裏面保護材は、耐候性層を有することが好ましく、耐候性層は、基材フィルムの前述の下塗り層が形成された側とは反対側の面に配置されることが好ましい。
耐候性層は、アクリル樹脂を含むことが好ましく、必要に応じて、更に架橋剤、界面活性剤、フィラー等の他の成分を含んでいてもよい。
アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート等を含む樹脂等が挙げられ、太陽光、風雨等に対する耐候性向上の点で、シリコーン樹脂とアクリル樹脂とが複合化したアクリル・シリコーン複合樹脂、アクリル樹脂とフッ素化合物とが複合化したアクリル・フッ素複合樹脂が好ましい。
アクリル樹脂としては、上市されている市販品を用いてもよく、例えば、AS−563A(ダイセルファインケム(株)製)、ジュリマー(登録商標)ET−410、SEK−301(ともに日本純薬工業(株)製)が挙げられる。
また、アクリル・シリコーン複合樹脂としては、例えば、セラネート(登録商標)WSA1060、WSA1070(ともにDIC(株)製)、H7620、H7630、H7650(ともに旭化成ケミカルズ(株)製)が挙げられる。アクリル・フッ素複合樹脂としては、例えば、オブリガート(登録商標)SW0011F(AGCコーテック(株)製)、SIFCLEAR F101、F102(JSR(株)製))、KYNAR AQUQTEC ARC、FMA−12(ともにアルケマ(株)製)等が挙げられる。
上記のアクリル・シリコーン複合樹脂は、分子鎖中に(ポリ)シロキサン構造とアクリル構造とを有する樹脂である。耐候性層は、アクリル・シリコーン複合樹脂を含むことで、裏面保護材の基材フィルムなどの隣接材料との密着性、及び湿熱環境下での耐久性により優れたものとなる。
アクリル・シリコーン複合樹脂は、分子鎖中に(ポリ)シロキサン構造とアクリル構造とを有していれば、特に制限はなく、(ポリ)シロキサン構造単位及びアクリル構造を有する化合物の単独重合体(ホモポリマー)、又は(ポリ)シロキサン構造単位とアクリル構造単位とを含む共重合体のいずれでもよい。
アクリル・シリコーン複合樹脂は、(ポリ)シロキサン構造として、下記一般式(1)で表されるシロキサン構造単位を有するものが好ましい。
一般式(1)において、R及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表す。ここで、RとRとは同一でも異なってもよく、また、複数存在するR及びRは各々、互いに同一でも異なってもよい。nは、1以上の整数を表す。
シリコーン樹脂中のシロキサン構造単位である「−(Si(R)(R)−O)−」の部分構造は、線状、分岐状あるいは環状の構造を有する各種の(ポリ)シロキサン構造を形成しうるシロキサンセグメントである。
及びRがハロゲン原子を表す場合のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。
及びRが1価の有機基を表す場合の1価の有機基としては、Si原子と共有結合可能な基であればいずれでもよく、例えば、アルキル基(例:メチル基、エチル基など)、アリール基(例:フェニル基など)、アラルキル基(例:ベンジル基、フェニルエチルなど)、アルコキシ基(例:メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基など)、アリールオキシ基(例;フェノキシ基など)、メルカプト基、アミノ基(例:アミノ基、ジエチルアミノ基など)、アミド基等が挙げられる。これらの有機基は、無置換でも置換基をさらに有してもよい。
nは、1〜5000であることが好ましく、1〜1000であることがより好ましい。
中でも、基材フィルム等の隣接材料との密着性及び湿熱環境下での耐久性の点で、R、Rとしては各々独立に、水素原子、塩素原子、臭素原子、無置換の又は置換された炭素数1〜4のアルキル基(特にメチル基、エチル基)、無置換の又は置換されたフェニル基、無置換の又は置換されたアルコキシ基、メルカプト基、無置換のアミノ基、アミド基が好ましく、より好ましくは、湿熱環境下での耐久性の点で、無置換の又は置換されたアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基)である。
樹脂中における「−(Si(R) (R)−O)−」の部分(一般式(1)で表される(ポリ)シロキサン構造単位)の比率は、樹脂の全質量に対して、15質量%〜85質量%であることが好ましく、中でも、基材フィルム表面の強度向上を図り、引っ掻きや擦過等による傷の発生を防ぐと共に、基材フィルム等の隣接材料との密着性及び湿熱環境下での耐久性により優れる観点から、20質量%〜80質量%の範囲がより好ましい。(ポリ)シロキサン構造単位の比率は、15質量%以上であると、基材フィルム表面の強度が向上し、引っ掻きや擦過、飛来した小石等の衝突で生じる傷の発生が防止され、また基材フィルム等の隣接材料との密着性に優れる。傷の発生抑制により耐候性が向上し、熱や水分が与えられて劣化しやすい剥離耐性、形状安定性、並びに湿熱環境下に曝された場合の接着耐久性が効果的に高められる。また、(ポリ)シロキサン構造単位の比率が85質量%以下であると、液を安定に保つことができる。
アクリル樹脂が(ポリ)シロキサン構造単位とアクリル構造単位とを有する共重合体である場合、分子鎖中に一般式(1)で表される(ポリ)シロキサン構造単位を質量比率で15質量%〜85質量%と、アクリル構造単位を質量比率で85質量%〜15質量%とを、含んでいる場合が好ましい。このような共重合体を含有することにより、膜強度が向上し、引っ掻きや擦過等による傷の発生を防ぎ、基材フィルムとの密着性、すなわち熱や水分が与えられて劣化しやすい剥離耐性、形状安定性、並びに湿熱環境下での耐久性を、従来に比べて飛躍的に向上させることができる。
共重合体としては、シロキサン化合物(ポリシロキサンを含む)と、アクリル系モノマー及び非シロキサン系ポリマー(アクリル系モノマーを除く)から選ばれる化合物と、が共重合し、一般式(1)で表される(ポリ)シロキサン構造単位と、アクリル構造単位及び場合により非シロキサン系の構造単位と、を有するブロック共重合体であることが好ましい。
この場合、シロキサン化合物及び共重合される非シロキサン系モノマーもしくは非シロキサン系ポリマー(アクリルモノマーを含む)は、1種単独でもよく、2種以上であってもよい。
(ポリ)シロキサン構造単位と共重合する非シロキサン系構造単位(非シロキサン系モノマー又は非シロキサン系ポリマーに由来)は、アクリル系重合体に由来のポリマーセグメントを有していることが好ましい。アクリル系重合体に由来のポリマーセグメントを有することで、調製が容易であることに加え、耐加水分解性、基材フィルムとの密着性に優れたものとなる。
非シロキサン系構造単位を形成する重合体については、アクリル構造単位の1種単独でもよいし、アクリル構造単位を含む2種以上が併用されてもよい。
耐候性層では、アクリル樹脂を1種単独で用いてもよいし、他の樹脂と併用してもよい。他の樹脂を併用する場合、(ポリ)シロキサン構造を含む複合樹脂等のアクリル樹脂の含有比率は、全樹脂量の30質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上である。アクリル樹脂の含有比率が30質量%以上であることで、基材フィルムとの密着がより良好になる。また、湿熱環境下での耐久性により優れたものとなる。
樹脂の重量平均分子量としては、5,000〜100,000が好ましく、10,000〜50,000がより好ましい。
重量平均分子量は既述の方法で測定できる。
(ポリ)シロキサン構造単位を有する樹脂の調製には、(i)前駆ポリマーと、一般式(1)で表される構造単位を有するポリシロキサンとを反応させる方法、(ii)前駆ポリマーの存在下に、R及びRの少なくとも一方が加水分解性基である一般式(1)で表される構造単位を有するシラン化合物を加水分解縮合させる方法、等の方法を利用することができる。
(ii)の方法で用いられるシラン化合物としては、各種シラン化合物が挙げられるが、アルコキシシラン化合物が特に好ましい。
(i)の方法により樹脂を調製する場合、例えば、前駆ポリマーとポリシロキサンの混合物に、必要に応じて水と触媒を加え、20℃〜150℃程度の温度で30分〜30時間程度(好ましくは50℃〜130℃で1時間〜20時間)反応させることにより調製することができる。触媒としては、酸性化合物、塩基性化合物、金属含有化合物等の各種のシラノール縮合触媒を添加することができる。
また、(ii)の方法によりポリマーを調製する場合、例えば、前駆ポリマーとアルコキシシラン化合物の混合物に、水とシラノール縮合触媒を添加して、20℃〜150℃程度の温度で30分〜30時間程度(好ましくは50℃〜130℃で1時間〜20時間)加水分解縮合を行うことにより調製することができる。
また、(ポリ)シロキサン構造を有するアクリル樹脂は、上市されている市販品を用いてもよく、例えば、DIC(株)製のセラネート(登録商標)シリーズ(例えば、セラネート(登録商標)WSA1070、同WSA1060等)、旭化成ケミカルズ(株)製のH7600シリーズ(H7650,H7630,H7620等)、JSR(株)製の無機・アクリル複合エマルジョンなどを使用することができる。
上記のアクリル・フッ素複合樹脂としては、−(CFX−CX)−で表される繰り返し単位とアクリル繰り返し単位とを有する樹脂である。式中の、X、X、及びXは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、又は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基を表す。
アクリル・フッ素複合樹脂の具体的な例としては、オブリガート(登録商標)SW0011F(AGCコーテック(株)製)、SIFCLEAR F101、SIFCLEAR F102(JSR社製)、KYNAR AQUQTEC ARC、FMA−12(ともにアルケマ(株)製)等が挙げられる。
アクリル樹脂としては、有機溶剤に溶解されて用いるものでも、粒子を水に分散させて用いるものでもよい。環境負荷が小さい点で、後者が好ましい。
アクリル樹脂の水分散物については、例えば、特開2003−231722号公報、特開2002−20409号公報、特開平9−194538号公報等に記載されており、ここに記載の樹脂を本発明に適用しうる。
耐候性層中のアクリル樹脂の含有比率は、耐候性層の基材フィルムとの密着が良化する点で、0.5g/m〜20.0g/mの範囲が好ましく、8.0g/m〜20.0g/mの範囲がより好ましい。
中でも、耐候性層は、樹脂として、DIC(株)製のセラネート(登録商標)シリーズ、JSR(株)製の無機・アクリル複合エマルジョンを用いた形態が好ましい。
耐候性層の樹脂としては、アクリル樹脂を1種単独で用いるほか、2種以上を併用してもよい。
また、全樹脂の50質量%を超えない範囲で、フッ素樹脂、ポリエステル、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、シリコーン樹脂などの、アクリル樹脂以外の樹脂を併用してもよい。アクリル樹脂以外の樹脂の含有比率が、耐候性層中の樹脂成分に対して、50質量%以下であることで、目的とする耐候性向上効果が得られる。
−散乱粒子−
耐候性層は、散乱粒子の少なくとも1種を含むことが好ましい。散乱粒子としては、特に制限はなく、公知の散乱粒子を用いることができる。本明細書中、散乱粒子とは、粒子そのものに、光吸収がほとんどない粒子のことをいい、後述の着色剤は含まれない。本発明においては、散乱粒子としては、白色顔料が好ましい。
散乱粒子として用いうる白色顔料としては、二酸化チタン(TiO)、硫酸バリウム、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、コロイダルシリカ等の無機顔料、中空粒子等の有機顔料などが挙げられる。中でも、二酸化チタンが好ましい。
二酸化チタンの結晶系には、ルチル型、アナターゼ型、ブルカイト型がある。本発明における二酸化チタンとしては、ルチル型が好ましい。二酸化チタンは、必要に応じて酸化アルミニウム(Al)、二酸化ケイ素(SiO)、アルカノールアミン化合物、ケイ素化合物などで表面処理をしてもよい。
耐候性層がアクリル樹脂に加え、散乱粒子としての白色顔料を含有することで、耐候性層の反射率を高くでき、長期高温高湿試験(85℃、相対湿度85%で2000時間〜3000時間)及び紫外線(UV)照射試験(IEC61215のUV試験に準じ、総照射量が45Kwh/m)下での黄変を少なくすることができる。さらに、耐候性層に散乱粒子などの白色顔料を添加することで、隣接する他の層との密着性がより改善される。
耐候性層に散乱粒子を用いる場合の含有量は、耐候性層1層当たり1.0g/m〜40g/mであることが好ましい。散乱粒子(好ましくは白色顔料)の含有量が1.0g/m以上であると、反射率や耐UV性(耐候性)を効果的に与えることができる。
また、散乱粒子(好ましくは白色顔料)の耐候性層中における含有量が40g/m以下であると、着色層の面状を良好に維持しやすく、膜強度により優れる。なかでも、耐候性層に含有される散乱粒子の含有量が、2.5g/m〜30g/mの範囲であることがより好ましく、5g/m〜20g/mの範囲が特に好ましい。
また、耐候性層が白色顔料を含有する場合、耐候性層中における白色顔料の体積比率としては、耐候性層の全体積に対して20%以上30%以下を占めることが好ましい。白色顔料の体積比率が20%以上であると、樹脂量が増え過ぎず、白色顔料の含有比率を保つことができるので、光の反射率を良好に維持することができる。また、白色顔料の体積比率が30%以下であると、樹脂量が保たれて層が脆くなり難く密着性をより向上させることができる。
散乱粒子(特に白色顔料)の平均粒径は、体積平均粒径で0.03μm〜0.8μmが好ましく、より好ましくは0.15μm〜0.6μmである。平均粒径が上記の範囲内であると、光の反射効率に優れる。平均粒径は、ハネウェル社製のマイクロトラックFRAを用いて測定できる。
−着色剤−
着色剤としては、上記散乱粒子を除く以外は特に制限はなく、公知の染料や公知の顔料などを用いることができる。本発明では、着色剤は、黒色の着色剤、グリーン系の着色剤、ブルー系の着色剤、レッド系の着色剤であることが好ましい。
耐候性層に用いられる着色顔料は、カーボンブラック、チタンブラック、黒色の複合金属酸化物、シアニン系カラー及びキナクリドン系カラーから選択される少なくとも1種を含有することが好ましい以外は特に限定されず、要求される光学濃度に応じて選択すればよい。
ここで、黒色の複合金属酸化物としては、鉄、マンガン、コバルト、クロム、銅、ニッケルのうち少なくとも1種を含む複合金属酸化物が好ましく、コバルト、クロム、鉄、マンガン及び銅、ニッケルのうち2種以上を含む複合金属酸化物がより好ましく、カラーインデックスがPigment・Black(以下、PBk)26、PBk27、及びPBk28、Pigment・Blue(以下、PBr)34から選ばれる少なくとも1つ以上の顔料がより特に好ましい。なお、PBk26の顔料は、鉄、マンガン、銅の複合酸化物であり、PBk27の顔料は鉄、コバルト、クロムの複合酸化物であり、PBk−28は銅、クロム、マンガンの複合酸化物であり、PBr34はニッケル、鉄の複合酸化物である。シアニン系カラー及びキナクリドン系カラーとしては、シアニングリーン、シアニンブルー、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等が挙げられる。
中でも、着色剤としてカーボンブラックを用いることが、光学濃度を上記好ましい範囲に制御しやすい観点や、少量で光学濃度を制御できる観点から、好ましい。
カーボンブラックは、体積平均粒径が0.1〜0.8μmのカーボンブラック微粒子であることが好ましい。体積平均粒径は、ハネウェル社製のマイクロトラックFRAを用いて測定できる。
さらに、カーボンブラック微粒子を分散剤とともに水に分散して使用することが好ましい。なお、カーボンブラックは商業的に入手することができるものを使用することができ、例えばMF−5630ブラック(大日精化(株)製や、特開2009−132887号公報の段落[0035]に記載のものなどを用いることができる。
−他の成分−
耐候性層は、必要に応じて、例えば、架橋剤、界面活性剤、フィラー等の他の成分を含んでいてもよい。中でも、樹脂に架橋剤を添加して耐候性層に架橋剤に由来する架橋構造を形成することが、耐候性層の強度と耐久性をより向上させるという観点から好ましい。
架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤等の架橋剤を挙げることができる。耐候性層と基材フィルムとの間の、湿熱経時後の密着性を確保する観点から、特にオキサゾリン系架橋剤が好ましい。
オキサゾリン系架橋剤の具体例としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2,2’−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2、2’−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド等がある。さらに、これらの化合物の(共)重合体も好ましく利用することができる。
また、オキサゾリン系架橋剤は、市販品を用いてもよく、例えば、エポクロス(登録商標)K2010E、K2020E、K2030E、WS500、WS700〔いずれも(株)日本触媒製〕等を用いることができる。
−架橋剤の触媒−
耐候性層には、架橋剤と共に、架橋剤の触媒をさらに併用してもよい。架橋剤の触媒を含有することで、樹脂と架橋剤との架橋反応が促進され、耐溶剤性の向上が図られる。また、架橋が良好に進むことで、耐候性層の強度、寸法安定性がより改善できる。
特に、架橋剤としてオキサゾリン基を有する架橋剤(オキサゾリン系架橋剤)を用いる場合、架橋剤の触媒を使用することがよい。
架橋剤の触媒としては、オニウム化合物を挙げることができる。
オニウム化合物としては、アンモニウム塩、スルホニウム塩、オキソニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ニトロニウム塩、ニトロソニウム塩、ジアゾニウム塩等が好適に挙げられる。
オニウム化合物の具体例としては、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、p−トルエンスルホン酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、イミドジスルホン酸アンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、四フッ化ホウ素テトラブチルアンモニウム、六フッ化燐テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、硫酸テトラブチルアンモニウム等のアンモニウム塩;
ヨウ化トリメチルスルホニウム、四フッ化ホウ素トリメチルスルホニウム、四フッ化ホウ素ジフェニルメチルスルホニウム、四フッ化ホウ素ベンジルテトラメチレンスルホニウム、六フッ化アンチモン2−ブテニルテトラメチレンスルホニウム、六フッ化アンチモン3−メチル−2−ブテニルテトラメチレンスルホニウム等のスルホニウム塩;
四フッ化ホウ素トリメチルオキソニウム等のオキソニウム塩;
塩化ジフェニルヨードニウム、四フッ化ホウ素ジフェニルヨードニウム等のヨードニウム塩;
六フッ化アンチモンシアノメチルトリブチルホスホニウム、四フッ化ホウ素エトキシカルボニルメチルトリブチルホスホニウム等のホスホニウム塩;
四フッ化ホウ素ニトロニウム等のニトロニウム塩;四フッ化ホウ素ニトロソニウム等のニトロソニウム塩;
塩化4−メトキシベンゼンジアゾニウム等のジアゾニウム塩、
等が挙げられる。
これらの中でも、オニウム化合物は、硬化時間の短縮の点で、アンモニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩がより好ましく、これらの中ではアンモニウム塩が更に好ましく、pH、及びコストの観点からは、リン酸系、塩化ベンジル系のものが好ましい。オニウム化合物が第二リン酸アンモニウムであることがより特に好ましい。
耐候性層に架橋剤を用いる場合の含有量は、耐候性層に含まれる樹脂成分100質量部に対して0.5質量部〜30質量部が好ましく、より好ましくは3質量部以上15質量部未満である。架橋剤の添加量は、0.5質量部以上であると、耐候性層の強度及び密着性を保持しながら充分な架橋効果が得られ、30質量部以下であると、塗布液のポットライフを長く保て、15質量%未満であると塗布面状を改良できる。
耐候性層に用い得る界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤等の公知の界面活性剤が挙げられる。界面活性剤を添加する場合、その添加量は0.1mg/m〜10mg/mが好ましく、より好ましくは0.5mg/m〜3mg/mである。界面活性剤の添加量は、0.1mg/m以上であると、ハジキの発生を抑えて良好な層形成が得られ、10mg/m以下であると、基材フィルム等との接着を良好に行うことができる。
耐候性層の厚みは、特に制限されるものではないが、10μm以上が好ましい。耐候性層の厚みが10μm以上であることで、耐候性層の耐溶剤性をより向上させることができる。
耐候性層は、1層でもよく2層以上でもよい。耐候性層が2層以上の場合、裏面保護材の最外層として配置される層はフッ素樹脂を含むことが好ましい。
<裏面保護材の製造方法>
裏面保護材の製造方法は、特に制限されず、例えば、以下の方法で製造することができる。
基材フィルムを作製する方法は特に限定されないが、例えば、未延伸のフィルムを、第1方向に延伸する第1延伸工程と、第1方向に延伸されたフィルムの一方の面に、必要に応じて後述の下塗り層形成用の塗布液を塗布する下塗り層形成工程と、第1方向と直交する第2方向に延伸する第2延伸工程と、易接着層形成用塗布液を塗布する易接着層形成工程と、を含む方法が挙げられる。
以下に基材フィルムをポリエステルフィルムとした場合を例に挙げ、裏面保護材の製造方法について説明する。
−第1延伸工程−
第1延伸工程では、未延伸のポリエステルフィルムを、第1方向に延伸する工程(以下、第1延伸工程ともいう。)を有する。第1延伸工程を有することで、ポリエステルフィルムを1軸延伸し、1軸延伸ポリエステルフィルムが得られる。
まず、ポリエステルフィルムを作製する方法の一例を説明する。
ポリエステルフィルムは、例えば、既述のポリエステルを原料樹脂とし、乾燥させた後、溶融混練して得られる溶融樹脂を、ギアポンプや濾過器に通し、ダイを介して冷却ロールに押出し、冷却固化させることで(未延伸)シートとして得られる。
溶融混練は、押出機を用いて行う。押出機は、単軸押出機又は2軸押出機のいずれでもよい。
押出は、真空排気や不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。押出機の温度は、使用するポリエステルの融点から融点+80℃以下で行うことが好ましく、より好ましくは融点+10℃以上、融点+70℃以下、さらに好ましくは融点+20℃以上、融点+60℃以下である。この範囲内であると、樹脂が良好に融解しやすく、ポリエステル等の分解も抑えることができる。なお、押出前は、ポリエステルのマスターバッチを乾燥させておくことが好ましい。好ましい含水率は、10ppm〜300ppmであり、より好ましくは20ppm〜150ppmである。
ポリエステルフィルムの耐加水分解性を向上させる点で、ポリエステルを溶融する際に、ケテンイミン化合物及びカルボジイミド化合物の少なくとも一方を添加してもよい。カルボジイミド化合物及びケテンイミン化合物は、直接押出機に添加してもよいが、予めポリエステルとマスターバッチを形成して押出機に投入することが、押出し安定性の観点から好ましい。マスターバッチを形成する場合は、ケテンイミン化合物を含むマスターバッチの供給量に変動を与えることが好ましい。
なお、マスターバッチは、ケテンイミンを濃縮したものとして使用することが好ましい。マスターバッチのケテンイミン濃度は、コストの観点から、製膜後にポリエステル中に含まれるケテンイミンの濃度の2倍〜100倍に調節されるのが好ましく、より好ましくは5倍〜50倍である。
なお、押出された溶融体は、ギアポンプ、濾過器、多層ダイを通してキャストドラム上に流涎される。多層ダイの方式は、マルチマニホールドダイ又はフィードブロックダイのいずれも好適に用いることができる。
ダイの形状はT−ダイ、ハンガーコートダイ、又はフィッシュテールのいずれでもよい。ダイの先端(ダイリップ)に上述のような温度変動を付与することが好ましい。キャストドラム上では、溶融樹脂(メルト)を、静電印加法を用いて冷却ロールに密着させることができる。この場合、キャストドラムの駆動速度に、上記のような変動を与えることが好ましい。
キャストドラムの表面温度は、10℃〜40℃とすることができる。
キャストドラムの直径は、0.5m以上5m以下が好ましく、より好ましくは1m以上4m以下である。
キャストドラムの駆動速度(最外週の線速度)は、1m/分以上50m/分以下が好ましく、より好ましくは3m/分以上30m/分以下である。
上記の製造方法などによって形成された未延伸シートに延伸処理を施す。本工程では、延伸を縦方向(MD:Machine Direction)又は横方向(TD:Transverse Direction)の一方に行う。延伸処理は、MDの延伸及びTDの延伸のいずれであってもよい。
延伸処理は、シートのガラス温度(Tg:単位℃)以上(Tg+60℃)以下で行うのが好ましく、より好ましくは(Tg+3℃)以上(Tg+40℃)以下、さらに好ましくは(Tg+5℃)以上(Tg+30℃)以下である。この際、上述のように温度分布を付与することが好ましい。
好ましい延伸倍率は少なくとも一方に280%〜500%、より好ましくは300%〜480%、さらに好ましくは320%〜460%である。ここで云う延伸倍率は、以下の式を用いて求めたものである。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)/(延伸前の長さ)}
第1方向に延伸する工程においては、延伸処理前又は延伸処理後(好ましくは延伸処理後)に、未延伸シート又は延伸フィルムに熱処理を施すことができる。熱処理を施すことによって、微結晶を生成し、力学特性や耐久性を向上させることができる。180℃〜240℃程度(更に好ましくは、200℃〜230℃)で1秒間〜60秒間(更に好ましくは2秒間〜30秒間)の熱処理を未延伸シート又は延伸フィルムに施してもよい。
第1方向に延伸する工程においては、熱処理後、熱緩和処理を施すことができる。熱緩和処理とは、フィルムに対して応力緩和のために熱を加えて、フィルムを収縮させる処理である。熱緩和処理は、フィルムのMD及びTDの両方向に施すことが好ましい。熱緩和処理における諸条件は、熱処理温度より低い温度で処理することが好ましく、130℃〜240℃が好ましい。また、熱緩和処理は、フィルムの熱収縮率(150℃)がMD及びTDがいずれも−1%〜12%であることが好ましく、−0.5%〜10%が更に好ましい。尚、熱収縮率(150℃)は、測定方向350mm、幅50mmのサンプルを切り出し、サンプルの長手方向の両端近傍300mm間隔に標点を付け、150℃の温度に調整されたオーブンに一端を固定、他端をフリーで30分間放置し、その後、室温で標点間距離を測定し、この長さをL(mm)とし、かかる測定値を用いて、下記式にて熱収縮率を求めることができる。
150℃熱収縮率(%)=100×(300−L)/300
また、熱収縮率が正の場合は縮みを、負は伸びを表わす。
以上の工程を経て、未延伸のポリエステルフィルムが一方向に延伸された1軸延伸フィルムが製造される。
−下塗り層形成工程−
下塗り層形成工程は、第1方向に延伸されたポリエステルフィルムの一方面に、アクリル樹脂を含む下塗り層を塗布により形成することが好ましい。
塗布は、簡便でかつ均一性の薄膜での形成が可能である点で好ましい。塗布方法としては、例えば、グラビアコーターやバーコーターなどの公知の方法を利用することができる。塗布に用いる塗布液の溶媒としては、水でもよいし、トルエンやメチルエチルケトンのような有機溶媒でもよい。溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
1軸延伸フィルム上へのアクリル樹脂を含む塗布液の塗布は、上記のポリエステルフィルムを第1方向に延伸する工程に引き続き、インラインで行う方法、いわゆるインラインコート法で行うことが好ましい。
アクリル樹脂を含有する塗布液を塗布する前に、1軸延伸フィルムをコロナ放電処理、グロー処理、大気圧プラズマ処理、火炎処理、UV処理等の表面処理することも好ましい。
アクリル樹脂を含有する塗布液を塗布して塗布膜を形成した後は、塗布膜を乾燥させる工程を設けることが好ましい。乾燥工程は、塗膜に乾燥風を供給する工程である。乾燥風の平均風速は、5m/秒〜30m/秒であることが好ましく、7m/秒〜25m/秒であることがより好ましく、9m/秒〜20m/秒以下であることがさらに好ましい。
塗膜の乾燥は、熱処理を兼ねることが好ましい。
−第2延伸工程−
第2延伸工程は、下塗り層が形成されたポリエステルフィルムを、第1方向と直交する第2方向に延伸する。
第2の方向に延伸されることで、1軸延伸フィルムが塗液とともに伸ばされ、アクリル樹脂を含む下塗り層が塗設された2軸延伸フィルムが作製される。延伸は、第1方向と異なる方向であれば、縦方向(MD)又は横方向(TD)のいずれに行ってもよい。
ここでいう「第2の方向」とは、上記の第1方向(例えばMD)とは別の方向、つまり第1方向と直交する方向(例えばTD)であることを意味する。
第2延伸工程の好ましい態様は、上記のポリエステルフィルムを第1方向に延伸する工程と同じである。
−易接着層形成工程−
易接着層形成工程は、下塗り層の上に易接着層を形成する。易接着層は、易接着層形成用塗布液を、基材フィルムであるポリエステルフィルムの下塗り層の表面に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることにより形成することができる。
裏面保護材は、易接着層が、オレフィン樹脂を含む易接着層用塗布液を塗布して形成される塗布層であることが好ましい。
裏面保護材の製造方法においては、オレフィン樹脂の少なくとも一方が水中に分散されて含有された水分散物を調製し、この水分散物を水系塗布液として、所望の2軸延伸ポリエステルフィルム上に塗布する態様が好ましい。
また、塗布方法及び塗布液の溶媒には、特に制限はない。塗布方法としては、例えば、グラビアコーター、バーコーター等を利用した公知の方法が挙げられる。また、塗布液に用いる溶媒は、水でもよいし、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶媒でもよい。環境負荷の観点から、水を溶媒とした水系塗布液に調製されることが好ましい。この場合、全溶媒に対する水の割合は60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
塗布後は、所望の条件で塗布膜の乾燥を行う乾燥工程が設けられてもよい。乾燥時の乾燥温度については、塗布液の組成や塗布量などの場合に応じて適宜選択すればよい。
また、2軸延伸フィルムであるポリエステルフィルムの下塗り層上に、易接着を形成するための塗布液を塗布し、塗布により形成された塗布膜を乾燥させてもよい。1軸延伸後のポリエステルフィルムの下塗り膜上に塗布液を塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥させた後、初めの延伸と異なる方向に延伸する方法でもよい。
−厚み−
裏面保護材の厚みは、スネイルトレイルの発生を抑制する観点及び裏面側封止材との密着性の観点から、100μm以上が好ましく、100μm以上310μm以下がより好ましく、140μm以上270μm以下がさらに好ましい。
裏面保護材の厚みが100μm以上あると、太陽電池モジュール内部への水蒸気の透過を抑制できる点で有利である。また、裏面保護材の厚みが310μm以下であると、裏面側封止材との密着性が向上する点で有利である。
−水蒸気透過率−
裏面保護材の水蒸気透過率は、3.0g/m・day以上が好ましい。水蒸気透過率が高いほど、太陽電池モジュール内への水分の浸入量は増加するため、スネイルトレイル抑制の効果がより顕著に現れる。
裏面保護材の水蒸気透過率(g/m・day)は、7cmφに切り出した裏面保護材を、温度30℃、相対湿度10%で調湿した後、温度40℃、相対湿度90%の条件下において、カップ法(JIS Z 0280:1976)により測定することができる。
[表面保護材]
太陽電池モジュールは、表面保護材を有する。太陽電池モジュールにおける前述の裏面保護材及び表面保護材の少なくとも一方は樹脂を含む。
表面保護材は、太陽光が透過し得る光透過性を有していればよく、光を透過する基材から適宜選択できる。発電効率の観点からは、光の透過率が高いものほど好ましく、このような基板として、例えば、ガラス基板、アクリル樹脂などの透明樹脂などを好適に用いることができる。
[太陽電池素子]
太陽電池素子としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系、銅−インジウム−ガリウム−セレン、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルル、ガリウム−砒素などのIII−V族やII−VI族化合物半導体系など、各種公知の太陽電池素子を適用することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
<基材フィルムの作製>
−ポリエステルの合成−
高純度テレフタル酸(三井化学社製)100kgとエチレングリコール(日本触媒社製)45kgのスラリーを、予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約123kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×10Paに保持されたエステル化反応槽に、4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行なった。その後、得られたエステル化反応生成物123kgを重縮合反応槽に移送した。
引き続いて、エステル化反応生成物が移送された重縮合反応槽に、エチレングリコールを、得られるポリマーに対して0.3質量%添加した。5分間撹拌した後、酢酸コバルト及び酢酸マンガンのエチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対してそれぞれコバルト元素換算値、マンガン元素換算値で30ppm、15ppmとなるように加えた。更に5分間撹拌した後、チタンアルコキシド化合物の2質量%エチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対してチタン元素換算値で5ppmとなるように添加した。その5分後、ジエチルホスホノ酢酸エチルの10質量%エチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対してリン元素換算値で5ppmとなるように添加した。その後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から285℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし、常圧に戻し、重縮合反応を停止した。そして、冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングしてポリマーのペレット(直径約3mm、長さ約7mm)を作製した。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は3時間であった。
なお、チタンアルコキシド化合物には、特開2005−340616号公報の段落[0083]の実施例1で合成しているチタンアルコキシド化合物(Ti含有量=4.44質量%)を用いた。
−固相重合−
上記で得られたペレットを、40Paに保たれた真空容器中、220℃の温度で30時間保持して、固相重合を行なった。
−基材フィルムの形成−
以上のように固相重合を経た後のペレットを、280℃で溶融して金属ドラムの上にキャストし、厚さ約3mmの未延伸フィルムを作製した。その後、未延伸フィルムを、90℃で縦方向(MD:Machine Direction)に3.4倍に延伸して1軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムとした。
次いで、1軸延伸PETフィルムの片方の面に、下記組成の下塗り層形成用組成物を塗布量が5.1ml/mとなるように、縦方向延伸後、横方向(TD:Transverse Direction)延伸前にインラインコート法にて塗布を行った。
(下塗り層形成用組成物の組成)
・アクリル樹脂水分散物 21.9部
〔AS−563A、ダイセルファインケム(株)製、固形分:28質量%のスチレン骨格を有するラテックス〕
・オキサゾリン系架橋剤 4.9部
〔エポクロス(登録商標)WS−700、(株)日本触媒製、固形分:25質量%〕
・フッ素系界面活性剤(固形分2.0質量%) 0.1部
・蒸留水 73.1部
下塗り層形成用組成物が塗布されたPETフィルムを横方向に延伸し、厚みが0.06μmの下塗り層を形成した。なお、横方向延伸は、温度105℃、延伸倍率3.8倍の条件で行った。
下塗り層が形成されたPETフィルムを膜面190℃で15秒間の熱固定処理を行い、下塗り層が形成された、厚み250μmの2軸延伸PETフィルム(以下、基材フィルムと称する)を得た。
以下の実施例及び比較例では、下塗り層が形成された基材フィルムを用い、基材フィルムの下塗り層が形成された側に易接着層(中間着色層及びオレフィン樹脂層)を形成し、基材フィルムの下塗り層とは反対側に耐候性層A、耐候性層Bを形成した。
<中間着色層の形成>
基材フィルムの下塗り層を形成した側に、下記の中間着色層形成用塗布液を塗布し、170℃で2分間乾燥させ、乾燥後の厚みが6μmの中間着色層を形成した。
(中間着色層形成用塗布液の組成)
・蒸留水 11.70部
・下記の酸化チタン分散液(固形分49質量%)30.14部
・オキサゾリン系架橋剤 9.80部
〔エポクロス(登録商標)WS−700、日本触媒社製、固形分25質量%)〕
・リン酸水素二アンモニウム 0.76部
〔日本化学工業社製、固形分35質量%水希釈液〕
・オレフィン樹脂水分散物 43.67部
〔アローベース(登録商標)SE1013N、ユニチカ社製、固形分20.2質量%〕
・アクリル樹脂水分散物 3.50部
〔AS−563A、ダイセルファインケム(株)製、固形分:28質量%のスチレン骨格を有するラテックス〕
・フッ素系界面活性剤(固形分2.0質量%) 0.43部
〜酸化チタン分散液〜
ダイノミル分散機を用いて、体積平均粒子径が0.42μmの酸化チタンが分散された下記組成の酸化チタン分散液を調製した。なお、酸化チタンの体積平均粒子径は、ハネウェル社製のマイクロトラックFRAを用いて測定した。
(酸化チタン分散液の組成)
・酸化チタン 455.8部
〔タイペーク(登録商標)CR−95、石原産業社製、粉体〕
・ポリビニルアルコール(PVA)水溶液 227.9部
〔PVA−105、クラレ社製、固形分10質量%〕
・分散剤 5.5部
〔デモール(登録商標)EP、花王社製、固形分25質量%〕
・蒸留水 287.5部
<オレフィン樹脂層の形成>
下記のオレフィン樹脂層形成用の塗布液を、中間着色層の上に塗布し、170℃で2分間乾燥させ、乾燥後の厚みが0.5μmのオレフィン樹脂層を形成した。
(オレフィン樹脂層形成用塗布液の組成)
・蒸留水 74.15部
・オキサゾリン系架橋剤 4.33部
〔エポクロス(登録商標)WS−700、日本触媒社製、固形分25質量%)〕
・オレフィン樹脂水分散物 21.09部
〔アローベース(登録商標)SE1013N、ユニチカ社製、固形分20.2質量%〕
・界面活性剤 0.19部
〔ナロアクティー(登録商標)CL−95、三洋化成工業社製、固形分5質量%水希釈液〕
・フッ素系界面活性剤(固形分2.0質量%) 0.24部
<耐候性層Aの形成>
基材フィルムの下塗り層を形成した側とは反対側に、下記の耐候性層A形成用塗布液を塗布し、170℃で2分間乾燥させ、乾燥後の厚みが8.5μmの耐候性層Aを形成した。
(耐候性層A形成用塗布液の組成)
・蒸留水 0.76部
・上記の酸化チタン分散液(固形分49質量%)49.48部
・オキサゾリン系架橋剤 11.22部
〔エポクロス(登録商標)WS−700、日本触媒社製、固形分25質量%)〕
・リン酸水素二アンモニウム 1.20部
〔日本化学工業社製、固形分35質量%水希釈液〕
・アクリル・シリコーン樹脂水分散物 36.43部
〔セラネート(登録商標)WSA1070、DIC社製、固形分38.5質量%〕
・フッ素系界面活性(固形分2.0質量%) 0.91部
<耐候性層Bの形成>
下記の耐候性層B形成用塗布液を、基材フィルムの耐候性層Aの上に塗布し、170℃で2分間乾燥させ、乾燥後の厚みが1μmの耐候性層Bを形成した。
(耐候性層B形成用塗布液の組成)
・蒸留水 45.05部
・界面活性剤 0.72部
〔ナロアクティー(登録商標)CL−95、三洋化成工業社製、固形分5質量%水希釈液〕
・コロイダルシリカ 2.35部
〔スノーテックス(登録商標)UP、日産化学社製、固形分2質量%水希釈液〕
・シランカップリング剤 2.35部
〔TSL8340、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル社製、固形分2質量%水希釈液〕
・滑剤 12.45部
〔ケミパール(登録商標)W950、三井化学社製、固形分5質量%水希釈液〕
・フッ素樹脂 20.69部
〔オブリガート(登録商標)SW0011F、AGCコーテック社製、固形分36.1質量%〕
・オキサゾリン系架橋剤 5.98部
〔エポクロス(登録商標)WS−700、日本触媒社製、固形分25質量%)〕
・リン酸水素二アンモニウム 0.64部
〔日本化学工業社製、固形分35質量%水希釈液〕
・エタノール 9.76部
〔関東化学社製、49質量%水希釈液〕
以上のように、基材フィルムの下塗り層を形成した側に、易接着層として中間着色層及びオレフィン樹脂層をこの順で形成し、基材フィルムの下塗り層を形成した側とは反対側に、耐候性層として耐候性層A及び耐候性層Bをこの順で形成し、総厚み270μmの裏面保護材を作製した。
すなわち、作製された裏面保護材は、図2に示すように、太陽電池モジュールとしたときに裏面側封止材と接する側から、オレフィン樹脂層11、中間着色層12、下塗り層13、基材フィルム14、耐候性層A15、及び耐候性層B16をこの順に有する。
<太陽電池モジュール作製>
図1に示すように、表面保護材1である厚さ3.2mmの太陽電池用型板ガラス(日本板硝子社製Sunplus SM)と、受光面側封止材2(Shezhen Sveck Technology社製、エチレン・ビニルアセテート共重合体(EVA) SVK−15297)と、結晶系太陽電池素子3(Hanwha Q CELLS社製 Q6LMX3)と、裏面側封止材4(Hangzhou first PV material社製EVA F806)と、上記で作製した裏面保護材5と、をこの順に重ね合わせ、積層体とした。この際、裏面保護材は、オレフィン樹脂層が裏面側封止材と接触するように配置した。
積層体は、真空ラミネータ(日清紡(株)製、真空ラミネート機 LAMINATOR0505S)を用いて、145℃、真空引き時間5分、加圧時間10分の条件下でラミネートすることで、各部材間を接着させ、太陽電池モジュールを作製した。
作製した太陽電池モジュールについて、以下に示す評価を実施し、評価結果を表1に示した。
<スネイルトレイル試験>
[スネイルトレイル試験用サンプルの作製]
上記で作製した太陽電池モジュールを高さ1mから落下させて、意図的に太陽電池素子にクラックを発生させたスネイルトレイル試験用サンプルを作製した。太陽電池素子におけるクラック発生の有無は、落下させた太陽電池モジュールに逆バイアスを掛けることで太陽電池素子を発光させるElectroLuminescence(EL)検査により確認した。なお、EL検査において発光しない箇所をクラック発生箇所とした。
一度の落下で太陽電池素子にクラックが発生しなかった場合は、落下の操作を繰り返し、都度、EL検査を行い、太陽電池素子のクラックの有無を確認した。
[評価方法]
作製したスネイルトレイル試験用サンプルに、岩崎電気社製アイ スーパーUVテスター SUV−W161を用いて、温度85℃、相対湿度70%の環境下で、100mW/cmの照度で紫外線(UV光)を照射し、経時でスネイルトレイル試験用サンプルを観察した。
経時で観察した結果、いくつかの段階を経て変化が見られた。変化発生の初期ではクラックに沿って太陽電池素子表面が黒変し、次にクラック上の電極部分が黄変し、さらに時間が経過するとクラック上の電極部分の周辺が黄変し、さらに時間が経過すると太陽電池素子周辺部が黄変しクラック上に泡が観測された。
ここでは、試験開始を基準として太陽電池素子表面の黒変が観測された(変化発生の初期)時間をスネイルトレイル発生時間とした。但し、太陽電池素子表面の黒変よりも、クラック上の電極部分の黄変、又はクラック上の泡の発生が先に見られた場合は、黄変又は泡が観測された時間をスネイルトレイル発生時間とした。
上記のように、スネイルトレイル時間を測定し、太陽電池モジュールのスネイルトレイルの発生を評価した。
<封止材の表面抵抗の測定>
表面保護材である5cm×5cm、厚さ3.2mmの太陽電池用型板ガラス(日本板硝子社製Sunplus SM)上に、5cm×5cmの受光面側封止材又は裏面側封止材を2枚重ねて配置し、上記太陽電池モジュール作製と同じ条件でラミネートすることで、封止材モデル膜を作製した。
封止材モデル膜をエスペック社製の小型環境試験機SH−242に投入し、温度85℃、相対湿度70%の環境下に3時間以上放置することで封止材モデル膜を調湿した。
調湿した封止材モデル膜の表面抵抗を、三菱化学アナリテック社製ハイレスターUX MCP−HT800を用いて測定した。
封止材モデル膜に、岩崎電気社製アイ スーパーUVテスター SUV−W161を用いて、温度85℃、相対湿度70%の環境下で、100mW/cmの照度で紫外線を80時間照射し、紫外線照射後の封止材モデル膜の表面抵抗を上記と同条件で測定した。
紫外線照射前後の封止材モデル膜の表面抵抗の対数値の差の絶対値ΔLog(SR)(Log(Ω/square))を算出した。
<封止材の膜面pHの測定>
封止材の表面抵抗の測定において作製した封止材モデル膜と同様の手順で封止材モデル膜を作製した。
封止材モデル膜に、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、イオン交換水0.5mlを滴下して、滴下30秒後の25℃での膜面pH値を、堀場製作所製LAQUA F72FフラットISFET pH電極を用いて測定した。
封止材モデル膜に、岩崎電気社製アイ スーパーUVテスター SUV−W161を用いて、温度85℃、相対湿度70%の環境下で、100mW/cmの照度で紫外線を80時間照射し、紫外線照射後の封止材モデル膜の膜面pHを上記と同条件で測定した。
紫外線照射前後の封止材モデル膜の膜面pHの差の絶対値ΔpHを算出した。
<裏面保護材の水蒸気透過率の測定>
水蒸気透過率は、7cmφに切り出した裏面保護材を、温度30℃、相対湿度10%で調湿した後、カップ法(JIS Z 0208:1976)により温度40℃、相対湿度90%における水蒸気透過率(g/m・day)を測定した。
<裏面側封止材と裏面保護材との密着性評価>
裏面保護材を25mm(TD)×150mm(MD)のサイズにカットした。次に、25mm×75mm×厚さ5mmのサイズのガラス板上に同サイズの裏面側封止材を重ね合わせ、裏面保護材のオレフィン樹脂層が裏面側封止材と接するように重ね合わせ、145℃、真空引き時間5分、加圧時間10分の条件下で日清紡メカトロニクス社製真空ラミネート装置(LAMINATOR0505S)を用いてラミネートすることで、密着性評価用サンプルを作製した。
密着性評価用サンプルを、温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間以上調湿した後、カッターで裏面保護材のMDに2本の切れ込みを入れ、10mm(TD)×75mm(MD)の測定領域を作製した。測定領域が作製された密着性評価用サンプルを、エスペック社製高度加速寿命試験装置EHS−221MDを用いて温度120℃、相対湿度100%の環境下に60時間保存した。
60時経過後のサンプルについて、10mm幅の部分を、剥離速度100mm/min、剥離角度180°の条件で、テンシロンにより引張試験を行い、剥離応力を測定した。
測定された剥離応力を密着力として、以下の評価基準に基づき、裏面側封止材と裏面保護材との密着性を評価した。密着力の数値が高い程、高温高湿条件下での密着性に優れる。
−評価基準−
4:密着力が7N/mm以上である。
3:密着力が6N/mm以上、7N/mm未満である。
2:密着力が4N/mm以上、6N/mm未満である。
1:密着力が4N/mm未満である。
(実施例2〜実施例3、比較例2〜比較例3)
実施例1において、受光面側封止材を表1に示す封止材に変更した以外は、同様にして太陽電池モジュールを作製した。
(実施例4)
実施例1において、受光面側封止材を表1に示す封止材に変更し、ラミネートの条件を、150℃、真空引き時間10分、加圧時間10分に変更したこと以外は、同様にして太陽電池モジュールを作製した。
(実施例5)
実施例1において、受光面側封止材を表1に示す封止材に変更し、ラミネートの条件を、160℃、真空引き時間10分、加圧時間10分に変更したこと以外は、同様にして太陽電池モジュールを作製した。
(実施例6)
実施例2において、基材フィルムの厚みを310μm(裏面保護材の総厚みを330μm)に変更した以外は同様にして太陽電池モジュールを作製した。
(実施例7)
実施例2において、基材フィルムの厚みを200μm(裏面保護材の総厚みを220μm)に変更した以外は同様にして太陽電池モジュールを作製した。
(実施例8)
実施例2において、基材フィルムの厚みを150μm(裏面保護材の総厚みを170μm)に変更した以外は同様にして太陽電池モジュールを作製した。
(実施例9)
実施例2において、基材フィルムの厚みを120μm(裏面保護材の総厚みを140μm)に変更した以外は同様にして太陽電池モジュールを作製した。
(実施例10)
実施例2において、基材フィルムの厚みを80μm(裏面保護材の総厚みを100μm)に変更した以外は同様にして太陽電池モジュールを作製した。
(実施例11)
実施例2において、基材フィルムの厚みを70μm(裏面保護材の総厚みを90μm)に変更した以外は同様にして太陽電池モジュールを作製した。
(実施例12)
実施例2において、裏面側封止材をF806Pに変更した以外は同様にして太陽電池モジュールを作製した。
(実施例13)
実施例9において、受光面側封止材及び裏面側封止材の両方をF806PSに変更した以外は同様にして太陽電池モジュールを作製した。
(実施例14)
実施例9において、受光面側封止材及び裏面側封止材の両方をTF8に変更した以外は同様にして太陽電池モジュールを作製した。
(実施例15)
実施例9において、受光面側封止材をF806PSに変更し、裏面側封止材をTF8に変更した以外は同様にして太陽電池モジュールを作製した。
(比較例1)
実施例1において、受光面側封止材をF806に変更した以外は同様にして太陽電池モジュールを作製した。
作製した各実施例及び比較例の太陽電池モジュールについて、上記の各評価を実施し、評価結果を表1に示した。
表1中の記載について説明する。
SVK−15297:Shezhen Sveck Technology社製、EVA
F806:Hangzhou first PV material社製、EVA
F806P:Hangzhou first PV material社製、EVA
TF8:Hangzhou first PV material社製、オレフィン樹脂
PV5400:デュポン社製、アイオノマー
F806PS:Hangzhou first PV material社製、EVA
F406:Hangzhou first PV material社製、EVA
FLCE−51:CI化成社製、EVA
表1より、実施例の太陽電池モジュールはいずれもスネイルトレイルの発生が抑制され、封止材と裏面保護材との密着性に優れることがわかる。
1・・・表面保護材
2・・・受光面側封止材
3・・・太陽電池素子
4・・・裏面側封止材
5・・・裏面保護材
11・・・オレフィン樹脂層
12・・・中間着色層
13・・・下塗り層
14・・・基材フィルム
15・・・耐候性層A
16・・・耐候性層B

Claims (7)

  1. 表面保護材と、
    温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度85℃、相対湿度70%の環境下で測定された表面抵抗の対数値の差の絶対値が0.5未満であり、かつ、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定された膜面pHの差の絶対値が1.0未満である受光面側封止材と、
    太陽電池素子と、
    裏面側封止材と、
    裏面保護材と、
    を有し、前記表面保護材及び前記裏面保護材の少なくとも一方が樹脂を含む太陽電池モジュール。前記表面抵抗の単位はΩ/squareである。
  2. 前記表面抵抗の対数値の差の絶対値が0.4以下であり、前記膜面pHの差の絶対値が0.8以下である請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記受光面側封止材及び前記裏面側封止材の少なくとも一方が、エチレン・ビニルアセテート共重合体及びオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は請求項2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記裏面保護材の水蒸気透過率が、3.0g/m・day以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記裏面保護材の厚みが、100μm以上である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記裏面保護材の厚みが、100μm以上310μm以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記裏面側封止材は、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度85℃、相対湿度70%の環境下で測定された表面抵抗の対数値の差の絶対値が0.5未満であり、かつ、温度85℃、相対湿度70%の環境下において100mW/cmの紫外線が80時間照射された前後の、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定された膜面pHの差の絶対値が1.0未満である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
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