JP2016207484A - コネクタ - Google Patents

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岡本 昌樹
Masaki Okamoto
昌樹 岡本
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Abstract

【課題】締結部品の締め忘れを検知する。【解決手段】本明細書によって開示されるコネクタ10は、機器の筐体1内に固定された被締結部(ナット5)に対し締結部品(ボルトB)を締結することで取り付けられるコネクタ10であって、締結部品を内部に収容するとともに締結部品を外部に臨ませる作業用開口24が設けられたハウジング20と、正規の嵌合位置で作業用開口24に嵌合して閉止するカバー90とを備え、カバー90は、締結部品と対向して配される第1検知部91を有しており、被締結部に対する締結が完了する前においては第1検知部91が締結部品に接触することでカバー90が正規の嵌合位置に至らない構成とした。【選択図】図9

Description

本明細書によって開示される技術は、コネクタに関する。
従来、機器のケースに取り付けられるコネクタとして、例えば特開2012−252858号公報(下記特許文献1)に記載のものが知られている。このコネクタは、機器のケースに設けられたコネクタ取付部に取り付けられるコネクタハウジングを備え、このコネクタハウジングは、シールドシェルと、インナハウジングとを備えている。シールドシェルには、端子金具を収容する端子金具収容部が設けられている。端子金具は、コネクタ取付部に設けられた電極に接触する電気接触部を有し、この電気接触部には、当該電気接触部と電極をボルトで固定するためのボルト孔が設けられている。また、端子金具収容部には、ボルトを締結する際の作業用開口としての開口部が設けられており、この開口部にキャップを取り付けることで開口部が閉止され、端子金具収容部の内部が止水される。
特開2012−252858号公報
しかしながら、上記のコネクタでは、ボルトの締め忘れがあった場合に、締め忘れを検知する手段が講じられていない。加えて、一旦キャップで開口部を閉止してしまうと、もはやボルトの締結状態を目視で確認することができなくなる。
本明細書によって開示されるコネクタは、機器の筐体内に固定された被締結部に対し締結部品を締結することで取り付けられるコネクタであって、前記締結部品を内部に収容するとともに前記締結部品を外部に臨ませる作業用開口が設けられたハウジングと、正規の嵌合位置で前記作業用開口に嵌合して閉止するカバーとを備え、前記カバーは、前記締結部品と対向して配される第1検知部を有しており、前記被締結部に対する締結が完了する前においては前記第1検知部が前記締結部品に接触することで前記カバーが前記正規の嵌合位置に至らない構成とした。
このような構成によると、カバーが正規の嵌合位置に至らないため、カバーが作業用開口から浮いた状態になる。したがって、カバーの浮き具合を確認するだけで締結部品の締め忘れを検知することができる。
本明細書によって開示されるコネクタは、以下の構成としてもよい。
前記被締結部に配された相手端子に接続される端子を備え、前記締結部品を前記被締結部に締結することで前記端子が前記相手端子に導通可能に接続される構成としてもよい。
このような構成によると、締結部品の締め忘れによる端子と相手端子との導通不良を未然に防ぐことができる。
前記ハウジングは、前記端子が後方から挿入されて装着される端子装着部と、前記端子を前記端子装着部に保持するランスとを備え、前記カバーは、前記正規の嵌合位置で前記ランスと締結方向に対向して配される第2検知部を有しており、前記端子が前記端子装着部に対して半挿入状態にあるときには前記ランスが前記端子に乗り上げた状態となって前記第2検知部が前記ランスに接触することで前記カバーが前記正規の嵌合位置に至らない構成としてもよい。
このような構成によると、カバーの浮き具合を確認するだけで端子の半挿入を検知することができる。
本明細書によって開示されるコネクタによれば、締結部品の締め忘れを検知することができる。
実施形態におけるコネクタの構成部品を示した分解斜視図 ハウジングの平面図 ハウジングの内部構造を示した断面図 図3の状態からハウジングに円筒状の中継端子を装着した状態を示した断面図 図4の状態からハウジングに端子を装着した状態を示した断面図 図5の状態からハウジングを取付孔に挿入して筐体に装着した状態を示した断面図 図6の状態からボルトを締結した状態を示した断面図 図11の状態から作業用開口にカバーを取り付けた状態を示した断面図 ボルトの締め忘れによりカバーが浮き上がった状態を示した断面図 端子の半挿入によりカバーが浮き上がった状態を示した断面図 カバーの底面図
<実施形態>
実施形態を図1から図11の図面を参照しながら説明する。本実施形態のコネクタ10は、インバータなどの機器の筐体1に取り付けられる大電流用のシールドコネクタであって、図1に示すように、ハウジング20、複数の円筒状の中継端子(以下、「中継端子」と略していう)30、複数の端子40、複数のゴム栓50、バックリテーナ60、シールドシェル70、かしめリング80、カバー90などを備えて構成されている。一方、機器の筐体1には、図6に示すように、取付孔2が上方に開口して設けられ、取付孔2の下方には、ナット5が固定された端子台3、相手端子4などが配設されている。
ハウジング20は合成樹脂製であって、図2に示すように、中継端子30が装着される中継端子装着部21と、端子40が装着される端子装着部22と、カバー90が装着されるカバー装着部23とを備え、カバー装着部23には作業用開口24が上方に開口して設けられている。カバー装着部23には複数の中継端子30を装着する複数の装着孔25が上下方向に貫通して設けられている。各装着孔25は、作業用開口24を通して取付孔2の上方(外部)に露出している。
中継端子30は導電性の金属からなり、図1に示すように、円筒状をなして上下方向に延びる中継端子本体31と、中継端子本体31の上端部から径方向外側に突出するフランジ部32とを備えて構成されている。フランジ部32は、略長円形状をなし、隣り合う一対のフランジ部32のうち最も接近する対向部が直線状に形成されている。このため、複数の中継端子30を狭ピッチで配設することができるようになっている。
一方、図4に示すように、中継端子装着部21における装着孔25の開口縁部25Aは、装着孔25よりも拡径されており、フランジ部32に下方から係止することで中継端子30が装着孔25の下方に脱落することを防止するようになっている。中継端子30の軸心が上下方向(締結方向)に延びる形態でフランジ部32が開口縁部25Aによって支持された状態では、中継端子本体31の下端部が、中継端子装着部21の下端部から下方に突出して外部に露出して配される。一方、中継端子本体31の上端側に位置する締結面33は、ハウジング20の作業用開口24から外部に臨んでいる。
図8に示すように、中継端子装着部21の外周面には、第1ゴムリング51が嵌着されており、中継端子装着部21を取付孔2に挿入すると、第1ゴムリング51が中継端子装着部21の外周面と取付孔2の内周面との間に挟持され、取付孔2から筐体1の内部に水が浸入することを防止できる。同様に、カバー90の外周面には、第2ゴムリング52が嵌着されており、カバー90を作業用開口24に挿入すると、第2ゴムリング52がカバー90の外周面と作業用開口24の内周面との間に挟持され、作業用開口24からハウジング20の内部に水が浸入することを防止できる。
端子40は丸端子であって、電線Wの端末に接続されており、電線Wにはゴム栓50が外嵌されている。このゴム栓50は、端子装着部22の開口縁部22Aに内嵌されている。また、端子装着部22の開口縁部22Aにおけるゴム栓50の後方には、バックリテーナ60が装着されており、このバックリテーナ60によってゴム栓50が抜け止めされている。ゴム栓50は、電線Wの外周面と端子装着部22の開口縁部22Aの内周面との間に挟持され、端子装着部22の後端開口からハウジング20の内部に水が浸入することを防止できる。
端子装着部22の外周面にはシールドシェル70が外嵌されている。また、シールドシェル70の外周面にはかしめリング80が外嵌され、このかしめリング80をかしめて圧着することで、図示しないシールド部材がシールドシェル70の外周面に圧着されて接続される。
端子40は、ボルトBによって中継端子30の締結面33に締結される接続部41を有しており、この接続部41には、ボルトBの軸部B1が貫通して配される貫通孔42が設けられている。ボルトBの頭部B2には、ワッシャーが一体的に組み込まれており、頭部B2のワッシャー部分が接続部41に押圧されることで接続部41が頭部B2と中継端子30の締結面33との間に狭圧され、中継端子30と端子40が導通可能に接続される。
また、接続部41には、カバー装着部23に設けられたランス26が嵌まり込んで係止するランスホール43が設けられている。ランス26は、片持ち状をなして前方に延びる形態をなしている。また、ランス26は、端子40を端子装着部22内に後方から挿入する過程では、一旦端子40に乗り上げて撓んだ状態となり、端子40が正規の挿入位置に至ると、弾性的に復帰することでランスホール43に嵌まり込む。これにより、端子40が後方に引っ張られた場合、ランスホール43の内壁にランス26が後方から係止することで、端子40が抜け止めされる。
中継端子30には、ボルトBの軸部B1を挿通させる挿通孔34が設けられている。この挿通孔34は、中継端子本体31とフランジ部32の双方を貫通する形態をなしている。挿通孔34に挿通された軸部B1は、中継端子本体31の下端から下方に突出しており、筐体1内の端子台3を構成するナット5に締結されるようになっている。これにより、端子40と中継端子30と相手端子4とがボルトBの頭部B2とナット5の間に狭圧され、端子40と相手端子4が中継端子30を介して導通可能に接続される。
さて、図11に示すように、カバー90におけるカバー装着部23側の面には複数の第1検知部91と複数の第2検知部92とが設けられている。複数の第1検知部91は、等間隔で直線状に並んで配され、複数の第2検知部92も、複数の第1検知部91と同じ間隔で直線状に並んで配されている。両検知部91、92は、いずれも円形状とされている。
図8に示すように、ボルトBとナット5の締結が完了している場合には、第1検知部91の下面がボルトBの頭部B2の上面に対してほぼ隙間なく対向状態で配される。同様に、第2検知部92の下面は、ランス26の上面に対してほぼ隙間なく対向状態で配される。このため、カバー90は正規の嵌合位置で作業用開口24に嵌合して閉止するようになっている。
ところが、図9に示すように、ボルトBとナット5の締結が完了する前にボルトBの締め込みを終了してしまった場合、すなわちボルトBの締め忘れがあった場合には、第1検知部91の下面がボルトBの頭部B2の上面に接触することでカバー90の嵌合が停止される。このため、カバー90は、作業用開口24から少し浮いた状態となる。これにより、作業者はカバー90の浮き具合を見ることによりボルトBの締め忘れの有無を検知することができる。
また、図10に示すように、端子40が端子装着部22に対して半挿入状態にあるときにはランス26が端子40の接続部41に乗り上げた状態となり、このランス26に第2検知部92の下面が接触することでカバー90の嵌合が停止される。このため、カバー90は、作業用開口24から少し浮いた状態となる。これにより、作業者はカバー90の浮き具合を見ることにより端子40の半挿入の有無を検知することができる。
本実施形態は以上のような構成であって、続いてコネクタ10の組立手順を説明する。図3に示すように、ハウジング20の中継端子装着部21の外周面に第1ゴムリング51を嵌着しておく。次に、図4に示すように、複数の中継端子30を各装着孔25に挿入し、中継端子装着部21に組み付ける。このとき、フランジ部32が装着孔25の開口縁部25Aに嵌まるように挿入することで、各中継端子30が周方向に位置決めされる。また、フランジ部32が装着孔25の開口縁部25Aに下方から支持されることで、各中継端子30の脱落が防止される。
次に、図5に示すように、端子40を端子装着部22内に後方から挿入すると、端子装着部22に設けられたランス26が係止することで端子40が抜け止めされる。また、予め電線Wに先通しされたゴム栓50およびバックリテーナ60を端子装着部22の開口縁部22Aに後方から組み付ける。次に、図6に示すように、シールドシェル70を端子装着部22の外周面に嵌着し、かしめリング80によって図示しない編組線をシールドシェル70に圧着する。こうして、コネクタ10が組み立てられる。
次に、コネクタ10を筐体1に取り付ける方法について簡単に説明する。中継端子装着部21を取付孔2に挿入していくと、図7に示すように、第1ゴムリング51が中継端子装着部21の外周面と取付孔2の内周面との間に挟持される。中継端子装着部21の挿入の過程では、中継端子30の下端部が相手端子4に当接し、その後も挿入を続けると、中継端子30が中継端子装着部21に対して上方へ移動する。カバー装着部23の底壁23Aが取付孔2の開口縁部2Aに突き当たると、中継端子装着部21の挿入が完了し、端子40の接続部41と中継端子30と相手端子4とが、ボルトBの締結方向に並んで配置される。
次に、中継端子30の挿通孔34を通してナット5の中心位置を目視で確認しつつ、ボルトBの軸部B1を挿通孔34に挿通させてナット5に締結することにより、端子40と中継端子30と相手端子4とがボルトBとナット5により一括して締結され、端子40と相手端子4が中継端子30を介して導通可能に接続される。これにより、各ボルトBは、作業用開口24から外部に臨んだ状態となる。次に、図8に示すように、カバー90をカバー装着部23の作業用開口24に嵌合し、作業用開口24がカバー90によって閉止されるとともに、第2ゴムリング52がカバー90の外周面と作業用開口24の内周面との間に挟持される。こうして、コネクタ10が筐体1にシール状態で取り付けられる。
仮に、ボルトBの締め忘れや端子40の半挿入などがあった場合には、図9および図10に示すように、第1検知部91の下面がボルトBの頭部B2の上面に当接することになるため、カバー90を嵌合することができなくなり、何らかの異常があったことを察知できる。そして、カバー90を外してカバー装着部23の内部を確認することにより、ボルトBの締め忘れや端子40の半挿入といった不具合を検知できる。これら以外に不具合の発生する原因としては、異物混入、カバー90やハウジング20の要因、端子台3や相手端子4の要因などが考えられる。これらの不具合について、カバー90を作業用開口24に嵌合するという簡易な作業のみで検知することができる。
以上のように本実施形態のコネクタ10は、機器の筐体1内に固定された被締結部(ナット5)に対し締結部品(ボルトB)を締結することで取り付けられるコネクタ10であって、締結部品を内部に収容するとともに締結部品を外部に臨ませる作業用開口24が設けられたハウジング20と、正規の嵌合位置で作業用開口24に嵌合して閉止するカバー90とを備え、カバー90は、締結部品と対向して配される第1検知部91を有しており、被締結部に対する締結が完了する前においては第1検知部91が締結部品に接触することでカバー90が正規の嵌合位置に至らない構成とした。
このような構成によると、カバー90が正規の嵌合位置に至らないため、カバー90が作業用開口24から浮いた状態になる。したがって、カバー90の浮き具合を確認するだけで締結部品の締め忘れを検知することができる。
被締結部に配された相手端子4に接続される端子40を備え、締結部品を被締結部に締結することで端子40が相手端子4に導通可能に接続される構成としてもよい。
このような構成によると、締結部品の締め忘れによる端子40と相手端子4との導通不良を未然に防ぐことができる。
ハウジング20は、端子40が後方から挿入されて装着される端子装着部22と、端子40を端子装着部22に保持するランス26とを備え、カバー90は、正規の嵌合位置でランス26と締結方向に対向して配される第2検知部92を有しており、端子40が端子装着部22に対して半挿入状態にあるときにはランス26が端子40に乗り上げた状態となって第2検知部92がランス26に接触することでカバー90が正規の嵌合位置に至らない構成としてもよい。
このような構成によると、カバー90の浮き具合を確認するだけで端子40の半挿入を検知することができる。
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では端子台3にナット5を固定しておき、ボルトBをナット5に締結するようにしているものの、端子台にスタッドボルトを固定しておき、そのスタッドボルトに対してナットを締結するようにしてもよい。
(2)上記実施形態では端子40と相手端子4を接続するボルトBの締め忘れを例示しているものの、例えば端子をハウジングに固定するボルトを備えたコネクタの場合には、そのようなボルトの締め忘れを検知するのにカバーを用いてもよい。
(3)上記実施形態では片持ち状のランス26を例示しているものの、両持ち状のランスとしてもよい。
1…筐体
4…相手端子
5…ナット(被締結部)
10…コネクタ
20…ハウジング
24…作業用開口
26…ランス
40…端子
90…カバー
91…第1検知部
92…第2検知部
B…ボルト(締結部品)

Claims (3)

  1. 機器の筐体内に固定された被締結部に対し締結部品を締結することで取り付けられるコネクタであって、
    前記締結部品を内部に収容するとともに前記締結部品を外部に臨ませる作業用開口が設けられたハウジングと、
    正規の嵌合位置で前記作業用開口に嵌合して閉止するカバーとを備え、
    前記カバーは、前記締結部品と対向して配される第1検知部を有しており、前記被締結部に対する締結が完了する前においては前記第1検知部が前記締結部品に接触することで前記カバーが前記正規の嵌合位置に至らないコネクタ。
  2. 前記被締結部に配された相手端子に接続される端子を備え、
    前記締結部品を前記被締結部に締結することで前記端子が前記相手端子に導通可能に接続される請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記ハウジングは、前記端子が後方から挿入されて装着される端子装着部と、前記端子を前記端子装着部に保持するランスとを備え、
    前記カバーは、前記正規の嵌合位置で前記ランスと締結方向に対向して配される第2検知部を有しており、前記端子が前記端子装着部に対して半挿入状態にあるときには前記ランスが前記端子に乗り上げた状態となって前記第2検知部が前記ランスに接触することで前記カバーが前記正規の嵌合位置に至らない請求項2に記載のコネクタ。
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