JP2016206605A - 採光部材、閉鎖部材、建造物 - Google Patents

採光部材、閉鎖部材、建造物 Download PDF

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正弘 波多野
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Abstract

【課題】良好な採光機能を有するとともに、透過して視認される背景等の眺望の視認性を向上することができる採光部材、閉鎖部材、これらを用いた建造物を提供する。【解決手段】採光部材20は、Y方向に対向する入射面20aと出射面20bとを有し、入射面20aから入射した光を偏向して出射面20bから出射させる部材であり、入射面20aと出射面20bとの間に配置され、Y方向と直交するZ方向に沿って複数配列された光を反射する反射面33aを有した光偏向層30を備え、反射面33aは、光反射特性を有する金属により形成され、Z方向となす角度をφとし、0°<φ<90°とし、Y方向おける長さをhとし、隣り合う反射面33aとの配列ピッチをPとしたときに、(h/tanφ)/P≦0.1を満たすことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、建造物の内部に太陽光等の光を採り入れる採光部材、閉鎖部材、及び、これらを備えた建造物に関するものである。
従来、建造物の開口部を通して入射する太陽光等の光を所望の方向に出射させるようにして建造物の内部に光を採光する技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
特許文献1の採光部材(光学素子)は、Z軸方向に空隙が複数配列された構造層を有しており、構造層と空隙とに屈折率差を設けることによって、太陽光等の斜め上方から入射する光を構造層及び空隙の界面において特定の方向に全反射させ、室内側に入射させている。また、特許文献2の採光部材(採光シート)は、凹状溝が複数配列されたレンズ層を有しており、凹状溝内の透明部材とレンズ層とに屈折率差を設けることによって、太陽光等の斜め上方から入射する光を凹状溝及びレンズ層の界面において特定の方向に全反射させ、室内側に入射させている。そのため、このような採光部材は、照明装置等を使わずに自然光を利用して室内を明るくすることができ、省エネルギー効果(照明費用削減)や、快適な室内空間の形成を可能にしている。
特開2011−227120号公報 特開2012−255951号公報
しかし、このように屈折率差を設けることにより採光機能を実現している場合、採光部材を通して視認される反対側の景色等の眺望が、その屈折率差が起因となって歪んでしまい、視認性が低下してしまう問題を生じることがある。
そのため、この問題を回避するために、屈折率差による全反射ではなく、光反射特性を有する金属により形成された反射面を複数配列し、入射した光を特定の方向に反射する形態を採光部材に適用することが考えられる。
しかし、この場合においても、反射面の配列ピッチや、採光部材の厚み方向から見た反射面の幅寸法等によっては採光部材内において回折現象が生じてしまう場合があり、採光部材を透過して見える反対側の景色等の眺望がぼやけたり、歪んだりしてしまい、視認性が低下してしまうことがある。
なお、上述の屈折率差を用いた採光機能においても、回折現象による歪みは生じ得るが、屈折率差により生じる歪みの影響が回折現象に比して大きいため、直接的には問題となっていなかった。
本発明の課題は、良好な採光機能を有するとともに、透過して視認される背景等の眺望の視認性を向上することができる採光部材、閉鎖部材、これらを用いた建造物を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、第1方向(Y方向)に対向する入射面(20a)と出射面(20b)とを有し、前記入射面から入射した光を偏向して前記出射面から出射させる採光部材(20)において、前記入射面と前記出射面との間に配置され、前記第1方向と直交する第2方向(Z方向)に沿って複数配列された光を反射する反射面(33a)を有した光偏向層(30)を備え、前記反射面は、光反射特性を有する金属により形成され、前記第2方向となす角度をφとし、0°<φ<90°とし、前記第1方向おける長さをhとし、隣り合う反射面との配列ピッチをPとしたときに、(h/tanφ)/P≦0.1を満たすこと、を特徴とする採光部材である。
第2の発明は、第1の発明の採光部材(20)において、前記反射面(33a)は、h/P≧1.0を満たすこと、を特徴とする採光部材である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の採光部材(20)において、前記光偏向層(30)の前記入射面側の面又は前記出射面側の面に接合層(21)を更に備えること、を特徴とする採光部材。
第4の発明は、第1の発明又は第2の発明の採光部材(120)において、光透過性を有する第1基材(122)及び第2基材(123)を更に備え、前記光偏向層(130)は、前記第1基材及び前記第2基材間に挟み込まれていること、を特徴とする採光部材である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの発明の採光部材(120)と、前記採光部材の外周縁に設けられた枠部材(111)と、を備える閉鎖部材(111)である。
第6の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの発明の採光部材(20)、又は、第5の発明の閉鎖部材(110)が、壁又は屋根に設けられた開口部(2)に設置されていること、を特徴とする建造物(1)である。
本発明によれば、良好な採光機能を有するとともに、透過して視認される背景等の眺望の視認性を向上することができる。
第1実施形態の採光部材が配置された建造物を説明する図である。 第1実施形態の窓に貼付された採光部材の詳細を説明する図である。 光偏向層の製造方法を説明する図である。 第2実施形態の閉鎖部材の詳細を説明する図である。 変形形態の閉鎖部材を示す斜視図である。 変形形態の閉鎖部材を示す斜視図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の採光部材が配置された建造物を説明する図である。図1(a)は、建造物全体を示す図であり、図1(b)は、開口部に配置される窓及び採光部材の厚み方向から見た正面図である。
図2は、本実施形態の閉鎖部材の詳細を説明する図である。図2(a)は、図1(b)のa部断面を示す図であり、図2(b)は、図2(a)に示す採光部材の一部を示す拡大図である。
なお、図1、図2を含め以下に示す図中及び以下の説明において、理解を容易にするために、採光部材の通常の使用状態における鉛直方向をZ方向とし、水平方向のうち採光部材の厚み方向をY方向とし、その厚み方向に直交する左右方向をX方向とする。この厚み方向(Y方向)のうち、−Y側を建造物の外側(太陽光等の光が入射する側)とし、+Y側を建造物の内側(太陽光等の光が出射する側)とする。
建造物1は、住居やオフィス等として使用される建物であり、図1(a)に示すように、その壁に複数の開口部2が設けられている。
建造物1の開口部2には、図1(a)及び図1(b)に示すように、枠部材11を介して窓12が配置されている。また、この窓12の室内側(建造物の内側、−Y側)の面には、採光部材20が貼付されている。
枠部材11は、窓12を建造物1の開口部2に固定する窓枠であり、例えば、アルミニウム等の金属によって形成されている。
窓12は、建造物1の開口部2を閉鎖する平板状の部材であり、本実施形態では、透明なガラス基板により構成されている。
採光部材20は、太陽光等の光を建造物の内側(室内側)に採り入れるシート状の部材であり、図2(a)に示すように、建造物の外側(−Y側)から順に、接合層21、光偏向層30が積層された構成を有している。
この採光部材20は、その厚み方向(Y方向)において建造物の外側(−Y側)に位置し、太陽光等の光が入射する入射面20aと、この入射面20aとY方向(第1方向)に対向し、建造物の内側(+Y側)に位置し、光が出射する出射面20bとから構成されている。
接合層21は、光偏向層30の建造物の外側(−Y側)の面に沿うようにして設けられた層であり、光透過性を有する粘着剤や、接着剤により構成され、窓12に対して採光部材20を接合する。本実施形態では、この接合層21の−Y側の面が、採光部材20の入射面20aとなる。なお、接合層21は、剥離再貼付可能な粘着剤や、静電気吸着剤等によって構成されるようにして、必要に応じて採光部材20を窓12から剥がしたり、再貼付したりすることができるようにしてもよい。
光偏向層30は、その厚み方向(Y方向)において互いに対向する入射面30a及び出射面30bとを有するシート状の層である。ここで、入射面30aは、光偏向層30の−Y側(建造物の外側)の面であり、建造物の外側から光が入射する面である。また、出射面30bは、光偏向層30の+Y側(建造物の内側)の面であり、光偏向層30を透過した光が出射する面である。なお、光偏向層30の法線方向は、厚み方向に平行であり、採光部材20の法線方向と一致する。
光偏向層30は、この入射面30aから入射した太陽光等の光を偏向して出射面30bから出射させる部材である。
光偏向層30は、図2(a)に示すように、基材31と、基材31の+Y側の面に設けられるベース部32と、基材31の+Y側の面に沿うようにして複数配列され、ベース部32に覆われた反射部33とから構成されており、鉛直上方側(+Z側)から主に入射する太陽光等の光Lを、反射部33の+Z側の面(反射面33a)によって所定の方向に偏向させて、建造物の内側へ向けて出射させる。
基材31は、光偏向層30の+Y側(建造物の内側)の面に設けられた光透過性を有するシート状の部材であり、光偏向層30を支持する支持体である。基材31は、例えば、樹脂製(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリカーボネート(PC)等)の基板等が用いられる。
ベース部32は、光透過性を有する透明な材料(例えば、紫外線硬化性樹脂等)により形成された部材である。このベース部32内には、光偏向層30の入射面30aに沿うようにして反射部33が複数配列されている。
反射部33は、アルミニウムや、銀等の光反射特性を有する金属により形成され、入射面30aから入射した光を出射面30b側へ反射させる部分である。本実施形態の反射部33は、図2に示すように、左右方向に延在し、入射面30aに対して所定の角度(φ)で傾斜した平板状に形成されており、入射面30aに沿うようにして鉛直方向(Z方向)に複数配列されている。この反射部33の平板状の鉛直上側(+Z側)の板面が、入射面30aから入射した光を反射する反射面33aとなる。
ここで、本実施形態の反射部33の反射面33aは、鉛直方向(Z方向、第2方向)となす角度をφとし、0°<φ<90°とし、厚み方向(Y方向、第1方向)における長さをhとし、隣り合う反射面33aとの配列ピッチをPとしたときに、光偏向層30は、以下の式(1)を満たすようにして形成されている。
式(1) (h/tanφ)/P≦0.1
ここで、式(1)中の(h/tanφ)は、図2(b)に示すように、鉛直方向(Z方向)における反射部33の幅Aを示している。このように、反射部33の幅Aと、反射面33aの配列ピッチPとの比が上述の範囲を満たすことによって、反射面33aによる十分な採光機能を発揮させるとともに、採光部材20を透過する光の一部が回折してしまい、採光部材20の反対側の景色等の眺望が歪んでしまうのを抑制することができる。
仮に、(h/tanφ)/Pが0.1よりも大きい場合、反射部33の幅Aに対して配列ピッチPが極端に小さくなるか、若しくは、反射部33の幅Aが配列ピッチPに対して極端に大きくなる。そのため、反射部33の幅Aに対して配列ピッチPが極端に小さくなる場合、隣り合う反射部33の間隔が狭くなりすぎてしまい、採光部材20を透過する光に回折が生じ易くなり、採光部材20の反対側の景色等の眺望が歪んでしまうので好ましくない。また、反射部33の幅Aが配列ピッチPに対して極端に大きくなる場合、採光部材20の厚み方向(Y方向)から見て、反射部33によって視界が遮られる面積が大きくなりすぎてしまい、採光部材20の反対側の景色等の眺望を視認し難くなるため好ましくない。
なお、上述の効果をより効果的に奏する観点から、反射部33の幅A(=h/tanφ)と配列ピッチPとの比は、(h/tanφ)/P≦0.06を満たすことが更に望ましい。
ここで、上述したように、角度φは0°<φ<90°の範囲に制限されている。これは角度φが90度であると、後述する光偏向層30の製造過程において、反射部33を形成する斜面αを有した単位プリズム32a(図3参照)を賦形する金型の製造が困難となったり、金型からの離型が困難になったりして望ましくない。また、0°以下であると、反射面33aが鉛直方向(Z方向)に平行になってしまい、入射した光を反射面33aにより室内側に偏向して出射させることができなくなり望ましくない。
また、光偏向層30は、太陽光等の光を十分に室内側に採り入れる観点から、反射部33の長さhと、配列ピッチPとの関係が、以下の式(2)を満たすようにして形成されている。
式(2) h/P≧1.0
仮に、h/Pが1.0未満である場合、配列ピッチPに対して長さhが短くなりすぎてしまい、入射面20aから入射する太陽光等の光を十分に反射部33において反射することができなくなるため望ましくない。
次に、本実施形態の光偏向層30の製造方法の一例を説明する。
図3は、光偏向層30の製造方法を説明する図である。図3の各図は、光偏向層30の製造過程をそれぞれ示している。また、図3の各図は、厚み方向(Y方向)に平行であって、反射部の配列方向(Z方向)に平行な断面における断面形状を示している。
まず、図3(a)に示すように、基材31を準備する。
そして、図3(b)に示すように、斜面α及び斜面βを有した単位プリズム32aを賦形する金型にベース部32を形成する樹脂(例えば、紫外線硬化性樹脂等)を充填し、その充填した樹脂上に基材31を押し当てて、紫外線を照射して樹脂を硬化させた後に離型する。これにより、基材31上に複数配列された単位プリズム32aが形成される。ここで、単位プリズム32aは、YZ断面における断面形状が三角形形状であり、斜面αと基材31の板面とがなす角度がφとなるように形成される。
次に、図3(c)に示すように、基材31上に形成された単位プリズム32aの斜面αに対して、真空蒸着法により反射部33を形成する。
具体的には、単位プリズム32aが形成された基材31を真空蒸着装置内に配置し、斜面αと対向する位置に不図示の蒸着源や、蒸着方向を制御する制御板等を配置する。そして、真空蒸着装置内を所定の真空度に引いた上で、蒸着源を加熱し、溶融させ、蒸着金属(例えば、アルミニウム等)を斜面αへ飛翔させる。これにより、単位プリズム32aの斜面αには、蒸着金属が付着し、反射部33が形成されることとなる。なお、反射部33の厚みは、例えば、50nm〜100nmの範囲で形成される。
続いて、図3(d)に示すように、基材31の単位プリズム32aが形成された側の面上に、ベース部32を形成する樹脂(紫外線硬化性樹脂)を再び充填し、各単位プリズム32a間の凹凸を樹脂層32bによって埋める。
そして、平坦面を有した金型を樹脂層32bに押し当てて、紫外線を照射して樹脂層32bを硬化させた後に離型する。ここで、単位プリズム32a及び樹脂層32bには同様の樹脂が用いられているため、図3(e)に示すように、単位プリズム32aと樹脂層32bとが斜面βにおいて密着し、斜面αに形成された反射部33を覆うようにしてベース部32が基材31上に形成される。以上により、光偏向層30が完成する。
次に、反射部の配列ピッチPや、長さh、角度φが相違する複数(実施例1〜3、比較例)の採光部材を作製し、各採光部材を透過する光の状態の評価結果について説明する。
実施例1の採光部材は、反射部の配列ピッチPが80μmであり、長さhが200μmであり、角度φが88度であり、反射部の幅A(=h/tanφ)が7.0μmに形成されており、反射部の幅Aと配列ピッチPとの比((h/tanφ)/P)が、0.09である。
実施例2の採光部材は、反射部の配列ピッチPが155μmであり、長さhが200μmであり、角度φが88度であり、反射部の幅A(=h/tanφ)が7.0μmに形成されており、反射部の幅Aと配列ピッチPとの比((h/tanφ)/P)が、0.05である。
実施例3の採光部材は、反射部の配列ピッチPが80μmであり、長さhが100μmであり、角度φが88度であり、反射部の幅A(=h/tanφ)が3.5μmに形成されており、反射部の幅Aと配列ピッチPとの比((h/tanφ)/P)が、0.04である。
比較例1の採光部材は、反射部の配列ピッチPが80μmであり、長さhが200μmであり、角度φが86度であり、反射部の幅A(=h/tanφ)が14.0μmに形成されており、反射部の幅Aと配列ピッチPとの比((h/tanφ)/P)が、0.17である。
各採光部材を透過する光の状態の評価は、上述の各実施例及び比較例の採光部材の入射面に対して光を入射させた場合において、透過光(0次光)以外、すなわち1次光以上の光のうち回折光となる比率をシミュレーションにより演算した結果と、各採光部材の反対側の景色等の眺望の視認性を測定者の視覚により評価した結果とに基づいて行われた。各採光部材を透過する光の状態の評価結果を以下の表1にまとめる。
Figure 2016206605
ここで、表1中の視認性の評価は、測定者の視覚によって、採光部材の反対側の景色等の眺望にほとんど歪みがなく、クリアな状態であると判定したものを「◎」とし、眺望に若干の歪みが存在するが、比較例に比して十分にクリアな状態であると判定したものを「○」とした。一方、採光部材の反対側の景色等の眺望に明らかな歪みや、ゆがみが存在し、採光部材の反対側の眺望がクリアでないと判定したものを「×」とした。
比較例1の採光部材は、1次光以上の光のうち回折光となる比率が33.0%であり、視認性の評価が「×」であった。
これに対して、実施例1の採光部材は、1次光以上の光のうち回折光となる比率が16.7%であり、視認性の評価が「○」であった。また、実施例2の採光部材は、1次光以上の光のうち回折光となる比率が9.0%であり、視認性の評価が「◎」であった。実施例3の採光部材は、1次光以上の光のうち回折光となる比率が9.5%であり、視認性の評価が「◎」であった。
以上の結果より、視認性の評価が「○」又は「◎」となる場合に、反射部の幅Aと配列ピッチPとの比(A/P=(h/tanφ)/P)が、上述の式(1)、すなわち(h/tanφ)/P≦0.1を満たすことが確認された。
また、特に視認性の評価が「◎」となる場合に、(h/tanφ)/P≦0.06を満たすことも確認された。
更に、1次光以上の光のうち回折光となる比率が低くなることによって、視認性の評価が「○」又は「◎」となる傾向であることが確認された。具体的には、1次光以上の光のうち回折光となる比率が20%を下回る場合に、視認性の評価が「○」又は「◎」となり、同比率が10%を下回る場合に視認性の評価が「◎」となる一方、同比率が30%を超える場合、視認性の評価が「×」となり、1次光以上の光のうち回折光となる比率と視認性の評価とに相関があることが確認された。
以上より、本実施形態の採光部材20は、反射部33の反射面33aが光反射特性を有する金属により形成され、鉛直方向(Z方向、第2方向)となす角度をφとし、0°<φ<90°とし、厚み方向(Y方向、第1方向)おける長さをhとし、隣り合う反射面33aとの配列ピッチをPとしたときに、(h/tanφ)/P≦0.1を満たしている。これにより、採光部材20は、反射面33aによる十分な採光機能を発揮するとともに、採光部材20を透過する光の一部が回折してしまい、採光部材20の反対側の景色等の眺望が歪んでしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態の採光部材20は、h/P≧1.0を満たすので、入射面20aから入射する太陽光等の光を反射部33において反射させ、室内側により効率よく採り入れることができる。
更に、本実施形態の採光部材20は、光偏向層30の入射面30a(入射面20a側の面)に接合層21を備えているので、開口部に設けられた窓に採光部材20を貼付することによって、容易に採光機能を付与することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の閉鎖部材110及び採光部材120について説明する。
図4は、本実施形態の閉鎖部材の詳細を説明する図であり、図2(a)に対応する図である。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態の採光部材120は、図4に示すように、開口部を閉鎖する窓の代わりの閉鎖部材110として枠部材111に設けられている点と、光偏向層130が入射側パネル122及び出射側パネル123に挟み込まれた合わせガラス状の形態となっている点で、上述の第1実施形態の採光部材20と相違する。
閉鎖部材110は、建造物の壁に設けられた開口部に設置される採光用の窓であり、枠部材111と、採光部材120とから構成されている。
枠部材111は、採光部材120を建造物の開口部に固定する枠部材である。
採光部材120は、太陽光等の光を建造物の内側(室内側)に採り入れるシート状の部材であり、図4に示すように、建造物の外側(−Y側)から順に、入射側パネル122、光偏向層130、出射側パネル123が積層された構成を有している。
この採光部材120は、その厚み方向(Y方向)において建造物の外側(−Y側)に位置し、太陽光等の光が入射する入射面120aと、この入射面120aに対向し、建造物の内側(+Y側)に位置して、光が出射する出射面120bとから構成されている。
入射側パネル122及び出射側パネル123は、光偏向層130を挟み込むようにして、光偏向層130の−Y側(建造物の外側)の面上及び+Y側(建造物の内側)の面上に、それぞれ設けられた光透過性を有するガラス基板である。入射側パネル122及び出射側パネル123は、上述のガラス基板の他、光透過性を有する樹脂製の基板等を使用することも可能である。
入射側パネル122は、光偏向層130の−Y側の面に配置され、その−Y側の面が、建造物の外側から入射する太陽光等の光が入射する面となる。なお、本実施形態では、この入射側パネル122の−Y側の面が、採光部材120の入射面120aとなる。
出射側パネル123は、光偏向層130の+Y側の面に配置され、その+Y側の面が、光偏向層130を透過した光が室内側(建造物の内側)へ向けて出射する面となる。本実施形態では、この出射側パネル123の+Y側の面が、採光部材120の出射面120bとなる。
入射側パネル122及び出射側パネル123は、それぞれ光偏向層130に対して、透明な接着層(不図示)により接着されている。この接着層は、例えば、光透過性を有する熱可塑性樹脂等を使用することができる。
以上より、本実施形態の採光部材120は、上述の第1実施形態の採光部材20と同様に、太陽光等の光を反射面133aにより室内側へ反射させて、十分な採光機能を発揮するとともに、採光部材120を透過する光の一部が回折してしまい、採光部材120の背面側の景色等の眺望が歪んでしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態の採光部材120は、光透過性を有する入射側パネル122及び出射側パネル123を更に備え、光偏向層130が入射側パネル122及び出射側パネル123間に挟み込まれているので、採光部材120を合わせガラス状の形態にして閉鎖部材110として実現することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
図5は、変形形態の閉鎖部材を示す斜視図である。
図6は、変形形態の閉鎖部材を示す斜視図である。
(1)上述の第2実施形態において、閉鎖部材110は、窓の代わりに採光部材120が枠部材111に固定される例を示したが、これに限定されるものでない。
例えば、図5に示すように、閉鎖部材210は、窓212、採光部材220がそれぞれ枠部材211a、枠部材211bに固定されており、窓212を固定する枠部材211aが可動溝枠211cに固定され、採光部材220を固定する枠部材211bが左右方向(X方向)に移動可能に可動溝枠211cに保持されるようにしてもよい。ここで、窓212は、建造物の開口部に対応する位置に配置されており、採光部材220は、窓212と対向する対向位置(図5(a)参照)から窓212から退避する退避位置(図5(b)参照)までの間を移動することができる。
また、図6に示すように、閉鎖部材310は、窓312、採光部材320がそれぞれ枠部材311a、枠部材311bに固定されており、窓312を固定する枠部材311aに対して採光部材320を固定する枠部材311bが回転可能に回転機構部311cにより保持されるようにしてもよい。ここで、窓312は、建造物の開口部に対応する位置に配置されており、採光部材320は、回転機構部311cを介して、窓312と対向する対向位置から窓312から退避する退避位置までの間を移動することができる。
上述の図5や図6の形態にすることによって、閉鎖部材は、採光部材を窓(開口部)に対向する対向位置から退避位置までの間を容易に移動させることができるので、外部環境の変化等に応じて、採光部材を使用したり、使用するのをやめたりすることができ、室内環境を調節することができる。
(2)上述の実施形態において、採光部材の反射部は、アルミニウム等の金属を蒸着により形成される例を示したが、これに限定されるものでない。反射部は、例えば、アルミニウム等の光反射特性を有する金属片が含有された塗料を塗布することによって形成されるようにしてもよい。
(3)上述の実施形態において、採光部材は、窓に貼付される形態や、枠部材に固定された閉鎖部材の形態の例で説明したが、これに限定されるものでなく、採光部材20のみが直接開口部2に配置されるようにしてもよい。
また、上述の第1実施形態の採光部材20が枠部材に固定された閉鎖部材の形態にしてもよい。この場合、採光部材20の接合層21には、例えば、光拡散部材等の光制御シートを貼付して、室内側に採り入れられる光を更に調節するようにしてもよい。
(4)上述の第1実施形態において、採光部材20は、窓12の室内側(+Y側)の面に貼付される例を示したが、これに限定されるものでなく、例えば、窓12の建造物の外側(−Y側)の面に貼付されるようにしてもよい。この場合、接合層21は、光偏向層30の出射面20b側(+Y側)の面に設けられる。
(5)上述の実施形態において、採光部材が太陽光等の光を建築物の内側(屋内側)に採り入れる例を示したが、採光部材は、外灯等の屋外照明からの光を採り入れてもよく、光を乗り物の内側に取り入れてもよく、建築物や乗り物の内部に存在する内部照明からの光をある内部区域から他の内部区域に採り入れてもよい。
(6)上述の第2実施形態において、閉鎖部材が建築物の外壁の開口部に設置された窓である例を示したが、閉鎖部材は、戸であってもよく、建築物の内壁や屋根に設置されてもよく、建築物や乗り物の内部に存在するある内部区域と他の内部区域とを区切るための仕切りであってもよい。
1 建造物
2 開口部
11、111、211、311 枠部材
12、112、212、312 窓
20、120、220、320 採光部材
21 接合層
122 入射側パネル
123 出射側パネル
30、130 光偏向層
30a 入射面
30b 出射面
31 ベース部
31a 溝
32 ルーバ部
110、210、310 閉鎖部材

Claims (6)

  1. 第1方向に対向する入射面と出射面とを有し、前記入射面から入射した光を偏向して前記出射面から出射させる採光部材において、
    前記入射面と前記出射面との間に配置され、前記第1方向と直交する第2方向に沿って複数配列された光を反射する反射面を有した光偏向層を備え、
    前記反射面は、光反射特性を有する金属により形成され、前記第2方向となす角度をφとし、0°<φ<90°とし、前記第1方向おける長さをhとし、隣り合う反射面との配列ピッチをPとしたときに、
    (h/tanφ)/P≦0.1を満たすこと、
    を特徴とする採光部材。
  2. 請求項1に記載の採光部材において、
    前記反射面は、h/P≧1.0を満たすこと、
    を特徴とする採光部材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の採光部材において、
    前記光偏向層の前記入射面側の面又は前記出射面側の面に接合層を更に備えること、
    を特徴とする採光部材。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の採光部材において、
    光透過性を有する第1基材及び第2基材を更に備え、
    前記光偏向層は、前記第1基材及び前記第2基材間に挟み込まれていること、
    を特徴とする採光部材。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の採光部材と、
    前記採光部材の外周縁に設けられた枠部材と、
    を備える閉鎖部材。
  6. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の採光部材、又は、請求項5に記載の閉鎖部材が、壁又は屋根に設けられた開口部に設置されていること、
    を特徴とする建造物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019008960A (ja) * 2017-06-23 2019-01-17 大成建設株式会社 採光装置

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