JP2016203868A - ガスタービン式レンジエクステンダーによる回生電力吸収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンジエクステンダー作動時のガスタービンの熱効率を損なうことなく、ガスタービンの余剰回生電力吸収能を高める。
【解決手段】圧縮機12にて圧縮された給気を、タービン排気にて予熱する熱交換器18を備えたガスタービン10により、発電機28を駆動する電動車輌用レンジエクステンダーにおいて、回生制動時にバッテリを充電する電力量を越えて発生した余剰回生電力を吸収する手段とする余剰回生電力吸収装置にして、圧縮機にて圧縮された給気を、熱交換器の手前にて、適宜排出する給気排出弁20が設ける。
【選択図】図1
【解決手段】圧縮機12にて圧縮された給気を、タービン排気にて予熱する熱交換器18を備えたガスタービン10により、発電機28を駆動する電動車輌用レンジエクステンダーにおいて、回生制動時にバッテリを充電する電力量を越えて発生した余剰回生電力を吸収する手段とする余剰回生電力吸収装置にして、圧縮機にて圧縮された給気を、熱交換器の手前にて、適宜排出する給気排出弁20が設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、電動車輌の回生制動時に発生した電力が蓄電池の充電に使用しきれない余剰電力となったときそれを吸収する回生電力吸収装置に係り、特に電動車輌がガスタービンをエンジンとするガスタービン式レンジエクステンダーを備えているとき、該ガスタービン式レンジエクステンダーにより余剰回生電力を吸収することに係る。
電動車輌の走行距離を延ばすレンジエクステンダーとしてレシプロエンジンを備えた電動車輌に於いて、長い下り坂等にて回生制動により発生した電力が蓄電池の充電に使用しきれない余剰電力となったとき、余剰回生電力によりレンジエクステンダーの発電機を電動機として作動させ、レシプロエンジンを摩擦抵抗に抗して駆動して該余剰回生電力を吸収することが、下記の特許文献1に記載されている。また下記の特許文献2には、ガスタービンをレンジエクステンダーのエンジンとすることが記載されている。
上記の技術背景から、電動車輌がガスタービンによるレンジエクステンダーを備えていれば、回生制動により発生した電力が蓄電池の充電に使用しきれない余剰電力となったとき、余剰回生電力によりガスタービンを駆動することが考えられるが、ガスタービンの圧縮機にて圧縮された給気をタービンからの排気により予熱する熱交換器が設けられている場合、該熱交換器が暖機状態にあると、ガスタービンで吸収できる動力量が低下し、余剰回生電力が十分に吸収できなくなる。しかし、一方、その後のレンジエクステンダーの作動に於ける熱効率向上のためには、上記の熱交換器は、敢えて冷却されるべきものではない。
本発明は、上記の事情に着目し、レンジエクステンダー作動時のガスタービンの熱効率を損なうことなく、余剰回生電力吸収時のガスタービンによる余剰回生電力吸収能を高めることを課題としている。
上記の課題を解決すべく、本発明は、圧縮機にて圧縮された給気をタービン排気にて予熱する熱交換器を備えたガスタービンにより発電機を駆動する電動車輌用レンジエクステンダーを車輌の回生制動時にバッテリを充電する電力量を越えて発生した余剰回生電力を吸収する手段とする余剰回生電力吸収装置にして、圧縮機にて圧縮された給気を前記熱交換器の手前にて適宜排出する給気排出弁が設けられていることを特徴とする余剰回生電力吸収装置を提案するものである。
上記の如く、圧縮機にて圧縮された給気をタービン排気にて予熱する熱交換器を備えたガスタービンにより発電機を駆動する電動車輌用レンジエクステンダーを車輌の回生制動時にバッテリを充電する電力量を越えて発生した余剰回生電力を吸収する手段とする余剰回生電力吸収装置に於いて、圧縮機にて圧縮された給気を前記熱交換器の手前にて適宜排出する給気排出弁が設けられていれば、熱交換器が暖機状態にあり、圧縮機にて圧縮された給気の全量がそのままタービンへ導入されたのでは、ガスタービンで吸収できる動力量が低く、余剰回生電力が十分に吸収できない状態でも、前記給気排出弁を開き、熱交換器の手前にて給気を系外へ排出し、タービンへ導入されないようにすることにより、熱交換器の暖機度をその後のレンジエクステンダー作動に備えてできるだけ維持しつつ、ガスタービンの余剰回生電力吸収装置としての機能を高めることができる。
図1は、ガスタービンをエンジンとするレンジエクステンダーではあるが、車輌の回生制動時にバッテリで吸収しきれない余剰回生電力が生じたときそれを吸収する回生電力吸収装置としても作動する装置の構成を示す概略図であり、その構成には、特に本発明による上記の給気排出弁が組み込まれている。この図に於いて、10はガスタービンであり、圧縮機(C)12、タービン(T)14、燃料燃焼器(CC)16、圧縮機にて圧縮された給気をタービン排気にて予熱する熱交換器18を含む従来の構成に加えて、本発明により追加された給気排出弁(CDP)20を備えている。
ガスタービン10は、レンジエクステンダーとして作動するときには、走行制御用電子制御装置(ECU.D)22に連結されたガスタービン制御用電子制御装置(ECU.G)24により制御される燃料制御弁(FMV)26を経て燃料を供給され、電動発電機(M/G)28を駆動し、インバータ/整流器(INV/R)30を経てバッテリ(B)32を充電する。そして更に、ガスタービン10は、車輌の制動時に車輪に連結された電動発電機(M/G)34が車輪の側から駆動されて発電した回生電力がインバータ/整流器(INV/R)36を経てバッテリ32を充電するとき、バッテリにて吸収しきれない余剰回生電力が生ずると、該余剰回生電力によりインバータ/整流器(INV/R)30を経て電動発電機28が駆動されることにより駆動されて余剰回生電力吸収装置として作動する。
ガスタービン10は、それがレンジエクステンダーとして作動するときには、その出力は、図2に破線にて例示する如く、回転数の増大に応じて定格回転数(100%)にて定格出力(100%)になるよう増大する。一方、ガスタービン10は、燃料を供給されることなく電動発電機28により駆動されるとき、もしガスタービン10が直前までレンジエクステンダーとして作動していて、熱交換器18が暖機状態にあると、図2に一点鎖線にて例示する程度しか動力を吸収することができない。この場合、ガスタービン10の余剰回生電力吸収装置としての作動が進行すれば、熱交換器18は次第に冷却され、ガスタービン10の動力吸収能は上昇してくるが、ガスタービンの熱効率は、ガスタービンが冷温始動されるときには、図3に例示する如くかなりの時間をかけて緩やかに上昇するので、ガスタービン10が次にレンジエクステンダーとして作動することを考えると、余剰回生電力吸収作動時に熱交換器18を冷却させないのが好ましい。
そこで、図1に示す如く圧縮機12にて圧縮された給気を熱交換器18に入る手前で排出できる給気排出弁(CDP)20を設け、熱交換器18が暖機状態にあってガスタービン10を余剰回生電力吸収装置として作動させるときには、給気排出弁20を開くようにする。かかる給気排出弁20にて圧縮機12により圧縮された給気を熱交換器18に入る手前で排出することにより、ガスタービン10にて吸収できる余剰回生電力量を図2に実線により示す如く増大させることができる。
図4は、図1に示す装置を作動させる要領を示すフローチャートである。制御が開始されると、ステップ(S)10にて、ガスタービン10に要求される電力PGが演算される。次いで、制御はステップ20へ進み、ガスタービン10による余剰回生電力の吸収が求められているか否か、即ちPG<0であるか否か、が判断される。ガスタービン10による余剰回生電力の吸収が求められておらず、PG<0?の答がNOであれば、制御はステップ30へ進み、給気排出弁CDPは閉じられる。このとき制御はステップ40へ進み、レンジエクステンディングの要不要に応じてガスタービンGTは発電のために運転されるかまたは停止される。
ガスタービン10による余剰回生電力の吸収が求められ、ステップ20の答がYESになると、制御はステップ50へ進み、ガスタービン10に求められている負の電力PGが-100%以下(絶対値で100%以上)であるか否かが判断される。答えがYESであれば、制御はステップ60へ進み、給気排出弁CDP20の開閉をハンチングさせないためのカウント値Ncdpが0にリセットされ、制御はステップ70へ進み、給気排出弁CDP20が開かれる。この場合、制御は給気排出弁CDP20を開いた状態でステップ80へ進み、バッテリの充電状態SOCを最大値SOCmaxに制限しつつ余剰回生電力に応じてガスタービン10が電動発電機28により駆動され、所要の負の値のPGが生成される。
ガスタービン10に求められている負の電力PGが-100%以下でなく(絶対値で100%以下)、ステップ50の答がNOであるときには、制御はステップ90へ進み、タービン出口温度t1が所定の設定温度t1set以下であるか否かが判断される。答がNOであれば、制御はステップ60へ進むが、答がYESであれば、制御はステップ100へ進み、熱交換器18の出口の給気温度t2が所定の設定温度t2set以下であるか否かが判断される。答がNOであれば、制御はステップ60へ進むが、答がYESであれば、制御はステップ110へ進み、カウント値Ncdpが制御開始時またはステップ60にて0にリセットされた状態から始まって1だけカウントアップされる。ついで制御はステップ120へ進み、Ncdpが所定の設定値Nsetを越えたか否かが判断される。かかるフローチャートを巡る制御は数十ミリセカンドの周期にて繰り返されるので、Nsetの値を適当に定めておけば、ステップ90および100の判定が落ち着いたところで、ステップ70へ進むかステップ130へ進むかの判断を行うことができる。ステップ120の答がNOであれば、制御はステップ70へ進むが、答がYESであれば、制御はステップ130へ進み、給気排出弁CDP20が閉じられる。これは、タービン出口温度t1が高くなく且熱交換器18の出口の給気温度t2が高くないときには、給気排出弁CDP20より給気を逃がさなくてもガスタービン10により動力吸収が可能であり、次のレンジエクステンディングのためにガスタービン10の暖機度を保っておいた方がよいからである。尚、ステップ130へ進んだときには、カウント値NcdpはNset+1に抑えられる。制御がステップ130を経てステップ80へ進んだときには、給気排出弁CDP20が閉じられた状態で、バッテリの充電状態SOCを最大値SOCmaxに制限しつつ余剰回生電力に応じてガスタービン10が電動発電機28により駆動される。
上記の如き制御により、バッテリの充電状態SOC、給気排出弁CDP20の開閉、ガスタービンの回転数Ng(%)は、図5に例示する如く変化する。この例では、SOCが時点T1にてSOCmaxになったところで、余剰回生電力をガスタービン10で吸収するには給気排出弁CDP20を開くことが必要となり、時点T2にて回生発電が停止するまでガスタービン10は給気排出弁CDP20を開いた状態で余剰回生電力吸収装置として作動する。
以上に於いては本発明を一つの実施例について詳細に説明したが、かかる実施例について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
10…ガスタービン、12…圧縮機(C)、14…タービン(T)、16…燃料燃焼器(CC)、18…熱交換器、20…給気排出弁(CDP)、22…走行制御用電子制御装置(ECU.D)、24…ガスタービン制御用電子制御装置(ECU.G)、26…燃料制御弁(FMV)、28…電動発電機(M/G)、30…インバータ/整流器(INV/R)、32…バッテリ(B)、34…電動発電機(M/G)、36…インバータ/整流器(INV/R)
Claims (1)
- 圧縮機にて圧縮された給気をタービン排気にて予熱する熱交換器を備えたガスタービンにより発電機を駆動する電動車輌用レンジエクステンダーを車輌の回生制動時にバッテリを充電する電力量を越えて発生した余剰回生電力を吸収する手段とする余剰回生電力吸収装置にして、圧縮機にて圧縮された給気を前記熱交換器の手前にて適宜排出する給気排出弁が設けられていることを特徴とする余剰回生電力吸収装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015089688A JP2016203868A (ja) | 2015-04-24 | 2015-04-24 | ガスタービン式レンジエクステンダーによる回生電力吸収装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015089688A JP2016203868A (ja) | 2015-04-24 | 2015-04-24 | ガスタービン式レンジエクステンダーによる回生電力吸収装置 |
Publications (1)
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JP2016203868A true JP2016203868A (ja) | 2016-12-08 |
Family
ID=57486556
Family Applications (1)
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JP2015089688A Pending JP2016203868A (ja) | 2015-04-24 | 2015-04-24 | ガスタービン式レンジエクステンダーによる回生電力吸収装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2016203868A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110053491A (zh) * | 2019-05-06 | 2019-07-26 | 大连海事大学 | 一种适用于电动汽车的双涡轮微燃机增程器 |
CN110103731A (zh) * | 2019-05-06 | 2019-08-09 | 大连海事大学 | 一种适用于电动汽车的微燃机增程器 |
CN111619372A (zh) * | 2020-06-05 | 2020-09-04 | 北京航空航天大学 | 一种用于电动汽车的微型燃气轮机增程器控制装置 |
-
2015
- 2015-04-24 JP JP2015089688A patent/JP2016203868A/ja active Pending
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