JP2016203045A - 重金属類汚染土壌の処理方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
Description
水洗分級法の場合、土壌磨砕が不十分であると、粗い土壌粒子からの汚染物質または汚染物質を多量に含む微粒子が完全に除去されず、汚染物質を土壌指定基準値以下まで低減できない可能性がある。
また、土壌磨砕時間を長くしたり、粗い土壌粒子表面を完全に研磨する高度磨砕装置を適用したりすることにより、粗い土壌粒子からの汚染物質または汚染物質を多量に含む微粒子の除去率を向上させることは可能であるが、この場合においても高濃度に汚染された土壌では、汚染物質を土壌指定基準値以下まで確実に低減できるとは限らない。さらに、前者はランニングコストの増大、後者は装置イニシャルコストの増大となることが指摘されている。また、磨砕による微粒子量が増加し浄化土壌の歩留まりを低下させることとなる。
加熱処理法の場合、鉛などの重金属類により汚染されている土壌の場合、加熱焼結またはガラス固化状態にするために、加熱焼結:800〜1200℃、ガラス固化:1600〜2000℃まで加熱する必要があり、大量の熱源を必要とし、ランニングコストの増大を招く。
さらに、加熱時に発生する排ガスに対しても適切に処理する付加設備等が必要となり、イニシャルコスト増大につながる。また、汚染物質である鉛などの重金属類を揮発除去していない場合、加熱焼結やガラス固化状態が完全に形成されていないと、汚染物質が再溶出する可能性のあることが指摘されている。
電気泳動法の場合、低電圧、低電流で実施した場合、その浄化速度は非常に遅くなり、浄化完了まで非常に長時間を要する。また、高電圧,高電流で実施した場合、浄化速度は速くなると考えられるが、多量の電力を必要とし、ランニングコストが非常に高いものとなる。また、電極表面が汚染物質等で覆われてしまうと、その除去効率が劣化するため、随時、電極近傍に濃集された汚染物質を除去しなければならず、特別な構造をもった電極及び汚染物質回収装置が必要となることが指摘されている。
例えば、特許文献1には薬剤洗浄により洗浄液に重金属類を移動させ、重金属類を吸着する鉄粉に担持させる方法が記載されている。
また、特許文献2では重金属類汚染土壌スラリーに鉄を含有する鉄含有粒子を混合して重金属類を吸着させた後、磁気にて鉄含有粒子を回収し再利用する方法が記載されている。
この点をより詳細に説明する。
これら重金属類を吸着した鉄粉が回収されず土壌中に点在した場合、土壌の溶出量や含有量基準を再超過する恐れがある。例えば、1(g/kg)の砒素を吸着した鉄粉が土壌に存在し、鉄粉に吸着された砒素が環境変化で全量再溶出すると仮定した場合、砒素の溶出量基準:0.01mg/Lを満たすためには土壌重量に対して0.01%以下の鉄粉量でなければならない。
逆に、吸着材を回収、再利用する場合においては、吸着材の回収率を高めることはランニングコストの低減につながる。
このように、吸着材として鉄粉を利用した場合において、その回収率を高めることが、吸着鉄粉に吸着された重金属類の再溶出を防止して、かつランニングコストの低減には重要であり、これを実現するための方法の開発が望まれていた。
本発明はかかる知見に基づくものであり、具体的には以下の構成を備えてなるものである。
前記第四の工程において、磁力選別、比重選別、篩選別のうち、いずれか1種又は2種以上を組合せた選別方法により鉄粉を分離する第1吸着鉄粉分離工程と、該第1吸着鉄粉分離工程で鉄粉を分離した土壌スラリーに対して接触面が0.6テスラ以上の磁束密度の磁力選別機により前記土壌スラリー内に残置された鉄粉を分離して、該鉄粉の回収率Yが下式を満たすように回収する第2吸着鉄粉分離工程を備えたことを特徴とするものである。
Y≧1−[10×C0/(θ×X)]
但し、
Y:投入鉄粉重量に対する鉄粉回収率(−)
C0:対象重金属の溶出量基準値(mg/L)
θ:対象重金属の土壌溶出量基準値に対して平衡状態における吸着量(g/kg)
X:土壌重量に対する鉄粉添加率(−)
該吸着鉄粉分離装置は、磁力選別、比重選別、篩選別のうち、いずれか1種又は2種以上の組合せからなる第1吸着鉄粉分離装置と、該第1吸着鉄粉分離装置で鉄粉を分離した土壌スラリーに対して接触面が0.6テスラ以上の磁束密度の磁力選別機により前記土壌スラリー内に残置された鉄粉を分離して、該鉄粉の回収率Yが下式を満たすように回収する第2吸着鉄粉分離装置を備えたことを特徴とするものである。
Y≧1−[10×C0/(θ×X)]
但し、
Y:投入鉄粉重量に対する鉄粉回収率(−)
C0:対象重金属の溶出量基準値(mg/L)
θ:対象重金属の土壌溶出量基準値に対して平衡状態における吸着量(g/kg)
X:土壌重量に対する鉄粉添加率(−)
該管体が管体径Dに対して、管体中心間ピッチPがP/D<2となるように前記流路内に千鳥配列されていることを特徴とするものである。
本発明の一実施の形態に係る重金属類汚染土壌の処理方法は、図1に示すように、重金属類汚染土壌を解砕する第一の工程(S1)と、該第一の工程(S1)により解砕された土壌を酸性溶液で洗浄する第二の工程(S2)と、該第二の工程(S2)により酸性溶液により洗浄された土壌に対して、重金属類を吸着する鉄粉を添加混合する第三の工程(S3)と、該第三の工程(S3)により鉄粉が添加された土壌より鉄粉を分離する第四の工程(S4)とを有している。
以下、各工程及び各工程に用いる装置について詳細に説明する。
第一の工程(S1)は、掘削された重金属類汚染土壌を土壌解砕機1により、土壌粒子が凝集し、塊状となった状態から単粒子にときほぐすことを目的とする。
第一の工程(S1)により、単体粒子にときほぐされた土壌は、土壌粒子の大きさごとに分級が可能となる。
また、第二の工程(S2)である酸性溶液による洗浄において、土壌粒子と酸性溶液の接触面積が増大し、洗浄時間が短縮し、汚染物質を除去する効率も向上する。
尚、解砕する前、又は解砕後の土壌から、重金属類汚染物質が付着しやすい炭ガラ、金属片などの異物を比重選別機、磁力選別機、浮遊選別機で取り除いたり、大きな土壌粒子を振動スクリーンで取り除いたりすることが望ましい。
第二の工程(S2)は、第一の工程(S1)で単体粒子にときほぐされた土壌を、酸性溶液を貯留した酸洗浄槽3に投入して洗浄し、土壌粒子表層の溶解作用により土壌表層より重金属類を分離することを目的とする。この第二の工程(S2)を行う理由は、土壌から重金属類を溶液中に溶出(分離)させて吸着に要する混合時間を短くし、また吸着材量を少なくするためである。
ふっ素汚染土壌を対象として、ふっ素溶出量、土壌回収率に及ぼすpHの影響を調査する実験を行った。実験は、ふっ素汚染土壌と塩酸溶液の固液重量比を1:10、ふっ素吸着性を有する鉄粉の添加量を土壌重量に対して3%として、鉄粉添加後10分間混合した後、磁石にて鉄粉を回収し、浄化土壌回収率(重量%)とふっ素溶出低減率(%)を調査するというものである。
実験結果を図2に示す。図2の左側の縦軸は浄化土壌回収率(重量%)を示し、右側の縦軸はふっ素溶出低減率(%)を示し、横軸は酸性溶液を混合した後の土壌のpHを示している。
なぜならば、pHが4.0未満の場合、重金属類を溶解、抽出するほか、土壌を構成する主要鉱物、物質の溶解、抽出比率が増加し、浄化土壌の回収率歩留まりが低下する上、洗浄後の液の処理、その残渣の分離などコストパフォーマンスが著しく低下するため、pH4.0以上が好ましい。さらには、鉄粉を繰り返し使用する場合、pHが4.0未満では、鉄粉表面に吸着した重金属類を剥離、または、脱着する恐れがある。
また、pHが高い場合、土壌粒子表層に付着・結合している、あるいは、地下水等に溶解しやすい状態である重金属類の汚染物質を土壌から効率的に分離することができないため、pH6.0以下が好ましい。
なお、還元性の異なる複数の鉄粉を吸着材として使用、添加する場合は、酸性溶液による土壌からの重金属類の溶液中への溶出(脱離)の阻害作用とならないように還元性の低い鉄粉より順次添加した方がよい。
また、分級はスクリーン、スパイラル分級機、遠心分離機、サイクロンなどを単独または組み合わせて行う。
解砕された重金属類の汚染土壌で粒子径0.075mm未満はシルト・粘土質、粒子径0.075mm以上2.0mm以下は砂質で土壌の性質が異なり、汚染濃度、重金属類を吸着するための鉄粉量の条件が大きく相違するため、本発明では粒子径0.075mm未満と粒子径0.075mm以上2.0mm以下の少なくとも2種類の粒子群に分級してもよい。また、粒子径0.075mm未満と粒子径0.075mm以上2.0mm以下のそれぞれを更に分級しても良い。
第三の工程(S3)は、第二の工程(S2)により酸性溶液により洗浄された土壌に対して、鉄粉混合槽5にて重金属類を吸着する鉄粉を添加混合し、鉄粉に重金属類を担持することを目的とする。
鉄粉としては重金属類を吸着するものであればよいが、重金属類に対する吸着性の観点から、マンガンが0.1重量%から10重量%含有しているものがよく、また、平均粒子径としては、10μmから500μmのものがよい。すなわち、平均粒子径が10μm未満の場合、重金属類を担持した後の土壌と鉄粉の分離が困難であり、また、粒径500μm超の粒径の場合、鉄粉の比表面積が小さくなるため反応性が著しく劣化し、さらに、土壌と混合する場合には、混合容器やその混合スラリーを圧送する配管、ポンプにて詰りや摩耗が発生するためである。
そのため、重金属類を吸着するための鉄粉、または、重金属類を吸着するための鉄粉として使用するために乾式・湿式による表面処理や加工処理を行う前の材料鉄粉においては、水素等の還元ガス雰囲気下にて加熱による還元処理を行うことで熱振動による鉄の拡散進行や結晶粒の粗大化によって比表面積が著しく低下すると推定されるため、還元処理前の鉄粉を用いた方がよい。
第四の工程(S4)は、第三の工程(S3)により鉄粉が添加された土壌より、鉄粉を分離する工程であり、磁力選別、比重選別、篩選別のうち、いずれか1種又は2種以上を組合せた選別方法により鉄粉を分離する第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)と、該第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)で鉄粉を分離した土壌スラリーに対して接触面が0.6テスラ以上の磁束密度の磁力選別機により前記土壌スラリー内に残置された鉄粉を分離して、該鉄粉の回収率Yが下式を満たすように回収する第2吸着鉄粉分離工程(S4-2)を備えている。
Y≧1−[10×C0/(θ×X)]・・・・・・(1)
但し、
Y:投入鉄粉重量に対する鉄粉回収率(−)
C0:対象重金属の溶出量基準値(mg/L)
θ:対象重金属の土壌溶出量基準値に対して平衡状態における吸着量(g/kg)
X:土壌重量に対する鉄粉添加率(−)
第四の工程(S4)においては、吸着鉄粉分離装置6が用いられ、この吸着鉄粉分離装置6は、第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)で用いられる第1吸着鉄粉分離装置7と、第2吸着鉄粉分離工程(S4-2)で用いられる第2吸着鉄粉分離装置9で構成される。
第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)は、磁力選別、比重選別、篩選別のうち、いずれか1種の選別方法によって、鉄粉が添加された土壌より鉄粉を粗分離する工程である。
第1吸着鉄粉分離装置7の具体的な装置としては磁力選別機、スクリーン、スパイラル分級機、遠心分離機、サイクロンなどの既存の装置がある。
第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)で鉄粉を分離した土壌スラリーに対して管体表面が0.6テスラ以上の磁束密度の磁力選別機からなる第2吸着鉄粉分離装置9により前記土壌スラリー内に残置された鉄粉を分離して、該鉄粉の回収率Yが上述の式(1)を満たすように回収する工程である。
ここで、回収率Yが式(1)を満たすようにした理由を説明する。
[鉄粉回収前の単位重量土壌中の重金属量]=X・θ(mg)----- (a)
今、投入鉄粉重量に対する鉄粉の回収率をYとすると、
[鉄粉回収後の単位重量土壌中の重金属量]=X・θ・(1−Y)(mg) ----- (b)
今、対象重金属の溶出量基準値をC0(mg/L)とし、鉄粉に吸着された砒素が環境変化で全量再溶出すると仮定した場合、鉄粉回収後の土壌が対象重金属の溶出量基準以下を満たすためには、
X・θ・(1−Y)/10≦C0 ----- (c)
(c)式を整理すると、
Y≧1−[10×C0/(θ×X)]----- (1)
となり、上記(1)式を満たすように鉄粉を回収することにより、仮に洗浄処理後の土壌において、環境変化が生じた場合においても対象重金属に対する土壌溶出基準を超過する恐れを大幅に低減することができる。
第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)による粗分離後においては土壌と吸着鉄粉との間に粒径や比重等に大きな差異はなく比重選別や篩選別では土壌に残存する鉄粉を分離することは難しい。他方、磁力選別はその特性から粒径や比重等の影響を受けず土壌から吸着鉄粉を分離することができる。
図4は砒素汚染土壌の処理として30回繰り返し使用した後の吸着鉄粉に対して、回収された吸着鉄粉の粒度分布を測定したものである。なお、鉄粉回収方法としては、前段として管体表面の磁束密度が0.3テスラの磁石板を使用し、その後、0.3,0.45,0.6,1.0テスラ磁石板を使用した。
なお、30回繰り返し使用後の吸着鉄粉の金属鉄の重量割合は74重量%であった。
これは、細粒分の鉄粉ほど酸化によって磁性が失われやすく、回収されにくくなっていくためと考えられる。
しかし、細粒分の鉄粉ほど比表面積の関係で鉄粉重量あたりの重金属類の吸着量は大きく、これら吸着鉄粉が回収されず土壌中に点在した場合、土壌溶出量や含有量基準を再超過する恐れがある。したがって、吸着鉄粉の回収率を向上するためには、鉄粉の粗選別後の処理として、管体表面の磁束密度が0.6テスラ以上の磁力選別を行った方がよいことが分かる。
また、第2吸着鉄粉分離工程は(S4-2)は、一つの装置での構成に限定されるのではなく、処理量や吸着鉄粉の添加量などにより複数の装置を直列、または、並列に組み合わせてもよい。
図5は、土壌スラリーと磁気エレメントとの接触時間を長くすることのできる第2吸着鉄粉分離装置9の構造を示す斜視図であり、また図6は図5の矢視A−A線に沿った断面図、図7は図5の矢視B−B線に沿った断面図である。
さらに、管体15と磁気エレメント13とのクリアランスCは小さいほど磁性の低下を抑制することができるが、クリアランスCがあまり小さいと管体15に磁気エレメント13を挿入、引き抜き時に時間、労力を要する。そこで、管体15と磁気エレメント13とのクリアランスCとしては、1〜2mmに設定するのが好ましい。
なお、図5においては土壌スラリーと管体15の接触効果の向上を目的として、第2吸着鉄粉分離装置9の入側と出側で流路11の断面積を変更しているが、特にこれに限定されるものではない。
なお、第四の工程(S4)にて回収された吸着鉄粉は図1の破線の矢印で示すように第三の工程(S3)において使用すればよい。
この場合、第1吸着鉄粉分離装置7の具体的な装置としては磁力選別機、スクリーン、スパイラル分級機、遠心分離機、サイクロンなどの既存の装置を組み合わせて使用すればよい。
また、図11に示すように、土壌解砕機1によって解砕した土壌に対して土壌分級機13を用いて土壌の分級を行って解砕土壌を2つに分け、各解砕土壌ごとに第二の工程(S2)〜第四の工程(S4)を行うようにしてもよい。
なお、図10、図11に示す例では、土壌を粒度によって2つに区分しているが、区分する数は特に限定されるものではなく、土壌の特性や処理後土壌の取り扱い方法によって決定すればよい。
また、図11に示す例では、回収された吸着鉄粉の循環使用を別々の系で実施しているが、これらを統合してひとつの系として、それぞれの粒度区分ごとの土壌に供給するようにしてもよい。
本実施の形態に係る重金属類汚染土壌の処理方法は、第四の工程(S4)における第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)において鉄粉を分離した後の土壌スラリーを、第一の工程(S1)、第二の工程(S2)、第三の工程(S3)のうちの一つ又は複数の工程で処理する処理対象に添加することを特徴とするものである。
具体的には、図13に示すように、第四の工程(S4)における第1吸着鉄粉分離工程(S4-1)において第1吸着鉄粉分離装置7で吸着鉄粉を粗分離した後の土壌スラリーを、土壌スラリー循環装置19を用いて第一の工程(S1)の土壌解砕機1に供給、あるいは第二の工程(S2)の酸洗浄槽3に供給、あるいは第三の工程(S3)の鉄粉混合槽5に供給、またあるいは途中の配管に供給する。
一般に、第1吸着鉄粉分離装置7にて鉄粉を分離した後の土壌スラリーには、まだ所定量の鉄粉が残されている。したがって、第1吸着鉄粉分離装置7を通過後の土壌スラリー中の土壌濃度が低く該土壌スラリーを前工程に再使用しても土壌スラリーに残留する土壌が処理中の土壌に及ぼす影響が小さい場合には、これら土壌スラリーをそのまま第三工程以前に循環することにより回収できなかった鉄粉を繰り返し利用することができ、さらには磁気分離装置9の運転費用を低減することもでき、生産性の向上にも繋がる。
また、図14に示すように、第1吸着鉄粉分離装置7で吸着鉄粉を粗分離した後、土壌分級装置17によって土壌を回収した後の土壌濃度の薄い土壌スラリーを再循環するようにしてもよい。
粘性土である溶出量基準不適合の砒素汚染土壌(砒素溶出量:0.04mg/L)を採取し、パドルミキサーにより100rpm、10分間の解砕を行った後、固液重量比1:2で0.3mol/lの塩酸溶液を添加し、15分間攪拌(攪拌条件:攪拌翼の回転数300rpm)した。この時の塩酸洗浄液のpHは洗浄終了直後で5.3であった。
この土壌スラリーに対し、0.6m3/hにて、前段処理として接触面の磁束密度が0.6テスラのドラム式磁力選別機(回転数5rpm)に供給し鉄粉回収を実施した後、後段処理として前段処理後の土壌スラリーを接触面の磁束密度が0.6テスラのドラム式磁力選別機(回転数5rpm)に供給して砒素吸着鉄粉を回収した。
回収された鉄粉、土壌は風乾を行い、回収量を測定した。また、風乾後の土壌を環境省告示第18号の方法に準拠し、砒素溶出量を測定した。
なお、管体表面の磁束密度は0.6テスラであった。それ以外の条件は実施例1と同じとした。
さらに、実施例3として、後段処理における管体ピッチを180mm、千鳥配列で設置し、それ以外の条件は実施例2と同じとした場合のケースを示す。このケースではピッチP/管径D=180/50=3.6>2という関係になっている。
実施例1、2、3、比較例の実験の結果を表1に示す。
また、実施例2と実施例3を比較すると、ピッチP/管径D<2とした実施例2の方が鉄粉回収量が多く、ピッチP/管径D<2とすることの優位性が実証された。
S2 第二の工程
S3 第三の工程
S4 第四の工程
S4−1 第1吸着鉄粉分離工程
S4−2 第2吸着鉄粉分離工程
1 土壌解砕機
3 酸洗浄槽
5 鉄粉混合槽
6 吸着鉄粉分離装置
7 第1吸着鉄粉分離装置
9 第2吸着鉄粉分離装置
11 流路
13 磁気エレメント
15 管体
17 土壌分級装置
19 土壌スラリー循環装置
Claims (6)
- 重金属類汚染土壌を解砕する第一の工程と、該第一の工程により解砕された土壌を酸性溶液で洗浄する第二の工程と、該第二の工程により酸性溶液により洗浄された土壌に対して、重金属類を吸着する鉄粉を添加混合する第三の工程と、該第三の工程により鉄粉が添加された土壌より鉄粉を分離する第四の工程とを有し、
前記第四の工程において、磁力選別、比重選別、篩選別のうち、いずれか1種又は2種以上を組合せた選別方法により鉄粉を分離する第1吸着鉄粉分離工程と、該第1吸着鉄粉分離工程で鉄粉を分離した土壌スラリーに対して接触面が0.6テスラ以上の磁束密度の磁力選別機により前記土壌スラリー内に残置された鉄粉を分離して、該鉄粉の回収率Yが下式を満たすように回収する第2吸着鉄粉分離工程を備えたことを特徴とする重金属類汚染土壌の処理方法。
Y≧1−[10×C0/(θ×X)]
但し、
Y:投入鉄粉重量に対する鉄粉回収率(−)
C0:対象重金属の溶出量基準値(mg/L)
θ:対象重金属の土壌溶出量基準値に対して平衡状態における吸着量(g/kg)
X:土壌重量に対する鉄粉添加率(−) - 前記第2吸着鉄粉分離工程は、磁気エレメントが挿入された複数の管体を、管体径Dに対して、管体中心間ピッチPがP/D<2となるように千鳥配列した流路内に土壌スラリーを流すことを特徴とする請求項1記載の重金属類汚染土壌の処理方法。
- 前記第1吸着鉄粉分離工程において鉄粉を分離した後の土壌スラリーを、前記第一の工程、前記第二の工程、前記第三の工程のうちの一つ又は複数の工程で処理する処理対象に添加することを特徴とする請求項1又は2記載の重金属類汚染土壌の処理方法。
- 重金属類汚染土壌を解砕する土壌解砕機と、該土壌解砕機により解砕された土壌を酸性溶液で洗浄する酸洗浄槽と、該酸洗浄槽により酸性溶液により洗浄された土壌に対して、重金属類を吸着する鉄粉を添加混合する鉄粉混合槽と、該鉄粉混合槽により鉄粉が添加された土壌より鉄粉を分離する吸着鉄粉分離装置とを有し、
該吸着鉄粉分離装置は、磁力選別、比重選別、篩選別のうち、いずれか1種又は2種以上の組合せからなる第1吸着鉄粉分離装置と、該第1吸着鉄粉分離装置で鉄粉を分離した土壌スラリーに対して管体表面が0.6テスラ以上の磁束密度の磁力選別機により前記土壌スラリー内に残置された鉄粉を分離して、該鉄粉の回収率Yが下式を満たすように回収する第2吸着鉄粉分離装置を備えたことを特徴とする重金属類汚染土壌の処理装置。
Y≧1−[10×C0/(θ×X)]
但し、
Y:投入鉄粉重量に対する鉄粉回収率(−)
C0:対象重金属の溶出量基準値(mg/L)
θ:対象重金属の土壌溶出量基準値に対して平衡状態における吸着量(g/kg)
X:土壌重量に対する鉄粉添加率(−) - 前記第2吸着鉄粉分離装置は、土壌スラリーを流す流路と、該流路内に管体表面が0.6テスラ以上の磁束密度となる磁気エレメントが挿入された複数の管体を有し、
該管体が管体径Dに対して、管体中心間ピッチPがP/D<2となるように前記流路内に千鳥配列されていることを特徴とする請求項4記載の重金属類汚染土壌の処理装置。 - 前記第1吸着鉄粉分離装置において鉄粉を分離した後の土壌スラリーを、前記土壌解砕機、前記酸洗浄槽、前記鉄粉混合槽のうちのいずれか又は複数に対して供給する土壌スラリー循環装置を設けたことを特徴とする請求項4又は5に記載の重金属類汚染土壌の処理装置。
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