上記基材は、上記本体部から延設されているとともに、上記基材には、上記複数の電極と上記電源部とを上記制御部を介して電気的に接続する複数のリード部が形成されていることが好ましい。この場合には、本体部と電極部とが一体的に形成されるとともに、電極部と電源部とを接続するコード等が不要となる。その結果、当該筋肉電気刺激装置の使い勝手が向上する。また、当該筋肉電気刺激装置は、シート状の基材が本体部から延設された構成であるため、薄型に形成しやすくなっている。これにより、当該筋肉電気刺激装置は、携帯性に優れるとともに、当該筋肉電気刺激装置を使用した状態でその上から着衣しても目立ちにくい。そのため、当該筋肉電気刺激装置は、外出時にも使用しやすいものとなる。
上記外縁突出部は、上記パッド貼り付け領域の外縁のうち、上記電極部と上記リード部との接続部を覆う部分を除いた全体に隣接するように形成されていることが好ましい。この場合には、パッドをパッド貼り付け領域に貼り付ける際に、パッドの縁部の略全体を外縁突出部に沿わせて貼り付けることができるため、パッドの位置ずれを一層抑制できる。そのため、パッドの位置ずれに特別の注意を払わなくとも、電極の露出を確実に防止することができ、パッドを貼り付ける際の手間が一層軽減される。
上記基材の一部が上記厚さ方向に陥没して凹部が形成されており、該凹部の内底面が上記パッド貼り付け領域を構成し、上記基材における上記凹部の外側領域が上記凹部の内側周面とともに上記外縁突出部を構成していることが好ましい。この場合には、基材に凹部を形成するだけで、パッド貼り付け領域と外縁突出部との両方を形成することができ、両者の形成が容易となるため、筋肉電気刺激装置1の製造作業性が向上する。
(実施例1)
実施例に係る筋肉電気刺激装置につき、図1〜図14を用いて説明する。
本例の筋肉電気刺激装置1は、図1、図2に示すように、本体部10、電源部20、電極部30、制御部40、操作部50、パッド35を備える。電源部20は、本体部10に収納されている。電極部30は、電源部20から電力が供給される。制御部40は、電極部30への電力供給を制御する。操作部50は、制御部40の制御態様を変更可能に構成されている。パッド35はゲル状であって、導電性及び粘着性を有し、電極部30に交換可能に貼り付けられている。そして、筋肉電気刺激装置1は、パッド35を介して電極部30から人体2に電気刺激を付与するように構成されている。
また、図2に示すように、電極部30は、シート状の基材33に電極311〜323が形成されてなる。図6(a)に示すように、基材33には、電極311を覆うようにパッド35が貼り付けられるパッド貼り付け領域36と、パッド貼り付け領域36の外縁361の少なくとも一部に隣接するとともにパッド35の厚さ方向Zに突出形成されてなる外縁突出部37と、が形成されている。そして、外縁突出部37における厚さ方向Zの長さ37aはパッド35の厚さ35aよりも短い。
なお、図6(a)では、電極311におけるパッド貼り付け領域36及び外縁突出部37について説明したが、他の電極312〜323についても同様にパッド貼り付け領域36及び外縁突出部37が形成されている。
以下、筋肉電気刺激装置1について詳述する。
本例の筋肉電気刺激装置1は、図5に示すように、人体2の腹部3に取り付けて使用される。そして、本例では、人体2の背丈の長手方向を身長方向Yとする。また、人体2の正面に面して、身長方向Yに平行でへそ3aを通る人体2の中心軸2aから人体2の右手5a側への方向を右方向X1とし、中心軸2aから人体2の左手5b側への方向を左方向X2とする。そして、右方向X1と左方向X2とを合わせて左右方向Xという。
図1に示すように、筋肉電気刺激装置1の中央には、本体部10が設けられている。図1及び図3に示すように、本体部10は、略円盤状をなしている。図4(a)、図4(b)に示すように、本体部10は、後述の電源部20及び制御部40を収納するケース11と、ケース11に取り付けられて筋肉電気刺激装置1の外殻を形成する外殻形成体12と、からなる。
図4に示すように、外殻形成体12は、後述の基材33が設けられる側の面12bと、その反対側の外表面12aとを有している。外殻形成体12はエラストマーからなり、本例では黒色のシリコン製である。そして、後述するように、基材33の表側面33bを覆うように、外殻形成体12から電極支持部121が延出されている。そして、電極支持部121の外表面121aには、図1に示すように、後述の各電極311〜313、321〜323の外縁に略沿った線状を成す着色領域122が形成されている。本例では、着色部122は橙色に着色されている。
図4(a)、図4(b)に示すように、ケース11は凹状をなす第1ケース111と、第1ケース111に取り付けられて、第1ケース111との間に制御部40を収納する収納部13を形成する第2ケース112とからなる。第1ケース111及び第2ケース112はいずれもABS製である。そして、第2ケース112の外縁に沿って、立設されたリブ112aが、第1ケース111の外縁部111aの内側に嵌合して第1ケース111に第2ケース112が接合されている。
第1ケース111には、図1、図4(b)に示すように、後述する操作部50の一部を形成する第1カンチレバー51a及び第2カンチレバー51bが形成されている。第1カンチレバー51a及び第2カンチレバー51bは、第1ケース111の壁の一部をくり抜いて片持ち梁の状態に形成されている。第1カンチレバー51aと第2カンチレバー51bとは、身長方向Yの上側から下側に向かって、この順で配列している。
図1、図4(b)に示すように、両カンチレバー51a、51bは、外殻形成体12に覆われている。そして、外殻形成体12において、第1カンチレバー51aの直上には記号「+」が突出形成されており、第2カンチレバー51bの直上には記号「−」が突出形成されており、後述する操作部50の一部を形成する操作面54を形成している。両カンチレバー51a、51bの配列により、「+」が身長方向Yの上側となるとともに、「−」が身長方向Y下側となり、人間工学的に使用者が操作しやすいものとなっている。
図4(a)、図4(b)に示すように、第1ケース111と第2ケース112との間に形成された収納部13には、制御部40(図7参照)を形成する制御基板41が収納されている。制御基板41はプリント基板であって、制御基板41には図示しない配線パターンと電子部品42等とが設けられて、制御回路が形成されている。また、制御基板41には、表面実装型の小型のスピーカ43が電気的に接続されている。電子部品42及びスピーカ43の駆動電圧は、いずれも3.0Vとなっている。また、図示しないが、制御基板41には、電池21の出力電圧を昇圧する昇圧回路が搭載されている。これにより、電池21の電力は所定の電圧(例えば、40V)に昇圧されて電極部30に供給される。
図4(b)に示すように、収納部13には、操作部50を形成するスイッチ機構52も収納されている。スイッチ機構52はタクトスイッチであって、押下可能なスイッチ部53を備える。スイッチ機構52は制御部40に電気的に接続されている。スイッチ機構52は第1ケース111に形成された第1カンチレバー51a及び第2カンチレバー51bの直下にそれぞれ配設されている。これにより、第1ケース111を覆う外殻形成体12の操作面54を介して外部から第1カンチレバー51aを押圧すると、片持ち梁状態の第1カンチレバー51aが撓むことにより、スイッチ機構52のスイッチ部53が押下されるようになっている。そして、操作面54における押圧を解除すると、片持ち梁状態の第1カンチレバー51aの復元力により、第1カンチレバー51aは元の位置に戻ることとなる。第2カンチレバー51bにおいても同様に押圧及び押圧の解除が行われるように構成されている。
図4(a)、図4(b)に示すように、第2ケース112には、電源部20を構成する電池21を保持する電池保持部14が形成されている。これにより、本体部10に電源部20が内蔵されることとなっている。電池21は交換可能であって、例えば、コイン電池又はボタン電池とすることができる。本例では、電池21として、小型で薄型のコイン電池(リチウムイオン電池CR2032、公称電圧3.0V)を採用している。なお、当該電池21に替えて、公称電圧が3.0〜5.0Vの電池を採用することができる。
上記電池21が保持される電池保持部14には、電池21の脱落を防止する蓋15が着脱可能に取り付けられている。蓋15は、電池21よりも一回り大きい円盤状をなしており、その外周には蓋15と第2ケース112との間をシールするОリング16が嵌装されている。電池21は、図示しないリードを介して制御部40に電気的に接続されている。図2に示すように、第2ケース112には、蓋15の外周から放射状に延びる線状の溝113が等間隔に複数形成されている。
図4(a)、図4(b)に示すように、第2ケース112には、リブ112aの外側に突出した鍔部112bが形成されている。鍔部112bと第1ケース111の外縁部111aとの間には、図示しない防水用両面シールを介して、シート状の基材33が挟持されている。基材33はPET製である。図2に示すように、基材33は、本体部10からシート状に延出している。図1及び図3に示すように、操作面54が露出する側の面である基材33の表側面33bは、外殻形成体12から延出された電極支持部121により覆われている。そして、基材33における表側面33bと反対側の裏側面33aは、筋肉電気刺激装置1における外殻形成体12側の面(表側面)と反対側の裏面側の全域に広がっている。そして、基材33と電極支持部121とは、図示しない3M社製の粘着テープ及びシリコン接着処理剤によって接合されている。
図2及び図7に示すように、電極部30は第1電極群31と第2電極群32を備える。第1電極群31は、図5に示すように、腹部3に取り付けたときに中心線10aよりも人体2の右手側X1に位置するように、本体部10から延出している。第2電極群32は、図5に示すように、腹部3に取り付けたときに中心線10aよりも人体2の左手側X2に位置するように、本体部10から延出している。第1電極群31には、右側電極311〜313が含まれており、第2電極群32には、左側電極321〜323が含まれている。
各電極311〜313、321〜323はいずれも、角部が丸みを帯びた略長方形に形成されている。そして、各電極311〜313、321〜323の長手方向(例えば、第3右側電極313において符号wで示す方向)が、左右方向Xに概ね沿っている。本例では、各電極311〜313、321〜323はいずれも同一の形状を成している。各電極311〜313、321〜323の形状は、例えば、長手方向の長さをw、短手方向の長さをhとしたとき、h/wを0.40〜0.95、好ましくは0.50〜0.80とすることができ、本例では、h/wは0.55としている。
図2に示すように、各電極311〜313、321〜323の内側には所定大きさの六角形をなす電極非形成部34が所定間隔をあけて、複数形成されている。また、各右側電極311、312、313には、制御部40を介して電源部20に電気的に接続するためのリード部311a、312a、313aが本体部10から引き出されるようにそれぞれ形成されている。同様に、各左側電極321、322、323には、制御部40に接続するためのリード部321a、322a、323aが本体部10から引き出されるようにそれぞれ形成されている。各リード部311a〜313a、321a〜323aには、シリコンコーティングが施されており、外部と導通できないようになっている。また、各電極311〜313、321〜323においてリード部311a〜313a、321a〜323aに繋がる部分とその近傍領域(図2において、符号Cで示す斜線領域)にも、シリコンコーティングが施されており、外部と導通できないようになっている。これらにより、各リード部311a〜313a、321a〜323a及び斜線領域Cにおいて、肌と接触して通電することが防止されている。そして、かかるリード部311a〜313aを介して、各右側電極311〜313が互いに並列接続され、リード部321a〜323aを介して、各左側電極321〜323が互いに並列接続されている。
図2に示すように、電極部30は基材33の裏側面33aに形成されている。これにより、電極部30は本体部10と一体的に形成されている。なお、電極部30は基材33に埋め込むように形成することとしてもよい。本例では、電極部30は、銀ペーストを含む導電性インクを基材33の裏側面33aに印刷して形成されている。第1電極群31及び第2電極群32には合わせて4個以上の電極311〜313、321〜323が含まれている。本例では、第1電極群31と第2電極群32とはそれぞれ同数の電極311〜313、321〜323を含んでおり、その数はそれぞれ3個である。すなわち、第1電極群31には、第1右側電極311、第2右側電極312及び第3右側電極313が備えられている。第2電極群32には、第1左側電極321、第2左側電極322及び第3左側電極323が備えられている。そして、基材33において、第1右側電極311、第2右側電極312及び第3右側電極313が形成される部分をそれぞれ、第1右側基部331、第2右側基部332及び第3右側基部333とし、第1左側電極321、第2左側電極322及び第3左側電極323が形成される部分をそれぞれ、第1左側基部341、第2左側基部342及び第3左側基部343とする。
図2、図6(a)に示すように、基材33の裏側面33aには、パッド貼り付け領域36と、外縁突出部37が形成されている。パッド貼り付け領域36は、図2に示すように、各電極311〜313、321〜323毎に形成されており、角部に丸みを有する略矩形状であって、各電極311〜313、321〜323よりも一回り大きい形状を成している。各パッド貼り付け領域36の外形はいずれも略同一形状となっている。
外縁突出部37は、図2に示すように、パッド貼り付け領域36の外縁361の少なくとも一部に隣接するとともに、図6(a)に示すように、パッドの厚さ方向Zに突出形成されてなる。本例では、外縁突出部37は、パッド貼り付け領域36の外縁361のうち、電極311〜313、321〜323とリード部311a〜313a、321a〜323aとの接続部を覆う部分の外縁36aを除いた外縁全体に隣接するように形成されている。
そして、本例では、図6(a)に示すように、外縁突出部37は、パッド貼り付け領域36の外縁から基材33の縁部33bまで形成されている。これにより、パッド貼り付け領域36は、基材33の裏側面33aにおいて、外縁突出部37よりも凹状に形成されていることとなる。換言すると、基材33の一部が厚さ方向Zに陥没して凹部360が形成されており、凹部360の内底面が上記パッド貼り付け領域36を構成し、基材33における凹部360の外側領域が凹部360の内側周面361とともに外縁突出部37を構成している。
図6(b)、図6(c)に示すように、パッド貼り付け領域36には、パッド35が貼り付けられる。パッド35は、導電性及び粘着性を有し、ゲル状を成している。本例では、パッド35として、積水化成品工業株式会社製「テクノゲル(登録商標)」、型番SR−RA240/100を使用している。パッド35はシート状であるとともに、パッド貼り付け領域36の略同一形状であって、角部に丸みを有する略矩形状を有している。
そして、図6(b)に示すように、パッド35は、その縁部を外縁突出部37の壁面に沿わせつつ、パッド貼り付け領域36に載置することにより、パッド貼り付け領域36に貼り付けられる。これにより、各パッド35は、各電極311〜313、321〜323を個別に覆うこととなる。そして、パッド35は導電性を有するため、使用時には、各パッド35を介して、各電極311〜313、321〜323と腹部3(図5参照)との通電を可能としている。また、パッド35は高い粘着性を有するため、パッド35を介して、筋肉電気刺激装置1が腹部3に取り付けられるようになっている。
なお、本例では、図2、図6(c)に示すように、パッド35と外縁突出部37との間にクリアランス(隙間)が存在しないようになっているが、これに限らず、パッド35外縁突出部37との間にクリアランスを設けてもよい。すなわち、パッド35の平面視における外形を、パッド貼り付け領域36の外縁361の平面視形状よりも若干小さくすることにより、パッド35の側面35bと外縁突出部37との間の少なくとも一部に間隙を設けてもよい。当該クリアランスは、パッド35がパッド貼り付け領域36に貼り付けられたときに、各電極311〜323が露出しない範囲で適宜設定することができる。
上記クリアランスを設けた場合には、パッド35を交換する際に、パッド貼り付け領域36に貼り付けられたパッド35の端部と外縁突出部37との間に指等を差し入れやすくなり、当該パッド35を剥がしやすくなる。また、使用時において、クリアランスによって肌表面と基材33の裏側面33aとの間に空間部が形成されるため、通気性を高めることにより、汗の発生を抑制することができるとともに発生した汗を排出しやすくなる。
また、パッド35は、交換可能となっている。使用に伴ってパッド35の粘着力が低下したり、パッド35が破損したり、汚れが目立つようになったりした場合などには、新しいパッド35と交換することができる。また、パッド35を所定期間(例えば、1ヶ月、2か月など)ごとに、新しいパッド35と交換することとしてもよい。
図2に示すように、第1右側電極311、第2右側電極312及び第3右側電極313はいずれも、人体2(図5参照)の身長方向Yに平行で本体部10の中心を通る中心線10aよりも人体2の右手側X1(第1領域S1)に位置するように、本体部10から延出している。そして、第1右側電極311、第2右側電極312及び第3右側電極313は、身長方向Yに沿って上側から下側に向かってこの順で配列している。
一方、第1左側電極321、第2左側電極322及び第3左側電極323は、中心線10aよりも人体2の左手側X2(第2領域S2)に位置するように、本体部10から延出している。そして、第1左側電極321、第2左側電極322及び第3左側電極323も、身長方向Yに沿って上側から下側に向かってこの順で配列している。
そして、図2に示すように、第1電極群31と第2電極群32とが、腹部3(図5参照)に取り付けたときに、中心線10aを基準として線対称に位置するように構成されている。すなわち、腹部3に取り付けたときに中心線10aを基準として、第1右側電極311と第1左側電極321とが線対称に位置し、第2右側電極312と第2左側電極322とが線対称に位置し、第3右側電極313と第3左側電極323とが線対称に位置するように構成されている。
また、図2に示すように、第1電極群31及び第2電極群32は、腹部3(図5参照)に取り付けたときに、身長方向Yにおいて、第1電極群31及び上記第2電極群32のそれぞれにおける最も上側に位置する第1右側電極311と第1左側電極321とからなる一対の上側電極対301と、最も下側に位置する第3右側電極313と第3左側電極323とからなる一対の下側電極対303と、上側電極対301と下側電極対303との間に位置する一対の第2右側電極312と第2左側電極322とからなる中央電極対302と、が形成されるように構成されている。これにより、上側電極対301、中央電極対302及び下側電極対303は、身長方向Yに沿って上側から下側に向かってこの順で配列している。
そして、中央電極対302は、上側電極対301及び下側電極対303よりも本体部10から延設される方向(左右方向X)に突出している。すなわち、腹部3に取り付けたときに、中央電極対302を構成する第2右側電極312は、上側電極対301を構成する第1右側電極311及び下側電極対303を構成する第3右側電極313よりも右方向X1に突出している。同様に、中央電極対302を構成する第2左側電極322は、上側電極対301を構成する第1左側電極321及び下側電極対303を構成する第3左側電極323よりも左方向X2に突出している。
また、図2に示すように、上側電極対301は延出方向に向かうほど上側に位置するようにV字状に傾斜している。そして、上述の如く、各電極311〜313、321〜323は同一の大きさとなっている。一方、電極部30の基材33における各右側基部331〜333は各右側電極311〜313よりも大きくなっており、各左側基部341〜343は、各左側電極321〜323よりも大きくなっている。
また、図2に示すように、上側電極対301は、下側電極対303よりも本体部10から延設される方向(左右方向X)に突出している。すなわち、腹部3に取り付けたときに、上側電極対301を構成する第1右側電極311は、下側電極対303を構成する第3右側電極313よりも右方向X1に突出している。同様に、上側電極対301を構成する第1左側電極321は、下側電極対303を構成する第3左側電極323よりも左方向X2に突出している。
そして、図2に示すように、第1右側基部331の下方外縁部331aは右方向X1に膨出しており、第1左側基部341の下方外縁部341aは左方向X2に膨出している。
また、第2右側基部332の中央外縁部332aは右方向X1に若干膨出しており、第2左側基部342の中央外縁部342aは左方向X2に若干膨出している。
さらに、第3右側基部333の上方外縁部333aは右方向X1に膨出しており、第3右側基部333の下方外縁部333bは下方向(Y方向における下側方向)に膨出している。また、第3左側基部343の上方外縁部343aは左方向X2に膨出しており、第3左側基部343の下方外縁部343bは下方向に膨出している。
基材33における各基部331〜333、341〜343を上述のようにすることで、図1及び図5に示すように、筋肉電気刺激装置1を正面側から見たとき、筋肉電気刺激装置1が腹部3における腹直筋4を左右方向に包み込むように配される。また、電極配置も腹直筋4の区画4aに併せた配置となる事で、各筋肉を効率よく刺激することが期待できる。さらに、かかる形状であると認識されることにより、腹部3が引き締まって腹筋が割れたイメージを使用者に想起させることができる。これにより、筋肉電気刺激装置1を使用することにより、腹筋が割れて引き締まった腹部3とするためのイメージトレーニングの効果が得られる。(イメージトレーニングによる運動効果の向上は一般によく知られている。)
また、図2に示すように、第1電極群31及び第2電極群32において互いに隣り合う電極311〜313、321〜323の間には、本体部10に向かって切り込まれた切り込み部17が形成されている。本例では、第1右側電極311と第2右側電極312との間、第2右側電極312と第3右側電極313との間、第3右側電極313と第3左側電極323との間、第3左側電極323と第2左側電極322との間、第2左側電極322と第1左側電極321との間、及び第1左側電極321と第1右側電極311との間、の合計6カ所に切り込み部17が形成されている。さらに、本体部10の周囲には、貫通孔18が4カ所形成されている。
次に、本例の筋肉電気刺激装置1の構成について、ブロック図を用いて説明する。
図7に示すように、筋肉電気刺激装置1は、本体部10の内部に、電源部20、制御部40、操作部50を備えるとともに、肌検知部402及び電池電圧検出部406を備える。
肌検知部402は、電極部30が肌に接しているか否かを検知する。詳細には、肌検知部402は、電極部30に電気的に接続され、第1電極群31と第2電極群32との間の抵抗値を検出する。そして、検出した値と予め設定された閾値とを比較して、検出した値が閾値よりも小さいときに、第1電極群31及び第2電極群32に肌が接していることを検知する。
電池電圧検出部406は、電源部20における電池21の電圧を検知し、検知された電源部20における電池21の電池電圧Vが所定の閾値Vmよりも低いか否か判定する。本例では電池21の公称電圧Vは3.0Vであって、閾値Vmは2.1Vである。
図7に示すように、電源部20には、電池21が備えられる。また、制御部40には、出力調整部401、電源オフカウンタ403、タイマー404、出力モード切替部405及び出力モード記憶部405aが備えられる。出力調整部401は電極部30における出力電圧(出力レベル)を調整する。本例では、最大出力電圧は40Vであり、出力レベルが1下がるごとに、100%出力電圧が2.0V低下するように設定されている。出力レベルはレベル1からレベル15までの15段階となっている。
電源オフカウンタ403は、カウント開始信号を受けてからの経過時間を計測する。タイマー404は、出力開始信号を受けてからの経過時間を計測する。出力モード切替部405は、電極部30における出力モードを第1出力モード、第2出力モード及び第3出力モードのいずれかに切り替えるものであって、出力されるバースト波の周波数を設定する周波数設定部を構成している。出力モード記憶部405aには、第1出力モード、第2出力モード及び第3出力モードが記憶されている。第1出力モード、第2出力モード及び第3出力モードには、パルス群出力中断期間R1〜R5を有するバースト波パターンとしての基本波形が予め記憶されており、出力モード記憶部405aがバースト波パターン記憶部を構成している。なお、バースト波パターン記憶部405aは、プログラム上のバースト波の波形の定義記載も含むものとする。
次に、電極部30における出力モードについて、説明する。
まず、継続時間記憶部としての出力モード記憶部405aには、図8に示す5つのバースト波パターン(基本波形B1〜B5)が記憶されている。各基本波形B1〜B5は、パルス群出力期間Pとパルス群出力中断期間R1〜R5とからなる。すなわち、各基本波形B1〜B5は、共通のパルス群出力期間Pを有しているとともに、パルス群出力中断期間R1〜R5の長さが異なっている。
パルス群出力期間Pは、矩形波パルス信号S1〜S5が出力停止時間N1〜N5を挟んで複数出力される。本例では、5個の矩形波パルス信号S1〜S5が出力される。すなわち、パルス群出力期間Pは、第1の矩形波パルス信号S1、第1の出力停止時間N1、第2の矩形波パルス信号S2、第2の出力停止時間N2、第3の矩形波パルス信号S3、第3の出力停止時間N3、第4の矩形波パルス信号S4、第4の出力停止時間N4、第5の矩形波パルス信号S5、第5の出力停止時間N5の順に実行される。
そして、本例では、各矩形波パルス信号S1〜S5のパルス幅、パルス電圧は一定であり、出力停止時間N1〜N5の継続時間も一定である。本例では、各矩形波パルス信号S1〜S5のパルス幅が100μsであって、パルス電圧は100%出力時に±40Vであり、出力停止時間N1〜N5の継続時間は100μsである。そのため、パルス群出力期間Pの継続時間は1msとなっている。そして、各矩形波パルス信号S1〜S5における電圧極性は出力順に交互に変更されている。すなわち、第1の矩形波パルス信号S1、第3の矩形波パルス信号S3及び第5の矩形波パルス信号S5が正の極性を有し、第2の矩形波パルス信号S2及び第4の矩形波パルス信号S4が負の極性を有している。
上述のように、パルス群出力期間Pにおける各矩形波パルス信号S1〜S5のパルス幅及び各出力停止時間N1〜N5の継続時間はそれぞれ100μsである。そのため、パルス群出力期間Pにおける各矩形波パルス信号S1〜S5のパルス周期は200μsであって、十分短い。そのため、使用者はこれらの矩形波パルス信号S1〜S5を一つの電気刺激として認識することとなる。なお、パルス群出力期間Pにおける各矩形波パルス信号S1〜S5の周波数は5,000Hzである。
各基本波形B1〜B5において、パルス群出力中断期間R1〜R5はパルス信号を出力しない。そして、パルス群出力中断期間R1〜R5の継続時間は、パルス群出力期間Pの継続時間よりも長い。本例では、図8に示すように、パルス群出力期間Pの継続時間は、1msであり、パルス群出力中断期間R1〜R5の継続時間は、それぞれ、499ms、249ms、124ms、61.5ms、49msである。このように、パルス群出力中断期間R1〜R5は、パルス群出力期間Pにおける出力停止時間に比べて、非常に長い継続時間を有するものである。
したがって、図8に示すように、第1バースト波(2Hz)は、1msのパルス群出力期間Pと、499msのパルス群出力中断期間R1とからなる。すなわち、第1バースト波(2Hz)は、パルス群出力期間Pが2Hzの周波数で出力されるものである。
また、第2バースト波(4Hz)は、1msのパルス群出力期間Pと、249msのパルス群出力中断期間R2とからなる。すなわち、第2バースト波(4Hz)は、パルス群出力期間Pが4Hzの周波数で出力されるものである。
また、第3バースト波(8Hz)は、1msのパルス群出力期間Pと、124msのパルス群出力中断期間R3とからなる。すなわち、第3バースト波(8Hz)は、パルス群出力期間Pが8Hzの周波数で出力されるものである。
また、第4バースト波(16Hz)は、1msのパルス群出力期間Pと、61.5msのパルス群出力中断期間R4とからなる。すなわち、第4バースト波(16Hz)は、パルス群出力期間Pが16Hzの周波数で出力されるものである。
また、第5バースト波(20Hz)は、1msのパルス群出力期間Pと、49msのパルス群出力中断期間R5とからなる。すなわち、第5バースト波(20Hz)は、パルス群出力期間Pが20Hzの周波数で出力されるものである。
そして、基本波形B1〜B5を所定の組み合わせで所定期間繰り返し出力することにより、図9(a)〜(e)に示すように、所定のバースト波が出力されることとなる。そして、上述のように、使用者は、パルス群出力期間Pにおける複数の矩形波パルス信号S1〜S5を一つの電気刺激と認識することから、図9(a)に示すように、基本波形B1を繰り返す第1バースト波では、周波数2Hzの電気刺激が出力されることとなる。同様に、基本波形B2を繰り返す第2バースト波では、周波数4Hzの電気刺激が出力され、基本波形B3を繰り返す第3バースト波では、周波数8Hzの電気刺激が出力され、基本波形B4を繰り返す第4バースト波では、周波数16Hzの電気刺激が出力され、基本波形B5を繰り返す第5バースト波では、周波数20Hzの電気刺激が出力されることとなる。
そして、継続時間記憶部としての出力モード記憶部405aに記憶された第1〜第3出力モードは、出力モード記憶部405aに記憶された基本波形B1〜B5を適宜選択することにより、所定の周波数のバースト波を組み合わせて構成される。まず、表1に示すように、第1出力モードは、下記の第1ステータス〜第4ステータスを順に行うように構成されたウォームアップモードである。各ステータスの条件は以下のとおりである。
(1)第1ステータスでは、第1バースト波(2Hz)で20秒間、100%の出力を行う。なお、図10に示すように、第1ステータスにおける開始5秒間は出力電圧を0%から徐々に大きくして100%にする、いわゆるソフトスタートを行う。
(2)第2ステータスでは、第2バースト波(4Hz)で20秒間、100%の出力を行う。
(3)第3ステータスでは、第3バースト波(8Hz)で10秒間、100%の出力を行う。
(4)第4ステータスでは、第4バースト波(16Hz)で10秒間、100%の出力を行う。
そして、第1出力モードの継続期間(すなわち、第1ステータス〜第4ステータスの継続期間の合計)は1分間である。かかる第1出力モードでは、バースト波の周波数が2Hzから16Hzへ段階的に高くなるように構成されているため、第1出力モードをウォームアップモードと呼んでいる。
次に、表2に示すように、第2出力モードは、下記の第1ステータス〜第4ステータスを順に行うように構成されたトレーニングモードである。各ステータスの条件は以下のとおりである。
(1)第1ステータスでは、第5バースト波(20Hz)で3秒間、100%の出力を行った後、出力なしを2秒間維持する。これを5分間繰り返す。
(2)第2ステータスでは、第5バースト波(20Hz)で3秒間、100%の出力を行った後、第2バースト波(4Hz)で2秒間、100%の出力を行う。これを5分間繰り返す。
(3)第3ステータスでは、第5バースト波(20Hz)で4秒間、100%の出力を行った後、第2バースト波(4Hz)で2秒間、100%の出力を行う。これを5分間繰り返す。
(4)第4ステータスでは、第5バースト波(20Hz)で5秒間、100%の出力を行った後、第2バースト波(4Hz)で2秒間、100%の出力を行う。これを5分間繰り返す。
なお、図10に示すように、第2出力モードでは第1ステータス〜第4ステータスにおけるそれぞれの開始5秒間は、出力電圧を0%から徐々に大きくして100%にする、いわゆるソフトスタートを行う。
そして、第2出力モードの継続期間は20分間である。かかる第2出力モードでは、周波数20Hzの第5バースト波を所定期間維持した後、出力なし又は周波数4Hzの第2バースト波を所定期間維持するため、筋肉を効果的に刺激するのに優れている。そのため、第2出力モードをトレーニングモードと呼んでいる。
次に、表3に示すように、第3出力モードは、下記の第1ステータス〜第4ステータスを順に行うように構成されたクールダウンモードである。各ステータスの条件は以下のとおりである。
(1)第1ステータスでは、第4バースト波(16Hz)で10秒間、出力を行う。
(2)第2ステータスでは、第3バースト波(8Hz)で10秒間、出力を行う。
(3)第3ステータスでは、第2バースト波(4Hz)で20秒間、出力を行う。
(4)第4ステータスでは、第1バースト波(2Hz)で20秒間、出力を行う。
なお、第3出力モードでは、各ステータスにおける出力は、図10に示すように、第1ステータス開始時には100%とし、第4ステータス終了時に50%となるように徐々に減少させる。
そして、第3出力モードの継続期間は1分間である。かかる第3出力モードでは、バースト波の周波数が16Hzから2Hzへ段階的に低くなるように構成されているため、第3出力モードをクールダウンモードと呼んでいる。
以上のように、第1出力モード(ウォームアップモード)、第2出力モード(トレーニングモード)及び第3出力モード(クールダウンモード)を連続して行った場合の合計時間は22分間となる。なお、本例では、図10に示すように、第1出力モードと第2出力モードとの間、及び第2出力モードにおける各ステータスの間の合計4カ所に、それぞれ2秒間の休止期間が設けられている。そのため、当該休止期間を含めた全行程の合計時間は22分8秒間となっている。
次に、本例の筋肉電気刺激装置1における使用態様について、以下に詳述する。
図11に示すメイン動作フローS100について説明する。メイン動作フローS100では、まず、操作面54の「+」を2秒間押下する(S101)。これにより、筋肉電気刺激装置1の電源がオンとなって、筋肉電気刺激装置1が起動されるとともに、起動されたことを通知する通知音(「ピー」)が、スピーカ43により発せられる(S102)。その後、筋肉電気刺激装置1は、出力待機状態となり出力レベルが0にされるとともに、操作部50の入力が無効化される(S103)
次に、肌検知部402により、電極部30に肌が接しているか否かを検知する(S104)。肌検知部402によって、電極部30に肌が接していることが検知された場合(S104のYes)は、操作部50を有効化する(S105)。そして、操作部50により出力レベルを入力する(S106)。出力レベルの入力は、操作部50の操作面54から行う。操作部50の操作面54の「+」を押すごとに出力レベルが1レベル大きくなり、操作面54の「−」を押すごとに出力レベルが1レベル小さくなる。出力レベルが設定されると、制御部40からタイマー404へ出力開始信号を送り、タイマー404において計測が開始される(S107)。また、出力レベルの操作は使用時間中(操作部50の有効化後から電源オフまで)のいつでも可能である。
タイマー404の計測開始時(経過時間0)から経過時間1分までの間は、電極部30における出力モードを第1出力モード(ウォームアップモード)とする(S108)。経過時間1分に達すると、周波数設定部としての出力モード切替部405により、電極部30における出力モードを第2出力モード(トレーニングモード)に切り替え、経過時間21分までの20分間維持する(S109)。経過時間21分に達すると、周波数設定部としての出力モード切替部405により、電極部30における出力モードを第3出力モード(クールダウンモード)に切り替え、経過時間22分までの1分間維持する(S110)。経過時間22分に達すると、タイマー404における計測を終了する(S111)。そして、筋肉電気刺激装置1を停止する(S112)。このように、S108からS111が行われることにより、第1出力モード(ウォームアップモード)、第2出力モード(トレーニングモード)及び第3出力モード(クールダウンモード)が1セット行われて、終了することとなる。
一方、肌検知部402によって、電極部30に肌が接していないと判定された場合(S104のNo)は、その旨を通知する通知音(「ピ、ピ、ピ」)が、スピーカ43により発せられる(S113)。そして、制御部40から電源オフカウンタ403へカウント開始信号を送り、電源オフカウンタ403において経過時間の計測をスタートする(S114)。
次に肌検知部402により、電極部30に肌が接しているか否かを検知する(S115)。肌検知部402によって、電極部30に肌が接していることが検知された場合は、上述のステップS103に戻って、出力待機状態となる(S115のYes)。一方、肌検知部402によって、電極部30に肌が接していないと判定された場合(S115のNo)は、電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えたか否かを判定する(S116)。電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えていないと判定された場合(S116のNo)は、再度S115に戻り、肌検知部402により、電極部30に肌が接しているか否かを検知する。一方、S116において、電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えていると判定された場合(S116のYes)は、筋肉電気刺激装置1の電源がオフとなる(S117)。
次に、上述のメイン動作フローS100におけるS105〜S110の間に割り込んで優先処理される割り込み処理について説明する。図12に示すように、第1の割り込み処理として、肌検出割り込み処理S200が行われる。肌検出割り込み処理S200は、使用途中で電極が人体から離脱した場合に、自動的に電源をオフにする機能として用いられる。肌検出割り込み処理S200では、まず、肌検知部402により、電極部30に肌が接しているか否かを検知する(S201)。肌検知部402によって、電極部30に肌が接していることが検知された場合(S201のYes)は、メイン動作フローS100における元のフローへ戻る。一方、肌検知部402によって、電極部30に肌が接していないと判定された場合(S201のNo)は、その旨を通知する通知音(「ピ、ピ、ピ」)が、スピーカ43により発せられる(S202)。そして、制御部40から電源オフカウンタ403へカウント開始信号を送り、電源オフカウンタ403が経過時間の計測をスタートする(S203)。
次に肌検知部402により、電極部30に肌が接しているか否かを検知する(S204)。肌検知部402によって、電極部30に肌が接していることが検知された場合は、メイン動作フローS100のステップS103に戻る(S204のYes)。一方、肌検知部402によって、電極部30に肌が接していないと判定された場合(S204のNo)は、電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えたか否かを判定する(S205)。電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えていないと判定された場合(S205のNo)は、再度S204に戻り、肌検知部402により、電極部30に肌が接しているか否かを検知する。一方、S205において、電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えていると判定された場合(S205のYes)は、筋肉電気刺激装置1の電源がオフとなる(S206)。
次に、図13に示すように、上述のメイン動作フローS100におけるS105〜S110の間に割り込んで優先処理される第2の割り込み処理である電池電圧低下処理S300について説明する。電池電圧低下処理S300は、電池21の電池電圧が低下した場合に自動で電源をオフにする機能である。これにより、使用者は電池交換の対応が必要な場合等にこれを容易に知ることができる。まず、電池電圧検出部406により、検知された電源部20における電池21の電池電圧Vが所定の閾値Vmよりも低いか否か判定する(S301)。電池電圧Vが所定の閾値Vmよりも低くないと判定された場合(S301のNo)は、メイン動作フローS100における元のフローへ戻る。一方、電池電圧Vが所定の閾値Vmよりも低いと判定された場合は、その旨を通知する通知音(「ピ、ピ、ピ」)が、スピーカ43により発せられる(S302)。そして、制御部40から電源オフカウンタ403へカウント開始信号を送り、電源オフカウンタ403において経過時間の計測をスタートする(S303)。
次に、電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えたか否かを判定する(S304)。電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えていないと判定された場合(S304のNo)は、再度S304に戻る。電源オフカウンタ403における経過時間が2分を超えていると判定された場合(S304のYes)は、筋肉電気刺激装置1の電源がオフとなる(S305)。
次に、図14に示すように、上述のメイン動作フローS100におけるS105〜S110の間に割り込んで優先処理される第3の割り込み処理である中断処理S400について説明する。まず、制御部50により、操作部50における操作面54の「−」ボタンを押下している時間が2秒以上か否か判定する(S401)。「−」ボタンを押下している時間が2秒以上でないと判定された場合(S401のNo)は、メイン動作フローS100における元のフローへ戻る。一方、「−」ボタンを押下している時間が2秒以上であると判定された場合(S401のYes)は、筋肉電気刺激装置1の電源をオフにして終了する旨を通知する通知音(「ピー」)が、スピーカ43により発せられる(S402)。そして、電源をオフにする(S403)。
本例の筋肉電気刺激装置1の作用効果について、以下に詳述する。
本例の筋肉電気刺激装置1によれば、パッド貼り付け領域36の外縁に隣接して、パッド35の厚さ方向Zに突出する外縁突出部37が形成されている。これにより、パッド35をパッド貼り付け領域36に貼り付ける際に、外縁突出部37にパッド35の縁部を沿わせながらパッド35をパッド貼り付け領域36に載置して貼り付けることにより、パッド35の位置ずれを抑制することができる。これにより、使用者が電極部30(電極311〜323)の露出防止のために特別の注意を払わなくとも、パッド35は適正な位置に貼り付けられて、電極部30(電極311〜323)の露出が防止される。その結果、パッド35の取り付け作業の手間が軽減されることとなる。
また、万が一、パッド35が位置ずれしていたり、パッド貼り付け領域36よりも小さいパッドを使用したりした場合には、電極部30(電極311〜323)が露出するおそれがある。しかし、かかる場合には、使用時において、人体2(地肌)は、パッド貼り付け領域36の外縁に隣接して突出形成された外縁突出部37と接触して、パッド貼り付け領域36内に露出した電極部30(電極311〜323)に当接しにくくなっている。そのため、万が一、電極部30(電極311〜323)が露出した場合であっても、人体2(地肌)と電極311〜323とが直接通電することが防止される。また、パッド貼り付け領域36内に貼り付けたパッド35の側面の少なくとも一部が、外縁突出部37によって覆われることとなるため、パッド35の側面の当該少なくとも一部にゴミや埃が付着することを防止することができる。
また、本例では、基材33は、本体部10から延設されているとともに、基材33には、複数の電極311〜323と電源部20とを制御部40を介して電気的に接続する複数のリード部311a〜323aが形成されている。これにより、本体部10と電極部30とが一体的に形成されるとともに、電極部30と電源部20とを接続するコード等が不要となる。その結果、本例の筋肉電気刺激装置1の使い勝手が向上する。また、本例の筋肉電気刺激装置1は、シート状の基材33が本体部10から延設された構成であるため、薄型に形成しやすくなっている。これにより、本例の筋肉電気刺激装置1は、携帯性に優れるとともに、筋肉電気刺激装置1を使用した状態でその上から着衣しても目立ちにくい。そのため、筋肉電気刺激装置1は、外出時にも使用しやすいものとなる。
また、本例では、外縁突出部37は、パッド貼り付け領域36の外縁のうち、電極部30とリード部311a〜323aとの接続部を覆う部分の外縁36aを除いた外縁全体に隣接するように形成されている。これにより、パッド35をパッド貼り付け領域36に貼り付ける際に、パッド35の縁部の略全体を外縁突出部37に沿わせて貼り付けることができるため、パッド35の位置ずれを一層抑制できる。そのため、パッド35の位置ずれに特別の注意を払わなくとも、電極311〜323の露出を確実に防止することができ、パッド35を貼り付ける際の手間が一層軽減される。
なお、外縁突出部37は、パッド貼り付け領域36の外縁361のうち、外縁36aを除いた外縁全体に隣接するように形成されているとともに、外縁36aに隣接するように、リード部311a〜313a、321a〜323aを覆う被覆部材を設けることとしてもよい。当該被覆部材は、例えば、基材33と同一材料からなるようにできる。そして、当該被覆部材と外縁突出部37とによって、パッド貼り付け領域36の外縁361全体に隣接して囲むようにしてもよい。
また、本例では、基材33の一部には、厚さ方向Zにおいて陥没した凹部360が形成されており、凹部360の内底面がパッド貼り付け領域360を構成し、基材33における凹部360の外側領域が凹部360の内側周面361とともに外縁突出部37を構成している。これにより、基材33に凹部360を形成するだけで、パッド貼り付け領域36と外縁突出部37との両方を形成することができ、両者の形成が容易となるため、筋肉刺激装置1の製造作業性が向上する。
なお、本例では、上述のように、外縁突出部37は、凹部360は基材33の一部を陥没させて形成されている。これに替えて、電極311〜323と略面一に基材33の裏側面33aを形成するとともに、パッド貼り付け領域36の外縁361の少なくとも一部に隣接するように、基材33の裏側面33aに、基材22とは別部材である外縁突出部37を設けることとしてもよい。
なお、本例では、電極部30が形成される基材33は、本体部10から延設されるとともに、外殻形成体12から延設された電極支持体121が接着されることにより、電極部30と本体部10とが一体的に形成されることとした。これに替えて、基材33と本体10とを別体とするとともに、電極支持体121と外殻形成体12とを別体として形成することにより、本体部10と電極部30と非使用時において互いに分離可能なように構成してもよい。この場合には、電極部30を本体部10から分離して、他の形態の電極部と交換することができる。また、電極部30は電子部品を有さないため、分離することにより、電極部30を容易に洗浄することができる。
以上のように、本例によれば、パッド35を貼り付ける際の手間が軽減される筋肉刺激装置1を提供することができる。
なお、本例では、図6(a)に示すように、外縁突出部37は、パッド貼り付け領域36の外縁から基材33の縁部33bまで形成されおり、パッド貼り付け領域36が外縁突出部37よりも凹状に形成されるようにしたが、これに替えて、次の変形例1のようにもできる。変形例1では、図15、図16に示すように、外縁突出部37は、実施例1の場合の外縁突出部37(図2、図6(a)参照)に比べて、外縁突出部37の幅が狭くなっており、図16に示すように、パッド貼り付け領域36の外縁の隣接するリブ状に形成されている。これにより、使用時において、外縁突出部37と肌との接触面積が少なくなるため、肌面と基材33の裏側面33aとの間の通気性が向上するとともに、汗が発生した場合でも当該汗を肌面と基材33の裏側面33aとの間から排出しやすくなる。なお、当該変形例1においても、実施例1の場合と同等の作用効果を奏する。
また、変形例1では、外縁突出部37は、パッド貼り付け領域36の外縁361のうち、電極311〜313、321〜323とリード部311a〜313a、321a〜323aとの接続部を覆う部分の外縁36aを除いた外縁全体に隣接するように設けたが、これに替えて、例えば、図17に示す変形例2のように、電極322のパッド貼り付け領域36の外縁361のうち、パッド貼り付け領域36の外側(左方向X2)の両隅部の外縁362に隣接するように外縁突出部371を突出形成してもよい。
なお、変形例2では、図17に示すように、第2電極群32の電極322におけるパッド貼り付け領域36及び外縁突出部37について説明したが、第2電極群32における他の電極321、323については、図示しないが、電極322の場合と同様にパッド貼り付け領域36及び外縁突出部371が形成されている。また、第1電極群31の電極311〜313におけるパッド貼り付け領域36及び外縁突出部371は、図示しないが、中心線10aを対称軸として、第2電極群32のパッド貼り付け領域36及び外縁突出部371と線対称にそれぞれ形成されている。
この場合には、外縁突出部371が形成される領域が少なくなるため、使用時に肌面との接触面積を少なくでき、通気性を一層高めることができる。また、外縁突出部371が肌に触れにくくなるため、使用後に外縁突出部37が肌に当接した跡が残りにくい。また、各基部331〜333、341〜343の縁部は薄肉となっているが、外縁突出部371が形成されることにより、パッド貼り付け部36の縁部が厚くなって剛性が高まる。これにより、人体に貼り付けた状態から当該筋肉電気刺激装置1を取り外す際に、パッド貼り付け部36の縁部を持ち上げやすくなり、当該筋肉電気刺激装置1を取り外しやすくなる。そして、当該変形例2においても、実施例1において、外縁突出部37が接続部を覆う部分の外縁36aを除いた外縁全体に隣接するように設けたことによる作用効果を除いて、実施例1の場合と同等の作用効果を奏する。
また、本例では、第2出力モード(トレーニングモード)は、上述の表2に示す第1ステータス〜第4ステータスに基づいて実行した。これに替えて、次に示す変形例3のように、本例と同等の第1ステータス〜第4ステータスにおいて、第2ステータスと第3ステータスの間に、表4に示す第2aステータスを実行し、第3ステータスと第4ステータスとの間に、表4に示す第3aステータスを実行することとしてもよい。
変形例3では、表4に示すように、第2aステータス及びは第3aステータスは以下の通り行う。
(2a)第2aステータスでは、第2バースト波(4Hz)で10秒間、100%の出力を行った後、第3バースト波(8Hz)で10秒間、100%の出力を行い、さらにその後、第4バースト波(16Hz)で10秒間、100%の出力を行う。
(3a)第3aステータスでは、第2バースト波(4Hz)で10秒間、100%の出力を行った後、第3バースト波(8Hz)で10秒間、100%の出力を行い、さらにその後、第4バースト波(16Hz)で10秒間、100%の出力を行う。
なお、当該変形例3では、本例の第2出力モード(表2参照)に比べて第2aステータス及び第3aステータスが追加されているため、表4に示す第1出力モード(ウォームアップモード)、第2出力モード(トレーニングモード)及び第3出力モード(クールダウンモード)を連続して行った場合の合計時間は23分間となる。
第2aステータスでは、バースト波の周波数が4Hzから16Hzへ段階的に高くなるように構成されているため、第2aステータスから第3ステータスへ切り替え時の周波数変化が滑らかとなる。同様に、第3aステータスから第4ステータスへ切り替え時の周波数変化が滑らかとなる。そして、当該変形例3では、実施例1の場合に対して、第2aステータス及び第3aステータスが加わることにより、第2出力モード(トレーニングモード)における電気刺激のパターンが大きく変化することとなる。その結果、使用者における当該電気刺激への慣れによる体感の低下を防止することができ、より効果的に腹直筋を刺激することができる。また、第2aステータス・第3aステータスを設けることもより、電気刺激の付与によって疲労した筋肉における疲労物質を押し流す効果も奏する。なお、第2出力モード(トレーニングモード)をこのように設定した当該変形例3において、実施例1と同等の作用効果も奏する。
なお、実施例1では、6個の電極311〜313、321〜323を備えることとしたが、これに限らず、2個以上とすることができる。例えば、変形例4においては、図18、図19に示すように、電極として、実施例1の電極311、321と同様の構成ではあるが、一回り大きい電極311、321を2個備える。なお、変形例4において実施例1と同等の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。この場合にも、実施例1と同等の作用効果を奏する。そして、変形例4の筋肉電気刺激装置1によれば、電極が6個の場合(図2参照)に比べて、電極311、321の個数が少ないため、電極あたりの消費電力を大きくすることができることから、各電極311、321を一回り大きくしている。これにより、電極1つによって電気刺激を付与できる範囲が広がり、腕部、大腿部等の大きい部位の筋肉を刺激しやすくなっている。
なお、実施例1では、バースト波の周波数を変更する際には、周波数設定部(出力モード切替部405)がバースト波パターン記憶部(出力モード記憶部405a)に記憶されたバースト波パターンから所定のものを選択するようにしている。これに替えて、次の変形例5のようにすることもできる。変形例5では、図20に示すように、バースト波の周波数を選択する周波数選択部としての操作面54aと、中断期間継続時間算出部405bと、中断期間継続時間設定部405cと、を有する。
そして、中断期間継続時間算出部405bは、周波数選択部(操作面54a)により選択された周波数に基づいてパルス群出力中断期間の継続時間を算出する。
中断期間継続時間設定部405cは、中断期間継続時間算出部405bによって算出された上記継続時間に基づいて上記パルス群出力中断期間の継続時間を設定する。
なお、変形例5において実施例1と同等の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
かかる変形例5によれば、周波数選択部(操作面54a)によってバースト波の周波数を所望の周波数に設定することができるため、使用者の好み(収縮の強度・収縮と弛緩の間隔)に基づいて、バースト波の周波数を適宜設定することにより、使用者ごとに、一層効率的に筋肉を刺激することができる筋肉電気刺激装置1となる。なお、当該変形例5においても、バースト波の周波数の変更態様に関する作用効果を除いて、実施例1と同等の作用効果を奏する。